表示装置
【課題】マルチ絵素駆動で駆動される表示装置において、額縁の狭小化を実現する。
【解決手段】表示装置に備えられるゲートドライバ1は、バッファ21A、21Bを備える。バッファ21A、21Bには、補助容量駆動信号が入力される。補助容量駆動信号が入力されると、バッファ21A、21Bは、補助容量駆動信号の波形を整形し、端子「CSVtypeA1´R」〜「CSVtypeA4´R」、「CSVtypeA1´L」〜「CSVtypeA4´L」から補助容量配線に出力する。バッファ21A、21Bは、こうして、波形の鈍りが低減された補助容量駆動信号を、補助容量配線に供給し、補助容量配線に接続される補助容量を駆動する。
【解決手段】表示装置に備えられるゲートドライバ1は、バッファ21A、21Bを備える。バッファ21A、21Bには、補助容量駆動信号が入力される。補助容量駆動信号が入力されると、バッファ21A、21Bは、補助容量駆動信号の波形を整形し、端子「CSVtypeA1´R」〜「CSVtypeA4´R」、「CSVtypeA1´L」〜「CSVtypeA4´L」から補助容量配線に出力する。バッファ21A、21Bは、こうして、波形の鈍りが低減された補助容量駆動信号を、補助容量配線に供給し、補助容量配線に接続される補助容量を駆動する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ワードプロセッサ、パーソナルコンピュータ、及びテレビジョン放送の受信機等に用いられる表示装置に関する。特に、本発明は、アクティブマトリクス型液晶表示装置等の表示装置、及び当該表示装置に設けられている走査線を駆動する走査線駆動装置に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶表示装置は、高精細、薄型、軽量、及び低消費電力等の優れた特長を有する平面表示装置であり、近年、表示性能の向上、生産能力の向上、及び他の表示装置に対する価格競争力の向上に伴い、市場規模が急速に拡大している。
【0003】
こうした液晶表示装置では、表示品位の改善が進んでいる。しかしながら、当該表示品位の改善が進む状況下において、今日では、視野角特性に関する問題として、白抜き等、γ特性の視角依存性の問題が新たに顕在化してきている。このγ特性の視角依存性の問題とは、即ち、正面方向からの観測時におけるγ特性と、斜方向からの観測時におけるγ特性とが異なるという問題である。ここで、γ特性とは、表示輝度の階調依存性を意味する。つまり、γ特性が正面方向と斜方向とで異なるということは、階調表示状態が観測方向によって異なるということを意味する。そのため、上記γ特性の視角依存性の問題は、写真等の画像を表示する場合、受信機が受信したテレビジョン放送を表示する場合等において、特に大きな問題となる。
【0004】
上記γ特性の視角依存性の問題を改善する技術としては、マルチ絵素駆動と呼ばれる技術が提案されている(特許文献1参照)。このマルチ絵素駆動とは、1つの表示絵素を、輝度の異なる2つ以上の副絵素で構成することにより、視野角特性、即ち、γ特性の視角依存性を改善する技術である。
【0005】
まずは、マルチ絵素駆動の原理について、図11ないし図16を参照して説明を行う。
【0006】
図11は、液晶表示装置の液晶表示パネルのγ特性を示すグラフである。なお、図11に示すグラフにおいて、縦軸は、輝度比である。また、図11に示すグラフにおいて、横軸は、階調(電圧)である。
【0007】
図11に示すグラフにおいて、実線により示されている特性は、通常の駆動方式で駆動される上記液晶表示パネルを、正面方向から観測した場合におけるγ特性である。こうしたγ特性を有する場合は、最も正常な視認性が得られる。なおここで、通常の駆動方式とは、1つの表示絵素が複数の副絵素に分割されない駆動方式のことである。
【0008】
図11に示すグラフにおいて、破線により示されている特性は、通常の駆動方式で駆動される上記液晶表示パネルを、斜方向から観測した場合におけるγ特性である。こうしたγ特性を有する場合は、正常な視認性に対して、γ特性のズレが生じている。かつ、当該ズレの度合いは、輝度比が0または1に近い部分で小さくなっており、輝度比が0または1に遠い部分で大きくなっている。つまり、当該ズレの度合いは、明輝度及び暗輝度を示す部分で小さくなっており、中間調を示す部分で大きくなっているということがわかる。以上のことから、斜方向からの視認においては、中間調の表示輝度が非常に大きくなり、結果、白浮き等が生じる。
【0009】
一方、マルチ絵素駆動では、1つの表示絵素において目標となる輝度を得ようとする場合に、当該1つの表示絵素を構成する、輝度の異なる複数の副絵素における平均輝度を、当該目標となる輝度とすべく駆動を制御する。
【0010】
マルチ絵素駆動では、正面方向から観測した場合におけるγ特性が、通常の駆動方式で駆動される場合と同様の特性となる。つまり、マルチ絵素駆動で駆動される上記液晶表示パネルを、正面方向から観測した場合におけるγ特性は、図11に示すグラフにおいて、実線により示されている特性となる。そのため、正面方向から観測した場合は、最も正常な視認性が得られる。
【0011】
一方、マルチ絵素駆動では、斜方向から観測した場合におけるγ特性が、図11に示すグラフにおいて、一点鎖線により示されている特性となる。これは、通常の駆動方式で輝度のズレが大きくなる中間調において、目標となる輝度を得ようとする場合、副絵素では、輝度のズレが小さい明輝度付近及び暗輝度付近の領域の表示を行うこと、及び、表示絵素全体では、当該副絵素の輝度の平均によって中間調輝度を得ることによる。これにより、輝度のズレは低減される。
【0012】
次に、マルチ絵素駆動で駆動される液晶表示装置の表示絵素の構成例を図12に示す。
【0013】
図12に示すとおり、1つの表示絵素120は、複数の副絵素121、122に分割されている。また、副絵素121は、TFT(Thin Film Transistor)123を介して走査線Gn及び信号線Smに接続されている。また、副絵素122は、TFT124を介して走査線Gn及び信号線Smに接続されている。即ち、TFT123、124のゲート電極は、共通(同一)の走査線Gnに接続されている。また、TFT123、124のソース電極は、共通(同一)の信号線Smに接続されている。
【0014】
副絵素121は、液晶容量CLC100と補助容量CCS100とを有している。液晶容量CLC100及び補助容量CCS100は共に、一方の電極がTFT123のドレイン電極に接続されている。副絵素121における液晶容量CLC100の他方の電極は、対向電圧VCOM100に接続されている。副絵素121における補助容量CCS100の他方の電極は、補助容量配線125に接続されている。これにより、副絵素121における補助容量CCS100には、補助容量配線125から補助容量対向電圧(以下、CS電圧と称する)が印加され得る。
【0015】
また、副絵素122は、液晶容量CLC101と補助容量CCS101とを有している。液晶容量CLC101及び補助容量CCS101は共に、一方の電極がTFT124のドレイン電極に接続されている。副絵素122における液晶容量CLC101の他方の電極は、対向電圧VCOM101に接続されている。副絵素122における補助容量CCS101の他方の電極は、補助容量配線126に接続されている。これにより、副絵素122における補助容量CCS101には、補助容量配線126から、上記補助容量CCS100に供給され得るCS電圧と異なるCS電圧が印加され得る。
【0016】
図12に示す液晶表示装置において、副絵素121、122のそれぞれに印加されるソース電圧及びCS電圧の波形の一例を図13に示す。
【0017】
図12に示す構成を有する液晶表示装置では、分割された副絵素121、122に対して、それぞれ異なるCS電圧を印加する。これにより、TFT123におけるドレイン電圧は、TFT124におけるドレイン電圧と異なる電圧となる。そして、副絵素121、122では、表示される階調も互いに異なることとなる。なお、この場合CS電圧は、AC(alternating current)により駆動される。
【0018】
具体的には、TFT123、124のソース電極は、互いに同じゲートタイミングでオンされる。しかしながら、TFT123、124のドレイン電極に接続されるCS電極(即ち、補助容量CCS100、CCS101)の電圧は、互いに異なる。そのため、TFT123とTFT124とでは、実際に保持される電圧が異なる。そして、これにより、副絵素121、122では、互いに異なる輝度、即ち、互いに異なる階調の表示が可能となる。
【0019】
なお、補助容量配線125におけるCS電圧の振幅と、補助容量配線126におけるCS電圧の振幅とは、図13に示すとおり、互いに略同一の振幅及び周波数を有し、かつ、位相が概ね180度異なる。また、次フレームにおいては、TFT123、124のソース電圧の反転に合わせてCS電圧も反転する。こうして、CS電圧は、ACにより駆動される。
【0020】
副絵素121に印加される電圧Va、及び副絵素122に印加される電圧Vbは、目標となる輝度を与える本来の印加電圧Vmに対して、
Vm=(Va+Vb)/2
という関係を満足する。このことから、目標となる輝度は、副絵素121、122の表示輝度の平均によって得られる。
【0021】
特許文献2には、水平走査期間の短い高精細のパネルに対して、CS電圧の反転をフレーム周期より長い周期にて行う技術が開示されている。
【0022】
高精細の液晶表示パネルにおいては、水平走査期間が短くなり、かつ、補助容量の数が多くなる。そのため、当該液晶表示パネルでは、CS電圧を与える補助容量駆動信号の波形に鈍りが発生する。また、この波形鈍りの程度は、液晶表示パネル内の場所によって異なる。このため、副絵素電極へと印加される実効的な電圧も、当該液晶表示パネル内の場所によって異なる。そして、これにより、当該液晶表示パネルでは、表示の輝度のムラが発生する問題が発生していた。
【0023】
この問題を解決するため、特許文献2に開示されている技術では、CS電圧の振動周期を長くしている。そして、これにより、特許文献2に開示されている技術では、上記表示の輝度のムラを低減している。
【0024】
例えば、図13に示すとおり、1フレーム毎にCS電圧の波形を反転させる場合は、2種類のCS電圧波形を用意する必要がある。
【0025】
また、図14(a)・(b)では、2フレーム毎にCS電圧の波形を反転させる例について図示している。こうした場合は、位相が1フレーム分だけずれた波形をさらに用意する必要がある。そのため、図14(a)・(b)に示す例では、「VCSVtypeA1」〜「VCSVtypeA4」という、4種類のCS電圧波形を用意する必要がある。この場合、液晶表示パネル上でのCS電圧の信号線は、図15に示すとおり、絵素の両端に、かつ補助容量配線150に直交する方向に、「CSVtypeA1」〜「CSVtypeA4」からなる幹線151が配置されている。そして、CS電圧は、この幹線151から引き出された補助容量配線150により、各補助容量152へと供給されている。
【0026】
図16は、液晶表示パネルのガラス基板における、補助容量駆動信号の配線を示す。
【0027】
液晶表示パネル160のガラス基板161には、信号線Smに表示信号を供給するソースドライバ162と、走査線Gnに走査線駆動信号(走査線信号)を与えるゲートドライバ163とが実装されている。
【0028】
ソースドライバ162を制御する信号、ゲートドライバ163を制御する信号、及び補助容量駆動信号は、図示しないコントローラにて生成され、ソースドライバ162に供給されている。このうち、ゲートドライバ163を制御する信号及び補助容量駆動信号は、ソースドライバ162のパッケージ上に設けられた配線164を通じ、ガラス基板161上の配線165へ与えられている。さらにこのうち、ゲートドライバ163を制御する信号は、ガラス基板161上の配線165を介して、ゲートドライバ163Aの入力端子に供給されている。
【0029】
ゲートドライバ163Aは、上記走査線駆動信号を生成すると共に、次段のゲートドライバ163Bへと、上記制御信号を供給する。
【0030】
補助容量駆動信号を供給するガラス基板161上の配線165は、まず基幹信号線として、基幹配線166を、走査線と直交する方向に伸長している。そして、補助容量駆動信号は、この基幹配線166から引き出された補助容量配線CSLにより、各補助容量CCSへ供給されている。なお、説明を行っていない図16の参照符号「CLC」は液晶容量、参照符号「VCOM」は対向電圧である。
【特許文献1】特開2004−62146号公報(2004年2月26日公開)
【特許文献2】特開2005−189804号公報(2005年7月14日公開)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0031】
特許文献1に開示されている技術において、上述した、液晶表示パネルにおける表示の輝度のムラを低減するためには、補助容量駆動信号を補助容量へと供給する配線のインピーダンスを低下させる必要がある。そして、当該配線のインピーダンスを低下させるためには、当該配線の線幅を太くする必要がある。
【0032】
上記配線は、表示を行う画素と同一のパネル、即ち、表示を行う画素と同一のガラス基板上に配置されている。ここで、当該ガラス基板上に設けられた配線は、配線抵抗が大きい。そのため、当該配線の線幅は、充分に太くしなければならない。これにより、当該液晶表示パネルでは、上記基幹配線が非常に太くなり、表示画素以外の領域が大きくなってしまう。そして結果として、当該液晶表示パネルでは、額縁の狭小化が困難であるという問題が発生する。
【0033】
また、特許文献2に開示される技術では、CS電圧の振動周期を長くすることで、波形鈍りの影響を抑制し、上記表示の輝度のムラを低減している。
【0034】
しかしながら、この場合は、用いるCS電圧の波形の種類が多くなる。このため、液晶表示パネルでは、CS電圧生成のための電圧源が多数必要となることで、表示画素以外の領域が大きくなってしまう。そしてこれにより、特許文献2に開示される技術でも同様に、額縁の狭小化が困難であるという問題が発生する。
【0035】
本発明は、上記の問題に鑑みて為されたものであり、その目的は、マルチ絵素駆動で駆動される表示装置において、額縁の狭小化が実現可能である表示装置及び走査線駆動装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0036】
本発明に係る表示装置は、上記の問題を解決するため、走査線駆動装置と、1つの表示絵素が分割された複数の副絵素と、を備え、上記複数の副絵素は、それぞれ異なる補助容量配線に接続された補助容量を有しており、上記各補助容量配線に供給される補助容量駆動信号に基づいて上記補助容量を駆動することにより、上記複数の副絵素をそれぞれ異なる輝度で表示可能である表示装置であって、上記走査線駆動装置は、上記各補助容量配線に供給すべき補助容量駆動信号が入力され、入力された当該補助容量駆動信号の波形を整形して当該各補助容量配線に供給するバッファを備えることを特徴としている。
【0037】
ここで「補助容量駆動信号の波形を整形する」処理とは、当該補助容量駆動信号に発生する鈍りを低減させる処理等の、当該補助容量駆動信号による補助容量の駆動を好適に行う、即ち、当該補助容量の駆動能力を向上させるための処理を意味する。一般的にバッファは、シュミット・トリガ機能を有しており、こうした処理を容易に実施することが可能である。
【0038】
上記の構成によれば、補助容量駆動信号は、一旦走査線駆動装置に設けられたバッファに入力される。そして、バッファは、自身に入力された補助容量駆動信号の波形を整形し、各補助容量配線に供給する。本発明に係る表示装置は、こうして、走査線駆動装置のバッファにより補助容量の駆動を行う。
【0039】
これにより、本発明に係る表示装置では、補助容量駆動信号を、バッファを介して各補助容量配線に供給することにより、波形の鈍りが低減された補助容量駆動信号を各補助容量配線に供給することが可能となる、即ち、補助容量の駆動能力を向上させることができる。このことから、本発明に係る表示装置では、基幹配線を構成する配線の線幅を細くする場合であっても、波形鈍り、表示の輝度のムラ等の発生による影響を抑制することができる。またこのため、本発明に係る表示装置では、波形鈍りの影響を抑制し、表示の輝度のムラを低減すべく、用いるCS電圧の波形の種類を増加させる必要がない。
【0040】
以上のことから、本発明に係る表示装置では、表示画素以外の領域を小さくすることが可能となる。
【0041】
従って、マルチ絵素駆動で駆動される表示装置において、額縁の狭小化が実現可能であるという効果を奏する。
【0042】
また、本発明に係る表示装置は、上記走査線駆動装置は、上記各補助容量配線に供給すべき補助容量駆動信号を、そのまま当該各補助容量配線とは別の外部に出力する配線をさらに備えることを特徴としている。また、本発明に係る表示装置は、上記走査線駆動装置を複数個備え、上記各走査線駆動装置は、上記配線により接続されていることを特徴としている。
【0043】
上記の構成によれば、走査線駆動装置は、補助容量駆動信号を上記補助容量配線とは別の外部に出力する配線をさらに備える。そのため、本発明に係る表示装置では、当該配線を介して、複数個の走査線駆動装置同士を接続するのが効果的である。これにより、当該複数個の走査線駆動装置間においては、補助容量駆動信号を、一方の走査線駆動装置から他方の走査線駆動装置に入力することが可能となる。そして、当該他方の走査線駆動装置では、補助容量駆動信号を、自身が有するバッファを介して各補助容量配線に供給することにより、波形の鈍りが低減された補助容量駆動信号を各補助容量配線に供給することが可能となる、即ち、補助容量の駆動能力を向上させることができる。
【0044】
複数個の走査線駆動装置が補助容量を駆動するということは、即ち、複数個のバッファを用いて補助容量を駆動するということである。従って、この場合は、補助容量の駆動能力をさらに向上させることができる。このことから、本発明に係る表示装置では、基幹配線を構成する配線の線幅をさらに細くすることが可能となる。
【0045】
また、本発明に係る表示装置は、上記各補助容量配線は、上記各走査線駆動装置のいずれかにおけるバッファに接続されるもの毎に分断して設けられていることを特徴としている。
【0046】
上記の構成によれば、走査線駆動装置毎に、補助容量駆動信号の供給を独立して行うことにより、本発明に係る表示装置では、基幹配線の分断が可能となる。これにより、当該基幹配線においては、インピーダンスの低下が容易となるため、当該基幹配線を構成する配線の線幅をさらに細くすることが可能となる。
【0047】
また、本発明に係る表示装置は、上記走査線駆動装置は、上記バッファを複数個備えることを特徴としている。
【0048】
上記の構成によれば、複数個のバッファを用いて補助容量を駆動することで、補助容量の駆動能力をさらに向上させることができる。このことから、本発明に係る表示装置では、基幹配線を構成する配線の線幅をさらに細くすることが可能となる。
【0049】
また、本発明に係る表示装置は、上記各補助容量配線は、上記複数のバッファにおけるいずれかのバッファに接続されるもの毎に分断して設けられていることを特徴としている。
【0050】
上記の構成によれば、複数のバッファ毎に、補助容量駆動信号の供給を独立して行うことにより、本発明に係る表示装置では、基幹配線の分断が可能となる。これにより、当該基幹配線においては、インピーダンスの低下が容易となるため、当該基幹配線を構成する配線の線幅をさらに細くすることが可能となる。
【0051】
また、本発明に係る表示装置は、上記走査線駆動装置のバッファは、自身に入力された補助容量駆動信号を、オーバーシュート駆動により上記各補助容量配線に供給することを特徴としている。
【0052】
上記の構成によれば、走査線駆動装置のバッファは、補助容量駆動信号をオーバーシュート駆動により各補助容量配線に供給する。これにより、各補助容量配線に接続される補助容量が充電される時間を短縮することができるため、複数の副絵素の駆動を速やかに実施することができる。そして、これにより、本発明に係る表示装置では、走査線の増加に起因して、駆動時間が短くなる場合においても、表示の輝度のムラを低減し、表示のばらつきを少なくすることができる。
【0053】
本発明に係る表示装置は、上記の問題を解決するために、走査線駆動装置と、1つの表示絵素が分割された複数の副絵素と、を備え、上記複数の副絵素は、それぞれ異なる補助容量配線に接続された補助容量を有しており、上記各補助容量配線に供給される補助容量駆動信号に基づいて上記補助容量を駆動することにより、上記複数の副絵素をそれぞれ異なる輝度で表示可能である表示装置であって、上記走査線駆動装置は、少なくとも、上記各補助容量配線に供給すべき補助容量駆動信号が入力され、入力された当該補助容量駆動信号の波形を整形して当該各補助容量配線に供給する第1のバッファと、当該各補助容量配線に供給すべき補助容量駆動信号が入力され、入力された当該補助容量駆動信号の波形を整形して当該各補助容量配線とは別の外部に出力する第2のバッファと、を備えることを特徴としている。
【0054】
上記の構成によれば、補助容量駆動信号は、一旦走査線駆動装置に設けられたバッファに入力される。そして、バッファは、自身に入力された補助容量駆動信号の波形を整形し、各補助容量配線に供給する。本発明に係る表示装置は、こうして、走査線駆動装置のバッファにより補助容量の駆動を行う。
【0055】
ここで、本発明に係る表示装置では、補助容量駆動信号がさらに、走査線駆動装置において、第1のバッファとは別に設けられた第2のバッファに一旦入力される。そして、第2のバッファは、自身に入力された補助容量駆動信号の波形を整形し、各補助容量配線とは別の外部に出力する。
【0056】
これにより、本発明に係る表示装置では、補助容量駆動信号を、第1のバッファを介して各補助容量配線に供給することにより、波形の鈍りが低減された補助容量駆動信号を各補助容量配線に供給することが可能となる、即ち、補助容量の駆動能力を向上させることができる。このことから、本発明に係る表示装置では、基幹配線を構成する配線の線幅を細くする場合であっても、波形鈍り、表示の輝度のムラ等の発生による影響を抑制することができる。またこのため、本発明に係る表示装置では、波形鈍りの影響を抑制し、表示の輝度のムラを低減すべく、用いるCS電圧の波形の種類を増加させる必要がない。
【0057】
以上のことから、本発明に係る表示装置では、表示画素以外の領域を小さくすることが可能となる。
【0058】
従って、マルチ絵素駆動で駆動される表示装置において、額縁の狭小化が実現可能であるという効果を奏する。
【0059】
また、上記の構成によれば、走査線駆動装置の第2のバッファに入力された補助容量駆動信号を外部に出力することにより、波形の鈍りが低減された当該補助容量駆動信号を外部の装置に入力することができる。
【0060】
また、本発明に係る表示装置は、上記走査線駆動装置を複数段備え、最後段の走査線駆動装置よりも前段に備えられる各走査線駆動装置の第2のバッファはそれぞれ、当該各走査線駆動装置の次段に備えられる走査線駆動装置の第1のバッファと接続されていることを特徴としている。
【0061】
上記の構成によれば、本発明に係る走査線駆動装置では、最後段の走査線駆動装置よりも前段に備えられる各走査線駆動装置の第2のバッファが、当該各走査線駆動装置の次段に備えられる走査線駆動装置の第1のバッファと接続されている。本発明に係る表示装置では、こうして当該各走査線駆動装置同士を順次接続するのが効果的である。これにより、当該各走査線駆動装置間においては、波形の鈍りが低減された補助容量駆動信号を、各走査線駆動装置に順次入力することが可能となる。そして、当該各走査線駆動装置においては、補助容量駆動信号を、自身が有する第1のバッファを介して各補助容量配線に供給することにより、波形の鈍りが低減された補助容量駆動信号を各補助容量配線に供給することが可能となる、即ち、補助容量の駆動能力を向上させることができる。
【0062】
複数段の走査線駆動装置が補助容量を駆動するということは、即ち、複数個の第1のバッファを用いて補助容量を駆動するということである。従って、この場合は、補助容量の駆動能力をさらに向上させることができる。このことから、本発明に係る表示装置では、基幹配線を構成する配線の線幅をさらに細くすることが可能となる。
【0063】
また、上記の構成によれば、補助容量駆動信号は、走査線駆動装置の第2のバッファを介して次段の走査線駆動装置に出力されるため、補助容量駆動信号の鈍り及び遅延に起因する、上記複数の走査線駆動装置間における、当該補助容量駆動信号の波形の変動を抑制することができる。
【0064】
また、本発明に係る表示装置は、上記走査線駆動装置の第1のバッファは、自身に入力された補助容量駆動信号を、オーバーシュート駆動により上記各補助容量配線に供給することを特徴としている。
【0065】
上記の構成によれば、走査線駆動装置の第1のバッファは、補助容量駆動信号をオーバーシュート駆動により各補助容量配線に供給する。これにより、各補助容量配線に接続される補助容量が充電される時間を短縮することができるため、複数の副絵素の駆動を速やかに実施することができる。そして、これにより、本発明に係る表示装置では、走査線の増加に起因して、駆動時間が短くなる場合においても、表示の輝度のムラを低減し、表示のばらつきを少なくすることができる。
【0066】
また、本発明に係る表示装置は、上記走査線駆動装置には、上記各補助容量配線に供給すべき補助容量駆動信号が入力されていることを特徴としてもよい。
【0067】
本発明に係る走査線駆動装置は、上記の問題を解決するため、1つの表示絵素が分割された複数の副絵素を備え、当該複数の副絵素は、それぞれ異なる補助容量配線に接続された補助容量を有しており、当該各補助容量配線に供給される補助容量駆動信号に基づいて当該補助容量を駆動することにより、当該複数の副絵素をそれぞれ異なる輝度で表示可能である表示装置に備えられ、上記表示装置に設けられている走査線を駆動する走査線駆動装置であって、上記各補助容量配線に供給すべき補助容量駆動信号が入力され、入力された当該補助容量駆動信号の波形を整形して当該各補助容量配線に供給するバッファを備えることを特徴としている。
【0068】
上記の構成によれば、補助容量駆動信号は、一旦走査線駆動装置自身に設けられたバッファに入力される。そして、バッファは、自身に入力された補助容量駆動信号の波形を整形し、表示装置の各補助容量配線に供給する。本発明に係る走査線駆動装置は、こうして、自身に設けられたバッファにより補助容量の駆動を行う。
【0069】
これにより、本発明に係る走査線駆動装置では、補助容量駆動信号を、バッファを介して表示装置の各補助容量配線に供給することにより、波形の鈍りが低減された補助容量駆動信号を表示装置の各補助容量配線に供給することが可能となる、即ち、当該表示装置における補助容量の駆動能力を向上させることができる。このことから、本発明に係る走査線駆動装置では、表示装置における基幹配線を構成する配線の線幅を細くする場合であっても、波形鈍り、表示の輝度のムラ等の発生による影響を抑制することができる。またこのため、本発明に係る走査線駆動装置を備える表示装置では、波形鈍りの影響を抑制し、表示の輝度のムラを低減すべく、用いるCS電圧の波形の種類を増加させる必要がない。
【0070】
以上のことから、本発明に係る走査線駆動装置では、マルチ絵素駆動で駆動される表示装置における表示画素以外の領域を小さくすることが可能である。
【0071】
従って、マルチ絵素駆動で駆動される表示装置において、額縁の狭小化が実現可能であるという効果を奏する。
【0072】
また、本発明に係る走査線駆動装置は、上記各補助容量配線に供給すべき補助容量駆動信号を、そのまま当該各補助容量配線とは別の外部に出力する配線をさらに備えることを特徴としている。
【0073】
上記の構成によれば、入力された補助容量駆動信号を、そのまま補助容量配線とは別の外部に出力する配線をさらに備える。そのため、当該配線を介して、本発明に係る走査線駆動装置と外部の装置とを接続することにより、当該補助容量駆動信号を当該外部の装置に入力することができる。
【0074】
また、本発明に係る走査線駆動装置は、上記バッファは、自身に入力された補助容量駆動信号を、オーバーシュート駆動により上記各補助容量配線に供給することを特徴としている。
【0075】
上記の構成によれば、バッファは、補助容量駆動信号をオーバーシュート駆動により各補助容量配線に供給する。これにより、各補助容量配線に接続される補助容量が充電される時間を短縮することができるため、複数の副絵素の駆動を速やかに実施することができる。そして、これにより、本発明に係る走査線駆動装置を備える表示装置では、走査線の増加に起因して、駆動時間が短くなる場合においても、表示の輝度のムラを低減し、表示のばらつきを少なくすることができる。
【0076】
本発明に係る走査線駆動装置は、上記の問題を解決するため、1つの表示絵素が分割された複数の副絵素を備え、当該複数の副絵素は、それぞれ異なる補助容量配線に接続された補助容量を有しており、当該各補助容量配線に供給される補助容量駆動信号に基づいて当該補助容量を駆動することにより、当該複数の副絵素をそれぞれ異なる輝度で表示可能である表示装置に備えられ、上記表示装置に設けられている走査線を駆動する走査線駆動装置であって、少なくとも、上記各補助容量配線に供給すべき補助容量駆動信号が入力され、入力された当該補助容量駆動信号の波形を整形して当該各補助容量配線に供給する第1のバッファと、当該各補助容量配線に供給すべき補助容量駆動信号が入力され、入力された当該補助容量駆動信号の波形を整形して当該各補助容量配線とは別の外部に出力する第2のバッファと、を備えることを特徴としている。
【0077】
上記の構成によれば、補助容量駆動信号は、一旦走査線駆動装置自身に設けられた第1のバッファに入力される。そして、第1のバッファは、自身に入力された補助容量駆動信号の波形を整形し、各補助容量配線に供給する。本発明に係る走査線駆動装置は、こうして、自身に設けられた第1のバッファにより補助容量の駆動を行う。
【0078】
ここで、本発明に係る走査線駆動装置では、補助容量駆動信号がさらに、第1のバッファとは別に設けられた第2のバッファに一旦入力される。そして、第2のバッファは、自身に入力された補助容量駆動信号の波形を整形し、各補助容量配線とは別の外部に出力する。
【0079】
これにより、本発明に係る走査線駆動装置では、補助容量駆動信号を、第1のバッファを介して表示装置の各補助容量配線に供給することにより、波形の鈍りが低減された補助容量駆動信号を表示装置の各補助容量配線に供給することが可能となる、即ち、当該表示装置が有する補助容量の駆動能力を向上させることができる。このことから、本発明に係る走査線駆動装置では、表示装置における基幹配線を構成する配線の線幅を細くする場合であっても、波形鈍り、表示の輝度のムラ等の発生による影響を抑制することができる。またこのため、本発明に係る走査線駆動装置を備える表示装置では、波形鈍りの影響を抑制し、表示の輝度のムラを低減すべく、用いるCS電圧の波形の種類を増加させる必要がない。
【0080】
以上のことから、本発明に係る走査線駆動装置では、マルチ絵素駆動で駆動される表示装置における表示画素以外の領域を小さくすることが可能である。
【0081】
従って、マルチ絵素駆動で駆動される表示装置において、額縁の狭小化が実現可能であるという効果を奏する。
【0082】
また、上記の構成によれば、第2のバッファに入力された補助容量駆動信号を外部に出力することにより、波形の鈍りが低減された当該補助容量駆動信号を外部の装置に入力することができる。
【0083】
また、本発明に係る走査線駆動装置は、上記第1のバッファは、自身に入力された補助容量駆動信号を、オーバーシュート駆動により上記各補助容量配線に供給することを特徴としている。
【0084】
上記の構成によれば、第1のバッファは、補助容量駆動信号をオーバーシュート駆動により各補助容量配線に供給する。これにより、各補助容量配線に接続される補助容量が充電される時間を短縮することができるため、複数の副絵素の駆動を速やかに実施することができる。そして、これにより、本発明に係る走査線駆動装置を備える表示装置では、走査線の増加に起因して、駆動時間が短くなる場合においても、表示の輝度のムラを低減し、表示のばらつきを少なくすることができる。
【0085】
また、本発明に係る走査線駆動装置は、上記各補助容量配線に供給すべき補助容量駆動信号が入力されていることを特徴としてもよい。
【発明の効果】
【0086】
以上のとおり、本発明に係る表示装置は、走査線駆動装置と、1つの表示絵素が分割された複数の副絵素と、を備え、上記複数の副絵素は、それぞれ異なる補助容量配線に接続された補助容量を有しており、上記各補助容量配線に供給される補助容量駆動信号に基づいて上記補助容量を駆動することにより、上記複数の副絵素をそれぞれ異なる輝度で表示可能である表示装置であって、上記走査線駆動装置は、上記各補助容量配線に供給すべき補助容量駆動信号が入力され、入力された当該補助容量駆動信号の波形を整形して当該各補助容量配線に供給するバッファを備える構成である。
【0087】
また、本発明に係る表示装置は、走査線駆動装置と、1つの表示絵素が分割された複数の副絵素と、を備え、上記複数の副絵素は、それぞれ異なる補助容量配線に接続された補助容量を有しており、上記各補助容量配線に供給される補助容量駆動信号に基づいて上記補助容量を駆動することにより、上記複数の副絵素をそれぞれ異なる輝度で表示可能である表示装置であって、上記走査線駆動装置は、少なくとも、上記各補助容量配線に供給すべき補助容量駆動信号が入力され、入力された当該補助容量駆動信号の波形を整形して当該各補助容量配線に供給する第1のバッファと、当該各補助容量配線に供給すべき補助容量駆動信号が入力され、入力された当該補助容量駆動信号の波形を整形して当該各補助容量配線とは別の外部に出力する第2のバッファと、を備える構成である。
【0088】
以上のとおり、本発明に係る走査線駆動装置は、1つの表示絵素が分割された複数の副絵素を備え、当該複数の副絵素は、それぞれ異なる補助容量配線に接続された補助容量を有しており、当該各補助容量配線に供給される補助容量駆動信号に基づいて当該補助容量を駆動することにより、当該複数の副絵素をそれぞれ異なる輝度で表示可能である表示装置に備えられ、上記表示装置に設けられている走査線を駆動する走査線駆動装置であって、上記各補助容量配線に供給すべき補助容量駆動信号が入力され、入力された当該補助容量駆動信号の波形を整形して当該各補助容量配線に供給するバッファを備える構成である。
【0089】
また、本発明に係る走査線駆動装置は、1つの表示絵素が分割された複数の副絵素を備え、当該複数の副絵素は、それぞれ異なる補助容量配線に接続された補助容量を有しており、当該各補助容量配線に供給される補助容量駆動信号に基づいて当該補助容量を駆動することにより、当該複数の副絵素をそれぞれ異なる輝度で表示可能である表示装置に備えられ、上記表示装置に設けられている走査線を駆動する走査線駆動装置であって、少なくとも、上記各補助容量配線に供給すべき補助容量駆動信号が入力され、入力された当該補助容量駆動信号の波形を整形して当該各補助容量配線に供給する第1のバッファと、当該各補助容量配線に供給すべき補助容量駆動信号が入力され、入力された当該補助容量駆動信号の波形を整形して当該各補助容量配線とは別の外部に出力する第2のバッファと、を備える構成である。
【0090】
従って、マルチ絵素駆動で駆動される表示装置において、額縁の狭小化が実現可能であるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0091】
〔実施の形態1〕
本発明の一実施形態について図1ないし図4に基づいて説明すると以下の通りである。
【0092】
図1は、本発明の一実施形態を示すものであり、走査線駆動装置の概略構成を示すブロック図である。
【0093】
図1に示すゲートドライバ(走査線駆動装置)1は、コントロールロジック11A、11B、双方向シフトレジスタ12、レベルシフタ13及び出力回路14を備える構成である。
【0094】
さらに、ゲートドライバ1は、バッファ21A、21Bを備える構成である。
【0095】
なお、図1に図示されている円形の部材はいずれも、ゲートドライバ1に設けられる端子であり、当該円形の部材の横に付されている符号(文字)は、当該ゲートドライバ1に設けられる端子の端子名である。
【0096】
ゲートドライバ1に設けられる端子「LBR」は、双方向シフトレジスタ12のシフト方向を示す制御信号が入力される入力端子である。この端子「LBR」は、状態「H」と状態「L」とを有しており、当該制御信号に応じて、状態「H」と状態「L」とを切り替えることで、双方向シフトレジスタ12のシフト方向を制御する。そしてこれにより、ゲートドライバ1では、出力回路14が出力する走査線駆動信号の走査方向が決定される。
【0097】
ゲートドライバ1に設けられる端子「GSPOI」、「GSPIO」は、入力端子と出力端子とを、上記端子「LBR」に入力される制御信号に応じて切り替える機能を有するIO(Input/Output)端子である。ここで、上記端子「LBR」が状態「H」である場合は、端子「GSPOI」が入力端子となり、端子「GSPIO」が出力端子となる。反対に、上記端子「LBR」が状態「L」である場合は、端子「GSPOI」が出力端子となり、端子「GSPIO」が入力端子となる。なお、端子「GSPOI」、「GSPIO」のうち、入力端子の機能を有する端子は、双方向シフトレジスタ12の動作を開始させるための信号(以下、「走査開始信号」と称する)が入力される。また、端子「GSPOI」、「GSPIO」のうち、出力端子の機能を有する端子は、当該走査開始信号を、ゲートドライバ1とカスケード接続された図示しない次段のゲートドライバに出力する。例えばゲートドライバ1が、後述する図4に示すゲートドライバ1Aである場合、「次段のゲートドライバ」とは、図4に示すゲートドライバ1Bである。
【0098】
ゲートドライバ1に設けられる端子「GCKOI」、「GCKIO」は、端子「GSPOI」、「GSPIO」と同様に、入力端子と出力端子とを、上記端子「LBR」に入力される制御信号に応じて切り替える機能を有するIO端子である。上記端子「LBR」が状態「H」である場合は、端子「GCKOI」が入力端子となり、端子「GCKIO」が出力端子となる。反対に、上記端子「LBR」が状態「L」である場合は、端子「GCKOI」が出力端子となり、端子「GCKIO」が入力端子となる。なお、端子「GCKOI」、「GCKIO」のうち、入力端子の機能を有する端子は、双方向シフトレジスタ12の駆動クロック信号が入力される。また、端子「GCKOI」、「GCKIO」のうち、出力端子の機能を有する端子は、当該駆動クロック信号を、上記次段のゲートドライバに出力する。
【0099】
ゲートドライバ1に設けられる端子「VGL」、「VGH」は、出力回路14を動作させるための、図示しない電源が接続される電源端子である。なお、出力回路14は、走査線駆動信号を、後述する端子「OG1」〜「OG272」に出力するものである。端子「VGL」に印加される当該電源の電源電圧をvgl、端子「VGH」に印加される当該電源の電源電圧をvghとすると、出力回路14は、当該走査線駆動信号を、vglからvghまでの振幅を有する信号として出力する。
【0100】
ゲートドライバ1に設けられる端子「VCC」は、ゲートドライバ1を動作させるための、図示しない電源が接続される電源端子である。ゲートドライバ1に設けられる端子「GND」は、接地端子である。
【0101】
また、ゲートドライバ1には、272個の端子「OG1」〜「OG272」が設けられる。なお、本願図面ではいずれも、図面の簡略化のため、端子「OG2」〜「OG271」までの、270個の端子について図示を省略している。この端子「OG1」〜「OG272」は、出力回路14からの走査線駆動信号を、ゲートドライバ1の外部に出力する走査線駆動信号の出力端子である。また、端子「OG1」〜「OG272」は、走査線Gn(図4参照)が接続されることで、走査線Gnに当該走査線駆動信号を与えて走査線Gnを駆動する、ゲートドライバ1の走査線駆動端子である。図1に示すゲートドライバ1では、「OG1」〜「OG272」という272個の端子が設けられているため、最大272本の走査線を駆動することができる。
【0102】
ゲートドライバ1に設けられる端子「CSVtypeA1R」〜「CSVtypeA4R」、「CSVtypeA1L」〜「CSVtypeA4L」は、補助容量駆動信号をバッファ21A、21Bに入力するための、補助容量駆動信号の入力端子である。ゲートドライバ1に設けられる端子「CSVtypeA1´R」〜「CSVtypeA4´R」、「CSVtypeA1´L」〜「CSVtypeA4´L」は、バッファ21A、21Bから出力された補助容量駆動信号を、補助容量配線(例えば、図4の補助容量配線51参照)に出力するための、補助容量駆動信号の出力端子である。
【0103】
端子「CSVtypeA1R」は、「CSVtypeA1L」と接続される。端子「CSVtypeA2R」は、「CSVtypeA2L」と接続される。端子「CSVtypeA3R」は、「CSVtypeA3L」と接続される。端子「CSVtypeA4R」は、「CSVtypeA4L」と接続される。
【0104】
端子「CSVtypeA1R」〜「CSVtypeA4R」と端子「CSVtypeA1L」〜「CSVtypeA4L」との接続部分には、バッファ21Aの一端(入力端子)及びバッファ21Bの一端(入力端子)が接続される。バッファ21Aの他端(出力端子)は、端子「CSVtypeA1´R」〜「CSVtypeA4´R」に接続され、バッファ21Bの他端(出力端子)は、端子「CSVtypeA1´L」〜「CSVtypeA4´L」に接続される。
【0105】
ゲートドライバ1に入力された補助容量駆動信号は、端子「CSVtypeA1R」〜「CSVtypeA4R」と端子「CSVtypeA1L」〜「CSVtypeA4L」との接続部分からバッファ21A、21Bに入力される。バッファ21A、21Bは、入力された補助容量駆動信号の波形を整形し、端子「CSVtypeA1´R」〜「CSVtypeA4´R」、「CSVtypeA1´L」〜「CSVtypeA4´L」に出力する。ゲートドライバ1では、こうして、バッファ21A、21Bにより波形の鈍りが低減された補助容量駆動信号を上記補助容量配線に供給し、当該補助容量配線に接続される補助容量(図4参照)を駆動する。なお、本発明に係る表示装置、走査線駆動装置において使用されるバッファは、入力のファン・イン数の調節、出力の駆動能力の向上等に使用するものである。入力用として使用されるバッファの多くは、シュミット・トリガ機能を有しており、入力信号の雑音除去、波形整形を行う。また、ここで「補助容量駆動信号の波形を整形する」処理とは、当該補助容量駆動信号に発生する鈍りを低減させる処理、当該補助容量駆動信号の振幅を増幅させる処理等の、当該補助容量駆動信号による補助容量の駆動を好適に行う、即ち、当該補助容量の駆動能力を向上させるための処理を意味する。一般的に上記のようなバッファは、上記シュミット・トリガ機能により、こうした処理を容易に実施することが可能である。
【0106】
ゲートドライバ1に設けられる端子「VCSH」、「VCSL」は、本発明に係る走査線駆動装置に設けられるバッファを動作させるための、図示しない電源が接続される電源端子である。即ち、ゲートドライバ1における端子「VCSH」、「VCSL」は、バッファ21A、21Bを動作させるための、図示しない電源が接続される電源端子である。なお、端子「VCSH」、「VCSL」に印加される、当該電源からの電源電圧は、
端子「VCSH」の電源電圧>端子「VCSL」の電源電圧
の関係を有する。
【0107】
図2は、バッファ21A、及びバッファ21Bの回路構成を示す図である。
【0108】
図2に示すバッファ210は、バッファ21A、及びバッファ21Bとして好適に使用されるものである。図2に示すバッファ210は、入力端子211、2つのインバータ212A、212B、及び出力端子213が、この順番に直列接続される構成である。
【0109】
図2に示すバッファ210は、入力端子211が、図1に示すゲートドライバ1における、端子「CSVtypeA1R」と端子「CSVtypeA1L」との間、端子「CSVtypeA2R」と端子「CSVtypeA2L」との間、端子「CSVtypeA3R」と端子「CSVtypeA3L」との間、及び端子「CSVtypeA4R」と端子「CSVtypeA4L」との間に接続される。これは、図2に示すバッファ210を、図1に示すバッファ21Aとして用いる場合であっても、図1に示すバッファ21Bとして用いる場合であっても同様である。
【0110】
また、図1に示すバッファ21Aとして用いる場合、バッファ210の出力端子213は、図1に示すゲートドライバ1における、端子「CSVtypeA1´R」〜「CSVtypeA4´R」に接続される。また、図1に示すバッファ21Bとして用いる場合、バッファ210の出力端子213は、図1に示すゲートドライバ1における、端子「CSVtypeA1´L」〜「CSVtypeA4´L」に接続される。
【0111】
また、図2に示すバッファ210に設けられる、2つのインバータ212A、212Bはいずれも、電源ラインVCSHが、図1に示すゲートドライバ1に設けられる端子「VCSH」に接続され、電源ラインVCSLが、図1に示すゲートドライバ1に設けられる端子「VCSL」に接続される。
【0112】
インバータ212Aは、端子「VCSH」からの電圧がソースに印加されるpチャネル型のMOS(Metal Oxide Semiconductor)電界効果トランジスタ212APと、端子「VCSL」からの電圧がソースに印加されるnチャネル型のMOS電界効果トランジスタ212ANとを備えるインバータ回路である。また、インバータ212Bは、端子「VCSH」からの電圧がソースに印加されるpチャネル型のMOS電界効果トランジスタ212BPと、端子「VCSL」からの電圧がソースに印加されるnチャネル型のMOS電界効果トランジスタ212BNとを備えるインバータ回路である。
【0113】
そして、図2に示すバッファ210は、インバータ212A、212Bを、2段に接続して構成されるものである。
【0114】
ここで、本発明に係る走査線駆動装置において、走査線駆動信号を生成する原理について、その概要を説明する。
【0115】
まず、図1に示すゲートドライバ1の端子「LBR」には、該端子「LBR」を「H」状態または「L」状態とするための制御信号が供給される。これにより、ゲートドライバ1では、双方向シフトレジスタ12のシフト方向が決定され、走査線駆動信号の走査方向が決定される。なお、ここでは、端子「LBR」を「H」状態とする場合を想定し、上記概要を説明する。このとき、出力回路14が出力する走査線駆動信号の走査方向、即ち、走査線駆動信号が供給される走査線の順番は、端子「OG1」に接続される走査線、端子「OG2」に接続される走査線、・・・、端子「OG272」に接続される走査線、となる。
【0116】
垂直同期信号を基に生成された走査開始信号が、ゲートドライバ1の端子「GSPOI」から入力されると、双方向シフトレジスタ12は、ゲートドライバ1の端子「GCKOI」から入力される駆動クロック信号に同期してシフト動作を開始し、該シフト動作によりパルス信号である第1のパルスを生成する。なお、この駆動クロック信号には、水平同期信号を基に生成された信号が使用される。
【0117】
上記第1のパルスは、レベルシフタ13にて、上記電圧vglから上記電圧vghの振幅を有する信号にレベル変換され、出力回路14から端子「OG1」に接続される走査線へと出力される。次に、双方向シフトレジスタ12は、上記シフト動作により、第1のパルスとは別のパルス信号である第2のパルスを生成する。この第2のパルスは、レベルシフタ13にて、上記電圧vglから上記電圧vghの振幅を有する信号にレベル変換され、出力回路14から端子「OG2」に接続される走査線へと出力される。
【0118】
即ち、双方向シフトレジスタ12は、上記シフト動作により、第nのパルスとは別のパルス信号である第(n+1)のパルスを生成する。この第(n+1)のパルスは、レベルシフタ13にて、上記電圧vglから上記電圧vghの振幅を有する信号にレベル変換され、出力回路14から端子「OG(n+1)」に接続される走査線へと出力される。次に、双方向シフトレジスタ12は、上記シフト動作により、第(n+1)のパルスとは別のパルス信号である第(n+2)のパルスを生成する、といった具合に、以上の動作を、端子「OG272」に接続される走査線へとパルス(第272のパルス)が出力されるまで繰り返す。なお、ここで、「n」とは、双方向シフトレジスタ12の場合、1〜270の間の任意の自然数である。
【0119】
上記双方向シフトレジスタ12におけるシフト動作では、水平同期信号と同期する信号が使用される。そのため、端子「OG1」〜「OG272」から出力する走査線駆動信号は、該水平同期信号の1周期毎に、走査線を1本駆動することとなる。
【0120】
上記シフト動作が終了すると、即ち、端子「OG272」に接続される走査線へと走査線駆動信号を出力すると、ゲートドライバ1は、端子「GSPIO」から走査開始信号を出力すると共に、端子「GCKIO」から駆動クロック信号を出力する。当該走査開始信号及び駆動クロック信号は、上記次段のゲートドライバに入力される。これにより、当該次段のゲートドライバでは、ゲートドライバ1と同様の、走査線駆動装置における走査線駆動信号生成動作を開始する。ゲートドライバ1が、272本の走査線を駆動する場合、上記次段のゲートドライバでは、273本目の走査線から、274本目の走査線、275本目の走査線、・・・、といった具合に、走査線に走査線駆動信号を与える。
【0121】
図3は、ゲートドライバ1の外形を示す図である。
【0122】
なお、本発明に係る走査線駆動装置の特徴をより明確に図示するため、図3に示すゲートドライバ1、後述する図8に示すゲートドライバ2、及び後述する図10に示すゲートドライバ3ではいずれも、補助容量駆動信号が通過する部材を透視した状態で図示している。
【0123】
ゲートドライバ1は、テープ31に、バッファ21A、21Bを備える集積回路32を実装した構成である。なお、図3に示すゲートドライバ1において、各種端子が設けられる端子部33に付されている符号は、ゲートドライバ1の端子に対応する、テープ31の端子名である。
【0124】
ゲートドライバ1の端子は、端子部33の中央に、端子「OG1」〜「OG272」が配置され、その両側に、端子「CSVtypeA1´R」〜「CSVtypeA4´R」、「CSVtypeA1´L」〜「CSVtypeA4´L」が配置される。
【0125】
その他の端子は、端子部33において、端子「CSVtypeA1´R」〜「CSVtypeA4´R」、「CSVtypeA1´L」〜「CSVtypeA4´L」よりも、ゲートドライバ1の両端側に配置される。また、図示はしていないが、図3に2端子設けられる、端子「VGL」、端子「VGH」、端子「GND」、端子「LBR」、端子「VCC」、端子「VCSH」、及び端子「VCSL」はいずれも、当該2端子における、一方の端子と他方の端子とが接続される。
【0126】
端子「CSVtypeA1R」〜「CSVtypeA4R」は、端子「CSVtypeA1L」〜「CSVtypeA4L」と接続される。
【0127】
なお、便宜上、図3以下の図面では、補助容量駆動信号が通過する配線(例えば、端子「CSVtypeA1R」と端子「CSVtypeA1L」とを接続する配線)が複数存在する箇所を、1本の太線で図示している。
【0128】
なお、端子「GSPOI」、「GSPIO」は、一方が入力端子となると他方が出力端子となる入出力関係を有する。即ち、端子「GSPOI」、「GSPIO」は、一方の端子から入力された信号を、他方の端子から出力する。端子「GSPOI」、「GSPIO」は、端子部33の両端に配置されるのが好適である。また、端子「GCKOI」、「GCKIO」についても同様に、端子部33の両端に配置されるのが好適である。
【0129】
バッファ21A、21Bは、上述したとおり、バッファ21Aの入力端子及びバッファ21Bの入力端子が、端子「CSVtypeA1R」〜「CSVtypeA4R」と端子「CSVtypeA1L」〜「CSVtypeA4L」との接続部分に接続され、バッファ21Aの出力端子が、端子「CSVtypeA1´R」〜「CSVtypeA4´R」に接続され、バッファ21Bの出力端子が、端子「CSVtypeA1´L」〜「CSVtypeA4´L」に接続される。
【0130】
図4は、ゲートドライバ1を、表示装置の基板へと実装した状態を示す図である。
【0131】
なお、本発明に係る表示装置の特徴をより明確に図示するため、図4に示す液晶表示パネル(表示装置)40、後述する図17に示す液晶表示パネル170、及び後述する図18に示す液晶表示パネル180ではいずれも、当該各液晶表示パネル自身に設けられるゲートドライバ内部を、部分的に(即ち、ゲートドライバ内部において、走査線駆動信号が通過しない部材を)透視した状態で図示している。
【0132】
なお、図4、後述する図17、及び後述する図18ではいずれも、本発明に係る表示装置として、表示装置に本発明に係る走査線駆動装置を2個実装する例について説明するが、これには限定されない。即ち、本発明に係る走査線駆動装置は、表示装置の基板へと1個だけ実装されてもよいし、3個以上実装されてもよい。
【0133】
以下、図4を用いて、本発明に係る表示装置の構成及び動作原理について説明する。
【0134】
図4に示すとおり、液晶表示パネル40では、1つの表示絵素41が、複数の副絵素42、43に分割されている。また、副絵素42は、TFT44を介して走査線Gn及び信号線(データ線)Smに接続されている。また、副絵素43は、TFT45を介して走査線Gn及び信号線Smに接続されている。即ち、TFT44、45のゲート電極は、共通(同一)の走査線Gnに接続されている。また、TFT44、45のソース電極は、共通(同一)の信号線Smに接続されている。
【0135】
副絵素42、43は、液晶容量と補助容量とを有している。これらの液晶容量及び補助容量は共に、一方の電極がTFT44、45のドレイン電極に接続されている。液晶容量の他方の電極は、対向電圧に接続されている。補助容量の他方の電極は、補助容量配線46、47に接続されている。これにより、副絵素42、43における補助容量には、補助容量配線46、47からCS電圧が印加され得る。即ち、副絵素42、43は、図12に示す副絵素121、122と同様の接続関係を有する。そのため、副絵素42における補助容量に印加されるCS電圧と、副絵素43における補助容量に印加されるCS電圧とは、互いに異なる電圧となり得る。
【0136】
つまり、図4に示す表示絵素41は、図12に示す表示絵素120と同様の構成を有するものである。
【0137】
液晶表示パネル40ではまず、コントローラ48から図1に示すゲートドライバ1と同一の構成を有するゲートドライバ1Aへと、補助容量駆動信号、走査線駆動信号の基となるゲートドライバの制御信号(走査開始信号及び駆動クロック信号)、及び各種電源電圧が入力される。このとき、ゲートドライバ1Aは、端子群C1の端子「LBR」と端子「VCC」とが接続されることで「H」状態に固定される。なお、ゲートドライバ1Aには、補助容量駆動信号が、端子群C1の端子「CSVtypeA1R」〜「CSVtypeA4R」から入力される。また、ゲートドライバ1Aの端子「LBR」が「H」状態であるため、ゲートドライバの制御信号は、ゲートドライバ1Aの端子群C1の端子「GSPOI」、「GCKOI」から入力される。また、各種電源電圧は、ゲートドライバ1Aの端子群C1の端子「VGL」、「VGH」、「GND」、「VCC」、「VCSL」、及び「VCSH」から入力される。
【0138】
ここで、図4において、端子「LBR」、「VGL」、「VGH」、「GND」、「VCC」、「VCSL」、及び「VCSH」は、端子群C1、C2で示すとおり、ゲートドライバ1Aにおけるテープ31の端子部33両端に設けられている。そして、端子群C1に設けられるこれらの端子と、端子群C2に設けられるこれらの端子とは、互いに同一の端子名を有する端子同士が接続される。
【0139】
また、図4に示すとおり、端子群C1に端子「GSPOI」、「GCKOI」が設けられる場合、端子「GSPIO」、「GCKIO」は、端子群C2に設けられる。この場合、端子群C1に設けられる端子「GSPOI」は、端子群C2に設けられる端子「GSPIO」に接続され、端子群C1に設けられる端子「GCKOI」は、端子群C2に設けられる端子「GCKIO」に接続される。
【0140】
同様に、図4に示すとおり、端子群C1に端子「CSVtypeA1R」〜「CSVtypeA4R」が設けられる場合、端子「CSVtypeA1L」〜「CSVtypeA4L」は、端子群C2に設けられる。そして、端子群C1に設けられる端子「CSVtypeA1R」〜「CSVtypeA4R」は、端子群C2に設けられる端子「CSVtypeA1L」〜「CSVtypeA4L」に接続される。
【0141】
そのため、ゲートドライバ1Aの端子群C2に設けられる端子「CSVtypeA1L」〜「CSVtypeA4L」と、ゲートドライバ1Aと同一の構成を有するゲートドライバ1Bの端子群C1に設けられる端子「CSVtypeA1R」〜「CSVtypeA4R」とを、例えばガラス基板49上の配線により接続することで、液晶表示パネル40では、ゲートドライバ1Aに入力される、補助容量駆動信号、ゲートドライバの制御信号、及び各種電源電圧を、当該ゲートドライバ1Aからゲートドライバ1Bに供給することができる。
【0142】
次に、液晶表示パネル40では、コントローラ48から入力された走査線駆動信号の基となる信号を用いて、上述した原理により、ゲートドライバ1Aが走査線駆動信号を生成する。ゲートドライバ1Aの端子「OG1」〜「OG272」は、各々の液晶表示パネル40の走査線Gnに接続される。そして、ゲートドライバ1Aは、端子「OG1」〜「OG272」に接続される各走査線Gnに走査線駆動信号を与える。
【0143】
一方、コントローラ48から入力された補助容量駆動信号は、ゲートドライバ1Aの集積回路32の内部に設けられるバッファ21A、21Bで波形整形が行われ、端子「CSVtypeA1´R」〜「CSVtypeA4´R」、「CSVtypeA1´L」〜「CSVtypeA4´L」から出力される。端子「CSVtypeA1´R」〜「CSVtypeA4´R」、「CSVtypeA1´L」〜「CSVtypeA4´L」は、液晶表示パネル40における補助容量の基幹ライン(基幹配線)50に接続される。さらに、当該基幹ライン50には、補助容量配線51が接続される。バッファ21A、21Bから端子「CSVtypeA1´R」〜「CSVtypeA4´R」、「CSVtypeA1´L」〜「CSVtypeA4´L」に出力される、波形の鈍りが低減された補助容量駆動信号は、端子「CSVtypeA1´R」〜「CSVtypeA4´R」、「CSVtypeA1´L」〜「CSVtypeA4´L」に接続されている当該補助容量配線51全てに与えられ、これにより、当該補助容量配線51に接続される補助容量が駆動される。
【0144】
上記の構成によれば、基幹ライン50は、ゲートドライバ1Aの端子「CSVtypeA1´R」〜「CSVtypeA4´R」、「CSVtypeA1´L」〜「CSVtypeA4´L」に接続される補助容量配線51単位での分断が可能である。即ち、基幹ライン50は、特定の1個のバッファに接続されている補助容量配線51毎に分断して設けられてもよい。
【0145】
以上のとおり、図4に示す液晶表示パネル40では、補助容量駆動信号が入力されるゲートドライバ1A、1Bを備える。そして、ゲートドライバ1A、1Bはそれぞれ、補助容量駆動信号が入力され、当該補助容量駆動信号の波形を整形するバッファ21A、21Bを備える。さらに、バッファ21A、21Bはそれぞれ、自身に入力された補助容量駆動信号の波形を整形して、上記各補助容量配線51に出力することで、当該各補助容量配線51に波形の鈍りが低減された当該補助容量駆動信号を供給する。
【0146】
本発明に係る表示装置では、基幹配線を設ける必要こそあるが、当該基幹配線は、従来技術に係る表示装置のように、液晶表示パネル全体に伸長した状態で設ける必要がない。即ち、本発明に係る表示装置では、従来技術に係る表示装置のように、液晶表示パネル全体の補助容量配線に接続される補助容量を駆動する必要がない。このため、本発明に係る表示装置では、基幹配線を構成する配線の線幅を、従来技術に係る表示装置の基幹配線を構成する配線の線幅と比較して細くすることができる。なお、バッファの大きさにも関係するため一概には言えないが、従来技術に係る表示装置が4個のゲートドライバにより補助容量を駆動する場合、当該表示装置のかわりに、図4に示す液晶表示パネル40の構成を採用することにより、従来技術に係る表示装置の基幹配線は、8つの基幹配線に分割することができる。このため、図4に示す液晶表示パネル40では、基幹ライン50を構成する配線の線幅を例えば、従来技術に係る表示装置における基幹配線の線幅の1/8とすることができる。
【0147】
従って、本発明に係る表示装置では、額縁の狭小化を実現することが可能であるという効果を奏する。
【0148】
本発明に係る表示装置は、基幹配線が分断されずに、該表示装置に設けられる走査線駆動装置毎に、上述した機能を有するバッファを1個または複数個設け、当該各バッファから、補助容量駆動信号を各補助容量配線に供給するものであってもよい。これは、各走査線駆動装置が、表示装置に分散して実装されており、これに伴い、当該各表示装置内部に設けられるバッファも分散されて複数個実装されていることによる。この場合は、各バッファ総計の駆動能力が充分に高ければ、上記基幹ラインを分断せずに、基幹配線を構成する配線の線幅を細くすることも可能である。
【0149】
〔実施の形態2〕
本発明の一実施形態について図5ないし図8、図17に基づいて説明すると以下の通りである。
【0150】
図5は、本発明の別の実施形態を示すものであり、走査線駆動装置の概略構成を示すブロック図である。
【0151】
図5に示すゲートドライバ2は、図1に示すゲートドライバ1の構成において、端子「CSVtypeA1´R」〜「CSVtypeA4´R」、または、端子「CSVtypeA1´L」〜「CSVtypeA4´L」が省略される。即ち、図5に示すゲートドライバ2は、補助容量駆動信号の出力端子として、端子「CSVtypeA1´」〜「CSVtypeA4´」が設けられる。また、図5に示すゲートドライバ2は、図1に示すゲートドライバ1の構成において、端子「OVCSH」、「OVCSL」が追加される構成である。
【0152】
図5に示すゲートドライバ2は、1個のバッファ22を備える。これに伴い、本実施の形態において、端子「VCSH」、「VCSL」は、バッファ22を動作させるための、図示しない電源が接続される電源端子となる。
【0153】
端子「OVCSH」、「OVCSL」は、端子「VCSH」、「VCSL」と同様に、バッファ22を動作させるための、図示しない電源が接続される電源端子である。ここで、端子「OVCSH」に印加される、当該電源からの電源電圧は、端子「VCSH」に印加される、当該電源からの電源電圧よりも数V高い。また、端子「OVCSL」に印加される、当該電源からの電圧の電位は、端子「VCSL」に印加される、当該電源からの電源電圧よりも数V低い。
【0154】
図6は、図5に示す走査線駆動装置に設けられるバッファの回路構成を示す図である。
【0155】
図6に示すバッファ220は、バッファ22、及び後述するバッファ23(図9参照)として好適に使用されるものである。図6に示すバッファ220は、図2に示すバッファ210の構成において、インバータ212Bのかわりに、インバータ回路212Cを備える構成である。インバータ回路212Cは、インバータ212Bの構成において、トランジスタ212BPのソースにスイッチSW1をさらに備え、トランジスタ212BNのソースにスイッチSW2をさらに備える構成である。
【0156】
スイッチSW1、SW2は共に、例えば、c接点動作を行う単極の切替スイッチにより構成される。スイッチSW1は、自身のオンオフを切り替えることで、トランジスタ212BPのソースが、端子「VCSH」に接続される状態と、端子「OVCSH」に接続される状態とを切り替える。スイッチSW2は、自身のオンオフを切り替えることで、トランジスタ212BNのソースが、端子「VCSL」に接続される状態と、端子「OVCSL」に接続される状態とを切り替える。
【0157】
ここで、スイッチSW1は、入力端子211から入力される補助容量駆動信号の立ち上がりの瞬間から所定の時間だけ、トランジスタ212BPのソースが、端子「OVCSH」に接続される状態とし、それ以外の時間においては、トランジスタ212BPのソースが、端子「VCSH」に接続される状態とする。同様に、スイッチSW2は、上記補助容量駆動信号の立ち下がりの瞬間から所定の時間だけ、トランジスタ212BNのソースが端子「OVCSL」に接続される状態とし、それ以外の時間においては、トランジスタ212BNのソースが端子「VCSL」に接続される状態とする。
【0158】
図6に示すバッファ220において、スイッチSW1、SW2の切り替え動作を上述したとおりに制御する場合、上記バッファが出力する信号は、図7に示す波形となる。
【0159】
図7は、バッファ220により、いわゆるオーバーシュート処理が実施された後の、信号の波形を示すグラフである。なお、図7に示すグラフにおいて、縦軸は、上記補助容量駆動信号のレベルであり、横軸は、時間である。
【0160】
スイッチSW1は、図7に波形を示す上記補助容量駆動信号の立ち上がりの瞬間T1から、当該立ち上がりの瞬間T1から所定時間経過後のT2までの間T3において、トランジスタ212BPのソースと、端子「VCSH」の電位よりも数V高い電位を有する端子「OVCSH」とを接続する。また、T3以外の時間において、スイッチSW1は、トランジスタ212BPのソースと、端子「VCSH」とを接続する。
【0161】
スイッチSW2は、図7に波形を示す上記補助容量駆動信号の立ち下がりの瞬間T4から、当該立ち下がりの瞬間T4から所定時間経過後のT5までの間T6において、トランジスタ212BNのソースと、端子「VCSL」の電位よりも数V低い電位を有する端子「OVCSL」とを接続する。また、T6以外の時間において、スイッチSW2は、トランジスタ212BNのソースと、端子「VCSL」とを接続する。
【0162】
図5に示すゲートドライバ2では、バッファ22として、図6に示すバッファ220を用いる。そして、図5に示すゲートドライバ2では、端子「CSVtypeA1R」〜「CSVtypeA4R」からバッファ22に入力される補助容量駆動信号に対して、上述した図7に示すオーバーシュート処理を行い、端子「CSVtypeA1´」〜「CSVtypeA4´」から出力する。これにより、図5に示すゲートドライバ2では、上記オーバーシュート処理により、補助容量駆動信号の立ち上がりにおいては、出力されるべき電圧より高い電位を一旦出力し、その後、目的の電位を出力する。同様に、図5に示すゲートドライバ2では、上記オーバーシュート処理により、補助容量駆動信号の立ち下がり時においては、出力されるべき電圧より低い電位を一旦出力し、その後、目的の電位を出力する。これにより、補助容量及び液晶容量の充電時間を早め、目的の電圧に到達するまでの時間を短時間とすることができる。そして、これにより、図5に示すゲートドライバ2では、走査線の増加に起因して、補助容量の駆動時間が短くなる場合においても、対応が可能となる。即ち、図5に示すゲートドライバ2では、走査線の増加に起因して、補助容量の駆動時間が短くなる場合においても、補助容量を適切に駆動することができるため、表示の輝度のムラを低減し、表示のばらつきを少なくすることができる。
【0163】
図8は、図5に示すゲートドライバ2の外形の一例を示す図である。
【0164】
図8に示すゲートドライバ2は、テープ31に、バッファ22を備える集積回路62を実装した構成である。また、図8に示すゲートドライバ2は、端子部63を有する。
【0165】
図8に示すゲートドライバ2では、端子「CSVtypeA1´」〜「CSVtypeA4´」が端子部63の中央に配置される。
【0166】
また、端子「OVCSH」は、端子部63における端子「VCSH」と端子「VCSL」との間に設けられる。また、端子「OVCSL」の一方は、端子部63における端子「VCSL」の一方と端子「GSPOI」との間に設けられ、端子「OVCSL」の他方は、端子部63における端子「VCSL」の他方と端子「GSPIO」との間に設けられる。
【0167】
さらに、図8に示すゲートドライバ2は、図17に示すとおり、図4と同様の要領により、ゲートドライバ2A、2Bとして、表示装置としての液晶表示パネル170に実装することが可能である。端子「OVCSH」、「OVCSL」は、一方が図17に示す液晶表示パネル170に係る端子群C11(図4に示すゲートドライバ1Aの端子群C1に対応する端子群)に、他方が端子群C12(図4に示すゲートドライバ1Aの端子群C2に対応する端子群)に設けられる。そして、端子群C11に設けられる端子「OVCSH」は、端子群C12に設けられる端子「OVCSH」に接続され、端子群C11に設けられる端子「OVCSL」は、端子群C12に設けられる端子「OVCSL」に接続される。端子「CSVtypeA1´」〜「CSVtypeA4´」は、液晶表示パネル170における補助容量の基幹ライン171に接続される。さらに、当該基幹ライン171には、補助容量配線172等の補助容量配線が接続される。バッファ22から端子「CSVtypeA1´」〜「CSVtypeA4´」に出力される、波形の鈍りが低減された補助容量駆動信号は、端子「CSVtypeA1´」〜「CSVtypeA4´」に接続されている当該補助容量配線全てに与えられる。
【0168】
図17に示す液晶表示パネル170の構成によっても、図4に示す液晶表示パネル40と同様の効果を奏する。
【0169】
なお、本実施の形態では、バッファ22として、図6に示すバッファ220を用いているが、これに限定されず、バッファ22として、図2に示すバッファ210を用いてもよい。また、反対に、上述した図1に係る形態におけるバッファ21A及び/またはバッファ21Bは、図6に示すバッファ220が用いられてもよい。
【0170】
〔実施の形態3〕
本発明の一実施形態について図9、図10、図18に基づいて説明すると以下の通りである。
【0171】
図9は、本発明の別の実施形態を示すものであり、走査線駆動装置の概略構成を示すブロック図である。
【0172】
図9に示すゲートドライバ3は、図5に示すゲートドライバ2の構成において、バッファ(第2のバッファ)23をさらに備える構成である。これに伴い、本実施の形態において、端子「VCSH」、「VCSL」は、バッファ(第1のバッファ)22及びバッファ23を動作させるための、図示しない電源が接続される電源端子となる。
【0173】
また、図9に示すゲートドライバ3には、端子「CSVtypeA1R」〜「CSVtypeA4R」、「CSVtypeA1L」〜「CSVtypeA4L」のかわりに、端子「CSVtypeA1I」〜「CSVtypeA4I」、「CSVtypeA1O」〜「CSVtypeA4O」が設けられる。
【0174】
ゲートドライバ3に設けられる端子「CSVtypeA1I」〜「CSVtypeA4」は、補助容量駆動信号をバッファ23に入力するための、補助容量駆動信号の入力端子である。ゲートドライバ3に設けられる端子「CSVtypeA1O」〜「CSVtypeA4O」は、バッファ23から入力された上記補助容量駆動信号を、補助容量配線とは別の外部に出力するための、補助容量駆動信号の出力端子である。
【0175】
つまり、ゲートドライバ3に設けられる端子「CSVtypeA1O」〜「CSVtypeA4O」は、ゲートドライバ3と同一の構成を有する、図示しない次段のゲートドライバに設けられる端子「CSVtypeA1I」〜「CSVtypeA4I」と接続されることで、当該次段のゲートドライバに補助容量駆動信号を供給することができる。例えば、本発明に係る走査線駆動装置として、図8に示すゲートドライバ3を2個(即ち、後述する図18に示すゲートドライバ3A、3B)、図4に示す要領と同様の要領により実装する場合、ゲートドライバ3Aに設けられる端子「CSVtypeA1O」〜「CSVtypeA4O」は、ゲートドライバ3Bに設けられる端子「CSVtypeA1I」〜「CSVtypeA4I」に接続される(図18参照)。
【0176】
バッファ23は、一端(入力端子)が、ゲートドライバ3の端子「CSVtypeA1I」〜「CSVtypeA4I」に接続され、他端(出力端子)が、ゲートドライバ3の端子「CSVtypeA1O」〜「CSVtypeA4O」に接続される。なお、バッファ23は、端子「CSVtypeA1I」〜「CSVtypeA4I」と端子「CSVtypeA1O」〜「CSVtypeA4O」との間において、バッファ22が接続される部分よりも、当該端子「CSVtypeA1O」〜「CSVtypeA4O」に近い部分に設けられている。
【0177】
図9に示すゲートドライバ3では、端子「CSVtypeA1I」〜「CSVtypeA4I」から入力される上記補助容量駆動信号を、バッファ22を介して、端子「CSVtypeA1´」〜「CSVtypeA4´」から補助容量配線に出力する。
【0178】
一方、図9に示すゲートドライバ3では、端子「CSVtypeA1I」〜「CSVtypeA4I」から入力される上記補助容量駆動信号を、バッファ23を介して、端子「CSVtypeA1O」〜「CSVtypeA4O」から、上記補助容量配線とは別の外部(例えば、上記次段のゲートドライバ)へと出力する。
【0179】
これにより、複数の走査線駆動装置を備える表示装置においては、上記補助容量駆動信号の鈍り及び遅延に起因する、当該複数の走査線駆動装置間における、上記補助容量駆動信号の波形の変動を抑制することができる。
【0180】
従って、図9に示すゲートドライバ3は、表示装置に走査線駆動装置が多数実装される場合において非常に効果的である。
【0181】
なお、バッファ23として使用されるバッファは、当然ながら図2に示すバッファ210であっても構わないが、図6に示すバッファ220であるのがより好適である。
【0182】
図10は、図9に示すゲートドライバ3の外形を示す図である。
【0183】
図10に示すゲートドライバ3は、テープ31に、バッファ22、23を備える集積回路72を実装した構成である。また、図10に示すゲートドライバ3は、端子部73を有する。なお、図10に示すゲートドライバ3では、端子「CSVtypeA1I」〜「CSVtypeA4I」が端子部73の一端に、端子「CSVtypeA1O」〜「CSVtypeA4O」が端子部73の他端に設けられる。
【0184】
さらに、図9に示すゲートドライバ3は、図18に示すとおり、図4と同様の要領により、ゲートドライバ3A、3Bとして、表示装置としての液晶表示パネル180に実装することが可能である。
【0185】
図18に示す液晶表示パネル180では、補助容量駆動信号が入力されるゲートドライバ3A、3Bを備える。そして、ゲートドライバ3A、3Bはそれぞれ、自身に入力された補助容量駆動信号が入力されるバッファ22、23を備える。バッファ22は、自身に入力された補助容量駆動信号の波形を整形して、端子「CSVtypeA1´」〜「CSVtypeA4´」から、基幹ライン181に接続された補助容量配線182等の補助容量配線に出力することで、当該補助容量配線182に当該補助容量駆動信号を供給する。一方、バッファ23は、自身に入力された補助容量駆動信号の波形を整形して、端子「CSVtypeA1O」〜「CSVtypeA4O」から、補助容量配線182とは異なる外部に出力する。なお、一例として、ゲートドライバ3Aのバッファ23は、自身に入力された補助容量駆動信号を、ゲートドライバ3Aの端子「CSVtypeA1O」〜「CSVtypeA4O」から、ゲートドライバ3Bの端子「CSVtypeA1I」〜「CSVtypeA4I」に出力している。
【0186】
なお、本発明に係る表示装置では、走査線駆動装置内部で補助容量駆動信号を生成し、当該走査線駆動装置に設けられたバッファにより当該補助容量駆動信号の波形を整形して、各補助容量配線に供給する構成であってもよい。同様に、本発明に係る走査線駆動装置では、自身の内部で補助容量駆動信号を生成し、自身に設けられたバッファにより当該補助容量駆動信号の波形を整形して、表示装置の各補助容量配線に供給する構成であってもよい。
【0187】
本発明は、上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0188】
本発明は、例えば、ワードプロセッサ、パーソナルコンピュータ、及びテレビジョン放送の受信機等に用いられる表示装置に好適に利用することができる。また、本発明は、アクティブマトリクス型液晶表示装置等の表示装置、及び当該表示装置に設けられている走査線を駆動する走査線駆動装置に好適に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0189】
【図1】本発明の一実施形態を示すものであり、走査線駆動装置の概略構成を示すブロック図である。
【図2】上記走査線駆動装置に設けられるバッファの回路構成を示す図である。
【図3】上記本発明の一実施形態に係る走査線駆動装置の外形を示す図である。
【図4】本発明に係る表示装置を示す図であり、上記走査線駆動装置を、表示装置の基板へと実装した状態を示す図である。
【図5】本発明の別の実施形態を示すものであり、走査線駆動装置の概略構成を示すブロック図である。
【図6】上記走査線駆動装置に設けられるバッファの回路構成を示す図である。
【図7】上記バッファにより、オーバーシュート処理が実施された後の、補助容量駆動信号の波形を示すグラフである。
【図8】上記本発明の別の実施形態に係る走査線駆動装置の外形を示す図である。
【図9】本発明の別の実施形態を示すものであり、走査線駆動装置の概略構成を示すブロック図である。
【図10】上記本発明の別の実施形態に係る走査線駆動装置の外形を示す図である。
【図11】液晶表示装置の液晶表示パネルのγ特性を示すグラフである。
【図12】マルチ絵素駆動で駆動される液晶表示装置の表示絵素の構成例を示す図である。
【図13】上記液晶表示装置において、副絵素のそれぞれに印加されるソース電圧及び補助容量対向電圧の波形の一例を示す図である。
【図14】図14(a)・(b)は、2フレーム毎に上記補助容量対向電圧の波形を反転させる例を示すグラフである。
【図15】上記液晶表示装置の等価回路を模式的に示す図である。
【図16】液晶表示パネルのガラス基板における、補助容量駆動信号の配線を示す図である。
【図17】本発明に係る別の表示装置を示す図であり、図5に示す走査線駆動装置を、表示装置の基板へと実装した状態を示す図である。
【図18】本発明に係る別の表示装置を示す図であり、図9に示す走査線駆動装置を、表示装置の基板へと実装した状態を示す図である。
【符号の説明】
【0190】
1〜3、1A、1B、2A、2B、3A、3B
ゲートドライバ(走査線駆動装置)
21A、21B、22、23、210、220
バッファ
40、170、180
液晶表示パネル(表示装置)
【技術分野】
【0001】
本発明は、ワードプロセッサ、パーソナルコンピュータ、及びテレビジョン放送の受信機等に用いられる表示装置に関する。特に、本発明は、アクティブマトリクス型液晶表示装置等の表示装置、及び当該表示装置に設けられている走査線を駆動する走査線駆動装置に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶表示装置は、高精細、薄型、軽量、及び低消費電力等の優れた特長を有する平面表示装置であり、近年、表示性能の向上、生産能力の向上、及び他の表示装置に対する価格競争力の向上に伴い、市場規模が急速に拡大している。
【0003】
こうした液晶表示装置では、表示品位の改善が進んでいる。しかしながら、当該表示品位の改善が進む状況下において、今日では、視野角特性に関する問題として、白抜き等、γ特性の視角依存性の問題が新たに顕在化してきている。このγ特性の視角依存性の問題とは、即ち、正面方向からの観測時におけるγ特性と、斜方向からの観測時におけるγ特性とが異なるという問題である。ここで、γ特性とは、表示輝度の階調依存性を意味する。つまり、γ特性が正面方向と斜方向とで異なるということは、階調表示状態が観測方向によって異なるということを意味する。そのため、上記γ特性の視角依存性の問題は、写真等の画像を表示する場合、受信機が受信したテレビジョン放送を表示する場合等において、特に大きな問題となる。
【0004】
上記γ特性の視角依存性の問題を改善する技術としては、マルチ絵素駆動と呼ばれる技術が提案されている(特許文献1参照)。このマルチ絵素駆動とは、1つの表示絵素を、輝度の異なる2つ以上の副絵素で構成することにより、視野角特性、即ち、γ特性の視角依存性を改善する技術である。
【0005】
まずは、マルチ絵素駆動の原理について、図11ないし図16を参照して説明を行う。
【0006】
図11は、液晶表示装置の液晶表示パネルのγ特性を示すグラフである。なお、図11に示すグラフにおいて、縦軸は、輝度比である。また、図11に示すグラフにおいて、横軸は、階調(電圧)である。
【0007】
図11に示すグラフにおいて、実線により示されている特性は、通常の駆動方式で駆動される上記液晶表示パネルを、正面方向から観測した場合におけるγ特性である。こうしたγ特性を有する場合は、最も正常な視認性が得られる。なおここで、通常の駆動方式とは、1つの表示絵素が複数の副絵素に分割されない駆動方式のことである。
【0008】
図11に示すグラフにおいて、破線により示されている特性は、通常の駆動方式で駆動される上記液晶表示パネルを、斜方向から観測した場合におけるγ特性である。こうしたγ特性を有する場合は、正常な視認性に対して、γ特性のズレが生じている。かつ、当該ズレの度合いは、輝度比が0または1に近い部分で小さくなっており、輝度比が0または1に遠い部分で大きくなっている。つまり、当該ズレの度合いは、明輝度及び暗輝度を示す部分で小さくなっており、中間調を示す部分で大きくなっているということがわかる。以上のことから、斜方向からの視認においては、中間調の表示輝度が非常に大きくなり、結果、白浮き等が生じる。
【0009】
一方、マルチ絵素駆動では、1つの表示絵素において目標となる輝度を得ようとする場合に、当該1つの表示絵素を構成する、輝度の異なる複数の副絵素における平均輝度を、当該目標となる輝度とすべく駆動を制御する。
【0010】
マルチ絵素駆動では、正面方向から観測した場合におけるγ特性が、通常の駆動方式で駆動される場合と同様の特性となる。つまり、マルチ絵素駆動で駆動される上記液晶表示パネルを、正面方向から観測した場合におけるγ特性は、図11に示すグラフにおいて、実線により示されている特性となる。そのため、正面方向から観測した場合は、最も正常な視認性が得られる。
【0011】
一方、マルチ絵素駆動では、斜方向から観測した場合におけるγ特性が、図11に示すグラフにおいて、一点鎖線により示されている特性となる。これは、通常の駆動方式で輝度のズレが大きくなる中間調において、目標となる輝度を得ようとする場合、副絵素では、輝度のズレが小さい明輝度付近及び暗輝度付近の領域の表示を行うこと、及び、表示絵素全体では、当該副絵素の輝度の平均によって中間調輝度を得ることによる。これにより、輝度のズレは低減される。
【0012】
次に、マルチ絵素駆動で駆動される液晶表示装置の表示絵素の構成例を図12に示す。
【0013】
図12に示すとおり、1つの表示絵素120は、複数の副絵素121、122に分割されている。また、副絵素121は、TFT(Thin Film Transistor)123を介して走査線Gn及び信号線Smに接続されている。また、副絵素122は、TFT124を介して走査線Gn及び信号線Smに接続されている。即ち、TFT123、124のゲート電極は、共通(同一)の走査線Gnに接続されている。また、TFT123、124のソース電極は、共通(同一)の信号線Smに接続されている。
【0014】
副絵素121は、液晶容量CLC100と補助容量CCS100とを有している。液晶容量CLC100及び補助容量CCS100は共に、一方の電極がTFT123のドレイン電極に接続されている。副絵素121における液晶容量CLC100の他方の電極は、対向電圧VCOM100に接続されている。副絵素121における補助容量CCS100の他方の電極は、補助容量配線125に接続されている。これにより、副絵素121における補助容量CCS100には、補助容量配線125から補助容量対向電圧(以下、CS電圧と称する)が印加され得る。
【0015】
また、副絵素122は、液晶容量CLC101と補助容量CCS101とを有している。液晶容量CLC101及び補助容量CCS101は共に、一方の電極がTFT124のドレイン電極に接続されている。副絵素122における液晶容量CLC101の他方の電極は、対向電圧VCOM101に接続されている。副絵素122における補助容量CCS101の他方の電極は、補助容量配線126に接続されている。これにより、副絵素122における補助容量CCS101には、補助容量配線126から、上記補助容量CCS100に供給され得るCS電圧と異なるCS電圧が印加され得る。
【0016】
図12に示す液晶表示装置において、副絵素121、122のそれぞれに印加されるソース電圧及びCS電圧の波形の一例を図13に示す。
【0017】
図12に示す構成を有する液晶表示装置では、分割された副絵素121、122に対して、それぞれ異なるCS電圧を印加する。これにより、TFT123におけるドレイン電圧は、TFT124におけるドレイン電圧と異なる電圧となる。そして、副絵素121、122では、表示される階調も互いに異なることとなる。なお、この場合CS電圧は、AC(alternating current)により駆動される。
【0018】
具体的には、TFT123、124のソース電極は、互いに同じゲートタイミングでオンされる。しかしながら、TFT123、124のドレイン電極に接続されるCS電極(即ち、補助容量CCS100、CCS101)の電圧は、互いに異なる。そのため、TFT123とTFT124とでは、実際に保持される電圧が異なる。そして、これにより、副絵素121、122では、互いに異なる輝度、即ち、互いに異なる階調の表示が可能となる。
【0019】
なお、補助容量配線125におけるCS電圧の振幅と、補助容量配線126におけるCS電圧の振幅とは、図13に示すとおり、互いに略同一の振幅及び周波数を有し、かつ、位相が概ね180度異なる。また、次フレームにおいては、TFT123、124のソース電圧の反転に合わせてCS電圧も反転する。こうして、CS電圧は、ACにより駆動される。
【0020】
副絵素121に印加される電圧Va、及び副絵素122に印加される電圧Vbは、目標となる輝度を与える本来の印加電圧Vmに対して、
Vm=(Va+Vb)/2
という関係を満足する。このことから、目標となる輝度は、副絵素121、122の表示輝度の平均によって得られる。
【0021】
特許文献2には、水平走査期間の短い高精細のパネルに対して、CS電圧の反転をフレーム周期より長い周期にて行う技術が開示されている。
【0022】
高精細の液晶表示パネルにおいては、水平走査期間が短くなり、かつ、補助容量の数が多くなる。そのため、当該液晶表示パネルでは、CS電圧を与える補助容量駆動信号の波形に鈍りが発生する。また、この波形鈍りの程度は、液晶表示パネル内の場所によって異なる。このため、副絵素電極へと印加される実効的な電圧も、当該液晶表示パネル内の場所によって異なる。そして、これにより、当該液晶表示パネルでは、表示の輝度のムラが発生する問題が発生していた。
【0023】
この問題を解決するため、特許文献2に開示されている技術では、CS電圧の振動周期を長くしている。そして、これにより、特許文献2に開示されている技術では、上記表示の輝度のムラを低減している。
【0024】
例えば、図13に示すとおり、1フレーム毎にCS電圧の波形を反転させる場合は、2種類のCS電圧波形を用意する必要がある。
【0025】
また、図14(a)・(b)では、2フレーム毎にCS電圧の波形を反転させる例について図示している。こうした場合は、位相が1フレーム分だけずれた波形をさらに用意する必要がある。そのため、図14(a)・(b)に示す例では、「VCSVtypeA1」〜「VCSVtypeA4」という、4種類のCS電圧波形を用意する必要がある。この場合、液晶表示パネル上でのCS電圧の信号線は、図15に示すとおり、絵素の両端に、かつ補助容量配線150に直交する方向に、「CSVtypeA1」〜「CSVtypeA4」からなる幹線151が配置されている。そして、CS電圧は、この幹線151から引き出された補助容量配線150により、各補助容量152へと供給されている。
【0026】
図16は、液晶表示パネルのガラス基板における、補助容量駆動信号の配線を示す。
【0027】
液晶表示パネル160のガラス基板161には、信号線Smに表示信号を供給するソースドライバ162と、走査線Gnに走査線駆動信号(走査線信号)を与えるゲートドライバ163とが実装されている。
【0028】
ソースドライバ162を制御する信号、ゲートドライバ163を制御する信号、及び補助容量駆動信号は、図示しないコントローラにて生成され、ソースドライバ162に供給されている。このうち、ゲートドライバ163を制御する信号及び補助容量駆動信号は、ソースドライバ162のパッケージ上に設けられた配線164を通じ、ガラス基板161上の配線165へ与えられている。さらにこのうち、ゲートドライバ163を制御する信号は、ガラス基板161上の配線165を介して、ゲートドライバ163Aの入力端子に供給されている。
【0029】
ゲートドライバ163Aは、上記走査線駆動信号を生成すると共に、次段のゲートドライバ163Bへと、上記制御信号を供給する。
【0030】
補助容量駆動信号を供給するガラス基板161上の配線165は、まず基幹信号線として、基幹配線166を、走査線と直交する方向に伸長している。そして、補助容量駆動信号は、この基幹配線166から引き出された補助容量配線CSLにより、各補助容量CCSへ供給されている。なお、説明を行っていない図16の参照符号「CLC」は液晶容量、参照符号「VCOM」は対向電圧である。
【特許文献1】特開2004−62146号公報(2004年2月26日公開)
【特許文献2】特開2005−189804号公報(2005年7月14日公開)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0031】
特許文献1に開示されている技術において、上述した、液晶表示パネルにおける表示の輝度のムラを低減するためには、補助容量駆動信号を補助容量へと供給する配線のインピーダンスを低下させる必要がある。そして、当該配線のインピーダンスを低下させるためには、当該配線の線幅を太くする必要がある。
【0032】
上記配線は、表示を行う画素と同一のパネル、即ち、表示を行う画素と同一のガラス基板上に配置されている。ここで、当該ガラス基板上に設けられた配線は、配線抵抗が大きい。そのため、当該配線の線幅は、充分に太くしなければならない。これにより、当該液晶表示パネルでは、上記基幹配線が非常に太くなり、表示画素以外の領域が大きくなってしまう。そして結果として、当該液晶表示パネルでは、額縁の狭小化が困難であるという問題が発生する。
【0033】
また、特許文献2に開示される技術では、CS電圧の振動周期を長くすることで、波形鈍りの影響を抑制し、上記表示の輝度のムラを低減している。
【0034】
しかしながら、この場合は、用いるCS電圧の波形の種類が多くなる。このため、液晶表示パネルでは、CS電圧生成のための電圧源が多数必要となることで、表示画素以外の領域が大きくなってしまう。そしてこれにより、特許文献2に開示される技術でも同様に、額縁の狭小化が困難であるという問題が発生する。
【0035】
本発明は、上記の問題に鑑みて為されたものであり、その目的は、マルチ絵素駆動で駆動される表示装置において、額縁の狭小化が実現可能である表示装置及び走査線駆動装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0036】
本発明に係る表示装置は、上記の問題を解決するため、走査線駆動装置と、1つの表示絵素が分割された複数の副絵素と、を備え、上記複数の副絵素は、それぞれ異なる補助容量配線に接続された補助容量を有しており、上記各補助容量配線に供給される補助容量駆動信号に基づいて上記補助容量を駆動することにより、上記複数の副絵素をそれぞれ異なる輝度で表示可能である表示装置であって、上記走査線駆動装置は、上記各補助容量配線に供給すべき補助容量駆動信号が入力され、入力された当該補助容量駆動信号の波形を整形して当該各補助容量配線に供給するバッファを備えることを特徴としている。
【0037】
ここで「補助容量駆動信号の波形を整形する」処理とは、当該補助容量駆動信号に発生する鈍りを低減させる処理等の、当該補助容量駆動信号による補助容量の駆動を好適に行う、即ち、当該補助容量の駆動能力を向上させるための処理を意味する。一般的にバッファは、シュミット・トリガ機能を有しており、こうした処理を容易に実施することが可能である。
【0038】
上記の構成によれば、補助容量駆動信号は、一旦走査線駆動装置に設けられたバッファに入力される。そして、バッファは、自身に入力された補助容量駆動信号の波形を整形し、各補助容量配線に供給する。本発明に係る表示装置は、こうして、走査線駆動装置のバッファにより補助容量の駆動を行う。
【0039】
これにより、本発明に係る表示装置では、補助容量駆動信号を、バッファを介して各補助容量配線に供給することにより、波形の鈍りが低減された補助容量駆動信号を各補助容量配線に供給することが可能となる、即ち、補助容量の駆動能力を向上させることができる。このことから、本発明に係る表示装置では、基幹配線を構成する配線の線幅を細くする場合であっても、波形鈍り、表示の輝度のムラ等の発生による影響を抑制することができる。またこのため、本発明に係る表示装置では、波形鈍りの影響を抑制し、表示の輝度のムラを低減すべく、用いるCS電圧の波形の種類を増加させる必要がない。
【0040】
以上のことから、本発明に係る表示装置では、表示画素以外の領域を小さくすることが可能となる。
【0041】
従って、マルチ絵素駆動で駆動される表示装置において、額縁の狭小化が実現可能であるという効果を奏する。
【0042】
また、本発明に係る表示装置は、上記走査線駆動装置は、上記各補助容量配線に供給すべき補助容量駆動信号を、そのまま当該各補助容量配線とは別の外部に出力する配線をさらに備えることを特徴としている。また、本発明に係る表示装置は、上記走査線駆動装置を複数個備え、上記各走査線駆動装置は、上記配線により接続されていることを特徴としている。
【0043】
上記の構成によれば、走査線駆動装置は、補助容量駆動信号を上記補助容量配線とは別の外部に出力する配線をさらに備える。そのため、本発明に係る表示装置では、当該配線を介して、複数個の走査線駆動装置同士を接続するのが効果的である。これにより、当該複数個の走査線駆動装置間においては、補助容量駆動信号を、一方の走査線駆動装置から他方の走査線駆動装置に入力することが可能となる。そして、当該他方の走査線駆動装置では、補助容量駆動信号を、自身が有するバッファを介して各補助容量配線に供給することにより、波形の鈍りが低減された補助容量駆動信号を各補助容量配線に供給することが可能となる、即ち、補助容量の駆動能力を向上させることができる。
【0044】
複数個の走査線駆動装置が補助容量を駆動するということは、即ち、複数個のバッファを用いて補助容量を駆動するということである。従って、この場合は、補助容量の駆動能力をさらに向上させることができる。このことから、本発明に係る表示装置では、基幹配線を構成する配線の線幅をさらに細くすることが可能となる。
【0045】
また、本発明に係る表示装置は、上記各補助容量配線は、上記各走査線駆動装置のいずれかにおけるバッファに接続されるもの毎に分断して設けられていることを特徴としている。
【0046】
上記の構成によれば、走査線駆動装置毎に、補助容量駆動信号の供給を独立して行うことにより、本発明に係る表示装置では、基幹配線の分断が可能となる。これにより、当該基幹配線においては、インピーダンスの低下が容易となるため、当該基幹配線を構成する配線の線幅をさらに細くすることが可能となる。
【0047】
また、本発明に係る表示装置は、上記走査線駆動装置は、上記バッファを複数個備えることを特徴としている。
【0048】
上記の構成によれば、複数個のバッファを用いて補助容量を駆動することで、補助容量の駆動能力をさらに向上させることができる。このことから、本発明に係る表示装置では、基幹配線を構成する配線の線幅をさらに細くすることが可能となる。
【0049】
また、本発明に係る表示装置は、上記各補助容量配線は、上記複数のバッファにおけるいずれかのバッファに接続されるもの毎に分断して設けられていることを特徴としている。
【0050】
上記の構成によれば、複数のバッファ毎に、補助容量駆動信号の供給を独立して行うことにより、本発明に係る表示装置では、基幹配線の分断が可能となる。これにより、当該基幹配線においては、インピーダンスの低下が容易となるため、当該基幹配線を構成する配線の線幅をさらに細くすることが可能となる。
【0051】
また、本発明に係る表示装置は、上記走査線駆動装置のバッファは、自身に入力された補助容量駆動信号を、オーバーシュート駆動により上記各補助容量配線に供給することを特徴としている。
【0052】
上記の構成によれば、走査線駆動装置のバッファは、補助容量駆動信号をオーバーシュート駆動により各補助容量配線に供給する。これにより、各補助容量配線に接続される補助容量が充電される時間を短縮することができるため、複数の副絵素の駆動を速やかに実施することができる。そして、これにより、本発明に係る表示装置では、走査線の増加に起因して、駆動時間が短くなる場合においても、表示の輝度のムラを低減し、表示のばらつきを少なくすることができる。
【0053】
本発明に係る表示装置は、上記の問題を解決するために、走査線駆動装置と、1つの表示絵素が分割された複数の副絵素と、を備え、上記複数の副絵素は、それぞれ異なる補助容量配線に接続された補助容量を有しており、上記各補助容量配線に供給される補助容量駆動信号に基づいて上記補助容量を駆動することにより、上記複数の副絵素をそれぞれ異なる輝度で表示可能である表示装置であって、上記走査線駆動装置は、少なくとも、上記各補助容量配線に供給すべき補助容量駆動信号が入力され、入力された当該補助容量駆動信号の波形を整形して当該各補助容量配線に供給する第1のバッファと、当該各補助容量配線に供給すべき補助容量駆動信号が入力され、入力された当該補助容量駆動信号の波形を整形して当該各補助容量配線とは別の外部に出力する第2のバッファと、を備えることを特徴としている。
【0054】
上記の構成によれば、補助容量駆動信号は、一旦走査線駆動装置に設けられたバッファに入力される。そして、バッファは、自身に入力された補助容量駆動信号の波形を整形し、各補助容量配線に供給する。本発明に係る表示装置は、こうして、走査線駆動装置のバッファにより補助容量の駆動を行う。
【0055】
ここで、本発明に係る表示装置では、補助容量駆動信号がさらに、走査線駆動装置において、第1のバッファとは別に設けられた第2のバッファに一旦入力される。そして、第2のバッファは、自身に入力された補助容量駆動信号の波形を整形し、各補助容量配線とは別の外部に出力する。
【0056】
これにより、本発明に係る表示装置では、補助容量駆動信号を、第1のバッファを介して各補助容量配線に供給することにより、波形の鈍りが低減された補助容量駆動信号を各補助容量配線に供給することが可能となる、即ち、補助容量の駆動能力を向上させることができる。このことから、本発明に係る表示装置では、基幹配線を構成する配線の線幅を細くする場合であっても、波形鈍り、表示の輝度のムラ等の発生による影響を抑制することができる。またこのため、本発明に係る表示装置では、波形鈍りの影響を抑制し、表示の輝度のムラを低減すべく、用いるCS電圧の波形の種類を増加させる必要がない。
【0057】
以上のことから、本発明に係る表示装置では、表示画素以外の領域を小さくすることが可能となる。
【0058】
従って、マルチ絵素駆動で駆動される表示装置において、額縁の狭小化が実現可能であるという効果を奏する。
【0059】
また、上記の構成によれば、走査線駆動装置の第2のバッファに入力された補助容量駆動信号を外部に出力することにより、波形の鈍りが低減された当該補助容量駆動信号を外部の装置に入力することができる。
【0060】
また、本発明に係る表示装置は、上記走査線駆動装置を複数段備え、最後段の走査線駆動装置よりも前段に備えられる各走査線駆動装置の第2のバッファはそれぞれ、当該各走査線駆動装置の次段に備えられる走査線駆動装置の第1のバッファと接続されていることを特徴としている。
【0061】
上記の構成によれば、本発明に係る走査線駆動装置では、最後段の走査線駆動装置よりも前段に備えられる各走査線駆動装置の第2のバッファが、当該各走査線駆動装置の次段に備えられる走査線駆動装置の第1のバッファと接続されている。本発明に係る表示装置では、こうして当該各走査線駆動装置同士を順次接続するのが効果的である。これにより、当該各走査線駆動装置間においては、波形の鈍りが低減された補助容量駆動信号を、各走査線駆動装置に順次入力することが可能となる。そして、当該各走査線駆動装置においては、補助容量駆動信号を、自身が有する第1のバッファを介して各補助容量配線に供給することにより、波形の鈍りが低減された補助容量駆動信号を各補助容量配線に供給することが可能となる、即ち、補助容量の駆動能力を向上させることができる。
【0062】
複数段の走査線駆動装置が補助容量を駆動するということは、即ち、複数個の第1のバッファを用いて補助容量を駆動するということである。従って、この場合は、補助容量の駆動能力をさらに向上させることができる。このことから、本発明に係る表示装置では、基幹配線を構成する配線の線幅をさらに細くすることが可能となる。
【0063】
また、上記の構成によれば、補助容量駆動信号は、走査線駆動装置の第2のバッファを介して次段の走査線駆動装置に出力されるため、補助容量駆動信号の鈍り及び遅延に起因する、上記複数の走査線駆動装置間における、当該補助容量駆動信号の波形の変動を抑制することができる。
【0064】
また、本発明に係る表示装置は、上記走査線駆動装置の第1のバッファは、自身に入力された補助容量駆動信号を、オーバーシュート駆動により上記各補助容量配線に供給することを特徴としている。
【0065】
上記の構成によれば、走査線駆動装置の第1のバッファは、補助容量駆動信号をオーバーシュート駆動により各補助容量配線に供給する。これにより、各補助容量配線に接続される補助容量が充電される時間を短縮することができるため、複数の副絵素の駆動を速やかに実施することができる。そして、これにより、本発明に係る表示装置では、走査線の増加に起因して、駆動時間が短くなる場合においても、表示の輝度のムラを低減し、表示のばらつきを少なくすることができる。
【0066】
また、本発明に係る表示装置は、上記走査線駆動装置には、上記各補助容量配線に供給すべき補助容量駆動信号が入力されていることを特徴としてもよい。
【0067】
本発明に係る走査線駆動装置は、上記の問題を解決するため、1つの表示絵素が分割された複数の副絵素を備え、当該複数の副絵素は、それぞれ異なる補助容量配線に接続された補助容量を有しており、当該各補助容量配線に供給される補助容量駆動信号に基づいて当該補助容量を駆動することにより、当該複数の副絵素をそれぞれ異なる輝度で表示可能である表示装置に備えられ、上記表示装置に設けられている走査線を駆動する走査線駆動装置であって、上記各補助容量配線に供給すべき補助容量駆動信号が入力され、入力された当該補助容量駆動信号の波形を整形して当該各補助容量配線に供給するバッファを備えることを特徴としている。
【0068】
上記の構成によれば、補助容量駆動信号は、一旦走査線駆動装置自身に設けられたバッファに入力される。そして、バッファは、自身に入力された補助容量駆動信号の波形を整形し、表示装置の各補助容量配線に供給する。本発明に係る走査線駆動装置は、こうして、自身に設けられたバッファにより補助容量の駆動を行う。
【0069】
これにより、本発明に係る走査線駆動装置では、補助容量駆動信号を、バッファを介して表示装置の各補助容量配線に供給することにより、波形の鈍りが低減された補助容量駆動信号を表示装置の各補助容量配線に供給することが可能となる、即ち、当該表示装置における補助容量の駆動能力を向上させることができる。このことから、本発明に係る走査線駆動装置では、表示装置における基幹配線を構成する配線の線幅を細くする場合であっても、波形鈍り、表示の輝度のムラ等の発生による影響を抑制することができる。またこのため、本発明に係る走査線駆動装置を備える表示装置では、波形鈍りの影響を抑制し、表示の輝度のムラを低減すべく、用いるCS電圧の波形の種類を増加させる必要がない。
【0070】
以上のことから、本発明に係る走査線駆動装置では、マルチ絵素駆動で駆動される表示装置における表示画素以外の領域を小さくすることが可能である。
【0071】
従って、マルチ絵素駆動で駆動される表示装置において、額縁の狭小化が実現可能であるという効果を奏する。
【0072】
また、本発明に係る走査線駆動装置は、上記各補助容量配線に供給すべき補助容量駆動信号を、そのまま当該各補助容量配線とは別の外部に出力する配線をさらに備えることを特徴としている。
【0073】
上記の構成によれば、入力された補助容量駆動信号を、そのまま補助容量配線とは別の外部に出力する配線をさらに備える。そのため、当該配線を介して、本発明に係る走査線駆動装置と外部の装置とを接続することにより、当該補助容量駆動信号を当該外部の装置に入力することができる。
【0074】
また、本発明に係る走査線駆動装置は、上記バッファは、自身に入力された補助容量駆動信号を、オーバーシュート駆動により上記各補助容量配線に供給することを特徴としている。
【0075】
上記の構成によれば、バッファは、補助容量駆動信号をオーバーシュート駆動により各補助容量配線に供給する。これにより、各補助容量配線に接続される補助容量が充電される時間を短縮することができるため、複数の副絵素の駆動を速やかに実施することができる。そして、これにより、本発明に係る走査線駆動装置を備える表示装置では、走査線の増加に起因して、駆動時間が短くなる場合においても、表示の輝度のムラを低減し、表示のばらつきを少なくすることができる。
【0076】
本発明に係る走査線駆動装置は、上記の問題を解決するため、1つの表示絵素が分割された複数の副絵素を備え、当該複数の副絵素は、それぞれ異なる補助容量配線に接続された補助容量を有しており、当該各補助容量配線に供給される補助容量駆動信号に基づいて当該補助容量を駆動することにより、当該複数の副絵素をそれぞれ異なる輝度で表示可能である表示装置に備えられ、上記表示装置に設けられている走査線を駆動する走査線駆動装置であって、少なくとも、上記各補助容量配線に供給すべき補助容量駆動信号が入力され、入力された当該補助容量駆動信号の波形を整形して当該各補助容量配線に供給する第1のバッファと、当該各補助容量配線に供給すべき補助容量駆動信号が入力され、入力された当該補助容量駆動信号の波形を整形して当該各補助容量配線とは別の外部に出力する第2のバッファと、を備えることを特徴としている。
【0077】
上記の構成によれば、補助容量駆動信号は、一旦走査線駆動装置自身に設けられた第1のバッファに入力される。そして、第1のバッファは、自身に入力された補助容量駆動信号の波形を整形し、各補助容量配線に供給する。本発明に係る走査線駆動装置は、こうして、自身に設けられた第1のバッファにより補助容量の駆動を行う。
【0078】
ここで、本発明に係る走査線駆動装置では、補助容量駆動信号がさらに、第1のバッファとは別に設けられた第2のバッファに一旦入力される。そして、第2のバッファは、自身に入力された補助容量駆動信号の波形を整形し、各補助容量配線とは別の外部に出力する。
【0079】
これにより、本発明に係る走査線駆動装置では、補助容量駆動信号を、第1のバッファを介して表示装置の各補助容量配線に供給することにより、波形の鈍りが低減された補助容量駆動信号を表示装置の各補助容量配線に供給することが可能となる、即ち、当該表示装置が有する補助容量の駆動能力を向上させることができる。このことから、本発明に係る走査線駆動装置では、表示装置における基幹配線を構成する配線の線幅を細くする場合であっても、波形鈍り、表示の輝度のムラ等の発生による影響を抑制することができる。またこのため、本発明に係る走査線駆動装置を備える表示装置では、波形鈍りの影響を抑制し、表示の輝度のムラを低減すべく、用いるCS電圧の波形の種類を増加させる必要がない。
【0080】
以上のことから、本発明に係る走査線駆動装置では、マルチ絵素駆動で駆動される表示装置における表示画素以外の領域を小さくすることが可能である。
【0081】
従って、マルチ絵素駆動で駆動される表示装置において、額縁の狭小化が実現可能であるという効果を奏する。
【0082】
また、上記の構成によれば、第2のバッファに入力された補助容量駆動信号を外部に出力することにより、波形の鈍りが低減された当該補助容量駆動信号を外部の装置に入力することができる。
【0083】
また、本発明に係る走査線駆動装置は、上記第1のバッファは、自身に入力された補助容量駆動信号を、オーバーシュート駆動により上記各補助容量配線に供給することを特徴としている。
【0084】
上記の構成によれば、第1のバッファは、補助容量駆動信号をオーバーシュート駆動により各補助容量配線に供給する。これにより、各補助容量配線に接続される補助容量が充電される時間を短縮することができるため、複数の副絵素の駆動を速やかに実施することができる。そして、これにより、本発明に係る走査線駆動装置を備える表示装置では、走査線の増加に起因して、駆動時間が短くなる場合においても、表示の輝度のムラを低減し、表示のばらつきを少なくすることができる。
【0085】
また、本発明に係る走査線駆動装置は、上記各補助容量配線に供給すべき補助容量駆動信号が入力されていることを特徴としてもよい。
【発明の効果】
【0086】
以上のとおり、本発明に係る表示装置は、走査線駆動装置と、1つの表示絵素が分割された複数の副絵素と、を備え、上記複数の副絵素は、それぞれ異なる補助容量配線に接続された補助容量を有しており、上記各補助容量配線に供給される補助容量駆動信号に基づいて上記補助容量を駆動することにより、上記複数の副絵素をそれぞれ異なる輝度で表示可能である表示装置であって、上記走査線駆動装置は、上記各補助容量配線に供給すべき補助容量駆動信号が入力され、入力された当該補助容量駆動信号の波形を整形して当該各補助容量配線に供給するバッファを備える構成である。
【0087】
また、本発明に係る表示装置は、走査線駆動装置と、1つの表示絵素が分割された複数の副絵素と、を備え、上記複数の副絵素は、それぞれ異なる補助容量配線に接続された補助容量を有しており、上記各補助容量配線に供給される補助容量駆動信号に基づいて上記補助容量を駆動することにより、上記複数の副絵素をそれぞれ異なる輝度で表示可能である表示装置であって、上記走査線駆動装置は、少なくとも、上記各補助容量配線に供給すべき補助容量駆動信号が入力され、入力された当該補助容量駆動信号の波形を整形して当該各補助容量配線に供給する第1のバッファと、当該各補助容量配線に供給すべき補助容量駆動信号が入力され、入力された当該補助容量駆動信号の波形を整形して当該各補助容量配線とは別の外部に出力する第2のバッファと、を備える構成である。
【0088】
以上のとおり、本発明に係る走査線駆動装置は、1つの表示絵素が分割された複数の副絵素を備え、当該複数の副絵素は、それぞれ異なる補助容量配線に接続された補助容量を有しており、当該各補助容量配線に供給される補助容量駆動信号に基づいて当該補助容量を駆動することにより、当該複数の副絵素をそれぞれ異なる輝度で表示可能である表示装置に備えられ、上記表示装置に設けられている走査線を駆動する走査線駆動装置であって、上記各補助容量配線に供給すべき補助容量駆動信号が入力され、入力された当該補助容量駆動信号の波形を整形して当該各補助容量配線に供給するバッファを備える構成である。
【0089】
また、本発明に係る走査線駆動装置は、1つの表示絵素が分割された複数の副絵素を備え、当該複数の副絵素は、それぞれ異なる補助容量配線に接続された補助容量を有しており、当該各補助容量配線に供給される補助容量駆動信号に基づいて当該補助容量を駆動することにより、当該複数の副絵素をそれぞれ異なる輝度で表示可能である表示装置に備えられ、上記表示装置に設けられている走査線を駆動する走査線駆動装置であって、少なくとも、上記各補助容量配線に供給すべき補助容量駆動信号が入力され、入力された当該補助容量駆動信号の波形を整形して当該各補助容量配線に供給する第1のバッファと、当該各補助容量配線に供給すべき補助容量駆動信号が入力され、入力された当該補助容量駆動信号の波形を整形して当該各補助容量配線とは別の外部に出力する第2のバッファと、を備える構成である。
【0090】
従って、マルチ絵素駆動で駆動される表示装置において、額縁の狭小化が実現可能であるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0091】
〔実施の形態1〕
本発明の一実施形態について図1ないし図4に基づいて説明すると以下の通りである。
【0092】
図1は、本発明の一実施形態を示すものであり、走査線駆動装置の概略構成を示すブロック図である。
【0093】
図1に示すゲートドライバ(走査線駆動装置)1は、コントロールロジック11A、11B、双方向シフトレジスタ12、レベルシフタ13及び出力回路14を備える構成である。
【0094】
さらに、ゲートドライバ1は、バッファ21A、21Bを備える構成である。
【0095】
なお、図1に図示されている円形の部材はいずれも、ゲートドライバ1に設けられる端子であり、当該円形の部材の横に付されている符号(文字)は、当該ゲートドライバ1に設けられる端子の端子名である。
【0096】
ゲートドライバ1に設けられる端子「LBR」は、双方向シフトレジスタ12のシフト方向を示す制御信号が入力される入力端子である。この端子「LBR」は、状態「H」と状態「L」とを有しており、当該制御信号に応じて、状態「H」と状態「L」とを切り替えることで、双方向シフトレジスタ12のシフト方向を制御する。そしてこれにより、ゲートドライバ1では、出力回路14が出力する走査線駆動信号の走査方向が決定される。
【0097】
ゲートドライバ1に設けられる端子「GSPOI」、「GSPIO」は、入力端子と出力端子とを、上記端子「LBR」に入力される制御信号に応じて切り替える機能を有するIO(Input/Output)端子である。ここで、上記端子「LBR」が状態「H」である場合は、端子「GSPOI」が入力端子となり、端子「GSPIO」が出力端子となる。反対に、上記端子「LBR」が状態「L」である場合は、端子「GSPOI」が出力端子となり、端子「GSPIO」が入力端子となる。なお、端子「GSPOI」、「GSPIO」のうち、入力端子の機能を有する端子は、双方向シフトレジスタ12の動作を開始させるための信号(以下、「走査開始信号」と称する)が入力される。また、端子「GSPOI」、「GSPIO」のうち、出力端子の機能を有する端子は、当該走査開始信号を、ゲートドライバ1とカスケード接続された図示しない次段のゲートドライバに出力する。例えばゲートドライバ1が、後述する図4に示すゲートドライバ1Aである場合、「次段のゲートドライバ」とは、図4に示すゲートドライバ1Bである。
【0098】
ゲートドライバ1に設けられる端子「GCKOI」、「GCKIO」は、端子「GSPOI」、「GSPIO」と同様に、入力端子と出力端子とを、上記端子「LBR」に入力される制御信号に応じて切り替える機能を有するIO端子である。上記端子「LBR」が状態「H」である場合は、端子「GCKOI」が入力端子となり、端子「GCKIO」が出力端子となる。反対に、上記端子「LBR」が状態「L」である場合は、端子「GCKOI」が出力端子となり、端子「GCKIO」が入力端子となる。なお、端子「GCKOI」、「GCKIO」のうち、入力端子の機能を有する端子は、双方向シフトレジスタ12の駆動クロック信号が入力される。また、端子「GCKOI」、「GCKIO」のうち、出力端子の機能を有する端子は、当該駆動クロック信号を、上記次段のゲートドライバに出力する。
【0099】
ゲートドライバ1に設けられる端子「VGL」、「VGH」は、出力回路14を動作させるための、図示しない電源が接続される電源端子である。なお、出力回路14は、走査線駆動信号を、後述する端子「OG1」〜「OG272」に出力するものである。端子「VGL」に印加される当該電源の電源電圧をvgl、端子「VGH」に印加される当該電源の電源電圧をvghとすると、出力回路14は、当該走査線駆動信号を、vglからvghまでの振幅を有する信号として出力する。
【0100】
ゲートドライバ1に設けられる端子「VCC」は、ゲートドライバ1を動作させるための、図示しない電源が接続される電源端子である。ゲートドライバ1に設けられる端子「GND」は、接地端子である。
【0101】
また、ゲートドライバ1には、272個の端子「OG1」〜「OG272」が設けられる。なお、本願図面ではいずれも、図面の簡略化のため、端子「OG2」〜「OG271」までの、270個の端子について図示を省略している。この端子「OG1」〜「OG272」は、出力回路14からの走査線駆動信号を、ゲートドライバ1の外部に出力する走査線駆動信号の出力端子である。また、端子「OG1」〜「OG272」は、走査線Gn(図4参照)が接続されることで、走査線Gnに当該走査線駆動信号を与えて走査線Gnを駆動する、ゲートドライバ1の走査線駆動端子である。図1に示すゲートドライバ1では、「OG1」〜「OG272」という272個の端子が設けられているため、最大272本の走査線を駆動することができる。
【0102】
ゲートドライバ1に設けられる端子「CSVtypeA1R」〜「CSVtypeA4R」、「CSVtypeA1L」〜「CSVtypeA4L」は、補助容量駆動信号をバッファ21A、21Bに入力するための、補助容量駆動信号の入力端子である。ゲートドライバ1に設けられる端子「CSVtypeA1´R」〜「CSVtypeA4´R」、「CSVtypeA1´L」〜「CSVtypeA4´L」は、バッファ21A、21Bから出力された補助容量駆動信号を、補助容量配線(例えば、図4の補助容量配線51参照)に出力するための、補助容量駆動信号の出力端子である。
【0103】
端子「CSVtypeA1R」は、「CSVtypeA1L」と接続される。端子「CSVtypeA2R」は、「CSVtypeA2L」と接続される。端子「CSVtypeA3R」は、「CSVtypeA3L」と接続される。端子「CSVtypeA4R」は、「CSVtypeA4L」と接続される。
【0104】
端子「CSVtypeA1R」〜「CSVtypeA4R」と端子「CSVtypeA1L」〜「CSVtypeA4L」との接続部分には、バッファ21Aの一端(入力端子)及びバッファ21Bの一端(入力端子)が接続される。バッファ21Aの他端(出力端子)は、端子「CSVtypeA1´R」〜「CSVtypeA4´R」に接続され、バッファ21Bの他端(出力端子)は、端子「CSVtypeA1´L」〜「CSVtypeA4´L」に接続される。
【0105】
ゲートドライバ1に入力された補助容量駆動信号は、端子「CSVtypeA1R」〜「CSVtypeA4R」と端子「CSVtypeA1L」〜「CSVtypeA4L」との接続部分からバッファ21A、21Bに入力される。バッファ21A、21Bは、入力された補助容量駆動信号の波形を整形し、端子「CSVtypeA1´R」〜「CSVtypeA4´R」、「CSVtypeA1´L」〜「CSVtypeA4´L」に出力する。ゲートドライバ1では、こうして、バッファ21A、21Bにより波形の鈍りが低減された補助容量駆動信号を上記補助容量配線に供給し、当該補助容量配線に接続される補助容量(図4参照)を駆動する。なお、本発明に係る表示装置、走査線駆動装置において使用されるバッファは、入力のファン・イン数の調節、出力の駆動能力の向上等に使用するものである。入力用として使用されるバッファの多くは、シュミット・トリガ機能を有しており、入力信号の雑音除去、波形整形を行う。また、ここで「補助容量駆動信号の波形を整形する」処理とは、当該補助容量駆動信号に発生する鈍りを低減させる処理、当該補助容量駆動信号の振幅を増幅させる処理等の、当該補助容量駆動信号による補助容量の駆動を好適に行う、即ち、当該補助容量の駆動能力を向上させるための処理を意味する。一般的に上記のようなバッファは、上記シュミット・トリガ機能により、こうした処理を容易に実施することが可能である。
【0106】
ゲートドライバ1に設けられる端子「VCSH」、「VCSL」は、本発明に係る走査線駆動装置に設けられるバッファを動作させるための、図示しない電源が接続される電源端子である。即ち、ゲートドライバ1における端子「VCSH」、「VCSL」は、バッファ21A、21Bを動作させるための、図示しない電源が接続される電源端子である。なお、端子「VCSH」、「VCSL」に印加される、当該電源からの電源電圧は、
端子「VCSH」の電源電圧>端子「VCSL」の電源電圧
の関係を有する。
【0107】
図2は、バッファ21A、及びバッファ21Bの回路構成を示す図である。
【0108】
図2に示すバッファ210は、バッファ21A、及びバッファ21Bとして好適に使用されるものである。図2に示すバッファ210は、入力端子211、2つのインバータ212A、212B、及び出力端子213が、この順番に直列接続される構成である。
【0109】
図2に示すバッファ210は、入力端子211が、図1に示すゲートドライバ1における、端子「CSVtypeA1R」と端子「CSVtypeA1L」との間、端子「CSVtypeA2R」と端子「CSVtypeA2L」との間、端子「CSVtypeA3R」と端子「CSVtypeA3L」との間、及び端子「CSVtypeA4R」と端子「CSVtypeA4L」との間に接続される。これは、図2に示すバッファ210を、図1に示すバッファ21Aとして用いる場合であっても、図1に示すバッファ21Bとして用いる場合であっても同様である。
【0110】
また、図1に示すバッファ21Aとして用いる場合、バッファ210の出力端子213は、図1に示すゲートドライバ1における、端子「CSVtypeA1´R」〜「CSVtypeA4´R」に接続される。また、図1に示すバッファ21Bとして用いる場合、バッファ210の出力端子213は、図1に示すゲートドライバ1における、端子「CSVtypeA1´L」〜「CSVtypeA4´L」に接続される。
【0111】
また、図2に示すバッファ210に設けられる、2つのインバータ212A、212Bはいずれも、電源ラインVCSHが、図1に示すゲートドライバ1に設けられる端子「VCSH」に接続され、電源ラインVCSLが、図1に示すゲートドライバ1に設けられる端子「VCSL」に接続される。
【0112】
インバータ212Aは、端子「VCSH」からの電圧がソースに印加されるpチャネル型のMOS(Metal Oxide Semiconductor)電界効果トランジスタ212APと、端子「VCSL」からの電圧がソースに印加されるnチャネル型のMOS電界効果トランジスタ212ANとを備えるインバータ回路である。また、インバータ212Bは、端子「VCSH」からの電圧がソースに印加されるpチャネル型のMOS電界効果トランジスタ212BPと、端子「VCSL」からの電圧がソースに印加されるnチャネル型のMOS電界効果トランジスタ212BNとを備えるインバータ回路である。
【0113】
そして、図2に示すバッファ210は、インバータ212A、212Bを、2段に接続して構成されるものである。
【0114】
ここで、本発明に係る走査線駆動装置において、走査線駆動信号を生成する原理について、その概要を説明する。
【0115】
まず、図1に示すゲートドライバ1の端子「LBR」には、該端子「LBR」を「H」状態または「L」状態とするための制御信号が供給される。これにより、ゲートドライバ1では、双方向シフトレジスタ12のシフト方向が決定され、走査線駆動信号の走査方向が決定される。なお、ここでは、端子「LBR」を「H」状態とする場合を想定し、上記概要を説明する。このとき、出力回路14が出力する走査線駆動信号の走査方向、即ち、走査線駆動信号が供給される走査線の順番は、端子「OG1」に接続される走査線、端子「OG2」に接続される走査線、・・・、端子「OG272」に接続される走査線、となる。
【0116】
垂直同期信号を基に生成された走査開始信号が、ゲートドライバ1の端子「GSPOI」から入力されると、双方向シフトレジスタ12は、ゲートドライバ1の端子「GCKOI」から入力される駆動クロック信号に同期してシフト動作を開始し、該シフト動作によりパルス信号である第1のパルスを生成する。なお、この駆動クロック信号には、水平同期信号を基に生成された信号が使用される。
【0117】
上記第1のパルスは、レベルシフタ13にて、上記電圧vglから上記電圧vghの振幅を有する信号にレベル変換され、出力回路14から端子「OG1」に接続される走査線へと出力される。次に、双方向シフトレジスタ12は、上記シフト動作により、第1のパルスとは別のパルス信号である第2のパルスを生成する。この第2のパルスは、レベルシフタ13にて、上記電圧vglから上記電圧vghの振幅を有する信号にレベル変換され、出力回路14から端子「OG2」に接続される走査線へと出力される。
【0118】
即ち、双方向シフトレジスタ12は、上記シフト動作により、第nのパルスとは別のパルス信号である第(n+1)のパルスを生成する。この第(n+1)のパルスは、レベルシフタ13にて、上記電圧vglから上記電圧vghの振幅を有する信号にレベル変換され、出力回路14から端子「OG(n+1)」に接続される走査線へと出力される。次に、双方向シフトレジスタ12は、上記シフト動作により、第(n+1)のパルスとは別のパルス信号である第(n+2)のパルスを生成する、といった具合に、以上の動作を、端子「OG272」に接続される走査線へとパルス(第272のパルス)が出力されるまで繰り返す。なお、ここで、「n」とは、双方向シフトレジスタ12の場合、1〜270の間の任意の自然数である。
【0119】
上記双方向シフトレジスタ12におけるシフト動作では、水平同期信号と同期する信号が使用される。そのため、端子「OG1」〜「OG272」から出力する走査線駆動信号は、該水平同期信号の1周期毎に、走査線を1本駆動することとなる。
【0120】
上記シフト動作が終了すると、即ち、端子「OG272」に接続される走査線へと走査線駆動信号を出力すると、ゲートドライバ1は、端子「GSPIO」から走査開始信号を出力すると共に、端子「GCKIO」から駆動クロック信号を出力する。当該走査開始信号及び駆動クロック信号は、上記次段のゲートドライバに入力される。これにより、当該次段のゲートドライバでは、ゲートドライバ1と同様の、走査線駆動装置における走査線駆動信号生成動作を開始する。ゲートドライバ1が、272本の走査線を駆動する場合、上記次段のゲートドライバでは、273本目の走査線から、274本目の走査線、275本目の走査線、・・・、といった具合に、走査線に走査線駆動信号を与える。
【0121】
図3は、ゲートドライバ1の外形を示す図である。
【0122】
なお、本発明に係る走査線駆動装置の特徴をより明確に図示するため、図3に示すゲートドライバ1、後述する図8に示すゲートドライバ2、及び後述する図10に示すゲートドライバ3ではいずれも、補助容量駆動信号が通過する部材を透視した状態で図示している。
【0123】
ゲートドライバ1は、テープ31に、バッファ21A、21Bを備える集積回路32を実装した構成である。なお、図3に示すゲートドライバ1において、各種端子が設けられる端子部33に付されている符号は、ゲートドライバ1の端子に対応する、テープ31の端子名である。
【0124】
ゲートドライバ1の端子は、端子部33の中央に、端子「OG1」〜「OG272」が配置され、その両側に、端子「CSVtypeA1´R」〜「CSVtypeA4´R」、「CSVtypeA1´L」〜「CSVtypeA4´L」が配置される。
【0125】
その他の端子は、端子部33において、端子「CSVtypeA1´R」〜「CSVtypeA4´R」、「CSVtypeA1´L」〜「CSVtypeA4´L」よりも、ゲートドライバ1の両端側に配置される。また、図示はしていないが、図3に2端子設けられる、端子「VGL」、端子「VGH」、端子「GND」、端子「LBR」、端子「VCC」、端子「VCSH」、及び端子「VCSL」はいずれも、当該2端子における、一方の端子と他方の端子とが接続される。
【0126】
端子「CSVtypeA1R」〜「CSVtypeA4R」は、端子「CSVtypeA1L」〜「CSVtypeA4L」と接続される。
【0127】
なお、便宜上、図3以下の図面では、補助容量駆動信号が通過する配線(例えば、端子「CSVtypeA1R」と端子「CSVtypeA1L」とを接続する配線)が複数存在する箇所を、1本の太線で図示している。
【0128】
なお、端子「GSPOI」、「GSPIO」は、一方が入力端子となると他方が出力端子となる入出力関係を有する。即ち、端子「GSPOI」、「GSPIO」は、一方の端子から入力された信号を、他方の端子から出力する。端子「GSPOI」、「GSPIO」は、端子部33の両端に配置されるのが好適である。また、端子「GCKOI」、「GCKIO」についても同様に、端子部33の両端に配置されるのが好適である。
【0129】
バッファ21A、21Bは、上述したとおり、バッファ21Aの入力端子及びバッファ21Bの入力端子が、端子「CSVtypeA1R」〜「CSVtypeA4R」と端子「CSVtypeA1L」〜「CSVtypeA4L」との接続部分に接続され、バッファ21Aの出力端子が、端子「CSVtypeA1´R」〜「CSVtypeA4´R」に接続され、バッファ21Bの出力端子が、端子「CSVtypeA1´L」〜「CSVtypeA4´L」に接続される。
【0130】
図4は、ゲートドライバ1を、表示装置の基板へと実装した状態を示す図である。
【0131】
なお、本発明に係る表示装置の特徴をより明確に図示するため、図4に示す液晶表示パネル(表示装置)40、後述する図17に示す液晶表示パネル170、及び後述する図18に示す液晶表示パネル180ではいずれも、当該各液晶表示パネル自身に設けられるゲートドライバ内部を、部分的に(即ち、ゲートドライバ内部において、走査線駆動信号が通過しない部材を)透視した状態で図示している。
【0132】
なお、図4、後述する図17、及び後述する図18ではいずれも、本発明に係る表示装置として、表示装置に本発明に係る走査線駆動装置を2個実装する例について説明するが、これには限定されない。即ち、本発明に係る走査線駆動装置は、表示装置の基板へと1個だけ実装されてもよいし、3個以上実装されてもよい。
【0133】
以下、図4を用いて、本発明に係る表示装置の構成及び動作原理について説明する。
【0134】
図4に示すとおり、液晶表示パネル40では、1つの表示絵素41が、複数の副絵素42、43に分割されている。また、副絵素42は、TFT44を介して走査線Gn及び信号線(データ線)Smに接続されている。また、副絵素43は、TFT45を介して走査線Gn及び信号線Smに接続されている。即ち、TFT44、45のゲート電極は、共通(同一)の走査線Gnに接続されている。また、TFT44、45のソース電極は、共通(同一)の信号線Smに接続されている。
【0135】
副絵素42、43は、液晶容量と補助容量とを有している。これらの液晶容量及び補助容量は共に、一方の電極がTFT44、45のドレイン電極に接続されている。液晶容量の他方の電極は、対向電圧に接続されている。補助容量の他方の電極は、補助容量配線46、47に接続されている。これにより、副絵素42、43における補助容量には、補助容量配線46、47からCS電圧が印加され得る。即ち、副絵素42、43は、図12に示す副絵素121、122と同様の接続関係を有する。そのため、副絵素42における補助容量に印加されるCS電圧と、副絵素43における補助容量に印加されるCS電圧とは、互いに異なる電圧となり得る。
【0136】
つまり、図4に示す表示絵素41は、図12に示す表示絵素120と同様の構成を有するものである。
【0137】
液晶表示パネル40ではまず、コントローラ48から図1に示すゲートドライバ1と同一の構成を有するゲートドライバ1Aへと、補助容量駆動信号、走査線駆動信号の基となるゲートドライバの制御信号(走査開始信号及び駆動クロック信号)、及び各種電源電圧が入力される。このとき、ゲートドライバ1Aは、端子群C1の端子「LBR」と端子「VCC」とが接続されることで「H」状態に固定される。なお、ゲートドライバ1Aには、補助容量駆動信号が、端子群C1の端子「CSVtypeA1R」〜「CSVtypeA4R」から入力される。また、ゲートドライバ1Aの端子「LBR」が「H」状態であるため、ゲートドライバの制御信号は、ゲートドライバ1Aの端子群C1の端子「GSPOI」、「GCKOI」から入力される。また、各種電源電圧は、ゲートドライバ1Aの端子群C1の端子「VGL」、「VGH」、「GND」、「VCC」、「VCSL」、及び「VCSH」から入力される。
【0138】
ここで、図4において、端子「LBR」、「VGL」、「VGH」、「GND」、「VCC」、「VCSL」、及び「VCSH」は、端子群C1、C2で示すとおり、ゲートドライバ1Aにおけるテープ31の端子部33両端に設けられている。そして、端子群C1に設けられるこれらの端子と、端子群C2に設けられるこれらの端子とは、互いに同一の端子名を有する端子同士が接続される。
【0139】
また、図4に示すとおり、端子群C1に端子「GSPOI」、「GCKOI」が設けられる場合、端子「GSPIO」、「GCKIO」は、端子群C2に設けられる。この場合、端子群C1に設けられる端子「GSPOI」は、端子群C2に設けられる端子「GSPIO」に接続され、端子群C1に設けられる端子「GCKOI」は、端子群C2に設けられる端子「GCKIO」に接続される。
【0140】
同様に、図4に示すとおり、端子群C1に端子「CSVtypeA1R」〜「CSVtypeA4R」が設けられる場合、端子「CSVtypeA1L」〜「CSVtypeA4L」は、端子群C2に設けられる。そして、端子群C1に設けられる端子「CSVtypeA1R」〜「CSVtypeA4R」は、端子群C2に設けられる端子「CSVtypeA1L」〜「CSVtypeA4L」に接続される。
【0141】
そのため、ゲートドライバ1Aの端子群C2に設けられる端子「CSVtypeA1L」〜「CSVtypeA4L」と、ゲートドライバ1Aと同一の構成を有するゲートドライバ1Bの端子群C1に設けられる端子「CSVtypeA1R」〜「CSVtypeA4R」とを、例えばガラス基板49上の配線により接続することで、液晶表示パネル40では、ゲートドライバ1Aに入力される、補助容量駆動信号、ゲートドライバの制御信号、及び各種電源電圧を、当該ゲートドライバ1Aからゲートドライバ1Bに供給することができる。
【0142】
次に、液晶表示パネル40では、コントローラ48から入力された走査線駆動信号の基となる信号を用いて、上述した原理により、ゲートドライバ1Aが走査線駆動信号を生成する。ゲートドライバ1Aの端子「OG1」〜「OG272」は、各々の液晶表示パネル40の走査線Gnに接続される。そして、ゲートドライバ1Aは、端子「OG1」〜「OG272」に接続される各走査線Gnに走査線駆動信号を与える。
【0143】
一方、コントローラ48から入力された補助容量駆動信号は、ゲートドライバ1Aの集積回路32の内部に設けられるバッファ21A、21Bで波形整形が行われ、端子「CSVtypeA1´R」〜「CSVtypeA4´R」、「CSVtypeA1´L」〜「CSVtypeA4´L」から出力される。端子「CSVtypeA1´R」〜「CSVtypeA4´R」、「CSVtypeA1´L」〜「CSVtypeA4´L」は、液晶表示パネル40における補助容量の基幹ライン(基幹配線)50に接続される。さらに、当該基幹ライン50には、補助容量配線51が接続される。バッファ21A、21Bから端子「CSVtypeA1´R」〜「CSVtypeA4´R」、「CSVtypeA1´L」〜「CSVtypeA4´L」に出力される、波形の鈍りが低減された補助容量駆動信号は、端子「CSVtypeA1´R」〜「CSVtypeA4´R」、「CSVtypeA1´L」〜「CSVtypeA4´L」に接続されている当該補助容量配線51全てに与えられ、これにより、当該補助容量配線51に接続される補助容量が駆動される。
【0144】
上記の構成によれば、基幹ライン50は、ゲートドライバ1Aの端子「CSVtypeA1´R」〜「CSVtypeA4´R」、「CSVtypeA1´L」〜「CSVtypeA4´L」に接続される補助容量配線51単位での分断が可能である。即ち、基幹ライン50は、特定の1個のバッファに接続されている補助容量配線51毎に分断して設けられてもよい。
【0145】
以上のとおり、図4に示す液晶表示パネル40では、補助容量駆動信号が入力されるゲートドライバ1A、1Bを備える。そして、ゲートドライバ1A、1Bはそれぞれ、補助容量駆動信号が入力され、当該補助容量駆動信号の波形を整形するバッファ21A、21Bを備える。さらに、バッファ21A、21Bはそれぞれ、自身に入力された補助容量駆動信号の波形を整形して、上記各補助容量配線51に出力することで、当該各補助容量配線51に波形の鈍りが低減された当該補助容量駆動信号を供給する。
【0146】
本発明に係る表示装置では、基幹配線を設ける必要こそあるが、当該基幹配線は、従来技術に係る表示装置のように、液晶表示パネル全体に伸長した状態で設ける必要がない。即ち、本発明に係る表示装置では、従来技術に係る表示装置のように、液晶表示パネル全体の補助容量配線に接続される補助容量を駆動する必要がない。このため、本発明に係る表示装置では、基幹配線を構成する配線の線幅を、従来技術に係る表示装置の基幹配線を構成する配線の線幅と比較して細くすることができる。なお、バッファの大きさにも関係するため一概には言えないが、従来技術に係る表示装置が4個のゲートドライバにより補助容量を駆動する場合、当該表示装置のかわりに、図4に示す液晶表示パネル40の構成を採用することにより、従来技術に係る表示装置の基幹配線は、8つの基幹配線に分割することができる。このため、図4に示す液晶表示パネル40では、基幹ライン50を構成する配線の線幅を例えば、従来技術に係る表示装置における基幹配線の線幅の1/8とすることができる。
【0147】
従って、本発明に係る表示装置では、額縁の狭小化を実現することが可能であるという効果を奏する。
【0148】
本発明に係る表示装置は、基幹配線が分断されずに、該表示装置に設けられる走査線駆動装置毎に、上述した機能を有するバッファを1個または複数個設け、当該各バッファから、補助容量駆動信号を各補助容量配線に供給するものであってもよい。これは、各走査線駆動装置が、表示装置に分散して実装されており、これに伴い、当該各表示装置内部に設けられるバッファも分散されて複数個実装されていることによる。この場合は、各バッファ総計の駆動能力が充分に高ければ、上記基幹ラインを分断せずに、基幹配線を構成する配線の線幅を細くすることも可能である。
【0149】
〔実施の形態2〕
本発明の一実施形態について図5ないし図8、図17に基づいて説明すると以下の通りである。
【0150】
図5は、本発明の別の実施形態を示すものであり、走査線駆動装置の概略構成を示すブロック図である。
【0151】
図5に示すゲートドライバ2は、図1に示すゲートドライバ1の構成において、端子「CSVtypeA1´R」〜「CSVtypeA4´R」、または、端子「CSVtypeA1´L」〜「CSVtypeA4´L」が省略される。即ち、図5に示すゲートドライバ2は、補助容量駆動信号の出力端子として、端子「CSVtypeA1´」〜「CSVtypeA4´」が設けられる。また、図5に示すゲートドライバ2は、図1に示すゲートドライバ1の構成において、端子「OVCSH」、「OVCSL」が追加される構成である。
【0152】
図5に示すゲートドライバ2は、1個のバッファ22を備える。これに伴い、本実施の形態において、端子「VCSH」、「VCSL」は、バッファ22を動作させるための、図示しない電源が接続される電源端子となる。
【0153】
端子「OVCSH」、「OVCSL」は、端子「VCSH」、「VCSL」と同様に、バッファ22を動作させるための、図示しない電源が接続される電源端子である。ここで、端子「OVCSH」に印加される、当該電源からの電源電圧は、端子「VCSH」に印加される、当該電源からの電源電圧よりも数V高い。また、端子「OVCSL」に印加される、当該電源からの電圧の電位は、端子「VCSL」に印加される、当該電源からの電源電圧よりも数V低い。
【0154】
図6は、図5に示す走査線駆動装置に設けられるバッファの回路構成を示す図である。
【0155】
図6に示すバッファ220は、バッファ22、及び後述するバッファ23(図9参照)として好適に使用されるものである。図6に示すバッファ220は、図2に示すバッファ210の構成において、インバータ212Bのかわりに、インバータ回路212Cを備える構成である。インバータ回路212Cは、インバータ212Bの構成において、トランジスタ212BPのソースにスイッチSW1をさらに備え、トランジスタ212BNのソースにスイッチSW2をさらに備える構成である。
【0156】
スイッチSW1、SW2は共に、例えば、c接点動作を行う単極の切替スイッチにより構成される。スイッチSW1は、自身のオンオフを切り替えることで、トランジスタ212BPのソースが、端子「VCSH」に接続される状態と、端子「OVCSH」に接続される状態とを切り替える。スイッチSW2は、自身のオンオフを切り替えることで、トランジスタ212BNのソースが、端子「VCSL」に接続される状態と、端子「OVCSL」に接続される状態とを切り替える。
【0157】
ここで、スイッチSW1は、入力端子211から入力される補助容量駆動信号の立ち上がりの瞬間から所定の時間だけ、トランジスタ212BPのソースが、端子「OVCSH」に接続される状態とし、それ以外の時間においては、トランジスタ212BPのソースが、端子「VCSH」に接続される状態とする。同様に、スイッチSW2は、上記補助容量駆動信号の立ち下がりの瞬間から所定の時間だけ、トランジスタ212BNのソースが端子「OVCSL」に接続される状態とし、それ以外の時間においては、トランジスタ212BNのソースが端子「VCSL」に接続される状態とする。
【0158】
図6に示すバッファ220において、スイッチSW1、SW2の切り替え動作を上述したとおりに制御する場合、上記バッファが出力する信号は、図7に示す波形となる。
【0159】
図7は、バッファ220により、いわゆるオーバーシュート処理が実施された後の、信号の波形を示すグラフである。なお、図7に示すグラフにおいて、縦軸は、上記補助容量駆動信号のレベルであり、横軸は、時間である。
【0160】
スイッチSW1は、図7に波形を示す上記補助容量駆動信号の立ち上がりの瞬間T1から、当該立ち上がりの瞬間T1から所定時間経過後のT2までの間T3において、トランジスタ212BPのソースと、端子「VCSH」の電位よりも数V高い電位を有する端子「OVCSH」とを接続する。また、T3以外の時間において、スイッチSW1は、トランジスタ212BPのソースと、端子「VCSH」とを接続する。
【0161】
スイッチSW2は、図7に波形を示す上記補助容量駆動信号の立ち下がりの瞬間T4から、当該立ち下がりの瞬間T4から所定時間経過後のT5までの間T6において、トランジスタ212BNのソースと、端子「VCSL」の電位よりも数V低い電位を有する端子「OVCSL」とを接続する。また、T6以外の時間において、スイッチSW2は、トランジスタ212BNのソースと、端子「VCSL」とを接続する。
【0162】
図5に示すゲートドライバ2では、バッファ22として、図6に示すバッファ220を用いる。そして、図5に示すゲートドライバ2では、端子「CSVtypeA1R」〜「CSVtypeA4R」からバッファ22に入力される補助容量駆動信号に対して、上述した図7に示すオーバーシュート処理を行い、端子「CSVtypeA1´」〜「CSVtypeA4´」から出力する。これにより、図5に示すゲートドライバ2では、上記オーバーシュート処理により、補助容量駆動信号の立ち上がりにおいては、出力されるべき電圧より高い電位を一旦出力し、その後、目的の電位を出力する。同様に、図5に示すゲートドライバ2では、上記オーバーシュート処理により、補助容量駆動信号の立ち下がり時においては、出力されるべき電圧より低い電位を一旦出力し、その後、目的の電位を出力する。これにより、補助容量及び液晶容量の充電時間を早め、目的の電圧に到達するまでの時間を短時間とすることができる。そして、これにより、図5に示すゲートドライバ2では、走査線の増加に起因して、補助容量の駆動時間が短くなる場合においても、対応が可能となる。即ち、図5に示すゲートドライバ2では、走査線の増加に起因して、補助容量の駆動時間が短くなる場合においても、補助容量を適切に駆動することができるため、表示の輝度のムラを低減し、表示のばらつきを少なくすることができる。
【0163】
図8は、図5に示すゲートドライバ2の外形の一例を示す図である。
【0164】
図8に示すゲートドライバ2は、テープ31に、バッファ22を備える集積回路62を実装した構成である。また、図8に示すゲートドライバ2は、端子部63を有する。
【0165】
図8に示すゲートドライバ2では、端子「CSVtypeA1´」〜「CSVtypeA4´」が端子部63の中央に配置される。
【0166】
また、端子「OVCSH」は、端子部63における端子「VCSH」と端子「VCSL」との間に設けられる。また、端子「OVCSL」の一方は、端子部63における端子「VCSL」の一方と端子「GSPOI」との間に設けられ、端子「OVCSL」の他方は、端子部63における端子「VCSL」の他方と端子「GSPIO」との間に設けられる。
【0167】
さらに、図8に示すゲートドライバ2は、図17に示すとおり、図4と同様の要領により、ゲートドライバ2A、2Bとして、表示装置としての液晶表示パネル170に実装することが可能である。端子「OVCSH」、「OVCSL」は、一方が図17に示す液晶表示パネル170に係る端子群C11(図4に示すゲートドライバ1Aの端子群C1に対応する端子群)に、他方が端子群C12(図4に示すゲートドライバ1Aの端子群C2に対応する端子群)に設けられる。そして、端子群C11に設けられる端子「OVCSH」は、端子群C12に設けられる端子「OVCSH」に接続され、端子群C11に設けられる端子「OVCSL」は、端子群C12に設けられる端子「OVCSL」に接続される。端子「CSVtypeA1´」〜「CSVtypeA4´」は、液晶表示パネル170における補助容量の基幹ライン171に接続される。さらに、当該基幹ライン171には、補助容量配線172等の補助容量配線が接続される。バッファ22から端子「CSVtypeA1´」〜「CSVtypeA4´」に出力される、波形の鈍りが低減された補助容量駆動信号は、端子「CSVtypeA1´」〜「CSVtypeA4´」に接続されている当該補助容量配線全てに与えられる。
【0168】
図17に示す液晶表示パネル170の構成によっても、図4に示す液晶表示パネル40と同様の効果を奏する。
【0169】
なお、本実施の形態では、バッファ22として、図6に示すバッファ220を用いているが、これに限定されず、バッファ22として、図2に示すバッファ210を用いてもよい。また、反対に、上述した図1に係る形態におけるバッファ21A及び/またはバッファ21Bは、図6に示すバッファ220が用いられてもよい。
【0170】
〔実施の形態3〕
本発明の一実施形態について図9、図10、図18に基づいて説明すると以下の通りである。
【0171】
図9は、本発明の別の実施形態を示すものであり、走査線駆動装置の概略構成を示すブロック図である。
【0172】
図9に示すゲートドライバ3は、図5に示すゲートドライバ2の構成において、バッファ(第2のバッファ)23をさらに備える構成である。これに伴い、本実施の形態において、端子「VCSH」、「VCSL」は、バッファ(第1のバッファ)22及びバッファ23を動作させるための、図示しない電源が接続される電源端子となる。
【0173】
また、図9に示すゲートドライバ3には、端子「CSVtypeA1R」〜「CSVtypeA4R」、「CSVtypeA1L」〜「CSVtypeA4L」のかわりに、端子「CSVtypeA1I」〜「CSVtypeA4I」、「CSVtypeA1O」〜「CSVtypeA4O」が設けられる。
【0174】
ゲートドライバ3に設けられる端子「CSVtypeA1I」〜「CSVtypeA4」は、補助容量駆動信号をバッファ23に入力するための、補助容量駆動信号の入力端子である。ゲートドライバ3に設けられる端子「CSVtypeA1O」〜「CSVtypeA4O」は、バッファ23から入力された上記補助容量駆動信号を、補助容量配線とは別の外部に出力するための、補助容量駆動信号の出力端子である。
【0175】
つまり、ゲートドライバ3に設けられる端子「CSVtypeA1O」〜「CSVtypeA4O」は、ゲートドライバ3と同一の構成を有する、図示しない次段のゲートドライバに設けられる端子「CSVtypeA1I」〜「CSVtypeA4I」と接続されることで、当該次段のゲートドライバに補助容量駆動信号を供給することができる。例えば、本発明に係る走査線駆動装置として、図8に示すゲートドライバ3を2個(即ち、後述する図18に示すゲートドライバ3A、3B)、図4に示す要領と同様の要領により実装する場合、ゲートドライバ3Aに設けられる端子「CSVtypeA1O」〜「CSVtypeA4O」は、ゲートドライバ3Bに設けられる端子「CSVtypeA1I」〜「CSVtypeA4I」に接続される(図18参照)。
【0176】
バッファ23は、一端(入力端子)が、ゲートドライバ3の端子「CSVtypeA1I」〜「CSVtypeA4I」に接続され、他端(出力端子)が、ゲートドライバ3の端子「CSVtypeA1O」〜「CSVtypeA4O」に接続される。なお、バッファ23は、端子「CSVtypeA1I」〜「CSVtypeA4I」と端子「CSVtypeA1O」〜「CSVtypeA4O」との間において、バッファ22が接続される部分よりも、当該端子「CSVtypeA1O」〜「CSVtypeA4O」に近い部分に設けられている。
【0177】
図9に示すゲートドライバ3では、端子「CSVtypeA1I」〜「CSVtypeA4I」から入力される上記補助容量駆動信号を、バッファ22を介して、端子「CSVtypeA1´」〜「CSVtypeA4´」から補助容量配線に出力する。
【0178】
一方、図9に示すゲートドライバ3では、端子「CSVtypeA1I」〜「CSVtypeA4I」から入力される上記補助容量駆動信号を、バッファ23を介して、端子「CSVtypeA1O」〜「CSVtypeA4O」から、上記補助容量配線とは別の外部(例えば、上記次段のゲートドライバ)へと出力する。
【0179】
これにより、複数の走査線駆動装置を備える表示装置においては、上記補助容量駆動信号の鈍り及び遅延に起因する、当該複数の走査線駆動装置間における、上記補助容量駆動信号の波形の変動を抑制することができる。
【0180】
従って、図9に示すゲートドライバ3は、表示装置に走査線駆動装置が多数実装される場合において非常に効果的である。
【0181】
なお、バッファ23として使用されるバッファは、当然ながら図2に示すバッファ210であっても構わないが、図6に示すバッファ220であるのがより好適である。
【0182】
図10は、図9に示すゲートドライバ3の外形を示す図である。
【0183】
図10に示すゲートドライバ3は、テープ31に、バッファ22、23を備える集積回路72を実装した構成である。また、図10に示すゲートドライバ3は、端子部73を有する。なお、図10に示すゲートドライバ3では、端子「CSVtypeA1I」〜「CSVtypeA4I」が端子部73の一端に、端子「CSVtypeA1O」〜「CSVtypeA4O」が端子部73の他端に設けられる。
【0184】
さらに、図9に示すゲートドライバ3は、図18に示すとおり、図4と同様の要領により、ゲートドライバ3A、3Bとして、表示装置としての液晶表示パネル180に実装することが可能である。
【0185】
図18に示す液晶表示パネル180では、補助容量駆動信号が入力されるゲートドライバ3A、3Bを備える。そして、ゲートドライバ3A、3Bはそれぞれ、自身に入力された補助容量駆動信号が入力されるバッファ22、23を備える。バッファ22は、自身に入力された補助容量駆動信号の波形を整形して、端子「CSVtypeA1´」〜「CSVtypeA4´」から、基幹ライン181に接続された補助容量配線182等の補助容量配線に出力することで、当該補助容量配線182に当該補助容量駆動信号を供給する。一方、バッファ23は、自身に入力された補助容量駆動信号の波形を整形して、端子「CSVtypeA1O」〜「CSVtypeA4O」から、補助容量配線182とは異なる外部に出力する。なお、一例として、ゲートドライバ3Aのバッファ23は、自身に入力された補助容量駆動信号を、ゲートドライバ3Aの端子「CSVtypeA1O」〜「CSVtypeA4O」から、ゲートドライバ3Bの端子「CSVtypeA1I」〜「CSVtypeA4I」に出力している。
【0186】
なお、本発明に係る表示装置では、走査線駆動装置内部で補助容量駆動信号を生成し、当該走査線駆動装置に設けられたバッファにより当該補助容量駆動信号の波形を整形して、各補助容量配線に供給する構成であってもよい。同様に、本発明に係る走査線駆動装置では、自身の内部で補助容量駆動信号を生成し、自身に設けられたバッファにより当該補助容量駆動信号の波形を整形して、表示装置の各補助容量配線に供給する構成であってもよい。
【0187】
本発明は、上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0188】
本発明は、例えば、ワードプロセッサ、パーソナルコンピュータ、及びテレビジョン放送の受信機等に用いられる表示装置に好適に利用することができる。また、本発明は、アクティブマトリクス型液晶表示装置等の表示装置、及び当該表示装置に設けられている走査線を駆動する走査線駆動装置に好適に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0189】
【図1】本発明の一実施形態を示すものであり、走査線駆動装置の概略構成を示すブロック図である。
【図2】上記走査線駆動装置に設けられるバッファの回路構成を示す図である。
【図3】上記本発明の一実施形態に係る走査線駆動装置の外形を示す図である。
【図4】本発明に係る表示装置を示す図であり、上記走査線駆動装置を、表示装置の基板へと実装した状態を示す図である。
【図5】本発明の別の実施形態を示すものであり、走査線駆動装置の概略構成を示すブロック図である。
【図6】上記走査線駆動装置に設けられるバッファの回路構成を示す図である。
【図7】上記バッファにより、オーバーシュート処理が実施された後の、補助容量駆動信号の波形を示すグラフである。
【図8】上記本発明の別の実施形態に係る走査線駆動装置の外形を示す図である。
【図9】本発明の別の実施形態を示すものであり、走査線駆動装置の概略構成を示すブロック図である。
【図10】上記本発明の別の実施形態に係る走査線駆動装置の外形を示す図である。
【図11】液晶表示装置の液晶表示パネルのγ特性を示すグラフである。
【図12】マルチ絵素駆動で駆動される液晶表示装置の表示絵素の構成例を示す図である。
【図13】上記液晶表示装置において、副絵素のそれぞれに印加されるソース電圧及び補助容量対向電圧の波形の一例を示す図である。
【図14】図14(a)・(b)は、2フレーム毎に上記補助容量対向電圧の波形を反転させる例を示すグラフである。
【図15】上記液晶表示装置の等価回路を模式的に示す図である。
【図16】液晶表示パネルのガラス基板における、補助容量駆動信号の配線を示す図である。
【図17】本発明に係る別の表示装置を示す図であり、図5に示す走査線駆動装置を、表示装置の基板へと実装した状態を示す図である。
【図18】本発明に係る別の表示装置を示す図であり、図9に示す走査線駆動装置を、表示装置の基板へと実装した状態を示す図である。
【符号の説明】
【0190】
1〜3、1A、1B、2A、2B、3A、3B
ゲートドライバ(走査線駆動装置)
21A、21B、22、23、210、220
バッファ
40、170、180
液晶表示パネル(表示装置)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
走査線駆動装置と、1つの表示絵素が分割された複数の副絵素と、を備え、
上記複数の副絵素は、それぞれ異なる補助容量配線に接続された補助容量を有しており、
上記各補助容量配線に供給される補助容量駆動信号に基づいて上記補助容量を駆動することにより、上記複数の副絵素をそれぞれ異なる輝度で表示可能である表示装置であって、
上記走査線駆動装置は、
上記各補助容量配線に供給すべき補助容量駆動信号が入力され、入力された当該補助容量駆動信号の波形を整形して当該各補助容量配線に供給するバッファを備えることを特徴とする表示装置。
【請求項2】
上記走査線駆動装置は、
上記各補助容量配線に供給すべき補助容量駆動信号を、そのまま当該各補助容量配線とは別の外部に出力する配線をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
上記走査線駆動装置を複数個備え、
上記各走査線駆動装置は、上記配線により接続されていることを特徴とする請求項2に記載の表示装置。
【請求項4】
上記各補助容量配線は、上記各走査線駆動装置のいずれかにおけるバッファに接続されるもの毎に分断して設けられていることを特徴とする請求項3に記載の表示装置。
【請求項5】
上記走査線駆動装置は、上記バッファを複数個備えることを特徴とする請求項1または2に記載の表示装置。
【請求項6】
上記各補助容量配線は、上記複数のバッファにおけるいずれかのバッファに接続されるもの毎に分断して設けられていることを特徴とする請求項5に記載の表示装置。
【請求項7】
上記走査線駆動装置のバッファは、自身に入力された補助容量駆動信号を、オーバーシュート駆動により上記各補助容量配線に供給することを特徴とする請求項1、2、5、6のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項8】
走査線駆動装置と、1つの表示絵素が分割された複数の副絵素と、を備え、
上記複数の副絵素は、それぞれ異なる補助容量配線に接続された補助容量を有しており、
上記各補助容量配線に供給される補助容量駆動信号に基づいて上記補助容量を駆動することにより、上記複数の副絵素をそれぞれ異なる輝度で表示可能である表示装置であって、
上記走査線駆動装置は、
少なくとも、上記各補助容量配線に供給すべき補助容量駆動信号が入力され、入力された当該補助容量駆動信号の波形を整形して当該各補助容量配線に供給する第1のバッファと、当該各補助容量配線に供給すべき補助容量駆動信号が入力され、入力された当該補助容量駆動信号の波形を整形して当該各補助容量配線とは別の外部に出力する第2のバッファと、を備えることを特徴とする表示装置。
【請求項9】
上記走査線駆動装置を複数段備え、
最後段の走査線駆動装置よりも前段に備えられる各走査線駆動装置の第2のバッファはそれぞれ、当該各走査線駆動装置の次段に備えられる走査線駆動装置の第1のバッファと接続されていることを特徴とする請求項8に記載の表示装置。
【請求項10】
上記走査線駆動装置の第1のバッファは、自身に入力された補助容量駆動信号を、オーバーシュート駆動により上記各補助容量配線に供給することを特徴とする請求項8に記載の表示装置。
【請求項11】
上記走査線駆動装置には、上記各補助容量配線に供給すべき補助容量駆動信号が入力されていることを特徴とする請求項1、2、5〜8、10のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項12】
1つの表示絵素が分割された複数の副絵素を備え、当該複数の副絵素は、それぞれ異なる補助容量配線に接続された補助容量を有しており、当該各補助容量配線に供給される補助容量駆動信号に基づいて当該補助容量を駆動することにより、当該複数の副絵素をそれぞれ異なる輝度で表示可能である表示装置に備えられ、
上記表示装置に設けられている走査線を駆動する走査線駆動装置であって、
上記各補助容量配線に供給すべき補助容量駆動信号が入力され、入力された当該補助容量駆動信号の波形を整形して当該各補助容量配線に供給するバッファを備えることを特徴とする走査線駆動装置。
【請求項13】
上記各補助容量配線に供給すべき補助容量駆動信号を、そのまま当該各補助容量配線とは別の外部に出力する配線をさらに備えることを特徴とする請求項12に記載の走査線駆動装置。
【請求項14】
上記バッファは、自身に入力された補助容量駆動信号を、オーバーシュート駆動により上記各補助容量配線に供給することを特徴とする請求項12または13に記載の走査線駆動装置。
【請求項15】
1つの表示絵素が分割された複数の副絵素を備え、当該複数の副絵素は、それぞれ異なる補助容量配線に接続された補助容量を有しており、当該各補助容量配線に供給される補助容量駆動信号に基づいて当該補助容量を駆動することにより、当該複数の副絵素をそれぞれ異なる輝度で表示可能である表示装置に備えられ、
上記表示装置に設けられている走査線を駆動する走査線駆動装置であって、
少なくとも、上記各補助容量配線に供給すべき補助容量駆動信号が入力され、入力された当該補助容量駆動信号の波形を整形して当該各補助容量配線に供給する第1のバッファと、当該各補助容量配線に供給すべき補助容量駆動信号が入力され、入力された当該補助容量駆動信号の波形を整形して当該各補助容量配線とは別の外部に出力する第2のバッファと、を備えることを特徴とする走査線駆動装置。
【請求項16】
上記第1のバッファは、自身に入力された補助容量駆動信号を、オーバーシュート駆動により上記各補助容量配線に供給することを特徴とする請求項15に記載の走査線駆動装置。
【請求項17】
上記各補助容量配線に供給すべき補助容量駆動信号が入力されていることを特徴とする請求項12〜16のいずれか1項に記載の走査線駆動装置。
【請求項1】
走査線駆動装置と、1つの表示絵素が分割された複数の副絵素と、を備え、
上記複数の副絵素は、それぞれ異なる補助容量配線に接続された補助容量を有しており、
上記各補助容量配線に供給される補助容量駆動信号に基づいて上記補助容量を駆動することにより、上記複数の副絵素をそれぞれ異なる輝度で表示可能である表示装置であって、
上記走査線駆動装置は、
上記各補助容量配線に供給すべき補助容量駆動信号が入力され、入力された当該補助容量駆動信号の波形を整形して当該各補助容量配線に供給するバッファを備えることを特徴とする表示装置。
【請求項2】
上記走査線駆動装置は、
上記各補助容量配線に供給すべき補助容量駆動信号を、そのまま当該各補助容量配線とは別の外部に出力する配線をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
上記走査線駆動装置を複数個備え、
上記各走査線駆動装置は、上記配線により接続されていることを特徴とする請求項2に記載の表示装置。
【請求項4】
上記各補助容量配線は、上記各走査線駆動装置のいずれかにおけるバッファに接続されるもの毎に分断して設けられていることを特徴とする請求項3に記載の表示装置。
【請求項5】
上記走査線駆動装置は、上記バッファを複数個備えることを特徴とする請求項1または2に記載の表示装置。
【請求項6】
上記各補助容量配線は、上記複数のバッファにおけるいずれかのバッファに接続されるもの毎に分断して設けられていることを特徴とする請求項5に記載の表示装置。
【請求項7】
上記走査線駆動装置のバッファは、自身に入力された補助容量駆動信号を、オーバーシュート駆動により上記各補助容量配線に供給することを特徴とする請求項1、2、5、6のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項8】
走査線駆動装置と、1つの表示絵素が分割された複数の副絵素と、を備え、
上記複数の副絵素は、それぞれ異なる補助容量配線に接続された補助容量を有しており、
上記各補助容量配線に供給される補助容量駆動信号に基づいて上記補助容量を駆動することにより、上記複数の副絵素をそれぞれ異なる輝度で表示可能である表示装置であって、
上記走査線駆動装置は、
少なくとも、上記各補助容量配線に供給すべき補助容量駆動信号が入力され、入力された当該補助容量駆動信号の波形を整形して当該各補助容量配線に供給する第1のバッファと、当該各補助容量配線に供給すべき補助容量駆動信号が入力され、入力された当該補助容量駆動信号の波形を整形して当該各補助容量配線とは別の外部に出力する第2のバッファと、を備えることを特徴とする表示装置。
【請求項9】
上記走査線駆動装置を複数段備え、
最後段の走査線駆動装置よりも前段に備えられる各走査線駆動装置の第2のバッファはそれぞれ、当該各走査線駆動装置の次段に備えられる走査線駆動装置の第1のバッファと接続されていることを特徴とする請求項8に記載の表示装置。
【請求項10】
上記走査線駆動装置の第1のバッファは、自身に入力された補助容量駆動信号を、オーバーシュート駆動により上記各補助容量配線に供給することを特徴とする請求項8に記載の表示装置。
【請求項11】
上記走査線駆動装置には、上記各補助容量配線に供給すべき補助容量駆動信号が入力されていることを特徴とする請求項1、2、5〜8、10のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項12】
1つの表示絵素が分割された複数の副絵素を備え、当該複数の副絵素は、それぞれ異なる補助容量配線に接続された補助容量を有しており、当該各補助容量配線に供給される補助容量駆動信号に基づいて当該補助容量を駆動することにより、当該複数の副絵素をそれぞれ異なる輝度で表示可能である表示装置に備えられ、
上記表示装置に設けられている走査線を駆動する走査線駆動装置であって、
上記各補助容量配線に供給すべき補助容量駆動信号が入力され、入力された当該補助容量駆動信号の波形を整形して当該各補助容量配線に供給するバッファを備えることを特徴とする走査線駆動装置。
【請求項13】
上記各補助容量配線に供給すべき補助容量駆動信号を、そのまま当該各補助容量配線とは別の外部に出力する配線をさらに備えることを特徴とする請求項12に記載の走査線駆動装置。
【請求項14】
上記バッファは、自身に入力された補助容量駆動信号を、オーバーシュート駆動により上記各補助容量配線に供給することを特徴とする請求項12または13に記載の走査線駆動装置。
【請求項15】
1つの表示絵素が分割された複数の副絵素を備え、当該複数の副絵素は、それぞれ異なる補助容量配線に接続された補助容量を有しており、当該各補助容量配線に供給される補助容量駆動信号に基づいて当該補助容量を駆動することにより、当該複数の副絵素をそれぞれ異なる輝度で表示可能である表示装置に備えられ、
上記表示装置に設けられている走査線を駆動する走査線駆動装置であって、
少なくとも、上記各補助容量配線に供給すべき補助容量駆動信号が入力され、入力された当該補助容量駆動信号の波形を整形して当該各補助容量配線に供給する第1のバッファと、当該各補助容量配線に供給すべき補助容量駆動信号が入力され、入力された当該補助容量駆動信号の波形を整形して当該各補助容量配線とは別の外部に出力する第2のバッファと、を備えることを特徴とする走査線駆動装置。
【請求項16】
上記第1のバッファは、自身に入力された補助容量駆動信号を、オーバーシュート駆動により上記各補助容量配線に供給することを特徴とする請求項15に記載の走査線駆動装置。
【請求項17】
上記各補助容量配線に供給すべき補助容量駆動信号が入力されていることを特徴とする請求項12〜16のいずれか1項に記載の走査線駆動装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公開番号】特開2009−128533(P2009−128533A)
【公開日】平成21年6月11日(2009.6.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−302291(P2007−302291)
【出願日】平成19年11月21日(2007.11.21)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年6月11日(2009.6.11)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年11月21日(2007.11.21)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】
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