説明

表示装置

【課題】表示装置内でシール材部分と画素部及び駆動回路周辺の配線部分とが占める面積が大きく、表示装置を小型化する上で問題となっていた。
【解決手段】画素基板上のシール材で覆われた部分に配線を形成する。なお、この配線を介してシール材に紫外線を照射した時に、配線上部のシール材が紫外線に十分露光される様にこの配線の線幅を設定する。線幅の大きな配線を用いる代わりに、複数の線幅の小さな配線を並列に接続した形状の配線を用いる。これにより、表示装置内で画素部及び駆動回路周辺の配線とシール材とが占める面積を減らし、表示装置を小型化することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、封止構造を有する表示装置に関する。特に、半導体素子(半導体薄膜を用いた素子)を用いたアクティブマトリクス型表示装置に関する。また、アクティブマトリクス型表示装置を、表示部に用いた電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、フラット型ディスプレイとして、EL素子を有したEL表示装置等の電気光学装置が注目されている。
【0003】
EL素子は一対の電極(陽極と陰極)間にEL層が挟まれた構造となっているが、EL層は通常、積層構造となっている。代表的には、コダック・イーストマン・カンパニーのTangらが提案した「正孔輸送層/発光層/電子輸送層」という積層構造が挙げられる。この構造は非常に発光効率が高く、現在、研究開発が進められているEL表示装置は殆どこの構造を採用している。
【0004】
また他にも、陽極上に正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層、または正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/電子注入層の順に積層する構造でも良い。発光層に対して蛍光性色素等をドーピングしても良い。
【0005】
本明細書において陰極と陽極の間に設けられる全ての層を総称してEL層と呼ぶ。よって上述した正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層、電子注入層等は、全てEL層に含まれる。
【0006】
そして、上記構造でなるEL層に一対の電極から所定の電圧をかけ、それにより発光層においてキャリアの再結合が起こって発光する。なお本明細書においてEL素子が発光することを、EL素子が駆動すると呼ぶ。また、本明細書中では、陽極、EL層及び陰極で形成される発光素子をEL素子と呼ぶ。
【0007】
なお、本明細書中において、EL素子とは、一重項励起子からの発光(蛍光)
を利用するものと、三重項励起子からの発光(燐光)を利用するものの両方を示すものとする。
【0008】
EL表示装置の構成として、アクティブマトリクス型が挙げられる。
【0009】
図9に、アクティブマトリクス型EL表示装置の画素部の構成の例を示す。アクティブマトリクス型EL表示装置では、各画素が薄膜トランジスタ(以下、TFTと表記する)を有している。ゲート信号線駆動回路から選択信号を入力するゲート信号線(G1〜Gy)は、各画素が有するスイッチング用TFT901のゲート電極に接続されている。また、各画素が有するスイッチング用TFT901のソース領域とドレイン領域は、一方がソース信号線駆動回路から信号を入力するソース信号線(S1〜Sx)に、他方がEL駆動用TFT902のゲート電極及び各画素が有するコンデンサ903の一方の電極に接続されている。コンデンサ903のもう一方の電極は、電源供給線(V1〜Vx)に接続されている。各画素の有するEL駆動用TFT902のソース領域とドレイン領域の一方は、電源供給線(V1〜Vx)に、他方は、各画素が有するEL素子904に接続されている。
【0010】
ゲート信号線駆動回路によりゲート信号線G1が選択され信号が入力されると、ゲート信号線G1に接続されたスイッチングTFT901がオンになる。ここで、ソース信号線駆動回路よりソース信号線S1〜Sxに信号が入力されると、信号が入力された画素において、EL駆動用TFT902がオンになり、電源供給線(V1〜Vx)よりEL素子904に電流が流れて、EL素子904は発光する。この動作をすべてのゲート信号線G1〜Gyについて繰り返し、画像の表示を行う。
【0011】
EL素子904は、陽極と、陰極と、陽極と陰極の間に設けられたEL層とを有する。EL素子904の陽極がEL駆動用TFT902のソース領域またはドレイン領域と接続している場合、EL素子904の陽極が画素電極、陰極が対向電極となる。逆に、EL素子904の陰極がEL駆動用TFT902のソース領域またはドレイン領域と接続している場合、EL素子904の陰極が画素電極、陽極が対向電極となる。
【0012】
なお、本明細書において、対向電極の電位を対向電位という。なお、対向電極に対向電位を与える電源を対向電源と呼ぶ。画素電極の電位と対向電極の電位の電位差がEL駆動電圧であり、このEL駆動電圧がEL層に印加される。
【0013】
ここで、有機EL層は、水分や酸素により、劣化するという問題がある。その為、EL層を形成した後、大気中に出さずに窒素雰囲気中で、紫外線硬化樹脂により封止するのが一般的である。図4にEL表示装置の封止の例を示す。
【0014】
図4(A)にEL表示装置の上面図を示す。EL素子を有する画素部402、ゲート信号線駆動回路403及びソース信号線駆動回路404を有する絶縁基板41上に、画素部402、ゲート信号線駆動回路403及びソース信号線駆動回路404を囲むようにシール材401を形成する。この際、後に充填材43を注入するための注入口として開口部(図示せず)を設けておく。その後スペーサー(図示せず)を撒布してカバー材42を貼り合わせる。シール材401を紫外線照射により硬化させた後、カバー材42とシール材401で囲まれた領域に充填材43を注入し、充填材43を封止材(図示せず)により注入口を封止する。
【0015】
図4(B)に図4(A)のA〜A'の断面図を示す。
【0016】
なお、ここでは説明を簡単にするため、ゲート信号線駆動回路403を構成するTFT413及び画素部402を構成するEL駆動用TFT414とEL素子417のみを示す。絶縁基板41を画素基板と呼ぶことにする。EL素子417は、画素電極407とEL層416及び対向電極408により構成される。シール材401により、カバー材42が取り付けられ、画素基板41とカバー材42との間に充填材43が封入されている。充填材43には、吸湿性物質(図示せず)が添加されている。この様にして、水分によるEL素子417の劣化を防いでいる。
【0017】
ここで、406はTFT413及びEL駆動用TFT414のゲート絶縁膜、415は層間絶縁膜である。
【0018】
なお、画素部402、ゲート信号線駆動回路403及びソース信号線駆動回路404に入力される信号は、FPC(フレキシブルプリントサーキット)基板410より配線412(412a〜412c)を通して入力される(図4(A)参照)。ここで、配線412は、画素基板41とシール材401の間をとおって、FPC基板410と各駆動回路を接続している。なお、FPC基板410は、外部入力端子409において、異方性導電性膜(図示せず)により、配線412と接続されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0019】
EL表示装置において、EL素子の劣化を防ぐため、シール材を用いて、画素基板とカバー材を貼り合わせEL素子を封止する必要がある。
【0020】
ここで、シール材の部分や各駆動回路部分などは、画素部とは異なり、画像を表示しない部分である。従来の表示装置では、表示画面に対して、この画像を表示しない部分の占める割合が大きく、表示装置を小型化する上で問題となっていた。
【0021】
そこで、表示装置において画素部以外の部分の面積を小さくすることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0022】
画素基板上のシール材で覆われた部分に、配線を形成する。なお、この配線を介してシール材に紫外線を照射したときに、配線上部のシール材が、紫外線に十分露光される様に、この配線の線幅を設定する。
【0023】
これにより、表示装置内で、画素部及び駆動回路部周辺の配線とシール材とが占める面積を減らし、表示装置を小型化することができる。
【0024】
以下に本発明の構成を示す。
【0025】
本発明によって、 基板と、カバー材と、シール材とを有し、 前記基板上に、複数の画素と、前記複数の画素に信号を入力するための駆動回路とを有し、 前記複数の画素はそれぞれ、EL素子を有し、 前記カバー材は、遮光性を有し、 前記シール材は、紫外線により硬化する材料を有し、 前記複数の画素と、前記駆動回路とを囲んで、前記基板上に前記シール材を配置し、前記カバー材と前記基板とを、前記シール材をはさんで密着させ、前記EL素子を密封した表示装置において、 前記シール材と、前記基板との間に第1の配線が形成され、 前記第1の配線は、並列に接続された複数の第2の配線を有することを特徴とする表示装置が提供される。
【0026】
前記基板上の前記シール材に接する部分は、無機物質により形成されていることを特徴とする表示装置であってもよい。
【0027】
本発明によって、 第1の基板と、第2の基板と、シール材とを有し、 前記第1の基板上に、複数の画素と、前記複数の画素に信号を入力するための駆動回路とを有し、 前記第2の基板は、遮光性を有し、 前記シール材は、紫外線により硬化する材料を有し、 前記複数の画素と、前記駆動回路とを囲んで、前記第1の基板上にシール材を配置し、前記第2の基板と前記第1の基板とを、前記シール材をはさんで密着させ、前記第1の基板と、前記第2の基板と、前記シール材とによって囲まれた領域に、液晶を封入した表示装置において、 前記シール材と前記第1の基板との間に第1の配線が形成され、 前記第1の配線は、並列に接続された複数の第2の配線を有することを特徴とする表示装置が提供される。
【0028】
前記第1の基板上の前記シール材に接する部分は、無機物質により形成されていることを特徴とする表示装置であってもよい。
【0029】
前記並列に接続された複数の第2の配線の幅Lと、前記並列に接続された複数の第2の配線の間隔Sの比L/Sが、0.7〜1.5の値をとることを特徴とする表示装置であってもよい。
【0030】
前記並列に接続された複数の第2の配線の幅Lは、100μm〜200μmの値をとり、 前記並列に接続された複数の第2の配線の間隔Sは、50μm〜150μmの値をとることを特徴とする表示装置であってもよい。
【0031】
前記配線は、前記複数の画素及び前記駆動回路が有するTFTの、ソース配線及びドレイン配線を構成する物質と同じ物質で形成されていることを特徴とする表示装置であってもよい。
【0032】
本発明によって、 基板上に、複数の画素と、複数の外部入力端子とを有し、 前記複数の画素は、EL素子を有する表示装置において、 前記EL素子に電流を供給する陽極線は、前記複数の外部入力端子に接続されていることを特徴とする表示装置が提供される。
【0033】
本発明によって、 基板上に、複数の画素と、複数の外部入力端子とを有し、 前記複数の画素は、EL素子を有する表示装置において、 前記EL素子から電流を引き出す陰極線は、前記複数の外部入力端子に接続されていることを特徴とする表示装置が提供される。
【0034】
前記複数の外部入力端子のうち、少なくとも1つの外部入力端子は、前記基板の一端の近傍にあり、その他の外部入力端子は、前記基板の一端とは異なる、前記基板の一端の近傍にあることを特徴とする表示装置であってもよい。
【0035】
前記複数の外部入力端子のうち、少なくとも1つは、第1のFPC基板に接続され、その他は、第2のFPC基板に接続されていることを特徴とした表示装置であってもよい。
【0036】
前記複数の外部入力端子の間の距離が、前記基板の長辺の長さの1/2以上離れていることを特徴とする表示装置であってもよい。
【0037】
本発明によって、 基板と、前記基板上に形成された第1の配線及び複数の画素と、遮光性を有するカバー材と、シール材とを有する表示装置であって、 前記基板上に形成された複数の画素は、前記シール材及び前記カバー材によって密封されており、 前記第1の配線は前記シール材に覆われており、 前記シール材は紫外線により硬化する材料を有しており、 前記第1の配線は、並列に接続された複数の第2の配線を有することを特徴とする表示装置が提供される。
【0038】
本発明によって、 基板と、前記基板上に形成された第1の配線及び複数の画素と、遮光性を有するカバー材と、シール材とを有する表示装置であって、 前記基板上に形成された複数の画素は、前記シール材及び前記カバー材によって密封されており、 前記複数の画素はEL素子をそれぞれ有しており、 前記第1の配線は前記シール材に覆われており、 前記シール材は紫外線により硬化する材料を有しており、 前記第1の配線は、並列に接続された複数の第2の配線を有することを特徴とする表示装置が提供される。
【0039】
本発明によって、 基板と、前記基板上に形成された第1の配線及び複数の画素と、遮光性を有するカバー材と、シール材と、液晶とを有する表示装置であって、 前記基板上に形成された複数の画素と、前記液晶とは、前記シール材及び前記カバー材によって密封されており、 前記第1の配線は前記シール材に覆われており、 前記シール材は紫外線により硬化する材料を有しており、 前記第1の配線は、並列に接続された複数の第2の配線を有することを特徴とする表示装置が提供される。
【0040】
前記表示装置を用いることを特徴とするビデオカメラ、画像再生装置、ヘッドマウントディスプレイ、携帯電話、携帯情報端末であってもよい。
【発明の効果】
【0041】
EL表示装置や液晶表示装置などの表示装置において、駆動回路周辺の配線が占める部分や、シール材が形成された部分等、画像を表示しない部分の占める面積が大きく、表示装置の小型化において問題となっていた。
【0042】
しかし、本発明は、上記構成によって、駆動回路周辺の配線をシール材の部分にも形成することができる。これにより、小型の表示装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明のEL表示装置の上面図及び断面図。
【図2】本発明のEL表示装置の上面図及び断面図。
【図3】本発明の表示装置の配線の形状を示す図。
【図4】従来のEL表示装置の上面図及び断面図。
【図5】本発明の表示装置の電源線の配線を示す図。
【図6】本発明の液晶表示装置の上面図及び断面図。
【図7】本発明の液晶表示装置の上面図及び断面図。
【図8】本発明の表示装置を用いた電子機器の図。
【図9】EL表示装置の画素部の構成を示す図。
【図10】液晶表示装置の画素部の構成を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0044】
本発明の実施の形態について、図1を用いて説明する。
【0045】
画素基板上のシール材で覆われた部分に、配線を形成したEL表示装置について説明する。なお、本明細書では、画素基板上のシール材で覆われた部分を、封止領域と呼ぶことにする。
【0046】
図1(A)に、本発明のEL表示装置の上面図を示す。画素基板701上に画素部711及びゲート信号線駆動回路702、ソース信号線駆動回路703が形成されている。この周りを囲んでシール材704が形成され、カバー材705が貼り付けられている。FPC基板706は、外部入力端子707によって画素基板701上に接続されている。配線708は、外部入力端子707において、FPC基板706からの信号を受け取り、ゲート信号線駆動回路702に伝達する、信号線や電源線等の複数の配線を示す。配線709は、外部入力端子707において、FPC基板706からの信号を受け取り、ソース信号線駆動回路703に伝達する、信号線や電源線等の複数の配線を示す。配線710(配線710a及び配線710b)は、外部入力端子707において、FPC基板706からの信号を受け取り、画素部711に伝達する、電源線等の複数の配線を示す。ここで、配線708〜710は、封止領域に形成されている。
【0047】
図1(B)は、図1(A)のA〜A'の部分を示した断面図である。
【0048】
なおここでは説明を簡単にするため、ゲート信号線駆動回路702を構成する素子としてTFT712、画素部711を構成する素子としてEL駆動用TFT713のみを示す。EL駆動用TFT713のソース領域もしくはドレイン領域のどちらか一方が、EL素子721の画素電極714と接続され、EL素子721に入力される電流を制御する。ここで、716は層間絶縁膜、715はEL層、717は絶縁膜、718は対向電極、719は充填材、720はゲート絶縁膜である。なお、ここでは、層間絶縁膜716は無機物質によって形成されているものとする。
【0049】
TFT712及びEL駆動用TFT713のソース配線及びドレイン配線を構成する物質と同様の物質を用い、配線708、配線710a及び配線710bが形成されている。
【0050】
なお、配線708〜710のうち配線709については、配線708、配線710a及び配線710bと同様に形成されるので、説明を省略する。
【0051】
ここで、シール材704として紫外線により硬化する材料を用いる場合が多い。また、カバー材705として遮光性を有する材料を用いる場合が多い。そのため、カバー材705側から紫外線照射してもシール材704を露光することができず、シール材704を硬化させることができない。そこで、画素基板701側から、配線708、配線710a及び配線710bを介して紫外線照射し、シール材704を露光させる必要がある。
【0052】
ここで、配線708、配線710a及び配線710bのうち、ビデオ信号線やパルス線などは、比較的幅の狭い配線を用いる。一方、画素部の電源供給線へ電流を供給する電源線や、ソース信号線駆動回路やゲート信号線駆動回路の電源線等に入力される電圧は、ビデオ信号線やパルス線に入力される電圧と比べて大きい。そのため、これらの電源線は、ビデオ信号線やパルス線と比較して幅の広い配線を使用する必要がある。
【0053】
しかし、幅の広い配線を用いると、配線を介して紫外線を照射した場合に配線の陰になったシール材部分に、十分に紫外線が照射されない。すると、シール材が十分に硬化しない可能性がある。
【0054】
そこで、本発明では、次のような配線の形状を考えた。その模式図を図3(A)に示す。なお、図3(A)は、図1の封止領域の一部666の拡大図に相当する。
【0055】
図3(A)では、配線(第1の配線)710bのうち、ある1本の電源線777に注目している。電源線777は、配線(第2の配線)A1〜A6を並列に接続することにより形成されている。ここで、この様な形状の配線777を介してシール材704に紫外線を照射する場合の説明をする。
【0056】
なお、ここでは、1本の電源線777を6本の配線A1〜A6を並列に接続することによって構成しているが、本発明はこの構成に限定されない。一般に、1本の配線が、n(nは、2以上の自然数)本の配線(第2の配線)A1〜Anを並列に接続することによって構成されていてもよい。
【0057】
図3(B)は、図3(A)のA〜A'の断面図である。図3(B)において、図3(A)と同じ符号は同じ部分を示す。
【0058】
図3(B)において、画素基板側から紫外線を照射すると配線A1〜A6の上のシール材の部分660は陰になるが、配線の幅Lが十分に小さく、かつ配線の間隔Sが十分に大きいとき、照射された紫外線は陰660の部分にも回り込む。
なお、配線のすぐ上部600の部分は紫外線によって露光されないが、配線幅が大きい場合と比べて、この600の部分は十分に小さく、全体としてシール材を十分に露光することができる。
【0059】
具体的には、配線A1〜A6の幅Lが100μm〜200μmの値を取り、配線A1〜A6のそれぞれの配線間の間隔Sが50μm〜150μmの値をとり、L/Sが0.7〜1.5になるような形状の配線の場合、その配線を介して照射された紫外線は、配線上部のシール材を十分に露光し、シール材を十分に硬化することができる。
【0060】
更に好ましくは、配線A1〜A6の幅Lが150μm以下の値を取り、配線A1〜A6のそれぞれの配線間の間隔Sが、100μm以上の値をとり、L/Sが、1.5以下の値となるような形状の配線の場合、その配線上部のシール材を十分に硬化することができる。
【0061】
なお、図3では、配線710bのうち、ある1本の電源線777に注目したが、封止領域に形成された、その他の配線幅が問題となる配線においても、同様の形状とすることができる。
【0062】
この様に、封止領域に配線を形成することができる。これにより、画素部以外の領域の面積を少なくすることができ、表示装置を小型化することができる。
【0063】
以下に、本発明の実施例について説明する。
【実施例1】
【0064】
本実施例では、発明の実施の形態とは異なった構成のアクティブマトリクス型EL表示装置について図2を用いて説明する。なお、図1と同じ部分は、同じ符号を用いて表す。
【0065】
図2(A)に、本発明のEL表示装置の上面図を示す。画素基板701上に画素部711及びゲート信号線駆動回路702、ソース信号線駆動回路703が形成されている。この周りを囲んでシール材704が形成され、カバー材705が貼り付けられている。FPC基板706は、外部入力端子707によって画素基板701上に接続されている。配線708は、外部入力端子707において、FPC基板706からの信号を受け取り、ゲート信号線駆動回路702に伝達する、信号線や電源線等の複数の配線を示す。配線709は、外部入力端子707において、FPC基板706からの信号を受け取り、ソース信号線駆動回路703に伝達する、信号線や電源線等の複数の配線を示す。配線710a及び配線710bは、外部入力端子707において、FPC基板706からの信号を受け取り、画素部711に伝達する、電源線等の複数の配線を示す。ここで、配線708〜710は、封止領域に形成されている。
【0066】
図2(B)は、図2(A)のA〜A'の部分を示した断面図である。
【0067】
なおここでは、説明を簡単にするため、ゲート信号線駆動回路702を構成する素子としてTFT712、画素部711を構成する素子としてEL駆動用TFT713のみを示す。EL駆動用TFT713のソース領域もしくはドレイン領域のどちらか一方が、EL素子721の画素電極714と接続され、EL素子721に入力される電流を制御する。ここで、層間絶縁膜716、EL層715、絶縁膜717、対向電極718、充填材719、ゲート絶縁膜720である。なお、ここでは、層間絶縁膜716は有機物質によって形成されているものとする。
【0068】
TFT712及びEL駆動用TFT713のソース配線及びドレイン配線を構成する物質と同様の物質を用い、配線708、配線710a及び配線710bが形成されている。
【0069】
なお、配線708〜710のうち配線709については、配線708、配線710a及び配線710bと同様に形成されるので、説明を省略する。
【0070】
層間絶縁膜716として、有機物質が使用されているため、この有機物質上に直接、配線708、配線710a及び配線710bを形成すると密着性が悪い。
また、有機物質から配線708、配線710a及び配線710bを構成する材料に不純物が導入されて配線708、配線710a及び配線710bが劣化するなどの問題がある。そこで、有機物質で形成された層間絶縁膜716を除いて配線708、配線710a及び配線710bを形成する必要がある。
【0071】
なお、配線708、配線710a及び配線710bを形成する部分の層間絶縁膜716を取り除く工程は、TFT712や画素TFT713のソース配線及びドレイン配線を形成する際、それらのTFTのソース領域に達するコンタクトホールを形成する時に同時に行うことができる。
【0072】
また、シール材704として、紫外線により硬化する材料を用いる場合が多い。また、カバー材705として遮光性を有する材料を用いる場合が多い。そのため、カバー材側から紫外線照射してもシール材を硬化させることができない。そこで、画素基板701側から、配線708、配線710a及び配線710bを介して紫外線照射し、シール材704を硬化させる必要がある。しかし配線708、配線710a及び配線710bとして、幅の広い配線を用いると、配線の陰になったシール材704の部分は、十分に紫外線が照射されずシール材704が十分に硬化しない可能性がある。
【0073】
そこで、配線708、配線710a及び配線710bとして、1本の幅の広い配線を用いる代わりに、図3に示した様に、複数の配線を並列に接続したものを用いる。
【0074】
具体的には、複数の配線の幅Lが100μm〜200μmの値をとり、複数の配線の間隔Sが50μm〜150μmの値をとり、複数の配線の幅Lと複数の配線の間隔Sとの比L/Sが、0.7〜1.5になるような形状の配線を用いる。
このような形状の配線の場合、その配線を介して照射された紫外線は、配線上部のシール材を十分に露光し、シール材を十分に硬化することができる。
【0075】
更に好ましくは、複数の配線の幅Lが150μm以下の値を取り、複数の配線の間隔Sが、100μm以上の値をとり、L/Sが、1.5以下の値となるような形状の配線の場合、その配線上部のシール材を十分に硬化することができる。
【0076】
この様に、封止領域に配線を形成することができる。これにより、画素部以外の領域の面積を少なくすることができ、表示装置を小型化することができる。
【実施例2】
【0077】
本実施例では、アクティブマトリクス型EL表示装置の画素部の電源供給線に電流を供給する電源線の配線例について説明する。
【0078】
ここで、再び図1(A)を参照する。EL素子721を駆動する電流は、配線710a及び配線710bの電源線を通って、画素部711の電源供給線に入力される。画素部711の電源供給線は、710a及び710bの電源線により、2箇所から電流が供給されている。
【0079】
一方、図4に示した従来のEL表示装置では、画素部402の電源供給線は、412aの電源線より、1箇所から電流が供給されている。本発明のアクティブマトリクス型EL表示装置において、画素部の2箇所から画素部に電流を供給している理由を説明する。
【0080】
1つのFPC基板が接続された外部入力端子が一箇所にあり、画素部の一方から、電流が供給される場合と、外部入力端子が二箇所に分割してあり、それぞれにFPC基板(第1のFPC基板及び第2のFPC基板)が接続され、画素部の2方向から電源供給線に電流が供給される場合の、電源線の配線例を図5に模式的に示す。電源線として、EL素子の陽極に接続する陽極線と、陰極に接続する陰極線を示す。図5(A)は、外部入力端子707が一箇所にある。一方、図5(B)では外部入力端子707を二箇所(基板の一端及び前記基板の一端とは異なる基板の一端近傍)に分割し、それぞれから、陽極線及び陽極線を画素部に配線している。
【0081】
図5(A)では、陽極線及び陰極線の入力口から離れた側の電源供給線では、R1の長さの分だけ配線抵抗が増加し、それによる電位降下のため、電源供給線よりEL素子に印加される電圧が低下し、画質の低下を招く。
【0082】
一方、図5(B)では、一方の陽極線及び陰極線の入力口1から離れた側に、もう一方の入力口2を設け、入力口1及び入力口2の両方から電源供給線に電流を供給する。これにより、配線抵抗による電圧の低下に由来する、画質の低下を軽減することができる。
【0083】
なお、図5(B)の様に外部入力端子を2箇所に設ける際、この2つの外部入力端子間の距離を、画素部の形成された基板の長辺の長さの1/2以上離すことで、配線抵抗による電圧の低下に由来する画質の低下を軽減する効果が高まる。
【0084】
なお、配線抵抗がそれ程問題とならない場合は、外部入力端子を1箇所に形成してもよい。
【0085】
なお、本実施例は、発明の実施の形態や実施例1と組み合わせて実行することが可能である。
【実施例3】
【0086】
本実施例では、封止領域部分に配線を形成する手法を用いた液晶表示装置について説明する。
【0087】
液晶表示装置の駆動方法としては、アクティブマトリクス型が挙げられる。
【0088】
まず、図10にアクティブマトリクス型液晶表示装置の画素部の構成を示す。
アクティブマトリクス型液晶表示装置では、各画素がそれぞれTFTを有している。ゲート信号線駆動回路からの選択信号が入力されるゲート信号線(G1〜Gy)は、各画素が有する画素TFT1002のゲート電極に接続されている。また、各画素の有する画素TFT1002のソース領域とドレイン領域は、一方がソース信号線駆動回路から信号が入力されるソース信号線(S1〜Sx)に、他方が、保持容量1001の一方の電極と、液晶1003を挟む2つの電極の一方と接続されている。
【0089】
ゲート信号線G1に信号が入力されるとゲート信号線G1に接続されたすべての画素TFT1002のゲート電極に信号が入力され、画素TFT1002は、オンになる。画素TFT1002がオンになった画素に、ソース信号線(S1〜Sx)から信号が入力されると、保持容量1001に電荷が保持され、この保持された電荷により液晶1003を挟んだ電極間に電圧が印加される。この印加電圧により、液晶分子の配向を制御し、透過光量を制御する。すべてのゲート信号線(G1〜Gy)に関してこの動作を繰り返し、画像の表示を行う。
【0090】
次に、アクティブマトリクス型液晶表示装置の液晶の封止について説明する。
【0091】
液晶表示装置では、液晶を挟んだ2つの電極間に電圧を印加することによって、液晶の配向を制御し、表示を行う。ここで、電極間に液晶を挟んだ状態を保持する為、それぞれに電極が形成された2つの絶縁基板を、それぞれの電極が向かい合う向きにシール材で接着し、その間に液晶を封入する必要がある。
【0092】
図6に、液晶表示装置の2つの基板を貼り合わせて、その間に液晶を封入したところの模式図を示す。
【0093】
図6(A)は、液晶表示装置の上面図である。シール材301としては、エポキシ系樹脂等が用いられる。配向膜(図示せず)を形成し、ラビング処理を施された基板31において、画素部302及びゲート信号線駆動回路303、ソース信号線駆動回路304を囲むようにシール材301を形成する。この際、後に液晶を注入する為の注入口として開口部(図示せず)をシール材301の一部に形成しておく。次にスペーサー(図示せず)を散布し、もう一方の基板32と貼り合わせる。
【0094】
スペーサ−の径によって、基板31と基板32との距離が定まったら、基板31もしくは基板32を介して、シール材301部分に紫外線を照射したり、熱を加えるなどして、シール材301を硬化させ、基板31と基板32とを密着させる。
【0095】
なお、熱を加えることによって、シール材301を硬化させ、基板31と基板32とを貼り合わせる手法では、加圧しながら熱処理する必要があり、基板31と基板32の熱膨張により、張り合わせの位置がずれる問題が深刻である。また、熱硬化には時間がかかるという問題もある。その為、熱硬化ではなく、紫外線照射により、シール材を硬化させる工程が多く使用される。
【0096】
その後、液晶注入口より液晶33を注入し、封止材(図示せず)により液晶注入口をふさいで液晶33が外部に流れ出てこないようにする。なお、この封止材としては、熱硬化の材料ではなく、紫外線により硬化する材料を用いる。これは、液晶33を注入した後に熱を加えた場合、液晶33が劣化するのを防ぐためである。
【0097】
シール材301や封止材には、イオンを含む湿気などの液晶を汚染する物質を、通過させないようにする働きもある。
【0098】
次に、ソース信号線駆動回路及びゲート信号線駆動回路のそれぞれに入力される信号を伝達する配線について説明する。
【0099】
外部からのビデオ信号などが、ゲート信号線駆動回路303及びソース信号線駆動回路304に入力され、画素部302に入力される信号が構成される。ここで、外部からゲート信号線駆動回路303及びソース信号線駆動回路304に入力される信号は、画素基板31上の外部入力端子309に貼り付けられた、FPC基板310より入力される。FPC基板310は、外部入力端子309において、異方性導電性膜(図示せず)によって画素基板上に形成された配線312と接続される。この配線312(312a、312b)は、シール材301の間を通ってゲート信号線駆動回路303及びソース信号線駆動回路304に接続されている。
【0100】
配線312aは、外部入力端子309において、FPC基板310からの信号を受け取り、ゲート信号線駆動回路303に伝達する配線である。配線312bは、外部入力端子309において、FPC基板310からの信号を受け取り、ソース信号線駆動回路304に伝達する配線である。ここで、配線312a及び配線312bは、画素基板31上のシール材301に覆われた部分(封止領域)に形成されている。
【0101】
図6(B)に図6(A)のB〜B'の断面図を示す。なお、図6(A)と同じ部分は、同じ符号で表す。
【0102】
ここでは、説明を簡単にするため、ゲート信号線駆動回路303を構成するTFT114及び画素部302を構成する画素TFT314のみを示す。画素部及び駆動回路を構成するTFTが形成された基板31を画素基板と呼ぶことにする。また、画素基板上に取り付けられた電極307を画素電極と呼ぶ。もう一方の基板32は、対向基板と呼ぶことにする。また、対向基板側に取り付けられた電極308を対向電極と呼ぶ。この画素電極307や対向電極308に印加される電圧を制御して画像の表示を行う。
【0103】
ここで、306はTFT114及びTFT画素314のゲート絶縁膜である。
また、315は層間絶縁膜、112は遮光層である。なお、ここでは配向膜は図示していない。
【0104】
画素TFT314のソース領域もしくはドレイン領域のどちらか一方が、画素電極307と接続し、画素電極307に印加される電圧を制御している。なお、ここでは、層間絶縁膜315は無機物質によって形成されているものとする。
【0105】
ここで、TFT114や画素TFT314のソース配線及びドレイン配線を構成する物質と同様の物質を用い、配線312が形成されている。
【0106】
また、シール材301として紫外線により硬化する材料を用いたとする。対向基板32側から紫外線照射しても、遮光層112があるためシール材301を硬化させることができない。そこで、画素基板31側から、配線312aを介して紫外線照射し、シール材301を硬化させる必要がある。しかし、配線312aとして幅の広い配線を用いると、配線の陰になったシール材704の部分は、十分に紫外線が照射されずシール材704が十分に硬化しない可能性がある。
【0107】
そこで、配線312aとして、1本の幅の広い配線を用いる代わりに、図3に示した様に、複数の配線を並列に接続したものを用いる。
【0108】
具体的には、複数の配線の幅Lが100μm〜200μmの値をとり、複数の配線の間隔Sが50μm〜150μmの値をとり、複数の配線の幅Lと複数の配線の間隔Sとの比L/Sが、0.7〜1.5になるような形状の配線を用いる。
このような形状の配線の場合、その配線を介して照射された紫外線は、配線上部のシール材を十分に露光し、シール材を十分に硬化することができる。
【0109】
更に好ましくは、複数の配線の幅Lが150μm以下の値を取り、複数の配線の間隔Sが、100μm以上の値をとり、L/Sが、1.5以下の値となるような形状の配線の場合、その配線上部のシール材を十分に硬化することができる。
【0110】
なお、遮光層112が画素基板31側に取り付けられている場合には,シール材301を硬化させるために対向基板32側から紫外線を照射する必要がある。
この時は、配線312aは、照射される紫外線を遮ることは無いので、幅の広い形状のものを用いても問題ない。
【0111】
この様に、封止領域に配線を形成することができる。これにより、画素部以外の領域の面積を少なくすることができ、表示装置を小型化することができる。
【実施例4】
【0112】
本実施例では、実施例3に述べた構造とは異なる構造の表示装置について、図7を用いて説明する。なお、図7において、図6と同じ部分は同じ符号を用いて表す。
【0113】
図7(A)は、本発明の液晶表示装置の上面図である。画素基板31上に画素部302及びゲート信号線駆動回路303、ソース信号線駆動回路304が形成されている。この周りを囲んでシール材301が形成され、対向基板32が貼り付けられ、間に液晶33が封入されている。FPC基板310は、外部入力端子309によって画素基板31上に接続されている。配線312aは、外部入力端子309において、FPC基板310からの信号を受け取り、ゲート信号線駆動回路303に伝達する配線である。配線312bは、外部入力端子309において、FPC基板310からの信号を受け取り、ソース信号線駆動回路304に伝達する配線である。ここで、配線312a及び配線312bは、封止領域に形成されている。
【0114】
図7(B)は、図7(A)のB〜B'の部分を示した断面図である。ここで、図7(A)と同じ符号は同じ部分を表す。
【0115】
ここでは説明を簡単にするため、ゲート信号線駆動回路303を構成する素子としてTFT114のみを示す。また、画素部302を構成する素子として画素TFT314のみを示す。画素TFT314のソース領域もしくはドレイン領域のどちらか一方が、画素電極307と接続し、画素電極307に印加される電圧を制御している。
【0116】
TFT114や画素TFT314のソース配線及びドレイン配線を構成する物質と同様の物質を用い、配線312が形成されている。なお、ここでは、層間絶縁膜315は有機物質によって形成されているものとする。
【0117】
層間絶縁膜315として、有機物質が使用されているため、この有機物質上に直接、配線312を形成すると密着性が悪い。また、有機物質から配線312を構成する材料に不純物が導入されて配線312が劣化するなどの問題がある。そこで、有機物質で形成された層間絶縁膜315を除いて配線312を形成する必要がある。
【0118】
なお、配線312aを形成する部分の層間絶縁膜315を取り除く工程は、TFT114や画素TFT314のソース配線及びドレイン配線を形成する際、それらのソース領域及びドレイン領域に達するコンタクトホールを形成する時に同時に行うことができる。
【0119】
また、シール材301として紫外線により硬化する材料を用いたとする。対向基板32側から紫外線照射しても、遮光層112があるためシール材301を硬化させることができない。そこで、画素基板31側から、配線312aを介して紫外線照射し、シール材301を硬化させる必要がある。しかし、配線312aとして幅の広い配線を用いると、配線の陰になったシール材704の部分は、十分に紫外線が照射されずシール材704が十分に硬化しない可能性がある。
【0120】
そこで配線312aとして、1本の幅の広い配線を用いる代わりに、図3に示した様に、複数の配線を並列に接続したものを用いる。
【0121】
具体的には、複数の配線の幅Lが100μm〜200μmの値をとり、複数の配線の間隔Sが50μm〜150μmの値をとり、複数の配線の幅Lと複数の配線の間隔Sとの比L/Sが、0.7〜1.5になるような形状の配線を用いる。
このような形状の配線の場合、その配線を介して照射された紫外線は、配線上部のシール材を十分に露光し、シール材を十分に硬化することができる。
【0122】
更に好ましくは、複数の配線の幅Lが150μm以下の値を取り、複数の配線の間隔Sが、100μm以上の値をとり、L/Sが、1.5以下の値となるような形状の配線の場合、その配線上部のシール材を十分に硬化することができる。
【0123】
なお、遮光層112が画素基板31側に取り付けられている場合には,シール材301を硬化させるために対向基板32側から紫外線を照射する事となる。この時は、配線312aは、照射される紫外線を遮ることは無いので、幅の広い形状のものを用いても問題ない。
【0124】
この様に、封止領域に配線を形成することができる。これにより、画素部以外の領域の面積を少なくすることができ、表示装置を小型化することができる。
【実施例5】
【0125】
本実施例では、本発明を用いて形成された表示装置を表示媒体として組み込んだ電子機器について説明する。
【0126】
その様な電子機器としては、ビデオカメラ、デジタルカメラ、ヘッドマウントディスプレイ(ゴーグル型ディスプレイ)、ゲーム機、カーナビゲーション、パーソナルコンピュータ、携帯情報端末(モバイルコンピュータ、携帯電話または電子書籍等)などが挙げられる。それらの一例を図8に示す。
【0127】
図8(A)はパーソナルコンピュータであり、本体2001、筐体2002、表示部2003、キーボード2004等を含む。本発明の表示装置はパーソナルコンピュータの表示部2003に用いることができる。
【0128】
図8(B)はビデオカメラであり、本体2101、表示部2102、音声入力部2103、操作スイッチ2104、バッテリー2105、受像部2106等を含む。本発明の表示装置はビデオカメラの表示部2102に用いることができる。
【0129】
図8(C)は頭部取り付け型の表示装置の一部(右片側)であり、本体2301、信号ケーブル2302、頭部固定バンド2303、表示モニタ2304、光学系2305、表示部2306等を含む。本発明の表示装置は頭部取り付け型の表示装置の表示部2306に用いることができる。
【0130】
図8(D)は記録媒体を備えた画像再生装置(具体的にはDVD再生装置)であり、本体2401、記録媒体(CD、LDまたはDVD等)2402、操作スイッチ2403、表示部(a)2404、表示部(b)2405等を含む。表示部(a)は主として画像情報を表示し、表示部(b)は主として文字情報を表示するが、本発明の表示装置は記録媒体を備えた画像再生装置の表示部(a)2404、表示部(b)2405に用いることができる。なお、記録媒体を備えた画像再生装置としては、CD再生装置、ゲーム機器などに本発明を用いることができる。
【0131】
図8(E)は携帯型(モバイル)コンピュータであり、本体2501、カメラ部2502、受像部2503、操作スイッチ2504、表示部2505等を含む。本発明の表示装置2505は携帯型(モバイル)コンピュータの表示部2505に用いることができる。
【0132】
以上の様に、本発明の適用範囲は極めて広く、あらゆる分野の電子機器に適用することが可能である。また、本実施例の電子機器は実施例1〜4のどのような組み合わせからなる構成を用いても実現することができる。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の画素を有する画素部が設けられた第1の基板と、
前記第1の基板と対向する第2の基板と、
前記第1の基板と前記第2の基板との間に配置され、前記画素部を囲む四辺を有するシール材と、
前記シール材の少なくとも一辺に沿って前記シール材と重なり延在する領域を有する、前記第1の基板上に設けられた配線と、を有し、
前記領域において、前記配線は長方形状の複数の開口を有し、
前記複数の開口の長辺は各々平行であり、
前記複数の開口の一方の短辺は各々同一線上にあり、
前記複数の開口の他方の短辺は各々同一線上にあり、
前記複数の開口の長辺方向と、前記シール材の一辺が延在する方向とは平行であることを特徴とする表示装置。
【請求項2】
複数の画素を有する画素部が設けられた第1の基板と、
前記第1の基板と対向する第2の基板と、
前記第1の基板と前記第2の基板との間に配置され、前記画素部を囲む四辺を有するシール材と、
前記シール材の少なくとも一辺に沿って前記シール材と重なり延在する領域を有する、前記第1の基板上に設けられた配線と、を有し、
前記領域において、前記配線は長方形状の複数の開口を有し、
前記複数の開口の長辺は各々平行であり、
前記複数の開口の一方の短辺は各々同一線上にあり、
前記複数の開口の他方の短辺は各々同一線上にあり、
前記複数の開口の長辺方向と、前記シール材の一辺が延在する方向とは平行であり、
前記シール材は、前記複数の開口を介して紫外線により硬化されていることを特徴とする表示装置。
【請求項3】
複数の画素を有する画素部が設けられた第1の基板と、
前記第1の基板と対向する第2の基板と、
前記第1の基板と前記第2の基板との間に配置され、前記画素部を囲む四辺を有するシール材と、
前記シール材の少なくとも一辺に沿って前記シール材と重なり延在する領域を有する、前記第1の基板上に設けられた配線と、を有し、
前記領域において、前記配線はスリット状の複数の開口を有し、
前記複数の開口の長辺方向と、前記シール材の一辺が延在する方向とは平行であることを特徴とする表示装置。
【請求項4】
複数の画素を有する画素部が設けられた第1の基板と、
前記第1の基板と対向する第2の基板と、
前記第1の基板と前記第2の基板との間に配置され、前記画素部を囲む四辺を有するシール材と、
前記シール材の少なくとも一辺に沿って前記シール材と重なり延在する領域を有する、前記第1の基板上に設けられた配線と、を有し、
前記領域において、前記配線はスリット状の複数の開口を有し、
前記複数の開口の長辺方向と、前記シール材の一辺が延在する方向とは平行であり、
前記シール材は、前記複数の開口を介して紫外線により硬化されていることを特徴とする表示装置。
【請求項5】
請求項1または2において、
前記複数の開口のうち、隣り合う長辺間の幅Lと、短辺の幅Sの比L/Sは、0.7〜1.5の値を有することを特徴とする表示装置。
【請求項6】
請求項3または4において、
前記複数の開口のうち、隣り合う開口間の幅Lと、各スリット幅Sの比L/Sは、0.7〜1.5の値を有することを特徴とする表示装置。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれか一において、
前記第1の基板と、前記第2の基板と、前記シール材とによって囲まれた領域に液晶が封入されていることを特徴とする表示装置。
【請求項8】
請求項1乃至7のいずれか一において、
前記配線は、電源線であることを特徴とする表示装置。
【請求項9】
請求項1乃至7のいずれか一において、
前記配線は、ビデオ信号線よりも幅の広い配線であることを特徴とする表示装置。
【請求項10】
請求項1乃至7のいずれか一において、
前記配線は、パルス線よりも幅の広い配線であることを特徴とする表示装置。
【請求項11】
請求項1乃至10のいずれか一において、
前記配線は、前記画素部に設けられた薄膜トランジスタに電気的に接続されるソース配線及びドレイン配線を構成する物質と同じ物質で形成されていることを特徴とする表示装置。
【請求項12】
請求項1乃至11のいずれか一において、
前記配線は、前記第1の基板上に設けられた外部入力端子において、FPC基板と電気的に接続されることを特徴とする表示装置。
【請求項13】
請求項1乃至12のいずれか一に記載の表示装置と、操作スイッチとを有するビデオカメラ、画像再生装置、携帯電話、電子書籍、又は携帯情報端末。
【請求項14】
請求項1乃至12のいずれか一に記載の表示装置と操作スイッチとを有する電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−54570(P2011−54570A)
【公開日】平成23年3月17日(2011.3.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−224639(P2010−224639)
【出願日】平成22年10月4日(2010.10.4)
【分割の表示】特願2001−220774(P2001−220774)の分割
【原出願日】平成13年7月23日(2001.7.23)
【出願人】(000153878)株式会社半導体エネルギー研究所 (5,264)
【Fターム(参考)】