説明

衝突回避装置

【課題】ユーザーが煩わしさを感じることのないPCS制御を行うことのできる衝突回避装置を提供する。
【解決手段】検出手段と、検出された物体を衝突判断対象物とし、当該衝突判断対象物と自車両とが衝突する可能性を判断する衝突判断手段と、衝突判断対象物と自車両との衝突を回避するための衝突回避制御を行う制御手段と、衝突回避制御を解除する解除手段と、自車両の位置を示す情報および自車両の車両情報の少なくとも一方の情報を取得する車両情報取得手段と、衝突回避制御の態様を変更する変更手段と、解除手段によって衝突回避制御が解除されたときの自車両の位置を示す情報を解除時位置情報として、解除手段によって衝突回避制御が解除されるときの自車両の車両情報を解除時車両情報として車両情報取得手段から少なくとも一方を取得し記憶する記憶手段とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、衝突回避装置に関し、より特定的には、車両に搭載される衝突回避装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、自車両の周囲の物体(他車両など)を対象物として検出して、当該検出結果に基づいて自車両と物体との衝突の可能性が高いか否か等を判断し、当該判断結果に応じて自車両を制御する衝突回避装置が実用化されている。
【0003】
具体的には、衝突回避装置が搭載されている自車両には、一般的に、自車両や当該自車両の周囲の物体を検出するための装置(例えばレーダ装置)が搭載されており、その検出結果に基づいて作動する機器が、自車両内に様々搭載されている。そして、衝突回避装置は、自車両と物体との衝突等の危険が迫っている場合、安全装置(エアバッグ装置、プリテンショナ付シートベルト、ブレーキ装置、シート調節装置、警報装置、バンパ移動装置等)を駆動させる。なお、衝突回避装置が行うこのような制御のことを、いわゆる衝突被害低減制御や衝突回避制御と称される(以下、PCS(Pre-Clash Safety)制御と称す)。
【0004】
例えば、上記制御を行う装置の一例として、特許文献1に開示されている技術がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−195579号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、特に自車両が低速で走行している場合、自車両と物体(例えば歩行者等)との衝突を確実に回避するために、自車両と物体との距離をある程度保って停車するのが望ましい。そのため、上記PCS制御においては、自車両と物体とが予め定められた距離(マージン距離と称すことがある)以下になった場合に当該自車両のブレーキ装置が作動するようになっている。なお、上記マージン距離は、ある程度距離に余裕をもって設定される。
【0007】
ここで、自車両のユーザーが自宅車庫に当該自車両を駐車するとき、仮にその車庫が非常に狭い場合を仮に想定する。そして、ユーザーは車庫の後ろの壁ぎりぎりまで接近して駐車することを望むとする。この場合、例えば、上記マージン距離を、ある程度余裕をもって設定した場合、車庫入れの途中で車庫の壁と自車両との衝突を避けるため、ブレーキ装置が作動してしまうことになり、ユーザーは煩わしさを感じるといった問題がある。
【0008】
しかしながら、上記特許文献1に開示されている技術は、このような問題に対処できない。つまり、上記特許文献1に開示されている技術は、車載機器(例えば上記安全装置)の作動が、ユーザーの意図いない作動であった場合、その作動場所と車載機器の作動の発生回数とを記憶する。そして、発生回数が予め定められた回数を超えた場合、上記作動場所において車載機器(例えば上記安全装置)の作動を抑制するものである。
【0009】
言い換えると、上記特許文献1に開示されている技術は、車載機器(例えば上記安全装置)の作動を抑制するためには、発生回数が予め定められた回数を超える必要があり、作動回数が予め定められた回数を超えるまでは、ユーザーは煩わしさを感じることとなる。
【0010】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、ユーザーが煩わしさを感じることのないPCS制御を行うことのできる衝突回避装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するために、本発明は以下の構成を採用した。すなわち第1の発明は自車両に搭載される衝突回避装置である。当該衝突回避装置は、自車両の周囲の物体を検出する検出手段と、検出手段によって検出された物体を衝突判断対象物とし、当該衝突判断対象物と自車両とが衝突する可能性を判断する衝突判断手段と、衝突判断対象物と自車両とが衝突する可能性が高いと衝突判断手段が判断した場合に衝突判断対象物と自車両との衝突を回避するための衝突回避制御を自車両に対して行う制御手段と、制御手段によって行われている衝突回避制御を解除する解除手段と、自車両の位置を示す情報および自車両の車両情報の少なくとも一方の情報を取得する車両情報取得手段と、予め定められた条件が満たされた場合に制御手段が行う衝突回避制御の態様を変更する変更手段と、解除手段によって衝突回避制御が解除されたときの自車両の位置を示す情報を解除時位置情報として、解除手段によって衝突回避制御が解除されるときの自車両の車両情報を解除時車両情報として車両情報取得手段から少なくとも一方を取得し記憶する記憶手段とを備える。また、変更手段は、車両情報取得手段から取得される自車両の位置を示す情報および自車両の車両情報の何れか1の情報が、記憶手段に記憶されている解除時位置情報および解除時車両情報の何れか1の情報と一致する場合に衝突回避制御の態様を変更することを特徴とする。
【0012】
第2の発明は、上記第1の発明において、衝突判断手段は、衝突判断対象物と自車両との間隔が予め定められた第1の間隔より狭くなった場合に衝突判断対象物と自車両とが衝突する可能性が高いと判断する。また、変更手段は、車両情報取得手段から取得される自車両の位置を示す状態および自車両の車両情報の何れか1の情報が、記憶手段に記憶されている解除時位置情報および解除時車両情報の何れか1の情報と一致する場合に第1の間隔より狭い第2の間隔に変更することを特徴とする。
【0013】
第3の発明は、上記第1の発明において、変更手段は、車両情報取得手段から取得される自車両の位置を示す状態および自車両の車両情報の何れか1の情報が、記憶手段に記憶されている解除時位置情報および解除時車両情報の何れか1の情報と一致する場合に衝突回避制御を停止することを特徴とする。
【0014】
第4の発明は、上記第1乃至3のいずれか1の発明において、解除手段は自車両のドライバーが予め定められた操作を行ったか否かによって制御手段によって行われている衝突回避制御を解除することを特徴とする。
【0015】
第5の発明は、上記第1乃至3のいずれか1の発明において、車両情報取得手段は、自車両に備わったGPS(Global Positioning System)を含む。また、記憶手段は、GPSから自車両が駐車する位置を解除時位置情報として記憶することを特徴とする。
【0016】
第6の発明は、上記第1乃至3のいずれか1の発明において、車両情報取得手段が取得する自車両の車両情報は、自車両の車速を示す情報、シフトレバーの位置を示す情報、操舵角を示す情報、および自車両の周辺環境を示す情報から成る群より選ばれる少なくとも1つの情報であることを特徴とする。
【0017】
第7の発明は、上記第1の発明において、制御手段が行う衝突回避制御は、自車両のブレーキ装置の制御および自車両に備わった警報装置の制御の何れか一方であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
上記第1乃至第3の発明によれば、ユーザーが煩わしさを感じることのないPCS制御を行うことのできる衝突回避装置を提供することができる。つまり、自車両のユーザーが自宅車庫に当該自車両を駐車するとき、仮にその車庫が非常に狭い場合を仮に想定する。その一方で、ユーザーは車庫の後ろの壁ぎりぎりまで接近して駐車することを望むとする。この場合、自車両が自宅車庫付近に接近し、自宅車庫に駐車をするときは、ユーザーは自宅車庫の後ろの壁ぎりぎりまで接近して駐車することを望むものであると記憶されるので、ユーザーの意図いない不要作動の発生回数に依存することなく、不要なPCS制御を抑えることができユーザーは煩わしさを感じることがなくなる。
【0019】
上記第4の発明によれば、自車両のドライバーの操作、例えば自車両に備わったスイッチを押下することによって、解除時位置情報および解除時走行状態情報の少なくとも一方の情報が記憶されるので、ユーザーが煩わしさを感じていた場所(例えば自宅駐車場)をユーザー自身が決めることができ、ユーザーは煩わしさを、より感じることがなくなる。
【0020】
上記第5の発明によれば、例えば、自車両に備わっているカーナビゲーションシステムを利用することができるので、コストアップを抑えることができる。
【0021】
上記第6の発明によれば、例えば、自宅駐車場にどのような向きで駐車しかたなどを特定することができるので、ユーザーは煩わしさを感じるPCS制御を、より正確に抑えることができる。
【0022】
第7の発明によれば、自車両のドライバーは当該自車両と物体との衝突の可能性があることを知ることができ、さらに、衝突の可能性がある場合にはブレーキ装置が制御されるので、衝突を回避できたり、仮に衝突した際の被害を低減したりすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】衝突回避装置の構成の一例を示すブロック図
【図2】一実施形態に係る衝突回避装置の制御ECU1において行われる処理の流れの一例を示す図
【図3】一実施形態に係る衝突回避装置の制御ECU1において行われる処理の流れの一例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、図面を参照しつつ、本発明の一実施形態に係る衝突回避装置について説明する。なお、本実施形態では、当該衝突回避装置が車両(具体的には、一般的な乗用車を想定し、以下、自車両mvと称す)に搭載される例について説明する。
【0025】
また、本実施形態の説明では、自車両mvは、当該自車両mvに搭載された物体検出装置から得られる情報に基づいて、自車両mvの周囲の物体との衝突の可能性を予測し、仮に衝突する可能性があると判断した場合には衝突した際の衝撃や被害を低減する制御、つまり衝突回避制御を行うことができるものとして説明する。
【0026】
なお、衝撃や被害を低減する制御、つまり衝突回避制御とは、例えば、自車両mvと当該自車両mvの周囲の物体との衝突の可能性が高い場合、ドライバーに対して注意喚起をしたり、ドライバーのブレーキ操作が無くともブレーキを作動させたりすることなどをいう。以下、このような制御のことを以下、PCS(Pre-Clash Safety)制御と称す。
【0027】
ここで、本発明の一実施形態に係る衝突回避装置の概要について説明する。上述したようなPCS制御(以下、一般的なPCS制御と称すことがある)においては、例えば、自車両mvを自宅車庫の後ろの壁ぎりぎりまで接近して駐車しようとする場合、車庫入れの途中で壁と自車両mvとの衝突を避けるため、ブレーキ装置が作動してしまうことになり、ユーザーは煩わしさを感じるといった問題がある。そこで、本実施形態に係る衝突回避装置は、例えば上述したような場面において、自動的にブレーキが作動しないようにし、ユーザーの感じる煩わしさを低減するものである。
【0028】
図1は、衝突回避装置の構成の一例を示すブロック図である。
【0029】
図1において、衝突回避装置は、制御ECU(Electrical Control Unit)1を備えている。この制御ECU1には、物体検出装置2、車両情報取得装置3、警報装置4、ブレーキ制御装置5、ナビゲーションシステム6等が接続されている。
【0030】
上記制御ECU1は、自車両mvに搭載された物体検出装置2から得られる情報に基づいて、自車両mvと当該自車両mvの周囲の物体との衝突の可能性を予測し、仮に衝突する可能性があると判断した場合には衝突した際の衝撃や被害を低減する制御を行う。
【0031】
上記物体検出装置2は、例えば、レーダ装置やカメラ等である。なお、物体検出装置2がレーダ装置であった場合、具体的には、物体検出装置2は、例えば、ミリ波レーダ装置、レーザーレーダ装置等である。また、レーダ装置は、自車両mvの前部や後部に設置され、当該自車両mvの外側に向けて電磁波を照射し、自車両mvの周囲を監視している。なお、物体検出装置2は超音波センサであってもよい。
【0032】
より具体的には、レーダ装置は、自車両mvの周囲に向けて電磁波を照射し、当該レーダ装置の検出範囲内に存在する物体を検出する。そして、レーダ装置は、例えば、自車両mvの周囲に存在する物体を検出し、当該物体を検出した信号を、制御ECU1に出力する。
【0033】
一方、物体検出装置2がカメラであった場合、具体的には、物体検出装置2は、例えば、CCDカメラ、CMOSカメラ、赤外線カメラ等である。また、カメラは自車両mvの前部や後部に設置され自車両mvの周囲を撮像する。そして、カメラは、例えば、所定時間間隔で自車両mvの周囲を撮像し、当該撮像した画像を制御ECU1に出力する。
【0034】
上記車両情報取得装置3は、自車両mvの走行に関する情報を取得する。なお、車両情報取得装置3の一例として、例えば、自車両mvが走行している際の車速を検出する車速検出装置等を挙げることができる。
【0035】
また、車両情報取得装置4の一例として、自車両mvのシフトレバーの位置(オートマチック車であればP、R、N、Dなど)を検出する装置や、自車両mvのステアリングハンドルのステアリングロッドに取り付けられ当該ステアリングハンドルの操舵角を検出する操舵角検出装置等も挙げられる。
【0036】
さらに、PCS制御を行わせるためのスイッチが自車両mvに備わっている場合、上記車両情報取得装置3は、当該スイッチが押下されたことを示す情報(ON/OFFを示す情報)や、仮に上記PCS制御によって自動的に自車両mvのブレーキが作動した場合に、そのブレーキを解除するためのスイッチが自車両mvに備わっている場合、当該スイッチが押下されたことを示す情報(ON/OFFを示す情報)を取得する。なお、以下の説明において、スイッチのことをSWと記載することがある。
【0037】
上記警報装置4は、音声や表示等により自車両mvのドライバーに対して注意喚起を行う装置である。警報装置4として、例えば、自車両mvの車室内に設けられた表示装置を挙げることができる。なお、表示装置とは、自車両mvの運転席に着席したドライバーから視認可能な位置(運転席前面の計器盤等の中等)に設けられる、液晶ディスプレイ、発光ダイオード(LED)、有機ELディスプレイなどの表示媒体である。また、警報装置4として、例えば、各種情報を音声で自車両mvのドライバーに提供する自車両mvに備わっているスピーカー等も挙げることができる。
【0038】
上記ブレーキ制御装置5は、制御ECU1からの指示に従ってブレーキアクチュエータ(図示せず)を制御して、例えば、自車両mvのブレーキを作動させたり、さらには、自車両mvのドライバーのブレーキ操作がなくとも自動的にブレーキを作動させたりする。
【0039】
上記ナビゲーションシステム6は、GPS(Global Positioning System)により自車両mvの現在位置を測位したり、電子地図等を用いて自車両mvを目的地へ誘導したりする、いわゆる車載カーナビである。なお、ナビゲーションシステム6は、いわゆる車載カーナビである必要はなく、少なくとも自車両mvの位置を測位することのできる装置であればよい。
【0040】
次に、図2および図3を参照しつつ、本発明の一実施形態に係る衝突回避装置の制御ECU1において行われる処理の流れの一例を説明する。図2および図3は、本発明の一実施形態に係る衝突回避装置の制御ECU1において行われる処理の流れの一例を示す図である。
【0041】
なお、図2および図3に示すフローチャートは、例えば、制御ECU1が当該制御ECU1内に備えられている図示しない記憶部に記憶されている所定のプログラムを実行することにより行われる。また、図2および図3に示すフローチャートの処理は、制御ECU1の電源がON(例えば、衝突回避装置が搭載された自車両の始動/停止スイッチがON)されることによって開始される。
【0042】
また、図2および図3のフローチャートにおいて、制御ECU1は、上述したPCS制御を行うことができる状態であることを前提に説明する。つまり、上記PCS制御を行わせるためのスイッチが、ドライバーによって押下されている場合を前提に説明する。また、PCS制御を行うことができる状態とは、物体検出装置2によって自車両mvの周囲の物体を検出して、仮に自車両mvが当該物体と衝突の可能性が高い場合に上述したようなPCS制御を行うことのできる状態であることをいう。
【0043】
なお、以下に説明する図2および図3のフローチャートの処理は、例えば、自車両mvのユーザーが自宅車庫に当該自車両mvを駐車するとき、仮にその車庫が非常に狭い場合において、ユーザーは車庫の後ろの壁ぎりぎりまで接近して自車両mvを駐車することを望むような場合を想定した処理である。
【0044】
さらに、図2および図3に示したフローチャートの処理は制御ECU1の図示しない処理領域でそれぞれ行われるものである。
【0045】
まず、図2のフローチャートの処理について説明する。
【0046】
図2のステップS11において、制御ECU1は、物体検出装置2が検出した物体はあるか否かを判断する。具体的には、例えば、物体検出装置2がレーダ装置であった場合、当該レーダ装置から取得した信号に基づいて物体を検出したか否かを判断する。また、例えば、物体検出装置2がカメラであった場合、当該カメラから得られる画像に基づき物体を検出したか否かを判断する。
【0047】
そして、制御ECU1は、当該ステップS11の判断を肯定した場合(YES)、次のステップS12に処理を進める。一方、制御ECU1は、当該ステップS11の判断を否定した場合(NO)、ステップS11に処理を戻す。なお、以下の説明において当該ステップS11で検出された物体のことを特に制御対象物と称す。
【0048】
ステップS12において、制御ECU1は、車両情報の取得を開始する。具体的には、制御ECU1は、上記ステップS11で物体(制御対象物)が検出されてから予め定められたサンプリングタイム毎に車両情報を取得する。
【0049】
なお、車両情報とは、例えば、物体検出装置2、車両情報取得装置3、およびナビゲーションシステム6から得られる自車両mvと制御対象物との距離、自車両mvの位置を示す情報、自車両mvの速度、自車両mvのシフトレバーの位置を示す情報等である。そして、制御ECU1は、次のステップS13に処理を進める。
【0050】
ステップS13において、制御ECU1は、自車両mvと制御対象物との衝突の可能性を判断する。そして、制御ECU1は、当該判断を肯定した場合(YES)、つまり自車両mvと制御対象物との衝突の可能性が高いと判断した場合、次のステップS14に処理を進める。一方、御ECU1は、当該判断を否定した場合(NO)、つまり自車両mvと制御対象物との衝突の可能性が低いと判断した場合、次のステップS15に処理を進める。
【0051】
ここで、ステップS13における判断について具体的に説明する。
【0052】
例えば、物体検出装置2がレーダ装置であった場合、制御ECU1は、レーダ装置から取得した信号を用いて、レーダ装置に対する(自車両mvに対する)、制御対象物の相対距離、相対速度の情報を算出する。より具体的には、制御ECU1は、レーダ装置が照射した電磁波と受信した反射波との和および差や送受信タイミング等を用いて、レーダ装置に対する(自車両mvに対する)、制御対象物の相対距離、相対速度を算出する。
【0053】
一方、例えば、物体検出装置2がカメラであった場合、制御ECU1は、所定時間間隔で制御対象物を撮像した画像をカメラから取得し、当該画像の変化から自車両mvに対する制御対象物の相対距離、相対速度を算出する。
【0054】
そして、制御ECU1は当該ステップS13の判断において、上述したようにして得られた、自車両mvに対する制御対象物の相対距離、相対速度に基づいて、例えば、自車両mvと制御対象物とが衝突するまでの時間、つまり衝突予測時間(TTC(Time to collision):TTC=相対距離/相対速度)を算出する。次いで、制御ECU1は、当該算出された結果に基づき、TTCが予め定められた時間より短かった場合、ステップS13の判断を肯定(YES)する。
【0055】
なお、ステップS13の判断においては、自車両mvと制御対象物との間の距離が予め定められた距離より短くなった場合、当該ステップS13の判断を肯定してもよい。
【0056】
一方、制御ECU1は、ステップS13の判断を否定(NO)した場合、次のステップS15において、車両情報取得装置3から得られた情報に基づいて、自車両mvは停止したか否かを判断する。そして、制御ECU1は、自車両mvが停止したと判断した場合、当該ステップS15の処理を終了する。一方、制御ECU1は、自車両mvは停止していないと判断した場合、当該ステップS12に処理を戻す。
【0057】
ステップS14において、制御ECU1は、ブレーキ制御装置5に指示し、ドライバーのブレーキ操作がなくともブレーキを作動させる(PCS制御を実行する)。また、制御ECU1は、警報装置4の音声出力装置や表示装置に指示し、自車両mvと制御対象物との衝突の可能性が高いことを知らせる警報を、自車両mvのドライバーに対して音声や表示で知らせてもよい。
【0058】
ステップS16において、制御ECU1は、解除スイッチが押下されたか否かを判断する。上述したように、上記ステップS14において自車両mvはPCS制御が作動してブレーキが作動している状態にある。つまり、当該ステップS16の処理において、制御ECU1は、例えば、自動的にかかったブレーキを解除するために自車両mvのドライバーが、ブレーキを解除するためのスイッチを押下した場合、当該判断を肯定し(YES)、ステップS17に処理を進める。
【0059】
ここで、当該ステップS16における判断が肯定される具体的な場面を説明する。上述したように、図2フローチャートの処理は、例えば、自車両mvのユーザーが自宅車庫に当該自車両mvを駐車するとき、仮にその車庫が非常に狭い場合において、ユーザーは車庫の後ろの壁ぎりぎりまで接近して自車両mvを駐車することを望むような場合を想定した処理である。
【0060】
一般的なPCS制御においては、自車両mvと制御対象物(例えば歩行者等)との衝突を確実に回避するために、自車両mvは、当該自車両mvと制御対象物との距離をある程度保って停車するのが望ましい。そのため、一般的なPCS制御においては、自車両mvと制御対象物とが予め定められた距離(マージン距離と称すことがある)以下になった場合に当該自車両mvのブレーキ装置が自動的に作動するようになっている。
【0061】
しかしながら、車庫の後ろの壁ぎりぎりまで接近して自車両mvを駐車するような場合、上記距離マージン以下になってしまうことが想定され、自車両mvのドライバーの意志で車庫の後ろの壁ぎりぎりまで接近しようとしているにもかかわらず、自動的にブレーキが作動してしまうことがある。
【0062】
つまり、当該ステップS16における判断が肯定される具体的な場面とは、ユーザーが自車両mvを車庫に駐車しようとしている場面において、自車両mvが車庫の後ろの壁に近づいたことにより自動的にブレーキが作動したため、自車両mvを車庫の後ろの壁に近づけるためにユーザーがブレーキを解除するためのスイッチを押下した場合が考えられる。
【0063】
一方、制御ECU1は上記ステップS14の処理においてブレーキが作動し、例えば、予め定められた時間が経過してもブレーキを解除するためのスイッチが押下されなかった場合、ステップS16の判断を否定し(NO)、ステップS18に処理を進める。そして、ステップS18において、制御ECU1は車両情報取得装置3から得られた情報に基づいて自車両mvのシフトレバーの位置はPレンジであるか否かを判断する。
【0064】
なお、制御ECU1は、シフトレバーの位置がPレンジであった場合、当該ステップS18の判断を肯定し(YES)、ステップS111に処理を進める。一方、制御ECU1は、シフトレバーの位置がPレンジではないと判断した場合、当該ステップS18の判断を否定し(NO)、ステップS16に処理を戻す。
【0065】
ステップS17において、制御ECU1は、車両情報取得装置3やナビゲーションシステム6から、自車両mvの車速、自車両mvのハンドルの舵角、自車両mvのシフトレバーの位置、自車両mvの現在位置を示す情報を取得し、次のステップS19に処理を進める。
【0066】
ステップS19において、制御ECU1は、車両情報取得装置3から得られる情報に基づき自車両mvは停止したか否かを判断する。そして、制御ECU1は、当該判断を肯定した場合(YES)、つまり自車両mvは停止したと判断した場合、次のステップS110に処理を進める。一方、制御ECU1は、当該判断を否定した場合(NO)、つまり自車両mvは停止していないと判断した場合、ステップS17に処理を戻し再び車両情報を取得する。
【0067】
ステップS110において、制御ECU1は、当該制御ECU1の図示しない記憶部に車両情報を記憶する。ここで、当該ステップS110において制御ECU1が記憶する車両情報について説明する。
【0068】
上述したように、ステップS110に処理が進むのは、制御ECU1が自車両mvと制御対象物との衝突の可能性があると判断し、自車両mvのブレーキを自動的に作動させ、ブレーキの解除スイッチが押下された場合である。
【0069】
ここで、ステップS110まで処理が進む具体的な場面を再び想定して、当該ステップS110において記憶する車両情報について説明する。
【0070】
例えば、自車両mvのユーザーが自宅車庫にバックにて当該自車両mvを駐車しようとしている場面において、物体検出装置2が当該車庫の壁を制御対象物として検出した場合を仮に想定する。この場合、自車両mvが車庫後ろの壁に近づくと自車両mvと制御対象物(車庫の壁)との衝突の可能性があると制御ECU1が判断し(ステップS13でYES)、自動的に自車両mvのブレーキが作動(ステップS14)してしまうと考えられる。
【0071】
しかしその一方で、ユーザーとしては自車両mvを車庫の後ろの壁ぎりぎりまで接近して駐車しとうとすることを望む場合、作動していたブレーキを解除するためのスイッチを押下する(ステップS16でYES)。
【0072】
そこで、制御ECU1はステップS110の処理において、ブレーキを解除するためのスイッチが押下されてから自車両mvが停止するまので車両情報などを記憶する。具体的には、制御ECU1は、例えば、スイッチが押下されてから自車両mvが停止するまでに走行した距離、スイッチが押下されたときの位置、自車両mvが停止した位置、自車両mvが停止した地点から制御対象物(車庫の壁)までの距離などを示す情報を記憶する。なお、以下の説明において、自車両mvが停止した地点から制御対象物(車庫の壁)までの距離のことを特に停止マージン距離と称す。
【0073】
また、制御ECU1はステップS110の処理において、ステップS13において判断を肯定したときの自車両mvの位置を示す情報、ステップS13において判断を肯定してからステップS19において判断を肯定するまでの自車両mvの移動パターンや自車両mvの周辺環境の状態を示す情報を記憶してもよい。
【0074】
なお、移動パターンとは、例えば、自車両mvはどのような向きで後退し停止(駐車)したか、どのような向きで前進し停止(駐車)したかなどを示す情報であり、この情報はナビゲーションシステム6から取得可能である。また、自車両mvの周辺環境の状態を示す情報とは、ステップS13において判断を肯定してからステップS19において判断を肯定するまでに物体検出装置2が検出した、自車両mv周囲に存在する物体やその種類などを示す情報のことである。なお、ステップS110で記憶する情報は、請求項に記載の車両情報の一例に相当する。
【0075】
そして、制御ECU1は、ステップS111に処理を進め、当該ステップS111において、制御ECU1は、自車両mvのSWがOFFされたか否かを判断する。制御ECU1は、SWがOFFであると判断した場合(YES)、当該フローチャートでの処理を終了する。一方、制御ECU1は、自車両のSWがOFFされていないと判断した場合(NO)、上記ステップS11に処理を戻す。
【0076】
つまり、一般的なPCS制御においては、例えば、自車両mvを車庫の後ろの壁ぎりぎりまで接近して駐車するような場合を想定していない。言い換えると、例えば、自車両mvを車庫の後ろの壁ぎりぎりまで接近して駐車しようとする場合、車庫入れの途中で壁と自車両vmとの衝突を避けるため、ブレーキ装置が作動してしまうことになり、ユーザーは煩わしさを感じるといった問題がある。そこで、本実施形態に係る衝突回避装置の制御ECU1は、図2でのフローチャートの処理で取得した車両情報に基づいて、次に説明する図3のフローチャートの処理で、例えば上述したような場面において、自動的にブレーキが作動しないような処理を行う。
【0077】
以下、図3のフローチャートの処理について説明する。
【0078】
図3のステップS21において、制御ECU1はナビゲーションシステム6から自車両mvの現在位置を示す情報を取得し、次のステップS22に処理を進める。
【0079】
ステップS22において、制御ECU1は、上記ステップS21で取得した自車両mvの現在位置を示す情報と図2のフローチャートのステップS110で記憶した情報とに基づき、当該現在位置はブレーキを解除するためのスイッチが押下された位置であるか否かを判断する。そして、制御ECU1は、当該ステップS22の判断を肯定した場合(YES)、次のステップS23に処理を進める。
【0080】
なお、自車両mvの現在位置を示す情報と図2のフローチャートのステップS110で記憶した情報とに基づいて行う、当該現在位置はブレーキを解除するためのスイッチが押下された位置であるか否かの判断にあっては、自車両mvの周辺環境に基づいて判断してもよい。例えば、ユーザーがブレーキを解除するためのスイッチを押下したときに物体検出装置2が検出した自車両mv周辺の物体(車庫のフェンスや扉など)と、ステップS22において物体検出装置2が検出した物体とが同じであるか否かで判断してもよい。つまり、ステップS22の判断時における自車両mvの周辺環境が、ブレーキを解除するためのスイッチが押下された位置の周辺環境と一致または近い場合に、当該ステップS22の判断を肯定してもよい。
【0081】
一方、制御ECU1は、当該ステップS22の判断を否定した場合(NO)、ステップS25に処理を進める。
【0082】
ステップS23において、制御ECU1は、自車両mvの移動パターンは一致するか否かを判断する。具体的には、図2のフローチャートのステップS110で記憶した情報に基づき、図2のフローチャートで記憶した、ステップS13において判断を肯定してからステップS19において判断を肯定するまでの自車両mvの移動パターンと、ステップS22の判断が肯定されてからの自車両mvの移動パターンは一致するか否かを判断する。なお、ユーザーが自宅車庫に自車両mvを駐車する場合を想定すると、移動パターンとは、自宅車庫に自車両mvをどのような向きで駐車するかなどのことを示す情報である。
【0083】
つまり、上記ステップS22とステップS23の処理をまとめると、例えば、ユーザーが自車両mvを自宅車庫に駐車しようとしている場合、制御ECU1は、自車両mvの現在位置は自宅車庫付近であるか否かを示す情報、自宅車庫付近でブレーキを解除するためのスイッチが押下されたか否かを示す情報、仮にスイッチが押下された場合の位置を示す情報、さらには、自宅車庫にどのような向きで自車両mvを駐車しようとしているかを示す情報を車両情報取得装置3やナビゲーションシステム6から取得し、これらの情報と一致または近似する情報が制御ECU1の図示しない記憶部に記憶されているか否かによって判断する。
【0084】
そして、制御ECU1は、上記ステップS22とステップS23との判断をともに肯定した場合(YES)、ステップS24に処理を進める。
【0085】
ステップS24において、制御ECU1は、態様を変更したPCS制御を行う。具体的には、一般的なPCSで設定されていたマージン距離を停止マージン距離に変更する。つまり、自車両mvのユーザーが、過去に当該自車両mvを自宅車庫に後退で駐車しようとした場面において、壁との衝突を避けるためにPCS制御が作動し、ブレーキを解除するスイッチを押下して、壁ぎりぎりまで接近させて駐車させるようなことをしていた場合、図2のフローチャートの処理によって、停止マージン距離が記憶されている。従って、ユーザーが自車両mvを自宅車庫に後退で駐車し、自車両mvを車庫の後ろの壁ぎりぎりまで接近させたとしても、自車両mvと壁(制御対象物)との衝突の判断は、一般的なPCS制御におけるマージン距離ではなく、図2で示したフローチャートの処理で記憶された停止マージン距離で判断される。
【0086】
つまり、自車両mvのユーザーが自宅車庫に当該自車両mvを駐車するとき、仮にその車庫が非常に狭い場合を仮に想定する。その一方で、ユーザーは車庫の後ろの壁ぎりぎりまで接近して駐車することを望むとする。この場合、図2および図3フローチャートの処理で、自車両mvが自宅車庫付近に接近し、自宅車庫に駐車をするときは、ユーザーは自宅車庫の後ろの壁ぎりぎりまで接近して駐車することを望むものであると記憶されているので、車庫入れの途中で車庫の壁と自車両mvとの衝突を避けるため、ブレーキ装置が作動してしまうことがなくなり、ユーザーは煩わしさを感じることがなくなる。
【0087】
なお、上述した例では、制御ECU1は、図3のステップS24の処理でPCS制御の態様を変更したが、態様の変更に限らずPCS制御を中止してもよい。
【0088】
図3の説明に戻って、ステップS25において、制御ECU1は、自車両mvのSWがOFFされたか否かを判断する。制御ECU1は、SWがOFFであると判断した場合(YES)、当該フローチャートでの処理を終了する。一方、制御ECU1は、自車両のSWがOFFされていないと判断した場合(NO)、上記ステップS21に処理を戻す。
【0089】
上記実施形態で説明した態様は、単に具体例を示すものであり、本願発明の技術的範囲を何ら限定するものではない。よって、本願の効果を奏する範囲において、任意の構成を採用することが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0090】
本発明に係る衝突回避装置は、ユーザーが煩わしさを感じることのないPCS制御を行うことのできる車両に搭載される衝突回避装置等として利用できる。
【符号の説明】
【0091】
1 制御ECU
2 物体検出装置
3 車両情報取得装置
4 警報装置
5 ブレーキ装置
6 ナビゲーションシステム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自車両に搭載される衝突回避装置であって、
前記自車両の周囲の物体を検出する検出手段と、
前記検出手段によって検出された物体を衝突判断対象物とし、当該衝突判断対象物と前記自車両とが衝突する可能性を判断する衝突判断手段と、
前記衝突判断対象物と前記自車両とが衝突する可能性が高いと前記衝突判断手段が判断した場合に前記衝突判断対象物と前記自車両との衝突を回避するための衝突回避制御を前記自車両に対して行う制御手段と、
前記制御手段によって行われている前記衝突回避制御を解除する解除手段と、
前記自車両の位置を示す情報および前記自車両の車両情報の少なくとも一方の情報を取得する車両情報取得手段と、
予め定められた条件が満たされた場合に前記制御手段が行う前記衝突回避制御の態様を変更する変更手段と、
前記解除手段によって前記衝突回避制御が解除されたときの前記自車両の位置を示す情報を解除時位置情報として、前記解除手段によって前記衝突回避制御が解除されるときの前記自車両の車両情報を解除時車両情報として前記車両情報取得手段から少なくとも一方を取得し記憶する記憶手段とを備え、
前記変更手段は、前記車両情報取得手段から取得される前記自車両の位置を示す情報および前記自車両の車両情報の何れか1の情報が、前記記憶手段に記憶されている前記解除時位置情報および前記解除時車両情報の何れか1の情報と一致する場合に前記衝突回避制御の態様を変更することを特徴とする、衝突回避装置。
【請求項2】
前記衝突判断手段は、前記衝突判断対象物と前記自車両との間隔が予め定められた第1の間隔より狭くなった場合に前記衝突判断対象物と前記自車両とが衝突する可能性が高いと判断し、
前記変更手段は、前記車両情報取得手段から取得される前記自車両の位置を示す状態および前記自車両の車両情報の何れか1の情報が、前記記憶手段に記憶されている前記解除時位置情報および前記解除時車両情報の何れか1の情報と一致する場合に前記第1の間隔より狭い第2の間隔に変更することを特徴とする、請求項1に記載の衝突回避装置。
【請求項3】
前記変更手段は、前記車両情報取得手段から取得される前記自車両の位置を示す状態および前記自車両の車両情報の何れか1の情報が、前記記憶手段に記憶されている前記解除時位置情報および前記解除時車両情報の何れか1の情報と一致する場合に前記衝突回避制御を停止することを特徴とする、請求項1に記載の衝突回避装置。
【請求項4】
前記解除手段は、前記自車両のドライバーが予め定められた操作を行ったか否かによって前記制御手段によって行われている前記衝突回避制御を解除することを特徴とする、請求項1乃至3の何れか1に記載の衝突回避装置。
【請求項5】
前記車両情報取得手段は、前記自車両に備わったGPS(Global Positioning System)を含み、
前記記憶手段は、前記GPSから前記自車両が駐車する位置を前記解除時位置情報として記憶することを特徴とする、請求項1乃至3の何れか1に記載の衝突回避装置。
【請求項6】
前記車両情報取得手段が取得する前記自車両の車両情報は、前記自車両の車速を示す情報、シフトレバーの位置を示す情報、操舵角を示す情報、および前記自車両の周辺環境を示す情報から成る群より選ばれる少なくとも1つの情報であることを特徴とする、請求項1乃至3の何れか1に記載の衝突回避装置。
【請求項7】
前記制御手段が行う前記衝突回避制御は、前記自車両のブレーキ装置の制御および前記自車両に備わった警報装置の制御の何れか一方であることを特徴とする、請求項1に記載の衝突回避装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2012−230495(P2012−230495A)
【公開日】平成24年11月22日(2012.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−97411(P2011−97411)
【出願日】平成23年4月25日(2011.4.25)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】