複数車両のグループ走行支援装置
【課題】簡易な構成で他車両の挙動を出力してグループ走行を容易にするグループ走行支援装置を提供する。
【解決手段】車両の走行状況を表す情報(以下、走行状況情報)を送受信する送受信手段と、送受信手段で受信した走行状況情報に基づき、走行状況情報を送信した車両(以下、送信局車両)の進路変更を判定する進路変更判定手段と、進路変更判定手段による判定結果を乗員に提示する判定結果提示手段と、を備え、走行状況情報は位置情報を含み、進路変更判定手段は、送受信手段で受信した送信局車両の位置情報と、位置情報を受信する車両(以下、受信局車両)の車線情報とに基づき、送信局車両の道路情報を取得し、受信局車両の車線情報と送信局車両の道路情報とに基づいて、送信局車両の進路変更を判定する。
【解決手段】車両の走行状況を表す情報(以下、走行状況情報)を送受信する送受信手段と、送受信手段で受信した走行状況情報に基づき、走行状況情報を送信した車両(以下、送信局車両)の進路変更を判定する進路変更判定手段と、進路変更判定手段による判定結果を乗員に提示する判定結果提示手段と、を備え、走行状況情報は位置情報を含み、進路変更判定手段は、送受信手段で受信した送信局車両の位置情報と、位置情報を受信する車両(以下、受信局車両)の車線情報とに基づき、送信局車両の道路情報を取得し、受信局車両の車線情報と送信局車両の道路情報とに基づいて、送信局車両の進路変更を判定する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はグループ走行支援装置に関し、特にグループ内の他車両の走行情報を取得し、これに基づいてグループ走行を支援する装置に関する。
【背景技術】
【0002】
複数車両のグループ走行を支援する装置として、例えば特開2000−331284号公報(特許文献1)や、特開2001−317953号公報(特許文献2)に記載のものが提案されている。
【0003】
上記特開2000−331284号公報で提案されている装置は、同じグループ内の各車両が、GPSシステムで取得した自車両の位置を携帯電話等によりサーバに送信し、各車両のナビゲーションシステムに、当該グループ内の車両の位置を表示するものである。
【0004】
また、上記特開2001−317953号公報で提案されている装置は、先導車のナビゲーションシステムに目的地を入力し、算出された目的地までの推奨経路を後続車に伝達するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2000−331284号公報
【特許文献2】特開2001−317953号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記特開2000−331284号公報で提案されているものは、グループに属する各車両が、地図を表示可能な表示装置を備えていることを前提としている。地図を表示可能な表示装置は高価であり、そのような表示装置を備えていない車両には、この技術を適用することができない。
【0007】
また、上記特開2001−317953号公報で提案されているものは、先導車が推奨経路の算出機能を備えていることを前提としているが、先導車が推奨経路の算出機能を備えていない場合はこの技術を適用することができない。しかも、先導車が推奨経路と異なる道路を走行した場合は正確な情報を伝えることができず、後続車が追走することができない。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のグループ走行支援装置は、車両の走行状況情報を送受信する送受信手段と、送受信手段で受信した走行状況情報に基づき、走行状況情報を送信した車両の進路変更を判定する進路変更判定手段と、進路変更判定手段による判定結果を乗員に提示する判定結果提示手段とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、送信局車両は走行状況情報を送信すればよく、推奨経路を算出する必要はないので、グループ走行支援装置の構成を簡易にすることができる。走行状況情報を受信した受信局車両は、送信局車両の進路変更を判定して出力すればよく、地図上に表示する必要はないので、これによってもグループ走行支援装置の自車両の構成も簡易にすることができる。このように簡易な構成により、送信局車両の進路変更を自車両で知ることができるので、受信局車両が後続車両であれば、先行車両である送信局車両に追走することが容易になり、受信局車両が先行車両であれば、後続車である送信局車両が追走してきているか否かを容易に知ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】第1の実施形態によるグループ走行支援装置の構成例を示すブロック図である。
【図2】第1の実施形態によるグループ走行支援装置の処理手順を示すフローチャートである。
【図3】右折と判定される場合にモニタ30に出力される表示の例を示す図である。
【図4】右に車線変更と判定される場合にモニタ30に出力される表示の例を示す図である。
【図5】左折と判定される場合にモニタ30に出力される表示の例を示す図である。
【図6】左に車線変更と判定される場合にモニタ30に出力される表示の例を示す図である。
【図7】第1の実施形態の変形例によるグループ走行支援装置の処理手順を示すフローチャートである。
【図8】第2の実施形態によるグループ走行支援装置の構成例を示すブロック図である。
【図9】第2の実施形態によるグループ走行支援装置の処理手順を示すフローチャートである。
【図10】第3の実施形態によるグループ走行支援装置の構成例を示すブロック図である。
【図11】第3の実施形態によるグループ走行支援装置の処理手順を示すフローチャートである。
【図12】第3の実施形態の変形例によるグループ走行支援装置の処理手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
<1−1.第1実施形態の構成(図1)>
図1は、本発明の第1の実施形態によるグループ走行支援装置の構成例を示すブロック図である。このグループ走行支援装置は、処理部110に、方向指示器センサ71、操舵角センサ72、車速センサ73、送受信器20が接続されている他、他車両情報メモリ40、アイコンメモリ60、モニタ30が接続されて構成されている。このうち処理部110は、制御部10、車両情報取得部100の他、進路変更判定部50を備えている。
【0012】
方向指示器センサ71、操舵角センサ72、車速センサ73、送受信器20、制御部10、車両情報取得部100は、特に走行シーン情報の送信側の車両に備えられることが望ましいものである。これに対し、送受信器20、他車両情報メモリ40、アイコンメモリ60、モニタ30、処理部10、進路変更判定部50は、特に他車両の走行シーン情報を受信して他車両の進路変更を判定する受信側の車両に備えられることが望ましいものである。但し、双方の車両にこれらの構成を備えることにより、互いに走行シーン情報を送受信して各々が相手の車両の進路変更を判定できることが最も望ましい。
【0013】
ここで、走行シーン情報は、方向指示器センサ71、操舵角センサ72、車速センサ73から得られる車両の運転状態や走行状態を示す情報(走行状況の情報)であり、本明細書では、これらの情報に基づいて車両の進路変更を判定する。すなわち、走行状況の情報に基づいて、車両が右左折したか、車線変更したかを判定する。
【0014】
<1−2.走行シーン情報を取得及び送受信する構成の詳細>
制御部10は、マイクロプロセッサおよびその周辺回路で構成され、送受信器20で送受信する情報の処理、モニタ30で出力する情報の処理、その他の制御を行い、本実施形態によるグループ走行支援装置の制御全般を司るものである。
【0015】
車両情報取得部100は、自車両の走行シーン情報を取得するものであり、本第1実施形態では車両信号取得部70を備えている。
【0016】
方向指示器センサ71は、所定のタイミングでウィンカー情報を取得し、車両信号取得部70に送る。ウィンカー情報は、特に車両の運転者が方向指示器を操作してウィンカーを出した情報と、ウィンカーが切れた情報と、左右何れのウィンカーを出したかの情報とを含んでいる。
【0017】
操舵角センサ72は、運転者のハンドル操作に応じた所定のタイミングで操舵角情報を取得し、車両信号取得部70に送る。
【0018】
車速センサ73は、所定のタイミングで車速情報を取得し、車両信号取得部70に送る。
【0019】
車両信号取得部70は、自車両の走行シーン情報として、方向指示器センサ71、操舵角センサ72、車速センサ73からの車両信号を取得し、制御部10に送る。
【0020】
送受信器20は、制御部10による制御に基づき、自車両の走行シーン情報を送信し、及び/又は他車両の走行シーン情報を受信するものである。送受信の具体的方法は特に限定されないが、無線LANなどの狭域無線通信が通信コストを抑える上で特に好ましい。その他、携帯電話やPHSなどの広域無線通信を用いることも可能である。
【0021】
<1−3.進路変更を判定及び出力する構成の詳細>
他車両情報メモリ40は、送受信器20で受信した他車両の走行シーン情報を、制御部10による制御に基づき格納するものである。他車両の走行シーン情報は、例えば受信後一定時間を経過した後に逐次削除したり、また例えば先行車両が通過した地点を後続車両が通過した後に逐次削除したりしても良い。
【0022】
進路変更判定部50は、他車両情報メモリ40に格納された他車両の走行シーン情報に基づき、他車両の進路変更を判定する。ここでいう進路変更は、例えば右左折したか車線変更したかの判定である。
【0023】
アイコンメモリ60は、進路変更判定部50による判定結果をアイコン表示するためのアイコンを予め格納したメモリであり、制御部10による制御に基づき読み出し可能になっている。例えば、他車両の走行シーン情報を表示するための他車両アイコン及び方向指示器アイコンや、進路変更判定結果を表示するための自車両アイコン及び進路変更表示アイコンを格納している。
【0024】
モニタ30は、進路変更判定部50による判定結果を、制御部10による制御に基づき表示することによって出力する装置である。但し、判定結果の出力はモニタによる表示に限らず、図示しないランプの点灯や、図示しないスピーカによる音声出力などによっても良い。
【0025】
<1−4.第1実施形態の作用(図2〜図6)>
図2は、第1の実施形態によるグループ走行支援装置の処理手順を示すフローチャートである。このフローチャートでは、他車両において取得され送信された走行シーン情報を受信して他車両の進路変更を判定する、受信側の車両(受信局車両)における処理を説明する。他車両である送信側の車両(送信局車両)において方向指示器が作動されると、当該送信側の車両の車両情報取得部100は例えば1秒に1回、ウィンカー情報、操舵角情報、車速情報などの走行シーン情報を取得し、送受信部20を介して受信側の車両に送信する。受信側の車両は、他車両から走行シーン情報が送信されればこれを送受信器20において随時受信している。
【0026】
なお、以下では他車両である送信側の車両が先行車両、自車両である受信側の車両が後続車両である場合を中心に説明するが、これと逆に他車両である送信側の車両が後続車両、自車両である受信側の車両が先行車両であっても、他車両の走行シーン情報に基づき他車両の進路変更を判定し結果を出力できることに変わりはない。
【0027】
まず、ステップS110において、他車両における方向指示器の作動情報を、受信側の車両が送受信器20によって受信すると、受信側の車両の制御部10は、他車両の進路変更を判定する準備状態となる。準備状態の具体的処理としては、ステップS120において、他車両の走行シーン情報の他車両情報メモリ40への格納を開始する。更に、送受信器20における他車両との通信頻度を高くする(例えば1秒に1回)ことにより、他車両の進路変更に備えて高頻度で情報を取得し、迅速かつ正確な進路変更判定を期することが望ましい。
【0028】
更にステップS130において、受信側の車両の制御部10は、他車両から受信した方向指示器の情報を、モニタ30に出力する。出力の具体例としては、例えば他車両を示すアイコンをモニタ30に表示し、右の方向指示器の作動中は当該他車両を示すアイコンの右肩に方向指示器アイコンを点滅させ、左の方向指示器の作動中は当該他車両を示すアイコンの左肩に方向指示器アイコンを点滅させる。これにより、他車両がどちらの方向指示器を出しているかを受信側の車両のユーザが知ることができる。
【0029】
次にステップS140において、他車両における方向指示器の作動が終了した情報を、受信側の車両の送受信器20によって受信した場合、ステップS150において、受信側の車両の進路変更判定部50が他車両の進路変更を判定する。進路変更の判定は、ここでは右左折なのか、車線変更なのかの判定である。
【0030】
具体的には、まず、他車両情報メモリ40に格納された他車両のウィンカー情報と車速情報に基づき、方向指示器の作動時間と、方向指示器の作動中の当該他車両の車速変化量の最大値を算出する。そして例えば、他車両の右側の方向指示器が作動している間の車速変化量の最大値がある一定値以上、例えば20km/h以上である第1の条件と、右側の方向指示器の作動時間がある時間以上、例えば5秒以上である第2の条件とが満足する場合、右折と判断する。これに対し、右側の方向指示器の作動中の車速変化量の最大値が20km/h未満、かつ作動時間が5秒未満なら、右に車線変更と判断する。
【0031】
なお、第1の条件および第2の条件のいずれか一方が満足しないときは、右左折でも、車線変更でもないと判断する。
【0032】
次にステップS160において、受信側の車両の制御部10は、進路変更の判定結果をモニタ30に出力する。出力の具体例としては、例えば先行車両である他車両を示す上述のアイコンの隣に、後続車両である受信側の自車両を示すアイコンを表示し、当該自車両を示すアイコンの付近に、右左折又は車線変更を指示するアイコンを表示する。これにより、先行車両である他車両の進路変更を判定した結果に基づいて、後続車両である自車両が今後どのように進路変更したらよいかを受信側の車両のユーザが知ることができる。
【0033】
図3乃至図6は、モニタ30に出力される表示の例を示す図である。各図の(A)はステップS130において出力される表示であって、他車両の方向指示器の作動を、他車両を示すアイコンC1の右肩又は左肩に表示したアイコンで示している。各図の(B)はステップS160において出力される表示であって、他車両の進路変更を判定した結果を、自車両を示すアイコンC2の付近に表示したアイコンで示している。図3は右折の場合、図4は右に車線変更の場合、図5は左折の場合、図6は左に車線変更の場合をそれぞれ示すものである。但し、モニタ30での表示態様はこれに限らず、例えば自車両や他車両を示すアイコンC1、C2を省略して単に方向指示器の作動及び進路変更の判定結果を示すだけでも良い。
【0034】
以上の説明では、例えばステップS110において他車両の方向指示器の作動情報を受信した場合に、他車両の進路変更を判定する準備状態になるとしたが、これ以外の場合に準備状態としても良い。すなわち、他車両の一定時間あたりの加減速量が一定値より大きくなった場合、例えば一定時間内に20km/hより大きな加減速がされた場合や、他車両の速度が一定値より低くなった場合、例えば20km/hより遅い速度となった場合などに、準備状態になることとしても良い。
【0035】
また、他車両の進路変更を判定する準備状態になっても、ある一定時間内(例えば1分以内)に、或いは一定距離(例えば100m)の走行前に、操舵角の変化量の最大値が一定値より小さい場合や操舵角の角速度の変化量の最大値が一定値より小さい場合は、準備状態を解除することとしても良い。
【0036】
<1−5.第1実施形態の効果>
以上説明した第1の実施形態によれば次のような作用効果が得られる。
【0037】
(1)送信側である他車両は走行シーン情報を送信すればよく、推奨経路を算出する必要はないので、送信側の車両の構成を簡易にすることができる。他車両の走行シーン情報を受信した受信側の車両は、他車両の進路変更を判定して出力すればよく、地図上に表示する必要はないので、受信側の車両の構成も簡易にすることができる。
【0038】
このように他車両、自車両ともに簡易な構成により、他車両の進路変更を自車両で知ることができるので、自車両が後続車両であれば、先行車両である他車両に追走することが容易になり、自車両が先行車両であれば、後続車である他車両が追走してきているか否かを容易に確認することができる。
【0039】
(2)本実施形態によれば、他車両が右左折したか車線変更したかがわかるので、受信側の車両が後続車両であれば容易に追走することができ、受信側の車両が先行車両であれば後続車両の追走を確認するための十分な情報を得ることができる。
【0040】
(3)一定の場合に準備状態となることとしたので、他の場合のデータ送受信やコンピュータ処理を最小限にすることができ、通信コストやコンピュータ処理負担を軽減することができる。
【0041】
(4)一定の場合に準備状態を解除することとした場合は、以後のデータ送受信やコンピュータ処理を最小限にすることができ、通信コストやコンピュータ処理負担を軽減することができる。
【0042】
(5)準備状態の場合に通信頻度を密にすることで、他車両の進路変更を迅速かつ正確に判定することができる。
【0043】
(6)他車両の方向指示器の作動時間及び車速の時系列変化に基づいて他車両の進路変更を判定することで、正確な判定を行うことができる。
【0044】
(7)判定結果をアイコンで表示することにより、簡易な表示装置で出力することができる。特に自車両が後続車両の場合は、先行車両の走行シーン情報と自車両が今後とるべき進路とを的確に出力することができる。一方、自車両が先行車両の場合は、後続車両が同じシステムを搭載している場合には、自車両の情報が後続車両に正確に伝わっているかどうかを確認することができる。
【0045】
<1−6.第1実施形態の変形例(図7)>
図7は、第1の実施形態の変形例によるグループ走行支援装置の処理手順を示すフローチャートである。図2と同様の部分は同一の符号で示して詳細な説明を省略し、図2の処理との相違点を主に説明する。図2においては他車両の車速情報とウィンカー情報に基づいて進路変更を判定したが、本変形例では他車両の車速情報と操舵角情報に基づいて進路変更を判定する。
【0046】
ステップS110及びS120において、他車両における方向指示器の作動情報を受信した場合に他車両の進路変更を判定する準備状態となり、ステップS130において他車両の方向指示器の情報をモニタ30に出力し、ステップS140において他車両における方向指示器の作動が終了した情報を受信するまで、他車両情報メモリ40に情報を格納する点は、図2と同様である。
【0047】
次のステップS151において、受信側の車両の進路変更判定部50は他車両の進路変更を判定する。具体的には、まず、他車両情報メモリ40に格納された他車両のウィンカー情報と操舵角情報と車速情報に基づき、方向指示器の作動中の当該他車両の操舵角変化量の最大値及び車速変化量の最大値を算出する。そして例えば、他車両の右側の方向指示器が作動している間の操舵角の変化量の最大値がある一定値以上、例えば30度以上である第1の条件と、右側の方向指示器が作動している間の車速変化量の最大値がある一定値以上、例えば20km/h以上であるという第2の条件が満足される場合、右折と判断する。これに対し、右側の方向指示器の作動中の操舵角の変化量の最大値が30度未満、かつ車速変化量の最大値が20km/h未満なら、右に車線変更と判断する。
【0048】
なお、第1の条件および第2の条件のいずれか一方が満足しないときは、右左折でも、車線変更でもないと判断する。
【0049】
次のステップS160において、進路変更の判定結果をモニタ30に出力する点は、図2と同様である。
【0050】
<1−7.第1実施形態の変形例特有の効果>
本変形例によれば、他車両の操舵角の時系列変化及び車速の時系列変化に基づいて他車両の進路変更を判定することで、正確な判定を行うことができる。
【0051】
とくに、他車両が先行車両である場合に、先行車両が右左折の結果交差点の角の建物の陰に隠れてしまったり、先行車両が車線変更の結果大型車両の陰に隠れてしまったりして、以後の通信が中断しても、通信中断前の操舵角の時系列変化と車速の時系列変化から先行車両の進路変更を推定することができる。
【0052】
<2−1.第2実施形態の構成(図8)>
図8は、本発明の第2の実施形態によるグループ走行支援装置の構成例を示すブロック図である。上記第1実施形態についての図1と同様の部分には同一の符号を付して説明を省略する。
【0053】
図8に示す第2の実施形態のグループ走行支援装置は、第1の実施形態の各構成に加え、GPS受信機81及びジャイロ82が処理部110に接続され、自車位置測位部80が処理部110内の車両情報取得部100に備えられている。これらの追加構成は、特に走行シーン情報の送信側の車両に備えられることが望ましいものである。但し、送信側及び受信側双方の車両にこれらの構成を備えることが最も望ましい。双方の車両で自車位置を測位することにより、後述のように車両間の相対位置を算出することができるし、双方の車両で同一の構成を備えることにより、互いに走行シーン情報を送受信して各々が相手の車両の進路変更を判定できるからである。
【0054】
GPS受信機81は、複数のGPS衛星からの同期電波を受信し、各GPS衛星からの電波を受信するまでの時間差情報を自車位置測位部80に送る。
【0055】
ジャイロ82は、自車両の方位(進行方向)を検出する。検出した自車両の方位は自車位置測位部80に送られる。また、車速センサ73で取得した車速情報は、自車位置測位部80にも送られる。
【0056】
自車位置測位部80は、GPS受信機81がGPS衛星からの電波の受信に成功している場合は、受信した電波の時間差情報に基づいて自車の現在位置を計測する。GPS衛星からの電波の受信に成功しない場合、ジャイロ82及び車速センサ73の検出結果に基づいて自車の現在位置を計算する。取得した現在位置の情報は、走行シーン情報として制御部10に送られる。
【0057】
<2−2.第2実施形態の作用(図9)>
図9は、第2の実施形態によるグループ走行支援装置の処理手順を示すフローチャートである。上記第1の実施形態についての図2と同様の部分には同一の符号を付して詳細な説明を省略することがある。図2と同様、図9のフローチャートでも、他車両において取得され送信された走行シーン情報を受信して他車両の進路変更を判定する、受信側の車両における処理を説明する。他車両である送信側の車両において方向指示器が作動されると、当該送信側の車両の車両情報取得部100は例えば1秒に1回、ウィンカー情報、操舵角情報、車速情報などの車両信号と、自車位置測位部80による位置情報とを含む走行シーン情報を取得し、送受信器20を介して受信側の車両に送信する。
【0058】
なお、以下では他車両である送信側の車両が先行車両、自車両である受信側の車両が後続車両である場合を中心に説明するが、これと逆に他車両である送信側の車両が後続車両、自車両である受信側の車両が先行車両であっても、他車両の走行シーン情報に基づき他車両の進路変更を判定し結果を出力できることに変わりはない。
【0059】
まず、ステップS110において、他車両における方向指示器の作動情報を、受信側の車両が送受信器20によって受信すると、受信側の車両の制御部10は、他車両の進路変更を判定する準備状態となる。準備状態の具体的処理としては、ステップS120において、他車両の走行シーン情報の他車両情報メモリ40への格納を開始する。更に、送受信器20における他車両との通信頻度を高くすることにより、他車両の進路変更に備えて高頻度で情報を取得し、迅速かつ正確な進路変更判定を期することが望ましい。更に、受信側の車両が自車位置測位部80、GPS受信機81等を備えている場合には、ステップS125に示すように、受信側の車両も自車位置の取得を開始することが望ましい。
【0060】
更にステップS130において、図2及び図3乃至図6で説明したと同様に、受信側の車両の制御部10は、他車両から受信した方向指示器の情報を、モニタ30に出力する。
【0061】
次にステップS140において、他車両における方向指示器の作動が終了した情報を、受信側の車両の送受信器20によって受信した場合、ステップS152乃至S154において、受信側の車両の進路変更判定部50が他車両の進路変更を判定する。進路変更の判定は、ここでは右左折なのか、車線変更なのかの判定である。
【0062】
具体的には、他車両である送信側の車両が先行車両、受信側の車両が後続車両である場合には、まず、ステップS152において、先行車両の方向指示器の作動開始時の先行車両の位置及び後続車両の位置に基づいて、後続車両から見た先行車両の位置ベクトルを算出する。同様に、先行車両の方向指示器の作動終了時の先行車両の位置及び後続車両の位置に基づいて、後続車両から見た先行車両の位置ベクトルを算出する。
【0063】
次にこれらの位置ベクトルに基づいて、ステップS153において、先行車両の方向指示器の作動開始時から終了時までの位置ベクトルの変化、特に位置ベクトルが持つ方向の変化量を算出する。次にステップS154において、位置ベクトルの変化量が一定値以上、例えば30度以上なら先行車両が右左折したと判定し、そうでなければ車線変更したと判定する。そして、ステップS160において、図2で説明したと同様に、受信側の車両の制御部10は、進路変更の判定結果をモニタ30に出力する。
【0064】
以上の説明では、例えばステップS110において他車両の方向指示器の作動情報を受信した場合に、他車両の進路変更を判定する準備状態になるとしたが、これ以外の場合に準備状態になることとしても良い。すなわち、他車両の一定時間あたりの加減速量が一定値より大きくなった場合、例えば一定時間内に20km/hより大きな加減速がされた場合や、他車両の速度が一定値より低くなった場合、例えば20km/hより遅い速度となった場合などに準備状態になることとしても良い。
【0065】
また、他車両の進路変更を判定する準備状態になっても、ある一定時間内(例えば1分以内)に、或いは一定距離(例えば100m)の走行前に、操舵角の変化量の最大値が一定値より小さい場合や操舵角の角速度の変化量の最大値が一定値より小さい場合は、準備状態を解除することとしても良い。
【0066】
以上の説明では、ステップS110で先行車の位置を取得し、ステップS125において受信側の車両位置を取得し、自車位置と先行車の位置とを結んだ線分を位置ベクトルと定義した。しかし、受信側の車両が自車位置測位部80、GPS受信機81等を備えていない場合には、受信側の車両位置を取得する必要はない。この場合は、ステップS152乃至S154の処理の代わりに、他車両である送信側の車両の位置情報の履歴に基づいて進路変更を判定する。具体的には、送信側の車両の方向指示器の作動開始直後に後続車が受信した先行車の複数地点の位置情報に基づいて、送信側の車両の進行方向を算出する。同様に、送信側の車両の方向指示器の作動終了直前の複数地点の位置情報に基づいて、送信側の車両の進行方向を算出する。これらの算出された進行方向の差を求め、例えば30度以上なら送信側の車両が右左折したと判定し、そうでなければ車線変更したと判定する。この判定は、他車両である送信側の車両が後続車両で、受信側の車両が先行車両であっても可能である。
【0067】
また、以上の説明では、モニタ30には、他車両で作動した方向指示器の情報と、他車両が右左折したか、車線変更したかの情報とを表示することとしたが、更に、他車両が進路変更した位置あるいは方向指示器を作動させた位置を、モニタ30等に出力してもよい。
【0068】
位置を表示するには、例えば自車両の前方何メートル又は後方何メートルなどの相対位置情報を表示すれば良く、地図を表示する必要はない。
【0069】
<2−3.第2実施形態の効果>
以上説明した第2の実施形態によれば、第1実施形態と同様に、他車両、自車両ともに簡易な構成により、他車両の進路変更を自車両で知ることができる。従って、自車両が後続車両であれば、先行車両である他車両に追走することが容易になり、自車両が先行車両であれば、後続車である他車両が追走してきているか否かを容易に確認することができる。
【0070】
第2の実施形態は車両の位置情報を扱うものであるが、車両の位置を地図上に表示する必要がないので、第1実施形態と同様に、簡易な構成を実現できる。更に車両の位置ベクトル又は進行方向の変化を算出するだけで進路変更を判定できるので、第1実施形態と同様に、地図データを参照する必要はなく、膨大な地図データを持つ必要もない。
【0071】
<3−1.第3実施形態の構成(図10)>
図10は、本発明の第3の実施形態によるグループ走行支援装置の構成例を示すブロック図である。上記第1実施形態についての図1と同様の部分には同一の符号を付して説明を省略する。
【0072】
図10に示す第3の実施形態のグループ走行支援装置は、第1の実施形態の各構成に加え、GPS受信機81及びジャイロ82が処理部110に接続され、自車位置測位部80が処理部110内の車両情報取得部100に備えられている。更に、道路地図メモリ91が処理部110に接続され、道路情報取得部90が処理部110内の車両情報取得部100に備えられている。
【0073】
これらの追加構成のうちGPS受信機81、ジャイロ82及び自車位置測位部80は、特に走行シーン情報の送信側の車両に備えられることが望ましいものである。また、道路地図メモリ91及び道路情報取得部90は、送信側の車両又は受信側の車両の少なくとも何れか一方に備えられることが望ましいものである。但し、送信側及び受信側双方の車両にこれらの構成を備えることが最も望ましい。双方の車両で同一の構成を備えることにより、互いに走行シーン情報を送受信して各々が相手の車両の進路変更を判定できるからである。
【0074】
GPS受信機81は、複数のGPS衛星からの同期電波を受信し、各GPS衛星からの電波を受信するまでの時間差情報を自車位置測位部80に送る。
【0075】
ジャイロ82は、自車両の方位(進行方向)を検出する。検出した自車両の方位は自車位置測位部80に送られる。また、車速センサ73で取得した車速情報は、自車位置測位部80にも送られる。
【0076】
自車位置測位部80は、GPS受信機81がGPS衛星からの電波の受信に成功している場合は、受信した電波の時間差情報に基づいて自車の現在位置を計測する。GPS衛星からの電波の受信に成功しない場合、ジャイロ82及び車速センサ73の検出結果に基づいて自車の現在位置を計算する。取得した現在位置の情報は、走行シーン情報として制御部10に送られる。
【0077】
道路地図メモリ91には、道路形状情報、交差点接続情報、道路種別情報、および車線情報などが記憶されている。道路形状情報は道路リンクとノードで表現した情報であり、ノードの位置座標を含む。交差点接続情報は交差点に接続されるリンクやノードの情報である。道路種別情報は、各道路が高速道路や自動車専用道路なのか、国道、県道、市町村道なのかの情報と、各位置での交差点の有無に関する情報を含む。ここで交差点とは、T字路、Y字路などの三叉路、十字路などの四叉路、或いは五叉路以上のものを含む。車線情報は、各道路とそれに設けられた車線の精密な位置の情報である。
【0078】
道路情報取得部90は、道路地図メモリ91の道路種別情報にアクセスし、ある車両位置における道路種別情報を取得して、走行シーン情報として制御部10に送る。あるいは、道路地図メモリ91の車線情報にアクセスし、ある車両位置における車線情報を取得して、どの道路のどの車線を走行しているかを走行シーン情報として制御部10に送る。
【0079】
<3−2.第3実施形態の作用(図11)>
図11は、第3の実施形態によるグループ走行支援装置の処理手順を示すフローチャートである。上記第1の実施形態についての図2と同様の部分には同一の符号を付して詳細な説明を省略することがある。図2と同様、図11のフローチャートでも、他車両において取得され送信された走行シーン情報を受信して他車両の進路変更を判定する、受信側の車両における処理を説明する。
【0080】
他車両である送信側の車両において方向指示器が作動されると、当該送信側の車両の車両情報取得部100は例えば1秒に1回、ウィンカー情報、操舵角情報、車速情報などの車両信号と、自車位置測位部80による位置情報とを含む走行シーン情報を取得し、送受信器20を介して受信側の車両に送信する。なお、他車両である送信側の車両が道路地図メモリ91及び道路情報取得部90を備えている場合には、自車位置測位部80による位置情報に代え、又はこれとともに、道路情報取得部90による道路情報を併せて受信側の車両に送信しても良い。
【0081】
なお、以下では他車両である送信側の車両が先行車両、自車両である受信側の車両が後続車両である場合を中心に説明するが、これと逆に他車両である送信側の車両が後続車両、自車両である受信側の車両が先行車両であっても、他車両の走行シーン情報に基づき他車両の進路変更を判定し結果を出力できることに変わりはない。
【0082】
まず、ステップS110において、他車両における方向指示器の作動情報を、受信側の車両が送受信器20によって受信すると、受信側の車両の制御部10は、他車両の進路変更を判定する準備状態となる。準備状態の具体的処理としては、ステップS120において、他車両の走行シーン情報の他車両情報メモリ40への格納を開始する。更に、送受信器20における他車両との通信頻度を高くすることにより、他車両の進路変更に備えて高頻度で情報を取得し、迅速かつ正確な進路変更判定を期することが望ましい。
【0083】
更にステップS130において、図2及び図3乃至図6で説明したと同様に、受信側の車両の制御部10は、他車両から受信した方向指示器の情報を、モニタ30に出力する。
【0084】
次にステップS155及びS156において、受信側の車両の進路変更判定部50が他車両の進路変更を判定する。進路変更の判定は、ここでは右左折なのか、車線変更なのかの判定である。
【0085】
具体的には、まず、ステップS155において、他車両情報メモリ40に格納された送信側の車両の走行シーン情報から、送信側の車両が走行している道路の道路種別情報を取得する。特に、送信側の車両から道路種別情報が送信されていない場合には、受信側の車両の道路情報取得部90が送信側の車両の車両位置に基づいて道路地図メモリ91にアクセスし、送信側の車両の道路種別情報を取得する。
【0086】
次に、ステップS156において、道路の種別とその付近の交差点の有無から、以下のように進路変更を判定する。すなわち、送信側の車両が走行している道路が高速道路又は自動車専用道路の場合には、パーキングエリア、サービスエリア、ジャンクション等がない限り分岐がないので、送信側の車両で方向指示器が作動されれば車線変更と判定する。但し、故障などで路肩に停車している可能性もあり、その場合はハザード又は左側の方向指示器を長時間作動しているので、方向指示器の作動が例えば30秒以上の場合は車線変更の判定をせず、更に好ましくは停車と判定する。一方、送信側の車両が走行している道路が高速道路や自動車専用道路以外の道路である場合には、付近の交差点の有無を判定する。そして、例えば送信側の車両の前方50m以内に交差点がある場合は、方向指示器を作動していれば右左折と判定し、交差点がない場合は車線変更と判定する。
【0087】
次にステップS160において、図2で説明したと同様に、受信側の車両の制御部10は、進路変更の判定結果をモニタ30に出力する。
【0088】
以上の説明では、例えばステップS110において他車両の方向指示器の作動情報を受信した場合に、他車両の進路変更を判定する準備状態になるとしたが、これ以外の場合に準備状態になることとしても良い。すなわち、他車両の一定時間あたりの加減速量が一定値より大きくなった場合、例えば一定時間内に20km/hより大きな加減速がされた場合や、他車両の速度が一定値より低くなった場合、例えば20km/hより遅い速度となった場合などに準備状態になることとしても良い。
【0089】
また、他車両の進路変更を判定する準備状態になっても、ある一定時間内(例えば1分以内)に、或いは一定距離(例えば100m)の走行前に、操舵角の変化量の最大値が一定値より小さい場合や操舵角の角速度の変化量の最大値が一定値より小さい場合は、準備状態を解除することとしても良い。
【0090】
<3−3.第3実施形態の効果>
以上説明した第3の実施形態によれば、第1実施形態と同様に、他車両、自車両ともに簡易な構成により、他車両の進路変更を自車両で知ることができる。従って、自車両が後続車両であれば、先行車両である他車両に追走することが容易になり、自車両が先行車両であれば、後続車である他車両が追走してきているか否かを容易に確認することができる。
【0091】
第3の実施形態は車両の位置情報を扱うものであるが、車両の位置を地図上に表示する必要がないので、第1実施形態と同様に、簡易な構成を実現できる。
【0092】
また第3の実施形態によれば、他車両が走行している道路の道路情報に基づいて他車両の進路変更を判定するので、より正確な判定を行うことができる。
【0093】
また、道路種別の情報により交差点の有無がわかるので、他車両の進路変更を正確に判定することができる。
【0094】
<3−4.第3実施形態の変形例(図12)>
図12は、第3の実施形態の変形例によるグループ走行支援装置の処理手順を示すフローチャートである。図11と同様の部分は同一の符号で示して詳細な説明を省略し、図11の処理との相違点を主に説明する。図11においては他車両の道路情報として特に道路種別情報を用いて進路変更を判定したが、本変形例では他車両の道路情報として特に車線情報を用いて進路変更を判定する。
【0095】
ステップS110及びS120において、他車両における方向指示器の作動情報を受信した場合に他車両の進路変更を判定する準備状態となって他車両情報メモリ40に情報を格納し、ステップS130において他車両の方向指示器の情報をモニタ30に出力する点は、図11と同様である。
【0096】
次にステップS157及びS158において、受信側の車両の進路変更判定部50が他車両の進路変更を判定する。進路変更の判定は、ここでは右左折なのか、車線変更なのかの判定である。
【0097】
具体的には、まず、ステップS157において、他車両情報メモリ40に格納された送信側の車両の走行シーン情報から、送信側の車両が走行している車線情報を取得する。特に、送信側の車両から車線情報が送信されていない場合には、受信側の車両の道路情報取得部90が送信側の車両の車両位置に基づいて道路地図メモリ91にアクセスし、送信側の車両の車線情報を取得する。
【0098】
次に、ステップS158において、送信側の車両がどの道路のどの車線を走っているかの情報に基づき、以下のように進路変更を判定する。すなわち、送信側の車両が同じ道路で別の車線に移る場合は車線変更と判定する。ある道路から別の道路に移る場合は右左折と判定する。方向指示器の作動開始後一定時間内に道路も車線も変わらない場合に、直進と判定しても良い。
【0099】
次のステップS160において、進路変更の判定結果をモニタ30に出力する点は、図11と同様である。
【0100】
<3−5.第3実施形態の変形例特有の効果>
本変形例によれば、他車両の車線情報に基づいて他車両の進路変更を直接判定することができるので、進路変更を正確に判定することができる。
【0101】
<4.用語の説明等>
なお、以上説明した各実施形態における送受信器20は本発明の「送受信手段」に、進路変更判定部50は「進路変更判定手段」に、モニタ30は「判定結果出力手段」に、自車位置測位部80は「位置情報取得手段」に、それぞれ相当する。また、車両情報取得部100で取得するシーン走行情報は「走行状況の情報」に相当する。
【0102】
なお、以上説明した第1の実施形態乃至第3の実施形態は、それ単独で構成できるのみならず、これらの任意の組み合わせによっても構成できるものである。例えば、第1の実施形態と第2の実施形態とを組み合わせることで、方向指示器や車速などの車両信号による判定結果に位置情報による判定結果を加味して進路変更を判定することができる。また例えば、第1もしくは第2の実施形態又はその組み合わせの形態と第3の実施形態とを組み合わせることで、道路情報による判定結果を更に加味して進路変更を判定することもできる。
【符号の説明】
【0103】
20…送受信器
100…車両情報取得部
50…進路変更判定部
30…モニタ
80…自車位置測位部
C1…先行車両を示すアイコン
C2…後続車両を示すアイコン
【技術分野】
【0001】
本発明はグループ走行支援装置に関し、特にグループ内の他車両の走行情報を取得し、これに基づいてグループ走行を支援する装置に関する。
【背景技術】
【0002】
複数車両のグループ走行を支援する装置として、例えば特開2000−331284号公報(特許文献1)や、特開2001−317953号公報(特許文献2)に記載のものが提案されている。
【0003】
上記特開2000−331284号公報で提案されている装置は、同じグループ内の各車両が、GPSシステムで取得した自車両の位置を携帯電話等によりサーバに送信し、各車両のナビゲーションシステムに、当該グループ内の車両の位置を表示するものである。
【0004】
また、上記特開2001−317953号公報で提案されている装置は、先導車のナビゲーションシステムに目的地を入力し、算出された目的地までの推奨経路を後続車に伝達するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2000−331284号公報
【特許文献2】特開2001−317953号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記特開2000−331284号公報で提案されているものは、グループに属する各車両が、地図を表示可能な表示装置を備えていることを前提としている。地図を表示可能な表示装置は高価であり、そのような表示装置を備えていない車両には、この技術を適用することができない。
【0007】
また、上記特開2001−317953号公報で提案されているものは、先導車が推奨経路の算出機能を備えていることを前提としているが、先導車が推奨経路の算出機能を備えていない場合はこの技術を適用することができない。しかも、先導車が推奨経路と異なる道路を走行した場合は正確な情報を伝えることができず、後続車が追走することができない。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のグループ走行支援装置は、車両の走行状況情報を送受信する送受信手段と、送受信手段で受信した走行状況情報に基づき、走行状況情報を送信した車両の進路変更を判定する進路変更判定手段と、進路変更判定手段による判定結果を乗員に提示する判定結果提示手段とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、送信局車両は走行状況情報を送信すればよく、推奨経路を算出する必要はないので、グループ走行支援装置の構成を簡易にすることができる。走行状況情報を受信した受信局車両は、送信局車両の進路変更を判定して出力すればよく、地図上に表示する必要はないので、これによってもグループ走行支援装置の自車両の構成も簡易にすることができる。このように簡易な構成により、送信局車両の進路変更を自車両で知ることができるので、受信局車両が後続車両であれば、先行車両である送信局車両に追走することが容易になり、受信局車両が先行車両であれば、後続車である送信局車両が追走してきているか否かを容易に知ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】第1の実施形態によるグループ走行支援装置の構成例を示すブロック図である。
【図2】第1の実施形態によるグループ走行支援装置の処理手順を示すフローチャートである。
【図3】右折と判定される場合にモニタ30に出力される表示の例を示す図である。
【図4】右に車線変更と判定される場合にモニタ30に出力される表示の例を示す図である。
【図5】左折と判定される場合にモニタ30に出力される表示の例を示す図である。
【図6】左に車線変更と判定される場合にモニタ30に出力される表示の例を示す図である。
【図7】第1の実施形態の変形例によるグループ走行支援装置の処理手順を示すフローチャートである。
【図8】第2の実施形態によるグループ走行支援装置の構成例を示すブロック図である。
【図9】第2の実施形態によるグループ走行支援装置の処理手順を示すフローチャートである。
【図10】第3の実施形態によるグループ走行支援装置の構成例を示すブロック図である。
【図11】第3の実施形態によるグループ走行支援装置の処理手順を示すフローチャートである。
【図12】第3の実施形態の変形例によるグループ走行支援装置の処理手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
<1−1.第1実施形態の構成(図1)>
図1は、本発明の第1の実施形態によるグループ走行支援装置の構成例を示すブロック図である。このグループ走行支援装置は、処理部110に、方向指示器センサ71、操舵角センサ72、車速センサ73、送受信器20が接続されている他、他車両情報メモリ40、アイコンメモリ60、モニタ30が接続されて構成されている。このうち処理部110は、制御部10、車両情報取得部100の他、進路変更判定部50を備えている。
【0012】
方向指示器センサ71、操舵角センサ72、車速センサ73、送受信器20、制御部10、車両情報取得部100は、特に走行シーン情報の送信側の車両に備えられることが望ましいものである。これに対し、送受信器20、他車両情報メモリ40、アイコンメモリ60、モニタ30、処理部10、進路変更判定部50は、特に他車両の走行シーン情報を受信して他車両の進路変更を判定する受信側の車両に備えられることが望ましいものである。但し、双方の車両にこれらの構成を備えることにより、互いに走行シーン情報を送受信して各々が相手の車両の進路変更を判定できることが最も望ましい。
【0013】
ここで、走行シーン情報は、方向指示器センサ71、操舵角センサ72、車速センサ73から得られる車両の運転状態や走行状態を示す情報(走行状況の情報)であり、本明細書では、これらの情報に基づいて車両の進路変更を判定する。すなわち、走行状況の情報に基づいて、車両が右左折したか、車線変更したかを判定する。
【0014】
<1−2.走行シーン情報を取得及び送受信する構成の詳細>
制御部10は、マイクロプロセッサおよびその周辺回路で構成され、送受信器20で送受信する情報の処理、モニタ30で出力する情報の処理、その他の制御を行い、本実施形態によるグループ走行支援装置の制御全般を司るものである。
【0015】
車両情報取得部100は、自車両の走行シーン情報を取得するものであり、本第1実施形態では車両信号取得部70を備えている。
【0016】
方向指示器センサ71は、所定のタイミングでウィンカー情報を取得し、車両信号取得部70に送る。ウィンカー情報は、特に車両の運転者が方向指示器を操作してウィンカーを出した情報と、ウィンカーが切れた情報と、左右何れのウィンカーを出したかの情報とを含んでいる。
【0017】
操舵角センサ72は、運転者のハンドル操作に応じた所定のタイミングで操舵角情報を取得し、車両信号取得部70に送る。
【0018】
車速センサ73は、所定のタイミングで車速情報を取得し、車両信号取得部70に送る。
【0019】
車両信号取得部70は、自車両の走行シーン情報として、方向指示器センサ71、操舵角センサ72、車速センサ73からの車両信号を取得し、制御部10に送る。
【0020】
送受信器20は、制御部10による制御に基づき、自車両の走行シーン情報を送信し、及び/又は他車両の走行シーン情報を受信するものである。送受信の具体的方法は特に限定されないが、無線LANなどの狭域無線通信が通信コストを抑える上で特に好ましい。その他、携帯電話やPHSなどの広域無線通信を用いることも可能である。
【0021】
<1−3.進路変更を判定及び出力する構成の詳細>
他車両情報メモリ40は、送受信器20で受信した他車両の走行シーン情報を、制御部10による制御に基づき格納するものである。他車両の走行シーン情報は、例えば受信後一定時間を経過した後に逐次削除したり、また例えば先行車両が通過した地点を後続車両が通過した後に逐次削除したりしても良い。
【0022】
進路変更判定部50は、他車両情報メモリ40に格納された他車両の走行シーン情報に基づき、他車両の進路変更を判定する。ここでいう進路変更は、例えば右左折したか車線変更したかの判定である。
【0023】
アイコンメモリ60は、進路変更判定部50による判定結果をアイコン表示するためのアイコンを予め格納したメモリであり、制御部10による制御に基づき読み出し可能になっている。例えば、他車両の走行シーン情報を表示するための他車両アイコン及び方向指示器アイコンや、進路変更判定結果を表示するための自車両アイコン及び進路変更表示アイコンを格納している。
【0024】
モニタ30は、進路変更判定部50による判定結果を、制御部10による制御に基づき表示することによって出力する装置である。但し、判定結果の出力はモニタによる表示に限らず、図示しないランプの点灯や、図示しないスピーカによる音声出力などによっても良い。
【0025】
<1−4.第1実施形態の作用(図2〜図6)>
図2は、第1の実施形態によるグループ走行支援装置の処理手順を示すフローチャートである。このフローチャートでは、他車両において取得され送信された走行シーン情報を受信して他車両の進路変更を判定する、受信側の車両(受信局車両)における処理を説明する。他車両である送信側の車両(送信局車両)において方向指示器が作動されると、当該送信側の車両の車両情報取得部100は例えば1秒に1回、ウィンカー情報、操舵角情報、車速情報などの走行シーン情報を取得し、送受信部20を介して受信側の車両に送信する。受信側の車両は、他車両から走行シーン情報が送信されればこれを送受信器20において随時受信している。
【0026】
なお、以下では他車両である送信側の車両が先行車両、自車両である受信側の車両が後続車両である場合を中心に説明するが、これと逆に他車両である送信側の車両が後続車両、自車両である受信側の車両が先行車両であっても、他車両の走行シーン情報に基づき他車両の進路変更を判定し結果を出力できることに変わりはない。
【0027】
まず、ステップS110において、他車両における方向指示器の作動情報を、受信側の車両が送受信器20によって受信すると、受信側の車両の制御部10は、他車両の進路変更を判定する準備状態となる。準備状態の具体的処理としては、ステップS120において、他車両の走行シーン情報の他車両情報メモリ40への格納を開始する。更に、送受信器20における他車両との通信頻度を高くする(例えば1秒に1回)ことにより、他車両の進路変更に備えて高頻度で情報を取得し、迅速かつ正確な進路変更判定を期することが望ましい。
【0028】
更にステップS130において、受信側の車両の制御部10は、他車両から受信した方向指示器の情報を、モニタ30に出力する。出力の具体例としては、例えば他車両を示すアイコンをモニタ30に表示し、右の方向指示器の作動中は当該他車両を示すアイコンの右肩に方向指示器アイコンを点滅させ、左の方向指示器の作動中は当該他車両を示すアイコンの左肩に方向指示器アイコンを点滅させる。これにより、他車両がどちらの方向指示器を出しているかを受信側の車両のユーザが知ることができる。
【0029】
次にステップS140において、他車両における方向指示器の作動が終了した情報を、受信側の車両の送受信器20によって受信した場合、ステップS150において、受信側の車両の進路変更判定部50が他車両の進路変更を判定する。進路変更の判定は、ここでは右左折なのか、車線変更なのかの判定である。
【0030】
具体的には、まず、他車両情報メモリ40に格納された他車両のウィンカー情報と車速情報に基づき、方向指示器の作動時間と、方向指示器の作動中の当該他車両の車速変化量の最大値を算出する。そして例えば、他車両の右側の方向指示器が作動している間の車速変化量の最大値がある一定値以上、例えば20km/h以上である第1の条件と、右側の方向指示器の作動時間がある時間以上、例えば5秒以上である第2の条件とが満足する場合、右折と判断する。これに対し、右側の方向指示器の作動中の車速変化量の最大値が20km/h未満、かつ作動時間が5秒未満なら、右に車線変更と判断する。
【0031】
なお、第1の条件および第2の条件のいずれか一方が満足しないときは、右左折でも、車線変更でもないと判断する。
【0032】
次にステップS160において、受信側の車両の制御部10は、進路変更の判定結果をモニタ30に出力する。出力の具体例としては、例えば先行車両である他車両を示す上述のアイコンの隣に、後続車両である受信側の自車両を示すアイコンを表示し、当該自車両を示すアイコンの付近に、右左折又は車線変更を指示するアイコンを表示する。これにより、先行車両である他車両の進路変更を判定した結果に基づいて、後続車両である自車両が今後どのように進路変更したらよいかを受信側の車両のユーザが知ることができる。
【0033】
図3乃至図6は、モニタ30に出力される表示の例を示す図である。各図の(A)はステップS130において出力される表示であって、他車両の方向指示器の作動を、他車両を示すアイコンC1の右肩又は左肩に表示したアイコンで示している。各図の(B)はステップS160において出力される表示であって、他車両の進路変更を判定した結果を、自車両を示すアイコンC2の付近に表示したアイコンで示している。図3は右折の場合、図4は右に車線変更の場合、図5は左折の場合、図6は左に車線変更の場合をそれぞれ示すものである。但し、モニタ30での表示態様はこれに限らず、例えば自車両や他車両を示すアイコンC1、C2を省略して単に方向指示器の作動及び進路変更の判定結果を示すだけでも良い。
【0034】
以上の説明では、例えばステップS110において他車両の方向指示器の作動情報を受信した場合に、他車両の進路変更を判定する準備状態になるとしたが、これ以外の場合に準備状態としても良い。すなわち、他車両の一定時間あたりの加減速量が一定値より大きくなった場合、例えば一定時間内に20km/hより大きな加減速がされた場合や、他車両の速度が一定値より低くなった場合、例えば20km/hより遅い速度となった場合などに、準備状態になることとしても良い。
【0035】
また、他車両の進路変更を判定する準備状態になっても、ある一定時間内(例えば1分以内)に、或いは一定距離(例えば100m)の走行前に、操舵角の変化量の最大値が一定値より小さい場合や操舵角の角速度の変化量の最大値が一定値より小さい場合は、準備状態を解除することとしても良い。
【0036】
<1−5.第1実施形態の効果>
以上説明した第1の実施形態によれば次のような作用効果が得られる。
【0037】
(1)送信側である他車両は走行シーン情報を送信すればよく、推奨経路を算出する必要はないので、送信側の車両の構成を簡易にすることができる。他車両の走行シーン情報を受信した受信側の車両は、他車両の進路変更を判定して出力すればよく、地図上に表示する必要はないので、受信側の車両の構成も簡易にすることができる。
【0038】
このように他車両、自車両ともに簡易な構成により、他車両の進路変更を自車両で知ることができるので、自車両が後続車両であれば、先行車両である他車両に追走することが容易になり、自車両が先行車両であれば、後続車である他車両が追走してきているか否かを容易に確認することができる。
【0039】
(2)本実施形態によれば、他車両が右左折したか車線変更したかがわかるので、受信側の車両が後続車両であれば容易に追走することができ、受信側の車両が先行車両であれば後続車両の追走を確認するための十分な情報を得ることができる。
【0040】
(3)一定の場合に準備状態となることとしたので、他の場合のデータ送受信やコンピュータ処理を最小限にすることができ、通信コストやコンピュータ処理負担を軽減することができる。
【0041】
(4)一定の場合に準備状態を解除することとした場合は、以後のデータ送受信やコンピュータ処理を最小限にすることができ、通信コストやコンピュータ処理負担を軽減することができる。
【0042】
(5)準備状態の場合に通信頻度を密にすることで、他車両の進路変更を迅速かつ正確に判定することができる。
【0043】
(6)他車両の方向指示器の作動時間及び車速の時系列変化に基づいて他車両の進路変更を判定することで、正確な判定を行うことができる。
【0044】
(7)判定結果をアイコンで表示することにより、簡易な表示装置で出力することができる。特に自車両が後続車両の場合は、先行車両の走行シーン情報と自車両が今後とるべき進路とを的確に出力することができる。一方、自車両が先行車両の場合は、後続車両が同じシステムを搭載している場合には、自車両の情報が後続車両に正確に伝わっているかどうかを確認することができる。
【0045】
<1−6.第1実施形態の変形例(図7)>
図7は、第1の実施形態の変形例によるグループ走行支援装置の処理手順を示すフローチャートである。図2と同様の部分は同一の符号で示して詳細な説明を省略し、図2の処理との相違点を主に説明する。図2においては他車両の車速情報とウィンカー情報に基づいて進路変更を判定したが、本変形例では他車両の車速情報と操舵角情報に基づいて進路変更を判定する。
【0046】
ステップS110及びS120において、他車両における方向指示器の作動情報を受信した場合に他車両の進路変更を判定する準備状態となり、ステップS130において他車両の方向指示器の情報をモニタ30に出力し、ステップS140において他車両における方向指示器の作動が終了した情報を受信するまで、他車両情報メモリ40に情報を格納する点は、図2と同様である。
【0047】
次のステップS151において、受信側の車両の進路変更判定部50は他車両の進路変更を判定する。具体的には、まず、他車両情報メモリ40に格納された他車両のウィンカー情報と操舵角情報と車速情報に基づき、方向指示器の作動中の当該他車両の操舵角変化量の最大値及び車速変化量の最大値を算出する。そして例えば、他車両の右側の方向指示器が作動している間の操舵角の変化量の最大値がある一定値以上、例えば30度以上である第1の条件と、右側の方向指示器が作動している間の車速変化量の最大値がある一定値以上、例えば20km/h以上であるという第2の条件が満足される場合、右折と判断する。これに対し、右側の方向指示器の作動中の操舵角の変化量の最大値が30度未満、かつ車速変化量の最大値が20km/h未満なら、右に車線変更と判断する。
【0048】
なお、第1の条件および第2の条件のいずれか一方が満足しないときは、右左折でも、車線変更でもないと判断する。
【0049】
次のステップS160において、進路変更の判定結果をモニタ30に出力する点は、図2と同様である。
【0050】
<1−7.第1実施形態の変形例特有の効果>
本変形例によれば、他車両の操舵角の時系列変化及び車速の時系列変化に基づいて他車両の進路変更を判定することで、正確な判定を行うことができる。
【0051】
とくに、他車両が先行車両である場合に、先行車両が右左折の結果交差点の角の建物の陰に隠れてしまったり、先行車両が車線変更の結果大型車両の陰に隠れてしまったりして、以後の通信が中断しても、通信中断前の操舵角の時系列変化と車速の時系列変化から先行車両の進路変更を推定することができる。
【0052】
<2−1.第2実施形態の構成(図8)>
図8は、本発明の第2の実施形態によるグループ走行支援装置の構成例を示すブロック図である。上記第1実施形態についての図1と同様の部分には同一の符号を付して説明を省略する。
【0053】
図8に示す第2の実施形態のグループ走行支援装置は、第1の実施形態の各構成に加え、GPS受信機81及びジャイロ82が処理部110に接続され、自車位置測位部80が処理部110内の車両情報取得部100に備えられている。これらの追加構成は、特に走行シーン情報の送信側の車両に備えられることが望ましいものである。但し、送信側及び受信側双方の車両にこれらの構成を備えることが最も望ましい。双方の車両で自車位置を測位することにより、後述のように車両間の相対位置を算出することができるし、双方の車両で同一の構成を備えることにより、互いに走行シーン情報を送受信して各々が相手の車両の進路変更を判定できるからである。
【0054】
GPS受信機81は、複数のGPS衛星からの同期電波を受信し、各GPS衛星からの電波を受信するまでの時間差情報を自車位置測位部80に送る。
【0055】
ジャイロ82は、自車両の方位(進行方向)を検出する。検出した自車両の方位は自車位置測位部80に送られる。また、車速センサ73で取得した車速情報は、自車位置測位部80にも送られる。
【0056】
自車位置測位部80は、GPS受信機81がGPS衛星からの電波の受信に成功している場合は、受信した電波の時間差情報に基づいて自車の現在位置を計測する。GPS衛星からの電波の受信に成功しない場合、ジャイロ82及び車速センサ73の検出結果に基づいて自車の現在位置を計算する。取得した現在位置の情報は、走行シーン情報として制御部10に送られる。
【0057】
<2−2.第2実施形態の作用(図9)>
図9は、第2の実施形態によるグループ走行支援装置の処理手順を示すフローチャートである。上記第1の実施形態についての図2と同様の部分には同一の符号を付して詳細な説明を省略することがある。図2と同様、図9のフローチャートでも、他車両において取得され送信された走行シーン情報を受信して他車両の進路変更を判定する、受信側の車両における処理を説明する。他車両である送信側の車両において方向指示器が作動されると、当該送信側の車両の車両情報取得部100は例えば1秒に1回、ウィンカー情報、操舵角情報、車速情報などの車両信号と、自車位置測位部80による位置情報とを含む走行シーン情報を取得し、送受信器20を介して受信側の車両に送信する。
【0058】
なお、以下では他車両である送信側の車両が先行車両、自車両である受信側の車両が後続車両である場合を中心に説明するが、これと逆に他車両である送信側の車両が後続車両、自車両である受信側の車両が先行車両であっても、他車両の走行シーン情報に基づき他車両の進路変更を判定し結果を出力できることに変わりはない。
【0059】
まず、ステップS110において、他車両における方向指示器の作動情報を、受信側の車両が送受信器20によって受信すると、受信側の車両の制御部10は、他車両の進路変更を判定する準備状態となる。準備状態の具体的処理としては、ステップS120において、他車両の走行シーン情報の他車両情報メモリ40への格納を開始する。更に、送受信器20における他車両との通信頻度を高くすることにより、他車両の進路変更に備えて高頻度で情報を取得し、迅速かつ正確な進路変更判定を期することが望ましい。更に、受信側の車両が自車位置測位部80、GPS受信機81等を備えている場合には、ステップS125に示すように、受信側の車両も自車位置の取得を開始することが望ましい。
【0060】
更にステップS130において、図2及び図3乃至図6で説明したと同様に、受信側の車両の制御部10は、他車両から受信した方向指示器の情報を、モニタ30に出力する。
【0061】
次にステップS140において、他車両における方向指示器の作動が終了した情報を、受信側の車両の送受信器20によって受信した場合、ステップS152乃至S154において、受信側の車両の進路変更判定部50が他車両の進路変更を判定する。進路変更の判定は、ここでは右左折なのか、車線変更なのかの判定である。
【0062】
具体的には、他車両である送信側の車両が先行車両、受信側の車両が後続車両である場合には、まず、ステップS152において、先行車両の方向指示器の作動開始時の先行車両の位置及び後続車両の位置に基づいて、後続車両から見た先行車両の位置ベクトルを算出する。同様に、先行車両の方向指示器の作動終了時の先行車両の位置及び後続車両の位置に基づいて、後続車両から見た先行車両の位置ベクトルを算出する。
【0063】
次にこれらの位置ベクトルに基づいて、ステップS153において、先行車両の方向指示器の作動開始時から終了時までの位置ベクトルの変化、特に位置ベクトルが持つ方向の変化量を算出する。次にステップS154において、位置ベクトルの変化量が一定値以上、例えば30度以上なら先行車両が右左折したと判定し、そうでなければ車線変更したと判定する。そして、ステップS160において、図2で説明したと同様に、受信側の車両の制御部10は、進路変更の判定結果をモニタ30に出力する。
【0064】
以上の説明では、例えばステップS110において他車両の方向指示器の作動情報を受信した場合に、他車両の進路変更を判定する準備状態になるとしたが、これ以外の場合に準備状態になることとしても良い。すなわち、他車両の一定時間あたりの加減速量が一定値より大きくなった場合、例えば一定時間内に20km/hより大きな加減速がされた場合や、他車両の速度が一定値より低くなった場合、例えば20km/hより遅い速度となった場合などに準備状態になることとしても良い。
【0065】
また、他車両の進路変更を判定する準備状態になっても、ある一定時間内(例えば1分以内)に、或いは一定距離(例えば100m)の走行前に、操舵角の変化量の最大値が一定値より小さい場合や操舵角の角速度の変化量の最大値が一定値より小さい場合は、準備状態を解除することとしても良い。
【0066】
以上の説明では、ステップS110で先行車の位置を取得し、ステップS125において受信側の車両位置を取得し、自車位置と先行車の位置とを結んだ線分を位置ベクトルと定義した。しかし、受信側の車両が自車位置測位部80、GPS受信機81等を備えていない場合には、受信側の車両位置を取得する必要はない。この場合は、ステップS152乃至S154の処理の代わりに、他車両である送信側の車両の位置情報の履歴に基づいて進路変更を判定する。具体的には、送信側の車両の方向指示器の作動開始直後に後続車が受信した先行車の複数地点の位置情報に基づいて、送信側の車両の進行方向を算出する。同様に、送信側の車両の方向指示器の作動終了直前の複数地点の位置情報に基づいて、送信側の車両の進行方向を算出する。これらの算出された進行方向の差を求め、例えば30度以上なら送信側の車両が右左折したと判定し、そうでなければ車線変更したと判定する。この判定は、他車両である送信側の車両が後続車両で、受信側の車両が先行車両であっても可能である。
【0067】
また、以上の説明では、モニタ30には、他車両で作動した方向指示器の情報と、他車両が右左折したか、車線変更したかの情報とを表示することとしたが、更に、他車両が進路変更した位置あるいは方向指示器を作動させた位置を、モニタ30等に出力してもよい。
【0068】
位置を表示するには、例えば自車両の前方何メートル又は後方何メートルなどの相対位置情報を表示すれば良く、地図を表示する必要はない。
【0069】
<2−3.第2実施形態の効果>
以上説明した第2の実施形態によれば、第1実施形態と同様に、他車両、自車両ともに簡易な構成により、他車両の進路変更を自車両で知ることができる。従って、自車両が後続車両であれば、先行車両である他車両に追走することが容易になり、自車両が先行車両であれば、後続車である他車両が追走してきているか否かを容易に確認することができる。
【0070】
第2の実施形態は車両の位置情報を扱うものであるが、車両の位置を地図上に表示する必要がないので、第1実施形態と同様に、簡易な構成を実現できる。更に車両の位置ベクトル又は進行方向の変化を算出するだけで進路変更を判定できるので、第1実施形態と同様に、地図データを参照する必要はなく、膨大な地図データを持つ必要もない。
【0071】
<3−1.第3実施形態の構成(図10)>
図10は、本発明の第3の実施形態によるグループ走行支援装置の構成例を示すブロック図である。上記第1実施形態についての図1と同様の部分には同一の符号を付して説明を省略する。
【0072】
図10に示す第3の実施形態のグループ走行支援装置は、第1の実施形態の各構成に加え、GPS受信機81及びジャイロ82が処理部110に接続され、自車位置測位部80が処理部110内の車両情報取得部100に備えられている。更に、道路地図メモリ91が処理部110に接続され、道路情報取得部90が処理部110内の車両情報取得部100に備えられている。
【0073】
これらの追加構成のうちGPS受信機81、ジャイロ82及び自車位置測位部80は、特に走行シーン情報の送信側の車両に備えられることが望ましいものである。また、道路地図メモリ91及び道路情報取得部90は、送信側の車両又は受信側の車両の少なくとも何れか一方に備えられることが望ましいものである。但し、送信側及び受信側双方の車両にこれらの構成を備えることが最も望ましい。双方の車両で同一の構成を備えることにより、互いに走行シーン情報を送受信して各々が相手の車両の進路変更を判定できるからである。
【0074】
GPS受信機81は、複数のGPS衛星からの同期電波を受信し、各GPS衛星からの電波を受信するまでの時間差情報を自車位置測位部80に送る。
【0075】
ジャイロ82は、自車両の方位(進行方向)を検出する。検出した自車両の方位は自車位置測位部80に送られる。また、車速センサ73で取得した車速情報は、自車位置測位部80にも送られる。
【0076】
自車位置測位部80は、GPS受信機81がGPS衛星からの電波の受信に成功している場合は、受信した電波の時間差情報に基づいて自車の現在位置を計測する。GPS衛星からの電波の受信に成功しない場合、ジャイロ82及び車速センサ73の検出結果に基づいて自車の現在位置を計算する。取得した現在位置の情報は、走行シーン情報として制御部10に送られる。
【0077】
道路地図メモリ91には、道路形状情報、交差点接続情報、道路種別情報、および車線情報などが記憶されている。道路形状情報は道路リンクとノードで表現した情報であり、ノードの位置座標を含む。交差点接続情報は交差点に接続されるリンクやノードの情報である。道路種別情報は、各道路が高速道路や自動車専用道路なのか、国道、県道、市町村道なのかの情報と、各位置での交差点の有無に関する情報を含む。ここで交差点とは、T字路、Y字路などの三叉路、十字路などの四叉路、或いは五叉路以上のものを含む。車線情報は、各道路とそれに設けられた車線の精密な位置の情報である。
【0078】
道路情報取得部90は、道路地図メモリ91の道路種別情報にアクセスし、ある車両位置における道路種別情報を取得して、走行シーン情報として制御部10に送る。あるいは、道路地図メモリ91の車線情報にアクセスし、ある車両位置における車線情報を取得して、どの道路のどの車線を走行しているかを走行シーン情報として制御部10に送る。
【0079】
<3−2.第3実施形態の作用(図11)>
図11は、第3の実施形態によるグループ走行支援装置の処理手順を示すフローチャートである。上記第1の実施形態についての図2と同様の部分には同一の符号を付して詳細な説明を省略することがある。図2と同様、図11のフローチャートでも、他車両において取得され送信された走行シーン情報を受信して他車両の進路変更を判定する、受信側の車両における処理を説明する。
【0080】
他車両である送信側の車両において方向指示器が作動されると、当該送信側の車両の車両情報取得部100は例えば1秒に1回、ウィンカー情報、操舵角情報、車速情報などの車両信号と、自車位置測位部80による位置情報とを含む走行シーン情報を取得し、送受信器20を介して受信側の車両に送信する。なお、他車両である送信側の車両が道路地図メモリ91及び道路情報取得部90を備えている場合には、自車位置測位部80による位置情報に代え、又はこれとともに、道路情報取得部90による道路情報を併せて受信側の車両に送信しても良い。
【0081】
なお、以下では他車両である送信側の車両が先行車両、自車両である受信側の車両が後続車両である場合を中心に説明するが、これと逆に他車両である送信側の車両が後続車両、自車両である受信側の車両が先行車両であっても、他車両の走行シーン情報に基づき他車両の進路変更を判定し結果を出力できることに変わりはない。
【0082】
まず、ステップS110において、他車両における方向指示器の作動情報を、受信側の車両が送受信器20によって受信すると、受信側の車両の制御部10は、他車両の進路変更を判定する準備状態となる。準備状態の具体的処理としては、ステップS120において、他車両の走行シーン情報の他車両情報メモリ40への格納を開始する。更に、送受信器20における他車両との通信頻度を高くすることにより、他車両の進路変更に備えて高頻度で情報を取得し、迅速かつ正確な進路変更判定を期することが望ましい。
【0083】
更にステップS130において、図2及び図3乃至図6で説明したと同様に、受信側の車両の制御部10は、他車両から受信した方向指示器の情報を、モニタ30に出力する。
【0084】
次にステップS155及びS156において、受信側の車両の進路変更判定部50が他車両の進路変更を判定する。進路変更の判定は、ここでは右左折なのか、車線変更なのかの判定である。
【0085】
具体的には、まず、ステップS155において、他車両情報メモリ40に格納された送信側の車両の走行シーン情報から、送信側の車両が走行している道路の道路種別情報を取得する。特に、送信側の車両から道路種別情報が送信されていない場合には、受信側の車両の道路情報取得部90が送信側の車両の車両位置に基づいて道路地図メモリ91にアクセスし、送信側の車両の道路種別情報を取得する。
【0086】
次に、ステップS156において、道路の種別とその付近の交差点の有無から、以下のように進路変更を判定する。すなわち、送信側の車両が走行している道路が高速道路又は自動車専用道路の場合には、パーキングエリア、サービスエリア、ジャンクション等がない限り分岐がないので、送信側の車両で方向指示器が作動されれば車線変更と判定する。但し、故障などで路肩に停車している可能性もあり、その場合はハザード又は左側の方向指示器を長時間作動しているので、方向指示器の作動が例えば30秒以上の場合は車線変更の判定をせず、更に好ましくは停車と判定する。一方、送信側の車両が走行している道路が高速道路や自動車専用道路以外の道路である場合には、付近の交差点の有無を判定する。そして、例えば送信側の車両の前方50m以内に交差点がある場合は、方向指示器を作動していれば右左折と判定し、交差点がない場合は車線変更と判定する。
【0087】
次にステップS160において、図2で説明したと同様に、受信側の車両の制御部10は、進路変更の判定結果をモニタ30に出力する。
【0088】
以上の説明では、例えばステップS110において他車両の方向指示器の作動情報を受信した場合に、他車両の進路変更を判定する準備状態になるとしたが、これ以外の場合に準備状態になることとしても良い。すなわち、他車両の一定時間あたりの加減速量が一定値より大きくなった場合、例えば一定時間内に20km/hより大きな加減速がされた場合や、他車両の速度が一定値より低くなった場合、例えば20km/hより遅い速度となった場合などに準備状態になることとしても良い。
【0089】
また、他車両の進路変更を判定する準備状態になっても、ある一定時間内(例えば1分以内)に、或いは一定距離(例えば100m)の走行前に、操舵角の変化量の最大値が一定値より小さい場合や操舵角の角速度の変化量の最大値が一定値より小さい場合は、準備状態を解除することとしても良い。
【0090】
<3−3.第3実施形態の効果>
以上説明した第3の実施形態によれば、第1実施形態と同様に、他車両、自車両ともに簡易な構成により、他車両の進路変更を自車両で知ることができる。従って、自車両が後続車両であれば、先行車両である他車両に追走することが容易になり、自車両が先行車両であれば、後続車である他車両が追走してきているか否かを容易に確認することができる。
【0091】
第3の実施形態は車両の位置情報を扱うものであるが、車両の位置を地図上に表示する必要がないので、第1実施形態と同様に、簡易な構成を実現できる。
【0092】
また第3の実施形態によれば、他車両が走行している道路の道路情報に基づいて他車両の進路変更を判定するので、より正確な判定を行うことができる。
【0093】
また、道路種別の情報により交差点の有無がわかるので、他車両の進路変更を正確に判定することができる。
【0094】
<3−4.第3実施形態の変形例(図12)>
図12は、第3の実施形態の変形例によるグループ走行支援装置の処理手順を示すフローチャートである。図11と同様の部分は同一の符号で示して詳細な説明を省略し、図11の処理との相違点を主に説明する。図11においては他車両の道路情報として特に道路種別情報を用いて進路変更を判定したが、本変形例では他車両の道路情報として特に車線情報を用いて進路変更を判定する。
【0095】
ステップS110及びS120において、他車両における方向指示器の作動情報を受信した場合に他車両の進路変更を判定する準備状態となって他車両情報メモリ40に情報を格納し、ステップS130において他車両の方向指示器の情報をモニタ30に出力する点は、図11と同様である。
【0096】
次にステップS157及びS158において、受信側の車両の進路変更判定部50が他車両の進路変更を判定する。進路変更の判定は、ここでは右左折なのか、車線変更なのかの判定である。
【0097】
具体的には、まず、ステップS157において、他車両情報メモリ40に格納された送信側の車両の走行シーン情報から、送信側の車両が走行している車線情報を取得する。特に、送信側の車両から車線情報が送信されていない場合には、受信側の車両の道路情報取得部90が送信側の車両の車両位置に基づいて道路地図メモリ91にアクセスし、送信側の車両の車線情報を取得する。
【0098】
次に、ステップS158において、送信側の車両がどの道路のどの車線を走っているかの情報に基づき、以下のように進路変更を判定する。すなわち、送信側の車両が同じ道路で別の車線に移る場合は車線変更と判定する。ある道路から別の道路に移る場合は右左折と判定する。方向指示器の作動開始後一定時間内に道路も車線も変わらない場合に、直進と判定しても良い。
【0099】
次のステップS160において、進路変更の判定結果をモニタ30に出力する点は、図11と同様である。
【0100】
<3−5.第3実施形態の変形例特有の効果>
本変形例によれば、他車両の車線情報に基づいて他車両の進路変更を直接判定することができるので、進路変更を正確に判定することができる。
【0101】
<4.用語の説明等>
なお、以上説明した各実施形態における送受信器20は本発明の「送受信手段」に、進路変更判定部50は「進路変更判定手段」に、モニタ30は「判定結果出力手段」に、自車位置測位部80は「位置情報取得手段」に、それぞれ相当する。また、車両情報取得部100で取得するシーン走行情報は「走行状況の情報」に相当する。
【0102】
なお、以上説明した第1の実施形態乃至第3の実施形態は、それ単独で構成できるのみならず、これらの任意の組み合わせによっても構成できるものである。例えば、第1の実施形態と第2の実施形態とを組み合わせることで、方向指示器や車速などの車両信号による判定結果に位置情報による判定結果を加味して進路変更を判定することができる。また例えば、第1もしくは第2の実施形態又はその組み合わせの形態と第3の実施形態とを組み合わせることで、道路情報による判定結果を更に加味して進路変更を判定することもできる。
【符号の説明】
【0103】
20…送受信器
100…車両情報取得部
50…進路変更判定部
30…モニタ
80…自車位置測位部
C1…先行車両を示すアイコン
C2…後続車両を示すアイコン
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の走行状況を表す情報(以下、走行状況情報)を送受信する送受信手段と、
前記送受信手段で受信した走行状況情報に基づき、前記走行状況情報を送信した車両(以下、送信局車両)の進路変更を判定する進路変更判定手段と、
前記進路変更判定手段による判定結果を乗員に提示する判定結果提示手段と、
を備え、
前記走行状況情報は位置情報を含み、
前記進路変更判定手段は、前記送受信手段で受信した前記送信局車両の位置情報と、前記位置情報を受信する車両(以下、受信局車両)の車線情報とに基づき、前記送信局車両の道路情報を取得し、前記受信局車両の車線情報と前記送信局車両の道路情報とに基づいて、前記送信局車両の進路変更を判定することを特徴とするグループ走行支援装置。
【請求項2】
請求項1に記載のグループ走行支援装置において、
前記道路情報は、道路種別の情報、もしくは、走行車線の情報であることを特徴とするグループ走行支援装置。
【請求項3】
車両の走行状況を表す情報(以下、走行状況情報)を送受信する送受信手段と、
前記送受信手段で受信した走行状況情報に基づき、前記走行状況情報を送信した車両(以下、送信局車両)の進路変更を判定する進路変更判定手段と、
前記進路変更判定手段による判定結果を乗員に提示する判定結果提示手段と、
を備え、
前記走行状況情報は車速情報を含み、
前記進路変更判定手段は、
前記送受信手段で受信した前記車速情報に基づいて、前記送信局車両の加減速量が一定値より大きくなるか、前記送信局車両の速度が一定値より低くなった場合に、
前記送信局車両の進路変更を判定する準備状態に移行することを特徴とするグループ走行支援装置。
【請求項4】
車両の走行状況を表す情報(以下、走行状況情報)を送受信する送受信手段と、
前記送受信手段で受信した走行状況情報に基づき、前記走行状況情報を送信した車両(以下、送信局車両)の進路変更を判定する進路変更判定手段と、
前記進路変更判定手段による判定結果を乗員に提示する判定結果提示手段と、
を備え、
前記走行状況情報は操舵角情報を含み、
前記進路変更判定手段は、
前記送信局車両の進路変更を判定する準備状態に移行した後、所定時間内、もしくは所定距離走行するまでの間において前記送信局車両の操舵角の変化量の最大値が一定値より小さいか、前記送信局車両の操舵角の角速度の変化量の最大値が一定値より小さい場合に、前記準備状態を解除することを特徴とするグループ走行支援装置。
【請求項5】
車両の走行状況を表す情報(以下、走行状況情報)を送受信する送受信手段と、
前記送受信手段で受信した走行状況情報に基づき、前記走行状況情報を送信した車両(以下、送信局車両)の進路変更を判定する進路変更判定手段と、
前記進路変更判定手段による判定結果を乗員に提示する判定結果提示手段と、
を備え、
前記送受信手段は、前記送信局車両の進路変更を判定する準備状態に移行したときは、移行する前に比べて、前記走行状況情報の通信頻度を大きくすることを特徴とするグループ走行支援装置。
【請求項1】
車両の走行状況を表す情報(以下、走行状況情報)を送受信する送受信手段と、
前記送受信手段で受信した走行状況情報に基づき、前記走行状況情報を送信した車両(以下、送信局車両)の進路変更を判定する進路変更判定手段と、
前記進路変更判定手段による判定結果を乗員に提示する判定結果提示手段と、
を備え、
前記走行状況情報は位置情報を含み、
前記進路変更判定手段は、前記送受信手段で受信した前記送信局車両の位置情報と、前記位置情報を受信する車両(以下、受信局車両)の車線情報とに基づき、前記送信局車両の道路情報を取得し、前記受信局車両の車線情報と前記送信局車両の道路情報とに基づいて、前記送信局車両の進路変更を判定することを特徴とするグループ走行支援装置。
【請求項2】
請求項1に記載のグループ走行支援装置において、
前記道路情報は、道路種別の情報、もしくは、走行車線の情報であることを特徴とするグループ走行支援装置。
【請求項3】
車両の走行状況を表す情報(以下、走行状況情報)を送受信する送受信手段と、
前記送受信手段で受信した走行状況情報に基づき、前記走行状況情報を送信した車両(以下、送信局車両)の進路変更を判定する進路変更判定手段と、
前記進路変更判定手段による判定結果を乗員に提示する判定結果提示手段と、
を備え、
前記走行状況情報は車速情報を含み、
前記進路変更判定手段は、
前記送受信手段で受信した前記車速情報に基づいて、前記送信局車両の加減速量が一定値より大きくなるか、前記送信局車両の速度が一定値より低くなった場合に、
前記送信局車両の進路変更を判定する準備状態に移行することを特徴とするグループ走行支援装置。
【請求項4】
車両の走行状況を表す情報(以下、走行状況情報)を送受信する送受信手段と、
前記送受信手段で受信した走行状況情報に基づき、前記走行状況情報を送信した車両(以下、送信局車両)の進路変更を判定する進路変更判定手段と、
前記進路変更判定手段による判定結果を乗員に提示する判定結果提示手段と、
を備え、
前記走行状況情報は操舵角情報を含み、
前記進路変更判定手段は、
前記送信局車両の進路変更を判定する準備状態に移行した後、所定時間内、もしくは所定距離走行するまでの間において前記送信局車両の操舵角の変化量の最大値が一定値より小さいか、前記送信局車両の操舵角の角速度の変化量の最大値が一定値より小さい場合に、前記準備状態を解除することを特徴とするグループ走行支援装置。
【請求項5】
車両の走行状況を表す情報(以下、走行状況情報)を送受信する送受信手段と、
前記送受信手段で受信した走行状況情報に基づき、前記走行状況情報を送信した車両(以下、送信局車両)の進路変更を判定する進路変更判定手段と、
前記進路変更判定手段による判定結果を乗員に提示する判定結果提示手段と、
を備え、
前記送受信手段は、前記送信局車両の進路変更を判定する準備状態に移行したときは、移行する前に比べて、前記走行状況情報の通信頻度を大きくすることを特徴とするグループ走行支援装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2011−96264(P2011−96264A)
【公開日】平成23年5月12日(2011.5.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−265057(P2010−265057)
【出願日】平成22年11月29日(2010.11.29)
【分割の表示】特願2004−379769(P2004−379769)の分割
【原出願日】平成16年12月28日(2004.12.28)
【出願人】(000003997)日産自動車株式会社 (16,386)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年5月12日(2011.5.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年11月29日(2010.11.29)
【分割の表示】特願2004−379769(P2004−379769)の分割
【原出願日】平成16年12月28日(2004.12.28)
【出願人】(000003997)日産自動車株式会社 (16,386)
【Fターム(参考)】
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