説明

表面検査装置

【課題】光の波長が350nm以下であってもクロスニコル光学系を構成できる表面検査装置を提供する。
【解決手段】所定パターンが形成されたウェハ20に偏光照明光を照射して照明するための光源10と、偏光照明光の照明を受けてウェハ20から反射されて出射される回折光または正反射光を受光し、偏光照明光の偏光方向と略直交する偏光成分のみを通過させる検光子3と、検光子3を通過した光を受光し受光した光から特定波長帯域の光のみを透過させるバンドパスフィルタ30と、バンドパスフィルタ30を透過した光からウェハ20の像の信号強度分布を検出し、信号強度分布によりパターンの形状誤差を検出する信号処理ユニット8とを備えた表面検査装置において、検光子3及びバンドパスフィルタ30は、被検査基板から反射されて出射される回折光または正反射光の光路に対して挿脱可能に設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表面検査装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体回路素子や液晶表示素子の製造工程において、半導体ウェハや液晶基板等(以下、総じて「被検査基板」と称する)の表面に形成された繰り返しパターン(ライン・アンド・スペース等)の異常検査を行う表面検査装置がある。この種の表面検査装置としては被検査基板からの回折光を受光するため、照明または受光光学系の光軸のなす角が可変であるように構成された装置(例えば、特許文献1を参照)、また、被検査基板を傾動させて回折光を受光しパターンの欠陥を検出する装置(例えば、特許文献2を参照)が周知となっている。
【0003】
そして、表面検査方法としては、パターンの構造性複屈折による偏光状態の変化をクロスニコル光学系からの漏れ光量に基づいて検出することにより欠陥を検出する方法(クロスニコル検査とも称する)が周知となっている(例えば、特許文献3を参照)。なお、クロスニコル検査を行うときに用いられる偏光子及び検光子としては、高分子材料により構成された2色性を有するシート型偏光子(例えば、非特許文献1を参照)が用いられることが多い。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第3692685号公報
【特許文献2】特許第3893671号公報
【特許文献3】特開2006−343102号公報
【特許文献4】国際公開第WO04/113974号パンフレット
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】応用工学II 鶴田匡夫著 培風館
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述したシート型偏光子を用いて特許文献3に示されるような方法により表面検査を行う場合には、非特許文献1に示すように、紫外光など波長が350nm以下の光を用いるときに光の透過率が極端に低下し、パターンの構造性複屈折による偏光状態の変化であるクロスニコル光学系からの漏れ光量に基づいて欠陥を検出する方法を用いることができなくなるという問題があった。
【0007】
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、光の波長が350nm以下であってもクロスニコル光学系を構成できる表面検査装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
このような目的を達成するため、第1の発明に係る表面検査装置は、所定のパターンが形成された被検査基板に偏光を照射する照明光学系と、偏光を照射された被検査基板からの正反射光を受光する受光光学系とを備え、受光光学系は、その系の光軸上に挿脱可能に配置され、かつ正反射光が紫外光を含むとき、正反射光のうち紫外光については偏光の偏光方向と所定の角度をなす偏光成分のみを透過させる検光子と、検光子より下流側に検光子の挿脱に連動して挿脱可能に配置されたバンドパスフィルタとを有することを特徴とする。
【0009】
また、第2の発明に係る表面検査装置は、所定のパターンが形成された被検査基板に偏光子を介して偏光を照射する照明光学系と、偏光を照射された被検査基板からの正反射光を受光する受光光学系とを備え、受光光学系は、その系の光軸上に挿脱可能に配置され、かつ正反射光が紫外光を含む場合に、正反射光のうち紫外光については偏光の偏光方向と所定の角度をなす偏光成分のみを透過させる検光子を有し、偏光子より上流側及び検光子より下流側の少なくとも一方に、検光子又は偏光子の挿脱に連動して挿脱可能に配置されたバンドパスフィルタが設けられることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係る表面検査装置によれば、波長350nm以下の光を通過させる短波長用検光子とバンドパスフィルタが設けられることにより、紫外光など波長が350nm以下の光源を用いてクロスニコル光学系を構成して表面検査を行うことが可能となり、表面検査の精度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明に係る表面検査装置の概略構成図である。
【図2】光源の概略構成図である。
【図3】複数の露光ショットをウェハ上方向から見た拡大図である。
【図4】ウェハ上に並ぶライン・アンド・スペースを示した図である。
【図5】パターンに直線偏光が入射する様子を示した図である。
【図6】パターンから楕円偏光が射出する様子を示した図である。
【図7】上記表面検査装置の概略構成において、偏光子、検光子、及びバンドパスフィルタを外し、回折検査を行う状態を示した図である。
【図8】短波長用、長波長用、及び回折検査用に切り替え可能な検光手段の一例を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照して本発明の好ましい実施形態について説明する。本実施形態の表面検査装置1の概略構成を図1に示す。表面検査装置1は、偏光を用いて半導体ウェハや液晶基板等の表面の異常(欠陥)の有無をクロスニコル系にて検査を行う装置である。表面検査装置1は、光源10と、偏光子2と、凹面鏡である、第1ミラー4及び第2ミラー5と、検光子3と、レンズ6と、2次元撮像素子7と、検出された画像信号等の信号処理を行う信号処理ユニット8と、信号処理ユニット8による処理結果を表示するモニター9と、後に詳述するバンドパスフィルタ30とにより構成される。光源10は発散光束を照射し、当該発散光束は、偏光子2により直線偏光となる。偏光子2を通過した偏光光束は凹面鏡である第1ミラー4で反射され、略平行な光束となり半導体ウェハ20(以下、ウェハ20と称する)を照明するようになっている。
【0013】
第1ミラー4は、前側焦点が光源10の射出端と略一致するとともに、後側焦点がウェハ20の表面に略一致するように配設され、偏光子2からの直線偏光を反射させ平行光束にしてウェハ20の表面に導く。すなわち、光源10からの光は、偏光子2を介し直線偏光となって、第1ミラー4によりウェハ20の表面全体に入射する。なお、ウェハ20の各点における直線偏光の入射角度は、平行光束のため同じになっている。また、ウェハ20は、図示省略する傾動機構により、回転軸Rwを中心に傾動可能に構成されている。
【0014】
第1ミラー4からウェハ20に平行光束が照射され、この照射によりウェハ20から正反射光が第2ミラー5に照射される。そして、第2ミラー5により当該正反射光は収束光となり、この収束光は検光子3を通過するようになっている。検光子3は、偏光子2による偏光成分とは直交した偏光成分、つまりポアンカレ球上で互いに対蹠点に位置する成分の偏光のみを通過させるように構成されている。検光子3を通過した光はレンズ6により略平行な光束となる。また、ウェハ20と2次元撮像素子7は、第2ミラー5とレンズ6が協働することにより、共役に結ばれた状態になっている。
【0015】
検光子3は、図示省略する回転駆動装置を用いて受光系の光軸を中心に透過軸の方位を回転可能に構成されており、検光子3の透過軸の方位は、上述した偏光子2の透過軸に対してほぼ90度をなすように設定される(クロスニコル状態とも称される)。従って、第2ミラー5で反射した光が検光子3を通過すると、ウェハ20表面からの正反射光のうち、照明光である直線偏光の偏光方向に対して略直交する偏光成分の光がレンズ6を通過して2次元撮像素子7の撮像面で受光される。その結果、2次元撮像素子7の撮像面には、上述の偏光成分によるウェハ20の反射像が形成される。
【0016】
2次元撮像素子7は、図示省略するCCD撮像素子を有するCCDカメラであり、撮像面で受光されたウェハ20からの反射光を光電変換して、画像信号を信号処理ユニット8に出力する。信号処理ユニット8は、2次元撮像素子7から入力されたウェハ20の画像信号に基づいてウェハ20の画像を所定ビットのデジタル画像に変換し、ウェハ20の反対画像(デジタル画像)を生成することが可能となっている。そして生成されたウェハ20の反対画像は、モニター9に出力表示されるようになっている。このようにして、モニター9を介してウェハ20の表面を観察することが可能になるが、後述するウェハ20上の繰り返しパターンは、2次元撮像素子7の画素よりも微細となっているためこの繰り返しパターンの形状まで表示することはできず、画像の明暗のみ表示できるようになっている。
【0017】
光源10は、図2に示すように、光を発生させる水銀ランプ11と、楕円鏡12と、コリメータレンズ13と、波長選択フィルタ14と、光の透過率が変更可能な減光フィルタ15と、集光レンズ16と、ランダムファイバー17とにより構成される。水銀ランプ11は、248nm付近の波長の光を発することのできるDEEP−UVランプであり、水銀だけでなくキセノンが混合されているタイプのものである。この水銀ランプ11から発せられた光は楕円鏡12で集光された後、コリメータレンズ13によりコリメートされ、後述する波長選択フィルタ14、減光フィルタ15及び集光レンズ16を通過した後、ランダムファイバー17に入射され、ランダムファイバー17に入射した光は射出端17aより発散され、この発散光が射出されるようになっている。このランダムファイバー17の射出端17aが図1における光源10の射出端に相当する。
【0018】
波長選択フィルタ14は、水銀ランプ11の波長を選択できる切り替え式になっており、e線(λ=546nm)、g線(λ=436nm)、h線(λ=405nm)、i線(λ=365nm)、波長λ=313nm、及び波長λ=248nmのフィルタを選択できるようになっている。波長選択フィルタ14により上述した波長λの光のみが選択的に透過するようになっている。
【0019】
ところで、構造性複屈折は波長が短い程偏光状態の変化が大きいことから、なるべく波長が短い光を使用することが望ましいが、波長が短い場合、ランプのスペクトル分布や光学素子の透過率等の影響により光量が低下されるなど好ましくない要素もあることから、波長選択フィルタ14は、パターンの状況等により波長を切り替えることが可能な状態になっている。また、減光フィルタ15も状況に応じて透過率を切り替えられるようになっている。
【0020】
以上のように構成される表面検査装置1において、ウェハ20の表面を検査する検査方法について説明する。まず、ウェハ20は最上層へのレジスト膜への露光、現像後、搬送系(不図示)により、ウェハカセット(不図示)または現像装置から運ばれ、ウェハホルダ(不図示)に吸着保持される。検査対象となるウェハ20の表面は、図3に示すように、複数の露光ショット22が形成されており、各露光ショット22にはレジストが塗布、露光、現像され、図4に示すように、所定の繰り返しパターン(ライン・アンド・スペースパターン)23が形成される。繰り返しパターン23は、複数のライン部23aが所定の方向に沿って一定のピッチで配列されたレジストパターンである。隣り合うライン部23a同士の間はスペース部23bであり、ライン部23aとスペース部23bによりライン・アンド・スペースパターンが構成されている。このようなパターンとなっている露光ショット22に対して、図5または図6に示すように、直線偏光をその振動方向がパターンの繰り返し方向に対して0度、90度以外の角度をなすように照射すると、パターンが有する構造性複屈折の効果により反射光は楕円偏光32に変化する。一般には45度の時に偏光の変化量が最大となる。
【0021】
また、このときのパターンにおけるラインとスペースの比、テーパー度、エッジラフネス等の周期構造の形状に異常または欠陥が生じている場合は、構造性複屈折に変化が生じるため、ゼロ次光(正反射光)の偏光状態が変化する。偏光状態が変化すると検光子3を透過する光の光量が変化するので、ウェハ20上のパターンの中に正常なパターンと異常なパターンの両方が存在する場合には、モニター9上で明るさが異なったように見えることになる。
【0022】
上述したような正常なパターンと異常なパターンの両方が存在する場合について、この状態を予めSEM(走査型電子顕微鏡)等により測定し正常であることが確認されているパターンの明るさを記憶しておけば、明るさが異なるパターンが存在していた場合にどちらが正常なパターンであるかに関する識別が可能となり、パターンの異常を検出することができる。
【0023】
ところで、上述したような偏光子2及び検光子3においては、通常は高分子材料により構成され偏光方向により屈折率が異なる2色性を有するシート型偏光子が用いられることが多い。しかし、シート型偏光子は、使用する光の波長が概ね350nmより長い場合は問題無く使用できるが、350nm以下になると光の透過率がゼロに近くなるという問題がある。このため、波長が350nm以下の光を用いた場合、シート型偏光子ではパターンによる構造性複屈折の効果が得られず、実用的なクロスニコル系を構成することができなくなる。そこで、紫外光等350nm以下の短い波長の光を用いる際には、当該光の透過率を低下させない偏光子を用いる必要がある。その一例として、本実施形態における偏光子2及び検光子3は、特許文献4に示すようなフォトニック結晶により構成された偏光子を用いている。
【0024】
ところが、フォトニック結晶により構成された偏光子は、シート型偏光子と異なり、予め決められた波長帯域の光に対してのみ偏光子として作用し、上記帯域以外の波長の光に対してはそのまま光を通過させ偏光子として機能しない(消光比が非常に低い)。よって、波長選択フィルタ14を通過した照明光に意図しない波長(検査に使用する波長以外の波長)の光がわずかでも含まれていると、上記意図しない波長の光がパターンの画像にバイアス成分として含まれるようになり、このバイアス成分が検査精度を劣化させる原因となる。すなわち、上記意図しない波長の光により、画像は明るく、そしてS/N比が低いものになり正確な検査ができなくなるという問題がある。
【0025】
上記問題を解消するため、本実施形態ではバンドパスフィルタ30が、検光子3の下流側(検光子3とレンズ6の間)に、表面検査装置1に対して挿脱自在に設けられている。このバンドパスフィルタ30を用いて上記意図しない波長の光を排除することにより、上述した問題を解消することができる。なお、バンドパスフィルタ30は、必ずしも本実施形態のように検光子3の下流側に設けなければならないわけではなく、偏光子2の上流側に挿脱自在に設けてもよい。しかし、偏光子2の下流側等クロスニコル系の内部には配置しない方がよい。なぜなら、バンドパスフィルタ30自身に光学的歪が存在した場合に、当該バンドパスフィルタ30により偏光が乱される可能性があるからである。
【0026】
ところで、本実施形態における表面検査装置1においては、パターンの周期構造による回折光を受光するように、ウェハ20を、回転軸Rwを中心に光の波長と回折次数により決定される傾動角だけ傾動させて回折検査を行うことも可能となっている。回折検査の場合は、照射光に上述したような意図しない波長の成分が含まれていたとしても、回折によりこれらの波長の光が受光されることはない。また、上記のように、バンドパスフィルタ30が挿入されると照明光量が低下し、かえって不都合である。従って、回折検査を行う際には、図7に示すように、バンドパスフィルタ30が偏光子2又は検光子3とともに除外されるようになっている。
【0027】
バンドパスフィルタ30は、検光子3と別々に設けてもよいが、機器の簡素化のため検光子3と一体に金物に組み込み、表面検査装置1から一体に挿脱可能にすることが好ましい。以下で、検光子3とバンドパスフィルタ30を一体の金物に組み込み表面検査装置1に対して挿脱可能に構成された検光手段100について説明する。
【0028】
検光手段100は、図8に示すように円盤状に構成され、当該円の中心を通り円に直交する軸を中心に回転可能なレボルバー式であり、ウェハ20及び第2ミラー5からの正反射光または回折光を受光する検光手段の切り替えを行うことが可能になっている。検光手段100は、検光子3及びバンドバスフィルタ30により構成され、紫外光など波長が350nm以下の光を用いるときに使用する短波長用検光子101と、シート型偏光子により構成され、350nmより長い波長の光を用いるときに使用する長波長用検光子102と、回折検査をするときに使用する中空の回折検査用光路103とで構成されている。短波長用検光子101は、図8に示す第2ミラー5により反射された光Xが進行する方向に対して、上流側に検光子3が、下流側にバンドパスフィルタ30が並んで設けられている。回折検査用光路103は、検光子が不要な回折検査を行うときに用いられるため、単なる空洞になっている。
【0029】
上述したレボルバー式の検光手段100は、表面検査装置1に取り付けた状態で回転させることが可能になっており、検光手段100に装着されている短波長用検光手段101、長波長用検光手段102、回折検査用光路103を切り替えて、光Xを通過させる検光手段を自在に選択することができるようになっている。すなわち、波長が350nm以下の光でクロスニコル検査する場合、350nmより長い波長の光でクロスニコル検査する場合、そして回折検査する場合それぞれにおいて、最適な検光手段を選択することができる。
【0030】
以上、本実施形態における表面検査装置1においては、図1に示すように、波長が350nm以下の光を用いてクロスニコル検査を行う場合にのみ、バンドパスフィルタ30が光路中に挿入されるように構成されているため、意図しない波長の光を極力排除することが可能になり検査精度が向上するとともに、350nmより長い波長の光でクロスニコル検査する時または回折検査時にはバンドパスフィルタ30を光路から離脱させることにより照明光量の低下を防止することもできる。
【0031】
また、偏光子手段も前述したように円盤状に構成され、当該円の中心を通り円に直交する軸を中心に回転可能なレボルバー式であり、光源10から出射された光を受光する偏光子の切り替えを行うことが可能になっている。偏光手段は、偏光子2から構成され、紫外光など波長が350nm以下の光を用いるときに使用する短波長用偏光子、シート型偏光子により構成され、350nmより長い波長の光を用いるときに使用する長波長用偏光子と、回折検査をするときに使用する中空の回折検査用光路とで構成されている。
なお、バンドパスフィルタを検光子3の下流側に配置することに代えて偏光子2の上流側に配置する場合、偏光手段はバンドパスフィルタと偏光子2とから構成される。
【0032】
また、本実施形態では、直線偏光を用いた例について説明したが、これに限られることなく、円偏光または楕円偏光を用いてもよい。ただし、円偏光を用いる場合は円偏光子と円検光子、楕円偏光を用いる場合は楕円偏光子と楕円検光子を用いて、照明光と直交する成分の偏光を受光できるようにする必要がある。円偏光子、円検光子、楕円偏光子、楕円検光子は、直線偏光子と波長板との組み合わせにより構成される。なお、フォトニック結晶を用いる場合は、上述した偏光子や検光子を、直線偏光子と波長板とを組み合わせて設けるのではなく、1枚の基板として構成することが可能になる。
【0033】
そして、上述した実施形態においては、非偏光を発する光源10から偏光子2を用いて偏光を作り出している例について説明したが、これに限られることなく、偏光レーザー等、偏光を発する光源を用いる場合は、偏光子2を省略することができる。
【0034】
なお、上述した実施形態では、検光手段としてレボルバー式の検光手段100について説明したが、この構成に限られることなく、例えば、左右に移動させて短波長用検光手段、長波長用検光手段、回折検査用光路のいずれかを選択可能なスライド式の検光手段を用いてもよい。
【符号の説明】
【0035】
1 表面検査装置 2 偏光子
3 検光子 8 信号処理ユニット(形状誤差検出手段)
10 光源 20 ウェハ(被検査基板)
30 バンドパスフィルタ 101 短波長用検光子
102 長波長用検光子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定のパターンが形成された被検査基板に偏光を照射する照明光学系と、
前記偏光を照射された前記被検査基板からの正反射光を受光する受光光学系とを備え、
前記受光光学系は、その系の光軸上に挿脱可能に配置され、かつ前記正反射光が紫外光を含むとき、前記正反射光のうち紫外光については前記偏光の偏光方向と所定の角度をなす偏光成分のみを透過させる検光子と、前記検光子より下流側に前記検光子の挿脱に連動して挿脱可能に配置されたバンドパスフィルタとを有することを特徴とする表面検査装置。
【請求項2】
所定のパターンが形成された被検査基板に偏光子を介して偏光を照射する照明光学系と、
前記偏光を照射された前記被検査基板からの正反射光を受光する受光光学系とを備え、
前記受光光学系は、その系の光軸上に挿脱可能に配置され、かつ前記正反射光が紫外光を含む場合に、前記正反射光のうち紫外光については前記偏光の偏光方向と所定の角度をなす偏光成分のみを透過させる検光子を有し、
前記偏光子より上流側及び前記検光子より下流側の少なくとも一方に、前記検光子又は前記偏光子の挿脱に連動して挿脱可能に配置されたバンドパスフィルタが設けられることを特徴とする表面検査装置。
【請求項3】
前記紫外光は、350nm以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の表面検査装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−217071(P2010−217071A)
【公開日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−65744(P2009−65744)
【出願日】平成21年3月18日(2009.3.18)
【出願人】(000004112)株式会社ニコン (12,601)
【Fターム(参考)】