説明

装飾装置

【課題】 表面の絵柄を自由に変更できるようにする。
【解決手段】
装飾装置10は、表示画像の保持にエネルギーを必要としないデータ保持ディスプレイ12と、データ保持ディスプレイ12の表示画像を書き換える書換え装置14とからなる。ディスプレイ12は、例えば、有機ELディスプレイパネル、コレステリック液晶表示パネル、又は、マイクロカプセル型電気泳動方式のディスプレイ等からなる。書換え装置14は、通信網16を介して画像サーバ18にアクセスし、希望の絵柄の画像データをメモリ26に取り込む。ユーザの指示により、CPU20は、メモリ26に格納される指定された画像データを読み出し、インターフェース22を介してデータ保持ディスプレイ12に印加する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示内容を書き換え可能な装飾パネルを使った装飾装置に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話のような個人的な携帯機器では、筐体の表面装飾を、ペイントなどにより個人の好みを反映したものに変更することが行われている。外装表面を変更可能な携帯電話機も販売されている。
【0003】
液晶表示パネルをモード切り換えにより、反射鏡又は情報表示に利用可能な液晶表示装置が特許文献1に記載されている。
【0004】
また、表示内容を変更可能なぺーパーディスプレイで電子機器の表面を覆い、表面の絵柄等を変更自在にした電子機器が、特許文献2に記載されている。
【特許文献1】特開平09−311343号公報
【特許文献2】特開2002−268581号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ペイントにより唯一の装飾を有するものに変更したとしても、飽きが来れば、別の装飾に変更したくなる。しかし、ペイントでは、その都度、希望の絵柄で専門家に描いてもらわなければならず、面倒である。
【0006】
また、異なる装飾のパネルを変更する方法では、選択の範囲が限定される。
【0007】
特許文献1に記載の液晶表示装置は、表示内容の維持に電力を必要とするので、携帯機器などには利用できない。
【0008】
特許文献2の技術では、表示を維持するのに電力が必要である。
【0009】
そこで、本発明は、省電力で、表面の絵柄を変更可能な装飾装置を提示することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係る装飾装置は、表示内容を書換え可能なデータ保持ディスプレイを具備する装飾パネルと、当該データ保持ディスプレイの表示内容を書き換える書換え装置とを具備することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、表示内容を書換え可能なデータ保持ディスプレイを使用することで、装飾の絵柄等を自由に変更できるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、図面を参照して、本発明の実施例を詳細に説明する。
【実施例1】
【0013】
図1は、本発明の一実施例の概略構成ブロック図を示す。本実施例の装飾装置10は、表示画像の保持にエネルギーを必要としないデータ保持ディスプレイ12と、データ保持ディスプレイ12の表示画像を書き換える書換え装置14とからなる。
【0014】
このようなデータ保持ディスプレイ12は、有機ELディスプレイパネル、コレステリック液晶表示パネル、又は、マイクロカプセル型電気泳動方式のディスプレイ等からなる。この種のデータ保持ディスプレイは、通常の表示状態では電力を消費せず、表示の書換え時にのみ電力を消費するので、省エネルギーである。
【0015】
データ保持ディスプレイ12はまた、所望の形状を選びやすいフィルム状のものが好ましく、更には、フレキシブルであるのが好ましい。即ち、データ保持ディスプレイ12としては、フィルム状のフラットパネルディスプレイが最も好ましい。データ保持ディスプレイ12を組み込んだ外装パネル、又は、それ自体で外装パネルとして使用可能なデータ保持ディスプレイ12を、携帯電話機、その他の、外装をユーザの希望により適宜に変更したい機器の外装に使用する。
【0016】
書換え装置14は、データ保持ディスプレイ12で表示される画像を変更するのに使用される。即ち、書換え装置14は、ユーザの選択する絵柄の画像データをデータ保持ディスプレイ12にロードでき、これにより、データ保持ディスプレイ12は、新たにロードされた画像データの画像を表示する。
【0017】
書換え装置14は、通信網16を介して外部の画像サーバ18から希望の絵柄の画像データを取り込み、データ保持ディスプレイ12にロードする機能を持つ。汎用装置としてのパーソナルコンピュータを書換え装置14として利用できる。また、書換え装置14は、携帯電話機のデータ通信機能を利用するものであってもよい。
【0018】
書換え装置14は、全体を制御するCPU20、データ保持ディスプレイ12が接続するインターフェース22、通信網16に接続する通信インターフェース24、画像サーバ18からダウンロードした画像データを記憶するメモリ26、ユーザの指示をCPU20に入力するための操作装置28、書換え装置14の種々の動作メニュー、及び画像データの画像内容を表示するのに使用されるモニタディスプレイ30、および、これらを接続するシステムバス32からなる。操作装置28は、例えば、携帯電話機の場合でテンキー等からなり、コンピュータの場合には、キーボード及びマウスからなる。ディスプレイ30は、書換え装置14に別途、接続されるものであってもよい。
【0019】
画像サーバ18は、データ保持ディスプレイ12に適用可能な複数の画像データを保持する。書換え装置14は、通信網16を介して画像サーバ18にアクセスする。ディスプレイ30には、画像サーバ18に格納されている画像データのリスト等が表示される。操作装置28によるユーザの指示に従い、CPU20は、所望の画像データを画像サーバ18からダウンロードする。ダウンロードされた画像データは、メモリ26に格納される。ユーザが、操作装置28により、データ保持ディスプレイ12の表示画像の変更を指示すると、CPU20は、メモリ26に格納される指定された画像データを読み出し、インターフェース22を介してデータ保持ディスプレイ12に印加する。これにより、データ保持ディスプレイ12の表示画像が更新される。
【0020】
図2は、データ保持ディスプレイ12を、携帯電話機に取り外し可能な外装パネルに組み込んだ場合の分解斜視図を示す。外装パネル40の表面にデータ保持ディスプレイ12が組み込まれており、データ保持ディスプレイ12の表示画像が外装パネル40の装飾画像として表示される。データ保持ディスプレイ12を書換え装置14のインターフェース22に接続するための接点42を、外装パネル40の裏面に配置してある。これにより、外装パネル40を携帯電話機50に取り付けた状態で、接点42を外界から保護できる。
【0021】
最近の折畳み型携帯電話機50は、折り畳んだ状態で時刻、電話やメールの着信の有無を表示するサブディスプレイ52を具備する。図2に示す例では、サブディスプレイ52に対応する外装パネル40の中央部分を透明ガラス44にしてある。透明ガラス44の周囲で、データ保持ディスプレイ12により所望の画像が表示される。外装パネル40の4隅をビス54で携帯電話機50に固定する。
【0022】
図2では、データ保持ディスプレイ12を携帯電話機50から取り外し可能な外装パネル40に組み込む例を図示したが、勿論、携帯電話機の外装自体にデータ保持ディスプレイ12を一体化しておいても良い。表示画像を変更するための構成としては、携帯電話機の外部端子に書換え装置14を接続する構成、即ち、インターフェース22とデータ保持ディスプレイ12の間に携帯電話機を介在させる構成と、書換え装置14の機能自体を携帯電話機に組み込む構成が考えられる。後者の場合、既存の携帯電話機の有する構成要素を流用して書換え装置14の機能を実現できるので、大きなコスト増を招かずに、本実施例を実現できる。
【0023】
携帯電話機の表面にデータ保持ディスプレイを配置する実施例を説明したが、携帯電話機の表面と裏面、又は、全面にデータ保持ディスプレイを配置しても良い。
【0024】
また、携帯電話機への適用例を説明したが、本発明は、外装の全部又は一部の絵柄を変更したい種々の機器に適用可能である。
【0025】
特定の説明用の実施例を参照して本発明を説明したが、特許請求の範囲に規定される本発明の技術的範囲を逸脱しないで、上述の実施例に種々の変更・修整を施しうることは、本発明の属する分野の技術者にとって自明であり、このような変更・修整も本発明の技術的範囲に含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の一実施例の概略構成ブロック図である。
【図2】携帯電話機に適用する場合の分解斜視図である。
【符号の説明】
【0027】
10:装飾装置
12:データ保持ディスプレイ
14:書換え装置
16:通信網
18:画像サーバ
20:CPU
22:インターフェース
26:メモリ
28:操作装置
30:ディスプレイ
32:システムバス
40:外装パネル
42:接点
44:透明ガラス
50:携帯電話機
52:サブディスプレイ
54:ビス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示内容を書換え可能なデータ保持ディスプレイを具備する装飾パネルと、
当該データ保持ディスプレイの表示内容を書き換える書換え装置
とを具備することを特徴とする装飾装置。
【請求項2】
当該書換え装置が、画像サーバから画像データを取り込む画像取り込み手段と、当該画像取り込み手段で取り込んだ画像データを記憶するメモリと、当該メモリに記憶される当該画像データを当該データ保持ディスプレイに印加する印加手段とを具備することを特徴とする請求項1に記載の装飾装置。
【請求項3】
当該装飾パネルが、携帯機器の筐体に固定されていることを特徴とする請求項1に記載の装飾装置。
【請求項4】
当該装飾パネルが、携帯機器の筐体から着脱自在であることを特徴とする請求項3に記載の装飾装置。
【請求項5】
当該データ保持ディスプレイが、有機ELディスプレイパネル、コレステリック液晶表示パネル、及び、マイクロカプセル型電気泳動方式ディスプレイの何れかからなることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の装飾装置。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2007−241165(P2007−241165A)
【公開日】平成19年9月20日(2007.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−67009(P2006−67009)
【出願日】平成18年3月13日(2006.3.13)
【出願人】(000208891)KDDI株式会社 (2,700)
【Fターム(参考)】