説明

複合型光学素子の成形方法および成形装置

【課題】成形設備や製造コストの増大を招くことなく、エネルギー硬化型樹脂と成形型との離型を確実に行わせることが可能な複合光学型光学素子の成形技術を提供する。
【解決手段】光学基材11に供給された紫外線硬化型樹脂15に当接して成形面1aの形状を転写する金型1の回りに、金型1とは土器率に軸方向に変位し、光学基材11のコバ部11aに当接する離型環31と、この離型環31の一部に設けられ、光学基材11のコバ部11aに衝撃力を与える衝撃発生部材32を設け、金型1を加熱冷却素子34にて所定の温度に冷却する離型時に、離型環31で光学基材11のコバ部11aを離型方向に押圧した状態で衝撃発生部材32からコバ部11aに衝撃力を与えることで金型1の成形面1aから紫外線硬化型樹脂15を確実に剥離させる離型動作を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複合型光学素子の成形方法および成形装置に関する。
【背景技術】
【0002】
たとえば、光学素子に非球面等の複雑な光学機能面を形成する方法として、光学素子の基材に被着された紫外線硬化型樹脂に対して成形型から光学機能面を転写して成形することで複合型光学素子を製造する技術が知られている。
【0003】
このような複合型光学素子の製造技術として、特許文献1には、紫外線硬化型樹脂と金型との離型性を向上させる目的で、紫外線硬化型樹脂の硬化後、金型を冷却することで金型と樹脂との熱膨張率の差異を利用して離型を行う場合に、冷却中に離型力の変化を監視し、離型開始時点で金型の冷却を打ち切ることで過度の冷却を回避し、次回の成形時の金型の成形温度までの到達時間の増大を防止する技術が開示されている。
【0004】
ところが、上述の特許文献1の技術では、離型時において、金型の冷却による熱膨張率の差を利用して樹脂から金型を引き離すのみであるため、たとえ樹脂層に線膨張の差が大きくなったとしても、樹脂の機械的特性として弾性に起因して樹脂層と金型の界面で十分な滑りが発生せず、金型から樹脂を剥離させる離型操作が不十分となる懸念がある。
【0005】
また、離型時に金型の冷却停止のタイミングを検出するために、比較的高価な圧力センサを使用して剥離力の変化を測定しているため、成形設備や製造コストの増大の一因となる。
【特許文献1】特開平6−344350号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、成形設備や製造コストの増大を招くことなく、エネルギー硬化型樹脂と成形型との離型を確実に行わせることが可能な複合型光学素子の成形技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の観点は、光学基材と成形型の間に存在するエネルギー硬化型樹脂に前記成形型の形状を転写して硬化させる複合型光学素子の成形方法であって、
前記エネルギー硬化型樹脂を硬化させる第1工程と、
前記成形型と前記エネルギー硬化型樹脂を剥離する方向に持続的に第1外力を加える第2工程と、
前記成形型と前記エネルギー硬化型樹脂を剥離する方向に一時的に第2外力を加える第3工程と、
を含む複合型光学素子の成形方法を提供する。
【0008】
本発明の第2の観点は、光学基材に対向し、前記光学基材との間に供給されるエネルギー硬化型樹脂に光学機能面を転写する成形型と、
前記成形型の回りに配置され、当該成形型と前記光学基材とを離間させる方向に持続的に作用する第1外力を発生することが可能な第1離型手段と、
前記光学基材に一時的な第2外力を与える第2離型手段と、
を含む成形装置を提供する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、成形設備や製造コストの増大を招くことなく、エネルギー硬化型樹脂と成形型との離型を確実に行わせることが可能な複合型光学素子の成形技術を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本実施の形態の一態様の光学素子の成形装置は、複合型光学素子を製造する工程に於いて、加熱、冷却とも可能なデバイスを金型内に設け、金型で樹脂を圧着し樹脂を押し広げ、紫外線を照射して樹脂層を硬化させる工程では樹脂が硬化する最適な温度に金型温度を加熱調節する。
【0011】
樹脂が硬化し金型に密着した樹脂層を金型から剥離する工程では、金型と樹脂との間に線膨張の差を大きくして剥離を促すために金型を冷却調節し、樹脂を金型から剥離するために金型の周囲に設けられた離型環を、金型と樹脂層を光学軸方向に剥離する方向に、徐々に光学基材のコバ部の全周に押し当て、さらに離型環の一部を勢いよく光学基材のコバ部に打ち当てる。
【0012】
本態様の成形装置によれば、樹脂を硬化させるために金型を最適な温度に調節させた後、金型を冷却することにより金型と樹脂層の間に線膨張の差によって歪と滑り発生させて剥離するための安定した状態にし、金型の周囲の離型環の全周を徐々に光学基材のコバ部に押し当てることで金型と樹脂層の間に大きく歪を発生させ、さらに離型環の一部を勢いよく光学基材のコバ部に打ち当て、剥離方向に衝撃を与えて金型と樹脂層の間に空隙を発生させることで完全に金型と樹脂層を剥離させることができる。
【0013】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施の形態である複合型光学素子の成形方法を実施する成形装置の構成の一例を示す略断面図であり、図2は、その作用の一例を示す線図である。
【0014】
本実施の形態の複合型光学素子成形装置Mは、金型1、金型押え板2、金型保持部材3、温度センサ4、温度コントロールユニット7、光学基材受け台12、スライドテーブル18、ボールネジ21、成形機架台22、サーボモータ23、カップリング24、結合部材26、成形機金型軸本体27、チャック爪28、紫外線照射装置29、離型環31(第1離型手段)、衝撃発生部材32(第2離型手段)、加熱冷却素子34、歯車35、パルスモータ36、を備えている。
【0015】
本実施の形態の複合型光学素子成形装置Mに備えられた金型1は、金型押え板2および金型保持部材3を介して成形機金型軸本体27に、成形面1aを下向きにした姿勢で支持されている。
【0016】
この金型1は、その成形面1aとは反対側の背面凹部1bに、金型1の冷却と加熱の両方の機能を有する加熱冷却素子34を備えた構成となっており、成形面1aの温度を自在に制御することが可能になっている。
【0017】
さらに、成形面1aの温度を近似的にモニタできるように、金型1の成形面1aと反対の背面凹部1bから成形面1aに程近い箇所に温度センサ4が埋め込まれている。
加熱冷却素子34と温度センサ4は、外部の温度コントロールユニット7に接続されており、温度コントロールユニット7は、所望の設定温度に対して温度センサ4によって計測されたモニタ温度との差をなくすように加熱冷却素子34を制御する。
【0018】
なお、加熱冷却素子34には、たとえば、通電によって加熱および冷却の双方が可能なペルチェ素子を用いることができる。
金型1の下方には、成形機架台22に支持された筒状の光学基材受け台12が金型1と同軸に配置されており、この光学基材受け台12には、金型1の成形面1aに対向するように光学基材11が載置される。
【0019】
光学基材11が載置される光学基材受け台12の周囲には、複数のチャック爪28が配置されている。このチャック爪28は、光学基材11を3方向から締め付けることで、光学基材受け台12に載置された光学基材11の光軸が金型1の成形面1aの光軸と同軸なるように調整して固定する動作を行う。
【0020】
光学基材受け台12の下方には、紫外線29aを上向き方向に出射する紫外線照射装置29が配置されている。
本実施の形態の場合、金型1の周囲に同心円状に円盤形状の離型環31が配置されている。この離型環31の側面にはラック等の歯車の送り歯31aが切ってあり、この送り歯31aには、パルスモータ36によって回転駆動するピニオン等の歯車35が歯合している。
【0021】
そして、パルスモータ36により、歯車35の回転方向および回転量を制御することで、送り歯31aおよび歯車35によって構成されるラック/ピニオン機構により、送り歯31aを介して歯車35に歯合する離型環31が、金型1の軸方向(図1の上下方向)に、当該金型1とは独立に、所望の位置に直線変位させることが可能になっている。
【0022】
なお、離型環31は金型1の周方向に遊動状態に装着されているため、パルスモータ36によって駆動される歯車35に送り歯31aが歯合することにより、離型環31は、直線変位とともに、金型1の中心軸(光軸)の回りの回転変位も与えられる。
【0023】
この離型環31の口径は、後述のように、成形後の紫外線硬化型樹脂15(エネルギー硬化型樹脂)を金型1から剥離するためにちょうど光学基材11の外周部(コバ部11a)の全周に当接して押圧可能な寸法に設定されている。
【0024】
この構造により、図示しない位置制御回路によってパルスモータ36を制御して歯車35を回動させることで、たとえば、離型環31は金型1とは独立に光学軸方向に位置制御をしながら一定速度で上下動させることができる。
【0025】
本実施の形態の場合、さらに、離型環31には、図示しない駆動回路によって当該離型環31の下端面に当接する光学基材11のコバ部11aに対して突出する方向に直線往復動作を行うことにより、当該光学基材11のコバ部に対して衝撃力を与える衝撃発生部材32が配置されている。
【0026】
これらの機構を搭載した金型1は、上述のように、金型保持部材3によって保持され、金型押え板2によって金型保持部材3に固定されている。
上記、金型1及びその他の機構を保持し固定した金型保持部材3は成形機金型軸本体27に固定されており、成形機架台22に設置される光学基材11の光軸方向(上下方向)に精密な位置制御を行いながら移動可能となっている。
【0027】
すなわち、金型1が搭載された成形機金型軸本体27の基端部は、結合部材26を介してスライドテーブル18に上下動可能に支持されている。
さらに、成形機金型軸本体27を支持するスライドテーブル18は、結合部材26を介してボールネジ21に接続されている。
【0028】
このボールネジ21の一端は、カップリング24を介してサーボモータ23の回転得に同軸に結合されている。
そして、サーボモータ23の回転方向および回転量を制御することで、成形機金型軸本体27に搭載された金型1は任意に高さに精密に移動および位置決めが可能である。
【0029】
次に上述のように構成された本実施の形態の複合型光学素子成形装置Mの作用を説明する。
光学基材11の上に必要量の紫外線硬化型樹脂15を供給し、図示しない搬送装置により光学基材受け台12上に搬送した後、チャック爪28にて金型1と同軸となるように芯出しして固定する。
【0030】
その後、温度Tが、たとえば常温T0から紫外線硬化型樹脂15の硬化に最適な硬化温度T1(第1温度)に調節された金型1を、サーボモータ23およびボールネジ21の駆動により下降させ、成形面1aによって光学基材11の上の紫外線硬化型樹脂15を押し広げ、光軸位置で所定の厚さになるように押圧し、さらに、紫外線照射装置29から出射される紫外線29aを光学基材11を介して下側から照射することで紫外線硬化型樹脂15を硬化させる(第1工程)。
【0031】
これにより、金型1の成形面1aの形状(所望の光学機能面)が、光学基材11に被着された紫外線硬化型樹脂15の表面に転写される。
この状態では、金型1の成形面1aと紫外線硬化型樹脂15とは密着状態にあり、容易に剥離することは困難である。この状態において、金型1の温度を上述の硬化に最適な硬化温度T1から温度降下ΔT(たとえば10℃)だけ温度を下げて離型温度T2(第2温度)となるように調節するとともに、光学基材11の外周を拘束していたチャック爪28を開放し、サーボモータ23によるボールネジ21の駆動により、成形された複合型光学素子(光学基材11および紫外線硬化型樹脂15)と光学基材受け台12の間に図示しない搬送装置が入り込める程度の高さまで当該複合型光学素子を金型1とともに上昇させ、当該搬送装置を待機させる。
【0032】
そして、金型1の温度が目的の離型温度T2に安定したことを温度コントロールユニット7が温度センサ4を介して検出し、この金型1が離型温度T2に安定したことを契機に、パルスモータ36(歯車35)を作動させ、離型環31が一定速度で回転しながら金型1と紫外線硬化型樹脂15を剥離する方向に光学基材11のコバ部11aの全周を一定の力(第1外力)を継続的に加えるように押しつけて停止させる(第2工程)。この状態では金型1の成形面1aと紫外線硬化型樹脂15の境界面に歪と滑りが拡大しつつあるが剥離には至らない。
【0033】
さらに金型1と紫外線硬化型樹脂15の剥離を完全にするために離型環31に設けられた衝撃発生部材32を素早く作動させ、光学基材11のコバの一部に衝突(当接)させることで一時的な衝撃力(第2外力)を加える(第3工程)。
【0034】
このとき、衝撃発生部材32はいわゆるハンマーの様な役目をはたし、衝撃発生部材32から衝撃が加えられた光学基材11に固着している紫外線硬化型樹脂15と金型1の成形面1aとの境界には空隙が発生し、オプティカルコンタクト状態であった金型1の成形面1aと紫外線硬化型樹脂15の関係は崩れ、金型1の成形面1aの全体が紫外線硬化型樹脂15から剥離する離型動作が実現する。
【0035】
そして、紫外線硬化型樹脂15および光学基材11からなる成形済みの複合型光学素子は、この離型動作によって、金型1から離脱して落下し、上述のように、予め下方に待機していた図示しない搬送装置に受け止められて回収される。
【0036】
上述の本実施の形態における複合型光学素子成形装置Mの一連の動作における金型1、離型環31、衝撃発生部材32、紫外線照射装置29等の各部の連携動作のタイミングが図2に例示されている。
【0037】
以上のように構成された成形機構での成形によれば、下記のような効果を得ることができる。
この実施の形態によれば、紫外線硬化型樹脂15を硬化させるために金型1を最適な温度(硬化温度T1)に調節させた後、金型1を硬化温度T1から離型温度T2まで温度降下ΔTだけ冷却することにより剥離するための安定した温度状態にし、金型1の周囲に設けられた離型環31を徐々に光学基材11のコバ部11aの全周に押し当てることで金型1と紫外線硬化型樹脂15の間に大きく歪を発生させ、さらに衝撃発生部材32を勢いよく光学基材11のコバ部11aの一部に打ち当てることで剥離方向に衝撃を与えて、金型1と紫外線硬化型樹脂15の間に空隙を発生させて完全に金型1と紫外線硬化型樹脂15を剥離させることができる。
【0038】
また、本実施の形態では、金型1の温度制御のために設けられている一般的な温度センサ4を利用して離型環31および衝撃発生部材32の動作のタイミングを制御しているので、金型1と紫外線硬化型樹脂15との間の剥離力の変化を監視するための圧力センサ等の高価な部品も不要である。
【0039】
すなわち、複合型光学素子成形装置M等の成形設備や製造コストの増大を招くことなく、エネルギー硬化型樹脂と成形型との離型を確実に行わせることが可能な複合光学型光学素子の成形技術を提供することができる。
【0040】
なお、本発明は、上述の実施の形態に例示した構成に限らず、その趣旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることは言うまでもない。
[付記1]
光学基材表面に紫外線硬化型の樹脂を配置し、前記光学基材に配置した前記樹脂を所望形状の有する金型に圧着して樹脂を押し広げ、紫外線を照射して樹脂層を硬化させた後、前記金型と樹脂層を剥離する複合型光学素子の成形方法に於いて、
前記樹脂層の硬化に最適な温度に安定する工程と、
樹脂層の硬化後、金型を冷却する工程と、
金型と樹脂層を光学軸方向に剥離する方向に緩やかに外力を加える工程と、
前記の緩やかに外力を加えた後、さらに同方向に衝撃的な外力を加える工程と、
を有することを特徴とする複合型光学素子の成形方法。
[付記2]
光学基材表面に紫外線硬化型の樹脂を配置し、前記光学基材に配置した前記樹脂を所望形状の有する金型に圧着して樹脂を押し広げ、紫外線を照射して樹脂層を硬化させた後、前記金型と樹脂層を剥離する複合型光学素子の成形装置に於いて、
前記金型の周囲部を金型から独立して、金型と樹脂層を光学軸方向に剥離する方向に可動できる機構を有することを特徴とする成形装置。
[付記3]
付記2記載の成形装置に於いて、金型の周囲部の平面部の一部が周囲部から独立して、金型と樹脂層を光学軸方向に金型の軸方向に直進可動できる機構を有することを特徴とする成形装置。
[付記4]
付記2記載の成形装置に於いて、金型に冷却する機構を有することを特徴とする成形装置。
[付記5]
付記2記載の成形装置に於いて、金型に加熱する機構を有することを特徴とする成形装置。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明の一実施の形態である複合型光学素子の成形方法を実施する成形装置の構成の一例を示す略断面図である。
【図2】その作用の一例を示す線図である。
【符号の説明】
【0042】
1 金型
1a 成形面
1b 背面凹部
2 金型押え板
3 金型保持部材
4 温度センサ
7 温度コントロールユニット
11 光学基材
11a コバ部
12 光学基材受け台
15 紫外線硬化型樹脂
18 スライドテーブル
21 ボールネジ
22 成形機架台
23 サーボモータ
24 カップリング
26 結合部材
27 成形機金型軸本体
28 チャック爪
29 紫外線照射装置
29a 紫外線
31 離型環
31a 送り歯
32 衝撃発生部材
34 加熱冷却素子
35 歯車
36 パルスモータ
M 複合型光学素子成形装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光学基材と成形型の間に存在するエネルギー硬化型樹脂に前記成形型の形状を転写して硬化させる複合型光学素子の成形方法であって、
前記エネルギー硬化型樹脂を硬化させる第1工程と、
前記成形型と前記エネルギー硬化型樹脂を剥離する方向に持続的に第1外力を加える第2工程と、
前記成形型と前記エネルギー硬化型樹脂を剥離する方向に一時的に第2外力を加える第3工程と、
を含むことを特徴とする複合型光学素子の成形方法。
【請求項2】
請求項1記載の複合型光学素子の成形方法において、
前記第1工程では、前記エネルギー硬化型樹脂の硬化に先立って、前記エネルギー硬化型樹脂に接する前記成形型を第1温度に制御し、
前記第2工程では、前記第2外力を加える動作に先立って、前記成形型を前記第1温度から第2温度に冷却する、ことを特徴とする複合型光学素子の成形方法。
【請求項3】
請求項2記載の複合型光学素子の成形方法において、
前記エネルギー硬化型樹脂は紫外線硬化型樹脂であり、前記第1温度は前記紫外線硬化型樹脂の硬化に最適な温度であり、前記第2温度は前記成形型と前記エネルギー硬化型樹脂の熱膨張率の差を利用して離型を促す温度であることを特徴とする複合型光学素子の成形方法。
【請求項4】
光学基材に対向し、前記光学基材との間に供給されるエネルギー硬化型樹脂に光学機能面を転写する成形型と、
前記成形型の回りに配置され、当該成形型と前記光学基材とを離間させる方向に持続的に作用する第1外力を発生することが可能な第1離型手段と、
前記光学基材に一時的な第2外力を与える第2離型手段と、
を含むことを特徴とする成形装置。
【請求項5】
請求項4記載の成形装置において、
前記第1離型手段は、前記成形型の外周部に同軸に配置され、当該成形型とは独立に変位する離型環からなることを特徴とする成形装置。
【請求項6】
請求項4記載の成形装置において、
前記成形型は、当該成形型の温度を制御する温度制御手段を備えたことを特徴とする成形装置。
【請求項7】
請求項4記載の成形装置において、
前記エネルギー硬化型樹脂の硬化後、前記成形型を冷却した後に、前記第1離型手段から前記光学基材に前記第1外力を作用させ、さらに前記第2離型手段から前記第2外力を前記光学基材に作用させることを特徴とする成形装置。

【図2】
image rotate

【図1】
image rotate


【公開番号】特開2009−202466(P2009−202466A)
【公開日】平成21年9月10日(2009.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−47989(P2008−47989)
【出願日】平成20年2月28日(2008.2.28)
【出願人】(000000376)オリンパス株式会社 (11,466)
【Fターム(参考)】