説明

表示装置

【課題】カラー表示装置に関し、偏光分離された光を有効に利用して高精細な画像を表示することのできる表示装置を提供することを目的とする。
【解決手段】光源(62)と、偏光分離手段(76)と、集光手段(14)と、該集光手段を通った光を受けて画像変調するライトバルブ(16)と、検光子(34)とを備え、該偏光分離手段が、透過及び反射により偏光をP偏光とS偏光に分離する偏光分離膜(76b)と、該偏光分離膜を透過又は該偏光分離膜で反射した偏光を反射させる反射ミラー(76c)とからなり、該偏光分離膜を透過又は該偏光分離膜で反射して該集光手段に向かう偏光と該反射ミラーで反射した偏光は、互いの間に偏光分離角度を形成して該集光手段へ向かって進むように構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は入射光を色分解する回折格子と回折光を受ける液晶パネル等の透過型のライトバブルとを有し、カラー表示を行うことのできる表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
カラー表示装置は、例えば液晶パネル等のライトバブルを備え、ライトバブルに赤、緑、青の色部分を含むカラーフィルターを備えたものがある。ライトバブルは、1画素内にカラーフィルターの赤、緑、青の色部分と対応する表示電極を有し、例えば表示電極のオンオフにより、カラーフィルターの色部分を透過した光がライトバブルの対応する表示電極の部分を通ったり、遮断されたりする。カラーフィルターは特定の色の波長帯域の光を透過させ、残りの色の波長帯域の光を吸収又は反射させることにより透過させない。従って、観視者は透過した波長帯域の光を見ることになる。このタイプのカラー表示装置の問題点は、カラーフィルターを透過する一部分の光のみが利用され、透過しない多くの光を利用できないことである。
【0003】
カラーフィルターの代わりに回折格子を使用したカラー表示装置が、例えば特開昭62─293222号公報、及び特開昭62─293223号公報に記載されている。
回折格子は、自然光等の入射光を、実質的に回折されない0次回折光、特定の色の波長帯域の光に分離された複数の一次回折光、及び二次回折光等に分離するものである。0次回折光及び一次回折光を効率よく利用すれば、カラーフィルタを使用する場合よりも光の利用効率を高めることができると期待されている。しかし、0次回折光及び一次回折光は回折格子から異なった角度で出射するので、これらを液晶パネルの表示電極のピッチに合わせて利用することは難しい。0次回折光及び一次回折光のうち、利用されない光が制御されることなく出射すると、高品位の画像を得ることができない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特開昭62─293222号公報においては、液晶パネルの表示電極が、回折格子を透過した一次回折光の赤、緑、青の色の波長帯域の光を受けるように形成され、0次回折光は液晶パネルの遮光部に当たるようになっている。この場合、遮光部は1つの画素の赤、緑、青の表示電極の間、又は1つのグループの赤、緑、青の表示電極の直ぐに隣接した位置に設けられる。
【0005】
従って、0次回折光と一次回折光とは液晶パネルの1つの画素内に入射することになる。しかし、0次回折光と一次回折光との間の角度は複数の一次回折光間の角度とは異なるので、0次回折光及び一次回折光が液晶パネルの表面に一定のピッチで当たるようにすることは難しく、よって1画素内のそれぞれの色の表示電極を一定の間隔で同じ大きさとなるようにするのは難しい。従って、一定の表示面内に多数の小さな画素を設けるのが難しくなり、精細な表示装置を得ることができなくなる。しかも、±一次回折光を利用する場合には、液晶パネルへの入射角の変化はさらに大きくなる。
【0006】
特開昭62─293223号公報においては、回折格子を透過した一次回折光の赤及び青色の波長帯域の光が利用され、一次回折光の緑色の波長帯域の光は利用されず、遮光される。緑色は、0次回折光を利用している。しかし、0次回折光は回折格子の入射光と同じであるので、入射光が緑色の波長帯域の光を多く含むものでなければならず、一次回折光の赤及び青色の波長帯域の光の光量が少なくなる。
【0007】
また、この場合にも、0次回折光と一次回折光との間の角度は複数の一次回折光間の角度とは異なるので、0次回折光及び一次回折光が液晶パネルの表面に一定のピッチで当たるようにすることは難しく、精細な表示装置を得ることができなくなる。特に、この場合には、一次回折光の中心にある緑色の波長帯域の光が遮光されるので、赤色と緑色の表示電極の間の狭い領域に遮光部を設けなければならなくなる。
【0008】
回折格子を用いて色分離を行う表示装置では、できるだけ平行な光線を回折格子に入射させることが好ましい。
また、液晶表示装置では液晶パネルとともに通常偏光子と検光子とが使用される。しかし、偏光子は光源の光のほぼ半分を吸収し、光を吸収することによって発熱する。特に投射型表示装置では、強い光源を使用する必要があるため、偏光子の発熱量が大きくなり、偏光子を冷却することが必要になる。
【0009】
偏光子は光源の光のほぼ半分を吸収し、吸収された光は利用されないので、光の利用効率を低下させる。このため、光の利用効率を改善する手段が求められている。例えば、特開平6─324329号公報は、偏光ビームスプリッタとマイクロレンズアレイを用いた液晶表示装置を開示している。これによれば、偏光ビームスプリッタにより分離されたP偏光とS偏光をともに利用することができる。そして、分離されたP偏光とS偏光をさらによりよく利用することが求められている。
【0010】
本発明の目的は、回折格子を通った0次回折光及び一次回折光を効率よく処理して高精細な画像を表示することのできる表示装置を提供することである。
本発明の他の目的は、できるだけ平行な光線を回折格子に入射できるようにした投射型表示装置を提供することである。
本発明の他の目的は、高精細な画像を表示するのに適した表示ドットの配列を改善した表示装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の特徴による表示装置は、光源と、偏光分離手段と、集光手段と、該集光を通った光を受けて画像変調するライトバルブと、検光子とを備え、該偏光分離手段が、透過及び反射により偏光をP偏光とS偏光に分離する偏光分離膜と、該偏光分離膜を透過又は該偏光分離膜で反射した偏光を反射させる反射ミラーとからなり、該偏光分離膜を透過又は該偏光分離膜で反射して該集光手段に向かう偏光と該反射ミラーで反射した偏光は、互いの間に偏光分離角度を形成して該集光手段へ向かって進むようにしたことを特徴とする。
【0012】
さらに、本発明の他の特徴による表示装置は、光源と、偏光分離手段と、集光手段と、該集光手段を通った光を受けて画像変調するライトバルブと、検光子とを備え、該偏光分離手段が、プリズム形の断面形状をした複屈折をもった物質からなることを特徴とする。これらの構成により、偏光分離された光をより有効に利用できるようになる。
【0013】
さらに、本発明の他の特徴による表示装置は、各画素が互いに隣接する3個の表示ドット(26R、26G、26B)からなり、該3個の表示ドットの中心又は該3個の表示ドットの開口部の中心を結ぶ線分がなす三角形の配列構造が、互いに直交する第1方向及び第2方向に等間隔に並ぶ正方配列構造であることを特徴とする。この構成により、小型で高精細で、ギラツキ感の小さい表示装置を得ることができる。
【発明の効果】
【0014】
偏光分離膜を透過又は偏光分離膜で反射して集光手段に向かう偏光と反射ミラーで反射した偏光は、互いの間に偏光分離角度を形成して集光手段へ向かって進むようにしたことにより、或いは偏光分離手段が、プリズム形の断面形状をした複屈折をもった物質からなることにより、偏光分離された光をより有効に利用できるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
図1は本発明の第1実施例の表示装置を示す図である。表示装置10は、一次元回折格子12と、マイクロレンズアレイとして形成された集光素子14と、ライトバルブとしての液晶パネル16とからなる。
【0016】
図1及び図2に示されるように、回折格子12は透明な板材に格子ピッチHで凸部と凹部が形成されたものである。図示の回折格子12以外の回折格子を使用することができることは明らかであろう。例えば、回折格子12は体積ホログラム等の屈折率分布型のものを用いてもよい。集光素子14は一次元アレイでも、二次元アレイでもよい。集光素子14の素子部分であるレンズとしては、分布屈折率型レンズ、フレネルレンズでもよい。
【0017】
入射光Liが回折格子12に入射すると、0次回折光Lo、及び一次回折光LR 、LG 、LB が出射する。なお、二次回折光等はここでは無視する。0次回折光Loは実質的に回折されていず、0次回折光Loの出射角度は入射光Liの入射角度と同じである。一次回折光LR 、LG 、LB は赤、緑、青色の波長帯域の光であり、それぞれの色成分の出射角度は互いに異なり且つ0次回折光Loの出射角度とは異なっている。一次回折光LR 、LG 、LB の出射角度は波長に依存していることは公知の通りである。本発明の好ましい態様においては、緑色の一次回折光LG が液晶パネル16に垂直に入射するようになっている。
【0018】
なお、一次回折光は0次回折光Loの両側に存在する。つまり、0次回折光Loの両側に、実線で示される一次回折光LR 、LG 、LB と、破線で示される一次回折光がある。実線で示される一次回折光LR 、LG 、LB は液晶パネル16の法線に近い角度で液晶パネル16に入射するが、破線で示される一次回折光は法線に対して大きな角度で液晶パネル16に入射し、通常の視角内には入らないのでここでは利用しない。
【0019】
図1に示されるように、液晶パネル16は例えばTN型液晶パネルからなり、液晶層18が一対の透明な基板20、22で挟持されている。基板20、22はそれぞれ透明な電極24、26と、配向膜28、30とを有する。基板20、22の両側には偏光子32及び検光子34が配置され、回折格子12及び集光素子14は偏光子32側に配置される。
【0020】
電極24は例えば共通電極であり、電極26は例えば図3に示すようなアクティブマトリクスとともに基板22に設けられている。アクティブマトリクスは、ゲートバスライン36、データバスライン38、TFT40、及び表示ドットとしての表示電極26R、26G、26Bからなる。3つの表示電極26R、26G、26Bが1つの画素(単位領域)を形成し、1画素内で、表示電極26R、26G、26Bは光の波長の順に配置されている。
【0021】
図1及び図2に示されるように、3つの表示電極26R、26G、26Bからなる1つの画素が、集光素子14の1つの素子部分(レンズ)と対応して配置されている。図1では、素子部分及び画素にそれぞれN、N+1、N+2の番号がつけられている。回折格子12を出た一次回折光LR 、LG 、LB は集光素子14を通って液晶パネル16に入射するが、N番目の素子部分を通った一次回折光LR 、LG 、LB はN番目の画素に入射する。N番目の画素においては、赤色の一次回折光LR は赤に対応する表示電極26Rに入射し、緑色の一次回折光LG は緑に対応する表示電極26Gに入射し、青色の一次回折光LB は青に対応する表示電極26Bに入射する。
【0022】
N番目の素子部分を通った0次回折光Loは、N番目の画素とは別のN+2番目の画素に入射する。図4においては、N番目の素子部分を通る一次回折光LR 、LG 、LB が入射するN番目の画素の表示電極26R、26G、26Bがハッチングで示され、同じくN番目の素子部分を通る0次回折光Loが入射するN+2番目の画素の領域がハッチングで示されている。0次回折光Loは矢印で示されるように水平方向で斜め前方向に進む。
【0023】
このように構成することによって、後で述べる例1から例3に示されるように、表示電極26R、26G、26Bを一定の間隔で同じ大きさにすることができ、しかも高い品位で高精細な表示装置を得ることができる。0次回折光Loはライトバルブ16から出射するが、その出射角度は比較的に大きいので、観視者は通常の視角において0次回折光を見ることはなく、一次回折光による表示に影響がない。
【0024】
図5は、表示装置10の液晶パネル16が上縁部16a、下縁部16b、左縁部16c、右縁部16dを有することを示している。この液晶パネル16では、1つの画素の表示電極26R、26G、26Bが垂直方向で波長の順に(下から波長の長い順に)配置され、入射光が概ね斜め下から入射するようにすると、0次回折光Loは矢印で示されるように斜め上方向に進む。
【0025】
TN型液晶パネルを使用した表示装置においては、一方向において良い画像の見られる視角は広いが、それに垂直な方向において良い画像の見られる視角は比較的に狭い。通常は広い視角方向を水平にし、狭い視角方向を垂直にすることが多い。図5の構成にすれば、0次回折光が狭い視角の上方向にライトバルブを通るので、その光がもともと狭い視角の範囲外を通り、表示に影響を与えることがない。また、図5とは上下逆にできることは明らかであろう。すなわち、1つの画素の表示電極26R、26G、26Bが垂直方向で波長の順に(上から波長の長い順に)配置され、入射光が概ね斜め上から入射するようにすると、0次回折光Loは斜め下方向に進む。
【0026】
図6は、一次回折光LR 、LG 、LB 及び0次回折光Loの進む方向及びドットピッチ等を計算するためのジオメトリを示す図である。図中及び以下の式における符号は次の通りである。なお、図では回折格子16は液晶パネル16に対して角度Δで配置されているように示されているが、以下の説明では角度Δが0、すなわち回折格子16が液晶パネル16に対して平行であるとして説明する。ただし、Δが0でなくても結果は同じである。
【0027】
H:回折格子12の格子ピッチ
n:基板20の屈折率
T:基板20の厚さT
P:表示電極26R、26G、26Bのドットピッチ
θ1 :入射光Liの回折格子12への入射角
θ(R)、θ(B):緑色の一次回折光LG が液晶パネル16へ垂直に入射するとき(Θ(G)=0)の緑色の一次回折光LG の回折格子12からの出射角を基準(0)としたときの赤色及び青色の一次回折光LR 、LB の回折格子12からの出射角
θ(0):0次回折光Loの回折格子12からの出射角
Θ(R)、Θ(B):一次回折光LR 、LG 、LB の液晶パネル16の基板20内での屈折角
Θ(0):0次回折光Loの液晶パネル16の基板20内での屈折角
h(R)、h(G)、h(B):赤色光、緑色光、青色光の波長
【0028】
回折格子12への入射光と一次回折光の出射角との間に次の関係がある。入射角θ1 は0次回折光Loの回折格子12からの出射角θ(0)と同じである。
h(G)=2H×sin(θ(0)/2) (1)
h(R)=2H×sin((θ(0)−θ(R))/2) (2)
h(B)=2H×sin((θ(0)−θ(B))/2) (3)
【0029】
式(1)から、緑色の一次回折光LG が液晶パネル16へ垂直に入射するときの入射角θ1 (及び出射角θ(0))が得られる。このθ(0)を式(2)、(3)に代入することにより、出射角θ(R)、θ(B)が得られる。そして、光が液晶パネル16の基板20に入射するときに生じる屈折の関係から下記の関係がある。
【0030】
n×sin(Θ(0))=sin(θ(0)) (4)
n×sin(Θ(R))=sin(θ(R)) (5)
n×sin(Θ(B))=sin(θ(B)) (6)
【0031】
表示電極26R、26G、26BのピッチPは下記の関係で得られる。
T×tan(Θ(0))=P×f(N) (7)
T×tan(Θ(R))=−P (8)
T×tan(Θ(B))= P (9)
f(N)は液晶層に落ちる0次回折光と一次回折光との位置関係を規定する関数であり、実施例ではf(N)=6とした。
これらの関係を使用して、下記の例1から例3の結果が得られる。
【0032】
例1 例2 例3
パネルサイズ(in) 7.8 9.1 11.3
ドットピッチP(mm) 0.248 0.185 0.14
基板厚さT(mm) 0.7 1.1 1.1
回折格子の
空間周波数 (lp/mm) 1100 930 1225
格子ピッチH (μm) 0.92 1.08 0.816
入射角θi (°) 39 29 35
入射光の拡がり角 (°) 5 4 4.5
一次回折光の出射角θ
(R)( °) −6.6 −4.9 −5.9
(G)( °) 0 0 0
(B)( °) 6.6 4.9 5.9
0次回折光の出射角θ( °) 39 29 35
【0033】
例1から例3に示されるように、一次回折光を液晶パネル16の法線に近い角度とし、0次回折光を大きくすることによって、小さな一定のドットピッチPで一定の面積で表示電極26R、26G、26Bを形成することができる。一次回折光LR 、LG 、LB はこれらの表示電極26R、26G、26Bを照射する。なお、光源は完全な平行光線を提供するものではないが、放物線形状のリフレクタを使用して、ほぼ平行な光線を入射させるようにした。この場合の入射光の拡がり角は5度以内であった。
【0034】
図7は図5の変形例を示す図である。表示電極26R、26G、26Bはデルタ配列で配置され、1画素内の表示電極26R、26G、26Bはハッチングで示されるように互いに上下関係で斜めに設けられる。1画素内の表示電極26R、26G、26Bは上から波長の長い順に配置され、入射光が概ね斜め上から入射するようにすると、0次回折光Loは矢印で示されるように斜め下方向に進み、一次回折光が入射する画素の次の次の画素へ入射する。
【0035】
図8は図5の変形例を示す図である。この実施例が前の実施例と異なる点は、表示電極26R、26G、26Bの形状が縦長になっており、表示電極26R、26G、26Bの面積を小さくした場合でも、一次回折光の出射角を大きくする必要があり、それに応じて0次回折光の出射角を大きくすることができる。また、データバスライン38を非直線状にし、データバスライン38と各表示電極26R、26G、26BのTFTの配線とが交差しないため、断線の可能性が少なくなる。
【0036】
図9は表示装置10をパソコン又はワープロ42に設けた例を示す図である。44はキーボードである。表示装置10はキーボード44に対して仰向きで15度、うつ伏せで5度のチルト角内で使用されるのが一般的である。使用者の目は表示装置10の上縁部における法線より上側にあり、天井照明からの照明光Lxが表示装置10の表面で反射して目に入らないようにして使用される。このような場合には、表示に利用されない0次回折光Loは下向きに表示装置10から出るようにするのがよい。こうすれば、0次回折光Loは全く目に入らず、広い視角を実現できる。しかも、色光が左右方向に角度分離しないため、カラーシフトや色ムラも抑制できる。
【0037】
図10は壁かけ型表示装置10の例を示す図である。この場合、表示装置10はテレビ等に応用される。壁かけテレビでは、一般的に上視角と下視角は同じ仕様で15度から30度とされる。実際には、正面から見るか、やや下法から見上げる使い方をされるため、上視角よりも下視角が広いことが望ましい。従って、このような場合には、表示に利用されない0次回折光Loは上向きに表示装置10から出るようにするのがよい。こうすれば、0次回折光Loは全く目に入らず、広い視角を実現できる。
【0038】
図11及び図12はマルチパネルタイプの表示装置10の例を示す図である。マルチパネルタイプの表示装置は対角15インチの液晶パネル46を100個縦横に並べたものであり、対角150インチ(高さ2.3m、幅3.1m)の大きなディスプレイを形成する。各液晶パネル46には、回折格子及び集光素子(図示せず)がこれまで説明したように取り付けられ、0次回折光Loが各液晶パネル46を通るようになっている。
【0039】
上から7段目まで液晶パネル46はディスプレイの上方部分10aを構成し、下から3段目までの液晶パネル46はディスプレイの下方部分10bを構成する。上方部分10aの液晶パネル46は0次回折光Loが上向きに出るようになっており、下方部分10bの液晶パネル46は0次回折光Loが下向きに出るようになっている。つまり、各液晶パネル46の表示電極26R、26G、26Bが上方部分10aでは上から波長が短い順に配置され、入射光が下から上に向かって入射され、一方、下方部分10bでは上から波長が長い順に配置され、入射光が上から下に向かって入射されるようになっている。従って、よい画像の見える視角はβで示される範囲になる。
【0040】
このディスプレイは高さ3.5mの室内の壁に取り付けられ、その下端部が床から0.75mである。立って見るときの観視者の目の高さEは例えば約1.8mであり、座って見るときの観視者の目の高さFは例えば約1.0mであるとすると、どのような姿勢でこのディスプレイを見ても、0次回折光Loが目に入ることはない。
【0041】
図13及び図14は本発明の第2実施例の表示装置を示す図である。この実施例でも、前の実施例と同様に、表示装置10は、一次元回折格子12と、集光素子14と、ライトバルブとしての液晶パネル16とからなる。
回折格子12では、入射光Liが回折格子12に入射すると、0次回折光Lo、及び一次回折光LR 、LG 、LB が出射する。緑色の一次回折光LG が液晶パネル16に垂直に入射するようになっている。
【0042】
液晶パネル16は図1のものと同様なTN型液晶パネルからなり、表示ドットとしての表示電極26R、26G、26Bを有する。この実施例では、追加の白表示電極26Wが設けられ、表示電極26R、26G、26B及び白表示電極26Wが1つの画素(単位領域)を形成する。1画素内で、表示電極26R、26G、26Bは光の波長の順に配置されている。
【0043】
1つの画素は集光素子14の1つの素子部分(レンズ)と対応して配置されている。回折格子12を出た一次回折光LR 、LG 、LB は集光素子14のN番目の素子部分を通って液晶パネル16のN番目のそれぞれの表示電極26R、26G、26Bに入射する。N番目の素子部分を通った0次回折光Loは、N番目の画素とは別のN+1番目の画素の白表示電極26Wに入射する。図14においては、N番目の素子部分を通る一次回折光LR 、LG 、LB が入射するN番目の画素の表示電極26R、26G、26Bがハッチングで示され、N番目の素子部分を通る0次回折光Loが入射するN+1番目の画素の白表示電極26Wがハッチングで示されている。従って、この場合には、0次回折光Loを表示のために利用して、高効率の明るい表示を実現することができる。
【0044】
1画素内の表示電極26R、26G、26B、及び白表示電極26Wは、一定の間隔で同じ大きさに形成され、高精細な画像を表示することのできる表示装置を得ることができる。
下記の例4から例6は一定の間隔で同じ大きさの表示電極26R、26G、26B、及び白表示電極26Wを有する例である。なお、符号は前に説明したのと同様である。
【0045】
例4 例5 例6
パネルサイズ(in) 10.4 12.1 15
ドットピッチP(mm) 0.33 0.246 0.146
基板厚さT(mm) 0.7 1.1 1.1
回折格子の
空間周波数 (lp/mm) 1100 930 1225
格子ピッチH (μm) 0.92 1.08 0.816
入射角θi (°) 39 29 35
入射光の拡がり角 (°) 5 4 4.5
一次回折光の出射角θ
(R)( °) −6.6 −4.9 −5.9
(G)( °) 0 0 0
(B)( °) 6.6 4.9 5.9
0次回折光の出射角θ( °) 39 29 35
【0046】
図15は図14の変形例を示す図である。この実施例は画素がΔ配列になっている点を除くと図14の例と同様である。太線が1画素を示す。この場合の詳細を例7から例9に示す。
【0047】
例7 例8 例9
パネルサイズ(in) 5.2 6.1 7.5
ドットピッチP(mm) 0.083 0.062 0.047
基板厚さT(mm) 0.7 1.1 1.1
回折格子の
空間周波数 (lp/mm) 1100 930 1225
格子ピッチH (μm) 0.92 1.08 0.816
入射角θi (°) 39 29 35
入射光の拡がり角 (°) 5 4 4.5
一次回折光の出射角θ
(R)( °) −6.6 −4.9 −5.9
(G)( °) 0 0 0
(B)( °) 6.6 4.9 5.9
0次回折光の出射角θ( °) 39 29 35
【0048】
図16は本発明の第3実施例を示す図である。この実施例でも、前の実施例と同様にして1画素内に表示電極26R、26G、26Bが一定のピッチで設けられる。図14の白表示電極26Wの代わりに遮光部48が設けられている。図16はブラックマトリクス48を示しており、表示電極26R、26G、26Bの部分はブラックマトリクス48の開口部48aとなっている。遮光部48はブラックマトリクス48の実体部として設けられる。
【0049】
この場合には、集光素子14のN番目の素子部分を通る一次回折光LR 、LG 、LB が入射するN番目の画素の表示電極26R、26G、26Bがハッチングで示され、N番目の素子部分を通る0次回折光Loが入射するN+1番目の画素の遮光部48がハッチングで示されている。この構成では、0次回折光Loは完全に遮断され、洩れ光のない、コントラストのよい表示装置が得られる。また、1画素内の表示電極26R、26G、26Bは、一定の間隔で同じ大きさに形成され、高精細な画像を表示することのできる表示装置を得ることができる。
【0050】
図17から図20は本発明の第4実施例を示す図である。この実施例は第1の実施例と基本的に類似している。第1の実施例は回折格子12と、マイクロレンズアレイからなる集光素子14を使用しているのに対して、この実施例は回折格子52自体が回折機能と集光機能とを有するものである。このような回折格子52の例は例えばASIA DISPLAY (1995) の727/729頁に「Holographic Optical Element for Liquid crystal Projector」として記載されている。
【0051】
この回折格子52は図18に示されるように凹凸の格子を有し、凹凸の格子による光の回折機能は図1及び図2を参照したものと同じである。
図19はこの回折格子52の1画素相当部分を示している。回折格子52はその内部に図19に示されるような所定のパターンの屈折率分布を有し、この屈折率分布が集光手段として機能する。
【0052】
従って、図17に示すように、回折格子52に入射した光のうち、一次回折光LR 、LG 、LB は回折格子52で回折及び集光されながらライトバルブ16に入射する。回折格子52の一画素相当の領域で拡散され、ライトバルブ16に入射した一次回折光LR 、LG 、LB は、図20に示されるように1画素内の表示電極26R、26G、26Bを通る。0次回折光Loは回折格子52で回折及び集光されることなくライトバルブ16に入射する。
【0053】
一次回折光LR 、LG 、LB の角度関係は、第1実施例のものと同様になるように構成されている。また、例1から例3の結果は、この第4実施例にもあてはまる。従って、0次回折光Loのライトバルブ16への入射角が一次回折光LR 、LG 、LB のライトバルブ16への入射角よりも大きく、緑色の波長帯域の光の中心部分がライトバルブ16に垂直に入射するようになっている。
【0054】
回折格子52の所定の領域Nで回折された一次回折光LR 、LG 、LB が1つの単位領域(1画素)Nの複数の表示電極26R、26G、26Bを通り、回折格子(52)の該所定の領域を通った0次回折光Loが該1つの単位領域とは別の単位領域N+2を通る。1画素内の表示電極26R、26G、26Bは表示の上下方向で光の波長の順に配置される。よって、0次回折光Loは表示画面に対して斜め上方向又は斜め下方向にライドバルブ16を出射し、通常の視角の範囲外を通り、表示に影響を与えることがない。
【0055】
以上説明したように、図1から図16の実施例では、回折格子12と集光素子14とを組み合わせて、色分離機能と集光機能とを実現している。また、図17から図20の実施例では、回折格子52単独で色分離機能と集光機能とを実現している。光の拡散により色分離を行うためにはいずれの構成も使用することができる。以後の実施例では、両者の構成のいずれかを示すものとして、回折格子素子54と呼ぶ。また、これまでの実施例では1画素中の3個の表示ドットを表示電極26R、26G、26Bにより表していたが、これから述べる実施例では1画素中の3個の表示ドットを表示電極26R、26G、26Bの上に重なるブラックマトリクス(遮光膜)の開口部26r、26g、26bによりあらわすことにする。
【0056】
その他の特徴1
図21から図35はその他の特徴を示す図である。
図21は投射型表示装置60を示す。この投射型表示装置60は、光源62と、光源62の光を平行光に変換するための光学手段64と、回折格子素子54と、ライトバルブとしての液晶パネル16と、投射レンズ66とを含む。実施例においては、液晶パネル16と投射レンズ66との間にフィールドレンズ68が配置されている。
【0057】
液晶パネル16はTN型液晶を含むものであり、偏光子32と検光子34とともに使用される。偏光子32は液晶パネル16から離れた位置に配置され、実施例では、光学手段64と回折格子素子54との間に配置される。偏光子32が液晶パネル16に密着していず且つ他の部材から離れた位置にあるので、偏光子32を冷却風によって効率的に冷却することができる。なお、回折格子素子54に偏光を入射すると偏光度が低下する可能性があるが、偏光子32をP偏光又はS偏光が回折格子素子54に入射するように配置すると、コントラストの低下を最小限に押さえることができる。検光子34は液晶パネル16に貼り付けられている。
【0058】
光源62はメタルハライドランプ等のランプ62aとリフレクタ62bとからなる。光学手段64は像消しレンズ64aとコリメートレンズ64bとからなる。像消しレンズ64aは所定の大きさのアパーチャ63を有する。リフレクタ62bは楕円形状のものであって、ランプ62aから放射された光がアパーチャ63に集光するように構成され、コリメートレンズ64bはアパーチャ63を出た光が平行光線となるようにするものである。像消しレンズ64aは回折格子素子54へ向かう光の中にランプ62aの像ができるのを防ぐためのレンズを含むものである。
【0059】
図22に示されるように、アパーチャ63は、真円形状ではなく、非円形(ここでは楕円形状)になっていて、互いに直交する長軸方向63aと短軸方向63bとを有する。
【0060】
図23に示されるように、また上記したように、回折格子素子54は入射光Liを0次回折光及び一次回折光LR 、LG 、LB に色分離するものである。一次回折光LR 、LG 、LB はそれぞれの間に色分離角度を形成して液晶パネル16に入射する。入射光Li及び0次回折光及び一次回折光LR 、LG 、LB は色分離平面54a内を進む。上記例1から例9では、赤色と緑色の間の角度、及び緑色と青色の間の角度は、4.9度、5.9度、6.6度になっている。ただし、色分離角度は例示された値に限定されるものではない。
【0061】
回折格子素子54に入射する光の平行度が高いほど、色分離はシャープになり、液晶パネル16によって形成される画像の色純度が高くなる。回折格子素子54に入射する光の平行度が低いと、例えば赤色の表示ドット26rに入射すべき一次回折光LR が点線の矢印で示されるように赤色の表示ドット26rから外れる割合が多くなり、表示性能が低下する。
【0062】
従って、光学手段64は平行度の高い光線を回折格子素子54に供給することが望ましい。光の平行度を高くするためには、アパーチャ63の大きさをできるだけ小さくすることが必要である。しかし、アパーチャ63の大きさを小さくすると、リフレクタ62bからアパーチャ63に向かう光の一部がアパーチャ63で遮断され、光源62の光の利用効率が低下する。このために、アパーチャ63を楕円形状にしている。
【0063】
図21に示されるように、アパーチャ63の短軸方向63bが回折格子素子54の色分離平面54aと概ね平行となるように配置する。これによって、光学手段64は色分離平面54aにおいては平行度の高い光線を回折格子素子54に供給する。
【0064】
アパーチャ63の長軸方向63aは回折格子素子54の色分離平面54aと概ね直交することになるが、色分離平面54aと直交する平面内では光の平行度は高くなくてよく、より多くの光を取りこめるようにする。この場合、表示ドット26r、26g、26bは縦長の形状を有し、アパーチャ63の長軸方向63aが表示ドット26r、26g、26bの寸法の長い方向と概ね平行となるように配置されることになる。表示ドット26r、26g、26bの寸法の長い方向における光の平行度は高くないので、この方向には光がよく行き渡り、明るい画像を形成できる。
【0065】
図24に示すように、光学手段64から出た光の平行度は、コリメートレンズ64bの一点からアパーチャ63を見た見込み角度αで表すことができる。実施例においては、アパーチャ63の長軸方向63aの開口長さは4mm、短軸方向63bの開口長さは2mmであり、アパーチャ63とコリメートレンズ64bとの間隔は100mmであった。従って、長軸方向63aの見込み角度αは5.8度、短軸方向63bの見込み角度αは2.2度であった。
【0066】
さらに、図24には、液晶パネル16の一点から投射レンズ66に向かって広がる光の拡がり角度βを示している。この拡がり角度βは前記光学手段64の見込み角度α+回折格子素子54の色分離角度となり、かなり大きくなる。投射レンズ66が液晶パネル16を直接に投射するようにすると、投射レンズ66はかなり大きな口径をもつものとしなければならない。本実施例では、液晶パネル16と投射レンズ66との間にフィールドレンズ68が配置されているので、投射レンズ66を極端に大きくする必要がない。
【0067】
図25は、特定の波長成分をカットするカットフィルタ70a、70bが像消しレンズ64aに配置される例を示す図である。像消しレンズ64aは小さなアパーチャ63を有するものであるので、カットフィルタ70a、70bも小さなものでよく、例えば液晶パネル16の前後に配置される場合と比べてかなり安価に設置することができる。
【0068】
実施例においては、イエローカットフィルタ70a及びシアンカットフィルタ70bがアパーチャ63の両側に配置されている。図26はイエロー及びシアンの領域にピークを有する光の強度分布をもった光源62の例を示している。イエローカットフィルタ70a及びシアンカットフィルタ70bはこれらのピークとなる波長成分をカットして全波長領域において一様な光の強度を提供するものである。従って、カットフィルタ70a、70bは光源62の特性に応じて設定されるべきである。
【0069】
図27は、別の光源62の放射する光の強度分布を示している。曲線Mは一般的なメタルハライドランプの光の強度分布を示し、比較的フラットなスペクトル特性を有する。しかし、メタルハライドランプは比較的に寿命が短い。曲線Nはギャップ間隔を短くして長寿命にした光源の光の強度分布を示している。しかし、曲線Nの光源を使用すると、赤色の波長領域の光の強度が低下し、形成された画像の色のバランスが悪くなる。この場合、表示ドット26r、26g、26bの面積に差をつけて、すなわち赤色の表示ドット26rの面積を大きくすることにより、形成された画像の色のバランスを改善する。
【0070】
図28は、回折格子素子54の単位領域(セル)毎にブラックマトリクス72を設けた例を示している。この場合、スクリーン(図示せず)上に回折格子素子54のセルがピントが合うように設定する。これにより、赤、緑、青のスポットがスクリーン上で合うように投射されるため、画像品質が向上する。また、スクリーンの解像度は、表示ドット26r、26g、26bの最小寸法ではなく、回折格子素子54のセルの大きさに合わせて設計することができるので、スクリーンの解像度を極端に小さくする必要がなくなる。
【0071】
図29は、液晶パネル16を示す。液晶層18が一対の透明な基板20、22で挟持され、基板20、22はそれぞれ透明な電極24、26を有する。基板22の透明電極26は画素電極であり、TFT40とともに設けられている。基板22の外面には検光子34が貼り付けられている。この検光子34は反射防止コート付き偏光板である。この反射防止コートは、0次拡散光Loが検光子34と空気との界面で反射してTFT40に入射し、TFT40に悪影響を与えるのを防止するために設けられている。反射防止コートに変えて、偏光変換膜(位相差板等)を貼り付け、0次拡散光Loを検光子34と空気との界面でP偏光になるようにし、P偏光は反射しにくいという事実に基づいてTFT40に悪影響を与えるのを防止することもできる。また、反射防止コートと偏光変換膜を併用してもよい。また、0次拡散光がブリュースター角度で検光子34から出射する(つまり、ブリュースター角度で検光子34に入射する)ようにすれば、0次拡散光の反射の問題はなくなる。
【0072】
図30は、液晶パネル16と、投射レンズ66と、スクリーン74とを示している。液晶パネル16の縦横比は例えば3:8であり、スクリーン74の縦横比は例えば3:4である。このために、投射レンズ66が、その拡大率が直交する2方向で異なるアナモルフィックレンズからなり、投射レンズ66の投射倍率の縦横比は2:1になっている。回折格子素子54による色分離の都合に合わせて表示ドット26r、26g、26bの配置を設定する際に、液晶パネル16の縦横比をこのように変えることがあり得る。
【0073】
図31は、投射型表示装置60の他の実施例を示す。この投射型表示装置60は、光源62と、光源62の光を平行光に変換するための光学手段64と、偏光分離手段76と、回折格子素子54と、液晶パネル16と、投射レンズ66(図示せず)とを含む。液晶パネル16と投射レンズ66との間にフィールドレンズ68(図示せず)が配置される。偏光子32は光学手段64と回折格子素子54との間に配置され、検光子34(図示せず)は液晶パネル16に貼り付けられている。
【0074】
光源62はメタルハライドランプ等のランプ62aとリフレクタ62bとからなり、光学手段64は像消しレンズ64aとコリメートレンズ64bとからなる。像消しレンズ64aは所定の大きさのアパーチャ63を有する。アパーチャ63は、非円形になっていて、アパーチャ63が互いに直交する長軸方向63aと短軸方向63bとを有する。
【0075】
偏光分離手段76は、光源62の光をP偏光とS偏光に分離する。偏光分離方向が矢印76aで示されている。偏光分離手段76は、偏光分離膜76bと、反射ミラー76cとからなり、P偏光は偏光分離膜76bを透過して回折格子素子54に向かい、S偏光は偏光分離膜76bで反射し、且つ反射ミラー76cで反射して回折格子素子54に向かう。P偏光とS偏光とは互いの間に偏光分離角γを形成して進み、図32に示されるように、一列毎の表示ドット26r、26g、26bに入射するようになっている。
【0076】
偏光分離手段76は、光源62の光をP偏光とS偏光に分離し、偏光子32はそれぞれP偏光とS偏光を受けるので、光源62の光の半分を吸収することがなく、光源62の光の利用効率を高くすることができる。この場合、偏光子32は分離されたP偏光とS偏光のうちのそれぞれに対しての不純成分を分離する。
【0077】
偏光分離方向76aは、アパーチャ63の短軸方向63bと回折格子素子54の色分離平面54aとの関係において定められている。すなわち、アパーチャ63の短軸方向63bと、回折格子素子54の色分離平面54aと、偏光分離方向76aのうち、少なくとも1つが他のものと非平行となるように配置される。そして、非平行になるものが、アパーチャ63の見込み角度α(図24)と、偏光分離手段の偏光分離角度γと、回折格子素子54の色分離角度2θのうち、最大の角度をもつものである。
【0078】
実施例では、見込み角度αは最大で5度程度であり、色分離角度2θは10度程度であるのに対して、偏光分離角度γは各部材の配置及び大きさの関係から15度程度になるので、偏光分離方向76aを他のものとは非平行にしている。実施例では、アパーチャ63の短軸方向63bは水平方向であり、偏光分離方向76aは垂直方向であり、回折格子素子54の色分離平面54aは水平方向になっている。従って、偏光分離方向76aはアパーチャ63の長軸方向63aと平行になり、光源短軸方向63bに優れた光源の平行度が偏光分離方向76aには影響されることがない。
【0079】
図34は、図31の投射型表示装置60の変形例を示す。この投射型表示装置60が、図31の投射型表示装置60と異なる点は、偏光分離手段76は、偏光分離膜76bと、反射ミラー76c、反射ミラー76cに貼り付けた位相差板等の偏光変換膜76dとからなることである。
【0080】
P偏光は偏光分離膜76bを透過して拡散格子素子54に向かい、S偏光は偏光分離膜76bで反射し、且つ反射ミラー76cで反射して拡散格子素子54に向かう。このS偏光は偏光変換膜76dでP偏光に変換される。従って、2つのP偏光が互いの間に偏光分離角γを形成して進み、図33に示されるように、一列毎の表示ドット26r、26g、26bに入射する。図32の場合には、P偏光とS偏光とで同じ画像を形成するためにノーマリホワイトモードとノーマリブラックモードとを使用して駆動する必要があったが、図33及び図34ではその必要がない。
【0081】
図35は図21から図34の投射型表示装置60を背面投射型表示装置に組み込んだ例を示す図である。光源62、光学手段64、拡散格子素子54、液晶パネル16、投射レンズ66等を組み込んだアッセンブリ60aが、筐体78内に配置される。筐体78の正面にはスクリーン74が設けられ、投射レンズ66とスクリーン74との間にはミラー80が配置されており、投射レンズ66から放射された画像光をミラー80で曲げてスクリーン74に投射する。観視者は筐体78の外側でスクリーン74を見る。
【0082】
その他の特徴2
図36から図69は本発明のその他の特徴を示す図である。表示装置は、光源62と、偏光分離手段76と、集光手段としてのマイクロレンズアレイ14と、マイクロレンズアレイ14を通った光を受けて画像変調する液晶パネル16と、検光子34とを備えている。この偏光分離手段76は、透過及び反射により偏光をP偏光とS偏光に分離する偏光分離膜76bと、偏光分離膜76bを透過又は偏光分離膜76bで反射した偏光を反射させる反射ミラー76cとからなり、偏光分離膜76bを透過又は偏光分離膜76bで反射してマイクロレンズアレイ14に向かう偏光と反射ミラー76cで反射した偏光は、互いの間に偏光分離角度γを形成してマイクロレンズアレイ14へ向かって進むように構成されている。
【0083】
特には、光源62からの光はランダム偏光であって、擬似的な平行光線である。偏光分離膜76bはP偏光を透過させ、S偏光を反射させるようになっている。従って、偏光分離膜76bで反射したS偏光はマイクロレンズアレイ14に向かい、この反射S偏光はほぼ100%の直線偏光である。偏光分離膜76bを透過したP偏光は反射ミラー76cへ向かい、反射ミラー76cで反射し、偏光分離膜76bを透過してマイクロレンズアレイ14に向かう。S偏光の一部は偏光分離膜76bを透過して反射ミラー76cへ向かうかもしれない。このS偏光は反射ミラー76cで反射してP偏光とともにマイクロレンズアレイ14へ向かおうとするが、偏光分離膜76bはS偏光を反射させるので、反射ミラー76cで反射したS偏光は偏光分離膜76bで反射され、マイクロレンズアレイ14へ達するのは少ない。従って、P偏光もほぼ100%の直線偏光である。こうして、偏光ロスのない光利用効率の高い液晶表示装置を得ることができる。
【0084】
偏光分離膜76bは薄膜を積層したプレート型偏光ビームスプリッタとして構成される。偏光分離膜76bに対する反射ミラー76cの傾きを適切に設定することによって、P偏光とS偏光との間の偏光分離角度γを任意に設定することができる。この偏光分離されたP偏光とS偏光をマイクロレンズアレイ14を備えた液晶パネル16に入射させる。マイクロレンズの焦点距離は液晶パネル16の画素電極付近に設計されている。
【0085】
マイクロレンズの1つが表示ドット2つ分に相当し、P偏光とS偏光によって入射される表示ドットが水平(垂直)方向に交互配置となる。水平(垂直)方向はP偏光とS偏光によって入射される画素が列となっている。表示ドットを透過した光は、液晶の駆動によって偏光面が回転し、液晶パネルの後に配置された検光子34によって吸収又は透過する。
【0086】
従来の液晶パネル16の前に偏光子を配置する方式と比較して光のロスが少ないため、高輝度の表示装置を実現できる。従来の偏光ビームスプリッタは、一般的にS偏光を数%透過し、完全な偏光分離を実現することはできなかった。不完全な偏光分離は消光比が低く、画像のコントラストを低下させる。しかし、本発明の偏光分離膜76bと反射ミラー76cの組み合わせからなる偏光分離手段76によれば、そのようなコントラストの低下がない。
【0087】
図38は、偏光分離膜76bと反射ミラー76cとを共通のウエッジ状の透明な基体76eに取り付けてなる偏光分離手段76を示している。この構成によれば、部品点数の低減及び調節簡素化を達成することができる。偏光分離膜76bは基体76eの表面に薄膜を積層して作製し、裏面にアルミ蒸着によって反射ミラー76cを形成する。基体76eの角度の設計によって、P偏光とS偏光の偏光分離角γ及び入射角を設定することができる。
【0088】
図39は、光源62と、透過型の偏光分離手段76と、マイクロレンズアレイ14と、液晶パネル16と、検光子34とを備え、偏光分離手段76が、プリズム形の断面形状をした複屈折をもった物質からなることを特徴とする表示装置を示している。
【0089】
図39及び図40に示されるように、偏光分離手段76は、プリズム形の断面形状の凹部をもった透明な基板76fと、該基板76fの凹部に挿入された複屈折をもった物質、例えば液晶76gとからなる。まず、プリズム形状をした凹部をもった透明な基板76fを作製し、それに対向基板76hを貼り付けた後、液晶76gを挿入する。液晶76gは基板の配向処理によってねじれのない配向になっているため、複屈折性を有するプリズムとなる。プリズムの角度と液晶の複屈折率Δnと入射角の設定によって、分離される偏光の角度を任意に設定することができる。
また図41のように、プリズム形の断面形状の凹部をもった透明な基板76fを積層することによって偏光の分離角を大きくすることもできる。
【0090】
図42及び図43は、偏光分離手段76が、プリズム形の断面形状をした有機高分子を延伸したものからなる例を示している。例えばPVA等の有機高分子をプリズム形状に作製し、図42の矢印で示すように一方向に延伸することにより複屈折性のプリズムを作製することができる。これによれば、汎用的な有機高分子で作製できるため、とても安価になる。
また図44のように、図42のプリズムをを積層することによって、偏光の分離角を大きくすることもできる。
【0091】
図45及び図46は、図36の表示装置に、さらに色分離手段を付加した構成を示す。
図45においては、色分離手段は回折格子12からなる。この構成の作用は、前の実施例の説明から明らかであろう。
図46においては、色分離手段はダイクロイックミラー82からなる。ダイクロイックミラー82は赤、緑、青の色毎に設けられる従来のものである。3個のダイクロイックミラー82は回折格子12と同様の作用を行う。
【0092】
図47は図45及び図46の構成における液晶パネル16の画素構成を示す図である。光源からの光を回折格子12又はダイクロイックミラー82によって色分離し、その色(光波長)によって入射角を変化させる。ここでは、表示の左右方向にRGBに色分離した例を示す。次に色分離した光を偏光分離手段76によって上下方向に偏光分離し、偏光状態によって角度を変化させる。こうして、画素は、上下方向に2、左右方向に3分割され、6つの表示ドットとマイクロレンズの1つが対応する。そして、図48のようにS偏光とP偏光に対応する表示ドット毎に駆動電圧を反転させることにより、通常の表示とすることができる。
【0093】
また、図49は図45の構成に対して回折格子12と偏光分離手段76の配置を逆にした例を示す図である。
図50は図46の構成に対して回折格子12と偏光分離手段76の配置を逆にした例を示す図である。
【0094】
図51及び図52は、図39から図41に示した透過型の偏光分離手段76と回折格子12とを接合してなる偏光及び色分離手段を示す。液晶プリズム又は複屈折プリズムからなる偏光分離手段76で光を上下方向に偏光分離し、回折格子12によって左右方向に色分離している。この分離された光をマイクロレンズを備えた液晶パネルに入射することによって光利用効率の高い、簡素化された表示装置を作製することができる。
【0095】
図53は色分離手段としてプリズム84の波長分散を利用した例を示す。プリズム84の材質及び角度の設計によって任意の色分離が可能となる。
図54は、2個の回折格子12x、12yと、偏光変換素子86とを用いて偏光分離と色分離を行うことのできる複合素子を示す。
【0096】
図55に示すように、回折格子は縞間隔がある空間周波数に従って偏光特性が表れる。つまり、ある回折格子は特定の空間周波数ではS偏光のみを回折することができる。2個の回折格子12x、12yはS偏光のみを回折する性質をもつものである。
【0097】
図54において、第1の回折格子12xは光源光のうちのS偏光のみを回折させ、この回折により色分離をも行う。このS偏光は偏光変化素子(1/2波長板)86を通ることにより偏光状態を90度回転させてP偏光となり、P偏光として第2の回折格子12yを透過する。第1の回折格子12xによって回折されたS偏光は第2の回折格子12yを通るときにはP偏光となっているので回折されない。光源光のうちのP偏光は第1の回折格子12xを通るときには回折されず、偏光変化素子(1/2波長板)86を通るときに偏光状態を90度回転させてS偏光となり、第2の回折格子12yで回折され、色分離される。このようにして、図54の複合素子は偏光分離と色分離とを行うことができる。
【0098】
2つの回折格子12x、12yは異なる空間周波数で用いることによって偏光分離及び色分離機能を同時に可能とすることができる。また、2つの回折格子12x、12yが同一の空間周波数であっても、一方を傾けて入射角を変化させてもよいこの方式では、偏光分離する方向と色分離する方向とが同一方向であるので、画素配置は図56のようになる。1つのマイクロレンズは横方向の6つの表示ドットに対応する。
【0099】
上記の例では、回折格子12とマイクロレンズ14とを別々に配置したが、色分離機能と集光機能とを備えた回折格子素子54として使用することもできる。例えば、図57に示すように、偏光分離手段76と回折格子素子54とを組み合わせて使用することもできる。
また、マイクロレンズアレイ14のマイクロレンズの配置は、画素の配置に合わせて、図58のような体心配置、又は図58のような最密配置とすることができる。この回折格子はリソグラフィ技術もしくはレーザー光線による直接描画でも作製可能である。
【0100】
図60及び図61は、分離されたP偏光とS偏光の一方を再変換して同じ種類偏光にする例を示している。図62はこの場合の画素配列を示す。この例の表示装置は、光源62と、偏光分離手段76と、回折格子素子54と、マイクロレンズアレイ14と、液晶パネル16と、検光子34とを備えている。この偏光分離手段76は、透過及び反射により偏光をP偏光とS偏光に分離する偏光分離膜76bと、偏光分離膜76bを透過又は偏光分離膜76bで反射した偏光を反射させる反射ミラー76cと、偏光変換手段(位相差フィルム又は1/4波長板)87とからなる。
【0101】
図36の場合と同様に、P偏光は偏光分離膜76bを透過して回折格子素子54に向かい、S偏光は偏光分離膜76bで反射し且つ反射ミラー76cで反射する。しかし、この例では、S偏光は偏光変換手段87でP偏光に変換されて回折格子素子54に向かう。こうすれば、駆動電圧を反転させることなく、全てP偏光として回折格子素子54及び液晶パネル16に入射させることができる。
【0102】
図63は、偏光分離膜76bと、反射ミラー76cと、偏光変換手段87とを共通のウエッジ状の透明なプリズム88に取り付けた例を示す図である。
図64は、偏光分離膜76bと、反射ミラー76cと、偏光変換手段87とを共通のウエッジ状の透明なプリズムアレイ88aに取り付けた例を示す図である。
【0103】
図65及び図66は、図63及び図64の構成において、偏光分離膜76bを回折格子素子(又は回折格子)54で兼用させた例を示す図である。回折格子素子54は偏光特性の大きい特性を有し、偏光分離膜76bの偏光分離機能と拡散機能とを達成するものである。この場合、回折格子素子54はS偏光を透過させて回折させ、P偏光及び0次拡散光は反射させる性質をもつ。回折格子素子54で反射したP偏光は反射ミラー76cで反射され、偏光変換手段87でS偏光に変化されて回折格子素子54に向かい、回折格子素子54によって回折されつつ透過する。回折格子素子54で反射した0次回折光は回折格子素子54で再び反射され、回折格子素子54に入射しないので、利用しない0次回折光による画像のコントラストの低下を防止することができる。なお、S偏光が偏光分離膜76b又は回折格子素子54で反射するように構成した場合でも、S偏光の一部はそれを透過するので、偏光分離膜76b又は回折格子素子54にブリュースター角度で入射するようにすれば、S偏光を完全に反射するようにすることができる。
【0104】
図67から図69はさらなる画素配列(A)及び駆動電圧(B)の例を示す図である。
図67においては、(RGBBGR)をユニットとして表示ドットが一列に形成されている。従って、2つのR、及び2つのBが連続する。
【0105】
図68においては、図67の連続する2つのR、及びBを合わせて1つの大きな表示ドットとし、これらは1つの表示ドットとして駆動するか、2つの表示ドットとして駆動する例を示している。
図69においては、図68の2つ分の表示ドットR、Bの大きさを2つ分よりも小さくし、それによって表示ドットGが相対的に大きくなるようにしている。また、表示ドットGの駆動電圧を表示ドットR、Bの駆動電圧よりも高くし、緑色の表示がより強くなるようにしている。
【0106】
その他の特徴3
図70から図72は本発明のその他の特徴を示す図である。図70から図75は、液晶パネルの表示ドットの配列の特徴を示す。
画像は複数の画素により構成され、各画素はR、G、Bの表示ドットにより構成される。つまり、画像を形成するための表示の最小単位は表示ドットである。従来、このような表示ドットは、インライン配列あるいはデルタ配列で配置される。しかし、インライン配列の場合には、1画素が正方形であるとすると、各表示ドットは縦横比が1対3の長方形になる。従って、表示ドットは極端に細長くなり、拡散現象が顕著になって配光方向に光量ムラや、色ムラや、ギラツキ感の増大等の問題がある。また、TFT等を設けるために、利用できる表示ドットの短辺の幅はますます小さくなる。
【0107】
表示ドットがデルタ配列の場合には、各表示ドットを正方形に近くすることができるので、上記したような表示ドットは細長くなる場合の問題点は解決できる。しかし、従来、表示ドットがデルタ配列の場合には、画素もデルタ配列となっており、隣接する2つの画素が斜め方向に連続するので、直交する2方向に直線を引くことができない。複数画素の幅で直線を引くことはできるが、精細度が半分以下になる。
【0108】
図70に示す本発明の実施例の画素配列では、液晶パネル16は複数の画素90A、90B、90C、90Dを備え、各画素は互いに隣接する3個の表示ドットA、B、Cからなる。これらの表示ドットA、B、Cは上記した赤、緑、青の表示ドット26r、26g、26bのいずれかに相当する。各画素の表示ドットA、B、Cはデルタ配列で配置され、すなわち、3個の表示ドットA、B、Cの中心又は該3個の表示ドットの開口部の中心を結ぶ線分が三角形をなしている。そして、各画素の表示ドットが形成する三角形の配列構造が、互いに直交する第1方向90Y及び第2方向90Xに等間隔に並ぶ正方配列構造である。つまり、4つの画素の中心とも言うべき点90AO、90BO、90CO、90DOが正方形を形成する。
【0109】
より詳細には、第1方向90Yには、各画素の形成する三角形の中心付近を通って第1方向90Yに延びる線に対して対称な三角形が並び、第2方向90Xには、三角形の中心付近を通って第2方向90Xに延びる線に対してミラー反転した三角形が互いに隣接して並ぶ。また、3個の表示ドットA、B、Cが互いに異なる3種類の表示ドットであり、第1方向90Yには、3種類の表示ドットの配列が同じ画素が並び、第2方向90Xには、互いに隣接する画素を180度回転且つ画素の中心付近を通って第1方向90Yに延びる線に対してミラー反転した表示ドット配列の画素が並ぶ。
【0110】
言い換えると、1つの表示ドットAの長辺に沿って3つの表示ドットA、B、Cは互いに接触している。鉛直方向には、表示ドットAを頂部又は底部とする同じ三角形配列の画素を並べ、水平方向には表示ドットAを頂部とする画素及び表示ドットAを底部とする画素を交互に並べている。
【0111】
このような構成により、表示ドットが特定の方向に細くならない形状に、好ましくはできるだけ正方形に近い形状に形成でき、且つ画素を高い密度で配置できる。よって、高精細で、より明瞭な画像を形成することができる。また、互いに直交する2方向に直線を引くことができる。
【0112】
また、この画素配列構造は、色分離と偏光分離を行う表示装置、色分離のみを行う表示装置、偏光分離のみを行う表示装置、あるいは色分離も偏光分離も行わない表示装置に使用可能である。しかし、回折格子により色分離を行う場合に、3つの色の表示ドットの一直線上の位置は近接できるので、回折格子による色分離角が小さくても明瞭な色分離を行うことができる。また、これを投射型表示装置にも応用できる。
【0113】
好ましくは、図71に示すように、1つの表示ドットA、B、Cが第1方向に平行な辺の長さと第2方向に平行な辺の長さとの比が概ね3対4の長方形であり、画素を構成する表示ドットA、B、Cの開口部の中心を結ぶ線分の比が概ね4対√13対√13の二等辺三角形となる。この場合、それぞれの画素の点90AO、90BO、90CO、90DO間の距離は6になる。従って、正方配列となるためには、各表示ドットの縦横比も所定の条件を満足する必要がある。
【0114】
実際例として、対角3.5インチ、アスペクト比4:3、SVGA(800×600画素)の表示装置において、各矩形状の表示ドットは29.7×44.4μmとなる。また、対角3.5インチ、アスペクト比4:3、XGA(1024×768画素)の表示装置において、各矩形状の表示ドットは23.2×34.7μmとなる。
【0115】
図72は、表示ドットA、B、Cがそれぞれに3組の平行な辺を有する六角形の例を示す。この場合にも、画素を構成する表示ドットの中心を結ぶ線分の比、又は画素を構成する表示ドットの開口部の中心を結ぶ線分の比が、概ね4対√13対√13の二等辺三角形となるようにする。このようにすることにより、表示ドットA、B、Cは円に近づき、マイクロレンズの形に近づく。
【0116】
その他の特徴4
図73から図90は本発明のその他の特徴を示す図である。図73から図90は回折格子12、52、又は回折格子素子54を含む表示装置におけるさらなる画素配列及びバスラインの特徴を示す。表示ドット26r、26g、26bは、ブラックマトリクス(遮光膜)92の開口部として形成される。
【0117】
液晶表示パネル16は、複数の表示ドット26r、26g、26bを含み、表示ドットの形状が互いに等しい。1つの表示ドットの形状はその中心を通る互いに直交する第1の線26X及び第2の線26Yに関して対称であるように構成されている。図73では、表示ドットの配列がストライプ配列であるが、後で示すように、デルタ配列とすることもできる。
【0118】
図74は図20と同様の図である。回折格子素子54を含む表示装置においては、表示ドット26r、26g、26bには、赤、緑、青色に相当する光の波長成分を中心として各波長成分の光が同心円の縞状に入射する。従って、全ての表示ドットの形状が互いに等しく、1つの表示ドットの形状はその中心を通る互いに直交する第1の線26X及び第2の線26Yに関して対称であるように構成されていると、回折格子素子54から入射する各色の波長成分の光を最も効率よく取り込むことができる。
【0119】
もしも、表示ドットの形状が破線26dで示されるようにジグザグな形状であるとすると、所定の形状の表示ドット26r、26g、26bから外にはみ出た部分では望ましくない余分な波長成分の光を受け入れ、逆に所定の形状の表示ドット26r、26g、26bから内には切れ込んだ部分では必要な波長成分の光を受け入れることができない。従って、上記した特徴に従って形成された表示ドット26r、26g、26bにより、設計通りの白純度及び色むらのない画像を得ることができる。
【0120】
さらに、鉛直方向に隣接する2つの表示ドット26r、26g、26b間の間隔mが一定である。こうすることにより、マイクロレンズアレイ14のマイクロレンズの配置を一定にし、且つ回折格子素子54と液晶パネル16との位置合わせマージンを確保することができ、多少の位置ずれがあっても色が変わらないようにすることができる。
【0121】
図75から図78は上記した特徴を満足する表示ドット26r、26g、26bの例を示す図である。
図75においては、表示ドット26r、26g、26bは十字形形状に形成される。
図76においては、表示ドット26r、26g、26bは円形形状に形成される。
図77においては、表示ドット26r、26g、26bは八角形形状に形成される。
図78においては、表示ドット26r、26g、26bは楕円形形状に形成される。
【0122】
また、図75から図78の表示ドット26r、26g、26bの形状は、色分離方向(水平方向)と直交し且つその中心を通る(鉛直)線上の部分が横外縁側の部分よりも大きく形成されている。
図79に示されるように、回折格子素子54から液晶パネル16に入射する光は、赤、緑、青色の波長成分をピークとした波長分布をもっている。従って、各色のピークの位置においてはもっとも多量の光を取り入れるように表示ドット26r、26g、26bの開口サイズを大きくするのが好ましい。
【0123】
図80及び図81は、薄膜トランジスタ(TFT)40と、ゲートバスライン36と、データバスライン38を含むアクティブマトリクス構造を示している。この例では、TFT40の動作半導体、ドレイン電極、及びソース電極がポリシリコンからなる例を示している。すなわち、TFT40は、基板22の表面に設けられたポリシリコンの層40aを含み、このポリシリコンの層40aの絶縁膜を介してゲートバスライン36と重なる部分40cがTFT40の動作半導体、すなわちチャネルとなる。チャネルは2つある。ポリシリコンの層40aは絶縁膜を介してデータバスライン38と重なる部分40dを有し、この部分40dはスルーホール38aによりデータバスライン38と接続され、ドレイン電極となる。さらに、ポリシリコンの層40は絶縁膜を介して表示ドット26rと重なる部分40sを有し、この部分40sはスルーホール26aにより表示ドット26rに接続され、ソース電極となる。ブラックマトリクス92は表示ドット26rと同じ基板に形成されている。
【0124】
ポリシリコンは表示ドット26r、26g、26bに対してTFT40を非常に小さく形成することを可能にするので、高精細な表示装置を得るのに適している。さらに、ポリシリコンは透明であるので、ポリシリコンで覆われた表示電極の部分は遮光膜とはならない。従って、表示ドット26rは、ブラックマトリクス92の開口部のみによって規定され、このブラックマトリクス92の開口部は矩形形状である。図80及び81には、表示電極26Rも示されている。
【0125】
図82は図81と類似した構成を示している。図82においては、表示ドット26rとソース電極とを接続するコンタクトホール26aの長さ(=〜10000Å程度)に対し画素電極の厚さ(〜1000Å)が薄いため、画素電極と、ポリシリコンを直接接続させると、画素電極が切れることがあり、表示欠陥となる場合がある。そのため、図82のように、コンタクトの下半分をデータバスラインで行うことが対策となる。この場合には、データバスライン38と同じ材料38bは遮光性であるので、図80のスルーホール26aの部分が遮光膜で覆われることになる。
【0126】
この場合には、図83で示されるように、対向基板側に遮光膜96を設け、この遮光膜96とTFT側の基板22のブラックマトリクス92と合わせて、表示ドット26r、26g、26bを規定する遮光膜となる。
さらに、図83においては、ゲートバスライン36及びデータバスライン38が表示ドット26r、26g、26bを部分的に取り囲むように曲がって形成されている。
【0127】
そして、表示ドット26r、26g、26bはデルタ配列されており、各画素に対して、ゲートバスライン36が1個あり、データバスライン38が3個ある。図83の中央の画素の逆Δ形の表示ドット26r、26g、26bについて見ると、左上段の表示ドット26r(1)の右側に沿って延びるデータバスライン38はその表示ドット26rに接続され、右上段の表示ドット26g(2)の左側に沿って延びるデータバスライン38はその下の表示ドット26b(3)に接続され、右上段の表示ドット26g(2)の右側に沿って延びるデータバスライン38はその表示ドット26gに接続される。このようにして、ゲートバスライン36及びデータバスライン38の閉める面積を最小にし、且つ表示ドット26r、26g、26bの形状を正方形に近い矩形にすることを可能にしている。
【0128】
図84は図83に類似の構成であるが、各画素に対して、ゲートバスライン36が2個あり、データバスライン38が2個ある例を示している。左上段の表示ドット26r(1)の右側に沿って延びるデータバスライン38はその表示ドット26rに接続され、右上段の表示ドット26g(2)の右側に沿って延びるデータバスライン38はその表示ドット26g及びその下の表示ドット26b(3)に接続される。後者の表示ドット26bは2段面のゲートバスライン36に接続され、他の2つは1段目のゲートバスライン36に接続されている。
【0129】
図85は、各画素の1つの表示ドットの大きさが他の2つの表示ドットよりも小さい例を示す図である。実施例においては、緑色の表示ドット26gの開口部の大きさが、赤及び青色の表示ドット26r、26bの開口部の大きさよりも小さくなっている。また、この例では、ゲートバスライン36が1個、データバスライン38が3個の構成になっている。
【0130】
図86に示すように、回折格子12から液晶パネル16に向かって1次回折光が入射するとき、短波長である青色の光と、中間の波長である緑色の光と、長い波長の光である赤色とが、同じ位置から等距離だけ進むが、波長の違いによって焦点距離が破線で示されるように異なる。このため、表示ドット26r、26g、26bにおける光の強度や集光度に差ができることになる。そこで、図85に示されるように、表示ドット26r、26g、26b毎に開口部の大きさを替え、緑色の表示ドット26gに焦点を合わせる構成により、表示ドット26r、26g、26bにおける光の強度が同じになるようにするのが好ましいことがある。
【0131】
図87においては、緑の表示ドット26gが小さく、且つ全ての表示ドット26r、26g、26bの底部が一直線上に位置するようになっている。
図88においては、緑の表示ドット26gが小さく、且つ全ての表示ドット26r、26g、26bの中心が一直線上に位置するようになっている。
図89においては、緑の表示ドット26gが小さく、且つ表示ドット26r、26g、26bの形状が外から内へ次第に小さくなるようになっている。
【0132】
図87において、xを実数とするとき、小さい表示ドット26gの開口面積と大きい表示ドットの開口面積の比が、1−2x:1+xであるようにする。すなわち、全ての表示ドット26r、26g、26bを最初は同じように形成しておいて、緑の表示ドット26gから2x取り、それを1xずつ残りの表示ドット26r、26bに加える。例えば、図85の構成において、小さい表示ドットの開口面積と大きい表示ドットの開口面積との比は、1:2.3であった。
【0133】
図90はゲートドライバ97及びデータドライバ98が液晶パネル16の基板22にアクティブマトリクス構造と一緒に作られている例を示す図である。ゲートドライバ97はゲートバスライン36に接続され、データドライバ98はデータバスライン38に接続される。ゲートドライバ97及びデータドライバ98はパソコン100の制御回路101によって制御される。
【図面の簡単な説明】
【0134】
【図1】本発明の第1実施例の表示装置を示す図である。
【図2】回折格子を示す図である。
【図3】集光レンズとライトバルブの表示電極との関係を示す図である。
【図4】一次回折光と0次回折光がライトバルブに入射する位置を示す図である。
【図5】表示電極が互いに上下関係で設けられ且つ0次回折光が上方に向かって進む表示装置の例を示す図である。
【図6】一次回折光及び0次回折光の進む方向及びドットピッチを計算するためのジオメトリを示す図である。
【図7】表示電極が互いに上下関係で設けられ且つ0次回折光が上方に向かって進む表示装置の他の例を示す図である。
【図8】表示電極が互いに上下関係で設けられ且つ0次回折光が下方に向かって進む表示装置の例を示す図である。
【図9】表示装置をパソコンに設けた例を示す図である。
【図10】壁かけ型表示装置の例を示す図である。
【図11】マルチパネルタイプの表示装置の例を示す図である。
【図12】マルチパネルタイプの表示装置の正面図である。
【図13】本発明の第2実施例の表示装置を示す図である。
【図14】図13の表示装置の表示電極を示す図である。
【図15】図14の表示装置の変形例を示す図である。
【図16】本発明の第3実施例を示す図である。
【図17】本発明の第4実施例の表示装置を示す図である。
【図18】図17の回折格子を示す図である。
【図19】図17の集光手段を示す図である。
【図20】図17の表示電極に一次回折光が入射するところを示す図である。
【図21】本発明の第5実施例の投射型表示装置を示す図である。
【図22】図21のアパーチャを示す図である。
【図23】拡散格子素子と液晶パネルを示す図である。
【図24】アパーチャのコリメートレンズ等の関係を示す図である。
【図25】アパーチャにカットフィルタを設けた例を示す図である。
【図26】ピークのある光源の特性の例を示す図である。
【図27】長寿命光源と一般的な光源の特性の例を示す図である。
【図28】拡散格子素子にブラックマトリクスを設けた例を示す図である。
【図29】反射防止コート付き検光子の例を示す図である。
【図30】アナモルフィック投射レンズを使用した例を示す図である。
【図31】本発明の第6実施例の投射型表示装置を示す図である。
【図32】図32の画素構成を示す図である。
【図33】図34の画素構成を示す図である。
【図34】図32の投射型表示装置の変形例を示す図である。
【図35】背面投射型表示装置の例を示す図である。
【図36】本発明の第7実施例の表示装置を示す図である。
【図37】図36の部分拡大図である。
【図38】図37の変形例を示す図である。
【図39】本発明の第8実施例の表示装置を示す図である。
【図40】図39の部分拡大を示す図である。
【図41】図40の変形例を示す図である。
【図42】偏光分離手段の変形例を示す図である。
【図43】図42の偏光分離手段の偏光分離を示す図である。
【図44】図43の変形例を示す図である。
【図45】図36の構成に拡散格子を加えた表示装置を示す図である。
【図46】図36の構成にダイクロイックミラーを加えた表示装置を示す図である。
【図47】図45及び図46の表示装置の画素配列を示す図である。
【図48】図47の画素配列に対する駆動電圧と透過率の関係を示す図である。
【図49】図45の偏光分離手段と拡散格子素子の配置を逆にした例を示す図である。
【図50】図45の偏光分離手段とダイクロイックミラーの配置を逆にした例を示す図である。
【図51】偏光分離素子と色分離素子を一体化した複合素子の例を示す図である。
【図52】図51の偏光分離素子と色分離素子の配置を逆にした複合素子の例を示す図である。
【図53】偏光分離素子と色分離素子を一体化した複合素子の他の例を示す図である。
【図54】2つの回折格子で偏光分離と色分離を行う例を示す図である。
【図55】S偏光のみが回折を行う回折格子の例を示す図である。
【図56】図54の表示装置の画素配列を示す図である。
【図57】偏光分離素子と色分離素子とからなる表示装置の他の例を示す図である。
【図58】マイクロレンズアレイのマイクロレンズの配置の例を示す図である。
【図59】マイクロレンズアレイのマイクロレンズの配置の他の例を示す図である。
【図60】偏光分離手段の変形例を示す図である。
【図61】図60の部分拡大図である。
【図62】図60の表示装置の画素配列を示す図である。
【図63】図61の変形例を示す図である。
【図64】図61の変形例を示す図である。
【図65】偏光特性の大きい拡散格子を偏光分離手段として使用する例を示す図である。
【図66】偏光特性の大きい拡散格子を偏光分離手段として使用する例を示す図である。
【図67】画素配列の他の例を示す図である。
【図68】画素配列の他の例を示す図である。
【図69】画素配列の他の例を示す図である。
【図70】本発明の第9実施例の画素配列を示す図である。
【図71】図70の1つの画素を示す図である。
【図72】図70の画素配列の変形例を示す図である。
【図73】本発明の第10実施例の画素配列を示す図である。
【図74】1画素の表示ドットとそれに入射する1次回折光を示す図である。
【図75】図73の他の例を示す図である。
【図76】図73の他の例を示す図である。
【図77】図73の他の例を示す図である。
【図78】図73の他の例を示す図である。
【図79】色分離された光の波長と光量との関係を示す図である。
【図80】TFTをポリシリコンで作った例を示す図である。
【図81】図80のTFTの断面図である。
【図82】図81の変形例を示す図である。
【図83】1画素について1個のゲートバスラインと3個のデータバスラインとを有する例を示す図である。
【図84】1画素について2個のゲートバスラインと2個のデータバスラインとを有する例を示す図である。
【図85】緑色の表示ドットを小さくした例を示す図である。
【図86】回折格子から液晶パネルへ進む光の焦点距離に差があることを示す図である。
【図87】緑色の表示ドットを小さくした例を示す図である。
【図88】緑色の表示ドットを小さくした例を示す図である。
【図89】緑色の表示ドットを小さくした例を示す図である。
【図90】液晶パネルの基板にゲートドライバ及びデータドライバを設けた例を示す図である。
【符号の説明】
【0135】
10 表示装置
12 回折格子
14 集光素子
16 液晶パネル
18 液晶層
20、22 基板
26R、26G、26B 表示電極
26r、26g、26b 表示ドット
48 遮光部
52 回折格子
Lo 0次回折光
R 、LG 、LB 一次回折光
54 回折格子素子
62 光源
63 アパーチャ
64 光学手段
66 投射レンズ
68 フィールドレンズ
76 偏光分離手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源(62)と、偏光分離手段(76)と、集光手段(14)と、該集光手段を通った光を受けて画像変調するライトバルブ(16)と、検光子(34)とを備え、該偏光分離手段(76)が、透過及び反射により偏光をP偏光とS偏光に分離する偏光分離膜(76b)と、該偏光分離膜を透過又は該偏光分離膜で反射した偏光を反射させる反射ミラー(76c)とからなり、該偏光分離膜を透過又は該偏光分離膜で反射して該集光手段に向かう偏光と該反射ミラーで反射した偏光は、互いの間に偏光分離角度を形成して該集光手段へ向かって進むようにしたことを特徴とする表示装置。
【請求項2】
該反射ミラー(76c)は該偏光分離膜(76b)を透過した偏光を反射させ且つ該反射光を再び該偏光分離膜を透過させるように配置されていることを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
さらに色分離手段を含むことを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項4】
光源(62)と、偏光分離手段(76)と、集光手段(14)と、該集光手段を通った光を受けて画像変調するライトバルブ(16)と、検光子(34)とを備え、該偏光分離手段(76)が、プリズム形の断面形状をした複屈折をもった物質からなることを特徴とする表示装置。
【請求項5】
該偏光分離手段(76)が、プリズム形の断面形状の凹部をもった透明な基板(76f)と、該基板の凹部に挿入された複屈折をもった物質(76g)からなることを特徴とする請求項4に記載の表示装置。
【請求項6】
該偏光分離手段(76)が、プリズム形の断面形状をした有機高分子を延伸したものからなることを特徴とする請求項4に記載の表示装置。
【請求項7】
さらに色分離手段を含むことを特徴とする請求項4に記載の表示装置。
【請求項8】
該反射ミラー(76c)で反射した偏光の偏光状態を変換する偏光変換手段(87)をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項9】
第1の回折格子(12x)と、第2の回折格子(12y)と、該第1及び第2の回折格子の間に配置された偏光変化手段(86)とからなり、偏光分離と色分離を行うことができるようにしたことを特徴とする表示装置。
【請求項10】
各画素(90A、90B、90C、90D)が互いに隣接する3個の表示ドット(A、B、C)からなり、該3個の表示ドットの中心又は該3個の表示ドットの開口部の中心を結ぶ線分がなす三角形の配列構造が、互いに直交する第1方向及び第2方向に等間隔に並ぶ正方配列構造であることを特徴とする表示装置。
【請求項11】
第1方向には、三角形の中心付近を通って第1方向に延びる線に対して対称な三角形が並び、第2方向には、三角形の中心付近を通って第2方向に延びる線に対してミラー反転した三角形が互いに隣接して並ぶことを特徴とする請求項10に記載の表示装置。
【請求項12】
画素を構成する3個の表示ドットが互いに異なる3種類の表示ドットであり、第1方向には、3種類の表示ドットの配列が同じ画素が並び、第2方向には、互いに隣接する画素を180度回転且つ画素の中心付近を通って第1方向に延びる線に対してミラー反転した表示ドット配列の画素が並ぶことを特徴とする請求項10に記載の表示装置。
【請求項13】
表示ドットが第1方向に平行な辺の長さと第2方向に平行な辺の長さとの比が概ね3対4の長方形であり、画素を構成する表示ドットの開口部の中心を結ぶ線分の比が概ね4対√13対√13の二等辺三角形となるドット配列の画素を備えることを特徴とする請求項10に記載の表示装置。
【請求項14】
表示ドットが第1方向に平行な方向に2辺を有する六角形であり、画素を構成する表示ドットの中心を結ぶ線分の比、又は画素を構成する表示ドットの開口部の中心を結ぶ線分の比が、概ね4対√13対√13の二等辺三角形となるドット配列の画素を備えることを特徴とする請求項10に記載の表示装置。
【請求項15】
光源と画素の間にレンズアレイを備え、1個のレンズで複数の表示ドットに光を集光することを特徴とする請求項10に記載の表示装置。
【請求項16】
投射レンズを備えた投射型表示装置であることを特徴とする請求項10に記載の表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【図43】
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【図44】
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【図45】
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【図46】
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【図47】
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【図48】
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【図49】
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【図50】
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【図51】
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【図52】
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【図53】
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【図54】
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【図55】
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【図56】
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【図57】
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【図58】
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【図59】
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【図60】
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【図61】
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【図62】
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【図63】
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【図64】
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【図65】
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【図66】
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【図67】
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【図68】
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【図69】
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【図70】
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【図71】
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【図72】
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【図73】
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【図74】
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【図75】
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【図76】
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【図77】
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【図78】
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【図79】
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【図80】
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【図81】
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【図82】
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【図83】
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【図84】
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【図85】
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【図86】
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【図87】
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【図88】
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【図89】
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【図90】
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【公開番号】特開2007−199713(P2007−199713A)
【公開日】平成19年8月9日(2007.8.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−1483(P2007−1483)
【出願日】平成19年1月9日(2007.1.9)
【分割の表示】特願平9−6834の分割
【原出願日】平成9年1月17日(1997.1.17)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】