説明

複数の物体の距離及び相対速度の測定のための方法及び装置

時間的に線形の周波数ランプをもつ送信信号を発射し、物体で反射した受信信号を受信して送信信号と混合することによる、FMCWレーダを用いた複数の物体の距離及び相対速度の測定のための方法及び装置。各物体についての各周波数ランプのミキサ出力周波数に対して、距離値と相対速度値との組合せが割り当てられ、距離と相対速度との複数の組合せの交点から、考えられる物体の距離及び相対速度が決定され、その際、考えられる物体は、アンビギュイティのための見せかけの物体、又は現実の物体でありうる。アンビギュイティによる見せかけの物体は、その次の測定サイクルにおいて少なくとも1つの周波数ランプの周波数勾配をランダムに変化させることによって、消去される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、時間的に線形の周波数ランプをもつ送信信号が発射され、物体に反射した受信信号が受信されかつ該送信信号と混合されることによる、FMCWレーダを用いた複数の物体の距離及び相対速度の測定のための方法及び装置に関する。各物体についての各周波数ランプのミキサ出力周波数(混合され出力された信号の周波数)に距離値と相対速度値の組合せが割り当てられ、距離及び相対速度の複数の組合せの交点から、考えられる(予想される)距離及び相対速度が決定され、その際、考えられる該物体はアンビギュイティのために見せかけの物体あるいは、現実の物体でありうる。該アンビギュイティによる見せかけの物体は、その次の測定サイクルで少なくとも1つの周波数ランプの周波数勾配をランダムに変化させることによって消去される。
【背景技術】
【0002】
独国特許公開第4242700号明細書に記載されているように、送信信号の周波数を変化させることによる電磁波を用いた物体の距離及び相対速度を測定する方法が知られている。この方法によれば、送信信号の周波数の上昇中及び下降中に受信された信号は、その送信信号と混合され、この混合によって得られた中間周波数信号が、スペクトル分析される。送信信号の周波数の少なくとも1つの上昇中及び下降中の中間周波数信号のスペクトル線の周波数から、少なくとも1つの物体の距離及び速度が計算される。
【0003】
この方法の場合では、周波数ランプ(時間に対して線形にランプ状に変化する周波数)のいずれにおいても、検知された物体のいずれについても中間周波数が生じ、その中間周波数の周波数位置を距離値と相対速度値の組合せに割り当てることができる。この中間周波数信号とこれに伴う距離値及び相対速度値との組合せによって、例えば距離−相対速度グラフに示すことができるような共通の交点が得られる。この交点は、物体の測定された距離及び相対速度を表わしている。しかしながら、複数の物体、例えば2つの物体を検知する場合には、合計で4つの交点が生じ、その際これら交点のうち2つが現実の物体を表わし、残りの2つの交点は、アンビギュイティ(あいまい性、例えばゴースト等)のために生じた見せかけの物体である。このようなアンビギュイティを排除できるようにするために、前記FMCWレーダ法に、前後に複数の周波数上昇と周波数下降が並べられ、その際、この周波数ランプが種々の勾配を有することによって更なる発展が施された。
【0004】
しかしながら、現実にはこの更に発展させた方法の場合にも、多数の検知される物体の結果として、この種の見せかけの物体が多くの測定サイクルにわたって検知され、現実の物体として処理されてしまう可能性がある。というのも、この見せかけの反射が長時間にわたって維持されたままだからである。
【0005】
複数の検知される物体が同じ動力学で動く、殊に交通という状況、すなわち複数の物体の距離及び相対速度が時間に対して著しく緩やかにしか変化しない場合には、同じままである見せかけの物体が多くの測定サイクルにわたって維持されたままとなる可能性がある。というのも、これらが見せかけの物体であるにも関わらず、トラッキング方法によって現実の物体として検知されかつ処理されるからである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
発明の核心及び利点
本発明の核心は、短時間内に物体が現実の物体又は見せかけの物体として検知でき、かつ、この検知が著しく高い精度で行うことができる、FMCWレーダを用いた複数の物体の距離及び相対速度の測定のための方法及び装置を提供することである。
本発明によれば、これは独立請求項の特徴部により解決される。
有利な発展及び形態は、従属請求項に示されている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
好ましくは、少なくとも1つの周波数ランプの周波数勾配の変更は、複数の所定の周波数勾配からランダムに1つの周波数勾配が選択されることによって行なわれる。さらに、送信信号の全ての周波数ランプの周波数勾配がランダムに選択されることは有利である。
【0008】
好ましくは、測定サイクル中の複数の周波数勾配パターンが記憶されており、この中からランダムに該周波数勾配パターンの1つが選択される。
【0009】
好ましくは、本方法は自動車に適応型の車間距離制御のために、及び/又は自動非常ブレーキを作動させるために使用される。
【0010】
さらに、少なくとも1つの周波数ランプの周波数勾配の変更が、メモリに記憶された複数の周波数勾配から乱数発生器を用いて、1つの周波数勾配が選択されることによって行なわれることが有利である。
【0011】
好ましくは、送信信号の全ての周波数ランプの周波数勾配が乱数発生器を用いて選択される。
【0012】
好ましくは、メモリに測定サイクル中の複数の周波数勾配パターンが記憶されており、この中から乱数発生器を用いて該周波数勾配パターンの1つが選択される。
【0013】
特に好ましくは、適応型の車間距離制御のための、及び/又は自動非常ブレーキを作動させるための装置が自動車に備えられている。
【0014】
特に重要であるのは、自動車の適応型の車間距離及び/又は速度の制御のための制御装置のために備えられている制御要素の形で、本発明による方法が実現されることである。
その際、該制御要素には、計算機、殊にマイクロプロセッサ又は信号プロセッサ上で走らせることができ、かつ本発明による方法の実施に適当であるプログラムが記憶されている。この場合にはつまり、本発明は制御要素に記憶されたプログラムによって実現されているため、該プログラムが備えられたこの制御要素は、その実施に該プログラムが適当である該方法と同様に本発明を表わしている。制御要素として殊に電気的な記憶媒体、例えばリードオンリーメモリ、を使用することができる。
【0015】
本発明の更なる特徴、適用可能性及び利点は、図面に示された本発明の実施例の下記の説明に示されている。その際、記載もしくは図示された全ての特徴は、それ自体又は任意の組合せで、特許請求の範囲における本発明の要約又はその遡っての引用(Rueckbeziehung)とは無関係に、かつ明細書と図面のそれぞれにおける本発明の文章表現と図示とは無関係に、本発明の対象となる。
【0016】
次に本発明の実施例を図面につき説明する。次のとおり示されている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
図1aには、例えば従来の技術に記したようなFMCW送信信号の周波数−時間グラフが示されている。
【0018】
これに対し該送信信号は、レーダ信号の送信周波数が一定のままである第1の時間区分1を有する。レーダ信号の送信周波数は、第2の時間区分2において、より高い周波数へと上昇し、第3の時間区分3において、その高められた周波数の範囲にとどまり、そして第4の時間区分4において、再びもとのレーダ信号の周波数に下降し、その後に続く送信周波数は、再び一定のままである。このことによって、時間に対する周波数プロフィルが得られ、該周波数プロフィルは台形に形成されており、かつ一定の送信周波数1、3、5の時間区分の他に、上昇ならびに下降をする周波数ランプ2、4を有する。
【0019】
送信されたレーダ信号は、物体検知範囲内の物体に反射して再び受信される。可動物体で送信信号が反射することにより、送信周波数はドップラー偏移を受ける。その結果、受信信号は、送信信号に対して周波数がドップラー偏移している。送信周波数が時間的に線形に上昇する時間範囲、つまり時間区分2では、送信信号は周波数がさらに上昇する。その結果、送信信号に対する受信信号の到達時間のずれにより、付加的な周波数偏移が、ランプ形状の周波数上昇に続いて生じる。信号到達時間による送信信号に対する受信信号のこの周波数偏移と、ドップラー効果による周波数偏移とは、重なり合い、かつ、受信信号においては相互に分離不可能である。
【0020】
周波数偏移fを有する中間周波数を得るために、受信信号は、受信機で送信信号と混合される。距離値と相対速度値との1つの組合せが、この周波数偏移fに割り当て可能である。そして、全ての可能な距離と相対速度との組合せが、相対速度−距離グラフにプロットされると、上昇する周波数ランプ2に対する下降直線6を生じさせる。下降する周波数ランプ4で同じ物体が検知される場合には、同じく距離値と相対速度値との組合せを割り当てることができる異なる周波数偏移fが得られる。下降する周波数ランプ4でのこれらの組合せは、図1bの相対速度−距離グラフにおいて上昇直線7を生じさせる。そして、この下降直線6と上昇直線7との交点10から、検知された物体の距離dも相対速度vrelも読み取ることができる。
【0021】
同時に2つの物体が検知される場合には、異なる周波数偏移の中間周波数がそれぞれ上昇する周波数ランプ2について得られ、この中間周波数は、図1bの相対速度−距離グラフにおいて、その第1の物体については直線6として、その第2の物体については破線で示した直線8として示されている。下降する周波数ランプ4については、該第1の物体に対する上昇直線7と、該第2の物体に対する破線で示した直線9とが得られる。
【0022】
しかしながら、これら4本の直線6、7、8、9は、図1bの相対速度−距離グラフに合計で4つの交点10、11、12、13を有し、そのうち2つの交点10及び11は、現実の物体を表わし、別の2つの交点12及び13は見せかけの物体(疑似物体)を表わす。これら交点のどれが現実の物体で、どれが見せかけの物体であるかの判定は、後続の物体の評価で行なわれなければならない。というのも、純粋な交点につき割り当てることができないからである。
【0023】
これに対し、従来技術によれば、例えば物体トラッキング(物体、つまり交点を追跡すること)を実施することが知られている。この場合、比較的長時間にわたってこのような物体が検知・記録され、そして、その物体の動きにより現実の物体を検知することもできるし、計算された相対速度もしくは距離の飛び(不連続性)によって見せかけの物体として分類することもできる。
【0024】
しかしながら、この方法によっても、先行する検知された物体が比較的長時間にわたってほぼ同じ間隔及びほぼ同じ相対速度を相互に有するこの種のレーダシステムを用いた車両追従走行の場合、つまり、測定値Vrel及びdが著しくゆっくりとしか変化しない走行状況の場合においては、交点12及び13の見せかけの物体も長時間にわたって維持されたままであるため、トラッキング方法を用いて見せかけの物体を認識することはできないという問題がある。
【0025】
図2には本発明による装置の一実施形態が示されている。
【0026】
送信発振器14が示されており、この送信発振器14は、制御装置20の制御信号を受けて、該送信発信器14に送られてきた該制御信号に基づいて送信信号を発生させる。この送信信号は、送信アンテナ15(Tx)に伝達され、該送信アンテナ15は、該送信信号を発射する。送信アンテナ15によって発射された送信信号は、物体検知範囲内の物体で反射し、この反射した受信信号は、受信アンテナ16(Rx)によって受信される。
【0027】
当然のことながらこの装置は、送信と受信のために1つだけのアンテナが使用され、その際、送信信号と受信信号とを相互に分離する送受信切替器が必要とされる、モノスタティックレーダセンサとして設計されていてもよい。レーダーセンサのこのモノスタティックの設計は、例えば追加のリングミキサを用いて実現することができる。
【0028】
送信発信器14の送信信号及び受信アンテナ16の受信信号は、ミキサ(混合器)17に送られ、このミキサ17は、両方の入力信号から1つの中間周波数信号を混合し、該中間周波数信号は、検知された物体の距離dと相対速度vrelとに依存し、かつ検知された物体の数に依存して周波数偏移fを有する。
【0029】
この中間周波数信号は、アナログ・デジタル変換器18に送られ、該アナログ・デジタル変換器18は、デジタル化された中間周波数信号fを評価装置19に送る。この評価装置19では例えばフーリエ変換が実施されてもよく、このフーリエ変換によってスペクトルが得られ、このスペクトルから中間周波数信号を読み取ることができ、かつ、n個の検知された物体の相対速度Vrel及び距離dを求めるためにさらに処理することができる。
【0030】
上昇する周波数ランプ2と下降する周波数ランプ4との勾配を認識することから、相対速度−距離グラフの直線6〜9を計算可能であり、このことから物体の交点と実際の距離d及び相対速度vrelとを読み取ることもできる。
【0031】
現実の物体10、11の交点と見せかけの物体12、13の交点との確実な区別のために、本発明によれば、少なくとも1つの周波数ランプの周波数勾配が、ランダムに変更される。
【0032】
さらに図3aには時間点t=tでの最初の測定サイクルの送信信号が示されている。この送信信号は、個別の周波数ランプ23、24、25を有する。図3bには、これに関連する相対速度−距離グラフが示されており、このグラフは合計で3つの検知された物体の中間周波数信号によってプロットされたものである。3つの周波数ランプ23、24及び25の結果として物体27、28、29のそれぞれについて3本の直線a、b及びcの1つの交点が得られる。
【0033】
例えば、これらの物体のいずれにも反射する第1の周波数ランプ23に対して合計で3つの中間周波数fが得られ、これら中間周波数は、図3bのグラフでは直線aとして書き込まれている。個々の物体の直線を区別できるようにするために、これら直線を実線、一点鎖線ならびに二点鎖線で示した。第2の周波数ランプ24は、同じく3物体での反射によって、図3bに直線bとして書き込まれている合計で3本の直線を生じさせる。第3の周波数ランプ25は、図3bのグラフにおいて、同じく3本の直線を生じさせ、これらは直線cとして書き込まれている。従ってそれぞれ3本の直線a、b及びcの交点によって、検知された3物体27、28及び29の距離値及び相対速度値が定義される。しかしながら、ここで問題になっている物体配置によって付加的な直線交点30がもたらされ、この交点には同じく3本の直線が交差し、かつ、この交点は見せかけの物体を表わしている。
【0034】
本発明によれば、時間点t=t+Δtに実施される次の測定サイクル2において、周波数ランプの少なくとも1つの周波数勾配が変更される。この場合、周波数ランプ23及び24を、図4aに示したように、先の測定サイクル1に対して変更せずにおき、図3aの第3の周波数ランプ25の勾配を、今度は新たな第3の周波数ランプ26が生じるように変化させた。
【0035】
これら3つの周波数ランプは再び発射され、かつ物体27、28及び29で反射する。図4bの相対速度−距離グラフの場合にもまた、現実の物体27、28及び29の距離値及び相対速度値を表わす3本の直線a、b、cの交点が得られる。しかしながら、周波数ランプ26の周波数勾配のランダムな変化によって、図3bの直線cと比較して図4bの直線cが異なる勾配で実施されており、その結果、偶然生じていた見せかけの物体30が図4bではもはや存在していない。
【0036】
複数の測定サイクルにわたって存在することによって、この少なくとも1つの周波数ランプの周波数勾配のランダムな変化の結果、現実の物体27、28及び29の交点は、そのままであるが、しかしながら、相対速度−距離グラフの見せかけの物体の交点は、突如消えるか、あるいは突如新たな、しかしながら1測定サイクルのみについて少なくとも1つの周波数ランプが再び変更されるまで検知可能である交点が現われる。
【0037】
従って、グラフ3bとグラフ4bとにおける連続する2つの測定サイクルの交点の比較によって、現実の物体と見せかけの物体とを区別することが可能であり、これは、直線の交点が複数の測定サイクルにわたって検知可能であるか、1つの測定サイクルだけで測定可能でかつ続いて消えるかに応じる。
【0038】
少なくとも1つの周波数ランプの周波数勾配の上記変化は、この場合には乱数発生器21と、場合によっては、例えば図2に示されているメモリ22とを用いて行なうことができる。制御装置20に含まれてもよいこの乱数発生器21により、例えば、メモリ22に保存された複数の周波数勾配のうちの1つが選択され、これに従って送信発信器14の周波数が制御される。制御装置20のメモリ22に周波数勾配の複数のプロフィルが保存されていることも可能であり、その際、各プロフィルは、複数の下降及び/又は上昇する周波数ランプの順序である。さらに、乱数発生器21が任意の周波数勾配を選択し、かつこれらを任意の順序でランダムに並べて1測定サイクルの1周波数プロフィルとすることも可能であり、その結果、少なくとも2つの測定サイクルにわたる見せかけの物体を確実に同定しかつ消去できるようにするための擬似ランダムな周波数偏移が生じる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1a】周波数ランプが2つあるFMCW送信信号の周波数−時間グラフである。
【図1b】2つの物体を検知した、周波数ランプが2つあるFMCWレーダの付属の相対速度−距離グラフである。
【図2】本発明による装置の一実施形態の概略的なブロック図である。
【図3a】最初の時間点t=tにおける、本発明による方法の一実施形態の周波数−時間グラフである。
【図3b】測定時間点t=tにおける、相対速度−距離グラフである。
【図4a】後の時間点t=t+Δtにおける、本発明による方法の一実施形態の周波数−時間グラフである。
【図4b】後の時間点t=t+Δtにおける、相対速度−距離グラフである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
FMCWレーダを用いた複数の物体(27、28、29)の距離及び相対速度の測定のための方法であって、その際、
時間的に線形の周波数ランプ(23、24、25、26)を有する送信信号を発射し、前記物体(27、28、29)で反射した受信信号を受信して前記送信信号と混合し、
前記各物体(27、28、29)についての各周波数ランプ(24、25、26)のミキサ出力周波数に対して、距離値と相対速度値との組合せ(6、7、8、9)を割り当て、
距離及び相対速度の複数の組合せの交点(27、28、29)から、考えられる前記物体の距離(d)及び相対速度(vrel)を決定し、その際、前記考えられる物体は、アンビギュイティのための見せかけの物体(30)又は現実の物体(27、28、29)でありうる、複数の物体の距離及び相対速度の測定のための方法において、
前記見せかけの物体(30)が、その次の測定サイクルで少なくとも1つの周波数ランプ(29)の周波数勾配をランダムに変化させることにより、消去可能であることを特徴とする、複数の物体の距離及び相対速度の測定のための方法。
【請求項2】
前記少なくとも1つの周波数ランプ(26)の周波数勾配の変更を、複数の所定の周波数勾配からランダムに1つの周波数勾配を選択することによって行なうことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記送信信号の全ての前記周波数ランプ(23、24、25、26)の周波数勾配をランダムに選択することを特徴とする、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
測定サイクル中の複数の周波数勾配パターンが記憶されており、かつ、
ランダムに当該周波数勾配パターンの1つを選択することを特徴とする、請求項1から3のいずれかに記載の方法。
【請求項5】
前記方法を自動車に適応型の車間距離制御のために、及び/又は、自動非常ブレーキを作動させるために使用することを特徴とする、請求項1から4のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
複数の物体の距離及び相対速度の測定のための装置であって、
時間的に線形の周波数ランプを有する送信信号を発射し、前記物体に反射した受信信号を受信して前記送信信号と混合(17)するFMCWレーダセンサ(14、15、16、17、18)が備えられるとともに、
ミキサ出力信号が受取り、かつ各物体についての各周波数ランプのミキサ出力周波数に対して、距離値と相対速度値との組合せを割り当て、距離及び相対速度の複数の組合せの交点を決定する評価装置(19)が備えられており、
その際、考えられる前記交点が、アンビギュイティのための見せかけの物体(30)又は現実の物体(27、28、29)でありうる物体を表わす、複数の物体の距離及び相対速度の測定のための装置において、
前記評価装置(19)に、次の測定サイクルでの前記見せかけの物体(30)を消去するために、少なくとも1つの周波数ランプ(25、26)の周波数勾配をランダムに変化させる乱数発生器(21)が備えられていることを特徴とする、複数の物体の距離及び相対速度の測定のための装置。
【請求項7】
前記少なくとも1つの周波数ランプの周波数勾配の変更が、前記乱数発生器(21)を用いて、メモリ(22)に記憶された複数の周波数勾配から1つの周波数勾配が選択されることにより、行なわれることを特徴とする、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記送信信号の全ての前記周波数ランプの周波数勾配が、前記乱数発生器(21)を用いて選択されることを特徴とする、請求項6又は7に記載の装置。
【請求項9】
測定サイクル中の複数の周波数勾配パターンが前記メモリ(22)に記憶されており、かつ、
前記乱数発生器(21)を用いて当該周波数勾配パターンの1つが選択されることを特徴とする、請求項6から8のいずれかに記載の装置。
【請求項10】
自動車に適応型の車間距離制御のために、及び/又は、自動非常ブレーキを作動させるために取り付けられていることを特徴とする、請求項6から9のいずれかに記載の装置。

【図1a】
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【図1b】
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【図2】
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【図3a】
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【図3b】
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【図4a】
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【図4b】
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【公表番号】特表2008−533495(P2008−533495A)
【公表日】平成20年8月21日(2008.8.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−502367(P2008−502367)
【出願日】平成18年3月2日(2006.3.2)
【国際出願番号】PCT/EP2006/060404
【国際公開番号】WO2006/100167
【国際公開日】平成18年9月28日(2006.9.28)
【出願人】(501125231)ローベルト ボッシュ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (329)
【Fターム(参考)】