説明

複素環式カルボニル化合物

式(I)で表される新規の複素環化合物(式中、R、D、W、T、およびT’が、請求項1において示される意味を有する)は、SGK阻害剤であって、SGK誘導性の疾患および状態の処置のために使用され得る。そのような疾患および状態とは、糖尿病、肥満、代謝症候群(脂質代謝異常)、全身性および肺性の筋緊張亢進、心血管疾患および腎疾患、一般にあらゆる型の線維症および炎症プロセスなどである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の背景
本発明は、有用な特性を有する新規の化合物、特に、医薬の調製のために使用され得る化合物を発見するという目的を有する。
【0002】
本発明は、キナーゼシグナル伝達に関し、特に、細胞容積を制御するヒトキナーゼh−sgk(ヒト血清・糖質コルチコイド依存性キナーゼ、またはSGK)の阻害、制御、および/または調節が関連する化合物に関し、さらに、これらの化合物を含む薬学的組成物、およびSGK誘導性疾患の処置のためのこの化合物の使用に関する。
【背景技術】
【0003】
アイソフォームSGK−1、SGK−2、およびSGK−3を有するSGKは、セリン/スレオニンタンパク質キナーゼファミリーである(WO 02/17893)。
【0004】
本発明による化合物は、好ましくは、SGK−1の選択的阻害剤である。これらは、さらに、SGK−2および/またはSGK−3の阻害剤であってもよい。
【0005】
詳細に述べると、本発明は、SGKによるシグナル伝達を阻害、制御、および/または調節する化合物、これらの化合物を含む組成物、ならびに、SGM誘導性の疾患および状態の処置のためのこれらの化合物および組成物の使用のためのプロセスに関する。SGM誘導性の疾患および状態とは、糖尿病(例えば、真性糖尿病、糖尿病性腎症、糖尿病性ニューロパシー、糖尿病性血管障害、および微小血管障害)、肥満、代謝症候群(脂質代謝異常)、全身性および肺性の筋緊張亢進、心血管疾患(例えば、心筋梗塞後の心臓の線維症、心肥大、心不全、および動脈硬化症)、ならびに腎疾患(例えば、糸球体硬化症、腎硬化症、腎炎、腎症、および電解質排出障害)、一般にあらゆる型の線維症および炎症プロセス(例えば、肝硬変、肺線維症、線維化膵臓炎、リウマチおよび関節炎、クローン病、慢性気管支炎、放射線線維症、硬化腫、嚢胞性線維症、瘢痕、およびアルツハイマー病)などである。
【0006】
本発明による化合物はまた、腫瘍細胞の増殖および腫瘍転移を阻害し得、従って、腫瘍治療のために好適である。
【0007】
本発明による化合物はさらに、凝血障害の処置のために使用される。凝血障害とは、例えば、異常フィブリノーゲン血症、低プロコンバーチン血症(hypoproconvertinaemia)血友病B、スチュアート・プラウアー欠損症(Stuart-Prower defect)、プロトロンビン複合体欠乏症、消費性凝固障害、過剰線維素溶解(hyperfibrinolysis)、免疫性凝固障害(immunocoagulopathy)、または複合凝固障害(complex coagulopathies)、およびまた神経性興奮(neuronal excitability)(例えばてんかん)などである。本発明による化合物はまた、緑内障または白内障の処置において治療として使用され得る。本発明による化合物はさらに、細菌感染の処置および抗感染治療において使用され得る。本発明による化合物はまた、学習能力および注意力の増進のために治療として使用され得る。加えて、本発明による化合物は、細胞の老化およびストレスに対抗するので、生体の寿命(life expectancy)を増長し、老齢者の健康を増進する。
【0008】
本発明による化合物は、さらに、耳鳴り(tinitus)の処置において使用される。
【0009】
従って、SGKのシグナル伝達を特異的に阻害、制御、および/または調節する低分子の同定が望ましく、それが本発明の目的である。
【0010】
本発明による化合物およびその塩が、非常に有用な薬理学的特性を有しつつ、耐容性が高いことを見出した。
特に、これらは、SGK阻害効果を有する。
【0011】
従って、本発明は、上記の疾患の処置および/または予防における医薬および/または医薬用活性成分としての本発明による化合物、上記の疾患の処置および/または予防のための医薬品を調製するための本発明による化合物の使用、ならびにまた、一つ以上の本発明の化合物の投与を、かかる投与を必要とする患者に対しておこなう工程を包含する、上記の疾患の処置のためのプロセスに関する。
【0012】
宿主または患者は、任意の哺乳動物種(例えば、霊長類種(特に、ヒト);齧歯類(マウス、ラット、およびハムスターを含む);ウサギ;ウマ、ウシ、イヌ、ネコなど)に属し得る。ヒトの疾患の処置のためのモデルを提供する動物モデルは、実験的研究のために重要である。
【0013】
シグナル伝達経路の同定のため、および多様なシグナル伝達経路の間での相互作用を検出するために、多様な科学者が、好適なモデルまたはモデル系を開発してきた(例えば、細胞培養モデル(例えば、Khwaja et al., EMBO, 1997, 16, 2783-93)および形質転換動物のモデル(例えば、White et al., Oncogene, 2001, 20, 7064-7072)。シグナル伝達カスケードにおける特定の段階を決定するために、相互作用する化合物がシグナルを調節するために利用され得る(例えば、Stephens et al., Biochemical J., 2000, 351, 95-105)。本発明による化合物はまた、キナーゼ依存的なシグナル伝達経路を試験するための試薬として、動物モデルおよび/もしくは細胞培養モデルにおいて、または本願において言及される臨床疾患において使用されてもよい。
【0014】
キナーゼ活性の測定は、当業者に公知の技術である。基質(例えば、ヒストン(例えば、Alessi et al., FEBS Lett. 1996, 399, 3, pages 333-338)または基本的なミエリンタンパク質)を使用するキナーゼ活性の決定のための遺伝子試験系は、文献に記載されている(例えば、Campos-Gonzalez, R. and Glenney, Jr., J.R. 1992, J. Biol. Chem. 267, page 14535)。
【0015】
キナーゼ阻害剤の同定のために、多様なアッセイ系が利用可能である。シンチレーション近接アッセイ(scintillation proximity assay:Sorg et al., J. of. Biomolecular Screening, 2002, 7, 11-19)およびフラッシュプレートアッセイ(flashplate assay)においては、γATPを使用して、基質とするタンパク質またはペプチドの放射性リン酸化を測定する。阻害性化合物の存在下において、放射シグナルの低下または消失を検出することが出来る。さらに、ホモジニアス時間分解蛍光共鳴エネルギー移動(homogeneous time-resolved fluoroescence resonance energy transfer:HTR−FRET)および蛍光偏光法(FP)の技術は、アッセイの方法として有用である(Sills et al., J. of Biomolecular Screening, 2002, 191-214)。
【0016】
他の非放射性ELISAアッセイの方法は、特異的なリン酸化抗体(リン酸化AB)を使用する。リン酸化ABは、リン酸化された基質にのみ結合する。この結合は、ペルオキシダーゼ結合抗ヒツジ二次抗体を使用する化学蛍光法によって検出される(Ross et al., Biochem. J., 2002, 366, 977-981)。
【0017】
先行技術
芳香族または芳香族複素環で置換されたアミドは、WO 03/000649において、プラスミノーゲンアクチベーター阻害剤の阻害剤として記載される。PDE IVの阻害剤としてのイミダゾールカルボキサミドは、WO 96/00218から公知である。4−アミノメチル−2−置換イミダゾール誘導体は、WO 96/16040において、ドーパミン受容体リガンドとして記載される。
【0018】
他のオキサゾール誘導体は、WO 01/10798から公知である。他の4−置換オキサゾールは、JansenおよびSzelke(J. Chem. Soc. 405-411 (1961))ならびにCornforthおよびCookson(J. Chem. Soc. 1085-1088 (1952))によって記載されている。
【0019】
WO 00/62781は、細胞容積によって制御されるヒトキナーゼH−SGKの阻害剤を含む医薬の使用を開示する。
抗感染治療におけるキナーゼ阻害剤の使用は、C. Doerig(Cell. Mol. Biol. Lett. Vol. 8, No. 2A, 2003, 524-525)によって記載される。
肥満におけるキナーゼ阻害剤の使用は、N. Perrotti(J. Biol. Chem. 2001, March 23; 276(12):9406-9412)によって記載される。
【0020】
以下の引用文献は、疾患の処置におけるSGK阻害剤の使用を示唆および/または記載する:
1: Chung EJ, Sung YK, Farooq M, Kim Y, Im S, Tak WY, Hwang YJ, Kim YI, Han HS, Kim JC, Kim MK. Gene expression profile analysis in human hepatocellular carcinoma by cDNA microarray. Mol Cells. 2002;14:382-7.
2: Brickley DR, Mikosz CA, Hagan CR, Conzen SD. Ubiquitin modification of serum and glucocorticoid-induced protein kinase-1(SGK-1). J Biol Chem. 2002;277:43064-70.
3: Fillon S, Klingel K, Warntges S, Sauter M, Gabrysch S, Pestel S, Tanneur V, Waldegger S, Zipfel A, Viebahn R, Haussinger D, Broer S, Kandolf R, Lang F. Expression of the serine/threonine kinase hSGK1 in chronic viral hepatitis. Cell Physiol Biochem. 2002;12:47-54.
4: Brunet A, Park J, Tran H, Hu LS, Hemmings BA, Greenberg ME. Protein kinase SGK mediates survival signals by phosphorylating the forkhead transcription factor FKHRL1 (FOXO3a). Mol Cell Biol 2001;21:952-65.
5: Mikosz CA, Brickley DR, Sharkey MS, Moran TW, Conzen SD. Glucocorticoid receptor-mediated protection from apoptosis is associated with induction of the serine/threonine survival kinase gene, sgk-1. J Biol Chem. 2001;276:16649-54.
6: Zuo Z, Urban G, Scammell JG, Dean NM, McLean TK, Aragon I, Honkanen RE. Ser/Thr protein phosphatase type 5 (PP5) is a negative regulator of glucocorticoid receptor-mediated growth arrest. Biochemistry. 1999;38:8849-57.
7: Buse P, Tran SH, Luther E, Phu PT, Aponte GW, Firestone GL. Cell cycle and hormonal control of nuclear-cytoplasmic localisation of the serum- and glucocorticoid-inducible protein kinase, Sgk, in mammary tumour cells. A novel convergence point of anti-proliferative and proliferative cell signalling pathways. J Biol Chem. 1999;274:7253-63.
8: M. Hertweck, C. Goebel, R. Baumeister: C.elegans SGK-1 is the critical component in the Akt/PKB Kinase complex to control stress response and life span. Developmental Cell, Vol. 6, 577-588, April, 2004.
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0021】
発明の要約
本発明は、以下の式Iの化合物に関する:
【化1】

【0022】
式I中、
、R1aは、各々、互いに別々に、0〜4個のN原子、O原子、および/またはS原子を有する単環式または二環式の、飽和、不飽和、または芳香族の炭素環または複素環を表し、これは、R、Hal、−[C(R−Ar、−[C(R−Het、OR、N(R、NO、CN、−[C(RCOOR、−[C(RCON(R、−[C(RCONRN(R、O−[C(RCON(R、O−[C(RCONRN(R、NRCOA、NRCON(R、NRSOA、COR、SONR、S(O)A、=S、=NRおよび/または=O(カルボニル酸素)によって、一置換、二置換、または三置換されていてもよく、
【0023】
Dは、O、NH、またはSを表し、
Wは、CXまたはNを表し、
Tは、CX、N、またはCRを表し、
T’は、CX、N、またはCRを表し、
ここで、ラジカルのTまたはT’の一方がCRを表す場合、もう一方はCRでないことを前提と、
Rは、−C(=O)−N(R)[C(R1aを表し、
Xは、H、Hal、A、OR、N(R、NO、CN、COOR、CON(R、NRCOA、NRSOA、CORまたはSONRを表し、
は、H、A、−[C(R−Ar’、−[C(R−Het’、−[C(R−シクロアルキル、−[C(R−OR、−[C(R−COOA、または−[C(RN(Rを表し、
は、HまたはAを表し、
【0024】
Aは、1〜10個のC原子を有する直鎖または分枝鎖のアルキルを表し、ここで、1個もしくは2個のCH基が、O原子もしくはS原子によって、および/または−CH=CH−基によって置換されていてもよく、ならびに/あるいは、さらに1〜7個のH原子が、Fによって置換されてもよく、
Arは、フェニル、ナフチル、またはビフェニルを表し、これらの各々は、置換されていないか、または、Hal、A、OR、N(R、NO、CN、COOR、CON(R、NRCOA、NRCON(R、NRSOA、COR、SON(R、S(O)A、−[C(R−COOR、もしくは−O[C(R−COORによって、一置換、二置換、もしくは三置換されており、
Ar’は、フェニル、ナフチル、またはビフェニルを表し、これらの各々は、置換されていないか、または、Hal、A、OR、N(R、NO、CN、COOR、CON(R、NRCOA、NRCON(R、NRSOA、COR、SON(R、S(O)A、−[C(R−COOR、もしくは−O[C(R−COORによって、一置換、二置換、もしくは三置換されており、
【0025】
Hetは、1〜4個のN原子、O原子、またはS原子を有する単環式または二環式の、飽和、不飽和、または芳香族の複素環を表し、これは、Hal、A、−[C(R−Ar、−[C(R−Het’、−[C(R−シクロアルキル、−[C(R−OR、−[C(R−N(R、NO、CN、−[C(RCOOR、O−[C(RCOOR、−[C(RCON(R、−[C(RCONRN(R、O−[C(RCON(R、O−[C(RCONRN(R、−[C(R−NRCOA、NRCON(R、−[C(R−NRSOA、COR、SONR、S(O)A、=S、=NR、および/または=O(カルボニル酸素)によって、一置換、二置換、または三置換されていてもよく、
Het’は、1〜4個のN原子、O原子、またはS原子を有する単環式または二環式の、飽和、不飽和、または芳香族の複素環を表し、これは、Hal、A、OR、N(R、NO、CN、COOR、CON(R、NRCOA、NRSOA、COR、SONR、S(O)A、=S、=NR、および/または=O(カルボニル酸素)によって、一置換、二置換、または三置換されていてもよく、
【0026】
Halは、F、Cl、Br、またはIを表し、
mは、0、1、または2を表し、
nは、0、1、2、または3を表し、
oは、1、2、または3を表す、
前記化合物、その薬学的に使用可能な誘導体、塩、溶媒和化合物、および立体異性体、ならびにあらゆる比におけるこれらの混合物。
【0027】
本発明は、式Iの化合物およびその塩に関し、請求項1〜21に記載の式Iの化合物、ならびにその薬学的に使用可能な誘導体、溶媒和化合物、塩、および立体異性体の調製のためのプロセスに関し、以下を特徴とする:
【0028】
a)式Iの化合物:
【化2】

【0029】
式I中、
Tは、CX、N、またはCRを表し、
T’は、CX、N、またはCRを表し、
ここで、ラジカルのTまたはT’の一方がCRを表す場合、もう一方はCRではないことを前提とし、
Rは、−C(=O)−Lを表し、
、W、D、およびXは、請求項1において示される意味を有し、
ならびに、
Lは、Cl、Br、I、または遊離のOH基もしくは反応性に機能的に修飾されたOH基を表す、
【0030】
式Iの化合物が、
式III:
HN(R)[C(R1a III
の化合物と反応させられ、
式III中、
1a、R、およびnは、請求項1において示される意味を有するか、
あるいは、
b)式Iの化合物中のラジカルRが、エーテルを開裂させることによって別のラジカルRに変換されるか、
ならびに/または、式Iの塩基または酸が、その塩の一つに変換される。
【0031】
本発明はまた、立体異性体(E異性体、Z異性体)、ならびにこれらの化合物の水和物および溶媒和化合物に関する。これらの化合物の溶媒和化合物とは、相互誘引力に起因して形成する、これらの化合物に対する不活性溶媒分子の付加化合物を意味するように用いられる。溶媒和化合物とは、例えば、一水和物または二水和物またはアルコラートである。
【0032】
薬学的に使用可能な誘導体とは、例えば、本発明による化合物の塩、およびまたいわゆるプロドラッグ化合物を意味するように用いられる。
プロドラッグ誘導体とは、例えば、アルキル基またはアクリル基、糖またはオリゴペプチドを用いて修飾された式Iの化合物を意味するように用いられ、これは、生体内において速やかに切断されて、本発明による活性化合物を形成する。
これらはまた、本発明による化合物の生物分解性ポリマー誘導体(例えば、Int. J. Pharm. 115, 61-67 (1995)において記載されるようなもの)を含む。
【0033】
「有効量」という表現は、例えば研究者または医師が求めるかまたは目的とする、生物学的応答または医学的応答を、組織、系、動物、またはヒトにおいて引き起こす、医薬または薬学的活性成分の量を意味する。
【0034】
加えて、「治療上の有効量」という表現は、この量を与えられていない対応する被験体と比較して、以下の結果を有する量を意味する:
処置の改善;疾患、症候群、状態、愁訴、障害の、治癒、予防、もしくは消失;または副作用の予防;または、疾患、状態、障害の、進行の低下;または副作用の低下。
「治療上の有効量」という表現は、また、正常な生理学的機能を増進するために有効である量を包含する。
【0035】
本発明はまた、本発明による式Iの化合物の混合物、例えば、2種類のジアステレオマーの、例えば1:1、1:2、1:3、1:4、1:5、1:10、1:100、または1:1000の比における混合物に関する。
これらは、特に好ましくは、立体異性化合物の混合物である。
【0036】
1回より多くあらわれる全てのラジカルについて、それらの意味は、互いに独立である。
上記および以下について、ラジカルおよびパラメーターR、D、W、T、およびT’は、他に明確に示されない限り、式Iについて示される意味を有する。
【0037】
Aは、アルキルを表し、直鎖(unbranched)(linear)または分枝鎖であり、1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、または10個のC原子を有する。Aは、好ましくは、メチルを表し、さらにエチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチルもしくはtert−ブチルを表し、さらに、また、ペンチル、1−、2−、もしくは3−メチルブチル、1,1−、1,2−、もしくは2,2−ジメチルプロピル、1−エチルプロピル、ヘキシル、1−、2−、3−、もしくは4−メチルペンチル、1,1−、1,2−、1,3−、2,2−、2,3−、もしくは3,3−ジメチルブチル、1−エチルブチルもしくは2−エチルブチル、1−エチル−1−メチルプロピル、1−エチル−2−メチルプロピル、1,1,2−トリメチルプロピルもしくは1,2,2−トリメチルプロピルを表し、さらに好ましくは、例えば、トリフルオロメチルを表す。
【0038】
Aは、特に非常に好ましくは、1個、2個、3個、4個、5個、または6個のC原子を有するアルキルを表し、好ましくは、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、ヘキシル、トリフルオロメチル、ペンタフルオロエチル、または1,1,1−トリフルオロエチルを表す。
【0039】
Arは、例えば以下を表す:フェニル、o−、m−、もしくはp−トリル、o−、m−、もしくはp−エチルフェニル、o−、m−、もしくはp−プロピルフェニル、o−、m−、もしくはp−イソプロピルフェニル、o−、m−、もしくはp−tert−ブチルフェニル、o−、m−、もしくはp−ヒドロキシフェニル、o−、m−、もしくはp−ニトロフェニル、o−、m−、もしくはp−アミノフェニル、o−、m−、もしくはp−(N−メチルアミノ)フェニル、o−、m−、もしくはp−(N−メチルアミノカルボニル)フェニル、o−、m−、もしくはp−アセトアミドフェニル、o−、m−、もしくはp−メトキシフェニル、o−、m−、もしくはp−エトキシフェニル、o−、m−、もしくはp−エトキシカルボニルフェニル、o−、m−、もしくはp−(N,N−ジメチルアミノ)フェニル、o−、m−、もしくはp−(N,N−ジメチルアミノカルボニル)フェニル、o−、m−、もしくはp−(N−エチルアミノ)フェニル、o−、m−、もしくはp−(N,N−ジエチルアミノ)フェニル、o−、m−、もしくはp−フルオロフェニル、o−、m−、もしくはp−ブロモフェニル、o−、m−、もしくはp−クロロフェニル、o−、m−、もしくはp−(メチルスルホンアミド)フェニル、o−、m−、もしくはp−(メチルスルホニル)フェニル、o−、m−、もしくはp−シアノフェニル、o−、m−、もしくはp−ウレイドフェニル、o−、m−、もしくはp−ホルミルフェニル、o−、m−、もしくはp−アセチルフェニル、o−、m−、もしくはp−アミノスルホニルフェニル、o−、m−、もしくはp−カルボキシフェニル、o−、m−、もしくはp−カルボキシメチルフェニル、o−、m−、もしくはp−カルボキシメトキシフェニル、
【0040】
さらに好ましくは、2,3−、2,4−、2,5−、2,6−、3,4−、もしくは3,5−ジフルオロフェニル、2,3−、2,4−、2,5−、2,6−、3,4−、もしくは3,5−ジクロロフェニル、2,3−、2,4−、2,5−、2,6−、3,4−、もしくは3,5−ジブロモフェニル、2,4−、もしくは2,5−ジニトロフェニル、2,5−、もしくは3,4−ジメトキシフェニル、3−ニトロ−4−クロロフェニル、3−アミノ−4−クロロ−、2−アミノ−3−クロロ−、2−アミノ−4−クロロ−、2−アミノ−5−クロロ−、もしくは2−アミノ−6−クロロフェニル、2−ニトロ−4−N,N−ジメチルアミノ−、もしくは3−ニトロ−4−N,N−ジメチルアミノフェニル、2,3−ジアミノフェニル、2,3,4−、2,3,5−、2,3,6−、2,4,6−、もしくは3,4,5−トリクロロフェニル、2,4,6−トリメトキシフェニル、2−ヒドロキシ−3,5−ジクロロフェニル、p−ヨードフェニル、3,6−ジクロロ−4−アミノフェニル、4−フルオロ−3−クロロフェニル、2−フルオロ−4−ブロモフェニル、2,5−ジフルオロ−4−ブロモフェニル、3−ブロモ−6−メトキシフェニル、3−クロロ−6−メトキシフェニル、3−クロロ−4−アセトアミドフェニル、3−フルオロ−4−メトキシフェニル、3−フルオロ−4−メトキシフェニル、3−アミノ−6−メチルフェニル、3−クロロ−4−アセトアミドフェニル、または、2,5−ジメチル−4−クロロフェニル。
【0041】
Arは、好ましくは、例えば、置換されていないフェニル、または、Hal、A、OR、SOA、COOR、もしくはCN,によって、一置換、二置換、もしくは三置換されているフェニルを表し、特に非常に好ましくは、置換されていないフェニル、またはHalおよび/もしくはAによって、一置換、二置換、もしくは三置換されているフェニルを表す。
【0042】
Ar’は、好ましくは、例えば、置換されていないフェニル、または、Hal、A、OR、SOA、COOR、もしくはCN,によって、一置換、二置換、もしくは三置換されているフェニルを表し、特に非常に好ましくは、置換されていないフェニル、またはHalおよび/もしくはAによって、一置換、二置換、もしくは三置換されているフェニルを表す。
【0043】
さらなる置換に関係なく、Hetは、例えば以下を表す:2−もしくは3−フリル、2−、もしくは3−チエニル、1−、2−、もしくは3−ピロリル、1−、2,4−、もしくは5−イミダゾリル、1−、3−、4−、もしくは5-ピラゾリル、2−、4−、もしくは5−オキサゾリル、3−、4−、もしくは5−イソオキサゾリル、2−、4−、もしくは5−チアゾリル、3-、4−、もしくは5−イソチアゾリル、2−、3−、もしくは4−ピリジル、2−、4−、5−、もしくは6−ピリミジニル、さらに好ましくは、1,2,3−トリアゾール−1−、−4−、もしくは−5−イル、1,2,4−トリアゾール−1−、−3−、もしくは5−イル、1−、もしくは5−テトラゾリル、1,2,3−オキサジアゾール−4−、もしくは−5−イル、1,2,4−オキサジアゾール−3−、もしくは−5−イル、1,3,4−チアジアゾール−2−、もしくは−5−イル、1,2,4−チアジアゾール−3−、もしくは−5−イル、1,2,3−チアジアゾール−4−、もしくは−5−イル、3−、もしくは4−ピリダジニル、ピラジニル、1−、2−、3−、4−、5−、6−、もしくは7−インドリル、4−、もしくは5−イソインドリル、1−、2−、4−、もしくは5−ベンズイミダゾリル、1−、2−、3−、4−、5−、6−、もしくは7−インダゾリル、1−、3−、4−、5−、6−、もしくは7−ベンゾピラゾリル、2−、4−、5−、6−、もしくは7−ベンゾオキサゾリル、3−、4−、5−、6−、もしくは7−ベンズイソオキサゾリル、2−、4−、5−、6−、もしくは7−ベンゾチアゾリル、2−、4−、5−、6−、もしくは7−ベンズイソチアゾリル、4−、5−、6−、もしくは7−ベンズ−2,1,3−オキサジアゾリル、2−、3−、4−、5−、6−、7−、もしくは8−キノリル、1−、3−、4−、5−、6−、7−、もしくは8−イソキノリル、3−、4−、5−、6−、7−、もしくは8-インノリニル(innolinyl)、2−、4−、5−、6−、7−、もしくは8−キナゾリニル、5−、もしくは6−キノキサリニル、2−、3−、5−、6−、7−、もしくは8−2H−ベンゾ−1,4−オキサジニル、さらに好ましくは、1,3−ベンゾジオキソール−5−イル、1,4−ベンゾジオキサン−6−イル、2,1,3−ベンゾチアジアゾール−4−、もしくは−5−イル、または2,1,3−ベンゾオキサジアゾール−5−イル。
【0044】
複素環ラジカルは、また、部分的にもしくは完全に水素付加されていてもよい。
従って、Hetは、また、例えば以下を表してもよい:
2,3−ジヒドロ−2−、−3−、−4−、もしくは−5−フリル、2,5−ジヒドロ−2−、−3−、−4−、もしくは5−フリル、テトラヒドロ−2−、もしくは−3−フリル、1,3−ジオキソラン−4−イル、テトラヒドロ−2−、もしくは−3−チエニル、2,3−ジヒドロ−1−、−2−、−3−、−4−、もしくは−5−ピロリル、2,5−ジヒドロ−1−、−2−、−3−、−4−、もしくは−5−ピロリル、1−、2−、もしくは3−ピロリジニル、テトラヒドロ−1−、-2−、もしくは−4−イミダゾリル、2,3−ジヒドロ−1−、−2−、−3−、−4−、もしくは−5−ピラゾリル、テトラヒドロ−1−、−3−、もしくは−4−ピラゾリル、1,4−ジヒドロ−1−、−2−、−3−、もしくは−4−ピリジル、1,2,3,4−テトラヒドロ−1−、−2−、−3−、−4−、−5−、もしくは−6−ピリジル、1−、2−、3−、もしくは4−ピペリジニル、2−、3−、もしくは4−モルフォリニル、テトラヒドロ−2−、−3−、もしくは−4−ピラニル、1,4−ジオキサニル、1,3−ジオキサン−2−、−4−、もしくは−5−イル、ヘキサヒドロ−1−、−3−、もしくは−4−ピリダジニル、ヘキサヒドロ−1−、−2−、−4−、もしくは−5−ピリミジニル、1−、2−、もしくは3−ピペラジニル、1,2,3,4−テトラヒドロ−1−、−2−、−3−、−4−、−5−、−6−、−7−、もしくは−8−キノリル、1,2,3,4−テトラヒドロ−1−、−2−、−3−、−4−、−5−、−6−、−7−、もしくは−8−イソキノリル、2−、3−、5−、6−、7−、もしくは8−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ−1,4−オキサジニル、さらに好ましくは、2,3−メチレンジオキシフェニル、3,4−メチレンジオキシフェニル、2,3−エチレンジオキシフェニル、3,4−エチレンジオキシフェニル、3,4−(ジフルオロメチレンジオキシ)フェニル、2,3−ジヒドロベンゾフラン−5−、もしくは6−イル、2,3−(2−オキソメチレンジオキシ)フェニル、または、3,4−ジヒドロ−2H−1,5−ベンゾジオキセピン(benzodioxepin)−6−、もしくは−7−イル、さらに好ましくは、2,3−ジヒドロベンゾフラニルまたは2,3−ジヒドロ−2−オキソフラニル。
【0045】
Hetは、好ましくは、1〜2個のN原子および/またはO原子を有する単環式の、飽和、不飽和、または芳香族の複素環を表し、これは、置換されていなくても、A、Hal、OH、および/またはOAによって、一置換、二置換、または三置換されていてもよい。
Hetは、特に好ましくは、1〜2個のN原子および/またはO原子を有する単環式の飽和複素環を表し、これは、置換されていなくても、Aによって一置換または二置換されていてもよい。
さらなる態様において、Hetは、特に非常に好ましくは、ピロリジニル、ピペリジニル、モルフォリニル、またはピペラジニルを表す。
さらなる態様において、Hetは、特に好ましくは、フリル、チエニル、ピロリル、イミダゾリル、ピリジル、ピリミジニル、ピラゾリル、チアゾリル、インドリル、ピロリジニル、ピペリジニル、モルフォリニル、またはピペラジニルを表し、これらの各々は、置換されていないか、または、A、Hal、OH、および/またはOAによって、一置換、二置換、または三置換されている。
【0046】
Het’は、好ましくは、1〜2個のN原子および/またはO原子を有する単環式の、飽和、不飽和、または芳香族の複素環を表し、これは、置換されていなくても、A、Hal、OH、および/またはOAによって、一置換、二置換、または三置換されていてもよい。
Het’は、特に好ましくは、1〜2個のN原子および/またはO原子を有する単環式の飽和複素環を表し、これは、置換されていなくても、Aによって一置換または二置換されていてもよい。
さらなる態様において、Het’は、特に非常に好ましくは、ピロリジニル、ピペリジニル、モルフォリニル、またはピペラジニルを表す。
さらなる態様において、Het’は、特に好ましくは、フリル、チエニル、ピロリル、イミダゾリル、ピリジル、ピリミジニル、ピラゾリル、チアゾリル、インドリル、ピロリジニル、ピペリジニル、モルフォリニル、またはピペラジニルを表し、これらの各々は、置換されていないか、または、A、Hal、OH、および/またはOAによって、一置換、二置換、または三置換されている。
【0047】
単環式または二環式の飽和、不飽和、または芳香族の炭素環は、好ましくは、シクロペンチル、シクロペンテニル、シクロヘキシル、シクロヘキシニル、フェニル、またはナフチルを表し、特に好ましくは、フェニルまたはナフチルを表す。
【0048】
単環式または二環式の飽和、不飽和、または芳香族の複素環は、例えば以下を表す:2−、もしくは3−フリル、2−、もしくは3−チエニル、1−、2−、もしくは3−ピロリル、1−、2,4−、もしくは5−イミダゾリル、1−、3−、4−、もしくは5−ピラゾリル、2−、4−、もしくは5−オキサゾリル、3−、4−、もしくは5−イソオキサゾリル、2−、4−、もしくは5−チアゾリル、3−、4−、もしくは5−イソチアゾリル、2−、3−、もしくは4−ピリジル、2−、4−、5−、もしくは6−ピリミジニル、さらに好ましくは、1,2,3−トリアゾール−1−、−4−、もしくは−5−イル、1,2,4−トリアゾール−1−、−3−、もしくは5−イル、1−、もしくは5−テトラゾリル、1,2,3−オキサジアゾール−4−、もしくは−5−イル、1,2,4−オキサジアゾール−3−、もしくは−5−イル、1,3,4−チアジアゾール−2−、もしくは−5−イル、1,2,4−チアジアゾール−3−、もしくは−5−イル、1,2,3−チアジアゾール−4−、もしくは−5−イル、3−、もしくは4−ピリダジニル、ピラジニル、1−、2−、3−、4−、5−、6−、もしくは7−インドリル、4−、もしくは5−イソインドリル、1−、2−、3−、4−、もしくは5−ベンズイミダゾリル、1−、2−、3−、4−、5−、6−、もしくは7−インダゾリル、1−、2−、3−、4−、5−、6−、もしくは7−ベンゾピラゾリル、2−、4−、5−、6−、もしくは7−ベンゾオキサゾリル、3−、4−、5−、6−、もしくは7−ベンズイソオキサゾリル、2−、4−、5−、6−、もしくは7−ベンゾチアゾリル、2−、4−、5−、6−、もしくは7−ベンズイソチアゾリル、4−、5−、6−、もしくは7−ベンズ−2,1,3−オキサジアゾリル、2−、3−、4−、5−、6−、7−、もしくは8−キノリル、1−、3−、4−、5−、6−、7−、もしくは8−イソキノリル、3−、4−、5−、6−、7−、もしくは8−シンノリニル(cinnolinyl)、2−、4−、5−、6−、7−、もしくは8−キナゾリニル、5−、もしくは6−キノキサリニル、2−、3−、5−、6−、7−、もしくは8−2H−ベンゾ−1,4−オキサジニル、
【0049】
さらに好ましくは、1,3−ベンゾジオキソール−5−イル、1,4−ベンゾジオキサン−6−イル、2,1,3−ベンゾチアジアゾール−4−、もしくは−5−イル、または2,1,3−ベンズオキサジアゾール−5−イル、さらに、2,3−ジヒドロ−2−、−3−、−4−、もしくは−5−フリル、2,5−ジヒドロ−2−、−3−、−4−、もしくは5−フリル、テトラヒドロ−2−、もしくは−3−フリル、1,3−ジオキソラン−4−イル、テトラヒドロ−2−、もしくは−3−チエニル、2,3−ジヒドロ−1−、−2−、−3−、−4−、もしくは−5−ピロリル、2,5−ジヒドロ−1−、−2−、−3−、−4−、もしくは−5−ピロリル、1−、2−、もしくは3−ピロリジニル、テトラヒドロ−1−、−2−、もしくは−4−イミダゾリル、2,3−ジヒドロ−1−、−2−、−3−、−4−、もしくは−5−ピラゾリル、テトラヒドロ−1−、−3−、もしくは−4−ピラゾリル、1,4−ジヒドロ−1−、−2−、−3−、もしくは−4−ピリジル、1,2,3,4−テトラヒドロ−1−、−2−、−3−、−4−、−5−、もしくは−6−ピリジル、1−、2−、3−、もしくは4−ピペリジニル、2−、3−、もしくは4−モルフォリニル、テトラヒドロ−2−、−3−、もしくは−4−ピラニル、1,4−ジオキサニル、1,3−ジオキサン−2−、−4−、もしくは−5−イル、ヘキサヒドロ−1−、−3−、もしくは−4−ピリダジニル、ヘキサヒドロ−1−、−2−、−4−、もしくは−5−ピリミジニル、1−、2−、もしくは3−ピペラジニル、1,2,3,4−テトラヒドロ−1−、−2−、−3−、−4−、−5−、−6−、−7−、もしくは−8−キノリル、1,2,3,4−テトラヒドロ−1−、−2−、−3−、−4−、−5−、−6−、−7−、もしくは−8−イソキノリル、2−、3−、5−、6−、7−、もしくは8−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ−1,4−オキサジニル、2,3−メチレンジオキシフェニル、3,4−メチレンジオキシフェニル、2,3−エチレンジオキシフェニル、3,4−エチレンジオキシフェニル、3,4−(ジフルオロメチレンジオキシ)フェニル、2,3−ジヒドロベンゾフラン−5−、もしくは6−イル、2,3−(2−オキソメチレンジオキシ)フェニル、または3,4−ジヒドロ−2H−1,5−ベンゾジオキセピン6−、もしくは−7−イル、さらに、2,3−ジヒドロベンゾフラニル、または2,3−ジヒドロ−2−オキソフラニル。
【0050】
は、好ましくは、0〜4個のN原子、O原子、および/またはS原子を有する単環式または二環式の不飽和または芳香族の炭素環または複素環を表し、これは、置換されていないか、または、A、Hal、−[C(R−OR、−[C(RN(R、または−[C(RCOORによって、一置換、二置換、または三置換されている。
【0051】
は、特に好ましくは、フェニルを表し、これは、置換されていないか、または、A、Hal、OH、もしくはOAによって、一置換、二置換、または三置換されている。あるいは、Rは、特に好ましくは、1〜2個の窒素原子を有する単環式または二環式の不飽和または芳香族の複素環(例えば、1H−インダゾールなど)を表し、これは、置換されていないか、またはNHによって一置換されている。
【0052】
式Iの化合物は、1個または2個以上のキラル中心を有してもよく、従って、多様な立体異性体の形態が起こり得る。式Iは、全てのこれらの形態を含む。
【0053】
従って、本発明は、特に、式Iの化合物に関し、ここで、前記ラジカルのうち少なくとも1個は、上記の好ましい意味の一つを有する。いくつかの好ましい化合物の群は、以下の亜式Ia〜Isによって表されてもよく、これらは式Iに適合し、ここで、式Iより詳細には示されていないラジカルは、式Iについて示される意味を有する。しかし、以下:
【0054】
式Iaにおいては、R、R1aは、各々、互いに別々に、0〜4個のN原子、O原子、および/もしくはS原子を有する単環式または二環式の、飽和、不飽和、または芳香族の炭素環または複素環を表し、これは、置換されていないか、または、A、Hal、NO、CN、−[C(R−Ar’、−O−[C(R−Ar’、−[C(R−Het’、−[C(R−シクロアルキル、−[C(RCONHAr’、−[C(R−OR、−[C(RN(R、−[C(RCOOR、−[C(RCON(R、−[C(RCONRN(R、O−[C(RCON(R、O−[C(RCONRN(R、NRCOA、NRCON(R、NRSOA、COR、SONR、S(O)A、=S、=NR、および/もしくは=O(カルボニル酸素)によって、一置換、二置換、もしくは三置換されている;
【0055】
式Ibにおいては、R、R1aは、各々、互いに別々に、0〜4個のN原子、O原子、および/もしくはS原子を有する単環式または二環式の、飽和、不飽和、または芳香族の炭素環または複素環を表し、これは、置換されていないか、または、A、Hal、CN、−[C(R−Ar’、−O−[C(R−Ar’、−[C(RCONHAr’、−[C(R−OR、−[C(RN(R、もしくは−[C(RCOORによって、一置換、二置換、もしくは三置換されている;
【0056】
式Icにおいては、R、R1aは、各々、互いに別々に、0〜4個のN原子、O原子、および/もしくはS原子を有する単環式または二環式の、飽和、不飽和、または芳香族の炭素環または複素環を表し、これは、置換されていないか、または、A、Hal、CN、−[C(R−Ar’、−O−[C(R−Ar’、−C(RCONHAr’、−[C(R−OR、−[C(RN(R、もしくは−[C(RCOORによって、一置換、二置換、もしくは三置換されている;
【0057】
式Idにおいては、Rは、0〜4個のN原子、O原子、および/もしくはS原子を有する単環式または二環式の不飽和または芳香族の複素環を表し、これらは、置換されていないか、または、A、Hal、ベンジルオキシ、−C(RCONHAr’、−[C(R−OR、−[C(RN(R、もしくは−[C(RCOORによって、一置換、二置換、もしくは三置換されている;
【0058】
式Ieにおいては、Rは、0〜4個のN原子、O原子、および/もしくはS原子を有する単環式または二環式の芳香族炭素環を表し、これは、置換されていないか、または、A、Hal、−[C(R−OR、−[C(RN(R、もしくは−[C(RCOORによって、一置換、二置換、もしくは三置換されている;
【0059】
式Ifにおいては、Rは、1〜4個のN原子、O原子、および/もしくはS原子を有する単環式または二環式の不飽和または芳香族の複素環を表し、これらは、置換されていないか、または、A、Hal、−[C(RCONHAr’、−[C(R−OR、−[C(RN(R、もしくは−[C(RCOORによって、一置換、二置換、もしくは三置換されている;
【0060】
式Igにおいては、Rは、置換されていないフェニル、または、A、Hal、OH、もしくはOAによって、一置換、二置換、もしくは三置換されているフェニル、または、置換されていないかまたはNHによって一置換されている、1〜2個の窒素原子を有する単環式または二環式の不飽和または芳香族の複素環を表す;
【0061】
式Ihにおいては、R1aは、単環式の飽和、不飽和、または芳香族の炭素環を表し、これは、置換されていないか、またはA、Hal、CN、−[C(R−Ar’、−O−[C(R−Ar’、−[C(R−OR、−[C(RN(R、もしくは−[C(RCOORによって、一置換、二置換、もしくは三置換されている;
【0062】
式Iiにおいては、R1aは、置換されていないフェニル、または、A、Hal、ベンジルオキシ、OH、もしくはOAによって、一置換、二置換、もしくは三置換されたフェニルを表す;
【0063】
式Ijにおいては、R1aは、置換されていないフェニル、A、Hal、ベンジルオキシ、OH、もしくはOA、によって、一置換、二置換、もしくは三置換されたフェニル、または2,1,3−ベンゾチアジアゾールを表す;
【0064】
式Ikにおいては、R1aは、置換されていないフェニル、または、Halおよび/もしくはAによって、一置換、二置換、もしくは三置換されたフェニルを表す;
【0065】
式Ilにおいては、Het’は、1〜2個のN原子および/またはO原子を有する単環式の飽和、不飽和、または芳香族の複素環を表し、これは、置換されていないくても、A、Hal、OH、および/またはOAによって、一置換、二置換、または三置換されていてもよい;
【0066】
式Imにおいては、Het’は、フリル、チエニル、ピロリル、イミダゾリル、ピリジル、ピリミジニル、ピラゾリル、チアゾリル、インドリル、ピロリジニル、ピペリジニル、モルフォリニル、またはピペラジニルを表し、これらの各々は、置換されていないか、または、A、Hal、OH、および/もしくはOAによって、一置換、二置換、もしくは三置換されている;
【0067】
式Inにおいては、Aは、1〜6個のC原子を有する直鎖または分枝鎖のアルキルを表し、ここで1〜7個のH原子がFによって置換されていてもよい;
【0068】
式Ioにおいては、Xは、Hを表す;
【0069】
式Ipにおいては、Rは、−C(=O)−N(R)[C(R1aを表す;
【0070】
式Iqにおいては、Rは、−C(=O)−NHCH1aを表す;
【0071】
式Irにおいては、
、R1aは、各々、互いに別々に、0〜4個のN原子、O原子、および/またはS原子を有する単環式または二環式の飽和、不飽和、または芳香族の炭素環または複素環を表し、これは、置換されていないか、または、A、Hal、CN、−[C(R−Ar’、−O−[C(R−Ar’、−[C(R−OR、−[C(RCONHAr’、−[C(RN(R、または−[C(RCOORによって、一置換、二置換、もしくは三置換されており、
Dは、O、NH、またはSを表し、
Wは、CXまたはNを表し、
Tは、CX、N、またはCRを表し、
T’は、CX、N、またはCRを表し、
ここで、ラジカルのTまたはT’の一方がCRを表す場合、もう一方はCRではないことを前提とし、
Rは、−C(=O)−N(R)[C(R1aを表し、
Xは、Hを表し、
は、HまたはAを表し、
【0072】
Aは、1〜10個のC原子を有する直鎖または分枝鎖のアルキルを表し、ここで、1個もしくは2個のCH基が、O原子もしくはS原子によって、および/または−CH=CH−基によって置換されていてもよく、ならびに/あるいは、さらに、1〜7個のH原子が、Fによって置換されていてもよく、
Ar’は、置換されていないフェニル、または、Halおよび/もしくはAによって、一置換、二置換、もしくは三置換されているフェニルを表し、
Halは、F、Cl、Br、またはIを表し、
nは、0、1、2、または3を表す;
【0073】
式Isにおいては、
は、1〜4個のN原子、O原子、および/またはS原子を有する、単環式または二環式の不飽和または芳香族の複素環を表し、これは、置換されていないか、または、A、Hal、−[C(RCONHAr’、−[C(R−OR、−[C(RN(R、または−[C(RCOORによって、一置換、二置換、または三置換されており、
1aは、置換されていないフェニル、または、A、Hal、ベンジルオキシ、OH、もしくはOAによって、一置換、二置換、もしくは三置換されたフェニル、または2,1,3−ベンゾチアジアゾールを表し
【0074】
Dは、O、NH、またはSを表し、
Wは、CXまたはNを表し、
Tは、CX、N、またはCRを表し、
T’は、CX、N、またはCRを表し、
ここで、ラジカルのTまたはT’のうちの一方がCRを表す場合、もう一方はCRでないことを前提とし、
【0075】
Rは、−C(=O)−NH−CHA−R1aを表し、
Xは、Hを表し、
は、HまたはAを表し、
Arは、置換されていないフェニル、または、Halおよび/もしくはAによって、一置換、二置換、もしくは三置換されたフェニルを表し、
Aは、1〜10個のC原子を有する直鎖または分枝鎖のアルキルを表し、ここで、1個または2個のCH基が、O原子もしくはS原子によって、および/または−CH=CH−基によって置換されていてもよく、および/または、さらに1〜7個のH原子がFによって置換されていてもよく、
Halは、F、Cl、Br、またはIを表し、
nは、0、1、2、または3を表す;
前記化合物、その薬学的に使用可能な誘導体、塩、溶媒和化合物、および立体異性体、ならびにあらゆる比におけるこれらの混合物。
【0076】
本発明による化合物、およびまたそれらの調製のための出発物質は、さらに、文献において(例えば、Houben-Weyl, Methoden der organischen Chemie [Methods of Organic Chemistry], Georg-Thieme-Verlag, Stuttgartなどの標準的な研究において)記載されるようなそれ自体が公知の方法によって調製され、正確には、上記の反応についての公知かつ好適な反応条件下において、調製される。また、ここで、それ自体が公知の変異種(variant)が利用され得るが、これは、ここでは詳細に言及しない。
【0077】
所望の場合、上記の出発物質はまた、反応混合物から単離されないが、その代わり、ただちに本発明による化合物へとさらに変換されるように、インサイチュで形成され得る。
【0078】
開始化合物は一般に公知である。しかし、出発化合物が新規である場合、それらは、それ自体が公知である方法によって調製され得る。
【0079】
式Iの化合物は、好ましくは、以下の式Iの化合物を、式IIIの化合物と反応させることによって得られてもよい:
【化3】

【0080】
式I中、
Tは、CX、N、またはCRを表し、
T’は、CX、N、またはCRを表し、
ここで、ラジカルのTまたはT’の一方がCRを表す場合、もう一方はCRではないことを前提とし、
Rは、−C(=O)−Lを表し、
、W、D、およびXは、請求項1において示される意味を有し、ならびに、
Lは、Cl、Br、I、または遊離のOH基もしくは反応性に機能的に修飾されたOH基を表す。
【0081】
反応は、当業者に公知の方法によって行われる。
【0082】
反応は、一般に、不活性な溶媒中で酸結合剤の存在下において行う。酸結合剤は、好ましくは、DIPEA、トリエチルアミン、ジメチルアニリン、ピリジン、またはキノリンなどの有機塩基である。
また、アルカリ金属もしくはアルカリ土類金属の水酸化物、炭酸塩、もしくは炭酸水素塩の添加、または、アルカリ金属もしくはアルカリ土類金属の別の弱酸の塩、好ましくはカリウム、ナトリウム、カルシウム、もしくはセシウムの塩の添加も好ましい。
【0083】
好適な不活性溶媒は、例えば、以下である:炭化水素(ヘキサン、石油エーテル、ベンゼン、トルエン、もしくはキシレンなど);塩化炭化水素(トリクロロエチレン、1,2−ジクロロエタン、四塩化炭素、クロロホルム、もしくはジクロロメタンなど);アルコール(メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−プロパノール、n−ブタノール、もしくはtert−ブタノールなど);エーテル(ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)、もしくはジオキサンなど);グリコールエーテル(エチレングリコールモノメチルエーテル、もしくはエチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル(ジグライム(diglyme))など;ケトン(アセトンもしくはブタノンなど);アミド(アセトアミド、ジメチルアセトアミド、もしくはジメチルホルムアミド(DMF)など);ニトリル(アセトニトリルなど);スルホキシド(ジメチルスルホキシド(DMSO)など);二硫化炭素;カルボン酸(ギ酸もしくは酢酸など);ニトロ化合物(ニトロメタンもしくはニトロベンゼンなど);エステル(酢酸エチルなど)、または上記の溶媒の混合物。
【0084】
使用される条件に依存して、反応時間は、数分間と14日間との間であり、反応温度は、約−30℃と約140℃との間であり、通常は、−10℃と110℃との間であり、特に、20℃と100℃との間である。
【0085】
Lは、好ましくは、Cl、Br、I、または遊離のOH基もしくは反応性に修飾されたOH基を表し、例えば、1〜6個のC原子を有する、活性化されたエステル、イミダゾリド(imidazolide)もしくはアルキルスルホニルオキシなど(好ましくは、メチルスルホニルオキシもしくはトリフルオロメチルスルホニルオキシ)、または、6〜10個のC原子を有するアリールスルホニルオキシ(好ましくは、フェニル−もしくはp−トリルスルホニルオキシ)などである。代表的なアシル化反応におけるカルボキシル基の活性化のためのこの型のラジカルは、文献(例えば、Houben-Weyl, Methoden der organischen Chemie [Methods of Organic Chemistry], Georg-Thieme-Verlag, Stuttgartなどの標準的な研究)において記載される。
活性化されたエステルは、インサイチュで、例えばHOBtもしくはN−ヒドロキシスクシンイミドの添加によって、有利に形成される。
【0086】
エーテルの切断は、当業者に公知の方法を使用して行う。
水素化分解によって(hydrogenolytically)除去される保護基(例えば、ベンジル)は、触媒(例えば、パラジウムなどの貴金属触媒;炭素などの支持体上のものが有利である)の存在下において水素を用いる処置によって切り取ることができる。ここで、好適な溶媒は、上記のものであり、特に、メタノールもしくはエタノールなどのアルコール、またはDMFなどのアミドである。水素化分解は、一般に、約0℃と100℃との間の温度および約1バールと約200バールとの間の圧力で行われ、好ましくは、20〜30℃および1〜10バールで行われる。
エーテル切断の別の標準的方法は、三臭化ボロンの使用である。
【0087】
薬学的な塩または他の形態
本発明による上記の化合物は、それらの最終の非塩形態において使用されてもよい。一方、本発明はまた、これらの化合物の薬学的に受容可能な塩の形態における使用を包含する。これらの化合物の薬学的に受容可能な塩は、当該分野において公知の手順によって、種々の有機または無機の酸または塩基から誘導することができる。式Iの化合物の薬学的に受容可能な塩の形態は、その大部分について従来の方法によって調製することができる。
【0088】
式Iの化合物がカルボキシル基を含む場合、この化合物の好適な塩の一つは、この化合物と好適な塩基とを反応させて、対応する塩基付加塩を得ることによって形成することが出来る。かかる塩基は、例えば、アルカリ金属水酸化物(水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、および水酸化リチウムを含む);アルカリ土類金属水酸化物(水酸化バリウムおよび水酸化カルシウムなど);アルカリ金属アルコキシド(例えば、カリウムエトキシドおよびナトリウムプロポキシド(sodium propoxide);ならびに、種々の有機塩基(ピペリジン、ジエタノールアミン、およびN−メチルグルタミンなど)である。式Iの化合物のアルミニウム塩も同様に含まれる。
【0089】
式Iの特定の化合物の場合、以下を用いてこれらの化合物を処理することによって、酸付加塩を形成することができる:薬学的に受容可能な有機酸または無機酸(例えば、ハロゲン化水素(塩化水素、臭化水素、もしくはヨウ化水素など)、他の鉱酸および対応するそれらの塩(硫酸、硝酸、もしくはリン酸など)、ならびにアルキルスルホン酸およびモノアリールスルホン酸(エタンスルホン酸、トルエンスルホン酸、およびベンゼンスルホン酸など)、ならびに他の有機酸および対応するそれらの塩(酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、酒石酸塩、マレイン酸塩、コハク酸塩、クエン酸塩、安息香酸塩、サリチル酸塩、アスコルビン酸塩(ascorbate)など)。
【0090】
従って、式Iの化合物の薬学的に受容可能な酸付加塩としては、以下が挙げられるが、これは、制限を表さない:酢酸塩、アジピン酸塩、アルギン酸塩、アルギニン酸塩、アスパラギン酸塩、安息香酸塩、ベンゼンスルホン酸塩(ベシレート)、重硫酸塩(bisulfate)、亜硫酸水素塩、臭化物塩、酪酸塩、カンホラート(camphorate)、カンファースルホネート(camphorsulfonate)、カプリル酸塩、塩化物塩、クロロベンゾエート、クエン酸塩、シクロペンタンプロピオネート、ジグルコネート(digluconate)、リン酸二水素塩、ジニトロベンゾエート、ドデシル硫酸塩、エタンスルホネート、フマル酸塩、ガラクテラート(galacterate)(粘液酸から)、ガラクツロン酸塩(galacturonate)、グルコヘプタノエート、グルコネート、グルタミン酸塩、グリセロリン酸塩、ヘミスクシネート(hemisuccinate)、ヘミサルフェート(hemisulfate)、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩(hexanoate)、馬尿酸塩、塩化水素、臭化水素、ヨウ化水素、2−ヒドロキシエタンスルホン酸、ヨウ化物、イセチオン酸塩、イソ酪酸塩、乳酸塩、ラクトビオン酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、マンデル酸塩(mandelate)、メタリン酸塩(metaphosphate)、メタンスルホン酸塩、安息香酸メチル、リン酸一水素塩(monohydrogenphosphate)、2−ナフタレンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、硝酸塩、シュウ酸塩、オレイン酸塩、パルモエート(palmoate)、ペクチネート(pectinate)、過硫酸塩、フェニル酢酸塩、3−フェニルプロピオン酸塩、リン酸塩、ホスホン酸塩、フタル酸塩。
【0091】
さらに、本発明による化合物の塩基性塩としては、アルミニウム、アンモニウム、カルシウム、銅、鉄(III)、鉄(II)、リチウム、マグネシウム、マンガン(III)、マンガン(II)、カリウム、ナトリウム、および亜鉛の塩が挙げられるが、これは制限を表すことを意図しない。上述の塩のうち、以下が好ましい:アンモニウム;アルカリ金属塩(ナトリウムおよびカリウム)ならびにアルカリ土類金属塩(カルシウムおよびマグネシウム)。
【0092】
薬学的に受容可能な有機の非毒性塩基から誘導される式Iの化合物の塩としては、一級アミン、二級アミン、および三級アミンの塩、置換アミンの塩が挙げられる。置換アミンはまた、天然に存在する置換アミン、環状アミン、および塩基性イオン交換体樹脂(例えば、アルギニン、ベタイン、カフェイン、クロロプロカイン、コリン、N,N’−ジベンジルエチレンジアミン(ベンザチン)、ジシクロヘキシルアミン、ジエタノールアミン、ジエチルアミン、2−ジエチルアミノエタノール、2−ジメチルアミノエタノール、エタノールアミン、エチレンジアミン、N−エチルモルホリン、N−エチルピペリジン、グルカミン、グルコースアミン、ヒスチジン、ヒドラバミン(hydrabamine)、イソプロピルアミン、リドカイン、リシン、メグルミン、N−メチル−D−グルカミン、モルホリン、ピペラジン、ピペリジン、ポリアミン樹脂、プロカイン、プリン、テオブロミン、トリエタノールアミン、トリエチルアミン、トリメチルアミン、トリプロピルアミン、およびトリス−(ヒドロキシメチル)メチルアミン(トロメタミン))が挙げられるが、これは、制限を表すことを意図しない。
【0093】
塩基性の窒素含有基を含む本発明の化合物は、以下の因子を使用して四級化することができる:(C〜C)ハロゲン化アルキル(例えば、メチル、エチル、イソプロピル、およびtert−ブチルの塩化物、臭化物、およびヨウ化物);ジ(C〜C)硫酸アルキル(例えば、硫酸ジメチル、硫酸ジエチル、および硫酸ジアミル);(C10〜C18)ハロゲン化アルキル(例えば、デシル、ドデシル、ラウリル、ミリスチル、およびステアリルの塩化物、臭化物、およびヨウ化物);ならびに、アリール(C〜C)ハロゲン化アルキル(例えば、塩化ベンジルおよび臭化フェネチル)。かかる塩を使用して、水溶性および油溶性の両方の本発明による化合物を調製することが出来る。
【0094】
上述の薬学的塩の好ましいものとして、酢酸塩、トリフルオロアセテート、ベシレート、クエン酸塩、フマル酸塩、グルコネート、ヘミスクシネート、馬尿酸塩、塩化水素塩、臭化水素塩、イセチオン酸塩、マンデル酸塩、メグルミン、硝酸塩、オレイン酸塩、リン酸塩、ピバレート(pivalate)、リン酸ナトリウム、ステアリン酸塩、硫酸塩、スルホサリチル酸塩(sulfosalicylate)、酒石酸塩、チオリンゴ酸塩、トシレート、およびトロメタミンが挙げられるが、これは、制限を表すことを意図しない。
【0095】
式Iの塩基性化合物の酸付加塩は、遊離塩基形態を充分量の所望の酸と接触させて、従来的な様式において塩の形成を引き起こすことによって調製される。この塩形態を塩基と接触させて、従来的な様式において遊離塩基を単離することによって、遊離塩基を再生することができる。遊離塩基形態は、特定の観点において、特定の物理的特性(極性溶媒中での可溶性など)に関して、対応する塩形態と異なる;しかし、本発明の目的のためには、塩は、他の点で、その各々の遊離塩基形態に対応する。
【0096】
言及したように、薬学的に受容可能な式Iの化合物の塩基付加塩は、金属またはアミン(アルカリ金属およびアルカリ土類金属、または有機アミンなど)を用いて形成される。好ましい金属は、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、およびカルシウムである。好ましい有機アミンは、N,N’−ジベンジルエチレンジアミン、クロロプロカイン、コリン、ジエタノールアミン、エチレンジアミン、N−メチル−D−グルカミン、およびプロカインである。
【0097】
本発明による酸性化合物の塩基付加塩は、遊離酸形態を充分量の所望の塩基に接触させて、従来的な様式において塩の形成を引き起こすことによって調製される。この塩形態を酸と接触させて、従来的な様式において遊離酸を単離することによって、遊離酸を再生することができる。遊離酸形態は、特定の観点において、特定の物理的特性(極性溶媒中での可溶性など)に関して、対応する塩形態と異なる;しかし、本発明の目的のためには、塩は、他の点で、その各々の遊離酸形態に対応する。
【0098】
本発明による化合物が、この型の薬学的に受容可能な塩を形成し得る一つより多い群を含む場合、本発明はまた、複塩(multiple salt)を包含する。代表的な複塩形態としては、例えば、二酒石酸塩、二酢酸塩、二フマル酸塩、ジメグルミン、二リン酸塩、二ナトリウム塩、および三塩酸塩(trihydrochloride)が挙げられるが、これは、制限を表すことを意図しない。
【0099】
上記と関連して、本発明の文脈における「薬学的に受容可能な塩」という表現は、特に、この塩形態が、活性成分に、先に使用されたその活性成分の遊離形態またはその活性成分の任意の他の塩形態と比較して、改善された薬物動態的特性を与える場合、式Iの化合物をその塩の一つの形態において含有する活性成分を意味すると理解される。この活性成分の薬学的に受容可能な塩形態はまた、この活性成分に、それ以前には有しなかった所望の薬物動態的特性を初めて供与し得、この活性成分の薬物動態に対して、体内におけるその治療効力に関して正の影響を与えることすら可能である。
【0100】
本発明による式Iの化合物は、それらの分子構造に起因するキラルであってもよく、従って、種々の鏡像異性体形態において生じ得る。従って、これらはラセミ形態において存在しても、または光学活性形態において存在してもよい。
【0101】
本発明による化合物のラセミ体または立体異性体の薬学的活性は異なり得るので、鏡像異性体を使用することが望ましい場合もあり得る。これらの場合において、最終生成物、または中間物質すらが、当業者に公知の化学的手段もしくは物理的手段によって鏡像異性体化合物へと分離されてもよく、または、それら自体が合成において使用されてもよい。
【0102】
ラセミのアミンの場合、光学分割剤との反応によって、混合物からジアステレオマーが形成される。好適な光学分割剤の例は、R形態およびS形態の酒石酸、ジアセチル酒石酸、ジベンソイル酒石酸、マンデル酸、リンゴ酸、乳酸、好適にN−保護されたアミノ酸(例えば、N−ベンゾイルプロリンもしくはN−ベンゼンスルホニルプロリン)などの光学活性酸、または種々の光学活性カンファースルホン酸などである。また、光学分割剤(例えば、ジニトロベンゾイルフェニルグリシン、セルローストリアセテート、または他の炭水化物の誘導体、またはシリカゲル上に固定されたキラル誘導体化メタクリレートポリマー)を用いてのクロマトグラフィー鏡像異性体分割も有利である。この目的のための好適な溶出剤は、水性溶媒またはアルコール性溶媒の混合物(例えば、82:15:3の比における、ヘキサン/イソプロパノール/アセトニトリルなど)である。
【0103】
本発明は、さらに、医薬(薬学的組成物)の調製のための、上記の化合物および/またはその生理学的に受容可能な塩の使用に関し、特に、非化学的方法による使用に関する。これらは、ここで、少なくとも1種類の固体、液体、および/または半液体の賦形剤またはアジュバントとともに、ならびに、所望の場合は一種類以上のさらなる活性成分と組み合わせて、好適な投与形態へと変換されてもよい。
【0104】
本発明は、さらに、以下を含有する医薬に関する:少なくとも一つの本発明による化合物、ならびに/またはその薬学的に使用可能な誘導体、溶媒和化合物、および立体異性体、あらゆる比におけるこれらの混合物、ならびに必要に応じて賦形剤および/またはアジュバント。
【0105】
薬学的処方物は、一投与単位あたり前もって決定された量の活性成分を含む投与単位の形態において、投与されてもよい。かかる単位は、処置される疾患の状態、投与の方法、ならびに患者の年齢、体重、および状態に依存して、例えば、0.5mg〜1g、好ましくは1mg〜700mg、特に好ましくは5mg〜100mgの、本発明による化合物を含む。または、薬学的処方物は、一投与単位あたり前もって決定された量の活性成分を含む投与単位の形態において、投与されても良い。好ましい投与単位処方物は、上記のような日用量もしくは分割用量、またはそれに相当する割合の活性成分を含む処方物である。さらに、この型の薬学的処方物は、製薬分野において一般に公知であるプロセスを使用して調製されてもよい。
【0106】
薬学的処方物は、任意の所望の好適な方法を介する(例えば、経口(口腔内または舌下を含む)、直腸、鼻内、局所(口腔内、舌下、もしくは経皮を含む)、膣内、非経口(皮下、筋肉内、静脈内、もしくは経皮を含む)の方法による)投与のために、適応させられ得る。製薬分野において公知のあらゆるプロセス(例えば、活性成分と賦形剤またはアジュバントとを組み合わせる工程)を使用して、かかる処方物を調製してもよい。
【0107】
経口投与のために適応させられた薬学的処方物は、例えば、カプセル剤もしくは錠剤;散剤もしくは顆粒;水性液体もしくは非水性液体中の溶液もしくは懸濁液;食用泡(edible foam)もしくは泡状食品(foam food);または水中油型液体乳液もしくは油中水型液体乳液などの個別の単位として、投与されてもよい。
【0108】
したがって、例えば、錠剤またはカプセル剤の形態における経口投与の場合において、活性成分の構成要素を、経口の非毒性かつ薬学的に受容可能な不活性賦形剤(例えば、エタノール、グリセロール、水など)と組み合わせてもよい。散剤は、化合物を好適な微細サイズまで粉砕して、同様の様式において粉砕された薬学的賦形剤(例えば、食用の炭水化物(例えば、デンプンまたはマンニトールなど)など)と混合することによって、調製される。香味剤、保存剤、分散剤、および色素が、同様に存在してもよい。
【0109】
カプセル剤は、上記の散剤を調製し、成形されたゼラチンの殻をその散剤で充填することによって、製造される。流動促進剤(glidant)および潤滑剤(例えば、高分散したケイ酸、タルク、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、または固体形態のポリエチレングリコールなど)が、充填操作の前に、散剤混合物に添加されてもよい。崩壊剤(disintegrant)または可溶化剤(例えば、寒天、炭酸カルシウム、または炭酸ナトリウムなど)が、同様に、カプセルが摂取された後のその医薬の有用性を改善するために、添加されてもよい。
【0110】
さらに、所望の場合または必要な場合、好適な結合剤、光沢剤、および崩壊剤、ならびに色素が、同様に、上記の混合物に組み込まれてもよい。好適な結合剤としては、デンプン、ゼラチン、天然の糖(例えば、ブドウ糖もしくはβ−ラクトースなど)、トウモロコシから作られた甘味料、天然ゴムもしくは合成ゴム(例えば、アカシア、トラガカント、もしくはアルギン酸ナトリウムなど)、カルボキシメチルセルロース、ポリエチレングリコール、ロウなどが挙げられる。これらの投与形態において使用され潤滑剤としては、オレイン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、安息香酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、塩化ナトリウムなどが挙げられる。崩壊剤としては、デンプン、メチルセルロース、寒天、ベントナイト、キサンタンガム(xanthan gum)などが挙げられるが、これらに限定されない。
【0111】
錠剤は、例えば、散剤混合物を調製して、その混合物を顆粒化するかまたは乾式プレスし、潤滑剤および崩壊剤を添加し、混合物全体を加圧して錠剤を得ることによって、処方される。散剤混合物は、上記のように、好適な様式において粉砕された化合物を希釈剤または基剤と混合し、必要に応じて、結合剤(例えば、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸、ゼラチン、もしくはポリビニルピロリドンなど)、溶解遅延剤(例えば、パラフィンなど)、吸収促進剤(例えば、四級塩など)、および/または吸収剤(例えば、ベントナイト、カオリン、もしくはリン酸二カルシウムなど)と混合することによって、調製される。
【0112】
散剤混合物は、結合剤(例えば、シロップ、デンプンのペースト、アカシア粘液、またはセルロースもしくはポリマー物質の溶液)を用いて湿潤させ、篩を通して押し出すことによって、顆粒化されてもよい。顆粒化の代替として、散剤混合物を、錠剤成形機にかけて、不均一な形状の塊を得て、これを破壊して顆粒を形成させてもよい。顆粒は、錠剤成形型(tablet casting mould)に貼り付くことを防ぐために、ステアリン酸、ステアリン酸塩、タルク、または鉱物油の添加によって潤滑化されてもよい。
【0113】
本発明による化合物はまた、顆粒化または乾式プレスの工程を行わず、流動する(free-flowing)不活性賦形剤と組み合わせて、次いで、直接的に加圧して錠剤を得てもよい。セラックの密封層、糖またはポリマー物質の層、およびロウの光沢層からなる、透明または不透明の保護層が存在してもよい。異なる投与単位の間の区別を可能にするために、これらのコーティングに色素が添加されてもよい。
【0114】
例えば、溶液、シロップ、およびエリキシル剤などの経口液は、所与の量が、特定された量の化合物を含むように、投与単位の形態において調製されてもよい。シロップは、化合物を水溶液中で好適な香味剤とともに溶解することによって調製され得るが、一方、エリキシル剤は、非毒性のアルコール性賦形剤を使用して調製される。懸濁液は、非毒性賦形剤中での化合物の拡散によって処方され得る。可溶化剤および乳化剤(例えば、エトキシ化イソステアリルアルコールおよびポリオキシエチレンソルビトールエーテルなど)、保存剤、香味添加剤(例えば、ペパーミント油、または天然甘味料もしくはサッカリン、または他の人工甘味料など)が、同様に添加されてもよい。
【0115】
経口投与のための投与単位処方物は、所望の場合、マイクロカプセルにカプセル化されてもよい。この処方物はまた、放出が延長されるかまたは遅延されるような方法において、例えば、粒子状の材料を、ポリマー、ロウなどでコーティングするか、またはポリマー、ロウなどの中に包埋することによって、調製されてもよい。
【0116】
本発明による化合物、ならびにその塩、溶媒和化合物、および生理学的に機能的な誘導体は、また、リポソーム・デリバリー・システムの形態(小単層リポソーム、大単層リポソーム、および多層リポソームなど)において投与されてもよい。リポソームは、種々のリン脂質(例えば、コレステロール、ステアリルアミン、またはホスホチジルコリン)から形成され得る。
【0117】
本発明による化合物、ならびにその塩、溶媒和化合物、および生理学的に機能的な誘導体は、また、モノクローナル抗体を化合物分子が結合する個々のキャリアとして使用して送達してもよい。また、この化合物を、ターゲティングされた医薬用キャリアとしての可溶性ポリマーに結合させてもよい。かかるポリマーとしては、パルミトイルラジカルによって置換された、ポリビニルピロリドン、ピランコポリマー、ポリヒドロキシプロピルメタクリルアミドフェノール、ポリヒドロキシエチルアスパルトアミドフェノール、またはポリエチレンオキシドポリリジンが挙げられ得る。上記の化合物を、さらに、医薬の徐放を達成するために好適な種類の生物分解性ポリマー(例えば、ポリ乳酸、ポリ−イプシロン−カプロラクトン、ポリヒドロキシ酪酸、ポリオルトエステル、ポリアセタール、ポリジヒドロキシピラン、ポリシアノアクリレート、およびハイドロゲルの架橋ブロックコポリマーまたは両親媒性ブロックコポリマー)と結合させてもよい。
【0118】
経皮投与のために適応させた薬学的処方物は、レシピエントの上皮との広域での密接な接触のための、個別の硬膏剤として投与されてもよい。したがって、例えば、Pharmaceutical Research, 3(6), 318 (1986)において概括的に記載されるように、硬膏剤からイオン泳動によって活性成分を送達してもよい。
【0119】
局所投与のために適応された薬学的化合物は、軟膏剤、クリーム、懸濁液、ローション、散剤、溶液、ペースト剤、ゲル、スプレー剤、アエロゾル、または油として処方されてもよい。
【0120】
眼、または他の外組織(例えば、口および皮膚)の処置のためには、処方物は、好ましくは、局所用の軟膏剤またはクリームとして適用される。軟膏を得るための処方物の場合、活性成分は、パラフィン基剤または水混和性クリーム基剤のいずれかとともに使用され得る。あるいは、クリームを得るためには、活性成分は、水中油型クリーム基剤または油中水型基剤とともに処方され得る。
【0121】
眼への局所適用のために適応された薬学的処方物としては、点眼剤が挙げられ、点眼剤においては、活性成分は、好適なキャリア(特に、水性溶媒)中に溶解または懸濁される。
口への局所適用のために適応された薬学的処方物としては、ロゼンジ剤、トローチ剤、および口腔洗浄剤が挙げられる。
直腸投与のために適応された薬学的処方物は、座剤または浣腸の形態において投与されてもよい。
【0122】
鼻内投与のために適応された、キャリア物質が固体の薬学的処方物は、例えば、20〜500マイクロメートルの範囲の粒子サイズを有する粗末(coarse powder)を含み、これは、嗅ぎたばこを摂取する様式において(すなわち、鼻のそばに保持された散剤を含有する容器からの鼻腔を介する急速吸引によって)投与される。液体をキャリア物質として用いる鼻用スプレーまたは鼻用滴下剤としての投与のために好適な処方物としては、水中または油中の活性成分溶液が挙げられる。
吸引による投与のために適用された薬学的処方物としては、微粒子の粉塵(dust)または噴霧剤(mist)が挙げられ、これらは、アエロゾルを用いるた種々の型の加圧ディスペンサー、噴霧器、または吸入器によって、作り出すことが出来る。
【0123】
膣投与のために適応された薬学的処方物は、ペッサリー、タンポン、クリーム、ゲル、ペースト剤、泡剤、またはスプレー剤の処方物として投与されてもよい。
【0124】
非経口投与のために適応された薬学的処方物としては、以下が挙げられる:水性または非水性の滅菌注射溶液(これは、抗酸化剤、緩衝液、静菌剤、および、この処方物をレシピエントの血液と等張にするための溶質を含む);ならびに水性または非水性の滅菌懸濁液(これは、懸濁媒(suspension media)および増粘剤(thickener)を含んでもよい)。この処方物は、単一用量容器中で投与されても複数用量容器中(例えば、密封されたアンプルおよびバイアル中)で投与されてもよく、使用の直前に滅菌のキャリア液(例えば、注射の目的のための水)を添加することしか必要としないように、凍結乾燥した状態で保存される。
上記の処方に従って調製される注射溶液および懸濁液は、滅菌の散剤、顆粒剤、および錠剤から調製してもよい。
【0125】
言及するまでもないことであるが、上記で特に言及した構成要素に加えて、処方物はまた、特定の型の処方と関連する当該分野における通常の他の薬剤を含んでもよい;したがって、例えば、経口投与のために好適である処方物は、香味剤を含んでもよい。
【0126】
本発明の化合物の治療上の有効量は、多数の因子(例えば、ヒトまたは動物の年齢および体重、処置を必要とする疾患の正確な状態およびその重篤度、処方物の性質、ならびに投与の方法が挙げられる)に依存し、最終的には、処置を行う医師または獣医師によって決定される。しかし、本発明による化合物の有効量は、一般的には、1日あたり、レシピエント(哺乳動物)の体重1kgあたり0.1〜100mgの範囲であり、特に代表的には、1日あたり、体重1kgあたり1〜10mgの範囲である。したがって、体重70kgの成体哺乳動物のための1日あたりの実際の量は、通常、70〜700mgの間であり、この量は、1日あたりの個別の用量として投与されても、または、通常は、総日用量が同じであるように、1日あたり一連の分割用量において(例えば、2回、3回、4回、5回、もしくは6回)投与されてもよい。本発明による化合物の塩、溶媒和化合物、またはその生理学的に機能的な誘導体の有効量は、本発明による化合物自体の有効量に対する割合として決定される。同様の用量が上述の他の状態の処置のために好適であることが、推測される。
【0127】
本発明は、さらに、以下を含有する医薬に関する:本発明の少なくとも一つの化合物、および/またはその薬学的に使用可能な誘導体、溶媒和化合物、立体異性体、あらゆる比におけるそれらの混合物、ならびに少なくとも1種のさらなる医薬用活性成分。
【0128】
本発明はまた、以下の別々の包装物からなるセット(キット)に関する:
(a)本発明による化合物、ならびに/または、その薬学的に使用可能な誘導体、溶媒和化合物、および立体異性体であって、あらゆる比におけるそれらの混合物を含む化合物の有効量
ならびに
(b)さらなる医薬用活性成分の有効量。
【0129】
上記のセットは、箱、個別のボトル、バッグ、またはアンプルなどの、好適な容器を含む。このセットは、例えば、個別のアンプルを含んでもよく、これらの各々は、本発明の化合物、ならびに/またはその薬学的に使用可能な誘導体、溶媒和化合物、および立体異性体であって、あらゆる比におけるこれらの混合物を含む化合物の有効量、ならびにさらなる医薬用活性成分の有効量を、溶解形態または凍結乾燥形態において含有する。
【0130】
使用
本発明の化合物は、SGK誘導性疾患の処置における、哺乳動物のため(特に、ヒトのため)の薬学的活性成分として好適である。
【0131】
したがって、本発明は、キナーゼシグナル伝達の阻害、制御、および/または調節が役立つ疾患の処置のための医薬を調製するための、請求項1に記載の化合物、薬学的に使用可能な誘導体、溶媒和化合物、および立体異性体であって、あらゆる比におけるそれらの組み合わせを含む化合物の使用に関する。
ここで、SGKが好ましい。
【0132】
請求項1に記載の化合物によるSGKの阻害によって影響を及ぼされる疾患の処置のための医薬を調製するために、請求項1に記載の化合物、その薬学的に使用可能な誘導体、溶媒和化合物、および立体異性体、ならびにあらゆる比におけるそれらの混合物を使用することが好ましい。
【0133】
本発明は、以下の疾患の処置または予防のための医薬を調製するための、本発明による請求項1に記載の化合物、ならびに/またはその薬学的に受容可能な塩および溶媒和化合物の使用に関する:糖尿病(例えば、真性糖尿病、糖尿病性腎症、糖尿病性ニューロパシー、糖尿病性血管障害、および微小血管障害)、肥満、代謝症候群(脂質代謝異常)、全身性および肺性の筋緊張亢進、心血管疾患(例えば、心筋梗塞後の心臓の線維症、心肥大および心不全、動脈硬化症)、ならびに腎疾患(例えば、糸球体硬化症、腎硬化症、腎炎、腎症、電解質排出障害)、一般にあらゆる型の線維症および炎症プロセス(例えば、肝硬変、肺線維症、線維化膵臓炎、リウマチおよび関節炎、クローン病、慢性気管支炎、放射線線維症、硬化腫、嚢胞性線維症、瘢痕、およびアルツハイマー病)。
【0134】
本発明による化合物はまた、癌の増殖、腫瘍細胞および腫瘍の転移を阻害し得、従って、腫瘍の治療のために好適である。本発明による化合物は、さらに、凝血障害の処置のために使用される。凝血障害とは、例えば、異常フィブリノーゲン血症、低プロコンバーチン血症、血友病B、スチュアート・プラウアー欠損症、プロトロンビン複合体欠乏症、消費性凝固障害、過剰線維素溶解、免疫性凝固障害、または複合凝固障害、およびまた、神経性興奮(例えば、てんかん)などである。本発明による化合物は、また、緑内障または白内障の処置において、治療上使用され得る。本発明による化合物は、さらに、細菌感染の処置において、および抗感染治療において、使用される。本発明による化合物は、また、学習能力および注意力の増進のために、治療上使用され得る。
【0135】
以下のための医薬の調製のために、請求項1に記載の化合物、その薬学的に使用可能な誘導体、溶媒和化合物、および立体異性体、ならびにあらゆる比におけるそれらの混合物を含む化合物を使用することが好ましい:糖尿病、肥満、代謝症候群(脂質代謝異常)、全身性および肺性の筋緊張亢進、心血管疾患および腎疾患、一般にあらゆる型の線維症および炎症プロセス、癌、腫瘍細胞、腫瘍転移、凝血障害、神経性興奮、緑内障、白内障、細菌感染の処置または予防のため、ならびに抗感染治療のため、学習能力および注意力の亢進のため、細胞の老化およびストレスの処置および予防のため。
【0136】
糖尿病は、好ましくは、真性糖尿病、糖尿病性腎症、糖尿病性ニューロパシー、糖尿病性血管障害、および微小血管障害である。
心血管疾患は、好ましくは、心筋梗塞後の心臓の線維症、心肥大、心不全、および動脈硬化症である。
腎疾患は、好ましくは、糸球体硬化症、腎硬化症、腎炎、腎症、および電解質排出障害である。
線維症および炎症プロセスは、好ましくは、肝硬変、肺線維症、線維化膵臓炎、リウマチおよび関節炎、クローン病、慢性気管支炎、放射線線維症、硬化腫、嚢胞性線維症、瘢痕、およびアルツハイマー病である。
【0137】
本発明は、さらに、以下の式I−Iの中間化合物に関する:
【化4】

【0138】
式中、
Dは、O、NH、またはSを表し、
Wは、CXまたはNを表し、
Tは、CX、N、またはCRを表し、
T’は、CX、N、またはCRを表し、
ここで、ラジカルのTまたはT’の一方がCRを表す場合、もう一方はCRでないことを前提とし、
Rは、COOHを表し、
Xは、Hを表し、
は、R、−[C(RCON(R、COR、またはS(O)Aを表し、
は、H、A、−[C(R−Ar’、−[C(R−Het’、−[C(R−シクロアルキル、−[C(R−OR、−[C(R−COOA、または−[C(RN(Rを表し、
は、HまたはAを表し、
【0139】
Aは、1〜10個のC原子を有する直鎖または分枝鎖のアルキルを表し、ここで、1個もしくは2個のCH基が、O原子もしくはS原子によって置換されていても、および/または−CH=CH−基によって置換されていてもよく、ならびに/あるいは、さらに1〜7個のH原子が、Fによって置換されていてもよく、
Ar’は、置換されていないフェニル、または、Halおよび/もしくはAによって、一置換、二置換、もしくは三置換されるフェニルを表し、
Het’は、1〜2個のNおよび/またはOを有する単環式の、飽和、不飽和、または芳香族の複素環を表し、これは、置換されていなくても、A、Hal、OH、および/またはOAによって、一置換、二置換、または三置換されていてもよく、
Halは、F、Cl、Br、またはIを表し、
mは、0、1、または2を表し、
nは、0、1、2、または3を表す、
前記化合物、該化合物の薬学的に使用可能な誘導体、塩、溶媒和化合物、および立体異性体、ならびにあらゆる比におけるそれらの混合物。
【0140】
以下の式I−Iの中間化合物が好ましい:
Dが、O、NH、またはSを表し、
Wが、CXまたはNを表し、
Tが、CX、N、またはCRを表し、
T’が、CX、N、またはCRを表し、
ここで、ラジカルのTまたはT’の一方がCRを表す場合、もう一方はCRでないことを前提とし、
Rが、COOHを表し、
Xが、Hを表し、
が、R、−[C(RCON(R、COR、またはS(O)Aを表し、
が、H、A、−[C(R−Ar’、−[C(R−OR、−[C(R−COOA、または−[C(RN(R2を表し、
が、HまたはAを表し、
【0141】
Aが、1〜10個のC原子を有する直鎖または分枝鎖のアルキルを表し、さらに1〜7個のH原子がFによって置換されていてもよく、
Ar’が、置換されていないフェニル、または、Halおよび/もしくはAによって一置換、二置換、もしくは三置換されたフェニルを表し、
Halが、F、Cl、Br、またはIを表し、
mが、0、1、または2を表し、
nが、0、1、2、または3を表す、
前記化合物、ならびに/またはその薬学的に使用可能な誘導体、塩、溶媒和化合物、および立体異性体、あらゆる比におけるそれらの混合物。
【0142】
以下の式I−Iの中間化合物が特に好ましい:
Dが、O、NH、またはSを表し、
Wが、CXまたはNを表し、
Tが、CX、N、またはCRを表し、
T’が、CX、N、またはCRを表し、
ここで、ラジカルのTまたはT’の一方がCRを表す場合、もう一方はCRでないことを前提とし、
Rが、COOHを表し、
Xが、Hを表し、
が、Rまたは−(CHCONHRを表し、
が、H、A、または−(CH−Ar’を表し、
【0143】
Aが、1〜10個のC原子を有する直鎖または分枝鎖のアルキルを表し、さらに1〜7個のH原子がFによって置換されていてもよく、
Ar’が、置換されていないフェニル、または、Halおよび/もしくはAによって一置換、二置換、もしくは三置換されたフェニルを表し、
Halが、F、Cl、Br、またはIを表し、
nが、0、1、2、または3を表す
前記化合物、および/またはその薬学的に使用可能な誘導体、塩、溶媒和化合物、立体異性体、あらゆる比におけるそれらの混合物。
【0144】
本発明は、さらに、以下の群から選択される中間化合物に関する:
2−(3−アミノ−1H−インダゾール−5−イル)−3H−イミダゾール−4−カルボン酸(「58」)、
2−(3−アミノ−1H−インダゾール−5−イル)オキサゾール−4−カルボン酸(「59」)、
5−(3−アミノ−1H−インダゾール−5−イル)フラン−2−カルボン酸(「60」)、
5−(3−アミノ−1−p−トリルカルバモイル−1H−インダゾール−5−イル)フラン−2−カルボン酸(「86」)、
5−(3−アミノ−1−ベンジル−1H−インダゾール−5−イル)フラン−2−カルボン酸(「87」)、
5−(3−アミノ−1−メチル−1H−インダゾール−5−イル)フラン−2−カルボン酸(「88」)、
および/またはその薬学的に使用可能な誘導体、塩、溶媒和化合物、立体異性体、あらゆる比におけるそれらの混合物。
【0145】
本発明は、以下を含む医薬に関する:式I−Iの少なくとも一つの化合物、および/またはその薬学的に使用可能な誘導体、塩、溶媒和化合物、立体異性体、あらゆる比におけるそれらの混合物、ならびに必要に応じて、賦形剤および/またはアジュバント。
【0146】
本発明はまた、キナーゼシグナル伝達の阻害、制御、および/または調節が役立つ疾患の処置および/または予防のための医薬を調製するための、式I−Iの化合物、および/またはその薬学的に使用可能な誘導体、塩、溶媒和化合物、立体異性体、あらゆる比におけるそれらの混合物の使用に関する。前記のキナーゼは、好ましくはSGKである。
【0147】
化合物「51」、「58」、「59」、「60」、およびその薬学的に使用可能な誘導体、溶媒和化合物、および立体異性体、ならびにあらゆる比におけるそれらの混合物を使用することが、これらの化合物によるSGKの阻害によって影響を及ぼされる疾患の処置のための医薬を調製するために、さらに好ましい。
【0148】
以下のための医薬を調製するための使用が、特に好ましい:糖尿病、肥満、代謝症候群(脂質代謝異常)、全身性および肺性の筋緊張亢進、心血管疾患および腎疾患、一般にあらゆる型の線維症および炎症プロセス、癌、腫瘍細胞、腫瘍転移、凝固障害、神経性興奮、緑内障、白内障、細菌感染の、処置または予防のため、ならびに、抗感染治療のため、学習能力および注意力の増進のため、細胞の老化およびストレスの処置および予防のため、ならびに、耳鳴の処置のため。
【発明を実施するための最良の形態】
【0149】
[実施例]
アッセイ
例において記載される本発明による化合物を、以下に記載されるアッセイにおいて試験し、キナーゼ阻害活性を有することを見出した。さらなるアッセイは文献より公知であり、当業者によって容易に行われ得る(例えば、Dhanabal et al., Cancer Res. 59:189-197; Xin et al., J. Biol. Chem. 274:9116-9121; Sheu et al., Anticancer Res. 18:4435-4441; Ausprunk et al., Dev. Biol. 38:237-248; Gimbrone et al., J. Natl. Cancer Inst. 52:413-427; Nicosia et al., In Vitro 18:538- 549を参照のこと)。
【0150】
上記および以下において、全ての温度を℃で示す。以下の例において、「通常の後処理(conventional work-up)」とは、以下を意味する:必要であれば、水を加え、必要であれば、最終生成物の構成に依存してpHを2〜10の間に調整し、混合物を酢酸エチルまたはジクロロメタンを用いて抽出し、相を分離し、有機相を硫酸ナトリウム上で乾燥させて蒸発させ、シリカゲルでのクロマトグラフィーおよび/または結晶化によって最終生成物を精製する。シリカゲルでのRf値;溶出液:酢酸エチル/メタノール 9:1。
【0151】
質量分析(MS):
El(電子衝撃イオン化)M
FAB(高速原子衝撃)(M+H)
ESI(エレクトロスプレーイオン化)(M+H)(他に示されない限り)
【0152】
例1
N−3−ヒドロキシベンジル−2−(4−ヒドロキシフェニル)−3H−イミダゾール−4−カルボキサミド(「1」)の調製を、以下のスキームと同様に行う:
【0153】
【化5】

【0154】
1.1
6.75g(25.0mmol)の1,1−ジブロモ−3,3,3−トリフルオロ酢酸を、28mlの水と混合し、6.80g(50.0mmol)の酢酸ナトリウム三水和物を添加する。この溶液を90℃まで加熱し、先に調製しておいた130mlのメタノールおよび35mlの濃縮アンモニアの中の5.31g(25.0mmol)の4−ベンジルオキシベンズアルデヒドの懸濁液に、一度に加える。この反応混合物を、室温で40時間攪拌する。この反応混合物が約70mlの容積に濃縮されたら、形成される沈殿を濾し取る:やや帯黄色の固体としての2−(4−ベンジルオキシフェニル)−5−トリフルオロメチル−1H−イミダゾール;ESI 319。
【0155】
1.2
30mlの2.5Nの水性NaOHを、20mlのメタノール中の1.00g(3.14mmol)の2−(4−ベンジルオキシフェニル)−5−トリフルオロメチル−1H−イミダゾールの溶液に添加し、この混合物を、3時間還流する。この反応混合物を冷却させ、濃塩酸を使用して酸性化する。形成される沈殿を濾し取って乾燥させる:無色の固体としての2−(4−ベンジルオキシフェニル)−3H−イミダゾール−4−カルボン酸;ESI 295。
【0156】
1.3
403mg(2.1mmol)のN−(3−ジメチルアミノプロピル)−N’−塩酸エチルカルボジイミド(DAPECI)を、1mlのDMF中の447mg(1.62mmol)の2−(4−ベンジルオキシフェニル)−3H−イミダゾール−4−カルボン酸と200mg(1.62mmol)の3−ヒドロキシベンジルアミンとの溶液に添加し、この混合物を、室温で18時間攪拌する。この反応混合物を水に加え、形成される沈殿を濾し取る:無色の固体としての、N−3−ヒドロキシベンジル−2−(4−ベンジルオキシフェニル)−3H−イミダゾール−4−カルボキサミド;ESI 400。
【0157】
1.4
440mgの、活性炭素上の水で湿らせたパラジウム(パラジウムの5%)を、10mlのメタノールと5mlのTHFとの混合物中の440mg(1.10mmol)のN−3−ヒドロキシベンジル−2−(4−ベンジルオキシフェニル)−3H−イミダゾール−4−カルボキサミドに添加し、この混合物を、室温および大気圧で17時間水素付加する。触媒を濾過除去し、濾液を蒸発させる:無色の固体としての、N−3−ヒドロキシベンジル−2−(4−ヒドロキシフェニル)−3H−イミダゾール−4−カルボキサミド(「1」);ESI 310。
【0158】
類似の手順から、以下を得る:
N−3−ヒドロキシベンジル−2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−3H−イミダゾール−4−カルボキサミド(「6」)、ESI 326;
N−4−ヒドロキシフェニル−2−(4−ヒドロキシフェニル)−3H−イミダゾール−4−カルボキサミド(「9」)、ESI 296;
N−3−ヒドロキシフェニル−2−(3−ヒドロキシフェニル)−3H−イミダゾール−4−カルボキサミド(「10」)、ESI 296;
N−4−ヒドロキシフェニル−2−(3−ヒドロキシフェニル)−3H−イミダゾール−4−カルボキサミド(「11」)、ESI 296;
N−3−ヒドロキシフェニル−2−(4−ヒドロキシフェニル)−3H−イミダゾール−4−カルボキサミド(「12」)、ESI 296;
N−3−ヒドロキシベンジル−2−(4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)−3H−イミダゾール−4−カルボキサミド(「16」)、ESI 324;
【0159】
N−3−フルオロベンジル−2−(4−ヒドロキシフェニル)−3H−イミダゾール−4−カルボキサミド(「20」)、ESI 312;
N−4−ヒドロキシベンジル−2−(4−ヒドロキシフェニル)−3H−イミダゾール−4−カルボキサミド(「21」)、ESI 310;
N−4−ヒドロキシベンジル−2−(3−ヒドロキシフェニル)−3H−イミダゾール−4−カルボキサミド(「23」)、ESI 310;
N−3−ヒドロキシベンジル−2−(3−ヒドロキシフェニル)−3H−イミダゾール−4−カルボキサミド(「26」)、ESI 310;
N−3−フルオロベンジル−2−(3−ヒドロキシフェニル)−3H−イミダゾール−4−カルボキサミド(「27」)、ESI 312;
N−2−メトキシベンジル−2−(4−ヒドロキシフェニル)−3H−イミダゾール−4−カルボキサミド(「31」)、ESI 324。
【0160】
生成物1.1〜1.3の調製と類似の手順から、以下を得る:
N−3−フルオロベンジル−2−(4−フルオロフェニル)−3H−イミダゾール−4−カルボキサミド(「28」)、ESI 314;
N−3−ヒドロキシベンジル−2−(4−フルオロフェニル)−3H−イミダゾール−4−カルボキサミド(「29」)、ESI 312;
N−3−ヒドロキシベンジル−2−(3−ブロモフェニル)−3H−イミダゾール−4−カルボキサミド(「52」)、ESI 372, 374;
N−3−メトキシベンジル−2−(3−ブロモフェニル)−3H−イミダゾール−4−カルボキサミド(「53」)、ESI 366, 388;
N−3−クロロベンジル−2−(3−ブロモフェニル)−3H−イミダゾール−4−カルボキサミド(「54」)、ESI 392;
N−3−ヒドロキシベンジル−2−(3−クロロフェニル)−3H−イミダゾール−4−カルボキサミド(「55」)、ESI 328;
N−3−メトキシベンジル−2−(3−クロロフェニル)−3H−イミダゾール−4−カルボキサミド(「56」)、ESI 342;
N−3−クロロベンジル−2−(3−クロロフェニル)−3H−イミダゾール−4−カルボキサミド(「57」)、ESI 346。
【0161】
例2
N−3−ヒドロキシベンジル−2−(3−ヒドロキシフェニル)オキサゾール−4−カルボキサミド(「2」)の調製を、以下のスキームと同様に行う:
【0162】
【化6】

【0163】
2.1
1.60g(8.38mmol)のN−(3−ジメチルアミノプロピル)−N’−塩酸エチルカルボジイミド(DAPECI)および0.72mlのN−メチルモルホリンを、5mlのDMF中の1.47g(6.44mmol)の3−ベンジルオキシ安息香酸と1.00g(6.43mmol)のD/L−セリン塩酸メチルエステルとの溶液に添加し、この混合物を、室温で18時間攪拌する。この反応液を、水に加え、形成される沈殿を濾し取る:無色の固体としての、メチル2−(3−ベンジルオキシベンゾイルアミノ)−3−ヒドロキシプロピオン酸;ESI 330。
【0164】
2.2
50mlのジクロロメタン中の1.85g(5.62mmol)のメチル2−(3−ベンジルオキシベンゾイルアミノ)−3−ヒドロキシプロピオン酸の溶液を、アセトン/ドライアイスの恒温漕において−20℃まで冷却し、990mg(6.14mmol)のジエチルアミノ三フッ化硫黄(DAST)を、一滴ずつ添加する。この混合物を、この温度で30分間攪拌し、次いで、3.97g(20.0mmol)の臭化トリクロロメタンおよび3.08g(20.2mmol)の1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ(undec)−7−エン(DBU)を一滴ずつ添加する。この反応混合物を、0℃で7時間攪拌し、次いで、飽和炭酸水素ナトリウム溶液を添加する。有機相を分離除去し、酢酸エチルを用いて水相を抽出する。混在する有機相を蒸発させ、シリカゲルカラムで、石油エーテル/酢酸エチルを使用してクロマトグラフィーを行う:無色の固体としての、メチル2−(3−ベンジルオキシフェニル)オキサゾール−4−カルボキシレート;ESI 310。
【0165】
2.3
7.4mlの1Nの水性NaOHを、20mlのメタノール中の1.90g(6.14mmol)のメチル2−(3−ベンジルオキシフェニル)オキサゾール−4−カルボキシレートの溶液に添加し、この混合物を、室温で18時間攪拌する。この反応混合物を、約7mlの容積まで濃縮させ、濃塩酸を使用して酸性化し、酢酸エチルを用いて抽出する。有機相を硫酸ナトリウム上で乾燥させて蒸発させる:無色の固体としての、2−(3−ベンジルオキシフェニル)オキサゾール−4−カルボン酸;ESI 296。
【0166】
2.4
126mg(0.66mmol)のDAPECIを、1mlのDMF中の150mg(0.51mmol)の2−(3−ベンジルオキシフェニル)オキサゾール−4−カルボン酸と63mg(0.51mmol)の3−ヒドロキシベンジルアミンとの溶液に添加し、この混合物を、室温で18時間攪拌する。この反応混合物を水に加え、形成される沈殿を濾し取る:無色の固体としての、N−3−ヒドロキシベンジル−2−(3−ベンジルオキシフェニル)オキサゾール−4−カルボキサミド;ESI 401。
【0167】
2.5
150mgの、活性炭素上の水で湿らせたパラジウム(Pdの5%)を、10mlのメタノール中の75mg(0.19mmol)のN−3−ヒドロキシベンジル−2−(3−ベンジルオキシフェニル)オキサゾール−4−カルボキサミドの溶液に添加し、この混合物を、室温および大気圧で17時間水素付加する。触媒を濾過除去し、濾液を蒸発させる:無色の固体としての、N−3−ヒドロキシベンジル−2−(3−ヒドロキシフェニル)オキサゾール−4−カルボキサミド(「2」);ESI 311。
【0168】
類似の手順から以下を得る:
N−3−ヒドロキシベンジル−2−(4−ヒドロキシフェニル)オキサゾール−4−カルボキサミド(「7」)、ESI 311;
N−[(R)−1−(3−ヒドロキシフェニル)エチル]−2−(3−ヒドロキシフェニル)オキサゾール−4−カルボキサミド(「8」)、ESI 325;
N−3−ヒドロキシフェニル−2−(3−ヒドロキシフェニル)オキサゾール−4−カルボキサミド(「13」)、ESI 297;
N−4−ヒドロキシベンジル−2−(3−ヒドロキシフェニル)オキサゾール−4−カルボキサミド(「14」)、ESI 311;
N−4−ヒドロキシフェニル−2−(3−ヒドロキシフェニル)オキサゾール−4−カルボキサミド(「15」)、ESI 297;
【0169】
N−3−フルオロベンジル−2−(3−ヒドロキシフェニル)オキサゾール−4−カルボキサミド(「24」)、ESI 313;
N−[(S)−1−(3−ヒドロキシフェニル)エチル]−2−(3−ヒドロキシフェニル)オキサゾール−4−カルボキサミド(「25」)、ESI 325;
N−3−フルオロベンジル−2−(4−ヒドロキシフェニル)オキサゾール−4−カルボキサミド(「30」)、ESI 313;
N−3,5−ジフルオロベンジル−2−(3−ヒドロキシフェニル)オキサゾール−4−カルボキサミド(「44」)、ESI 331;
N−2−メトキシベンジル−2−(3−ヒドロキシフェニル)オキサゾール−4−カルボキサミド(「45a」)、ESI 325;
N−2−メトキシベンジル−2−(4−ヒドロキシフェニル)オキサゾール−4−カルボキサミド(「45」)、ESI 325。
【0170】
以下の化合物は、生成物2.1〜2.4の調製と同様に得られる;
N−3−フルオロベンジル−2−(3−クロロ−6−メトキシフェニル)オキサゾール−4−カルボキサミド(「34」)、ESI 361;
N−3−ヒドロキシベンジル−2−(3−クロロ−6−メトキシフェニル)オキサゾール−4−カルボキサミド(「46」)、ESI 359;
N−[(S)−1−(3−ヒドロキシフェニル)エチル]−2−(3−クロロ−6−メトキシフェニル)オキサゾール−4−カルボキサミド(「47」)、ESI 373;
N−[(R)−1−(3−ヒドロキシフェニル)エチル]−2−(3−クロロ−6−メトキシフェニル)オキサゾール−4−カルボキサミド(「48」)、ESI 373;
N−3−メトキシベンジル−2−(3−クロロ−6−メトキシフェニル)オキサゾール−4−カルボキサミド(「49」)、ESI 373。
【0171】
例3
N−3−ヒドロキシベンジル−5−(4−ヒドロキシフェニル)フラン−2−カルボキサミド(「3」)の調製は、以下のスキームと同様に行う:
【0172】
【化7】

【0173】
3.1
6.90g(36.1mmol)の5−ブロモフラン−2−カルボン酸、1.10g(0.952mmol)のテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、および50mlの水中5.5g(65mmol)の炭酸水素ナトリウムの溶液を、連続して、50mlのトルエンおよび30mlのTHFの混合物中5.00g(32.9mmol)の4−メトキシベンゼンボロン酸の懸濁液に添加する。この反応混合物を、激しく攪拌しながら3時間還流する。この反応混合物を冷却させ、酢酸エチルおよび炭酸水素ナトリウム溶液を添加し、水相を分離する。後者を、1Nの塩酸を使用して酸性化し、形成される沈殿を濾し取って乾燥させる:無色の固体としての、5−(4−メトキシフェニル)フラン−2−カルボン酸;ESI 219。
【0174】
3.2
454mg(2.38mmol)のN−(3−ジメチルアミノプロピル)−N’−塩酸エチルカルボジイミド(DAPECI)を、2mlのDMF中の400mg(1.83mmol)の5−(4−メトキシフェニル)フラン−2−カルボン酸と226mg(1.84mmol)の3−ヒドロキシベンジルアミンとの溶液に添加し、この混合物を、室温で18時間攪拌する。この反応混合物を水に添加し、形成される沈殿を濾し取る:無色の沈殿としての、N−3−ヒドロキシベンジル−5−(4−メトキシフェニル)フラン−2−カルボキサミド(「22」);ESI 324。
【0175】
3.3
130μlの三臭化ホウ素を、5mlのジクロロメタン中の150mg(0.464mmol)のN−3−ヒドロキシベンジル−5−(4−メトキシフェニル)フラン−2−カルボキサミドの溶液に添加し、この混合物を、室温で18時間攪拌する。3mlのメタノールを一滴ずつゆっくりこの反応物に加える。この反応混合物を蒸発させ、残留物にメタノールを加え、この混合物を10分間攪拌して再度蒸発させる:無色の固体としての、N−3−ヒドロキシベンジル−5−(4−ヒドロキシフェニル)フラン−2−カルボキサミド(「3」);ESI 310。
【0176】
生成物3.1〜3.2の調製と類似の手順から、以下を得る:
N−3−ヒドロキシベンジル−5−(3−クロロフェニル)フラン−2−カルボキサミド(「17」)、ESI 328;
N−4−ヒドロキシベンジル−5−(3−クロロフェニル)フラン−2−カルボキサミド(「18」)、ESI 328;
N−(ベンゾ−2,1,3−チアジアゾール−5−イルメチル)−5−(3−クロロフェニル)フラン−2−カルボキサミド(「19」)、ESI 370;
N−2−メトキシベンジル−5−(3−クロロフェニル)フラン−2−カルボキサミド(「32」)、ESI 342。
【0177】
「32」から始めて、3.3と類似の手順から、以下を得る:
N−2−ヒドロキシベンジル−5−(3−クロロフェニル)フラン−2−カルボキサミド(「33」)、ESI 328。
【0178】
以下の化合物は、同様に得られる:
N−3−フルオロベンジル−5−(4−ヒドロキシフェニル)フラン−2−カルボキサミド(「78」)、ESI 312;
N−2−ヒドロキシベンジル−5−(4−ヒドロキシフェニル)フラン−2−カルボキサミド(「77」)、ESI 310;
【0179】
N−[(S)−1−(3−ヒドロキシフェニル)エチル]−5−(4−ヒドロキシフェニル)フラン−2−カルボキサミド(「79」)、ESI 310;
【化8】

【0180】
N−[(R)−1−(3−ヒドロキシフェニル)エチル]−5−(4−ヒドロキシフェニル)フラン−2−カルボキサミド(「80」)、ESI 324;
N−3−ヒドロキシベンジル−5−(3−ヒドロキシフェニル)フラン−2−カルボキサミド(「82」)、ESI 310;
N−3−クロロベンジル−5−(3−ヒドロキシフェニル)フラン−2−カルボキサミド(「83」)、ESI 328;
N−3−ベンジルオキシベンジル−5−(2−メチル−4−メトキシフェニル)フラン−2−カルボキサミド(「84」)、ESI 414;
N−3−メトキシベンジル−5−(2−メチル4−メトキシフェニル)フラン−2−カルボキサミド(「85」)、ESI 338。
【0181】
例4
N−3−ヒドロキシベンジル−2−(4−ヒドロキシフェニル)チアゾール−5−カルボキサミド(「4」)の調製を、以下のスキームと同様に行う:
【0182】
【化9】

【0183】
4.1
200mlのトルエン中の5.00g(29.9mmol)の4−メトキシチオベンズアミドおよび4.50g(29.9mmol)のエチル2−クロロ−3−オキソプロピオン酸の溶液を水分離器で加熱し、3時間沸騰させる。この溶液を冷却させ、炭酸水素ナトリウムの飽和水溶液を添加する。有機相を分離し、硫酸ナトリウム上で乾燥させて蒸発させる:無色の固体としての、エチル2−(4−メトキシフェニル)チアゾール−5−カルボキシレート;ESI 264。
【0184】
4.2
20mlの48%水性臭化水素酸中3.50g(13.3mmol)のエチル2−(4−メトキシフェニル)チアゾール−5−カルボキシレートの溶液を、100℃で18時間加熱する。この混合物を冷却させ、tert−ブチルメチルエーテルを用いて抽出する。有機相を硫酸ナトリウム上で乾燥させて蒸発させる:無色の固体としての、2−(4−メトキシフェニル)チアゾール−5−カルボン酸;ESI 236。
【0185】
4.3
422mg(2.21mmol)のN−(3−ジメチルアミノプロピル)−N’−塩酸エチルカルボジイミド(DAPECI)を、2mlのDMF中の400mg(1.70mmol)の2−(4−メトキシフェニル)チアゾール−5−カルボン酸と209mg(1.70mmol)の3−ヒドロキシベンジルアミンとの溶液に添加し、この混合物を、室温で18時間攪拌する。この反応混合物を水に加え、形成された沈殿を濾し取る:無色の固体としての、N−3−ヒドロキシベンジル−2−(4−メトキシフェニル)チアゾール−5−カルボキサミド;ESI 341。
【0186】
4.4
43μlの三臭化ホウ素を、5mlのジクロロメタン中50mg(0.147mmol)のN−3−ヒドロキシベンジル−2−(4−メトキシフェニル)チアゾール−5−カルボキサミドの溶液に添加し、この混合物を、室温で18時間攪拌する。3mlのメタノールを一滴ずつゆっくりこの反応物に加える。この反応混合物を蒸発させ、残留物にメタノールを加え、この混合物を、10分間攪拌して再度蒸発させる:無色の固体としての、N−3−ヒドロキシベンジル−2−(4−ヒドロキシフェニル)チアゾール−5−カルボキサミド;ESI 327。
【0187】
例5
N−3−クロロベンジル−2−(3−アミノ−1H−インダゾール−5−イル)−3H−イミダゾール−4−カルボキサミド(「5」)の調製を、以下のスキームと同様に行う:
【0188】
【化10】

【0189】
5.1
16.2g(60.0mmol)の1,1−ジブロモ−3,3,3−トリフルオロアセトンを、68mlの水と混合し、16.3g(120mmol)の酢酸ナトリウム三水和物を添加する。この溶液を90℃まで加熱し、先に調製しておいた300mlのメタノールおよび84mlの濃縮アンモニアの中の8.95g(60.0mmol)の2−フルオロ−4−ホルミルベンゾニトリルの懸濁液に、一度に加える。この反応混合物を、室温で40時間攪拌する。この反応混合物が約200mlの容積に濃縮されたら、形成された沈殿を濾し取る:やや黄褐色の固体としての、未精製の2−フルオロ−5−(5−トリフルオロメチル−1H−イミダゾール−2−イル)ベンゾニトリル(ESI 256)。これは、さらに精製することなく次の反応のために使用される。
【0190】
5.2
1.17ml(24mmol)水酸化ヒドラジニウムを、20mlの1−ブタノール中2.00gの2−フルオロ−5−(5−トリフルオロメチル−1H−イミダゾール−2−イル)ベンゾニトリル(約50%、約3.9mmol)の溶液に添加し、この混合物を100℃で3時間加熱する。この反応混合物を蒸発させ、残留物を酢酸エチルで溶解(take up)する。形成される沈殿を濾し取り乾燥させる:黄色の固体としての、5−(5−トリフルオロメチル−1H−イミダゾール−2−イル)−1H−インダゾール−3−イルアミン(「51」);ESI 268。
【0191】
5.3
10mlの3規定の水性NaOH中733mg(3.14mmol)の5−(5−トリフルオロメチル−1H−イミダゾール−2−イル)−1H−インダゾール−3−イルアミンの懸濁液を、室温で3時間攪拌すると、攪拌中に暗色の溶液が形成する。この溶液を、塩酸を使用してpHを3.5にし、形成される沈殿を濾し取る:黄橙色の固体としての、2−(3−アミノ−1H−インダゾール−5−イル)−3H−イミダゾール−4−カルボン酸(「58」);ESI 244。
【0192】
5.4
125mg(0.65mmol)のN−(3−ジメチルアミノプロピル)−N’−塩酸エチルカルボジイミド(DAPECI)を、2mlのDMF中の122mg(0.500mmol)の2−(3−アミノ−1H−インダゾール−5−イル)−3H−イミダゾール−4−カルボン酸と70.8mg(0.5mmol)の3−クロロベンジルアミンとの溶液に添加し、この混合物を、室温で18時間攪拌する。この反応混合物を、炭酸水素ナトリウムの飽和溶液に加え、形成される沈殿を濾し取る:無色の固体としての、N−3−クロロベンジル−2−(3−アミノ−1H−インダゾール−5−イル)−3H−イミダゾール−4−カルボキサミド(「5」);ESI 367。
【0193】
以下の化合物は、同様に得られる:
N−3−ヒドロキシベンジル−2−(3−アミノ−1H−インダゾール−5−イル)−3H−イミダゾール−4−カルボキサミド(「35」)、
N−3−メトキシベンジル−2−(3−アミノ−1H−インダゾール−5−イル)−3H−イミダゾール−4−カルボキサミド(「36」)、
N−[(R)−1−(3−メトキシフェニル)エチル]−2−(3−アミノ−1H−インダゾール−5−イル)−3H−イミダゾール−4−カルボキサミド(「37」)、
N−3,5−ジフルオロベンジル−2−(3−アミノ−1H−インダゾール−5−イル)−3H−イミダゾール−4−カルボキサミド(「38」)、
N−[(R)−1−(3−ヒドロキシフェニル)エチル]−2−(3−アミノ−1H−インダゾール−5−イル)−3H−イミダゾール−4−カルボキサミド(「39」)。
【0194】
例6
N−3−ヒドロキシベンジル−2−(3−アミノ−1H−インダゾール−5−イル)オキサゾール−4−カルボキサミド(「40」)の調製を、以下のスキームと同様に行う:
【0195】
【化11】

【0196】
6.1
7.00g(35mmol)の4−ブロモ−3−フルオロベンゾニトリルの溶液を、44mlのジメチルスルホキシドと9mlの水との混合物中に溶解する。7.30g(74.4mmol)の酢酸カリウム、165mg(0.74mmol)の酢酸パラジウム(II)、および1.03g(1.86mmol)の1,1−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセンを添加する。形成される懸濁液を、高圧蒸気滅菌器において、25バールの圧力で20時間攪拌しながら一酸化炭素で処理する。この反応混合物を、1NのNaOHを使用してアルカリ性にし、酢酸エチルを用いて抽出する。濃塩酸を使用して水相を酸性化し、酢酸エチルを用いて抽出する。有機相を硫酸ナトリウム上で乾燥させて蒸発させ、無色の結晶として、4−シアノ−3−フルオロ安息香酸を得る;ESI 166。
【0197】
以下の工程は、例2.1〜2.4と同様に行い、N−3−ヒドロキシベンジル−2−(3−アミノ−1H−インダゾール−5−イル)オキサゾール−4−カルボキサミド(「40」)を得る:
【0198】
以下の化合物は、同様に得られる:
N−[(R)−1−(3−メトキシフェニル)エチル]−2−(3−アミノ−1H−インダゾール−5−イル)オキサゾール−4−カルボキサミド(「41」)、および、
N−3−クロロベンジル−2−(3−アミノ−1H−インダゾール−5−イル)オキサゾール−4−カルボキサミド(「50」)、
N−3−クロロベンジル−2−(3−アミノ−1H−インダゾール−6−イル)オキサゾール−4−カルボキサミド(「81」)、ESI 368;
N−3−ヒドロキシベンジル−2−(3−アミノ−1H−インダゾール−6−イル)オキサゾール−4−カルボキサミド(「89」)、ESI 350。
【0199】
例7
N−3−ヒドロキシベンジル−5−(3−アミノ−1H−インダゾール−5−イル)フラン−2−カルボキサミド(「42」)の調製は、以下のスキームと同様に行う:
【0200】
【化12】

【0201】
7.1
8.00g(75.5mmol)の炭酸ナトリウムおよび900mg(0.80mmol)のテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)を、25mlのエチレングリコールジメチルエーテルと25mlのエタノールとの混合物中の5.00g(25.0mmol)の5−ブロモ−2−フルオロベンゾニトリルと3.50g(25.0mmol)の5−ホルミルフラン−2−ボロン酸との溶液に添加し、この混合物を加熱して24時間沸騰させる。この反応混合物を、水と酢酸エチルとの間で分割する。有機相を硫酸ナトリウム上で乾燥させて蒸発させ、残留物を、シリカゲルカラムで、石油エーテル/酢酸エチルを溶出液として、クロマトグラフィー分離する:無色の固体としての、2−フルオロ−5−(5−ホルミルフラン−2−イル)ベンゾニトリル;ESI 216。
【0202】
7.2
5mlの水中475mg(2.80mmol)の硝酸銀の溶液を、5mlの水中224mg(5.60mmol)の水酸化ナトリウムの溶液と混合する。300mg(1.39mmol)の2−フルオロ−5−(5−ホルミルフラン−2−イル)ベンゾニトリルを、少しずつこの溶液に添加し、生じる暗色の反応混合物を、室温で24時間攪拌する。この反応混合物を濾過し、濃塩酸を使用して濾液を酸性化する。形成される沈殿を濾し取る:無色の固体としての、5−(3−シアノ−4−フルオロフェニル)フラン−2−カルボン酸;ESI 232。
【0203】
以下の反応は、例5.2および5.4と同様に行い、N−3−ヒドロキシベンジル−5−(3−アミノ−1H−インダゾール−5−イル)フラン−2−カルボキサミド(「42」)を得る。
同様の手順から、以下を得る:
N−3−クロロベンジル−5−(3−アミノ−1H−インダゾール−5−イル)フラン−2−カルボキサミド(「43」)。
【0204】
例8
N-3−ヒドロキシベンジル−5−(3−アミノ−1H−インダゾール−5−イル)フラン−2−カルボキサミド(「62」)の調製は、以下のスキームと同様に行う:
【0205】
【化13】

【0206】
1.
10mlのTHFと40mlのトルエンとの混合物中の5.00g(25.0mmol)の5−ブロモ−2−フルオロベンゾニトリルと5.64g(30.0mmol)とのトリイソプロピルホウ酸の溶液を、−70℃まで窒素下において冷却する。この温度で、12mlのヘキサン中15%のn−ブチルリチウム溶液(30mmol)を、一時間かけて一滴ずつ添加する。この反応混合物を、−20℃までゆっくりと加温し、次いで、25mlの1NのHClを添加する。室温まで加温した後で、有機相を分離し、硫酸ナトリウム上で乾燥させて蒸発させる。固体残留物を、tert−ブチルメチルエーテル中で溶解し、沈殿物を濾過して乾燥させる:無色の固体としての、3−シアノ−4−フルオロベンゼンボロン酸、ESI 166。
【0207】
2.
260mg(0.23mmol)のテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)を、窒素下で、10mlのトルエンと8mlのTHFとの混合物中の1.30g(7.88mmol)の3−シアノ−4−フルオロベンゼンボロン酸と1.62g(8.50mmol)の5−ブロモ−2−フラン酸(furanoic acid)との溶液に添加し、10mlの水中1.40g(16.7mmol)の炭酸水素ナトリウムの溶液を添加する。この反応混合物を、激しく攪拌しながら加熱して3時間沸騰させる。冷却後、この反応混合物を、水と酢酸エチルとの間で分割する。濃HClを使用して水相を酸性化し、酢酸エチルを用いて抽出する。有機相を、硫酸ナトリウム上で乾燥させて蒸発させる:帯黄色の固体としての、5−(3−シアノ−4−フルオロフェニル)フラン−2−カルボン酸、ESI 232。
【0208】
3.
1.85g(37.0mmol)の水酸化ヒドラジニウムを、20mlの1−ブタノール中870mg(3.76mmol)の5−(3−シアノ−4−フルオロフェニル)フラン−2−カルボン酸の溶液に添加し、この混合物を80℃で12時間加熱する。形成される沈殿を濾し取り、メタノールで洗浄する:無色の固体としての、5−(3−アミノ−1H−インダゾール−5−イル)フラン−2−カルボン酸、ESI 244。
【0209】
4.
144mg(0.75mmol)のN−(3−ジメチルアミノプロピル)−N’−塩酸エチルカルボジイミド(DAPECI)を、1mlのDMF中の146mg(0.60mmol)の5−(3−アミノ−1H−インダゾール−5−イル)フラン−2−カルボン酸と73.9mg(0.60mmol)の3−ヒドロキシベンジルアミンとの溶液に添加し、この混合物を、室温で4時間攪拌する。この反応混合物に水を加え、これを、酢酸エチルを用いて抽出する。有機相を、硫酸ナトリウム上で乾燥させて蒸発させ、残留物を、分取HPLCによって精製し、N−3−ヒドロキシベンジル−5−(3−アミノ−1H−インダゾール−5−イル)フラン−2−カルボキサミド(「62」)(ESI 349)を得る。
【0210】
以下の化合物は、同様に得られる:
N-3−ヒドロキシベンジル−5−(3−アミノ−1H−インダゾール−6−イル)フラン−2−カルボキサミド(「61」)、ESI 349;
N−3−クロロベンジル−5−(3−アミノ−1H−インダゾール−5−イル)チオフェン−2−カルボキサミド(「63」)、ESI 383;
N−3−メトキシベンジル−5−(3−アミノ−1H−インダゾール−5−イル)フラン−2−カルボキサミド(「64」)、ESI 363;
N−3−クロロベンジル−5−(3−アミノ−1H−インダゾール−5−イル)フラン−2−カルボキサミド(「65」)、ESI 367;
N−3−ヒドロキシベンジル−5−(3−アミノ−1H−インダゾール−5−イル)チオフェン−2−カルボキサミド(「66」)、ESI 365;
N−3−メトキシベンジル−5−(3−アミノ−1H−インダゾール−5−イル)チオフェン−2−カルボキサミド(「67」)、ESI 379;
【0211】
N−[(R)−1−(3−メトキシフェニル)エチル]−5−(3−アミノ−1H−インダゾール−5−イル)チオフェン−2−カルボキサミド(「68」)、
【化14】

【0212】
N−3−メトキシベンジル−5−(3−アミノ−1H−インダゾール−6−イル)フラン−2−カルボキサミド(「69」)、ESI 363;
N−[(R)−1−(3−メトキシフェニル)エチル]−5−(3−アミノ−1H−インダゾール−5−イル)フラン−2−カルボキサミド(「70」)、ESI 377;
N−[(S)−1−(3−メトキシフェニル)エチル]−5−(3−アミノ−1H−インダゾール−5−イル)フラン−2−カルボキサミド(「71」)、ESI 377;
N−3−トリフルオロメトキシベンジル−5−(3−アミノ−1H−インダゾール−5−イル)フラン−2−カルボキサミド(「72」)、ESI 417;
N−[1−(3−メトキシフェニル)ペンチル]−5−(3−アミノ−1H−インダゾール−5−イル)フラン−2−カルボキサミド(「73」)、ESI 419;
N−(3−トリフルオロメトキシフェニル)−5−(3−アミノ−1H−インダゾール−5−イル)フラン−2−カルボキサミド(「74」)、ESI 403。
【0213】
例9
N−p−トリル−3−アミノ−5−[5−(3−ヒドロキシベンジルカルバモイル)フラン−2−イル]インダゾール−1−カルボキサミド(「75」)の調製を、以下のスキームと同様に行う:
【0214】
【化15】

【0215】
5mlの水中の140mg(0.576mmol)の5−(3−アミノ−1H−インダゾール−5−イル)フラン−2−カルボン酸と128mg(1.52mmol)の炭酸水素ナトリウムとの溶液を、80℃まで加熱し、202mg(1.52mmol)のp−トリルイソシアン酸を添加する。この混合物をこの温度で1時間激しく攪拌する。この混合物を冷却させ、形成される沈殿を濾過除去する。濾液を、1NのHClを使用してpH2にし、酢酸エチルを用いて抽出する。有機相を硫酸ナトリウム上で乾燥させて蒸発させる:無色の沈殿としての、5−(3−アミノ−1−p−トリルカルバモイル−1H−インダゾール−5−イル)フラン−2−カルボン酸、ESI 377。
【0216】
例8.4と同様に、3−ヒドロキシベンジルアミンを用いての例8.4の反応によって、化合物N−p−トリル−3−アミノ−5−[5−(3−ヒドロキシベンジルカルバモイル)フラン−2−イル]インダゾール−1−カルボキサミド(「75」)(ESI 482)を得る。
【0217】
例10
N-3−ヒドロキシベンジル−5−(3−アミノ−1−メチル−1H−インダゾール−5−イル)フラン−2−カルボキサミド(「76」)の調製を、以下のスキームと同様に行う:
【0218】
【化16】

【0219】
5mlの1−ブタノール中の340mg(1.47mmol)の5−(3−シアノ−4−フルオロフェニル)フラン−2−カルボン酸と266mg(5.65mmol)のメチルヒドラジンとの溶液を、100℃で18時間加熱する。室温まで冷却した後、この反応混合物を蒸発させ、残留物を1NのHCl中で溶解し、形成される沈殿を濾し取る:無色の固体としての、5−(3−アミノ−1−メチル−1H−インダゾール−5−イル)フラン−2−カルボン酸(「88」)、ESI 257。
【0220】
例8.4と同様に、3−ヒドロキシベンジルアミンを用いての例8.4の反応によって、化合物N−3−ヒドロキシベンジル−5−(3−アミノ−1−メチル−1H−インダゾール−5−イル)フラン−2−カルボキサミド(「76」)(ESI 363)を得る。
【0221】
以下の例は、薬剤調製に関する:
例A:注射バイアル
3リットルの二回滅菌された水中の100gの本発明による活性成分および5gのリン酸二ナトリウムの溶液を、滅菌濾過された2Nの塩酸を使用してpH6.5に調整し、滅菌濾過し、注射バイアルに移し、滅菌条件下において凍結乾燥し、滅菌条件下において密封する。各注射バイアルは、5mgの活性成分を含有する。
【0222】
例B:座剤
20gの本発明による活性成分と100gの大豆レシチンおよび1400gのココアバターとの混合物を、融解し、型に流し入れ、冷却させる。各々の座剤は、20mgの活性成分を含有する。
【0223】
例C:溶液
940mlの二回滅菌された水中で、1gの本発明による活性成分、9.38gのNaHPO・2HO、28.48gのNaHPO・12HO、および0.1gの塩化ベンズアルコニウムから溶液を調製する。そのpHを6.8に調整し、この溶液を1リットルまで補い、放射線によって滅菌する。この溶液を、点眼剤の形態において使用してもよい。
【0224】
例D:軟膏
500gの本発明による活性成分を、無菌条件下において99.5gのワセリンと混合する。
【0225】
例E:錠剤
1kgの本発明による活性成分、4kgの乳糖、1.2kgの馬鈴薯デンプン、0.2kgのタルク、および0.1kgのステアリン酸マグネシウムの混合物を、従来の様式において、をプレス成形(press)して錠剤を得る(各々の錠剤が10mgの活性成分を含むようにする)。
【0226】
例F:糖衣錠(dragee)
例Eと同様に錠剤をプレス成形し、その後、従来の様式において、スクロース、馬鈴薯デンプン、タルク、トラガカント、および色素のコーティングを用いて被覆する。
【0227】
例G:カプセル剤
2kgの本発明による活性成分を、従来の様式において、硬質ゼラチンカプセル中へ導入する(各々のカプセルが、20mgの活性成分を含有するようにする)。
【0228】
例H:アンプル剤
60リットルの二回滅菌した水中の1kgの本発明による活性成分の溶液を、滅菌濾過し、アンプル中に移し、滅菌条件下において凍結乾燥し、滅菌条件下において密封する。各アンプルは、10mgの活性成分を含有する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式Iで表される化合物:
【化1】

式中、
、R1aは、各々、互いに別々に、0〜4個のN原子、O原子、および/またはS原子を有する、単環式または二環式の、飽和、不飽和、または芳香族の、炭素環または複素環を表し、これは、R、Hal、−[C(R−Ar、−[C(R−Het、OR、N(R、NO、CN、−[C(RCOOR、−[C(RCON(R、−[C(RCONRN(R、O−[C(RCON(R、O−[C(RCONRN(R、NRCOA、NRCON(R、NRSOA、COR、SONR、S(O)A、=S、=NRおよび/または=O(カルボニル酸素)によって、一置換、二置換、または三置換されていてもよく、
Dは、O、NH、またはSを表し、
Wは、CXまたはNを表し、
Tは、CX、N、またはCRを表し、
T’は、CX、N、またはCRを表し、
ここで、ラジカルのTまたはT’の一方がCRを表す場合、もう一方はCRでないことを前提とし、
Rは、−C(=O)−N(R)[C(R1aを表し、
Xは、H、Hal、A、OR、N(R、NO、CN、COOR、CON(R、NRCOA、NRSOA、CORまたはSONRを表し、
は、H、A、−[C(R−Ar’、−[C(R−Het’、−[C(R−シクロアルキル、−[C(R−OR、−[C(R−COOA、または−[C(RN(Rを表し、
は、HまたはAを表し、
Aは、1〜10個のC原子を有する直鎖または分枝鎖のアルキルを表し、ここで、1個もしくは2個のCH基が、O原子もしくはS原子によって置換されていてもよく、および/または−CH=CH−基によって置換されていてもよく、および/または、さらに1〜7個のH原子が、Fによって置換されてもよく、
Arは、フェニル、ナフチル、またはビフェニルを表し、これらの各々は、置換されていないか、またはHal、A、OR、N(R、NO、CN、COOR、CON(R、NRCOA、NRCON(R、NRSOA、COR、SON(R、S(O)A、−[C(R−COOR、もしくは−O[C(R−COORによって、一置換、二置換、もしくは三置換されており、
Ar’は、フェニル、ナフチル、またはビフェニルを表し、これらの各々は、置換されていないか、またはHal、A、OR、N(R、NO、CN、COOR、CON(R、NRCOA、NRCON(R、NRSOA、COR、SON(R、S(O)A、−[C(R−COOR、もしくは−O[C(R−COORによって、一置換、二置換、もしくは三置換されており、
Hetは、1〜4個のN原子、O原子、またはS原子を有する、単環式または二環式の、飽和、不飽和、または芳香族の複素環を表し、これは、Hal、A、−[C(R−Ar、−[C(R−Het’、−[C(R−シクロアルキル、−[C(R−OR、−[C(R−N(R、NO、CN、−[C(RCOOR、O−[C(RCOOR、−[C(RCON(R、−[C(RCONRN(R、O−[C(RCON(R、O−[C(RCONRN(R、−[C(R−NRCOA、NRCON(R、−[C(R−NRSOA、COR、SONR、S(O)A、=S、=NR、および/または=O(カルボニル酸素)によって、一置換、二置換、または三置換されていてもよく、
Het’は、1〜4個のN原子、O原子、またはS原子を有する、単環式または二環式の、飽和、不飽和、または芳香族の複素環を表し、これは、Hal、A、OR、N(R、NO、CN、COOR、CON(R、NRCOA、NRSOA、COR、SONR、S(O)A、=S、=NR、および/または=O(カルボニル酸素)によって、一置換、二置換、または三置換されていてもよく、
Halは、F、Cl、Br、またはIを表し、
mは、0、1、または2を表し、
nは、0、1、2、または3を表し、
oは、1、2、または3を表す、
前記化合物、
その薬学的に使用可能な誘導体、塩、溶媒和化合物、および立体異性体、ならびにあらゆる比におけるこれらの混合物。
【請求項2】
請求項1に記載の化合物であって、
、R1aが、各々、互いに別々に、0〜4個のN原子、O原子、および/またはS原子を有する、単環式または二環式の、飽和、不飽和、または芳香族の、炭素環または複素環を表し、これは、置換されていないか、またはA、Hal、NO、CN、−[C(R−Ar’、−O−[C(R−Ar’、−[C(R−Het’、−[C(R−シクロアルキル、−[C(R−OR、−[C(RN(R、−[C(RCOOR、−[C(RCON(R、−[C(RCONHAr’、−[C(RCONRN(R、−[C(RCON(R、O−[C(RCONRN(R、NRCOA、NRCON(R、NRSOA、COR、SONR、S(O)A、=S、=NR、および/もしくは=O(カルボニル酸素)によって、一置換、二置換、もしくは三置換されている、
前記化合物、
その薬学的に使用可能な誘導体、塩、溶媒和化合物、および立体異性体、ならびにあらゆる比におけるこれらの混合物。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の化合物であって、
、R1aが、各々、互いに別々に、0〜4個のN原子、O原子、および/またはS原子を有する、単環式または二環式の、飽和、不飽和、または芳香族の、炭素環または複素環を表し、これは、置換されていないか、またはA、Hal、CN、−[C(R−Ar’、−O−[C(R−Ar’、−[C(R−OR、−[C(RCONHAr’、−[C(RN(R、もしくは−[C(RCOORによって、一置換、二置換、もしくは三置換されている、
前記化合物、
その薬学的に使用可能な誘導体、塩、溶媒和化合物、および立体異性体、ならびにあらゆる比におけるこれらの混合物。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれかに記載の化合物であって、
、R1aが、各々、互いに別々に、0〜4個のN原子、O原子、および/またはS原子を有する、単環式または二環式の、飽和、不飽和、または芳香族の、炭素環または複素環を表し、これは、置換されていないか、またはA、Hal、CN、−[C(R−Ar’、−O−[C(R−Ar’、−C(RCONHAr’、−[C(R−OR、−[C(RN(R、もしくは−[C(RCOORによって、一置換、二置換、もしくは三置換されている、
前記化合物、
その薬学的に使用可能な誘導体、塩、溶媒和化合物、および立体異性体、ならびにあらゆる比におけるこれらの混合物。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれかに記載の化合物であって、
が、0〜4個のN原子、O原子、および/またはS原子を有する、単環式または二環式の、不飽和または芳香族の、炭素環または複素環を表し、これは、置換されていないか、またはA、Hal、−[C(R−OR、−[C(RN(R、もしくは−[C(RCOORによって、一置換、二置換、もしくは三置換されている、
前記化合物、
その薬学的に使用可能な誘導体、塩、溶媒和化合物、および立体異性体、ならびにあらゆる比におけるこれらの混合物。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれかに記載の化合物であって、
が、単環式または二環式の、芳香族炭素環を表し、これは、置換されていないか、またはA、Hal、−[C(R−OR、−[C(RN(R、もしくは−[C(RCOORによって、一置換、二置換、もしくは三置換されている、
前記化合物、
その薬学的に使用可能な誘導体、塩、溶媒和化合物、および立体異性体、ならびにあらゆる比におけるこれらの混合物。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれかに記載の化合物であって、
が、0〜4個のN原子、O原子、および/またはS原子を有する、単環式または二環式の、不飽和または芳香族の複素環を表し、これらは、置換されていないか、またはA、Hal、−[C(RCONHAr’、−[C(R−OR、−[C(RN(R、もしくは−[C(RCOORによって、一置換、二置換、もしくは三置換されている、
前記化合物、
その薬学的に使用可能な誘導体、塩、溶媒和化合物、および立体異性体、ならびにあらゆる比におけるこれらの混合物。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれかに記載の化合物であって、
が、置換されていないフェニル、またはA、Hal、OH、もしくはOAによって、一置換、二置換、もしくは三置換されているフェニル、あるいは、
1〜2個の窒素原子を有する、単環式または二環式の、不飽和または芳香族の複素環を表し、これは、置換されていないか、またはNHによって一置換されている、
前記化合物、
その薬学的に使用可能な誘導体、塩、溶媒和化合物、および立体異性体、ならびにあらゆる比におけるこれらの混合物。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれかに記載の化合物であって、
1aが、単環式の、飽和、不飽和、または芳香族の炭素環を表し、これは、置換されていないか、またはA、Hal、CN、−[C(R−Ar’、−O−[C(R−Ar’、−[C(R−OR、−[C(RN(R、もしくは−[C(RCOORによって、一置換、二置換、もしくは三置換されている、
前記化合物、
その薬学的に使用可能な誘導体、塩、溶媒和化合物、および立体異性体、ならびにあらゆる比におけるこれらの混合物。
【請求項10】
請求項1〜9のいずれかに記載の化合物であって、
1aが、置換されていないフェニル、またはA、Hal、ベンジルオキシ、OH、もしくはOAによって、一置換、二置換、もしくは三置換されているフェニルを表す、
前記化合物、
その薬学的に使用可能な誘導体、塩、溶媒和化合物、および立体異性体、ならびにあらゆる比におけるこれらの混合物。
【請求項11】
請求項1〜10のいずれかに記載の化合物であって、
1aが、置換されていないフェニル、A、Hal、ベンジルオキシ、OH、もしくはOAによって、一置換、二置換、もしくは三置換されているフェニル、または2,1,3−ベンゾチアジアゾールを表す、
前記化合物、
その薬学的に使用可能な誘導体、塩、溶媒和化合物、および立体異性体、ならびにあらゆる比におけるこれらの混合物。
【請求項12】
請求項1〜11のいずれかに記載の化合物であって、
Ar’が、置換されていないフェニル、またはHalおよび/もしくはAによって、一置換、二置換、もしくは三置換されているフェニルを表す、
前記化合物、
その薬学的に使用可能な誘導体、塩、溶媒和化合物、および立体異性体、ならびにあらゆる比におけるこれらの混合物。
【請求項13】
請求項1〜12のいずれかに記載の化合物であって、
Het’が、1〜2個のN原子および/またはO原子を有する、単環式の、飽和、不飽和、または芳香族の複素環を表し、これは、置換されていないくても、またはA、Hal、OH、および/もしくはOAによって、一置換、二置換、もしくは三置換されていてもよい、
前記化合物、
その薬学的に使用可能な誘導体、塩、溶媒和化合物、および立体異性体、ならびにあらゆる比におけるこれらの混合物。
【請求項14】
請求項1〜13のいずれかに記載の化合物であって、
Het’が、フリル、チエニル、ピロリル、イミダゾリル、ピリジル、ピリミジニル、ピラゾリル、チアゾリル、インドリル、ピロリジニル、ピペリジニル、モルフォリニル、またはピペラジニルを表し、これらの各々は、置換されていないか、またはA、Hal、OH、および/もしくはOAによって、一置換、二置換、もしくは三置換されている、
前記化合物、
その薬学的に使用可能な誘導体、塩、溶媒和化合物、および立体異性体、ならびにあらゆる比におけるこれらの混合物。
【請求項15】
請求項1〜14のいずれかに記載の化合物であって、
Aが、1〜6個のC原子を有する、直鎖または分枝鎖のアルキルを表し、ここで1〜7個のH原子が、Fによって置換されていてもよい、
前記化合物、
その薬学的に使用可能な誘導体、塩、溶媒和化合物、および立体異性体、ならびにあらゆる比におけるこれらの混合物。
【請求項16】
請求項1〜15のいずれかに記載の化合物であって、
Xが、Hを表す、
前記化合物、
その薬学的に使用可能な誘導体、塩、溶媒和化合物、および立体異性体、ならびにあらゆる比におけるこれらの混合物。
【請求項17】
請求項1〜16のいずれかに記載の化合物であって、
Rが、−C(=O)−N(R)[C(R1aを表す、
前記化合物、
その薬学的に使用可能な誘導体、塩、溶媒和化合物、および立体異性体、ならびにあらゆる比におけるこれらの混合物。
【請求項18】
請求項1〜17のいずれかに記載の化合物であって、
Rが、−C(=O)−NHCH1aを表す、
前記化合物、
その薬学的に使用可能な誘導体、塩、溶媒和化合物、および立体異性体、ならびにあらゆる比におけるこれらの混合物。
【請求項19】
請求項1〜18のいずれかに記載の化合物であって、
、R1aが、各々、互いに別々に、0〜4個の、N原子、O原子、および/またはS原子を有する、単環式または二環式の、飽和、不飽和、または芳香族の、炭素環または複素環を表し、これは、置換されていないか、またはA、Hal、CN、−[C(R−Ar’、−O−[C(R−Ar’、−[C(R−OR、−C(RCONHAr’、−[C(RN(R、もしくは−[C(RCOORによって、一置換、二置換、もしくは三置換されており、
Dが、O、NH、またはSを表し、
Wが、CXまたはNを表し、
Tが、CX、N、またはCRを表し、
T’が、CX、N、またはCRを表し、
ここで、ラジカルのTまたはT’の一方がCRを表す場合、もう一方はCRではないことを前提とし、
Rが、−C(=O)−N(R)[C(R1aを表し、
Xが、Hを表し、
が、HまたはAを表し、
Aが、1〜10個のC原子を有する、直鎖または分枝鎖のアルキルを表し、ここで、1個もしくは2個のCH基が、O原子もしくはS原子によって置換されていてもよく、および/または−CH=CH−基によって置換されていてもよく、および/または、さらに1〜7個のH原子が、Fによって置換されていてもよく、
Ar’が、置換されていないフェニル、またはHalおよび/もしくはAによって、一置換、二置換、もしくは三置換されているフェニルを表し、
Halが、F、Cl、Br、またはIを表し、
nが、0、1、2、または3を表す、
前記化合物、
その薬学的に使用可能な誘導体、塩、溶媒和化合物、および立体異性体、ならびにあらゆる比におけるこれらの混合物。
【請求項20】
請求項1〜19のいずれかに記載の化合物であって、
が、1〜4個のN原子、O原子、および/またはS原子を有する、単環式または二環式の、不飽和または芳香族の複素環を表し、これは、置換されていないか、またはA、Hal、−C(RCONHAr’、−[C(R−OR、−[C(RN(R、もしくは−[C(RCOORによって、一置換、二置換、もしくは三置換されており、
1aが、置換されていないフェニル、A、OH、もしくはOAによって、一置換、二置換、もしくは三置換されたフェニル、または2,1,3−ベンゾチアジアゾールを表し、
Dが、O、NH、またはSを表し、
Wが、CXまたはNを表し、
Tが、CX、N、またはCRを表し、
T’が、CX、N、またはCRを表し、
ここで、ラジカルのTまたはT’の一方がCRを表す場合、もう一方はCRでないことを前提とし、
Rが、−C(=O)−NH−CHA−R1aを表し、
Xが、Hを表し、
が、HまたはAを表し、
Ar’が、置換されていないフェニル、またはHalおよび/もしくはAによって、一置換、二置換、もしくは三置換されたフェニルを表し、
Aが、1〜10個のC原子を有する直鎖または分枝鎖のアルキルを表し、ここで、1個または2個のCH基が、O原子もしくはS原子によって置換されていてもよく、および/または−CH=CH−基によって置換されていてもよく、および/またはさらに1〜7個のH原子が、Fによって置換されていてもよく、
Halが、F、Cl、Br、またはIを表し、
nが、0、1、2、または3を表す、
前記化合物、
その薬学的に使用可能な誘導体、塩、溶媒和化合物、および立体異性体、ならびにあらゆる比におけるこれらの混合物。
【請求項21】
請求項1に記載の化合物であって、以下の群:
N−3−ヒドロキシベンジル−2−(4−ヒドロキシフェニル)−3H−イミダゾール−4−カルボキサミド(「1」)、
N−3−ヒドロキシベンジル−2−(3−ヒドロキシフェニル)オキサゾール−4−カルボキサミド(「2」)、
N−3−ヒドロキシベンジル−5−(4−ヒドロキシフェニル)フラン−2−カルボキサミド(「3」)、
N−3−ヒドロキシベンジル−2−(4−ヒドロキシフェニル)チアゾール−5−カルボキサミド(「4」)、
N−3−クロロベンジル−2−(3−アミノ−1H−インダゾール−5−イル)−3H−イミダゾール−4−カルボキサミド(「5」)、
N−3−ヒドロキシベンジル−2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−3H−イミダゾール−4−カルボキサミド(「6」)、
N−3−ヒドロキシベンジル−2−(4−ヒドロキシフェニル)オキサゾール−4−カルボキサミド(「7」)、
N−[(R)−1−(3−ヒドロキシフェニル)エチル]−2−(3−ヒドロキシフェニル)オキサゾール−4−カルボキサミド(「8」)、
N−4−ヒドロキシフェニル−2−(4−ヒドロキシフェニル)−3H−イミダゾール−4−カルボキサミド(「9」)、
N−3−ヒドロキシフェニル−2−(3−ヒドロキシフェニル)−3H−イミダゾール−4−カルボキサミド(「10」)、
N−4−ヒドロキシフェニル−2−(3−ヒドロキシフェニル)−3H−イミダゾール−4−カルボキサミド(「11」)、
N−3−ヒドロキシフェニル−2−(4−ヒドロキシフェニル)−3H−イミダゾール−4−カルボキサミド(「12」)、
N−3−ヒドロキシフェニル−2−(3−ヒドロキシフェニル)オキサゾール−4−カルボキサミド(「13」)、
N−4−ヒドロキシベンジル−2−(3−ヒドロキシフェニル)オキサゾール−4−カルボキサミド(「14」)、
N−4−ヒドロキシフェニル−2−(3−ヒドロキシフェニル)オキサゾール−4−カルボキサミド(「15」)、
N−3−ヒドロキシベンジル−2−(4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)−3H−イミダゾール−4−カルボキサミド(「16」)、
N−3−ヒドロキシベンジル−5−(3−クロロフェニル)フラン−2−カルボキサミド(「17」)、
N−4−ヒドロキシベンジル−5−(3−クロロフェニル)フラン−2−カルボキサミド(「18」)、
N−(ベンゾ−2,1,3−チアジアゾール−5−イルメチル)−5−(3−クロロフェニル)フラン−2−カルボキサミド(「19」)、
N−3−フルオロベンジル−2−(4−ヒドロキシフェニル)−3H−イミダゾール−4−カルボキサミド(「20」)、
N−4−ヒドロキシベンジル−2−(4−ヒドロキシフェニル)−3H−イミダゾール−4−カルボキサミド(「21」)、
N−4−ヒドロキシベンジル−2−(3−ヒドロキシフェニル)−3H−イミダゾール−4−カルボキサミド(「23」)、
N−3−ヒドロキシベンジル−2−(3−ヒドロキシフェニル)−3H−イミダゾール−4−カルボキサミド(「26」)、
N−3−フルオロベンジル−2−(3−ヒドロキシフェニル)−3H−イミダゾール−4−カルボキサミド(「27」)、
N−3−フルオロベンジル−2−(4−フルオロフェニル)−3H−イミダゾール−4−カルボキサミド(「28」)、
N−3−ヒドロキシベンジル−2−(4−フルオロフェニル)−3H−イミダゾール−4−カルボキサミド(「29」)、
N−3−フルオロベンジル−2−(4−ヒドロキシフェニル)オキサゾール−4−カルボキサミド(「30」)、
N−2−メトキシベンジル−2−(4−ヒドロキシフェニル)−3H−イミダゾール−4−カルボキサミド(「31」)、
N−2−メトキシベンジル−5−(3−クロロフェニル)フラン−2−カルボキサミド(「32」)、
N−2−ヒドロキシベンジル−5−(3−クロロフェニル)フラン−2−カルボキサミド(「33」)、
N−3−フルオロベンジル−2−(3−クロロ−6−メトキシフェニル)オキサゾール−4−カルボキサミド(「34」)、
N−3−ヒドロキシベンジル−2−(3−アミノ−1H−インダゾール−5−イル)−3H−イミダゾール−4−カルボキサミド(「35」)、
N−3−メトキシベンジル−2−(3−アミノ−1H−インダゾール−5−イル)−3H−イミダゾール−4−カルボキサミド(「36」)、
N−[(R)−1−(3−メトキシフェニル)エチル]−2−(3−アミノ−1H−インダゾール−5−イル)−3H−イミダゾール−4−カルボキサミド(「37」)、
N−3,5−ジフルオロベンジル−2−(3−アミノ−1H−インダゾール−5−イル)−3H−イミダゾール−4−カルボキサミド(「38」)、
N−[(R)−1−(3−ヒドロキシフェニル)エチル]−2−(3−アミノ−1H−インダゾール−5−イル)−3H−イミダゾール−4−カルボキサミド(「39」)、
N−3−ヒドロキシベンジル−2−(3−アミノ−1H−インダゾール−5−イル)オキサゾール−4−カルボキサミド(「40」)、
N−[(R)−1−(3−メトキシフェニル)エチル]−2−(3−アミノ−1H−インダゾール−5−イル)オキサゾール−4−カルボキサミド(「41」)、
N−3−ヒドロキシベンジル−5−(3−アミノ−1H−インダゾール−5−イル)フラン−2−カルボキサミド(「42」)、
N−3−クロロベンジル−5−(3−アミノ−1H−インダゾール−5−イル)フラン−2−カルボキサミド(「43」)、
N−3,5−ジフルオロベンジル−2−(3−ヒドロキシフェニル)オキサゾール−4−カルボキサミド(「44」)、
N−2−メトキシベンジル−2−(4−ヒドロキシフェニル)オキサゾール−4−カルボキサミド(「45」)、
N−3−ヒドロキシベンジル−2−(3−クロロ−6−メトキシフェニル)オキサゾール−4−カルボキサミド(「46」)、
N−[(S)−1−(3−ヒドロキシフェニル)エチル]−2−(3−クロロ−6−メトキシフェニル)オキサゾール−4−カルボキサミド(「47」)、
N−[(R)−1−(3−ヒドロキシフェニル)エチル]−2−(3−クロロ−6−メトキシフェニル)オキサゾール−4−カルボキサミド(「48」)、
N−3−メトキシベンジル−2−(3−クロロ−6−メトキシフェニル)オキサゾール−4−カルボキサミド(「49」)、
N−3−クロロベンジル−2−(3−アミノ−1H−インダゾール−5−イル)オキサゾール−4−カルボキサミド(「50」)、
N−3−ヒドロキシベンジル−2−(3−ブロモフェニル)−3H−イミダゾール−4−カルボキサミド(「52」)、
N−3−メトキシベンジル−2−(3−ブロモフェニル)−3H−イミダゾール−4−カルボキサミド(「53」)、
N−3−クロロベンジル−2−(3−ブロモフェニル)−3H−イミダゾール−4−カルボキサミド(「54」)、
N−3−ヒドロキシベンジル−2−(3−クロロフェニル)−3H−イミダゾール−4−カルボキサミド(「55」)、
N−3−メトキシベンジル−2−(3−クロロフェニル)−3H−イミダゾール−4−カルボキサミド(「56」)、
N−3−クロロベンジル−2−(3−クロロフェニル)−3H−イミダゾール−4−カルボキサミド(「57」)、
N-3−ヒドロキシベンジル−5−(3−アミノ−1H−インダゾール−6−イル)フラン−2−カルボキサミド(「61」)、
N-3−ヒドロキシベンジル−5−(3−アミノ−1H−インダゾール−5−イル)フラン−2−カルボキサミド(「62」)、
N−3−クロロベンジル−5−(3−アミノ−1H−インダゾール−5−イル)チオフェン−2−カルボキサミド(「63」)、
N−3−メトキシベンジル−5−(3−アミノ−1H−インダゾール−5−イル)フラン−2−カルボキサミド(「64」)、
N−3−クロロベンジル−5−(3−アミノ−1H−インダゾール−5−イル)フラン−2−カルボキサミド(「65」)、
N−3−ヒドロキシベンジル−5−(3−アミノ−1H−インダゾール−5−イル)チオフェン−2−カルボキサミド(「66」)、
N−3−メトキシベンジル−5−(3−アミノ−1H−インダゾール−5−イル)チオフェン−2−カルボキサミド(「67」)、
N−[(R)−1−(3−メトキシフェニル)エチル]−5−(3−アミノ−1H−インダゾール−5−イル)チオフェン−2−カルボキサミド(「68」)、
N−3−メトキシベンジル−5−(3−アミノ−1H−インダゾール−6−イル)フラン−2−カルボキサミド(「69」),
N−[(R)−1−(3−メトキシフェニル)エチル]−5−(3−アミノ−1H−インダゾール−5−イル)フラン−2−カルボキサミド(「70」)、
N−[(S)−1−(3−メトキシフェニル)エチル]−5−(3−アミノ−1H−インダゾール−5−イル)フラン−2−カルボキサミド(「71」)、
N−3−トリフルオロメトキシベンジル−5−(3−アミノ−1H−インダゾール−5−イル)フラン−2−カルボキサミド(「72」)、
N−[1−(3−メトキシフェニル)ペンチル]−5−(3−アミノ−1H−インダゾール−5−イル)フラン−2−カルボキサミド(「73」)、
N−(3−トリフルオロメトキシフェニル)−5−(3−アミノ−1H−インダゾール−5−イル)フラン−2−カルボキサミド(「74」)、
N−p−トリル−3−アミノ−5−[5−(3−ヒドロキシベンジルカルバモイル)フラン−2−イル]インダゾール−1−カルボキサミド(「75」)、
N-3−ヒドロキシベンジル−5−(3−アミノ−1−メチル−1H−インダゾール−5−イル)フラン−2−カルボキサミド(「76」)、
N−2−ヒドロキシベンジル−5−(4−ヒドロキシフェニル)フラン−2−カルボキサミド(「77」)、
N−3−フルオロベンジル−5−(4−ヒドロキシフェニル)フラン−2−カルボキサミド(「78」)、
N−[(S)−1−(3−ヒドロキシフェニル)エチル]−5−(4−ヒドロキシフェニル)フラン−2−カルボキサミド(「79」)、
N−[(R)−1−(3−ヒドロキシフェニル)エチル]−5−(4−ヒドロキシフェニル)フラン−2−カルボキサミド(「80」)、
N−3−クロロベンジル−2−(3−アミノ−1H−インダゾール−6−イル)オキサゾール−4−カルボキサミド(「81」)、
N−3−ヒドロキシベンジル−5−(3−ヒドロキシフェニル)フラン−2−カルボキサミド(「82」)、
N−3−クロロベンジル−5−(3−ヒドロキシフェニル)フラン−2−カルボキサミド(「83」)、
N−3−ベンジルオキシベンジル−5−(2−メチル−4−メトキシフェニル)フラン−2−カルボキサミド(「84」)、
N−3−メトキシベンジル−5−(2−メチル4−メトキシフェニル)フラン−2−カルボキサミド(「85」)、
より選択される、前記化合物、
その薬学的に使用可能な誘導体、塩、溶媒和化合物、および立体異性体、ならびにあらゆる比におけるこれらの混合物。
【請求項22】
請求項1〜21のいずれかに記載の式Iで表される化合物、その薬学的に使用可能な誘導体、溶媒和化合物、塩、および立体異性体の調製方法において、
a)式I:
【化2】

式I中、
Tが、CX、N、またはCRを表し、
T’が、CX、N、またはCRを表し、
ここで、ラジカルのTまたはT’の一方がCRを表す場合、もう一方はCRではないことを前提とし、
Rが、−C(=O)−Lを表し、
、W、D、およびXが、請求項1において示される意味を有し、
ならびに、
Lが、Cl、Br、I、または遊離のOH基もしくは反応性に機能的に修飾されたOH基を表す、
で表される式Iの化合物が、
式III:
HN(R)[C(R1a III
式III中、
1a、R、およびnは、請求項1において示される意味を有する、
で表される式IIIの化合物と、反応することを特徴とする、前記調製方法、
あるいは、
b)式Iで表される化合物中のラジカルRが、エーテル開裂することによって別のラジカルRに変換される、
および/または式Iの塩基または酸が、その塩の一つに変換されることを特徴とする、前記調製方法。
【請求項23】
請求項1〜21のいずれかに記載の少なくとも一つの化合物、および/またはその薬学的に使用可能な誘導体、塩、溶媒和化合物、立体異性体、あらゆる比におけるこれらの混合物、ならびに必要に応じて、賦形剤および/またはアジュバントを含む、医薬。
【請求項24】
キナーゼシグナル伝達の阻害、制御、および/または調節が影響を与える疾患の、処置および/または予防のための医薬を調製するための、請求項1〜21のいずれかに記載の化合物、および/またはその薬学的に使用可能な誘導体、塩、溶媒和化合物、立体異性体、あらゆる比におけるこれらの混合物の、使用。
【請求項25】
キナーゼがSGKである、請求項24に記載の使用。
【請求項26】
請求項1〜21のいずれかに記載の化合物による、SGKの阻害によって影響を受けるる疾患の、処置のための医薬を調製するための、請求項1〜21のいずれかに記載の化合物、その薬学的に使用可能な誘導体、溶媒和化合物、および立体異性体、ならびにあらゆる比におけるこれらの混合物の、請求項25に記載の使用。
【請求項27】
以下のための医薬を調製するための、請求項1〜21のいずれかに記載の化合物、その薬学的に使用可能な誘導体、溶媒和化合物、および立体異性体、ならびにあらゆる比におけるこれらの混合物の、請求項26に記載の使用:
糖尿病、肥満、代謝症候群(脂質代謝異常)、全身性および肺性の筋緊張亢進、心血管疾患および腎疾患、一般にあらゆる型の線維症および炎症プロセス、癌、腫瘍細胞、腫瘍転移、凝固障害、神経性興奮、緑内障、白内障、細菌感染の処置または予防のため、ならびに抗感染治療のため、学習能力および注意力の増進のため、細胞の老化およびストレスの処置および予防のため、ならびに耳鳴の処置のため。
【請求項28】
糖尿病が、真性糖尿病、糖尿病性腎症、糖尿病性ニューロパシー、糖尿病性血管障害、および微小血管障害である、請求項27に記載の使用。
【請求項29】
心血管疾患が、心筋梗塞後の心臓の線維症、心肥大、心不全、および動脈硬化症である、請求項27に記載の使用。
【請求項30】
腎疾患が、糸球体硬化症、腎硬化症、腎炎、腎症、および電解質排出障害である、請求項27に記載の使用。
【請求項31】
線維症および炎症プロセスが、肝硬変、肺線維症、線維化膵臓炎、リウマチおよび関節炎、クローン病、慢性気管支炎、放射線線維症、硬化腫、嚢胞性線維症、瘢痕、およびアルツハイマー病である、請求項27に記載の使用。
【請求項32】
請求項1〜21のいずれかに記載の、少なくとも一つの化合物、および/またはその薬学的に使用可能な誘導体、塩、溶媒和化合物、立体異性体、あらゆる比におけるこれらの混合物、ならびに少なくとも一つのさらなる医薬用活性成分を含む、医薬。
【請求項33】
以下の別々の包装物からなるセット(キット):
(a)請求項1〜21のいずれかに記載の化合物、および/またはその薬学的に使用可能な誘導体、塩、溶媒和化合物、立体異性体、あらゆる比におけるこれらの混合物の有効量、
ならびに
(b)さらなる医薬用活性成分の有効量。
【請求項34】
式I−Iで表される中間化合物:
【化3】

式中、
Dは、O、NH、またはSを表し、
Wは、CXまたはNを表し、
Tは、CX、N、またはCRを表し、
T’は、CX、N、またはCRを表し、
ここで、ラジカルのTまたはT’の一方がCRを表す場合、もう一方はCRでないことを前提とし、
Rは、COOHを表し、
Xは、Hを表し、
は、R、−[C(RCON(R、COR、またはS(O)Aを表し、
は、H、A、−[C(R−Ar’、−[C(R−Het’、−[C(R−シクロアルキル、−[C(R−OR、−[C(R−COOA、または−[C(RN(Rを表し、
は、HまたはAを表し、
Aは、1〜10個のC原子を有する、直鎖または分枝鎖のアルキルを表し、ここで、1個もしくは2個のCH基が、O原子もしくはS原子によって置換されていても、および/または−CH=CH−基によって置換されていてもよく、および/または、さらに1〜7個のH原子が、Fによって置換されていてもよく、
Ar’は、置換されていないフェニル、またはHalおよび/もしくはAによって、一置換、二置換、もしくは三置換されるフェニルを表し、
Het’は、1〜2個のNおよび/またはOを有する、単環式の、飽和、不飽和、または芳香族の複素環を表し、これは、置換されていなくても、A、Hal、OH、および/またはOAによって、一置換、二置換、または三置換されていてもよく、
Halは、F、Cl、Br、またはIを表し、
mは、0、1、または2を表し、
nは、0、1、2、または3を表す、
前記中間化合物、
および/またはその薬学的に使用可能な誘導体、塩、溶媒和化合物、立体異性体、あらゆる比におけるこれらの混合物。
【請求項35】
請求項34に記載の中間化合物であって、
Dが、O、NH、またはSを表し、
Wが、CXまたはNを表し、
Tが、CX、N、またはCRを表し、
T’が、CX、N、またはCRを表し、
ここで、ラジカルのTまたはT’の一方がCRを表す場合、もう一方はCRでないことを前提とし、
Rが、COOHを表し、
Xが、Hを表し、
が、R、−[C(RCON(R、COR、またはS(O)Aを表し、
が、H、A、−[C(R−Ar’、−[C(R−OR、−[C(R−COOA、または−[C(RN(R2を表し、
が、HまたはAを表し、
Aが、1〜10個のC原子を有する、直鎖または分枝鎖のアルキルを表し、さらに1〜7個のH原子が、Fによって置換されていてもよく、
Ar’が、置換されていないフェニル、またはHalおよび/もしくはAによって、一置換、二置換、もしくは三置換されたフェニルを表し、
Halが、F、Cl、Br、またはIを表し、
mが、0、1、または2を表し、
nが、0、1、2、または3を表す、
前記中間化合物、
および/またはその薬学的に使用可能な誘導体、塩、溶媒和化合物、立体異性体、あらゆる比におけるこれらの混合物。
【請求項36】
請求項35に記載の中間化合物であって、
Dが、O、NH、またはSを表し、
Wが、CXまたはNを表し、
Tが、CX、N、またはCRを表し、
T’が、CX、N、またはCRを表し、
ここで、ラジカルのTまたはT’の一方がCRを表す場合、もう一方はCRでないことを前提とし、
Rが、COOHを表し、
Xが、Hを表し、
が、Rまたは−(CHCONHRを表し、
が、H、A、または−(CH−Ar’を表し、
Aが、1〜10個のC原子を有する、直鎖または分枝鎖のアルキルを表し、さらに1〜7個のH原子が、Fによって置換されていてもよく、
Ar’が、置換されていないフェニル、またはHalおよび/もしくはAによって、一置換、二置換、もしくは三置換されたフェニルを表し、
Halが、F、Cl、Br、またはIを表し、
nが、0、1、2、または3を表す、
前記中間化合物、
および/またはその薬学的に使用可能な誘導体、塩、溶媒和化合物、立体異性体、あらゆる比におけるこれらの混合物。
【請求項37】
以下の群から選択される中間化合物:
2−(3−アミノ−1H−インダゾール−5−イル)−3H−イミダゾール−4−カルボン酸(「58」)、
2−(3−アミノ−1H−インダゾール−5−イル)オキサゾール−4−カルボン酸(「59」)、
5−(3−アミノ−1H−インダゾール−5−イル)フラン−2−カルボン酸(「60」)、
5−(3−アミノ−1−p−トリルカルバモイル−1H−インダゾール−5−イル)フラン−2−カルボン酸(「86」)、
5−(3−アミノ−1−ベンジル−1H−インダゾール−5−イル)フラン−2−カルボン酸(「87」)、
5−(3−アミノ−1−メチル−1H−インダゾール−5−イル)フラン−2−カルボン酸(「88」)、
および/またはその薬学的に使用可能な誘導体、塩、溶媒和化合物、立体異性体、あらゆる比におけるこれらの混合物。
【請求項38】
請求項34に記載の少なくとも一つの化合物、および/またはその薬学的に使用可能な誘導体、塩、溶媒和化合物、立体異性体、あらゆる比におけるこれらの混合物、ならびに必要に応じて、賦形剤および/またはアジュバントを含む、医薬。
【請求項39】
キナーゼシグナル伝達の阻害、制御、および/または調節が影響を与える疾患の、処置および/または予防のための医薬を調製するための、請求項34に記載の化合物、および/またはその薬学的に使用可能な誘導体、塩、溶媒和化合物、立体異性体、あらゆる比におけるこれらの混合物の、使用。
【請求項40】
キナーゼがSGKである、請求項39に記載の使用。
【請求項41】
請求項34に記載の化合物によるSGKの阻害によって影響を受ける疾患の、処置のための医薬を調製するための、請求項34に記載の化合物、その薬学的に使用可能な誘導体、溶媒和化合物、および立体異性体、ならびにあらゆる比におけるこれらの混合物の、請求項40に記載の使用。
【請求項42】
以下のための医薬を調製するための、請求項34に記載の化合物、その薬学的に使用可能な誘導体、溶媒和化合物、および立体異性体、ならびにあらゆる比におけるこれらの混合物の、請求項41に記載の使用:
糖尿病、肥満、代謝症候群(脂質代謝異常)、全身性および肺性の筋緊張亢進、心血管疾患および腎疾患、一般にあらゆる型の線維症および炎症プロセス、癌、腫瘍細胞、腫瘍転移、凝固障害、神経性興奮、緑内障、白内障、細菌感染の処置または予防のため、ならびに抗感染治療のため、学習能力および注意力の増進のため、細胞の老化およびストレスの処置および予防のため、ならびに耳鳴の処置のため。

【公表番号】特表2008−516999(P2008−516999A)
【公表日】平成20年5月22日(2008.5.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−537123(P2007−537123)
【出願日】平成17年4月4日(2005.4.4)
【国際出願番号】PCT/EP2005/003514
【国際公開番号】WO2006/045350
【国際公開日】平成18年5月4日(2006.5.4)
【出願人】(591032596)メルク パテント ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフトング (1,043)
【氏名又は名称原語表記】Merck Patent Gesellschaft mit beschraenkter Haftung
【住所又は居所原語表記】Frankfurter Str. 250,D−64293 Darmstadt,Federal Republic of Germany
【Fターム(参考)】