補正絞り値算出装置、露出計、カメラ、補正絞り値算出方法及び露出調整方法
【課題】 カメラのシャッターの実際の開放時間が、カメラによって設定された開放時間からずれていても、その設定開放時間及びその設定開放時間に対応してカメラにより設定されるべき設定絞り値に応じて決まる露光値に近似した適正露光値が得られるような補正絞り値を容易に算出することのできる補正絞り値算出装置を提案する。
【解決手段】 カメラのシャッターを通過した光を検出する受光手段と、その受光手段の受光時間を測定する受光時間測定手段と、カメラにより設定されたシャッターの開放時間及び受光時間測定手段によって測定された受光時間の誤差時間を検出する誤差時間検出手段と、シャッターの設定開放時間及びその設定開放時間に対応してカメラによって設定されるべき設定絞り値に応じて決まる設定露光値に近似した適正露光値が得られるように、誤差時間に応じて設定絞り値を補正して補正絞り値を得る絞り値補正手段とを有する。
【解決手段】 カメラのシャッターを通過した光を検出する受光手段と、その受光手段の受光時間を測定する受光時間測定手段と、カメラにより設定されたシャッターの開放時間及び受光時間測定手段によって測定された受光時間の誤差時間を検出する誤差時間検出手段と、シャッターの設定開放時間及びその設定開放時間に対応してカメラによって設定されるべき設定絞り値に応じて決まる設定露光値に近似した適正露光値が得られるように、誤差時間に応じて設定絞り値を補正して補正絞り値を得る絞り値補正手段とを有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、カメラのシャッターの実際の開放時間（実際のシャッター速度）が、設定開放時間（設定シャッター速度）からずれていても、その設定開放時間及びその設定開放時間に対応して設定されるべき設定絞り値に近似した適正露光値が得られるような補正絞り値を容易に算出することのできる補正絞り値算出装置、露出計、カメラ、補正絞り値算出方法及び露出調整方法に関する。
【背景技術】
【０００２】
銀塩カメラにおける機械式シャッター、例えば、開閉に弾性体としてのスプリングが関与しているフォーカルプレンシャッターでは、スプリングの弾性力の経年変化、例えば、スプリングが金属から構成される場合は金属疲労によって、実際のシャッター速度、即ち、実際のシャッター開放時間が、設定シャッター速度、即ち、設定シャッター開放時間に対し誤差が生じる場合がある。
【０００３】
カメラにおいて、シャッター速度を、例えば、１／１２５［Ｓ］に設定し、これに対応して、絞り値、即ち、Ｆ値を、例えば、５．６に設定した場合を例にとって説明する。この場合は、露光値、即ち、例えば、ＥＶ（ｅｘｐｏｓｕｒｅ ｖａｌｕｅ）は、１２になる。
【０００４】
ところが、実際のシャッター速度が、１／６０［Ｓ］と遅くなっている場合は、ＥＶは１１となり、即ち、露光値が高くなり、露出バランスの崩れた写真が得られることになる。
【０００５】
この場合、そのカメラを、メーカーに修理に出すことも考えられるが、保証期間が過ぎている場合は、高額の修理代が掛かるおそれががある。
【０００６】
又、古いカメラの場合は、メーカーに修理部品の在庫が無く、修理不可能の場合もある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００７】
かかる点に鑑み、本発明は、カメラのシャッターの実際の開放時間が、カメラにより設定されたシャッターの開放時間からずれていても、その設定開放時間及びその設定開放時間に対応してカメラにより設定されるべき設定絞り値にて決まる露光値に近似した適正露光値が得られるような補正絞り値を容易に算出することのできる補正絞り値算出装置を提案しようとするものである。
【０００８】
又、本発明は、カメラのシャッターの実際の開放時間が、カメラにより設定されたシャッターの開放時間からずれていても、その設定開放時間及びその設定開放時間に対応してカメラにより設定されるべき設定絞り値にて決まる露光値に近似した適正露光値が得られるような補正絞り値を容易に算出して表示手段に表示することのできる露出計を提案しようとするものである。
【０００９】
更に、本発明は、シャッターの実際の開放時間が、シャッターの設定開放時間からずれていても、その設定開放時間及びその設定開放時間に対応して設定されるべき設定絞り値にて決まる露光値に近似した適正露光値が得られるような補正絞り値を容易に算出することのできるカメラを提案しようとするものである。
【００１０】
更に、本発明は、シャッターの実際の開放時間が、シャッターの設定開放時間からずれていても、その設定開放時間及びその設定開放時間に対応して設定されるべき設定絞り値にて決まる露光値に近似した適正露光値が得られるような補正絞り値を容易に算出して表示手段に表示することのできる露出計を備えたカメラを提案しようとするものである。
【００１１】
更に、本発明は、カメラのシャッターの実際の開放時間が、カメラによって設定されたシャッターの開放時間からずれていても、その設定開放時間及びその設定開放時間に対応してカメラにより設定されるべき設定絞り値にて決まる露光値に近似した適正露光値が得られるような補正絞り値を容易に算出することのできる補正絞り値算出方法を提案しようとするものである。
【００１２】
更に、本発明は、カメラのシャッターの実際の開放時間が、カメラによって設定されたシャッターの開放時間からずれていても、その設定開放時間及びその設定開放時間に対応してカメラにより設定されるべき設定絞り値にて決まる露光値に近似した適正露光値が得られるような補正絞り値を容易に算出して表示させることのできる露出調整方法を提案しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【００１３】
第１の発明は、カメラのシャッターを通過した光を検出する受光手段と、その受光手段の受光時間を測定する受光時間測定手段と、カメラにより設定されたシャッターの開放時間及び受光時間測定手段によって測定された受光時間の誤差時間を検出する誤差時間検出手段と、シャッターの設定開放時間及びその設定開放時間に対応してカメラによって設定されるべき設定絞り値に応じて決まる設定露光値に近似した適正露光値が得られるように、誤差時間に応じて設定絞り値を補正して補正絞り値を得る絞り値補正手段とを有する補正絞り値算出装置である。
【００１４】
第２の発明は、光を検出する受光手段と、その受光手段の検出出力に基づいて露出を検出する露出検出手段と、その露出検出手段の検出出力に基づいて、露出を表示する表示手段とを有する露出計において、受光手段によって受光して得た、カメラのシャッターを通過した光の受光出力に基づいて、その受光時間を測定する受光時間測定手段と、カメラにより設定されたシャッターの開放時間及び受光時間測定手段によって測定された受光時間の誤差時間を検出する誤差時間検出手段と、表示手段に表示される露出に基づいて、シャッターの設定開放時間及びその設定開放時間に対応してカメラによって設定されるべき設定絞り値に応じて決まる設定露光値に近似した適正露光値が得られるように、誤差時間に応じて設定絞り値を補正して補正絞り値を得、その補正絞り値を表示手段に表示させる絞り値補正手段とを有する露出計である。
【００１５】
第３の発明は、シャッターを通過した光を検出する受光手段と、その受光手段の受光時間を測定する受光時間測定手段と、設定されたシャッターの開放時間及び受光時間測定手段によって測定された受光時間の誤差時間を検出する誤差時間検出手段と、シャッターの設定開放時間及びその設定開放時間に対応して設定されるべき設定絞り値に応じて決まる設定露光値に近似した適正露光値が得られるように、誤差時間に応じて設定絞り値を補正して補正絞り値を得る絞り値補正手段とを備える補正絞り値算出装置を設けたカメラである。
【００１６】
第４の発明は、受光手段と、その受光手段の検出出力に基づいて露出を検出する露出検出手段と、その露出検出手段の検出出力に基づいて、露出を表示する表示手段とを有する露出計を備えるカメラにおいて、露出計は、受光手段によって受光して得た、シャッターを通過した光の受光出力に基づいて、その受光時間を測定する受光時間測定手段と、設定されたシャッターの開放時間及び受光時間測定手段によって測定された受光時間の誤差時間を検出する誤差時間検出手段と、表示手段によって表示される露出に基づいて、シャッターの設定開放時間及びその設定開放時間に対応して設定されるべき設定絞り値に応じて決まる設定露光値に近似した適正露光値が得られるように、誤差時間に応じて設定絞り値を補正して補正絞り値を得、その補正絞り値を表示手段に表示させる絞り値補正手段とを備えるカメラである。
【００１７】
第５の発明は、カメラのシャッターを通過した光を検出する受光ステップと、その受光ステップによって受光された光の受光時間を測定する受光時間測定ステップと、カメラにより設定されたシャッターの開放時間及び受光時間測定ステップによって測定された受光時間の誤差時間を検出する誤差時間測定ステップと、シャッターの設定開放時間及びその設定開放時間に対応してカメラによって設定されるべき設定絞り値に応じて決まる設定露光値に近似した適正露光値が得られるように、誤差時間に応じて設定絞り値を補正して補正絞り値を得る絞り値補正ステップとを有する補正絞り値算出方法である。
【００１８】
第６の本発明は、露出検出のための受光ステップと、その受光ステップに基づいて、露出を検出する露出検出ステップと、その露出検出ステップに基づいて、露出を表示する露出表示ステップとを有し、その露出表示ステップによって表示された露出に基づいて、カメラのシャッターの開放時間及び絞り値調整手段の絞り値を設定するようにした露出調整方法において、カメラのシャッターを通過した光を受光する受光ステップと、その受光ステップに基づいて、その受光時間を測定する受光時間測定ステップと、カメラにより設定されたシャッターの開放時間及び受光時間測定手段によって測定された受光時間の誤差時間を検出する誤差時間検出ステップと、シャッターの設定開放時間及びその設定開放時間に対応してカメラによって設定されるべき設定絞り値に応じて決まる設定露光値に近似した適正露光値が得られるように、誤差時間に応じて設定絞り値を補正して補正絞り値を得る絞り値補正ステップと、その絞り値補正ステップによって補正された補正絞り値を表示する補正絞り値表示ステップとを有する露出調整方法である。
【発明の効果】
【００１９】
第１の本発明によれば、カメラのシャッターの実際の開放時間が、カメラによって設定されたシャッターの開放時間からずれていても、その設定開放時間及びその設定開放時間に対応してカメラにより設定されるべき設定絞り値にて決まる露光値に近似した適正露光値が得られるような補正絞り値を容易に算出することのできる構成の簡単な補正絞り値算出装置を得ることができる。
【００２０】
第２の本発明によれば、カメラのシャッターの実際の開放時間が、カメラによって設定されたシャッターの開放時間からずれていても、その設定開放時間及びその設定開放時間に対応してカメラにより設定されるべき設定絞り値にて決まる露光値に近似した適正露光値が得られるような補正絞り値を容易に算出して表示手段に表示することのできる構成の簡単な露出計を得ることができる。
【００２１】
第３の本発明によれば、カメラのシャッターの実際の開放時間が、シャッターの設定開放時間からずれていても、その設定開放時間及びその設定開放時間に対応して設定されるべき設定絞り値にて決まる露光値に近似した適正露光値が得られるような補正絞り値を容易に算出することのできる構成の簡単なカメラを得ることができる。
【００２２】
第４の本発明によれば、カメラのシャッターの実際の開放時間が、シャッターの設定開放時間からずれていても、その設定開放時間及びその設定開放時間に対応して設定されるべき設定絞り値にて決まる露光値に近似した適正露光値が得られるような補正絞り値を容易に算出して表示手段に表示することのできる構成の簡単な露出計を備えたカメラを提案しようとするものである。
【００２３】
第５の本発明によれば、カメラのシャッターの実際の開放時間が、カメラによって設定されたシャッターの開放時間からずれていても、その設定開放時間及びその設定開放時間に対応してカメラにより設定されるべき設定絞り値にて決まる露光値に近似した適正露光値が得られるような補正絞り値を容易に算出することのできる補正絞り値算出方法を得ることができる。
【００２４】
第６の本発明によれば、カメラのシャッターの実際の開放時間が、カメラによって設定されたシャッターの開放時間からずれていても、その設定開放時間及びその設定開放時間に対応してカメラにより設定されるべき設定絞り値にて決まる露光値に近似した適正露光値が得られるような補正絞り値を容易に算出して表示させることのできる露出調整方法を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【００２５】
以下、本発明の実施の形態を図１〜図５を参照して説明する。図１は、この実施の形態の本装置（補正絞り値算出装置又はその補正絞り値算出装置を備えた露出計）Ｄによって、カメラＣＭのシャッターの実際の開放時間（実際のシャッター速度）を測定している状態を示す配置図である。
【００２６】
図２は、本装置Ｄの外観の正面図である。
【００２７】
図３は、露出計に補正絞り値算出機能を付加した場合の例である。
【００２８】
図４は、本装置ＤによってカメラＣＭのシャッターの実際の開放時間（実際のシャッター速度）を測定している状態を示す斜視図である。
【００２９】
図５は、本装置Ｄの機能及び動作を示すフローチャートである。
【００３０】
図４に示すカメラＣＭは、銀塩カメラで、機械式シャッター、例えば、フォーカルプレンシャッター１３を備えている。１２は、このシャッター１３を駆動するための弾性体、即ち、例えばスパイラルスプリングである。
【００３１】
このシャッター１３は、２枚の遮光布幕が左右に走行し、その２枚の遮光布幕間のスリット幅、又は、２枚の遮光布幕の移動速度を選択することによって、シャッター速度、即ち、シャッターの開放時間Ｓ１を可変できるように構成されている。
【００３２】
図１に示すように、太陽、電灯等の光源ＬＳから、光量の一定な定常光としての入射光Ｌｉｎを、カメラＣＭの撮影レンズに入射させる。カメラＣＭのシャッター１３のシャッター速度Ｓ１、即ち、シャッター開放時間を設定した後、シャッターを切る。
【００３３】
このカメラＣＭのシャッター１３を通過した出射光Ｌｏｕｔは、本装置Ｄの受光素子１（図２及び図３参照）に入射する。
【００３４】
この受光素子１は、本装置Ｄが露出計の場合には、露出を計測するときの受光素子としても利用し得る。この場合には、被写体への入射光、又は、被写体よりの反射光を受光素子１に入射させて、露出を測定する。
【００３５】
次に、図３を参照して、本装置Ｄの構成を説明する。８は、マイクロコンピュータから構成される主制御装置である。この例のマイクロコンピュータは、ＰＩＣマイクロコンピュータで、ＣＰＵ、Ｉ／Ｏ、ＲＯＭ／ＲＡＭ（符号１０が付されている）等を含んでいる。又、このＰＩＣマイクロコンピュータは、３つのは汎用レジスタ、即ち、Ｗレジスタ、ＳＴＡＴＵＳレジスタ、ＰＣＨＬレジスタを備えている。この主制御装置８には、入力スイッチ２、測定スイッチ３及びマイクロコンピュータの状態をリセットするためのリセットスイッチ４が接続されている。勿論、主制御装置は、ＰＩＣマイクロコンピュータに限られるものではない。
【００３６】
図４のカメラＣＭのシャッター１３の実際のシャッター速度Ｓ１、即ち、実際のシャッター１３の開放時間を測定するときは、受光素子１よりの検出出力は、切り換えスイッチＳＷ及び波形整形回路６を通じて、主制御装置８及びＬＥＤ（発光ダイオード）等からなる受光表示ランプ７に供給される。この受光表示ランプ７は、シャッター１３の実際の開放時間を測定するときに、その開放時間中に点灯して、カメラＣＭのシャッター１３の実際の開放時間の測定中であることを表示する。
【００３７】
露光を計測するときは、受光素子１よりの検出出力は、切り換えスイッチＳＷを通じて、露出検出回路１１に供給され、その露出検出出力が主制御回路８に供給される。
【００３８】
切り換えスイッチＳＷを露出検出回路１１側に切り換えて、被写体に入射する光又は被写体より反射する光を受光素子１によって受光し、その受光検出出力は露出検出回路１１に供給される。その露出検出回路１１よりの露出検出出力は、主制御回路８に供給される。
【００３９】
図４のカメラＣＭのシャッター速度、即ち、シャッターの開放時間を設定する。そのシャッター速度を、例えば、１／１２５［Ｓ］に設定したとする。そのときは、本装置Ｄの入力スイッチ２を操作して、設定シャッター速度１／１２５［Ｓ］を主制御装置８に入力する。このとき、主制御装置８によって、露出検出回路１１の露出検出出力に基づいて、ＲＯＭ及びＲＡＭからなる記憶装置１０のＲＯＭに記憶されているプログラムに基づいて、この設定シャッター速度１／１２５［Ｓ］に対応して設定されるべき絞り値（Ｆナンバー）、例えば、Ｆ５．６が設定される。このＦ５．６は、ＲＯＭ及びＲＡＭからなる記憶装置１０のＲＡＭに記憶される。尚、図４のカメラＣＭに露出計が内臓され、その露出計によって、絞り値（Ｆナンバー）が設定される場合は、そのＦナンバーが入力スイッチ２の操作によって、主制御装置８に入力されて、記憶装置１０のＲＡＭに記憶される。
【００４０】
次に、切り換えスイッチＳＷを波形整形回路６側に切り換えた後、図４に示すように、カメラＣＭの裏蓋を開け、本装置Ｄの受光素子１をカメラＣＭのシャッター１３側に向ける。そして、カメラＣＭの撮影レンズに太陽光、電灯等の光量の一定な光（定常光）を照射しながら、カメラＣＭのシャッターを切る。かくすると、カメラＣＭの撮影レンズ及びシャッター１３を通過した定常光は、受光素子１によって受光される。
【００４１】
受光素子１よりの受光検出力は波形整形回路６に供給されて、波形整形され（デジタル化され）、その波形整形回路６よりの、カメラＣＭのシャッター１３の実際の開放時間、即ち、シャッター速度に対応した時間幅の矩形波出力が得られて主制御装置８に供給されて、記憶装置１０のＲＡＭに記憶される。
【００４２】
９は水晶発振子で、その発振出力が主制御装置８に供給される。この発振出力自体がクロックパルスとなり、又は、その発振出力が適当に分周されてクロックパルスが作成される。
【００４３】
そして、主制御装置８内のゲート回路に矩形波出力及びクロックパルスが供給され、そのゲート回路から出力されたクロックパルスが、主制御装置８内のカウンタに供給される。このカウンタの計数出力は、実際のシャッター開放時間、即ち、実際のシャッター速度が、記憶装置１０のＲＡＭに記憶される。この実際のシャッター速度は、例えば、１／６０［Ｓ］である。
【００４４】
５は、主制御装置８に接続された液晶ディスプレイ等からなる表示装置である。
【００４５】
次に、図５を参照して、主制御装置８の動作及び機能を説明する。図５Ａは、主制御装置８のメインルーチンを示すフローチャートを示し、図５Ｂは、図５Ａのメインルーチンに対する割り込みルーチンを示す。
【００４６】
主制御装置８としては、上述したように、ＰＩＣマイクロコンピュータを使用しているので、ステップＳＴ−１では、ＰＩＣマイクロコンピュータ用の初期設定を行った後、ステップＳＴ−２に移行する。
【００４７】
ステップＳＴ−２では、測定条件［設定されたシャッター開放時間、即ち、設定されたシャッター速度としての、例えば、１／１２５［Ｓ］及び露出計の露出計測結果によって決まる露光値（例えば、１２）に基づく絞り値（Ｆナンバー）、例えば、Ｆ５．６］の主制御装置８への入力を行った後、ステップＳＴ−３に移行する。
【００４８】
ステップＳＴ−３では、測定ＳＷ（スイッチ）３がＯＮされたか否かが判断される。ステップＳＴ−３の判断がＮＯのときは、ステップＳＴ−３に戻り、ＹＥＳのときは、図５Ｂの割り込みルーチンに移行する。
【００４９】
割り込みルーチンのステップＳＴ−９では、上述したＰＩＣマイクロコンピュータの汎用レジスタにおけるメインルーチンの記憶内容を、別のレジスタに保存して、割り込みルーチンにおける上書きを回避している。
【００５０】
ステップＳＴ−９の次は、ステップＳＴ−１０に移行して、受光ありか、即ち、受光素子１よりの受光出力が波形整形回路６を通じてマイクロコンピュータ（主制御装置）８に供給されたか否かが判断され、ＹＥＳのときはステップＳＴ−１１に移行し、ＮＯのときはステップＳＴ−１２に移行する。
【００５１】
ステップＳＴ−１１では、図３の測定スイッチ３の操作に基づいて、カメラＣＭのシャッター１３の実際の開放時間の測定、即ち、時間データのカウントアップを行う。
【００５２】
ステップＳＴ−１１の次及びステップＳＴ−１０における判断がＮＯのときに、ステップＳＴ−１２に移行して、上述の別のレジスタに保存されているメインルーチンの記憶内容を、汎用レジスタに復帰させた後、メインルーチンのステップＳＴ−４に移行する。
【００５３】
ステップＳＴ−４では、時間カウントが終了したか否かを判断し、ＮＯのときはステップＳＴ−４に戻り、ＹＥＳのときはステップＳＴ−５に移行する。
【００５４】
ステップＳＴ−５では、測定条件との比較、即ち、カメラＣＭにより設定されたシャッターの開放時間及び測定された受光時間、即ち、実際のシャッター開放時間（実際のシャッター速度）の誤差時間を検出した後、ステップＳＴ−６に移行する。
【００５５】
ステップＳＴ−６では、カメラＣＭにより設定されたシャッターの設定開放時間、即ち、例えば、１／１２５［Ｓ］に対応してカメラＣＭによって設定されるべき設定絞り値、即ち、例えば、Ｆ５．６に応じて決まる露光値、即ち、例えば、ＥＶ（ｅｘｐｏｓｕｒｅ ｖａｌｕｅ）１２に近似した適性露光値、即ち、例えば、ＥＶ１２が保持されるように、誤差時間に応じて、設定絞り値に対する補正値、即ち、絞り値補正段数、例えば、−１を算出した後、ステップＳＴ−７に移行する。因みに、Ｆ５．６及び１／６０［Ｓ］のときのＥＶは１１になる。
【００５６】
ステップＳＴ−７では、設定絞り値、即ち、Ｆ５．６に絞り値補正段数、即ち、−１を加算して、補正絞り値、即ち、Ｆ８．０を算出した後、ステップＳＴ−８に移行する。
【００５７】
ステップＳＴ−８では、図２に示すように、記憶装置１０のＲＡＭの記憶内容に基づいて、シャッターの設定開放時間（設定シャッター速度）、即ち、例えば、１／１２５［Ｓ］、カメラによって設定された設定絞り値、即ち、例えば、Ｆ５．６、シャッターの実際の開放時間、（実際のシャッター速度）（シャッター速度実測値）、即ち、例えば、１／６０［Ｓ］、絞り値可変段数、即ち、例えば、−１．０［段］及び補正絞り値（補正済み絞り値）、即ち、例えば、Ｆ８．０の各データを、表示装置５に表示させる。
【００５８】
尚、補正絞り値可変段数としては、±１．０、±０．３、±０．５等が可能である。
【００５９】
上述の記憶装置１０のＲＡＭに、表示装置５によって表示される上述の各種データの他に、シャッターの実際の開放時間の複数回の測定結果、その平均値、その最小値、その最小値等のデータを記憶させておき、これらを表示装置５に選択的に、又は、同時に表示させるようにしても良い。
【００６０】
上述においては、補正絞り値算出装置又はその補正絞り値算出機能を備えた露出計の場合について述べたが、補正絞り値算出装置又はその補正絞り値算出機能を備えた露出計をカメラ自体に内臓させることも可能である。その場合の構成及び動作の説明は省略するが、その構成及び動作は、上述の説明から容易に類推することができる。
【００６１】
本発明を適用し得るカメラは、各種銀塩カメラの種類の如何を問わず、又、銀塩カメラに限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【００６２】
【図１】 実施の形態の本装置（補正絞り値算出装置又はその補正絞り値算出機能を備えた露出計）Ｄによって、カメラのシャッターの実際の開放時間（実際のシャッター速度）を測定している状態を示す配置図である。
【図２】 実施の形態の本装置Ｄの外観を示す正面図である。
【図３】 露出計に補正絞り値算出機能を付加した例の構成を示すブロック線図である。
【図４】 実施の形態の本装置Ｄによってカメラのシャッターの実際の開放時間（実際のシャッター速度）を測定している状態を示す斜視図である。
【図５】 実施の形態の本装置Ｄの機能及び動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【００６３】
Ｄ 本装置（補正絞り値算出装置又はその補正絞り値算出機能を備えた露出計）
１ 受光素子
２ 入力スイッチ
３ 測定スイッチ
４ リセットスイッチ
５ 表示装置
６ 波形整形回路
７ 受光表示ランプ
８ 主制御装置（マイクロコンピュータ）
９ 水晶発振子
１０ 記憶装置（ＲＯＭ／ＲＡＭ）
１１ 露出検出回路
１２ スプリング
１３ シャッター
ＣＭ カメラ
【技術分野】
【０００１】
本発明は、カメラのシャッターの実際の開放時間（実際のシャッター速度）が、設定開放時間（設定シャッター速度）からずれていても、その設定開放時間及びその設定開放時間に対応して設定されるべき設定絞り値に近似した適正露光値が得られるような補正絞り値を容易に算出することのできる補正絞り値算出装置、露出計、カメラ、補正絞り値算出方法及び露出調整方法に関する。
【背景技術】
【０００２】
銀塩カメラにおける機械式シャッター、例えば、開閉に弾性体としてのスプリングが関与しているフォーカルプレンシャッターでは、スプリングの弾性力の経年変化、例えば、スプリングが金属から構成される場合は金属疲労によって、実際のシャッター速度、即ち、実際のシャッター開放時間が、設定シャッター速度、即ち、設定シャッター開放時間に対し誤差が生じる場合がある。
【０００３】
カメラにおいて、シャッター速度を、例えば、１／１２５［Ｓ］に設定し、これに対応して、絞り値、即ち、Ｆ値を、例えば、５．６に設定した場合を例にとって説明する。この場合は、露光値、即ち、例えば、ＥＶ（ｅｘｐｏｓｕｒｅ ｖａｌｕｅ）は、１２になる。
【０００４】
ところが、実際のシャッター速度が、１／６０［Ｓ］と遅くなっている場合は、ＥＶは１１となり、即ち、露光値が高くなり、露出バランスの崩れた写真が得られることになる。
【０００５】
この場合、そのカメラを、メーカーに修理に出すことも考えられるが、保証期間が過ぎている場合は、高額の修理代が掛かるおそれががある。
【０００６】
又、古いカメラの場合は、メーカーに修理部品の在庫が無く、修理不可能の場合もある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００７】
かかる点に鑑み、本発明は、カメラのシャッターの実際の開放時間が、カメラにより設定されたシャッターの開放時間からずれていても、その設定開放時間及びその設定開放時間に対応してカメラにより設定されるべき設定絞り値にて決まる露光値に近似した適正露光値が得られるような補正絞り値を容易に算出することのできる補正絞り値算出装置を提案しようとするものである。
【０００８】
又、本発明は、カメラのシャッターの実際の開放時間が、カメラにより設定されたシャッターの開放時間からずれていても、その設定開放時間及びその設定開放時間に対応してカメラにより設定されるべき設定絞り値にて決まる露光値に近似した適正露光値が得られるような補正絞り値を容易に算出して表示手段に表示することのできる露出計を提案しようとするものである。
【０００９】
更に、本発明は、シャッターの実際の開放時間が、シャッターの設定開放時間からずれていても、その設定開放時間及びその設定開放時間に対応して設定されるべき設定絞り値にて決まる露光値に近似した適正露光値が得られるような補正絞り値を容易に算出することのできるカメラを提案しようとするものである。
【００１０】
更に、本発明は、シャッターの実際の開放時間が、シャッターの設定開放時間からずれていても、その設定開放時間及びその設定開放時間に対応して設定されるべき設定絞り値にて決まる露光値に近似した適正露光値が得られるような補正絞り値を容易に算出して表示手段に表示することのできる露出計を備えたカメラを提案しようとするものである。
【００１１】
更に、本発明は、カメラのシャッターの実際の開放時間が、カメラによって設定されたシャッターの開放時間からずれていても、その設定開放時間及びその設定開放時間に対応してカメラにより設定されるべき設定絞り値にて決まる露光値に近似した適正露光値が得られるような補正絞り値を容易に算出することのできる補正絞り値算出方法を提案しようとするものである。
【００１２】
更に、本発明は、カメラのシャッターの実際の開放時間が、カメラによって設定されたシャッターの開放時間からずれていても、その設定開放時間及びその設定開放時間に対応してカメラにより設定されるべき設定絞り値にて決まる露光値に近似した適正露光値が得られるような補正絞り値を容易に算出して表示させることのできる露出調整方法を提案しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【００１３】
第１の発明は、カメラのシャッターを通過した光を検出する受光手段と、その受光手段の受光時間を測定する受光時間測定手段と、カメラにより設定されたシャッターの開放時間及び受光時間測定手段によって測定された受光時間の誤差時間を検出する誤差時間検出手段と、シャッターの設定開放時間及びその設定開放時間に対応してカメラによって設定されるべき設定絞り値に応じて決まる設定露光値に近似した適正露光値が得られるように、誤差時間に応じて設定絞り値を補正して補正絞り値を得る絞り値補正手段とを有する補正絞り値算出装置である。
【００１４】
第２の発明は、光を検出する受光手段と、その受光手段の検出出力に基づいて露出を検出する露出検出手段と、その露出検出手段の検出出力に基づいて、露出を表示する表示手段とを有する露出計において、受光手段によって受光して得た、カメラのシャッターを通過した光の受光出力に基づいて、その受光時間を測定する受光時間測定手段と、カメラにより設定されたシャッターの開放時間及び受光時間測定手段によって測定された受光時間の誤差時間を検出する誤差時間検出手段と、表示手段に表示される露出に基づいて、シャッターの設定開放時間及びその設定開放時間に対応してカメラによって設定されるべき設定絞り値に応じて決まる設定露光値に近似した適正露光値が得られるように、誤差時間に応じて設定絞り値を補正して補正絞り値を得、その補正絞り値を表示手段に表示させる絞り値補正手段とを有する露出計である。
【００１５】
第３の発明は、シャッターを通過した光を検出する受光手段と、その受光手段の受光時間を測定する受光時間測定手段と、設定されたシャッターの開放時間及び受光時間測定手段によって測定された受光時間の誤差時間を検出する誤差時間検出手段と、シャッターの設定開放時間及びその設定開放時間に対応して設定されるべき設定絞り値に応じて決まる設定露光値に近似した適正露光値が得られるように、誤差時間に応じて設定絞り値を補正して補正絞り値を得る絞り値補正手段とを備える補正絞り値算出装置を設けたカメラである。
【００１６】
第４の発明は、受光手段と、その受光手段の検出出力に基づいて露出を検出する露出検出手段と、その露出検出手段の検出出力に基づいて、露出を表示する表示手段とを有する露出計を備えるカメラにおいて、露出計は、受光手段によって受光して得た、シャッターを通過した光の受光出力に基づいて、その受光時間を測定する受光時間測定手段と、設定されたシャッターの開放時間及び受光時間測定手段によって測定された受光時間の誤差時間を検出する誤差時間検出手段と、表示手段によって表示される露出に基づいて、シャッターの設定開放時間及びその設定開放時間に対応して設定されるべき設定絞り値に応じて決まる設定露光値に近似した適正露光値が得られるように、誤差時間に応じて設定絞り値を補正して補正絞り値を得、その補正絞り値を表示手段に表示させる絞り値補正手段とを備えるカメラである。
【００１７】
第５の発明は、カメラのシャッターを通過した光を検出する受光ステップと、その受光ステップによって受光された光の受光時間を測定する受光時間測定ステップと、カメラにより設定されたシャッターの開放時間及び受光時間測定ステップによって測定された受光時間の誤差時間を検出する誤差時間測定ステップと、シャッターの設定開放時間及びその設定開放時間に対応してカメラによって設定されるべき設定絞り値に応じて決まる設定露光値に近似した適正露光値が得られるように、誤差時間に応じて設定絞り値を補正して補正絞り値を得る絞り値補正ステップとを有する補正絞り値算出方法である。
【００１８】
第６の本発明は、露出検出のための受光ステップと、その受光ステップに基づいて、露出を検出する露出検出ステップと、その露出検出ステップに基づいて、露出を表示する露出表示ステップとを有し、その露出表示ステップによって表示された露出に基づいて、カメラのシャッターの開放時間及び絞り値調整手段の絞り値を設定するようにした露出調整方法において、カメラのシャッターを通過した光を受光する受光ステップと、その受光ステップに基づいて、その受光時間を測定する受光時間測定ステップと、カメラにより設定されたシャッターの開放時間及び受光時間測定手段によって測定された受光時間の誤差時間を検出する誤差時間検出ステップと、シャッターの設定開放時間及びその設定開放時間に対応してカメラによって設定されるべき設定絞り値に応じて決まる設定露光値に近似した適正露光値が得られるように、誤差時間に応じて設定絞り値を補正して補正絞り値を得る絞り値補正ステップと、その絞り値補正ステップによって補正された補正絞り値を表示する補正絞り値表示ステップとを有する露出調整方法である。
【発明の効果】
【００１９】
第１の本発明によれば、カメラのシャッターの実際の開放時間が、カメラによって設定されたシャッターの開放時間からずれていても、その設定開放時間及びその設定開放時間に対応してカメラにより設定されるべき設定絞り値にて決まる露光値に近似した適正露光値が得られるような補正絞り値を容易に算出することのできる構成の簡単な補正絞り値算出装置を得ることができる。
【００２０】
第２の本発明によれば、カメラのシャッターの実際の開放時間が、カメラによって設定されたシャッターの開放時間からずれていても、その設定開放時間及びその設定開放時間に対応してカメラにより設定されるべき設定絞り値にて決まる露光値に近似した適正露光値が得られるような補正絞り値を容易に算出して表示手段に表示することのできる構成の簡単な露出計を得ることができる。
【００２１】
第３の本発明によれば、カメラのシャッターの実際の開放時間が、シャッターの設定開放時間からずれていても、その設定開放時間及びその設定開放時間に対応して設定されるべき設定絞り値にて決まる露光値に近似した適正露光値が得られるような補正絞り値を容易に算出することのできる構成の簡単なカメラを得ることができる。
【００２２】
第４の本発明によれば、カメラのシャッターの実際の開放時間が、シャッターの設定開放時間からずれていても、その設定開放時間及びその設定開放時間に対応して設定されるべき設定絞り値にて決まる露光値に近似した適正露光値が得られるような補正絞り値を容易に算出して表示手段に表示することのできる構成の簡単な露出計を備えたカメラを提案しようとするものである。
【００２３】
第５の本発明によれば、カメラのシャッターの実際の開放時間が、カメラによって設定されたシャッターの開放時間からずれていても、その設定開放時間及びその設定開放時間に対応してカメラにより設定されるべき設定絞り値にて決まる露光値に近似した適正露光値が得られるような補正絞り値を容易に算出することのできる補正絞り値算出方法を得ることができる。
【００２４】
第６の本発明によれば、カメラのシャッターの実際の開放時間が、カメラによって設定されたシャッターの開放時間からずれていても、その設定開放時間及びその設定開放時間に対応してカメラにより設定されるべき設定絞り値にて決まる露光値に近似した適正露光値が得られるような補正絞り値を容易に算出して表示させることのできる露出調整方法を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【００２５】
以下、本発明の実施の形態を図１〜図５を参照して説明する。図１は、この実施の形態の本装置（補正絞り値算出装置又はその補正絞り値算出装置を備えた露出計）Ｄによって、カメラＣＭのシャッターの実際の開放時間（実際のシャッター速度）を測定している状態を示す配置図である。
【００２６】
図２は、本装置Ｄの外観の正面図である。
【００２７】
図３は、露出計に補正絞り値算出機能を付加した場合の例である。
【００２８】
図４は、本装置ＤによってカメラＣＭのシャッターの実際の開放時間（実際のシャッター速度）を測定している状態を示す斜視図である。
【００２９】
図５は、本装置Ｄの機能及び動作を示すフローチャートである。
【００３０】
図４に示すカメラＣＭは、銀塩カメラで、機械式シャッター、例えば、フォーカルプレンシャッター１３を備えている。１２は、このシャッター１３を駆動するための弾性体、即ち、例えばスパイラルスプリングである。
【００３１】
このシャッター１３は、２枚の遮光布幕が左右に走行し、その２枚の遮光布幕間のスリット幅、又は、２枚の遮光布幕の移動速度を選択することによって、シャッター速度、即ち、シャッターの開放時間Ｓ１を可変できるように構成されている。
【００３２】
図１に示すように、太陽、電灯等の光源ＬＳから、光量の一定な定常光としての入射光Ｌｉｎを、カメラＣＭの撮影レンズに入射させる。カメラＣＭのシャッター１３のシャッター速度Ｓ１、即ち、シャッター開放時間を設定した後、シャッターを切る。
【００３３】
このカメラＣＭのシャッター１３を通過した出射光Ｌｏｕｔは、本装置Ｄの受光素子１（図２及び図３参照）に入射する。
【００３４】
この受光素子１は、本装置Ｄが露出計の場合には、露出を計測するときの受光素子としても利用し得る。この場合には、被写体への入射光、又は、被写体よりの反射光を受光素子１に入射させて、露出を測定する。
【００３５】
次に、図３を参照して、本装置Ｄの構成を説明する。８は、マイクロコンピュータから構成される主制御装置である。この例のマイクロコンピュータは、ＰＩＣマイクロコンピュータで、ＣＰＵ、Ｉ／Ｏ、ＲＯＭ／ＲＡＭ（符号１０が付されている）等を含んでいる。又、このＰＩＣマイクロコンピュータは、３つのは汎用レジスタ、即ち、Ｗレジスタ、ＳＴＡＴＵＳレジスタ、ＰＣＨＬレジスタを備えている。この主制御装置８には、入力スイッチ２、測定スイッチ３及びマイクロコンピュータの状態をリセットするためのリセットスイッチ４が接続されている。勿論、主制御装置は、ＰＩＣマイクロコンピュータに限られるものではない。
【００３６】
図４のカメラＣＭのシャッター１３の実際のシャッター速度Ｓ１、即ち、実際のシャッター１３の開放時間を測定するときは、受光素子１よりの検出出力は、切り換えスイッチＳＷ及び波形整形回路６を通じて、主制御装置８及びＬＥＤ（発光ダイオード）等からなる受光表示ランプ７に供給される。この受光表示ランプ７は、シャッター１３の実際の開放時間を測定するときに、その開放時間中に点灯して、カメラＣＭのシャッター１３の実際の開放時間の測定中であることを表示する。
【００３７】
露光を計測するときは、受光素子１よりの検出出力は、切り換えスイッチＳＷを通じて、露出検出回路１１に供給され、その露出検出出力が主制御回路８に供給される。
【００３８】
切り換えスイッチＳＷを露出検出回路１１側に切り換えて、被写体に入射する光又は被写体より反射する光を受光素子１によって受光し、その受光検出出力は露出検出回路１１に供給される。その露出検出回路１１よりの露出検出出力は、主制御回路８に供給される。
【００３９】
図４のカメラＣＭのシャッター速度、即ち、シャッターの開放時間を設定する。そのシャッター速度を、例えば、１／１２５［Ｓ］に設定したとする。そのときは、本装置Ｄの入力スイッチ２を操作して、設定シャッター速度１／１２５［Ｓ］を主制御装置８に入力する。このとき、主制御装置８によって、露出検出回路１１の露出検出出力に基づいて、ＲＯＭ及びＲＡＭからなる記憶装置１０のＲＯＭに記憶されているプログラムに基づいて、この設定シャッター速度１／１２５［Ｓ］に対応して設定されるべき絞り値（Ｆナンバー）、例えば、Ｆ５．６が設定される。このＦ５．６は、ＲＯＭ及びＲＡＭからなる記憶装置１０のＲＡＭに記憶される。尚、図４のカメラＣＭに露出計が内臓され、その露出計によって、絞り値（Ｆナンバー）が設定される場合は、そのＦナンバーが入力スイッチ２の操作によって、主制御装置８に入力されて、記憶装置１０のＲＡＭに記憶される。
【００４０】
次に、切り換えスイッチＳＷを波形整形回路６側に切り換えた後、図４に示すように、カメラＣＭの裏蓋を開け、本装置Ｄの受光素子１をカメラＣＭのシャッター１３側に向ける。そして、カメラＣＭの撮影レンズに太陽光、電灯等の光量の一定な光（定常光）を照射しながら、カメラＣＭのシャッターを切る。かくすると、カメラＣＭの撮影レンズ及びシャッター１３を通過した定常光は、受光素子１によって受光される。
【００４１】
受光素子１よりの受光検出力は波形整形回路６に供給されて、波形整形され（デジタル化され）、その波形整形回路６よりの、カメラＣＭのシャッター１３の実際の開放時間、即ち、シャッター速度に対応した時間幅の矩形波出力が得られて主制御装置８に供給されて、記憶装置１０のＲＡＭに記憶される。
【００４２】
９は水晶発振子で、その発振出力が主制御装置８に供給される。この発振出力自体がクロックパルスとなり、又は、その発振出力が適当に分周されてクロックパルスが作成される。
【００４３】
そして、主制御装置８内のゲート回路に矩形波出力及びクロックパルスが供給され、そのゲート回路から出力されたクロックパルスが、主制御装置８内のカウンタに供給される。このカウンタの計数出力は、実際のシャッター開放時間、即ち、実際のシャッター速度が、記憶装置１０のＲＡＭに記憶される。この実際のシャッター速度は、例えば、１／６０［Ｓ］である。
【００４４】
５は、主制御装置８に接続された液晶ディスプレイ等からなる表示装置である。
【００４５】
次に、図５を参照して、主制御装置８の動作及び機能を説明する。図５Ａは、主制御装置８のメインルーチンを示すフローチャートを示し、図５Ｂは、図５Ａのメインルーチンに対する割り込みルーチンを示す。
【００４６】
主制御装置８としては、上述したように、ＰＩＣマイクロコンピュータを使用しているので、ステップＳＴ−１では、ＰＩＣマイクロコンピュータ用の初期設定を行った後、ステップＳＴ−２に移行する。
【００４７】
ステップＳＴ−２では、測定条件［設定されたシャッター開放時間、即ち、設定されたシャッター速度としての、例えば、１／１２５［Ｓ］及び露出計の露出計測結果によって決まる露光値（例えば、１２）に基づく絞り値（Ｆナンバー）、例えば、Ｆ５．６］の主制御装置８への入力を行った後、ステップＳＴ−３に移行する。
【００４８】
ステップＳＴ−３では、測定ＳＷ（スイッチ）３がＯＮされたか否かが判断される。ステップＳＴ−３の判断がＮＯのときは、ステップＳＴ−３に戻り、ＹＥＳのときは、図５Ｂの割り込みルーチンに移行する。
【００４９】
割り込みルーチンのステップＳＴ−９では、上述したＰＩＣマイクロコンピュータの汎用レジスタにおけるメインルーチンの記憶内容を、別のレジスタに保存して、割り込みルーチンにおける上書きを回避している。
【００５０】
ステップＳＴ−９の次は、ステップＳＴ−１０に移行して、受光ありか、即ち、受光素子１よりの受光出力が波形整形回路６を通じてマイクロコンピュータ（主制御装置）８に供給されたか否かが判断され、ＹＥＳのときはステップＳＴ−１１に移行し、ＮＯのときはステップＳＴ−１２に移行する。
【００５１】
ステップＳＴ−１１では、図３の測定スイッチ３の操作に基づいて、カメラＣＭのシャッター１３の実際の開放時間の測定、即ち、時間データのカウントアップを行う。
【００５２】
ステップＳＴ−１１の次及びステップＳＴ−１０における判断がＮＯのときに、ステップＳＴ−１２に移行して、上述の別のレジスタに保存されているメインルーチンの記憶内容を、汎用レジスタに復帰させた後、メインルーチンのステップＳＴ−４に移行する。
【００５３】
ステップＳＴ−４では、時間カウントが終了したか否かを判断し、ＮＯのときはステップＳＴ−４に戻り、ＹＥＳのときはステップＳＴ−５に移行する。
【００５４】
ステップＳＴ−５では、測定条件との比較、即ち、カメラＣＭにより設定されたシャッターの開放時間及び測定された受光時間、即ち、実際のシャッター開放時間（実際のシャッター速度）の誤差時間を検出した後、ステップＳＴ−６に移行する。
【００５５】
ステップＳＴ−６では、カメラＣＭにより設定されたシャッターの設定開放時間、即ち、例えば、１／１２５［Ｓ］に対応してカメラＣＭによって設定されるべき設定絞り値、即ち、例えば、Ｆ５．６に応じて決まる露光値、即ち、例えば、ＥＶ（ｅｘｐｏｓｕｒｅ ｖａｌｕｅ）１２に近似した適性露光値、即ち、例えば、ＥＶ１２が保持されるように、誤差時間に応じて、設定絞り値に対する補正値、即ち、絞り値補正段数、例えば、−１を算出した後、ステップＳＴ−７に移行する。因みに、Ｆ５．６及び１／６０［Ｓ］のときのＥＶは１１になる。
【００５６】
ステップＳＴ−７では、設定絞り値、即ち、Ｆ５．６に絞り値補正段数、即ち、−１を加算して、補正絞り値、即ち、Ｆ８．０を算出した後、ステップＳＴ−８に移行する。
【００５７】
ステップＳＴ−８では、図２に示すように、記憶装置１０のＲＡＭの記憶内容に基づいて、シャッターの設定開放時間（設定シャッター速度）、即ち、例えば、１／１２５［Ｓ］、カメラによって設定された設定絞り値、即ち、例えば、Ｆ５．６、シャッターの実際の開放時間、（実際のシャッター速度）（シャッター速度実測値）、即ち、例えば、１／６０［Ｓ］、絞り値可変段数、即ち、例えば、−１．０［段］及び補正絞り値（補正済み絞り値）、即ち、例えば、Ｆ８．０の各データを、表示装置５に表示させる。
【００５８】
尚、補正絞り値可変段数としては、±１．０、±０．３、±０．５等が可能である。
【００５９】
上述の記憶装置１０のＲＡＭに、表示装置５によって表示される上述の各種データの他に、シャッターの実際の開放時間の複数回の測定結果、その平均値、その最小値、その最小値等のデータを記憶させておき、これらを表示装置５に選択的に、又は、同時に表示させるようにしても良い。
【００６０】
上述においては、補正絞り値算出装置又はその補正絞り値算出機能を備えた露出計の場合について述べたが、補正絞り値算出装置又はその補正絞り値算出機能を備えた露出計をカメラ自体に内臓させることも可能である。その場合の構成及び動作の説明は省略するが、その構成及び動作は、上述の説明から容易に類推することができる。
【００６１】
本発明を適用し得るカメラは、各種銀塩カメラの種類の如何を問わず、又、銀塩カメラに限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【００６２】
【図１】 実施の形態の本装置（補正絞り値算出装置又はその補正絞り値算出機能を備えた露出計）Ｄによって、カメラのシャッターの実際の開放時間（実際のシャッター速度）を測定している状態を示す配置図である。
【図２】 実施の形態の本装置Ｄの外観を示す正面図である。
【図３】 露出計に補正絞り値算出機能を付加した例の構成を示すブロック線図である。
【図４】 実施の形態の本装置Ｄによってカメラのシャッターの実際の開放時間（実際のシャッター速度）を測定している状態を示す斜視図である。
【図５】 実施の形態の本装置Ｄの機能及び動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【００６３】
Ｄ 本装置（補正絞り値算出装置又はその補正絞り値算出機能を備えた露出計）
１ 受光素子
２ 入力スイッチ
３ 測定スイッチ
４ リセットスイッチ
５ 表示装置
６ 波形整形回路
７ 受光表示ランプ
８ 主制御装置（マイクロコンピュータ）
９ 水晶発振子
１０ 記憶装置（ＲＯＭ／ＲＡＭ）
１１ 露出検出回路
１２ スプリング
１３ シャッター
ＣＭ カメラ
【特許請求の範囲】
【請求項１】
カメラのシャッターを通過した光を検出する受光手段と、
該受光手段の受光時間を測定する受光時間測定手段と、
上記カメラにより設定された上記シャッターの開放時間及び上記受光時間測定手段によって測定された受光時間の誤差時間を検出する誤差時間検出手段と、
上記シャッターの設定開放時間及び該設定開放時間に対応して上記カメラによって設定されるべき設定絞り値に応じて決まる設定露光値に近似した適正露光値が得られるように、上記誤差時間に応じて上記設定絞り値を補正して補正絞り値を得る絞り値補正手段とを有する
ことを特徴とする補正絞り値算出装置。
【請求項２】
光を検出する受光手段と、
該受光手段の検出出力に基づいて露出を検出する露出検出手段と、
該露出検出手段の検出出力に基づいて、露出を表示する表示手段とを有する露出計において、
上記受光手段によって受光して得た、カメラのシャッターを通過した光の受光出力に基づいて、その受光時間を測定する受光時間測定手段と、
上記カメラにより設定された上記シャッターの開放時間及び上記受光時間測定手段によって測定された受光時間の誤差時間を検出する誤差時間検出手段と、
上記表示手段に表示される露出に基づいて、上記シャッターの設定開放時間及び該設定開放時間に対応して上記カメラによって設定されるべき設定絞り値に応じて決まる設定露光値に近似した適正露光値が得られるように、上記誤差時間に応じて上記設定絞り値を補正して補正絞り値を得、該補正絞り値を上記表示手段に表示させる絞り値補正手段とを有する
ことを特徴とする露出計。
【請求項３】
シャッターを通過した光を検出する受光手段と、
該受光手段の受光時間を測定する受光時間測定手段と、
設定された上記シャッターの開放時間及び上記受光時間測定手段によって測定された受光時間の誤差時間を検出する誤差時間検出手段と、
上記シャッターの設定開放時間及び該設定開放時間に対応して設定されるべき設定絞り値に応じて決まる設定露光値に近似した適正露光値が得られるように、上記誤差時間に応じて上記設定絞り値を補正して補正絞り値を得る絞り値補正手段とを備える補正絞り値算出装置を設けた
ことを特徴とするカメラ。
【請求項４】
受光手段と、
該受光手段の検出出力に基づいて露出を検出する露出検出手段と、
該露出検出手段の検出出力に基づいて、露出を表示する表示手段とを有する露出計を備えるカメラにおいて、
上記露出計は、
上記受光手段によって受光して得た、シャッターを通過した光の受光出力に基づいて、その受光時間を測定する受光時間測定手段と、
設定された上記シャッターの開放時間及び上記受光時間測定手段によって測定された受光時間の誤差時間を検出する誤差時間検出手段と、
上記表示手段によって表示される露出に基づいて、上記シャッターの設定開放時間及び該設定開放時間に対応して設定されるべき設定絞り値に応じて決まる設定露光値に近似した適正露光値が得られるように、上記誤差時間に応じて上記設定絞り値を補正して補正絞り値を得、該補正絞り値を上記表示手段に表示させる絞り値補正手段とを備える
ことを特徴とするカメラ。
【請求項５】
カメラのシャッターを通過した光を検出する受光ステップと、
該受光ステップによって受光された光の受光時間を測定する受光時間測定ステップと、
上記カメラにより設定された上記シャッターの開放時間及び上記受光時間測定ステップによって測定された受光時間の誤差時間を検出する誤差時間測定ステップと、
上記シャッターの設定開放時間及び該設定開放時間に対応して上記カメラによって設定されるべき設定絞り値に応じて決まる設定露光値に近似した適正露光値が得られるように、上記誤差時間に応じて上記設定絞り値を補正して補正絞り値を得る絞り値補正ステップとを有する
ことを特徴する補正絞り値算出方法。
【請求項６】
露出検出のための受光ステップと、
該受光ステップに基づいて、露出を検出する露出検出ステップと、
該露出検出ステップに基づいて、露出を表示する露出表示ステップとを有し、
該露出表示ステップによって表示された露出に基づいて、カメラのシャッターの開放時間及び絞り値調整手段の絞り値を設定するようにした露出調整方法において、
カメラのシャッターを通過した光を受光する受光ステップと、
該受光ステップに基づいて、その受光時間を測定する受光時間測定ステップと、
上記カメラにより設定された上記シャッターの開放時間及び上記受光時間測定手段によって測定された受光時間の誤差時間を検出する誤差時間検出ステップと、
上記シャッターの設定開放時間及び該設定開放時間に対応して上記カメラによって設定されるべき設定絞り値に応じて決まる設定露光値に近似した適正露光値が得られるように、上記誤差時間に応じて上記設定絞り値を補正して補正絞り値を得る絞り値補正ステップと、
該絞り値補正ステップによって補正された補正絞り値を表示する補正絞り値表示ステップとを有する
ことを特徴する露出調整方法。
【請求項１】
カメラのシャッターを通過した光を検出する受光手段と、
該受光手段の受光時間を測定する受光時間測定手段と、
上記カメラにより設定された上記シャッターの開放時間及び上記受光時間測定手段によって測定された受光時間の誤差時間を検出する誤差時間検出手段と、
上記シャッターの設定開放時間及び該設定開放時間に対応して上記カメラによって設定されるべき設定絞り値に応じて決まる設定露光値に近似した適正露光値が得られるように、上記誤差時間に応じて上記設定絞り値を補正して補正絞り値を得る絞り値補正手段とを有する
ことを特徴とする補正絞り値算出装置。
【請求項２】
光を検出する受光手段と、
該受光手段の検出出力に基づいて露出を検出する露出検出手段と、
該露出検出手段の検出出力に基づいて、露出を表示する表示手段とを有する露出計において、
上記受光手段によって受光して得た、カメラのシャッターを通過した光の受光出力に基づいて、その受光時間を測定する受光時間測定手段と、
上記カメラにより設定された上記シャッターの開放時間及び上記受光時間測定手段によって測定された受光時間の誤差時間を検出する誤差時間検出手段と、
上記表示手段に表示される露出に基づいて、上記シャッターの設定開放時間及び該設定開放時間に対応して上記カメラによって設定されるべき設定絞り値に応じて決まる設定露光値に近似した適正露光値が得られるように、上記誤差時間に応じて上記設定絞り値を補正して補正絞り値を得、該補正絞り値を上記表示手段に表示させる絞り値補正手段とを有する
ことを特徴とする露出計。
【請求項３】
シャッターを通過した光を検出する受光手段と、
該受光手段の受光時間を測定する受光時間測定手段と、
設定された上記シャッターの開放時間及び上記受光時間測定手段によって測定された受光時間の誤差時間を検出する誤差時間検出手段と、
上記シャッターの設定開放時間及び該設定開放時間に対応して設定されるべき設定絞り値に応じて決まる設定露光値に近似した適正露光値が得られるように、上記誤差時間に応じて上記設定絞り値を補正して補正絞り値を得る絞り値補正手段とを備える補正絞り値算出装置を設けた
ことを特徴とするカメラ。
【請求項４】
受光手段と、
該受光手段の検出出力に基づいて露出を検出する露出検出手段と、
該露出検出手段の検出出力に基づいて、露出を表示する表示手段とを有する露出計を備えるカメラにおいて、
上記露出計は、
上記受光手段によって受光して得た、シャッターを通過した光の受光出力に基づいて、その受光時間を測定する受光時間測定手段と、
設定された上記シャッターの開放時間及び上記受光時間測定手段によって測定された受光時間の誤差時間を検出する誤差時間検出手段と、
上記表示手段によって表示される露出に基づいて、上記シャッターの設定開放時間及び該設定開放時間に対応して設定されるべき設定絞り値に応じて決まる設定露光値に近似した適正露光値が得られるように、上記誤差時間に応じて上記設定絞り値を補正して補正絞り値を得、該補正絞り値を上記表示手段に表示させる絞り値補正手段とを備える
ことを特徴とするカメラ。
【請求項５】
カメラのシャッターを通過した光を検出する受光ステップと、
該受光ステップによって受光された光の受光時間を測定する受光時間測定ステップと、
上記カメラにより設定された上記シャッターの開放時間及び上記受光時間測定ステップによって測定された受光時間の誤差時間を検出する誤差時間測定ステップと、
上記シャッターの設定開放時間及び該設定開放時間に対応して上記カメラによって設定されるべき設定絞り値に応じて決まる設定露光値に近似した適正露光値が得られるように、上記誤差時間に応じて上記設定絞り値を補正して補正絞り値を得る絞り値補正ステップとを有する
ことを特徴する補正絞り値算出方法。
【請求項６】
露出検出のための受光ステップと、
該受光ステップに基づいて、露出を検出する露出検出ステップと、
該露出検出ステップに基づいて、露出を表示する露出表示ステップとを有し、
該露出表示ステップによって表示された露出に基づいて、カメラのシャッターの開放時間及び絞り値調整手段の絞り値を設定するようにした露出調整方法において、
カメラのシャッターを通過した光を受光する受光ステップと、
該受光ステップに基づいて、その受光時間を測定する受光時間測定ステップと、
上記カメラにより設定された上記シャッターの開放時間及び上記受光時間測定手段によって測定された受光時間の誤差時間を検出する誤差時間検出ステップと、
上記シャッターの設定開放時間及び該設定開放時間に対応して上記カメラによって設定されるべき設定絞り値に応じて決まる設定露光値に近似した適正露光値が得られるように、上記誤差時間に応じて上記設定絞り値を補正して補正絞り値を得る絞り値補正ステップと、
該絞り値補正ステップによって補正された補正絞り値を表示する補正絞り値表示ステップとを有する
ことを特徴する露出調整方法。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【公開番号】特開２００５−３０９３４１（Ｐ２００５−３０９３４１Ａ）
【公開日】平成１７年１１月４日（２００５．１１．４）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２００４−１４９７６１（Ｐ２００４−１４９７６１）
【出願日】平成１６年４月１６日（２００４．４．１６）
【新規性喪失の例外の表示】特許法第３０条第１項適用申請有り 平成１５年１１月２２日 電気通信大学発行の「第６回エレクトロニクスコンテスト発表予稿集」に発表
【出願人】（５０４１３３１１０）国立大学法人 電気通信大学 (383)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成１７年１１月４日（２００５．１１．４）
【国際特許分類】
【出願日】平成１６年４月１６日（２００４．４．１６）
【新規性喪失の例外の表示】特許法第３０条第１項適用申請有り 平成１５年１１月２２日 電気通信大学発行の「第６回エレクトロニクスコンテスト発表予稿集」に発表
【出願人】（５０４１３３１１０）国立大学法人 電気通信大学 (383)
【Ｆターム（参考）】
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