説明

複数の物質を基板上に放出することによりバイオアッセイ用基板を製造するインクジェット装置及びインクジェット装置をモニターする方法

本発明は、複数の物質を基板上に放出することによりバイオアッセイ用基板を製造するインクジェット装置を提供し、当該装置は、少なくとも、ノズルを含んだ印刷ヘッドを含み、少なくとも、前記ノズルから小滴を噴出するために設けられたトランスデューサを含み、前記印刷ヘッドの状態を前記トランスデューサの作用の検出によりモニターすることができるように検出手段が設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の物質を基板上に堆積させることによりバイオアッセイ用基板を製造するインクジェット装置に関する。本発明は、さらに、インクジェット装置の印刷ヘッドの状態をモニターする方法に関する。本発明は、当該インクジェット装置の使用にも関する。
【背景技術】
【0002】
本発明は、複数の物質を基板上に堆積させることによりバイオアッセイ用基板を製造するインクジェット装置、方法、及び、インクジェット装置の使用を開示している。特に診断のために、複数の、好ましくは異なる物質が非常に精密且つ正確な様式で配置されている基板が必要とされる。この複数の物質は、通常、多数の生化学試験又は反応を基板上で行うために、基板上に配置されることになる。診断における場合等、特定の種類の物質が基板の特定の領域に間違えて与えられた時に非常に危険である場合に、本発明によるインクジェット装置、物質の小滴における制御された配置のための方法、及び、当該インクジェット装置の使用が、基板上への物質の印刷処理に適用されることが好ましい。
【0003】
感染症の診断は、捕獲プローブの印刷処理において非常に高い信頼性を要求する。アッセイ用基板の読み取りは、例えば、疾患を直接、特異的捕獲プローブの位置に結びつける。従って、膜上に捕獲プローブを確実且つ正確に置くことができるということが重要である。インクジェット印刷は精密な投与技術として既知であるけれども、一般に、基板上の小滴が実際に存在すること及びその配置についてのいかなるフィードバックも組み入れていない。処理過程についての情報は、一般的に入手可能ではない。インクジェットプリンタ操作を制御する既知の方法は、欧州特許出願EP1378359A1号、EP1378360A1号、EP1378361A1号に記載されている。これらの文献は、導管から液滴又は小滴を噴出するために、駆動パルスが電気機械のトランスデューサにより印加される場合に、インクを含有するインクジェット印刷ヘッドを制御する方法を開示している。その開示の中では、電気機械のトランスデューサのインピーダンスを測定し、この測定に従い、その駆動パルス又は後の駆動パルスに適合するよう電子回路が使用されている。印刷ヘッドが故障した場合、小滴を全く生成することができない、又は、小滴は、所定の飛行経路とは異なる飛行経路に従い印刷ヘッドを離れる恐れがある。このことは、基板の製造後のみ、さらに、製造された基板の機能性を少なくとも部分的に破壊する方法によってのみ気づくことができる。これは、特に、複数の異なる物質を用いた信頼できる印刷処理が不可欠な用途のための印刷又はインクジェット装置の信頼性を非常に制限してしまう。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従って、複数の物質を基板上に堆積させることによりバイオアッセイ用基板を製造するインクジェット装置及びその方法を提供することが本発明の目的であり、その装置及び方法は、印刷処理の状態を絶えずモニターすることを可能にしている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の目的は、複数の物質を基板上に堆積させることによりバイオアッセイ用基板を製造するインクジェット装置によって、本発明による印刷ヘッドの状態をモニターする方法によって、及び、本発明によるインクジェット装置の使用によって実現される。当該インクジェット装置は、少なくとも、ノズルを含む印刷ヘッド、及び、少なくとも、前記ノズルから小滴を噴出するために設けられたトランスデューサをそこに含み、それによって、前記印刷ヘッドの状態を前記トランスデューサの作用の検出によりモニターすることができるように、検出手段が当該インクジェット装置に設けられている。
【0006】
印刷処理の状態、特に、トランスデューサ、及び/又は、物質を含んだトランスデューサの作用の測定によって印刷ヘッドの状態をモニターするのが可能になるということが、本発明によるインクジェット装置の利点である。前記トランスデューサは、前記印刷ヘッドに機械的な波(mechanical wave)及び水中音波の波動を与える−好ましくは電気機械の−トランスデューサである。前記印刷ヘッドは、印刷されることになる液体、すなわち、印刷されることになる物質で少なくとも部分的に満たされた、ほぼ閉ざされた容積であることが好ましい。駆動パルスにより、印刷ヘッドに含有された液体の少なくとも一部を排出又は噴出し、印刷ヘッドの外で液体の小滴を形成することができる場合、印刷ヘッドは、少なくとも1つの開口部又は導管を含む。印刷ヘッドに含有された液体の量は少量であり得るので、印刷ヘッドは、一般的に、隣接したノズルからのクロストークを回避し、さらに、周囲又はステージの動きから生じる振動に対して、印刷ヘッドがより影響を受けないようにするためにリザーバに直接、又は、小さい管を介して接続される。以下において、前記開口部又は導管は、本発明の状況において、ノズルとも呼ばれる。前記リザーバに対する開口部は、絞り弁と呼ばれる。印刷するために液体で補充された前記印刷ヘッド内に機械的な波及び水中音波の波動を与えることによって、印刷ヘッドの状態が変化した、及び/又は、時間の経過に伴い変化している場合、前記印刷ヘッド及び前記液体を含んだシステムは異なる様式で反応する。いくつかの変化は、時間の経過に伴い徐々に発生する場合がある。本発明による装置は、印刷処理中に生じる故障、特に、印刷ヘッドの故障を、検出されたトランスデューサの作用における変化から予測することができるという追加の利点を有している。本出願の状況において、「印刷ヘッドの状態」という用語は、印刷ヘッド及び/又は液体リザーバの補充の程度、印刷可能な液体における気泡の存在、並びに、ノズル内のメニスカスの正確な位置を維持するために、及び、ノズルのフラッディングを回避するために使用される圧力(under pressure)の値等、複数の特性を含むよう解釈されるべきである。多くの特性を測定することができるけれども、本発明によると、インクジェット装置の印刷ヘッドのリザーバにおける補充の程度をモニターすること、及び/又は、ノズル内のメニスカスの位置を調節するための圧力を測定することが好ましい。本発明によると、印刷ヘッドの作用を示す、並びに/又は、印刷ヘッド及び該印刷ヘッドの内部に物質を含んだシステムの作用を示すトランスデューサの作用は、適した1又は複数のパラメータにより測定される。変化が、印刷ヘッドの状態、又は、一般に印刷処理において生じた場合、測定された1又は複数のパラメータも変化するであろう。当該インクジェット装置、従って印刷処理の正しい機能と間違った機能との識別は、この時点では、測定されたパラメータに対して限界値を設ける上で可能になっている。前記限界値は、間違った操作と正しい操作を区分する。
【0007】
本発明によるインクジェット装置の好ましい実施形態によると、前記印刷ヘッドの状態は、前記トランスデューサのひずみを測定することによりモニターされる。印刷ヘッドにおける多くの特性がトランスデューサのひずみに影響し、従って、このひずみの測定により、印刷ヘッドの状態における変化を容易にとらえることが可能になると判った。
【0008】
特に好ましいインクジェット装置において、印刷ヘッドの状態は、ノズルから小滴を噴出させた後、好ましくは時間領域においても周波数領域においてもトランスデューサのひずみを測定することによりモニターされる。点火パルスを受けた場合、インクジェットプリンタの圧電アクチュエータは、印刷ヘッド内部の流体に作用して、小滴が放出されるようにしている。小滴を放出することに加えて、前記点火パルスは、印刷ヘッド内部の流体及び周囲の構造体を作動させる。
【0009】
本発明の好ましい実施形態において、前記トランスデューサは圧電トランスデューサである。その結果、小滴を噴出するため、及び、印刷ヘッド内部の流体の作用を測定するために同じトランスデューサを使用することが特に可能である。
【0010】
本発明の別の実施形態は、前記検出手段が、当該インクジェット装置に設けられた電子検出回路であるか、又は、前記検出手段が、当該インクジェット装置に設けられた検出ソフトウエアであることにより特徴づけられている。その結果、印刷ヘッドの作用を検出する検出回路を提供すること及び/又はソフトウエアモジュールを提供することにより、トランスデューサの作用及び/又は印刷ヘッド内部の流体の作用の測定を実施することが可能である。
【0011】
本発明によると、前記ノズルから小滴を噴出するために、駆動パルスが前記トランスデューサにより印加され、前記検出手段が、前記駆動パルスの印加中及び/又は印加後に前記トランスデューサの作用を検出することがさらに好ましい。これは、駆動パルス中又は駆動パルス後にフーリエ変換をトランスデューサの信号に適用することにより、及び、周波数領域におけるトランスデューサの信号を分析することにより行われ得るのが非常に好ましい。特に、小滴を噴出後、続く圧力波及びひずみ波がトランスデューサによりとらえられ、圧力時間のトレースが記録されるのが好ましい。周波数領域におけるスペクトルへのそのような時間領域におけるトレースのフーリエ変換により、特性周波数を推定することが可能になっている。本発明によると、周波数スペクトルにおける変化は、印刷ヘッドの状態における変化によるものであり得る。これらの変化の一部は、時間の経過に伴い徐々に生じ、本発明によるインクジェット及び方法に予測力を与えている。
【0012】
非常に好ましくは、当該インクジェット装置は、マルチノズルの印刷ヘッドを含む。その結果、一つの印刷ヘッドから複数の小滴を噴出することが可能である。これにより、印刷処理が加速される。
【0013】
本発明によると、当該インクジェット装置が印刷テーブル及び印刷ブリッジをさらに含み、前記印刷テーブルが第1の方向に沿って前記印刷ブリッジに相関して可動であるよう取り付けられ、印刷ヘッドが第2の方向に沿って前記印刷ブリッジに相関して可動であるように印刷ブリッジに取り付けられる場合に、前記インクジェット装置を使用することがはるかに好ましい。その結果、大きい物質又は個々の物質を1つのバッチとして印刷できるため、印刷された製品の製造をかなり高い費用効果で行えるように、大きな領域に物質の小滴を印刷するか又は堆積させることが可能である。
【0014】
本発明によると、前記基板は、平らな基板、構造化された基板、又は多孔性の基板であることが好ましい。より好ましくは、前記基板は、ナイロン膜、ニトロセルロース、若しくはPVDFの基板、又は、被覆された多孔性基板である。基板は多孔性であることが好ましいため、スポット又は小滴は基板上に置かれるだけでなく、前記膜内にも浸透する。
【0015】
本発明のさらなる実施形態において、前記基板は複数の基板領域を含み、各基板領域は、膜ホルダーにより保たれる分離された膜であることが好ましい。その結果、複数の分離された膜を、本発明のインクジェット装置の使用により製造することが可能である。
【0016】
さらに好ましくは、前記基板は複数の基板位置を含み、該基板位置は、少なくとも、該基板位置のうち1つに配置された小滴の平均直径分互いから離れている。その結果、前記基板上の正確な位置で、物質の異なる小滴を正確且つ別々に配置することが可能である。複数の小滴を1つの及び同じ基板位置上に配置することも、可能であり、且つ、有利である。
【0017】
非常に好ましくは、種々の分子又は種々の化合物、特に生体分子が存在する場合、前記物質は、水、アルコール、又はグリセロール等のような液状の揮発性溶液である。
【0018】
本発明は、インクジェット装置のうち少なくとも1つの印刷ヘッドの状態をモニターする方法も含み、前記インクジェット装置は、複数の物質を基板上に放出することによりバイオアッセイ用基板を製造するために使用され、少なくともノズルが与えられた印刷ヘッド、少なくとも前記ノズルから小滴を噴出するために提供されたトランスデューサ、及び、前記印刷ヘッドの状態をモニターするための検出手段を含んでおり、当該方法は、前記トランスデューサの作用を測定するステップを少なくとも含んでいる。その結果、いかなる関連した印刷処理の特性、特に、印刷ヘッド及び/又は液体リザーバの補充の程度が、限界を超えていないか、欠陥を有していないか、不必要な範囲まで変化していないか等を検出することが可能であり、さらに、前記リザーバを補充する又は取り替える等の処置が必要であるかを決定することが可能である。このように、本発明は、より高度な印刷処理の精度を規定することができ、さらに、いかなるインクジェット装置の今後の機能不良も予測することができる。
【0019】
本発明によると、印刷ヘッドの状態は、少なくともトランスデューサのひずみを測定することによりモニターされるのが好ましい。トランスデューサのひずみは、信頼でき、且つ、繰り返すことができる様式において、印刷ヘッドの状態における多くの変化を検出することができる特徴である。
【0020】
本発明の別の好ましい実施形態によると、前記印刷ヘッドの状態が、該印刷ヘッドのリザーバにおける補充の程度に関連した少なくとも1つのパラメータの測定によりモニターされるということで当該方法は特徴づけられる。前記少なくとも1つのパラメータが、前記トランスデューサのインピーダンス、トランスデューサの利得(gain)、及び/又は、トランスデューサのキートーン周波数であることがさらにより好ましい。これらのパラメータは、印刷ヘッドに設けられた検出手段により容易に入手可能である。
【0021】
本発明によると、小滴が、トランスデューサにより印加された駆動パルスによってノズルから噴出され、検出手段が、前記駆動パルスの印加中及び/若しくは印加後にトランスデューサの作用を検出すること、並びに/又は、前記駆動パルスの印加中及び/若しくは印加後の前記トランスデューサの作用におけるフーリエ変換が実行及び分析されることが、さらに好ましい。特に好ましいのは、前記少なくとも1つのパラメータが、前記トランスデューサの利得、及び/又は、前記トランスデューサのヘルムホルツ周波数である方法である。トランスデューサのヘルムホルツ周波数は、液体リザーバの補充の程度における変化、特に、液体リザーバの圧力における変化に対して非常に感度が高いことが判った。
【0022】
本発明によると、前記駆動パルスの印加中及び/若しくは印加後のトランスデューサの作用におけるフーリエ変換の分析が、既定の基準信号に関連づけることができない、並びに/又は、既定量その基準信号からそれた場合に、フィードバックループが印刷処理を停止させることが好ましい。このことは、印刷中に何かが故障した場合に印刷処理が停止する(フィードバックループが印刷処理を直ちに妨げる)、及び、印刷される基板が、(特にソフトウエアにより)「間違い」と印をつけられ、優良製品とみなされないという利点を有している。印刷ヘッドが仕様書に従い作動し、次に、印刷処理を再び始めることができるように、オペレータは印刷ヘッドを整備することができる。ソフトウエアにおいて、正しく印刷されていない基板は印をつけられ、印刷された膜のバッチから除去される。或いは、印刷処理は全く中断することができないが、オペレータは、代わりに、基準信号又はスペクトルを満たさないという状況を取り除くのに必要な是正処置を行うことができる。
【0023】
本発明によるインクジェット装置の使用も本発明は含んでおり、前記物質は、生化学反応物、核酸、ポリペプチド、及び/又は、蛋白質を含んでいる。そのような目的のために本発明のインクジェット装置を使用することにより、物質が印刷されることに対するエラーはなく、非常に正確に特定数の物質を基板上に印刷することが可能である。
【0024】
本発明は、生物学的分析のための複数の物質を含んだアッセイ用基板にも関し、該基板は、本発明のインクジェット装置及び方法により得ることができる。
【0025】
本発明の前記及び他の特徴、特色、並びに利点は、本発明の原理を例により示している不随の図面と共に、以下の詳細な説明から明らかになる。該説明は、本発明の範囲を限定することなく、例のためだけに与えられている。以下に引用されている参考図は、不随の図面を参照にしている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
本発明は、特定の実施形態に関して、及び、特定の図面を参考にして記述されるが、本発明はそれに限定されず、特許請求の範囲によってのみ限定される。記述されている図面は、概略的なだけであり、無制限的である。図面においては、要素のうちいくつかのサイズが過大視されている場合があり、例証目的のために尺度で描かれていない。
【0027】
単数名詞を言及する際に不定冠詞又は定冠詞が使用されている場合は、何か他に明確に述べられていない限りその名詞の複数形を含む。
【0028】
さらに、本明細書及び特許請求の範囲における第1、第2、第3等の用語は、類似の要素を区別するために使用され、必ずしも順番又は時系列順を記述するために使用されているのではない。そのように使用されている用語は、適切な状況下で交換可能であり、本明細書において記述されている本発明の実施形態は、本明細書に記述又は例示された順序以外の順序で操作できることを理解されたい。
【0029】
さらに、本明細書及び特許請求の範囲における上、下等の用語は、説明目的のために使用され、必ずしも相対的な位置を記述するために使用されているのではない。そのように使用されている用語は、適切な状況下で交換可能であり、本明細書において記述されている本発明の実施形態は、本明細書に記述又は例示された定位以外の定位で操作できることを理解されたい。
【0030】
本明細書及び特許請求の範囲において使用されている「含む」という用語は、その後に記載されている手段に限定されるとして解釈されるべきではなく、他の要素又はステップを除外しないことに注目されたい。従って、「手段A及びBを含む装置」という表現の範囲は、A及びBという要素のみからなる装置に限定されるべきではない。本発明に関しては、該表現は、前記装置の要素のうち本発明に関連する要素はA及びBであるという意味である。
【0031】
図1において、本発明によるインクジェット装置10の概略的な上面図が示されている。印刷テーブル50の上に、固定プレート55が、固定プレート55のX方向における移動が可能になるようリニアステージ上に取り付けられている。この固定プレート55には、多数の、膜41を有する膜ホルダー44が配置されている。膜41の全体は、基板40と呼ばれる。膜ホルダー44はいかなる形状も有することができるが、基本的にはただの環44である。丸い膜41は、この環の上に接着されている。従って、印刷後、スポットされた膜41と共に環44は最終製品である。印刷ブリッジ51は、印刷テーブル50に相関して堅く取り付けられている。印刷ブリッジ51は、可動式の印刷ヘッドホルダー51’を支えている。固定プレート55を有するステージは、第1の方向であるX方向に沿って可動性である。印刷ヘッド20は、第2の方向であるY方向に沿って可動性であるように、印刷ブリッジ51に相関した可動式の印刷ヘッドホルダー51’に取り付けられている。本発明によると、前記第1の方向(X方向)と前記第2の方向(Y方向)は直交であることが好ましい。その結果、印刷ヘッド20は、印刷テーブル50の特定の領域上に配置することができ、印刷ヘッド20内、又は、該印刷ヘッド20付近のリザーバ内に(図7を参照)蓄えられている物質の小滴を放出することができる。膜41は、記録プレート(registration plate)55とも呼ばれる固定プレート55内に、X方向に一定の距離及びY方向で一定の距離で取り付けられている。X方向における距離は、Y方向における距離とは異なる場合もある。
【0032】
基板40は、感染症の検知に使用される生理活性の膜から作製することができる。そのような疾患の診断には、印刷処理における非常に高い信頼性が要求される。蛍光パターンの読み取りは、疾患を直接、特異的捕獲プローブの位置に結びつける。従って、複数の異なる物質の中から正しい物質を印刷することに対して、非常に信頼できるプロセスを有することが絶対的に必要である。インクジェット印刷は、実際に印刷された物質の性質に関していかなるフィードバックもない精密な投与技術である。印刷ヘッド20の状態を測定することにより、好ましくは、印刷ヘッド20の状態を絶えず測定することにより、いかなるインクジェット装置及び/又は印刷処理の(今後の)機能不良も制御及び検出することが可能になる。その結果、印刷エラーは、かなり減らすことができる。オペレータは、例えば、印刷ヘッドが仕様書に従い作動するように、印刷ヘッド20を整備することができる。
【0033】
印刷テーブル50は、花崗岩テーブルの形態で提供されるのが好ましい。或いは、別の非常に重い材料も使用することができる。本発明によると、印刷テーブル50は、振動による妨害がほとんどない環境で配置されるのが好ましい。精密なリニアステージが花崗岩テーブル(印刷テーブル50)に相関して取り付けられ、ステージ上に取り付けられた固定プレート55は、第1の方向(X方向)における限定により移動する。別の精密なリニアステージがブリッジ51上に取り付けられ、印刷ヘッドホルダー51’を第2の方向(Y方向)における限定により誘導している。
【0034】
図2では、個々の基板膜ホルダー44及び固定プレート55の一部における断面図の概略的描写が示されている。膜ホルダー44は、1つの膜41を保有している。全ての膜41は、共に基板40を形成している(図2では、これを示すためにアコレードが使用されている)。1つの膜41は、基板領域41と呼ばれる場合もある。リニアステージ上に堅く取り付けられ、花崗岩テーブル(印刷テーブル)50に相関してX方向における直線運動を可能にしている固定プレート55上に、それぞれ個々の膜ホルダー44は位置している。基板40上、すなわち、各膜41上には、(図2の参照符号22により概略的に示されている)個々の点を互いからある距離で配置できるように、複数の基板位置42が提供されている。1つの点は、印刷ヘッドにより投与された1つの小滴から形成することができるか、又は、同じ物質による複数の小滴から蓄積される。その結果、基板位置42のそれぞれに、異なる種類の物質を投与又は配置することが可能である。
【0035】
図3では、ノズル21を有する印刷ヘッド20及び検出手段25が概略的に示されている。印刷ヘッド20は、トランスデューサ24を含む。トランスデューサ24は、圧電トランスデューサ24であることが好ましい。一般に、印刷ヘッド内部に機械的な波を与えることができる電気−機械トランスデューサ24は、トランスデューサ24として使用することができる。トランスデューサ24は、制御装置(図示せず)によりもたらされる起動パルス(図示せず)によって発動させることができる。検出装置25又は検出手段25はトランスデューサの作用を検出することができ、その作用は、次に、印刷ヘッド20、及び/又は、印刷ヘッド20内部の流体若しくは物質23と共に印刷ヘッド20の作用により影響される。印刷ヘッド20にはさらなる導管又は絞り弁が与えられ、そこを通して物質23を供給することができる。
【0036】
本発明によると、複数の物質23を印刷ヘッド20の内部に補充することができる。これは、例えば、印刷ヘッド20の絞り弁28に接続されたさらなる導管60(図7に示されている)により行われる。所望により、真空ポンプ(図示せず)を接続することができる。1又は複数のノズル21が、リザーバ61内の液体のレベルより特定の距離(通常、数cmから10cmの液柱)分下にあるように、リザーバ61は置かれる。そのようにして、一定且つ非常に良く制御された圧力を、1又は複数のノズル21内のメニスカス位置を調節するために設定することができる。別の実施形態において、ノズル21内のメニスカス位置を調節するための圧力は、真空ポンプ(図示せず)により制御される。物質23を印刷するために、小滴22が印刷ヘッド20のノズル21から噴出するように、トランスデューサ24を駆動パルスにより発動させる。駆動パルス中及び/若しくは駆動パルス後に、印刷ヘッド20並びに/又はトランスデューサ24の作用の測定が、検出手段25により行われる。検出手段25は、好ましくは、印刷ヘッド20内部の物質23の特性に関連するパラメータを与える及び/又は測定することができる回路及び/又はソフトウエアモジュールの形状で提供される。本発明によると、測定される特性は、リザーバ61の補充の程度であることが好ましい。異なる印刷ヘッド20に対する異なる補充の程度を音響的に検出することにより、すなわち、特定の補充の程度を有する、リザーバ61に接続された印刷ヘッド20の(音響)作用を検出することにより、正しいスポット又は基板位置上に印刷するために依然として十分な流体又は物質23が利用可能であるかどうか(印刷処理中毎時(at every time)、特に、個々の小滴を印刷中及び/又は印刷後に直接)検査することが可能である。
【0037】
図4では、膜41又は基板領域41の一部が上方から示されている。基板領域41上で、複数の基板位置42、42a、42bが画定されている。基板位置42、42a、42bは、本発明によるインクジェット装置10により小滴22が配置されることになる位置である。同じ物質による複数の小滴を1つの基板位置42上に配置することも可能である。印刷ヘッド20により噴出され、基板40上に着地した小滴22は、特定の点領域、又は、平均直径43を有する基板位置42、42a、42bの周辺のスポットを被覆する。平均直径43は、基板位置42、42a、42bの互いからのそれぞれの距離43’(又はピッチ)よりも小さい。基板領域41上に、それぞれ例えばおよそ1nlの容積を必要とする小滴22を印刷することができる、例えば130のスポット又は基板位置42を提供することができる。そのスポット又は小滴22の直径43は例えば200μmで、例えば400μmのピッチを有するパターンで配置される。当然ながら、より多く(1000まで)のより小さなスポットを提供することも可能であり、そのようなスポットは、例えば、たった300μmだけのより小さなピッチ、又は、たった200μm、100μm、若しくは50μmだけのより小さなピッチを必要とする。130のスポットは、例えば、種々の物質23を提供された1つの印刷ヘッド20で印刷される。例えば、固定プレート55上に、140個の膜ホルダー44が配置され、そのホルダーは、インクジェット装置20により1回の印刷で処理される。小滴によるスポットのピッチ43’は、本発明によると、10から500μmの範囲で提供される。小滴22のスポットの直径43は、実際のピッチ43’の約20%から70%の範囲内である。小滴22の容積は、スポットの好ましいサイズ、及び、使用される基板40の材料に順応させなければならない(例えば、与えられた物質を基板が強く又は弱く吸収するということに依拠する)。一般的に、小滴22の容積は、約0.001nlから10nlである。
【0038】
図5では、本発明のインクジェット装置及び方法により得られる基板領域41の上面図が示されている。示されている実施形態において、複数の基板位置42が小さな円により表されている。基板領域41の膜を診断上の目的で使用するために、多数の異なる物質をこれらの異なる基板位置42上に配置することが、必ずしも必要ではないけれども、可能である。同様に、基板位置42及びそれぞれの物質からなる1つの群42’内で完全な1組の試験を行うために、基板位置42からなるいくつかの群42’を画定することが可能である。本発明に従い印刷処理を絶えずモニターすることにより、正確且つ確実に基板を製造し、可能な限り誤植の発生を最小限にする、又は、可能な限り誤植を回避することさえもできる。
【0039】
本発明の本質的特徴は、圧力センサとして印刷ヘッド20のトランスデューサ24を使用することによるだけの音響応答の(検出手段による)測定である。その結果、余計な手段を印刷ヘッド20内に組み込む必要がない。図6では、本発明のインクジェット装置と連絡させて使用することができる電子回路の実施形態が示されている。印刷ヘッド20は、電圧源74が設けられた増幅器70、及び、コンピュータ71から生じる直列の情報を幾つかのノズルの並列制御に変えるためのSP変換器(図示せず)を含んだ印刷ヘッド自体の駆動装置に接続される。図6では、1つのノズルのみが示されているが、並列に測定を行うことによって、電気回路はマルチノズルのアドレッシング(multi-nozzle addressing)も保持していることを理解されたい。ポンプチャンバ内部の流体23を加圧して小滴22を噴出するために必要とされる圧電アクチュエータ24への電気接続において、抵抗器72が取り付けられている。抵抗器72は、増幅器70から生じるパルス波形がほとんど変化しないように、並びに、圧電アクチュエータ24を充電するのに必要な電流及び圧電センサ25からの戻り信号を十分正確に記録できるように選ばれるのが好ましい。装置を傷つける恐れがある重大な電圧変化の発生を回避するため、抵抗器の信号は、図6で示されているように、共通のサイドで測定されるのが好ましい。さらに、共通のサイドでのアクチュエータの音響応答の測定により、音響信号の詳細全てを容易に検出することができるように、電圧掃引の増加が可能になっている。記録された抵抗器72を超えた電圧信号は、オシロスコープ、又は、好ましくは、デジタルオシロスコープ及び周波数応答分析装置として使用するようされたパソコン73に送られる。圧力(又は音響)信号の感度は、広い範囲内でさまざまであり得るが、一般的に、約0.2から1.5ボルト/バール程度のものである。
【0040】
典型的な方法において、圧電トランスデューサ24により記録された信号は、パルスが点火され、小滴の噴出を生じた後直接コンピュータ73によって測定される。次に、記録されたタイムトレースは、フーリエスペクトルに変換される。次に、特定の周波数窓を選択して、そのデータを分析することができる。周波数は超音波領域を含む場合があるけれども、典型的なスペクトルは約0から200kHzで分析される。それは、この窓が、印刷ヘッドの状態における変化に付随する変化を検出するための最も関心のある周波数を含んでいるためである。スペクトルは、次に、適切に機能する印刷ヘッドに対応する参照スペクトルと比較される。例えば、空の印刷ヘッド、気泡の存在、又は、圧力調節の故障による変化が記録された場合、印刷ヘッドを補充するよう、又は、補充及び除去、並びに/又は、ノズルプレートのクリ―ニング及び拭き取り等、いかなる処置を開始して印刷ヘッドを再度適切な状態にするよう即座に処置することができる。印刷ヘッドの音響試験により、印刷ヘッド又は印刷ヘッドのノズルが近い将来故障するかどうかを最初に検出する可能性が広げられる。言い換えると、本発明により、記録された圧力のトレース又は対応するフーリエ変換における変化が検出された場合に、印刷ヘッド又はそのようなヘッドのノズルに何が起こるかを予測することが可能になる。複数の異なる物質が、絶えず一連の基板上に印刷される場合、当該装置及び方法は、印刷処理全体の過程についての情報を与える。1又は複数のノズルが特定の物質に対して故障し始めた場合、即座に処置を始めることができる。いくつか可能な処置を施すことができる。例えば、印刷処理を停止し、全ノズルが再度適切に機能するように印刷ヘッドを整備することができる。不正確に印刷された基板は、ソフトウエアにより印を付けることができ、異なる流体全てにおける印刷処理全体の準備が整った後、バッチから取り出すことができる。印刷処理を停止して、全ノズルが再度適切に機能するように印刷ヘッドを整備することも可能である。この場合、システムは間違った基板を蓄えており、再始動して、間違って印刷されたスポットを第一に修復する。別の事例は、それぞれの流体が2つの印刷ヘッドによって印刷される場合である。これら2つの印刷ヘッドは調和して機能し、印刷されることになる基板上で同じ処置を行う。1つの印刷ヘッドの1つのノズルが故障したその瞬間に、もう一方の印刷ヘッドの対応するノズルが、例えば、その小滴周波数(droplet frequency)を2倍にすることによって引き継ぐ。別の可能な処置は、伝送速度を落とすことである。その方法では、バッチの準備が整うまで印刷を続けることができる。次のバッチの印刷を再開する前に、全ノズルが再度適切に機能するように印刷ヘッドを整備することができる。当該方法のさらに別の実施形態では、印刷処理に関する全ての音響情報が記憶される。後のトレーサビリティに対して、1つのスポット当たりに必要とされる流体の量が本当に投与されたという意味で、全スポットが正確に印刷されたかどうか検査することができる。パルス波形(ボルトでのパルス波高及びマイクロ秒でのパルス幅)、小滴周波数、及び、メニスカス圧力のような印刷設定に関して言えば、それぞれの流体は、それ自体の特徴的な作用を有している。本発明による音響試験は、例えば:
キャビテーションを生じる恐れのある高すぎる駆動周波数;
小滴の放出後に補充を阻止する恐れのある高すぎるメニスカス圧力;
ノズルプレートのフラッディングを生じる恐れのある低すぎるメニスカス圧力;
流動抵抗により補充を阻止する恐れのある高すぎる粘度;
不十分な減衰を生じる恐れのある低すぎる粘度;
のような問題に関する情報を与えることができる。
【0041】
この情報に基づいて、システムは、印刷処理が他の設定と共に進行することができるようにシステム自体を適応させることができる。例えば、キャビテーションの場合は、より低い小滴周波数を使用することができ、不十分な補充の場合は、より低い値のメニスカス圧力の設定を選択することができる。減衰が不十分である場合、又は、粘度が高すぎる場合、より低い駆動周波数を改善策として選択することができる。
【0042】
例として、図8は、mmという連量で(in mm of substance)測定された、ヘルムホルツ周波数における利得の印刷ヘッドの静圧27への依存関係を示している。圧力27が大きいほど、ヘルムホルツ周波数は高い(より大きい圧力を有するというのは、負圧がより大きいということに留意されたい)。メニスカス圧力がゼロに近づいた場合、ノズルプレートはあふれ出る。これにより、ヘルムホルツ周波数はかなり極端に減少する。ヘルムホルツ周波数は、当業者には既知の方法によって、記録された圧力のトレースから容易に検出可能である。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明のインクジェット装置における実施形態の上面図を概略的に示している。
【図2】基板領域及び膜ホルダーの断面図を概略的に示している。
【図3】ノズルを有する印刷ヘッド及び検出手段を概略的に示している。
【図4】膜ホルダーと共に基板領域の一部を概略的に示している。
【図5】膜ホルダーを有する完全な膜を概略的に示している。
【図6】トランスデューサのひずみを測定するための好ましい機構を概略的に示している。
【図7】流体リザーバと印刷ヘッドの組立体を概略的に示している。
【図8】最後に、流体リザーバの補充の程度、及び/又は、ノズル内のメニスカス位置を調節するための圧力の値に関連した、測定されたパラメータを概略的に示している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の物質を基板上に放出することによりバイオアッセイ用基板を製造するインクジェット装置であって、少なくとも、ノズルを含んだ印刷ヘッドを含み、少なくとも、前記ノズルから小滴を噴出するために設けられたトランスデューサを含み、前記印刷ヘッドの状態を前記トランスデューサの作用の検出によりモニターすることができるように検出手段が当該インクジェット装置に設けられている、インクジェット装置。
【請求項2】
前記印刷ヘッドの状態が、印刷ヘッドのリザーバにおける補充の程度を含む、請求項1に記載のインクジェット装置。
【請求項3】
前記印刷ヘッドの状態が、前記トランスデューサのひずみを測定することによりモニターされる、請求項1又は2に記載のインクジェット装置。
【請求項4】
前記ノズルから前記小滴を噴出した後、前記印刷ヘッドの状態が、前記トランスデューサのひずみを測定することによりモニターされる、請求項3に記載のインクジェット装置。
【請求項5】
前記トランスデューサが圧電トランスデューサである、請求項1乃至4のいずれか1項に記載のインクジェット装置。
【請求項6】
前記検出手段が、当該インクジェット装置に設けられた電子検出回路であるか、又は、前記検出手段が、当該インクジェット装置に設けられた検出ソフトウエアである、請求項1に記載のインクジェット装置。
【請求項7】
前記ノズルから小滴を噴出するために、駆動パルスが前記トランスデューサにより印加され、前記検出手段が、前記駆動パルスの印加中及び/又は印加後に前記トランスデューサの作用を検出する、請求項1に記載のインクジェット装置。
【請求項8】
当該インクジェット装置がマルチノズルの印刷ヘッドを含む、請求項1に記載のインクジェット装置。
【請求項9】
当該インクジェット装置が、印刷テーブル及び印刷ブリッジ、第1の方向(X方向)に沿って前記印刷テーブルに相関して可動性である固定プレートを有するステージ、並びに、前記印刷ヘッドが第2の方向(Y方向)に沿って前記印刷ブリッジに相関して可動であるように、前記印刷ブリッジに取り付けられている可動式の印刷ヘッドホルダー上に取り付けられた前記印刷ヘッドをさらに含む、請求項1に記載のインクジェット装置。
【請求項10】
前記第1の方向(X方向)と前記第2の方向(Y方向)が直交である、請求項11に記載のインクジェット装置。
【請求項11】
前記基板が、平らな基板、構造化された基板、被覆された基板、又は、多孔性の膜、好ましくはナイロン膜である、請求項1に記載のインクジェット装置。
【請求項12】
前記基板が複数の基板領域を含み、各基板領域が、膜ホルダーにより保たれる分離された膜であることが好ましい、請求項1に記載のインクジェット装置。
【請求項13】
前記基板が複数の基板位置を含み、該基板位置が、少なくとも、該基板位置のうち1つに配置された小滴の平均直径分互いから離れている、請求項1に記載のインクジェット装置。
【請求項14】
複数の小滴が、1つの基板位置上で重ね合わされる、請求項1に記載のインクジェット装置。
【請求項15】
インクジェット装置のうち少なくとも1つの印刷ヘッドの状態をモニターする方法であって、前記インクジェット装置が、複数の物質を基板上に放出することによりバイオアッセイ用基板を製造するために使用され、前記インクジェット装置が、少なくとも、ノズルが与えられた印刷ヘッド、少なくとも、前記ノズルから小滴を噴出するために提供されたトランスデューサ、及び、前記印刷ヘッドの状態をモニターするための検出手段を含み、当該方法が、前記トランスデューサの作用を測定するステップを少なくとも含む、方法。
【請求項16】
当該方法が、前記トランスデューサのひずみを測定するステップを少なくとも含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記印刷ヘッドの状態が、該印刷ヘッドのリザーバにおける補充の程度に関連した少なくとも1つのパラメータを測定することによりモニターされる、請求項15又は16に記載の方法。
【請求項18】
前記印刷ヘッドの状態が、前記ノズル内のメニスカスを調節する圧力に関連した少なくとも1つのパラメータを測定することによりモニターされる、請求項15又は16に記載の方法。
【請求項19】
前記少なくとも1つのパラメータが、前記トランスデューサのインピーダンスである、請求項17又は18に記載の方法。
【請求項20】
前記少なくとも1つのパラメータが、前記トランスデューサの利得、及び/又は、前記トランスデューサのヘルムホルツ周波数である、請求項17又は18に記載の方法。
【請求項21】
前記トランスデューサにより印加された駆動パルスによって小滴が前記ノズルから噴出され、前記検出手段が、前記駆動パルスの印加中及び/又は印加後に前記トランスデューサの作用を検出する、請求項15に記載の方法。
【請求項22】
前記駆動パルスの印加中及び/若しくは印加後の前記トランスデューサの作用におけるフーリエ変換が実行及び分析される、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記駆動パルスの印加中及び/若しくは印加後のトランスデューサの作用におけるフーリエ変換の分析が、既定量既定の基準信号とは異なる場合に、フィードバックループが印刷処理を停止させる、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
第1の物質が第1の基板位置に置かれ、第2の物質が第2の基板位置に置かれるように、複数の異なる物質が前記基板に適用される、請求項15に記載の方法。
【請求項25】
前記物質が、生化学反応物、核酸、ポリペプチド、及び/又は、蛋白質を含む、請求項1に記載のインクジェット装置の使用。
【請求項26】
請求項15乃至23のうちいずれか1項に記載の方法により得られる、生物学的分析のための複数の物質を含むアッセイ用基板。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2009−540324(P2009−540324A)
【公表日】平成21年11月19日(2009.11.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−514940(P2009−514940)
【出願日】平成19年5月14日(2007.5.14)
【国際出願番号】PCT/IB2007/051815
【国際公開番号】WO2007/144796
【国際公開日】平成19年12月21日(2007.12.21)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】