説明

表面からカラーコートおよび種々の汚損層を除去するための配合物、その配合物の製造方法、および洗浄方法

本発明は、洗浄剤であって、マイクロエマルションまたは流体ナノ相系を含み、かつ以下の構成要素:a)4g/L未満の水に対する溶解度を有する少なくとも1つの水不溶性物質と、b)少なくとも1つの両親媒性物質、NP−MCA、であって、界面活性剤構造を有しておらず、それ自体は構造形成性ではなく、水または油に対するその溶解度は4g/L〜1,000g/Lであり、かつ油−水界面に優先的には蓄積しない少なくとも1つの両親媒性物質、NP−MCA(ただしこのNP−MCAは、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、2−(n−ブチル)−2−エチル−1,3−プロパンジオールから、および/または1,2−ジオールからは選択されない)と、c)少なくとも1つのアニオン性、カチオン性、両性および/または非イオン性の界面活性剤と、d)水および/またはヒドロキシ官能性を有する水溶性の溶剤と、任意に、補助物質と、を含むことを特徴とする洗浄剤に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規な洗浄用組成物、その調製のためのプロセスおよび種々の表面の洗浄方法、特に表面が汚れ、ラッカーおよび塗料、カラースプレー、ラッカーまたはフェルトペンまたは他の有色の表面コーティングで望ましいまたは望ましくない様式で処理された場合の表面の洗浄方法を記載する。本発明に係る洗浄用組成物は、滑らかおよび/または多孔性の基材からの落書きの除去、金属、木材またはガラス表面からのラッカーの剥離、汚れの除去、化粧品の除去、毛髪の脱色およびマニキュア液の除去のために特に役立つ。これに関して、本発明に係る組成物の洗浄作用は、汚れまたは色層の断片化および基材からのその引き剥がしからなり、塗り広がりはほぼ回避される。これは、明確に拡げられたマイクロエマルションの本発明に係る組成物によって可能になる。
【背景技術】
【0002】
1970年代の初頭に、壁および他の表面にスプレーして色を塗ることは、ヒップホップ・カルチャーに触発されてニューヨークから広がった。ドイツの市当局の協議会の見積もり(2002年4月)によれば、ドイツにおける落書きによる経済への損失は、地下鉄および郊外輸送システムおよびドイツ鉄道における約5000万ユーロを加えて約2億ユーロにもなる。多くの場合、よく考え抜いた落書き(いわゆる「高尚な落書き」または「最高傑作」)は芸術形式であるが、大多数は殴り書き(いわゆる「落書きサイン」)であり、それゆえ器物損壊である。これまでの市販で入手できる落書き除去剤は、限られた程度でしか役に立たないか、またはまったく役に立たない。それらは、通常は滑らかな領域でのみ効果的であり、概して30分間〜2時間という長い作用時間を必要とする。ある場合には、最高24時間という作用時間、および90℃の温水を150bar(15MPa)の圧力の下で用いる高圧クリーナーによる後処理が推奨されてさえいる。
【0003】
落書き除去剤に課された要求は非常に高い。なぜなら、その組成物は様々な基材に対して作用しなければならず、かつさらに落書き塗料はその組成が非常に異なるからである。落書きの塗料およびコーティングは均一な組成を有しない。すなわち、結合剤は、製造会社、その塗料の意図された用途によって様々であり、そして一連の製品の中でも様々である。概して、その色物製品の構成要素に関するより詳細な情報は、製造会社からは漏らされない。
【0004】
吹きつけられたかまたは塗装された基材は、通常、コンクリート、石膏、レンガおよびクリンカーから造られているだけでなく、ファインセラミックスおよび天然石(大理石または砂岩など)からも造られている。多孔性の基材上では、塗料は孔および石細工の接合部の中へと浸透し、その結果、苦労してようやく除去することができる。ラッカー塗装されたもしくはラッカー塗装されていない金属、プラスチック類またはガラスなどの滑らかな表面は、きれいにするのはより簡単である。
【0005】
基材に加えて、有色の色素は色の除去に対する費用をも決める。他方で、淡い色の壁では、暗い色の色調は色の痕跡を残し、これは純粋に視覚的な観点ですでに目立ち、そして他方で、微細な色素粒子は孔の中へとより容易に運ばれ、そしてその中で留まる。ある場合には、色の痕跡は、不十分な「堅牢度」を有する色素によっても生成される。この場合、この色素は完全に不溶性というわけではないため、色素分子は、例えばラッカー塗装された基材の中へと、または塗料の新しい皮膜を通って移行し、とりわけいわゆる「にじみ」につながる。
【0006】
この微粉化された色素としては、とりわけ、カーボンブラック(黒色)およびフタロシアニン(緑色から青色)およびいくつかの他の有機色素が挙げられる。単純な構造の有機色素の中で、にじむ傾向がある有機色素もしばしば存在する。概して、白色、黄色および赤色の鉱物系色素(二酸化チタン、酸化鉄など)、ウルトラマリンおよび金属系色素(アルミニウム、青銅)はより大きい粒径を有し、それゆえ結合剤からより容易に溶かし出すことができる。
【0007】
落書き塗料で用いられる結合剤は、様々な構造(例えばポリエステルまたは脂肪酸の性質および含量)のアルキド樹脂、樹脂、変性されたまたは完全な合成ゴム、セルロースエステル、アルデヒド縮合物または多くの他のポリマーである場合がある。無溶剤の、水混和性のスプレー塗料は、アクリル系またはポリ酢酸ビニルの分散液であることが多く、時にはアルカリ条件下で溶解されたアクリル樹脂であることもある。
【0008】
落書きの除去は、ラッカーの除去および剥離の特別の場合である。同時にその基材を保護しながらのラッカー除去の目的は、両方の場合で同じである。しかしながら、落書きの除去とは対照的に、ラッカーの除去または剥離は、それほどむずかしくない、すなわち多孔性または高度に構造化された基材と関連しているが、この場合、今度は、溶剤に対する不溶性および基材に対する特に良好な付着が際立つエマルション塗料由来の高分子量ポリマーの架橋ラッカー系または合体した粒子を除去することが必要である場合が多い。
【0009】
数十年間、万能の作用を有する配合物、つまり強力な溶剤、とりわけ塩化メチレンが、ラッカーの除去のために使用されてきた。この塩素化炭化水素の毒性および社会の高まった環境意識のために、これらの溶剤および関連する炭化水素は、今日、もはや無条件で用いることはできない。かくして、ドイツでは、非特許文献1が、塩化メチレンについての可能な代替物および方法に詳細に関係している。代替の無ハロゲンの剥離配合物は、それらは比較的長い作用時間を必要とし、ある場合には非常に引火性であり、そして各ラッカー系に対して等しく良好な引き剥がしを示さないという欠点を有することが多い。正確に言えば、後者の問題は、今日、より頻繁に顕在化する。なぜなら、いっそう多くの水系ラッカー配合物が市場に現れており、このために、これまで使用された溶剤系ラッカー系とは完全に異なる可溶化特性が予想されるからである。従って、現在の非常に多くのラッカー系については、親水性および疎水性の溶液特性の両方を有するラッカーの除去のための配合物が必要とされる。ラッカーの除去は、さらに、乾燥したラッカー層の引き剥がしだけではなく、塗装者の手工品から印刷用インキ産業までの広範な分野での使用において生じるような、真新しいラッカー配合物の除去にも関わる。
【0010】
ラッカーの除去の特定の分野はマニキュア液の除去である。化粧用マニキュア液の除去の間、ほぼほとんどの場合、爪および周囲の領域の皮膚の脱油および洗脱が、通常の有機溶剤の作用の結果として起こる。マニキュア液除去剤の長期の使用の際に、これは、光沢のない傷つきやすい爪にまで到る爪および皮膚の白化の形で顕在化する。それゆえ、これらの効果を回避または防止さえするために、数十年間、種々の提案がすでになされてきた。脱油および爪からの重要な構造上の物質の離脱が溶剤に起因して起こることは知られているが、アセトン、酢酸エチル、酢酸ブチルなどはマニキュア液除去剤の中で用いられてきたし、いまでも用いられている。
【0011】
落書きを除去するために、サンドブラスティング、ドライアイスを用いた吹き付けまたはレーザーアブレーションなどの機械的な方法に加えて、通常は、液体またはゲル状の落書き除去剤が先行技術で使用される。落書き除去剤の利点は、素早い施用の可能性および同時に起こる作用(その作用が、比較的大きい面積にわたって塗料の引き剥がしを開始する)であるが、他方で、機械的な方法を用いると、塗料は局所的にでしか引き剥がされ得ない。これまでの落書き除去剤は、落書きラッカーの結合剤を物理的に溶解するという役割を有する個々の溶剤または溶剤混合物を含有する。いくつかの落書き除去剤では、この溶剤は水の中で乳化されている。これに関して、たいてい薄い液体溶剤またはエマルションは、垂直の表面を流れ落ちることを防止するために、通常は添加剤によって増粘される。
【0012】
以下の溶剤は従来の落書き除去剤として典型的であり、それらはすべて非特許文献1の一覧の中に見出すことができる。それらは、例えば短鎖および/または長鎖脂肪酸エステル(例えばオレイン酸メチルなど)、または脂肪酸混合物(菜種油脂肪酸メチルエステル(「バイオディーゼル」)など)、および種々のジカルボン酸エステル、例えばいわゆる二塩基エステル(DBEエステル)などのエステルであることが多い。特許文献1は、落書き塗料を溶解するために、ある場合には(マイクロ)エマルションの中でかかるメチルエステルを使用し、そしてシクロヘキサノンも使用する。乳酸エステルも時折用いられる。炭酸プロピレン、1−メトキシ−2−プロパノールまたは酢酸2−メトキシ−1−メチルエチルなどのグリコール誘導体の使用も広く行きわたっている。
【0013】
特許文献2に記載される3−エトキシプロピオン酸エチルも、これらと構造が類似している。しかしながら、3−エトキシプロピオン酸エチルも、強い極性の非プロトン性溶剤1−メチル−2−ピロリドン(NMP)およびγ−ブチロラクトンの活性化のために、特許文献3(特許文献4)で数年前に以前に使用されたことがある。正確に言えば、1−メチル−2−ピロリドンは公知でかつ優れたラッカー溶剤であり、これは純粋な形態または他の溶剤との混合物のいずれかとして、多くの剥離配合物および落書き除去剤の中で用いられる。従って、特許文献5は配合物の中で1〜60重量%の量で、1−メチル−2−ピロリドンだけではなく、他のピロリドンの使用をも記載する。γ−ブチロラクトンと構造上近いテトラヒドロフランも落書き除去剤で使用される。1−メチル−2−ピロリドンを置き換えるために、特許文献6は、すでに特許文献5の構成要素でもあった1−エチル−2−ピロリドンを記載する。特許文献7由来のN−メチルカプロラクタムもまた、構造的に非常に類似していると考えることができる。
【0014】
塩化メチレンおよびγ−ブチロラクトンは、それらの作用が環境または健康にとって許容できないため、回避されるべきである。しかしながら、1−メチル−2−ピロリドンもまた、最近、催奇性作用を有することが疑われてきた。多くの落書き除去剤および剥離配合物は、比較的大量のNMPを含有することが多い。なぜなら、NMPはラッカーの除去に際立って適しており、そして少し前までは特に毒物学的に許容できないとは考えられていなかったためである。疑われる要因が将来顕在化するであろうかどうかにかかわらず、その完全な置き換えも、製品販売の観点からはもっともである。
【0015】
短鎖溶剤分子は、しばしば落書き塗料の結合剤の中へと迅速に浸透するが、多くの場合、同様に急速に蒸発する。長鎖溶剤分子は、しばしばこの操作のためにかなりより多くの時間(例えば約20分間〜2時間)を必要とし、そしてそのコーティングの膨潤をもたらし、その結果、これらはその後、基材からより容易に機械的にこすり落とすことができる。
【0016】
個々の溶剤および溶剤混合物でさえの欠点は、とりわけラッカーまたはポリマーの溶解に関してこれまで完全にはその詳細が理解されていない溶解操作の複雑さのために、すべての結合剤の種類を等しく十分に溶解することができるわけではないことである。種々の落書き塗料を同じ除去剤系で溶解させようとするとき、これは顕在化する。広い範囲の種々のエアロゾル塗料のうちで、常にそれらのうちのいくつかは、基材から満足できるようには引き剥がすことはできない。
【0017】
成功した溶解操作の場合でさえ、落書き塗料の中の結合剤は非常に希釈されており、有色の色素と一緒に、落書きのもともとの端縁を越えて分散するという点で、溶剤のさらなる欠点が存在する。基材が滑らかでなく構造化された表面を有する場合は、多くの場合、結合剤の残渣およびとりわけ有色の色素は、非常に小さいひび割れおよび孔の中に留まる。これは、後に有色の「痕跡」の形で顕在化し、これは、非常に苦労しても完全に除去することはできない。これに関して、基材は家の壁にあるほとんどの石膏のようにまったく多孔性であってはならずかつ吸収性であってはならないこと、およびこの痕跡の形成は施釉した凹凸のあるタイル、セラミックまたはクリンカー上でも観察することができるということが詳しく注記されるべきである。
【0018】
除去しようとする落書き塗料の色素結合剤組成物は損壊の部位で確認することはできないので、落書き除去剤は、最も広い可能性のある溶解力の効力範囲を有していなければならない。上記のように、溶剤混合物もこれを完全に成し遂げることはできない。それゆえ、非常に多くの異なる結合剤を基材から引き剥がすことができる1つの系が、見出される必要がある。この系はまた、落書き塗料を短時間のうちに、例えば10分間以内、最大でも半時間以内に表面的に溶解して、色の痕跡なしにその落書き塗料を基材からできる限り除去することもできるべきである。落書き除去剤は、毒性があるかまたは長期の健康または環境問題を呈する物質を含むべきではない、つまり有機ハロゲン化合物(塩化メチレンなど)を含むべきではなく、γ−ブチロラクトンを含むべきではなく、そしてできる限りN−アルキル−ピロリドンもを含むべきではないだけでなく、強酸または強塩基も含むべきではない。
【0019】
落書き除去剤のように、剥離配合物は、毒性があるかまたは長期の健康または環境問題を呈する物質を含むべきではない、つまり有機ハロゲン化合物(塩化メチレンなど)を含むべきではなく、γ−ブチロラクトンを含むべきではなく、そしてできる限りN−アルキル−ピロリドンもを含むべきではない。強酸または強塩基も同様に回避されるべきである。塩化メチレンを含有する剥離配合物の広い適用可能性および素早い作用は、いまだ有利である。しかしながら、塩化メチレンを含まない組成物はしばしば著しく長い作用時間、ある場合には24時間を超える時間までを必要とする。別のより大きな深い作用がこれにより成し遂げられるが、かかる長期間は許容できない。加えて、溶剤またはこれらの混合物の使用に起因する塗り広がりの問題が残っている。それゆえ適切な剥離配合物は、環境または健康にとって脅威となるものであってはならず、つまり上述の溶剤、酸または塩基のいずれも含有しないべきであり、非常に広範な範囲の塗料および結合剤に対してできるだけ短時間で作用するべきであり、古いラッカーの塗り広がりを引き起こさないべきであり、種々の基材を冒さないべきであり、かつできる限り水を用いて除去可能であるべきである。
【0020】
落書き除去およびラッカーの除去の場合のように、マニキュア液の除去については −しかしここではとりわけ美容用途に起因するもののみ− 一方でできる限り最も効果的であり、他方でできる限り最も環境にやさしくおよび健康にやさしい構成要素の選択が必要である。塩化メチレン(特許文献8)または四塩化炭素(特許文献9)または同様のハロゲン化炭化水素などの溶剤の使用は、今日の配合物では考えられない。しかしながら、最近以降、マニキュア液除去剤において長期間使用された溶剤(例えばγ−ブチロラクトン(GBL))の、健康に対する悪影響の存在についての新しい知見も存在している。
【0021】
一方で、現代の消費者は、マニキュア液除去剤に対して、爪および皮膚の領域の洗浄およびケアの機能だけではなく、許容できるおよび感覚に配慮した構成要素を期待する。正確には最近数年のうちに、非常に多くの製品における、溶剤の鼻にツンとくるまたは刺激性のある臭気に対する消費者の敏感さが増している。これは、マニキュア液除去剤において非常に頻繁に使用される溶剤(アセトン、酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸エチルなど)に特に当てはまる。
【0022】
これらの溶剤は、その速い活性および比較的低い毒性に起因してマニキュア液除去剤において存在価値を実証してきたが、しかしながら、特徴的な臭気および皮膚および爪の脱油といういまだ存在する課題に基づいてそれらの置き換えが要請されている。一方で、いわゆる環境にやさしい製品の中に含有されるバイオエタノールはここでもは溶剤としての適切な代替物ではない。なぜなら、特定のマニキュア液だけがこれを用いて除去できるだけだからである。そのため、上述の要求のすべてを満たす完全に新規な作用系が見出されなくてはならない。
【0023】
従って、マニキュア液除去剤は、付与されたコーティングを爪から迅速にかつきれいに、上述の損壊のパターンを引き起こすことなく除去することができるべきである。脱油性の高い溶剤は、用いられないべきであるかまたはごく少量でのみ用いられるべきであり、保油保湿物質が十分な量で利用できるべきであるが、マニキュア液の除去を妨げず遅延させないべきである。落書きを生成するエアロゾル塗料および他の有色の組成物の場合のように、マニキュア液配合物で使用される多くの高分子ラッカー結合剤が存在する。ネイル・ケアに加えて、適切なマニキュア液除去剤は、すべてのこれらの種々のマニキュア液組成物を等しく十分に基材から引き剥がすこともできなくてはならない。落書き除去剤の場合のように(しかし、この用途においては重要性はいくらかは低下するが)、マニキュア液除去剤が用いられるときに、有色の組成物は塗り広げられないべきである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0024】
【特許文献1】欧州特許出願公開第1772 496(A1)号明細書
【特許文献2】独国特許出願公開第10 2004 015 092(A1)号明細書
【特許文献3】独国特許第691 28 887(T2)号明細書
【特許文献4】欧州特許第0 551 378(B1)号明細書
【特許文献5】独国特許第695 21 333(T1)号明細書
【特許文献6】独国特許出願公開第10 2004 012 751(A1)号明細書
【特許文献7】独国特許出願公開第102004015182(A1)号明細書
【特許文献8】独国特許第1089515号明細書
【特許文献9】独国特許第830094号明細書
【非特許文献】
【0025】
【非特許文献1】Technischen Regeln fuer Gefahrstoffe(TRGS 612、2002年、3月)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0026】
かくして、本発明の目的は、塗り広がりなく塗料またはラッカーの迅速かつ完全な除去を確実にする、広い範囲の構造基材用、およびまた皮膚、毛髪および指の爪用の洗浄用組成物を提供することであった。この洗浄用組成物は、環境または健康にとって脅威となるものであってはならず、かつ広い範囲の塗料およびラッカーを溶解するべきである。
【課題を解決するための手段】
【0027】
本発明の目的は、洗浄用組成物であって、マイクロエマルションまたは流体ナノ相系を含有し、かつ以下の構成要素:
a)4g/L未満の水に対する溶解度を有する少なくとも1つの水不溶性物質(油)と、
b)少なくとも1つの両親媒性物質、NP−MCA、であって、整列した親水性−疎水性界面活性剤構造を有しておらず、それ自体は構造形成性ではなく、すなわちミセルを形成せず、水または油に対するその溶解度は4g/L〜1,000g/Lであり、かつ油−水界面に優先的には蓄積しない少なくとも1つの両親媒性物質、NP−MCA(ただしこのNP−MCAは、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、2−(n−ブチル)−2−エチル−1,3−プロパンジオールから、および/または1,2−ジオールからは選択されない)と、
c)少なくとも1つのアニオン性、カチオン性、両性および/または非イオン性の界面活性剤と、
d)水および/またはヒドロキシ官能性を有する水溶性の溶剤と、
任意に、補助物質と、
を含むことを特徴とする洗浄用組成物を提供することにより成し遂げられる。
【0028】
好ましい実施形態では、当該洗浄用組成物は、さらなる両親媒性物質を含むことができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】実施例2による本発明に係る落書き除去剤と、1−メトキシ−2−プロパノールに基づく従来の落書き除去剤(Baufan RICO Graffiti−Killer)との比較。
【図2】ラッカー溶剤としての酢酸エチルを有する従来のマニキュア液除去剤essence(登録商標)、実施例5の本発明に係るマニキュア液除去剤、および個々の成分の活性。
【図3】a)洗浄前の状態およびb)洗浄後の状態で示す、汚れ除去剤としての本発明に係る洗浄用組成物の活性。
【図4】a)洗浄前の状態およびb)洗浄後の状態で示す、化粧品除去剤としての本発明に係る洗浄用組成物の活性。
【図5】a)洗浄後の状態およびb)洗浄前の状態で示す、毛髪脱色剤としての本発明に係る洗浄用組成物の活性。
【図6】a)アセト酢酸エチル、b)アセトン、c)本発明に係る洗浄用組成物 落書きCRACK、d)本発明に係る洗浄用組成物LisoCLEAR、e)本発明に係る洗浄用組成物V1113に関する、液体系の中でのナノ構造形成の検出のためのレーザー光線の散乱。
【図7】ナノ相を形成しない洗浄用組成物と比較した、ラッカーの除去における本発明に係る洗浄用組成物の活性であり、洗浄後の結果はa)アセト酢酸エチル、b)V141(ナノ相なし)、c)本発明に係る洗浄用組成物NP1、d)本発明に係る洗浄用組成物NP2、e)本発明に係る洗浄用組成物NP3、f)V142(ナノ相なし)について示される。
【図8】ナノ相を形成しない洗浄用組成物と比較した、タイルの洗浄における本発明に係る洗浄用組成物の活性であり、いずれの場合もa)洗浄前の状態およびb)洗浄後の状態で示す。
【図9】流体NP2のナノ構造形成を凍結割断法電子顕微鏡写真。
【図10】洗浄用組成物の一相および二相およびラメラ存在領域の過程を界面活性剤濃度および温度の関数として表す相図(魚型ダイヤグラムまたは鯨型ダイヤグラム)。
【発明を実施するための形態】
【0030】
自発的に多物質系を形成して多物質系として見える、水、水不溶性物質(油)、界面活性剤および任意に共界面活性剤のタイプの多成分系は、マイクロエマルションとして知られている。マイクロエマルションは、少なくとも水または水に似た液体(例えばグリセロール)、油および界面活性剤を含む熱力学的に安定なナノ構造が形成された流体である。マイクロエマルションは、ある場合には共界面活性剤も含有し、そして(イオン性界面活性剤が使用される場合には)任意に塩も含有する。マイクロエマルションの構造のサイズは、通常、10〜200nmである。速度論的に安定なエマルションまたはナノエマルションとは対照的に、熱力学的に安定なマイクロエマルションは粒子の合体によってクリーム状になるという傾向はない。マイクロエマルションでは、短期的に形成されるより大きい構造は、しばらくの時間の後にはより小さいミセルへと再び崩壊する。この後に、マイクロエマルションが、その熱力学的な安定性に起因して、混合することがなくとも自発的に再度形成される、ということが起こる。エマルションとは対照的に、球状ミセルだけではなく細長いミセル(ひも状ミセル(wurmartige Mizellen))および多様なネットワークのような構造もマイクロエマルションの中で発生する。最も好ましい場合では、共連続構造がマイクロエマルションの中に存在する。この構造では、水相および油相は、界面活性剤および任意に共界面活性剤のスポンジのような界面を貫通している。
【0031】
本発明に係る両親媒性物質、界面活性剤または共界面活性剤の親水性−疎水性構造または特性に従わないいわゆるNP−MCA(ナノ相形成性混合鎖構造両親媒性物質(nanophase−forming mixed−chain structure amphiphile))のさらなる添加によって、マイクロエマルションの一相のコロイド状に分散した領域の拡張を成し遂げることができ、当該特性の改変を成し遂げることができる。
【0032】
驚くべきことに、NP−MCAを添加することは、ナノ構造が形成された系の熱力学的に安定な一相の存在領域の拡張という効果を有するということがさらに見出された。これは、これまで技術界では、特定の反対の相への溶解度に関して親油性部および親水性部がより異なるほど、より多くのマイクロエマルションが形成する可能性があるということが前提とされていたため、一層驚くべきことであった。当業者は、それゆえ、いわゆるマイクロエマルションの調製のために、原理上は、互いにほとんど溶解しない油および親水性の構成要素を採用した。その結果、先行技術によれば、構造を形成せずかつ混合鎖構造を有しない本発明に係る両親媒性物質(NP−MCA)の場合のように、表面活性ではないがそれでもなお油相および親水性相の両方にとどまる物質は回避された。
【0033】
これに関して、本発明は、技術界に長い間根付いていた先入観を打開する。
【0034】
NP−MCAを油/水/界面活性剤混合物に加えると、従来のマイクロエマルションに比べて、形成されるナノ相流体の一相領域の顕著な拡大が発生することが可能になり、従来のマイクロエマルションに比べて、魚型ダイヤグラムまたは「鯨型ダイヤグラム」と呼ばれる相図におけるラメラ相(Lα)は長い間抑制され、その結果、油領域および水領域が層の中に逆に存在する非常に粘性の高いラメラ相の発生は抑制されるかまたは少なくとも減少される(図10を参照)ということはさらに驚くべきことであった。
【0035】
温度窓の下降が本発明に係るNP−MCA(例えばアセト酢酸エチル)の添加に由来して起こり、それゆえ、従来のマイクロエマルションに比べてより大きい使用可能な温度範囲が達成されうること(図10を参照)も驚くべきことであった。
【0036】
本発明に関しては、これらの系は流体ナノ相系と呼ばれる(ナノ相流体と略称される)。ナノ相流体は、水または水に似た物質、油、油−水界面に蓄積する少なくとも1つの構造形成性両親媒性物質、および −マイクロエマルションへの拡張として− 構造形成性ではなくかつ界面活性剤構造を有しない少なくとも1つのさらなる両親媒性物質(NP−MCA)を含有する。この構造形成性両親媒性物質は、界面活性剤、共界面活性剤または界面活性剤のようなオリゴマーもしくはポリマーである。このNP−MCAは、当該流体ナノ相の熱力学的に安定な存在領域の拡張のために、およびそれゆえさらなるマイクロエマルションからのさらなる区別基準のために重要である。
【0037】
NP−MCAを添加することで、一相領域の温度窓の著しい広がりおよび任意に下降が可能になる。加えて、NP−MCAは、非常に粘性が高いラメラ相の発生を防止または減少し、任意に、必要とされる界面活性剤濃度を減少させ、そしてその流体の特性および可能性のある用途を大きく広げる。
【0038】
ナノ相形成性混合鎖構造両親媒性物質(NP−MCA)は、空間的に互いに近接して存在するが混合されず、その結果、それらは界面活性剤のような構造を有しない親水性および疎水性の分子領域を有する混合鎖構造両親媒性物質である。それゆえ、それらは、2つの領域(頭−尾構造)の整列した分離によって機能を獲得する界面活性剤および共界面活性剤とは異なる。この結果、NP−MCAは、それ自体で超構造を形成することはできず、油−水界面に優先的には蓄積しない。それゆえ、ナノ相流体の形成のために、その油層または水層に加えて、界面活性剤もさらに必要である。しかしながら、NP−MCAは、水層または油相に対する大きな溶解度を有し、平衡が形成されるまで、その中で分散される。水または油に対するNP−MCAの溶解度は、(任意に塩の形態としても)概して1リットルあたり4〜1,000グラムである。
【0039】
本発明に係るNP−MCAは、整列した親水性−疎水性界面活性剤構造を有せず、それ自体は構造形成性ではなく、すなわちミセルを形成せず、水または油に対する溶解度は4g/L〜1,000g/Lであり、かつ油−水界面に優先的には蓄積しない両親媒性物質であるが、ただしこのNP−MCAは2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、2−(n−ブチル)−2−エチル−1,3−プロパンジオールから、および/または1,2−ジオールからは選択されない。
【0040】
マイクロエマルションでは、温度および界面活性剤濃度の関数としての相図(魚型または鯨型ダイヤグラム)において、X点および、一相領域から二相領域への境界領域と、Lα領域の開始点における座標と平行に引かれた接線との交点(複数)の間に、三角形を広げることができる。界面活性剤濃度/温度の相図(魚型または鯨型ダイヤグラム)をプロットするための測定方法は、先行技術から当業者には公知である。NP−MCAは、一相領域の存在領域を広げること、およびこの三角形の面積の増加をもたらし、そしてこの手段によって定義することができる。好ましく使用することができるNP−MCAは、油−水−界面活性剤系に4%添加した際に、これによりこの界面活性剤系を変化させることなく、これらの三角形の面積の少なくとも5%、好ましくは少なくとも10%、さらに特に好ましくは少なくとも20%の増加をもたらすすべての両親媒性物質である。特定の実施形態では、この三角形の面積は、これにより界面活性剤系が変化することなく、5%〜2,000%、好ましくは10%〜1,000%、さらに特に好ましくは15%〜500%の範囲で増加する。
【0041】
特に好ましいNP−MCAは、構成要素である油a)、界面活性剤c)および水d)を含有する油−水−界面活性剤系に当該系の総重量に基づき4重量%を添加した際に、それらNP−MCAが、3つの端点:
i)X点、
ii)一相領域から二相領域への境界領域と、Lα領域の開始点における温度座標と平行に引かれた接線との上側の交点、
iii)一相領域から二相領域への境界領域と、Lα領域の開始点における温度座標と平行に引かれた接線との下側の交点、
によって定められる相図に含まれる三角形の面積の少なくとも5%の増加をもたらすことを特徴とする。
【0042】
かかる三角形の位置は、図10に図示されている。
【0043】
かかる相図をプロットするための方法は、例えば、
M.Kahlweit、R.Strey、D.Haase、H.Kunieda、T.Schmeling、B.Faulhaber、M.Borkovec、H.F.Eicke、G.Busse、F.Eggers、T.Funck、H.Richmann、L.Magid、O.Soderman、P.Stilbs、J.Winkler、A.Dittrich、およびW.Jahn:「How to Study Microemulsions」、J.Colloid Interf.Sci.、118(2)、436(1987)、
J.Lyklemaによって編集されたFundamentals of Interface and Colloid Science、第V巻、Academic Press(2005)の中のT.SottmannおよびR.Strey、Microemulsions
に記載されている。
【0044】
相図(魚型ダイヤグラムまたは鯨型ダイヤグラム)を得るために、一定比率の非界面活性剤成分および界面活性剤含量を有する試料が調製され、この含量は、0%から始まって所望の界面活性剤含量まで(任意に、100%まで)段階的に増加される。刻み幅は測定精度の要求に依存し、2%の刻み幅で通常は十分である。これらの試料は、相平衡が確立されるまで、−30℃〜100℃の温度のサーモスタット制御の媒体(好ましくは水であるが、必要に応じて、凝固点を低くする添加物を伴う)の中に置かれ、その後に、相の状態が光散乱によって視覚的に評価される。温度刻みの幅は所望の測定精度から定まり、技術的な使用のためには1℃の刻み幅で通常は十分である。相の境界は1つの相状態から次の相状態への転移から定まり、誤差は、温度測定の刻み幅によって決定される。このようにして得られる測定点は図の中に入れられて互いに結ばれ、温度が界面活性剤含量に対してプロットされる。試料の中で測定範囲において存在する相状態を見出すこと、および間隔を挟んで相の境界を判定することで、通常は十分である。
【0045】
ナノ構造が形成された流体組成物の相の広がりの値は、以下の手順により図10の相図の中に三角形をプロットすることによって決定される:X点から始まって中間温度の上の相状態を特徴付ける曲線(2の上の線)まで第1の直線a)が形成され、第2の直線b)がLαの頂角に接線的に接し、かつ中間温度の上の相状態を特徴付ける曲線(2の上の線)の第1の直線a)との接点の位置で第1の直線a)と交わるように、第2の直線b)が形成され、そして第3の直線c)は中間温度の下の相状態を特徴付ける曲線(2の下の線)の上に引かれ、その結果、この第3の直線c)は上記2つの直線a)およびb)と交わる。数値A1は、図10の中の3つの直線の長さを合計することから定められ、これは先行技術に係るマイクロエマルションに対応する。同様に、本発明に係る相図(ナノ相流体)の直線の長さを合計すると、数値A2が得られる。本発明によって達成される有利な相の広がりの数値は、A2/A1という数値の比率を作成すること、すなわちA2をA1で割ることによって判定される。当該ナノ相流体の本発明に係る組成物については、この数値は、1.0より大きく、特に1.1より大きく、とりわけ1.15より大きく、なお特に1.2より大きく、好ましくは1.22より大きい。これに関して、この三角形の広がりの影響は、三角形の面積を増加させることに加えて、またはあるいはそれに代わって、起こりうる。
【0046】
好ましいNP−MCAは、構成要素a)、c)およびd)を含有する油−水−界面活性剤系に当該洗浄用組成物の総重量に基づき4重量%を添加した際に、それらが、当該洗浄用組成物の一相存在領域の温度範囲ΔTの少なくとも5%の増加をもたらす点において際立っている。このΔTは、温度および界面活性剤濃度の関数としての相図において決定される、下側および上側の、当該洗浄用組成物の一相存在領域と二相存在領域との間の分離線と、温度軸に平行なLα領域に対する接線との交点(複数)によって区切られている、その接線の長さによって決定される(図10を参照)。特に好ましいNP−MCAは、10%〜1,000%の温度範囲ΔTの増加をもたらし、さらに特に好ましくは20%〜500%の温度範囲ΔTの増加をもたらす。これに関して、温度範囲ΔTの影響は、その三角形の面積および/または広がりの増加に加えてまたはあるいはそれに代わって、起こりうる。
【0047】
NP−MCAは、炭素、水素および以下の種類の原子(ヘテロ原子)の少なくとも1つを含む分子である:ケイ素、酸素、窒素、硫黄、リン、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素。極性の炭素原子はヘテロ原子のそばに見出される。極性の炭素原子は、アルキル鎖または非極性鎖では考慮されない。
【0048】
NP−MCAは、とりわけ、本発明に関しては、界面活性剤のような構造を有しない、つまり整列した頭−尾構造を有しないアルコール、ケトン、エステル、1つの環あたり5〜7個の原子を有する複素環式化合物、エーテル、アミドおよびアミン、N−アシル化されたアミノ酸およびいくつかのアルデヒドの中に見出されるはずである。
【0049】
これらは、とりわけ、界面活性剤のような構造を有しないアルコール(モノアルコール、ジアルコール、トリアルコールなど)である。親水性の領域および疎水性の領域は、その分子の中で、
i)第一級または第二級の炭素原子上の末端の非極性鎖のうちで4以上の炭素原子を有するものはない。その鎖がより長い場合は、その鎖は、分子量の20%より多くの部分を構成してはならない;
ii)その分子の内部または第三級炭素原子上の非極性鎖は、7炭素原子以下の長さであり(すなわち、例えば1,9−ノナンジオールより大きい)、かつその分子量の20%より多くの部分を構成しない。より大きい鎖は非極性の領域に存在することができるが、他方でその分子の極性部分は親水性の領域に見出されるべきである;
iii)単環式アルコールにおいては、その環を通る最短経路が鎖長として選択され、項目iおよびiiに従って鎖長が決定される;
iv)多環式アルコールにおいては、完全に非極性の環だけが、項目iおよびiiに対応する鎖長の決定のために考慮され、炭素原子の最小の数が、ここでの鎖長として採用される;
ように、混合される。
【0050】
同等の極性に基づいて、アルコールについて述べたことは、同様にアミンおよびアルコールアミンに当てはまる。同じことは、フッ化物、塩化物、およびかかる基から構築される分子にも同様に当てはまる。
【0051】
本発明はまた、構造形成性ではなくかつ混合鎖構造を有しないアルコール、アミンおよびアルコールアミンの群からの両親媒性物質を含む組成物を提供する。
【0052】
本発明に関するNP−MCAは、特に、ケトンまたは酸ならびにそれらの弱塩およびアミド、ならびにオルガニルスルフェート(Organylsulfate)およびオルガニルホスフェート(Organylphosphate)であってもよい。アルコールと比べてそれらのいくらか高い極性に基づいて、1だけ増えた鎖長が、この場合は、末端鎖およびその分子内部の鎖に適用される。
【0053】
その結果、本発明はまた、構造形成性ではなくかつ混合鎖構造を有しないケトンまたは酸ならびにそれらの弱塩およびアミド、ならびにオルガニルスルフェート(Organylsulfate)およびオルガニルホスフェート(Organylphosphate))の群からの両親媒性物質を含む組成物を提供する。
【0054】
本発明に関するNP−MCAはまた、アルキルスルフィド、アルケニルスルフィド、アルキニルスルフィド、アリールスルフィド、アルキルホスフィド(phosphide)、アルケニルホスフィド、アルキニルホスフィド、アリールホスフィドおよびアルキルシリコーン/アルキルシロキサン、アルケニルシリコーン/アルケニルシロキサン、アルキニルシリコーン/アルキニルシロキサン、アリールシリコーン/アリールシロキサンであってもよい。より低い極性に基づき、アルコールと比べて1だけ減じた鎖長が、この場合に適用される。
【0055】
従って、本発明はまた、構造形成性ではなくかつ混合鎖構造を有せず、かつアルキル、アルケニル、アルキニルラジカルを有するか、またはアリールスルフィド、アリールホスフィドおよびアリールシリコーン/アリールシロキサンの群からのものである両親媒性物質を含む組成物を提供する。
【0056】
さらに、本発明によれば、上述の官能性のうちのいくつかを含有するNP−MCAも特に好ましく、種々の官能基がその分子に存在することも可能である。アルコールについて述べた鎖長は、本願明細書においては、従来の界面活性剤のような分子からの区別のための鎖長としての役割を果たすが、ただし上記官能性は、主にはケトン、酸およびその弱塩、アミドまたはオルガニルスルフェート(Organylsulfate)またはオルガニルホスフェート(Organylphosphate)ではない。
【0057】
好ましいNP−MCAは式Iのジオール:
COH−(CH−COHR [式I]
(式中、
nは0、1、2、3または4であってもよく、
およびRは、各々、互いに独立に、水素または非分枝状もしくは分枝状のC〜Cアルキルであるが、ただしn=0の場合、Rは水素ではあり得ず、かつこのこのジオールは2−メチル−2,4−ペンタンジオールではない)
から選択される。
【0058】
とりわけ、特に好ましいNP−MCAは、以下のジオール:1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2,3−ブタンジオール、2,4−ペンタンジオールまたは2,5−ジメチル−2,5−ヘキサンジオールから選択される。
【0059】
上記のジオールは、化粧品および/または汚れ除去剤を提供するのに特に適している。
【0060】
好ましいNP−MCAは、式IIのアセト酢酸エステル:
C(R−CO−CH−CO−O−R [式II]
(式中、
は、各々、互いに独立に、水素またはC〜Cアルキルであり、
は分枝状または非分枝状のC〜Cアルキルである)
、または式IIIのアセト酢酸エステル:
CH−CO−CH−CO−O−R [式III]
(式中、RはC〜Cアルキルである)
から選択される。
【0061】
とりわけ、特に好ましいNP−MCAは、以下のアセト酢酸エステル:アセト酢酸エチル、アセト酢酸イソ−プロピル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸n−ブチル、アセト酢酸n−プロピルまたはアセト酢酸tert−ブチルから選択される。
【0062】
上記のアセト酢酸エステルは、汚れ除去剤、タイル洗浄剤、化粧品除去剤、毛髪脱色剤、落書き除去剤、剥離配合物および/またはマニキュア液除去剤を提供するのに特に適している。
【0063】
さらに好ましいNP−MCAは、式IVのジオン:
CH−(CH−CO−(CH−CO−(CH−CH [式IV]
(式中、p、q、rは、互いに独立に0、1または2であるが、ただしp、qおよびrの和=2である場合、式IVの化合物は環状(シクロヘキサンジオン)であってもよい)
から選択される。
【0064】
とりわけ、特に好ましいNP−MCAは、以下のジオン:2,3−ブタンジオン(ジアセチル)、2,4−ペンタンジオン(アセチルアセトン)、3,4−ヘキサンジオン、2,5−ヘキサンジオン、2,3−ペンタンジオン、2,3−ヘキサンジオン、1,4−シクロヘキサンジオンまたは1,3−シクロヘキサンジオンから選択される。
【0065】
上記のジオンは、化粧品除去剤、汚れ除去剤、マニキュア液除去剤および/または落書き除去剤を提供するのに特に適している。
【0066】
同様に好ましいNP−MCAは、式Vのエステル:
−CO−O−R [式V]
(式中、
はRに対する環結合、CHまたはCOCHであり、
はRに対する(CH−O−環結合、(CH−O−(CH−CH、CH−CHまたはRに対するCH−CH(CH)−O−環結合である)
から選択される。
【0067】
とりわけ、特に好ましいNP−MCAは、以下のエステル:酢酸(1−メトキシ−2−プロピル)、酢酸(2−ブトキシエチル)、炭酸エチレン、ピルビン酸エチル(2−オキソプロピオン酸エチルエステル)または炭酸プロピレンから選択される。
【0068】
上記のエステルは、汚れ除去剤、タイル洗浄剤、化粧品除去剤、毛髪脱色剤、落書き除去剤、剥離配合物および/またはマニキュア液除去剤を提供するのに特に適している。
【0069】
さらに好ましいNP−MCAは、式VIのマレイン酸アミドまたはフマル酸アミド:
−HN−CO−C=C−CO−O−R [式VI]
(式中、
は水素、分枝状もしくは非分枝状のC〜Cアルキル、または分枝状もしくは非分枝状の、直鎖状もしくは環状のC〜Cアルキルであり、式中、このC〜CアルキルはOH、NH、COOH、CO、SOH、OP(OH)から選択される1以上の基によって置換されており、
は水素または分枝状または非分枝状のC〜Cアルキルである)
から選択される。
【0070】
とりわけ、特に好ましいNP−MCAは、以下のマレイン酸アミドならびにそのメチル、エチル、プロピルおよびブチルエステル:N−メチルマレアミド;N−エチルマレアミド;N−(n−プロピル)−マレアミド;N−(i−プロピル)−マレアミド;N−(n−ブチル)−マレアミド;N−(i−ブチルマレアミド);N−(tert−ブチルマレアミド)、ならびにその対応するフマル酸アミドならびにそのメチル、エチル、プロピルおよびブチルエステルから選択される。
【0071】
さらなる好ましいNP−MCAは、2,2−ジメトキシプロパン、ピルビンアルデヒド1,1−ジメチルアセタール、ジアセトンアルコール(2−メチル−2−ペンタノール−4−オン)、2−ブタノール、2−アセチル−γ−ブチロラクトン、3−アミノ−1H−1,2,4−トリアゾール、γ−ブチロラクトン、ニコチンアミド、アスコルビン酸、N−アセチルアミノ酸、特にN−アセチルグリシン、N−アセチルアラニン、N−アセチルシステイン、N−アセチルバリンまたはN−アセチルアルギニン、リン酸トリエチル、酢酸n−ブチル、ジメチルスルホキシドまたは2,2,2−トリフルオロエタノールから選択される。
【0072】
N−アセチルアミノ酸は、化粧品除去剤を提供するのに特に適している。
【0073】
以下のNP−MCAは、本発明によれば非常に特に好ましく、これらは、個々にまたは混合物として、アセト酢酸エチル;アセト酢酸i−プロピル;アセト酢酸メチル;イソブチリル酢酸メチル((4−メチル−3−オキソペンタン酸メチル));アセト酢酸n−ブチル;アセト酢酸n−プロピル;アセト酢酸tert−ブチル;アセト酢酸アリル;マレイン酸アミド(マレアミド酸、マレアミド)、以下のマレアミドならびにそのメチル、エチル、プロピルおよびブチルエステル:N−メチルマレアミド;N−エチルマレアミド;N−(n−プロピル)−マレアミド;N−(i−プロピル)−マレアミド;N−(n−ブチル)−マレアミド;N−(i−ブチルマレアミド);N−(tert−ブチルマレアミド);ならびに対応するフマル酸アミドならびにそのメチル、エチル、プロピルおよびブチルエステル;2,2−ジメトキシプロパン;ジアセトンアルコール(4−ヒドロキシ−4−メチルペンタン−2−オン);1,3−ブタンジオール;1,4−ブタンジオール;1,5−ペンタンジオール;1,6−ヘキサンジオール;1,3−プロパンジオール;2,3−ブタンジオール;2,4−ペンタンジオール;2,5−ジメチル−2,5−ヘキサンジオール;酢酸(1−メトキシ−2−プロピル);酢酸(2−ブトキシエチル);1,3−シクロヘキサンジオン;1,4−シクロヘキサンジオン;2,3−ヘキサンジオン;2,3−ペンタンジオン;2,5−ヘキサンジオン;3,4−ヘキサンジオン;アセチルアセトン(2,4−ペンタンジオン、ACAC);ジアセチル(2,3−ブタンジオン);炭酸エチレン;炭酸プロピレン;2−アセチル−γ−ブチロラクトン;N−アセチルシステインならびにそのメチル、エチル、プロピル、ブチルエステル;N−アセチルグルタミン酸ならびにそのメチル、エチル、プロピル、ブチルエステル;N−アセチルグリシンならびにそのメチル、エチル、プロピル、ブチルエステル;N−アセチルチロシンならびにそのメチル、エチル、プロピル、ブチルエステル;N−アセチルバリンならびにそのメチル、エチル、プロピル、ブチルエステル;ピルビン酸エチル(2−オキソプロピオン酸エチルエステル);ピルビンアルデヒド1,1−ジメチルアセタール;3−アミノ−1H−1,2,4−トリアゾール;3−オキソグルタル酸ジエチル;ジエチレングリコールジエチルエーテル;ジイソプロピルエーテル;エチレングリコールジエチルエーテル;カルバミン酸メチル;tert−ブチルメチルエーテル;酢酸ビニル;キニーネ(遊離塩基、塩酸塩として);アジピン酸ジアミド;コハク酸イミド;N−メチルカプロラクタム;酢酸ジエチルアミド;尿素;チオアセトアミド;1,2−フェニレンジアミン;1,3−フェニレンジアミン;1,4−ジアミノブタン;1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン;1,4−フェニレンジアミン;1,6−ジアミノヘキサン;2−(4−メトキシフェニル)−エチルアミン;2−アミノベンズアミド;2−アミノフェノール;ジプロピルアミン;トリエチルアミン;チラミン;アントラニル酸;DL−2−アミノ酪酸;セリン;トレオニン;チロシン;アジピン酸;メチレンコハク酸;trans−プロペン−1,2,3−トリカルボン酸;シクロヘキサノール;シクロヘキサノン;ジメドン(5,5−ジメチルシクロヘキサン−1,3−ジオン);N,N−ジメチルシクロヘキシルアミン;trans−1,2−シクロヘキサンジオール;(4−ヒドロキシフェニル)−酢酸;1,3,5−トリヒドロキシベンゼン;2−エチルピリジン;2−メトキシ安息香酸;2−メトキシフェノール;2−メチルヒドロキノン;2−メチルレゾルシノール;2,4−ジヒドロキシ安息香酸;2,6−ジヒドロキシ安息香酸;3−アミノフェノール;3,4−ジヒドロキシ安息香酸;3,5−ジヒドロキシ安息香酸;4−アミノ−3−ニトロフェノール;4−アミノフェノール;4−ヒドロキシベンズアルデヒド;4−ヒドロキシ安息香酸;5−メチルレゾルシノール;アセチルサリチル酸;ブチルヒドロキシトルエン;N−フェニル−2,2’−イミノジエタノール;N−フェニル尿素;4−ヒドロキシ安息香酸メチル、4−ヒドロキシ安息香酸エチル、4−ヒドロキシ安息香酸プロピル;スルファニル酸;バニリン;酢酸(2−エトキシエチル);メタクリル酸(2−エトキシエチル);メタクリル酸(2−ヒドロキシプロピル);酢酸[2−(2−ブトキシエトキシ)−エチル];1,2−プロピレングリコールジアセテート;マロン酸ジエチル;アセチルコハク酸ジメチル;炭酸ジメチル;フマル酸ジメチル;グルタル酸ジメチル;マロン酸ジメチル;酢酸エチル;エチレングリコールジアセテート;ギ酸エチル;乳酸エチル;グリセロールトリアセテート;酢酸イソプロペニル;ギ酸メチル;乳酸メチル;プロピオン酸メチル;ギ酸プロピル;プロピオン酸プロピル;オルト炭酸テトラエチル;クエン酸トリエチル;1−ベンジルピペリジン−4−オン;1−シクロヘキシル−2−ピロリドン;1H−ベンゾトリアゾール;2−アミノチアゾール;2−エトキシ−3,4−ジヒドロ−2H−ピラン;2−エチルピペリジン;2−メルカプト−1−メチルイミダゾール;2−メチルテトラヒドロフラン;2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジノール;アスコルビン酸;カフェイン、テオブロミン、テオフィリンおよび対応するエチルキサンチン;クマリン−3−カルボン酸;エクトイン;ヒドロキシプロリン;イミダゾール;インドール;インドール−3−酢酸およびその塩;メラミン(2,4,6−トリアミノ−1,3,5−トリアジン);ニコチン酸メチル;ニコチン酸エチル、ニコチンアミド;ニコチン酸;ピリジン−2−カルボン酸;ピリジン−2,3−ジカルボン酸;ピリジン−4−カルボン酸;トロピン(3−トロパノール(tropanol));トリプタミン;ニトロエタン;ニトロメタン;2−メチル−1−ブタノール;イソブタノール(2−メチル−1−プロパノール);tert−アミルアルコール;1,3−シクロペンタンジオン;2,6−ジヒドロキシアセトフェノン;3−メチル−3−ペンテン−2−オン;アセトフェノン;ジエチルケトン;ジヒドロキシアセトン;エチルメチルケトン;イソブチルメチルケトン(メチルイソブチルケトン、MIBK);イソプロピルメチルケトン;メチルプロピルケトン;プロピオフェノン;2−ブタンオキシム;スルファニルアミド;1,2,6−ヘキサントリオール;2−[4−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペラジニル]−エタンスルホン酸;2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオール(AEPD、アメジオール(Ammediol))(これらの誘導体を含む)からなる群から選択される。
【0074】
本発明に係る洗浄用組成物は、好ましくは、当該洗浄用組成物の総重量に基づき1〜80重量%のNP−MCA、特に好ましくは2〜25重量%、さらに特に好ましくは10〜24重量%を含有する。
【0075】
本発明の目的のために、4g/L未満の水に対する溶解度を有する少なくとも1つの水不溶性物質は、油を意味すると理解される。これに関して、油は、水または水に似た液体と均一には混ざらず分離した相を形成するすべての疎水性の物質を意味する。いくつかの油は水にも大量に溶解するので、1リットルあたり4グラム未満の水溶性がさらに本発明で定義される。好ましくは、この水不溶性物質は、2g/L未満の水溶性を有する水不溶性物質である。これらとしては、例えばアルカン(ベンジン)およびシクロアルカン(好ましくはシクロヘキサン)が挙げられる。トルエン、キシレンまたは他のアルキルベンゼンおよびナフタレンなどの芳香族化合物も、可能である。脂肪油および脂肪酸アルキルエステルなどの長鎖アルカン酸エステルまたは脂肪アルコールエーテルは好ましい。本発明によれば、酢酸ベンジルも、用いられる水不溶性物質に属する。しかしながら、テルペン、例えばシクロヘキサン骨格を有する単環式モノテルペンも使用することができる。シトラスフルーツ由来のテルペン(レモンおよび/またはオレンジテルペンなど)およびその中に含有されるリモネンは、本発明においては特に好ましい。当該洗浄用組成物は、好ましくは、当該洗浄用組成物の総重量に基づき1〜90重量%、特に好ましくは1.5〜30重量%の水不溶性物質を含有する。
【0076】
高級アルコールは、例えば、さらなる両親媒性物質として使用することができる。とりわけ、親水性−親油性の分子部分を有する共界面活性剤(例えば、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、ヘプタノール、オクタノール、ノナノール、デカノール、ウンデカノールおよびドデカノールのn−およびi−異性体など)は、本発明においては特に好ましい。
【0077】
シクロヘキサノールなどのシクロアルカノールも好ましく、またはフェニルメタノール(ベンジルアルコール)、2−フェニルエタノールおよび3−フェニル−1−プロパノールなどのフェニルアルコールは特に好ましい。
【0078】
ヘキサン酸、ヘプタン酸、オクタン酸などの短鎖脂肪酸、およびそのアルカリ金属塩またはアンモニウム塩も同様に使用することができる。そのエタノールアミン塩は特に好ましい。
【0079】
本発明に係る組成物は、好ましくは当該洗浄用組成物の総重量に基づき、2〜45重量%、特に好ましくは2〜40重量%の当該さらなる両親媒性物質を含有する。
【0080】
特に好ましくは、このさらなる両親媒性物質は2g/L〜128g/Lの水溶性を有し、C〜C12−アルコール、シクロアルカノール、フェニルアルコール、短鎖脂肪酸またはそのアルカリ金属塩またはアンモニウム塩を含む群から選択される。
【0081】
当該洗浄用組成物はさらに、アニオン性、カチオン性、両性および/または非イオン性の界面活性剤を含む。好ましくは適切ないくつかの界面活性剤は、以下の一覧で言及される。
【0082】
用いることができる陰イオン界面活性剤は、例えば、長鎖脂肪酸のアルカリ金属塩またはアンモニウム塩、アルキル(ベンゼン)スルホン酸塩、パラフィンスルホン酸塩、ビス(2−エチルヘキシル)スルホコハク酸塩、アルキル硫酸塩(とりわけ、ドデシル硫酸ナトリウムなど)であり、そして例えば防食が重要である特定の用途については、ある場合には、アルキルホスフェート(例えばPhospholan(登録商標) PE 65、アクゾノーベル(Akzo Nobel))もそうである。使用することができる非イオン性界面活性剤は、例えば、Berol(登録商標)タイプ(アクゾノーベル)およびHoesch T タイプ(Julius Hoesch)などのポリアルキレンオキシド変性脂肪アルコールであり、対応するオクチルフェノール(トリトン(Triton)タイプ)またはノニルフェノール(後者が環境へと大量に放出されない場合)もそうである。特定の分野での使用は、液体の広がり特性を大きく増加させるため、または表面張力を著しく低下させるための薬剤として、ヘプタメチルトリシロキサン(例えばSilwet(登録商標) タイプ、ジーイー・シリコーン(GE Slicones))によって可能にされる。
【0083】
使用することができるカチオン性界面活性剤は、例えばココナツ−ビス−(2−ヒドロキシエチル)メチルアンモニウムクロリドまたはポリオキシエチレン変性トリアルキルメチルアンモニウムクロリドである。加えて、種々の両性界面活性剤の使用も可能である。広いpH範囲をカバーするべきある場合には、ココナツ−ジメチルアミンオキシド(Aromox(登録商標)MCD、アクゾノーベル)が適切であることが判明した。
【0084】
当該洗浄用組成物は、好ましくは、当該洗浄用組成物の総重量に基づき9〜16重量%の界面活性剤を含有する。
【0085】
使用を容易にするかまたは改善する補助物質は、本発明に係る洗浄用組成物に、任意に加えることができる。これには、例えば、当該洗浄用組成物を基材に付与することを容易にするための増粘、可燃性の低下、臭気の改善、当該作用の強化、当該活性化合物の費用の減少または防食が伴う。この補助物質の合計は、好ましくは当該配合物の20重量%以下を構成し、そして個々の補助物質の量は10重量%以下であることが多い。
a)増粘:使用におけるほとんどの表面は、低粘度液体が落書きによる損壊部位から下方向にすぐに流れ出す垂直壁である。それゆえこの液体の増粘は、この流れ出しを遅らせまたは防止さえするために、好ましい。実験から得られた低粘度液体を増粘するために、市販の増粘剤を用いることができる。例えばアエロジル(Aerosil)(登録商標) 380などの焼成シリカは特に好ましい。
b)防炎:当該落書き除去剤は、いくつかの高揮発性物質を含有することができるため、防炎剤が適切である場合がある。当該組成物は、例えばリン酸トリエチル(TEP)またはリン酸トリオクチル(リン酸トリス(2−エチルヘキシル)(TEHP))などを加えることによって、自己消火性として配合できる。
c)臭気の改善:最終使用者のためにこの配合物の臭気を改善しようとする場合は、これは多くの従来の香気物質を用いて行うことができる。言及してもよい例は、ブタン酸メチル(パイナップル)、メタン酸エチル(ラズベリー)、エタン酸ペンチル(バナナ)、ペンタン酸ペンチル(リンゴ)、ブタン酸ペンチル(アプリコット)、エタン酸オクチル(オレンジ)などのエステルである。これらは、例えば本発明に係る液体における親油性の活性化合物の例を代表することができるオレンジテルペンまたはD−リモネンと組み合わせることもできる。他の香気物質も、例えばゲラニオールなど、テルペンの分野で見出すことができる。
【0086】
好ましい実施形態では、当該洗浄用組成物は、
1〜90%の水不溶性物質a)と、
1〜80%のNP−MCA b)と、
2〜45%の界面活性剤c)(任意にさらなる両親媒性物質を含む)と、
1〜90%の水と、
任意に、最高10%までの補助物質と
(この百分率データは、いずれの場合も、当該洗浄用組成物の総重量に関する)を含有する。
【0087】
少なくとも4つの(しかし、通常はより多くの)成分を含む液体である本発明に係る組成物は、驚くべきことに、
a)従来の溶剤ベースの従来の落書き除去剤(図1を参照)、剥離配合物またはマニキュア液除去剤よりも、または溶剤一般よりも(たとえ、これらが良好な溶媒和特性を有することが公知であっても)、
b)個々の成分それ自体よりも(図2を参照)、
c)水を含まずかつ/または界面活性剤を含まない、溶剤成分の混合物よりも、
d)公知のエマルションベースの従来の落書き除去剤または溶剤成分から調製されるエマルションよりも、
e)水および界面活性剤の混合物よりも、
著しくより効果的に、よりきれいにおよびある場合にはより迅速に、種々の基材からラッカーおよびコーティング引き剥がす。
【0088】
さらに、これらの液体は、さらに試験した溶剤のうちの最も効果的であった溶剤、つまり例えばテトラヒドロフラン、1−メチル−2−ピロリドン、1−メトキシ−2−プロパノール、ブチロラクトンまたは塩化メチレンと少なくとも等しい程度に、基材から落書き塗料を溶解させた。
【0089】
本発明に係る液体は、溶解特性に関して、なおさらに驚くべき効果を示した:
a)ラッカー結合剤はこの液体によって分子的に分散した形態で溶解されないから、主たる洗浄効果は、先験的にラッカーの物理的溶解にあるわけではなく、
b)ラッカーの著しい膨潤(ある場合には、波のような形状になり、ある場合にはラッカー層の中に微視的に小さい孔を伴う)、およびその後のおよそ100μm〜2mmのサイズのラッカーの小片へのラッカー層の破壊(断片化)、および
c)そのラッカー層のうちの大きな領域の下の移動(その後の、層の持ち上がりを伴う)にある。
d)すべての処理された、様々な構造の基材は、ラッカーが湿った掃除用具または低圧スプレー(3〜20bar(0.3〜2MPa))で処理されたときに、事実上、色の痕跡を示さなかった。これは、この液体が分子的に分散した形態でラッカーを溶解させず、それゆえ微粉化された色素粒子を放出せず、水と組み合わさって洗浄用液体として機能するからである。
【0090】
わずか数秒間から数分間の作用時間の後に、水と組み合わせて、例えば湿ったスポンジ、ブラシまたは刷毛、それまでは透明だった液体から生成するエマルションによってラッカーおよびコーティングを完全に引き剥がすことが可能であった。水は、実際は著しく低い引き剥がす力しか有しないが、代償として強い洗浄作用を有し、有色の粒子および結合剤残渣をその基材から除去した。この洗浄作用に起因して、従来の溶剤(混合物)が通常使用の部位から未処理の領域へとその基材の上に残す、希釈された結合剤および色素からなる繊細な色の付いたグラジエント(「痕跡」)は、形成されなかった。
【0091】
本発明に係る液体の洗浄効果は、かくして、2つの段階を含む:
a)未希釈の形態において:通常、ラッカーの断片化と組み合わせて、落書き塗料の結合剤系の膨潤または表面的な溶解(膨潤の場合には、塗料層の下での基材への移行も)、
b)例えば湿ったスポンジ、ブラシまたは刷毛の中で起こるように、少量の水と一緒に:洗浄用液体の生成およびその基材からの膨潤したかつ/または溶解したラッカー粒子の持ち上げ。
【0092】
それゆえ、従来の溶剤ベースのこれまでのラッカー除去剤とは対照的に、溶解した落書き塗料の色のグラジエント、すなわち塗り広がりは、 −コーティングの端縁に向かっても、また基材の中へも− 本発明に従って処理される領域の上には生じない。処理された粗い下塗り基材の図の中の写真は、1−メトキシ−2−プロパノールに基づく従来の落書き除去剤と比べてこの作用を示す。図2中の写真は、マニキュア液の除去に対する同じ作用を示す。
【0093】
従来の溶剤ベースのこれまでの落書き除去剤とは対照的に、本発明に係る系は、塗料またはコーティングの引き剥がしに対して非常に広い作用範囲を示し、溶剤が使用されるときにしばしば起こるような、特定の結合剤の種類に限定されるということはない。本発明に係る落書き除去剤系は、非常に微細な非常に高分子量の粒子の合体による有色の皮膜を生成し、かつ正面用塗料(Fassadenfarben)として用いられることが多いエマルション塗料に対する選択性を示す。すなわち高品質の正面用塗料は、当該作用時間内では引き剥がされない。剥離配合物の場合には、この選択性は必要ではない。なぜなら、この場合は基材コーティングも同時に持ち上げられなければならないからである。
【0094】
従来の溶剤ベースのラッカー除去剤とは対照的に、本発明に係る系は、年数、基材および塗料に依存するが、通常、落書き除去剤については10秒間〜約30分間(好ましくは20分間)以内、剥離配合物については20分間〜3時間以内、およびマニキュア液除去剤については3〜30秒間(好ましくは3〜20秒間)以内に塗料の非常に迅速な膨潤および引き剥がしを示す。
【0095】
かくして、本発明はまた、落書き除去剤、剥離配合物またはマニキュア液除去剤としての本発明に係る洗浄用組成物の使用にも関する。
【0096】
本発明はまた、表面から望ましくない塗料およびラッカーを除去するための方法を提供する。表面からの望ましくない塗料およびラッカーの除去のための本発明に係るプロセスは、本発明に係る洗浄用組成物が望ましくない塗料またはラッカーに付与され、作用し、そして次にこの塗料またはラッカーは水を用いて除去され、その作用時間は落書き除去剤については約10秒間〜約30分間であり、剥離配合物については約20分間〜約3時間であり、そしてマニキュア液除去剤については約3〜約30秒間であるという点で、際立っている。
【0097】
本発明はさらに、酸化性の漂白なしの汚れ除去剤、タイル洗浄剤、化粧品除去剤または毛髪脱色剤としての、本発明に係る洗浄用組成物の使用に関する。これに関して、汚れは、カーボンブラック、脂肪、油、シリコーン、細塵、樹脂および/またはこれらの構成要素の1以上を含有する混合物から選択される少なくとも1つの成分の存在を意味するとして理解される。化粧品は、ボディケアおよびビューティーケア用の組成物、特に皮膚および/または皮膚の付属器(例えば、毛髪または爪など)に施用される組成物を意味するとして理解される。毛髪は、人工毛髪および実際の天然毛髪の両方を意味するとして理解される。ヘアカラーは、毛髪を酸化的に漂白することなく毛髪を着色する組成物を意味するとして理解される。
【0098】
本発明はまた、表面(例えば、セラミック、タイルまたはプラスチック類の表面など)からの汚れ(例えばカーボンブラック、脂肪、油、シリコーン、細塵、樹脂およびこれらの構成要素の1以上を含有する混合物)の除去、化粧品の除去、または毛髪の脱色のための方法であって、本発明に係る洗浄用組成物がその汚れ、除去しようとする化粧品または脱色しようとする毛髪に対して施用され、作用し、そして次いでその汚れ、組成物または色が水を用いて除去され、作用時間は、汚れ除去剤については約10秒間〜約3時間、化粧品除去剤については約10秒間〜約30分間および毛髪脱色剤については約2分間〜約24時間であることを特徴とする方法を提供する。
【0099】
本発明はさらに、本発明に係る洗浄用組成物の調製のためのプロセスに関する。洗浄用組成物を調製するための本発明に係るプロセスは、水またはヒドロキシ官能性を有する溶剤が最初に容器の中に導入され、アニオン性、カチオン性、両性および/または非イオン性の界面活性剤がその中で10〜90℃で撹拌しながら溶解され、水不溶性物質(1種または複数種)が界面活性剤の添加と並行して、または添加後に添加され、次いでこの形成されたエマルションがさらなる両親媒性物質およびNP−MCAの添加によって視覚的に透明な広げられたマイクロエマルションまたはナノ相系へと変換され、そして補助物質が任意に混合操作の最後に添加されるという点で際立っている。
【0100】
この洗浄用組成物は、はじめに最初の水またはヒドロキシ官能性を有する溶剤を適切な容器の中に導入し、次いで撹拌しながら界面活性剤を溶解させることによって調製される。いくつかの界面活性剤は納入形態ですでに水を含むことができ、その結果、処方において予め算出された水の量は修正されなければならない場合があることに、ここで留意されたい。界面活性剤を溶解するときには、過剰な発泡を回避するために、その溶液の中への空気の導入ができる限り低く保たれることを確実にしなければならない。大きな工業規模で実現するために、発泡をほぼ回避するための撹拌装置および撹拌機の多くのバリエーションがすでに存在する。プロペラ型の撹拌機および撹拌機の直径と容器直径との理想的な比が使用されれば、撹拌速度は、通常は、1分間あたり200回転を超えないはずである。いくつかの(濃厚)界面活性剤は水を添加するとゲルを形成する可能性があり、これは撹拌およびさらなる分散を困難にする可能性があるということをさらに覚えておくべきである。かかる場合には、必要に応じて、その水不溶性物質(油相)を最初にまたは界面活性剤の添加と並行して加えなければならない。発泡は、油相を後で加えることによっても防止できる可能性がある。なぜなら、これは特定の消泡剤作用を有する場合が多いからである。油相の添加後、乳白色に濁ったエマルションが生成し、このエマルションは、界面活性剤構造を有するさらなる両親媒性物質(例えばアルカノール)の添加によって、そうでなくともいくら遅くとも請求項1bに係る両親媒性物質(例えば、アセト酢酸エステル化合物)の添加後には透明になり、最終的には視覚的に透明な広げられたマイクロエマルションまたはナノ相系に変わる。最後に、例えば難燃剤(例えばリン酸トリエチル)、増粘剤(例えばアエロジル)および/または他の補助物質などの添加剤も添加することができる。
【0101】
本発明はまた、本発明に係る洗浄用組成物の調製のためのプロセスであって、水またはヒドロキシ官能性を有する溶剤が最初に容器に導入され、アニオン性、カチオン性、両性および/または非イオン性の界面活性剤がその中で10〜90℃で撹拌しながら溶解され、水不溶性物質(1種または複数種)が界面活性剤の添加と並行して、または添加後に添加され、次いでこの形成されたエマルションがさらなる両親媒性物質およびNP−MCAの添加によって視覚的に透明なマイクロエマルションまたはナノ相系へと変換され、そして補助物質が任意に混合操作の最後に添加されることを特徴とするプロセスを提供する。
【0102】
図面は以下のことを示している。
(図1)
実施例2による本発明に係る落書き除去剤と、1−メトキシ−2−プロパノールに基づく従来の落書き除去剤(Baufan RICO Graffiti−Killer)との比較。落書きによって損なわれた粗い下塗りを有する壁の写真(落書きの年数は少なくとも1年)。同時でかつ同じ長さの時間の落書き除去剤の作用、5分後のスポンジを用いた上記除去剤の拭き取り、およびその後の低圧の水噴射(<3bar(<0.3MPa))を用いた壁の洗い流し:
a)本発明に係る配合物は、色の痕跡を示さず、もとの正面用塗料(白色)の機能障害も示さず、そして端縁における色のグラジエントも示さず、未処理の領域からのシャープな境界を示す。
b)1−メトキシ−2−プロパノールに基づく従来の落書き除去剤は、他方で、落書き塗料の塗り広がりによって引き起こされる作用部位から未処理領域への不鮮明な端縁を伴うより劣悪な塗料の除去を示す。さらに、この組成物で希釈された塗料は、一部は石膏の孔に吸収され、これが色の痕跡を生成し、これは、苦労してようやく後で除去することができる。
【0103】
(図2)
ラッカー溶剤としての酢酸エチルを有する従来のマニキュア液除去剤essence(登録商標)、実施例5の本発明に係るマニキュア液除去剤、および個々の成分の活性。
a)良好なマニキュア液の除去、端縁に向けての塗り広がり、
b)ナノ相流体による良好なマニキュア液の除去、膨潤した領域を伴うシャープな端縁、
c)実質的に引き剥がしなし、膨潤なし、
d)ほとんど何もマニキュア液の除去はない、
e)端縁に向けての重度の塗り広がりを伴う、マニキュア液の除去、
ナノ相流体b)の個々の成分c)およびd)は、それ自体は、このマニキュア液の引き剥がしについての活性を示さない;成分e)は貧溶媒である。
【0104】
(図3)
a)洗浄前の状態およびb)洗浄後の状態で示す、汚れ除去剤としての本発明に係る洗浄用組成物の活性。市販の洗浄用組成物は1の下で使用され、ナノ相構造形成を伴う本発明に係る洗浄用組成物は2の下で使用された。
【0105】
(図4)
a)洗浄前の状態およびb)洗浄後の状態で示す、化粧品除去剤としての本発明に係る洗浄用組成物の活性。市販の化粧品除去剤は1の下で使用され、ナノ相構造形成を有する本発明に係る洗浄用組成物は2の下で使用された。b)の中の下側の数字は、その領域が、洗浄サイクル、すなわち対応する洗浄用組成物を含浸した脱脂綿のパッドを用いて軽い圧力で一方向のみで何回上を拭き取られたかを示す。
【0106】
(図5)
a)洗浄後の状態およびb)洗浄前の状態で示す、毛髪脱色剤としての本発明に係る洗浄用組成物の活性。
【0107】
(図6)
a)アセト酢酸エチル、b)アセトン、c)本発明に係る洗浄用組成物 落書きCRACK、d)本発明に係る洗浄用組成物LisoCLEAR、e)本発明に係る洗浄用組成物V1113に関する、液体系の中でのナノ構造形成の検出のためのレーザー光線の散乱。
【0108】
(図7)
ナノ相を形成しない洗浄用組成物と比較した、ラッカーの除去における本発明に係る洗浄用組成物の活性であり、洗浄後の結果はa)アセト酢酸エチル、b)V141(ナノ相なし)、c)本発明に係る洗浄用組成物NP1、d)本発明に係る洗浄用組成物NP2、e)本発明に係る洗浄用組成物NP3、f)V142(ナノ相なし)について示される。
【0109】
(図8)
ナノ相を形成しない洗浄用組成物と比較した、タイルの洗浄における本発明に係る洗浄用組成物の活性であり、いずれの場合もa)洗浄前の状態およびb)洗浄後の状態で示す。マイクロエマルションについての結果は1)の下に示され、エマルション系についての結果は2)の下に示され、本発明に係るナノ相系の結果は3)の下に示される。
【0110】
(図9)
図9では、流体NP2のナノ構造形成を凍結割断法電子顕微鏡写真によって見ることができる。より小さい球状構造(矢印)は、小さい構造形成された油相内に分散されているおよそ20〜50nmのサイズの水層のミセルである。
【0111】
(図10)
洗浄用組成物の一相および二相およびラメラ存在領域の過程を界面活性剤濃度および温度の関数として表す相図(魚型ダイヤグラムまたは鯨型ダイヤグラム)。マイクロエマルションとしての組成物はa)に示され、ナノ相流体としての、さらに4%のNP−MCAを含有する同じ組成物はb)に示される。この洗浄用組成物の一相存在領域の温度範囲、ΔTが示され、ΔTは、下側および上側の、この洗浄用組成物の一相存在領域と二相存在領域との間の分離線と、温度軸に平行なLα領域に対する接線との交点(複数)によって区切られている、その接線の、この魚型ダイヤグラムにおいて決定される長さによって決定される。図10から分かるように、NP−MCAの存在により温度範囲ΔTの増加がもたらされる。
【0112】
以下の実施例は、本発明をより詳細に説明することが意図されているが、本発明をそれらに限定することは意図されていない。
【実施例】
【0113】
(実施例1:落書き除去剤)
【表1】

【0114】
最初に水を適切な容器に導入して、撹拌しながらその中に界面活性剤(ラウリル硫酸ナトリウム)を溶解させることによって、実施例1の落書き除去剤を調製した。界面活性剤を溶解させる間、この溶液への空気の導入はできる限り低く保つべきである。発泡は、この後のオレンジテルペンの添加によって防ぐことができる。なぜなら、これらは特定の消泡剤作用を有するからである。この工程の後、乳白色に濁ったエマルションが形成され、これは1−ヘキサノールおよびアセト酢酸エチルの添加によって透明になり、最終的に完全に透明なナノ相系に変わった。最後に、リン酸トリエチルを加えた。
【0115】
(実施例2:落書き除去剤)
【表2】

【0116】
実施例2の落書き除去剤を、実施例1と同様のプロセスによって調製した。
【0117】
(実施例3:落書き除去剤)
【表3】

【0118】
実施例3の落書き除去剤を、実施例1と同様のプロセスによって調製した。
【0119】
(実施例4:剥離配合物)
【表4】

【0120】
実施例4の剥離配合物を、実施例1と同様のプロセスによって調製した。
【0121】
(実施例5:マニキュア液除去剤)
【表5】

【0122】
界面活性剤(ラウリル硫酸ナトリウム)を、1分間あたり100回転の回転速度で静かに撹拌しながら、水、アセト酢酸エチルおよび2−フェニルエタノールの混合物の中に滴下することによって、実施例5のマニキュア液除去剤を調製した。ナノ相系の形成後、芳香剤を加えた。
【0123】
以下の概観は、従来の落書き除去剤または溶剤と比較した、本発明に係る落書き除去剤の作用を示す。
【0124】
【表6】

【表7】

【0125】
(実施例6:汚れ除去剤)
背景:種々の基材からの汚れの除去は、いまだ、一部しか解決されていない課題である。多くの場合、市販の洗浄用組成物は、マイクロメートルサイズの孔の中に浸透できず、汚れの粒子を溶かし出しまたはしっかりと付着した汚れを他のやり方で引き剥がすことはできない。他方、ナノ構造が形成された液体は、低表面張力、徐々に浸透する性質およびナノ粒子および微粒子を取り込む傾向のため、それができる。
【0126】
戸外でおよそ10年間の期間にわたってラッカーの白色皮膜の上に樺の木の分泌物(樺の木の樹脂)を蓄積してきた空気吹き出し口の箱を例として選んだ。市販の洗浄用組成物は、洗浄には成功しなかった。
【0127】
両方の組成物に2分間作用させ、次いで湿ったスポンジで洗い流した。
【0128】
図3 a)作業前、b)洗浄後。
左側の写真(1):市販の界面活性剤洗浄用組成物は洗浄効果をもたらさなかった。
右側の写真(2):ナノ構造が形成された配合物を用いた洗浄後、この樺の木の樹脂は残渣なく引き剥がれた。
【0129】
洗浄用の流体(lisoCLEAR 55 DAA − この配合物はタイル、セラミック、正面の壁およびラッカーを洗浄するために開発された)の組成:
【0130】
【表8】

【0131】
(実施例7:タイル洗浄剤)
微細な孔のあるセラミックまたは鉱物性基材(割り石タイル、下塗り、コンクリートなど)からの汚れの除去は、いまだ、一部しか解決されていない課題である。多くの場合、市販の洗浄用組成物は、マイクロメートルサイズの孔の中に浸透できず、汚れの粒子を溶かし出しまたはしっかりと付着した汚れを他のやり方で引き剥がすことはできない。他方、ナノ相流体が形成された液体は、低表面張力、徐々に浸透する性質およびナノ粒子および微粒子を取り込む傾向のため、それができる。
【0132】
数十年にわたって汚れを吸収してきた築100年のアールヌーボー様式の家のセラミックタイルを例として選択した。この汚れは、市販の洗浄用組成物の推奨された投与量を用いた定期的な毎週の洗浄によっては除去できなかった。
【0133】
検討したすべての組成物は、正確に120秒間作用するようにし、次いでおよび湿ったスポンジで洗い流した。その後、圧力を加えずに水を用いてさらにもう2回、後洗浄を実施した。ほぼ同じ構成要素を有しているにもかかわらず、組成物がマイクロエマルションであるか、従来のエマルションであるか、またはナノ相流体であるかによって異なる作用結果が得られた。
【0134】
結果を図8に示す。図8a)は、洗浄前の状態を示し、タイルの溝の中にはっきり見える汚れが存在し、図8b)は、洗浄後の同じタイルの状態を示す。
【0135】
このタイルを洗浄するために、流体の以下の組成物をここでは使用した:
組成物1はマイクロエマルションであり、
組成物2はエマルション系であり、および
組成物3はナノ相系 lisoCLEAR 55 nPMAである(この配合物はタイル、セラミック、正面の壁およびラッカーを洗浄するために開発された)。
【0136】
使用した組成物の構成要素は以下に与えられる。
【0137】
【表9】

【表10】

【表11】

【0138】
(実施例8:化粧品除去剤)
背景:耐水性のキスしても落ちない化粧品および涙で落ちない化粧品はこれまで以上に頻繁に市場で見出すことができ、さらに、最近はその品質が一層よくなった。かかる化粧品もまた、もはや温水を用いても容易に除去することはできない。
【0139】
しかしながら、多くの化粧用組成物は、不都合なことに二相を含み、このためエマルションを形成するために、作業直前に振盪される必要がある。たいてい1分間または2分間未満の後には、それらの相は再び分離する(油相はクリームを形成する)。
【0140】
以下のナノ相流体は、それ自体、個々にはあったとしてもわずかの弱い洗浄作用しか有しない非常に穏やかな、皮膚に優しい構成要素を含む。しかしながら、ナノ構造が形成された系の形態では、その作用は、市販の製品の作用を超える。
【0141】
左側の図4(I):a)作業前、b)Balea 2−Phasen Augen Makeup Entferner Waterproofを用いた洗浄後。右側の写真(II):a)作業前、b)ナノ構造が形成された配合物を用いた洗浄後。
【0142】
b)の中のすぐ下側の数字は、洗浄サイクル、すなわち当該洗浄用組成物を含浸した脱脂綿のパッドを用いて軽い圧力で一方向(指先に向かって)のみでその領域が何回上を拭き取られたかを示す。
【0143】
【表12】

【0144】
(実施例9:毛髪の脱色)
黒色のヘアカラーで着色した毛髪の房を流体42の中に一晩(16.5時間)保持した。脱色した毛髪(a)を未処理の毛髪の房(b)と比較した:結果を図5に示す。処理した毛髪の脱色が起こったことが見出される。
【0145】
【表13】

【0146】
(実施例10:流体のナノ相の検出)
ナノ相系のナノ構造形成の検出のためのレーザー光線の散乱についての実験。
【0147】
結果を図6に示す:
a)アセト酢酸エチル:緑色のレーザー光線はこの液体の中では見えない、すなわち散乱はなく、それゆえナノ構造形成はない。
b)アセトン:緑色のレーザー光線はこの液体の中では見えない、すなわち散乱はなく、それゆえナノ構造形成はない。
c)落書きCRACK:緑色のレーザー光線は散乱によって見える、すなわちこの液体はナノ構造を有している。赤色のレーザー光線はさらにほとんど散乱しなかった。これは、この赤色の光の波長が、ここでの相互作用には長すぎるからである。
d)lisoCLEAR:緑色のレーザー光線は散乱によって見える、すなわちこの液体はナノ構造を有している。
e)マニキュア液除去剤(処方V113):緑色のレーザー光線は散乱によって見える、すなわちこの液体はナノ構造を有している。
【0148】
【表14】

【表15】

【表16】

【0149】
(実施例11:ラッカーの除去実験におけるナノ相流体 対 マイクロエマルションの比較試験)
多孔性基材上のラッカーの引き剥がし/溶解特性の比較試験のために、6つの液体を試験した:
a)溶剤としての作用を有するアセト酢酸エチル − ナノ構造は形成されていない:このラッカーの塗り広がり。
b)溶剤混合物(V141) − ナノ構造は形成されていない:このラッカーの塗り広がり。
グリセロール:8.34%、エタノール:8.30%、ジアセトンアルコール:35.02%、アセト酢酸エチル:21.00%、酢酸n−ブチル:6.64%、ヘキサノール:8.26%、酢酸ベンジル:8.30%、オレンジテルペン:4,15%。
【0150】
【表17】

【表18】

【表19】

【表20】

【0151】
以下のラッカーのストライプが塗布されているセラミックプレートの多孔性の裏側に、これらの液体を施用した:
赤色:Produkt Auto K(20330、VW/Audi、マルスレッド、L31 B)
黄色:Produkt Auto K(22218、FORD、シグナルイエロー、77 KLP/97)
緑色:Produkt Auto K(21395、OPEL、ミントグリーン、361)
銀色:Produkt Monex、Lack Spray(Rallye ホイールリム シルバー、7093)
青色:Produkt Dupli Color、(空色、サテンマット、DCP 5200/RAL 5015)。
【0152】
これらの液体の施用後、それらを、刷毛を用いて2分間こすり、次いで流水で洗い流した。
【0153】
結果を図7にまとめる。ナノ構造が形成されていない液体は、実際にラッカーを溶解し、顕著に塗り広がりもした。他方、ナノ構造が形成された系で塗り広がりを示すものはない。
【0154】
ナノ構造が形成された液体においては、今度は、それがマイクロエマルションであるか、または相が広がった系(ナノ相流体)であるかによって差が見られた。このマイクロエマルションは、時間に関しては最も低い引き剥がし能力を示した。落書きCRACKは最も顕著な作用を有していた。
【0155】
(実施例12:本発明に係る洗浄用組成物用にさらに選択された配合物の例)
【表21】

【表22】

【表23】

【表24】

【表25】

【表26】

【表27】

【表28】

【表29】

【表30】

【表31】

【表32】

【表33】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
洗浄用組成物であって、マイクロエマルションまたは流体ナノ相系を含有し、かつ以下の構成要素:
a)4g/L未満の水に対する溶解度を有する少なくとも1つの水不溶性物質と、
b)少なくとも1つの両親媒性物質、NP−MCA、であって、界面活性剤構造を有しておらず、それ自体は構造形成性ではなく、水または油に対するその溶解度は4g/L〜1,000g/Lであり、かつ油−水界面に優先的には蓄積しない少なくとも1つの両親媒性物質、NP−MCA(ただし前記NP−MCAは、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、2−(n−ブチル)−2−エチル−1,3−プロパンジオールから、および/または1,2−ジオールからは選択されない)と、
c)少なくとも1つのアニオン性、カチオン性、両性および/または非イオン性の界面活性剤と、
d)水および/またはヒドロキシ官能性を有する水溶性の溶剤と、
任意に、補助物質と、
を含むことを特徴とする、洗浄用組成物。
【請求項2】
前記NP−MCAが、前記構成要素a)、c)およびd)を含有する油−水−界面活性剤系に前記系の総重量に基づき4重量%を添加した際に前記NP−MCAが、3つの端点:
i)X点、
ii)一相領域から二相領域への境界領域と、Lα領域の開始点における温度座標と平行に引かれた接線との上側の交点、
iii)前記一相領域から前記二相領域への境界領域と、前記Lα領域の開始点における前記温度座標と平行に引かれた前記接線との下側の交点、
によって定められる相図に含まれる三角形の面積の少なくとも5%の増加をもたらすことを特徴とする、請求項1に記載の洗浄用組成物。
【請求項3】
前記洗浄用組成物がさらなる両親媒性物質を含むことを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の洗浄用組成物。
【請求項4】
前記NP−MCAが、
a)式Iのジオール:
COH−(CH−COHR [式I]
(式中、
nは0、1、2、3または4であることができ、
およびRは、各々、互いに独立に、水素または非分枝状もしくは分枝状のC〜Cアルキルであるが、ただしn=0の場合、Rは水素ではあり得ず、かつ前記ジオールは2−メチル−2,4−ペンタンジオールではない)
から選択されるか、または1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2,3−ブタンジオール、2,4−ペンタンジオールまたは2,5−ジメチル−2,5−ヘキサンジオールから選択されるか、
b)式IIのアセト酢酸エステル:
C(R−CO−CH−CO−O−R [式II]
(式中、
は、各々、互いに独立に、水素またはC〜Cアルキルであり、
は、分枝状または非分枝状のC〜Cアルキルである)
から選択されるか、または
式IIIのアセト酢酸エステル:
CH−CO−CH−CO−O−R [式III]
(式中、RはC〜Cアルキルである)
から選択されるか、またはアセト酢酸エチル、アセト酢酸イソ−プロピル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸n−ブチル、アセト酢酸n−プロピルまたはアセト酢酸tert−ブチルから選択されるか、
c)式IVのジオン:
CH−(CH−CO−(CH−CO−(CH−CH [式IV]
(式中、p、q、rは、互いに独立に、0、1または2であることができるが、ただしp、qおよびrの和=2である場合は、式IVに係る化合物は環状(シクロヘキサンジオン)であることもできる)
から選択されるか、または2,3−ブタンジオン(ジアセチル)、2,4−ペンタンジオン(アセチルアセトン)、3,4−ヘキサンジオン、2,5−ヘキサンジオン、2,3−ペンタンジオン、2,3−ヘキサンジオン、1,4−シクロヘキサンジオンまたは1,3−シクロヘキサンジオンから選択されるか、
d)式Vのエステル:
−CO−O−R [式V]
(式中、
はRへの環結合、CHまたはCOCHであり、
は、Rへの(CH−O−環結合、(CH−O−(CH−CH、CH−CHまたはRへのCH−CH(CH)−O−環結合である)
から選択されるか、または酢酸(1−メトキシ−2−プロピル)、酢酸(2−ブトキシエチル)、炭酸エチレン、ピルビン酸エチル(2−オキソプロピオン酸エチルエステル)または炭酸プロピレンから選択されるか、
e)式VIのマレイン酸アミドまたはフマル酸アミド:
−HN−CO−C=C−CO−O−R [式VI]
(式中、
は、水素、分枝状もしくは非分枝状のC〜Cアルキル、または分枝状もしくは非分枝状の、直鎖状もしくは環状のC〜Cアルキルであり、前記C〜CアルキルはOH、NH、COOH、CO、SOH、OP(OH)から選択される1以上の基によって置換されており、
は水素または分枝状または非分枝状のC〜Cアルキルである)
から選択されるか、以下のマレイン酸アミドならびにそのメチル、エチル、プロピルおよびブチルエステル:N−メチルマレアミド;N−エチルマレアミド;N−(n−プロピル)−マレアミド;N−(i−プロピル)−マレアミド;N−(n−ブチル)−マレアミド;N−(i−ブチルマレアミド);N−(tert−ブチルマレアミド)、ならびに対応するフマル酸アミドならびにそのメチル、エチル、プロピルおよびブチルエステルから選択されるか、
f)2,2−ジメトキシプロパン、ピルビンアルデヒド1,1−ジメチルアセタール、ジアセトンアルコール(2−メチル−2−ペンタノール−4−オン)、2−ブタノール、2−アセチル−γ−ブチロラクトン、3−アミノ−1H−1,2,4−トリアゾール、γ−ブチロラクトン、ニコチンアミド、アスコルビン酸、N−アセチルアミノ酸、特にN−アセチルグリシン、N−アセチルアラニン、N−アセチルシステイン、N−アセチルバリンまたはN−アセチルアルギニン、リン酸トリエチル、酢酸n−ブチル、ジメチルスルホキシドまたは2,2,2−トリフルオロエタノールから選択される
ことを特徴とする、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の洗浄用組成物。
【請求項5】
前記NP−MCAが、式IIIのアセト酢酸エステル:
CH−CO−CH−CO−O−R [式III]
(式中、RはC〜Cアルキルである)
から選択されることを特徴とする、請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の洗浄用組成物。
【請求項6】
前記水不溶性物質が2g/L未満の水溶性を有し、前記物質が、アルカン、シクロアルカン、芳香族化合物、長鎖アルカン酸エステル、ジカルボン酸もしくはトリカルボン酸のエステル、テルペン、またはこれらの混合物を含む群から選択されることを特徴とする、請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の洗浄用組成物。
【請求項7】
以下の組成:
1〜90%の水不溶性物質a)、
1〜80%のNP−MCA b)、
2〜45%の界面活性剤c)(任意にさらなる両親媒性物質を含む)、
1〜90%の水
任意に最高10%までの補助物質
(前記百分率データは、いずれの場合も前記洗浄用組成物の総重量に関する)を有することを特徴とする、請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の洗浄用組成物。
【請求項8】
前記洗浄用組成物が、2〜25重量%のNP−MCA(前記百分率データは前記洗浄用組成物の総重量に関する)を含むことを特徴とする、請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の洗浄用組成物。
【請求項9】
前記アセト酢酸エステル化合物がアセト酢酸エチルであることを特徴とする、請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載の洗浄用組成物。
【請求項10】
前記洗浄用組成物が9〜16重量%の請求項1のc)に記載の界面活性剤(前記百分率データは前記洗浄用組成物の総重量に関する)を含むことを特徴とする、請求項1〜請求項9のいずれか1項に記載の洗浄用組成物。
【請求項11】
請求項1〜請求項10のいずれか1項に記載の洗浄用組成物の調製のためのプロセスであって、水またはヒドロキシ官能性を有する溶剤が最初に準備され、アニオン性、カチオン性、両性および/または非イオン性の界面活性剤が、撹拌しながら10〜90℃で前記水またはヒドロキシ官能性を有する溶剤の中に溶解され、水不溶性物質が前記界面活性剤の添加と並行してまたは添加後に添加され、次いで形成されたエマルションは、さらなる両親媒性物質およびNP−MCAの添加により視覚的に透明なマイクロエマルションまたはナノ相系へと変換され、かつ補助物質が任意に、前記混合操作の最後に加えられることを特徴とする、プロセス。
【請求項12】
表面から望ましくない塗料およびラッカーを除去するための方法であって、請求項1〜請求項10のいずれか1項に記載の洗浄用組成物が前記望ましくない塗料または前記ラッカーに付与され、作用し、次いで前記塗料または前記ラッカーは水で除去され、前記作用時間は、落書き除去剤については約10秒間〜約30分間、剥離配合物については約20分間〜約3時間、およびマニキュア液除去剤については約3〜約30秒間であることを特徴とする、方法。
【請求項13】
落書き除去剤、剥離配合物またはマニキュア液除去剤としての、請求項1〜請求項10のいずれか1項に記載の洗浄用組成物の使用。
【請求項14】
表面から汚れ(カーボンブラック、脂肪、油、シリコーン、細塵、樹脂およびこれらの構成要素の1以上を含む混合物)を除去するため、化粧品を除去するため、または毛髪を脱色するための方法であって、請求項1〜請求項10のいずれか1項に記載の洗浄用組成物が前記汚れ、除去しようとする前記化粧品または脱色しようとする前記毛髪に付与され、作用し、次いで前記汚れ、前記組成物または前記色は水で除去され、前記作用時間は、汚れ除去剤については約10秒間〜約3時間、化粧品除去剤については約10秒間〜約30分間、および毛髪脱色剤については約2分間〜約24時間であることを特徴とする、方法。
【請求項15】
汚れ除去剤、タイル洗浄剤、化粧品除去剤または毛髪脱色剤としての、請求項1〜請求項10のいずれか1項に記載の洗浄用組成物の使用。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公表番号】特表2010−539316(P2010−539316A)
【公表日】平成22年12月16日(2010.12.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−525365(P2010−525365)
【出願日】平成20年9月19日(2008.9.19)
【国際出願番号】PCT/EP2008/062573
【国際公開番号】WO2009/037349
【国際公開日】平成21年3月26日(2009.3.26)
【出願人】(510076155)バブルズ アンド ビヨンド ゲーエムベーハー (3)
【Fターム(参考)】