説明

複素環で置換された2−アセトアミド−5−アリール−1,2,4−トリアゾロン類およびその使用

本発明は、新規の、複素環で置換された1−カルボニルメチル−3−アリール−1,2,4−トリアゾール−5−オン、その製造方法、疾患の治療および/または予防のためのその単独使用または併用使用、および疾患の治療および/または予防のための、特に心血管障害の治療および/または予防のための薬剤の製造のためのその使用に関する。本化合物はバソプレシン受容体拮抗薬である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、新規の、複素環で置換された2−アセトアミド−5−アリール−1,2,4−トリアゾロン類、それらの製造方法、疾患の治療および/または予防のためのそれらの単独使用もしくは併用使用、ならびに疾患の治療および/または予防のための、より詳しくは心血管障害の治療および/または予防のための薬剤の製造のためのそれらの使用に関する。
【背景技術】
【0002】
人体の液体量は、それを一定に保つこと(容量ホメオスタシス)を目的とする様々な生理学的制御メカニズムの影響を受ける。その過程において、血管系の容量充填および血漿の容量オスモル濃度が適当なセンサー(圧受容器および浸透圧受容器)によって絶えず記録される。これらのセンサーによって脳の関連中枢部に供給される情報は、体液性シグナルおよび神経性シグナルによって腎臓を介して飲水行動の調節および体液排泄の制御を行う。ペプチドホルモンバソプレシンは、それにおいて最も重要なものである[非特許文献1]。
【0003】
バソプレシンは、第三脳室の壁(視床下部)の視索上核および室傍核における固有内分泌ニューロンにて生産され、そこからその神経的プロセスに沿って脳下垂体(神経下垂体)の後葉へ運ばれる。そこでこのホルモンは刺激に応じて血流中に放出される。例えば急性出血、大量発汗、長期の口渇または下痢の結果としての容量喪失は、このホルモンの激しい流出をもたらす刺激である。反対に、バソプレシンの分泌は、例えば液体摂取量の増加の結果としての血管内容量の増加によって阻害される。
【0004】
バソプレシンは、主に、V1a受容体、V1b受容体およびV2受容体に分類されている、Gタンパク質結合受容体のファミリーに属する3つの受容体への結合を介してその作用を発揮する。V1a受容体は、主に、血管平滑筋系の細胞上に位置する。それらの活性化は、血管収縮を引き起こし、その結果として、末梢抵抗および血圧上昇を引き起こす。これ以外に、V1a受容体は、肝臓でも検出できる。V1b受容体(V3受容体とも称される)は、中枢神経系で検出できる。バソプレシンは、コルチコトロピン放出ホルモン(CRH)と一緒に、V1b受容体を介する副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)の基礎分泌およびストレス誘発性分泌を調節する。V2受容体は、遠位尿細管上皮および腎臓の集合尿細管の上皮中に位置する。それらの活性化は、これらの上皮を水に透過性にする。この現象は、上皮細胞の管腔膜におけるアクアポリン(特殊な水チャネル)の取り込みに起因する。
【0005】
腎臓における尿からの水の再吸収に対するバソプレシンの重要性は、例えば脳下垂体損傷に起因するこのホルモンの欠乏によって引き起こされる尿崩症の臨床像から明らかになる。この臨床像に苦しむ患者は、代替ホルモンの投与を受けなければ、24時間当たり最大20リットルの尿を排泄する。この容量は、原尿の約10%に相当する。バソプレシンは、尿からの水の再吸収に対するその重要性が大きいために、同義的に抗利尿ホルモン(ADH)とも称される。論理上、バソプレシン/ADHのV2受容体に対する作用の薬理学的阻害の結果、尿の排泄が増加する。しかしながら、V2受容体作動薬は、他の利尿剤(チアジド系利尿剤およびループ系利尿剤)の作用と対照的に、実質的に電解質の排泄を増加させずに水排泄の増加をもたらす。このことは、V2拮抗薬薬が、この過程における電解質ホメオスタシスに影響を及ぼさずに、容量ホメオスタシスを回復させることができることを意味している。したがって、V2拮抗薬活性を有する薬物は、並行して電解質が有効に増加することなく、水による身体の過負荷に伴うあらゆる病態の治療に特に適していると思われる。重大な電解質異常は、低ナトリウム血症(ナトリウム濃度<135mmol/L)として臨床化学で測定できる;それは、発生率が約5%であり、米国だけで年間250,000件発生する、入院患者において最も重大な電解質異常である。血漿ナトリウム濃度が115mmol/L以下に下がると、昏睡状態および死が差し迫っている。
【0006】
根底にある原因に依存して、血液量減少性低ナトリウム血症、正常血液量性低ナトリウム血症および血液量増加性低ナトリウム血症に区別される。浮腫形成を伴う血液量増加症の形態が臨床的に重大である。この典型的な例としては、ADH/バソプレシン不適合分泌(SIAD)(例えば、頭蓋脳外傷後、または、カルシノーマにおける腫瘍随伴として)ならびに肝硬変、種々の腎疾患および心不全における血液量増加性低ナトリウム血症が挙げられる[非特許文献2]。特に、心不全患者は、相対的低ナトリウム血症および血液量増加症であるにもかかわらず、しばしば、心不全における神経液性調節が一般に妨害された結果としてみられるバソプレシン濃度の上昇を示す[非特許文献3]。
【0007】
神経液性調節の妨害は、本質的には、それ自体、交感神経系の緊張の上昇およびレニン・アンジオテンシン・アルドステロン系の不適合活性化において現れる。一方ではβ受容体ブロッカーにより、他方ではACE阻害剤またはアンジオテンシン受容体ブロッカーによる、これらの成分の阻害は、現在、心不全の薬理学的治療の固有な部分であるが、進行型の心不全におけるバソプレシン分泌の不適合な上昇は、今のところ、適切に治療できない。V2受容体により媒介される水の保持およびそれに伴うバックロードの増加による望ましくない血行動態結果以外に、肺血管の圧力および心拍出もまた、V1a媒介血管収縮によって悪影響を受ける。さらにまた、動物実験データに基づくと、心筋に対する直接的肥大促進作用もまた、バソプレシンに起因すると考えられる。V2受容体の活性化により媒介される腎臓の容量拡大効果と対照的に、心筋に対する直接作用は、V1a受容体の活性化によって引き起こされる。
【0008】
これらの理由により、V2受容体および/またはV1a受容体に対するバソプレシンの作用を阻害する物質は、心不全の治療に適していると思われる。特に、両バソプレシン受容体(V1aおよびV2)に対する活性を併せ持つ化合物は、所望の腎性および血行動態性の両方の効果を有しており、心不全患者の治療の特に理想的な特性を提供する。V2受容体遮断のみを介する容量減少は浸透圧受容器の刺激を必要とする可能性があり、その結果としてバソプレシン放出のさらなる代償的増加を必要とする可能性があるので、かかる複合バソプレシン拮抗薬の供給は意味があると思われる。結果的に、同時にV1a受容体を遮断する成分の不在下では、血管収縮および心筋肥大のようなバソプレシンの有害な効果はさらに増強され得る[非特許文献4]。
【0009】
特許文献1には、神経保護活性を有する置換トリアゾロン類が記載されており、特許文献2には、トリアゾロン誘導体が抗炎症剤として記載されている。さらにまた、特許文献2および特許文献3には、環状尿素誘導体および血栓症治療のためのそれらの使用をクレームしている。特許文献5には、置換トリアゾールチオンがイオンチャネル調節因子として記載されている。特許文献6には、置換イミダゾール−2−オン類および1,2,4−トリアゾロン類が心血管障害治療のためのバソプレシン受容体拮抗薬として記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】国際公開第99/54315号パンフレット
【特許文献2】国際公開第2006/117657号パンフレット
【特許文献3】欧州特許出願公開第503548号明細書
【特許文献4】欧州特許出願公開第587134号明細書
【特許文献5】国際公開第2005/097112号パンフレット
【特許文献6】国際公開第2007/134862号パンフレット
【非特許文献】
【0011】
【非特許文献1】Schrier R.W., Abraham, W.T., New Engl. J. Med. 341, 577-585 (1999)
【非特許文献2】De Luca L. et al., Am. J. Cardiol. 96(suppl.), 19L-23L (2005)
【非特許文献3】Francis G.S. et al., Circulation 82, 1724-1729 (1990)
【非特許文献4】Saghi P. et al., Europ. Heart J. 26, 538-543 (2005)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は、有力な選択的二重V1a/V2受容体拮抗薬として作用し、疾患の治療および/または予防、より詳しくは心血管障害の治療および/または予防に適している、新規化合物の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は、一般式(I):
【化1】

[式中、
Lは、結合手または−C(R6A6B)−*であり(ここで、
*は、R3への結合部位であり、
6Aは、水素、(C1〜C4)アルキルまたはトリフルオロメチルであり、
6Bは、水素または(C1〜C4)アルキルである)、
1は、(C1〜C6)アルキル、(C2〜C6)アルケニル、(C2〜C6)アルキニルまたは(C3〜C7)シクロアルキルであり(ここで、
(C1〜C6)アルキル、(C2〜C6)アルケニルおよび(C2〜C6)アルキニルは、ハロゲン、シアノ、オキソ、ヒドロキシル、トリフルオロメチル、(C3〜C7)シクロアルキル、(C1〜C6)アルコキシ、トリフルオロメトキシおよびフェニルからなる群からお互いに独立して選択される1〜3個の置換基によって置換されていてもよく(ここで、
(C3〜C7)シクロアルキルは、ハロゲン、(C1〜C4)アルキル、オキソ、ヒドロキシル、(C1〜C4)アルコキシおよびアミノからなる群からお互いに独立して選択される1または2個の置換基によって置換されていてもよく、
(C1〜C6)アルコキシは、アミノ、ヒドロキシル、(C1〜C4)アルコキシ、ヒドロキシカルボニルおよび(C1〜C4)アルコキシカルボニルからなる群からお互いに独立して選択される1または2個の置換基によって置換されていてもよく、
フェニルは、ハロゲン、シアノ、ニトロ、(C1〜C4)アルキル、トリフルオロメチル、ヒドロキシル、ヒドロキシメチル、(C1〜C4)アルコキシ、トリフルオロメトキシ、(C1〜C4)アルコキシメチル、ヒドロキシカルボニル、(C1〜C4)アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、モノ−(C1〜C4)アルキルアミノカルボニルおよびジ−(C1〜C4)アルキルアミノカルボニルからなる群からお互いに独立して選択される1〜3個の置換基によって置換されていてもよい)、
(C3〜C7)シクロアルキルは、フッ素、(C1〜C4)アルキル、(C1〜C4)アルコキシ、ヒドロキシ、アミノおよびオキソからなる群からお互いに独立して選択される1または2個の置換基によって置換されていてもよい)、
2は、フェニル、チエニルまたはフリルであり(ここで、
フェニル、チエニルおよびフリルは、ハロゲン、シアノ、ニトロ、(C1〜C4)アルキル、トリフルオロメチル、ヒドロキシル、(C1〜C4)アルコキシおよびトリフルオロメトキシからなる群からお互いに独立して選択される1〜3個の置換基によって置換されていてもよい)、
3は、5員もしくは6員ヘテロサイクリルまたは5員もしくは6員ヘテロアリールであり(ここで、
5員または6員ヘテロサイクリルは、ハロゲン、トリフルオロメチル、(C1〜C4)アルキル、ヒドロキシル、オキソ、トリフルオロメトキシ、(C1〜C4)アルコキシ、アミノ、モノ−(C1〜C4)アルキルアミノ、ジ−(C1〜C4)アルキルアミノ、(C1〜C4)アルキルチオおよびチオキソからなる群からお互いに独立して選択される1〜3個の置換基によって置換されていてもよく、
5員または6員ヘテロアリールは、ハロゲン、トリフルオロメチル、(C1〜C4)アルキル、ヒドロキシル、トリフルオロメトキシ、(C1〜C4)アルコキシ、アミノ、モノ−(C1〜C4)アルキルアミノ、ジ−(C1〜C4)アルキルアミノおよび(C1〜C4)アルキルチオからなる群からお互いに独立して選択される1〜3個の置換基によって置換されていてもよい)、
4は、フェニル、ナフチルまたは5員〜10員ヘテロアリールであり(ここで、
フェニル、ナフチルおよび5員〜10員ヘテロアリールは、ハロゲン、シアノ、ニトロ、(C1〜C4)アルキル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、ヒドロキシル、(C1〜C4)アルコキシ、ジフルオロメトキシおよびトリフルオロメトキシからなる群からお互いに独立して選択される1〜3個の置換基によって置換されていてもよい)、
5は、水素、トリフルオロメチルまたは(C1〜C4)アルキルである]
で示される化合物ならびにそれらの塩、溶媒和物および該塩の溶媒和物を提供する。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の化合物は、式(I)で示される化合物およびそれらの塩、溶媒和物、および該塩の溶媒和物;式(I)に含まれる、以下に特定されている式で示される化合物およびそれらの塩、溶媒和物、および該塩の溶媒和物;ならびに式(I)に含まれる、実施例として以下に特定されている化合物およびそれらの塩、溶媒和物、および該塩の溶媒和物である(ただし、式(I)に含まれる以下に特定されている化合物は、まだ、塩でも、溶媒和物でも、該塩の溶媒和物でもない)。
【0015】
本発明の化合物は、それらの構造に依存して、立体異性体形態(エナンチオマー、ジアステレオマー)で存在し得る。したがって、本発明は、エナンチオマーまたはジアステレオマーおよびそれらの個々の混合物を含む。このようなエナンチオマーおよび/またはジアステレオマーの混合物から、公知の方法によって立体異性的に同型の成分を単離することができる。
【0016】
本発明の化合物が互変異性体形態で生じ得る場合、本発明は、互変異性体形態の全てを含む。
【0017】
本発明に関する好ましい塩は、本発明の化合物の生理学上許容される塩である。自体医薬用途に適していないが、例えば本発明の化合物の単離または精製に使用され得る塩もまた含まれる。
【0018】
本発明の化合物の生理学上許容される塩は、鉱酸、カルボン酸およびスルホン酸の酸付加塩を包含し、一例として、塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、ナフタレンジスルホン酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、プロピオン酸、乳酸、酒石酸、マレイン酸、クエン酸、フマル酸、マレイン酸および安息香酸の塩が挙げられる。
【0019】
本発明の化合物の生理学上許容される塩は、また、慣用の塩基との塩、例えば、一例として、好ましくは、アルカリ金属塩(例えば、ナトリウムおよびカリウム塩)、アルカリ土類金属塩(例えば、カルシウムおよびマグネシウム塩)、ならびにアンモニアまたは1〜16個の炭素原子を有する有機アミン、例えば、一例として、好ましくは、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、エチルジイソプロピルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリスエタノールアミン、ジシクロヘキシルアミン、ジメチルアミノエタノール、プロカイン、ジベンジルアミン、N−メチルモルホリン、アルギニン、リジン、エチレンジアミンおよびN−メチルピペリジンから誘導されるアンモニウム塩を包含する。
【0020】
本発明に関する溶媒和物は、溶媒分子の配位により固体状態または液体状態で錯体を形成している本発明の化合物のこれらの形態である。水和物は、配位しているのが水である溶媒和物の1つの特定された形態である。本発明に関する好ましい溶媒和物は水和物である。
【0021】
さらにまた、本発明は、本発明の化合物のプロドラッグも包含する。「プロドラッグ」という用語は、自体が生物学的に活性であっても不活性であってもよいが、体内に滞留している間に本発明の化合物に(例えば、代謝的に、または、加水分解により)変換される化合物を包含する。
【0022】
本発明に関して、置換基は、特別の定めがない限り、以下の定義を有する:
【0023】
本発明に関して、アルキルとは、1〜6個または1〜4個の炭素原子を有する直鎖状または分枝状アルキル基のことである。一例として、好ましくは、以下のものが挙げられる:メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、1−メチルプロピル、tert−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、1−エチルプロピル、1−メチルブチル、2−メチルブチル、3−メチルブチル、n−ヘキシル、1−メチルペンチル、2−メチルペンチル、3−メチルペンチル、4−メチルペンチル、3,3−ジメチルブチル、1−エチルブチルおよび2−エチルブチル。
【0024】
本発明に関して、シクロアルキルとは、3〜7個または3〜6個の炭素原子を有する単環式飽和アルキル基のことである。一例として、好ましくは、以下のものが挙げられる:シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルおよびシクロヘプチル。
【0025】
本発明に関して、アルケニルとは、2〜6個の炭素原子および1または2つの二重結合を有する直鎖状または分枝状アルケニル基のことである。好ましくは、2〜4個の炭素原子および1つの二重結合を有する直鎖状または分枝状アルケニル基である。一例として、好ましくは、以下のものが挙げられる:ビニル、アリル、イソプロペニルおよびn−ブタ−2−エン−1−イル。
【0026】
本発明に関して、アルキニルとは、2〜6個の炭素原子および1つの三重結合を有する直鎖状または分枝状アルキニル基のことである。一例として、好ましくは、以下のものが挙げられる:エチニル、n−プロパ−1−イン−1−イル、n−プロパ−2−イン−1−イル、n−ブタ−2−イン−1−イルおよびn−ブタ−3−イン−1−イル。
【0027】
本発明に関して、アルコキシとは、1〜6個または1〜4個の炭素原子を有する直鎖状または分枝状アルコキシ基のことである。一例として、好ましくは、以下のものが挙げられる:メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、1−メチルプロポキシ、n−ブトキシ、イソブトキシおよびtert−ブトキシ。
【0028】
本発明に関して、アルコキシカルボニルとは、1〜6個の炭素原子、および酸素に結合しているカルボニル基を有する直鎖状または分枝状アルコキシ基のことである。一例として、好ましくは、以下のものが挙げられる:メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、n−プロポキシカルボニル、イソプロポキシカルボニルおよびtert−ブトキシカルボニル。
【0029】
本発明に関して、モノ−アルキルアミノカルボニルとは、カルボニル基を介して結合される、1〜4個の炭素原子を有する直鎖状または分枝状アルキル置換基を有するアミノ基のことである。一例として、好ましくは、以下のものが挙げられる:メチルアミノカルボニル、エチルアミノカルボニル、n−プロピルアミノカルボニル、イソプロピルアミノカルボニル、n−ブチルアミノカルボニルおよびtert−ブチルアミノカルボニル。
【0030】
本発明に関して、ジ−アルキルアミノカルボニルとは、カルボニル基を介して結合される、各々1〜4個の炭素原子を有する同一または異なる2つの直鎖状または分枝状アルキルを有するアミノ基のことである。一例として、好ましくは、以下のものが挙げられる:N,N−ジメチルアミノカルボニル、N,N−ジエチルアミノカルボニル、N−エチル−N−メチルアミノカルボニル、N−メチル−N−n−プロピルアミノカルボニル、N−n−ブチル−N−メチルアミノカルボニルおよびN−tert−ブチル−N−メチルアミノカルボニル。
【0031】
本発明に関して、ヘテロサイクリルとは、環炭素原子または場合によっては環窒素原子を介して結合される、N、Oおよび/またはSからの1〜3個の環ヘテロ原子を含む合計5個または6個の環原子を有する飽和または部分不飽和複素環のことである。一例としては、以下のものが挙げられる:ピロリジニル、ピラゾリジニル、ジヒドロピラゾリル、イミダゾリジニル、イミダゾリニル、ジヒドロトリアゾリル、テトラヒドロフラニル、オキサゾリジニル、ジヒドロオキサゾリル、ジヒドロオキサジアゾリル、ジヒドロチアゾリジル、ピペリジニル、ピペラジニル、テトラヒドロピラニル、モルホリニルおよびチオモルホリニル。好ましくは、環炭素原子または場合によっては環窒素原子を介して結合される、N、Oおよび/またはSからの1〜3個の環ヘテロ原子を含む合計5個の環原子を有する飽和または部分不飽和複素環である。一例として、好ましくは、以下のものが挙げられる:イミダゾリニル、オキサゾリジニル、ジヒドロオキサゾリル、ジヒドロトリアゾリル、ジヒドロオキサジアゾリルおよびジヒドロチアゾリジル。
【0032】
本発明に関して、ヘテロアリールとは、環炭素原子または場合によっては環窒素原子を介して結合される、N、Oおよび/またはSからの同一または異なる3個までの環ヘテロ原子を含む合計5〜10個の環原子を有する単環式または場合によっては二環式の芳香族複素環のことである。一例として、以下のものが挙げられる:フリル、ピロリル、チエニル、ピラゾリル、イミダゾリル、チアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、イソチアゾリル、トリアゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、テトラゾリル、ピリジル、ピリミジニル、ピリダジニル、ピラジニル、トリアジニル、ベンゾフラニル、ベンゾチエニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾトリアゾリル、インドリル、インダゾリル、キノリニル、イソキノリニル、ナフチリジニル、キナゾリニル、キノキサリニル、フタラジニル、ピラゾロ[3,4−b]ピリジニル。好ましくは、N、Oおよび/またはSからの3個までの環ヘテロ原子を有する単環式5員または6員ヘテロアリール基であり、例えば、フリル、チエニル、チアゾリル、オキサゾリル、イソチアゾリル、イソオキサゾリル、ピラゾリル、イミダゾリル、トリアゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、テトラゾリル、ピリジル、ピリミジニル、ピリダジニル、ピラジニル、トリアジニルである。
【0033】
本発明に関して、ハロゲンとしては、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素が挙げられる。好ましくは、塩素またはフッ素である。
【0034】
本発明に関して、オキソ基とは、二重結合を介して炭素原子に結合している酸素原子のことである。
【0035】
本発明に関して、チオキソ基とは、二重結合を介して炭素原子に結合しているイオウ原子のことである。
【0036】
本発明の化合物における基が置換されている場合、この基は、特別の定めがない限り、1回以上置換されていてよい。本発明に関して、2回以上出てくる全ての基について、それらの定義は、お互いに独立している。1、2または3個の同一または異なる置換基による置換が好ましい。特に好ましくは、1個の置換基による置換である。
【0037】
本発明に関して、好ましくは、
Lが、結合手または−C(R6A6B)−*であり(ここで、
*は、R3への結合部位であり、
6Aは、水素またはメチルであり、
6Bは、水素またはメチルである)、
1が、(C1〜C6)アルキル、(C2〜C6)アルケニルまたは(C3〜C6)シクロアルキルであり(ここで、
(C1〜C6)アルキルおよび(C2〜C6)アルケニルは、フッ素、塩素、シアノ、オキソ、ヒドロキシル、トリフルオロメチル、(C3〜C6)シクロアルキル、(C1〜C4)アルコキシ、トリフルオロメトキシおよびフェニルからなる群からお互いに独立して選択される1〜3個の置換基によって置換されていてもよく(ここで、
(C3〜C6)シクロアルキルは、フッ素、メチル、エチル、オキソ、ヒドロキシル、メトキシ、エトキシおよびアミノからなる群からお互いに独立して選択される1または2個の置換基によって置換されていてもよく、
フェニルは、フッ素、塩素、シアノ、メチル、エチル、トリフルオロメチル、メトキシ、エトキシ、トリフルオロメトキシ、メトキシメチル、エトキシメチル、ヒドロキシカルボニル、メトキシカルボニル、エトキシカルボニルおよびアミノカルボニルからなる群から選択される置換基によって置換されていてもよい)、
(C3〜C6)シクロアルキルは、フッ素、メチル、エチル、メトキシ、エトキシ、ヒドロキシル、アミノおよびオキソからなる群からお互いに独立して選択される1または2個の置換基によって置換されていてもよい)、
2がフェニルまたはチエニルであり(ここで、
フェニルおよびチエニルは、フッ素、塩素、メチル、エチル、トリフルオロメチル、ヒドロキシル、メトキシ、エトキシおよびトリフルオロメトキシからなる群からお互いに独立して選択される1または2個の置換基によって置換されていてもよい)、
3が、2−オキソ−1,3−オキサゾリジン−5−イル、2−オキソ−1,3−オキサゾリジン−4−イル、2−オキソイミダゾリジン−4−イル、2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−イミダゾール−4−イル、4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−2−イル、4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−4−イル、4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−1−イル、2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1,3−オキサゾール−4−イル、2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1,3−オキサゾール−5−イル、4,5−ジヒドロ−1,3−オキサゾール−2−イル、4,5−ジヒドロ−1,3−オキサゾール−4−イル、4,5−ジヒドロ−1,3−オキサゾール−5−イル、4,5−ジヒドロ−5−オキソ−1H−1,2,4−トリアゾール−3−イル、4,5−ジヒドロ−5−オキソ−1H−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル、4,5−ジヒドロ−5−オキソ−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル、4,5−ジヒドロ−5−オキソ−1H−1,2,4−チアジアゾール−3−イル、2,3−ジヒドロ−2−オキソ−1,3,4−チアジアゾール−5−イル、フリル、チエニル、チアゾリル、オキサゾリル、イソチアゾリル、イソオキサゾリル、ピラゾリル、イミダゾリル、トリアゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、テトラゾリル、ピリジル、ピリミジニル、ピリダジニル、ピラジニルまたはトリアジニルであり(ここで、
2−オキソ−1,3−オキサゾリジン−5−イル、2−オキソ−1,3−オキサゾリジン−4−イル、2−オキソ−イミダゾリジン−4−イル、2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−イミダゾール−4−イル、2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1,3−オキサゾール−4−イル、2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1,3−オキサゾール−5−イル、4,5−ジヒドロ−5−オキソ−1H−1,2,4−トリアゾール−3−イル、4,5−ジヒドロ−5−オキソ−1H−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル、4,5−ジヒドロ−5−オキソ−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル、4,5−ジヒドロ−5−オキソ−1H−1,2,4−チアジアゾール−3−イル、2,3−ジヒドロ−2−オキソ−1,3,4−チアジアゾール−5−イルは、トリフルオロメチル、メチルおよびエチルからなる群からお互いに独立して選択される1または2個の置換基によって置換されていてもよく、
4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−2−イル、4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−4−イル、4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−1−イル、4,5−ジヒドロ−1,3−オキサゾール−2−イル、4,5−ジヒドロ−1,3−オキサゾール−4−イル、4,5−ジヒドロ−1,3−オキサゾール−5−イルは、オキソ、メチルおよびエチルからなる群からお互いに独立して選択される1または2個の置換基によって置換されていてもよく、
フリル、チエニル、チアゾリル、オキサゾリル、イソチアゾリル、イソオキサゾリル、ピラゾリル、イミダゾリル、トリアゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、テトラゾリル、ピリジル、ピリミジニル、ピリダジニル、ピラジニルおよびトリアジニルは、フッ素、塩素、トリフルオロメチル、メチル、エチル、ヒドロキシル、トリフルオロメトキシ、メトキシ、エトキシ、アミノ、メチルアミノ、エチルアミノ、ジメチルアミノ、メチルエチルアミノおよびジエチルアミノからなる群からお互いに独立して選択される1または2個の置換基によって置換されていてもよい)、
4がフェニルであり(ここで、
フェニルは、フッ素、塩素、シアノ、メチル、エチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、ヒドロキシル、メトキシ、エトキシ、ジフルオロメトキシおよびトリフルオロメトキシからなる群からお互いに独立して選択される1〜3個の置換基によって置換されていてもよい)、
5が水素、メチルまたはエチルである、
式(I)で示される化合物ならびにそれらの塩、溶媒和物および該塩の溶媒和物である。
【0038】
本発明に関して、特に好ましくは、
Lが、結合手または−C(R6A6B)−*であり(ここで、
*は、R3への結合部位であり、
6Aは、水素であり、
6Bは、水素である)、
1が、(C2〜C4)アルキル、(C2〜C4)アルケニルまたはシクロプロピルであり(ここで、
(C2〜C4)アルキルおよび(C2〜C4)アルケニルは、フッ素、ヒドロキシル、オキソおよびトリフルオロメチルからなる群からお互いに独立して選択される1または2個の置換基によって置換されている)、
2が、フェニルであり(ここで、
フェニルは、フッ素および塩素からなる群から選択される置換基によって置換されている)、
3が、式:
【化2】

(式中、
#は、Lへの結合部位であり、
9は、水素、トリフルオロメチル、メチルまたはアミノであり、
10は、トリフルオロメチル、メチルまたはアミノであり、
11は、水素、フッ素、トリフルオロメチルまたはメチルであり、
12は、ヒドロキシまたはメトキシである)
で示される基であり、
4が、式:
【化3】

(式中、
##は、−C(R5)(LR3)N−への結合部位であり、
7は、水素、フッ素、塩素、トリフルオロメチルおよびメトキシであり、
8は、水素、フッ素、塩素、トリフルオロメチルおよびメトキシであり、
ここで、R7およびR8のうち少なくとも1つは水素以外である)
で示される基であり、
5が、水素またはメチルである、
式(I)で示される化合物ならびにそれらの塩、溶媒和物および該塩の溶媒和物である。
【0039】
本発明に関して、好ましくは、R2がp−クロロフェニルである式(I)で示される化合物でもある。
【0040】
本発明に関して、好ましくは、R1が3,3,3−トリフルオロプロパ−1−エン−1−イルである式(I)で示される化合物でもある。
【0041】
本発明に関して、好ましくは、R1が3,3,3−トリフルオロプロピルである式(I)で示される化合物でもある。
【0042】
本発明に関して、好ましくは、R1が1,1,1−トリフルオロプロパン−2−オール−3−イルである式(I)で示される化合物でもある。
【0043】
本発明に関して、好ましくは、
1が(C2〜C4)アルキルまたは(C2〜C4)アルケニルである(ここで、
(C2〜C4)アルキルおよび(C2〜C4)アルケニルは、フッ素、ヒドロキシル、オキソおよびトリフルオロメチルからなる群からお互いに独立して選択される1または2個の置換基によって置換されている)、
式(I)で示される化合物でもある。
【0044】
本発明に関して、好ましくは、R1がシクロプロピルである式(I)で示される化合物でもある。
【0045】
本発明に関して、好ましくは、R5が水素である式(I)で示される化合物でもある。
【0046】
本発明に関して、好ましくは、Lが結合手である式(I)で示される化合物でもある。
【0047】
本発明に関して、好ましくは、Lが−C(R6A6B)−*である(ここで、
*は、R3への結合部位であり、
6Aは、水素であり、
6Bは、水素である)、
式(I)で示される化合物でもある。
【0048】
基の各々の組み合わせおよび好ましい組み合わせにおいて個別に与えられる基の定義は、また、特定された個々の基の組み合わせから独立して、他の組み合わせからの基の定義と任意に置き換えられる。
【0049】
特に好ましくは、2つ以上の上記の好ましい範囲からの組み合わせである。
【0050】
本発明は、また、本発明の式(I)で示される化合物の製造方法であって、
[A]式(II):
【化4】

[式中、R1およびR2は、それぞれ、上記定義と同じである]
で示される化合物を、不活性溶媒中にて、カルボン酸官能基の活性化をもって、式(III):
【化5】

[式中、L、R3、R4およびR5は、それぞれ、上記定義と同じである]
で示される化合物と結合させること、
または
[B]式(IV):
【化6】

[式中、R1およびR2は、それぞれ、上記定義と同じである]
で示される化合物を、不活性溶媒中にて、塩基の存在下、式(V):
【化7】

[式中、
L、R3、R4およびR5は、それぞれ、上記定義と同じであり、
1は、脱離基であり、例えば、ハロゲン、メシラートまたはトシラートである]
で示される化合物と反応させること、
または
[C]式(VI):
【化8】

[式中、
L、R1、R2、R4およびR5は、それぞれ、上記定義と同じであり、
1は、水素または(C1〜C4)アルキルである]
で示される化合物を、不活性溶媒中にて、随意にカルボン酸官能基の活性化をもって、ヒドラジンと反応させて、式(VII):
【化9】

[式中、L、R1、R2、R4およびR5は、それぞれ、上記定義と同じである]
で示される化合物を得、次いで、不活性溶媒中にて、随意に適当な塩基の存在下、臭化シアンまたは式(VIII):
【化10】

[式中、
9は、(C1〜C4)アルキルであり、
2は、(C1〜C4)アルキルである]
で示される化合物を用いて環化して、式(I−C1)または(I−C2):
【化11】

[式中、L、R1、R2、R4、R5およびR9は、それぞれ、上記定義と同じである、
で示される化合物を得ること、
または
[D]式(VI)で示される化合物を、不活性溶媒中にて、随意にカルボン酸官能基の活性化をもって、式(IX):
【化12】

[式中、R10は、上記定義と同じである]
で示される化合物と反応させ、得られた中間体を適当な溶媒中にて環化して、式(I−D):
【化13】

[式中、L、R1、R2、R4、R5およびR10は、それぞれ、上記定義と同じである]
で示される化合物を得ること、
または
[E]式(X):
【化14】

[式中、L、R1、R2、R4およびR5は、それぞれ、上記定義と同じである]
で示される化合物を、不活性溶媒中にて、適当な塩基の存在下、ヒドロキシルアミン・塩酸塩と反応させて、式(XI):
【化15】

[式中、L、R1、R2、R4およびR5は、それぞれ、上記定義と同じである]
で示される化合物を得、
次いで、この化合物を、不活性溶媒中にて、式(XII−1)または(XII−2):
【化16】

[式中、
11Aは、トリフルオロメチルまたは(C1〜C4)アルキルであり、
11Bは、水素、トリフルオロメチルまたは(C1〜C4)アルキルであり、
4は、塩素、ヒドロキシル、(C1〜C4)アルコキシ、トリフルオロメチルカルボニルオキシまたは(C1〜C4)アルキルカルボニルオキシであり、
5は、(C1〜C4)アルキルである]
で示される化合物を用いて環化して、式(I−E1)または(I−E2):
【化17】

[式中、L、R1、R2、R4、R5、R11AおよびR11Bは、それぞれ、上記定義と同じである]
で示される化合物を得ること、
または
[F] 式(X):
【化18】

[式中、L、R1、R2、R4およびR5は、それぞれ、上記定義と同じである]
で示される化合物を、不活性溶媒中にて、適当な塩基の存在下、アジド試薬を用いて環化して、式(I−F):
【化19】

[式中、L、R1、R2、R4およびR5は、それぞれ、上記定義と同じである]
で示される化合物を得ること、
または
[G]式(XI)で示される化合物を、不活性溶媒中にて、適当な塩基の存在下、ホスゲン、ホスゲン誘導、例えばジ−もしくはトリホスゲン、N,N−カルボニルジイミダゾールまたはクロロギ酸エステルと反応させ、得られた中間体を、さらに、不活性溶媒中、随意に適当な塩基の存在下にて、直接環化して、式(I−G):
【化20】

[式中、L、R1、R2、R4およびR5は、それぞれ、上記定義と同じである]
で示される化合物を得ること、
および、随意に、得られた式(I)、(I−C1)、(I−C2)、(I−D)、(I−E1)、(IE2)、(I−F)および(I−G)で示される化合物を、対応する(i)溶媒および/または(ii)塩基もしくは酸を用いてそれらの溶媒和物、塩および/または該塩の溶媒和物に変換すること
を特徴とする製造方法を提供する。
【0051】
(II)+(III)→(I)、(VI)→(VII)および(VI)+(IX)→(I−D)の工程のための不活性溶媒は、例えば、エーテル、例えばジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、グリコールジメチルエーテルもしくはジエチレングリコールジメチルエーテル、炭化水素、例えばベンゼン、トルエン、キシレン、ヘキサン、シクロヘキサンもしくは石油留分、ハロゲン化炭化水素、例えばジクロロメタン、トリクロロメタン、テトラクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、トリクロロエチレンもしくはクロロベンゼン、または他の溶媒、例えばアセトン、酢酸エチル、アセトニトリル、ピリジン、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N'−ジメチルプロピレン尿素(DMPU)もしくはN−メチルピロリドン(NMP)である。同様に、これらの溶媒の混合物を使用することもできる。ジクロロ−メタン、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミドまたはこれらの溶媒の混合物が好ましい。
【0052】
(II)+(III)→(I)、(VI)→(VII)および(VI)+(IX)→(I−D)の工程におけるアミド化に好適な縮合剤としては、例えば、カルボジイミド、例えばN,N'−ジエチルカルボジイミド、N,N'−ジプロピルカルボジイミド、N,N'−ジイソプロピルカルボジイミドもしくはN,N'−ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)またはN−(3−ジメチルアミノイソプロピル)−N'−エチルカルボジイミド・塩酸塩(EDC)、ホスゲン誘導体、例えばN,N'−カルボニルジイミダゾール(CDI)、1,2−オキサゾリウム化合物、例えば2−エチル−5−フェニル−1,2−オキサゾリウム−3硫酸エステルまたは過塩素酸2−tert−ブチル−5−メチル−イソオキサゾリウム、アシルアミノ化合物、例えば2−エトキシ−1−エトキシカルボニル−1,2−ジヒドロキノリン、またはクロロギ酸イソブチル、無水プロパンホスホン酸、シアノホスホン酸ジエチル、ビス−(2−オキソ−3−オキサゾリジニル)ホスホリルクロリド、ベンゾトリアゾール−1−イルオキシ−トリス(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート、ベンゾトリアゾール−1−イルオキシ−トリス(ピロリジノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート(PyBOP)、O−(ベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N',N'−テトラメチルウロニウムテトラフルオロボラート(TBTU)、O−(ベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N',N'−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HBTU)、2−(2−オキソ−1−(2H)−ピリジル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウムテトラフルオロボラート(TPTU)、O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N',N'−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HATU)またはO−(1H−6−クロロベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウムテトラフルオロボラート(TCTU)が挙げられ、他の添加剤、例えば、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)またはN−ヒドロキシスクシンイミド(HOSu)、塩基としてアルカリ金属の炭酸塩、例えば炭酸ナトリウムもしくは炭酸カリウムまたは炭酸水素ナトリウムもしくは炭酸水素カリウム、または有機塩基、例えばトリアルキルアミン、例えばトリエチルアミン、N−メチルモルホリン、N−メチルピペリジンもしくはN,N−ジイソプロピルエチルアミンと組み合わせてもよい。好ましくは、EDCとHOBtとの組み合わせまたはTBTUとN,N−ジイソプロピルエチルアミンとの組み合わせが使用される。
【0053】
(II)+(III)→(I)、(VI)→(VII)および(VI)+(IX)→(I−D)の工程は、一般に、−20℃〜+60℃、好ましくは0℃〜+40℃の温度範囲で行われる。この反応は、標準大気圧下、加圧下または減圧下(例えば、0.5〜5バール)で行われ得る。この操作は、一般に、大気圧下にて行われる。
【0054】
(IV)+(V)→(I)の工程のための不活性溶媒は、例えば、ハロゲン化炭化水素、例えばジクロロメタン、トリクロロメタン、テトラクロロメタン、トリクロロエチレンもしくはクロロベンゼン、エーテル、例えばジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、グリコールジメチルエーテルもしくはジエチレングリコールジメチルエーテル、炭化水素、例えばベンゼン、トルエン、キシレン、ヘキサン、シクロヘキサンもしくは石油留分、または他の溶媒、例えばアセトン、メチルエチルケトン、酢酸エチル、アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、N,N'−ジメチルプロピレン尿素(DMPU)、N−メチルピロリドン(NMP)もしくはピリジンである。同様に、これらの溶媒の混合物を使用することもできる。好ましくは、アセトニトリル、アセトンまたはジメチルホルムアミドが使用される。
【0055】
(IV)+(V)→(I)の工程のための塩基としては、通常の無機塩基または有機塩基が適している。これらの塩基としては、好ましくは、アルカリ金属の水酸化物、例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウムもしくは水酸化カリウム、アルカリ金属もしくはアルカリ土類金属の炭酸塩、例えば炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸カルシウムもしくは炭酸セシウム、アルカリ金属アルコラート、例えばナトリウムメタノラートもしくはカリウムメタノラート、ナトリウムエタノラートもしくはカリウムエタノラートまたはナトリウムtert−ブチラートもしくはカリウムtert−ブチラート、アルカリ金属の水素化物、例えば水素化ナトリウムもしくは水素化カリウム、アミド、例えばソーダアミド、リチウムビス(トリメチルシリル)アミドもしくはカリウムビス(トリメチルシリル)アミドまたはリチウムジイソプロピルアミド、または有機アミン、例えばトリエチルアミン、N−メチルモルホリン、N−メチルピペリジン、N,N−ジイソプロピルエチルアミン、1,5−ジアザビシクロ−[4.3.0]ノナ−5−エン(DBN)、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(DBU)もしくは1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(DABCO(登録商標))が挙げられる。好ましくは、炭酸カリウムまたは炭酸セシウムが使用される。
【0056】
この工程において、塩基は、式(IV)で示される化合物1molを基にして、1〜5molの量で、好ましくは1〜2.5molの量で使用される。この反応は、一般に、0℃〜+100℃、好ましくは+20℃〜+80℃の温度範囲で行われる。この反応は、標準大気圧下、加圧下または減圧下(例えば、0.5〜5バール)で行われ得る。この操作は、一般に、大気圧下にて行われる。
【0057】
(VII)→(I−C1)の工程のための不活性溶媒は、例えば、アルコール、例えばメタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノールもしくはtert−ブタノール、エーテル、例えばジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、グリコールジメチルエーテルもしくはジエチレングリコールジメチルエーテル、炭化水素、例えばベンゼン、キシレン、トルエン、ヘキサン、シクロヘキサンもしくは石油留分、または他の溶媒、例えばジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、N,N'−ジメチルプロピレン尿素(DMPU)、N−メチルピロリドン(NMP)、ピリジン、アセトニトリルもしくは水である。これら記載の溶媒の混合物を使用することもできる。好ましくは、メタノールの使用である。
【0058】
(VII)→(I−C1)の工程に適当な塩基は、通常の無機塩基である。これらの塩基としては、アルカリ金属またはアルカリ土類金属の炭酸塩、例えば炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸カルシウムもしくは炭酸セシウム、およびアルカリ金属の炭酸水素塩、例えば炭酸水素ナトリウムもしくは炭酸水素カリウムが挙げられる
【0059】
(VII)→(I−C1)の工程は、一般に、0℃〜+80℃、好ましくは+20℃〜+60℃の温度範囲で行われる。この反応は、標準大気圧下、加圧下または減圧下(例えば、0.5〜5バール)で行われ得る。この操作は、一般に、大気圧下にて行われる。
【0060】
(XI)→(I−G)の工程のための不活性溶媒は、例えば、ハロゲン化炭化水素、例えばジクロロメタン、トリクロロメタン、テトラクロロメタン、トリクロロエチレンもしくはクロロベンゼン、エーテル、例えばジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、グリコールジメチルエーテルもしくはジエチレングリコールジメチルエーテル、炭化水素、例えばベンゼン、トルエン、キシレン、ヘキサン、シクロヘキサンもしくは石油留分、または他の溶媒、例えばアセトン、メチルエチルケトン、酢酸エチル、アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、N,N'−ジメチルプロピレン尿素(DMPU)、N−メチルピロリドン(NMP)もしくはピリジンである。同様に、これらの溶媒の混合物を使用することができる。好ましくは、DMSOまたはDMFが使用される。
【0061】
(X)→(XI)の工程のための不活性溶媒は、例えば、アルコール、例えばメタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノールもしくはtert−ブタノール、炭化水素、例えばベンゼン、トルエン、キシレン、ヘキサン、シクロヘキサンもしくは石油留分、または水である。これら記載の溶媒の混合物を使用することもできる。好ましくは、メタノール、エタノール、トルエンまたは水が使用される。
【0062】
(X)+(XI)および(XI)→(I−G)の工程のための塩基として、通常の無機塩基または有機塩基が適当である。これらの塩基としては、好ましくは、アルカリ金属の水酸化物、例えば水酸化リチウム、水酸化ナトリウムもしくは水酸化カリウム、アルカリ金属もしくはアルカリ土類金属の炭酸塩、例えば炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸カルシウムもしくは炭酸セシウム、アルカリ金属アルコラート、例えばナトリウムメタノラートもしくはカリウムメタノラート、ナトリウムエタノラートもしくはカリウムエタノラートまたはナトリウムtert−ブチラートもしくはカリウムtert−ブチラート、アルカリ金属の水素化物、例えば水素化ナトリウムもしくは水素化カリウム、アミド、例えばソーダアミド、リチウムビス(トリメチルシリル)アミドもしくはカリウムビス(トリメチルシリル)アミドまたはリチウムジイソプロピルアミド、または有機アミン、例えばトリエチルアミン、N−メチルモルホリン、N−メチルピペリジン、N,N−ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン、1,5−ジアザビシクロ−[4.3.0]ノナ−5−エン(DBN)、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(DBU)もしくは1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(DABCO(登録商標))が挙げられる。好ましくは、トリエチルアミンまたはピリジンまたはカリウムtert−ブチラートが使用される。
【0063】
(XI)→(I−G)の工程は、特に好ましくは、カリウムtert−ブチラートの存在下、DMF中にて行われる。
【0064】
(X)→(XI)の工程は、一般に、+30℃〜+100℃、好ましくは+50℃〜+80℃の温度範囲で行われる。この反応は、標準大気圧下、加圧下または減圧下(例えば、0.5〜5バール)で行われ得る。この操作は、一般に、大気圧下にて行われる。
【0065】
(XI)→(I−G)の工程は、一般に、−10℃〜+50℃、好ましくは0℃〜+30℃の温度範囲で行われる。この反応は、標準大気圧下、加圧下または減圧下(例えば、0.5〜5バール)で行われ得る。この操作は、一般に、大気圧下にて行われる。
【0066】
(XI)+(XII−1)→(I−E1)の工程は、酸の反応の場合、(II)+(III)→(I)の工程について記載した結合条件に従って行われる。
【0067】
(XI)+(XII−1)→(I−E1)の工程に適当な不活性溶媒としては、無水カルボン酸を反応させる場合、エーテル、例えばジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、グリコールジメチルエーテルもしくはジエチレングリコールジメチルエーテル、炭化水素、例えばベンゼン、トルエン、キシレン、ヘキサン、シクロヘキサンもしくは石油留分、ハロゲン化炭化水素、例えばジクロロメタン、トリクロロメタン、テトラクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、トリクロロエチレンもしくはクロロベンゼン、または他の溶媒、例えばアセトン、酢酸エチル、アセトニトリル、ピリジン、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N'−ジメチルプロピレン尿素(DMPU)もしくはN−メチルピロリドン(NMP)が挙げられる。
【0068】
(XI)+(XII−1)→(I−E1)の工程における無水カルボン酸の反応は、適当な塩基、例えば有機アミン、例えばトリエチルアミン、N−メチルモルホリン、N−メチルピペリジン、N,N−ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ−5−エン(DBN)、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(DBU)または1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(DABCO(登録商標))の存在下にて行われる。好ましくは、トリエチルアミンが使用される。
【0069】
無水カルボン酸を用いる(XI)+(XII−1)→(I−E1)の工程は、+20℃〜+120℃、好ましくは+50℃〜+80℃の温度範囲で行われる。この反応は、標準大気圧下、加圧下または減圧下(例えば、0.5〜5バール)で行われ得る。この操作は、一般に、大気圧下にて行われる。
【0070】
(VII)+(VIII)→(I−C2)および(XI)+(XII−2)→(I−E2)の工程は、溶媒を用いても用いなくても行うことができる。これに関連して適当な不活性溶媒の例としては、エーテル、例えばジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、グリコールジメチルエーテルもしくはジエチレングリコールジメチルエーテル、炭化水素、例えばベンゼン、トルエン、キシレン、ヘキサン、シクロヘキサンもしくは石油留分、ハロゲン化炭化水素、例えばジクロロメタン、トリクロロメタン、テトラクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、トリクロロエチレンもしくはクロロベンゼン、または他の溶媒、例えばアセトン、酢酸エチル、アセトニトリル、ピリジン、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N'−ジメチルプロピレン尿素(DMPU)もしくはN−メチルピロリドン(NMP)が挙げられる。
【0071】
(VII)+(VIII)→(I−C2)および(XI)+(XII−2)→(I−E2)に適当なルイス酸の例としては、三フッ化ホウ素−ジエチルエーテル錯体、硝酸セリウム(IV)アンモニウム(CAN)、塩化スズ(II)、過塩素リチウム、塩化亜鉛(II)、塩化インジウム(III)または臭化インジウム(III)が挙げられる。好ましくは、三フッ化ホウ素−ジエチルエーテル錯体が使用される。この反応において、ルイス酸は、式(II)で示される化合物の1molを基にして、0.2〜2.0mol、好ましくは0.7〜1.2molの量で使用され得る。
【0072】
(VII)+(VIII)→(I−C2)および(XI)+(XII−2)→(I−E2)の工程は、一般に、+20℃〜+120℃、好ましくは+50℃〜+80℃の温度範囲で行われる。これらの反応は、標準大気圧下、加圧下または減圧下(例えば、0.5〜5バール)で行われ得る。この操作は、一般に、大気圧下にて行われる。
【0073】
(XI)→(I−G)の反応のための不活性溶媒の例は、エーテル、例えばジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、グリコールジメチルエーテルもしくはジエチレングリコールジメチルエーテル、炭化水素、例えばベンゼン、トルエン、キシレン、ヘキサン、シクロヘキサンもしくは石油留分、または他の溶媒、例えば、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、N,N'−ジメチルプロピレン尿素(DMPU)もしくはN−メチルピロリドン(NMP)である。これら記載の溶媒の混合物を使用することもできる。好ましくは、トルエンまたはDMFが使用される。
【0074】
(X)→(I−F)の工程に特に適しているアジド試薬は、塩化アンモニウムの存在下におけるアジ化ナトリウム、またはアジ化トリメチルシリルである。後者の反応は、好都合には、触媒の存在下にて行われ得る。酸化ジ−n−ブチルスズ、トリメチルアルミニウムまたは臭化亜鉛のような化合物がこの目的に特に適している。アジ化トリメチルシリルを酸化ジ−n−ブチルスズと合わせて使用するのが好ましい。
【0075】
(X)→(I−F)の反応は、一般に、+50℃〜+150℃、好ましくは+60℃〜+110℃の温度範囲で行われる。この反応は、標準大気圧下、加圧下または減圧下(例えば、0.5〜5バール)で行われ得る。この操作は、一般に、大気圧下にて行われる。
【0076】
本発明の化合物の製造は、以下の合成スキームにより例示され得る:
【0077】
【化21】

【0078】
【化22】

【0079】
【化23】

【0080】
式(II)で示される化合物は、5−アリール−2,4−ジヒドロ−3H−1,2,4−トリアゾール−3−オンの塩基誘発性アルキル化によりN2置換化合物を得、次いで、エステル加水分解することにより得ることができる(スキーム4を参照):
【0081】
【化24】

[Alk=アルキル、Hal=ハロゲン]
【0082】
2置換化合物は、別法として、N−(アルコキシカルボニル)アリールチオアミドから、ヒドラジノエステルとの反応、次いで、トリアゾロンのN4でのアルキル化によって、製造することもできる(文献公知[例えば,M. Arnswald, W.P. Neumann, J. Org. Chem. 58(25), 7022-7028 (1993);E.P. Papadopoulos, J. Org. Chem. 41(6), 962-965 (1976)を参照](スキーム5):
【0083】
【化25】

【0084】
式(IV)で示される化合物は、カルボン酸ヒドラジドから出発して、イソシアナートまたはニトロフェニルカルバメートとの反応、次いで、ヒドラジンカルボキシアミド中間体の塩基誘発性環化によって、製造することができる(スキーム6):
【0085】
【化26】

【0086】
式(III)で示される化合物は、市販されているか、文献公知であるか、または、下記合成スキーム7および8において例示されているように製造され得る:
【0087】
【化27】

【0088】
【化28】

【0089】
式(VI)および(X)で示される化合物は、プロセス[A]および国際公開第2007/134862号と類似の方法で製造され得る。
【0090】
式(X)で示される化合物は、別法として、式(VI−1)で示されるカルボン酸を反応させて対応するアミドを得、次いで、脱水を行うことによって、製造することもできる(スキーム9を参照)。
【0091】
【化29】

[a):35%強度NH3(水溶液)、EDC、HOBt、DMF;b):(CF3CO)2O、ピリジン、THF]。
【0092】
(V)、(VIII)、(IX)、(XII−1)および(XII−2)で示される化合物は、さまざまに、市販されているか、文献公知であるか、または、文献((V)について、例えば、国際公開第2007/134862号)により知られているプロセスもしくは本願の実施例に記載されているプロセスと類似の方法で製造され得る。
【0093】
本発明のさらなる化合物は、所望により、上記のプロセスに従って得られた式(I)で示される化合物から出発して、個々の置換基の官能基、特にR1およびR3に関して挙げられたものの変換によって製造することもできる。これらの変換は、当業者に知られている常法に従って行うことができ、例えば、求核置換および求電子置換、酸化、還元、水素化、遷移金属触媒カップリング反応、脱離、アルキル化、アミノ化、エステル化、エステル開裂、エーテル化、エーテル開裂、特にカルボキシアミドの形成のような反応、ならびに一時的な保護基の導入および除去が挙げられる。
【0094】
本発明の化合物は、重要な薬理的特性を有しており、ヒトおよび動物におけるさまざまな疾患および疾患に起因する病態の予防および/または治療に使用され得る。
【0095】
本発明の化合物は、インビトロおよびインビボでバソプレシン活性を阻害する強力な選択的二重V1a/V2受容体拮抗薬である。
【0096】
本発明の化合物は、特に、心血管疾患の予防および/または治療に適している。これに関連して、例えば、好ましくは標的適応症として以下のものが挙げられる:急性および慢性心不全、動脈性高血圧、冠動脈心疾患、安定および不安定狭心症、心筋虚血、心筋梗塞、ショック、動脈硬化症、心房性および心室性不整脈、一過性脳虚血発作、発作、炎症性心血管疾患、末梢および心臓血管疾患、末梢循環障害、肺動脈高血圧、冠動脈および末梢動脈の痙攣、血栓症、血栓塞栓性疾患、浮腫形成、例えば肺浮腫、脳浮腫、腎浮腫または心不全関連浮腫、および再狭窄、例えば血栓溶解治療、経皮−経管的血管形成術(PTA)、経管的冠動脈形成術(PTCA)、心臓移植およびバイパス手術の後の再狭窄。
【0097】
本発明の意味において、心不全という用語は、より特異的なまたは関連のある疾患形態、例えば右心不全、左心不全、全不全、虚血性心筋症、拡張型心筋症、先天性心疾患、心臓弁異常、心臓弁異常に伴う心不全、僧帽弁狭窄症、僧帽弁閉鎖不全症、大動脈弁狭窄症、大動脈弁不全症、三尖弁狭窄症、三尖弁不全症、肺動脈狭窄症、肺動脈弁不全症、混合型心臓弁異常、心筋の炎症(心筋炎)、慢性心筋炎、急性心筋炎、ウイルス性心筋炎、糖尿病性心不全、アルコール−毒性心筋症、心臓貯蓄疾患、拡張期心不全および収縮期心不全を包含する。
【0098】
さらにまた、本発明の化合物は、浮腫、ならびに電解質障害、特に循環血液量過多性低ナトリウム血症および正常血液量性低ナトリウム血症の治療における利尿剤としての使用に適している。
【0099】
本発明の化合物は、また、多発性嚢胞腎疾患(PCKD)およびADH不適合分泌症候群(SIADH)の予防および/または治療にも適している。
【0100】
さらに、本発明の化合物は、肝硬変、腹水症、真性糖尿病および糖尿病合併症、例えば神経障害および腎障害、急性および慢性腎不全ならびに慢性腎不全の予防および/または治療に使用することができる。
【0101】
さらに、本発明の化合物は、中枢神経障害、例えば不安状態およびうつ病、緑内障および癌、特に肺腫瘍の予防および/または治療に適している。
【0102】
さらにまた、本発明の化合物は、炎症性疾患、喘息性疾患、慢性閉塞性呼吸器疾患(COPD)、疼痛状態、前立腺肥大症、失禁、膀胱炎、副腎の疾患、例えば褐色細胞腫および副腎卒中、腸管の疾患、例えばクローン病および下痢、または月経障害、例えば月経困難症、または子宮内膜症の予防および/または治療に使用することができる。
【0103】
本発明のさらなる目的は、疾患、特に上記疾患の治療および/または予防のための本発明の化合物の使用である。
【0104】
本発明のさらなる目的は、急性および慢性心不全、循環血液量過多性低ナトリウム血症および正常血液量性低ナトリウム血症、肝硬変、腹水症、浮腫、ならびにADH不適合分泌症候群(SIADH)の治療方法および/または予防方法に用いるための本発明の化合物である。
【0105】
本発明のさらなる目的は、疾患、特に上記疾患の治療および/または予防のための薬剤の製造のための本発明の化合物の使用である。
【0106】
本発明のさらなる目的は、少なくとも1つの本発明の化合物の有効量の使用による、疾患、特に上記疾患の治療方法および/または予防方法である。
【0107】
本発明の化合物は、単独で、または、必要に応じて他の活性物質と合わせて使用することができる。本発明のさらなる目的は、特に上記疾患の治療および/または予防のための、少なくとも1つの本発明の化合物および1つ以上の他の活性物質を含有する薬剤である。これに適している併用活性物質としては、例えば、好ましくは以下のものを挙げることができる:
・有機硝酸塩およびNO供給源、例えばニトロプルシドナトリウム、ニトログリセリン、一硝酸イソソルビド、二硝酸イソソルビド、モルシドミンまたはSIN−1、および吸入NO;
・利尿剤、特にループ利尿剤およびチアジド類およびチアジド系利尿剤;
・陽性変力活性化合物、例えば強心配糖体(ジゴキシン)、およびβアドレナリンおよびドーパミン作動薬、例えばイソプロテレノール、アドレナリン、ノルアドレナリン、ドーパミンおよびドブタミン;
・環状グアノシン一リン酸(cGMP)および/または環状アデノシン一リン酸(cAMP)の分解を阻害する化合物、例えば、ホスホジエステラーゼ(PDE)1、2、3、4および/または5の阻害剤、特にPDE5阻害剤、例えばシルデナフィル、バルデナフィルおよびタダラフィル、ならびにPDE3阻害剤、例えばアムリノンおよびミルリノン;
・ナトリウム利尿ペプチド、例えば、「心房性ナトリウム利尿ペプチド」(ANP、アナリチド)、「B型ナトリウム利尿ペプチド」または「脳性ナトリウム利尿ペプチド」(BNP、ネシリチド)、「C型ナトリウム利尿ペプチド」(CNP)およびウロジラチン;
・カルシウム感受性増強剤、例えば、好ましくはレボシメンダン;
・グアニル酸シクラーゼのNO非依存性ヘム非依存性活性化物質、例えば、特に、国際公開第01/19355号、国際公開第01/19776号、国際公開第01/19778号、国際公開第01/19780号、国際公開第02/070462号および国際公開第02/070510号に記載の化合物;
・グアニル酸シクラーゼのNO非依存性ヘム依存性刺激物質、例えば、特に、リオシグアトならびに国際公開第00/06568号、国際公開第00/06569号、国際公開第02/42301号および国際公開第03/095451号に記載の化合物;
・ヒト好中球エラスターゼ(HNE)の阻害剤、例えば、シベレスタットまたはDX−890(reltran);
・シグナル伝達カスケードを阻害する化合物、例えばチロシンキナーゼ阻害剤、特に、ソラフェニブ、イマチニブ、ゲフィチニブおよびエルロチニブ;
・心臓のエネルギー代謝に影響を与える化合物、例えば、好ましくはエトモキシル、ジクロロアセテート、ラノラジンまたはトリメタジジン;
・抗血栓作用を有する物質、例えば、好ましくは血小板凝集阻害剤、抗凝血剤または線維素溶解促進物質の群からのもの;
・血圧降下活性物質、例えば、好ましくはカルシウム拮抗薬、アンジオテンシンAII拮抗薬、ACE阻害剤、バソペプチダーゼ阻害剤、中性エンドペプチダーゼ阻害剤、エンドセリン拮抗薬、レニン阻害剤、α受容体遮断薬、β受容体遮断薬、ミネラルコルチコイド受容体拮抗薬およびrhoキナーゼ阻害剤の群からのもの;および/または、
・脂質代謝調節活性物質、例えば、好ましくは甲状腺受容体作動薬、コレステロール合成阻害剤、例えば、好ましくはHMG−CoAレダクターゼまたはスクアレン合成阻害剤、ACAT阻害剤、CETP阻害剤、MTP阻害剤、PPARα作動薬、PPARγ作動薬および/またはPPARδ作動薬、コレステロール吸収阻害剤、リパーゼ阻害剤、多量体没食子酸吸着剤、没食子酸再吸収阻害剤およびリポタンパク質(a)拮抗薬の群からのもの。
【0108】
本発明の好ましい実施態様において、本発明の化合物は、利尿薬、例えば、好ましくはフロセミド、ブメタニド、トルセミド、ベンドロフルメチアジド、クロロチアジド、ヒドロクロロチアジド、ヒドロフルメチアジド、メチクロチアジド、ポリチアジド、トリクロルメチアジド、クロルタリドン、インダパミド、メトラゾン、キネタゾン、アセタゾラミド、ジクロロフェナミド、メタゾラミド、グリセリン、イソソルビド、マンニトール、アミロライドまたはトリアムテレンと組み合わせて投与される。
【0109】
抗血栓作用を有する物質は、好ましくは、血小板凝集阻害剤、抗凝血剤または線維素溶解促進物質の群からの化合物を意味すると解される。
【0110】
本発明の好ましい実施態様において、本発明の化合物は、血小板凝集阻害剤、例えば、好ましくはアスピリン、クロピドグレル、チクロピジンまたはジピリダモールと組み合わせて投与される。
【0111】
本発明の好ましい実施態様において、本発明の化合物は、トロンビン阻害剤、例えば、好ましくはキシメラガトラン、メラガトラン、ビバリルジンまたはクレキサンと組み合わせて投与される。
【0112】
本発明の好ましい実施態様において、本発明の化合物は、GPIIb/IIIa拮抗薬、例えば、好ましくはチロフィバンまたはアブシキシマブと組み合わせて投与される。
【0113】
本発明の好ましい実施態様において、本発明の化合物は、第Xa因子阻害剤、例えば、好ましくはリバロキサバン(BAY59−7939)、DU−176b、アピキサバン、オタミキサバン、フィデキサバン、ラザキサバン、フォンダパリヌクス、イドラパリヌクス、PMD−3112、YM−150、KFA−1982、EMD−503982、MCM−17、MLN−1021、DX9065a、DPC906、JTV803、SSR−126512またはSSR−128428と組み合わせて投与される。
【0114】
本発明の好ましい実施態様において、本発明の化合物は、ヘパリンまたは低分子量(LMW)ヘパリン誘導体と組み合わせて投与される。
【0115】
本発明の好ましい実施態様において、本発明の化合物は、ビタミンK拮抗薬、例えば、好ましくはクマリンと組み合わせて投与される。
【0116】
血圧降下剤は、好ましくは、カルシウム拮抗薬、アンジオテンシンAII拮抗薬、ACE阻害剤、バソペプチダーゼ阻害剤、中性エンドペプチダーゼ阻害剤、エンドセリン拮抗薬、レニン阻害剤、α受容体遮断薬、β受容体遮断薬、ミネラルコルチコイド受容体拮抗薬、rhoキナーゼ阻害剤および利尿剤の群からの化合物を意味すると解される。
【0117】
本発明の好ましい実施態様において、本発明の化合物は、カルシウム拮抗薬、例えば、好ましくはニフェジピン、アムロジピン、ベラパミルまたはジルチアゼムと組み合わせて投与される。
【0118】
本発明の好ましい実施態様において、本発明の化合物は、アンジオテンシンAII拮抗薬、例えば、好ましくはロサルタン、カンデサルタン、バルサルタン、テルミサルタンまたはエンブサルタンと組み合わせて投与される。
【0119】
本発明の好ましい実施態様において、本発明の化合物は、ACE阻害剤、例えば、好ましくはエナラプリル、カプトプリル、リシノプリル、ラミプリル、デラプリル、ホシノプリル、キナプリル、ペリンドプリルまたはトランドラプリルと組み合わせて投与される。
【0120】
本発明の好ましい実施態様において、本発明の化合物は、バソペプチダーゼ阻害剤または中性エンドペプチダーゼ(NEP)阻害剤と組み合わせて投与される。
【0121】
本発明の好ましい実施態様において、本発明の化合物は、エンドセリン拮抗薬、例えば、好ましくはボセンタン、ダルセンタン、アンブリセンタンまたはシタクスセンタンと組み合わせて投与される。
【0122】
本発明の好ましい実施態様において、本発明の化合物は、レニン阻害剤、例えば、好ましくはアリスキレン、SPP−600またはSPP−800と組み合わせて投与される。
【0123】
本発明の好ましい実施態様において、本発明の化合物は、α1受容体遮断薬、例えば、好ましくはプラゾシンと組み合わせて投与される。
【0124】
本発明の好ましい実施態様において、本発明の化合物は、β受容体遮断薬、例えば、好ましくはプロプラノロール、アテノロール、チモロール、ピンドロール、アルプレノロール、オクスプレノロール、ペンブトロール、ブプラノロール、メチプラノロール、ナドロール、メピンドロール、カラゾロール、ソタロール、メトプロロール、ベタキソロール、セリプロロール、ビソプロロール、カルテオロール、エスモロール、ラベタロール、カルベジロール、アダプロロール、ランジオロール、ネビボロール、エパノロールまたはブシンドロールと組み合わせて投与される。
【0125】
本発明の好ましい実施態様において、本発明の化合物は、ミネラルコルチコイド受容体拮抗薬、例えば、好ましくはスピロノラクトン、エプレレノン、カンレノンまたはカンレノン酸カリウムと組み合わせて投与される。
【0126】
本発明の好ましい実施態様において、本発明の化合物は、rhoキナーゼ阻害剤、例えば、好ましくはファスジル、Y−27632、SLx−2119、BF−66851、BF−66852、BF−66853、KI−23095またはBA−1049と組み合わせて投与される。
【0127】
脂質代謝調節物質は、好ましくは、CETP阻害剤、甲状腺受容体作動薬、コレステロール合成阻害剤、例えばHMG−CoAレダクターゼ合成阻害剤またはスクアレン合成阻害剤、ACAT阻害剤、MTP阻害剤、PPARα作動薬、PPARγ作動薬および/またはPPARδ作動薬、コレステロール吸収阻害剤、多量体没食子酸吸着剤、没食子酸再吸収阻害剤、リパーゼ阻害剤およびリポタンパク質(a)拮抗薬の群からの化合物を意味すると解される。
【0128】
本発明の好ましい実施態様において、本発明の化合物は、CETP阻害剤、例えば、好ましくはダルセトラピブ、BAY60−5521、アナセトラピブまたはCETPワクチン(CETi−1)と組み合わせて投与される。
【0129】
本発明の好ましい実施態様において、本発明の化合物は、甲状腺受容体作動薬、例えば、好ましくはD−チロキシン、3,5,3'−トリヨードサイロニン(T3)、CGS23425またはアキシチロム(CGS26214)と組み合わせて投与される。
【0130】
本発明の好ましい実施態様において、本発明の化合物は、スタチン類のクラスからのHMG−CoAレダクターゼ阻害剤、例えば、好ましくはロバスタチン、シンバスタチン、プラバスタチン、フルバスタチン、アトルバスタチン、ロスバスタチンまたはピタバスタチンと組み合わせて投与される。
【0131】
本発明の好ましい実施態様において、本発明の化合物は、スクアレン合成阻害剤、例えば、好ましくはBMS−188494またはTAK−475と組み合わせて投与される。
【0132】
本発明の好ましい実施態様において、本発明の化合物は、ACAT阻害剤、例えば、好ましくはアバシミブ、メリナミド、パクチミブ、エフルチミブまたはSMP−797と組み合わせて投与される。
【0133】
本発明の好ましい実施態様において、本発明の化合物は、MTP阻害剤、例えば、好ましくはインプリタピド、BMS−201038、R−103757またはJTT−130と組み合わせて投与される。
【0134】
本発明の好ましい実施態様において、本発明の化合物は、PPARγ作動薬、例えば、好ましくはピオグリタゾンまたはロシグリタゾンと組み合わせて投与される。
【0135】
本発明の好ましい実施態様において、本発明の化合物は、PPARδ作動薬、例えば、好ましくはGW−501516またはBAY68−5042と組み合わせて投与される。
【0136】
本発明の好ましい実施態様において、本発明の化合物は、コレステロール吸収阻害剤、例えば、好ましくはエゼチミブ、チクエシドまたはパマクエシドと組み合わせて投与される。
【0137】
本発明の好ましい実施態様において、本発明の化合物は、リパーゼ阻害剤、例えば、好ましくはオルリスタットと組み合わせて投与される。
【0138】
本発明の好ましい実施態様において、本発明の化合物は、多量体没食子酸吸着剤、例えば、好ましくはコレスチラミン、コレスチポール、コレソルバム(colesolvam)、コレスタゲル(cholestagel)またはコレスチミドと組み合わせて投与される。
【0139】
本発明の好ましい実施態様において、本発明の化合物は、没食子酸再吸収阻害剤、例えば、好ましくはASBT(=IBAT)阻害剤、例えばAZD−7806、S−8921、AK−105、BARI−1741、SC−435またはSC−635と組み合わせて投与される。
【0140】
本発明の好ましい実施態様において、本発明の化合物は、リポタンパク質(a)拮抗薬、例えば、好ましくはゲムカベンカルシウム(CI−1027)またはニコチン酸と組み合わせて投与される。
【0141】
本発明のさらなる目的は、少なくとも1つの本願発明の化合物を、通常1つ以上の不活性で無毒性の医薬上適当な添加剤と一緒に含有する薬剤、および上記目的のためのその使用である。
【0142】
本発明の化合物は、全身的におよび/または局所的に作用することができる。この目的のために、それらは、適当な方法で、例えば、経口経路、非経口経路、肺経路、鼻経路、舌下経路、頬側経路、直腸経路、皮膚経路、経皮経路、結膜経路もしくは耳経路によって、またはインプラントもしくはステントとして、投与され得る。
【0143】
これらの投与経路について、本発明の化合物は、適当な投与剤形で投与され得る。
【0144】
経口投与について、現在の技術水準に従って本発明の化合物を急速におよび/または変更して放出するように機能する、本発明の化合物を結晶形態および/または非晶質形態および/または溶解した形態で含有する投与剤形は、例えば錠剤(素錠、またはコーティング錠、例えば本発明の化合物の放出を制御する胃酸耐性もしくは遅延溶解もしくは不溶性コーティング剤による)、口腔内において急速に崩壊する錠剤、またはフィルム剤/オブラート剤、フィルム剤/凍結乾燥製剤、カプセル剤(例えばハードまたはソフトゼラチンカプセル)、糖衣錠、顆粒剤、ペレット剤、散剤、乳剤、懸濁剤、エアゾール剤または液剤が適している。
【0145】
非経口投与は、吸収工程を除いて行われ得る(例えば静脈内投与、動脈内投与、心臓内投与、脊髄内投与または腰椎内投与)か、または吸収を含むように行われ得る(例えば、筋肉内投与、皮下投与、皮内投与、経皮投与または腹腔内投与)。非経口投与に適している投与剤形としては、液剤、懸濁剤、乳剤、凍結乾燥製剤または滅菌散剤の剤形の注射剤および輸液剤が挙げられる。
【0146】
他の投与経路について、例えば吸入製剤(粉末インヘラーおよびネブライザーを包含する)、鼻用滴剤、液剤もしくはスプレー剤、舌、舌下もしくは頬側投与用錠剤、錠剤、フィルム剤/オブラート剤もしくはカプセル剤、坐剤、経口もしくは眼用製剤、膣用カプセル剤、水性懸濁剤(ローション剤、振盪用混合物)、凍結乾燥懸濁剤、軟膏剤、クリーム剤、経皮治療システム(例えば硬膏剤)、ミルク、ペースト剤、フォーム剤、ダスティングパウダー剤、インプラントまたはステントが適している。
【0147】
経口または非経口投与、特に経口および静脈内投与が好ましい。
【0148】
本発明の化合物は、記載の投与剤形に変換され得る。これは、不活性で無毒性の医薬上適当な添加剤と混合することによって、自体公知の方法で行われる。これらの添加剤としては、担体(例えば微結晶性セルロース、ラクトース、マンニトール)、溶媒(例えば、液体ポリエチレングリコール)、乳化剤および分散剤または湿潤剤(例えばドデシル硫酸ナトリウム、ポリオキシソルビタンオレエート)、結合剤(例えばポリビニルピロリドン)、合成および天然ポリマー(例えばアルブミン)、安定剤(例えば抗酸化剤、例えばアスコルビン酸)、着色剤(例えば無機色素、例えば酸化鉄)および香味剤または矯臭剤が挙げられる。
【0149】
一般に、非経口投与において有効な結果を得るために、体重1kg当たり約0.001〜10mg、好ましくは約0.01〜1mgの量を投与するのが有利である。経口投与においては、投与量は、体重1kg当たり約0.01〜100mg、好ましくは約0.01〜20mg、特に好ましくは0.1〜10mgである。
【0150】
それにもかかわらず、体重、投与経路、活性物質に対する個々の反応、製剤の性質、および投与が行われる時間または間隔に依存して、上記の量から逸脱することが必要な場合があり得る。このように、場合によっては上記の最少量よりも少ない量で十分に管理でき、場合によっては上記の上限を超えなければならない。多量の投与の場合、これらを、1日にいくつかの投与に分けるのが推奨される。
【実施例】
【0151】
以下の実施例により本発明を説明する。本発明は、これらの実施例に限定されない。
【0152】
他に特定しない限り、以下の試験および実施例に記載のパーセンテージとは重量%のことであり、部とは重量部のことであり、液/液溶液についての溶媒比、希釈比および濃度情報はそれぞれ容量に基づく。
【0153】
A. 実施例
略語:
【表1】

【0154】
LC/MS、HPLCおよびGC/MSの方法:
方法1:MS装置の種類:Micromass ZQ;HPLC装置の種類:Waters Alliance 2795;カラム:Phenomenex Synergi 2.5μ MAX−RP 100A Mercury 20mm×4mm;溶離液A:水1リットル+50%ギ酸0.5ml、溶離液B:アセトニトリル1リットル+50%ギ酸0.5ml;勾配:0.0分90%A→0.1分90%A→3.0分5%A→4.0分5%A→4.01分90%A;流速:2ml/分;オーブン:50℃;UV検出:210nm。
【0155】
方法2:MS装置の種類:Waters(Micromass)Quattro Micro;HPLC装置の種類:Agilent 1100 Series;カラム:Thermo Hypersil GOLD 3μ 20×4mm;溶離液A:水1リットル+50%ギ酸0.5ml;溶離液B:アセトニトリル1リットル+50%ギ酸0.5ml;勾配:0.0分100%A→3.0分10%A→4.0分10%A→4.01分100%A(2.5ml流)→5.00分100%A;オーブン:50℃;流速:2ml/分;UV検出:210nm。
【0156】
方法3:装置:Waters UPLC Acquity装着Micromass Quattro Premier;カラム:Thermo Hypersil GOLD 1.9μ 50×1mm;溶離液A:水1リットル+50%ギ酸0.5ml、溶離液B:アセトニトリル1リットル+50%ギ酸0.5ml;勾配:0.0分90%A→0.1分90%A→1.5分10%A→2.2分10%A;オーブン:50℃;流速:0.33ml/分;UV検出:210nm。
【0157】
方法4:装置:Waters ACQUITY SQD UPLC System;カラム:Waters Acquity UPLC HSS T3 1.8μ 50×1mm;溶離液A:水1リットル+99%ギ酸0.25ml;溶離液B:アセトニトリル1リットル+99%ギ酸0.25ml;勾配:0.0分90%A→1.2分5%A→2.0分5%A;オーブン:50℃;流速:0.40ml/分;UV検出:210−400nm。
【0158】
方法5:装置:Waters ACQUITY SQD UPLC System;カラム:Waters Acquity UPLC HSS T3 1.8μ 50×1mm;溶離液A:水1リットル+99%ギ酸0.25ml;溶離液B:アセトニトリル1リットル+99%ギ酸0.25ml;勾配:0.0分90%A→1.2分5%A→2.0分5%A;オーブン:50℃;流速:0.40ml/分;UV検出:210−400nm。
【0159】
方法6:MS装置の種類:Micromass ZQ;HPLC装置の種類:HP 1100 Series;UV DAD;カラム:Phenomenex Gemini 3μ 30mm×3.00mm;溶離液A:水1リットル+50%ギ酸0.5ml;溶離液B:アセトニトリル1リットル+50%ギ酸0.5ml;勾配:0.0分90%A→2.5分30%A→3.0分5%A→4.5分5%A;流速:0.0分1ml/分、2.5分/3.0分/4.5分2ml/分;オーブン:50℃;UV検出:210nm。
【0160】
方法7:(分取HPLC):Column Grom−Sil 120 ODS−4HE 10μm、250mm×40mm;溶離液:A=水、B=アセトニトリル;プログラム:0−6分:5%B;6−27分:5%から95%Bへ勾配;27−43分:95%B;43−45分:5%B。流速:50ml/分;カラム温度:RT;UV検出:210nm。
【0161】
方法8:(キラル分取HPLC):ポリ(N−メタクリロイル−D−ロイシン−ジシクロプロピルメチルアミド)セレクターに基づくシリカゲルキラル固定相;カラム:600mm×30mm、流速:50ml/分、温度:24℃;UV検出器:260nm。溶離液:イソヘキサン/酢酸エチル(50:50)。
【0162】
方法9:(分析分取HPLC):ポリ(N−メタクリロイル−D−ロイシン−ジシクロプロピルメチルアミド)セレクターに基づくシリカゲルキラル固定相;カラム:250mm×4.6mm、溶離液:100%酢酸エチル、流速:2ml/分、温度:24℃;UV検出器:265nm。
【0163】
方法10(分取HPLC):カラム:Grom−Sil 120 ODS−4HE、10μm、SNo.3331、250mm×30mm。溶離液A:水中0.1%ギ酸、溶離液B:アセトニトリル;流速:50ml/分。プログラム:0−3分:10%B;3−27分:95%Bへ勾配;27−34分:95%B;34.01−38分:10%B。
【0164】
方法11:(キラル分取HPLC):ポリ(N−メタクリロイル−L−ロイシン−(+)−3−ピナンメチルアミド)セレクターに基づくシリカゲルキラル固定相;カラム:600mm×30mm、流速:80ml/分、温度:24℃;UV検出器:2650nm。種々の溶離液:
方法11a:溶離液:100%酢酸エチル
方法11b:溶離液:0−15分イソヘキサン/酢酸エチル(40:60)から100%酢酸エチルへ勾配;15−25分:100%酢酸エチル。
方法11c:溶離液:イソヘキサン/酢酸エチル(10:90)。
方法12:(分析キラルHPLC):ポリ(N−メタクリロイル−L−ロイシン−(+)−3−ピナンメチルアミド)セレクターに基づくシリカゲルキラル固定相;カラム:250mm×4.6mm、温度:24℃;UV検出器:265nm。流速:2ml/分。種々の溶離液:
方法12a:溶離液:100%酢酸エチル。
方法12b:溶離液:イソヘキサン/酢酸エチル(50:50)。
【0165】
方法13:(分取HPLC):Column Grom−Sil 120 ODS−4HE 10μm、250mm×30mm;溶離液:A=水、B=アセトニトリル;勾配:0.0分10%B、3分−30分:10%から95%Bへ勾配、42分95%B、42.01分10%B、45分10%B;流速:50ml/分;カラム温度:RT;UV検出:210nm。
【0166】
方法14(分取HPLC):Column:Reprosil C18、10μm、SNo.3500、250mm×30mm。溶離液A:水中0.1%ギ酸、溶離液B:メタノール;流速:50ml/分。プログラム:0−4.25分:40%B;4.25−4.50分:60%Bへ勾配;4.50−17分:100%Bへ勾配;17−19.50分:100%B;19.51−19.75分:40%Bへ勾配;19.75−20.5分:40%B。
【0167】
方法15(分取HPLC):カラム:Reprosil C18、10μm、SNo.3500、250mm×30mm。溶離液A:水中0.1%ギ酸、溶離液B:アセトニトリル;流速:50ml/分。プログラム:0−6分:10%B;6−27分:95%B;へ勾配27−43分:95%B;43.01−44分:10%B。
【0168】
出発化合物および中間体:
【0169】
実施例1A
N−({2−[(4−クロロフェニル)カルボニル]ヒドラジニル}カルボニル)グリシン酸エチル
【化30】

4−クロロベンズヒドラジド12.95g(75.9mmol)の乾燥THF 50ml中懸濁液を50℃で導入し、2−イソシアナト酢酸エチル10.0g(77.5mmol)の乾燥THF 100ml中溶液を滴下混合した。まず初めに溶液が生じ、次いで、沈殿物が生じた。添加終了後、混合物を50℃でさらに2時間撹拌し、次いで、室温で一夜放置した。濾過により結晶を単離し、少量のジエチルエーテルで洗浄し、高真空下にて乾燥させた。これにより、標記化合物21.43g(理論の89%)を得た。
LC/MS[方法1]:保持時間=1.13分;m/z=300 (M+H)+
1H NMR(DMSO−d6,400MHz):δ=10.29(s,1H)、8.21(s,1H)、7.91(d,2H)、7.57(d,2H)、6.88(br.s,1H)、4.09(q,2H)、3.77(d,2H)、1.19(t,3H)
【0170】
実施例2A
[3−(4−クロロフェニル)−5−オキソ−1,5−ジヒドロ−4H−1,2,4−トリアゾール−4−イル]酢酸
【化31】

実施例1Aからの化合物21.43g(67.93mmol)を3N水酸化ナトリウム水溶液91mlと混合し、還流させながら一夜加熱した。室温に冷却後、約20%強度の塩酸をゆっくり添加することによって、混合物をpH1に調整した。濾過により、沈殿した固体を単離し、水で洗浄し、減圧下にて60℃で乾燥させた。収量:17.55g(理論の90%、純度約88%)。
LC/MS[方法1]:保持時間=0.94分;m/z=254 (M+H)+
1H NMR(DMSO−d6,400MHz):δ=13.25(br.s,1H)、12.09(s,1H)、7.65−7.56(m,4H)、4.45(s,2H)。
【0171】
実施例3A
5−(4−クロロフェニル)−4−(3,3,3−トリフルオロ−2−オキソプロピル)−2,4−ジヒドロ−3H−1,2,4−トリアゾール−3−オン(または水和物形態:5−(4−クロロフェニル)−4−(3,3,3−トリフルオロ−2,2−ジヒドロキシプロピル)−2,4−ジヒドロ−3H−1,2,4−トリアゾール−3−オン)
【化32】

実施例2Aからの化合物5g(16.36mmol)をアルゴン下にてピリジン200mlに溶解し、次いで、無水トリフルオロ酢酸17.18g(81.8mmol)と混合した。温度が約35℃に上昇した。30分後、ピリジンをロータリーエバポレーターにて除去し、残留物を0.5N塩酸1.5リットルで希釈した。この混合物を70℃に加熱し、次いで、熱いうちに濾過した。固体を少量の水で洗浄した。全濾液を酢酸エチルで3回抽出した。合わせた有機相を水で洗浄し、次いで、炭酸水素ナトリウム飽和水溶液で洗浄し、次いで、塩化ナトリウム飽和水溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、ロータリーエバポレーターにて溶媒を除去した。残留物を高真空下にて乾燥させた。収量:水和形態の標記化合物3.56g(理論の68%)。
LC/MS[方法1]:保持時間=1.51分;m/z=306 (M+H)+および324 (M+H)+(ケトンおよび水和物)
1H NMR(DMSO−d6,400MHz):δ=12.44(s,1H)、7.72(d,2H)、7.68(br.s,2H)、7.61(d,2H)、3.98(s,2H)。
【0172】
実施例4A
5−(4−クロロフェニル)−4−(3,3,3−トリフルオロ−2−ヒドロキシプロピル)−2,4−ジヒドロ−3H−1,2,4−トリアゾール−3−オン
【化33】

実施例3Aからの化合物3.56g(11mmol)をメタノール100mlに溶解し、氷冷しながら水素化ホウ素ナトリウム3.75g(99mmol)と混合した(ガス発生)。1.5時間後、1M塩酸200mlをゆっくり添加した。メタノールをロータリーエバポレーターにて除去し、残留物を水500mlで希釈し、酢酸エチルで3回抽出した。合わせた有機相を炭酸水素ナトリウム飽和水溶液で洗浄し、次いで塩化ナトリウム飽和水溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、ロータリーエバポレーターにて溶媒を除去した。残留物を高真空下にて乾燥させた。これにより、標記化合物3.04g(理論の90%)を得た。
LC/MS[方法2]:保持時間=1.80分;m/z=308 (M+H)+
1H NMR(DMSO−d6,400MHz):δ=12.11(s,1H)、7.75(d,2H)、7.62(d,2H)、6.85(d,1H)、4.34−4.23(m,1H)、3.92(dd,1H)、3.77(dd,1H)。
【0173】
実施例5A
[3−(4−クロロフェニル)−5−オキソ−4−(3,3,3−トリフルオロ−2−ヒドロキシプロピル)−4,5−ジヒドロ−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル]酢酸メチル
【化34】

実施例4Aからの化合物3.04g(9.9mmol)をアセトニトリル100mlに溶解し、クロロ酢酸メチル1.07g(9.9mmol)、炭酸カリウム2.73g(19.8mmol)および小スパチュラ1杯のヨウ化カリウムと混合した。この反応混合物を還流させながら1時間加熱し、室温に冷却させ、濾過した。濾液をロータリーエバポレーターにかけて揮発成分を除去し、残留物を高真空下にて乾燥させた。収量:純度約90%の標記化合物3.70g(理論の89%)。
LC/MS[方法3]:保持時間=1.10分;m/z=380 (M+H)+
1H NMR(DMSO−d6,400MHz):δ=7.78(d,2H)、7.64(d,2H)、6.91(d,1H)、4.72(s,2H)、4.16−4.35(m,1H)、3.99(dd,1H)、3.84(dd,1H)、3.70(s,3H)。
【0174】
国際公開第2007/134862号に記載に従って、実施例5Aからのラセミ化合物をキラル相による分取HPLCによってそのエナンチオマー実施例6Aおよび実施例7Aに分割した。
カラム:ポリ(N−メタクリロイル−L−イソロイシン−3−ペンチルアミド)セレクターに基づくキラルシリカゲル相、430mm×40mm;溶離液:ステップ勾配:イソヘキサン/酢酸エチル(1:1)→酢酸エチル→イソヘキサン/酢酸エチル(1:1);流速:50ml/分;温度:24℃;UV検出:260nm。
これにより、実施例5Aからのラセミ化合物3.6g(酢酸エチル27mlおよびイソヘキサン27mlに溶解し、カラムによって3つの部分に分離された)から、最初に溶出するエナンチオマー1 1.6g(実施例6A)および次に溶出するエナンチオマー2 1.6g(実施例7A)を得る。
【0175】
実施例6A
{3−(4−クロロフェニル)−5−オキソ−4−[(2S)−3,3,3−トリフルオロ−2−ヒドロキシプロピル]−4,5−ジヒドロ−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル}酢酸メチル(エナンチオマーI)
【化35】

実施例5Aのラセミ化合物分割により最初に溶出するエナンチオマー。
保持時間=3.21分[カラム:ポリ(N−メタクリロイル−L−イソロイシン−3−ペンチルアミド)セレクターに基づくキラルシリカゲル相、250mm×4.6mm;溶離液:イソヘキサン/酢酸エチル(1:1);流速:1ml/分;UV検出:260nm]。
【0176】
実施例7A
{3−(4−クロロフェニル)−5−オキソ−4−[(2R)−3,3,3−トリフルオロ−2−ヒドロキシプロピル]−4,5−ジヒドロ−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル}酢酸メチル(エナンチオマーII)
【化36】

実施例5Aのラセミ化合物分割により最後に溶出するエナンチオマー。
保持時間=4.48分[カラム:ポリ(N−メタクリロイル−L−イソロイシン−3−ペンチルアミド)セレクターに基づくキラルシリカゲル相、250mm×4.6mm;溶離液:イソヘキサン/酢酸エチル(1:1);流速:1ml/分;UV検出:260nm]。
【0177】
実施例8A
{3−(4−クロロフェニル)−5−オキソ−4−[(2S)−3,3,3−トリフルオロ−2−ヒドロキシプロピル]−4,5−ジヒドロ−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル}酢酸
【化37】

実施例6Aからの鏡像異性的に純粋なエステル(1.6g、4.21mmol)をメタノール77mlに溶解し、水酸化リチウムの水中1M溶液17mlと混合した。混合物を室温で1時間撹拌し、次いで、ロータリーエバポレーターにて濃縮した。残留物を水100mlで希釈し、1N塩酸を使用してpH12に酸性化した。沈殿した生成物を濾過により単離し、水およびシクロヘキサンで連続洗浄し、吸引乾燥させた。高真空下にてさらに乾燥させた後、標記化合物(1.1g、理論の71%)を得た。
[α]D20=+3.4°(メタノール、c=0.37g/100ml)
LC/MS[方法1]:保持時間=1.51分;m/z=366 (M+H)+
1H−NMR(400MHz,DMSO−d6):δ=3.84(dd,1H)、4.00(dd,1H)、4.25(m,1H)、4.58(s,2H)、6.91(d,1H)、7.63(d,2H)、7.78(d,2H)、13.20(br.s,1H)。
【0178】
実施例9A
{3−(4−クロロフェニル)−5−オキソ−4−[(2R)−3,3,3−トリフルオロ−2−ヒドロキシプロピル]−4,5−ジヒドロ−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル}酢酸
【化38】

実施例8Aと同様に、実施例7Aから標記化合物を得た。
[α]D20=−4.6°(メタノール、c=0.44g/100ml)
LC/MS[方法1]:保持時間=1.53分;m/z=366 (M+H)+
1H−NMR(400MHz,DMSO−d6):δ=3.84(dd,1H)、4.00(dd,1H)、4.25(m,1H)、4.58(s,2H)、6.91(d,1H)、7.63(d,2H)、7.78(d,2H)、13.20(br.s,1H)。
【0179】
実施例10A
(2R)−2−[({3−(4−クロロフェニル)−5−オキソ−4−[(2S)−3,3,3−トリフルオロ−2−ヒドロキシプロピル]−4,5−ジヒドロ−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル}アセチル)アミノ]−2−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]プロパン酸
【化39】

DMF 60ml中の実施例8Aからの化合物3.77g(10.3mmol)およびHOBt 1.47g(10.31mmol)をEDC 1.98g(10.31mmol)と混合し、20分間撹拌した。得られた溶液を(2R)−2−アミノ−2−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]プロパン酸・塩酸塩(米国08901ニュージャージー州ニューブランズウィックのNetchemから)3.06g(11.35mmol)およびN,N−ジイソプロピルエチルアミン2.16ml(12.4mmol)のDMF 60ml中懸濁液に滴下した。添加後、混合物を室温でさらに1時間撹拌し、次いで、0.5N塩酸500mlと混合し、酢酸エチルで3回抽出した。合わせた有機相を水で3回、塩化ナトリウム飽和水溶液で1回、連続洗浄し、次いで、硫酸ナトリウムで乾燥させた。ロータリーエバポレーターにて溶媒を除去し、残留物を高真空下にて乾燥させた。これにより、標記化合物6.60g(理論の88%、純度80%)を得た。
LC−MS[方法3]:保持時間=1.22分;MS[ESpos]:m/z=581 (M+H)+
1H−NMR(400MHz,DMSO−d6):δ[ppm]=1.85(s,3H)、3.82(dd,1H)、3.96(dd,1H)、4.22−4.33(m,1H)、4.59(s,2H)、6.92(d,1H)、7.57−7.70(m,4H)、7.73−7.81(m,4H)、8.80(s,1H)、13.11(br.s,1H)。
【0180】
実施例11A
(2R)−2−[({3−(4−クロロフェニル)−5−オキソ−4−[(2S)−3,3,3−トリフルオロ−2−ヒドロキシプロピル]−4,5−ジヒドロ−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル}アセチル)アミノ]−2−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]プロパンアミド
【化40】

DMF 40ml中の実施例10Aからの化合物3.44g(4.20mmol)およびHOBt 1.02g(7.57mmol)をEDC 1.45g(7.57mmol)と混合し、30分間撹拌した。得られた溶液をアンモニア溶液(水中35%、45ml)に滴下した。添加後、混合物を室温で20分間撹拌し、次いで、ロータリーエバポレーターにて濃縮した。残留物を水500mlと混合し、酢酸エチル250mlで3回抽出した。合わせた有機相を1M塩酸で2回、水で1回、炭酸水素ナトリウム飽和水溶液で2回、塩化ナトリウム飽和水溶液で1回、連続洗浄し、次いで、硫酸ナトリウムで乾燥させた。ロータリーエバポレーターにて溶媒を除去し、残留物を分取HPLC(方法7)により精製した。生成物を高真空下にて乾燥させた。これにより、標記化合物2.30g(理論の94%)を得た。
LC−MS[方法3]:保持時間=1.21分;MS[ESpos]:m/z=580 (M+H)+
1H−NMR(400MHz,DMSO−d6):δ[ppm]=1.88(s,3H)、3.82(dd,1H)、3.96(dd,1H)、4.21−4.33(m,1H)、4.58(s,2H)、6.89(d,1H)、7.33(s,1H)、7.41(s,1H)、7.57(t,1H)、7.61−7.65(m,3H)、7.70−7.78(m,4H)、8.63(s,1H)。
【0181】
実施例12A
2−{3−(4−クロロフェニル)−5−オキソ−4−[(2S)−3,3,3−トリフルオロ−2−ヒドロキシプロピル]−4,5−ジヒドロ−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル}−N−{(1R)−1−シアノ−1−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}アセトアミド
【化41】

実施例11Aからの化合物200mg(0.345mmol)を乾燥THF 4mlに溶解し、ピリジン61μl(0.76mmol)と混合し、次いで、無水トリフルオロ酢酸102μl(0.72mmol)と混合し、得られた混合物を室温で一夜撹拌した。次いで、揮発成分をロータリーエバポレーターにて除去し、残留物を分取HPLC(方法10)によって精製した。これにより、標記化合物157mg(理論の81%)を得た。
LC−MS[方法3]:保持時間=1.32分;MS[ESpos]:m/z=562 (M+H)+
1H−NMR(400MHz,DMSO−d6):δ[ppm]=1.88(s,3H)、3.81(dd,1H)、3.94(dd,1H)、4.21−4.32(m,1H)、4.63(s,2H)、6.91(d,1H)、7.60−7.69(m,3H)、7.71−7.76(m,4H)、7.79(d,1H)、9.58(s,1H)。
【0182】
実施例13A
N−{(2R)−1−アミノ−1−(ヒドロキシイミノ)−2−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]プロパン−2−イル}−2−{3−(4−クロロフェニル)−5−オキソ−4−[(2S)−3,3,3−トリフルオロ−2−ヒドロキシプロピル]−4,5−ジヒドロ−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル}アセトアミド
【化42】

実施例12Aからの化合物110mg(196μmol)をヒドロキシルアミン・塩酸塩68mg(0.98mmol)およびトリエチルアミン(0.98mmol)136μlと一緒にDMSO 2.9mlに溶解し、混合物を75℃で一夜撹拌した。室温に冷却した後、水を添加し、混合物を酢酸エチルで3回抽出した。合わせた有機相を塩化ナトリウム飽和水溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、ロータリーエバポレーターにて揮発成分を除去した。残留物を少量のDMSOに溶解し、生成物を分取HPLC(方法10)によって精製した。これにより、標記化合物43mg(理論の37%)を得た。
LC−MS[方法3]:保持時間=1.19分;MS[ESpos]:m/z=595 (M+H)+
1H−NMR(400MHz,DMSO−d6):δ[ppm]=1.79(s,3H)、3.82(dd,1H)、3.96(dd,1H)、4.21−4.32(m,1H)、4.53−4.62(m,2H)、5.52−5.58(m,2H)、6.90(d,1H)、7.51−7.69(m,6H)、7.75(d,2H)、8.57(s,1H)、9.43(s,1H)。
【0183】
実施例14A
2−{3−(4−クロロフェニル)−5−オキソ−4−[(2S)−3,3,3−トリフルオロ−2−ヒドロキシプロピル]−4,5−ジヒドロ−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル}−N−{(2R)−1−ヒドラジノ−1−オキソ−2−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]プロパン−2−イル}アセトアミド
【化43】

実施例10Aからの化合物156mg(0.27mmol)をアセトニトリル2mlに溶解し、EDC 72mg(0.38mmol)およびHOBt 54mg(0.38mmol)と混合し、室温で20分間撹拌した。得られた溶液を、予め0℃に冷却しておいた、ヒドラジン・水和物26μl(0.54mmol)およびシクロヘキセン6.8μl(67μmol)のアセトニトリル2ml中溶液に滴下した。添加後、混合物をさらに30分間撹拌し、1N塩酸2mlと混合し、分取HPLC(方法10)によって分取した。適当なフラクションをロータリーエバポレーターにて濃縮し、高真空下にて乾燥させた。これにより、標記化合物100mg(理論の63%)を得た。
LC−MS[方法6]:保持時間=2.22分;MS[ESneg]:m/z=595 (M+H)+
1H−NMR(400MHz,DMSO−d6):δ[ppm]=1.86(s,3H)、3.82(dd,1H)、3.96(dd,1H)、4.22−4.33(m,1H)、4.60(s,2H)、6.90(d,1H)、7.56(t,1H)、7.60−7.66(m,3H)、7.70−7.79(m,4H)、8.67(s,1H)、9.21(br.s,1H)。
【0184】
実施例15Aおよび16A:
ジアステレオマー混合物の形態の化合物N−2−アミノ−2−オキソ−1−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}−2−{3−(4−クロロフェニル)−5−オキソ−4−[(2S)−3,3,3−トリフルオロ−2−ヒドロキシプロピル]−4,5−ジヒドロ−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル−アセトアミドを国際公開第/号2007/134862(実施例509)と同様に製造し、キラル固相によるクロマトグラフィー(方法11a)によって、そのジアステレオマーに分割した。最初に溶出するジアステレオマー(ジアステレオマー1)を実施例15Aに記載する。最後に溶出するジアステレオマー(ジアステレオマー2)を実施例16Aに記載する。ジアステレオマーの絶対立体化学は、X線構造解析によって明らかになった。
【0185】
実施例15A
N−{(1S)−2−アミノ−2−オキソ−1−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}−2−{3−(4−クロロフェニル)−5−オキソ−4−[(2S)−3,3,3−トリフルオロ−2−ヒドロキシプロピル]−4,5−ジヒドロ−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル}アセトアミド(ジアステレオマー1)
【化44】

N−2−アミノ−2−オキソ−1−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}−2−{3−(4−クロロフェニル)−5−オキソ−4−[(2S)−3,3,3−トリフルオロ−2−ヒドロキシプロピル]−4,5−ジヒドロ−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル−アセトアミドの、クロマトグラフィー分割法(方法11a)から最初に溶出するジアステレオマー。X線構造解析により、絶対配置を決定した。
分析キラルHPLC[方法12a]:保持時間=2.65分。
LC−MS[方法5]:保持時間=1.03分;MS[ESpos]:m/z=566 (M+H)+
1H−NMR(500MHz,DMSO−d6):δ[ppm]=3.82(dd,1H)、3.96(dd,1H)、4.20−4.34(m,1H)、4.54−4.65(m,2H)、5.51(d,1H)、6.90(d,1H)、7.33(s,1H)、7.58−7.64(m,3H)、7.67(d,1H)、7.71−7.77(m,3H)、7.81(s,1H)、7.88(br.s,1H)、8.99(d,1H)。
【0186】
実施例16A
N−{(1R)−2−アミノ−2−オキソ−1−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}−2−{3−(4−クロロフェニル)−5−オキソ−4−[(2S)−3,3,3−トリフルオロ−2−ヒドロキシプロピル]−4,5−ジヒドロ−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル}アセトアミド(ジアステレオマー2)
【化45】

N−2−アミノ−2−オキソ−1−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}−2−{3−(4−クロロフェニル)−5−オキソ−4−[(2S)−3,3,3−トリフルオロ−2−ヒドロキシプロピル]−4,5−ジヒドロ−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル−アセトアミドのクロマトグラフィー分割法(方法11a)から最後に溶出するジアステレオマー。
分析キラルHPLC[方法12a]:保持時間=3.69分。
LC−MS[方法5]:保持時間=1.03分;MS[ESpos]:m/z=566 (M+H)+
1H−NMR(500MHz,DMSO−d6):δ[ppm]3.82(dd,1H)、3.96(dd,1H)、4.21−4.32(m,1H)、4.53−4.67(m,1H)、5.51(d,1H)、6.89(d,1H)、7.33(br.s,1H)、7.58−7.64(m,3H)、7.65−7.68(m,1H)、7.71−7.76(m,3H)、7.81(s,1H)、7.88(br.s,1H)、8.99(d,1H)。
【0187】
実施例17A
2−{3−(4−クロロフェニル)−5−オキソ−4−[(2S)−3,3,3−トリフルオロ−2−ヒドロキシプロピル]−4,5−ジヒドロ−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル}−N−{(S)−シアノ−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}アセトアミド
【化46】

実施例15Aからの化合物(S,S−ジアステレオマー)400mg(0.71mmol)の無水THF 8ml中溶液を室温でピリジン126μl(1.56mmol)と混合し、次いで、無水トリフルオロ酢酸210μl(1.48mmol)と混合した。この反応混合物をロータリーエバポレーターにて濃縮した。残留物を分取HPLC(方法10)によって精製した。これにより、標記化合物400mgを得た。
LC−MS[方法3]:保持時間=1.32分;MS[ESpos]:m/z=548 (M+H)+
1H−NMR(400MHz,DMSO−d6):d[ppm]=3.84(dd,1H)、3.94−4.01(m,1H)、4.23−4.37(m,1H)、4.61(q,2H)、6.37(d,1H)、6.93(d,1H)、7.64(d,2H)、7.70−7.79(m,3H)、7.80−7.87(m,3H)、9.60(d,1H)。
【0188】
実施例18A
2−{3−(4−クロロフェニル)−5−オキソ−4−[(2S)−3,3,3−トリフルオロ−2−ヒドロキシプロピル]−4,5−ジヒドロ−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル}−N−{(R)−シアノ−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}アセトアミド
【化47】

実施例17Aと同様に実施例16Aからの化合物340mg(0.60mmol)から標記化合物268mg(理論81%)を得た。
LC−MS[方法1]:保持時間=2.16分;MS[ESpos]:m/z=548 (M+H)+
1H−NMR(400MHz,DMSO−d6):δ[ppm]=3.84(dd,1H)、3.98(dd,1H)、4.22−4.35(m,1H)、4.61(s,2H)、6.37(d,1H)、6.93(d,1H)、7.64(d,2H)、7.69−7.81(m,3H)、7.79−7.87(m,3H)、9.61(d,1H)。
【0189】
実施例19A
{(フェニルスルホニル)[3−(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}−カルバミン酸tert−ブチル
【化48】

カルバミン酸tert−ブチル4.49g(38.29mmol)およびベンゼンスルフィン酸ナトリウム12.57g(76.57mmol)をメタノール/水(1:2)110ml中に導入し、3−(トリフルオロメチル)ベンゼンカルボアルデヒド10g(57.43mmol)およびギ酸2.87ml(76.09mmol)と連続混合した。混合物を室温で30時間撹拌した。沈殿した生成物を濾過により単離し、水およびジエチルエーテルで連続洗浄し、吸引乾燥させた。さらに高真空下にて乾燥させて、標記化合物11.2g(理論の47%)を得た。
1H−NMR(400MHz,DMSO−d6):δ[ppm]=8.86(d,1H)、8.14(s,1H)、7.99(d,1H)、7.88(d,2H)、7.80(d,1H)、7.71−7.77(m,1H)、7.59−7.70(m,3H)、6.25(d,1H)、1.18(s,9H)。
【0190】
実施例20A
{(E)−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]メチリデン}カルバミン酸tert−ブチル
【化49】

炭酸カリウム10.88g(78.73mmol)を高真空下にて高温乾燥させ、冷却後、THF 127mlと混合し、さらに、実施例19Aからのスルホニル化合物5.45g(13.12mmol)と混合した。混合物を、アルゴン下にて16時間、加熱還流した。混合物を室温に冷却し、セライトで濾過し、THFで洗浄した。濾液をロータリーエバポレーターにて濃縮し、次いで、高真空下にて乾燥させた。残留物は、標記化合物に一致した:3.63g(理論の100%)。
MS[方法7]:m/z=274 (M+H)+
1H−NMR(400MHz,DMSO−d6):δ[ppm]=8.95(s,1H)、8.26(s,1H)、8.23(d,1H)、8.01(d,1H)、7.80(t,1H)、1.52(s,9H)。
【0191】
実施例21A
{1,3−オキサゾール−2−イル[3−(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}カルバミン酸tert−ブチル(ラセミ化合物)
【化50】

−78℃に冷却した、オキサゾール222mg(3.22mmol)のTHF 20ml中溶液にn−ブチルリチウム溶液(ヘキサン中1.6M)2.20ml(3.51mmol)をゆっくり滴下混合した。添加後、無色の溶液を−78℃でさらに30分間撹拌し、次いで、実施例20Aからの化合物800mg(2.93mmol)のTHF 10ml中溶液を滴下混合した。混合物を−78℃でさらに30分間撹拌し、次いで、冷却浴を外して室温に加温した。30分後、再度−20℃に冷却し、10%強度の塩化アンモニウム水溶液5mlの添加により反応を停止させた。水150mlを添加し、混合物を酢酸エチルで2回抽出した。合わせた有機相を水で洗浄し、塩化ナトリウム飽和水溶液で洗浄し、次いで、硫酸ナトリウムで乾燥させ。ロータリーエバポレーターにて溶媒を除去し、残留物を分取HPLC(方法10)によって精製した。これにより、無色油状物として標記化合物382mg(理論の35%)を得た。
LC−MS[方法4]:保持時間=1.10分;MS[ESneg]:m/z=341 (M−H)-
1H−NMR(400MHz,DMSO−d6):δ[ppm]=1.39(br.s,9H)、5.84(d,1H)、7.55−7.61(m,1H)、7.62−7.69(m,2H)、7.73(s,1H)、7.84(s,1H)、7.98(d,1H)、8.32(s,1H)。
【0192】
実施例22A
1−(1,3−オキサゾール−2−イル)−1−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]メタミン・塩酸塩(ラセミ化合物)
【化51】

ジクロロメタン8ml中の実施例21Aからの化合物345mg(1.01mmol)を塩化水素のジオキサン中4N溶液8mlと混合し、室温で2時間撹拌した。揮発成分をロータリーエバポレーターにて除去し、残留物を高真空下にて乾燥させた。これにより、標記化合物281mg(理論の100%)を得た。
LC−MS[方法5]:保持時間=0.54分;MS[ESpos]:m/z=243 (M+H)+
1H−NMR(400MHz,DMSO−d6):δ[ppm]=5.83(br.s,1H)、7.71(t,1H)、7.80(d,1H)、7.87(d,1H)、8.01(s,1H)、8.15(s,1H)、8.56(s,1H)、9.07(br.s,3H)。
【0193】
実施例23A
{2−ヒドラジノ−2−オキソ−1−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}カルバミン酸tert−ブチル(ラセミ化合物)
【化52】

(DL)−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ][3−(トリフルオロメチル)フェニル]酢酸(2.0mmol)640mgのアセトニトリル4ml中溶液をEDC 500mg(2.61mmol)およびHOBt 352mg(2.61mmol)と混合し、室温で20分間撹拌した。得られた溶液を、予め0℃に冷却しておいた、ヒドラジン・水和物(195μl、4.01mmol)およびシクロヘキセン(40.6mg、0.49mmol)のアセトニトリル2ml中溶液に滴下した。全反応混合物を30分間撹拌し、次いで、水50mlと混合した。アセトニトリルをロータリーエバポレーターにて除去した。残存する水相を酢酸エチルで3回抽出した。合わせた有機相を2M炭酸ナトリウム水溶液、塩化ナトリウム飽和水溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させた。ロータリーエバポレーターにて溶媒を除去し、残留物を高真空下にて乾燥させた。これにより、標記化合物652mg(理論の98%)を得た。
LC−MS[方法2]:保持時間=1.90分;MS[ESpos]:m/z=334 (M+H)+
1H−NMR(400MHz,DMSO−d6):δ[ppm]=1.37(s,9H)、4.25−4.33(m,2H)、5.23(d,1H)、7.53−7.67(m,3H)、7.71(d,1H)、7.80(s,1H)、9.41−9.47(m,1H)。
【0194】
実施例24A
{(5−アミノ−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)[3−(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}カルバミン酸tert−ブチル(ラセミ化合物)
【化53】

実施例23Aからの化合物300mg(0.9mmol)および臭化シアン95mg(0.9mmol)のメタノール8ml中溶液を60℃で一夜撹拌した。LC−MSチェックにより反応が不完全であることが判明したので、さらに臭化シアン32mgを添加し、混合物を60℃にさらに4時間加熱した。冷却後、揮発成分をロータリーエバポレーターにて除去した。残留物を少量のDMSOに溶解し、分取HPLC(方法10)によって精製した。標記化合物を高真空下にて乾燥させた:107mg(理論の33%)。
LC−MS[方法6]:保持時間=2.06分;MS[ESpos]:m/z=359 (M+H)+
1H−NMR(400MHz,DMSO−d6):δ[ppm]=1.39(s,9H)、6.03(d,1H)、7.06(s,2H)、7.59−7.65(m,1H)、7.68−7.76(m,2H)、7.83(s,1H)、8.27(d,1H)。
【0195】
実施例25A
5−{アミノ[3−(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}−1,3,4−オキサジアゾール−2−アミン・塩酸塩(ラセミ化合物)
【化54】

実施例24Aからの化合物107mg(0.30mmol)をジクロロメタン5mlおよび塩化水素のジオキサン中4N溶液5ml中にて室温で一夜撹拌した。揮発成分をロータリーエバポレーターにて除去した。残留物を高真空下にて乾燥させた。それは、標記化合物(99mg、理論の100%)に一致した。
LC−MS[方法2]:保持時間=0.95分;MS[ESpos]:m/z=259 (M+H)+
1H−NMR(400MHz,DMSO−d6):δ[ppm]=6.07(br.s,1H)、7.33(br.s,2H)、7.71−7.78(m,1H)、7.82−7.89(m,2H)、8.00(s,1H)、9.44(br.s,3H)。
【0196】
実施例26A
{(3−メチル−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)[3−(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}カルバミン酸tert−ブチル(ラセミ化合物)
【化55】

DMF 2mlおよびジクロロメタン6ml中の(DL)−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ][3−(トリフルオロメチル)フェニル]酢酸319mg(1.0mmol)をHOBt 162mg(1.2mmol)、EDC 230mg(1.2mmol)、N−ヒドロキシアセトアミジン89mg(1.2mmol)およびN,N−ジイソプロピルエチルアミン261μlと混合し、この反応混合物を室温で一夜撹拌した。ジクロロメタンをロータリーエバポレーターにて除去し、残存する混合物を酢酸エチルで希釈した。この有機相を炭酸水素ナトリウム飽和水溶液で洗浄し、次いで、塩化ナトリウム飽和水溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、ロータリーエバポレーターにて濃縮して溶媒を除去した。残留物をピリジン4ml中にて30分間加熱還流し、次いで、室温に冷却した。ピリジンをロータリーエバポレーターにて除去し、残留物を分取HPLC(方法10)によって精製した。これにより、標記化合物237mg(理論の66%)を得た。
LC−MS[方法1]:保持時間=0.95分;MS[ESneg]:m/z=356 (M−H)-
1H−NMR(400MHz,DMSO−d6):δ[ppm]=1.40(s,9H)、2.26−2.35(m,3H)、6.29(d,1H)、7.60−7.67(m,1H)、7.76(dd,2H)、7.89(s,1H)、8.43(d,1H)。
【0197】
実施例27A
1−(3−メチル−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)−1−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]メタミン・塩酸塩(ラセミ化合物)
【化56】

実施例26Aからの化合物200mg(0.56mmol)をジクロロメタン6mlおよび塩化水素のジオキサン中4N溶液6ml中にて室温で一夜撹拌した。揮発成分をロータリーエバポレーターにて除去した。残留物を高真空下にて乾燥させた。それは、標記化合物(165mg、理論の100%)に一致した。
LC−MS[方法1]:保持時間=0.95分;MS[ESpos]:m/z=258 (M+H)+
1H−NMR(400MHz,DMSO−d6):δ[ppm]=2.42(s,3H)、6.37(s,1H)、7.72−7.79(m,1H)、7.88(d,2H)、8.06(s,1H)、9.58(br.s,3H)。
【0198】
実施例28A
{(6−メトキシピリジン−2−イル)[3−(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}カルバミン酸tert−ブチル(ラセミ化合物)
【化57】

2−ブロモ−6−メトキシピリジン344mg(1.83mmol)の−78℃のTHF 15ml中溶液をn−ブチルリチウム(溶液、ヘキサン中1.6M)1.26ml(2.01mmol)とゆっくり混合した。橙色の溶液を−78℃で30分間撹拌し、次いで、実施例20Aからの化合物500mg(1.83mmol)のTHF 5ml中溶液を滴下混合した。添加後、混合物を−78℃でさらに30分間撹拌し、次いで、室温までゆっくり加温した。30分後、再度−20℃に冷却し、10%強度の塩化アンモニウム水溶液5mlの添加により、反応を停止させた。混合物を水100mlおよび2M炭酸ナトリウム水溶液20mlで希釈し、次いで、酢酸エチルで2回抽出した。合わせた有機相を水で洗浄し、次いで、塩化ナトリウム飽和水溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、ロータリーエバポレーターにて濃縮した。残留物を分取HPLC(方法10)により精製した。これにより、標記化合物(純度85%(LC−MS))268mg(理論の33%)を得た。
LC−MS[方法3]:保持時間=1.52分;MS[ESpos]:m/z=383 (M+H)+
1H−NMR(400MHz,DMSO−d6):δ[ppm]=1.40(br.s,9H)、3.81(s,3H)、5.88(d,1H)、6.67(d,1H)、7.06(d,1H)、7.51−7.63(m,2H)、7.64−7.74(m,2H)、7.84(s,1H)、7.98(d,1H)。
【0199】
実施例29A
1−(6−Mエトキシピリジン−2−イル)−1−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]メタミン・塩酸塩(ラセミ化合物)
【化58】

実施例28Aからの化合物268mg(0.60mmol)をジクロロメタン4.25mlおよび塩化水素のジオキサン中4N溶液4.25ml中にて室温で1時間撹拌した。揮発成分をロータリーエバポレーターにて除去し。残留物を高真空下にて乾燥させた。それは、標記化合物(237mg、LC−MSにより純度85%)に一致した。
LC−MS[方法2]:保持時間=1.50分;MS[ESpos]:m/z=266 (M+H−NH2)+
1H−NMR(400MHz,DMSO−d6):δ[ppm]=3.98(s,3H)、5.79−5.86(m,1H)、6.83(d,1H)、7.07(d,1H)、7.66−7.72(m,1H)、7.73−7.79(m,2H)、7.89(d,1H)、8.09(s,1H)、8.99(br.s,3H)。
【0200】
実施例30A
{[3−(トリフルオロメチル)フェニル[(1−トリチル−1H−イミダゾール−4−イル)メチル}カルバミン酸tert−ブチル(ラセミ化合物)
【化59】

4−ヨード−1−トリチル−1H−イミダゾール319mg(0.73mmol)のジクロロメタン7ml中溶液を室温で臭化エチルマグネシウムのジエチルエーテル中3M溶液122μl(0.37mmol)と混合した。30分後、実施例20Aからの化合物100mg(0.37mmol)を添加した。この反応混合物を一夜撹拌し、次いで、10%強度の塩化アンモニウム水溶液1mlおよびメタノール20mlと混合した。濾過により不溶成分を除去し、濾液をロータリーエバポレーターにて濃縮した。残留物を分取HPLC(方法10)によって分離した。これにより、標記化合物(57mg、理論の27%)を得た。
LC−MS[方法5]:保持時間=1.45分;MS[ESpos]:m/z=584 (M+H)+
1H−NMR(400MHz,DMSO−d6):δ[ppm]=1.35(br.s,9H)、5.74(br.d,1H)、6.84(br.s,1H)、7.04−7.10(m,6H)、7.29(d,1H)、7.36−7.43(m,9H)、7.49−7.61(m,4H)、7.75(d,1H)。
【0201】
実施例31A
1−(1H−イミダゾール−4−イル)−1−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]メタミン・二塩酸塩(ラセミ化合物)
【化60】

実施例30Aからの化合物57mg(98μmol)を塩化水素のジオキサン中4N溶液2ml中にて室温で一夜撹拌した。次いで、揮発成分をロータリーエバポレーターにて高真空下にて除去した。残留物をジエチルエーテルと一緒に撹拌した。固体を濾過により単離し、少量のエーテルで洗浄し、高真空下にて乾燥させた。これは、標記化合物(29mg、理論の95%)に一致した。
LC−MS[方法5]:保持時間=0.33分;MS[ESneg]:m/z=240 (M−H)-
1H−NMR(400MHz,DMSO−d6):δ[ppm]=5.94(br.s,1H)、7.62−7.74(m,2H)、7.81(d,1H)、7.91(d,1H)、8.05(s,1H)、8.79(br.s,1H)、9.41(br.s,3H)、約14.1ppm(very broad,2H)。
【0202】
実施例32A
N−{(2Z)−2−アミノ−2−(ヒドロキシイミノ)−1−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}−2−{3−(4−クロロフェニル)−5−オキソ−4−[(2S)−3,3,3−トリフルオロ−2−ヒドロキシプロピル]−4,5−ジヒドロ−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル}アセトアミド(ジアステレオマー混合物)
【化61】

ヒドロキシルアミン・塩酸塩634mg(9.1mmol)をDMSO 25mlに溶解し、撹拌しながらトリエチルアミン1.27ml(9.1mmol)と混合した。10分後、生じた沈殿物を濾過により除去し、濾液を実施例17Aからの化合物1.00g(1.83mmol)と混合した。この反応混合物を75℃に2時間加熱し、次いで、室温に冷却させ、酢酸エチルで希釈した。次いで、有機相を水で3回、塩化ナトリウム飽和水溶液で1回洗浄した。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させ、ロータリーエバポレーターにて溶媒を除去した。残留物を高真空下にて乾燥させた。これにより、純度約82%(LC−MS)の標記化合物1.02g(理論の79%)を得た。
LC−MS[方法2]:保持時間=2.11分;MS[ESpos]:m/z=581 (M+H)+
1H−NMR(400MHz,DMSO−d6):δ[ppm]=3.77−3.88(dd,1H)、3.92−4.06(br.d,1H)、4.22−4.34(m,1H)、4.56−4.60(m,2H)、5.57(d,1H)、5.65(br.s,2H)、6.88−6.94(m(2d,ジアステレオマーごとに1d),1H)、7.54−7.70(m,5H)、7.70−7.77(m,3H)、8.89(d,1H)、9.30(br.s,1H)。
【0203】
実施例33A
3−[({3−(4−クロロフェニル)−5−オキソ−4−[(2S)−3,3,3−トリフルオロ−2−ヒドロキシプロピル]−4,5−ジヒドロ−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル}アセチル)アミノ]−3−(2−フルオロフェニル)プロピオン酸メチル(ジアステレオマー混合物)
【化62】

実施例8Aからの化合物50mg(0.14mmol)をDMF 1mlに溶解し、EDC 34mg(0.18mmol)と混合し、次いで、HOBt 22mg(0.16mmol)と混合し、室温で10分間撹拌した。次いで、3−アミノ−3−(2−フルオロフェニル)プロピオン酸メチル・塩酸塩35mg(0.15mmol)を添加し、トリエチルアミン20μl(0.15mmol)を添加し、混合物を室温で16時間撹拌した。後処理のために、水10mlと混合し、酢酸エチル10mlで2回抽出した。合わせた有機相を硫酸マグネシウムで濾過し、ロータリーエバポレーターにて濃縮した。粗生成物を分取HPLC[方法13]によって精製した。これにより、目的化合物47mg(理論の63%)を得た。
LC−MS[方法3]保持時間=1.22分;MS[ESIpos]:m/z=545 (M+H)+
1H−NMR(400MHz,CDCl3):δ[ppm]=2.80−2.96(m,2H)、3.53および3.58(2s,3H)、3.93−4.12(m,2H)、4.44−4.82(m,3H)、5.05(t,1H)、5.56−5.67(m,1H)、6.98−7.24(m,3H)、7.27−7.37(m,2H)、7.47−7.64(m,3H)、7.70(d,2H)。(ジアステレオマー混合物の二重シグナルセットの部分分割)
【0204】
実施例34A
{3−(4−クロロフェニル)−5−オキソ−4−[(1E)−3,3,3−トリフルオロプロパ−1−エン−1−イル]−4,5−ジヒドロ−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル}酢酸メチル
【化63】

実施例7Aからの化合物280mg(0.74mmol)を室温で4−ジメチルアミノピリジン108.1mg(0.89mmol)と一緒にピリジン5.3ml中に導入し、トリフルオロメタンスルホン酸無水物0.31ml(1.84mmol)を数回に分けて混合し、12時間撹拌した。ピリジンをロータリーエバポレーターにて除去し、残留物をアセトニトリルおよび1N塩酸に溶解した。それを分取HPLC(方法10)によって精製した。これにより、純粋な標記化合物230mg(理論の86%)を得た。
LC/MS[方法4]:保持時間=1.14分;m/z=362 (M+H)+
1H−NMR(400MHz,DMSO−d6):δ[ppm]=7.68(s,4H)、7.18(d,1H)、6.85(dd,1H)、4.78(s,2H)、3.72(s,3H)。
【0205】
実施例35A
{3−(4−クロロフェニル)−5−オキソ−4−[(1E)−3,3,3−トリフルオロプロパ−1−エン−1−イル]−4,5−ジヒドロ−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル}酢酸
【化64】

実施例34Aからの化合物260mg(0.72mmol)をメタノール5mlに溶解し、水酸化リチウムの水中1M溶液2.87ml(2.87mmol)と混合した。混合物を室温で1時間撹拌し、次いで、1N塩酸で酸性化し、DMSOで希釈した。溶液全体を分取HPLC(方法10)によって精製した。これにより、純粋な標記化合物215mg(理論の86%)を得た。
LC/MS[方法4]:保持時間=1.03分.;m/z=348 (M+H)+
1H−NMR(400MHz,DMSO−d6):δ[ppm]=13.31(br.s,1H)、7.68(s,4H)、7.19(dd,1H)、6.79−6.92(m,1H)、4.64(s,2H)。
【0206】
実施例36A
[3−(4−クロロフェニル)−5−オキソ−4−(3,3,3−トリフルオロプロピル)−4,5−ジヒドロ−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル]酢酸
【化65】

実施例35Aからの化合物1.2g(3.45mmol)を、大気圧下にて一夜、メタノール100ml中にて白金−炭素(5%)150mgで水素添加した。濾過により触媒を除去し、溶媒をロータリーエバポレーターにて除去した。粗生成物を分取HPLC(方法15)により精製した。ロータリーエバポレーションにて適当なフラクションから溶媒を除去した。残留物を高真空下にて乾燥させた:これにより、純粋な標記化合物945mg(理論の78%)を得た。
LC/MS[方法4]:保持時間=0.88分;m/z=350 (M+H)+
1H−NMR(400MHz,DMSO−d6):δ[ppm]=13.14(br.s,1H)、7.62−7.72(m,4H)、4.56(s,2H)、4.01(t,2H)、2.54−2.68(m,2H)。
【0207】
実施例:
実施例1
2−{3−(4−クロロフェニル)−5−オキソ−4−[(2S)−3,3,3−トリフルオロ−2−ヒドロキシプロピル]−4,5−ジヒドロ−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル}−N−{(1R)−1−(5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)−1−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}アセトアミド
【化66】

実施例13Aからの化合物90mg(61μmol)をDMF 1mlに導入し、ピリジン5μl(67μmol)と混合した。反応溶液を0℃に冷却し、クロロギ酸イソブチル8μl(8.3mg、61μmol)とゆっくり混合し、次いで、40分間撹拌した。この反応混合物を水と混合し、酢酸エチルで3回抽出した。合わせた有機相を塩化ナトリウム飽和水溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、ロータリーエバポレーターにて溶媒を除去した。残留物を高真空下にて乾燥させた。これにより、粗N−{(2R)−1−アミノ−1−{[(イソブトキシカルボニル)オキシ]イミノ}−2−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]プロパン−2−イル}−2−{3−(4−クロロフェニル)−5−オキソ−4−[(2S)−3,3,3−トリフルオロ−2−ヒドロキシプロピル]−4,5−ジヒドロ−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル}アセトアミド30mg(40μmol)を得た。この中間体をDMF 1mlおよびナトリウムtert−ブチラート17.4mg(182μmol)と混合し、室温で一夜撹拌した。この反応混合物を1M塩酸1mlと混合した。溶液全体を分取HPLC(方法10)によって分離した。これにより、標記化合物24mg(理論の64%)を得た。
LC−MS[方法6]:保持時間=2.46分;MS[ESpos]:m/z=621 (M+H)+
1H−NMR(400MHz,DMSO−d6):δ[ppm]=1.93(s,3H)、3.83(dd,1H)、3.98(dd,1H)、4.22−4.33(m,1H)、4.57−4.68(m,2H)、6.91(d,1H)、7.61−7.67(m,3H)、7.72−7.82(m,4H)、7.84(br.s,1H)、9.18(s,1H)、12.62(s,1H)。
【0208】
実施例2
N−{(1R)−1−(5−アミノ−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)−1−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}−2−{3−(4−クロロフェニル)−5−オキソ−4−[(2S)−3,3,3−トリフルオロ−2−ヒドロキシプロピル]−4,5−ジヒドロ−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル}アセトアミド
【化67】

実施例14Aからの化合物100mg(0.168mmol)および臭化シアン17.8mg(0.168mmol)をメタノール1.5ml中にて合わせ、60℃で4時間撹拌した。次いで、さらに臭化シアン5.3mg(0.050mmol)を添加し、60℃での撹拌を1時間続けた。この反応混合物を少量のアセトニトリル、DMSOおよび1M塩酸1mlで希釈し、その全体を分取HPLC(方法10)によって分離した。これにより、標記化合物60mg(理論の58%)を得た。
LC−MS[方法3]:保持時間=1.19分;MS[ESpos]:m/z=620 (M+H)+
1H−NMR(400MHz,DMSO−d6):δ[ppm]=2.01(s,3H)、3.82(dd,1H)、3.96(dd,1H)、4.21−4.33(m,1H)、4.52−4.63(m,2H)、6.91(d,1H)、7.03(s,2H)、7.59−7.66(m,3H)、7.66−7.78(m,5H)、9.11(s,1H)。
【0209】
実施例3
2−{3−(4−クロロフェニル)−5−オキソ−4−[(2S)−3,3,3−トリフルオロ−2−ヒドロキシプロピル]−4,5−ジヒドロ−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル}−N−{(1R)−1−(3−メチル−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)−1−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}アセトアミド
【化68】

実施例10Aからの化合物150mg(0.26mmol)、HOBt 51mg(0.36mmol)、EDC 69mg(0.36mmol)、N−ヒドロキシアセトアミジン27mgおよびN,N−ジイソプロピルエチルアミン90μl(0.51mmol)をDMF 3mlおよびジクロロメタン2.7ml中にて室温で一夜撹拌した。次いで、ジクロロメタンをロータリーエバポレーターにて除去し、混合物の残りを酢酸エチルで希釈した。有機相を炭酸水素ナトリウム飽和水溶液および塩化ナトリウム飽和水溶液で洗浄し、、硫酸ナトリウムで乾燥させ、溶媒をロータリーエバポレーターにて除去した。残留物をピリジン4mlに溶解し、溶液を30分間加熱還流した。室温に冷却した後、揮発成分をロータリーエバポレーターにて除去した。残留物を少量のDMSO/アセトニトリルに溶解し、分取HPLC(方法10)によって精製した。これにより、標記化合物96mg(理論の60%)を得た。
LC−MS[方法3]:保持時間=1.35分;MS[ESpos]:m/z=619 (M+H)+
1H−NMR(400MHz,DMSO−d6):δ[ppm]=2.06(d,3H)、2.31(s,3H)、3.82(dd,1H)、3.96(dd,1H)、4.20−4.33(m,1H)、4.56−4.71(m,2H)、6.90(d,1H)、7.61−7.68(m,3H)、7.71−7.77(m,3H)、7.80(d,1H)、7.84(s,1H)、9.38(s,1H)。
【0210】
実施例4
2−{3−(4−クロロフェニル)−5−オキソ−4−[(2S)−3,3,3−トリフルオロ−2−ヒドロキシプロピル]−4,5−ジヒドロ−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル}−N−{(1R)−1−(1H−tetrazol−5−イル)−1−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}アセトアミド
【化69】

実施例12Aからの化合物47.0mg(84μmol)をトルエン1ml中にて酸化ジ−n−ブチルスズ2.1mg(8μmol)およびアジ化トリメチルシリル19.3mg(167μmol)と一緒に還流させながら一夜撹拌した。室温に冷却した後、メタノール2mlを添加し、混合物を室温で1時間撹拌した。ロータリーエバポレーターにて溶媒を除去し、残留物を分取HPLC(方法10)によって精製した。これにより、標記化合物30mg(理論の59%)を得た。
LC−MS[方法3]:保持時間=1.24分;MS[ESpos]:m/z=605 (M+H)+
1H−NMR(400MHz,DMSO−d6):δ[ppm]=2.06(s,3H)、3.81(dd,1H)、3.94(dd,1H)、4.20−4.32(m,1H)、4.57−4.69(m,2H)、6.89(d,1H)、7.57−7.65(m,3H)、7.66−7.76(m,4H)、7.77(s,1H)、9.33(s,1H)、約16.3(very broad,1H)。
【0211】
実施例5
2−{3−(4−クロロフェニル)−5−オキソ−4−[(2S)−3,3,3−トリフルオロ−2−ヒドロキシプロピル]−4,5−ジヒドロ−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル}−N−{[5−(トリフルオロメチル)−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル][3−(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}アセトアミド(ジアステレオマー混合物)
【化70】

実施例32Aからの化合物300.0mg(0.52mmol)をジクロロメタン7ml中に室温で導入し、トリエチルアミン86μl(0.62mmol)および無水トリフルオロ酢酸219μl(1.55mmol)と混合し、混合物を還流させながら一夜撹拌した。冷却後、反応混合物の揮発成分をロータリーエバポレーターにて除去した。得られた残留物を分取HPLC(方法10)によって精製した。ロータリーエバポレーターにて適当なフラクションから溶媒を除去し、残留物を高真空下にて乾燥させた。これにより、標記化合物275mg(理論の81%)を得た。
LC−MS[方法3]:保持時間=1.46分;MS[ESpos]:m/z=659 (M+H)+
1H−NMR(400MHz,DMSO−d6):δ[ppm]=3.83(dd,1H)、3.97(dd,1H)、4.21−4.34(m,1H)、4.62(q,1H)、4.57−4.66(m[AB],1H)、6.60(d,1H)、6.91(d,1H)、7.60−7.70(m,3H)、7.71−7.83(m,4H)、7.92(s,1H)、9.61(d,1H)。
【0212】
実施例6
2−{3−(4−クロロフェニル)−5−オキソ−4−[(2S)−3,3,3−トリフルオロ−2−ヒドロキシプロピル]−4,5−ジヒドロ−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル}−N−{(5−メチル−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)[3−(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}アセトアミド(ジアステレオマー混合物)
【化71】

実施例32Aからの化合物100.0mg(0.17mmol)、HOBt 34mg(0.24mmol)、EDC 46mg(0.24mmol)、酢酸11μl(0.19mmol)およびN,N−ジイソプロピルエチルアミン36μl(0.21mmol)をDMF 1mlおよびジクロロメタン4mlに溶解し、室温で3時間撹拌した。ジクロロメタンをロータリーエバポレーターにて除去した。残っている反応混合物をピリジン2mlと混合し、2時間加熱還流した。次いで、ピリジンをロータリーエバポレーターにて除去した。残留物をDMSO 5mlで希釈し、分取HPLC(方法10)によって分離した。得られた生成物を、さらに、分取薄層クロマトグラフィー(シリカゲル、溶離液:ジクロロメタン/メタノール(100:5))によって精製し、次いで、分取HPLC(方法10)によって再度精製した。これにより、標記化合物4mg(理論の4%)を得た。
LC−MS[方法5]:保持時間=1.15分;MS[ESpos]:m/z=605 (M+H)+
1H−NMR(400MHz,DMSO−d6):δ[ppm]=2.59(s,3H)、3.82(dd,1H)、3.93−4.00(m,1H)、4.21−4.33(m,1H)、4.57−4.62(m,2H)、6.38(d,1H)、6.89−6.92(dd,ジアステレオマーごとに1dと解釈される,1H)、7.60−7.66(m,3H)、7.70−7.77(m,4H)、7.84(s,1H)、9.50(d,1H)。
【0213】
実施例7
2−{3−(4−クロロフェニル)−5−オキソ−4−[(2S)−3,3,3−トリフルオロ−2−ヒドロキシプロピル]−4,5−ジヒドロ−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル}−N−{1,2,4−オキサジアゾール−3−イル[3−(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}アセトアミド(ジアステレオマー混合物)
【化72】

実施例32Aからの化合物320mg(0.55mmol)をオルトギ酸トリエチル2ml(12.0mmol)および三フッ化ホウ素−ジエチルエーテル錯体0.5ml(3.95mmol)と一緒に30分間加熱還流した。揮発成分をロータリーエバポレーターにて除去し、残留物をDMSOに溶解し、分取HPLC(方法10)によって分解した。得られた生成物をジクロロメタン1mlに溶解し、シリカゲルクロマトグラフィー(溶離液:シクロヘキサン/酢酸エチル(2:1))によって精製することにより、さらに精製した。さらに分取HPLC(方法10)によって精製して、標記化合物6mg(理論の2%)を得た。
LC−MS[方法2]:保持時間=1.10分;MS[ESpos]:m/z=591 (M+H)+
1H−NMR(400MHz,DMSO−d6):δ[ppm]=3.82(dd,1H)、3.93−4.00(m,1H)、4.22−4.33(m,1H)、4.54−4.66(m,2H)、6.48(d,1H)、6.91(d,1H)、7.60−7.67(m,3H)、7.71−7.79(m,4H)、7.86(s,1H)、9.53(d,1H)、9.65(s,1H)。
【0214】
実施例8
2−{3−(4−クロロフェニル)−5−オキソ−4−[(2S)−3,3,3−トリフルオロ−2−ヒドロキシプロピル]−4,5−ジヒドロ−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル}−N−{(5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)[3−(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}アセトアミド(ジアステレオマー混合物)
【化73】

実施例32Aからの化合物194mg(0.33mmol)のDMF 3.5ml中溶液をピリジン30μl(0.37mmol)と混合し、次いで、0℃に冷却し、クロロギ酸イソブチル43μlを滴下混合した。混合物を室温で40分間撹拌した。水を添加し、混合物を酢酸エチルで3回抽出した。合わせた有機相を塩化ナトリウム飽和水溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、ロータリーエバポレーターにて濃縮した。これにより、中間体200mgを得た。この生成物50mg(73μmol)をDMF 3mlに溶解し、ナトリウムtert−ブチラート21.2mg(0.22mmol)と一緒に室温で一夜撹拌した。この反応混合物を1N塩酸1mlと混合し、その全体を分取HPLC(方法10)によって分離した。ロータリーエバポレーターにて適当なフラクションから溶媒を除去し、残留物を高真空下にて乾燥させた。これにより、ジアステレオマー混合物(NMRにより、比率1:1で2つのジアステレオマー)として純粋な標記化合物26mg(理論の58%)を得た。
LC−MS[方法3]:保持時間=1.25分/1.26分(二重ピーク);MS[ESpos]:m/z=607 (M+H)+
1H−NMR(400MHz,DMSO−d6):δ[ppm]=3.84(dd,1H)、3.94−4.01(“dt”,ジアステレオマーごとに1ddと解釈される,1H)、4.21−4.34(m,1H)、4.59(s,2H)、4.60(q,2H)、6.22(“dd”,ジアステレオマーごとに1d,1H)、6.91(“dd”,ジアステレオマーごとに1d,1H)、7.60−7.68(m,3H)、7.71−7.78(m,4H)、7.85(s,1H)、9.44(“t”,ジアステレオマーごとに1dと解釈される,1H)、12.75(br.s,1H)。
【0215】
実施例9
2−{3−(4−クロロフェニル)−5−オキソ−4−[(2S)−3,3,3−トリフルオロ−2−ヒドロキシプロピル]−4,5−ジヒドロ−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル}−N−{1H−テトラゾール−5−イル[3−(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}アセトアミド(ジアステレオマー混合物)
【化74】

実施例18Aからの化合物50.0mg(91μmol)、酸化ジ−n−ブチルスズ2.3mg(9μmol)およびアジ化トリメチルシリル24μl(183μmmol)をトルエン1ml中にて一夜加熱還流した。室温に冷却した後、メタノール2mlを添加し、混合物を1時間撹拌した。溶媒をロータリーエバポレーターにて除去し、残留物を分取HPLC(方法10)によって精製した。これにより、3:1のジアステレオマー混合物として標記化合物46mg(理論の85%)を得た。
LC−MS[方法3]:保持時間=1.20分;MS[ESpos]:m/z=591 (M+H)+
1H−NMR(400MHz,DMSO−d6):δ[ppm]=3.83(dd,1H)、3.93−4.00(m,1H)、4.20−4.33(m,1H)、4.55−4.67(m,2H)、6.61(d,1H)、6.89(d,0.75H)、6.91(d,0.25H)、7.60−7.68(m,3H)、7.70−7.76(m,4H)、7.83(s,1H)、9.53−9.58(m,1H,副次的ジアステレオマーが9.55,d,1Hと解釈され、主ジアステレオマーが9.56,d,1Hと解釈される)、16.11−16.65(s,1H)。
【0216】
実施例10
2−{3−(4−クロロフェニル)−5−オキソ−4−[(2S)−3,3,3−トリフルオロ−2−ヒドロキシプロピル]−4,5−ジヒドロ−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル}−N−{1,3−オキサゾール−2−イル[3−(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}アセトアミド(ジアステレオマー混合物)
【化75】

実施例8Aからの化合物335mg(0.92mmol)、実施例22Aからの化合物281.0mg(1.01mmol)、EDC 246mg(1.28mmol)、HOBt 173mg(1.28mmol)およびN,N−ジイソプロピルエチルアミン224μl(1.28mmol)をDMF 13ml中にて室温で2時間撹拌した。次いで、この反応溶液を分取HPLC(方法10)により分離した。これにより、標記化合物522mg(理論の91%)を得た。
LC−MS[方法4]:保持時間=1.10分;MS[ESpos]:m/z=590 (M+H)+
1H−NMR(400MHz,DMSO−d6):δ[ppm]=3.83(dd,1H)、3.93−4.01(m,1H)、4.22−4.34(m,1H)、4.58(s,2H)、6.20(d,1H)、6.90(dd,1H(ジアステレオマーごとに1d))、7.56−7.71(m,5H)、7.72−7.77(m,3H)、8.02(s,1H)、8.40(s,1H)、9.23(d,1H)。
【0217】
キラル相クロマトグラフィー(方法11c)により、2つのジアステレオマーを分割した:実施例11および実施例12を参照。
【0218】
実施例11
2−{3−(4−クロロフェニル)−5−オキソ−4−[(2S)−3,3,3−トリフルオロ−2−ヒドロキシプロピル]−4,5−ジヒドロ−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル}−N−{1,3−オキサゾール−2−イル[3−(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}アセトアミド(ジアステレオマー1)
【化76】

実施例10からの化合物520mgを方法11cに従ってクロマトグラフィーによるジアステレオマー分離から最初に溶出するジアステレオマー。得られた生成物をさらに分取HPLC(方法10)により精製した。これにより、標記化合物215mgを得た。
分析キラルHPLC(方法12a):保持時間=1.46分
LC−MS[方法4]:保持時間=1.10分;MS[ESpos]:m/z=590 (M+H)+
1H−NMR(400MHz,DMSO−d6):δ[ppm]=3.825(dd,1H)、3.97(dd,1H)、4.22−4.31(m,1H)、4.59(s,2H)、6.19(d,1H)、6.90(d,1H)、7.57−7.71(m,5H)、7.72−7.77(m,3H)、8.02(s,1H)、8.40(s,1H)、9.23(d,1H)。
【0219】
実施例12
2−{3−(4−クロロフェニル)−5−オキソ−4−[(2S)−3,3,3−トリフルオロ−2−ヒドロキシプロピル]−4,5−ジヒドロ−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル}−N−{1,3−オキサゾール−2−イル[3−(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}アセトアミド(ジアステレオマー2)
【化77】

実施例10からの化合物520mgを方法11cに従ってクロマトグラフィーによるジアステレオマー分離から最後に溶出するジアステレオマー。得られた生成物をさらに分取HPLC(方法10)により精製した。これにより、標記化合物217mgを得た。
分析キラルHPLC(方法12a):保持時間=1.82分
LC−MS[方法5]:保持時間=1.12分;MS[ESpos]:m/z=590 (M+H)+
1H−NMR(400MHz,DMSO−d6):δ[ppm]=3.825(dd,1H)、3.96(dd,1H)、4.22−4.33(m,1H)、4.58(s,2H)、6.20(d,1H)、6.91(d,1H)、7.56−7.71(m,5H)、7.72−7.77(m,3H)、8.02(s,1H)、8.40(s,1H)、9.23(d,1H)。
【0220】
実施例13
N−{(5−アミノ−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)[3−(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}−2−{3−(4−クロロフェニル)−5−オキソ−4−[(2S)−3,3,3−トリフルオロ−2−ヒドロキシプロピル]−4,5−ジヒドロ−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル}アセトアミド(ジアステレオマー混合物)
【化78】

実施例8Aからの化合物50.0mg(0.137mmol)、HOBt 27.7mg(0.205mmol)、EDC 39.3mg(0.205mmol)、実施例25Aからの化合物49.8mg(0.150mmol)およびN,N−ジイソプロピルエチルアミン52μl(0.301mmol)をDMF 1.3mlに溶解し、室温で1時間撹拌した。この混合物を1M塩酸2.0mlと混合し、分取HPLC(方法10)により精製した。これにより、標記化合物72mg(理論の87%)を得た。
LC−MS[方法3]:保持時間=1.17分;MS[ESpos]:m/z=606 (M+H)+および1.19分;MS[ESpos]:m/z=606 (M+H)+(1:1比の2つのジアステレオマー)
1H−NMR(400MHz,DMSO−d6):δ[ppm]=3.83(dd,1H)、3.96(br.d,1H)、4.23−4.24(m,1H)、4.51−4.65(m,2H)、6.35(d,0.5H)、6.36(d,0.5H)、6.93(br.s,1H)、7.18(br.s,2H)、7.60−7.67(m,3H)、7.71−7.78(m,4H)、7.83(s,1H)、9.51(d,1H)。
【0221】
実施例14
2−{3−(4−クロロフェニル)−5−オキソ−4−[(2S)−3,3,3−トリフルオロ−2−ヒドロキシプロピル]−4,5−ジヒドロ−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル}−N−{(3−メチル−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)[3−(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}アセトアミド(ジアステレオマー混合物)
【化79】

実施例8Aからの化合物80.0mg(0.219mmol)、HOBt 44.3mg(0.328mmol)、EDC 62.9mg(0.328mmol)、実施例27Aからの化合物96.3mg(0.328mmol)およびN,N−ジイソプロピルエチルアミン76μl(0.438mmol)をDMF 2.0mlに溶解し、室温で1時間撹拌した。この混合物を1M塩酸1.0mlと混合し、分取HPLC(方法10)により精製した。これにより、標記化合物118mg(理論の89%)を得た。
LC−MS[方法1]:保持時間=2.19分;MS[ESpos]:m/z=605 (M+H)+
【0222】
キラル相による分取クロマトグラフィー(方法8)により、2つのジアステレオマーを分割した:実施例15および実施例16を参照。
【0223】
実施例15
2−{3−(4−クロロフェニル)−5−オキソ−4−[(2S)−3,3,3−トリフルオロ−2−ヒドロキシプロピル]−4,5−ジヒドロ−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル}−N−{(3−メチル−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)[3−(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}アセトアミド(ジアステレオマー1)
【化80】

実施例14からの化合物118mgの方法8によるクロマトグラフィーによるジアステレオマー分離から最初に溶出するジアステレオマー。得られた生成物をさらに分取HPLC(方法10)により精製した。これにより、標記化合物42mgを得た。
分析キラルHPLC(方法9):保持時間=2.37分
LC−MS[方法2]:保持時間=2.45分;MS[ESpos]:m/z=605 (M+H)+
1H−NMR(400MHz,DMSO−d6):δ[ppm]=2.34(s,3H)、3.83(dd,1H)、3.97(dd,1H)、4.22−4.33(m,1H)、4.56−4.68(m,2H)、6.59(d,1H)、6.92(d,1H)、7.60−7.70(m,3H)、7.72−7.81(m,4H)、7.90(s,1H)、9.63(d,1H)。
【0224】
実施例16
2−{3−(4−クロロフェニル)−5−オキソ−4−[(2S)−3,3,3−トリフルオロ−2−ヒドロキシプロピル]−4,5−ジヒドロ−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル}−N−{(3−メチル−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)[3−(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}アセトアミド(ジアステレオマー2)
【化81】

実施例14からの化合物118mgの方法8によるクロマトグラフィーによるジアステレオマー分離から最後に溶出するジアステレオマー。得られた生成物をさらに分取HPLC(方法10)により精製した。これにより、標記化合物42mgを得た。
分析キラルHPLC(方法9):保持時間=3.25分
LC−MS[方法2]:保持時間=2.44分;MS[ESpos]:m/z=605 (M+H)+
1H−NMR(400MHz,DMSO−d6):δ[ppm]=2.33(s,3H)、3.83(dd,1H)、3.97(dd,1H)、4.21−4.33(m,1H)、4.62(s,2H)、6.58(d,1H)、6.91(d,1H)、7.60−7.70(m,3H)、7.73−7.81(m,4H)、7.91(s,1H)、9.63(d,1H)。
【0225】
実施例17
2−{3−(4−クロロフェニル)−5−オキソ−4−[(2S)−3,3,3−トリフルオロ−2−ヒドロキシプロピル]−4,5−ジヒドロ−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル}−N−{(6−メトキシピリジン−2−イル)[3−(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}アセトアミド(ジアステレオマー混合物)
【化82】

実施例8Aからの化合物100mg(0.27mmol)をDMF 3.3ml中にてHOBt 51.7mg(0.38mmol)、EDC 73.4mg(0.38mmol)、実施例29Aからの化合物113mg(約0.30mmol)およびN,N−ジイソプロピルエチルアミン57μl(0.33mmol)と一緒に室温で1時間撹拌した。次いで、この反応混合物を分取HPLC(方法10)により分離した。これにより、ジアステレオマー混合物として標記化合物155mg(理論の90%)を得た。
LC−MS[方法5]:保持時間=1.26分;MS[ESpos]:m/z=630 (M+H)+
1H−NMR(400MHz,DMSO−d6):δ[ppm]=3.79−3.87(m,4H)、3.93−4.01(m,1H)、4.21−4.33(m,1H)、4.58−4.70(m,2H)、6.17(d,1H)、6.72(d,1H)、6.90(d,1H)、7.12(d,1H)、7.54−7.65(m,4H)、7.67−7.77(m,4H)、7.84(s,1H)、9.09(d,1H)。
【0226】
得られたジアステレオマー混合物50mgをキラル相によるクロマトグラフィー(方法11b)により個々のジアステレオマーに分割した:実施例18および実施例19を参照。
【0227】
実施例18
2−{3−(4−クロロフェニル)−5−オキソ−4−[(2S)−3,3,3−トリフルオロ−2−ヒドロキシプロピル]−4,5−ジヒドロ−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル}−N−{(6−メトキシピリジン−2−イル)[3−(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}アセトアミド(ジアステレオマー1)
【化83】

実施例17からの化合物50mgの方法11bによるクロマトグラフィーによるジアステレオマー分離から最初に溶出するジアステレオマー。得られた生成物をさらに分取HPLC(方法10)により精製した。これにより、標記化合物24mgを得た。
分析キラルHPLC(方法12b):保持時間=11.43分
LC−MS[方法4]:保持時間=1.25分;MS[ESpos]:m/z=630 (M+H)+
1H−NMR(400MHz,DMSO−d6):δ[ppm]=3.82(s,3H)、3.83(dd,1H)、3.97(dd,1H)、4.21−4.32(m,1H)、4.58−4.70(m,2H)、6.17(d,1H)、6.72(d,1H)、6.91(d,1H)、7.12(d,1H)、7.56(t,1H)、7.60−7.65(m,3H)、7.67−7.77(m,4H)、7.84(s,1H)、9.09(d,1H)。
【0228】
実施例19
2−{3−(4−クロロフェニル)−5−オキソ−4−[(2S)−3,3,3−トリフルオロ−2−ヒドロキシプロピル]−4,5−ジヒドロ−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル}−N−{(6−メトキシピリジン−2−イル)[3−(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}アセトアミド(ジアステレオマー2)
【化84】

実施例17からの化合物50mgの方法11bによるクロマトグラフィーによるジアステレオマー分離から最後に溶出するジアステレオマー。得られた生成物をさらに分取HPLC(方法10)により精製した。これにより、標記化合物23mgを得た。
分析キラルHPLC(方法12b):保持時間=20.09分
LC−MS[方法4]:保持時間=1.24分;MS[ESpos]:m/z=630 (M+H)+
1H−NMR(400MHz,DMSO−d6):δ[ppm]=3.82(s,3H)、3.83(dd,4H)、3.97(dd,1H)、4.21−4.33(m,1H)、4.64(s,2H)、6.17(d,1H)、6.72(d,1H)、6.90(d,1H)、7.12(d,1H)、7.57(t,1H)、7.60−7.65(m,3H)、7.67−7.77(m,4H)、7.84(s,1H)、9.09(d,1H)。
【0229】
実施例20
2−{3−(4−クロロフェニル)−5−オキソ−4−[(2S)−3,3,3−トリフルオロ−2−ヒドロキシプロピル]−4,5−ジヒドロ−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル}−N−{(6−ヒドロキシピリジン−2−イル)[3−(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}アセトアミド(ジアステレオマー混合物)
【化85】

圧力容器中にて、クロロトリメチルシラン19μl(0.15mmol)および硫化ナトリウム10.5mg(0.14mmol)をジクロロメタン1ml中にて室温で30分間撹拌した。次いで、実施例17からの化合物50mg(79μmol)を添加し、この容器を気密になるように密閉し、この容器を加熱浴中にて一夜60℃に加熱した。反応が全く生じなくなったので、ジクロロメタンをロータリーエバポレーターにて除去し、残留物を塩化水素のジオキサン中4N溶液2mlと混合し、容器を再度気密密閉し、混合物を60℃に一夜加熱した。揮発成分をロータリーエバポレーターにて除去し、残留物を分取HPLC(方法10)により分離した。これにより、標記化合物4mg(理論の8%)を得た。
LC−MS[方法4]:保持時間=1.03分;MS[ESpos]:m/z=616 (M+H)+
1H−NMR(400MHz,DMSO−d6):δ[ppm]=3.83(dd,1H)、3.97(dd,1H)、4.21−4.34(m,1H)、4.54−4.67(m,2H)、5.97(br.d,1H)、6.16(br.s,1H)、6.23(br.s,1H)、6.90(“dd”(ジアステレオマーごとに1d)、1H)、7.42(br.s,1H)、7.59−7.78(m,8H)、9.15(d,1H)、11.73(br.s,1H)。
【0230】
実施例21
2−{3−(4−クロロフェニル)−5−オキソ−4−[(2S)−3,3,3−トリフルオロ−2−ヒドロキシプロピル]−4,5−ジヒドロ−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル}−N−{1H−イミダゾール−4−イル[3−(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}アセトアミド(ジアステレオマー混合物)
【化86】

実施例8Aからの化合物31mg(84μmol)をDMF 1ml中にてHOBt 16mg(0.12mmol)、EDC 22.5mg(0.12mmol)、実施例31Aからの化合物29mg(92μmol)およびN,N−ジイソプロピルエチルアミン32μl(0.19mmol)と一緒に室温で1時間撹拌した。次いで、全反応混合物を分取HPLC(方法10)により分離した。これにより、ジアステレオマー混合物として標記化合物36mg(理論の73%)を得た。
LC−MS[方法5]:保持時間=0.92分;MS[ESpos]:m/z=589 (M+H)+
1H−NMR(400MHz,DMSO−d6):δ[ppm]=3.82(dd,1H)、3.96(br.d,1H)、4.22−4.34(m,1H)、4.57(s,2H)、6.10(d,1H)、6.92(“dd”,1H(ジアステレオマーごとに1d)),7.00(br.s,1H)、7.51−7.76(m,9H)、9.03(br.t,1H)、12.01(br.s,1H)。
【0231】
実施例22
2−{3−(4−クロロフェニル)−5−オキソ−4−[(2S)−3,3,3−トリフルオロ−2−ヒドロキシプロピル]−4,5−ジヒドロ−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル}−N−[1−(2−フルオロフェニル)−2−(3−メチル−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)エチル]アセトアミド(ジアステレオマー混合物)
【化87】

実施例33Aからの化合物50mg(0.08mmol)をトルエン2mlに溶解し、N−ヒドロキシアセトアミジン13mg(0.17mmol)および炭酸カリウム24mg(0.17mmol)と混合し、還流下にて2時間加熱した。後処理のために、水10mlを添加し、混合物を酢酸エチル10mlで3回抽出した。合わせた有機相を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、ロータリーエバポレーターにて濃縮した。粗生成物をシリカゲルロマトグラフィー(溶離液:シクロヘキサン/酢酸エチル(1:1→1:2)によって精製した。これにより、目的化合物40mg(理論の85%)を得た。
LC−MS[方法4]保持時間=1.05分;MS[ESIpos]:m/z=569 (M+H)+
1H−NMR(400MHz,CDCl3):δ[ppm]=2.28および2.34(2s,3H)、3.34−3.51(m,2H)、3.94−4.16(m,2H)、4.37−4.83(m,3H)、5.62−5.71(m,1H)、5.72および5.84(2d,1H)、6.98−7.16(m,3H)、7.18−7.34(m,2H)、7.47−7.56(m,2H)、7.67−7.75(m,2H)。(ジアステレオマー混合物の二重シグナルセットの部分分割)。
【0232】
実施例23
2−[3−(4−クロロフェニル)−4−シクロプロピル−5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル]−N−{(6−メトキシピリジン−2−イル)[3−(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}アセトアミド(ラセミ化合物)
【化88】

[3−(4−クロロフェニル)−4−シクロプロピル−5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル]酢酸(製造方法:国際公開第2007/134862号の実施例88Aを参照)46mg(157μmol)をDMF 1.8ml中にてHOBt 25mg(0.19mmol)、EDC 36mg(0.19mmol)、実施例29Aからの化合物55mg(173μmol)およびN,N−ジイソプロピルエチルアミン33μl(0.19mmol)と一緒に室温で1時間撹拌した。次いで、全反応混合物を分取HPLC(方法14)によって分離した。ロータリーエバポレーターにて適当なフラクションから溶媒を除去し、残留物を高真空下にて乾燥させた。これにより、標記化合物75mg(理論の88%)を得た。
LC−MS[方法4]:保持時間=1.24分;MS[ESpos]:m/z=558 (M+H)+
1H−NMR(400MHz,DMSO−d6):δ[ppm]=0.57(m,2H)、0.90(m,2H)、3.17(m,1H)、3.81(s,3H)、4.52−4.62(m[AB],2H)、6.16(d,1H)、6.71(d,1H)、7.11(d,1H)、7.53−7.64(m,4H)、7.67−7.74(m,2H)、7.77−7.84(m,3H)、9.04(d,1H)。
【0233】
実施例24
2−{3−(4−クロロフェニル)−5−オキソ−4−[(1E)−3,3,3−トリフルオロプロパ−1−エン−1−イル]−4,5−ジヒドロ−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル}−N−{(6−メトキシピリジン−2−イル)[3−(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}アセトアミド(ラセミ化合物)
【化89】

実施例35Aからの化合物54mg(157μmol)をDMF 1.8ml中にてHOBt 25mg(0.19mmol)、EDC 36mg(0.19mmol)、実施例29Aからの化合物55mg(173μmol)およびN,N−ジイソプロピルエチルアミン33μl(0.19mmol)と一緒に室温で1時間撹拌した。次いで、全反応混合物を分取HPLC(方法14)によって分離した。ロータリーエバポレーターにて適当なフラクションから溶媒を除去し、残留物を高真空下にて乾燥させた。これにより、標記化合物85mg(理論の89%)を得た。
LC−MS[方法4]:保持時間=1.35分;MS[ESpos]:m/z=612 (M+H)+
1H−NMR(400MHz,DMSO−d6):δ[ppm]=3.82(s,3H)、4.64−4.74(m[AB],2H)、6.19(d,1H)、6.72(d,1H)、6.85(dq,J=14.2、7.1Hz,1H)、7.10(d,1H)、7.18(dq,J=14.2、2.2Hz,1H)、7.54−7.75(m,8H)、7.84(br.s,1H)、9.13(d,1H)。
【0234】
実施例25
N−{(5−アミノ−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)[3−(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}−2−{3−(4−クロロフェニル)−5−オキソ−4−[(1E)−3,3,3−トリフルオロプロパ−1−エン−1−イル]−4,5−ジヒドロ−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル}アセトアミド(ラセミ化合物)
【化90】

実施例35Aからの化合物45mg(130μmol)をDMF1.5ml中にてHOBt 21mg(0.16mmol)、EDC 30mg(0.16mmol)、実施例25Aからの化合物47mg(142μmol)およびN,N−ジイソプロピルエチルアミン27μl(0.16mmol)と一緒に室温で1時間撹拌した。次いで、全反応混合物を分取HPLC(方法14)によって分離した。ロータリーエバポレーターにて適当なフラクションから溶媒を除去し、残留物を高真空下にて乾燥させた。これにより、標記化合物63mg(理論の83%)を得た。
LC−MS[方法4]:保持時間=1.11分;MS[ESpos]:m/z=588 (M+H)+
1H−NMR(400MHz,DMSO−d6):δ[ppm]=4.55−4.70(m[AB],2H)、6.38(d,1H)、6.87(dq,J=14.2、7.0Hz,1H)、7.12(br.s,2H)、7.18(dq,J=14.2、2.2Hz,1H)、7.60−7.70(m,5H)、7.73(br t,2H)、7.84(br.s,1H)、9.50(d,1H)。
【0235】
実施例26
2−[3−(4−クロロフェニル)−5−オキソ−4−(3,3,3−トリフルオロプロピル)−4,5−ジヒドロ−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル]−N−{(3−メチル−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)[3−(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}アセトアミド(ラセミ化合物)
【化91】

実施例36Aからの化合物54mg(155μmol)をDMF 1.8ml中にてHOBt 25mg(0.19mmol)、EDC 36mg(0.19mmol)、実施例27Aからの化合物50mg(170μmol)およびN,N−ジイソプロピルエチルアミン32μl(0.19mmol)と一緒に室温で一夜撹拌した。次いで、全反応混合物を分取HPLC(方法14)によって分離した。ロータリーエバポレーターにて適当なフラクションから溶媒を除去し、残留物を高真空下にて乾燥させた。これにより、標記化合物71mg(理論の76%)を得た。
LC−MS[方法2]:保持時間=2.50分;MS[ESpos]:m/z=589 (M+H)+
1H−NMR(400MHz,DMSO−d6):δ[ppm]=2.33(s,3H)、2.53−2.69(m,2H)、3.99(t,2H)、4.55−4.66(m[AB],2H)、6.58(d.,1H)、7.60−7.69(m,5H)、7.77(br t,2H)、7.90(br.s,1H)、9.61(d,1H)。
【0236】
B. 薬理活性の評価
略語:
【表2】

【0237】
B−1. バソプレシン受容体活性を決定するためのインビトロ細胞アッセイ
組換え細胞株を使用して、ヒトおよびラットからのV1aおよびV2バソプレシン受容体の作動薬および拮抗薬の同定ならびにここに記載された物質の活性の定量化を行った。これらの細胞は、ハムスターの卵巣上皮細胞由来のものである(チャイニーズハムスター卵巣、CHO K1、米国VA20108マナッサスのATCC:American Type Culture Collection)。試験細胞株は、セレンテラジンコファクターとの再構成後に遊離カルシウム濃度が増加する場合に発光するカルシウム感受性発光タンパク質イクオリンの修飾形態を構成的に発現する(Rizzuto R., Simpson A.W., Brini M., Pozzan T.; Nature 358 (1992) 325-327)。さらに、この細胞は、ヒトまたはラットのV1aまたはV2受容体を安定的に形質移入されている。GカップリングV2受容体の場合、この細胞は、独立しているかまたは融合遺伝子として、プロミスカスなGα16タンパク質をコードするさらなる遺伝子を安定的に形質移入されている(Amatruda T.T., Steele D.A., Slepak V.Z., Simon M.I., Proc. Nat. Acad. Sci. USA 88 (1991), 5587-5591)。得られたバソプレシン受容体試験細胞は、カルシウムイオンの細胞内放出による組換え発現バソプレシン受容体の刺激に対して反応し、適当なルミノメーターを使用して、得られたイクオリンルミネセンスによって定量できる(Milligan G., Marshall F., Rees S., Trends in Pharmaco. Sci. 17 (1996) 235-237)。
【0238】
試験方法:アッセイの前日に、384ウェルマイクロタイタープレート中にて培養培地(DMEM、10%FCS、2mMグルタミン、10mM HEPES)中にこの細胞を蒔き、セルインキュベーター(湿度96%、5%v/v二酸化炭素、37℃)中に保持する。アッセイの当日、培養培地を、さらにセレンテラジンコファクター(50μM)を含有するタイロード溶液(140mM塩化ナトリウム、5mM塩化カリウム、1mM塩化マグネシウム、2mM塩化カルシウム、グルコース20mM、20mM HEPES)と取り換え、次いで、マイクロタイタープレートをさらに3〜4時間インキュベートする。種々の濃度の試験物質をマイクロタイタープレートのウェル中にて10〜20分間放置した後、作動薬[Arg8]−バソプレシンを添加し、得られた光シグナルをすぐにルミノメーターにて測定する。GraphPad PRISMコンピュータープログラム(バージョン3.02)を使用してIC50値を算出する。
【0239】
ヒトV1aまたはV2受容体を形質移入した細胞に対する本発明化合物の代表的なIC50値を下記表に示す:
【表3】

【0240】
B−2. 線維症促進遺伝子の調節に対するバソプレシンV1a受容体拮抗薬の作用を検出するためのインビトロ細胞アッセイ
ラットの心臓組織から単離した、心筋細胞型のものとして記載されているH9C2細胞株(American Type Culture Collection ATCC No.CRL−1446)は、バソプレシンV1A受容体AVPR1Aを高コピー数で内因的に発現するが、AVPR2発現は、検出できない。受容体拮抗薬による遺伝子発現のAVPR1A受容体依存性調節の阻害についての細胞アッセイについて、その方法は以下のとおりである:
【0241】
H9C2細胞を100,000細胞/ウェルの細胞密度で細胞培養用12ウェルマイクロタイタープレート中にて2%FCSおよび1%ペニシリン/ストレプトマイシン溶液(Invitrogen Cat.No.10378−016)を含むOpti−MEM培地(米国カリフォルニア州カールズバッドのInvitrogen Corp.、Cat.No.11058−021)1.0ml中に蒔き、細胞インキュベーター(湿度96%、5%v/v二酸化炭素、37℃)中に保持する。24時間後、1組3つのウェル(トリプリケート)に、ビヒクル溶液(負の対照)、バソプレシン溶液:[Arg8]−バソプレシン酢酸(Sigma Cat.No.V9879)または試験物質(ビヒクル:水および20容量%のエタノールに溶解)、およびバソプレシン溶液を充填する。細胞培養物中のバソプレシンの最終濃度は0.05μMである。試験物質溶液を、細胞アッセイにおいてエタノールの最終濃度が0.1%を超えないように少量、細胞培養物に添加する。6時間のインキュベーション期間の後、培養上清を吸引して取り出し、付着細胞をRLTバッファー(Qiagen、Ratingen、Cat.No.79216)250μlに溶解し、RNeasyキット(Qiagen、Cat.No.74104)を用いて、この溶解物からRNAを単離する。その後、DNAse消化(Invitrogen Cat.No.18068−015)、cDNA合成(Promaga ImProm−II Reverse Transcription System Cat.No.A3800)、およびベルギー国スランのEurogentecからのpPCR MasterMix RT−QP2X−03−075を用いるRTPCRを行う。これらの方法は全て、試験試薬の製造者の実用プロトコールに従って行われる。RTPCR用のプライマーセットは、Primer3Plusプログラムを6−FAM−TAMRA標識プローブと一緒に用いて、mRNA遺伝子配列(NCBI Genbank Entrez Nucleotide Data Base)に基づいて選択される。種々のアッセイバッチの細胞中にて相対的mRNA発現を決定するためのRTPCRは、Applied Biosystems ABI Prism 7700 Sequence Detector in 96ウェルまたは384ウェルマイクロタイタープレートフォーマットをその装置操作説明書に従って用いて行われる。相対的遺伝子発現は、リボソームタンパク質L−32遺伝子(Genbank Acc.No.NM 013226)の発現のレベルおよび閾Ct値Ct=35を参照してデルタ−デルタCt値[Applied Biosystems、User Bulletin No.2 ABI Prism 7700 SDS December 11、1997(10/2001更新)]によって表される。
【0242】
B−3. 心血管効果検出のためのインビボ試験:麻酔下のラット(バソプレシン「チャレンジ」モデル)での血圧測定
ケタミン/キシラジン/ペントバルビタール注射麻酔下の雄性Sprague−Dawleyラット(体重250〜350g)において、予めヘパリン含有(500IU/ml)等張性塩化ナトリウム溶液を充填したポリエチレン管(PE−50;Intramedic(登録商標))を頚静脈および大腿静脈に導入し、次いで、縛る。1つの静脈アクセスを経由して注射器によってアルギニン−バソプレシンを注入する;別の静脈アクセスを経由して試験物質を投与する。収縮期血圧を測定するために、圧力カテーテル(Millar SPR−320 2F)を頚動脈に結合させる。動脈カテーテルを、適当なレコーディングソフトウェアを装備したレコーディングコンピューターにそのシグナルを供給する圧力トランスデューサーと連結する。典型的な実験において、実験動物に、等張性塩化ナトリウム溶液中の所定量のアルギニン−バソプレシン(30ng/kg)と一緒に10〜15分の間隔で3〜4回の連続ボーラス注射を施し、血圧が再度初期レベルに達したら、引き続き進行中の輸液とともに適当な溶媒中にて試験下の物質をボーラスとして投与する。その後、所定の間隔(10〜15分)で、開始時と同量のバソプレシンを再度投与する。血圧値に基づいて、試験物質がバソプレシンの高血圧効果を相殺する程度の測定が行われる。対照動物には試験物質の代わりに溶媒のみを与える。
【0243】
静脈内投与後、本発明の化合物は、溶媒対照と比べると、アルギニン−バソプレシンによって引き起こされる血圧上昇をもたらす。
【0244】
B−4. 心血管効果を検出するためのインビボアッセイ:代謝ケージにおける覚醒しているラットに対する利尿研究
Wistarラット(体重220〜400g)に飼料(Altromin)および飲用水へ自由にアクセスさせて飼育する。実験中、この動物に、この体重クラスのラットに適した代謝ケージ(D−82383ホーエンパイセンベルクのTecniplast Deutschland GmbH)中にて個々に4〜8時間飲用水へ自由にアクセスさせて飼育する。実験開始時に、胃管栄養法を利用して、体重1kgにつき1〜3mlの量の適する溶媒中で、被験物質を動物の胃に投与する。対照動物には溶媒のみを投与する。対照および物質の試験を同日に並行して実施する。対照群および物質投与群は、4〜8匹の動物からなる。実験中、動物により排出される尿をケージの底のレシーバーに連続的に回収する。単位時間当たりの尿量を各動物につき個別に測定し、尿中に排出されたナトリウムイオンおよびカリウムイオンの濃度を炎光光度法の標準的方法により測定する。十分な量の尿を得るために、試験開始時に動物に所定量(典型的には、体重1kgにつき10ml)の水を胃管栄養法により与える。実験開始前および実験終了後に個々の動物の体重を測定する。
【0245】
経口投与後、対照動物と比べると、本発明の化合物は、水の排泄量の増加(自由水利尿)に本質的に基づく尿の排泄量を増加させる。
【0246】
B−5. 心血管効果を検出するためのインビボアッセイ:麻酔下のイヌに対する血行動態研究
体重20〜30kgの雄性または雌性の雑種犬(Mongrel、米国のMarshall BioResources)を、外科的処置ならびに血行動態的および機能的研究目的のためにペントバルビタール(30mg/kg、静脈内投与、Narcoren(登録商標)、独国のMerial)で麻酔する。筋弛緩剤としてアルクロニウム塩化物(Alloferin(登録商標)、独国のICN Pharmaceuticals、動物1匹あたり3mg、静脈内投与)をさらに投与する。このイヌに挿管し、酸素/大気混合物(40/60%)(約5〜6L/分)で人工呼吸させる。人工呼吸は、Draegerからの人工呼吸器(Sulla 808)を用いて行われ、二酸化炭素分析器(Engstroem)を用いてモニターする。
【0247】
麻酔は、ペントバルビタールの連続輸液(50μg/kg/分)によって維持される;フェンタニルが鎮痛薬として用いられる(10μg/kg/時)。ペントバルビタールの代用としてイソフルラン(1〜2容量%)を使用することができる。
【0248】
予備的人工呼吸において、このイヌに心臓ペースメーカーを装着する。
【0249】
・最初の薬物試験(すなわち、実験開始)の21日前に、Biotronikからの心臓ペースメーカー(Logos(登録商標))を皮下の皮膚ポケット中に埋め込み、外頚静脈を介して右心室に照らしながら進むペースメーカー電極を介して心臓と接触させる。
【0250】
・ペースメーカーの埋め込みと同時に、大腿動脈中にてシースイントロデューサー(Avanti+(登録商標);Cordis)を介して7F生検用鉗子(Cordis)を逆方向に進め、大動脈弁を非侵襲的に通過させた後、心エコーおよび照度によってモニターして僧帽弁の病変が画定される。その後、アクセスがすべて外され、イヌは、自然に麻酔から醒める。
【0251】
・さらに7日後(すなわち、最初の薬物試験の14日前)、上記ペースメーカーを活動させ、1分当たり220ビートの頻度で心臓を刺激する。
【0252】
実際の薬物試験実験は、ペースメーカー刺激開始から14日後および28日後に以下の装置を用いて行われる:
・膀胱解放のためおよび尿の流れを測定するための膀胱カテーテル
・四肢へのECGリード(ECG測定のため)
・NaCl充填Fluidmedic PE 300管の大腿動脈への導入。この管は、全身血圧を測定するための圧力センサー(独国メルスンゲンのBraun Melsungen)に連結されている。
・心血行動態を測定するための、左心房を通るかまたは頚動脈中に固定されたポートを通る、Millar Tipカテーテル(タイプ350 PC、米国ヒューストンのMillar Instruments)の導入
・心拍出量、酸素飽和度、肺動脈圧および中心静脈圧を測定するための、頚静脈を介して肺動脈へのSwan−Ganzカテーテル(CCOmbo 7.5F、米国アーバインのEdwards)の導入
・ペントバルビタール輸液のため、液体置換のため、および採血(物質の血漿レベルおよび他の臨床的血液値の測定)のための橈側皮静脈中でのBraunueleの設置、
・フェンタニル輸液のためおよび物質の投与のための伏在静脈中でのBraunueleの設置
・4mU/kg/分の投与量まで漸増させるバソプレシン(Sigma)輸液。次いで、薬理学的物質をこの投与量で試験する。
【0253】
必要に応じて主たるシグナルを増幅させ(Gould増幅器、米国バレービューのGould Instrument SystemsまたはEdwards Vigilance−Monitor(米国アーバインのEdwards))、次いで、評価のためにPonemahシステム(米国ミネアポリスのDataSciences Inc)に供給する。シグナルは、実験の期間を通して連続的に記録され、さらに、このソフトウェアによってデジタル処理され、30秒間の平均を求める。
【0254】
C. 医薬組成物の例示的実施態様
以下の方法で、本発明の化合物を医薬製剤に変換することができる:
【0255】
錠剤:
組成:
本発明の化合物100mg、ラクトース(一水和物)50mg、コーンスターチ(天然)50mg、ポリビニルピロリドン(PVP 25)(独国ルードヴィッヒシャフェンのBASF)10mgおよびステアリン酸マグネシウム2mg。
錠剤の重量212mg。直径8mm、曲率半径12mm。
製造:
本発明の化合物、ラクトースおよびデンプンの混合物をPVPの水中5%強度溶液(m/m)と一緒に造粒する。乾燥後、顆粒をステアリン酸マグネシウムと5分間混合する。この混合物を、慣用の打錠機を用いて圧縮する(錠剤フォーマットについては上記を参照)。圧縮に用いたガイドライン圧縮力は、15kNである。
【0256】
経口投与用懸濁剤:
組成:
本発明の化合物1000mg、エタノール(96%)1000mg、Rhodigel(登録商標)(米国ペンシルベニアのFMCからのキサンタンガム)400mgおよび水99g。
経口用懸濁剤10mlによって、本発明の化合物100mgの単回投与量を投与する。
製造:
Rhodigelをエタノールに懸濁し、該懸濁液に本発明の化合物を加える。撹拌しながら水を添加する。Rhodigelの膨潤が終わるまで約6時間撹拌を継続する。
【0257】
経口投与用液剤:
組成:
本発明の化合物500mg、ポリソルベート2.5gおよびポリエチレングリコール400 97g。経口溶液20gによって、本発明の化合物100mgの単回投与量を投与する。
製造:
本発明の化合物をポリエチレングリコールおよびポリソルベートの混合物中にて撹拌しながら懸濁する。本発明の化合物が完全に溶解するまで、撹拌操作を続ける。
【0258】
静脈内投与用溶液:
本発明の化合物を飽和溶解度以下の濃度で生理学的に許容される溶媒(例えば、等張性生理食塩水、5%グルコース溶液および/または30%PEG 400溶液)に溶解する。この溶液を滅菌濾過し、滅菌パイロジェン不含注射用容器に入れる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I):
【化1】

[式中、
Lは、結合手または−C(R6A6B)−*であり(ここで、
*は、R3への結合部位であり、
6Aは、水素、(C1〜C4)アルキルまたはトリフルオロメチルであり、
6Bは、水素または(C1〜C4)アルキルである)、
1は、(C1〜C6)アルキル、(C2〜C6)アルケニル、(C2〜C6)アルキニルまたは(C3〜C7)シクロアルキルであり(ここで、
(C1〜C6)アルキル、(C2〜C6)アルケニルおよび(C2〜C6)アルキニルは、ハロゲン、シアノ、オキソ、ヒドロキシル、トリフルオロメチル、(C3〜C7)シクロアルキル、(C1〜C6)アルコキシ、トリフルオロメトキシおよびフェニルからなる群からお互いに独立して選択される1〜3個の置換基によって置換されていてもよく(ここで、
(C3〜C7)シクロアルキルは、ハロゲン、(C1〜C4)アルキル、オキソ、ヒドロキシル、(C1〜C4)アルコキシおよびアミノからなる群からお互いに独立して選択される1または2個の置換基によって置換されていてもよく、
(C1〜C6)アルコキシは、アミノ、ヒドロキシル、(C1〜C4)アルコキシ、ヒドロキシカルボニルおよび(C1〜C4)アルコキシカルボニルからなる群からお互いに独立して選択される1または2個の置換基によって置換されていてもよく、
フェニルは、ハロゲン、シアノ、ニトロ、(C1〜C4)アルキル、トリフルオロメチル、ヒドロキシル、ヒドロキシメチル、(C1〜C4)アルコキシ、トリフルオロメトキシ、(C1〜C4)アルコキシメチル、ヒドロキシカルボニル、(C1〜C4)アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、モノ−(C1〜C4)アルキルアミノカルボニルおよびジ−(C1〜C4)アルキルアミノカルボニルからなる群からお互いに独立して選択される1〜3個の置換基によって置換されていてもよい)、
(C3〜C7)シクロアルキルは、フッ素、(C1〜C4)アルキル、(C1〜C4)アルコキシ、ヒドロキシ、アミノおよびオキソからなる群からお互いに独立して選択される1または2個の置換基によって置換されていてもよい)、
2は、フェニル、チエニルまたはフリルであり(ここで、
フェニル、チエニルおよびフリルは、ハロゲン、シアノ、ニトロ、(C1〜C4)アルキル、トリフルオロメチル、ヒドロキシル、(C1〜C4)アルコキシおよびトリフルオロメトキシからなる群からお互いに独立して選択される1〜3個の置換基によって置換されていてもよい)、
3は、5員もしくは6員ヘテロサイクリルまたは5員もしくは6員ヘテロアリールであり(ここで、
5員または6員ヘテロサイクリルは、ハロゲン、トリフルオロメチル、(C1〜C4)アルキル、ヒドロキシル、オキソ、トリフルオロメトキシ、(C1〜C4)アルコキシ、アミノ、モノ−(C1〜C4)アルキルアミノ、ジ−(C1〜C4)アルキルアミノ、(C1〜C4)アルキルチオおよびチオキソからなる群からお互いに独立して選択される1〜3個の置換基によって置換されていてもよく、
5員または6員ヘテロアリールは、ハロゲン、トリフルオロメチル、(C1〜C4)アルキル、ヒドロキシル、トリフルオロメトキシ、(C1〜C4)アルコキシ、アミノ、モノ−(C1〜C4)アルキルアミノ、ジ−(C1〜C4)アルキルアミノおよび(C1〜C4)アルキルチオからなる群からお互いに独立して選択される1〜3個の置換基によって置換されていてもよい)、
4は、フェニル、ナフチルまたは5員〜10員ヘテロアリールであり(ここで、
フェニル、ナフチルおよび5員〜10員ヘテロアリールは、ハロゲン、シアノ、ニトロ、(C1〜C4)アルキル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、ヒドロキシル、(C1〜C4)アルコキシ、ジフルオロメトキシおよびトリフルオロメトキシからなる群からお互いに独立して選択される1〜3個の置換基によって置換されていてもよい)、
5は、水素、トリフルオロメチルまたは(C1〜C4)アルキルである]
で示される化合物ならびにそれらの塩、溶媒和物および該塩の溶媒和物。
【請求項2】
Lが、結合手または−C(R6A6B)−*であり(ここで、
*が、R3への結合部位であり、
6Aが、水素またはメチルであり、
6Bが、水素またはメチルである)、
1が、(C1〜C6)アルキル、(C2〜C6)アルケニルまたは(C3〜C6)シクロアルキルであり(ここで、
(C1〜C6)アルキルおよび(C2〜C6)アルケニルが、フッ素、塩素、シアノ、オキソ、ヒドロキシル、トリフルオロメチル、(C3〜C6)シクロアルキル、(C1〜C4)アルコキシ、トリフルオロメトキシおよびフェニルからなる群からお互いに独立して選択される1〜3個の置換基によって置換されていてもよく(ここで、
(C3〜C6)シクロアルキルが、フッ素、メチル、エチル、オキソ、ヒドロキシル、メトキシ、エトキシおよびアミノからなる群からお互いに独立して選択される1または2個の置換基によって置換されていてもよく、
フェニルが、フッ素、塩素、シアノ、メチル、エチル、トリフルオロメチル、メトキシ、エトキシ、トリフルオロメトキシ、メトキシメチル、エトキシメチル、ヒドロキシカルボニル、メトキシカルボニル、エトキシカルボニルおよびアミノカルボニルからなる群から選択される置換基によって置換されていてもよい)、
(C3〜C6)シクロアルキルが、フッ素、メチル、エチル、メトキシ、エトキシ、ヒドロキシル、アミノおよびオキソからなる群からお互いに独立して選択される1または2個の置換基によって置換されていてもよい)、
2が、フェニルまたはチエニルであり(ここで、
フェニルおよびチエニルが、フッ素、塩素、メチル、エチル、トリフルオロメチル、ヒドロキシル、メトキシ、エトキシおよびトリフルオロメトキシからなる群からお互いに独立して選択される1または2個の置換基によって置換されていてもよい)、
3が、2−オキソ−1,3−オキサゾリジン−5−イル、2−オキソ−1,3−オキサゾリジン−4−イル、2−オキソイミダゾリジン−4−イル、2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−イミダゾール−4−イル、4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−2−イル、4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−4−イル、4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−1−イル、2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1,3−オキサゾール−4−イル、2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1,3−オキサゾール−5−イル、4,5−ジヒドロ−1,3−オキサゾール−2−イル、4,5−ジヒドロ−1,3−オキサゾール−4−イル、4,5−ジヒドロ−1,3−オキサゾール−5−イル、4,5−ジヒドロ−5−オキソ−1H−1,2,4−トリアゾール−3−イル、4,5−ジヒドロ−5−オキソ−1H−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル、4,5−ジヒドロ−5−オキソ−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル、4,5−ジヒドロ−5−オキソ−1H−1,2,4−チアジアゾール−3−イル、2,3−ジヒドロ−2−オキソ−1,3,4−チアジアゾール−5−イル、フリル、チエニル、チアゾリル、オキサゾリル、イソチアゾリル、イソオキサゾリル、ピラゾリル、イミダゾリル、トリアゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、テトラゾリル、ピリジル、ピリミジニル、ピリダジニル、ピラジニルまたはトリアジニルであり(ここで、
2−オキソ−1,3−オキサゾリジン−5−イル、2−オキソ−1,3−オキサゾリジン−4−イル、2−オキソ−イミダゾリジン−4−イル、2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−イミダゾール−4−イル、2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1,3−オキサゾール−4−イル、2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1,3−オキサゾール−5−イル、4,5−ジヒドロ−5−オキソ−1H−1,2,4−トリアゾール−3−イル、4,5−ジヒドロ−5−オキソ−1H−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル、4,5−ジヒドロ−5−オキソ−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル、4,5−ジヒドロ−5−オキソ−1H−1,2,4−チアジアゾール−3−イル、2,3−ジヒドロ−2−オキソ−1,3,4−チアジアゾール−5−イルが、トリフルオロメチル、メチルおよびエチルからなる群から選択されるお互いに独立している1または2個の置換基によって置換されていてもよく、
4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−2−イル、4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−4−イル、4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−1−イル、4,5−ジヒドロ−1,3−オキサゾール−2−イル、4,5−ジヒドロ−1,3−オキサゾール−4−イル、4,5−ジヒドロ−1,3−オキサゾール−5−イルが、オキソ、メチルおよびエチルからなる群から選択されるお互いに独立している1または2個の置換基によって置換されていてもよく、
フリル、チエニル、チアゾリル、オキサゾリル、イソチアゾリル、イソオキサゾリル、ピラゾリル、イミダゾリル、トリアゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、テトラゾリル、ピリジル、ピリミジニル、ピリダジニル、ピラジニルおよびトリアジニルが、フッ素、塩素、トリフルオロメチル、メチル、エチル、ヒドロキシル、トリフルオロメトキシ、メトキシ、エトキシ、アミノ、メチルアミノ、エチルアミノ、ジメチルアミノ、メチルエチルアミノおよびジエチルアミノからなる群から選択されるお互いに独立している1または2個の置換基によって置換されていてもよい)、
4が、フェニルであり(ここで、
フェニルが、フッ素、塩素、シアノ、メチル、エチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、ヒドロキシル、メトキシ、エトキシ、ジフルオロメトキシおよびトリフルオロメトキシからなる群からお互いに独立して選択される1〜3個の置換基によって置換されていてもよい)、
5が、水素、メチルまたはエチである、
請求項1記載の式(I)で示される化合物ならびにそれらの塩、溶媒和物および該塩の溶媒和物。
【請求項3】
Lが、結合手または−C(R6A6B)−*であり(ここで、
*が、R3への結合部位であり、
6Aが、水素であり、
6Bが、水素である)、
1が、(C2〜C4)アルキル、(C2〜C4)アルケニルまたはシクロプロピルであり(ここで、
(C2〜C4)アルキルおよび(C2〜C4)アルケニルが、フッ素、ヒドロキシル、オキソおよびトリフルオロメチルからなる群から選択されるお互いに独立している1または2個の置換基によって置換されている)、
2が、フェニルであり(ここで、
フェニルが、フッ素および塩素からなる群から選択される置換基によって置換されている)、
3が、式:
【化2】

(式中、
#は、Lへの結合部位であり、
9は、水素、トリフルオロメチル、メチルまたはアミノであり、
10は、トリフルオロメチル、メチルまたはアミノであり、
11は、水素、フッ素、トリフルオロメチルまたはメチルであり、
12は、ヒドロキシルまたはメトキシである)
で示される基であり、
4が、式:
【化3】

(式中、
##は、−C(R5)(LR3)N−への結合部位であり、
7は、水素、フッ素、塩素、トリフルオロメチルおよびメトキシであり、
8は、水素、フッ素、塩素、トリフルオロメチルおよびメトキシであり、
ここで、R7およびR8の少なくとも1つは水素以外である)
で示される基であり、
5が、水素またはメチルである、
請求項1または2記載の式(I)で示される化合物ならびにそれらの塩、溶媒和物および該塩の溶媒和物。
【請求項4】
請求項1〜3記載の式(I)で示される化合物の製造方法であって、
[A]式(II):
【化4】

[式中、R1およびR2は、各々、請求項1〜3において定義されているとおりである]
で示される化合物を、不活性溶媒中にて、カルボン酸官能基の活性化をもって、式(III):
【化5】

[式中、L、R3、R4およびR5は、各々、請求項1〜3において定義されているとおりである]
で示される化合物と結合させること、または
[B]式(IV):
【化6】

[式中、R1およびR2 は、各々、請求項1〜3において定義されているとおりである]
で示される化合物を、不活性溶媒中にて、塩基の存在下、式(V):
【化7】

[式中、L、R3、R4およびR5は、各々、請求項1〜3において定義されており、
1は、ハロゲン、メシラートまたはトシラートのような脱離基である]
で示される化合物と反応させること、または
[C]式(VI):
【化8】

[式中、L、R1、R2、R4およびR5は、各々、請求項1〜3において定義されており、
1は、水素または(C1〜C4)アルキルである]
で示される化合物を、不活性溶媒中にて、随意にカルボン酸官能基の活性化をもって、ヒドラジンと反応させて、式(VII):
【化9】

[式中、L、R1、R2、R4およびR5は、各々、請求項1〜3において定義されているとおりである]
で示される化合物を得、次いで、不活性溶媒中にて、随意に好適な塩基の存在下で、臭化シアンまたは式(VIII):
【化10】

[式中、
9は、(C1〜C4)アルキルであり、
2は、(C1〜C4)アルキルである]
で示される化合物を用いて環化して、式(I−C1)または(I−C2):
【化11】

[式中、L、R1、R2、R4、R5およびR9は、各々、請求項1〜3において定義されているとおりである]
で示される化合物を得ること、または
[D]式(VI)で示される化合物を、不活性溶媒中にて、随意にカルボン酸官能基の活性化をもって、式(IX):
【化12】

[式中、R10は、請求項1〜3において定義されているとおりである]
で示される化合物と反応させ、
得られた中間体を好適な溶媒中にて環化して、式(I−D):
【化13】

[式中、L、R1、R2、R4、R5およびR10は、各々、請求項1〜3において定義されているとおりである]
で示される化合物を得ること、または
[E]式(X):
【化14】

[式中、L、R1、R2、R4およびR5は、各々、請求項1〜3において定義されているとおりである]
で示される化合物を、不活性溶媒中にて、好適な塩基の存在下、ヒドロキシルアミン・塩酸塩と反応させて、式(XI):
【化15】

[式中、L、R1、R2、R4およびR5は、各々、請求項1〜3において定義されているとおりである]
で示される化合物を得、次いで、この化合物を、不活性溶媒中にて、式(XII−1)または(XII−2):
【化16】

[式中、
11Aは、トリフルオロメチルまたは(C1〜C4)アルキルであり、
11Bは、水素、トリフルオロメチルまたは(C1〜C4)アルキルであり、
4は、塩素、ヒドロキシル、(C1〜C4)アルコキシ、トリフルオロメチルカルボニルオキシまたは(C1〜C4)アルキルカルボニルオキシであり、
5は、(C1〜C4)アルキルである]
で示される化合物を用いて環化して、式(I−E1)または(I−E2):
【化17】

[式中、L、R1、R2、R4、R5、R11AおよびR11Bは、各々、請求項1〜3において定義されているとおりである]
で示される化合物を得ること、または
[F]式(X):
【化18】

[式中、L、R1、R2、R4およびR5は、各々、請求項1〜3において定義されているとおりである]
で示される化合物を、不活性溶媒中にて、好適な塩基の存在下、アジド試薬を用いて環化して、式(I−F):
【化19】

[式中、L、R1、R2、R4およびR5は、各々、請求項1〜3において定義されているとおりである]
で示される化合物を得ること、または
[G]式(XI)で示される化合物を、不活性溶媒中にて、好適な塩基の存在下、ホスゲン、ジ−もしくはトリホスゲンのようなホスゲン誘導体、N,N−カルボニルジイミダゾールまたはクロロギ酸エステルと反応させ、得られた中間体を、さらに、不活性溶媒中にて、随意に塩基の存在下、直接環化して、式(I−G):
【化20】

[式中、L、R1、R2、R4およびR5は、各々、請求項1〜3において定義されているとおりである]
で示される化合物を得ること、
および、随意に、得られた式(I)、(I−C1)、(I−C2)、(I−D)、(I−E1)、(I−E2)、(I−F)および(I−G)で示される化合物を対応する(i)溶媒および/または(ii)塩基または酸を用いてそれらの溶媒和物、塩および/または該塩の溶媒和物に変換すること
を特徴とする方法。
【請求項5】
疾患の治療および/または予防のための、請求項1〜3いずれか1項記載の式(I)で示される化合物。
【請求項6】
急性および慢性心不全、血液量増加性低ナトリウム血症および正常血液量性低ナトリウム血症、肝硬変、腹水症、浮腫ならびにADH不適合分泌症候群(SIADH)の治療方法および/または予防方法において用いるための、請求項1〜3いずれか1項記載の式(I)で示される化合物。
【請求項7】
急性および慢性心不全、血液量増加性低ナトリウム血症および正常血液量性低ナトリウム血症、肝硬変、腹水症、浮腫ならびにADH不適合分泌症候群(SIADH)の治療および/または予防のための薬剤の製造のための、請求項1〜3いずれか1項記載の式(I)で示される化合物の使用。
【請求項8】
請求項1〜3いずれか1項記載の式(I)で示される化合物を不活性で無毒性の医薬的に適している賦形剤と合わせて含む薬剤。
【請求項9】
請求項1〜3いずれか1項記載の式(I)で示される化合物を、利尿剤、アンジオテンシンAII拮抗薬、ACE阻害剤、β受容体遮断薬、ミネラルコルチコイド受容体拮抗薬、有機硝酸塩、NO供給源、および陽性変力活性を有する物質からなる群から選択される1つ以上のさらなる活性成分と合わせて含む薬剤。
【請求項10】
急性および慢性心不全、血液量増加性低ナトリウム血症および正常血液量性低ナトリウム血症、肝硬変、腹水症、浮腫ならびにADH不適合分泌症候群(SIADH)の治療および/または予防のための、請求項8または9記載の薬剤。
【請求項11】
ヒトおよび動物における急性および慢性心不全、血液量増加性低ナトリウム血症および正常血液量性低ナトリウム血症、肝硬変、腹水症、浮腫ならびにADH不適合分泌症候群(SIADH)の治療方法および/または予防方法であって、請求項1〜3いずれか1項記載の式(I)で示される少なくとも1つの化合物の有効量または請求項8〜10いずれか1項記載の薬剤の有効量を使用する、方法。

【公表番号】特表2013−503133(P2013−503133A)
【公表日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−526041(P2012−526041)
【出願日】平成22年8月24日(2010.8.24)
【国際出願番号】PCT/EP2010/062354
【国際公開番号】WO2011/023703
【国際公開日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【出願人】(507113188)バイエル・ファルマ・アクチェンゲゼルシャフト (141)
【氏名又は名称原語表記】Bayer Pharma Aktiengesellschaft
【Fターム(参考)】