説明

複合機能印刷システム及び複合機能印刷システム群

【課題】 完全なOCR機能を必要とすることもなく、交付文書の原本性を確認することを可能とする。
【解決手段】 印刷出力する交付文書の原本性の確認機能を有する複合機能印刷システムであり、複合機能印刷システムの画像スキャナー部に搭載されたOCR機能を利用して文字コードベースでの原本性確認を行い、特に原本性確認の為のオリジナルデータの登録を行う際には、交付文書データから直接文字コードを得るのではなく、印刷出力の為の画像展開後の画像電子データを、画像スキャナー部のOCR機能に掛けることによって、OCR機能の性能特質に従って認識された文字コードを得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複合機能印刷システムが印刷出力する印刷物について、原本性を保証する、若しくは原本性の保証を補完する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、原本性を必要とする印刷物は、地紋等が紙面上に予め印刷された特殊な印刷用紙を用いることで、その特殊な印刷用紙の入手の困難さをもって原本性を保証していた。
【0003】
或いは、認証局たるべき機構や機構の長の印章を押印することで、その印章の入手の困難さをもって原本性を保証していた。
【0004】
或いは上記二つの方法を合わせて原本性を保証していた。
【0005】
また、画像スキャナーによって原稿を読み取った電子画像情報をもって、認証局たるべき機構が保管する電子画像情報と検索・比較することで原本性を確認する場合、取得した電子画像電子情報そのものや、或いはその電子画像情報そのものから算出されるハッシュ値等の特徴情報をもって原本性を保証していた。
【0006】
或いはまた、特許文献1によれば、印刷出力さる交付文書から直接、文字列情報とその文字列のレイアウト情報を取得し、該文字列情報から所定の演算で算出される認証値と該レイアウト情報とを合わせた認証情報を、交付文書上に付加して印刷出力し、認証時には、光学的に読み取った交付文書から該認証情報を取得し、認証情報からレイアウト情報を求め、該レイアウト情報に従って交付文書から文字列情報をOCR機能により取得し、所定の演算で算出される認証値を、交付文書上に印刷された認証情報中の元の認証値と比較して原本性を確認するか、或いは元の認証値を、交付文書の印刷出力時に、認証局たる機構に保管し、認証時に問い合せることで原本性を確認している。
【特許文献1】特開2004-13287号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、各種交付文書の電子化が進むにあたり、その交付文書が交付者の管理外で印刷出力されることに利便性が求められる状況が多く現れ始め、地紋等が紙面上に予め印刷された特殊な印刷用紙の入手の困難さをもって原本性を保証することや、認証局たるべき機構や機構の長の印章の入手の困難さをもって原本性を保証することが、上記の利便性を阻害することになる為、新たなる原本性保証の技術が必要とされ始めた。
【0008】
また画像スキャナーによって交付文書原稿を読み取った電子画像情報そのものをもって、認証局たるべき機構が保管する電子画像情報そのものと検索・比較することで原本性を確認する場合、画像スキャナーで読み取る電子画像情報は、原稿のスキャナー台への置き方のわずかな違いや、原稿紙面上のかすかな汚れ等で、同一の原稿であっても異なる電子画像情報として読み取られてしまう為、安易に電子画像情報そのもの同士を突き合わせて比較するだけでは、同一であることの確認が困難であり、実用性に乏しかった。
【0009】
また特許文献1による原本性確認の技術では、元の認証値を求める為の文字列情報を、交付文書そのものに求めている為、認証時にOCR機能が認識する文字列情報との差異が考慮されておらず、完全なOCR機能が出現するまで、その実用性が疑問視される。
【0010】
更に認証情報を交付文書上に付加して印刷出力させるので、交付文書自体をオリジナル状態で印刷出力しないという問題点も残されている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
かかる問題を解決する為、本発明は、
交付文書の印刷時には、交付文書を印刷出力する直前の印刷画像データから、OCR機能を用いることで、当該OCR機能の特徴に従って光学的に認識された文字コード情報を抽出し、その文字コード情報を、或いは文字コード情報から算出されるハッシュ値等の文字コード固有情報を、二次記憶装置に保管し、
交付文書の認証時には、印刷出力されてある交付文書を画像スキャナー部で画像データとして読み込み、読み込み画像データから、OCR機能を用いることで、当該OCR機能の特徴に従って光学的に認識された文字コード情報を抽出した文字コード情報を、或いは文字コード情報から算出されるハッシュ値等の文字コード固有情報を、該二次記憶装置に保管されてある文字コード情報と、若しくは文字コード固有情報と、検索・比較検討することによって、原本性を保証する技術、若しくは原本性の保証を補完する技術を提供するものである。
【発明の効果】
【0012】
本発明記載の技術に拠れば、特殊な印刷用紙の入手の困難さや、認証局たるべき機構や機構の長の印章の入手の困難さを利用することなく、また電子画像情報そのもの同士を突き合わせて比較する訳ではないので、交付文書原稿の紙面状態や、スキャナー台への交付文書原稿の置き方について、過剰に慎重になる必要もなく、また交付文書から直接抽出された文字列情報と、完全に合致する文字列情報を、交付文書画像データから認識できる、完全なOCR機能を必要とすることもなく、交付文書の原本性を確認することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
図1が本発明を実施する為に最良の形態の例である。
【0014】
101.は交付文書のDB等にアクセスするPCやWS等であり、本発明が提案するところの複合機能印刷システムに、印刷ジョブを送信するホスト機器である。
【0015】
102.は交付文書が印字制御コードデータに変換された場合の模式図である。
【0016】
103.は本発明が提案するところの複合機能印刷システム(A)で1台のデバイスとして存在する。
【0017】
104.は本発明が提案するところの複合機能印刷システム(A)のプリンター部である。
【0018】
105.は104のプリンター部が102のデータを解釈してビットマップメモリー上に展開した画像電子データの模式図である。
【0019】
106.は本発明が提案するところの複合機能印刷システム(A)の画像スキャナー部である。
【0020】
107.は106の画像スキャナー部のOCR機能を作用させて、105の画像電子データから取得した、文字レイアウト情報と文字コード情報のデータの模式図である。
【0021】
108.は一般にダイジェスト関数等と言われるところの、文字コード情報からハッシュ値等の文字コード固有情報を算出する、符号化機能である。
【0022】
109.は108の符号化機能によって107の文字レイアウト情報と文字コード情報のデータから算出された文字コード固有情報のデータの模式図である。
【0023】
110.は文字コード固有情報を保存する二次記憶装置である。
【0024】
111.は103の複合機能印刷システムの104のプリンター部が画像展開した画像電子データである105を、実際の用紙上にハードコピーとして印刷出力する、本発明が提案するところの複合機能印刷システム群の内の単機能印刷システム(B)である。
【0025】
112.は、103の複合機能印刷システムの104のプリンター部が画像展開した画像電子データである105を、本発明が提案するところの複合機能印刷システム群の内の単機能印刷システム(B)がハードコピーとして実際の用紙上に印刷出力した交付文書である。
【0026】
113.は本発明が提案するところの複合機能印刷システム(B)で、1台のデバイスとして存在する。
【0027】
114.は本発明が提案するところの複合機能印刷システム(B)の画像スキャナー部である。
【0028】
115.は113の画像スキャナー部のOCR機能を作用させて、111の交付文書のハードコピーから取得した、文字レイアウト情報と文字コード情報のデータの模式図である。
【0029】
116.は一般にダイジェスト関数等と言われるところの、文字コード情報からハッシュ値等の文字コード固有情報を算出する、符号化機能である。
【0030】
117.は108の符号化機能によって115の文字レイアウト情報と文字コード情報のデータから算出された文字コード固有情報のデータの模式図である。
【0031】
118.は117の文字コード固有情報について、同一のものが110の二次記憶装置に保存されているか、検索比較する符号検索比較機能である。
【0032】
119.は本発明が提案するところの複合機能印刷システム群の各デバイスを、相互に情報交換可能なように接続する、LANやWANやインターネットやイントラネット等のネットワーク・インフラストラクチャーである。
【0033】
次に、1から16の矢印付き点線で示されたデータ処理の流れに従って、本発明を実施する為に最良の形態の例の処理手順を説明する。
【0034】
1.交付文書原稿は101のホスト機器において、102の印刷制御コードに変換される。
【0035】
2.102の印刷制御コードは、116のネットワーク等を通じて、もしくはローカル接続の場合はその他のインターフェースを介して103の複合機能印刷システム(A)の104のプリンター部に送信される。
【0036】
3.104のプリンター部は受信した102の印刷制御コードを解釈して画像に展開し、105の画像電子データを生成する。
【0037】
4.105の画像電子データは106の画像スキャナー部へ送られる。
【0038】
5.106の画像スキャナー部は、受け取った105の画像電子データから、OCR機能によって、文字画像を、そのレイアウトも独自解釈しながら文字として認識し、107の文字レイアウト情報と文字コード情報のデータを生成する。
【0039】
ここで、OCR機能はその性能特性によっては、必ずしも交付文書原稿どおりの文字認識が出来るとは限らず、この例では“C”と“G”を“O”に、“0”を“()”に、“...”を“_”に認識したことになっている。
【0040】
また“ABCDEFG”1行を一つの文章ブロック、“0123456”と“...”の2行を一つの文章ブロックであるとレイアウト認識したことにしている。
【0041】
6.107の文字レイアウト情報と文字コード情報のデータは、108の符号化機能に渡される。
【0042】
7.108の符号化機能は、受け取った107の文字レイアウト情報と文字コード情報のデータから、109のハッシュ値等の文字コード固有情報のデータを算出する。
【0043】
ここで、複数の文章ブロックの存在が確認されていることをレイアウト情報が示す場合、それらの複数の文章ブロックが独立した複数の文字列として符号化され、文章ブロック数分の複数の文字コード固有情報を算出する方法もあり、また複数の文章ブロックを任意の順序で連続させ、交付文書の1ページを一連の一個の文字列として一つの文字コード固有情報を算出する方法もある。
【0044】
8.109の文字コード固有情報は、110の二次記憶装置に保存される。
【0045】
以上の1から8を以って、交付文書の文字コード固有情報の原本性確認データとしての登録が完了する。
【0046】
9.104のプリンター部が画像に展開した105の画像電子データは、印刷データとして、116のネットワーク等を通じて送信され、111の単機能印刷システム(B)に受信される。
【0047】
10.11の単機能印刷システム(B)は受信した105の画像電子データから、ハードコピーとして112の交付文書を印刷出力する。
【0048】
以上の1から3と9、10を以って、交付文書の発行が完了する。
【0049】
11.112の交付文書は、原稿として113の複合機能印刷システム(B)の114の画像スキャナー部にて、画像電子データに読み込まれる。
【0050】
12.114の画像スキャナー部が読み込んだ画像電子データは、OCR機能によって、文字画像が、そのレイアウトも独自解釈されながら文字として認識され、115の文字レイアウト情報と文字コード情報のデータが生成される。
【0051】
ここで、OCR機能はその性能特性によっては、必ずしも交付文書原稿どおりの文字認識が出来るとは限らないが、本発明が提案するところの複合機能印刷システム(A)と複合機能印刷システム(C)が同一製品、若しくは同一シリーズ系列の製品であるならば、上記5の処理の例と同様に、“C”と“G”を“O”に、“0”を“()”に、“...”を“_”に認識することになる。
【0052】
またここで本発明が提案するところの複合機能印刷システム(A)と複合機能印刷システム(C)が同一製品、若しくは同一シリーズ系列の製品であるならば、上記5の処理の例と同様に、“ABCDEFG”1行を一つの文章ブロック、“0123456”と“...”の2行を一つの文章ブロックであるとレイアウト認識することになる。
【0053】
13.115の文字レイアウト情報と文字コード情報のデータは、116の符号化機能に渡される。
【0054】
14.116の符号化機能は、受け取った115の文字レイアウト情報と文字コード情報のデータから、117のハッシュ値等の文字コード固有情報のデータを算出する。
【0055】
ここで上記7の処理と同じく、複数の文章ブロックの存在が確認されていることをレイアウト情報が示す場合、それらの複数の文章ブロックが独立した複数の文字列として符号化され、文章ブロック数分の複数の文字コード固有情報を算出する方法もあり、また複数の文章ブロックを任意の順序で連続させ、交付文書の1ページを一連の一個の文字列として一つの文字コード固有情報を算出する方法もあるが、本発明が提案するところの複合機能印刷システム(A)と複合機能印刷システム(C)が同一製品、若しくは同一シリーズ系列の製品であるならば、同じ手続きで文字コード固有情報が算出されることになる。
【0056】
15.113の複合機能印刷システム(C)は、117の文字コード固有情報についての登録があるかどうかを、103の複合機能印刷システム(A)の118の符号検索比較機能に照会する。
【0057】
16.118の符号検索比較機能は、115の複合機能印刷システム(C)から問い合わされた117の文字コード固有情報について、110の二次記憶装置に登録されてある物なのか、検索し、比較した結果同一のものが見つかれば、原本性ありとして115の複合機能印刷システム(C)に通達する。検索し、比較した結果同一のものが見つかなければ、原本性なしとして115の複合機能印刷システム(C)に通達する。
【0058】
以上の11から16を以って、交付文書の原本性確認が完了する。
【0059】
図2は本発明が提案するところの複合機能印刷システムの部品構成の例を示す図である。
【0060】
以下、上記の1.から16.の処理手続きに関わる、図2の各部品の働きについて説明する。
【0061】
201.はNetworkインターフェース部であり、2の受信手続きとして、101のホスト機器から、102の印字制御コードデータを受信する働きをする。
【0062】
また9の送信手続きとして、105の画像電子データを、111の単機能印刷システムに送信する働きをする。
【0063】
また15の照会手続きとして、文字コード固有情報を受信し、また16の回答手続として、紹介結果を送信する働きをする。
【0064】
202.は二次記憶装置部であり、8の保存手続きとして、109の文字コード固有情報を保存する働きをする。
【0065】
203.は画像スキャナーCPUで、204に格納されてあるプログラムを実行することにより、11の画像読み込み手続きとして、208の画像スキャナーエンジン部から、207の画像スキャナーVideoインターフェース部を介して、206の画像スキャナー画像メモリー部に、画像電子データを取得する為の演算処理を行う。
【0066】
またOCR機能も画像スキャナーの機能の一部として提供されるので、OCR機能の為のプログラムも204に格納されてあり、そのプログラムを実行することにより、5と12の文字認識手続きとして、206の画像スキャナー画像メモリー部にある画像電子データから、文字画像を認識して文字コードを生成する為の演算処理を行う。
【0067】
204.は203の画像スキャナーCPUに実行される画像スキャナープログラム部であり、またOCR機能も画像スキャナーの機能の一部として提供されるので、OCR機能の為のプログラム部でもあり、ROM若しくはHDDに格納されていて、HDDに格納されてある場合は、一旦205の画像スキャナープログラムWORKメモリー部にロードされて実行される。
【0068】
205.は画像スキャナープログラムWORKメモリー部であり、204の画像スキャナープログラムがHDDに格納されてある場合は、そのプログラムがロードされる領域であり、或いはその他画像スキャナープログラムに汎用的に利用される。
【0069】
またOCR機能も画像スキャナーの機能の一部として提供されるので、OCR機能の為のプログラムがロードされる領域でもあり、5と12の文字認識手続きとして、OCR機能によって認識された文字レイアウト情報と文字コード情報のデータが格納される領域でもある。
【0070】
206.は画像スキャナー画像メモリー部であり、113の複合機能印刷システム(C)においては、11の画像読み込み手続きとして、207の画像スキャナーVideoインターフェース部から取得された画像電子データを記憶する。
【0071】
また103の複合機能印刷システム(A)においては、4の画像電子データ複製手続きとして、212のプリンター画像メモリー部に展開された画像電子データを複製記憶する。
【0072】
207.は画像スキャナーVideoインターフェース部であり、208の画像スキャナーエンジン部からの画像電子データを取得する。
【0073】
208.は画像スキャナーエンジン部であり、11の画像読み込み手続きとして、ハードコピー原稿を光学的に読み取り、画像電子データを207の画像スキャナーVideoインターフェース部に送信する。
【0074】
209.はプリンターCPUで、210に格納されてあるプログラムを実行することにより、2の受信手続きとして、201のNetworkインターフェース部から受信した印刷制御コードを解釈し、3の画像展開手続きとして、画像電子データを212のプリンター画像メモリー部に展開する為の演算処理を行う。
【0075】
また、111の単機能印刷システム(B)においては、212のプリンター画像メモリー部の画像電子データを、10の印刷手続きとして、213のプリンターVideoインターフェース部を介して、214のプリンターエンジン部に対して、印刷させる為の演算処理を行う。
【0076】
または、103の複合機能印刷システム(A)においては、212のプリンター画像メモリー部の、画像電子データを、9の送信手続きとして、201のNetworkインターフェース部を介して、外部の複合機能印刷システムもしくは単機能印刷システムに対して送信する為の演算処理を行う。
【0077】
210.は209のプリンターCPUに実行されるプリンタープログラム部であり、ROM若しくはHDDに格納されていて、HDDに格納されてある場合は、一旦211のプリンタープログラムWORKメモリー部にロードされて実行される。
【0078】
211.はプリンタープログラムWORKメモリー部であり、210のプリンタープログラムがHDDに格納されてある場合は、そのプログラムがロードされる領域であり、或いはその他プリンタープログラムに汎用的に利用される。
【0079】
212.はプリンター画像メモリー部であり、画像電子データを記憶する。
【0080】
この画像電子データは、103の複合機能印刷システム(A)においては、201のNetworkインターフェース部から受信した印刷制御コードを解釈し展開したものであり、201のNetworkインターフェース部を介して、外部の複合機能印刷システムもしくは単機能印刷システムに対して送信されるものである。
【0081】
または、111の単機能印刷システム(B)においては、9の受信手続きとして、201のNetworkインターフェース部から受信した展開済み電子画像データであり、10の印刷手続きとして、213のプリンターVideoインターフェース部を介して、214のプリンターエンジン部より印刷出力されるものである。
【0082】
213.はプリンターVideoインターフェース部であり、214のプリンターエンジン部に対して画像電子データを送信する。
【0083】
214.はプリンターエンジン部であり、10の印刷手続きとして、213のプリンターVideoインターフェース部から受信する画像電子データを、ハードコピー原稿として印刷出力する。
【0084】
215.は符号検索比較機能CPUで、216に格納されてあるプログラムを実行することで、15の照会手続きとして、201のNetworkインターフェース部から受信した文字コード固有情報と同一のものを、202に格納されてある文字コード固有情報から検索し比較する為の演算処理を行う。
【0085】
また、16の回答手続きで、201のNetworkインターフェース部を介して、外部の複合機能印刷システムもしくは単機能印刷システムに対して、検索比較結果を送信する為の演算処理を行う。
【0086】
216.は215の符号検索比較機能CPUに実行される符号検索比較機能プログラム部であり、ROM若しくはHDDに格納されていて、HDDに格納されてある場合は、一旦217の符号検索比較機能プログラムWORKメモリー部にロードされて実行される。
【0087】
217.は符号検索比較機能プログラムWORKメモリー部であり、216の符号検索比較機能プログラムがHDDに格納されてある場合は、そのプログラムがロードされる領域であり、或いはその他符号検索比較機能プログラムに汎用的に利用される。
【0088】
218.は符号化機能CPUで、219に格納されてあるプログラムを実行することで、7と14の符号化手続きとして、205の画像スキャナープログラムWORKメモリー部に格納されてある文字レイアウト情報と文字コード情報のデータから、ダイジェスト関数等として知られる手続きをもって、ハッシュ値等の文字コード固有情報を算出する為の演算処理を行う。
【0089】
または、103の複合機能印刷システム(A)においては、算出した文字コード固有情報を、8の保存手続きとして、202の二次記憶装置部に格納する為の演算処理を行う。
【0090】
または、113の複合機能印刷システム(C)においては、15の照会手続きとして、201のNetworkインターフェースを介して、103の複合機能印刷システム(A)に対して文字コード固有情報の登録確認と、16の回答手続きとして、201のNetworkインターフェースを介して、103の複合機能印刷システム(A)から回答される、文字コード固有情報の登録確認結果受信とを、行う為の演算処理を行う。
【0091】
219.は218の符号化機能CPUに実行される符号化機能プログラム部であり、ROM若しくはHDDに格納されていて、HDDに格納されてある場合は、一旦220の符号化機能プログラムWORKメモリー部にロードされて実行される。
【0092】
220.は符号化機能プログラムWORKメモリー部であり、219の符号化機能プログラムがHDDに格納されてある場合は、そのプログラムがロードされる領域であり、或いはその他符号化機能プログラムに汎用的に利用される。
【0093】
221.システムBUSであり、各部品間相互のデータが往来する。
【0094】
上記201から221の部品の内、203の画像スキャナーCPU、209のプリンターCPU、215の符号検索比較機能CPU、218の符号化機能CPUについては、その全部もしくは一部は、同一のCPUであってもよい。
【0095】
また、上記201から221の部品の内、204の画像スキャナープログラム部、210のプリンタープログラム部、216の符号検索比較機能プログラム部、219の符号化機能プログラム部については、その全部もしくは一部は、同一のプログラムであってもよい。
【0096】
また、上記201から221の部品の内、205の画像スキャナープログラムWORKメモリー部、211のプリンタープログラムWORKメモリー部、217の符号検索比較機能プログラムWORKメモリー部、220の符号化機能プログラムWORKメモリー部、206の画像スキャナー画像メモリー部、212のプリンター画像メモリー部については、その全部もしくは一部は、同一の領域を持つRAMメモリーであってもよい。
【0097】
(その他の実施例1)
図3に示すように、103の複合機能印刷システム(A)の104のプリンター部にて画像展開された交付文書の画像電子データは、そのまま104のプリンター部でハードコピーとしての112の交付文書に印刷出力されてもよく、その場合、9の送信手続きが10の印刷手続きに吸収され、111の単機能印刷システム(B)は省略されることが可能となる。
【0098】
(その他の実施例2)
図4に示すように、103の複合機能印刷システム(A)の104のプリンター部における画像展開機能の性能特質が、111の単機能印刷システムの画像展開機能の性能特質と或る程度同一の物である場合は、9の送信手続きで送られる印刷データは、必ずしも105の展開済み画像電子データである必要は無く、102の印刷制御コードデータをそのまま転送しても良い。
【0099】
(その他の実施例3)
図5に示すように、103の複合機能印刷システム(A)一台をもって、111の単機能印刷システム(B)と113の複合機能印刷システム(C)を兼ねることも可能であり、その場合は、103の複合機能印刷システム(A)の104のプリンター部にて、ハードコピーとしての112の交付文書が印刷出力されることで交付文書の発行が完了し、112の交付文書が原稿として106の画像スキャナー部にて画像電子データに読み込まれ、106の画像スキャナー部のOCR機能によって115の文字レイアウト情報と文字コード情報のデータに変換され、そして更に108の符号化機能に渡されて117のハッシュ値等の文字コード固有情報のデータが算出され、それを118の符号検索比較機能が110の二次記憶装置に登録されてある物なのか検証することで交付文書の原本性確認が完了する。
【図面の簡単な説明】
【0100】
【図1】本発明を実施する為に最良の形態の例を示す構成図。
【図2】本発明が提案する複合機能印刷システムの構成の一例を示す部品構成図。
【図3】本発明その他の実施例1を示す構成図。
【図4】本発明その他の実施例2を示す構成図。
【図5】本発明その他の実施例3を示す構成図。
【符号の説明】
【0101】
1. 印刷制御コード送信手続き
2. 送信手続き
3. 印刷制御コードの解釈および画像展開手続き
4. 画像電子データのプリンター部から画像スキャナー部へのデータ受け渡し手続き
5. OCR手続き(文字レイアウト情報と文字コード情報のデータ生成手続き)
6. 文字レイアウト情報と文字コード情報のデータの符号化機能へのデータ受け渡し手続き
7. 符号化手続き(ハッシュ値等文字コード固有情報のデータ算出手続き)
8. 二次記憶装置への保存手続き
9. 印刷データの送受信手続き
10. 交付文書の印刷出力手続き
11. 交付文書の画像スキャナーによる読み込みて続き
12. OCR手続き(文字レイアウト情報と文字コード情報のデータ生成手続き)
13. 文字レイアウト情報と文字コード情報のデータの符号化機能へのデータ受け渡し手続き
14. 符号化手続き(ハッシュ値等の文字コード固有情報のデータの算出手続き)
15. 符号検索比較の照会手続き
16. 符号検索比較の回答手続き
101. 交付文書のDB等にアクセスするPCやWS等のホスト機器
102. 印字制御コードデータの模式図
103. 本発明が提案するところの複合機能印刷システム群の内の複合機能印刷システム(A)
104. プリンター部
105. 画像電子データの模式図
106. 画像スキャナー部
107. 文字レイアウト情報と文字コード情報のデータの模式図
108. 符号化機能
109. 文字コード固有情報のデータの模式図
110. 二次記憶装置
111. 本発明が提案するところの複合機能印刷システム群の内の単機能印刷システム(B)
112. ハードコピーとして実際の用紙上に印刷出力した交付文書
113. 本発明が提案するところの複合機能印刷システム群の内の複合機能印刷システム(B)
114. 画像スキャナー部
115. 文字レイアウト情報と文字コード情報のデータの模式図
116. 符号化機能
117. 文字コード固有情報のデータの模式図
118. 符号検索比較機能
119. LANやWANやインターネットやイントラネット等のネットワーク・インフラストラクチャー
201. Networkインターフェース部
202. 二次記憶装置部
203. 画像スキャナーCPU
204. 画像スキャナープログラム部(ROM/HDD)
205. 画像スキャナープログラムWORKメモリー部(RAM)
206. 画像スキャナー画像メモリー部(RAM)
207. 画像スキャナーVideoインターフェース部
208. 画像スキャナーエンジン部
209. プリンターCPU
210. プリンタープログラム部(ROM/HDD)
211. プリンタープログラムWORKメモリー部(RAM)
212. プリンター画像メモリー部(RAM)
213. プリンターVideoインターフェース部
214. プリンターエンジン部
215. 符号検索比較機能CPU
216. 符号検索比較機能プログラム部(ROM/HDD)
217. 符号検索比較機能プログラムWORKメモリー部(RAM)
218. 符号化機能CPU
219. 符号化機能プログラム部(ROM/HDD)
220. 符号化機能プログラムWORKメモリー部(RAM)
221. システムBUS

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも画像スキャナー部とプリンター部を有する複合機能印刷システムであり、
特に画像スキャナー部が読み込んだ画像データから光学的に文字を認識する機能(以下OCR機能)を1種類以上搭載する複合機能印刷システムであり、
特にパーソナルコンピュータ(以下PC)やワークステーション(以下WS)といったホスト機器から与えられる画像データ、若しくは同ホスト機器から与えられるページ記述言語(以下PDL)等のデータを解釈して画像に展開した画像データ、を印刷出力するプリンター部を有する複合機能印刷システムであり、
また特筆すべき一つ目の特徴として、印刷出力する前の画像データから、上述のOCR機能を用いることで、当該OCR機能の特徴に従って光学的に認識された文字コード情報を抽出し、その文字コード情報を、或いは文字コード情報から算出されるハッシュ値等の文字コード固有情報を、システム内部もしくは外部の二次記憶装置に保管する機能を有する複合機能印刷システムであり、
更に特筆すべき二つ目の特徴として、画像スキャナー部から読み込んだ画像データから、上述のOCR機能を用いることで、当該OCR機能の特徴に従って光学的に認識された文字コード情報を抽出し、その文字コード情報を、或いは文字コード情報から算出されるハッシュ値等の文字コード固有情報を、システム内部もしくは外部の二次記憶装置に既に保管されてある、文字コード情報か、或いは文字コード情報から算出されたハッシュ値等の文字コード固有情報と、検索・比較検討することで、
画像スキャナー部から読み込んだ原稿上の文字コード情報について、過去に当該複合機能印刷システムから印刷出力したものと同等であることを判別する機能を有する複合機能印刷システム。
【請求項2】
請求項1に記載の複合機能印刷システムにおいて、
搭載するOCR機能/性能が複数である場合、それらOCR機能/性能の全部若しくは一部の特徴に従って光学的に認識された1セット以上の文字コード情報を抽出し、その1セット以上の文字コード情報を、或いは1セット以上の文字コード情報から算出されるハッシュ値等の一つ以上の文字コード固有情報を、システム内部もしくは外部の二次記憶装置に保管する機能を有する複合機能印刷システムであり、
更に画像スキャナー部から読み込んだ画像データから、上述した複数のOCR機能/性能の全部若しくは一部を用いることで、当該OCR機能/性能の特徴に従って光学的に認識された1セット以上の文字コード情報を抽出し、その1セット以上の文字コード情報を、或いは1セット以上の文字コード情報から算出されるハッシュ値等の一つ以上の文字コード固有情報を、システム内部もしくは外部の二次記憶装置に既に保管されてある、1セット以上の文字コード情報の何れか、或いは1セット以上の文字コード情報から算出されたハッシュ値等の一つ以上の文字コード固有情報の、何れかと検索・比較検討することで得られる、一つ以上の検討結果の論理演算の解を用いて、
画像スキャナー部から読み込んだ原稿上の文字コード情報について、過去に当該複合機能印刷システムから印刷出力したものと同等であることを判別する機能を有する複合機能印刷システム。
【請求項3】
請求項1と請求項2に記載の複合機能印刷システムにおいて、
搭載するOCR機能が、例えば画像スキャナー部とプリンター部の解像度が異なる場合等に、当該OCR機能の特徴に従って光学的に認識された文字コード情報が、印刷出力する前の画像データのプリンター部から画像スキャナー部への受け渡し方によって、異なる複数のパターンで抽出され得る場合、その複数の文字コード情報を、或いは複数の文字コード情報から算出されるハッシュ値等の複数の文字コード固有情報を、システム内部もしくは外部の二次記憶装置に保管する機能を有する複合機能印刷システムであり、
更に画像スキャナー部から読み込んだ画像データから、上述のOCR機能を用いることで、当該OCR機能の特徴に従って光学的に認識された文字コード情報を抽出し、その文字コード情報を、或いは文字コード情報から算出されるハッシュ値等の文字コード固有情報を、システム内部もしくは外部の二次記憶装置に既に保管されてある、複数の文字コード情報の何れか、或いは複数の文字コード情報から算出されたハッシュ値等の複数の文字コード固有情報の何れか、と検索・比較検討することで得られる複数の検討結果の論理演算の解を用いて、
画像スキャナー部から読み込んだ原稿上の文字コード情報について、過去に当該複合機能印刷システムから印刷出力したものと同等であることを判別する機能を有する複合機能印刷システム。
【請求項4】
請求項1と請求項2と請求項3に記載の複合機能印刷システムにおいて、
複数台の複合機能印刷システムを、ネットワーク等の通信システムによって接続することで情報交換を可能とし、
その内の何れかの複合機能印刷システムのプリンター部において印刷出力すべき原稿を、別の複合機能印刷システム若しくは単機能印刷システムで印刷出力し、
元の複合機能印刷システムにおいては、印刷出力すべきであった原稿を画像展開し、その画像を画像スキャナー部に受け渡し、更に搭載するOCR機能を用いることで、当該OCR機能の特徴に従って光学的に認識された文字コード情報を抽出し、その文字コード情報を或いは文字コード情報から算出されるハッシュ値等の文字コード固有情報を、システム内部もしくは外部の二次記憶装置に保管する複合機能並びに単機能印刷システム群。
【請求項5】
請求項1と請求項2と請求項3と請求項4に記載の複合機能印刷システム、或いは複合機能並びに単機能印刷システム群において、
複数台の複合機能印刷システムを、ネットワーク等の通信システムによって接続することで情報交換を可能とし、
その内の何れかの複合機能印刷システムのプリンター部若しくは単機能印刷システムによって印刷出力された原稿を、別の複合機能印刷システムの画像スキャナー部によって読み取り、更に搭載するOCR機能を用いることで、当該OCR機能の特徴に従って光学的に認識された文字コード情報を抽出し、その文字コード情報を、或いは文字コード情報から算出されるハッシュ値等の文字コード固有情報を、ネットワーク等の通信システムを介して、何れかの当該原稿を印刷出力した複合機能印刷システムに問い合わせることで、複合機能印刷システム内部もしくは外部の二次記憶装置に既に保管されてある、文字コード情報か、或いは文字コード情報から算出されたハッシュ値等の文字コード固有情報と検索・比較検討することで、
当該原稿上の文字コード情報について、過去に何れかの複合機能印刷システムから印刷出力したものと同等であることを判別する機能を有する複合機能並びに単機能印刷システム群。
【請求項6】
請求項5に記載の複合機能並びに単機能印刷システム群において、
ネットワーク等の通信システムによって相互に接続された、何れかの複合機能印刷システムのプリンター部によって印刷出力された原稿上に、若しくは原稿とは別に、何れの複合機能印刷システムのプリンター部によって印刷出力されたかを示す複合機能印刷システム固有情報を有し、
当該原稿から得られる文字コード情報を、或いは文字コード情報から算出されるハッシュ値等の文字コード固有情報を、ネットワーク等の通信システムを介して、何れかの複合機能印刷システムに問い合わせる際に、
複合機能印刷システム固有情報を用いて、何れの複合機能印刷システムに対して問い合わせるかを指定し、
指定された複合機能印刷システム内部もしくは外部の二次記憶装置に既に保管されてある、文字コード情報か、或いは文字コード情報から算出されたハッシュ値等の文字コード固有情報と検索・比較検討することで、
当該原稿上の文字コード情報について、過去に、指定された複合機能印刷システムから印刷出力したものと同等であることを判別する機能を有する複合機能印刷システム群。
【請求項7】
請求項1と請求項2と請求項3と請求項4と請求項5と請求項6に記載の複合機能印刷システム及び複合機能並びに単機能印刷システム群において、
印刷に用いられる用紙が白紙でない場合や無地でない場合、
予め当該用紙を画像スキャナー部で読み込み、印刷出力する前の画像データに合成した上で、OCR機能の特徴に従って光学的に認識された文字コード情報を抽出し、その文字コード情報を、或いは文字コード情報から算出されるハッシュ値等の文字コード固有情報を、システム内部もしくは外部の二次記憶装置に保管する機能を有する複合機能印刷システム及び複合機能並びに単機能印刷システム群。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2006−166329(P2006−166329A)
【公開日】平成18年6月22日(2006.6.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−358297(P2004−358297)
【出願日】平成16年12月10日(2004.12.10)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】