説明

記憶装置とそのプログラム、及び、トレーサビリティシステムとそのプログラム

【課題】コストをかけずに現場の作業負荷を軽減し、簡単にトレーサビリティを行うことができる記憶装置とそのプログラム、及び、トレーサビリティシステムとそのプログラムを提供する。
【解決手段】トレーサビリティシステム10は、連続的に生産される製品に、連続的に識別情報を付与する生産システム20と、製品の識別情報を読み取る携帯電話機30と、記憶装置40などとを備える。記憶装置40は、連続的に生産され、連続的な識別情報が付与され、連続的な状態を保ちながらいくつかの集団に分けて搬送される製品に関する情報を記憶する装置であって、各集団にどの識別情報の製品が属しているかを記憶する第1の記憶部41と、搬送過程で読み取られた集団の中の1つの製品の識別情報、及び、識別情報が読み取られた製品を含む集団の搬送先の情報を記憶する第2の記憶部41と、第1及び第2の記憶部41に各情報を記憶させる記憶制御部とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トレーサビリティなどに好適に利用することができる記憶装置とそのプログラム、及び、トレーサビリティシステムとそのプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
トレーサビリティとは、製品の安全を確保するために、栽培・飼育などから加工,製造,流通などの過程を明確にすること、又は、その仕組みをいう。
この種のトレーサビリティのシステムとして、消費者が農産物の固体情報を容易に知ることができるシステムが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
しかし、出荷するすべての製品を読み取って管理しなければトレーサビリティができないと考えると、以下のような問題があった。
(1)出荷するすべての製品を記憶することは、現場の作業負荷を考えると困難である。
(2)バーコードやICタグなどの自動読み取り装置を導入することで、現場の作業負荷を軽減させることも考えられるが、設備導入のコストがかかる。
従って、システム化がなかなか進まないという問題があった。
【特許文献1】特許第3355366号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の課題は、コストをかけずに現場の作業負荷を軽減し、しかも、簡単にトレーサビリティを行うことができる記憶装置とそのプログラム、及び、トレーサビリティシステムとそのプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、以下のような解決手段により、前記課題を解決する。なお、理解を容易にするために、本発明の実施例に対応する符号を付して説明するが、これに限定されるものではない。
請求項1の発明は、連続的に生産され、連続的な識別情報が付与され、連続的な状態を保ちながらいくつかの集団に分けて搬送される製品に関する情報を記憶する記憶装置(40)であって、前記各集団にどの前記識別情報の前記製品が属しているかを記憶する第1の記憶部(41−1)と、搬送過程で読み取られた前記集団の中の1つの前記製品の前記識別情報、及び、前記識別情報が読み取られた前記製品を含む集団の搬送先の情報を記憶する第2の記憶部(41−2)と、前記第1及び第2の記憶部(41−1,41−2)に前記各情報を記憶させる記憶制御部(43a)と、を備える記憶装置(40)である。
請求項2の発明は、請求項1に記載の記憶装置(40)において、前記第2の記憶部(41−2)は、前記集団をさらにいくつかの小集団に分けて搬送する場合に、各小集団に含まれる前記製品の個数を記憶すること、を特徴とする記憶装置(40)である。
請求項3の発明は、連続的に生産され、連続的な識別情報が付与され、連続的な状態を保ちながらいくつかの集団に分けて搬送される製品に関する情報を記憶する記憶装置(40)を、前記各集団にどの前記識別情報の前記製品が属しているかを記憶する第1の記憶部(41−1)と、搬送過程で読み取られた前記集団の中の1つの前記製品の前記識別情報、及び、前記識別情報が読み取られた前記製品を含む集団の搬送先の情報を記憶する第2の記憶部(41−2)と、前記第1及び第2の記憶部(41−1,41−2)に前記各情報を記憶させる記憶制御部(43a)と、として機能させるための記憶装置用プログラ
ムである。
請求項4の発明は、連続的に生産される製品に、連続的に識別情報を付与する生産システム(20)と、請求項1又は請求項2に記載の記憶装置(40)と、前記識別情報を読み取る読取部(31)と、前記読取部(31)が読み取った前記識別情報を含む情報を前記記憶装置(40)に送信する送信部(33)と、前記記憶装置(40)に設けられ、前記送信部(33)が送信した前記識別情報を含む情報を受信する受信部(42)と、を備えるトレーサビリティシステム(10)である。
請求項5の発明は、請求項4に記載のトレーサビリティシステム(10)において、前記第1及び第2の記憶部(41−1,41−2)に記憶されている内容を表示部に表示させる表示制御部(43b)を備えること、を特徴とするトレーサビリティシステム(10)である。
請求項6の発明は、請求項4又は請求項5に記載のトレーサビリティシステム(10)において、前記識別情報に基づいて、前記第1及び第2の記憶部(41−1,41−2)に記憶されている内容を検索する検索制御部(43c)を備えること、を特徴とするトレーサビリティシステム(10)である。
請求項7の発明は、コンピュータシステムを、連続的に生産される製品に、連続的に識別情報を付与する生産システム(20)と、請求項1又は請求項2に記載の記憶装置(40)と、前記識別情報を読み取る読取部(31)と、前記読取部(31)が読み取った前記識別情報を含む情報を前記記憶装置(40)に送信する送信部(33)と、前記記憶装置(40)に設けられ、前記送信部(33)が送信した前記識別情報を含む情報を受信する受信部(42)と、として機能させるためのトレーサビリティシステム用プログラムである。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、以下のような効果がある。
(1)連続的に生産され、連続的な識別情報が付与され、連続的な状態を保ちながらいくつかの集団に分けて搬送される製品は、個々に包装される前は大括りの管理(例えば、牛乳であれば巨大なタンクから小さなパックに小分けするが、そのタンクに入っている牛乳の質はだいたい同じであるということ)であり、かつ、連続的に出荷されるということを考慮して、第1の記憶部に集団に関する情報を記憶させ、第2の記憶部に集団の中の1つの製品の識別情報及び集団の搬送先の情報を記憶させておく。
これにより、集団の中の1つの製品をその集団の代表として管理し、代表の製品によって集団全体を追跡していくことができる。つまり、集団の中から代表の製品を設定することで、集団の動きを特定することができ、すべての製品を管理する必要がなくなり、現場の作業負荷を軽減させながら、簡単にトレーサビリティを行うことができる。
(2)第2の記憶部は、集団をさらにいくつかの小集団に分けて搬送する場合に、各小集団に含まれる製品の個数を記憶するので、集団の代表の製品とともに何個の製品が移動したのかを把握することができる。
【0007】
(3)上述した記憶装置を備えるトレーサビリティシステムとすることで、システム全体として、コストをかけずに現場の作業負荷を軽減し、しかも、簡単にトレーサビリティを行うことができる。
(4)第1及び第2の記憶部に記憶されている内容を表示部に表示させる表示制御部を備えるので、記憶内容を適宜表示することにより、分かりやすい情報の提示を行うことができる。
(5)識別情報に基づいて、第1及び第2の記憶部に記憶されている内容を検索する検索制御部を備えるので、作業者の負担をより軽減させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、図面等を参照して、本発明の実施例について、さらに詳しく説明する。
【実施例】
【0009】
図1は、本発明による記憶装置及びトレーサビリティシステムの実施例を示す図である。
本実施例のトレーサビリティシステム10は、生産システム20と、携帯電話機30と、記憶装置40などとを備え、それぞれは、インターネットなどの通信手段によって互いに接続されている。
【0010】
生産システム20は、連続的に生産される製品に、連続的に識別情報を付与するシステムであり、生産部21と、識別情報付与部22と、仕分け部23と、送信部24と、制御部25とを備える。
ここで、連続的とは、つぎつぎにつながって続くことをいい、例えば、1,2,3・・・のみならず、1,1,2,2,3,3・・・などを含む概念であり、途中で生産の期間が空いていてもよい。また、識別情報は、製品を識別するための情報であり、例えば、数字などの識別番号や、文字,記号,バーコードなどの識別記号である。さらに、生産とは、食品業・農業・工業・水産業などの各種分野での生産を意味し、例えば、食品を加工したり、工業部品を作り出したり、それらを包装したり、箱詰めしたりすることである。
【0011】
生産部21は、連続的に製品を生産する部分であり、例えば、牛乳であれば巨大なタンクから小さなパックに小分けし、チョコレートであれば専用の箱に箱詰めする。
識別情報付与部22は、連続的に生産される製品に、連続的に識別情報を付与する部分であり、例えば、インクジェットプリンタ(IJP)を用いて、製品の箱などに固有の番号を有するバーコードを印字する。
【0012】
仕分け部23は、連続的な状態を保ちながら、製品をいくつかの集団に仕分ける部分であり、例えば、自動仕分け機能を有するロボットなどにより製品を仕分ける。本実施例では、1つのパレット上に28個の製品を積み重ねている(図2(#2)参照)。
送信部24は、仕分け部23が仕分けた各集団にどの識別情報の製品が属しているかの情報(以下、集団情報という。)を、記憶装置40の受信部42に送信する部分である。具体的には、1つ目のパレットには、1〜28番の箱が積まれており、2つ目のパレットには、29〜56番の箱が積まれている、などといった情報である。
また、送信部24は、生産した製品の情報(例えば、原料名、ロット名、工程名など)も合わせて送信する。
制御部25は、この生産システム20を統括制御する部分であり、生産システム20の各機能は、ROMなどに記憶されている生産システム用プログラムを制御部25が実行することによって実現される。
【0013】
携帯電話機30は、読取部31と、入力部32と、送信部33と、制御部34とを備える。なお、携帯電話機30は、ハンディーターミナルや、PDA、タブレット型PC、バーコードスキャナなどに、無線通信などの通信機能や自動認識機能が付属された小型の携帯端末であってもよい。
読取部31は、製品に付された識別情報を読み取る部分であり、例えば、携帯電話機30に付属されているバーコードスキャナやイメージスキャナを利用したバーコードリーダなどである。
入力部32は、作業者が所望する情報を入力する部分であり、数字や文字、操作指示などを入力するための複数のボタンを備える。
送信部33は、読取部31が読み取った識別情報や入力部32に入力された情報を、記憶装置40の受信部42に送信する部分である。
制御部34は、この携帯電話機30を統括制御する部分であり、携帯電話機30の各機能は、ROMなどに記憶されている携帯電話機用プログラムを制御部34が実行すること
によって実現される。
【0014】
記憶装置40は、連続的に生産され、連続的な識別情報が付与され、連続的な状態を保ちながらいくつかの集団に分けて搬送される製品に関する情報を記憶する装置であって、トレースDB(データベース)41と、受信部42と、制御部43とを備える。
トレースDB41は、第1の記憶部41−1と、第2の記憶部41−2とを備える。
第1の記憶部41−1は、連続的な状態を保ちながら製品をいくつかの集団に分けて搬送する場合に、各集団にどの識別情報の製品が属しているかを記憶する部分である。つまり、第1の記憶部41−1は、上述した集団情報を記憶する。
第2の記憶部41−2は、搬送過程で携帯電話機30の読取部31によって読み取られた集団の中の1つの製品の識別情報(以下、代表情報という。)、及び、識別情報が読み取られた製品を含む集団の搬送先の情報(以下、搬送先情報という。)を記憶する部分である。
また、第2の記憶部41−2は、集団をさらにいくつかの小集団に分けて搬送する場合に、各小集団に含まれる製品の個数(以下、個数情報という。)を記憶する部分である。
つまり、第2の記憶部41−2は、「代表情報」,「搬送先情報」だけを記憶する場合もあるし、これらの情報に加えて「個数情報」を記憶する場合もある。なお、上述した各情報は、製品の識別情報によって紐付けられて記憶されている。
受信部42は、生産システム20の送信部24からの情報や、携帯電話機30の送信部33からの情報を受信する部分である。
【0015】
制御部43は、この記憶装置40を統括制御する部分であり、記憶装置40の各機能は、ROMなどに記憶されている記憶装置用プログラムを制御部43が実行することによって実現される。また、上述した3つのプログラム(生産システム用プログラム、携帯電話機用プログラム、記憶装置用プログラム)によって、トレーサビリティシステム用プログラムが構成されている。
さらに、制御部43は、記憶制御部43aと、表示制御部43bと、検索制御部43cとを備える。
記憶制御部43aは、受信部42が受信した各種情報を、記憶装置40の第1及び第2の記憶部41−1,41−2に記憶させる部分である。
表示制御部43bは、作業員が使用しているパーソナルコンピュータのディスプレイ(表示部)に、ログイン画面やメインメニューなどを表示させたり、第1及び第2の記憶部41−1,41−2に記憶されている内容を表示させたりする部分である。表示は、第1及び第2の記憶部41−1,41−2に記憶されている内容を文字列で表示したり、表にして表示したり、図化して表示したりする。
検索制御部43cは、識別情報に基づいて、第1及び第2の記憶部41−1,41−2に記憶されている内容を検索する部分である。検索は、識別情報をキーにして、集団を検索したり、小集団を検索したりする。
【0016】
次に、図1を参照しながら、図2及び図3を用いて本実施例によるトレーサビリティシステム10の運用の流れについて説明する。
図2及び図3は、本実施例によるトレーサビリティシステム10の運用の流れについて説明する図である。
まず、図2(#1)に示すように、生産システム20において、生産部21が連続的に製品を生産し、識別情報付与部22が製品(図2中では、製品が梱包されている箱)に連続的に識別情報を付与する。本実施例では、製品が生産された順に識別情報を付与している。
ついで、図2(#2)に示すように、仕分け部23(図1参照)がパレット上に製品を仕分け、送信部24が記憶装置40の受信部42に集団情報を送信する。
【0017】
ここで、図2(#3)に示すように、製品がパレットのまま移動していく場合は、搬送過程の各拠点において、作業者が携帯電話機30を操作して、代表情報を読み取り、入力部32を用いて、搬送先情報を入力する。
具体的には、代表情報として21番という情報が読み取られ、搬送先情報としてAセンターという情報が入力され、その情報が記憶装置40に送信される。これにより、1〜28番の製品は、Aセンターにまとめて搬送されたということが分かる。
【0018】
一方、図2(#4)に示すように、製品をピッキング(配送先ごとに仕分ける作業)した場合(パレット上の製品の集団をさらにいくつかの小集団に分けて搬送する場合)は、携帯電話機30を操作して、各小集団の代表情報を読み取り、さらに、入力部32を用いて、個数情報、搬送先情報を入力する。具体的には、「75番、6個、B倉庫」という情報と、「63番、8個、C倉庫」という情報が入力され、その情報が記憶装置40に送信される。これにより、75番の製品を含む6個の製品がB倉庫へ搬送され、63番の製品を含む8個の製品がC倉庫へ搬送されたということが分かる。
【0019】
図2(#5)に示すように、C倉庫でさらにピッキングする場合もある。この場合も同様に、「65番、2個、D店」という情報と、「67番、4個、E店」という情報が入力され、その情報が記憶装置40に送信される。これにより、65番の製品を含む2個の製品がD店へ搬送され、67番の製品を含む4個の製品がE店へ搬送されたということが分かる。
【0020】
また、図3に示すように、複数のパレットから製品をピッキングする場合は、各パレットからそれぞれ代表情報を読み取り、さらに、個数情報としての10個という情報と、搬送先情報としてのAセンターという情報を入力する。具体的には、「54番、58番、10個、Aセンター」という情報が入力され、その情報が記憶装置40に送信される。これにより、54番と58番の製品を含む10個の製品がAセンターへ搬送されたということが分かる。
【0021】
そして、記憶装置40に送信された各情報は、記憶装置40の記憶制御部43aによって、トレースDB41の第1及び第2の記憶部41−1,41−2に記憶される。
【0022】
図4は、本実施例による記憶装置40の検索画面について説明する図である。
まず、作業者は、パーソナルコンピュータなどを用いて、記憶装置40にアクセスする。そうすると、ログイン画面が現れ、所定のIDとパスワードでログインすると、メインメニューが表示される。
メインメニューの画面から、表示の項目を選択すると、表示制御部43bの機能により、第1及び第2の記憶部41−1,41−2の内容(例えば、図2及び図3の樹形図のような図)が表示される。
【0023】
ここで、仮に、図2のD店で不良品が見つかり、その製品の識別番号は、66番であったとする。不良品の原因を追究するために、メインメニューの画面から検索の項目を選択すると、図4(A)に示すような、検索条件入力画面が現れる。
ついで、賞味期限a,製品名b,識別情報cなどを入力して検索開始ボタンdを押すと、検索制御部43cの機能により、図4(B)に示すように、検索結果としての「影響範囲e:57〜84番」、「影響場所f:B倉庫,C倉庫,D店,E店」、「原料g:ロットA」、「工程h:6月8日の工程A」が表示される。
これにより、作業者は、「D店の66番の製品が不良品であった」という現実の情報のみならず、6月8日の工程Aに問題があれば、B倉庫,C倉庫,E店にも不良品が混入している可能性がある、ということが分かる。また、原料のロットAに問題があれば、6月8日の工程A,B倉庫,C倉庫,E店のみならず、6月8日の別の工程で製造された製品
にも不良品が混入している可能性がある、ということが分かる。
【0024】
このように、本実施例によれば、以下のような効果がある。
(1)連続的に生産され、連続的な識別情報が付与され、連続的な状態を保ちながらいくつかの集団に分けて搬送される製品は、個々に包装される前は大括りの管理であり、かつ、連続的に出荷されるということを考慮して、第1の記憶部41−1に集団情報を記憶させ、第2の記憶部に代表情報及び搬送先情報を記憶させておく。
これにより、集団の中の1つの製品をその集団の代表として管理し、代表の製品によって集団全体を追跡していくことができる。つまり、厳密に個々の製品を特定することはできないが、集団の動きは特定することができるので、すべての製品を管理する必要がなくなり、現場の作業負荷を軽減させながら、簡単にトレーサビリティを行うことができる。(2)第2の記憶部41−2は、集団をさらにいくつかの小集団に分けて搬送する場合に、個数情報を記憶するので、集団の代表の製品とともに何個の製品が移動したのかを把握することができる。
【0025】
(3)上述した記憶装置40を備えるトレーサビリティシステム10とすることで、システム全体として、コストをかけずに現場の作業負荷を軽減し、しかも、簡単にトレーサビリティを行うことができる。
(4)第1及び第2の記憶部41−1,41−2に記憶されている内容を表示部に表示させる表示制御部43bを備えるので、記憶内容を適宜表示することにより、一見して分かりやすい情報の提示を行うことができる。
(5)識別情報に基づいて、第1及び第2の記憶部41−1,41−2に記憶されている内容を検索する検索制御部43cを備えるので、作業者の負担をより軽減させることができる。
【0026】
(変形例)
本発明は、以上説明した実施例に限定されることなく、種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)集団情報,代表情報は、作業員がパーソナルコンピュータなどを用いて入力してもよい。
(2)表示制御部43bや検索制御部43cを携帯電話機30に備えさせ、携帯電話機30のディスプレイで記憶内容の表示及び検索をできるようにしてもよい。
(3)製品は、作業員がパレット上に積んでもよく、識別情報は、作業員が付与してもよい。
(4)上述したような制御を行うプログラムを配信し、サーバーなどのコンピュータシステムで一括して管理を行うようにしてもよい。なお、本発明でいうコンピュータシステムとは、一又は複数のコンピュータからなるシステムをいう。また、コンピュータとは、記憶装置、制御部などを備えた情報処理装置をいい、パーソナルコンピュータも、携帯電話機も、本発明のコンピュータの概念に含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明による記憶装置及びトレーサビリティシステムの実施例を示す図である。
【図2】本実施例によるトレーサビリティシステム10の運用の流れについて説明する図である。
【図3】本実施例によるトレーサビリティシステム10の運用の流れについて説明する図である。
【図4】本実施例による記憶装置40の検索画面について説明する図である。
【符号の説明】
【0028】
10 トレーサビリティシステム
20 生産システム
21 生産部
22 識別情報付与部
23 仕分け部
24 送信部
30 携帯電話機
31 読取部
32 入力部
33 送信部
40 記憶装置
41 トレースDB
41−1 第1の記憶部
41−2 第2の記憶部
42 受信部
43 制御部
43a 記憶制御部
43b 表示制御部
43c 検索制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
連続的に生産され、連続的な識別情報が付与され、連続的な状態を保ちながらいくつかの集団に分けて搬送される製品に関する情報を記憶する記憶装置であって、
前記各集団にどの前記識別情報の前記製品が属しているかを記憶する第1の記憶部と、
搬送過程で読み取られた前記集団の中の1つの前記製品の前記識別情報、及び、前記識別情報が読み取られた前記製品を含む集団の搬送先の情報を記憶する第2の記憶部と、
前記第1及び第2の記憶部に前記各情報を記憶させる記憶制御部と、
を備える記憶装置。
【請求項2】
請求項1に記載の記憶装置において、
前記第2の記憶部は、前記集団をさらにいくつかの小集団に分けて搬送する場合に、各小集団に含まれる前記製品の個数を記憶すること、
を特徴とする記憶装置。
【請求項3】
連続的に生産され、連続的な識別情報が付与され、連続的な状態を保ちながらいくつかの集団に分けて搬送される製品に関する情報を記憶する記憶装置を、
前記各集団にどの前記識別情報の前記製品が属しているかを記憶する第1の記憶部と、
搬送過程で読み取られた前記集団の中の1つの前記製品の前記識別情報、及び、前記識別情報が読み取られた前記製品を含む集団の搬送先の情報を記憶する第2の記憶部と、
前記第1及び第2の記憶部に前記各情報を記憶させる記憶制御部と、
として機能させるための記憶装置用プログラム。
【請求項4】
連続的に生産される製品に、連続的に識別情報を付与する生産システムと、
請求項1又は請求項2に記載の記憶装置と、
前記識別情報を読み取る読取部と、
前記読取部が読み取った前記識別情報を含む情報を前記記憶装置に送信する送信部と、
前記記憶装置に設けられ、前記送信部が送信した前記識別情報を含む情報を受信する受信部と、
を備えるトレーサビリティシステム。
【請求項5】
請求項4に記載のトレーサビリティシステムにおいて、
前記第1及び第2の記憶部に記憶されている内容を表示部に表示させる表示制御部を備えること、
を特徴とするトレーサビリティシステム。
【請求項6】
請求項4又は請求項5に記載のトレーサビリティシステムにおいて、
前記識別情報に基づいて、前記第1及び第2の記憶部に記憶されている内容を検索する検索制御部を備えること、
を特徴とするトレーサビリティシステム。
【請求項7】
コンピュータシステムを、
連続的に生産される製品に、連続的に識別情報を付与する生産システムと、
請求項1又は請求項2に記載の記憶装置と、
前記識別情報を読み取る読取部と、
前記読取部が読み取った前記識別情報を含む情報を前記記憶装置に送信する送信部と、
前記記憶装置に設けられ、前記送信部が送信した前記識別情報を含む情報を受信する受信部と、
として機能させるためのトレーサビリティシステム用プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2008−269016(P2008−269016A)
【公開日】平成20年11月6日(2008.11.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−107282(P2007−107282)
【出願日】平成19年4月16日(2007.4.16)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【Fターム(参考)】