説明

薬剤溶出用ステントと共に使用する生体有益性ポリアミド/ポリエチレングリコールポリマー

本開示はポリマーを取り上げ、その一部は、医療用具への適用に有用である。該ポリマーは、少なくとも2つの異なるブロック、式(I)
【化1】


を持つ少なくとも1つのL1ブロック及び式(II)
【化2】


を持つ少なくとも1つのL2ブロックを含む。これらのポリマー、これらのポリマーの混合物を治療剤と共に含む医療用具並びにこれらのポリマー及び混合物の製造方法は、本開示の範囲内である。これら医療用具の一部は、たとえば、体腔のような哺乳類の体内に埋め込み可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生体有益性のコポリマーに関するものであり、その一部は、医療用具の適用に有用である。
【背景技術】
【0002】
経皮経管冠動脈形成術(PTCA)は、心臓疾患を治療する手段である。外科医は、上腕動脈又は大腿動脈を介して、バルーン部分を有するカテーテル部品を患者の循環器系に経皮的に導入する。外科医は、バルーン部分が閉塞性病変を横切って位置するまで、冠状動脈の脈管構造を通ってカテーテル部品を進める。いったん病変部を横切って位置したら、外科医は、バルーンを膨らませて病変部のアテローム硬化性プラークに対して放射状に圧迫し、血管壁を再構築する。次いで、外科医は、バルーンをしぼませてカテーテルを取り出す。
しかし、この方法は、内膜弁を創製し又は動脈内層を引き裂く可能性があり、それらは、バルーンを取り除いた後、導管を破壊し、閉塞させうる。さらに、処置の数ヵ月後にわたって、血栓症及び動脈の再狭窄が発生する可能性があり、それらは、別の血管形成処置又は外科的バイパス手術を必要とさせる可能性がある。動脈の閉塞、血栓症及び再狭窄を軽減するために、外科医は血管にステントを埋め込むことができる。
【0003】
機械的のみならず、生物学的治療を提供するのにもステントは使用される。機械的には、ステントは、物理的に開放を保持する、また、所望であれば、血管壁を拡張する足場として作用する。通常、ステントは小さな血管を介する挿入のために圧縮し、次いで所定の位置に来るとより大きな径に拡張する。Palmazに発行された米国特許第4,733,665号、Gianturcoに発行された同第4,800,882号及びWiktorに発行された同第4,886,062号は、PTCAステントの例を開示している。
【0004】
ステントに薬剤を適用することは、薬理学的治療を提供する。ステントに薬剤を適用することによって病変部位における局所の薬剤投与ができる。治療部位に有効な薬剤濃度を提供するために、全身性の治療は、有害な又は毒性のある効果を生じる濃度を必要とすることが多い。局所送付は、全身性の治療に比べて、さらに少ない全身性の薬剤レベルを有利に可能にする。このために、局所送付は、少ない副作用でさらに好都合な結果を生じる。ステントに薬剤を適用するために提案されている方法の1つには、ステントの表面にポリマーのキャリアをコートすることが関与する。この方法は、溶媒、溶解されたポリマー、及び溶解された又は分散された薬剤を含む溶液をステントに塗布する。溶媒が蒸発するにつれて、それは、含浸された薬剤、ポリマーのコーティングをステント表面に残す。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
現在の生体材料の研究は、埋め込み型医療用具へのタンパク質の吸着を制御することを目的としている。現在の生体材料は、制御されてないタンパク質の吸着を示し、部分的に変性したタンパク質の混合層の原因となっている。現在の表面は、フィブリノーゲンや免疫グロブリンGのようなタンパク質が吸着した結果生じた異なった細胞結合部位を含有する。血小板、及びマクロファージや好中球のような炎症性細胞がこれらの表面に接着する。そのようにして活性化されると、これらの細胞は、多種多様な炎症誘発性及び増殖性の因子を分泌する。非付着性の表面はこれらの事象を制御する。従って、主としてその親水性のために、表面はタンパク質をほとんど、又は全く吸着しない。先行技術のアプローチの1つは、ヒアルロン酸及びポリエチレングリコールを用いて、これら表面を創出している。非付着性の表面又はコーティングは、生体有益性のコーティングの亜集団である。生体有益性コーティングは、薬学上又は治療上の活性剤(「薬剤」)の放出なしで、治療部位に恩恵を与える。別の種類の生体有益性のコーティングは、遊離のラジカルスカベンジャーを含有し、一酸化窒素を保護し、酸化的損傷を防ぐ。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、生体有益性のコポリマーに関するものであり、その一部は、医療用具の適用に有用である。これらの医療用具の一部は哺乳類の体内、たとえば、体腔または血管に埋め込み可能である。本開示の目的で、用語「生体有益性」は、薬剤を放出しないで、埋め込み型医療用具に生物学的有益性を付与する任意の表面に対する記載である。コポリマーは、少なくとも2つの異なったブロック、以下の式Iに示される構造式を持つ少なくとも1つのL1ブロック、
【化1】

及び以下の式IIに示される構造式を持つ少なくとも1つのL2ブロックを含む。
【化2】

【0007】
さらに一般的には、L1ブロックは、式IIIで示すことができる。
【化3】

【0008】
L1ブロックは、同一又は異なっている。Rは、それぞれ同一又は異なっており、1〜16の炭素数の(非)置換、(非)分枝のアルキル又は(非)置換、(非)分枝のジオール若しくはトリオールのオリゴマーである。kは、各L1ブロックで同一又は異なる6〜460の範囲である。同様に、L2ブロックは、同一又は異なっており、jは、各L2ブロックで同一又は異なる2〜30の範囲である。一部の実施形態は同一であるようにRを選択し、一部の実施形態は異なるようにRを選択する。Rの例には、エチレングリコール、プロピレングリコール(1,2−、及び1,3−置換の異性体)、テトラメチレングリコール(1,2−、1,3−、1,4−及び2,3−置換の異性体)、ヘキサメチレングリコール(1,2−、1,3−、1,4−、1,5−、1,6−、2,3−、2,4−、2,5−、3,4−置換の異性体)のオリゴマーが挙げられる。当業者は、最初及び最後の炭素原子で置換された場合、前述のグリコールは非分枝部分を生じ、そのほかの置換パターンによって分枝部分を生じることを認識する。ポリオールの混合物を使用するいくつかの実施形態が想定される。ポリオールのオリゴマーに加えて、Rは(非)分枝のアルキル、アルケニル又はアルキニルの部分であることができる。開示を通しての多数の例では、R基は、エチレン又はエチレングリコールの単位として規定される。ここで、式は、この段落で定義されるようにR基でその属性を表すように意図され、示されるような特定のR基によって種を表すように意図される。また、明瞭さの点として、L1ブロックのポリエステル部分がPEGであるように選択されたのであれば、上記L1ブロックは、定義されたRと共に式IVで以下にのように書かれ、L1部は、ジアミドである。
【化4】

【0009】
L1及びL2は独立して上記式Vで示される式との結合を表す。
【化5】

【0010】
この式では、Y及びZが同一である場合には、
【化6】

ではないという条件で、Y及びZは以下の構造表1に示す部分から独立して選択される。
【化7】

上の列記では、黒丸は、Y又はZがL1又はL2のフェニル環にそれぞれ結合する位置を示す。
【0011】
一部の実施形態では、これらのポリマーは、構造的なポリマーの医療用具を構成し、ポリマーの、金属の、セラミックの、ガラスの、又は複合材の医療用具のコーティングを構成する。これに加えて、これらのポリマーを、そのほかのポリマー、薬剤、又はその双方と混合することができる。これらのポリマーを用いた医療用具を作製する方法も同様に開示する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本開示は、生体有益性のポリアミド−ポリエチレン−グリコールポリマーのファミリーを明らかにする。一部の実施形態では、これらのポリマーは、埋め込み型医療用具の基材を構成する。一部の実施形態では、埋め込み型医療用具は、これらのポリマーを含む。そして、一部の実施形態では、これらのポリマーは、埋め込み型医療用具のコーティングを構成する。本ポリマーファミリーは、種々の反応物質の反応生成物を含む。ここで、反応物質は、以下の基本成分:テレフタル酸(式VII、下)又は同様の、1,4−二官能性置換ベンジル基、アミン末端のポリエチレングリコール又は以下に記載される別の基、及び少なくとも1つの脂肪族ジアミンを含む。本開示を通して、1,4−二置換のフェニル環又はベンジル環が参照される又は描写される。本開示について、そのような参照又は描写はには、少なくとも2、3、5又は6位にてフェニル環又はベンジル環がさらに置換される変異が含まれる。いかなる置換も許容される。
【化8】

【0013】
本発明の実施形態は、たとえば、ジェファミンポリマーのEDシリーズ(ヒューストンケミカル製)又はモノアミン末端PEG(シェアウォータポリマー製)のようなアミン末端ポリエチレングリコールを含有する。これらのジェファミンポリマーは、鎖末端での幾つかのポリプロピレングリコール単位と共に、ポリエチレングリコールの主鎖を有する。ポリプロピレン単位は1級アミンを含有する。
【0014】
本発明の実施形態は、1,2−エタンジアミン(式VIII、下)、
【化9】

又は1,4−ブタンジアミン(式IX、下)
【化10】

のような脂肪族ジアミンを含有する。
【0015】
これらジアミンは双方とも、生体内での使用がその放出を引き起こすことありそうにないという事象において生体適合性である。本発明のポリマーの合成は、標準的なナイロン重合法を用いた簡単なものである。そのほかの有用なジアミンは、1,5−ペンタンジアミン、1,6−ヘキサンジアミン及び1,6−ジアミノシクロヘキサンである。ジアミン主鎖からの分枝を有する実施形態は、本記載の範囲内である。一部の実施形態では、ジアミンは、直鎖又は分枝鎖の脂肪族ジアミノ化合物から選択される。ここで、アミノ基は1級又は2級であり、ジアミン当たりの炭素の総数は16以下である。
【化11】

【0016】
式Xにおいて、Rは、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリイソブチレン、ポリイソプレン、ポリブテン、ポリ(ヘキサメチレングリコール)、ポリ(テトラメチレングリコール)、又はポリ(プロピレングリコール)であることができ、Rは、26〜500ダルトンの分子量を有する。一部の実施形態は、RとPEGとの間に任意の結合を有するとして記載することができる。この結合は、上記、構造表1に示されるもののいずれであってもよい。
【0017】
一部の本発明実施形態は、1級アミンであるように、アミン末端ポリエチレングリコール又は脂肪族ジアミン又はその両方を選択する。当業者は、アミン末端ポリエチレングリコール又は脂肪族ジアミンの代わりに2級アミンを用いて同様の化合物が生じることを認識する。本開示は、2級アミンを用いて調製された結合を以下の式XIに示される「置換アミド結合」と定義する。
【化12】

【0018】
一部の本発明実施形態は、2級アミンであるように、アミン末端ポリエチレングリコール又は脂肪族ジアミン又はその両方を選択する。他方、一部の本発明実施形態は、アミン末端ポリエチレングリコール又は脂肪族ジアミン又はその両方から特に2級アミンを除外する。同様に、一部の本発明実施形態は、アミン末端ポリエチレングリコール又は脂肪族ジアミン又はその両方から1級アミンを除外する。
【0019】
生体吸収性の成分を含有するポリマーについては、生体有益性の成分も生体吸収性であるべきである。同様に、EVALのような生体安定性の成分を含有するポリマーについては、生体有益性の成分も理想的には同様に生体安定性である。これは、生体有益性の特徴は、急性の効果及び慢性、長期間の効果の両方を有するからである。たとえば、PEGは、インプラント表面でタンパク質の接着及び変性に抵抗することによって機能を果たす。
【0020】
そのほかの実施形態の間で、本開示は、ポリエステルの生体安定性の類であり、アミド(又はそのほか)の結合によってエステル結合の少なくとも一部の置換がある生分解性コポリマー、ポリアクティブを明らかにする。ポリアクティブは、PBT−PEGの商標名であり、オランダのイソチップ社から入手可能である。種々の商品名のポリアクティブでは、エチレングリコールに由来する単位とブチレンテレフタレートに由来する単位のモル比は、約0.01:1〜約1:1の間に入る。エチレングリコールに由来する単位の分子量は、約300〜約10,000ダルトンの間であることができる。ポリアクティブの構造は、以下の式XIIに示される。
【化13】

【0021】
ポリアクティブについては、kは、4〜230の範囲であり、さらに狭くは7〜91の範囲である。l、m及びnの値は、所定の分子量について互いを制約する。従って、mは1つに設定され、l及びnの値が2つのブロックの比及び総分子量を与える。lは、0.003〜0.060、さらに狭くは0.01〜0.45の範囲である。そしてnは30〜500、さらに狭くは100〜375の範囲である。
【0022】
アミド結合によるエステル結合の置換は、以下の式XIIIを生じる:
【化14】

【0023】
本発明のポリマーについては、kは4〜230、さらに狭くは7〜91の範囲である。lは、0.005〜2.0、さらに狭くは0.01〜1.6の範囲である。mは1つに設定される。nは20〜600、さらに狭くは40〜450の範囲である。
【0024】
一部の実施形態では、ポリアクティブにおけるすべてのエステル結合をアミド結合が置換する。或いは、一部の実施形態では、アミド結合が25〜100パーセントのエステル結合を置換し;アミド結合が50〜100パーセントのエステル結合を置換し;アミド結合が75〜100パーセントのエステル結合を置換し;アミド結合が95〜100パーセントのエステル結合を置換し;又はアミド結合が99〜100パーセントのエステル結合を置換する。或いは、一部の実施形態では、一部のアミド結合置換の後、25〜100パーセントのエステル結合が残り;一部のアミド結合置換の後、50〜100パーセントのエステル結合が残り;一部のアミド結合置換の後、75〜100パーセントのエステル結合が残り;一部のアミド結合置換の後、95〜100パーセントのエステル結合が残り;又は一部のアミド結合置換の後、99〜100パーセントのエステル結合が残る。
【0025】
このアミド置換によって、ポリアクティブからエステル結合が除かれ、又はポリアクティブにおける数に比べてエステル結合の数が減らされる。エステル結合は生体内で加水分解する。しかし、アミド結合は何倍も安定である。一部の本発明実施形態は、得られるポリマーが生体内環境で、1〜24ヵ月の時間で、或いは、2〜18ヵ月の時間で、或いは、3〜12ヵ月の時間で実質的に破壊されるようにポリマーの処方を選択する。本開示の目的において、実質的に破壊されるとは、技量のある熟練者が通常採用するような非侵襲性の診断処置がポリマーを生体内で検出できないことを意味する。
【0026】
一部の実施形態については、生体適合性は、材料が、ISO10993によって指定されたような以下の試験管内試験の少なくとも1つにパスする又はそれによって許容できることが見い出されることを意味する。これらの試験管内試験には、ISO10993−5細胞傷害性(これは、材料の抽出物を用いたL929マウスの線維芽細胞試験である);ISO10993−4血液適合性(これは、血栓症、凝固、血小板消費、血液学及び免疫学に関する特殊な試験である);ISO−10993−3遺伝毒性(これには、エームズ試験、マウス細胞のリンパ腫試験、及びチャイニーズハムスター卵巣細胞試験が含まれる)が挙げられる。
【0027】
一部の実施形態では、本発明のポリマーは、前記の式IIIで示される少なくとも1つのL1ブロック及び上記の式IIで示される少なくとも1つのL2ブロックを含む。これら本発明のポリマーでは、L1ブロックは、同一又は異なっており、kは、各L1ブロックで同一又は異なる6〜460の範囲である。同様に、L2ブロックは、同一又は異なっており、jは、各L2ブロックで同一又は異なる2〜30の範囲である。
【0028】
以下の式XIV及び式XVは、一部の本発明実施形態を表す。
【化15】

【0029】
これらの実施形態について、k、l、m、nは上で開示した値を取り、mは1に等しく、lと総分子量を定義するm及びnとの比を定義するようにlを残す。jは2〜30、さらに狭くは2〜6の範囲である。
【0030】
上で示すように、L1及びL2は独立して式Vを有する。一部の実施形態は、上で示すように独立して、L1及びL2を選択する。他の実施形態では、同一であるようにL1及びL2を意図して選択する。他の実施形態は、互いに異なるようにL1及びL2を意図して選択する。これら実施形態のいずれにおいても、Y及びZの適切な選択によって、エステル部分よりも生体内の加水分解に双方ともさらに耐性のあるY及びZが得られ、Y及びZの適切な選択によって、一方又は他方が、エステル部分よりも生体内の加水分解にさらに耐性のあるY及びZが得られ、或いは、Y及びZの適切な選択によって、エステル部分よりも生体内の加水分解に双方ともあまり耐性のないY及びZが得られる。当業者は、上で2級アミンが選択されれば、Y又はZに対して選択されるアミドはいずれも置換されたアミドであることを認識する。一部の本発明実施形態は、エステル、アミド、ウレタン、尿素、エーテル、カーボネート又はチオエステル又は相当する置換アミドの1つ又はその組み合わせと等しいY又はZを特に除外する。
【0031】
以下の構造表IIは、L1及びL2の非包括的な例を示す。
【化16】

【0032】
一部の本発明実施形態は、上記構造表IIに上に列記される部分の任意の1つ又はその組み合わせのいずれかに由来するL1及びL2を特に除外する。
【0033】
一部の本発明実施形態は、直鎖ポリマーを含み、一部は、そのようなもののみからなる。しかし、種々の本発明実施形態は、所望のように、分枝鎖の、架橋の、部分架橋の、又は非架橋のポリマーを含有することができる。一部の実施形態では、本発明のポリマーは、分枝鎖が10原子より多い0.1モル%未満の分枝鎖ポリマーを有し;或いは、本発明のポリマーは0.01モル%未満のそのような分枝鎖ポリマーを有し;或いは、本発明のポリマーは0.001モル%未満のそのような分枝鎖ポリマーを有する。一部の実施形態では、本発明のポリマーは、分枝鎖が10原子より多い0.1モル%より多い分枝鎖ポリマーを有し、或いは、本発明のポリマーは0.01モル%より多いそのような分枝鎖ポリマーを有し;或いは、本発明のポリマーは0.001モル%より多いそのような分枝鎖ポリマーを有する。一部の実施形態では、本発明のポリマーは、0.1モル%未満の架橋ポリマーを有し、或いは、本発明のポリマーは0.01モル%未満の架橋ポリマーを有し;或いは、本発明のポリマーは0.001モル%未満の架橋ポリマーを有する。一部の実施形態では、本発明のポリマーは、0.1モル%より多い架橋ポリマーを有し、或いは、本発明のポリマーは0.01モル%より多い架橋ポリマーを有し;或いは、本発明のポリマーは0.001モル%より多い架橋ポリマーを有する。部分架橋は、0.001モル%より多く0.1モル%未満の架橋ポリマーを有することを意味する。
【0034】
一部の例では、ポリマー主鎖からぶら下がった官能基を介して架橋が起きる。たとえば、一部の実施形態では、主鎖におけるウレタン又はアミドが、ジイソシアネートを介して架橋部位として役立つことができる。当業者は、ポリマー鎖間の架橋を達成する方法が本発明のコポリマーと共に機能することを認識する。たとえば、ポリマーをUV架橋するために、一部の実施形態は、モノマーにUV重合可能な基を有してもよい。そのような基は通常、アクリレート又はメタクリレートである。一般的なスキームの1つには、縮合重合の後、アクリレート基又はメタクリレート基をフェニル基の上に配置することが含まれる。別のスキームでは、アクリレート基又はメタクリレート基が、PEG系ジアミン、脂肪族ジアミン又は二官能性フェニル部分(たとえば、テレフタル酸)の上に存在する。本スキームは、アクリレート基又はメタクリレート基と反応しないように十分に縮合反応が選択的であれば、実行可能である。これによって別の部類のポリマーが生じる。
【0035】
一部の実施形態は、ポリマー、金属又は未処理の医療用具を含有する又はそれから構成される医療用具を含有する又はそれから構成される医療用具の上にコートされた本発明のポリマー、或いは医療用具上にすでに存在する薬剤コーティングの上にコートされた本発明のポリマーを含む。或いは、一部の実施形態は、医療用具と薬剤コーティングとの間に配置された本発明のポリマーを含む。また、一部の実施形態は、ポリマーに基づいた医療用具を構成する本発明のポリマー又は医療用具基材(埋め込み型又は非埋め込み型)を構成する本発明のポリマーを含む。一部の本発明実施形態は、ポリマーを含有するステント又はそれから構成されたステントから作製されない医療用具を含む。一部の本発明実施形態は、金属を含有を含有するステント又はそれから構成されたステントから作製されないステントを含む。
【0036】
一部の実施形態では、本発明のポリマーは、医療用具上のコーティングのための基材として役立つ。一部の実施形態では、コーティングは本発明のポリマーから成る又は以下に記載される2型のポリマーから成る下塗り層を含有する。一部の実施形態は、下塗り層を除外する。
【0037】
一部の実施形態は、たとえば、小型の疎水性薬剤のような従来の薬剤を本発明のポリマー(上記の実施形態のいずれかで議論されたような)に添加して、それを生体安定性の薬剤システムにする。一部の実施形態は、本発明のポリマーに従来の薬剤をグラフトする又は従来の薬剤を混合する。種々の生体有益性ポリマーと共に、混合物として本発明のポリマーをコートすることができる。さらに、それらは、生体有益性ポリマー層のための基礎層又は上塗り層として役立つ。
【0038】
選択された薬剤は、血管の平滑筋細胞の活性を阻害することができる。さらに具体的には、薬剤活性は、平滑筋細胞の異常な又は不適切な移動又は増殖を抑制して、再狭窄を防ぐ、抑制する、軽減する又は治療することを目的とする。薬剤はまた、本発明の実践において治療効果又は予防効果を発揮することができるいずれの物質も包含することができる。そのような活性剤の例には、抗増殖物質、抗腫瘍物質、抗炎症性物質、抗血小板物質、抗凝固性物質、抗フィブリン性物質、抗血栓性物質、細胞分裂抑制性物質、抗生物質、及び抗酸化物質、並びにこれらの組み合わせが挙げられる。抗増殖物質の例は、アクチノマイシンD又はその誘導体及び類縁体(ウィスコンシン州、53233、ミルウォーキー、ウエストセントポール通り1001番地のシグマ−アルドリッチにより製造される;又はメルクから入手可能なコスメゲン)である。アクチノマイシンDの同義語には、ダクチノマイシン、アクチノマイシンIV、アクチノマイシンI、アクチノマイシンX、及びアクチノマイシンCが挙げられる。抗腫瘍物質の例には、パクリタキセル及びドセタキセルが挙げられる。抗血小板物質、抗凝固性物質、抗フィブリン性物質、及び抗血栓性物質の例には、アスピリン、ヘパリンナトリウム、低分子量ヘパリン、ヒルジン、アルガトロバン、フォルスコリン、バピプロスト、プロスタサイクリン及びプロスタサイクリン類縁体、デキストラン、D−phe−pro−arg−クロロメチルケトン(合成抗血栓剤)、ジピリダモール、糖タンパク質IIb/IIIa血小板膜受容体拮抗剤抗体、組換えヒルジン、トロンビン阻害剤(バイオゲンから入手可能)及び7E−3B(登録商標)(セントコールの抗血小板薬)が挙げられる。細胞分裂抑制剤の例には、メソトレキセート、アザチオプリン、ビンクリスチン、ビンブラスチン、フルオロウラシル、アドリアマイシン及びムタマイシンが挙げられる。細胞静止剤又は抗増殖剤の例には、アンギオペプチン(イブセンのソマトスタチン類縁体)、アンギオテンシン変換酵素阻害剤、たとえば、カプトプリル(スクイブから入手可能)、シラザプリル(ホフマン・ラ・ロシュから入手可能)又はリシノプリル(たとえば、ニュージャージー州、ホワイトハウスステーションのメルク社から入手可能);カルシウムチャンネル遮断剤(たとえば、ニフェジピン)、コルヒチン、線維芽細胞増殖因子(FGF)拮抗剤、ヒスタミン拮抗剤、ロバスタチン(HMG−CoA還元酵素の阻害剤、メルク社のコレステロール低下剤)、モノクローナル抗体(たとえば、PDGF受容体)、ニトロプルシド、ホスホジエステラーゼ阻害剤、プロスタグランジン阻害剤(グラゾから入手可能)、スラミン(PDGF拮抗剤)、セロトニン遮断剤、チオプロテアーゼ阻害剤、トリアゾロピリミジン(PDGF拮抗剤)及び一酸化窒素が挙げられる。そのほかの有用な薬剤には、α−インターフェロン、遺伝子操作を施した上皮細胞、デキサメタゾン、エストラジオール、クロベタゾール、プロピオネート、シスプラチン、インスリン、増感剤、受容体チロシンキナーゼ阻害剤及びカルボプラチンが挙げられてもよい。薬剤への組成物の暴露が、薬剤の組成又は特徴を有害に変えるべきではない。従って、薬剤を含有する実施形態は、混合された組成物と相性が合う薬剤を選択する。ラパマイシンは好適な薬剤である。さらに、40−O−(2−ヒドロキシ)エチル−ラパマイシン又はその機能的類縁体又は構造的誘導体も同様に好適である。40−O−(2−ヒドロキシ)エチル−ラパマイシンの類縁体又は誘導体の例には、とりわけ、40−O−(3−ヒドロキシ)プロピル−ラパマイシン及び40−O−(2−ヒドロキシ)エトキシエチル−ラパマイシンが挙げられる。当業者は、たとえば、40−O−(2−ヒドロキシ)エチル−ラパマイシンのような薬剤の放出率を有利に制御するための種々の方法及びコーティングについて知っている。
【0039】
一部の実施形態は、抗増殖物質、抗腫瘍物質、抗炎症性物質、抗血小板物質、抗凝固性物質、抗フィブリン性物質、抗血栓性物質、細胞分裂抑制性物質、抗生物質、及び抗酸化物質の少なくとも1つ又はいかなる組み合わせも含有しない薬剤を選択する。一部の本発明実施形態は、それが、アクチノマイシンD又はアクチノマイシンDの誘導体及び類縁体、ダクチノマイシン、アクチノマイシンIV、アクチノマイシンI、アクチノマイシンX、アクチノマイシンC、パクリタキセル、ドセタキセル、アスピリン、ヘパリンナトリウム、低分子量ヘパリン、ヒルジン、アルガトロバン、フォルスコリン、バピプロスト、プロスタサイクリン、ロスタサイクリン類縁体、デキストラン、D−phe−pro−arg−クロロメチルケトン(合成抗血栓剤)、ジピリダモール、糖タンパク質IIb/IIIa血小板膜受容体拮抗剤抗体、組換えヒルジン、トロンビン阻害剤、7E−3B、メソトレキセート、アザチオプリン、ビンクリスチン、ビンブラスチン、フルオロウラシル、アドリアマイシン、ムタマイシン、アンギオペプチン、アンギオテンシン変換酵素阻害剤、カプトプリル、シラザプリル又はリシノプリル、カルシウムチャンネル遮断剤、ニフェジピン、コルヒチン、線維芽細胞増殖因子(FGF)拮抗剤、ヒスタミン拮抗剤、ロバスタチン、モノクローナル抗体、PDGF受容体、ニトロプルシド、ホスホジエステラーゼ阻害剤、プロスタグランジン阻害剤(グラゾから入手可能)、スラミン、PDGF拮抗剤、セロトニン遮断剤、チオプロテアーゼ阻害剤、トリアゾロピリミジン、一酸化窒素、α−インターフェロン、遺伝子操作を施した上皮細胞、デキサメタゾン、エストラジオール、クロベタゾール、プロピオネート、シスプラチン、インスリン、増感剤、受容体チロシンキナーゼ阻害剤、カルボプラチン、ラパマイシン、40−O−(2−ヒドロキシ)エチル−ラパマイシンの機能的類縁体、40−O−(2−ヒドロキシ)エチル−ラパマイシンの構造的誘導体、40−O−(3−ヒドロキシ)プロピル−ラパマイシン及び40−O−(2−ヒドロキシ)エトキシエチル−ラパマイシンの少なくとも1つ又は任意の組み合わせを含有しないように薬剤を選択する。
【0040】
一部の本発明実施形態は、薬剤又は薬剤の組み合わせを含み、一部は、薬剤又は薬剤の組み合わせを必要とする。上で具体的に列記された薬剤のうち、一部の本発明実施形態は、単一の薬剤又はこれらの薬剤の組み合わせを除外する。
【0041】
これらの混合物を処方して、これらの混合物、薬剤又は治療剤から成るコーティング、リザーバ又は粒子からの薬剤の放出率を変調又は調節すればよい。本発明のポリマーの機械的特性を変えるために他のポリマーとの混合物を処方することができる。従って、一部の本発明実施形態は、他のポリマー成分とのポリマー混合物を含む。本開示の目的で、これらのポリマー成分を2型ポリマーと呼ぶことがある。たとえば、2型ポリマーを本発明のポリマーに混合して機械的特性又は生物学的特性を改変すればよい。逆も又同様である。2型ポリマーには、とりわけ、ポリカプロラクトン、ポリ(D,Lラクチド)、ポリ(L−ラクチド)、ポリ(D,Lラクチド−co−L−ラクチド)、ポリ(グリコリド)、ポリ(D,Lラクチド−co−グリコリド)、ポリ(ジオキサノン)、ポリ(4−ヒドロキシブチレート)、ポリ(3−ヒドロキシブチレート)、ポリ(3−ヒドロキシバレレート)、ポリ(3−ヒドロキシブチレート−co−3−ヒドロキシバレレート)、ポリ(チロシン由来カーボネート)、ポリ(チロシンアリーレート)、ポリ(イミノカーボネート)、ポリ(炭酸トリメチレン)、ポリ(無水物)、ポリ(オルソエステル)及びポリ(エステルアミド)又はこれらのポリマーの組み合わせが挙げられる。一部の実施形態では、本発明のポリマーとのポリマー混合物は、ポリカプロラクトン、ポリ(D,Lラクチド)、ポリ(L−ラクチド)、ポリ(D,Lラクチド−co−L−ラクチド)、ポリ(グリコリド)、ポリ(D,Lラクチド−co−グリコリド)、ポリ(ジオキサノン)、ポリ(4−ヒドロキシブチレート)、ポリ(3−ヒドロキシブチレート)、ポリ(3−ヒドロキシバレレート)、ポリ(3−ヒドロキシブチレート−co−3−ヒドロキシバレレート)、ポリ(チロシン由来カーボネート)、ポリ(チロシンアリーレート)、ポリ(イミノカーボネート)、ポリ(炭酸トリメチレン)、ポリ(無水物)、ポリ(オルソエステル)及びポリ(エステルアミド)の少なくとも1つを含有しない。
【0042】
2型ポリマーにはまた、ポリ(ヒドロキシバレレート)、ポリ(L−ラクチド)、ポリカプロラクトン、ポリ(ラクチド−co−ラクチド)、ポリ(ヒドロキシブチレート)、ポリ(ヒドロキシブチレート−co−ヒドロキシバレレート)、ポリジオキサノン、ポリオルソエステル、ポリ無水物;ポリ(グリコール酸);ポリ(D,Lラクチド);ポリ(グリコール酸−co−炭酸トリメチレン)、ポリホスホエステル、ポリホスホエステルウレタン、ポリ(アミノ酸)、シアノアクリレート、ポリ(炭酸トリメチレン)、ポリ(イミノカーボネート)、コポリ(エーテル−エステル)(たとえば、PEO/PLA)、ポリアルキレンオキサレート、ポリホスファゼン、生体分子、たとえば、フィブリン、フィブリノーゲン、セルロース、デンプン、コラーゲン及びヒアルロン酸;ポリ(エステルウレタン);ポリ(エーテルウレタン);ポリ(ウレタン);ポリ(シリコーン−ウレタン);ポリウレタン類、シリコーン類、ポリエステル類、ポリオレフィン類、ポリイソブチレンとエチレン−αオレフィンのコポリマー;アクリル系ポリマー及びコポリマー;ビニルハロゲン化物ポリマー及びコポリマー、たとえば、ポリ塩化ビニル;ポリビニルエーテル類、たとえば、ポリビニルメチルエーテル;ポリビニリデンハロゲン化物、たとえば、ポリフッ化ビニリデン及びポリ塩化ビニリデン;ポリ(フッ化ビニリデン−co−ヘキサフルオロプロペン)、ポリ(フッ化ビニリデン−co−クロロトリフルオロプロペン);ポリアクリロニトリル;ポリビニルケトン;ポリビニル芳香族、たとえば、ポリスチレン;ポリビニルエステル、たとえば、ポリ酢酸ビニル;ビニルモノマー同士のコポリマー及びオレフィンとのコポリマー、たとえば、エチレン−メチルメタクリレートコポリマー、アクリロニトリル−スチレンコポリマー、ABS樹脂及びエチレン−酢酸ビニルコポリマー;ポリアミド、たとえば、ナイロン66及びポリカプロラクタム;アルキド樹脂、ポリカーボネート、ポリオキシメチレン、ポリイミド、ポリエーテル、エポキシ樹脂、ポリウレタン、レーヨン、レーヨン−トリアセテート、セルロース、酢酸セルロース、酪酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、セロファン、硝酸セルロース、プロピオン酸セルロース、セルロースエーテル及びカルボキシメチルセルロースも挙げられる。
【0043】
一部の本発明実施形態は、本発明のポリマーと共に2型ポリマーを含み、一部の本発明実施形態は、本発明のポリマーと共に2型ポリマーを必要とする。一部の本発明実施形態は、本発明のポリマーと共に少なくとも2つの2型ポリマーを配合することを含み、一部の本発明実施形態は、本発明のポリマーと共に少なくとも2つの2型ポリマーを配合することを必要とする。上で開示された2型ポリマーのうち、一部の本発明実施形態は、単一の2型ポリマー又は2型ポリマーの任意の組み合わせを除外する。
【0044】
本発明のポリマーが2型ポリマーと共に使用される一部の実施形態では、本発明のポリマーは2型ポリマーと混合される又は混ぜ合わせられる。
【0045】
たとえば、一部の実施形態は、PEG、ポリアクティブ、又はそのほかの生体有益性ポリマーと物理的に混合された本発明のポリマーを含む。さらに、一部の実施形態は、生体有益性ポリマー及び2型ポリマーと混合された本発明のポリマーを採用する。
【0046】
本開示の目的で、「生物学的結果を調節する」は、フィブリノーゲンの吸着、血小板の結合、接着するマクロファージ及び炎症性細胞の数、並びに炎症性細胞の活性化の程度をできるだけ抑えるために、ポリマーの生体有益性成分の含量を調整することを意味する。
【0047】
一部の実施形態は、多層配置において他のポリマーと組み合わせた本発明のポリマーを含む。たとえば、本発明のポリマーは、用具、医療用具、埋め込み型医療用具又はステントの上にコートされたポリマーのような別のポリマーの下又は上に置けばよい。この点で、本発明のポリマーはストレートに使用することができ、又は、それは、層を作る前の、別の本発明のポリマー若しくは2型ポリマーと混合される最初のBを使用することができる。一部の実施形態では、本発明のポリマーは別のポリマーの下にはなく、他の実施形態では、本発明のポリマーは別のポリマーの上になければならない。
【0048】
本発明で有用な埋め込み型用具の例には、自己拡張可能なステント、バルーン拡張可能なステント、ステント移植片、移植片(たとえば、大動脈移植片)、血管移植片、人工心臓弁、脳脊髄液シャント、ペースメーカーの電極、ガイドワイヤ、心室補助人工心臓、人工心臓、心肺バイパス回路、血液酸素付加装置及び心内膜のリード(たとえば、カリフォルニア州、サンタクララのガイダント社より入手可能なフィネリン及びエンドタック)が挙げられる。用具の下に置く構造は、事実上、いかなる設計のものでもよい。用具は、たとえば、コバルトクロム合金(エルギロイ)、ステンレス鋼(316L)、高窒素ステンレス鋼、たとえば、バイオドゥール108、コバルトクロム合金、L−605、「MP35N」、「MP20N」、エラスチナイト(ニチノール)、タンタル、ニッケルチタン合金、白金イリジウム合金、金、マグネシウム又はそれらの組み合わせのような、しかし、これらに限定されない金属材料又は合金から作製することができる。「MP35N」及び「MP20N」は、ペンシルベニア州、ジェンキンタウンのスタンダードプレススチール社から入手可能なコバルト、ニッケル、クロム及びモリブデンの合金の商標名であり、「MP35N」は、35%のコバルト、35%のニッケル、20%のクロム及び10%のモリブデンから成り、「MP20N」は、50%のコバルト、20%のニッケル、20%のクロム及び10%のモリブデンから成る。生体吸収性又は生体安定性のポリマーから作製される用具も本発明の実施形態と共に使用すればよい。
【0049】
一部の本発明実施形態は、自己拡張可能なステント、バルーン拡張可能なステント、ステント移植片、移植片(たとえば、大動脈移植片)、血管移植片、人工心臓弁、脳脊髄液シャント、ペースメーカーの電極、ガイドワイヤ、心室補助人工心臓、人工心臓、心肺バイパス回路、血液酸素付加装置及び心内膜のリードの少なくとも1つを除外するように、医療用具の類型を定義する。
【0050】
本発明の実施形態に係る、ステントのような埋め込み型医療用具のためのコーティングは、以下の3層
(a)任意の下塗り層、
(b)薬剤ポリマー層(「リザーバ」又は「リザーバ層」とも言う)又は、代わりにはポリマーを含まない薬剤層、及び/又は
(c)同様に薬剤を含有する又は薬剤を含まない、任意の上塗り層
を包含することができる多層構造であることができる。
【0051】
一部の本発明実施形態は、多層構造の1以上の層に本発明のポリマーが存在する多層構造を含む。
【0052】
一部の実施形態では、各医療用具のコーティング層を形成することは、ポリマー又はポリマーの混合物を溶媒又は溶媒の混合物に溶解すること、及び溶液を医療用具の上に塗布すること(たとえば、溶液で医療用具をスプレーすること又は医療用具を溶液に浸漬することによって)を含む。溶液を医療用具の上に塗布した後、溶媒を蒸発させることによってコーティングは乾燥する。高い温度での乾燥はその過程を加速する。
【0053】
上述のように、薬剤をポリマー溶液と混ぜ合わせることは、薬剤のリザーバ層への組み込みを提供する。或いは、薬剤を好適な溶媒又は溶媒の混合物に溶解し、薬剤溶液を医療用具に塗布することは、実質的にポリマーを含まない薬剤層を提供する。
【0054】
溶液として薬剤を導入する代わりに、たとえば、溶媒における懸濁のようなコロイドとして薬剤を導入することができる。薬剤の溶媒への分散は、従来の技法を用いる。たとえば、薬剤の性質のような種々の因子によって、当業者は、懸濁液の溶媒並びに分散される薬剤の量を選択することができる。一部の実施形態は、上述のように、これらの懸濁液をポリマー溶液と混合し、混合物を用具上に塗布する。或いは、一部の実施形態は、ポリマー溶液とそれを混合しないで、薬剤懸濁液を用具に塗布する。
【0055】
薬剤−ポリマー層を医療用具表面の少なくとも一部に直接塗布することができ、それは、少なくとも1つの活性剤又は薬剤のためのリザーバとして役立つ。任意の下塗り層を用具とリザーバの間に塗布してポリマーの医療用具への接着性を改善することができる。一部の実施形態は、リザーバ層の少なくとも一部に上塗り層を塗布し、上塗り層は、薬剤の放出率を制御するのを助ける律速膜として役立つ。
【0056】
一部の薬剤放出過程は少なくとも2つの工程を包含する。先ず、上塗りポリマーが、薬剤−ポリマー−上塗りの界面で薬剤を吸収する。次に、拡散経路としてポリマー分子間の空隙を利用して薬剤が上塗り層に拡散する。次に、薬剤は上塗り層の最外層に達し、血流へと離脱する。
【0057】
本発明のポリマーは、重縮合反応によって調製することができる。先ず、ピリジンを添加して放出されるHClを吸収しながら、アミン末端のPEGを塩化テレフタロイルと混ぜ合わせる。このブロックが反応した後、追加の塩化テレフタロイルと共に脂肪族ジアミンを加える。ポリアクティブの合成で使用されるように、抗酸化剤としてイルガノックス1330を添加してPEGを保護することができる。酸塩化物を用いて、テレフタル酸ジメチルを使用する経路を回避する。生成するメタノールを除去するための熱及び減圧の適用は、重合を促進するであろう。
【0058】
L1又はL2がアミド結合を含有するように調製されない場合、すなわち、L1及びL2が以下で示される構造を有さない場合、当然、この合成法に修正が行われなければならない。そのような修正は、当業者の技量レベルの範囲内で十分である。
【0059】
PEGブロックを十分に大きくし、硬質ブロックを小さく保つのに十分、ポリマーをランダムにすることによって、溶解性を調整することができる。
[合成例]
データの裏づけがない実施例1:PEG−テレフタルアミド/ブチレン−テレフタルアミドブロックコポリ(エーテルアミド)の合成
【0060】
窒素導入管、真空ライン、及び機械的撹拌器を備えた、500mlの三首丸底フラスコに、ジェフアミンED−600(37.36g、0.0623モル)(式XVIで以下に示す)を加える。フラスコを40℃に加熱し、10トール未満の減圧で2時間吸引し、水分を除く。窒素を導入し、フラスコを室温に冷却する。トリエチルアミン(26g、0.257モル)及び1,4−ブタンジアミン(34.86g、0.172モル)と共に、125mlの無水ジメチルホルムアミドを加える。塩化テレフタロイル(47.51g、0.234モル)を反応容器にゆっくり加え、溶液をゆっくり60℃に加熱して4時間反応させる。冷却後、2リットルの撹拌された脱イオン水に反応混合物をゆっくり加え、式XVIIで下に示す式のポリマーの沈殿を得る。
【化17】

データの裏づけがない実施例2:PEG−テレフタルアミドウレタン/ブチレンテレフタルアミドウレタンブロックコポリ(エーテルアミドウレタン)の合成
【0061】
窒素導入管、真空ライン、及び機械的撹拌器を備えた、500mlの三首丸底フラスコに、ジェフアミンED−2003(37.36g、0.0183モル)(式XVIIIで以下に示す)を加える。フラスコを60℃に加熱し、10トール未満の減圧で2時間吸引し、水分を除く。窒素を導入し、フラスコを室温に冷却する。ピリジン(20.88g、0.264モル)を加え、125mlのジメチルホルムアミドの溶液中に塩化4−イソシアネートベンゾイル(43.64g、0.24モル)をゆっくり加える。溶液をゆっくり60℃に加熱し、4時間反応させる。1,4−ブタンジアミン(19.61g、0.222モル)を加え、60℃にてさらに4時間反応させる。冷却後、2リットルの撹拌された脱イオン水に反応混合物をゆっくり加え、式XIX〜式XXIIの式で以下に示すポリマーの沈殿を得る。式XIX〜式XXIIの式のそれぞれは同一のポリマーを表し、唯一の差異は、ベンゾイル由来の基の配向性である。本発明の目的で、式XIX〜式XXIIの式の列記の1つは、式XIX〜式XXIIのそれぞれを表す。
【化18】

【0062】
本発明の特定の実施形態を示し、説明してきたが、さらに広い側面において本発明から逸脱することなく、変更及び修正を行うことができることは当業者に明らかであろう。従って、添付のクレームは、本発明の実施形態の真の精神及び範囲に入るものとしてそのような変更及び修正すべてをその範囲内に包含するものとする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも2つの異なったブロックを含むポリマーであって、前記ブロックが、
a)式
【化1】

又は
【化2】

を持つ少なくとも1つのL1ブロック、及び
b)式
【化3】

を持つ少なくとも1つのL2ブロックから選択され、その際、
c)L1ブロックは、同一又は異なっており、
i)各L1ブロックについてkは同一又は異なり、且つ
ii)6〜40の範囲であり、
d)Rは、
i)各出現について同一又は異なり、
ii)1〜16の炭素の(非)置換、(非)分枝のアルキル、アルケニル若しくはアルキニル部分、又は2〜16の炭素の(非)置換、(非)分枝のトリオールオリゴマーであり;
e)L2ブロックは、同一又は異なっており、
i)各L2ブロックについてjは同一又は異なり、且つ
ii)2〜16の範囲であり、
f)L1及びL2は独立して以下の式との結合であり、
【化4】

i)その際、Y及びZが同一であれば、それらは下式
【化5】

ではないという条件で、Y及びZは独立して以下の部分から選択される;
【化6】

ポリマー。
【請求項2】
Rが、エチレングリコール、プロピレングリコール(1,2−及び1,3−置換の異性体)、テトラメチレングリコール(1,2−、1,3−、1,4−及び2,3−置換の異性体)、ヘキサメチレングリコール(1,2−、1,3−、1,4−、1,5−、1,6−、2,3−、2,4−、2,5−及び3,4−置換の異性体)のオリゴマー又はそれらの混合物を包含する請求項1のポリマー。
【請求項3】
Y及びZが独立して
【化7】

から選択される請求項1のポリマー。
【請求項4】
Y及びZが独立して
【化8】

から選択される請求項1のポリマー。
【請求項5】
以下の式
【化9】

を持ち、式中、
a)Tは、1〜100の原子を含む、同一の又は異なった、任意の、生体適合性ポリマー又は非ポリマーの結合を表し;
b)lは0.005〜2.0の範囲であり;
c)mはlであり;
d)nは20〜600の範囲であり;
e)Rは、
i)各出現について同一又は異なり、且つ
ii)1〜16の炭素の(非)置換、(非)分枝のアルキル、アルケニル若しくはアルキニル部分、又は2〜16の炭素の(非)置換、(非)分枝のジオール又はトリオールのオリゴマーである請求項1のポリマー。
【請求項6】
Rが、エチレングリコール、プロピレングリコール(1,2−及び1,3−置換の異性体)、テトラメチレングリコール(1,2−、1,3−、1,4−及び2,3−置換の異性体)、ヘキサメチレングリコール(1,2−、1,3−、1,4−、1,5−、1,6−、2,3−、2,4−、2,5−及び3,4−置換の異性体)のオリゴマー又はそれらの混合物を包含する請求項5のポリマー。
【請求項7】
Tが、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリイソブチレン、ポリイソプレン、ポリブテン、ポリ(ヘキサメチレングリコール)、ポリ(テトラメチレングリコール)、ポリ(プロピレングリコール)又はそれらの混合物の少なくとも1つである請求項5のポリマー。
【請求項8】
Tが、26〜500ダルトンの分子量を有する請求項7のポリマー。
【請求項9】
Tが、以下の1以上の結合によって前記ポリマーに接続する請求項8のポリマー。
【化10】

【請求項10】
Y及びZが独立して
【化11】

から選択される請求項5のポリマー。
【請求項11】
Y及びZが独立して
【化12】

から選択される請求項5のポリマー。
【請求項12】
L1及びL2が独立して以下の結合基
【化13】

のいずれかから選択される請求項5のポリマー。
【請求項13】
L1及びL2が同一である請求項12のポリマー。
【請求項14】
L1及びL2が、以下の結合基
【化14】

のいずれかから選択される請求項5のポリマー。
【請求項15】
L1及びL2が同一である請求項14のポリマー。
【請求項16】
Y及びZが双方ともにはエステルではないという条件で、Y及びZがエステル、アミド、ウレタン、尿素、エーテル、カーボネート又はチオエステルである請求項5のポリマー。
【請求項17】
Y及びZが、アミド、ウレタン、尿素、エーテル又はカーボネートである請求項5のポリマー。
【請求項18】
Y及びZが、アミド、ウレタン又は尿素である請求項5のポリマー。
【請求項19】
配合されるY及びZの0〜75%が、
【化15】

である請求項5のポリマー。
【請求項20】
配合されるY及びZの0〜50%が、
【化16】

である請求項5のポリマー。
【請求項21】
配合されるY及びZの0〜25%が、
【化17】

である請求項5のポリマー。
【請求項22】
配合されるY及びZの0〜5%が、
【化18】

である請求項5のポリマー。
【請求項23】
配合されるY及びZの90〜99%が、
【化19】

である請求項5のポリマー。
【請求項24】
配合されるY及びZの75〜100%が、
【化20】

である請求項5のポリマー。
【請求項25】
配合されるY及びZの50〜100%が、
【化21】

である請求項5のポリマー。
【請求項26】
配合されるY及びZの25〜100%が、
【化22】

である請求項11のポリマー。
【請求項27】
a)L1ブロックが以下の式
【化23】

又は
【化24】

を有し、且つ
b)L2ブロックが以下の式
【化25】

を有する請求項1のポリマー。
【請求項28】
a)L1ブロックが以下の式
【化26】

の1つを有し、且つ
b)L2ブロックが以下の式
【化27】

の1つを有する請求項1のポリマー。
【請求項29】
少なくとも2つのブロックを含むポリマーであって、
a)第1のブロックが式
【化28】

を有し、
i)kは6〜460の範囲であり、且つ
ii)lは0.003〜0.60の範囲であり;
b)第2のブロックが式
【化29】

を有し、
i)jは2〜30の範囲であり、且つ
ii)mはlであり、ポリマーの重量平均分子量が38,000〜188,000ダルトンの範囲であるポリマー。
【請求項30】
少なくとも1型ポリマーを1つ含む医療用具であって、1型ポリマーが請求項1、4、5、7、10、13、15、24、28又は29に記載されるポリマーである医療用具。
【請求項31】
前記1型ポリマーが、前記用具の表面上にコートされてポリマーの層を形成する請求項30の医療用具。
【請求項32】
さらにもう1つの1型ポリマーを含む請求項30の医療用具。
【請求項33】
前記1型ポリマーが前記用具の表面上に配置されてポリマー層を形成し、もう1つの1型ポリマーが前記ポリマー層上に配置される請求項32の医療用具。
【請求項34】
さらに、2型ポリマーを含み、2型ポリマーが生体適合性ポリマーである請求項30の医療用具。
【請求項35】
2型ポリマーが、ポリカプロラクトン、ポリ(D,Lラクチド)、ポリ(L−ラクチド)、ポリ(D,Lラクチド−co−L−ラクチド)、ポリ(グリコリド)、ポリ(D,Lラクチド−co−グリコリド)、ポリ(ジオキサノン)、ポリ(4−ヒドロキシブチレート)、ポリ(3−ヒドロキシブチレート)、ポリ(3−ヒドロキシバレレート)、ポリ(ヒドロキシブチレート−co−ヒドロキシバレレート)、ポリ(チロシン由来カーボネート)、ポリ(チロシンアリレート)、ポリ(イミノカーボネート)、ポリ(炭酸トリメチレン)、ポリ(無水物)、ポリ(オルソエステル)及びポリ(エステルアミド)又はそれらの混合物から選択される請求項34の医療用具。
【請求項36】
前記1型ポリマーと前記2型ポリマーの混合物を含む請求項30の医療用具。
【請求項37】
前記混合物が、前記医療用具の表面上にコートされて層を創製する請求項36の医療用具。
【請求項38】
少なくとも1つの前面層及び1つの後面層を含み
a)前記前面層が2型ポリマーであり、前記後面層が1型ポリマーである;又は
b)前記前面層が1型ポリマーであり、前記後面層が2型ポリマーである請求項34の医療用具。
【請求項39】
さらに薬剤を含む請求項30の医療用具。
【請求項40】
さらに薬剤を含む請求項34の医療用具。
【請求項41】
前記薬剤が、抗増殖剤、抗腫瘍剤、抗炎症剤、抗血小板剤、抗凝固剤、抗フィブリン剤、抗血栓剤、細胞分裂抑制剤、抗生剤、抗酸化剤及びそれらの混合物から選択される請求項39の医療用具。
【請求項42】
前記用具が、自己拡張可能なステント、バルーン拡張可能なステント、ステント移植片、静脈、動脈又は大動脈の移植片、血管移植片、人工心臓弁、脳脊髄液シャント、ペースメーカーの電極、ガイドワイヤ、心室補助人工心臓、人工心臓、心肺バイパス回路、血液酸素付加装置及び心内膜のリードから選択される請求項41の医療用具。
【請求項43】
請求項30の医療用具をコートする方法であって、前記1型ポリマーが前記医療用具の表面上に0.5〜500ミクロンの厚さの層に溶着される方法。
【請求項44】
医療用具をコートする方法であって、
a)1型ポリマーが請求項1、4、5、7、10、13、15、24、28又は29に記載されるポリマーである少なくとも1つの1型ポリマーを前記医療用具の表面上に塗布すること;及び
b)適宜、2型ポリマーを塗布することを含む方法。
【請求項45】
工程a)が、
a)少なくとも1つの1型ポリマー、及び
b)少なくとも1つの薬剤を混合することを含む請求項44の方法。
【請求項46】
工程a)が、
a)少なくとも1つの1型ポリマー、及び
b)少なくとも1つの2型ポリマーを混合することを含む請求項44の方法。
【請求項47】
a)前記用具が、自己拡張可能なステント、バルーン拡張可能なステント、ステント移植片、静脈、動脈又は大動脈の移植片、血管移植片、人工心臓弁、脳脊髄液シャント、ペースメーカーの電極、ガイドワイヤ、心室補助人工心臓、人工心臓、心肺バイパス回路、血液酸素付加装置及び心内膜のリードから選択され;
b)前記用具がさらに薬剤を含み;
c)前記薬剤が、抗増殖剤、抗腫瘍剤、抗炎症剤、抗血小板剤、抗凝固剤、抗フィブリン剤、抗血栓剤、細胞分裂抑制剤、抗生剤、抗酸化剤及びそれらの混合物から選択され;且つ
d)前記1型ポリマーが前記医療用具の表面上に0.5〜500ミクロンの厚さの層に溶着される請求項30の医療用具。
【請求項48】
a)前記用具が、自己拡張可能なステント、バルーン拡張可能なステント、ステント移植片、静脈、動脈又は大動脈の移植片、血管移植片、人工心臓弁、脳脊髄液シャント、ペースメーカーの電極、ガイドワイヤ、心室補助人工心臓、人工心臓、心肺バイパス回路、血液酸素付加装置及び心内膜のリードから選択され;
b)前記用具がさらに薬剤を含み;
c)前記薬剤が、抗増殖剤、抗腫瘍剤、抗炎症剤、抗血小板剤、抗凝固剤、抗フィブリン剤、抗血栓剤、細胞分裂抑制剤、抗生剤、抗酸化剤及びそれらの混合物から選択され;且つ
d)前記1型ポリマーが前記医療用具の表面上に1〜1000ミクロンの厚さの層に溶着され;
e)前記用具がさらに2型ポリマーを含み;且つ
f)2型ポリマーが、ポリカプロラクトン、ポリ(D,Lラクチド)、ポリ(L−ラクチド)、ポリ(D,Lラクチド−co−L−ラクチド)、ポリ(グリコリド)、ポリ(D,Lラクチド−co−グリコリド)、ポリ(ジオキサノン)、ポリ(4−ヒドロキシブチレート)、ポリ(3−ヒドロキシブチレート)、ポリ(3−ヒドロキシバレレート)、ポリ(ヒドロキシブチレート−co−ヒドロキシバレレート)、ポリ(チロシン由来カーボネート)、ポリ(チロシンアリーレート)、ポリ(イミノカーボネート)、ポリ(炭酸トリメチレン)、ポリ(無水物)、ポリ(オルソエステル)及びポリ(エステルアミド)又はそれらの混合物から選択される請求項30の医療用具。
【請求項49】
以下の式
【化30】

を持つ請求項1のポリマー。
【請求項50】
以下の式
【化31】

を持つ請求項1のポリマー。

【公表番号】特表2007−518850(P2007−518850A)
【公表日】平成19年7月12日(2007.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−545750(P2006−545750)
【出願日】平成16年12月9日(2004.12.9)
【国際出願番号】PCT/US2004/041205
【国際公開番号】WO2005/066241
【国際公開日】平成17年7月21日(2005.7.21)
【出願人】(504183388)アドヴァンスド カーディオヴァスキュラー システムズ, インコーポレイテッド (40)
【Fターム(参考)】