説明

触媒による低温重合

本発明は、少なくとも2種類の成分を含む重合触媒であって、前記少なくとも2種類の成分の少なくとも1種類以上が含窒素複素環および/またはその誘導体の群から選択され、前記少なくとも2種類の成分の少なくとも1種類以上が含硫有機酸および/または含硫有機酸の誘導体の群から選択される重合触媒に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも2種類の成分を含む重合触媒であって、該成分の少なくとも1種類が含窒素複素環および/またはその誘導体の群から選択され、該成分の少なくとも1種類が有機スルホン酸および/または有機スルホン酸誘導体の群から選択される重合触媒、前記触媒を含む組成物並びに前記触媒の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
回路基板、半導体、トランジスタおよびダイオードなどの電子デバイスは、多くの場合、保護のためにエポキシ樹脂などの材料でコーティングされている。かかるコーティング材料は、多くの場合、電子デバイスの表面に熱によって硬化させる。しかしながら、電子デバイスは、多くの場合、熱に敏感であり、過度の熱はデバイスの性能に悪影響を及ぼすことがあり得る。また、実際に、加熱に大量のエネルギーが必要であること、および/または重合反応や硬化反応に必要な時間があまりにも長いことが問題である。
【0003】
さらに、コーティング材料が熱に反応して有意に収縮または膨張した場合、コーティング材料で覆われたデバイスが反ることがあり得る。したがって、コーティング材料を比較的低温で短時間で硬化させるための方法が開発されること、およびコーティングされたデバイスが損傷される可能性が最小限となるように熱処理の際の体積変化がほぼゼロであるコーティング材料が開発されることが望ましい。
【0004】
したがって、研究部門では、硬化温度を低くするため、および重合工程を改善するための方法を探求する取り組みが現在も行われている。
【0005】
酸性触媒は上記の問題の解決に寄与し得ることが知られている。酸は、比較的効率的な重合触媒となり得る。その量に応じて、硬化温度を低くすること、および重合工程を改善することが可能であり得る。
【0006】
しかしながら、実際の適用では、かかる強酸はまた、最終重合結果およびその実用特性に負に寄与することもあり得る。例えば、硬化材料の耐薬品性および物性の劣化がみられ得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、本発明が特に意図することは、少量の酸性触媒で良好な重合結果を得ることである。
特に、種々の重合生成物が可能な場合、重合反応を実際の用途に好都合な方向に指向する手段を有することが必要である。
【0008】
例えば、硬化反応によるベンゾオキサジンモノマーの重合の際、2つの型の反復単位が得られ得ることが知られている。一方はエーテル型反復単位であり、他方はマンニッヒ型反復単位である。エーテル型は、最終生成物の1つであり、該重合条件下ではなんら反応を受けないと考えられている。他方では、本発明者らは、このエーテル型が安定な最終生成物ではなく、スキーム1に示すように、主に第1工程で形成される中間構造であり、第2工程で主鎖転位を受けて対応するマンニッヒ型構造が得られることを見い出した。
【0009】
【化1】

【0010】
かかるポリマーを構造材料、シーラントおよび接着剤に種々に適用するためには、該ポリマーは、できるだけ熱に安定でなければならない。ある構造から別の構造へのさらなる転移工程により、多くの場合、特に、実際の用途に既に適用されている場合、深刻な問題が引き起こされることがあり得る。したがって、1種類の安定な生成物、例えば、マンニッヒ型ポリ(ベンゾオキサジン)の効率的かつ選択的な形成が極めて望ましい。
【0011】
モノマー構造に応じて、エーテル型からマンニッヒ型構造への転位に必要とされる温度は、非常に高くなり、たいていは、200℃よりさらに高くなり得る。フェノール、カルボン酸、有機スルホン酸、アミン、イミダゾールおよびホスフィンなどの慣用的な重合触媒を使用しても、重合結果は、特定の態様に関して満足なものではない。
【0012】
有機スルホン酸を考察すると、これは比較的効率的な触媒であるが、その有効性は使用量に大きく依存する。有機スルホン酸の濃度が充分に高い場合は、許容可能な温度で円滑な重合プロセスがもたらされ得る。濃度が充分に高くない場合は、重合生成物および/または硬化材料の質が、最終生成物に負の影響を及ぼすことがあり得る。これにより、酸触媒によって引き起こされる腐食の増大またはさらなる負の効果がもたらされ得る。したがって、既に説明したように、実際の適用では、硬化材料の耐薬品性および物性の劣化を防ぐため、かかる強酸の量はできるだけ少なくすべきである。
【0013】
PCl5、TiCl4、AlCl3などのルイス酸もまた、高度に活性な触媒として知られており、かかる低温重合にも使用され得る。しかしながら、ルイス酸は、湿分に対して非常に敏感であり、揮発性、毒性および腐食性の不純物の形成が引き起こされるため、それらの実際の使用は回避されている。
【0014】
したがって、本発明のさらなる目的は、触媒成分の分解が引き起こされることなく、並びに毒性および/または腐食性の副生成物の発生がもたらされることなく、重合反応/硬化反応が行われ得る、耐湿性および耐大気性の触媒成分を得ることである。
したがって、本発明の目的は、許容可能な低温で重合反応を触媒することができると同時に、系内で使用されている触媒による負の影響の低減をもたらす重合触媒を得ることである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
したがって、本発明の主題の1つは、少なくとも2種類の成分を含む重合触媒であって、
a)前記少なくとも2種類の成分の少なくとも1種類以上が含窒素複素環および/またはその誘導体の群から選択され、該複素環は、好ましくは、イミダゾール、特に、120℃未満の融点を有するものの群から選択される、並びに
b)前記少なくとも2種類の成分の少なくとも1種類以上が含硫有機酸および/または含硫有機酸の誘導体の群から選択され、好ましくは有機スルホン酸および硫酸並びにその誘導体並びにそれらの混合物から選択され、特に、有機スルホン酸および/または有機スルホン酸誘導体から選択される、
重合触媒である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
好ましい実施形態において、本発明による重合触媒における前記含窒素複素環および/またはその誘導体と前記含硫有機酸および/または含硫有機酸の誘導体とのモル比は10:1〜1:10であり、好ましくは3:1〜1:3である。
【0017】
これらの範囲は、本発明による触媒の最良の効果を得るのに好ましい。特に、エーテル型からマンニッヒ型構造への主鎖転位は、これらの範囲内で改善され、エーテル型ポリベンゾオキサジンの混入が少ないポリマー生成物が得られる。
【0018】
本発明による含窒素複素環は、飽和、不飽和または芳香族であり得る。上記のイミダゾールの他、含窒素複素環が、チアゾール、オキサゾール、イミダゾール、ピリジン、ピペリジン、またはピリミジン、ピペラジン、ピロール、インドールまたはベンゾチアゾリルであることが好ましい場合もあり得る。さらに、含窒素複素環には酸性官能基が存在しないことが好ましい。
最も好ましくは、含窒素複素環式部分は、チアゾールおよび/またはイミダゾールである。
【0019】
特に、本発明による含窒素複素環および/またはその誘導体は、式I
【0020】
【化2】

【0021】
(式中、R1、R2、R3およびR4は、水素、または脂肪族炭化水素もしくは芳香族炭化水素である)
で示されるイミダゾールおよび/またはイミダゾール誘導体の群から選択されることが好ましいが、前記イミダゾールは、イミダゾール、2-メチルイミダゾール、2-エチルイミダゾール、2-ウンデシルイミダゾール、2-ヘプタデシルイミダゾール、2-フェニルイミダゾール、1,2-ジメチルイミダゾール、2-エチル-4-メチルイミダゾール、2-フェニル-4- メチルイミダゾール、1-ベンジル-2-フェニルイミダゾール、1-ベンジル-2-メチルイミダゾール、1-シアノエチル-2-メチルイミダゾールまたは1-アミノエチル-2-メチルイミダゾールの群から選択されることが特に好ましい。
【0022】
さらに、本発明による含硫有機酸および/または含硫有機酸の誘導体は、式II
【0023】
【化3】

【0024】
(式中、R5は、好ましくは、芳香族基、アルキル基およびフッ化アルキル基から選択される)
で示されるスルホン酸の群から選択されることが好ましい。特に、本発明の有機スルホン酸は、式III、IV、VおよびVI
【0025】
【化4】

【0026】
で示されるスルホン酸の群から選択される。
【0027】
また、本発明の意味において、本発明の重合触媒の少なくとも2種類の成分は、湿分および大気に対して安定であることが好都合であり、最も好ましくは、重合触媒中に存在し得る任意のさらなる成分もまた、湿分および大気に対して安定(または耐湿性および耐大気性)である。これにより、湿分および大気に曝露されたとき触媒成分が分解することなく、重合/硬化反応を低温で行なうことが可能になる。特に、本発明の触媒により、本発明による触媒性成分のうちの単一の触媒性成分のみを使用する場合よりも低温で、重合反応/硬化反応の熱力学的に安定な最終生成物を得ることが可能になる。
【0028】
本発明の別の主題は、少なくとも1種類の重合性成分と組み合わせて、本発明による少なくとも1種類の重合触媒を含む硬化性組成物である。
【0029】
該硬化性組成物は、ポリベンゾオキサジン(PBO)組成物を形成するために使用され得ることが好ましい。好ましいPBO組成物は、PBOと、本発明による触媒と、必要に応じてエポキシ樹脂および/またはフェノール系樹脂を含んでなる。
【0030】
エポキシ樹脂の一例は、エポキシクレゾール系ノボラック(novalac)である。成形用組成物は、例えば、約0.5重量%〜約7.0重量%、好ましくは約1.5重量%〜3.5重量%のエポキシ樹脂を含み得る。
【0031】
フェノール系樹脂の一例は、フェノール系ノボラックである。成形用組成物は、例えば、0.1重量%〜3.0重量%、好ましくは0.3重量%〜1.5重量%のフェノール系樹脂を含み得る。
【0032】
特に、本発明による少なくとも1種類の重合性成分は、ベンゾオキサジン成分、特に、式VII:
【0033】
【化5】

【0034】
(式中、
R6=H;
R7は、直鎖または分枝鎖の置換または非置換アルキルまたは芳香族基であり、R8、R9、R10は、独立して、水素、直鎖または分枝鎖の置換または非置換アルキル(好ましくは、12個未満のC原子を有する)および芳香族基から選択されるが、R10は、好ましくは芳香族基である;
R7およびR8またはR8およびR9は、必要に応じて環状構造を形成し得る)
で示される成分であることが好ましい。
【0035】
特に、ポリベンゾオキサジン(PBO)は、回路基板および半導体などの電子デバイス上にコーティングを施すために使用され得る。好ましいPBO組成物は、高いガラス転移温度、良好な電気的特性(例えば、比誘電率)、低可燃性を有し、離型時、硬化後および冷却時の収縮および膨張割合がほぼゼロである。
【0036】
好ましくは、R7、R8、R9およびR10を有する少なくとも1種類の式VIIで示されるベンゾオキサジン成分は、
【0037】
【化6】

【0038】
(式中、R6’、R7’、R8’、R9’およびR10’は、水素、直鎖または分枝鎖の置換または非置換アルキル基および芳香族基から選択される)
で表されるさらなるベンゾオキサジン構造を含む。
【0039】
さらに、本発明の組成物は、
【0040】
【化7】

【0041】
(式中、Rは、直鎖または分枝鎖の置換または非置換アルキルまたは芳香族基であり、好ましくは、Rは芳香族基である)
から選択される少なくとも1種類のベンゾオキサジン成分を含むことが好ましい。
【0042】
さらに、好ましい組成物は、本発明による前記1種類以上の重合性成分と、本発明による重合触媒とのモル比は、90:10〜99.9:0.1、好ましくは95:5〜99.5:0.5である。
【0043】
ベンゾオキサジン含有成形用組成物は、任意の慣用的な方法によって調製され得る。例えば、諸成分(樹脂および他の添加剤を含む)は、微細に粉砕され、ドライブレンドされ、高温差ロールミルにて緻密化された後、次いで造粒され得る。該成形用組成物は、上記のように、半導体または回路基板などの電子デバイスのコーティングに使用され得る。調製された組成物は、任意の適当な成形装置によって成形され得る。かかる装置の一例は、多数の窩洞鋳型を備えたトランスファープレスである。成形用組成物の調製方法および電子デバイスのコーティング方法に関するさらなる詳細については、米国特許第5,476,716号を参照のこと。
【0044】
以下は、成形用組成物に含まれ得る他の添加剤およびその組成物中の重量パーセントの好ましい範囲の一例である。
(1)臭素化エポキシノボラック難燃剤(例えば、BREN、日本化薬製)などの難燃剤。好ましい成形用組成物は、3.0重量%まで、より好ましくは0.1〜1.0重量%の難燃剤を含み得る。
(2)Sb 2 O 5またはWO 3などの難燃相乗剤。好ましい成形用組成物は、3.0重量%まで、より好ましくは0.25〜1.5重量%の難燃相乗剤を含み得る。
(3)シリカ、ケイ酸カルシウムおよび酸化アルミニウムなどの充填剤。好ましい成形用組成物は、70〜90重量%、より好ましくは75〜85重量%の充填剤を含み得る。
(4)カーボンブラック着色剤などの着色剤。好ましい成形用組成物は、0.1〜2.0重量%、より好ましくは0.1〜1.0重量%の着色剤を含み得る。
(5)カルナウバワックス、パラフィンワックス、S-ワックスおよびE-ワックスなどのワックスまたはワックスの組合せ。好ましい成形用組成物は、0.1〜2.0重量%、より好ましくは0.3〜1.5重量%のワックスを含み得る。
(6)アエロジルなどのヒュームドシリカ。好ましい成形用組成物は、0.3〜5.0重量%、より好ましくは0.7〜3.0重量%のヒュームドシリカを含み得る。
(7)シラン型カップリング剤などのカップリング剤。好ましい成形用組成物は、0.1〜2.0重量%、より好ましくは0.3〜1.0重量%のカップリング剤を含み得る。
【0045】
また、少なくとも1種類のさらなる溶媒、好ましくは、エーテル、ケトン、エステル、塩素化炭化水素、芳香族化合物、アミド、アルコールから選択される溶媒、特に、エステル型溶媒およびケトン型溶媒から選択される溶媒を含む組成物も好ましい。
【0046】
硬化温度に関して、本発明による組成物は、100℃〜250℃、好ましくは130℃〜180℃、特に130〜160℃の温度で硬化し得るものであることが好ましい。
【0047】
硬化圧力に関して、本発明による組成物は、1〜100 atmの圧力、好ましくは大気圧下で硬化し得るものであることが好ましい。
【0048】
本発明による組成物は、相応して含まれる重合性成分の1種類以上を、組成物全体に対して好ましくは20重量%〜99.9重量%、より好ましくは40重量%〜99.5重量%、最も好ましくは50重量%〜99重量%含む。
【0049】
本発明のさらなる主題は、本発明による組成物の硬化によって得られ得る共重合生成物および/または重合生成物である。
【0050】
特に、本発明に従って共重合生成物および/または重合生成物を得ることが好ましく、この場合、1種類以上のベンゾオキサジンモノマーを出発材料とすることにより、含窒素複素環および/またはその誘導体の群、あるいは含硫有機酸および/または含硫有機酸の誘導体の群から選択される1種類の触媒性成分のみを含む重合触媒を使用するよりも多くのマンニッヒ型構造が得られる。
【0051】
本発明による共重合生成物および/または重合生成物中のマンニッヒ型構造の割合は、共重合生成物および/または重合生成物の総重量に対して50重量%より多い、より好ましくは70重量%より多い、最も好ましくは90重量%より多いことが好ましい。
【0052】
好ましくは、本発明による共重合生成物および/または重合生成物には、少なくとも1種類の本発明による重合触媒が含まれる。
【0053】
本発明による共重合生成物および/または重合生成物は、好ましくは、100℃〜200℃、より好ましくは130℃〜180℃、最も好ましくは130℃〜160℃の範囲の硬化温度の使用によって作製され得る。
【0054】
好ましい実施形態において、本発明による組成物および/または共重合生成物および/または重合生成物は接着剤の形態であり、この場合、接着促進剤、難燃剤、充填剤、熱可塑性添加剤、反応性または非反応性希釈剤、およびチキソトロピー剤の1種類以上が含まれることがあり得る。また、かかる本発明の接着剤はフィルム形態で配置され得、この場合、ナイロン、ガラス、カーボン、ポリエステル、ポリアルキレン、石英、ポリベンゾイミダゾール、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンスルフィド、ポリp-フェニレンベンゾビスオキサゾール、炭化ケイ素、フェノールホルムアルデヒド、フタレートおよびナフテノエートで構成された支持体が含まれ得る。
【0055】
本発明の組成物および/または共重合生成物および/または重合生成物(並びに、これらから作製されるプリプレグ(pregreg)およびトウプレグ)は、複合材料部品および金属部品のボンディング、サンドイッチ構造のコアおよびコア充填剤、並びに複合材料の表面処理に特に有用であり、また、プリプレグにおける使用のためのマトリックス樹脂として、またはその先のプロセスにおけるマトリックス樹脂(樹脂トランスファー成形および樹脂フィルム含浸など)として、繊維強化複合材料物品用のマトリックス樹脂などの航空宇宙産業および工業的最終用途のための複合材料部品の製造および組立てに特に有用である。
【0056】
本発明のさらなる主題は、少なくとも1種類のベンゾオキサジン成分を含む硬化性組成物における本発明による少なくとも1種類の重合触媒の利用であり、該成分は、好ましい実施形態において、式VII:
【0057】
【化8】

【0058】
(式中、
R6=H;
R7は、直鎖または分枝鎖の置換または非置換アルキルまたは芳香族基であり、R8、R9、R10は、独立して、水素、直鎖または分枝鎖の置換または非置換アルキルおよび芳香族基から選択されるが、R10は、好ましくは芳香族基である;
R7およびR8またはR8およびR9は、必要に応じて環状構造を形成し得る)
に包含される。
【0059】
本発明による本発明の使用の別の好ましい実施形態では、R7、R8、R9およびR10を有する少なくとも1種類の式VIIで示されるベンゾオキサジン成分は、
【0060】
【化9】

【0061】
(式中、R6’、R7’、R8’、R9’およびR10’は、水素、直鎖または分枝鎖の置換または非置換アルキル基および芳香族基から選択される)
で表されるさらなるベンゾオキサジン構造を含む。
【0062】
特に、本発明の使用は、
【0063】
【化10】

【0064】
(式中、Rは、直鎖または分枝鎖の置換または非置換アルキルまたは芳香族基であり、好ましくは、Rは芳香族基である)
から選択される少なくとも1種類のベンゾオキサジン成分を含む組成物で条件が満たされる。
【0065】
また、本発明の使用に関して、本発明の使用による少なくとも1種類のベンゾオキサジン成分と本発明による少なくとも1種類の触媒とのモル比は、90:10〜99.9:0.1であることが好ましく、好ましくは95:5〜99.5:0.5である。
【0066】
また、本発明に従って使用される組成物は、少なくとも1種類のさらなる溶媒を含むことが好ましく、好ましくは、エーテル、ケトン、エステル、塩素化炭化水素、芳香族化合物、アミド、アルコールから選択される溶媒、特に、エステル型溶媒およびケトン型溶媒から選択される溶媒を含むことが好ましい。
【0067】
本発明の使用の別の好ましい実施形態において、該組成物は、100℃〜250℃、より好ましくは130℃〜180℃、最も好ましくは130〜160℃の温度で硬化し得るものである。
【0068】
また、本発明の使用との関連において、1〜100 atmの圧力、より好ましくは大気圧下で硬化し得る組成物を得ることが好ましい。
【0069】
本発明の使用に適用される組成物において、相応して含まれる重合性成分の1種類以上、特に、ベンゾオキサジン成分を、組成物全体に対して20重量%〜99.9重量%、より好ましくは40重量%〜99,5重量%、最も好ましくは50重量%〜99重量%の濃度で有することが好ましい。
【0070】
好ましくは、本発明の使用のための最終組成物は、無機充填剤、好ましくは、シリカ粉末、粉末状金属酸化物、並びに粉末状金属または有機充填剤、好ましくは、ゴム粒子および他のポリマー粒子の群から選択されるさらなる成分を含む。
【0071】
本発明のさらなる主題は、シーラント、接着剤および/またはコーティングの調製における、並びに/あるいはシーラント、接着剤および/またはコーティングとしての、好ましくは、電子チップボンディングおよび電子チップ用アンダーフィル剤における本発明による硬化性組成物あるいは本発明の組成物から得られ得る本発明による共重合生成物および/または重合生成物の使用であり、この場合、シーラント、接着剤および/またはコーティングは、好ましくは、金属、ケイ酸塩、金属酸化物、コンクリート、木材、電子チップ材料、半導体材料および有機ポリマーを含む群から選択される基材上または基材間に適用され、固化される。
【0072】
特に、本発明による硬化性組成物または本発明の組成物から得られ得る本発明による共重合生成物および/または重合生成物は、さまざまな適用用途、例えば、接着剤および成形される適用用途に使用される。好ましくは、本発明の使用は、低可燃性が重要である(例えば、航空機の内装など)接着剤、または熱安定性並びにモジュラス、引張強度および膨張係数など物性の容易な変更が重要であり得る接着剤としての適用用途を対象にする。また、記載されるように、これらは、充填型または非充填型成形適用用途、例えば、繊維強化複合材料物品用のマトリックス樹脂、プリプレグにおける使用のためのマトリックス樹脂、またはその先のプロセスにおけるマトリックス樹脂(樹脂トランスファー成形および樹脂フィルム含浸など)に使用され得る。
【0073】
本発明のさらなる主題は、本発明による組成物(好ましくは、ベンゾオキサジンモノマーを含む)を、該組成物が硬化するのに充分な温度まで加熱し、かくして、好ましくは半導体または回路基板などの電子デバイスであるデバイスの表面をコーティングするポリマーを形成することにより、デバイスをコーティングする方法である。
【0074】
また、該組成物がベンゾオキサジンモノマーを含む場合、加熱温度は、共重合生成物および/または重合生成物の総重量に対して50重量%より多く、より好ましくは70重量%より多く、最も好ましくは90重量%より多くのマンニッヒ型構造がもたらされるのに充分高いことが好ましい。
【0075】
本発明のさらなる主題は、本発明による共重合生成物および/または重合生成物でコーティングされたデバイスである。
【0076】
好ましい実施形態において、デバイスは、半導体または回路基板などの電子デバイスであり得る。
【0077】
本発明を、以下の実施例によって、より詳細に例示する。
【実施例】
【0078】
(実施例1)
スキーム1の式1aで示されるベンゾオキサジン(10 g、44 mmol)およびp-トルエンスルホン酸一水和物[PTS](76 mg、0.40 mmol)並びに2-エチル-4-メチルイミダゾール[EMI](44 mg、0.40 mmol)を、反応容器内で一緒に合わせ、真空下で40℃にて1時間加熱し、均一な混合物を得た。
【0079】
次いで、得られた混合物を150℃で加熱した。スキーム1の反応の進行を、連続的な1H-NMR解析によって観察した。図1-1を見ると、重合の1H-NMRモニタリングがどのように進行したかかが良好に説明される。すなわち、特性ピークの量の変化および/または消失は、混合物中の種々の化学成分の量に直接対応する。換言すると、このモニタリングにより、モノマー変換および[エーテル型]と[マンニッヒ型]構造の組成比の計算が可能になる。
【0080】
実施例1に関して、1H-NMRスペクトルにより、150℃で2時間加熱すると、モノマーは完全にポリマー構造に変換されたことが示された。
【0081】
その後、混合物の加熱を継続し、主鎖転位の進行を観察した。
【0082】
【化11】

【0083】
以下の図1-1から、重合の1H-NMRモニタリングの典型例がどのように進行したかかがわかる。その結果、これにより、モノマー変換および[エーテル型]:[マンニッヒ型]組成比の計算が可能になる。
【0084】
図1-2は、1H-NMRモニタリングプロセスに相当し、種々の濃度のポリベンゾオキサジン(PBO)に達するのに必要であった変換時間、並びに種々の濃度のPBOのマンニッヒ型構造に達するのに必要であった変換時間を示す。
また、さらなるデータをスキーム2の最後の行に組み込む。
【0085】
(比較例1)
第1の比較例では、本発明による触媒PTS(1 mol%)-EMI(1 mol%)の代わりに、単独の触媒を使用した(詳細には、2 mol%のPTSを使用した)こと以外は、実施例1と同じ条件を使用した。また、データをスキーム2に組み込む。PTSの強酸性から予測され得る(図2)ように、1H-NMRモニタリングから、モノマーの変換がかなり急速であることがわかる。前者の酸性度が後者よりもずっと高い、2 mol%のPTSはPTS(1 mol%)-EMI(1 mol%)触媒よりも強力であろうと予測され得よう。しかしながら、結果を比較すると、少なくとも主鎖転位はPTS-EMIハイブリッド触媒によってより促進される。また、この実施例により、酸性成分の量は、触媒有効性を失うことなく本発明の触媒によって低減され得ることも示され得る。
【0086】
換言すると、PTSの一部をEMIで置き換えることにより、触媒の全酸性度の低下だけでなく、主鎖転位の効率のさらなる改善も可能になる。
【0087】
(比較例2)
別の比較例でも、本発明の触媒の組み合わせPTS(1 mol%)-EMI(1 mol%)の代わりに、単独の触媒2mol%のEMIを使用したこと以外は、実施例1と同じ条件を使用した。また、データをスキーム2に組み込む。
【0088】
図3にまとめた結果から、モノマー変換と主鎖転位の両方が、PTSを触媒として用いた重合よりもずっと遅くなったことが容易にわかる。
【0089】
これらの結果を考察すると、当業者であれば、PTSとEMIの組合せによる改善はないと予測したであろうが、反対に、これらの結果により、当業者は、かかる低活性の塩基性触媒(=EMI)をPTSに添加することは単にPTSの不活化しかもたらされ得ないという結論に導かれよう。この仮定から、本発明によるPTS-EMIハイブリッド触媒に高い触媒活性が見られることは、非常に驚くべきことであった。
【0090】
(さらなる実施例)
スキーム2および表1から、さらなる実施例がわかるであろう。参考例3〜5では、PTSを、いくつかの含窒素化合物と組み合わせた。PTS+EMIの組合せにより、主鎖転位に関して最良の結果が得られる。しかしながら、PTS+DMP(参考例4)およびPTS+トリアゾール(参考例5)の組合せでも、主鎖転位に関して良好な結果が得られた。
【0091】
【化12】

【0092】
【表1】

【0093】

【0094】

【0095】

【図1−1】

【図1−2】

【図2】

【図3】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも2種類の成分を含む重合触媒であって、前記少なくとも2種類の成分の少なくとも1種類以上が含窒素複素環および/またはその誘導体の群から選択され、前記少なくとも2種類の成分の少なくとも1種類以上が含硫有機酸および/または含硫有機酸の誘導体の群から選択される、重合触媒。
【請求項2】
含硫有機酸および/または含硫有機酸の誘導体が、有機スルホン酸および硫酸並びにその誘導体並びにその混合物の群から選択される、請求項1に記載の重合触媒。
【請求項3】
含硫有機酸および/または含硫有機酸の誘導体が、有機スルホン酸および/または有機スルホン酸誘導体の群から選択される、請求項2に記載の重合触媒。
【請求項4】
前記含窒素複素環および/またはその誘導体と前記含硫有機酸および/または含硫有機酸の誘導体とのモル比が10:1〜1:10であり、好ましくは3:1〜1:3である、請求項1〜3のいずれかに記載の重合触媒。
【請求項5】
前記含窒素複素環および/またはその誘導体が、式I
【化1】

(式中、R1、R2、R3およびR4は、水素、または脂肪族炭化水素もしくは芳香族炭化水素である)
で示されるイミダゾールおよび/またはイミダゾール誘導体の群から選択される、請求項1〜4のいずれかに記載の重合触媒。
【請求項6】
前記イミダゾールが、イミダゾール、2-メチルイミダゾール、2-エチルイミダゾール、2-ウンデシルイミダゾール、2-ヘプタデシルイミダゾール、2-フェニルイミダゾール、1,2-ジメチルイミダゾール、2-エチル-4-メチルイミダゾール、2-フェニル-4-メチルイミダゾール、1-ベンジル-2-フェニルイミダゾール、1-ベンジル-2-メチルイミダゾール、1-シアノエチル-2-メチルイミダゾールまたは1-アミノエチル-2-メチルイミダゾールの群から選択される、請求項5に記載の重合触媒。
【請求項7】
前記含硫有機酸および/または含硫有機酸の誘導体が、式II
【化2】

で示されるスルホン酸の群から選択される、請求項1〜6のいずれかに記載の重合触媒。
【請求項8】
R5が、芳香族基、アルキル基、およびフッ化アルキル基から選択される、請求項7に記載の重合触媒。
【請求項9】
前記有機スルホン酸が、式III、IV、VおよびVIで示されるスルホン酸
【化3】

の群から選択される、請求項7に記載の重合触媒。
【請求項10】
前記少なくとも2種類の成分が湿分および大気に対して安定である、請求項1〜9のいずれかに記載の重合触媒。
【請求項11】
前記少なくとも2種類の成分並びに存在し得る任意のさらなる成分が湿分および大気に対して安定(または耐湿性および耐大気性)である、請求項1〜10のいずれかに記載の重合触媒。
【請求項12】
少なくとも1種類の重合性成分と組み合わせて、請求項1〜10に記載の重合触媒の少なくとも1種類を含む硬化性組成物。
【請求項13】
少なくとも1種類の重合性成分がベンゾオキサジン成分である、請求項12に記載の硬化性組成物。
【請求項14】
少なくとも1種類の式VII:
【化4】

(式中、
R6=H;
R7は、直鎖または分枝鎖の置換または非置換アルキルまたは芳香族基であり、好ましくは、R10は芳香族基である;
R8、R8、R9は、独立して、水素、直鎖または分枝鎖の置換または非置換アルキルおよび芳香族基から選択される;
あるいはR7およびR8またはR8およびR9は、必要に応じて環状構造を形成し得る)
で示されるベンゾオキサジン成分を含む、請求項13に記載の組成物。
【請求項15】
さらに、
【化5】

(式中、R6'、R7'、R8'、R9'およびR10'は、水素、直鎖または分枝鎖の置換または非置換アルキル基および芳香族基から選択される)
で表されるベンゾオキサジン構造を含む、R7、R8、R9およびR10を有する少なくとも1種類の式VIIで示されるベンゾオキサジン成分
を含む、請求項14に記載の組成物。
【請求項16】
【化6】

(式中、Rは、直鎖または分枝鎖の置換または非置換アルキルまたは芳香族基であり、好ましくは、Rは芳香族基である)
から選択される少なくとも1種類のベンゾオキサジン成分を含む、請求項14に記載の組成物。
【請求項17】
前記1種類以上の重合性成分と請求項1〜5に記載の前記重合触媒とのモル比が、90:10〜99.9:0.1、好ましくは95:5〜99.5:0.5である、請求項11〜16のいずれかに記載の組成物。
【請求項18】
少なくとも1種類のさらなる溶媒、好ましくは、エーテル、ケトン、エステル、塩素化炭化水素、芳香族化合物、アミド、アルコールから選択される溶媒を含む、請求項11〜17のいずれかに記載の組成物。
【請求項19】
前記溶媒がエステル型溶媒およびケトン型溶媒から選択される、請求項18に記載の組成物。
【請求項20】
100℃〜250℃、好ましくは130℃〜180℃、より好ましくは130℃〜160℃の温度で硬化し得る、請求項11〜19のいずれかに記載の組成物。
【請求項21】
1〜100 atmの圧力、好ましくは大気圧下で硬化し得る、請求項11〜20のいずれかに記載の組成物。
【請求項22】
組成物全体に対して20重量%〜99.9重量%の前記1種類以上の重合性成分を含む、請求項11〜21のいずれかに記載の組成物。
【請求項23】
請求項11〜21のいずれかに記載の組成物の硬化によって得られ得る共重合生成物および/または重合生成物。
【請求項24】
含窒素複素環および/またはその誘導体の群、あるいはスルホン酸および/またはスルホン酸誘導体の群から選択される1種類の触媒性成分のみを含む重合触媒を使用するよりも多くの共重合生成物および/または重合生成物のマンニッヒ型構造部分が得られる、請求項23に記載の共重合生成物および/または重合生成物。
【請求項25】
共重合生成物および/または重合生成物の総重量に対して50重量%より多く、好ましくは70重量%より多くのマンニッヒ型構造を含む、請求項23または24のいずれかに記載の共重合生成物および/または重合生成物。
【請求項26】
請求項1〜11のいずれかに記載の少なくとも1種類の重合触媒を含む、請求項23〜25のいずれかに記載の共重合生成物および/または重合生成物。
【請求項27】
100℃〜200℃、好ましくは130℃〜180℃、より好ましくは130℃〜160℃の範囲の硬化温度の使用によって作製される、請求項23〜26のいずれかに記載の共重合生成物および/または重合生成物。
【請求項28】
少なくとも1種類のベンゾオキサジン成分を含む硬化性組成物における請求項1〜11のいずれかに記載の少なくとも1種類の重合触媒の使用。
【請求項29】
該少なくとも1種類の触媒が湿分および大気に対して安定である、請求項28に記載の使用。
【請求項30】
該少なくとも1種類の触媒並びに存在し得る任意のさらなる触媒が、湿分および大気に対して安定(または耐湿性および耐大気性)である、請求項28または29のいずれかに記載の使用。
【請求項31】
前記組成物が、式VII:
【化7】

(式中、
R6=H;
R7は、直鎖または分枝鎖の置換または非置換アルキルまたは芳香族基であり、好ましくは、R10は芳香族基である;
R7、R8、R9は、独立して、水素、直鎖または分枝鎖の置換または非置換アルキルおよび芳香族基から選択される;
あるいはR6およびR7またはR8およびR9は、必要に応じて環状構造を形成し得る)
に包含される少なくとも1種類のベンゾオキサジン成分を含む、請求項28〜30のいずれかに記載の使用。
【請求項32】
R7、R8、R9およびR10を有する少なくとも1種類の式VIIで示されるベンゾオキサジン成分が、さらに、
【化8】

(式中、R6'、R7'、R8'、R9'およびR10'は、水素、直鎖または分枝鎖の置換または非置換アルキル基および芳香族基から選択される)
で表されるベンゾオキサジン構造を含む、請求項31に記載の使用。
【請求項33】
前記組成物が、
【化9】

(式中、Rは、直鎖または分枝鎖の置換または非置換アルキルまたは芳香族基であり、好ましくは、Rは芳香族基である)
から選択される少なくとも1種類のベンゾオキサジン成分を含む、請求項28〜31のいずれかに記載の使用。
【請求項34】
該少なくとも1種類のベンゾオキサジン成分と式Iで表される少なくとも1種類の触媒とのモル比が、90:10〜99.9:0.1であり、好ましい比が95:5〜99.5:0.5である、請求項28〜33のいずれかに記載の使用。
【請求項35】
前記組成物が、少なくとも1種類のさらなる溶媒、好ましくは、エーテル、ケトン、エステル、塩素化炭化水素、芳香族化合物、アミド、アルコールから選択される溶媒を含む、請求項28〜34のいずれかに記載の使用。
【請求項36】
前記溶媒が、エステル型溶媒およびケトン型溶媒から選択される、請求項35に記載の使用。
【請求項37】
前記組成物が、100℃〜250℃、好ましくは130℃〜180℃、より好ましくは130℃〜160℃の温度で硬化し得る、請求項28〜36のいずれかに記載の使用。
【請求項38】
前記組成物が1〜100 atmの圧力、好ましくは大気圧下で硬化し得る、請求項28〜37のいずれかに記載の使用。
【請求項39】
ベンゾオキサジン成分が組成物全体に基づいて20重量%〜99.9重量%を構成する、請求項28〜38のいずれかに記載の使用。
【請求項40】
最終組成物が、無機充填剤(好ましくは、シリカ粉末、粉末状金属酸化物および粉末状金属)または有機充填剤(好ましくは、ゴム粒子および他のポリマー粒子)の群から選択されるさらなる成分を含む、請求項28〜39のいずれかに記載の使用。
【請求項41】
シーラント、接着剤および/またはコーティングの調製における、および/あるいはシーラント、接着剤および/またはコーティングとしての、好ましくは、電子チップボンディングおよび電子チップ用アンダーフィル剤における、請求項12〜22のいずれかに記載の硬化性組成物、または請求項23〜27に記載の前記組成物から得られ得る共重合生成物および/または重合生成物の使用。
【請求項42】
該シーラント、接着剤および/またはコーティングが、金属、シリケート、金属酸化物、コンクリート、木材、電子チップ材料、半導体材料および有機ポリマーを含む群から選択される基材上または基材間に適用され、固化される、請求項41に記載の使用。
【請求項43】
請求項12〜22の1項以上に記載の組成物を該組成物が硬化するのに充分な温度まで加熱し、かくして、好ましくは半導体または回路基板などの電子デバイスであるデバイスの表面をコーティングするポリマーを形成する、デバイスのコーティング方法。
【請求項44】
該組成物がベンゾオキサジンモノマーを含む、請求項43に記載の方法。
【請求項45】
加熱温度が、共重合生成物および/または重合生成物の総重量に対して50重量%より多く、好ましくは70重量%より多く、より好ましくは90重量%より多くのマンニッヒ型生成物をもたらすのに充分である、請求項44に記載の方法。
【請求項46】
請求項23〜27のいずれかに記載の共重合生成物および/または重合生成物でコーティングされたデバイス。

【公表番号】特表2010−504382(P2010−504382A)
【公表日】平成22年2月12日(2010.2.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−528683(P2009−528683)
【出願日】平成19年9月13日(2007.9.13)
【国際出願番号】PCT/EP2007/059623
【国際公開番号】WO2008/034753
【国際公開日】平成20年3月27日(2008.3.27)
【出願人】(391008825)ヘンケル・アクチェンゲゼルシャフト・ウント・コムパニー・コマンディットゲゼルシャフト・アウフ・アクチェン (309)
【氏名又は名称原語表記】Henkel AG & Co. KGaA
【住所又は居所原語表記】Henkelstrasse 67,D−40589 Duesseldorf,Germany
【Fターム(参考)】