表示装置、表示装置の制御方法
【課題】ウィンドウに対する処理を容易化するユーザインターフェースの実現。
【解決手段】本発明のデータ表示/センサ装置100は、縮尺等のパラメータを個別に設定することのできる複数の地図を同時に表示可能なセンサ内蔵液晶パネル301A及び301Bと、複数の地図から、パラメータのコピー元となる地図と、パラメータのコピー先となる地図とを選択する入力操作が行われたことを検出する操作取得・判断部2と、操作取得・判断部2が、入力操作を検出したときに、コピー元の地図に設定されているパラメータの少なくとも1つを、コピー先の地図のパラメータに適用する設定変更部3とを備えている。これにより、複数のウィンドウのパラメータを容易に揃えることができるので、ユーザがウィンドウに対する処理を容易に行うことのできるユーザインターフェースが実現される。
【解決手段】本発明のデータ表示/センサ装置100は、縮尺等のパラメータを個別に設定することのできる複数の地図を同時に表示可能なセンサ内蔵液晶パネル301A及び301Bと、複数の地図から、パラメータのコピー元となる地図と、パラメータのコピー先となる地図とを選択する入力操作が行われたことを検出する操作取得・判断部2と、操作取得・判断部2が、入力操作を検出したときに、コピー元の地図に設定されているパラメータの少なくとも1つを、コピー先の地図のパラメータに適用する設定変更部3とを備えている。これにより、複数のウィンドウのパラメータを容易に揃えることができるので、ユーザがウィンドウに対する処理を容易に行うことのできるユーザインターフェースが実現される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置においてユーザがウィンドウに対する入力操作を行うためのユーザインターフェース等に関する。
【背景技術】
【0002】
近年では、地図を表示させる表示装置が一般に普及している。表示装置に表示させる地図は、表示装置を操作することによって、拡大・縮小、表示位置の移動等の様々な処理を施すことができるという、紙の地図にはないメリットを有する。
【0003】
例えば、下記の特許文献1には、表示した地図上に重畳してユーザの指定するマークを表示するデータ表示装置が開示されている。また、下記の特許文献2には、タッチパネルを用いて、地図の表示位置の移動、拡大・縮小等を行う地図案内表示装置が開示されている。そして、下記の特許文献3には、タッチパネルに表示した地図上で、円を描くことによって、該円で囲まれた領域を拡大した地図を表示する表示装置が開示されている。
【0004】
また、下記の特許文献4には、1つの表示画面に現在地付近の地図と目的地付近の地図とを表示させるナビゲーション装置が開示されている。特許文献4の構成によれば、現在地付近の地図を大きい縮尺で表示し、目的地付近の地図を小さい縮尺で表示することができるので、ユーザは、目的地と現在地との距離が遠い場合であっても、目的地の位置を確認しながら、現在地付近の詳細な地図を見て目的地に向かうことができる。
【0005】
特許文献4のように、複数の地図を同時に表示して、さらに各地図の縮尺や表示地域を個別に設定することができるようにすれば、ユーザは、複数の地図に記載されている情報を一度に確認することができるので利便性が高い。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平5−307358号公報(1993年11月19日公開)
【特許文献2】特開平3−225390号公報(1991年10月4日公開)
【特許文献3】特開2004−280745号公報(2004年10月7日公開)
【特許文献4】特開2000−241175号公報(2000年9月8日公開)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記特許文献4のように、複数の地図の縮尺や表示地域等のパラメータを個別に設定可能にした場合には、ユーザが各地図の縮尺や表示地域等のパラメータを揃える操作が煩雑になるという問題がある。
【0008】
これは、地図の表示に限られない問題である。例えば、パーソナルコンピュータ等において、表計算ソフトウェアや文書作成ソフトウェア等のアプリケーションプログラムを起動した場合には、各ソフトウェアに対応するウィンドウが表示される。そして、表示された各ウィンドウについては、それぞれ個別にパラメータを設定することができる。なお、ウィンドウ毎に設定可能なパラメータとしては、例えば、表示する文字のフォントやサイズ、ページのレイアウト、使用する言語等、様々なものが挙げられる。
【0009】
このように、各ウィンドウに様々なパラメータを個別に設定できることは、ユーザにとって便利である反面、各ウィンドウのパラメータを揃えようとした場合に、非常に手間がかかるという難点がある。
【0010】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、ユーザがウィンドウに対する処理を容易に行うことのできるユーザインターフェースを有する表示装置等を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記の課題を解決するために、本発明は、パラメータを個別に設定することのできる複数のウィンドウを同時に表示可能な表示部を有する表示装置であって、上記複数のウィンドウから、パラメータのコピー元となるコピー元ウィンドウと、パラメータのコピー先となるコピー先ウィンドウとを選択する入力操作が行われたことを検出する入力操作検出手段と、上記入力操作検出手段が、上記入力操作を検出したときに、上記コピー元ウィンドウに設定されているパラメータの少なくとも1つを、上記コピー先ウィンドウのパラメータに適用するパラメータコピー手段とを備えていることを特徴としている。
【0012】
また、上記の課題を解決するために、本発明は、パラメータを個別に設定することのできる複数のウィンドウを同時に表示可能な表示部を有する表示装置の制御方法であって、上記複数のウィンドウから、パラメータのコピー元となるコピー元ウィンドウと、パラメータのコピー先となるコピー先ウィンドウとを選択する入力操作が行われたことを検出する入力操作検出ステップと、上記入力操作検出ステップにて上記入力操作を検出したときに、上記コピー元ウィンドウに設定されているパラメータの少なくとも1つを、上記コピー先ウィンドウのパラメータに適用するパラメータコピーステップとを含むことを特徴としている。
【0013】
上記の構成または方法によれば、コピー元ウィンドウとコピー先ウィンドウとを選択する入力操作が検出されたときに、コピー元ウィンドウに設定されているパラメータの少なくとも1つが、コピー先ウィンドウのパラメータに適用される。
【0014】
したがって、上記表示装置のユーザは、コピー元ウィンドウとコピー先ウィンドウとを選択する入力操作を行うだけで、コピー元ウィンドウのパラメータとコピー先ウィンドウのパラメータとの少なくとも一部を同じにすることができる。すなわち、上記の構成または方法によれば、各ウィンドウのパラメータを容易に揃えることができ、これにより、ユーザがウィンドウに対する処理を容易に行うことのできるユーザインターフェースを実現することができる。
【0015】
なお、上記ウィンドウは、1つの表示部に表示されているものであってもよいし、表示部が複数設けられている場合には、異なる表示部に表示されているものであってもよい。すなわち、同時に表示されるウィンドウは、同じ表示部に同時に表示されてもよいし、異なる表示部に表示されてもよい。また、上記パラメータは、当該ウィンドウに関してユーザが設定可能なものであれば、どのようなものであってもよい。
【0016】
また、上記表示部は、該表示部に対する接触を検出する機能を有し、上記入力操作検出手段は、上記コピー元ウィンドウと上記コピー先ウィンドウとを選択する入力操作が上記表示部に触れることによって行われたことを検出することが好ましい。
【0017】
上記の構成によれば、表示部に触れることによってコピー元ウィンドウとコピー先ウィンドウとを選択する入力操作が行われたことが検出される。つまり、ユーザは、ウィンドウが表示されている表示部に対して入力操作を行うことによって、コピー元ウィンドウとコピー先ウィンドウとを選択することができる。
【0018】
したがって、上記の構成によれば、ユーザが直感的な入力操作でコピー元ウィンドウとコピー先ウィンドウとを選択することができる。なお、表示部に触れる入力操作は、例えばユーザの指等で行われる。
【0019】
また、上記コピー元ウィンドウと上記コピー先ウィンドウとを選択する入力操作は、当該コピー元ウィンドウからコピー先ウィンドウまで、上記表示部上をドラッグする入力操作であることが好ましい。
【0020】
上記の構成によれば、ユーザは、コピー元ウィンドウからコピー先ウィンドウまで、表示部上をドラッグするという直感的かつ極めて簡易な1つの操作で、コピー元ウィンドウに適用されているパラメータをコピー先ウィンドウのパラメータに適用することができる。
【0021】
なお、表示部に触れて入力操作を行う場合には、表示部上をなぞることによってドラッグすることができる。また、例えばマウス等のポインティングデバイスでドラッグ操作することもできる。
【0022】
また、上記ウィンドウは、地図を表示するウィンドウであり、上記パラメータは、上記地図の縮尺であり、上記パラメータコピー手段は、上記コピー元ウィンドウのパラメータを上記コピー先ウィンドウのパラメータに適用した後、当該コピー先ウィンドウの表示を更新し、縮尺の変更が反映された地図を表示することが好ましい。
【0023】
上記ウィンドウは、パラメータを設定可能なものであればよく、特に限定されないが、上記の構成のように、地図を表示するウィンドウであってもよい。また、上記パラメータは、ウィンドウにユーザが設定可能なものであればよく、特に限定されないが、上記の構成のように、地図の縮尺であってもよい。この場合には、ユーザは、複数の地図の縮尺を容易に揃えることができる。
【0024】
ところで、複数のウィンドウを表示する表示装置の使用シーンでは、各ウィンドウに同じ処理を施すことが考えられる。従来技術では、このような場合に、ユーザが各ウィンドウのそれぞれに対して所定の入力操作を行うことによって、各ウィンドウに処理を施す必要があった。すなわち、このような場合には、ユーザは、同じ入力操作を繰り返し行う必要があり、不便であった。
【0025】
そこで、本発明の表示装置は、上記課題を解決するために、複数のウィンドウを同時に表示可能な表示部を有する表示装置であって、上記複数のウィンドウの少なくとも2つが選択されたことを検出すると共に、少なくとも2つのウィンドウが選択された状態で所定の入力操作が行われたことを検出する入力操作検出手段と、上記入力操作検出手段が、上記所定の入力操作を検出したときに、選択された状態にあるウィンドウのそれぞれに、上記所定の入力操作に対応する同一の処理を施す処理実行手段とを備えていることを特徴としている。
【0026】
また、本発明の表示装置の制御方法は、上記課題を解決するために、複数のウィンドウを同時に表示可能な表示部を有する表示装置の制御方法であって、上記複数のウィンドウの少なくとも2つが選択されたことを検出すると共に、少なくとも2つのウィンドウが選択された状態で所定の入力操作が行われたことを検出する入力操作検出ステップと、上記入力操作検出ステップにて、上記所定の入力操作を検出したときに、選択された状態にあるウィンドウのそれぞれに、上記所定の入力操作に対応する同一の処理を施す処理実行ステップとを含むことを特徴としている。
【0027】
上記の構成または方法によれば、少なくとも2つのウィンドウが選択された状態で所定の入力操作が検出されたときに、該所定の入力操作に対応する同一の処理が上記選択された状態にあるウィンドウのそれぞれに施される。
【0028】
したがって、上記表示装置のユーザは、同一の処理を施したいウィンドウを選択し、施したい処理に対応する所定の入力操作を行うだけで、選択した各ウィンドウに同じ処理を施すことができる。すなわち、上記の構成または方法によれば、ユーザは、同じ入力操作を繰り返し行う必要がない。したがって、上記の構成または方法によれば、表示装置を使用するユーザの利便性を高めることができ、これにより、ユーザがウィンドウに対する処理を容易に行うことのできるユーザインターフェースを実現することができる。
【0029】
なお、上記ウィンドウは、1つの表示部に表示されているものであってもよいし、表示部が複数設けられている場合には、異なる表示部に表示されているものであってもよい。すなわち、同時に表示されるウィンドウは、同じ表示部に同時に表示されてもよいし、異なる表示部に表示されてもよい。また、上記所定の処理は、当該ウィンドウに関してユーザが施すことが可能なものであれば、どのようなものであってもよい。
【0030】
また、上記表示部は、該表示部に対する接触を検出する機能を有し、上記入力操作検出手段は、上記表示部において、接触が検出されている位置に表示されているウィンドウが選択された状態にあると判断すると共に、当該ウィンドウに接触が検出されている状態で、接触位置が予め定めたパターンで移動したときに上記所定の入力操作が行われたと判断することが好ましい。
【0031】
上記の構成によれば、接触が検出されている位置に表示されているウィンドウが選択状態にあると判断されるので、ユーザは、表示部に触れることによって、所定の入力操作を施す対象とするウィンドウを指定することができる。
【0032】
そして、上記の構成によれば、ウィンドウが選択されている状態で、接触位置が予め定めたパターンで移動したときに、上記所定の入力操作が行われたと判断されるので、ユーザは、ウィンドウの選択のために表示部に触れた位置を移動させることによって、上記所定の入力操作を行い、選択した各ウィンドウに同一の処理を施すことができる。
【0033】
したがって、上記の構成によれば、ユーザが直感的かつ簡易な入力操作でウィンドウを選択し、選択した各ウィンドウに同一の処理を施すことができる。
【0034】
また、上記ウィンドウは、地図を表示するウィンドウであり、上記処理実行手段は、上記入力操作検出手段が上記所定の入力操作を検出したときに、選択された状態にある少なくとも2つのウィンドウに表示されている地図の縮尺を同じ倍率で拡大または縮小することが好ましい。
【0035】
上記ウィンドウに表示されるコンテンツは、特に限定されないが、上記の構成のように、地図であってもよい。また、上記所定の入力操作に対応する処理は、入力操作毎に予め定義しておけばよく、特に限定されないが、上記の構成のように、地図の縮尺を拡大または縮小する処理であってもよい。この場合には、ユーザは、複数の地図の縮尺を同じ倍率で容易に拡大または縮小することができる。
【0036】
ところで、従来から、表示部に表示させた地図上から目的地点を指定することによって、現在地から上記指定した目的地点までの道順を表示する装置(例えばカーナビゲーション装置)が用いられている。このような装置では、自装置の現在地が出発地点として自動的に設定されるので、ユーザは、目的地点の設定を行うだけで、出発地点から目的地点までの道順を表示させることができる。
【0037】
しかし、ユーザが調べたい道順の出発地点と、ユーザの現在地とが一致しないことも考えられる。このような場合には、ユーザは、出発地点を登録するための操作画面を表示させて出発地点を選択し、その後目的地点を登録するための操作画面を表示させて目的地点を選択する必要がある。
【0038】
このように、従来の技術では、ユーザが調べたい道順の出発地点と目的地点とを指定する操作に手間がかかるという問題がある。
【0039】
そこで、本発明の表示装置は、上記課題を解決するために、地図を表示部に表示する表示装置であって、上記表示部に対する接触を検知する接触検知手段と、上記接触検知手段が、上記表示部に表示されている地図上の1点に接触を検出している状態で、上記表示部に表示されている地図上の別の1点に接触を検出したときに、該2点を結ぶ道順を表示する道順表示手段とを備えていることを特徴としている。
【0040】
また、本発明の表示装置の制御方法は、上記課題を解決するために、地図を表示部に表示する表示装置の制御方法であって、上記表示部に対する接触を検知する接触検知ステップと、上記接触検知ステップにて上記表示部に表示されている地図上の1点に接触を検出している状態で、上記表示部に表示されている地図上の別の1点に接触を検出したときに、該2点を結ぶ道順を表示する道順表示ステップとを含むことを特徴としている。
【0041】
上記の構成または方法によれば、表示部に表示されている地図上の1点に接触を検出している状態で、該表示部に表示されている地図上の別の1点に接触を検出したとき、すなわち、地図上の2点に接触が検出されている状態となったときに、該2点を結ぶ道順が表示される。
【0042】
したがって、上記表示装置のユーザは、地図上の2点にタッチするという極めて簡単かつ直感的な入力操作にて、当該2点間の道順を表示させることができる。すなわち、上記の構成または方法によれば、調べたい道順の出発地点と目的地点とを指定する操作を容易にすることができ、これにより、ユーザがウィンドウに対する処理を容易に行うことのできるユーザインターフェースを実現することができる。
【0043】
なお、上記地図は、1つの表示部に表示されているものであってもよいし、表示部が複数設けられている場合には、異なる表示部に表示されているものであってもよい。すなわち、道順を調べる2点は、同じ表示部から指定されてもよいし、異なる表示部から指定されてもよい。また、道順は、ユーザが当該道順を認識できるように表示されればよく、表示している地図に重畳して道順を表示してもよいし、地図を表示するウィンドウを別に立ち上げて、当該ウィンドウに道順を表示してもよい。
【0044】
また、上記道順表示手段は、上記接触検知手段が接触を検出した2点のうち、より早く接触を検出した点を出発地点とし、他方の点を目的地点とする道順を表示することが好ましい。
【0045】
上記の構成によれば、先に接触が検出された点を出発地点とし、次に接触が検出された点を目的地点とする道順が表示される。したがって、ユーザは、簡単かつ直感的な入力操作で出発地点と目的地点とを設定することができる。出発地点及び目的地点が特定されることによって、例えば、当該道順のルートガイドを行うことが可能になる。また、これにより、例えば、車両で移動する道順を調べるときに、一方通行の道路を考慮した道順を表示すること等も可能になる。
【0046】
また、上記表示装置は、上記表示部を複数備えていることが好ましい。
【0047】
これにより、複数の表示部のそれぞれに表示されたウィンドウ間でパラメータをコピーしたり、各ウィンドウに同一の処理を施したり、複数の表示部のそれぞれに表示された地図上の地点を指定して道順を表示させたりすることが可能になる。
【0048】
なお、上記表示装置は、コンピュータによって実現してもよく、この場合には、コンピュータを上記表示装置の各手段として動作させることにより、上記表示装置をコンピュータにて実現する表示装置制御プログラム、及びそれを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も本発明の範疇に入る。
【発明の効果】
【0049】
以上のように、本発明の表示装置は、複数のウィンドウから、パラメータのコピー元となるコピー元ウィンドウと、パラメータのコピー先となるコピー先ウィンドウとを選択する入力操作が行われたことを検出する入力操作検出手段と、上記入力操作検出手段が、上記入力操作を検出したときに、上記コピー元ウィンドウに設定されているパラメータの少なくとも1つを、上記コピー先ウィンドウのパラメータに適用するパラメータコピー手段とを備えている構成である。
【0050】
また、以上のように、本発明の表示装置の制御方法は、複数のウィンドウから、パラメータのコピー元となるコピー元ウィンドウと、パラメータのコピー先となるコピー先ウィンドウとを選択する入力操作が行われたことを検出する入力操作検出ステップと、上記入力操作検出ステップにて上記入力操作を検出したときに、上記コピー元ウィンドウに設定されているパラメータの少なくとも1つを、上記コピー先ウィンドウのパラメータに適用するパラメータコピーステップとを含む構成である。
【0051】
そして、以上のように、本発明の表示装置は、複数のウィンドウの少なくとも2つが選択されたことを検出すると共に、少なくとも2つのウィンドウが選択された状態で所定の入力操作が行われたことを検出する入力操作検出手段と、上記入力操作検出手段が、上記所定の入力操作を検出したときに、選択された状態にあるウィンドウのそれぞれに、上記所定の入力操作に対応する同一の処理を施す処理実行手段とを備えている構成である。
【0052】
また、本発明の表示装置の制御方法は、以上のように、複数のウィンドウの少なくとも2つが選択されたことを検出すると共に、少なくとも2つのウィンドウが選択された状態で所定の入力操作が行われたことを検出する入力操作検出ステップと、上記入力操作検出ステップにて、上記所定の入力操作を検出したときに、選択された状態にあるウィンドウのそれぞれに、上記所定の入力操作に対応する同一の処理を施す処理実行ステップとを含む構成である。
【0053】
さらに、本発明の表示装置は、以上のように、表示部に対する接触を検知する接触検知手段と、上記接触検知手段が、上記表示部に表示されている地図上の1点に接触を検出している状態で、上記表示部に表示されている地図上の別の1点に接触を検出したときに、該2点を結ぶ道順を表示する道順表示手段とを備えている構成である。
【0054】
また、本発明の表示装置の制御方法は、以上のように、表示部に対する接触を検知する接触検知ステップと、上記接触検知ステップにて上記表示部に表示されている地図上の1点に接触を検出している状態で、上記表示部に表示されている地図上の別の1点に接触を検出したときに、該2点を結ぶ道順を表示する道順表示ステップとを含む構成である。
【0055】
したがって、ユーザがウィンドウに対する処理を容易に行うことのできるユーザインターフェースを実現することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】本発明の実施形態1に係るデータ表示/センサ装置の主制御部等の要部構成を示すブロック図である。
【図2】上記データ表示/センサ装置が備えるセンサ内蔵液晶パネルの断面を模式的に示す図である。
【図3】同図(a)は、上記データ表示/センサ装置が備えるセンサ内蔵液晶パネルにて反射像を検知することにより、ユーザがタッチした位置を検出する様子を示す模式図であり、同図(b)は、上記データ表示/センサ装置が備えるセンサ内蔵液晶パネルにて影像を検知することにより、ユーザがタッチした位置を検出する様子を示す模式図である。
【図4】上記データ表示/センサ装置の要部構成を示すブロック図である。
【図5】上記データ表示/センサ装置で用いられるコマンドのフレーム構造の一例を模式的に示す図である。
【図6】上記コマンドに含まれる各フィールドに指定可能な値の一例、および、その概要を説明する図である。
【図7】同図(a)は、上記データ表示/センサ装置にて、対象物がセンサ内蔵液晶パネル上に置かれていないときに、センサ内蔵液晶パネル全体をスキャンした結果として得られる画像の一例を示す図であり、同図(b)は上記データ表示/センサ装置にて、ユーザが指でセンサ内蔵液晶パネルをタッチしているときに、スキャンした結果として得られる画像の一例を示す図である。
【図8】上記データ表示/センサ装置が備えるセンサ内蔵液晶パネルの構成およびその周辺回路の構成を示すブロック図である。
【図9】本発明のデータ表示/センサ装置の外観の一例を示す斜視図である。
【図10】上記データ表示/センサ装置の動作の一例を示す図であり、(a)はユーザが操作を行う前の画面表示例を示し、(b)はユーザが操作を行った後の画面表示例を示している。
【図11】上記データ表示/センサ装置が実行する処理の一例を示すフローチャートである。
【図12】本発明の実施形態2に係るデータ表示/センサ装置の動作の一例を示す図であり、(a)はユーザが操作を行う前の画面表示例を示し、(b)はユーザが操作を行った後の画面表示例を示している。
【図13】上記データ表示/センサ装置が実行する処理の一例を示すフローチャートである。
【図14】本発明の実施形態3に係るデータ表示/センサ装置の主制御部の要部構成を示すブロック図である。
【図15】上記データ表示/センサ装置の動作の一例を示す図であり、(a)はユーザが操作を行う前の画面表示例を示し、(b)はユーザが操作を行った後の画面表示例を示している。
【図16】上記データ表示/センサ装置が実行する処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0057】
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。
【0058】
〔実施の形態1〕
本発明の実施の一形態について図1〜図11に基づいて説明すれば以下のとおりである。まず、本発明の概要を図9に基づいて説明する。図9は、本発明のデータ表示/センサ装置(表示装置)100の外観の一例を示す斜視図である。
【0059】
図示のように、データ表示/センサ装置100は、表示/光センサ部300Aと表示/光センサ部300Bとがヒンジ部Hで連結された構成であり、表示/光センサ部300Aと表示/光センサ部300Bとをヒンジ部Hを軸として折り畳むことができる、いわゆるクラムシェル型の筐体を有している。
【0060】
また、図示のように、表示/光センサ部300Aは、センサ内蔵液晶パネル301(表示部)Aを備えており、表示/光センサ部300Bは、折り畳み時にセンサ内蔵液晶パネル301Aと対向する位置にセンサ内蔵液晶パネル301(表示部)Bを備えている。
【0061】
詳細については後述するが、センサ内蔵液晶パネル301A及びセンサ内蔵液晶パネル301Bは、画像の表示機能と像の検知機能とを備える、いわゆる光センサ内蔵液晶表示パネルである。これにより、データ表示/センサ装置100では、タッチパネル式の入力が可能になっている。
【0062】
なお、データ表示/センサ装置100は、画像を表示する表示部を少なくとも1つ備えていればよく、必ずしもクラムシェル型の筐体や光センサ内蔵液晶表示パネルを備えている必要はない。
【0063】
データ表示/センサ装置100は、センサ内蔵液晶パネル301Aとセンサ内蔵液晶パネル301Bとの両方に地図を表示させることができ、センサ内蔵液晶パネル301Aに表示させた地図のパラメータと、センサ内蔵液晶パネル301Bに表示させた地図のパラメータとを独立に設定することができる。
【0064】
これにより、例えば、センサ内蔵液晶パネル301Aに表示させた地図と異なる地域の地図をセンサ内蔵液晶パネル301Bに表示させることや、センサ内蔵液晶パネル301Aに表示させた地図の縮尺を変えずに、センサ内蔵液晶パネル301Bに表示させた地図の縮尺を変えること等が可能である。
【0065】
したがって、データ表示/センサ装置100は、例えばセンサ内蔵液晶パネル301Aに目的地付近の広域地図(縮尺の小さい地図)を表示させ、センサ内蔵液晶パネル301Bに現在地付近の詳細地図(縮尺の大きい地図)を表示させることもできる。これにより、データ表示/センサ装置100のユーザは、広域地図で目的地のおおよその位置を把握しつつ、詳細地図で現在地付近の道路を確認して、目的地に向かうことができる。
【0066】
そして、本実施形態のデータ表示/センサ装置100の主な特徴点は、センサ内蔵液晶パネル301A(または301B)に表示されている地図からセンサ内蔵液晶パネル301B(または301A)に表示されている地図までをドラッグする入力操作を検出したときに、両地図のパラメータをセンサ内蔵液晶パネル301A(または301B)に表示されている地図と同じにする点にある。これにより、ユーザは、地図をドラッグするという簡単かつ直感的な入力操作にて、例えば両地図の縮尺を同じにすることもできる。なお、入力デバイスとして、マウス等のポインティングデバイスを備えている場合には、このようなデバイスでドラッグ操作することもできる。
【0067】
〔センサ内蔵液晶パネルの概要〕
上記データ表示/センサ装置100が備えるセンサ内蔵液晶パネル301は、データの表示に加え、対象物の画像検出が可能な液晶パネルである。ここで、対象物の画像検出とは、例えば、ユーザが指やペンなどでポインティング(タッチ)した位置の検出や、印刷物等の画像の読み取り(スキャン)である。なお、表示に用いるデバイスは、液晶パネルに限定されるものではなく、有機EL(Electro Luminescence)パネルなどであってもよい。
【0068】
図2を参照しながら、センサ内蔵液晶パネル301の構造について説明する。図2は、センサ内蔵液晶パネル301の断面を模式的に示す図である。なお、ここで説明するセンサ内蔵液晶パネル301は一例であり、表示面と読取面とが共用されているものであれば、任意の構造のものが利用できる。
【0069】
図示のとおり、センサ内蔵液晶パネル301は、背面側に配置されるアクティブマトリクス基板51Aと、表面側に配置される対向基板51Bとを備え、これら基板の間に液晶層52を挟持した構造を有している。アクティブマトリクス基板51Aには、画素電極56、データ信号線57、光センサ回路32(図示せず)、配向膜58、偏光板59などが設けられる。対向基板51Bには、カラーフィルタ53r(赤)、53g(緑)、53b(青)、遮光膜54、対向電極55、配向膜58、偏光板59などが設けられる。また、センサ内蔵液晶パネル301の背面には、バックライト307が設けられている。
【0070】
なお、光センサ回路32に含まれるフォトダイオード6は、青のカラーフィルタ53bを設けた画素電極56の近傍に設けられているが、この構成に限定されるものではない。赤のカラーフィルタ53rを設けた画素電極56の近傍に設けてもよいし、緑のカラーフィルタ53gを設けた画素電極56の近傍に設けてもよい。
【0071】
次に、図3(a)および図3(b)を参照しながら、ユーザが、指やペンで、センサ内蔵液晶パネル301上をタッチした位置を検出する2種類の方法について説明する。
【0072】
図3(a)は、反射像を検知することにより、ユーザがタッチした位置を検出する様子を示す模式図である。バックライト307から光63が出射されると、フォトダイオード6を含む光センサ回路32は、指などの対象物64により反射された光63を検知する。これにより、対象物64の反射像を検知することができる。このように、センサ内蔵液晶パネル301は、反射像を検知することにより、タッチした位置を検出することができる。
【0073】
また、図3(b)は、影像を検知することにより、ユーザがタッチした位置を検出する様子を示す模式図である。図3(b)に示すように、フォトダイオード6を含む光センサ回路32は、対向基板51Bなどを透過した外光61を検知する。しかしながら、ペンなどの対象物62がある場合は、外光61の入射が妨げられるので、光センサ回路32が検知する光量が減る。これにより、対象物62の影像を検知することができる。このように、センサ内蔵液晶パネル301は、影像を検知することにより、タッチした位置を検出することもできる。
【0074】
上述のように、フォトダイオード6は、バックライト307より出射された光の反射光(影像)を検知してもよいし、外光による影像を検知してもよい。また、上記2種類の検知方法を併用して、影像と反射像とを両方を同時に検知するようにしてもよい。
【0075】
〔データ表示/センサ装置の要部構成〕
次に、図4を参照しながら、上記データ表示/センサ装置100の要部構成について説明する。図4は、データ表示/センサ装置100の要部構成を示すブロック図である。図示のように、データ表示/センサ装置100は、1または複数の表示/光センサ部300、回路制御部600、データ処理部700、主制御部800、記憶部901、一次記憶部902、操作部903、外部通信部907、音声出力部908、および音声入力部909を備えている。ここでは、データ表示/センサ装置100は、表示/光センサ部300を2つ(第1表示/光センサ部300Aおよび第2表示/光センサ部300B)備えているものとして説明する。なお、第1表示/光センサ部300Aおよび第2表示/光センサ部300Bを区別しないときは、表示/光センサ部300と表記する。
【0076】
表示/光センサ部300は、いわゆる光センサ内蔵液晶表示装置である。表示/光センサ部300は、センサ内蔵液晶パネル301、バックライト307、それらを駆動するための周辺回路309を含んで構成される。
【0077】
センサ内蔵液晶パネル301は、マトリクス状に配置された複数の画素回路31および光センサ回路32を含んで構成される。センサ内蔵液晶パネル301の詳細な構成については後述する。
【0078】
周辺回路309は、液晶パネル駆動回路304、光センサ駆動回路305、信号変換回路306、バックライト駆動回路308を含む。
【0079】
液晶パネル駆動回路304は、回路制御部600の表示制御部601からのタイミング制御信号(TC1)およびデータ信号(D)に従って、制御信号(G)およびデータ信号(S)を出力し、画素回路31を駆動する回路である。画素回路31の駆動方法の詳細については後述する。
【0080】
光センサ駆動回路305は、回路制御部600のセンサ制御部602からのタイミング制御信号(TC2)に従って、信号線(R)に電圧を印加し、光センサ回路32を駆動する回路である。光センサ回路32の駆動方法の詳細については後述する。
【0081】
信号変換回路306は、光センサ回路32から出力されるセンサ出力信号(SS)をデジタル信号(DS)に変換し、該変換後の信号をセンサ制御部602に送信する回路である。
【0082】
バックライト307は、複数の白色LED(Light Emitting Diode)を含んでおり、センサ内蔵液晶パネル301の背面に配置される。そして、バックライト駆動回路308から電源電圧が印加されると、バックライト307は点灯し、センサ内蔵液晶パネル301に光を照射する。なお、バックライト307は、白色LEDに限らず、他の色のLEDを含んでいてもよい。また、バックライト307は、LEDに代えて、例えば、冷陰極管(CCFL:Cold Cathode Fluorescent Lamp)を含むものであってもよい。
【0083】
バックライト駆動回路308は、回路制御部600のバックライト制御部603からの制御信号(BK)がハイレベルであるときは、バックライト307に電源電圧を印加し、逆に、バックライト制御部603からの制御信号がローレベルであるときは、バックライト307に電源電圧を印加しない。
【0084】
次に、回路制御部600について説明する。回路制御部600は、表示/光センサ部300の周辺回路309を制御するデバイスドライバとしての機能を備えるものである。回路制御部600は、表示制御部601、センサ制御部602、バックライト制御部603、および表示データ記憶部604を備えている。
【0085】
表示制御部601は、データ処理部700の表示データ処理部701から表示データを受信するとともに、表示データ処理部701からの指示に従って、表示/光センサ部300の液晶パネル駆動回路304に、タイミング制御信号(TC1)およびデータ信号(D)を送信し、上記受信した表示データをセンサ内蔵液晶パネル301に表示させる。
【0086】
なお、表示制御部601は、表示データ処理部701から受信した表示データを、表示データ記憶部604に一次記憶させる。そして、当該一次記憶させた表示データに基づいて、データ信号(D)を生成する。表示データ記憶部604は、例えば、VRAM(video random access memory)などである。
【0087】
センサ制御部602は、データ処理部700のセンサデータ処理部703からの指示に従って、表示/光センサ部300の光センサ駆動回路305に、タイミング制御信号(TC2)を送信し、センサ内蔵液晶パネル301にてスキャンを実行させる。
【0088】
また、センサ制御部602は、信号変換回路306からデジタル信号(DS)を受信する。そして、センサ内蔵液晶パネル301に含まれる全ての光センサ回路32から出力されたセンサ出力信号(SS)に対応するデジタル信号(DS)に基づいて、画像データを生成する。つまり、センサ内蔵液晶パネル301の読み取り領域全体で読み取った画像データを生成する。そして、該生成した画像データをセンサデータ処理部703に送信する。
【0089】
バックライト制御部603は、表示データ処理部701およびセンサデータ処理部703からの指示に従って、表示/光センサ部300のバックライト駆動回路308に制御信号(BK)を送信し、バックライト307を駆動させる。
【0090】
なお、データ表示/センサ装置100が、複数の表示/光センサ部300を備える場合、表示制御部601は、データ処理部700から、どの表示/光センサ部300にて表示データを表示するかの指示を受けたとき、当該指示に応じた表示/光センサ部300の液晶パネル駆動回路304を制御する。また、センサ制御部602は、データ処理部700から、どの表示/光センサ部300にて対象物のスキャンを行うかの指示を受けたとき、当該指示に応じた表示/光センサ部300の光センサ駆動回路305を制御するとともに、当該指示に応じた表示/光センサ部300の信号変換回路306からデジタル信号(DS)を受信する。
【0091】
次に、データ処理部700について説明する。データ処理部700は、主制御部800から受信する「コマンド」に基づいて、回路制御部600に指示を与えるミドルウェアとしての機能を備えるものである。なお、コマンドの詳細については後述する。
【0092】
データ処理部700は、表示データ処理部701およびセンサデータ処理部703を備えている。そして、データ処理部700が、主制御部800からコマンドを受信すると、該受信したコマンドに含まれる各フィールド(後述する)の値に応じて、表示データ処理部701およびセンサデータ処理部703の少なくとも一方が動作する。
【0093】
表示データ処理部701は、主制御部800から表示データを受信するとともに、データ処理部700が受信したコマンドに従って、表示制御部601およびバックライト制御部603に指示を与え、上記受信した表示データをセンサ内蔵液晶パネル301に表示させる。なお、コマンドに応じた、表示データ処理部701の動作については、後述する。
【0094】
センサデータ処理部703は、データ処理部700が受信したコマンドに従って、センサ制御部602およびバックライト制御部603に指示を与える。
【0095】
また、センサデータ処理部703は、センサ制御部602から画像データを受信し、当該画像データをそのまま画像データバッファ704に格納する。そして、センサデータ処理部703は、データ処理部700が受信したコマンドに従って、画像データバッファ704に記憶されている画像データに基づいて、「全体画像データ」、「部分画像データ(部分画像の座標データを含む)」、および「座標データ」の少なくともいずれか1つを、主制御部800に送信する。なお、全体画像データ、部分画像データ、および座標データについては、後述する。また、コマンドに応じた、センサデータ処理部703の動作については、後述する。
【0096】
次に、主制御部800は、アプリケーションプログラムを実行するものである。主制御部800は、記憶部901に格納されているプログラムを、例えばRAM(Random Access Memory)等で構成される一次記憶部902に読み出して実行する。
【0097】
主制御部800で実行されるアプリケーションプログラムは、センサ内蔵液晶パネル301に表示データを表示させたり、センサ内蔵液晶パネル301にて対象物のスキャンを行わせるために、データ処理部700に対して、コマンドおよび表示データを送信する。また、コマンドに「データ種別」を指定した場合は、当該コマンドの応答として、全体画像データ、部分画像データ、および座標データの少なくともいずれか1つを、データ処理部700から受信する。
【0098】
なお、回路制御部600、データ処理部700、および主制御部800は、それぞれ、CPU(Central Processing Unit)およびメモリ等で構成することができる。また、データ処理部700は、ASIC(application specific integrate circuit)などの回路で構成されていてもよい。
【0099】
次に、記憶部901は、図示のように、主制御部800が実行するプログラムおよびデータを格納するものである。なお、主制御部800が実行するプログラムは、アプリケーション固有のプログラムと、各アプリケーションが共用可能な汎用プログラムとに分離されていてもよい。
【0100】
次に、操作部903は、データ表示/センサ装置100のユーザの入力操作を受けつけるものである。操作部903は、例えば、スイッチ、リモコン、マウス、キーボードなどの入力デバイスで構成される。そして、操作部903は、データ表示/センサ装置100のユーザの入力操作に応じた制御信号を生成し、該生成した制御信号を主制御部800へ送信する。
【0101】
なお、上記スイッチの例としては、筐体のヒンジ部分に設けられ、筐体の開閉状態を検出するヒンジ部スイッチ904、電源のオンとオフとを切り替える電源スイッチ905、予め所定の機能が割り当てられているユーザスイッチ906などのハードウェアスイッチを想定している。
【0102】
その他、データ表示/センサ装置100は、無線/有線通信によって外部装置と通信を行うための外部通信部907、音声を出力するためのスピーカ等の音声出力部908、音声信号を入力するためのマイク等の音声入力部909などを適宜備えていてもよい。
【0103】
〔コマンドの詳細〕
次に、図5および図6を参照しながら、主制御部800からデータ処理部700に送信されるコマンドの詳細について説明する。図5は、コマンドのフレーム構造の一例を模式的に示す図である。また、図6は、コマンドに含まれる各フィールドに指定可能な値の一例、および、その概要を説明する図である。
【0104】
図5に示すように、コマンドは、「ヘッダ」、「データ取得タイミング」、「データ種別」、「スキャン方式」、「スキャン画像階調」、「スキャン解像度」、「スキャンパネル」、「表示パネル」、および「予備」の各フィールドを含んでいる。そして、各フィールドには、例えば、図6に示す値が指定可能である。
【0105】
「ヘッダ」フィールドは、フレームの開始を示すフィールドである。「ヘッダ」フィールドであることが識別可能であれば、「ヘッダ」フィールドの値は、どのような値であってもよい。
【0106】
次に、「データ取得タイミング」フィールドは、データを主制御部800へ送信すべきタイミングを指定するフィールドである。「データ取得タイミング」フィールドには、例えば、“00”(センス)、“01”(イベント)、および“10”(オール)という値が指定可能である。
【0107】
ここで、“センス”は、最新のデータを直ちに送信することを指定するものである。よって、センサデータ処理部703は、「データ取得タイミング」フィールドの値が“センス”であるコマンドを受信すると、「データ種別」フィールドにて指定されている最新のデータを、直ちに、主制御部800に送信する。
【0108】
また、“イベント”は、センサ制御部602から受信する画像データに変化が生じたタイミングで送信することを指定するものである。よって、センサデータ処理部703は、「データ取得タイミング」フィールドの値が“イベント”であるコマンドを受信すると、「データ種別」フィールドにて指定されているデータを、センサ制御部602から受信する画像データに、所定の閾値より大きい変化が生じたタイミングで、主制御部800に送信する。
【0109】
また、“オール”は、所定周期でデータを送信することを指定するものである。よって、センサデータ処理部703は、「データ取得タイミング」フィールドの値が“オール”であるコマンドを受信すると、「データ種別」フィールドにて指定されているデータを、所定周期で、主制御部800に送信する。なお、上記所定周期は、光センサ回路32にてスキャンを行う周期と一致する。
【0110】
次に、「データ種別」フィールドは、センサデータ処理部703から取得するデータの種別を指定するフィールドである。なお、「データ種別」フィールドには、例えば、“001”(座標)、“010”(部分画像)、および“100”(全体画像)という値が指定可能である。さらに、これらの値を加算することによって、“座標”と、“部分画像”/“全体画像”とを、同時に指定可能である。例えば、“座標”と“部分画像”とを同時に指定する場合、“011”と指定することができる。
【0111】
センサデータ処理部703は、「データ種別」フィールドの値が“全体画像”であるコマンドを受信すると、画像データバッファ704に記憶している画像データそのものを主制御部800に送信する。画像データバッファ704に記憶している画像データそのものを、「全体画像データ」と称する。
【0112】
また、センサデータ処理部703は、「データ種別」フィールドの値が“部分画像”であるコマンドを受信すると、センサ制御部602から受信する画像データから、所定の閾値より大きい変化が生じた部分を含む領域を抽出し、該抽出した領域の画像データを主制御部800に送信する。ここで、当該画像データを、「部分画像データ」と称する。なお、上記部分画像データが複数抽出された場合、センサデータ処理部703は、該抽出されたそれぞれの部分画像データを主制御部800に送信する。
【0113】
さらに、センサデータ処理部703は、「データ種別」フィールドの値が“部分画像”であるコマンドを受信したとき、部分画像データにおける代表座標を検出し、当該代表座標の部分画像データにおける位置を示す座標データを主制御部800に送信する。なお、上記代表座標とは、例えば、上記部分画像データの中心の座標、上記部分画像データの重心の座標などが挙げられる。
【0114】
次に、センサデータ処理部703は、「データ種別」フィールドの値が“座標”であるコマンドを受信すると、上記代表座標の全体画像データにおける位置を示す座標データを主制御部800に送信する。なお、上記部分画像データが複数抽出された場合、センサデータ処理部703は、該抽出された、それぞれの部分画像データの、全体画像データにおける代表座標を検出し、当該代表座標を示す座標データのそれぞれを主制御部800に送信する(多点検出)。
【0115】
なお、全体画像データ、部分画像データ、および座標データの具体例については、模式図を参照しながら後述する。
【0116】
次に、「スキャン方式」フィールドは、スキャン実行時に、バックライト307を点灯するか否かを指定するフィールドである。「スキャン方式」フィールドには、例えば、“00”(反射)、“01”(透過)、および“10”(反射/透過)という値が指定可能である。
【0117】
“反射”は、バックライト307を点灯した状態でスキャンを行うことを指定するものである。よって、センサデータ処理部703は、「スキャン方式」フィールドの値が“反射”であるコマンドを受信すると、光センサ駆動回路305とバックライト駆動回路308とが同期して動作するように、センサ制御部602とバックライト制御部603とに指示を与える。
【0118】
また、“透過”は、バックライト307を消灯した状態でスキャンを行うことを指定するものである。よって、センサデータ処理部703は、「スキャン方式」フィールドの値が“透過”であるコマンドを受信すると、光センサ駆動回路305を動作させ、バックライト駆動回路308と動作させないようにセンサ制御部602とバックライト制御部603とに指示を与える。なお、“反射/透過”は、“反射”と“透過”とを併用してスキャンを行うことを指定するものである。
【0119】
次に、「スキャン画像階調」フィールドは、部分画像データおよび全体画像データの階調を指定するフィールドである。「スキャン画像階調」フィールドには、例えば、“00”(2値)、および“01”(多値)という値が指定可能である。
【0120】
ここで、センサデータ処理部703は、「スキャン画像階調」フィールドの値が“2値”であるコマンドを受信すると、部分画像データおよび全体画像データをモノクロデータとして、主制御部800に送信する。
【0121】
また、センサデータ処理部703は、「スキャン画像階調」フィールドの値が“多値”であるコマンドを受信すると、部分画像データおよび全体画像データを多階調データとして、主制御部800に送信する。
【0122】
次に、「スキャン解像度」フィールドは、部分画像データおよび全体画像データの解像度を指定するフィールドである。「スキャン解像度」フィールドには、例えば、“0”(高)および“1”(低)という値が指定可能である。
【0123】
ここで、“高”は、高解像度を指定するものである。よって、センサデータ処理部703は、「スキャン解像度」フィールドの値が“高”であるコマンドを受信すると、部分画像データおよび全体画像データを高解像度で主制御部800に送信する。例えば、画像認識などの画像処理を行う対象の画像データ(指紋などの画像データ)には、“高”を指定することが望ましい。
【0124】
また、“低”は、低解像度を指定するものである。よって、センサデータ処理部703は、「スキャン解像度」フィールドの値が“低”であるコマンドを受信すると、部分画像データおよび全体画像データを低解像度で主制御部800に送信する。例えば、タッチした位置等が分かる程度でよい画像データ(タッチした指や手の画像データなど)には、“低”を指定することが望ましい。
【0125】
次に、「スキャンパネル」フィールドは、どの表示/光センサ部300にて対象物のスキャンを行うかを指定するフィールドである。「スキャンパネル」フィールドには、例えば、“001”(第1表示/光センサ部300A)、“010”(第2表示/光センサ部300B)という値が指定可能である。なお、これらの値を加算することによって、複数の表示/光センサ部300を同時に指定可能である。例えば、“第1表示/光センサ部300A”と“第2表示/光センサ部300B”とを同時に指定する場合、“011”と指定することができる。
【0126】
ここで、センサデータ処理部703は、「スキャンパネル」フィールドの値が“第1表示/光センサ部300A”であるコマンドを受信すると、第1表示/光センサ部300Aの光センサ駆動回路305およびバックライト駆動回路308を制御するように、センサ制御部602およびバックライト制御部603に指示を与える。
【0127】
次に、「表示パネル」フィールドは、どの表示/光センサ部300にて表示データを表示させるかを指定するフィールドである。「表示パネル」フィールドには、例えば、“001”(第1表示/光センサ部300A)、“010”(第2表示/光センサ部300B)という値が指定可能である。なお、これらの値を加算することによって、複数の表示/光センサ部300を同時に指定可能である。例えば、“第1表示/光センサ部300A”と“第2表示/光センサ部300B”とを同時に指定する場合、“011”と指定することができる。
【0128】
ここで、表示データ処理部701は、例えば、「表示パネル」フィールドの値が“第1表示/光センサ部300A”であるコマンドを受信すると、第1表示/光センサ部300Aに表示データを表示させるために、第1表示/光センサ部300Aの液晶パネル駆動回路304およびバックライト駆動回路308を制御するように、表示制御部601およびバックライト制御部603に指示を与える。
【0129】
次に、「予備」フィールドは、上述したフィールドにて指定可能な情報以外の情報をさらに指定する必要がある場合に、適宜指定されるフィールドである。
【0130】
なお、主制御部800にて実行されるアプリケーションは、コマンドを送信するにあたり、上述したフィールドを全て使用する必要はなく、使用しないフィールドには無効値(NULL値など)を設定しておけばよい。
【0131】
また、ユーザが指やペンなどでタッチした位置の座標データを取得したいときは、「データ種別」フィールドに“座標”を指定したコマンドをデータ処理部700に送信することとなるが、指やペンなどは動きがあるため、さらに、当該コマンドの「データ取得タイミング」フィールドに“オール”を指定し、座標データを取得するようにすることが望ましい。また、タッチした位置の座標データが取得できればよいため、スキャンの精度は高くなくてもよい。したがって、上記コマンドの「スキャン解像度」フィールドの値は“低”を指定しておけばよい。
【0132】
また、コマンドの「データ種別」フィールドに“座標”を指定した場合において、例えば、ユーザが、複数の指やペンなどでセンサ内蔵液晶パネル301を同時にタッチした場合は、該タッチした位置の座標データのそれぞれを取得することができる(多点検出)。
【0133】
また、原稿などの対象物の画像データを取得する場合、「データ種別」フィールドに“全体画像”を指定したコマンドをデータ処理部700に送信することとなるが、原稿などの対象物は、通常、静止させた状態でスキャンを実行することが一般的であるため、周期的にスキャンを実行する必要はない。従って、この場合は、「データ取得タイミング」フィールドに“センス”または“イベント”を指定することが望ましい。なお、原稿などの対象物をスキャンするときは、ユーザが文字を読みやすいように、スキャン精度は高い方が望ましい。したがって、「スキャン解像度」フィールドには“高”を指定することが望ましい。
【0134】
〔全体画像データ/部分画像データ/座標データ〕
次に、図7を参照しながら、全体画像データ、部分画像データ、および座標データについて、例を挙げて説明する。図7(a)に示す画像データは、対象物がセンサ内蔵液晶パネル301上に置かれていないときに、センサ内蔵液晶パネル301全体をスキャンした結果として得られる画像データである。また、図7(b)に示す画像データは、ユーザが指でセンサ内蔵液晶パネル301をタッチしているときに、センサ内蔵液晶パネル301全体をスキャンした結果として得られる画像データである。
【0135】
ユーザが指でセンサ内蔵液晶パネル301をタッチしたとき、当該タッチした近傍の光センサ回路32が受光する光量が変化するため、当該光センサ回路32が出力する電圧に変化が生じ、その結果として、センサ制御部602が生成する画像データのうち、ユーザがタッチした部分の画素値の明度に変化が生じることとなる。
【0136】
図7(b)に示す画像データでは、図7(a)に示す画像データと比べると、ユーザの指に該当する部分の画素値の明度が高くなっている。そして、図7(b)に示す画像データにおいて、明度が所定の閾値より大きく変化している画素値を全て含む最小の矩形領域(領域PP)が、“部分画像データ”である。
【0137】
なお、領域APで示される画像データが、“全体画像データ”である。
【0138】
また、部分画像データ(領域PP)の代表座標Zの、全体画像データ(領域AP)における座標データは(Xa,Ya)であり、部分画像データ(領域PP)における座標データは(Xp,Yp)である。
【0139】
〔センサ内蔵液晶パネルの構成〕
次に、図8を参照しながら、センサ内蔵液晶パネル301の構成、および、センサ内蔵液晶パネル301の周辺回路309の構成について説明する。図8は、表示/光センサ部300の要部、特に、センサ内蔵液晶パネル301の構成および周辺回路309の構成を示すブロック図である。
【0140】
センサ内蔵液晶パネル301は、光透過率(輝度)を設定するための画素回路31、および、自身が受光した光の強度に応じた電圧を出力する光センサ回路32を備えている。なお、画素回路31は、赤色、緑色、青色のカラーフィルタのそれぞれに対応するR画素回路31r、G画素回路31g、B画素回路31bの総称として用いる。
【0141】
画素回路31は、センサ内蔵液晶パネル301上の列方向(縦方向)にm個、行方向(横方向)に3n個配置される。そして、R画素回路31r、G画素回路31g、およびB画素回路31bの組が、行方向(横方向)に連続して配置される。この組が1つの画素を形成する。
【0142】
画素回路31の光透過率を設定するには、まず、画素回路31に含まれるTFT(Thin Film Transistor)33のゲート端子に接続される走査信号線Giにハイレベル電圧(TFT33をオン状態にする電圧)を印加する。その後、R画素回路31rのTFT33のソース端子に接続されているデータ信号線SRjに、所定の電圧を印加する。同様に、G画素回路31gおよびB画素回路31bについても、光透過率を設定する。そして、これらの光透過率を設定することにより、センサ内蔵液晶パネル301上に画像が表示される。
【0143】
次に、光センサ回路32は、一画素毎に配置される。なお、R画素回路31r、G画素回路31g、およびB画素回路31bのそれぞれの近傍に1つずつ配置されてもよい。
【0144】
光センサ回路32にて光の強度に応じた電圧を出力させるためには、まず、コンデンサ35の一方の電極に接続されているセンサ読み出し線RWiと、フォトダイオード36のアノード端子に接続されているセンサリセット線RSiとに所定の電圧を印加する。この状態において、フォトダイオード36に光が入射されると、入射した光量に応じた電流がフォトダイオード36に流れる。そして、当該電流に応じて、コンデンサ35の他方の電極とフォトダイオード36のカソード端子との接続点(以下、接続ノードV)の電圧が低下する。そして、センサプリアンプ37のドレイン端子に接続される電圧印加線SDjに電源電圧VDDを印加すると、接続ノードVの電圧は増幅され、センサプリアンプ37のソース端子からセンシングデータ出力線SPjに出力される。そして、当該出力された電圧に基づいて、光センサ回路32が受光した光量を算出することができる。
【0145】
次に、センサ内蔵液晶パネル301の周辺回路である、液晶パネル駆動回路304、光センサ駆動回路305、およびセンサ出力アンプ44について説明する。
【0146】
液晶パネル駆動回路304は、画素回路31を駆動するための回路であり、走査信号線駆動回路3041およびデータ信号線駆動回路3042を含んでいる。
【0147】
走査信号線駆動回路3041は、表示制御部601から受信したタイミング制御信号TC1に基づいて、1ライン時間毎に、走査信号線G1〜Gmの中から1本の走査信号線を順次選択し、該選択した走査信号線にハイレベル電圧を印加するとともに、その他の走査信号線にローレベル電圧を印加する。
【0148】
データ信号線駆動回路3042は、表示制御部601から受信した表示データD(DR、DG、およびDB)に基づいて、1ライン時間毎に、1行分の表示データに対応する所定の電圧を、データ信号線SR1〜SRn、SG1〜SGn、SB1〜SBnに印加する(線順次方式)。なお、データ信号線駆動回路3042は、点順次方式で駆動するものであってもよい。
【0149】
光センサ駆動回路305は、光センサ回路32を駆動するための回路である。光センサ駆動回路305は、センサ制御部602から受信したタイミング制御信号TC2に基づいて、センサ読み出し信号線RW1〜RWmの中から、1ライン時間毎に1本ずつ選択したセンサ読み出し信号線に所定の読み出し用電圧を印加するとともに、その他のセンサ読み出し信号線には、所定の読み出し用電圧以外の電圧を印加する。また、同様に、タイミング制御信号TC2に基づいて、センサリセット信号線RS1〜RSmの中から、1ライン時間毎に1本ずつ選択したセンサリセット信号線に所定のリセット用電圧を印加するとともに、その他のセンサリセット信号線には、所定のリセット用電圧以外の電圧を印加する。
【0150】
センシングデータ出力信号線SP1〜SPnはp個(pは1以上n以下の整数)のグループにまとめられ、各グループに属するセンシングデータ出力信号線は、時分割で順次オン状態になるスイッチ47を介して、センサ出力アンプ44に接続される。センサ出力アンプ44は、スイッチ47により接続されたセンシングデータ出力信号線のグループからの電圧を増幅し、センサ出力信号SS(SS1〜SSp)として、信号変換回路306へ出力する。
【0151】
〔主制御部の構成〕
続いて、主制御部800の詳細な構成について、図1に基づいて説明する。図1は、主制御部800等の要部構成を示すブロック図である。図示のように、主制御部800は、スキャン処理部1、操作取得・判断部(入力操作検出手段)2、設定変更部(パラメータコピー手段)3、及び表示処理部4を備えている。また、記憶部901には、第1設定格納部10及び第2設定格納部11が含まれている。
【0152】
スキャン処理部1は、表示/光センサ部300に像の検知を行わせ、センサ内蔵液晶パネル301にユーザの指等が接触した位置を取得する。具体的には、スキャン処理部1は、データ処理部700に「データ取得タイミング」を“イベント”、「データ種別」を“座標”、「スキャン方式」を“反射”、「スキャンパネル」を“表示/光センサ部300A及び301Bの両方”としたコマンドを送信し、センサ内蔵液晶パネル301に対して接触があった位置を示す座標データを取得する。
【0153】
操作取得・判断部2は、スキャン処理部1に指示してセンサ内蔵液晶パネル301に対するユーザの指等の接触位置を取得させ、取得させた接触位置(座標データ)及び接触位置の変化の何れかまたは両方に基づいて、ユーザがどのような操作を行ったかを判断する。なお、操作取得・判断部2は、接触位置及び接触位置の変化と、それに対応するユーザ操作との対応を予め記憶している。
【0154】
設定変更部3は、操作取得・判断部2がセンサ内蔵液晶パネル301A(または301B)に表示されているウィンドウの設定(パラメータ)をセンサ内蔵液晶パネル301B(または301A)に表示されているウィンドウの設定と同じにする入力操作が行われたと判断したときに、センサ内蔵液晶パネル301A(または301B)に表示されているウィンドウの設定を、センサ内蔵液晶パネル301B(または301A)に表示されているウィンドウの設定と同じにする。
【0155】
具体的には、設定変更部3は、センサ内蔵液晶パネル301Aに表示されているウィンドウの設定をセンサ内蔵液晶パネル301Bに表示されているウィンドウの設定と同じにする入力操作が行われた場合には、センサ内蔵液晶パネル301Aに表示されているウィンドウに適用されている設定が格納されている第1設定格納部10から、センサ内蔵液晶パネル301Aに表示されているウィンドウに適用されている設定を読み出し、これをセンサ内蔵液晶パネル301Aに表示されているウィンドウに適用されている設定が格納されている第2設定格納部11に上書きする。表示/光センサ部300Bの設定を表示/光センサ部300Aの設定と同じにする入力操作が行われた場合も同様である。
【0156】
これにより、センサ内蔵液晶パネル301Aに表示されているウィンドウの設定とセンサ内蔵液晶パネル301Bに表示されているウィンドウに適用されている設定とが同じになる。
【0157】
ここでは、センサ内蔵液晶パネル301A及び301Bのそれぞれに1つのウィンドウを表示することを想定しているが、センサ内蔵液晶パネル301Aまたは301Bの何れかに複数のウィンドウを表示し、同一のパネル内に表示されたウィンドウ間で設定のコピーを行うようにしてもよい。
【0158】
なお、ウィンドウに適用される設定とは、例えば地図を表示する場合では、当該地図の縮尺、特定の店舗や施設等を示す文字列またはアイコン(コンビニエンスストア、ガソリンスタンド、飲食店等の標章をアイコンとしてもよい)、地図記号等の表示の可否、航空写真または衛星写真のように写真の画像で構成される地図を表示するか、写真の画像で構成されていない地図を表示するか、二次元画像の地図を表示するか、三次元画像の地図を表示するか、等を規定するものである。
【0159】
また、以下では、地図のウィンドウを表示する例について説明するが、ウィンドウに表示するコンテンツは、ウィンドウ毎にパラメータを設定可能なものであればよく、地図に限られない。
【0160】
例えば、表計算ソフトウェアや文書作成ソフトウェア等のアプリケーションプログラムを起動した場合に表示されるウィンドウについても、同様の処理でウィンドウ間におけるパラメータのコピーを実現することができる。この場合には、パラメータは、例えば、表示する文字のフォントやサイズ、ページのレイアウト、使用する言語等になる。
【0161】
なお、設定変更部3は、全ての設定をコピーする必要はなく、少なくとも1つの設定をコピーすればよい。コピーする設定は、ユーザが選択するようにしてもよいし、予め定めておいてもよい。また、入力操作に応じてコピーする設定を変えるようにしてもよい。
【0162】
表示処理部4は、センサ内蔵液晶パネル301に画像を表示させる。具体的には、表示処理部4は、データ処理部700にセンサ内蔵液晶パネル301に表示させる画像の画像データと共に、「表示パネル」フィールドの値として、“第1表示/光センサ部”または“第2表示/光センサ部”を指定したコマンドをデータ処理部700に送信することによって、センサ内蔵液晶パネル301に画像を表示させる。
【0163】
〔動作例〕
次に、上記の構成を備えるデータ表示/センサ装置100の具体的な動作について、図10に基づいて説明する。図10は、データ表示/センサ装置100の動作の一例を示す図であり、(a)はユーザが操作を行う前の画面表示例を示し、(b)はユーザが操作を行った後の画面表示例を示している。
【0164】
図示のように、センサ内蔵液晶パネル301A及び301Bには、それぞれ地図が表示されている。より詳細には、同図(a)のセンサ内蔵液晶パネル301Aにはセンサ内蔵液晶パネル301Bとは異なる地域の地図が表示されている。そして、センサ内蔵液晶パネル301Aに表示されている地図の縮尺は、目盛Cが示すように、センサ内蔵液晶パネル301Bに表示されている地図の1/2倍である。
【0165】
図示の例では、この状態において、図示のように、センサ内蔵液晶パネル301Bにタッチし(1)、タッチした指またはペン先等をセンサ内蔵液晶パネル301Aまでドラッグする(2)ことにより、センサ内蔵液晶パネル301Bに表示されている地図に適用されている設定が、センサ内蔵液晶パネル301Aに表示されている地図の設定にコピーされることを想定している。
【0166】
すなわち、図示のように、センサ内蔵液晶パネル301Bにタッチし(1)、タッチした指またはペン先等をセンサ内蔵液晶パネル301Aまでドラッグした(2)ときには、センサ内蔵液晶パネル301Aの表示が同図(b)の状態に更新される。同図(b)においてセンサ内蔵液晶パネル301Aに表示されている地図の縮尺は、目盛Cが示すように、センサ内蔵液晶パネル301Bに表示されている地図と同じになっている。
【0167】
このように、図10の例に係るデータ表示/センサ装置100によれば、設定のコピー元となるセンサ内蔵液晶パネル301にタッチして、設定のコピー先となるセンサ内蔵液晶パネル301までドラッグするという簡単かつ直感的な入力操作によって、一方のセンサ内蔵液晶パネル301に表示されている地図に適用されている設定を他方のセンサ内蔵液晶パネル301表示されている地図にも適用することができる。
【0168】
したがって、データ表示/センサ装置100のユーザは、極めて容易な操作でセンサ内蔵液晶パネル301Aに表示されている地図に適用されている設定と、センサ内蔵液晶パネル301Bに表示されている地図に適用されている設定とを揃えることができる。
【0169】
〔処理の流れ〕
上記〔動作例〕に示すような動作を実現するためにデータ表示/センサ装置100が実行する処理の流れについて、図11に基づいて説明する。図11は、データ表示/センサ装置100が実行する処理の一例を示すフローチャートである。
【0170】
まず、操作取得・判断部2は、センサ内蔵液晶パネル301A及び301Bに、タッチパネル入力の対象となる画像(例えば地図)が表示されているときに、スキャン処理部1に指示して画面(センサ内蔵液晶パネル301AまたはB)に対する接触を検知させる。
【0171】
ここで、スキャン処理部1が、画面に対する接触を検知しなかった場合(S1でNO)には、操作取得・判断部2は、タッチパネル入力の対象となる画像が表示されている限り、引き続きスキャン処理部1に画面に対する接触を検知させる。
【0172】
一方、スキャン処理部1が、画面に対する接触を検知した場合(S1でYES)には、操作取得・判断部2は、接触位置が他の画面に移動したか否かを確認する(S2)。具体的には、操作取得・判断部2は、画面に対する接触位置を示す座標データをスキャン処理部1から受信して、受信した座標データに基づいて上記の確認を行う。
【0173】
すなわち、操作取得・判断部2は、受信した座標データが、当該座標データが検出された画面から他方の画面に向かって移動し、その後、当該他方の画面で座標データが検出されたときに、接触位置が他の画面に移動した(S2でYES)と判断する。この場合には、操作取得・判断部2は、設定をコピーする入力操作が行われたと判断し、接触位置の移動元画面と移動先画面とを設定変更部3に伝達し、これにより処理はS3に進む。
【0174】
一方、画面に対する接触が検知されなくなった(座標データが送信されなくなった)後、所定時間が経過しても他方の画面に接触が検知されない(座標データが送信されない)場合には、操作取得・判断部2は、接触位置が他の画面に移動しなかった(S2でNO)と判断する。この場合には、処理はS1に戻る。
【0175】
S3では、設定変更部3は、最初に接触が検知された画面に表示されている地図に適用されている設定を読み出す。つまり、設定変更部3は、最初にセンサ内蔵液晶パネル301Aに接触が検知された場合には、第1設定格納部10から設定を読み出し、最初にセンサ内蔵液晶パネル301Bに接触が検知された場合には、第2設定格納部11から設定を読み出す。
【0176】
続いて、設定変更部3は、上記読み出した設定を、接触位置の移動先の画面に表示されている地図に適用する(S4)。具体的には、設定変更部3は、第1設定格納部10から設定を読み出した場合には、読み出した設定で第2設定格納部11に格納されている設定を上書きし、第2設定格納部11から設定を読み出した場合には、読み出した設定で第1設定格納部10に格納されている設定を上書きする。
【0177】
そして、設定変更部3は、表示処理部4に指示して、接触位置の移動先の画面に表示されている地図の表示を更新させる(S5)。これにより、センサ内蔵液晶パネル301には、更新された設定が反映された地図が表示される。
【0178】
〔変形例〕
上記データ表示/センサ装置100は、設定のコピー元のウィンドウと設定のコピー先のウィンドウとを選択する入力操作を検出したときに、コピー元のウィンドウの設定をコピー先のウィンドウに適用するものであればよく、上記の例に限られない。
【0179】
すなわち、上記では、コピー元の画面からコピー先の画面までドラッグする入力操作によって設定のコピーが行われる例を説明したが、この例に限られない。例えば、コピー元の画面とコピー先の画面とを続けてタッチする入力操作によって設定のコピーが行われるようにしてもよい。また、例えば、コピー元の画面をタッチしながら、コピー先の画面にタッチする入力操作によって設定のコピーが行われるようにしてもよい。さらに、コピー元の画面をコピー先の画面に向かってドラッグした場合にも、ドラッグの方向からコピー先の画面を特定することができるので、このような入力操作によって設定のコピーが行われるようにしてもよい。
【0180】
さらに、マウスやタブレット、キーボード、入力ボタン等の入力装置を用いてコピー元の画面とコピー先の画面とを選択するようにしてもよい。ただし、上記のように、画面に直接タッチして入力操作を行うことができる構成とした場合には、ユーザが直感的に設定のコピー操作を行うことができるので、入力操作は画面に対して行うことができるように構成することが好ましい。
【0181】
この場合には、上記の例のように、光センサ内蔵液晶表示パネル以外にも、従来のタッチパネルとして一般に利用されている、抵抗膜式、表面弾性波式、静電容量式等のタッチパネルを適用することもできる。ただし、光センサ内蔵液晶表示パネルのように、多点検出の可能なデバイスを用いることにより、入力操作のバリエーションを増加させることができるので、多点検出の可能なデバイスを用いることが好ましい。
【0182】
また、上記の例では、設定をコピーする対象となる画面が、互いに独立している(センサ内蔵液晶パネル301AとB)例を示したが、1つの画面内で設定をコピーするようにしてもよい。この場合には、1つの画面に表示した複数のウィンドウが設定コピーの対象となる。
【0183】
〔実施の形態2〕
本発明の他の実施形態について、図12〜図13に基づいて説明すれば、以下のとおりである。なお、説明の便宜上、上記実施形態にて説明した図面と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。
【0184】
本実施形態のデータ表示/センサ装置100は、複数のウィンドウを選択状態として入力操作を行うことによって、選択状態のウィンドウのそれぞれに上記入力操作に対応する同一の処理を施すことができる点が主な特徴点である。なお、本実施形態のデータ表示/センサ装置100のブロック構成は、図1と同様である。
【0185】
〔動作例〕
本実施形態に係るデータ表示/センサ装置100の具体的な動作について、図12に基づいて説明する。図12は、データ表示/センサ装置100の動作の一例を示す図であり、(a)はユーザが操作を行う前の画面表示例を示し、(b)はユーザが操作を行った後の画面表示例を示している。
【0186】
図示のように、センサ内蔵液晶パネル301A及び301Bには、図10(a)と同じ地図が表示されている。本実施形態のデータ表示/センサ装置100では、この状態において、図示のように、センサ内蔵液晶パネル301AとBとの両方にタッチすることによって2つの地図を選択状態とし、この状態のままドラッグ操作を行うことにより、センサ内蔵液晶パネル301Aに表示されている地図の縮尺とセンサ内蔵液晶パネル301Bに表示されている地図の縮尺とが同じ倍率で変化するようになっている。
【0187】
すなわち、図示のように、センサ内蔵液晶パネル301AとBとの両方にタッチして、同図の上向きにドラッグしたときには、センサ内蔵液晶パネル301Aの表示が同図(b)の状態に更新される。同図(b)においてセンサ内蔵液晶パネル301Aに表示されている地図の縮尺は、目盛Cが示すように、同図(a)の1/2倍になっている。同様に、同図(b)においてセンサ内蔵液晶パネル301Bに表示されている地図の縮尺は、目盛Cが示すように、同図(a)の1/2倍になっている。
【0188】
このように、図12の例のデータ表示/センサ装置100によれば、センサ内蔵液晶パネル301A及び301Bにタッチしてドラッグするという簡単かつ直感的な入力操作によって、センサ内蔵液晶パネル301Aに表示されているウィンドウと301Bに表示されているウィンドウとに同じ処理を施すことができる。したがって、データ表示/センサ装置100のユーザは、各ウィンドウに同じ処理を施すときに、同じ操作を繰り返す必要がない。
【0189】
〔処理の流れ〕
上記〔動作例〕に示すような動作を実現するためにデータ表示/センサ装置100が実行する処理の流れについて、図13に基づいて説明する。図13は、データ表示/センサ装置100が実行する処理の一例を示すフローチャートである。
【0190】
まず、操作取得・判断部2は、センサ内蔵液晶パネル301A及び301Bに、タッチパネル入力の対象となる画像(例えば地図)が表示されているときに、スキャン処理部1に指示して画面(センサ内蔵液晶パネル301Aまたは301B)に対する接触を検知させる。
【0191】
ここで、スキャン処理部1が画面に対する接触を検知しなかった場合(S11でNO)には、操作取得・判断部2は、タッチパネル入力の対象となる画像が表示されている限り、引き続きスキャン処理部1に画面に対する接触を検知させる。
【0192】
一方、スキャン処理部1が、画面に対する接触を検知した場合(S11でYES)には、操作取得・判断部2は、S11で接触が検知された後、所定時間内に他の画面に接触が検知されたか否かを確認する(S12)。言い換えれば、操作取得・判断部2は、S11で接触が検知された後、所定時間内に両方の画面に接触が検知された状態となったか否かを確認する。
【0193】
S11で接触が検知された後、所定時間内に他の画面に接触が検知されなかった場合、または他の画面に接触が検知される前に、画面に対する接触が検知されなくなった場合(S12でNO)には、処理はS11に戻る。
【0194】
一方、S11で接触が検知された後、所定時間内に他の画面に接触が検知された場合(S12でYES)には、操作取得・判断部2は、両方の画面に接触が検知された状態で、所定の入力操作が行われたか否かを確認する(S13)。なお、所定の入力操作は、例えば図12の例では、同図の上向きにドラッグする操作である。所定の入力操作と該入力操作によって実行される処理とは、予め定められている。
【0195】
例えば、画面上で上向きにドラッグする操作と地図の縮尺を小さくする処理とを対応付けておくことにより、図12の例のような表示が実現される。この場合には、画面上で上向きにドラッグする操作が上記所定の入力操作ということになる。無論、上記所定の入力操作と、該入力操作に対応する処理とは、この例に限られず、必要に応じて適宜設定することができる。例えば、画面上で下向きにドラッグする操作と地図の縮尺を大きくする処理とが対応付けられていてもよい。また、ドラッグする距離の長さに応じて縮尺が大きく変化するようにしてもよい。
【0196】
ここで、所定の入力操作が検知される前に何れかあるいは両方の画面に対する接触が検知されなくなった場合(S13でNO)には、処理はS11に戻り、操作取得・判断部2は、画面に対する接触の検出を待ち受ける。
【0197】
一方、両方の画面に接触が検知された状態で、所定の入力操作が行われたことが検知された場合(S13でYES)には、操作取得・判断部2は、所定の入力操作が行われた旨、及び当該所定の入力操作の内容を設定変更部3に伝達する。そして、伝達を受けた設定変更部3は、各画面に表示された地図に対して当該所定の入力操作に応じた処理を施す(S14)。つまり、本実施形態では、設定変更部3は、各画面に表示された地図に対して所定の入力操作に応じた処理を施す処理実行手段として機能する。
【0198】
上記のように地図の縮尺を変化させる処理を施す場合には、設定変更部3は、第1設定格納部10に格納されている設定のうち、地図の表示縮尺を1/2倍にし、同様に第2設定格納部11に格納されている設定のうち、地図の表示縮尺を1/2倍にする。そして、設定変更部3は、表示処理部4に指示して両画面の表示を更新させる。これにより、センサ内蔵液晶パネル301A及び301Bには、更新された設定が反映された画像が表示される。
【0199】
〔変形例〕
上記データ表示/センサ装置100は、複数のウィンドウの少なくとも2つが選択されたことを検出すると共に、少なくとも2つのウィンドウが選択された状態で所定の入力操作が行われたことを検出したときに、選択された状態にあるウィンドウのそれぞれに、上記所定の入力操作に対応する同一の処理を施すものであればよく、上記の例に限られない。
【0200】
すなわち、上記の例では、同一の処理を施す対象となるウィンドウが表示された画面が互いに独立している(センサ内蔵液晶パネル301AとB)例を示したが、1つの画面内に表示されている複数のウィンドウのそれぞれに同一の処理を施すようにしてもよい。なお、この場合に、タッチパネルによる入力操作でウィンドウを選択するためには、同一画面内における複数の点に対する接触を同時に検出する必要があるので、光センサ内蔵液晶表示パネルのように、多点検出の可能なデバイスを用いることが好ましい。
【0201】
また、同一の処理を施す対象となるウィンドウは、2つに限られず、3つ以上であってもよい。また、同一の処理を施す対象を指定する方法は、上記の例のように対象となるウィンドウを同時にタッチする方法に限られず、マウスやタブレット、キーボード、入力ボタン等の入力装置を用いて選択するものであってもよい。ただし、上記のように、画面に直接タッチして入力操作を行うことができる構成とした場合には、ユーザが直感的にウィンドウを選択することができるので、ウィンドウを選択する入力操作はタッチパネルによって行うことができるようにすることが好ましい。
【0202】
そして、上記所定の入力操作も、上記の例に限られず、必要に応じて適宜設定することができる。例えば、マウスやタブレット、キーボード、入力ボタン等の入力装置を用いて上記所定の入力操作を行うようにしてもよい。ただし、上記のように、画面にタッチした状態で行うことのできる入力操作を上記所定の入力操作とした場合には、ユーザは、ウィンドウの選択後、スムーズに上記所定の入力操作に移ることができるので、上記所定の入力操作は、画面にタッチした状態で行うことのできる入力操作であることが好ましい。
【0203】
〔実施の形態3〕
本発明の他の実施形態について、図14〜図16に基づいて説明すれば、以下のとおりである。なお、説明の便宜上、上記実施形態にて説明した図面と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。
【0204】
本実施形態のデータ表示/センサ装置100’(表示装置)は、センサ内蔵液晶パネル301に表示された地図の2点にタッチすることによって、タッチした2点間のルートガイドを行う。なお、データ表示/センサ装置100’は、上記実施形態のデータ表示/センサ装置100とほぼ同様の構成を備えているが、主制御部800の構成が異なっている。
【0205】
〔主制御部の構成〕
まず、データ表示/センサ装置100’の主制御部800の詳細な構成について、図14に基づいて説明する。図14は、データ表示/センサ装置100’の主制御部800の要部構成を示すブロック図である。図示のように、主制御部800は、スキャン処理部1、操作取得・判断部(接触検知手段)2、ルート探索部(道順表示手段)20、表示処理部4、及びルートガイド実行部21を備えている。
【0206】
ルート探索部20は、センサ内蔵液晶パネル301に表示された地図上の2点に対する接触が検知されたときに、該2点を結ぶルートを表示する。
【0207】
ルートガイド実行部21は、ルート探索部20が探索したルートをユーザが辿ることができるように、音声及び画像の何れかまたは両方を用いて誘導を行う。
【0208】
〔動作例〕
本実施形態に係るデータ表示/センサ装置100’の具体的な動作について、図15に基づいて説明する。図15は、データ表示/センサ装置100’の動作の一例を示す図であり、(a)はユーザが操作を行う前の画面表示例を示し、(b)はユーザが操作を行った後の画面表示例を示している。
【0209】
図示のように、センサ内蔵液晶パネル301A及び301Bには、図10(b)と同じ地図が表示されている。データ表示/センサ装置100’では、この状態において、図示のように、まずセンサ内蔵液晶パネル301Bにタッチし(1)、その後センサ内蔵液晶パネル301Aにタッチする(2)ことにより、センサ内蔵液晶パネル301Bに表示されている地図のタッチされた点から、センサ内蔵液晶パネル301Aに表示されている地図のタッチされた点までのルートガイドを行うようになっている。
【0210】
すなわち、図示のように、センサ内蔵液晶パネル301B上の点とセンサ内蔵液晶パネル301B上の点とにタッチしたときには、センサ内蔵液晶パネル301A及び301Bの表示が同図(b)の状態に更新される。同図(b)では、センサ内蔵液晶パネル301Bに表示されている地図のタッチされた点から、センサ内蔵液晶パネル301Aに表示されている地図のタッチされた点までのルートを示す破線矢印が表示されている。なお、ルートは、ユーザが当該ルートを認識できるように表示すればよく、この例に限られない。
【0211】
このように、図15の例のデータ表示/センサ装置100’によれば、ユーザは、出発地点と目的地点とをタッチするという簡単かつ直感的な入力操作によって、出発地点から目的地点までの道順を確認することができる。
【0212】
〔処理の流れ〕
上記〔動作例〕に示すような動作を実現するためにデータ表示/センサ装置100’が実行する処理の流れについて、図16に基づいて説明する。図16は、データ表示/センサ装置100’が実行する処理の一例を示すフローチャートである。
【0213】
まず、操作取得・判断部2は、センサ内蔵液晶パネル301A及び301Bの少なくとも一方に地図が表示されているときに、スキャン処理部1に指示して、地図が表示されている画面(センサ内蔵液晶パネル301AまたはB)に対する接触を検知させる(S21)。すなわち、図15の例では、センサ内蔵液晶パネル301A上の点と、センサ内蔵液晶パネル301B上の点との間のルートを表示する例を示したが、データ表示/センサ装置100’は、センサ内蔵液晶パネル301Aまたは301Bの何れかにおいて2点が選択された場合でも、当該2点間のルートを表示する。
【0214】
ここで、スキャン処理部1が、画面に対する接触を検知しなかった場合(S21でNO)には、操作取得・判断部2は、タッチパネル入力の対象となる画像が表示されている限り、引き続きスキャン処理部1に画面に対する接触を検知させる。
【0215】
一方、スキャン処理部1が、画面に対する接触を検知した場合(S21でYES)には、操作取得・判断部2は、S21で接触が検知された点に接触が検知されている状態で、S21で接触が検知された点以外の、地図上の点に接触が検知されたか否かを確認する(S22)。言い換えれば、操作取得・判断部2は、画面に表示されている地図上の2点において、接触が検知されている状態となっているか否かを確認する。
【0216】
S21で接触が検知された後、所定時間内に他の点に接触が検知されなかった場合(S22でNO)には、処理はS21に戻る。一方、S21で接触が検知された後、所定時間内に他の点に接触が検知された場合(S22でYES)には、操作取得・判断部2は、S21で検知を確認した接触位置を示す座標データと、S22で検知を確認した接触位置を示す座標データとをルート探索部20に送信する。
【0217】
そして、上記2つの座標データを受信したルート探索部20は、受信した2点を結ぶルートを探索する(S23)。なお、地図上の2点を結ぶルートの探索は、従来のカーナビゲーション装置等で用いられている技術を適用することもできる。ルート探索部20は、ルートの探索が終了すると、表示処理部4に指示して、現在表示されている地図上に、上記探索したルートを重畳して表示させる(S24)。
【0218】
続いて、ルート探索部20は、表示したルートのルートガイドの実行可否をユーザに選択させる(S25)。例えば、ルート探索部20は、表示処理部4に指示して、上記表示したルートのルートガイドを実行するか否かをユーザに選択させるメッセージを画面に表示させることで、ルートガイドの実行可否を選択させてもよい。
【0219】
ここで、ルートガイドを実行しない旨の入力操作が行われた場合(S25でNO)には、処理はS21に戻る。一方、ルートガイドを実行する旨の入力操作が行われた場合(S25でYES)には、ルート探索部20は、ルートガイド実行部21に上記探索したルートのルートガイドを実行させる。
【0220】
これにより、ルートガイド実行部21は、ルートガイドを実行する(S26)。なお、ルートガイド実行部21は、先に接触を検知した位置(S21で検知を確認した接触位置)を出発地点とし、後で接触を検知した位置(S22で検知を確認した接触位置)を目的地点としてルートガイドを行う。そして、ルートガイドが終了すると、処理は再びS21に戻り、操作取得・判断部2は、画面への接触を待ち受ける。
【0221】
なお、先に接触を検知した位置を出発地点とし、後で接触を検知した位置を目的地点とすることは、データ表示/センサ装置100’の必須の構成ではないが、このような構成とすることにより、ユーザは、直感的かつ極めて簡易な操作で出発地点と目的地点とを設定することができるので好ましい。
【0222】
〔変形例〕
上記では、データ表示/センサ装置100’が、ルート探索部20が探索したルートのルートガイドを行う例を示したが、データ表示/センサ装置100’が探索したルートの表示のみを行うものであってもよい。
【0223】
また、ルートの表示は、ルートをユーザが認識できる態様であればよく、ユーザが地点を選択した地図上に破線等を表示する上記の態様に限られない。例えば、ユーザが地点を選択した地図とは別に、ルートを示すための地図を表示してもよい。
【0224】
また、ルートを表示させたときにデータ表示/センサ装置100’が存在する現在地と、ルートガイドの出発地点とが一致しないことも考えられる。このような場合には、データ表示/センサ装置100’の現在地から、ルートガイドの出発地点までのルート表示及びルートガイドも行うようにしてもよい。
【0225】
さらに、ルート探索部20は、データ表示/センサ装置100’のユーザに応じて表示するルートを変更することが好ましい。例えば、データ表示/センサ装置100’を車両に搭載してカーナビゲーション装置として使用する場合には、高速道路等の有料道路利用の有無や一方通行を考慮したルートを表示することが好ましい。また、例えば、データ表示/センサ装置100’を携帯電話機等の携帯型端末装置に搭載した場合には、電車やバス等の交通機関の利用を考慮したルートを表示することが好ましい。
【0226】
また、ルート探索部20は、ルートを表示すると共に、当該ルートに沿って移動したときに予想される所要時間、当該ルートの距離、有料道路、交通機関等の費用等も合わせて表示するものであってもよい。
【0227】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【0228】
〔ソフトウェアによる実現例〕
最後に、データ表示/センサ装置100及び100’の各ブロック、特に操作取得・判断部2、設定変更部3、及びルート探索部20は、ハードウェアロジックによって構成してもよいし、次のようにCPUを用いてソフトウェアによって実現してもよい。
【0229】
すなわち、データ表示/センサ装置100及び100’は、各機能を実現する制御プログラムの命令を実行するCPU(central processing unit)、上記プログラムを格納したROM(read only memory)、上記プログラムを展開するRAM(random access memory)、上記プログラムおよび各種データを格納するメモリ等の記憶装置(記録媒体)などを備えている。そして、本発明の目的は、上述した機能を実現するソフトウェアであるデータ表示/センサ装置100及び100’の制御プログラムのプログラムコード(実行形式プログラム、中間コードプログラム、ソースプログラム)をコンピュータで読み取り可能に記録した記録媒体を、上記データ表示/センサ装置100及び100’に供給し、そのコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に記録されているプログラムコードを読み出し実行することによっても、達成可能である。
【0230】
上記記録媒体としては、例えば、磁気テープやカセットテープ等のテープ系、フロッピー(登録商標)ディスク/ハードディスク等の磁気ディスクやCD−ROM/MO/MD/DVD/CD−R等の光ディスクを含むディスク系、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード系、あるいはマスクROM/EPROM/EEPROM/フラッシュROM等の半導体メモリ系などを用いることができる。
【0231】
また、データ表示/センサ装置100及び100’を通信ネットワークと接続可能に構成し、上記プログラムコードを通信ネットワークを介して供給してもよい。この通信ネットワークとしては、特に限定されず、例えば、インターネット、イントラネット、エキストラネット、LAN、ISDN、VAN、CATV通信網、仮想専用網(virtual private network)、電話回線網、移動体通信網、衛星通信網等が利用可能である。また、通信ネットワークを構成する伝送媒体としては、特に限定されず、例えば、IEEE1394、USB、電力線搬送、ケーブルTV回線、電話線、ADSL回線等の有線でも、IrDAやリモコンのような赤外線、Bluetooth(登録商標)、802.11無線、HDR、携帯電話網、衛星回線、地上波デジタル網等の無線でも利用可能である。なお、本発明は、上記プログラムコードが電子的な伝送で具現化された、搬送波に埋め込まれたコンピュータデータ信号の形態でも実現され得る。
【産業上の利用可能性】
【0232】
本発明によれば、直感的かつ簡易な操作で複数の画像を取り扱うことができるので、画面に対して入力操作を行うことができると共に、複数の画像を同時に表示できる表示装置全般に利用することができる。具体的には、携帯電話機、スマートフォン、携帯型ゲーム機、PDA(Personal Digital Assistance)、ノートパソコン、ナビゲーション装置(例えばカーナビゲーション装置)等に好適に適用できる。
【符号の説明】
【0233】
2 操作取得・判断部(入力操作検出手段、接触検知手段)
3 設定変更部(パラメータコピー手段、処理実行手段)
20 ルート探索部(道順表示手段)
100 データ表示/センサ装置(表示装置)
100’ データ表示/センサ装置(表示装置)
301A センサ内蔵液晶パネル(表示部)
301B センサ内蔵液晶パネル(表示部)
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置においてユーザがウィンドウに対する入力操作を行うためのユーザインターフェース等に関する。
【背景技術】
【0002】
近年では、地図を表示させる表示装置が一般に普及している。表示装置に表示させる地図は、表示装置を操作することによって、拡大・縮小、表示位置の移動等の様々な処理を施すことができるという、紙の地図にはないメリットを有する。
【0003】
例えば、下記の特許文献1には、表示した地図上に重畳してユーザの指定するマークを表示するデータ表示装置が開示されている。また、下記の特許文献2には、タッチパネルを用いて、地図の表示位置の移動、拡大・縮小等を行う地図案内表示装置が開示されている。そして、下記の特許文献3には、タッチパネルに表示した地図上で、円を描くことによって、該円で囲まれた領域を拡大した地図を表示する表示装置が開示されている。
【0004】
また、下記の特許文献4には、1つの表示画面に現在地付近の地図と目的地付近の地図とを表示させるナビゲーション装置が開示されている。特許文献4の構成によれば、現在地付近の地図を大きい縮尺で表示し、目的地付近の地図を小さい縮尺で表示することができるので、ユーザは、目的地と現在地との距離が遠い場合であっても、目的地の位置を確認しながら、現在地付近の詳細な地図を見て目的地に向かうことができる。
【0005】
特許文献4のように、複数の地図を同時に表示して、さらに各地図の縮尺や表示地域を個別に設定することができるようにすれば、ユーザは、複数の地図に記載されている情報を一度に確認することができるので利便性が高い。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平5−307358号公報(1993年11月19日公開)
【特許文献2】特開平3−225390号公報(1991年10月4日公開)
【特許文献3】特開2004−280745号公報(2004年10月7日公開)
【特許文献4】特開2000−241175号公報(2000年9月8日公開)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記特許文献4のように、複数の地図の縮尺や表示地域等のパラメータを個別に設定可能にした場合には、ユーザが各地図の縮尺や表示地域等のパラメータを揃える操作が煩雑になるという問題がある。
【0008】
これは、地図の表示に限られない問題である。例えば、パーソナルコンピュータ等において、表計算ソフトウェアや文書作成ソフトウェア等のアプリケーションプログラムを起動した場合には、各ソフトウェアに対応するウィンドウが表示される。そして、表示された各ウィンドウについては、それぞれ個別にパラメータを設定することができる。なお、ウィンドウ毎に設定可能なパラメータとしては、例えば、表示する文字のフォントやサイズ、ページのレイアウト、使用する言語等、様々なものが挙げられる。
【0009】
このように、各ウィンドウに様々なパラメータを個別に設定できることは、ユーザにとって便利である反面、各ウィンドウのパラメータを揃えようとした場合に、非常に手間がかかるという難点がある。
【0010】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、ユーザがウィンドウに対する処理を容易に行うことのできるユーザインターフェースを有する表示装置等を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記の課題を解決するために、本発明は、パラメータを個別に設定することのできる複数のウィンドウを同時に表示可能な表示部を有する表示装置であって、上記複数のウィンドウから、パラメータのコピー元となるコピー元ウィンドウと、パラメータのコピー先となるコピー先ウィンドウとを選択する入力操作が行われたことを検出する入力操作検出手段と、上記入力操作検出手段が、上記入力操作を検出したときに、上記コピー元ウィンドウに設定されているパラメータの少なくとも1つを、上記コピー先ウィンドウのパラメータに適用するパラメータコピー手段とを備えていることを特徴としている。
【0012】
また、上記の課題を解決するために、本発明は、パラメータを個別に設定することのできる複数のウィンドウを同時に表示可能な表示部を有する表示装置の制御方法であって、上記複数のウィンドウから、パラメータのコピー元となるコピー元ウィンドウと、パラメータのコピー先となるコピー先ウィンドウとを選択する入力操作が行われたことを検出する入力操作検出ステップと、上記入力操作検出ステップにて上記入力操作を検出したときに、上記コピー元ウィンドウに設定されているパラメータの少なくとも1つを、上記コピー先ウィンドウのパラメータに適用するパラメータコピーステップとを含むことを特徴としている。
【0013】
上記の構成または方法によれば、コピー元ウィンドウとコピー先ウィンドウとを選択する入力操作が検出されたときに、コピー元ウィンドウに設定されているパラメータの少なくとも1つが、コピー先ウィンドウのパラメータに適用される。
【0014】
したがって、上記表示装置のユーザは、コピー元ウィンドウとコピー先ウィンドウとを選択する入力操作を行うだけで、コピー元ウィンドウのパラメータとコピー先ウィンドウのパラメータとの少なくとも一部を同じにすることができる。すなわち、上記の構成または方法によれば、各ウィンドウのパラメータを容易に揃えることができ、これにより、ユーザがウィンドウに対する処理を容易に行うことのできるユーザインターフェースを実現することができる。
【0015】
なお、上記ウィンドウは、1つの表示部に表示されているものであってもよいし、表示部が複数設けられている場合には、異なる表示部に表示されているものであってもよい。すなわち、同時に表示されるウィンドウは、同じ表示部に同時に表示されてもよいし、異なる表示部に表示されてもよい。また、上記パラメータは、当該ウィンドウに関してユーザが設定可能なものであれば、どのようなものであってもよい。
【0016】
また、上記表示部は、該表示部に対する接触を検出する機能を有し、上記入力操作検出手段は、上記コピー元ウィンドウと上記コピー先ウィンドウとを選択する入力操作が上記表示部に触れることによって行われたことを検出することが好ましい。
【0017】
上記の構成によれば、表示部に触れることによってコピー元ウィンドウとコピー先ウィンドウとを選択する入力操作が行われたことが検出される。つまり、ユーザは、ウィンドウが表示されている表示部に対して入力操作を行うことによって、コピー元ウィンドウとコピー先ウィンドウとを選択することができる。
【0018】
したがって、上記の構成によれば、ユーザが直感的な入力操作でコピー元ウィンドウとコピー先ウィンドウとを選択することができる。なお、表示部に触れる入力操作は、例えばユーザの指等で行われる。
【0019】
また、上記コピー元ウィンドウと上記コピー先ウィンドウとを選択する入力操作は、当該コピー元ウィンドウからコピー先ウィンドウまで、上記表示部上をドラッグする入力操作であることが好ましい。
【0020】
上記の構成によれば、ユーザは、コピー元ウィンドウからコピー先ウィンドウまで、表示部上をドラッグするという直感的かつ極めて簡易な1つの操作で、コピー元ウィンドウに適用されているパラメータをコピー先ウィンドウのパラメータに適用することができる。
【0021】
なお、表示部に触れて入力操作を行う場合には、表示部上をなぞることによってドラッグすることができる。また、例えばマウス等のポインティングデバイスでドラッグ操作することもできる。
【0022】
また、上記ウィンドウは、地図を表示するウィンドウであり、上記パラメータは、上記地図の縮尺であり、上記パラメータコピー手段は、上記コピー元ウィンドウのパラメータを上記コピー先ウィンドウのパラメータに適用した後、当該コピー先ウィンドウの表示を更新し、縮尺の変更が反映された地図を表示することが好ましい。
【0023】
上記ウィンドウは、パラメータを設定可能なものであればよく、特に限定されないが、上記の構成のように、地図を表示するウィンドウであってもよい。また、上記パラメータは、ウィンドウにユーザが設定可能なものであればよく、特に限定されないが、上記の構成のように、地図の縮尺であってもよい。この場合には、ユーザは、複数の地図の縮尺を容易に揃えることができる。
【0024】
ところで、複数のウィンドウを表示する表示装置の使用シーンでは、各ウィンドウに同じ処理を施すことが考えられる。従来技術では、このような場合に、ユーザが各ウィンドウのそれぞれに対して所定の入力操作を行うことによって、各ウィンドウに処理を施す必要があった。すなわち、このような場合には、ユーザは、同じ入力操作を繰り返し行う必要があり、不便であった。
【0025】
そこで、本発明の表示装置は、上記課題を解決するために、複数のウィンドウを同時に表示可能な表示部を有する表示装置であって、上記複数のウィンドウの少なくとも2つが選択されたことを検出すると共に、少なくとも2つのウィンドウが選択された状態で所定の入力操作が行われたことを検出する入力操作検出手段と、上記入力操作検出手段が、上記所定の入力操作を検出したときに、選択された状態にあるウィンドウのそれぞれに、上記所定の入力操作に対応する同一の処理を施す処理実行手段とを備えていることを特徴としている。
【0026】
また、本発明の表示装置の制御方法は、上記課題を解決するために、複数のウィンドウを同時に表示可能な表示部を有する表示装置の制御方法であって、上記複数のウィンドウの少なくとも2つが選択されたことを検出すると共に、少なくとも2つのウィンドウが選択された状態で所定の入力操作が行われたことを検出する入力操作検出ステップと、上記入力操作検出ステップにて、上記所定の入力操作を検出したときに、選択された状態にあるウィンドウのそれぞれに、上記所定の入力操作に対応する同一の処理を施す処理実行ステップとを含むことを特徴としている。
【0027】
上記の構成または方法によれば、少なくとも2つのウィンドウが選択された状態で所定の入力操作が検出されたときに、該所定の入力操作に対応する同一の処理が上記選択された状態にあるウィンドウのそれぞれに施される。
【0028】
したがって、上記表示装置のユーザは、同一の処理を施したいウィンドウを選択し、施したい処理に対応する所定の入力操作を行うだけで、選択した各ウィンドウに同じ処理を施すことができる。すなわち、上記の構成または方法によれば、ユーザは、同じ入力操作を繰り返し行う必要がない。したがって、上記の構成または方法によれば、表示装置を使用するユーザの利便性を高めることができ、これにより、ユーザがウィンドウに対する処理を容易に行うことのできるユーザインターフェースを実現することができる。
【0029】
なお、上記ウィンドウは、1つの表示部に表示されているものであってもよいし、表示部が複数設けられている場合には、異なる表示部に表示されているものであってもよい。すなわち、同時に表示されるウィンドウは、同じ表示部に同時に表示されてもよいし、異なる表示部に表示されてもよい。また、上記所定の処理は、当該ウィンドウに関してユーザが施すことが可能なものであれば、どのようなものであってもよい。
【0030】
また、上記表示部は、該表示部に対する接触を検出する機能を有し、上記入力操作検出手段は、上記表示部において、接触が検出されている位置に表示されているウィンドウが選択された状態にあると判断すると共に、当該ウィンドウに接触が検出されている状態で、接触位置が予め定めたパターンで移動したときに上記所定の入力操作が行われたと判断することが好ましい。
【0031】
上記の構成によれば、接触が検出されている位置に表示されているウィンドウが選択状態にあると判断されるので、ユーザは、表示部に触れることによって、所定の入力操作を施す対象とするウィンドウを指定することができる。
【0032】
そして、上記の構成によれば、ウィンドウが選択されている状態で、接触位置が予め定めたパターンで移動したときに、上記所定の入力操作が行われたと判断されるので、ユーザは、ウィンドウの選択のために表示部に触れた位置を移動させることによって、上記所定の入力操作を行い、選択した各ウィンドウに同一の処理を施すことができる。
【0033】
したがって、上記の構成によれば、ユーザが直感的かつ簡易な入力操作でウィンドウを選択し、選択した各ウィンドウに同一の処理を施すことができる。
【0034】
また、上記ウィンドウは、地図を表示するウィンドウであり、上記処理実行手段は、上記入力操作検出手段が上記所定の入力操作を検出したときに、選択された状態にある少なくとも2つのウィンドウに表示されている地図の縮尺を同じ倍率で拡大または縮小することが好ましい。
【0035】
上記ウィンドウに表示されるコンテンツは、特に限定されないが、上記の構成のように、地図であってもよい。また、上記所定の入力操作に対応する処理は、入力操作毎に予め定義しておけばよく、特に限定されないが、上記の構成のように、地図の縮尺を拡大または縮小する処理であってもよい。この場合には、ユーザは、複数の地図の縮尺を同じ倍率で容易に拡大または縮小することができる。
【0036】
ところで、従来から、表示部に表示させた地図上から目的地点を指定することによって、現在地から上記指定した目的地点までの道順を表示する装置(例えばカーナビゲーション装置)が用いられている。このような装置では、自装置の現在地が出発地点として自動的に設定されるので、ユーザは、目的地点の設定を行うだけで、出発地点から目的地点までの道順を表示させることができる。
【0037】
しかし、ユーザが調べたい道順の出発地点と、ユーザの現在地とが一致しないことも考えられる。このような場合には、ユーザは、出発地点を登録するための操作画面を表示させて出発地点を選択し、その後目的地点を登録するための操作画面を表示させて目的地点を選択する必要がある。
【0038】
このように、従来の技術では、ユーザが調べたい道順の出発地点と目的地点とを指定する操作に手間がかかるという問題がある。
【0039】
そこで、本発明の表示装置は、上記課題を解決するために、地図を表示部に表示する表示装置であって、上記表示部に対する接触を検知する接触検知手段と、上記接触検知手段が、上記表示部に表示されている地図上の1点に接触を検出している状態で、上記表示部に表示されている地図上の別の1点に接触を検出したときに、該2点を結ぶ道順を表示する道順表示手段とを備えていることを特徴としている。
【0040】
また、本発明の表示装置の制御方法は、上記課題を解決するために、地図を表示部に表示する表示装置の制御方法であって、上記表示部に対する接触を検知する接触検知ステップと、上記接触検知ステップにて上記表示部に表示されている地図上の1点に接触を検出している状態で、上記表示部に表示されている地図上の別の1点に接触を検出したときに、該2点を結ぶ道順を表示する道順表示ステップとを含むことを特徴としている。
【0041】
上記の構成または方法によれば、表示部に表示されている地図上の1点に接触を検出している状態で、該表示部に表示されている地図上の別の1点に接触を検出したとき、すなわち、地図上の2点に接触が検出されている状態となったときに、該2点を結ぶ道順が表示される。
【0042】
したがって、上記表示装置のユーザは、地図上の2点にタッチするという極めて簡単かつ直感的な入力操作にて、当該2点間の道順を表示させることができる。すなわち、上記の構成または方法によれば、調べたい道順の出発地点と目的地点とを指定する操作を容易にすることができ、これにより、ユーザがウィンドウに対する処理を容易に行うことのできるユーザインターフェースを実現することができる。
【0043】
なお、上記地図は、1つの表示部に表示されているものであってもよいし、表示部が複数設けられている場合には、異なる表示部に表示されているものであってもよい。すなわち、道順を調べる2点は、同じ表示部から指定されてもよいし、異なる表示部から指定されてもよい。また、道順は、ユーザが当該道順を認識できるように表示されればよく、表示している地図に重畳して道順を表示してもよいし、地図を表示するウィンドウを別に立ち上げて、当該ウィンドウに道順を表示してもよい。
【0044】
また、上記道順表示手段は、上記接触検知手段が接触を検出した2点のうち、より早く接触を検出した点を出発地点とし、他方の点を目的地点とする道順を表示することが好ましい。
【0045】
上記の構成によれば、先に接触が検出された点を出発地点とし、次に接触が検出された点を目的地点とする道順が表示される。したがって、ユーザは、簡単かつ直感的な入力操作で出発地点と目的地点とを設定することができる。出発地点及び目的地点が特定されることによって、例えば、当該道順のルートガイドを行うことが可能になる。また、これにより、例えば、車両で移動する道順を調べるときに、一方通行の道路を考慮した道順を表示すること等も可能になる。
【0046】
また、上記表示装置は、上記表示部を複数備えていることが好ましい。
【0047】
これにより、複数の表示部のそれぞれに表示されたウィンドウ間でパラメータをコピーしたり、各ウィンドウに同一の処理を施したり、複数の表示部のそれぞれに表示された地図上の地点を指定して道順を表示させたりすることが可能になる。
【0048】
なお、上記表示装置は、コンピュータによって実現してもよく、この場合には、コンピュータを上記表示装置の各手段として動作させることにより、上記表示装置をコンピュータにて実現する表示装置制御プログラム、及びそれを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も本発明の範疇に入る。
【発明の効果】
【0049】
以上のように、本発明の表示装置は、複数のウィンドウから、パラメータのコピー元となるコピー元ウィンドウと、パラメータのコピー先となるコピー先ウィンドウとを選択する入力操作が行われたことを検出する入力操作検出手段と、上記入力操作検出手段が、上記入力操作を検出したときに、上記コピー元ウィンドウに設定されているパラメータの少なくとも1つを、上記コピー先ウィンドウのパラメータに適用するパラメータコピー手段とを備えている構成である。
【0050】
また、以上のように、本発明の表示装置の制御方法は、複数のウィンドウから、パラメータのコピー元となるコピー元ウィンドウと、パラメータのコピー先となるコピー先ウィンドウとを選択する入力操作が行われたことを検出する入力操作検出ステップと、上記入力操作検出ステップにて上記入力操作を検出したときに、上記コピー元ウィンドウに設定されているパラメータの少なくとも1つを、上記コピー先ウィンドウのパラメータに適用するパラメータコピーステップとを含む構成である。
【0051】
そして、以上のように、本発明の表示装置は、複数のウィンドウの少なくとも2つが選択されたことを検出すると共に、少なくとも2つのウィンドウが選択された状態で所定の入力操作が行われたことを検出する入力操作検出手段と、上記入力操作検出手段が、上記所定の入力操作を検出したときに、選択された状態にあるウィンドウのそれぞれに、上記所定の入力操作に対応する同一の処理を施す処理実行手段とを備えている構成である。
【0052】
また、本発明の表示装置の制御方法は、以上のように、複数のウィンドウの少なくとも2つが選択されたことを検出すると共に、少なくとも2つのウィンドウが選択された状態で所定の入力操作が行われたことを検出する入力操作検出ステップと、上記入力操作検出ステップにて、上記所定の入力操作を検出したときに、選択された状態にあるウィンドウのそれぞれに、上記所定の入力操作に対応する同一の処理を施す処理実行ステップとを含む構成である。
【0053】
さらに、本発明の表示装置は、以上のように、表示部に対する接触を検知する接触検知手段と、上記接触検知手段が、上記表示部に表示されている地図上の1点に接触を検出している状態で、上記表示部に表示されている地図上の別の1点に接触を検出したときに、該2点を結ぶ道順を表示する道順表示手段とを備えている構成である。
【0054】
また、本発明の表示装置の制御方法は、以上のように、表示部に対する接触を検知する接触検知ステップと、上記接触検知ステップにて上記表示部に表示されている地図上の1点に接触を検出している状態で、上記表示部に表示されている地図上の別の1点に接触を検出したときに、該2点を結ぶ道順を表示する道順表示ステップとを含む構成である。
【0055】
したがって、ユーザがウィンドウに対する処理を容易に行うことのできるユーザインターフェースを実現することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】本発明の実施形態1に係るデータ表示/センサ装置の主制御部等の要部構成を示すブロック図である。
【図2】上記データ表示/センサ装置が備えるセンサ内蔵液晶パネルの断面を模式的に示す図である。
【図3】同図(a)は、上記データ表示/センサ装置が備えるセンサ内蔵液晶パネルにて反射像を検知することにより、ユーザがタッチした位置を検出する様子を示す模式図であり、同図(b)は、上記データ表示/センサ装置が備えるセンサ内蔵液晶パネルにて影像を検知することにより、ユーザがタッチした位置を検出する様子を示す模式図である。
【図4】上記データ表示/センサ装置の要部構成を示すブロック図である。
【図5】上記データ表示/センサ装置で用いられるコマンドのフレーム構造の一例を模式的に示す図である。
【図6】上記コマンドに含まれる各フィールドに指定可能な値の一例、および、その概要を説明する図である。
【図7】同図(a)は、上記データ表示/センサ装置にて、対象物がセンサ内蔵液晶パネル上に置かれていないときに、センサ内蔵液晶パネル全体をスキャンした結果として得られる画像の一例を示す図であり、同図(b)は上記データ表示/センサ装置にて、ユーザが指でセンサ内蔵液晶パネルをタッチしているときに、スキャンした結果として得られる画像の一例を示す図である。
【図8】上記データ表示/センサ装置が備えるセンサ内蔵液晶パネルの構成およびその周辺回路の構成を示すブロック図である。
【図9】本発明のデータ表示/センサ装置の外観の一例を示す斜視図である。
【図10】上記データ表示/センサ装置の動作の一例を示す図であり、(a)はユーザが操作を行う前の画面表示例を示し、(b)はユーザが操作を行った後の画面表示例を示している。
【図11】上記データ表示/センサ装置が実行する処理の一例を示すフローチャートである。
【図12】本発明の実施形態2に係るデータ表示/センサ装置の動作の一例を示す図であり、(a)はユーザが操作を行う前の画面表示例を示し、(b)はユーザが操作を行った後の画面表示例を示している。
【図13】上記データ表示/センサ装置が実行する処理の一例を示すフローチャートである。
【図14】本発明の実施形態3に係るデータ表示/センサ装置の主制御部の要部構成を示すブロック図である。
【図15】上記データ表示/センサ装置の動作の一例を示す図であり、(a)はユーザが操作を行う前の画面表示例を示し、(b)はユーザが操作を行った後の画面表示例を示している。
【図16】上記データ表示/センサ装置が実行する処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0057】
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。
【0058】
〔実施の形態1〕
本発明の実施の一形態について図1〜図11に基づいて説明すれば以下のとおりである。まず、本発明の概要を図9に基づいて説明する。図9は、本発明のデータ表示/センサ装置(表示装置)100の外観の一例を示す斜視図である。
【0059】
図示のように、データ表示/センサ装置100は、表示/光センサ部300Aと表示/光センサ部300Bとがヒンジ部Hで連結された構成であり、表示/光センサ部300Aと表示/光センサ部300Bとをヒンジ部Hを軸として折り畳むことができる、いわゆるクラムシェル型の筐体を有している。
【0060】
また、図示のように、表示/光センサ部300Aは、センサ内蔵液晶パネル301(表示部)Aを備えており、表示/光センサ部300Bは、折り畳み時にセンサ内蔵液晶パネル301Aと対向する位置にセンサ内蔵液晶パネル301(表示部)Bを備えている。
【0061】
詳細については後述するが、センサ内蔵液晶パネル301A及びセンサ内蔵液晶パネル301Bは、画像の表示機能と像の検知機能とを備える、いわゆる光センサ内蔵液晶表示パネルである。これにより、データ表示/センサ装置100では、タッチパネル式の入力が可能になっている。
【0062】
なお、データ表示/センサ装置100は、画像を表示する表示部を少なくとも1つ備えていればよく、必ずしもクラムシェル型の筐体や光センサ内蔵液晶表示パネルを備えている必要はない。
【0063】
データ表示/センサ装置100は、センサ内蔵液晶パネル301Aとセンサ内蔵液晶パネル301Bとの両方に地図を表示させることができ、センサ内蔵液晶パネル301Aに表示させた地図のパラメータと、センサ内蔵液晶パネル301Bに表示させた地図のパラメータとを独立に設定することができる。
【0064】
これにより、例えば、センサ内蔵液晶パネル301Aに表示させた地図と異なる地域の地図をセンサ内蔵液晶パネル301Bに表示させることや、センサ内蔵液晶パネル301Aに表示させた地図の縮尺を変えずに、センサ内蔵液晶パネル301Bに表示させた地図の縮尺を変えること等が可能である。
【0065】
したがって、データ表示/センサ装置100は、例えばセンサ内蔵液晶パネル301Aに目的地付近の広域地図(縮尺の小さい地図)を表示させ、センサ内蔵液晶パネル301Bに現在地付近の詳細地図(縮尺の大きい地図)を表示させることもできる。これにより、データ表示/センサ装置100のユーザは、広域地図で目的地のおおよその位置を把握しつつ、詳細地図で現在地付近の道路を確認して、目的地に向かうことができる。
【0066】
そして、本実施形態のデータ表示/センサ装置100の主な特徴点は、センサ内蔵液晶パネル301A(または301B)に表示されている地図からセンサ内蔵液晶パネル301B(または301A)に表示されている地図までをドラッグする入力操作を検出したときに、両地図のパラメータをセンサ内蔵液晶パネル301A(または301B)に表示されている地図と同じにする点にある。これにより、ユーザは、地図をドラッグするという簡単かつ直感的な入力操作にて、例えば両地図の縮尺を同じにすることもできる。なお、入力デバイスとして、マウス等のポインティングデバイスを備えている場合には、このようなデバイスでドラッグ操作することもできる。
【0067】
〔センサ内蔵液晶パネルの概要〕
上記データ表示/センサ装置100が備えるセンサ内蔵液晶パネル301は、データの表示に加え、対象物の画像検出が可能な液晶パネルである。ここで、対象物の画像検出とは、例えば、ユーザが指やペンなどでポインティング(タッチ)した位置の検出や、印刷物等の画像の読み取り(スキャン)である。なお、表示に用いるデバイスは、液晶パネルに限定されるものではなく、有機EL(Electro Luminescence)パネルなどであってもよい。
【0068】
図2を参照しながら、センサ内蔵液晶パネル301の構造について説明する。図2は、センサ内蔵液晶パネル301の断面を模式的に示す図である。なお、ここで説明するセンサ内蔵液晶パネル301は一例であり、表示面と読取面とが共用されているものであれば、任意の構造のものが利用できる。
【0069】
図示のとおり、センサ内蔵液晶パネル301は、背面側に配置されるアクティブマトリクス基板51Aと、表面側に配置される対向基板51Bとを備え、これら基板の間に液晶層52を挟持した構造を有している。アクティブマトリクス基板51Aには、画素電極56、データ信号線57、光センサ回路32(図示せず)、配向膜58、偏光板59などが設けられる。対向基板51Bには、カラーフィルタ53r(赤)、53g(緑)、53b(青)、遮光膜54、対向電極55、配向膜58、偏光板59などが設けられる。また、センサ内蔵液晶パネル301の背面には、バックライト307が設けられている。
【0070】
なお、光センサ回路32に含まれるフォトダイオード6は、青のカラーフィルタ53bを設けた画素電極56の近傍に設けられているが、この構成に限定されるものではない。赤のカラーフィルタ53rを設けた画素電極56の近傍に設けてもよいし、緑のカラーフィルタ53gを設けた画素電極56の近傍に設けてもよい。
【0071】
次に、図3(a)および図3(b)を参照しながら、ユーザが、指やペンで、センサ内蔵液晶パネル301上をタッチした位置を検出する2種類の方法について説明する。
【0072】
図3(a)は、反射像を検知することにより、ユーザがタッチした位置を検出する様子を示す模式図である。バックライト307から光63が出射されると、フォトダイオード6を含む光センサ回路32は、指などの対象物64により反射された光63を検知する。これにより、対象物64の反射像を検知することができる。このように、センサ内蔵液晶パネル301は、反射像を検知することにより、タッチした位置を検出することができる。
【0073】
また、図3(b)は、影像を検知することにより、ユーザがタッチした位置を検出する様子を示す模式図である。図3(b)に示すように、フォトダイオード6を含む光センサ回路32は、対向基板51Bなどを透過した外光61を検知する。しかしながら、ペンなどの対象物62がある場合は、外光61の入射が妨げられるので、光センサ回路32が検知する光量が減る。これにより、対象物62の影像を検知することができる。このように、センサ内蔵液晶パネル301は、影像を検知することにより、タッチした位置を検出することもできる。
【0074】
上述のように、フォトダイオード6は、バックライト307より出射された光の反射光(影像)を検知してもよいし、外光による影像を検知してもよい。また、上記2種類の検知方法を併用して、影像と反射像とを両方を同時に検知するようにしてもよい。
【0075】
〔データ表示/センサ装置の要部構成〕
次に、図4を参照しながら、上記データ表示/センサ装置100の要部構成について説明する。図4は、データ表示/センサ装置100の要部構成を示すブロック図である。図示のように、データ表示/センサ装置100は、1または複数の表示/光センサ部300、回路制御部600、データ処理部700、主制御部800、記憶部901、一次記憶部902、操作部903、外部通信部907、音声出力部908、および音声入力部909を備えている。ここでは、データ表示/センサ装置100は、表示/光センサ部300を2つ(第1表示/光センサ部300Aおよび第2表示/光センサ部300B)備えているものとして説明する。なお、第1表示/光センサ部300Aおよび第2表示/光センサ部300Bを区別しないときは、表示/光センサ部300と表記する。
【0076】
表示/光センサ部300は、いわゆる光センサ内蔵液晶表示装置である。表示/光センサ部300は、センサ内蔵液晶パネル301、バックライト307、それらを駆動するための周辺回路309を含んで構成される。
【0077】
センサ内蔵液晶パネル301は、マトリクス状に配置された複数の画素回路31および光センサ回路32を含んで構成される。センサ内蔵液晶パネル301の詳細な構成については後述する。
【0078】
周辺回路309は、液晶パネル駆動回路304、光センサ駆動回路305、信号変換回路306、バックライト駆動回路308を含む。
【0079】
液晶パネル駆動回路304は、回路制御部600の表示制御部601からのタイミング制御信号(TC1)およびデータ信号(D)に従って、制御信号(G)およびデータ信号(S)を出力し、画素回路31を駆動する回路である。画素回路31の駆動方法の詳細については後述する。
【0080】
光センサ駆動回路305は、回路制御部600のセンサ制御部602からのタイミング制御信号(TC2)に従って、信号線(R)に電圧を印加し、光センサ回路32を駆動する回路である。光センサ回路32の駆動方法の詳細については後述する。
【0081】
信号変換回路306は、光センサ回路32から出力されるセンサ出力信号(SS)をデジタル信号(DS)に変換し、該変換後の信号をセンサ制御部602に送信する回路である。
【0082】
バックライト307は、複数の白色LED(Light Emitting Diode)を含んでおり、センサ内蔵液晶パネル301の背面に配置される。そして、バックライト駆動回路308から電源電圧が印加されると、バックライト307は点灯し、センサ内蔵液晶パネル301に光を照射する。なお、バックライト307は、白色LEDに限らず、他の色のLEDを含んでいてもよい。また、バックライト307は、LEDに代えて、例えば、冷陰極管(CCFL:Cold Cathode Fluorescent Lamp)を含むものであってもよい。
【0083】
バックライト駆動回路308は、回路制御部600のバックライト制御部603からの制御信号(BK)がハイレベルであるときは、バックライト307に電源電圧を印加し、逆に、バックライト制御部603からの制御信号がローレベルであるときは、バックライト307に電源電圧を印加しない。
【0084】
次に、回路制御部600について説明する。回路制御部600は、表示/光センサ部300の周辺回路309を制御するデバイスドライバとしての機能を備えるものである。回路制御部600は、表示制御部601、センサ制御部602、バックライト制御部603、および表示データ記憶部604を備えている。
【0085】
表示制御部601は、データ処理部700の表示データ処理部701から表示データを受信するとともに、表示データ処理部701からの指示に従って、表示/光センサ部300の液晶パネル駆動回路304に、タイミング制御信号(TC1)およびデータ信号(D)を送信し、上記受信した表示データをセンサ内蔵液晶パネル301に表示させる。
【0086】
なお、表示制御部601は、表示データ処理部701から受信した表示データを、表示データ記憶部604に一次記憶させる。そして、当該一次記憶させた表示データに基づいて、データ信号(D)を生成する。表示データ記憶部604は、例えば、VRAM(video random access memory)などである。
【0087】
センサ制御部602は、データ処理部700のセンサデータ処理部703からの指示に従って、表示/光センサ部300の光センサ駆動回路305に、タイミング制御信号(TC2)を送信し、センサ内蔵液晶パネル301にてスキャンを実行させる。
【0088】
また、センサ制御部602は、信号変換回路306からデジタル信号(DS)を受信する。そして、センサ内蔵液晶パネル301に含まれる全ての光センサ回路32から出力されたセンサ出力信号(SS)に対応するデジタル信号(DS)に基づいて、画像データを生成する。つまり、センサ内蔵液晶パネル301の読み取り領域全体で読み取った画像データを生成する。そして、該生成した画像データをセンサデータ処理部703に送信する。
【0089】
バックライト制御部603は、表示データ処理部701およびセンサデータ処理部703からの指示に従って、表示/光センサ部300のバックライト駆動回路308に制御信号(BK)を送信し、バックライト307を駆動させる。
【0090】
なお、データ表示/センサ装置100が、複数の表示/光センサ部300を備える場合、表示制御部601は、データ処理部700から、どの表示/光センサ部300にて表示データを表示するかの指示を受けたとき、当該指示に応じた表示/光センサ部300の液晶パネル駆動回路304を制御する。また、センサ制御部602は、データ処理部700から、どの表示/光センサ部300にて対象物のスキャンを行うかの指示を受けたとき、当該指示に応じた表示/光センサ部300の光センサ駆動回路305を制御するとともに、当該指示に応じた表示/光センサ部300の信号変換回路306からデジタル信号(DS)を受信する。
【0091】
次に、データ処理部700について説明する。データ処理部700は、主制御部800から受信する「コマンド」に基づいて、回路制御部600に指示を与えるミドルウェアとしての機能を備えるものである。なお、コマンドの詳細については後述する。
【0092】
データ処理部700は、表示データ処理部701およびセンサデータ処理部703を備えている。そして、データ処理部700が、主制御部800からコマンドを受信すると、該受信したコマンドに含まれる各フィールド(後述する)の値に応じて、表示データ処理部701およびセンサデータ処理部703の少なくとも一方が動作する。
【0093】
表示データ処理部701は、主制御部800から表示データを受信するとともに、データ処理部700が受信したコマンドに従って、表示制御部601およびバックライト制御部603に指示を与え、上記受信した表示データをセンサ内蔵液晶パネル301に表示させる。なお、コマンドに応じた、表示データ処理部701の動作については、後述する。
【0094】
センサデータ処理部703は、データ処理部700が受信したコマンドに従って、センサ制御部602およびバックライト制御部603に指示を与える。
【0095】
また、センサデータ処理部703は、センサ制御部602から画像データを受信し、当該画像データをそのまま画像データバッファ704に格納する。そして、センサデータ処理部703は、データ処理部700が受信したコマンドに従って、画像データバッファ704に記憶されている画像データに基づいて、「全体画像データ」、「部分画像データ(部分画像の座標データを含む)」、および「座標データ」の少なくともいずれか1つを、主制御部800に送信する。なお、全体画像データ、部分画像データ、および座標データについては、後述する。また、コマンドに応じた、センサデータ処理部703の動作については、後述する。
【0096】
次に、主制御部800は、アプリケーションプログラムを実行するものである。主制御部800は、記憶部901に格納されているプログラムを、例えばRAM(Random Access Memory)等で構成される一次記憶部902に読み出して実行する。
【0097】
主制御部800で実行されるアプリケーションプログラムは、センサ内蔵液晶パネル301に表示データを表示させたり、センサ内蔵液晶パネル301にて対象物のスキャンを行わせるために、データ処理部700に対して、コマンドおよび表示データを送信する。また、コマンドに「データ種別」を指定した場合は、当該コマンドの応答として、全体画像データ、部分画像データ、および座標データの少なくともいずれか1つを、データ処理部700から受信する。
【0098】
なお、回路制御部600、データ処理部700、および主制御部800は、それぞれ、CPU(Central Processing Unit)およびメモリ等で構成することができる。また、データ処理部700は、ASIC(application specific integrate circuit)などの回路で構成されていてもよい。
【0099】
次に、記憶部901は、図示のように、主制御部800が実行するプログラムおよびデータを格納するものである。なお、主制御部800が実行するプログラムは、アプリケーション固有のプログラムと、各アプリケーションが共用可能な汎用プログラムとに分離されていてもよい。
【0100】
次に、操作部903は、データ表示/センサ装置100のユーザの入力操作を受けつけるものである。操作部903は、例えば、スイッチ、リモコン、マウス、キーボードなどの入力デバイスで構成される。そして、操作部903は、データ表示/センサ装置100のユーザの入力操作に応じた制御信号を生成し、該生成した制御信号を主制御部800へ送信する。
【0101】
なお、上記スイッチの例としては、筐体のヒンジ部分に設けられ、筐体の開閉状態を検出するヒンジ部スイッチ904、電源のオンとオフとを切り替える電源スイッチ905、予め所定の機能が割り当てられているユーザスイッチ906などのハードウェアスイッチを想定している。
【0102】
その他、データ表示/センサ装置100は、無線/有線通信によって外部装置と通信を行うための外部通信部907、音声を出力するためのスピーカ等の音声出力部908、音声信号を入力するためのマイク等の音声入力部909などを適宜備えていてもよい。
【0103】
〔コマンドの詳細〕
次に、図5および図6を参照しながら、主制御部800からデータ処理部700に送信されるコマンドの詳細について説明する。図5は、コマンドのフレーム構造の一例を模式的に示す図である。また、図6は、コマンドに含まれる各フィールドに指定可能な値の一例、および、その概要を説明する図である。
【0104】
図5に示すように、コマンドは、「ヘッダ」、「データ取得タイミング」、「データ種別」、「スキャン方式」、「スキャン画像階調」、「スキャン解像度」、「スキャンパネル」、「表示パネル」、および「予備」の各フィールドを含んでいる。そして、各フィールドには、例えば、図6に示す値が指定可能である。
【0105】
「ヘッダ」フィールドは、フレームの開始を示すフィールドである。「ヘッダ」フィールドであることが識別可能であれば、「ヘッダ」フィールドの値は、どのような値であってもよい。
【0106】
次に、「データ取得タイミング」フィールドは、データを主制御部800へ送信すべきタイミングを指定するフィールドである。「データ取得タイミング」フィールドには、例えば、“00”(センス)、“01”(イベント)、および“10”(オール)という値が指定可能である。
【0107】
ここで、“センス”は、最新のデータを直ちに送信することを指定するものである。よって、センサデータ処理部703は、「データ取得タイミング」フィールドの値が“センス”であるコマンドを受信すると、「データ種別」フィールドにて指定されている最新のデータを、直ちに、主制御部800に送信する。
【0108】
また、“イベント”は、センサ制御部602から受信する画像データに変化が生じたタイミングで送信することを指定するものである。よって、センサデータ処理部703は、「データ取得タイミング」フィールドの値が“イベント”であるコマンドを受信すると、「データ種別」フィールドにて指定されているデータを、センサ制御部602から受信する画像データに、所定の閾値より大きい変化が生じたタイミングで、主制御部800に送信する。
【0109】
また、“オール”は、所定周期でデータを送信することを指定するものである。よって、センサデータ処理部703は、「データ取得タイミング」フィールドの値が“オール”であるコマンドを受信すると、「データ種別」フィールドにて指定されているデータを、所定周期で、主制御部800に送信する。なお、上記所定周期は、光センサ回路32にてスキャンを行う周期と一致する。
【0110】
次に、「データ種別」フィールドは、センサデータ処理部703から取得するデータの種別を指定するフィールドである。なお、「データ種別」フィールドには、例えば、“001”(座標)、“010”(部分画像)、および“100”(全体画像)という値が指定可能である。さらに、これらの値を加算することによって、“座標”と、“部分画像”/“全体画像”とを、同時に指定可能である。例えば、“座標”と“部分画像”とを同時に指定する場合、“011”と指定することができる。
【0111】
センサデータ処理部703は、「データ種別」フィールドの値が“全体画像”であるコマンドを受信すると、画像データバッファ704に記憶している画像データそのものを主制御部800に送信する。画像データバッファ704に記憶している画像データそのものを、「全体画像データ」と称する。
【0112】
また、センサデータ処理部703は、「データ種別」フィールドの値が“部分画像”であるコマンドを受信すると、センサ制御部602から受信する画像データから、所定の閾値より大きい変化が生じた部分を含む領域を抽出し、該抽出した領域の画像データを主制御部800に送信する。ここで、当該画像データを、「部分画像データ」と称する。なお、上記部分画像データが複数抽出された場合、センサデータ処理部703は、該抽出されたそれぞれの部分画像データを主制御部800に送信する。
【0113】
さらに、センサデータ処理部703は、「データ種別」フィールドの値が“部分画像”であるコマンドを受信したとき、部分画像データにおける代表座標を検出し、当該代表座標の部分画像データにおける位置を示す座標データを主制御部800に送信する。なお、上記代表座標とは、例えば、上記部分画像データの中心の座標、上記部分画像データの重心の座標などが挙げられる。
【0114】
次に、センサデータ処理部703は、「データ種別」フィールドの値が“座標”であるコマンドを受信すると、上記代表座標の全体画像データにおける位置を示す座標データを主制御部800に送信する。なお、上記部分画像データが複数抽出された場合、センサデータ処理部703は、該抽出された、それぞれの部分画像データの、全体画像データにおける代表座標を検出し、当該代表座標を示す座標データのそれぞれを主制御部800に送信する(多点検出)。
【0115】
なお、全体画像データ、部分画像データ、および座標データの具体例については、模式図を参照しながら後述する。
【0116】
次に、「スキャン方式」フィールドは、スキャン実行時に、バックライト307を点灯するか否かを指定するフィールドである。「スキャン方式」フィールドには、例えば、“00”(反射)、“01”(透過)、および“10”(反射/透過)という値が指定可能である。
【0117】
“反射”は、バックライト307を点灯した状態でスキャンを行うことを指定するものである。よって、センサデータ処理部703は、「スキャン方式」フィールドの値が“反射”であるコマンドを受信すると、光センサ駆動回路305とバックライト駆動回路308とが同期して動作するように、センサ制御部602とバックライト制御部603とに指示を与える。
【0118】
また、“透過”は、バックライト307を消灯した状態でスキャンを行うことを指定するものである。よって、センサデータ処理部703は、「スキャン方式」フィールドの値が“透過”であるコマンドを受信すると、光センサ駆動回路305を動作させ、バックライト駆動回路308と動作させないようにセンサ制御部602とバックライト制御部603とに指示を与える。なお、“反射/透過”は、“反射”と“透過”とを併用してスキャンを行うことを指定するものである。
【0119】
次に、「スキャン画像階調」フィールドは、部分画像データおよび全体画像データの階調を指定するフィールドである。「スキャン画像階調」フィールドには、例えば、“00”(2値)、および“01”(多値)という値が指定可能である。
【0120】
ここで、センサデータ処理部703は、「スキャン画像階調」フィールドの値が“2値”であるコマンドを受信すると、部分画像データおよび全体画像データをモノクロデータとして、主制御部800に送信する。
【0121】
また、センサデータ処理部703は、「スキャン画像階調」フィールドの値が“多値”であるコマンドを受信すると、部分画像データおよび全体画像データを多階調データとして、主制御部800に送信する。
【0122】
次に、「スキャン解像度」フィールドは、部分画像データおよび全体画像データの解像度を指定するフィールドである。「スキャン解像度」フィールドには、例えば、“0”(高)および“1”(低)という値が指定可能である。
【0123】
ここで、“高”は、高解像度を指定するものである。よって、センサデータ処理部703は、「スキャン解像度」フィールドの値が“高”であるコマンドを受信すると、部分画像データおよび全体画像データを高解像度で主制御部800に送信する。例えば、画像認識などの画像処理を行う対象の画像データ(指紋などの画像データ)には、“高”を指定することが望ましい。
【0124】
また、“低”は、低解像度を指定するものである。よって、センサデータ処理部703は、「スキャン解像度」フィールドの値が“低”であるコマンドを受信すると、部分画像データおよび全体画像データを低解像度で主制御部800に送信する。例えば、タッチした位置等が分かる程度でよい画像データ(タッチした指や手の画像データなど)には、“低”を指定することが望ましい。
【0125】
次に、「スキャンパネル」フィールドは、どの表示/光センサ部300にて対象物のスキャンを行うかを指定するフィールドである。「スキャンパネル」フィールドには、例えば、“001”(第1表示/光センサ部300A)、“010”(第2表示/光センサ部300B)という値が指定可能である。なお、これらの値を加算することによって、複数の表示/光センサ部300を同時に指定可能である。例えば、“第1表示/光センサ部300A”と“第2表示/光センサ部300B”とを同時に指定する場合、“011”と指定することができる。
【0126】
ここで、センサデータ処理部703は、「スキャンパネル」フィールドの値が“第1表示/光センサ部300A”であるコマンドを受信すると、第1表示/光センサ部300Aの光センサ駆動回路305およびバックライト駆動回路308を制御するように、センサ制御部602およびバックライト制御部603に指示を与える。
【0127】
次に、「表示パネル」フィールドは、どの表示/光センサ部300にて表示データを表示させるかを指定するフィールドである。「表示パネル」フィールドには、例えば、“001”(第1表示/光センサ部300A)、“010”(第2表示/光センサ部300B)という値が指定可能である。なお、これらの値を加算することによって、複数の表示/光センサ部300を同時に指定可能である。例えば、“第1表示/光センサ部300A”と“第2表示/光センサ部300B”とを同時に指定する場合、“011”と指定することができる。
【0128】
ここで、表示データ処理部701は、例えば、「表示パネル」フィールドの値が“第1表示/光センサ部300A”であるコマンドを受信すると、第1表示/光センサ部300Aに表示データを表示させるために、第1表示/光センサ部300Aの液晶パネル駆動回路304およびバックライト駆動回路308を制御するように、表示制御部601およびバックライト制御部603に指示を与える。
【0129】
次に、「予備」フィールドは、上述したフィールドにて指定可能な情報以外の情報をさらに指定する必要がある場合に、適宜指定されるフィールドである。
【0130】
なお、主制御部800にて実行されるアプリケーションは、コマンドを送信するにあたり、上述したフィールドを全て使用する必要はなく、使用しないフィールドには無効値(NULL値など)を設定しておけばよい。
【0131】
また、ユーザが指やペンなどでタッチした位置の座標データを取得したいときは、「データ種別」フィールドに“座標”を指定したコマンドをデータ処理部700に送信することとなるが、指やペンなどは動きがあるため、さらに、当該コマンドの「データ取得タイミング」フィールドに“オール”を指定し、座標データを取得するようにすることが望ましい。また、タッチした位置の座標データが取得できればよいため、スキャンの精度は高くなくてもよい。したがって、上記コマンドの「スキャン解像度」フィールドの値は“低”を指定しておけばよい。
【0132】
また、コマンドの「データ種別」フィールドに“座標”を指定した場合において、例えば、ユーザが、複数の指やペンなどでセンサ内蔵液晶パネル301を同時にタッチした場合は、該タッチした位置の座標データのそれぞれを取得することができる(多点検出)。
【0133】
また、原稿などの対象物の画像データを取得する場合、「データ種別」フィールドに“全体画像”を指定したコマンドをデータ処理部700に送信することとなるが、原稿などの対象物は、通常、静止させた状態でスキャンを実行することが一般的であるため、周期的にスキャンを実行する必要はない。従って、この場合は、「データ取得タイミング」フィールドに“センス”または“イベント”を指定することが望ましい。なお、原稿などの対象物をスキャンするときは、ユーザが文字を読みやすいように、スキャン精度は高い方が望ましい。したがって、「スキャン解像度」フィールドには“高”を指定することが望ましい。
【0134】
〔全体画像データ/部分画像データ/座標データ〕
次に、図7を参照しながら、全体画像データ、部分画像データ、および座標データについて、例を挙げて説明する。図7(a)に示す画像データは、対象物がセンサ内蔵液晶パネル301上に置かれていないときに、センサ内蔵液晶パネル301全体をスキャンした結果として得られる画像データである。また、図7(b)に示す画像データは、ユーザが指でセンサ内蔵液晶パネル301をタッチしているときに、センサ内蔵液晶パネル301全体をスキャンした結果として得られる画像データである。
【0135】
ユーザが指でセンサ内蔵液晶パネル301をタッチしたとき、当該タッチした近傍の光センサ回路32が受光する光量が変化するため、当該光センサ回路32が出力する電圧に変化が生じ、その結果として、センサ制御部602が生成する画像データのうち、ユーザがタッチした部分の画素値の明度に変化が生じることとなる。
【0136】
図7(b)に示す画像データでは、図7(a)に示す画像データと比べると、ユーザの指に該当する部分の画素値の明度が高くなっている。そして、図7(b)に示す画像データにおいて、明度が所定の閾値より大きく変化している画素値を全て含む最小の矩形領域(領域PP)が、“部分画像データ”である。
【0137】
なお、領域APで示される画像データが、“全体画像データ”である。
【0138】
また、部分画像データ(領域PP)の代表座標Zの、全体画像データ(領域AP)における座標データは(Xa,Ya)であり、部分画像データ(領域PP)における座標データは(Xp,Yp)である。
【0139】
〔センサ内蔵液晶パネルの構成〕
次に、図8を参照しながら、センサ内蔵液晶パネル301の構成、および、センサ内蔵液晶パネル301の周辺回路309の構成について説明する。図8は、表示/光センサ部300の要部、特に、センサ内蔵液晶パネル301の構成および周辺回路309の構成を示すブロック図である。
【0140】
センサ内蔵液晶パネル301は、光透過率(輝度)を設定するための画素回路31、および、自身が受光した光の強度に応じた電圧を出力する光センサ回路32を備えている。なお、画素回路31は、赤色、緑色、青色のカラーフィルタのそれぞれに対応するR画素回路31r、G画素回路31g、B画素回路31bの総称として用いる。
【0141】
画素回路31は、センサ内蔵液晶パネル301上の列方向(縦方向)にm個、行方向(横方向)に3n個配置される。そして、R画素回路31r、G画素回路31g、およびB画素回路31bの組が、行方向(横方向)に連続して配置される。この組が1つの画素を形成する。
【0142】
画素回路31の光透過率を設定するには、まず、画素回路31に含まれるTFT(Thin Film Transistor)33のゲート端子に接続される走査信号線Giにハイレベル電圧(TFT33をオン状態にする電圧)を印加する。その後、R画素回路31rのTFT33のソース端子に接続されているデータ信号線SRjに、所定の電圧を印加する。同様に、G画素回路31gおよびB画素回路31bについても、光透過率を設定する。そして、これらの光透過率を設定することにより、センサ内蔵液晶パネル301上に画像が表示される。
【0143】
次に、光センサ回路32は、一画素毎に配置される。なお、R画素回路31r、G画素回路31g、およびB画素回路31bのそれぞれの近傍に1つずつ配置されてもよい。
【0144】
光センサ回路32にて光の強度に応じた電圧を出力させるためには、まず、コンデンサ35の一方の電極に接続されているセンサ読み出し線RWiと、フォトダイオード36のアノード端子に接続されているセンサリセット線RSiとに所定の電圧を印加する。この状態において、フォトダイオード36に光が入射されると、入射した光量に応じた電流がフォトダイオード36に流れる。そして、当該電流に応じて、コンデンサ35の他方の電極とフォトダイオード36のカソード端子との接続点(以下、接続ノードV)の電圧が低下する。そして、センサプリアンプ37のドレイン端子に接続される電圧印加線SDjに電源電圧VDDを印加すると、接続ノードVの電圧は増幅され、センサプリアンプ37のソース端子からセンシングデータ出力線SPjに出力される。そして、当該出力された電圧に基づいて、光センサ回路32が受光した光量を算出することができる。
【0145】
次に、センサ内蔵液晶パネル301の周辺回路である、液晶パネル駆動回路304、光センサ駆動回路305、およびセンサ出力アンプ44について説明する。
【0146】
液晶パネル駆動回路304は、画素回路31を駆動するための回路であり、走査信号線駆動回路3041およびデータ信号線駆動回路3042を含んでいる。
【0147】
走査信号線駆動回路3041は、表示制御部601から受信したタイミング制御信号TC1に基づいて、1ライン時間毎に、走査信号線G1〜Gmの中から1本の走査信号線を順次選択し、該選択した走査信号線にハイレベル電圧を印加するとともに、その他の走査信号線にローレベル電圧を印加する。
【0148】
データ信号線駆動回路3042は、表示制御部601から受信した表示データD(DR、DG、およびDB)に基づいて、1ライン時間毎に、1行分の表示データに対応する所定の電圧を、データ信号線SR1〜SRn、SG1〜SGn、SB1〜SBnに印加する(線順次方式)。なお、データ信号線駆動回路3042は、点順次方式で駆動するものであってもよい。
【0149】
光センサ駆動回路305は、光センサ回路32を駆動するための回路である。光センサ駆動回路305は、センサ制御部602から受信したタイミング制御信号TC2に基づいて、センサ読み出し信号線RW1〜RWmの中から、1ライン時間毎に1本ずつ選択したセンサ読み出し信号線に所定の読み出し用電圧を印加するとともに、その他のセンサ読み出し信号線には、所定の読み出し用電圧以外の電圧を印加する。また、同様に、タイミング制御信号TC2に基づいて、センサリセット信号線RS1〜RSmの中から、1ライン時間毎に1本ずつ選択したセンサリセット信号線に所定のリセット用電圧を印加するとともに、その他のセンサリセット信号線には、所定のリセット用電圧以外の電圧を印加する。
【0150】
センシングデータ出力信号線SP1〜SPnはp個(pは1以上n以下の整数)のグループにまとめられ、各グループに属するセンシングデータ出力信号線は、時分割で順次オン状態になるスイッチ47を介して、センサ出力アンプ44に接続される。センサ出力アンプ44は、スイッチ47により接続されたセンシングデータ出力信号線のグループからの電圧を増幅し、センサ出力信号SS(SS1〜SSp)として、信号変換回路306へ出力する。
【0151】
〔主制御部の構成〕
続いて、主制御部800の詳細な構成について、図1に基づいて説明する。図1は、主制御部800等の要部構成を示すブロック図である。図示のように、主制御部800は、スキャン処理部1、操作取得・判断部(入力操作検出手段)2、設定変更部(パラメータコピー手段)3、及び表示処理部4を備えている。また、記憶部901には、第1設定格納部10及び第2設定格納部11が含まれている。
【0152】
スキャン処理部1は、表示/光センサ部300に像の検知を行わせ、センサ内蔵液晶パネル301にユーザの指等が接触した位置を取得する。具体的には、スキャン処理部1は、データ処理部700に「データ取得タイミング」を“イベント”、「データ種別」を“座標”、「スキャン方式」を“反射”、「スキャンパネル」を“表示/光センサ部300A及び301Bの両方”としたコマンドを送信し、センサ内蔵液晶パネル301に対して接触があった位置を示す座標データを取得する。
【0153】
操作取得・判断部2は、スキャン処理部1に指示してセンサ内蔵液晶パネル301に対するユーザの指等の接触位置を取得させ、取得させた接触位置(座標データ)及び接触位置の変化の何れかまたは両方に基づいて、ユーザがどのような操作を行ったかを判断する。なお、操作取得・判断部2は、接触位置及び接触位置の変化と、それに対応するユーザ操作との対応を予め記憶している。
【0154】
設定変更部3は、操作取得・判断部2がセンサ内蔵液晶パネル301A(または301B)に表示されているウィンドウの設定(パラメータ)をセンサ内蔵液晶パネル301B(または301A)に表示されているウィンドウの設定と同じにする入力操作が行われたと判断したときに、センサ内蔵液晶パネル301A(または301B)に表示されているウィンドウの設定を、センサ内蔵液晶パネル301B(または301A)に表示されているウィンドウの設定と同じにする。
【0155】
具体的には、設定変更部3は、センサ内蔵液晶パネル301Aに表示されているウィンドウの設定をセンサ内蔵液晶パネル301Bに表示されているウィンドウの設定と同じにする入力操作が行われた場合には、センサ内蔵液晶パネル301Aに表示されているウィンドウに適用されている設定が格納されている第1設定格納部10から、センサ内蔵液晶パネル301Aに表示されているウィンドウに適用されている設定を読み出し、これをセンサ内蔵液晶パネル301Aに表示されているウィンドウに適用されている設定が格納されている第2設定格納部11に上書きする。表示/光センサ部300Bの設定を表示/光センサ部300Aの設定と同じにする入力操作が行われた場合も同様である。
【0156】
これにより、センサ内蔵液晶パネル301Aに表示されているウィンドウの設定とセンサ内蔵液晶パネル301Bに表示されているウィンドウに適用されている設定とが同じになる。
【0157】
ここでは、センサ内蔵液晶パネル301A及び301Bのそれぞれに1つのウィンドウを表示することを想定しているが、センサ内蔵液晶パネル301Aまたは301Bの何れかに複数のウィンドウを表示し、同一のパネル内に表示されたウィンドウ間で設定のコピーを行うようにしてもよい。
【0158】
なお、ウィンドウに適用される設定とは、例えば地図を表示する場合では、当該地図の縮尺、特定の店舗や施設等を示す文字列またはアイコン(コンビニエンスストア、ガソリンスタンド、飲食店等の標章をアイコンとしてもよい)、地図記号等の表示の可否、航空写真または衛星写真のように写真の画像で構成される地図を表示するか、写真の画像で構成されていない地図を表示するか、二次元画像の地図を表示するか、三次元画像の地図を表示するか、等を規定するものである。
【0159】
また、以下では、地図のウィンドウを表示する例について説明するが、ウィンドウに表示するコンテンツは、ウィンドウ毎にパラメータを設定可能なものであればよく、地図に限られない。
【0160】
例えば、表計算ソフトウェアや文書作成ソフトウェア等のアプリケーションプログラムを起動した場合に表示されるウィンドウについても、同様の処理でウィンドウ間におけるパラメータのコピーを実現することができる。この場合には、パラメータは、例えば、表示する文字のフォントやサイズ、ページのレイアウト、使用する言語等になる。
【0161】
なお、設定変更部3は、全ての設定をコピーする必要はなく、少なくとも1つの設定をコピーすればよい。コピーする設定は、ユーザが選択するようにしてもよいし、予め定めておいてもよい。また、入力操作に応じてコピーする設定を変えるようにしてもよい。
【0162】
表示処理部4は、センサ内蔵液晶パネル301に画像を表示させる。具体的には、表示処理部4は、データ処理部700にセンサ内蔵液晶パネル301に表示させる画像の画像データと共に、「表示パネル」フィールドの値として、“第1表示/光センサ部”または“第2表示/光センサ部”を指定したコマンドをデータ処理部700に送信することによって、センサ内蔵液晶パネル301に画像を表示させる。
【0163】
〔動作例〕
次に、上記の構成を備えるデータ表示/センサ装置100の具体的な動作について、図10に基づいて説明する。図10は、データ表示/センサ装置100の動作の一例を示す図であり、(a)はユーザが操作を行う前の画面表示例を示し、(b)はユーザが操作を行った後の画面表示例を示している。
【0164】
図示のように、センサ内蔵液晶パネル301A及び301Bには、それぞれ地図が表示されている。より詳細には、同図(a)のセンサ内蔵液晶パネル301Aにはセンサ内蔵液晶パネル301Bとは異なる地域の地図が表示されている。そして、センサ内蔵液晶パネル301Aに表示されている地図の縮尺は、目盛Cが示すように、センサ内蔵液晶パネル301Bに表示されている地図の1/2倍である。
【0165】
図示の例では、この状態において、図示のように、センサ内蔵液晶パネル301Bにタッチし(1)、タッチした指またはペン先等をセンサ内蔵液晶パネル301Aまでドラッグする(2)ことにより、センサ内蔵液晶パネル301Bに表示されている地図に適用されている設定が、センサ内蔵液晶パネル301Aに表示されている地図の設定にコピーされることを想定している。
【0166】
すなわち、図示のように、センサ内蔵液晶パネル301Bにタッチし(1)、タッチした指またはペン先等をセンサ内蔵液晶パネル301Aまでドラッグした(2)ときには、センサ内蔵液晶パネル301Aの表示が同図(b)の状態に更新される。同図(b)においてセンサ内蔵液晶パネル301Aに表示されている地図の縮尺は、目盛Cが示すように、センサ内蔵液晶パネル301Bに表示されている地図と同じになっている。
【0167】
このように、図10の例に係るデータ表示/センサ装置100によれば、設定のコピー元となるセンサ内蔵液晶パネル301にタッチして、設定のコピー先となるセンサ内蔵液晶パネル301までドラッグするという簡単かつ直感的な入力操作によって、一方のセンサ内蔵液晶パネル301に表示されている地図に適用されている設定を他方のセンサ内蔵液晶パネル301表示されている地図にも適用することができる。
【0168】
したがって、データ表示/センサ装置100のユーザは、極めて容易な操作でセンサ内蔵液晶パネル301Aに表示されている地図に適用されている設定と、センサ内蔵液晶パネル301Bに表示されている地図に適用されている設定とを揃えることができる。
【0169】
〔処理の流れ〕
上記〔動作例〕に示すような動作を実現するためにデータ表示/センサ装置100が実行する処理の流れについて、図11に基づいて説明する。図11は、データ表示/センサ装置100が実行する処理の一例を示すフローチャートである。
【0170】
まず、操作取得・判断部2は、センサ内蔵液晶パネル301A及び301Bに、タッチパネル入力の対象となる画像(例えば地図)が表示されているときに、スキャン処理部1に指示して画面(センサ内蔵液晶パネル301AまたはB)に対する接触を検知させる。
【0171】
ここで、スキャン処理部1が、画面に対する接触を検知しなかった場合(S1でNO)には、操作取得・判断部2は、タッチパネル入力の対象となる画像が表示されている限り、引き続きスキャン処理部1に画面に対する接触を検知させる。
【0172】
一方、スキャン処理部1が、画面に対する接触を検知した場合(S1でYES)には、操作取得・判断部2は、接触位置が他の画面に移動したか否かを確認する(S2)。具体的には、操作取得・判断部2は、画面に対する接触位置を示す座標データをスキャン処理部1から受信して、受信した座標データに基づいて上記の確認を行う。
【0173】
すなわち、操作取得・判断部2は、受信した座標データが、当該座標データが検出された画面から他方の画面に向かって移動し、その後、当該他方の画面で座標データが検出されたときに、接触位置が他の画面に移動した(S2でYES)と判断する。この場合には、操作取得・判断部2は、設定をコピーする入力操作が行われたと判断し、接触位置の移動元画面と移動先画面とを設定変更部3に伝達し、これにより処理はS3に進む。
【0174】
一方、画面に対する接触が検知されなくなった(座標データが送信されなくなった)後、所定時間が経過しても他方の画面に接触が検知されない(座標データが送信されない)場合には、操作取得・判断部2は、接触位置が他の画面に移動しなかった(S2でNO)と判断する。この場合には、処理はS1に戻る。
【0175】
S3では、設定変更部3は、最初に接触が検知された画面に表示されている地図に適用されている設定を読み出す。つまり、設定変更部3は、最初にセンサ内蔵液晶パネル301Aに接触が検知された場合には、第1設定格納部10から設定を読み出し、最初にセンサ内蔵液晶パネル301Bに接触が検知された場合には、第2設定格納部11から設定を読み出す。
【0176】
続いて、設定変更部3は、上記読み出した設定を、接触位置の移動先の画面に表示されている地図に適用する(S4)。具体的には、設定変更部3は、第1設定格納部10から設定を読み出した場合には、読み出した設定で第2設定格納部11に格納されている設定を上書きし、第2設定格納部11から設定を読み出した場合には、読み出した設定で第1設定格納部10に格納されている設定を上書きする。
【0177】
そして、設定変更部3は、表示処理部4に指示して、接触位置の移動先の画面に表示されている地図の表示を更新させる(S5)。これにより、センサ内蔵液晶パネル301には、更新された設定が反映された地図が表示される。
【0178】
〔変形例〕
上記データ表示/センサ装置100は、設定のコピー元のウィンドウと設定のコピー先のウィンドウとを選択する入力操作を検出したときに、コピー元のウィンドウの設定をコピー先のウィンドウに適用するものであればよく、上記の例に限られない。
【0179】
すなわち、上記では、コピー元の画面からコピー先の画面までドラッグする入力操作によって設定のコピーが行われる例を説明したが、この例に限られない。例えば、コピー元の画面とコピー先の画面とを続けてタッチする入力操作によって設定のコピーが行われるようにしてもよい。また、例えば、コピー元の画面をタッチしながら、コピー先の画面にタッチする入力操作によって設定のコピーが行われるようにしてもよい。さらに、コピー元の画面をコピー先の画面に向かってドラッグした場合にも、ドラッグの方向からコピー先の画面を特定することができるので、このような入力操作によって設定のコピーが行われるようにしてもよい。
【0180】
さらに、マウスやタブレット、キーボード、入力ボタン等の入力装置を用いてコピー元の画面とコピー先の画面とを選択するようにしてもよい。ただし、上記のように、画面に直接タッチして入力操作を行うことができる構成とした場合には、ユーザが直感的に設定のコピー操作を行うことができるので、入力操作は画面に対して行うことができるように構成することが好ましい。
【0181】
この場合には、上記の例のように、光センサ内蔵液晶表示パネル以外にも、従来のタッチパネルとして一般に利用されている、抵抗膜式、表面弾性波式、静電容量式等のタッチパネルを適用することもできる。ただし、光センサ内蔵液晶表示パネルのように、多点検出の可能なデバイスを用いることにより、入力操作のバリエーションを増加させることができるので、多点検出の可能なデバイスを用いることが好ましい。
【0182】
また、上記の例では、設定をコピーする対象となる画面が、互いに独立している(センサ内蔵液晶パネル301AとB)例を示したが、1つの画面内で設定をコピーするようにしてもよい。この場合には、1つの画面に表示した複数のウィンドウが設定コピーの対象となる。
【0183】
〔実施の形態2〕
本発明の他の実施形態について、図12〜図13に基づいて説明すれば、以下のとおりである。なお、説明の便宜上、上記実施形態にて説明した図面と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。
【0184】
本実施形態のデータ表示/センサ装置100は、複数のウィンドウを選択状態として入力操作を行うことによって、選択状態のウィンドウのそれぞれに上記入力操作に対応する同一の処理を施すことができる点が主な特徴点である。なお、本実施形態のデータ表示/センサ装置100のブロック構成は、図1と同様である。
【0185】
〔動作例〕
本実施形態に係るデータ表示/センサ装置100の具体的な動作について、図12に基づいて説明する。図12は、データ表示/センサ装置100の動作の一例を示す図であり、(a)はユーザが操作を行う前の画面表示例を示し、(b)はユーザが操作を行った後の画面表示例を示している。
【0186】
図示のように、センサ内蔵液晶パネル301A及び301Bには、図10(a)と同じ地図が表示されている。本実施形態のデータ表示/センサ装置100では、この状態において、図示のように、センサ内蔵液晶パネル301AとBとの両方にタッチすることによって2つの地図を選択状態とし、この状態のままドラッグ操作を行うことにより、センサ内蔵液晶パネル301Aに表示されている地図の縮尺とセンサ内蔵液晶パネル301Bに表示されている地図の縮尺とが同じ倍率で変化するようになっている。
【0187】
すなわち、図示のように、センサ内蔵液晶パネル301AとBとの両方にタッチして、同図の上向きにドラッグしたときには、センサ内蔵液晶パネル301Aの表示が同図(b)の状態に更新される。同図(b)においてセンサ内蔵液晶パネル301Aに表示されている地図の縮尺は、目盛Cが示すように、同図(a)の1/2倍になっている。同様に、同図(b)においてセンサ内蔵液晶パネル301Bに表示されている地図の縮尺は、目盛Cが示すように、同図(a)の1/2倍になっている。
【0188】
このように、図12の例のデータ表示/センサ装置100によれば、センサ内蔵液晶パネル301A及び301Bにタッチしてドラッグするという簡単かつ直感的な入力操作によって、センサ内蔵液晶パネル301Aに表示されているウィンドウと301Bに表示されているウィンドウとに同じ処理を施すことができる。したがって、データ表示/センサ装置100のユーザは、各ウィンドウに同じ処理を施すときに、同じ操作を繰り返す必要がない。
【0189】
〔処理の流れ〕
上記〔動作例〕に示すような動作を実現するためにデータ表示/センサ装置100が実行する処理の流れについて、図13に基づいて説明する。図13は、データ表示/センサ装置100が実行する処理の一例を示すフローチャートである。
【0190】
まず、操作取得・判断部2は、センサ内蔵液晶パネル301A及び301Bに、タッチパネル入力の対象となる画像(例えば地図)が表示されているときに、スキャン処理部1に指示して画面(センサ内蔵液晶パネル301Aまたは301B)に対する接触を検知させる。
【0191】
ここで、スキャン処理部1が画面に対する接触を検知しなかった場合(S11でNO)には、操作取得・判断部2は、タッチパネル入力の対象となる画像が表示されている限り、引き続きスキャン処理部1に画面に対する接触を検知させる。
【0192】
一方、スキャン処理部1が、画面に対する接触を検知した場合(S11でYES)には、操作取得・判断部2は、S11で接触が検知された後、所定時間内に他の画面に接触が検知されたか否かを確認する(S12)。言い換えれば、操作取得・判断部2は、S11で接触が検知された後、所定時間内に両方の画面に接触が検知された状態となったか否かを確認する。
【0193】
S11で接触が検知された後、所定時間内に他の画面に接触が検知されなかった場合、または他の画面に接触が検知される前に、画面に対する接触が検知されなくなった場合(S12でNO)には、処理はS11に戻る。
【0194】
一方、S11で接触が検知された後、所定時間内に他の画面に接触が検知された場合(S12でYES)には、操作取得・判断部2は、両方の画面に接触が検知された状態で、所定の入力操作が行われたか否かを確認する(S13)。なお、所定の入力操作は、例えば図12の例では、同図の上向きにドラッグする操作である。所定の入力操作と該入力操作によって実行される処理とは、予め定められている。
【0195】
例えば、画面上で上向きにドラッグする操作と地図の縮尺を小さくする処理とを対応付けておくことにより、図12の例のような表示が実現される。この場合には、画面上で上向きにドラッグする操作が上記所定の入力操作ということになる。無論、上記所定の入力操作と、該入力操作に対応する処理とは、この例に限られず、必要に応じて適宜設定することができる。例えば、画面上で下向きにドラッグする操作と地図の縮尺を大きくする処理とが対応付けられていてもよい。また、ドラッグする距離の長さに応じて縮尺が大きく変化するようにしてもよい。
【0196】
ここで、所定の入力操作が検知される前に何れかあるいは両方の画面に対する接触が検知されなくなった場合(S13でNO)には、処理はS11に戻り、操作取得・判断部2は、画面に対する接触の検出を待ち受ける。
【0197】
一方、両方の画面に接触が検知された状態で、所定の入力操作が行われたことが検知された場合(S13でYES)には、操作取得・判断部2は、所定の入力操作が行われた旨、及び当該所定の入力操作の内容を設定変更部3に伝達する。そして、伝達を受けた設定変更部3は、各画面に表示された地図に対して当該所定の入力操作に応じた処理を施す(S14)。つまり、本実施形態では、設定変更部3は、各画面に表示された地図に対して所定の入力操作に応じた処理を施す処理実行手段として機能する。
【0198】
上記のように地図の縮尺を変化させる処理を施す場合には、設定変更部3は、第1設定格納部10に格納されている設定のうち、地図の表示縮尺を1/2倍にし、同様に第2設定格納部11に格納されている設定のうち、地図の表示縮尺を1/2倍にする。そして、設定変更部3は、表示処理部4に指示して両画面の表示を更新させる。これにより、センサ内蔵液晶パネル301A及び301Bには、更新された設定が反映された画像が表示される。
【0199】
〔変形例〕
上記データ表示/センサ装置100は、複数のウィンドウの少なくとも2つが選択されたことを検出すると共に、少なくとも2つのウィンドウが選択された状態で所定の入力操作が行われたことを検出したときに、選択された状態にあるウィンドウのそれぞれに、上記所定の入力操作に対応する同一の処理を施すものであればよく、上記の例に限られない。
【0200】
すなわち、上記の例では、同一の処理を施す対象となるウィンドウが表示された画面が互いに独立している(センサ内蔵液晶パネル301AとB)例を示したが、1つの画面内に表示されている複数のウィンドウのそれぞれに同一の処理を施すようにしてもよい。なお、この場合に、タッチパネルによる入力操作でウィンドウを選択するためには、同一画面内における複数の点に対する接触を同時に検出する必要があるので、光センサ内蔵液晶表示パネルのように、多点検出の可能なデバイスを用いることが好ましい。
【0201】
また、同一の処理を施す対象となるウィンドウは、2つに限られず、3つ以上であってもよい。また、同一の処理を施す対象を指定する方法は、上記の例のように対象となるウィンドウを同時にタッチする方法に限られず、マウスやタブレット、キーボード、入力ボタン等の入力装置を用いて選択するものであってもよい。ただし、上記のように、画面に直接タッチして入力操作を行うことができる構成とした場合には、ユーザが直感的にウィンドウを選択することができるので、ウィンドウを選択する入力操作はタッチパネルによって行うことができるようにすることが好ましい。
【0202】
そして、上記所定の入力操作も、上記の例に限られず、必要に応じて適宜設定することができる。例えば、マウスやタブレット、キーボード、入力ボタン等の入力装置を用いて上記所定の入力操作を行うようにしてもよい。ただし、上記のように、画面にタッチした状態で行うことのできる入力操作を上記所定の入力操作とした場合には、ユーザは、ウィンドウの選択後、スムーズに上記所定の入力操作に移ることができるので、上記所定の入力操作は、画面にタッチした状態で行うことのできる入力操作であることが好ましい。
【0203】
〔実施の形態3〕
本発明の他の実施形態について、図14〜図16に基づいて説明すれば、以下のとおりである。なお、説明の便宜上、上記実施形態にて説明した図面と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。
【0204】
本実施形態のデータ表示/センサ装置100’(表示装置)は、センサ内蔵液晶パネル301に表示された地図の2点にタッチすることによって、タッチした2点間のルートガイドを行う。なお、データ表示/センサ装置100’は、上記実施形態のデータ表示/センサ装置100とほぼ同様の構成を備えているが、主制御部800の構成が異なっている。
【0205】
〔主制御部の構成〕
まず、データ表示/センサ装置100’の主制御部800の詳細な構成について、図14に基づいて説明する。図14は、データ表示/センサ装置100’の主制御部800の要部構成を示すブロック図である。図示のように、主制御部800は、スキャン処理部1、操作取得・判断部(接触検知手段)2、ルート探索部(道順表示手段)20、表示処理部4、及びルートガイド実行部21を備えている。
【0206】
ルート探索部20は、センサ内蔵液晶パネル301に表示された地図上の2点に対する接触が検知されたときに、該2点を結ぶルートを表示する。
【0207】
ルートガイド実行部21は、ルート探索部20が探索したルートをユーザが辿ることができるように、音声及び画像の何れかまたは両方を用いて誘導を行う。
【0208】
〔動作例〕
本実施形態に係るデータ表示/センサ装置100’の具体的な動作について、図15に基づいて説明する。図15は、データ表示/センサ装置100’の動作の一例を示す図であり、(a)はユーザが操作を行う前の画面表示例を示し、(b)はユーザが操作を行った後の画面表示例を示している。
【0209】
図示のように、センサ内蔵液晶パネル301A及び301Bには、図10(b)と同じ地図が表示されている。データ表示/センサ装置100’では、この状態において、図示のように、まずセンサ内蔵液晶パネル301Bにタッチし(1)、その後センサ内蔵液晶パネル301Aにタッチする(2)ことにより、センサ内蔵液晶パネル301Bに表示されている地図のタッチされた点から、センサ内蔵液晶パネル301Aに表示されている地図のタッチされた点までのルートガイドを行うようになっている。
【0210】
すなわち、図示のように、センサ内蔵液晶パネル301B上の点とセンサ内蔵液晶パネル301B上の点とにタッチしたときには、センサ内蔵液晶パネル301A及び301Bの表示が同図(b)の状態に更新される。同図(b)では、センサ内蔵液晶パネル301Bに表示されている地図のタッチされた点から、センサ内蔵液晶パネル301Aに表示されている地図のタッチされた点までのルートを示す破線矢印が表示されている。なお、ルートは、ユーザが当該ルートを認識できるように表示すればよく、この例に限られない。
【0211】
このように、図15の例のデータ表示/センサ装置100’によれば、ユーザは、出発地点と目的地点とをタッチするという簡単かつ直感的な入力操作によって、出発地点から目的地点までの道順を確認することができる。
【0212】
〔処理の流れ〕
上記〔動作例〕に示すような動作を実現するためにデータ表示/センサ装置100’が実行する処理の流れについて、図16に基づいて説明する。図16は、データ表示/センサ装置100’が実行する処理の一例を示すフローチャートである。
【0213】
まず、操作取得・判断部2は、センサ内蔵液晶パネル301A及び301Bの少なくとも一方に地図が表示されているときに、スキャン処理部1に指示して、地図が表示されている画面(センサ内蔵液晶パネル301AまたはB)に対する接触を検知させる(S21)。すなわち、図15の例では、センサ内蔵液晶パネル301A上の点と、センサ内蔵液晶パネル301B上の点との間のルートを表示する例を示したが、データ表示/センサ装置100’は、センサ内蔵液晶パネル301Aまたは301Bの何れかにおいて2点が選択された場合でも、当該2点間のルートを表示する。
【0214】
ここで、スキャン処理部1が、画面に対する接触を検知しなかった場合(S21でNO)には、操作取得・判断部2は、タッチパネル入力の対象となる画像が表示されている限り、引き続きスキャン処理部1に画面に対する接触を検知させる。
【0215】
一方、スキャン処理部1が、画面に対する接触を検知した場合(S21でYES)には、操作取得・判断部2は、S21で接触が検知された点に接触が検知されている状態で、S21で接触が検知された点以外の、地図上の点に接触が検知されたか否かを確認する(S22)。言い換えれば、操作取得・判断部2は、画面に表示されている地図上の2点において、接触が検知されている状態となっているか否かを確認する。
【0216】
S21で接触が検知された後、所定時間内に他の点に接触が検知されなかった場合(S22でNO)には、処理はS21に戻る。一方、S21で接触が検知された後、所定時間内に他の点に接触が検知された場合(S22でYES)には、操作取得・判断部2は、S21で検知を確認した接触位置を示す座標データと、S22で検知を確認した接触位置を示す座標データとをルート探索部20に送信する。
【0217】
そして、上記2つの座標データを受信したルート探索部20は、受信した2点を結ぶルートを探索する(S23)。なお、地図上の2点を結ぶルートの探索は、従来のカーナビゲーション装置等で用いられている技術を適用することもできる。ルート探索部20は、ルートの探索が終了すると、表示処理部4に指示して、現在表示されている地図上に、上記探索したルートを重畳して表示させる(S24)。
【0218】
続いて、ルート探索部20は、表示したルートのルートガイドの実行可否をユーザに選択させる(S25)。例えば、ルート探索部20は、表示処理部4に指示して、上記表示したルートのルートガイドを実行するか否かをユーザに選択させるメッセージを画面に表示させることで、ルートガイドの実行可否を選択させてもよい。
【0219】
ここで、ルートガイドを実行しない旨の入力操作が行われた場合(S25でNO)には、処理はS21に戻る。一方、ルートガイドを実行する旨の入力操作が行われた場合(S25でYES)には、ルート探索部20は、ルートガイド実行部21に上記探索したルートのルートガイドを実行させる。
【0220】
これにより、ルートガイド実行部21は、ルートガイドを実行する(S26)。なお、ルートガイド実行部21は、先に接触を検知した位置(S21で検知を確認した接触位置)を出発地点とし、後で接触を検知した位置(S22で検知を確認した接触位置)を目的地点としてルートガイドを行う。そして、ルートガイドが終了すると、処理は再びS21に戻り、操作取得・判断部2は、画面への接触を待ち受ける。
【0221】
なお、先に接触を検知した位置を出発地点とし、後で接触を検知した位置を目的地点とすることは、データ表示/センサ装置100’の必須の構成ではないが、このような構成とすることにより、ユーザは、直感的かつ極めて簡易な操作で出発地点と目的地点とを設定することができるので好ましい。
【0222】
〔変形例〕
上記では、データ表示/センサ装置100’が、ルート探索部20が探索したルートのルートガイドを行う例を示したが、データ表示/センサ装置100’が探索したルートの表示のみを行うものであってもよい。
【0223】
また、ルートの表示は、ルートをユーザが認識できる態様であればよく、ユーザが地点を選択した地図上に破線等を表示する上記の態様に限られない。例えば、ユーザが地点を選択した地図とは別に、ルートを示すための地図を表示してもよい。
【0224】
また、ルートを表示させたときにデータ表示/センサ装置100’が存在する現在地と、ルートガイドの出発地点とが一致しないことも考えられる。このような場合には、データ表示/センサ装置100’の現在地から、ルートガイドの出発地点までのルート表示及びルートガイドも行うようにしてもよい。
【0225】
さらに、ルート探索部20は、データ表示/センサ装置100’のユーザに応じて表示するルートを変更することが好ましい。例えば、データ表示/センサ装置100’を車両に搭載してカーナビゲーション装置として使用する場合には、高速道路等の有料道路利用の有無や一方通行を考慮したルートを表示することが好ましい。また、例えば、データ表示/センサ装置100’を携帯電話機等の携帯型端末装置に搭載した場合には、電車やバス等の交通機関の利用を考慮したルートを表示することが好ましい。
【0226】
また、ルート探索部20は、ルートを表示すると共に、当該ルートに沿って移動したときに予想される所要時間、当該ルートの距離、有料道路、交通機関等の費用等も合わせて表示するものであってもよい。
【0227】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【0228】
〔ソフトウェアによる実現例〕
最後に、データ表示/センサ装置100及び100’の各ブロック、特に操作取得・判断部2、設定変更部3、及びルート探索部20は、ハードウェアロジックによって構成してもよいし、次のようにCPUを用いてソフトウェアによって実現してもよい。
【0229】
すなわち、データ表示/センサ装置100及び100’は、各機能を実現する制御プログラムの命令を実行するCPU(central processing unit)、上記プログラムを格納したROM(read only memory)、上記プログラムを展開するRAM(random access memory)、上記プログラムおよび各種データを格納するメモリ等の記憶装置(記録媒体)などを備えている。そして、本発明の目的は、上述した機能を実現するソフトウェアであるデータ表示/センサ装置100及び100’の制御プログラムのプログラムコード(実行形式プログラム、中間コードプログラム、ソースプログラム)をコンピュータで読み取り可能に記録した記録媒体を、上記データ表示/センサ装置100及び100’に供給し、そのコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に記録されているプログラムコードを読み出し実行することによっても、達成可能である。
【0230】
上記記録媒体としては、例えば、磁気テープやカセットテープ等のテープ系、フロッピー(登録商標)ディスク/ハードディスク等の磁気ディスクやCD−ROM/MO/MD/DVD/CD−R等の光ディスクを含むディスク系、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード系、あるいはマスクROM/EPROM/EEPROM/フラッシュROM等の半導体メモリ系などを用いることができる。
【0231】
また、データ表示/センサ装置100及び100’を通信ネットワークと接続可能に構成し、上記プログラムコードを通信ネットワークを介して供給してもよい。この通信ネットワークとしては、特に限定されず、例えば、インターネット、イントラネット、エキストラネット、LAN、ISDN、VAN、CATV通信網、仮想専用網(virtual private network)、電話回線網、移動体通信網、衛星通信網等が利用可能である。また、通信ネットワークを構成する伝送媒体としては、特に限定されず、例えば、IEEE1394、USB、電力線搬送、ケーブルTV回線、電話線、ADSL回線等の有線でも、IrDAやリモコンのような赤外線、Bluetooth(登録商標)、802.11無線、HDR、携帯電話網、衛星回線、地上波デジタル網等の無線でも利用可能である。なお、本発明は、上記プログラムコードが電子的な伝送で具現化された、搬送波に埋め込まれたコンピュータデータ信号の形態でも実現され得る。
【産業上の利用可能性】
【0232】
本発明によれば、直感的かつ簡易な操作で複数の画像を取り扱うことができるので、画面に対して入力操作を行うことができると共に、複数の画像を同時に表示できる表示装置全般に利用することができる。具体的には、携帯電話機、スマートフォン、携帯型ゲーム機、PDA(Personal Digital Assistance)、ノートパソコン、ナビゲーション装置(例えばカーナビゲーション装置)等に好適に適用できる。
【符号の説明】
【0233】
2 操作取得・判断部(入力操作検出手段、接触検知手段)
3 設定変更部(パラメータコピー手段、処理実行手段)
20 ルート探索部(道順表示手段)
100 データ表示/センサ装置(表示装置)
100’ データ表示/センサ装置(表示装置)
301A センサ内蔵液晶パネル(表示部)
301B センサ内蔵液晶パネル(表示部)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
パラメータを個別に設定することのできる複数のウィンドウを同時に表示可能な表示部を有する表示装置であって、
上記複数のウィンドウから、パラメータのコピー元となるコピー元ウィンドウと、パラメータのコピー先となるコピー先ウィンドウとを選択する入力操作が行われたことを検出する入力操作検出手段と、
上記入力操作検出手段が、上記入力操作を検出したときに、上記コピー元ウィンドウに設定されているパラメータの少なくとも1つを、上記コピー先ウィンドウのパラメータに適用するパラメータコピー手段とを備えていることを特徴とする表示装置。
【請求項2】
上記表示部は、該表示部に対する接触を検出する機能を有し、
上記入力操作検出手段は、上記コピー元ウィンドウと上記コピー先ウィンドウとを選択する入力操作が上記表示部に触れることによって行われたことを検出することを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
上記コピー元ウィンドウと上記コピー先ウィンドウとを選択する入力操作は、当該コピー元ウィンドウからコピー先ウィンドウまで、上記表示部上をドラッグする入力操作であることを特徴とする請求項1または2に記載の表示装置。
【請求項4】
上記ウィンドウは、地図を表示するウィンドウであり、
上記パラメータは、上記地図の縮尺であり、
上記パラメータコピー手段は、上記コピー元ウィンドウのパラメータを上記コピー先ウィンドウのパラメータに適用した後、当該コピー先ウィンドウの表示を更新し、縮尺の変更が反映された地図を表示することを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の表示装置。
【請求項5】
複数のウィンドウを同時に表示可能な表示部を有する表示装置であって、
上記複数のウィンドウの少なくとも2つが選択されたことを検出すると共に、少なくとも2つのウィンドウが選択された状態で所定の入力操作が行われたことを検出する入力操作検出手段と、
上記入力操作検出手段が、上記所定の入力操作を検出したときに、選択された状態にあるウィンドウのそれぞれに、上記所定の入力操作に対応する同一の処理を施す処理実行手段とを備えていることを特徴とする表示装置。
【請求項6】
上記表示部は、該表示部に対する接触を検出する機能を有し、
上記入力操作検出手段は、上記表示部において、接触が検出されている位置に表示されているウィンドウが選択された状態にあると判断すると共に、当該ウィンドウに接触が検出されている状態で、接触位置が予め定めたパターンで移動したときに上記所定の入力操作が行われたと判断することを特徴とする請求項5に記載の表示装置。
【請求項7】
上記ウィンドウは、地図を表示するウィンドウであり、
上記処理実行手段は、上記入力操作検出手段が上記所定の入力操作を検出したときに、選択された状態にある少なくとも2つのウィンドウに表示されている地図の縮尺を同じ倍率で拡大または縮小することを特徴とする請求項5または6に記載の表示装置。
【請求項8】
地図を表示部に表示する表示装置であって、
上記表示部に対する接触を検知する接触検知手段と、
上記接触検知手段が、上記表示部に表示されている地図上の1点に接触を検出している状態で、上記表示部に表示されている地図上の別の1点に接触を検出したときに、該2点を結ぶ道順を表示する道順表示手段とを備えていることを特徴とする表示装置。
【請求項9】
上記道順表示手段は、上記接触検知手段が接触を検出した2点のうち、より早く接触を検出した点を出発地点とし、他方の点を目的地点とする道順を表示することを特徴とする請求項8に記載の表示装置。
【請求項10】
上記表示部を複数備えていることを特徴とする請求項1から9の何れか1項に記載の表示装置。
【請求項11】
パラメータを個別に設定することのできる複数のウィンドウを同時に表示可能な表示部を有する表示装置の制御方法であって、
上記複数のウィンドウから、パラメータのコピー元となるコピー元ウィンドウと、パラメータのコピー先となるコピー先ウィンドウとを選択する入力操作が行われたことを検出する入力操作検出ステップと、
上記入力操作検出ステップにて上記入力操作を検出したときに、上記コピー元ウィンドウに設定されているパラメータの少なくとも1つを、上記コピー先ウィンドウのパラメータに適用するパラメータコピーステップとを含むことを特徴とする表示装置の制御方法。
【請求項12】
複数のウィンドウを同時に表示可能な表示部を有する表示装置の制御方法であって、
上記複数のウィンドウの少なくとも2つが選択されたことを検出すると共に、少なくとも2つのウィンドウが選択された状態で所定の入力操作が行われたことを検出する入力操作検出ステップと、
上記入力操作検出ステップにて上記所定の入力操作を検出したときに、選択された状態にあるウィンドウのそれぞれに、上記所定の入力操作に対応する同一の処理を施す処理実行ステップとを含むことを特徴とする表示装置の制御方法。
【請求項13】
地図を表示部に表示する表示装置の制御方法であって、
上記表示部に対する接触を検知する接触検知ステップと、
上記接触検知ステップにて、上記表示部に表示されている地図上の1点に接触を検出している状態で、上記表示部に表示されている地図上の別の1点に接触を検出したときに、該2点を結ぶ道順を表示する道順表示ステップとを含むことを特徴とする表示装置の制御方法。
【請求項1】
パラメータを個別に設定することのできる複数のウィンドウを同時に表示可能な表示部を有する表示装置であって、
上記複数のウィンドウから、パラメータのコピー元となるコピー元ウィンドウと、パラメータのコピー先となるコピー先ウィンドウとを選択する入力操作が行われたことを検出する入力操作検出手段と、
上記入力操作検出手段が、上記入力操作を検出したときに、上記コピー元ウィンドウに設定されているパラメータの少なくとも1つを、上記コピー先ウィンドウのパラメータに適用するパラメータコピー手段とを備えていることを特徴とする表示装置。
【請求項2】
上記表示部は、該表示部に対する接触を検出する機能を有し、
上記入力操作検出手段は、上記コピー元ウィンドウと上記コピー先ウィンドウとを選択する入力操作が上記表示部に触れることによって行われたことを検出することを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
上記コピー元ウィンドウと上記コピー先ウィンドウとを選択する入力操作は、当該コピー元ウィンドウからコピー先ウィンドウまで、上記表示部上をドラッグする入力操作であることを特徴とする請求項1または2に記載の表示装置。
【請求項4】
上記ウィンドウは、地図を表示するウィンドウであり、
上記パラメータは、上記地図の縮尺であり、
上記パラメータコピー手段は、上記コピー元ウィンドウのパラメータを上記コピー先ウィンドウのパラメータに適用した後、当該コピー先ウィンドウの表示を更新し、縮尺の変更が反映された地図を表示することを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の表示装置。
【請求項5】
複数のウィンドウを同時に表示可能な表示部を有する表示装置であって、
上記複数のウィンドウの少なくとも2つが選択されたことを検出すると共に、少なくとも2つのウィンドウが選択された状態で所定の入力操作が行われたことを検出する入力操作検出手段と、
上記入力操作検出手段が、上記所定の入力操作を検出したときに、選択された状態にあるウィンドウのそれぞれに、上記所定の入力操作に対応する同一の処理を施す処理実行手段とを備えていることを特徴とする表示装置。
【請求項6】
上記表示部は、該表示部に対する接触を検出する機能を有し、
上記入力操作検出手段は、上記表示部において、接触が検出されている位置に表示されているウィンドウが選択された状態にあると判断すると共に、当該ウィンドウに接触が検出されている状態で、接触位置が予め定めたパターンで移動したときに上記所定の入力操作が行われたと判断することを特徴とする請求項5に記載の表示装置。
【請求項7】
上記ウィンドウは、地図を表示するウィンドウであり、
上記処理実行手段は、上記入力操作検出手段が上記所定の入力操作を検出したときに、選択された状態にある少なくとも2つのウィンドウに表示されている地図の縮尺を同じ倍率で拡大または縮小することを特徴とする請求項5または6に記載の表示装置。
【請求項8】
地図を表示部に表示する表示装置であって、
上記表示部に対する接触を検知する接触検知手段と、
上記接触検知手段が、上記表示部に表示されている地図上の1点に接触を検出している状態で、上記表示部に表示されている地図上の別の1点に接触を検出したときに、該2点を結ぶ道順を表示する道順表示手段とを備えていることを特徴とする表示装置。
【請求項9】
上記道順表示手段は、上記接触検知手段が接触を検出した2点のうち、より早く接触を検出した点を出発地点とし、他方の点を目的地点とする道順を表示することを特徴とする請求項8に記載の表示装置。
【請求項10】
上記表示部を複数備えていることを特徴とする請求項1から9の何れか1項に記載の表示装置。
【請求項11】
パラメータを個別に設定することのできる複数のウィンドウを同時に表示可能な表示部を有する表示装置の制御方法であって、
上記複数のウィンドウから、パラメータのコピー元となるコピー元ウィンドウと、パラメータのコピー先となるコピー先ウィンドウとを選択する入力操作が行われたことを検出する入力操作検出ステップと、
上記入力操作検出ステップにて上記入力操作を検出したときに、上記コピー元ウィンドウに設定されているパラメータの少なくとも1つを、上記コピー先ウィンドウのパラメータに適用するパラメータコピーステップとを含むことを特徴とする表示装置の制御方法。
【請求項12】
複数のウィンドウを同時に表示可能な表示部を有する表示装置の制御方法であって、
上記複数のウィンドウの少なくとも2つが選択されたことを検出すると共に、少なくとも2つのウィンドウが選択された状態で所定の入力操作が行われたことを検出する入力操作検出ステップと、
上記入力操作検出ステップにて上記所定の入力操作を検出したときに、選択された状態にあるウィンドウのそれぞれに、上記所定の入力操作に対応する同一の処理を施す処理実行ステップとを含むことを特徴とする表示装置の制御方法。
【請求項13】
地図を表示部に表示する表示装置の制御方法であって、
上記表示部に対する接触を検知する接触検知ステップと、
上記接触検知ステップにて、上記表示部に表示されている地図上の1点に接触を検出している状態で、上記表示部に表示されている地図上の別の1点に接触を検出したときに、該2点を結ぶ道順を表示する道順表示ステップとを含むことを特徴とする表示装置の制御方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2010−198105(P2010−198105A)
【公開日】平成22年9月9日(2010.9.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−39458(P2009−39458)
【出願日】平成21年2月23日(2009.2.23)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.EEPROM
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年9月9日(2010.9.9)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年2月23日(2009.2.23)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.EEPROM
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】
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