説明

計器への改良

【課題】警報状態を表示する時、情報を前景画面と背景画面とで交互に表示することにより、観察者に警報状態を迅速に気付かせるようにした計器を提供する。
【解決手段】使用者による観察のために計器上に情報を表示する方法であって、以下のステップを含むことを特徴とする:a)第1の焦点面上に情報を表示すること;そしてb)警報または重大な状況が発生した場合、第1の焦点面上に表示された情報を異なる焦点面に移動させること;そしてc)この情報を第1の焦点面に戻すように移動させること;そしてd)ステップb)およびc)を繰り返し、それによって、計器の観察者が、表示された情報に気が付くこと。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、計器への改良に関係している。
【背景技術】
【0002】
器具を見ることにより得られる情報の入力速度、理解および/または保持においては、可能性のあるどんな改善も、明らかに有益だろう。これは、警報状態などの重要な情報を計器が伝達するところでは、広範囲の使用者にとって明らかに有益であり、特に、迅速な意思決定が必要な状況、例えばパイロット、その他軍人、運転者、操縦者、航空管制などにおいてそうである。
【0003】
これは特に重要であり、警報状態などの状況において、または重大なパラメータ(critical parameters)を超えている場合には、状況の理解におけるいかなる遅延も悲劇的であり、あるいはある状況においては致命的でさえある。現在、観察者の注意をこれらの状況に向ける最も効果的な方法は、情報を消し、その後再び点けて、「点滅」させることである。この点滅は普通、単一の焦点面(single focal plane)を有する視覚ディスプレイ(a visual display)の上で行われる。
【0004】
観察者の脳がこの情報を吸収するのにかかる時間により、時間が重要な何らかの状況において、使用可能な選択肢が実質的に少なくなる可能性があり、理解の速さ、したがって反応時間におけるどんな改善も、これらの状況において大きな利点を提供するはずである。
【0005】
コンピュータ画面、視覚ディスプレイなどを読み取る間に通常使用される、認められている意識読取機構(conscious reading mechanism)を強化するために、観察者の潜在意識を利用することができると考えられている。
【0006】
人間が視覚情報を処理する方法は、この複雑な処理を理解しようとする上で広範囲かつ長期の調査の対象であった。観察者の意識的気付きの焦点とならなかった視覚情報を分析および処理する際の潜在意識の働きを示すため、前注意過程(preattentive processing)という用語が作り出されている。
【0007】
多くの視覚計器を見るとき、計器の視覚的特徴におけるある種の変形または特性が、前注意過程による迅速な検知につながる可能性がある。
【0008】
これは、使用者が個々に各計器を走り読みして、前記特性があるかどうかを細かく調べることを使用者に求める場合よりもかなり速い。
【0009】
正確にどの特性が前注意過程の助けとなるかということ自体が、実質的な調査の対象であった。効果的な前注意過程を引き起こす関連の視覚特性を見つけるために、色、形状、三次元視覚情報、方向、移動、および深さが全て調査されている。
【0010】
Triesman(1985年)などの研究者が、前注意特性を分類しようとして、目標物および境界検出を使用して実験を行った。前注意目標物検出は、目標要素が、背景のかく乱刺激要素の領域内にあるかないかを判定することによって調べられた。境界検出は、かく乱刺激内に配置された独自の視覚特性を有する目標要素群によって形成された境界を検出することの試みを含む。
【0011】
例えば、赤丸は、いくつかの青丸の中に配置されていると、すぐに識別できることは、簡単に可視化(visualize)できるかもしれない。同様に、円は、いくつかの四角形のかく乱刺激の中に配置した場合、簡単に検出することができるであろう。
【0012】
前注意性の試験を行うため、目で見られるかく乱刺激の数を変え、目標物を確認するのに必要な探索時間が一定である場合には、かく乱刺激の数とは関係なく、この探索は前注意的であると言える。同様の探索時間制限を使用して、領域検出探索を前注意的であると分類する。
【0013】
前注意性を分類するのに使用される、広く受け入れられている閾値時間は、200〜250ミリ秒である。というのは、これは、使用者に対して、ある一場面で「一見する」機会を許すにすぎないためである。この時間枠は、人間がその場面の異なる部分を見ようと意識的に判断するのに十分なものではない。上に述べたような探索作業(search tasks)は、200ミリ秒より短くても達成でき、したがってディスプレイ中の情報が、注意されずにまたは前注意的に、並行処理されることを示唆している。
【0014】
しかし、目標物が独自の特徴の結合からなっている場合(すなわち結合探索では)、これらを前注意的に検出できないことが、調査により示されている。上記の例を使用すれば、目標物が、例えば青の円および赤の四角を含むかく乱刺激内に配置された赤の円からなる場合、かく乱刺激全てが目標物の2つの独自の特徴のうち1つを含んでいるので、赤の円を前注意的に検出することはできない。
【0015】
上記例は、比較的簡単な視覚的場面に基づくものであるが、EnnsおよびRensink(1990年)は、3次元物体の外観が与えられた目標物も、前注意的に検出することができることを確認した。
【0016】
したがって、例えば上からの照明を示すように陰影をつけた立法体の斜視によって示された目標物は、異なる方向からの照明を意味するように陰影をつけた複数のかく乱刺激の立方体の中において前注意的に検出可能であろう。
【0017】
これは、知覚された3次元性という比較的複雑で高レベルの概念を潜在意識によって前注意的に処理することが可能であるという点で重要な原則を示している。
【0018】
比較として、上記の立方体の構成要素が、明らかな3次元性を取り除くように再配向(re-oriented)された場合、被験者は例えば反転させた目標物を前注意的に検出することはできない。Brown他(1992年)による追加の実験では、前注意的に検出されるのは3次元的な向きの特徴であることが確認された。
【0019】
NakaymyamaおよびSilverman(1986年)は、動きおよび深さは前注意特徴であり、さらに、結合の影響を克服するのに立体的な深さを使用することができることを示した。このことにより、高レベルの情報が使用者の低レベルの視覚システムによって概念的に処理されていることを示唆して、EnnsおよびRensinkによって行われた研究を補強した。
【0020】
深さの影響を試験するため、被験者に、かく乱刺激に関して両眼視差の異なる目標物の検出が課された。その結果、かく乱刺激の数の増加と関係なく、反応時間は一定であることが示された。
【0021】
これらの実験の後に結合課題が行われ、それにおいて、立体色(SC)結合試験では、青色のかく乱刺激を前面に配置し、赤色のかく乱刺激を後面に配置し、目標物は前面上の赤色、または後面上の青色のいずれかであり、また立体および動き(SM)試験では、前面上で下降する、または背面上で上昇する目標物と共に、前面上で上昇する、または背面上で下降するかく乱刺激を利用した。
【0022】
その結果、SCおよびSM試験の反応時間は一定であり、かく乱刺激の数と関係なく250ミリ秒の閾値より小さいことが示された。目標物は、かく乱刺激全てに対して特有の特徴を保有していないので、試験は結合を含んでいる。しかし、もう1つの平面におけるかく乱刺激の干渉を受けることなく、前注意的に各平面を順に観察者が探索することができることが示された。
【0023】
この調査はさらに、一連の実験においてMeltonおよびScharff(1998年)によって補強された。この実験では、大小のかく乱刺激の中に中型の目標物を配置することからなる探索課題によって、目標物がかく乱刺激と同一平面に埋め込まれる探索の並列の性質と、目標物がかく乱刺激と別の深さ面に配置される探索の前注意性質とが試験された。
【0024】
目標物の深さ面のみに存在するかく乱刺激の数に対する、(深さに関係なく)存在するかく乱刺激の合計数の相対的影響も調査された。その結果、目標物の有無による反応時間の明らかな変更を含む多くの興味深い特徴が示された。
【0025】
目標物のない試験では、被験者全員の反応時間が、かく乱刺激の数との直接の対応を示したが、目標物のある試験では、このような依存性は示されなかった。さらに、かく乱刺激が多くの深さに渡って広がっている場合における反応時間は、かく乱刺激が単一の深さ面に配置されている場合よりも速いことが分かった。
【0026】
したがって、複数の深さ/焦点面を情報表示手段として使用すると、反応/吸収時間が向上し、前注意過程が向上しうる。
【0027】
したがって、全体の読取り/観察処理の速度および有効性を向上させるため、従来の計器の読取りの処理と共に追加の情報源を吸収するように、読み手の周辺視および潜在意識認知を利用することにより、上記の欠点を克服する手段を利用できると考えられる。
【0028】
これは、警報状況の表示に特に関連しており、なぜなら、この状況は、ディスプレイ上の情報に反応する時間が最も重要である(すなわち、時間が足りない)場合だからである。
【0029】
本発明の目的は、前述の問題に取り組むことであり、または少なくとも公衆に有用な選択を提供することである。
【0030】
本発明の別の態様および利点は、例示のためだけに与えられた以下の説明から明らかになるだろう。
【発明の開示】
【0031】
本発明の一態様によると、使用者による観察のために計器上に情報を表示する方法であって、以下のステップにより特徴付けられる方法が提供される:
a)第1の焦点面(a first focal plane)上に情報を表示すること;そして
b)警報または重大(critical)な状況が発生した場合、異なる焦点面に、第1の焦点面上に表示された情報を移動させること;そして
c)この情報を、第1の焦点面に戻すように移動させること;そして
d)計器の観察者が、表示された情報に気が付くように、ステップb)およびc)を繰り返すこと。
【0032】
本発明の別の態様によると、使用者が観察するために情報を表示する計器において、
多レベル画面(multi-level screen)を形成するように、物理的に間隔を置いて配置される少なくとも2つの単一レベル画面(single level screen)を含む視覚ディスプレイシステムと、
第1の焦点面上の情報とを含む計器であって、
警報または重大な状況が発生した場合、第1の焦点面上に表示される情報が異なる焦点面に移動し、その後第1の焦点面に戻り、それによって、計器の観察者が、表示された情報に気が付く構成となっていることを特徴とする計器が提供される。
【0033】
本明細書中では、「情報」という用語は、アルファベットや数値文字、記号、プレーンテキスト、画像、その組合せ、または情報を視覚的に示す他のあらゆる手段を含むことを理解されたい。
【0034】
本発明の好ましい実施形態では、情報は、ニュージーランド特許第505800号に開示されるような、多レベル3次元表示装置上に、表示される。
【0035】
しかし、これはどのような意味でも本発明に対する限定ではないことが理解されるべきであり、他の実施形態では、2つ以上の焦点面を有するあらゆる表示装置上に情報を表示することができる。
【0036】
本明細書の好ましい実施形態において、制御回路はいくつかのシステム・パラメータにアクセスし、パラメータが特定のレベルを超えると、制御装置は表示装置に信号を送り、第1の焦点面上に表示される適当な情報が別の焦点面に移動し、その後第1の焦点面に戻り、それによって観察者が表示された情報に気が付き、したがって状況を修正する措置を講じることができると考えられる。
【0037】
焦点面間の情報の移動は何度も、すなわち、観察者が表示された情報に気が付くのに十分なだけ、行われることが好ましい。
【0038】
本明細書全体を通して、「警報または重大な状況」という用語は、システム・パラメータが限界を超えた場合、または外部の影響を考慮しなければならない場合を意味することを理解されたい。例えば、軍事の状況では、これは飛行機、ミサイルなどの別の対象物に接近していることかもしれず、または、ミサイルからレーダ・ロックなどの信号を受けることであるかもしれない。
【0039】
観察者が前注意的に気が付くようにする技術が、本明細書の背景技術の部分に記載されており、この説明の中では、情報をある焦点面から別の面に移動させることが、前注意的な認識を促す、極めて早くかつ効果的な方法であることが明らかになる。
【0040】
この技術の最大の利点の1つは、技術が効果的であるためには、観察者は周囲の視野内の情報を持つことだけが必要であるということである。この事実だけで警報に対する反応時間が大きく向上するのであり、前注意技術が使用されていない場合は、観察者は、一般に、関連性または意味を理解するために警報情報に集中する必要がある。
【0041】
本発明の別の態様によると、使用者による観察のために情報を表示する方法において、
少なくとも2つの焦点面と、
制御システムとを含み、
以下のステップを特徴とする方法が提供される:
a)第1の焦点面上に別個の(distinct)色またはパターンで一次情報を表示すること;そして
b)少なくとも第2の焦点面上に、別個の色またはパターンで、二次情報を表示すること;そして
c)一次および二次情報が重複する、または警報状況と等しいほど近くなった場合、表示された情報は色またはパターンが変わること;これにより観察者がこの情報に気が付く。
【0042】
本発明のさらに別の態様によると、使用者による観察のために情報を表示する計器において、
多レベル画面を形成するように、物理的に間隔を置いて配置された少なくとも2つの単一レベル画面を含む視覚ディスプレイシステムと、
計器の第1の焦点面上に別個の色またはパターンで表示された一次情報と、少なくとも計器の第2の焦点面上に、別個の色またはパターンで表示された二次情報とを含む計器であって、
一次および二次情報が重複する、または警報状況に等しいほど近くなった場合、表示された情報の色またはパターンが変わり、それによって観察者がこの情報に気が付くことを特徴とする計器が提供される。
【0043】
さらに、本明細書中では、「一次情報」および「二次情報」という用語は、一次情報と二次情報の間のあらゆる階層的関係または相対的重要度を意味するものでも示唆するものでもないことを理解されたい。全体的に、これらの用語は、表示装置内の様々な焦点面上の情報に広げる(disseminate)ために使用される。
【0044】
パターンという用語は、別個の構成(distinct configuration)を意味することを意図している。例えば、第1のパターンは、第2のパターンの鉛直線内にある一連の水平線であってもよい。重複によって形成される合成された新しいパターンを、警報状況を示す、ハッチングされた格子(hatched grid)にすることができる。
【0045】
情報は色で示されることが好ましい。
【0046】
一次情報および二次情報が、画面内の別々の焦点面上に表示されるという事実により、重複領域は自動的に2色の、すなわち一次情報の色と二次情報の色の組合せになる。
【0047】
このことは、重複した領域の色を変えるのに特殊な制御またはソフトウェアは必要ないことを意味しており、なぜならそれは、透明である第1の焦点面を通して第2の焦点面上の画像をはっきり見ることができ、それによって、二次情報が一次情報の一部または全ての後ろを通過する時に、観察者が見る画像の色がそれにしたがって変化するからである。
【0048】
本発明の好ましい実施形態では、一次情報の色および二次情報の色は、情報が重複することによって組み合わせられる場合に新しい別個の(distinct)色を作るようにはっきり異なることを理解されたい。例えば一次情報が黄色で、二次情報が青色であるならば、重複した領域は明らかに緑色であるはずであり、これは黄色または青色のいずれからでも簡単に広まることが可能な(disseminatable)色であり、したがって観察者が簡単かつ迅速に認識することができるはずである。
【0049】
本明細書のいくつかの実施形態では、この計器は、情報を表示するための、記載された方法の両方を使用することが可能であるが、他の好ましい実施形態において、方法の一方だけを計器上に表示することが可能であるので、いずれにしてもこれは本発明に対する限定ではないことが分かるだろう。
【0050】
計器が接続される回路によって警報または重大な状況が検出されると、回路は上述の情報を表示するように計器に指示し、それによって、計器の観察者は、警報または重大な状態が検出されたことを前注意的に理解することができる。
【0051】
本発明の最も重要な利点は、情報を点滅させる(または別のランプ)だけではなく、本明細書に記載の前注意的トリガを使用することにより、情報の観察者が情報または状態をより迅速に捉えることができるようになり、それによって観察者には、状況に反応するために、より多くの時間が代わりに与えられることである。
【0052】
多くの計器では、表示されている情報に観察者が反応するのに必要な時間は、警報状況を観察者に関連付けるためのほとんどの通常の方法において、十分であることが認められている。
【0053】
しかし、特に軍事および航空学の応用例では、決定に達しなければならない、または矯正行動を開始する必要がある時間は非常に短い可能性があり、情報をより簡単かつ迅速に理解する観察者の反応時間または能力を改良することにより、格別の、そしておそらく救命的な利点が提供されるだろう。
【0054】
本発明は、前に述べたように、従来から利用可能であるあらゆる方法を越える多くの明らかなそして実質的な利点を有しており、その最大の利点としては、警報情報に対する認識時間がより早くなることにより、補修行動をより迅速に開始することができ、それによって補修行動が成功する可能性が実質的に増すことになることが挙げられる。
【0055】
別の利点としては、別個の警報パネルを現在使用している応用例では、本明細書で開示する計器を使用すれば、これらのパネルは廃止され、したがって、一般に限られた環境内の空間が解放されることが挙げられる。
【0056】
これらの応用例における別の利点としては、観察者は関連情報のために走査する領域が小さくなり、それによって疲労レベルが現時点で見られるものよりも小さくなることが挙げられる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0057】
本発明の別の態様は、例示するためだけに与えられた以下の説明から、添付の図面を参照して明らかになるだろう。
【0058】
図1を参照すると、全体を通して矢印1で示される多焦点面ディスプレイを含む計器が示されている。
【0059】
計器ディスプレイ1は、前景画面(foreground screen)(3)と平行な方向であるが、これから離れている背景画面(background screen)(2)を備えている。
【0060】
図1において、両方の画面(2、3)は、透明な液晶ディスプレイ(LCD)パネルであるが、本発明は必ずしもこれらのディスプレイの使用に限られるものではない。
【0061】
バック・ライト(4)が、背景画面(2)の後ろに配置されて、計器ディスプレイ(1)全体に照明を与える。
【0062】
各画面(2、3)は、一次情報(5)または二次情報(6)のいずれかを表示することができる。
【0063】
図1では、一次情報(5)が前景画面(3)上に表示され、二次情報(6)が背景画面(2)上に表示されることが示されている。
【0064】
しかし、一次情報(5)が背景画面(2)上に表示され、二次情報(6)が前景画面(3)上に表示されるという、逆の状況も同様に可能であることを理解されたい。
【0065】
また、多くの応用例において、一片(one piece)の情報(5、6)のみが計器ディスプレイ(1)上に示されるであろうことを理解されたい。この情報(5、6)は、背景画面(2)または前景画面(3)のどちらの上にあってもよい。
【0066】
表示された情報(5、6)が臨界的(critical)なパラメータまたは「警報レベル」に達すると、この情報は背景画面(2)と前景画面(3)の間で振動し、それによって観察者は、重大な状況が展開している、またはすでに展開したことに前注意的に気が付く。
【0067】
一次情報(5)と二次情報(6)の両方が計器ディスプレイ(1)上にある応用例では、前注意性の2つの方法のいずれかを使用することができる。
【0068】
例えば、以下の通りである。
a)一次情報(5)および二次情報(6)が重複している、または警報状況と等しいほど近くなった場合、表示された情報(5、6)は色が変化し、それによって観察者はこの情報に気が付く。
ディスプレイ内の焦点面が透明であるので、一次情報(5)および二次情報(6)が重複する場合、その色の組合せが表示される。
前に述べたように、一次情報(5)および二次情報(6)の色を注意深く選択すると、重複した情報(5、6)の色は観察者には明らかに異なる。先に述べた例では、一次情報(5)が黄色、二次情報(6)が青色の場合、重複した情報(5、6)の色は緑であろう。
b)一次情報(5)または二次情報(6)のいずれかが臨界的なまたは警報レベルに到達した場合、適切な情報(5、6)が背景画面(2)と前景画面(3)の間で振動し、それによって観察者はこの状況に前注意的に気が付く。
【0069】
本発明の態様を、例としてのみ説明したが、添付の特許請求の範囲から逸脱することなく本明細書に変更形態および変更を行うことができることを理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】本発明の好ましい一実施形態により動作する二重画面ディスプレイの単純化した斜視図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
使用者による観察のために、計器上に、警報又は重大な状況を示すための情報を表示する方法であって、
前記計器は、少なくとも二つの焦点面を含む視覚ディスプレイシステムを含んでおり、
前記方法は、以下を含むステップのセットを特徴とする、
−第1の焦点面上に別個の色またはパターンで前記情報を一次情報として表示すること;
−少なくとも第2の焦点面上に別個の色またはパターンで前記情報を二次情報として表示すること;そして
−前記一次および二次情報が重複する、または警報もしくは重大な状況と等しいほど近くなった場合、表示された情報は色またはパターンが変わり、それによって観察者が前記警報もしくは重大な状況に前注意的に気が付くようになること。
【請求項2】
請求項1に記載された、情報を表示する方法であって、ここにおいては、前記方法は、前記視覚ディスプレイシステムによってアクセスされた一つ又はそれ以上のパラメータが、特定のレベルにあるか、あるいはそれを超えたときに実行されるようになっている。
【請求項3】
請求項1又は請求項2の方法であって、さらに以下を含む:
−第1及び第2のLCD(liquid crystal display)パネルを、一方が他方の前方となるように配置し、そして、共通のバックライト・ユニットを、前記両LCDパネルの背後に設置し、前記第1及び第2のLCDパネルが、前記第1及び第2焦点面をそれぞれ画定していること;そして
−前記警報又は重大な状況について前記計器の観察者に警告するために、前記共通のバックライト・ユニットに電力を供給して、両LCDパネルを使用すること。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項の方法であって、この方法は、さらに、
透明な前記第1焦点面の背後に前記第2焦点面を配置し、
そして、その上に表示されている前記情報を、前記透明な第1焦点面を通して、前記第1焦点面に表示されている情報と並行的に視認可能にする
ことを含む。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1項の方法によって情報を表示する計器において、
前記計器は、
多レベル画面を形成するように、物理的に間隔を置いて配置された少なくとも2つの単一レベル画面を含む視覚ディスプレイシステムを含み、
さらに、前記計器は、前記情報を、以下のようにして表示する:
−前記計器の第1の焦点面上に別個の色またはパターンで表示された一次情報と、
−前記計器の少なくとも第2の焦点面上に別個の色またはパターンで表示された二次情報、
さらに、特徴として、
前記一次および二次情報が重複した、または警報もしくは重大な状況に等しいほど近くなった場合、表示された情報は色またはパターンが変わり、それによって観察者が前記警報もしくは重大な状況に前注意的に気が付くようになる計器。
【請求項6】
情報を表示するための計器であって、この計器は、少なくとも二つの焦点面を含む視覚ディスプレイシステムを含んでおり、
前記計器は、以下のように構成されている:
−前記情報を、第1焦点面上に、第1の色及び/又はパターンを用いて、一次情報として表示する:
−前記情報を、少なくとも一つの第2焦点面上に、第2の色及び/又はパターンを用いて、二次情報として表示する、そして
−前記一次又は二次情報が重なるか、あるいは、イベント又は条件にほぼ一致する状態となるときに、前記表示された情報についての前記色及び/又はパターンを周期的に変える、ここで、前記イベント又は条件は、以下の少なくとも一つの発生に関係している:
i)少なくとも一つのシステムパラメータが超えられること、
及び/又は
ii)外部の影響についての考慮を開始する必要性、
これによって、前記計器は、前記ディスプレイシステムの観察者に、前記イベント又は条件についての、前注意的な知覚を与えるようになっている。
【請求項7】
請求項5又は6に記載された計器であって、ここでは、前記一次情報についての前記色又はパターン、及び、前記二次情報についての色又はパターンは、これらの重畳によって組み合わされたときに、前記一次及び二次情報の色又はパターンとは異なる新しい色又はパターンを形成する。
【請求項8】
請求項5〜7のいずれか1項に記載された計器であって、
ここでは、前記視覚ディスプレイシステムが、背景スクリーンと前方スクリーンとをそれぞれ含んでおり、これらは、前記第1及び第2焦点面を画定するようになっており、
前記前方スクリーンは、前記背景スクリーンの前方に配置されており、さらに、前記一次情報を並行的に表示できるように操作可能となっており、さらに、前記背景スクリーン上に表示された前記二次情報を、前記前方スクリーンを通して視認できるように透明となっている。

【図1】
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【公開番号】特開2009−163754(P2009−163754A)
【公開日】平成21年7月23日(2009.7.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−35538(P2009−35538)
【出願日】平成21年2月18日(2009.2.18)
【分割の表示】特願2003−527493(P2003−527493)の分割
【原出願日】平成14年9月11日(2002.9.11)
【出願人】(506143779)ピュアデプス リミテッド (12)
【Fターム(参考)】