説明

薄膜形成のための回転システム及びその方法

【課題】エピタキシャル層の均一性に優れた有機金属気相成長装置を提供する。
【解決手段】有機金属気相成長装置は、サセプタ回転システム100を有する。サセプタ回転システム100は、回転殻112、サセプタ110、及び該サセプタ110の下部で、回転殻110及びサセプタ112を駆動して、サセプタ軸の周りを回転するように構成されている駆動部品を含む。加えて、該サセプタ回転システム100は、サセプタ110上に配置され、該サセプタ110とともにサセプタ軸の周りを回転し、かつ1以上の基板140を支持するように構成されている1以上の基板ホルダ130と、基板ホルダを支持するホルダギア132、及び1以上のホルダギア132と係合し、1以上のホルダギア132がサセプタ軸の周りを回転する場合に、1以上のホルダギア132をそれぞれ1以上のホルダ軸の周りを回転させるように構成されている中心ギア120を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(1. 発明の背景)
本発明は、材料製造の方法及びシステムに関する。より具体的には、本発明は、半導体材料のエピタキシャル層を形成するための回転システム(rotation system)及び関連の方法を提供する。単に例として、本発明は、有機金属気相成長に適用させている。しかし、本発明はより広範な適用性を有することが理解されるであろう。
【背景技術】
【0002】
薄膜蒸着は、宝石類、食卓用食器類、工具、金型及び/又は半導体素子などの様々な物品の表面処理に広く使用されている。多くの場合、耐摩耗性、耐熱性及び/又は耐腐食性を改善するために、金属、合金、セラミック及び/又は半導体の表面に、均一又は不均一な組成の薄膜が形成される。薄膜蒸着の技術は通常、少なくとも2つのカテゴリー、物理蒸着(PVD)と化学蒸着(CVD)に分類される。
【0003】
成膜技術及びプロセスパラメータに応じて、堆積される薄膜は、結晶質、多結晶質又は非晶質構造を有し得る。結晶性薄膜は多くの場合、集積回路の製造に重要なエピタキシャル層として使用される。例えば、エピタキシャル層は、半導体から作製され、かつ形成中にドープされて、酸素及び/又は炭素不純物に汚染されることなく、正確なドーパントプロファイルをもたらす。
【0004】
ある種の化学蒸着(CVD)は、有機金属気相成長(MOCVD)と呼ばれる。MOCVDにおいて、1以上の気相試薬及び/又はプリカーサを、1以上の半導体基板(例えば、1以上の半導体ウェハ)を含む反応チャンバに運ぶのに、1以上のキャリアガスが使用され得る。半導体基板の温度及びそれらの周囲温度を上昇させるために、半導体基板の背面は通常、高周波誘導又は抵抗により加熱される。温度上昇時に、1以上の化学反応が起こり、1以上の試薬及び/又はプリカーサ(例えば、気相中)が1以上の固体生成物に変換され、半導体基板の表面上に成膜される。
【0005】
特にMOCVDによって作製されたエピタキシャル層は、多くの場合、発光ダイオードを製造するのに使用される。これらのダイオードの品質は、反応チャンバ内部の流量安定性、及び/又は温度制御の精度などの様々な因子に影響される。これらの因子は、エピタキシャル層の均一性に大きな影響を与え得る。
【0006】
したがって、エピタキシャル層形成のための改善技術が非常に望まれている。
【発明の概要】
【0007】
(2. 発明の概要)
本発明は、材料製造の方法及びシステムに関する。より具体的には、本発明は、半導体材料のエピタキシャル層形成のための回転システム及び関連方法を提供する。単に例として、本発明は、有機金属気相成長に適用させている。しかし、本発明はより広範な適用性を有することが理解されるであろう。
【0008】
一実施態様によると、1以上の基板上に1以上の材料の1以上の層を形成するためのシステムは、回転殻、該回転殻に支持されたサセプタ部品、及び該サセプタ部品の下部で、回転殻及びサセプタ部品を駆動して、サセプタ軸の周りを回転するように構成されている駆動部品を含む。加えて、該システムは、サセプタ部品上に配置され、該サセプタ部品とともにサセプタ軸の周りを回転し、かつ1以上の基板を支持するように構成されている1以上のホルダギア、及び1以上のホルダギアがサセプタ軸の周りを回転する場合に、該1以上のホルダギアに係合され、該1以上のホルダギアをそれぞれ1以上のホルダ軸の周りに回転させるように構成されている中心ギアを含む。サセプタ軸は、1以上のホルダ軸とは異なるものである。
【0009】
別の実施態様によると、1以上の基板上に1以上の材料の1以上の層を形成するためのシステムは、回転殻、該回転殻に支持されたサセプタ部品、及び該サセプタ部品の下部で、回転殻及びサセプタ部品を駆動して、サセプタ軸の周りを回転するように構成されている駆動部品を含む。加えて、該システムは、サセプタ部品上に配置され、該サセプタ部品とともにサセプタ軸の周りを回転し、かつ1以上の基板を支持するように構成されている1以上のホルダギア、及び1以上のホルダギアがサセプタ軸の周りを回転する場合に、該1以上のホルダギアに係合され、該1以上のホルダギアをそれぞれ1以上のホルダ軸の周りに回転させるように構成されている中心ギアを含む。更に該システムは、サセプタ部品上部に、該サセプタ部品とは直接接触していない状態で配置されたシャワーヘッド部品を含む。
【0010】
更に別の実施態様によると、1以上の基板上に1以上の材料の1以上の層を形成する方法は、第1のギアをモーターによって回転するように駆動することを含む。第1のギアは、第2のギアに係合される。加えて、該方法は、第2のギアを第1のギアによって、サセプタ軸の周りを回転させることを含む。第2のギアは、回転殻に取付けられる。更に該方法は、回転殻を第2のギアによってサセプタ軸の周りを回転するように駆動すること、及びサセプタ部品を回転殻によってサセプタ軸の周りを回転させることを含む。該サセプタ部品は、1以上のホルダギアを支持するように構成されている。また該方法は、1以上のホルダギアをサセプタ部品によってサセプタ軸の周りを回転させることを含む。該1以上のホルダギアは、1以上の基板を支持するように構成されている。加えて、該方法は、1以上のホルダギアを中心ギアによってそれぞれ1以上のホルダ軸の周りを回転させることを含む。該中心ギアは、1以上のホルダギアに係合される。該1以上のホルダ軸は、サセプタ軸とは異なるものである。
【0011】
本発明によって、従来技術を上回る多くの利益が達成される。幾つかの実施態様によると、基板ホルダを回転するためのシステムを使用して、基板を回転する。例えば、該基板の回転は、基板上部の反応性ガスの均一性を改善し、かつ該基板上に形成される薄膜の均一性も改善することができる。別の実施例において、該基板の回転は、基板の背面の加熱を改善し、かつ薄膜の質を改善することができる。特定の実施態様によると、該基板ホルダを回転するためのシステムは、基板ホルダを支持するサセプタを含む。例えば、該サセプタは、基板ホルダをサセプタ軸の周りに回転させることができる。別の実施例において、該基板ホルダは、ホルダ軸の周りもそれぞれ回転する。更に別の実施例において、該基板ホルダを回転するためのシステムは、有機金属気相成長などの薄膜蒸着に使用される。
【0012】
実施態様に応じて、これらの利益の1以上が達成され得る。これらの利益並びに本発明の様々な追加的対象、特徴及び利点は、以下の詳細な説明及び添付の図面を参照して十分に認識することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
(3. 図面の簡単な説明)
【図1A−B】図1(A)及び(B)は、本発明の一実施態様による1以上の基板上に1以上の材料を形成するための回転システムを示す簡易図である。
【0014】
【図2A】図2(A)は、本発明の一実施態様による1以上のホルダギアに係合された中心ギアを有する回転システムを示す簡易図である。
【0015】
【図2B】図2(B)は、本発明の一実施態様による組立状態(assembled condition)における基板ホルダ、ホルダギア及びホルダリングを有する回転システムを示す簡易図である。
【0016】
【図3】図3は、本発明の一実施態様による1以上の基板上に1以上の材料を形成するための回転システムの一部である基板ホルダの回転を示す簡易図である。
【0017】
【図4】図4は、本発明の別の実施態様による1以上の基板上に1以上の材料を形成するための回転システムの一部である基板ホルダの回転を示す簡易図である。
【0018】
【図5A−B】図5(A)及び(B)は、本発明の一実施態様による1以上の基板上に1以上の材料を形成するための回転システムを含む反応システムを示す簡易図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
(4. 発明の詳細な説明)
本発明は、材料製造の方法及びシステムに関する。より具体的には、本発明は、半導体材料のエピタキシャル層形成のための回転システム及び関連方法を提供する。単に例として、本発明は、有機金属気相成長に適用させている。しかし、本発明はより広範な適用性を有することが理解されるであろう。
【0020】
図1(A)及び(B)は、本発明の一実施態様による1以上の基板上に1以上の材料を形成するための回転システムを示す簡易図である。これらの図は単なる例示に過ぎず、特許請求の範囲を不当に制限すべきものではない。当業者には多くの変形体、代替物及び修正が認められるであろう。回転システム100は、サセプタ110、回転殻112、内部ギア114、外部ギア116及びモーター118を含む。加えて、回転システム100は、中心ギア120を含む。更に回転システム100は、1以上の基板ホルダ130、1以上のホルダギア132及び1以上のホルダリング134を含む。例えば、基板ホルダ130を使用して1以上の基板140(例えば、1以上のウェハ)を保持する。別の実施例において、内部ギア114及び外部ギア116は駆動構体を形成し、これはモーター118も含む。
【0021】
上記のものは、システム100のための構成部品の選択群を使用して示されているが、多くの代替物、修正及び変形体が存在し得る。例えば、幾つかの構成部品は、拡張され及び/又は組み込まれ得る。他の構成部品を上記のものに挿着してもよい。実施態様に応じて、構成部品の構成は、代替される他のものと交換することができる。
【0022】
一実施態様において、回転殻112は、底で内部ギア114に固定され、最上部でサセプタ110を直接又は間接的に支持する。例えば、回転殻112は、最上部でサセプタ110に固定される。別の実施例において、内部ギア114は、外部ギア116に係合される。更に別の実施例において、外部ギア116は、モーター118によって回転するように駆動され、内部ギア114も回転させる。一実施態様によると、内部ギア114の回転は、回転殻112及びサセプタ110を共通の軸(例えば、サセプタ軸)の周りに回転するようにさせる。例えば、回転殻112は、旋回軸受を使用して回転することができる。別の実施態様によると、サセプタ110上に、1以上の基板ホルダ130、1以上のホルダギア132及び1以上のホルダリング134が存在する。例えば、1以上の基板ホルダ130、1以上のホルダギア132及び1以上のホルダリング134はまた、サセプタ110とともに共通の軸の周りを回転する。別の実施例において、1以上のホルダギア132のそれぞれは、基板ホルダ130を支持し、かつ1以上の基板ホルダ130のそれぞれは、1以上の基板140(例えば、1以上のウェハ)を運ぶように構成されている。
【0023】
幾つかの実施態様によると、中心ギア120は、1以上のホルダギア132に係合される。一実施態様において、中心ギア120は、1以上のホルダギア132がサセプタ110とともに共通の軸の周りを回転する場合、不動であり、1以上のホルダギア132をそれぞれその対応するホルダ軸の周りに回転させる。別の実施態様において、中心ギア120は、1以上のホルダギア132がサセプタ110とともに共通の軸の周りを同じ方向であるが、異なる速度で回転する場合に、一角速度で一方向に共通の軸の周りを回転し、1以上のホルダギア132をそれぞれその対応するホルダ軸の周りに回転させる。例えば、1以上のホルダギア132によるその対応するホルダ軸の周囲の回転の角速度は、中心ギア120と1以上のホルダギア132のそれぞれとの間のギア比によって、及び中心ギア120と共通の軸の周りの1以上のホルダギア132のそれぞれとの間の角速度比によって決定される。更に別の実施態様において、中心ギア120は、1以上のホルダギア132がサセプタ110とともに共通の軸の周りを別の方向に回転する場合に、共通の軸の周りを一方向に回転し、1以上のホルダギア132をそれぞれその対応するホルダ軸の周りに回転させる。
【0024】
特定の実施態様によると、1以上のホルダギア132は、1以上の基板ホルダ130に固定され、1以上の基板ホルダ130はまた、それぞれその対応するホルダ軸の周りに回転するようにされる。幾つかの実施態様によると、1以上のホルダギア132は、それぞれ1以上の玉軸受を介して1以上のホルダリング134と接触する。例えば、1以上のホルダリング134は、サセプタ110に固定され、そのため、それらは1以上のホルダギア132ととともに、それぞれホルダ軸の周りを回転しない。
【0025】
図1(A)に示されるように、基板ホルダ130、ホルダギア132及びホルダリング134は、これら構成部品を明確に示すために、解体された状態で示されており、かつ中心ギア120は、1以上のホルダギア132と分離して示されている。図2(A)は、本発明の一実施態様による1以上のホルダギア132に係合された中心ギア120を有する回転システム100を示す簡易図である。加えて、図2(B)は、本発明の一実施態様による組立状態における基板ホルダ130、ホルダギア132及びホルダリング134を有する回転システム100を示す簡易図である。これらの図は単なる例示に過ぎず、特許請求の範囲を不当に制限すべきものではない。当業者には多くの変形体、代替物及び修正が認められるであろう。
【0026】
上述され、ここで更に強調されるように、図1(A)、1(B)、2(A)及び2(B)は単なる例示に過ぎず、特許請求の範囲を不当に制限すべきものではない。当業者には多くの変形体、代替物及び修正が認められるであろう。例えば、1以上の基板ホルダ130を取り除いて、1以上のホルダギア132のそれぞれが、1以上の基板140(例えば、1以上のウェハ)を直接支持するように構成され、かつ1以上の基板140が、対応するホルダギア132とともに共通の軸の周りを及び/又は対応するホルダ軸の周りを回転するようにする。別の実施例において、1以上のホルダリング134は、図4に示されるように取り除かれる。
【0027】
図3は、本発明の一実施態様による1以上の基板上に1以上の材料を形成するための回転システム100の一部である基板ホルダ130の回転を示す簡易図である。この図は単なる例示に過ぎず、特許請求の範囲を不当に制限すべきものではない。当業者には多くの変形体、代替物及び修正が認められるであろう。
【0028】
図3に示されるように、1以上のホルダギア132のそれぞれは、その対応する基板ホルダ130を支持するのに使用される中空リングを形成する。例えば、1以上のホルダギア132のそれぞれ及びその対応する基板ホルダ130は、玉軸受320を使用してホルダ軸310の周りを回転する。別の実施例において、玉軸受320は、ホルダギア132の底溝(bottom grove)とホルダリング134の上部溝(top grove)との間に配置される。更に別の実施例において、ホルダリング134は、サセプタ110に固定される。
【0029】
図4は、本発明の別の実施態様による1以上の基板上に1以上の材料を形成するための回転システム100の一部として基板ホルダ130の回転を示す簡易図である。この図は単なる例示に過ぎず、特許請求の範囲を不当に制限すべきものではない。当業者には多くの変形体、代替物及び修正が認められるであろう。
【0030】
図4に示されるように、1以上のホルダギア132のそれぞれは、その対応する基板ホルダ130を支持するのに使用される中空リングを形成する。例えば、1以上のホルダギア132のそれぞれ及びその対応する基板ホルダ130は、玉軸受420を使用してホルダ軸410の周りを回転する。別の実施例において、玉軸受420は、内部リング430及びホルダリング134の溝の間に配置される。例えば、内部リング430は基板ホルダ130に固定される。
【0031】
図5(A)及び(B)は、本発明の一実施態様による1以上の基板上に1以上の材料を形成するための回転システム100を含む反応システムを示す簡易図である。これらの図は単なる例示に過ぎず、特許請求の範囲を不当に制限すべきものではない。当業者には多くの変形体、代替物及び修正が認められるであろう。
【0032】
例えば、図5(A)は、反応システム1100の側面図を示し、図5(B)は、反応システム1100の平面図を示す。別の実施例において、反応システム1100は、シャワーヘッド部品1110、サセプタ110、入口1101、1102、1103及び1104、1以上の基板ホルダ130、1以上の加熱デバイス1124、出口1140並びに中心部品1150を含む。更に別の実施例において、中心部品1150、シャワーヘッド部品1110、サセプタ110及び1以上の基板ホルダ130(例えば、サセプタ110上に配置される)は、入口1101、1102、1103及び1104、並びに出口1140を有する反応チャンバ1160を形成する。更に別の実施例において、1以上の基板ホルダ130のそれぞれは、1以上の基板140(例えば、1以上のウェハ)を運ぶのに使用される。
【0033】
上記のものは、システム1100のための構成部品の選択群を使用して示されているが、多くの代替物、修正及び変形体が存在し得る。例えば、幾つかの構成部品は、拡張され及び/又は組み込まれ得る。他の構成部品を上記のものに挿着してもよい。実施態様に応じて、構成部品の構成は、代替される他のものと交換することができる。
【0034】
一実施態様によると、入口1101は、中心部品1150内部に形成され、シャワーヘッド部品1110の表面1112と実質的に平行な方向に1以上のガスを提供するように構成されている。例えば、中心部品1150は、中心ギア120上部(例えば、その上)に配置される。別の実施例において、1以上のガスは、反応チャンバ1160の中央近くの反応チャンバ1160に流入し(例えば、上方に流れ)、次いで入口1101を通過して、反応チャンバ1160の中央から半径方向に外へ向かって流れる。別の実施態様によると、入口1102、1103及び1104は、シャワーヘッド部品1110内部に形成され、実質的に表面1112と垂直方向に、1以上のガスを提供するように構成されている。
【0035】
例えば、表1に示すように、様々な種類のガスが、入口1101、1102、1103及び1104を介して提供される。
【表1】

【0036】
一実施態様において、サセプタ110は、サセプタ軸1128(例えば、中心軸)の周りを回転するように構成されており、1以上の基板ホルダ130のそれぞれは、対応するホルダ軸1126(例えば、ホルダ軸310又は410)の周りを回転するように構成されている。別の実施態様において、1以上の基板ホルダ130は、サセプタ110とともにサセプタ軸1128の周りを回転することができ、かつその対応するホルダ軸1126の周りも回転する。例えば、同じ基板ホルダ130上の1以上の基板140は、同じホルダ軸1126の周りを回転することができる。
【0037】
一実施態様によると、入口1101、1102、1103及び1104、並びに出口1140のそれぞれは、サセプタ軸1128の周りに円形構造を有する。別の実施態様によると、1以上の基板ホルダ130(例えば、8の基板ホルダ130)は、サセプタ軸1128の周りに配置される。例えば、1以上の基板ホルダ130のそれぞれは、幾つかの基板140(例えば、7つの基板140)を運ぶことができる。
【0038】
図5(A)及び(B)に示されるように、記号A、B、C、D、E、F、G、H、I、J、L、M、N及びOは、幾つかの実施態様による反応システム1100の様々な寸法を表している。一実施態様において、
(1) Aは、サセプタ軸1128と入口1102の内縁部との間の距離を表し;
(2) Bは、サセプタ軸1128と入口1103の内縁部との間の距離を表し;
(3) Cは、サセプタ軸1128と入口1104の内縁部との間の距離を表し;
(4) Dは、サセプタ軸1128と入口1104の外縁部との間の距離を表し;
(5) Eは、サセプタ軸1128と入口1101との間の距離を表し;
(6) Fは、サセプタ軸1128と出口1140の内縁部との間の距離を表し;
(7) Gは、サセプタ軸1128と出口1140の外縁部との間の距離を表し;
(8) Hは、シャワーヘッド部品1110の表面1112とサセプタ110の表面1114との距離を表し;
(9) Iは、入口1101の高さを表し;
(10) Jは、シャワーヘッド部品1110の表面1112と出口1140との間の距離を表し;
(11) Lは、サセプタ軸1128と1以上の基板ホルダ130の1以上の外縁部それぞれとの間の距離を表し;
(12) Mは、サセプタ軸1128と1以上の基板ホルダ130の1以上の内縁部それぞれとの間の距離を表し;
(14) Nは、サセプタ軸1128と1以上の加熱デバイス1124の1以上の内縁部それぞれとの間の距離を表し;及び
(15) Oは、サセプタ軸1128と1以上の加熱デバイス1124の1以上の外縁部それぞれとの間の距離を表す。
【0039】
例えば、L引くMは、1以上の基板ホルダ130の直径である。別の実施例において、反応チャンバ1160の縦の寸法(例えば、Hで表される)は、20mm以下であるか、又は15mm以下である。更に別の実施例において、入口1101の縦の寸法(例えば、Iで表される)は、シャワーヘッド部品1110の表面1112とサセプタ110の表面1114との間の垂直距離(例えば、Hで表される)よりも小さい。更に別の実施例において、これらの寸法の幾らかの大きさを、下記表2に示す。
【表2】

【0040】
一実施態様において、1以上の基板ホルダ130は、サセプタ110上に配置される。別の実施態様において、1以上の加熱デバイス1124は、1以上の基板ホルダ130の下にそれぞれ配置される。例えば、1以上の加熱デバイス1124は、1以上の基板ホルダ130をそれぞれ越えて反応チャンバ1160の中央に向かって延出する。別の実施例において、1以上の加熱デバイス1124は、1以上のガスが1以上の基板ホルダ130に達する前に、入口1101、1102、1103及び/又は1104からの1以上のガスを予熱する。
【0041】
上述され、ここで更に強調されるように、図5(A)及び(B)は、単なる例示に過ぎず、特許請求の範囲を不当に制限すべきものではない。当業者には多くの変形体、代替物及び修正が認められるであろう。例えば、入口1102は、複数の入口に置き換えられ、及び/又は入口1104は、別の複数の入口に置き換えられる。別の実施例において、入口1102は、中心部品1150内部に形成され、実質的にシャワーヘッド部品1110の表面1112と平行方向に1以上のガスを提供するように構成されている。
【0042】
別の実施態様によると、1以上の基板上に1以上の材料の1以上の層を形成するためのシステムは、回転殻、該回転殻に支持されたサセプタ部品、及び該サセプタ部品の下部で、回転殻及びサセプタ部品を駆動して、サセプタ軸の周りを回転するように構成されている駆動部品を含む。加えて、該システムは、サセプタ部品上に配置され、該サセプタ部品とともにサセプタ軸の周りを回転し、かつ1以上の基板を支持するように構成されている1以上のホルダギア、及び1以上のホルダギアがサセプタ軸の周りを回転する場合に、該1以上のホルダギアに係合され、該1以上のホルダギアをそれぞれ1以上のホルダ軸の周りに回転させるように構成されている中心ギアを含む。サセプタ軸は、1以上のホルダ軸とは異なるものである。例えば、該システムは、少なくとも図1(A)、図1(B)、図2(A)及び/又は図2(B)により実施される。
【0043】
更に別の実施態様によると、1以上の基板上に1以上の材料の1以上の層を形成するためのシステムは、回転殻、該回転殻に支持されたサセプタ部品、及び該サセプタ部品の下部で、回転殻及びサセプタ部品を駆動して、サセプタ軸の周りを回転するように構成されている駆動部品を含む。加えて、該システムは、サセプタ部品上に配置され、該サセプタ部品とともにサセプタ軸の周りを回転し、かつ1以上の基板を支持するように構成されている1以上のホルダギア、及び1以上のホルダギアがサセプタ軸の周りを回転する場合に、該1以上のホルダギアに係合され、該1以上のホルダギアをそれぞれ1以上のホルダ軸の周りに回転させるように構成されている中心ギアを含む。更に該システムは、サセプタ部品上部に、該サセプタ部品とは直接接触していない状態で配置されたシャワーヘッド部品を含む。例えば、該システムは、少なくとも図1(A)、図1(B)、図2(A)、図2(B)、図5(A)及び/又は図5(B)により実施される。
【0044】
更に別の実施態様によると、1以上の基板上に1以上の材料の1以上の層を形成するための方法は、第1のギアをモーターによって回転するように駆動することを含む。第1のギアは、第2のギアに係合される。加えて、該方法は、第2のギアを第1のギアによってサセプタ軸の周りに回転させることを含む。第2のギアは回転殻に取り付けられる。更に該方法は、回転殻を第2のギアによってサセプタ軸の周りを回転するように駆動すること、及びサセプタ部品を回転殻によってサセプタ軸の周りに回転させることを含む。該サセプタ部品は、1以上のホルダギアを支持するように構成されている。また該方法は、1以上のホルダギアをサセプタ部品によってサセプタ軸の周りに回転させることを含む。該1以上のホルダギアは、1以上の基板を支持するように構成されている。加えて、該方法は、1以上のホルダギアを中心ギアによってそれぞれ1以上のホルダ軸の周りに回転させることを含む。該中心ギアは、1以上のホルダギアに係合される。該1以上のホルダ軸は、サセプタ軸とは異なるものである。例えば、該システムは、少なくとも図1(A)及び/又は図1(B)により実施される。
【0045】
本発明の特定の実施態様が記載されているが、記載の実施態様に相当する他の実施態様が存在することは、当業者には理解されるであろう。例えば、本発明の様々な実施態様及び/又は実施例は、組み合わせることができる。したがって、本発明は、特定の例示的実施態様によってではなく、添付の特許請求の範囲によってのみ制限される。
【図1A】

【図1B】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
1以上の基板上に1以上の材料の1以上の層を形成するためのシステムであって:
回転殻;
該回転殻に支持されたサセプタ部品;
該サセプタ部品の下部で、回転殻及びサセプタ部品を駆動して、サセプタ軸の周りを回転するように構成されている駆動部品;
該サセプタ部品上に配置され、サセプタ部品とともにサセプタ軸の周りを回転し、かつ1以上の基板を支持するように構成されている1以上のホルダギア;及び
該1以上のホルダギアに係合され、1以上のホルダギアがサセプタ軸の周りを回転する場合に、1以上のホルダギアをそれぞれ1以上のホルダ軸の周りに回転させるように構成されている中心ギアを含み、
ここで、サセプタ軸は、1以上のホルダ軸とは異なるものである、前記システム。
【請求項2】
前記1以上のホルダギアにそれぞれ取付けられ、該1以上のホルダギアとともにサセプタ軸の周りを回転するように構成されている1以上の基板ホルダを更に含み;
ここで:
該1以上のホルダギアが、1以上の基板ホルダを介して1以上の基板を支持するように更に構成されており;かつ
該1以上の基板ホルダが、1以上の基板を運ぶように更に構成されている、請求項1記載のシステム。
【請求項3】
前記中心ギアが、1以上のホルダギアがサセプタ軸の周りを回転する場合に、1以上の基板ホルダを1以上のホルダギアとともに、それぞれ1以上のホルダ軸の周りに回転させるように更に構成されている、請求項2記載のシステム。
【請求項4】
前記1以上のホルダギアのそれぞれが、中空リングを形成して、対応する基板ホルダを支持するように構成されており、該対応する基板ホルダが、1以上の基板ホルダから選択される、請求項2記載のシステム。
【請求項5】
前記中心ギアが、1以上のホルダギアがサセプタ軸の周りを回転する場合に、該サセプタ軸の周りを回転しないように更に構成されている、請求項1記載のシステム。
【請求項6】
前記中心ギアが、1以上のホルダギアが第2の方向に第2の角速度でサセプタ軸の周りを回転する場合に、該サセプタ軸の周りを第1の方向に第1の角速度で回転するように更に構成されている、請求項1記載のシステム。
【請求項7】
前記第1の方向及び第2の方向が異なり;かつ
前記第1の角速度及び第2の角速度が異なる、請求項6記載のシステム。
【請求項8】
前記駆動部品が、
サセプタ部品の下部に配置され、かつ回転殻に取付けられた第1のギア;及び
第1のギアに係合され、第1のギアをサセプタ軸の周りに回転させるように構成されている第2のギアを含む、請求項1記載のシステム。
【請求項9】
前記第1のギアをサセプタ軸の周りに回転させるために、前記第2のギアを駆動して回転するように構成されているモーターを更に含む、請求項8記載のシステム。
【請求項10】
前記1以上のホルダギアを支持するように構成され、かつ1以上のホルダギアをそれぞれ1以上のホルダ軸の周りを回転させる1以上の玉軸受を更に含む、請求項1記載のシステム。
【請求項11】
前記サセプタ部品に取付けられ、かつサセプタ部品と1以上のホルダギアとの間にそれぞれ配置される1以上のホルダリングを更に含む、請求項10記載のシステム。
【請求項12】
前記1以上の玉軸受のそれぞれが、1の対応するホルダリングの第1の溝と1の対応するホルダギアの第2の溝との間に配置され;
該対応するホルダリングが、1以上のホルダリングから選択され;
該対応するホルダギアが、1以上のホルダギアから選択され;かつ
第1の溝が第2の溝の下部に配置される、請求項11記載のシステム。
【請求項13】
前記1以上のホルダギアにそれぞれ取付けられ、かつ1以上のホルダギアとともにサセプタ軸の周りを回転し、1以上の基板をそれぞれ運ぶように構成されている1以上の基板ホルダ;
該サセプタ部品に取付けられた1以上の外部リング;及び
該1以上の基板ホルダに取付けられた1以上の内部リングを更に含む、請求項10記載のシステム。
【請求項14】
前記1以上の玉軸受のそれぞれが、1の対応する外部リングの外側の溝と1の対応する内部リングの内側の溝との間に配置され;
該対応する外部リングが、1以上の外部リングから選択され;かつ
該対応する内部リングが、1以上の内部リングから選択される、請求項13記載のシステム。
【請求項15】
前記1以上の内部リングが、前記1以上のホルダギアと直接接触されていない、請求項14記載のシステム。
【請求項16】
1以上の基板上に1以上の材料の1以上の層を形成するためのシステムであって:
回転殻;
該回転殻に支持されたサセプタ部品;
該サセプタ部品の下部で、回転殻及びサセプタ部品を駆動して、サセプタ軸の周りを回転するように構成されている駆動部品;
該サセプタ部品上に配置され、該サセプタ部品とともにサセプタ軸の周りを回転し、かつ1以上の基板を支持するように構成されている1以上のホルダギア;
1以上のホルダギアに係合され、かつ1以上のホルダギアがサセプタ軸の周りを回転する場合に、該1以上のホルダギアをそれぞれ1以上のホルダ軸の周りに回転させるように構成されている中心ギア;及び
該サセプタ部品の上部に、サセプタ部品とは直接接触していない状態で配置されたシャワーヘッド部品を更に含む、前記システム。
【請求項17】
1以上のガスを提供するように構成されている1以上の入口を更に含む、請求項16記載のシステム。
【請求項18】
前記1以上のガスが、アンモニア及び有機金属ガスを含む、請求項17記載のシステム。
【請求項19】
前記有機金属ガスが、TMG、TMA及びTMIからなる群から選択される、請求項18記載のシステム。
【請求項20】
1以上の基板上に1以上の材料の1以上の層を形成するための化学蒸着を実施するように更に構成されている、請求項16記載のシステム。
【請求項21】
前記1以上の材料が、III族窒化物材料を含む、請求項20記載のシステム。
【請求項22】
前記III族窒化物材料が、窒化アルミニウム、窒化ガリウム及び窒化インジウムからなる群から選択される、請求項21記載のシステム。
【請求項23】
前記中心ギア上部に配置された中心部品を更に含む、請求項16記載のシステム。
【請求項24】
少なくとも前記中心部品、前記シャワーヘッド部品及び前記サセプタ部品によって形成される反応チャンバを更に含む、請求項23記載のシステム。
【請求項25】
前記1以上のホルダギアにそれぞれ取付けられ、かつ該1以上のホルダギアとともにサセプタ軸の周りを回転し、1以上の基板を運ぶように構成されている1以上の基板ホルダを更に含む、請求項16記載のシステム。
【請求項26】
前記中心ギア上部に配置された中心部品;及び
前記1以上の基板ホルダの下部にそれぞれ配置され、かつ該1以上の基板ホルダよりもそれぞれ中心部品の近傍に延出した1以上の加熱デバイスを更に含む、請求項25記載のシステム。
【請求項27】
1以上の基板上に1以上の材料の1以上の層を形成するための方法であって:
第1のギアをモーターによって回転するように駆動すること、第1のギアは第2のギアと係合される;
第2のギアを第1のギアによってサセプタ軸の周りに回転させること、第2のギアは回転殻に取付けられる;
回転殻を第2のギアによってサセプタ軸の周りを回転するように駆動すること;
サセプタ部品を回転殻によってサセプタ軸の周りに回転させること、該サセプタ部品は1以上のホルダギアを支持するように構成されている;
該1以上のホルダギアをサセプタ部品によってサセプタ軸の周りに回転させること、該1以上のホルダギアは1以上の基板を支持するように構成されている;及び
該1以上のホルダギアを中心ギアによってそれぞれ1以上のホルダ軸の周りに回転させること、該中心ギアは1以上のホルダギアに係合される;を含み、
ここで、該1以上のホルダ軸は、サセプタ軸とは異なるものである、前記方法。

【図2A】
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【図2B】
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【図3】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【公開番号】特開2013−4956(P2013−4956A)
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−171454(P2011−171454)
【出願日】平成23年8月5日(2011.8.5)
【出願人】(511191923)ピネコネ エネルギエス, インコーポレイテッド (2)
【氏名又は名称原語表記】PINECONE ENERGIES, INC.
【住所又は居所原語表記】Taiwan Taipei Xinyi District, Keelund Road, Sec 2, No.51, 8F.‐9
【Fターム(参考)】