説明

表面処理鋼板の製造設備および製造方法

【課題】塗料の再利用、薬剤の配合比や種類の途中変更および室温付近で反応しやすい塗料同士、または中和反応によってスラッジが発生しやすい薬剤同士の使用を可能とする表面処理鋼板の製造設備および製造方法を提供する。
【解決手段】複数のヘッド11〜13が具備されたインクジェット装置が、鋼板10の進行方向に沿って2台以上設置されており、各々のインクジェット装置に具備された複数のヘッドが、鋼板の幅方向に沿って配置されている表面処理鋼板の製造設備。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車、家電、建材などの分野で用いられる表面処理鋼板、特に、表面に、2種以上の塗料から形成された塗膜を有する表面処理鋼板を製造するための設備および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、自動車、家電、建材などの分野で用いられる鋼板として、耐食性、密着性、耐傷付き性、耐薬品性などを向上させる目的で、表面に、2種以上の薬剤を配合した塗料を塗布して形成した塗膜を有する表面処理鋼板が提案されている。例えば、特許文献1には、架橋樹脂マトリックスおよび無機防錆剤を含んだ皮膜が形成された表面処理鋼板であって、架橋樹脂マトリックスが、水性樹脂と架橋剤との反応により形成されており、アルカリ金属で中和されていないカルボン酸の酸価と水酸基価の調整された表面処理鋼板が開示されている。特許文献2には、特定の分子量とガラス転移温度を有するポリエステル系樹脂および/またはアクリルポリエステル樹脂に、硬化剤として、アルキルエーテル化メラニン樹脂および/またはオキシム系ブロック剤でブロックされたイソシアネート化合物と、架橋硬化した着色球状樹脂粉末とを配合した塗料組成物から形成した塗膜を最上層に有するプレコート鋼板(表面処理鋼板)が開示されている。特許文献3には、亜鉛系めっき鋼板の表面にクロメート皮膜を有し、該クロメート皮膜の上部に、エポキシ樹脂の末端に一級水酸基を付加させた基体樹脂に、多官能ポリイソシアネート化合物と難溶性クロム酸塩とを配合した塗料組成物を塗布して形成した有機皮膜を有する有機複合被覆鋼板(表面処理鋼板)が開示されている。特許文献4には、ジルコニウム、フッ素、シランカップリング剤、フェノール系化合物からなる化成処理剤を塗布し、鋼板表面のめっき層などの溶解反応によりフッ素が消費されることでジルコニウムの水酸化物または酸化物を形成した表面処理鋼板が開示されている。特許文献5には、特定金属とリン酸塩、硝酸塩、炭酸塩などからなる金属塩が、酸により溶解した亜鉛系めっきと反応することにより、イオン結合を介した強固な皮膜を形成した亜鉛系めっき鋼板が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005-281863号公報
【特許文献2】特開平3-71835号公報
【特許文献3】特開平7-118870号公報
【特許文献4】特開2006-241579号公報
【特許文献5】特開2008-57047号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1〜5に記載の表面処理鋼板では、いずれも2種以上の薬剤が配合された塗料をロールコーターやスプレーにより鋼板に塗布して塗膜形成を行っているため、次のような問題が生じる。
【0005】
i) 2種以上の薬剤が配合された塗料を用いるため、不要になった塗料の再利用ができない。
【0006】
ii) 塗布前に塗料を作製するため、薬剤の配合比や種類を途中で変えることが困難である。
【0007】
iii) 塗布前に塗料を作製するため、室温付近で反応しやすい薬剤同士や中和反応によってスラッジが発生しやすい薬剤同士を用いることができない場合がある。
【0008】
本発明は、塗料の再利用、薬剤の配合比や種類の途中変更および室温付近で反応しやすい、または中和反応によってスラッジが発生しやすい薬剤同士の使用を可能とする表面処理鋼板の製造設備および製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、塗料の再利用、薬剤の配合比や種類の途中変更および室温付近で反応しやすい、または中和反応によってスラッジが発生しやすい薬剤同士の使用を可能とする表面処理鋼板の製造について鋭意研究を重ねた結果、2台以上のインクジェット装置を用い、塗料を構成する各薬剤を、別の塗料として、それぞれ、別のインクジェット装置に設けられたヘッドから液滴として吐出させ、順次、鋼板面に着地させて塗膜形成すればよいことを見出した。
【0010】
本発明は、このような知見に基づきなされたもので、複数のヘッドが具備されたインクジェット装置が、鋼板の進行方向に沿って2台以上設置されており、各々のインクジェット装置に具備された複数のヘッドが、鋼板の幅方向に沿って配置されている表面処理鋼板の製造設備を提供する。
【0011】
本発明の製造設備では、インクジェット装置のヘッドが配置された位置より下流側に水洗装置および/または熱処理装置を配備することができる。
【0012】
本発明は、また、上記の表面処理鋼板の製造設備を用い、2種以上の塗料を、それぞれ、異なるインクジェット装置に具備された複数のヘッドから液滴として吐出させ、順次、鋼板面に着地させて塗膜形成する表面処理鋼板の製造方法を提供する。
【0013】
本発明の製造方法では、塗料を鋼板面に着地させた後、水洗および/または熱処理を施して塗膜形成することもできる。
【0014】
また、塗料毎の液滴量の割合を変えれば、塗料の配合比を変えることができる。
【0015】
2種以上の塗料として、例えば、有機樹脂を含む塗料と硬化剤および/または潤滑剤を含む塗料、または少なくとも塩基性成分を含む塗料と酸性成分を含む塗料を挙げることができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明により、塗料を再利用でき、薬剤の配合比や種類を途中で変更でき、かつ室温付近で反応しやすい薬剤同士、または中和反応によってスラッジが発生しやすい薬剤同士を使用しても問題ない表面処理鋼板を製造できるようになった。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明であるインクジェット装置を用いた表面処理鋼板の製造方法の説明図である。
【図2】本発明であるインクジェット装置のヘッド配置の一例を示す図である。
【図3】本発明であるインクジェット装置を用いた表面処理鋼板の製造設備の一例を示す図である。
【図4】本発明であるインクジェット装置を用いた表面処理鋼板の製造設備の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
インクジェットプリンターは、インクを多数の吐出口(ノズル)を有するヘッドからピエゾ方式やサーマル方式によって微細な液滴として吐出させ、直接紙などの被印字媒体に着地させて印刷する印刷機である。本発明では、このインクジェットプリンターの技術を、耐食性、密着性、耐傷付き性、耐薬品性などを向上させる目的で、2種以上の薬剤を配合した塗料からなる塗膜を鋼板表面に形成する表面処理鋼板に応用して、従来不可能であった塗料の再利用、薬剤の配合比や種類の途中変更および室温付近で反応しやすい薬剤同士、または中和反応によってスラッジが発生しやすい薬剤同士の使用を可能としたことに特徴がある。
【0019】
図1に本発明の表面処理鋼板の製造設備の一例を示す。この例では、3台のインクジェット装置(図示せず)が鋼板の進行方向に沿って設置されており、各々のインクジェット装置に具備された複数のヘッド、すなわち複数のヘッド11、複数のヘッド12、複数のヘッド13が、それぞれ鋼板面の鉛直方向上方に、鋼板の幅方向に沿って配置されている。このとき、各インクジェット装置に具備された複数のヘッド11、複数のヘッド12、複数のヘッド13は、図2に各インクジェット装置あたり6個のヘッドの場合を示したが、鋼板10の幅方向に沿ってちどり配置されることが、均一な塗膜を形成する上で好ましい。また、図1および図2においては、ほぼ水平な鋼板面に対して鉛直方向上方に複数のヘッドを配置する場合を示したが、鋼板面が鉛直方向にほぼ平行となっている場合は、各ヘッドから吐出する塗料の液滴が鋼板面に着地し、塗膜を形成できる位置に各ヘッドを配置すればよい。
【0020】
本発明の製造設備で使用するインクジェット装置には、市販のインクジェットプリンターと同様なものが適用できるが、表面処理鋼板のような大面積上への塗膜形成を対象としているので、鋼板のサイズによって塗料供給系の容量やヘッドのサイズ、数などを適宜変更できることが好ましい。
【0021】
図1(a)に示すように、塗料22をヘッド12から、塗料21をヘッド11から液滴として吐出させ、順次、鋼板10面に着地させれば、塗料22と21の配合された塗膜が形成できることになる。インクジェット装置のヘッドが配置された位置より下流側に熱処理装置を備えることにより、加熱処理を施して塗膜形成することもできる。また、インクジェット装置のヘッドが配置された位置より下流側に水洗装置を備えることにより、水洗して塗膜形成することもできる。さらに、水洗装置の下流側に熱処理装置を備えることにより、水洗した後加熱処理を施して塗膜形成することもできる。こうした加熱処理により、塗料から塗膜への塗膜形成反応や塗料中の有機樹脂と硬化剤の硬化反応などを促進できる。また、水洗により、塗料に含有している保湿剤などの高沸点溶媒など不要成分を除去でき、清浄な塗膜を形成できる。
【0022】
このとき、ヘッド11を具備したインクジェット装置に貯蔵された塗料21とヘッド12を具備したインクジェット装置に貯蔵された塗料22は、鋼板10面に着地するまで混じり合うことがなく、中和反応によりスラッジが発生することもないので、再利用が可能となる。
【0023】
インクジェット装置毎に、つまり塗料毎に吐出量を変える、具体的には吐出する塗料21と22の液滴量を変えれば、塗料21と22の配合比の異なる塗膜を形成できる。このとき、液適量を変えるには、各ヘッドで使用するノズル数やノズルから吐出させる液滴数を変えればよい。
【0024】
図1(b)に示すように、さらに塗料23をヘッド13から液滴として吐出させれば、塗料21と23の配合された塗膜も形成できる。また、塗料21と22と23、塗料21と22、塗料22と23のように塗料を選択すれば、種類の異なる塗膜を形成でき、インクジェット装置を増設すれば、形成できる塗膜の種類を増やすことが可能となる。
【0025】
従来のロールコーターなどでは、室温付近で反応しやすい薬剤同士を塗布前に混合して塗料とすると、反応により粘度などの特性が変化して塗膜形成ができなくなる場合がある。しかし、本発明のように、反応しやすい薬剤を別の塗料として、別のヘッドから液滴として吐出させ、鋼板面に着地させて配合すれば、問題なく塗膜形成ができることになる。
【0026】
また、従来の浸漬処理やスプレー処理などでは、めっき金属と化成処理中の特定成分との反応を利用して塗膜形成させるため、反応層の膜厚制御やスラッジ発生の抑制、樹脂や潤滑剤などの添加剤の制約などの問題がある。しかし、本発明のように、塩基性成分を含む塗料と酸性成分を含む塗料を別の塗料として、別のヘッドから液滴として吐出させ、鋼板面に着地させて配合すれば、こうした問題がなく塗膜形成ができることになる。
【0027】
また、図3に示すように、ロール31、32などを用いて鋼板10の進行方向を変え、ヘッド11やヘッド12および熱処理装置40を配置すれば、鋼板10の表裏面に塗膜を形成できるとともに、熱処理を施すこともできる。さらに、図4に示すように、熱処理装置40の上流側に水洗装置50を配置すれば、水洗した後に熱処理を施すこともできる。
【0028】
本発明は、例えば、鋼板面に有機樹脂を含む塗料に硬化剤および/または潤滑剤を含む塗料を配合させた塗膜の形成された表面処理鋼板や、鋼板面に塩基性成分を含む塗料と酸性成分を含む塗料との中和反応により金属水酸化物や金属酸化物の塗膜の形成された表面処理鋼板に適用できる。
【実施例1】
【0029】
板厚0.7mm、板幅200mmの電気亜鉛めっき鋼板(片面当たりのめっき付着量:20g/m2)に、図2に示すように幅方向に6個のヘッドをちどり配置した2列のヘッド11および12を具備する2台のインクジェット装置を用いて、表1に示す条件で、エポキシ樹脂[ジャパンエポキシレジン(株)製エピコート(登録商標)1007]を含む塗料と硬化剤としてトリレンジイソシアネート[日本ポリウレタン工業(株)製コロネート(登録商標)T-80]を含む塗料あるいは潤滑剤としてポリエチレンワックス[クラリアントジャパン(株)製セリダスト(登録商標)3620]を含む塗料の液滴を吐出させ、順次、鋼板面に着地させた後、高周波誘導加熱炉で鋼板を140℃に加熱し、膜厚1.0μmの塗膜を形成した表面処理鋼板1〜8を作製した。このとき、ヘッド11、12の先端は鋼板面から2mmの高さにあり、鋼板の移動速度は20m/minである。ヘッド11、12は、いずれもピエゾ方式で液滴を形成するタイプであり、それぞれ幅36mmの中に512本のノズルが、ノズル間距離70.5μmで配列されている。各ノズルから吐出される液適量は42pL(ピコリットル)であり、周波数4.3kHzで吐出した。エポキシ樹脂と硬化剤あるいは潤滑剤との配合比は、塗料の液滴量や使用するノズル数を変えて調整した。
【0030】
比較として、表2に示す薬剤1と薬剤2を事前に配合した塗料を、ロールコーターにより塗布後、高周波誘導加熱炉で鋼板を140℃に加熱し、膜厚1.0μmの塗膜を形成した従来例の表面処理鋼板9〜16を作製した。
【0031】
そして、鋼板幅方向の塗膜膜厚の均一性、塗膜の密着性、耐白錆性、耐傷つき性を以下の方法で調査した。
【0032】
塗膜膜厚の均一性:各サンプルについて、幅方向に3分割し、それぞれ中央付近の付着量(C強度)を蛍光X線を用いて測定し、以下のように評価した。
○:幅方向付着量のばらつきが20%未満
△:幅方向付着量のばらつきが20%以上50%未満
×:幅方向付着量のばらつきが50%以上
塗膜の密着性:各サンプルについて、メラミン系の塗料を塗布し焼き付けて形成した塗膜(膜厚30μm)に、カッターナイフで鋼素地まで達するカットを碁盤目状(10×10個、1mm間隔)に入れた後、セロハン粘着テープによる貼着・剥離試験を行い、塗膜の剥離面積率を測定し、以下のように評価した。
◎:剥離なし
○:剥離面積率5%未満
△:剥離面積率5%以上20%未満
×:剥離面積率20%以上
耐白錆性:各サンプルについて、中性塩水噴霧試験(JIS-Z-2371-2000)に準拠した塩水噴霧試験を施し、48時間後の白錆面積率を測定し、以下のように評価した。
◎:白錆発生面積率5%未満
○:白錆発生面積率5%以上10%未満
○−:白錆発生面積率10%以上25%未満
△:白錆発生面積率25%以上50%未満
×:白錆発生面積率50%以上
耐傷つき性:ラビングテスター[太平理化工業(株)製]を用いて、試験片をダンボールで、面圧9.8kPa、摺動距離60mm、速度120mm/s、ラビング回数1000回の条件でラビング後、試験片の摺動を受けた部分を目視で観察し、以下のように評価した。
◎:疵の本数が0本
○:疵の本数が1〜2本
△:疵の本数が3〜10本
×:疵の本数が11本以上または変色(本数測定不能)
結果を表3に示す。本発明であるインクジェット装置の設置された表面処理鋼板の製造設備を用い、本発明である表面処理鋼板の製造方法により、従来の事前に薬剤を配合した塗料をロールコーターにより塗布して塗膜形成した表面処理鋼板と同様なものが得られることがわかる。
【0033】
【表1】

【0034】
【表2】

【0035】
【表3】

【実施例2】
【0036】
実施例1と同様な電気亜鉛めっき鋼板に、実施例1と同様なインクジェット装置を用いて、表4に示す条件で、塩基性成分を含む塗料として水酸化ナトリウム溶液と酸性成分を含む塗料として硫酸亜鉛溶液あるいは硫酸アルミニウム溶液の液滴を吐出させ、順次、鋼板面に着地させた後、水洗し、高周波誘導加熱炉で鋼板を140℃に加熱し、表面処理鋼板17〜24を作製した。このとき、水酸化ナトリウム、硫酸亜鉛、硫酸アルミニウムを溶解させる溶媒としては、水80質量部に対して、20質量部グリセリン、1.5質量部イソプロピルアルコール、0.05質量部ポリオキシエチレンセチルエーテルを含む水溶液を用いた。また、インクジェット装置の種々の条件や鋼板の移動速度も実施例1の場合と同様にした。
【0037】
比較として、表5に示す薬剤3と薬剤4を事前に配合した塗料に30秒浸漬後、水洗し、高周波誘導加熱炉で鋼板を140℃に加熱し、従来例の表面処理鋼板25〜32を作製した。
【0038】
そして、塗膜の膜厚および鋼板幅方向の塗膜膜厚の均一性を以下の方法により、また、塗膜の密着性を実施例1で示した方法により調査した。
【0039】
塗膜の膜厚:各サンプルについて、幅方向中央部の付着量(O強度)を蛍光X線を用いて測定し、以下のように評価した。
◎:サンプルのO強度の亜鉛めっきまま(無処理)のO強度に比べた増加率が50%以上
○:サンプルのO強度の亜鉛めっきまま(無処理)のO強度に比べた増加率が20%以上50%未満
△:サンプルのO強度の亜鉛めっきまま(無処理)のO強度に比べた増加率が5%以上20%未満
×:サンプルのO強度の亜鉛めっきまま(無処理)のO強度に比べた増加率が5%未満
塗膜膜厚の均一性:各サンプルについて、幅方向に3分割し、それぞれ中央付近の付着量(O強度)を蛍光X線を用いて測定し、以下のように評価した。
○:幅方向付着量のばらつきが20%未満
△:幅方向付着量のばらつきが20%以上50%未満
×:幅方向付着量のばらつきが50%以上
結果を表6に示す。本発明であるインクジェット装置の設置された表面処理鋼板の製造設備を用い、本発明である方法により塗膜形成した表面処理鋼板では、十分な付着量(膜厚)の金属水酸化物または金属酸化物の塗膜が、均一な膜厚で形成されるとともに、その密着性も良好であることがわかる。一方、事前に薬剤を配合した塗料に浸漬して塗膜形成した従来の表面処理鋼板では、均一な膜厚であるが、付着量が不十分の塗膜しか得られず、その密着性も劣っている。
【0040】
【表4】

【0041】
【表5】

【0042】
【表6】

【符号の説明】
【0043】
10 鋼板
11〜13 ヘッド
21〜23 塗料
31、32 ロール
40 熱処理装置
50 水洗装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のヘッドが具備されたインクジェット装置が、鋼板の進行方向に沿って2台以上設置されており、各々のインクジェット装置に具備された複数のヘッドが、鋼板の幅方向に沿って配置されている表面処理鋼板の製造設備。
【請求項2】
インクジェット装置のヘッドが配置された位置より下流側に水洗装置および/または熱処理装置を備えた請求項1に記載の表面処理鋼板の製造設備。
【請求項3】
請求項1に記載の表面処理鋼板の製造設備を用い、2種以上の塗料を、それぞれ、異なるインクジェット装置に具備された複数のヘッドから液滴として吐出させ、順次、鋼板面に着地させて塗膜形成する表面処理鋼板の製造方法。
【請求項4】
請求項2に記載の表面処理鋼板の製造設備を用い、2種以上の塗料を、それぞれ、異なるインクジェット装置に具備された複数のヘッドから液滴として吐出させ、順次、鋼板面に着地させた後、水洗および/または熱処理を施して塗膜形成する表面処理鋼板の製造方法。
【請求項5】
塗料毎の液滴量の割合を変える請求項3または4に記載の表面処理鋼板の製造方法。
【請求項6】
2種以上の塗料として、有機樹脂を含む塗料と硬化剤および/または潤滑剤を含む塗料を用いる請求項3から5のいずれか1項に記載の表面処理鋼板の製造方法。
【請求項7】
2種以上の塗料として、少なくとも塩基性成分を含む塗料と酸性成分を含む塗料を用いる請求項3から5のいずれか1項に記載の表面処理鋼板の製造方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公開番号】特開2009−214097(P2009−214097A)
【公開日】平成21年9月24日(2009.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−17763(P2009−17763)
【出願日】平成21年1月29日(2009.1.29)
【出願人】(000001258)JFEスチール株式会社 (8,589)
【Fターム(参考)】