説明

表示制御装置、表示装置、及びプログラム

【課題】車両に設定可能な走行モードの残走行距離を、車両のユーザ(運転手等)が比較しやすいように表示する、表示制御装置、表示装置、及びプログラムを提供する。
【解決手段】乗り物を走行させるエネルギーの残量を取得する残量取得部と、残量取得部が取得した残量に基づいて、乗り物に設定される複数の走行モードそれぞれで走行した場合の各残走行距離を特定する残走行距離特定部と、残走行距離特定部が特定した、各残走行距離を表示部に一画面内で表示する表示制御部と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、乗り物残走行距離を表示するための、表示制御装置、表示装置、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
この種の技術として、例えば、特許文献1には、蓄電池を搭載し、このエネルギーを消費しながら走行する電気自動車の残余走行可能距離メーターにおいて、車速並びに個別に設定された所定時間毎の蓄電池及び電装品の使用環境を測定する計測手段と、この測定データに基づき、現在時刻における蓄電容量を算出・更新する蓄電容量演算手段及び蓄電容量表示手段と、該蓄電容量、所定時間走行距離及び所定時間消費電気量から求められ、走行モード毎に平均予測された残余走行可能距離を算出・更新する残余走行可能距離演算手段及びモード切替とともにこれを表示する残余走行可能距離表示手段と、上記測定データ及び算出・更新データを時系列的な履歴として保存するデジタルデータ記憶手段と、外部コンピュータと送受信し、データ処理するための通信用入出力手段とを具備したことを特徴とする電気自動車用残余走行可能距離メータが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平06−189402号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載された電気自動車用残余走行可能距離メータにおいては、走行モードは、市街地を走行した場合、郊外を走行した場合、高速道路を走行した場合、及び、現状で走行した場合のいずれか、つまり、走行場所を単に特定するものであり、車両に設定されるものではなかった。しかも、このメータにおいては、各走行モードにおける残走行距離を切り替えて表示しているため、残走行距離を走行モード間で比較することが難しかった。
【0005】
本発明は、このような点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、車両に設定可能な走行モードの残走行距離を、車両のユーザ(運転手等)が比較しやすいように表示する、表示制御装置、表示装置、及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の観点に係る表示制御装置は、
乗り物を走行させるエネルギーの残量を取得する残量取得手段と、
前記残量取得手段が取得した前記残量に基づいて、前記乗り物に設定される複数の走行モードそれぞれで走行した場合の各残走行距離を特定する残走行距離特定手段と、
前記残走行距離特定手段が特定した、前記各残走行距離を表示部に一画面内で表示する表示制御手段と、
を備える。
【0007】
本発明の第2の観点に係るプログラムは、
コンピュータに、
乗り物を走行させるエネルギーの残量を取得する残量取得ステップと、
前記残量取得ステップで取得した前記残量に基づいて、前記乗り物に設定される複数の走行モードそれぞれで走行した場合の各残走行距離を特定する残走行距離特定ステップと、
前記残走行距離特定ステップで特定した、前記各残走行距離を表示部に一画面内で表示する表示制御ステップと、
を行わせる。
【0008】
本発明の第3の観点に係る表示装置は、
乗り物に設定される複数の走行モードそれぞれで走行した場合の各残走行距離を表示する表示装置であって、
表示部と、
前記各残走行距離を前記表示部に一画面内で表示する表示制御手段と、
を備える。
【0009】
本発明の第4の観点に係るプログラムは、
乗り物に設定される複数の走行モードそれぞれで走行した場合の各残走行距離を表示部に表示するコンピュータに、
前記各残走行距離を前記表示部に一画面内で表示する表示制御ステップ、
を行わせる。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係る表示制御装置、表示装置、及びプログラムによれば、車両に設定可能な走行モードの残走行距離をユーザが比較しやすいように表示することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の一実施形態に係る表示制御装置を含む車両の構成を示したブロック図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る表示制御装置によって行われる燃費の算出方法の一例を説明するための説明図である。
【図3】本発明の一実施形態に係る表示制御装置によって行われる燃費の算出方法の他の例を説明するための説明図である。
【図4】図1の記憶部に記録された走行モード・燃費テーブルのデータ内容を示す図である。
【図5】本発明の一実施形態に係る表示制御装置が行う表示制御処理のフローチャートである。
【図6】本発明の一実施形態に係る表示制御装置が表示部に表示する画面の一例の図である。
【図7】本発明の一実施形態に係る表示制御装置が表示部に表示する画面のうちの残走行距離を表示した画面の他の例の図である。
【図8】本発明の一実施形態に係る表示制御装置が表示部に表示する画面のうちの残走行距離を表示した画面の他の例の図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明に係る一実施形態について図面を参照して説明する。なお、本発明は下記の説明及び図面によって限定されるものではない。下記での説明及び図面によって示される構成等に適宜変更(構成要素の削除も含む)を加えることができるのはもちろんである。また、以下の説明では、本発明の理解を容易にするために、公知の技術的事項の説明を適宜省略する。
【0013】
本発明の一実施形態に係る車両1の構成を図1を参照して説明する。車両1は、電気自動車であり、本実施形態を説明するための主な構成要素として、動力部3と、タイヤ5と、バッテリ7と、アクセル9と、表示制御装置11と、車両制御部13と、を含む。
【0014】
動力部3は、モータと、モータの動力を動力部3の外部に伝達するギアと、を含む。モータの動力は、ギアを介して図示しないシャフトに伝達される。この伝達によって、シャフトが回転し、この回転によってタイヤ5が回転し、車両1は走行する。このようにして、動力部3は、シャフトを介してタイヤ5を回転させ、車両1を走行させる。動力部3は、車両制御部13(制御装置131)によって、制御される。
【0015】
バッテリ7は、車両1における所定の構成要素を動作させるためのエネルギーである電力を蓄え、所定の構成要素に供給する。特に、動力部3のモータは、バッテリ7から供給される電力により駆動する。
【0016】
アクセル9は、ユーザからのアクセル操作を受け付ける。アクセル9は、例えば、アクセル操作の操作量(例えば、踏み込み量)に応じた値を示すアクセル操作信号を車両制御部13(制御装置131)に供給する。
【0017】
車両制御部13は、制御装置131、回転数計132、残量計133を備える。回転数計132は、タイヤの回転数を計測するために用いられる。残量計133は、バッテリに蓄えられているエネルギーの残量(本実施形態では、残容量(Ah))を計測するためのものである。残量は、例えば、電力によって表されても良い。この場合には、電力に基づいて、後述の処理が適宜行われる。
【0018】
制御装置131は、各種の制御を行う。制御装置131には、アクセル操作信号が供給される。制御装置131は、アクセル操作信号が示す値の大きさに応じた速度で車両1が走行するように、動力部3を制御する。例えば、制御装置131は、モータへの電力供給量を制御することによって、モータの出力の大きさ、動力部3が出力する動力の大きさ等を制御することによって、動力部3を制御する。これによって、車両1はアクセル操作の操作量に応じた速度で走行することになる。
【0019】
ここで、制御装置131は、複数の走行モードのうちの一つが設定される。走行モードの設定方法については、後述する。制御装置131は、設定される走行モードに応じても、動力部3(特に、モータへの電力供給量、ギア比等)を制御する。つまり、アクセル操作の操作量が同じであっても走行モードが異なれば、動力部3の出力する動力、ギア比等が異なり、車両1の走行速度、加速等が異なる。走行モードとは、車両1における、アクセル操作の応答特性を指定するものである。つまり、ここでは、車両1は、制御装置131に設定された走行モードの応答特性に応じた速度、加速で走行する。これによって、車両1は、設定された走行モードで走行することになる。
【0020】
走行モードとしては、「NORMAL」モード、「ECO」モード、「SPORTS」モード等がある。
【0021】
「NORMAL」モードは、アクセル操作の操作量に対して、通常の応答特性による速度、加速度で車両1を走行させるモードである。
【0022】
「ECO」モードは、アクセル操作の操作量に対して、「NORMAL」モードよりも、モータの出力が抑えられて、車両1の速度、加速度が低くなるモードである。このモードでは、一般に、バッテリ7の燃費(ここでは、電力の消費率をいう。)が「NORMAL」モードよりも良い。
【0023】
「SPORTS」モードは、アクセル操作の操作量に対して、「NORMAL」モードよりも、動力部3が出力する動力が大きくなり、車両1の速度、加速度が高くなるモードである。このモードでは、一般に、バッテリ7の燃費が「NORMAL」モードよりも悪い。
【0024】
また、制御装置131は、第1の所定期間毎の回転数を回転数計132を用いて順次計測し、計測した回転数(回転数情報)を表示制御装置11に順次供給する。さらに、制御装置131は、第2の所定期間毎に、残量計133を用いてバッテリ7のエネルギーの残量を順次計測し、計測したバッテリの残量(残量情報)を表示制御装置11に順次供給する。なお、第1の所定期間と第2の所定期間とは、基本的に同じとするが、異なっても良い。
【0025】
表示制御装置11は、制御装置131から供給される情報等に基づいて、燃費の算出等を行うとともに、所定の表示画面を表示する。また、表示制御装置11は、走行モードを制御装置131に設定することで、車両1に走行モードを設定する。表示制御装置11は、ここでは、車両1の速度等を表示する計器(車両用計器)である。
【0026】
表示制御装置11は、制御部111と、記憶部112と、入出力インターフェース部113と、表示部114と、操作部115と、を備える。
【0027】
入出力インターフェース部113は、表示制御装置11と車両制御部13との情報のやりとりを仲立ちするインターフェースを含むとともに、制御部111が行う表示部114への表示制御の仲立ちを行うインターフェースを含む。また、入出力インターフェース部113は、操作部115が操作情報を制御部111に供給するときの仲立ちを行うインターフェースを含む。
【0028】
表示部114は、液晶ディスプレイ、ELディスプレイ等の適宜の表示装置によって構成される。表示部114は、入出力インターフェース部113を介して制御部111に制御され、所定の情報を表示する。
【0029】
操作部115は、各種のキー等を含み、走行モードの選択等に使用される。例えば、ユーザが走行モードを選択するために、操作部115を操作すると、この操作に応じた操作情報(走行モード選択操作情報)を入出力インターフェース部113を介して制御部111に供給する。
【0030】
記憶部112は、所定の情報等を記憶する。記憶部112は、フラッシュメモリ112a、ROM(Read Only Memory)112bを含む。ROM112bには、プログラムが記録される他、制御部111が行う処理に用いられる情報(各種データ)が適宜記録される。ROM112bに記録されている情報は、例えば、制御部111のRAMに読み出される。フラッシュメモリ112aは、制御部111が生成した情報を適宜記憶する。
【0031】
制御部111は、残量取得部111aと、残走行距離特定部111bと、表示制御部111cと、燃費算出部111dと、走行モード設定部111eと、を備える。
【0032】
制御部111(つまり、上記各部)は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)等によって構成される。CPUは、記憶部112に記録されたプログラムに従って、また、ROM112b等に記録された情報等を用いて、制御部111の各部が行う処理を実際に行う。RAMは、CPUが使用する情報や、CPUが生成した情報等を適宜記憶する。また、後述のプログラムもRAMに一度読み出されても良い。なお、制御部111の少なくとも一部は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、DSP(Digital Signal Processor)等によって構成されてもよい。
【0033】
走行モード設定部111eは、操作部115から制御部111に供給される走行モード選択操作情報を受け取り、この情報によって特定される、ユーザによって選択された走行モードの情報を制御装置131に供給する。制御装置131は、この情報の走行モードを現在の走行モードとして自身に設定する。本実施形態では、このようにして、制御部111(走行モード設定部111e)によって、制御装置131(車両1)に走行モードが設定される。そして、車両1は、この走行モードによって走行することになる。なお、走行モード設定部111eは、現在設定されている走行モードが特定可能なように、所定の情報を適宜保持しておく。これによって、制御部111の各部は、車両1に現在、どの走行モードが設定されているか認識できる。
【0034】
燃費算出部111dは、制御装置131から制御部111に供給される回転数情報と、残量情報とに基づいて燃費を算出する。燃料算出部111dは、制御装置131から順次供給される回転数情報が示す回転数に、予め設定されているタイヤの1回転分の走行距離を乗じて、前記第1の所定期間毎の、車両1の走行距離を順次算出し、車両1の所定のタイミング(例えば、車両1のモータ等の始動開始時)からの走行距離を監視する。さらに、燃料算出部111dは、制御装置131から順次供給される残量情報を、前記算出された走行距離と、時系列順に同期させて保持する。つまり、ある走行距離におけるバッテリ7の残量が分かるように、残量情報を保持する。
【0035】
燃料算出部111dは、車両1が同じ走行モードにおいて、所定の走行距離間隔(例えば、1Km、10Km、又は20Km)を走る毎に、この走行距離間隔の始点と終点と同じ又は一番近いタイミングにそれぞれ対応する二つの残量情報がそれぞれ示す二つの残量の差を取る。これによって、この走行距離を車両1が走行したときのエネルギーの消費量(積算消費容量)が算出される。そして、燃料算出部111dは、前記の走行距離間隔を前記の差で割り、その走行モードにおける燃費(Km/Ah)を算出し(図2参照)、この燃費(燃費情報)をフラッシュメモリ112aに記録する。燃費は、走行モード毎に算出され記録される。また、燃費は、前記所定の走行距離間隔を前記車両1が走る毎に算出され、常に新しいものに更新される。これによって、最新の燃費によって、後述の残走行距離が算出され、残走行距離の算出の精度が良くなる。
【0036】
ここで、燃費の求め方についての他の概念を図3を参照して説明する。図3のように、ある時点での消費量(消費容量)をY軸にとり、時間経過をX軸にとると、車両1が同じ走行モードにおいて、走行距離1Km走行したときの時間間隔における積算消費量C(消費容量の積分値)が、燃費の計算式における残量の差になる。走行距離を、積算消費量Cで割れば燃費が求まる。このように、燃料算出部111dは、エネルギーの消費量(逐次の残量の差)を適宜求め、この消費量から燃費を求めても良い。
【0037】
なお、所定の走行距離間隔分走行していない内に、走行モードが切り替えられた場合には、燃料算出部111dは、切り替えた時点から、走行距離を監視し直してもよいし、走行モードを切り替えた時点までのエネルギーの消費量を算出しておき、1つの走行モードについて走行距離が通算して、前記の所定の走行距離間隔に達したときに、この走行モードにおけるエネルギーの消費量に基づいて、前記の燃費を算出してもよい。
【0038】
上記のような燃費の算出は、他の適宜の方法で行われても良い。燃料算出部111dは、上記のように残量情報等の車両1についての情報に基づいて、適宜の方法で燃費を算出すればよい。燃費を算出することによって、最新の燃費が、実際走行した車両について、走行モード毎に特定されるので、走行モードにおける実際の燃費が特定され、後述の残走行距離の精度が増す。また、各燃費は予め決められた固定値であってもよい。
【0039】
上記いずれの場合であっても、フラッシュメモリ112aには、走行モードと、上記の方法で適宜更新される値であるか固定値である燃費と、が対応付けられ、記録されているものとする。(図4のデータテーブル参照)。
【0040】
残量取得部111aと残走行距離特定部111bと表示制御部111cとは、表示制御処理を行う。この表示制御処理を図5のフローチャート等を参照して説明する。なお、この処理は、例えば、表示制御装置11にバッテリ7から電力の供給が開始されたこと等を契機として始まり、表示制御装置11にバッテリ7から電力の供給が無くなること等を契機として終了する。
【0041】
まず、残量取得部111aは、制御装置131から供給される最新の残量を取得する(ステップS101)。
【0042】
残量取得部111aが残量を取得すると、残走行距離特定部111bは、記憶部112(フラッシュメモリ112a)に記録されている、例えば、図4のようなデータテーブルを参照し、各走行モードにおける燃費を各走行モード毎に取得する。残走行距離特定部111bは、取得した各燃費に、取得した残量を乗じて、残走行距離を各走行モード毎に算出することによって、各走行モードにおける残走行距離を特定する(ステップS102)。この残走行距離は、残量に基づいて特定されるものであり、車両1に設定される走行モードで走行した場合のこの走行モードにおける走行可能な距離である。
【0043】
残走行距離特定部111bが残走行距離を特定すると、表示制御部111cは、その他の情報を適宜取得する(ステップS103)。例えば、図示しない計時部を参照して、現在の時刻を取得するとともに、現在の車両1の速度(計時部によって計時する時間と回転数情報が示す回転数から得られる走行距離とから算出される)、現在までの車両1の累積走行距離(回転数情報が示す回転数から得られる走行距離の積算値)、現在のバッテリの残量(残量情報)等を取得する。
【0044】
その後、表示制御部111cは、表示部114を制御し、ステップS102で取得した各走行モード毎の残走行距離、ステップS103で適宜取得した現在の時刻、ステップS103で適宜取得した現在の車両1の速度、現在までの車両1の累積走行距離、現在のバッテリの残量等の情報を表示部114に表示させ(ステップS104)、その後、残量取得部111aは、再度ステップS101を行う。このような処理の繰り返しによって、最新の情報が表示部114に表示される。
【0045】
表示部114が表示する画面の一例を図6に示す。なお、表示部114は、図6に示すような画面を適宜セグメント表示等しているが、表示部114は、画面を画素毎に表示等するものであってもよい。図6では、黒塗りされた部分によって、各種の情報が示されている。
【0046】
図6に示すように、表示部114は、バッテリの残量52と、現在の時刻51と、現在の車両1の速度53と、現在までの車両1の累積走行距離54と、を含む画面50を表示する。
【0047】
そして、表示制御部111cは、画面50内の表示領域55に、各走行モード毎の残走行距離(走行可能距離)を一覧にして表示する。図6では、「ECO」モードの残走行距離は132Kmであり、「NORMAL」モードの残走行距離は100Kmであり、「SPORTS」モードの残走行距離は88Kmである。矢印表示領域56のうち、黒塗りされた矢印は、現在車両1に設定されている走行モードを示す。つまり、図6の場合では、「NORMAL」モードが走行モードとして選択されている。
【0048】
図6のように、表示制御部111cが、複数の走行モードそれぞれの残走行距離を一画面50内に表示することによって、特に、複数の走行モードそれぞれの残走行距離を各走行モードを特定する情報(ここでは、名称)に対応させて、両者を一画面50内で一覧表示することによって、この画面を見るユーザは、各走行モードにおける残走行距離が確認しやすい。また、仮に走行モードを車両1に設定したときの各残走行距離を比較しやすい。これによって、この画面は、ユーザが走行モードを選ぶ際の指標に成ることが出来る。なお、上記では、車両1に設定可能な全ての走行モードについての残走行距離が表示部114に表示されているが、全ての走行モードのうちの一部の複数の走行モードについて、残走行距離を表示してもよい。
【0049】
なお、残走行距離は、図6に示すように、数字によって表現されても良いが(この場合、残走行距離をユーザが把握しやすい。)、変形例として、例えば、残走行距離を図7のように、グラフ表示(ここでは、バー表示)しても良い。このようなグラフ表示によって、ユーザは走行モード毎の残走行距離の比較がし易い。また、他の変形例として、残走行距離は、図8に示すように、所定の距離を示すアイコンの数によって表現されても良い。これによって、ユーザは走行モード毎の残走行距離の比較がし易い。表示制御部111cは、図7又は8のような画面で残走行距離を表示しても良い。
【0050】
さらに、表示制御部111cは、残走行距離を表示する際に、距離の最も長い残走行距離及びこの残走行距離を持つ走行モードのうちの少なくとも一方を目立たせるように強調表示してもよい。この強調表示によって、ユーザは、残走行距離の最も長い走行モードがどれであるかを認識できる。強調表示としては、例えば、走行モード及び/又は残走行距離を他よりも太い太線で表示する、走行モード及び/又は残走行距離を点滅表示させる、走行モード及び/又は残走行距離を他の色と異ならせる、走行モード及び/又は残走行距離を他よりも大きく表示する、走行モード及び/又は残走行距離を装飾表示する等がある。なお、図7及び8では、強調表示として装飾表示が採用され、走行モード及び残走行距離には、ドットの画像領域が重ねられて表示されている。
【0051】
なお、残走行距離の表示は、例えば、ユーザが操作部115に対して、この表示を要求する操作を行った場合(つまり、このような操作の操作情報が表示制御部111c等に供給された場合)に行われても良い。これによって、ユーザの所望するタイミングでユーザに残走行距離を示すことが出来る。
【0052】
また、残走行距離の表示は、車両1が停止したときに行われても良い。この場合、この停止したという情報は、例えば、制御装置131から表示制御部111c等に供給されるものとし、表示制御部111c等はこの情報が供給されたことを契機として残走行距離の表示を開始する。また、この表示は、例えば、車両1が走り出したときに終了してもよい。このようなことにより、ユーザは、車両1の停止中に残走行距離を確認できるので、ユーザが車両1を運転して走行させている最中に、ユーザが残走行距離の確認に気を取られることが防止される。
【0053】
また、残走行距離の表示は、バッテリ7の残量が所定値以下になったときに開始されてもよい。この場合、例えば、残量取得部111aが常に残量情報を取得し、残量を監視し、残量が所定値以下になったら。表示制御部111c等がこの表示を開始するものとする。なお、表示制御部111cは、バッテリ7の残量が所定値を超えたときに適宜この表示を終了してもよい。これによって、ユーザは、バッテリ7の残量が少ないときに、残走行距離を確認できるので、残走行距離の長い走行モード(図6乃至8では、「ECOモード」)を選択できる。この場合、ユーザは、「ECO」モードを選択し、エコ運転操作を実行すると思われるので、ユーザの省エネルギーの意識を向上させることが可能になる。
【0054】
なお、残量取得部111a、燃費算出部111d等は、直接、残量計133を用いて残量を計測してもよい。例えば、残量取得部111a、燃費算出部111d等は、残量計133からの残量を示す信号を直接受け取り、この信号から残量を算出することによって、残量を計測してもよい。このような場合でも、残量取得部111a等は、残量を取得するという。このように、残量を取得するとは、残量を計測、算出して得ることをも適宜含む表現である。
【0055】
なお、上記では、表示制御装置11は、表示部114を含む表示装置であるが、表示部114は備えず、表示部114は表示制御装置11の外部にあってもよい。
【0056】
なお、表示制御装置11は、電気自動車に搭載されるとして説明したが、変形例として、表示制御装置は、電気自動車以外の他の電動の乗り物等に使用されてもよい。電動の乗り物としては、電動バイク等の車両、船舶、飛行機等がある。なお、走行とは、航行又は飛行等を適宜含む表現であるとする。また、変形例として表示制御装置は、電動の乗り物に使用されるものではなく、例えば、ガソリン等の燃料によって動く乗り物に使用されるものであってもよい。この場合、残量計133は液面センサ等によって構成され、残量は液面センサによって検出する液面の位置から特定される。なお、電動の乗り物については、燃料の乗り物に比べて、エネルギーの補給場所(充電できる場所)が少ないので、各走行モードの残走行距離が重要になる。このため、上記実施形態のように表示制御装置が電動の乗り物に使用されることによって、より効果を発揮する。
【0057】
なお、上記プログラムは、OS(Operation System)と協働してCPUに表示制御処理を行わせるものであってもよい。この場合、OSもROM112bに記録される。また、プログラムは、持ち運び可能な記憶媒体(例えば、CD−ROM(Compact Disk Read Only Memory)、DVD−ROM(Digital Versatile Disk Read Only Memory))に記録され、表示制御装置11に供給(インストール)されてもよい。また、プログラムは、ネットワークを介して表示制御装置11に供給されてもよい。これらの場合には、フラッシュメモリ112a等にプログラムが記録される。
【0058】
プログラムが記録された、ROM112b、フラッシュメモリ、又は、持ち運び可能な記憶媒体等は、プログラムを記憶したコンピュータが読み取り可能な記憶媒体になる。プログラムは、機能の少なくとも一部が専用回路によって実現された表示制御装置11を動作させるものであってもよい。つまり、表示制御装置11は、全体として、表示制御処理を行うものであればよく、制御プログラムは、そのような表示制御装置11を動作させるものであればよい。
【符号の説明】
【0059】
1 車両
3 動力部
5 タイヤ
7 バッテリ
9 アクセル
11 表示制御装置
13 車両制御部
50 画面
51 現在の時刻
52 バッテリの残量
53 現在の車両の速度
54 現在までの車両の累積走行距離
55 表示領域
56 矢印表示領域
111 制御部
111a 残量取得部
111b 走行距離特定部
111c 表示制御部
111d 燃費算出部
111e 走行モード設定部
112 記憶部
112a フラッシュメモリ
112b ROM
113 入出力インターフェース部
114 表示部
115 操作部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
乗り物を走行させるエネルギーの残量を取得する残量取得手段と、
前記残量取得手段が取得した前記残量に基づいて、前記乗り物に設定される複数の走行モードそれぞれで走行した場合の各残走行距離を特定する残走行距離特定手段と、
前記残走行距離特定手段が特定した、前記各残走行距離を表示部に一画面内で表示する表示制御手段と、
を備えることを特徴とする表示制御装置。
【請求項2】
前記走行モードは、前記乗り物を駆動する駆動源の出力形態である、
ことを特徴とする請求項1に記載の表示制御装置。
【請求項3】
前記乗り物は、電気自動車であり、
前記エネルギーは、バッテリに蓄えられた電力である、
ことを特徴とする請求項1に記載の表示制御装置。
【請求項4】
前記表示制御手段は、前記各残走行距離のうちの最も距離の長いものを強調表示する、
ことを特徴とする請求項1に記載の表示制御装置。
【請求項5】
コンピュータに、
乗り物を走行させるエネルギーの残量を取得する残量取得ステップと、
前記残量取得ステップで取得した前記残量に基づいて、前記乗り物に設定される複数の走行モードそれぞれで走行した場合の各残走行距離を特定する残走行距離特定ステップと、
前記残走行距離特定ステップで特定した、前記各残走行距離を表示部に一画面内で表示する表示制御ステップと、
を行わせることを特徴とするプログラム。
【請求項6】
乗り物に設定される複数の走行モードそれぞれで走行した場合の各残走行距離を表示する表示装置であって、
表示部と、
前記各残走行距離を前記表示部に一画面内で表示する表示制御手段と、
を備えることを特徴とする表示装置。
【請求項7】
乗り物に設定される複数の走行モードそれぞれで走行した場合の各残走行距離を表示部に表示するコンピュータに、
前記各残走行距離を前記表示部に一画面内で表示する表示制御ステップ、
を行わせることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−246034(P2011−246034A)
【公開日】平成23年12月8日(2011.12.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−122576(P2010−122576)
【出願日】平成22年5月28日(2010.5.28)
【出願人】(000231512)日本精機株式会社 (1,561)
【Fターム(参考)】