説明

診断画像の自動的処理および評価のための方法およびシステム

診断画像の自動処理方法およびその処理された画像の評価方法は、コンピュータハードウェアで実行可能な画像処理ソフトウェアプログラムを実行してデジタル入力画像を処理することにより、画像化された身体領域の特定の部位が有する特徴をグラフィック形式および/または英数字形式で強調表示した修正デジタル出力画像を生成する。画像処理ソフトウェアプログラムは、ノンエキスパート画像処理アルゴリズムに基づいて、修正画像を出力する第1画像処理モジュールと、第1画像処理モジュールが出力した修正画像をさらに修正して、所定の特徴を有する画像オブジェクトのピクセルまたはボクセルが強調表示された画像ファイルを出力する、分類・予測アルゴリズムなどのエキスパート画像処理アルゴリズムに基づいた、第2画像処理モジュールとしての分類・評価モジュールと、を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像、特に医用診断画像の自動処理および評価のための方法に関し、コンピュータで実行可能な画像処理ソフトウェアによってデジタル入力画像の画像データを処理することにより修正デジタル出力画像を生成し、該画像データが対応している画像化された身体領域の特定の部分が有する特徴を強調表示するグラフィック形式および/または英数字形式で該画像データを出力する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
画像処理とりわけ医用画像処理は今日的重要性をもつ分野である。非侵襲的または低侵襲性を特徴とする画像処理技術および画像処理装置における顕著な改善に伴い、患者の解剖学的部位の診断画像は、優れた信頼性と精度をもって取得できるようになってきており、診断画像取得における改善によって、アーチファクト(偽像)の低減とハイコントラスト・高解像度画像を利用することが可能である。かかる診断画像は、画像化された解剖学的部位および組織の特徴に関する高密度情報を提供する潜在性を有するものである。
【0003】
しかしながら、このような画像であっても、画像を出力あるいはモニタ表示するなどしたうえで、画像化された組織の病変の検出または特徴または性質(以下、単に「特徴」と表記)は直接目視によって検出され、さらに、画像化オブジェクト(imaged object)の個別化および評価は、決して容易なものではなく、読影者の個人的な技量と経験とに大きく依存しているのが実情である。
【0004】
さらに、数種の画像化技術によって様々な特徴を検出・強調表示することができる。すなわち、任意の画像化技術において画像取得のために用いられる物理的手段と身体組織との相互作用の態様にしたがって、画像化されたオブジェクトの特徴を、特定の組織種別または病巣として、検出・強調表示することができる。また、病巣の検出や、画像化された組織の特徴の存否の判定のため、同一の身体または同一の対象物の画像を複数の画像化技術を用いて取得するケースが多い。病巣組織または探索対象たる特徴を、前記複数の画像化技術を用いて取得した画像の比較・考慮に基づいて分析される。
【0005】
直接視認による分析と解釈によって比較する場合には、個々独立に同定された各画像の情報を、他の画像の分析によって得られた情報と相関づける必要がある。このため、比較作業は、しばしばそれほど単純で迅速なものではない。画像の取得に要する時間に比べると、取得された画像の解釈に費やされる時間は相当なものである。
【0006】
さらに、腫瘍組織に関連する病変の早期検出は特に重要であって、読影者が画像領域が腫瘍病変に該当するのではとの視認判断に至った場合には、この領域をひとまず腫瘍病変であるとみなして、画像化された身体の対応する領域または組織は、さらなる綿密な診断分析、例えば生体組織検査その他の特別な技術によって診断されることになる。
【0007】
一般的に、この種の画像の領域は偽陽性(false positive)と定義される。偽陽性とは、画像化された身体の画像上の形状が実際の病巣の形状と少なくとも部分的に該当するかまたは酷似しているが、しかし実際には画像化された身体の当該領域は病巣には該当していないというケースである。
【0008】
安全側の配慮をするかぎり、偽陽性であってもさらなる検査とそのための時間と経費が必要となるのであるから、偽陽性は深刻な問題である。診断画像解釈を容易にするため、および、病変の検出と画像化された身体の検出対象たる特徴の認識とにおける偽陽性の割合を少なくとも部分的に低減させるため、複数の画像処理ツールが開発されている。
【0009】
かかる画像処理ツールは2つの主要なカテゴリに分類することができる。すなわち、ノンエキスパート画像処理ツールおよびエキスパート画像処理ツールがそれである。
【0010】
ノンエキスパート画像処理ツールは画像化データに盲目的に追従して動作する、つまり、物理的画像取得手段と画像化された身体との相互作用から、例えば、適用された画像化技術の種別にしたがって画像化オブジェクトによって発せられたおよび/または伝達されたおよび/または反射したX線または電磁波と画像化された身体との相互作用から、ピクセルのアピアランスを定義する変数であって、画像取得方法およびその装置によって各ピクセルまたはボクセルに対して一義的に決まるところの変数に盲目的に追従して動作する。処理用情報は、画像のピクセルまたはボクセルの形状と、さらに、画像の各ピクセルまたはボクセルの周辺に分布する一定範囲のピクセルまたはボクセルの形状とを決定するパラメータから構成される。また、取得した画像の各ピクセルの相互関係に関するトポグラフィカルまたはトポロジカル情報が用いられる。
【0011】
上記のとおり定義されたノンエキスパート画像処理ツールは、緻密な構造をもつ演算子に基づいている。
【0012】
この類のツールは、探索対象たる特徴を有する画像化された身体の病変とおぼしき部分または領域を表していないピクセルを選別してフィルタリングを行う効率性に優れている。結果として、ノンエキスパート画像処理ツールは、一般的には、ピクセルのアピアランスが、探索対象たる特徴を有する画像化された身体の病変または領域と画像取得のための物理的手段との相互作用に対応しているようなピクセルが強調表示されている修正画像を生成する。
【0013】
ここで強調しておくべきは、この類の画像処理ツールによって行われる選別作業は、任意の技術によって得られた、かつ、病変または特徴の相互作用属性と画像取得技術に用いられる物理的手段に対するその物理的影響とによって決まる基準であって、画像に含まれる病巣のアピアランスまたは探索対象たる特徴のアピアランスが内在的に有する基準(クライテリア)に基づいて行われるということである。例えば、造影剤が注入された腫瘍組織は、周辺の組織と比較して相対的により高い輝度で超音波を反射するであろうから、グレースケール画像における前記腫瘍組織の画像に対応するピクセルのアピアランスを決定する変数は、反射したビームのより高い輝度レベルと、腫瘍組織が存在しない領域のピクセルに対して、ピクセルの白色のまたはより明るいアピアランスと対応関係を有しているわけである。
【0014】
ノンエキスパート画像処理ツールの範疇に属する他のツールとしては、画像化セッションの間に画像化対象の被験者の動き(モーション)に起因するアーチファクト(artifact)との関係で画像を修正するために用いられるアルゴリズムがある。これらのアルゴリズムは、画像化された身体領域の動的特徴(dynamic feature)の検出ととりわけ関連性を有している。
【0015】
ノンエキスパート画像処理ツールは、一般的には、画像取得プロセスの物理的性質との相互作用の仕方が類似しているために画像上で類似したアピアランスを呈するオブジェクト同士を差異化することができない。これは、悪性の腫瘍病変と良性の腫瘍病変のケースがその典型である。ノンエキスパート画像処理ツールは、探索対象たる特徴または特質を有する画像化オブジェクト領域に予想される仕方での画像情報を取得するための物理的手段と相互作用を示すところの、画像化された身体領域に対応するピクセルをより単純かつ明確な仕方で表示するにとどまるのである。
【0016】
このようなわけで、ノンエキスパート画像処理ツールの処理結果は、画像化オブジェクト特性の観点からさらなる解釈・判定を必要とするのである。
【0017】
エキスパート画像処理ツールの動作アプローチはノンエキスパート画像処理ツールのそれとは異なる。エキスパート画像処理ツールは、該ツールが専門家的知識をシミュレートするように該ツールに知識を蓄積させることができる分類アルゴリズム(classification algorithm)に基づかせるとができる。エキスパート画像処理ツールは、当業者知識を記述した厳格な規則にしたがって動作するのではなく、画像処理に係る本発明に関して言えば、エキスパート画像処理ツールは、未修正画像に対する判定処理プロセスを実行する役割を担うものである。エキスパート画像処理ツールは、修正された画像を検討して固定的な評価ルールに基づいてある特徴の存在を決定するノンエキスパート画像処理ツールとは異なるのである。
【0018】
本発明が意図するところのエキスパート画像処理ツールのアルゴリズムの基礎的な数学的構造は、トレーニングプロセスを用いて機能的関係をいかようにでも変容させることができる。トレーニングプロセスにおいて、判定のための関連性を有する知識が数学的構造に与えられる。この類のツールは、入力データと出力データとの機能的関係の非常に高度な非線形近似を用いて動作する。エキスパート画像処理ツールの運用には、データベース化した知識を実行するためのアルゴリズムの数学的構造を用いて数学的に扱うことができるトレーニングデータベース(training database)を生成するために、問題の分析と、関連性を有する入力変数および出力変数のパラメータ化とが必要となる。分類作業に用いる典型的なアルゴリズムは、人工ニューラルネットワーク(artificial neural network)、クラスタリングアルゴリズム(clustering algorithm)などである。
【0019】
分類アルゴリズムは、経験を考慮しつつ、画像のピクセルまたはボクセルの分類に関連する判定を行うことができる。画像のピクセルまたはボクセルが、病巣または探索対象たる特徴に対応する画像化領域を表しているかどうかを判定することができるのである。
【0020】
この経験とは、すなわちトレーニングデータベースである。トレーニングデータベースは、前記オブジェクトの1以上の領域における探索対象たる特徴の存否が既知であるところの画像オブジェクトを集めたものである。非常に簡略化されたモデルにおいては、分類アルゴリズムは、検査中の画像またはその一部のピクセルが、同一または類似のアピアランスを有するトレーニングデータベースの画像のピクセルと一致する特性を示すかどうかを判定するために、検査中の画像と、トレーニングデータベースの画像との、ピクセル単位での比較を行うアルゴリズムであるということができる。
【0021】
かくして、上述のノンエキスパートシステムとしての、上述のアルゴリズムおよびそれを用いた画像処理方法もしくはシステムは、画像化された身体の対応する領域の特徴に関連する物理的アピアランスを強調するために画像上のピクセルを強調表示するにとどまるものではなく、画像化された身体の対応する領域の特徴に対する判定または予測に基づいてピクセルを強調表示するのである。この決定および予測は、既知の事例によって数学的構造が与えられるところの現象学的経験に基づいて行われる。
【0022】
要するに、ノンエキスパート画像アルゴリズムは、画像取得手段に対する特定の物理的レスポンスをもつ画像化オブジェクトを検出するために画像の読取りを支援することを目的としている。他方、エキスパートシステムは、取得メカニズムのいかんを問わず、経験に基づいて画像化されたオブジェクトの探索対象たる特徴を予測することを目的としている。
【0023】
エキスパート画像化ツールが、例えば悪性腫瘍組織である、画像取得プロセスの物理的性質との相互作用が類似しているために画像上で類似したアピアランスをもつオブジェクト同士を差異化することができるにもかかわらず、エキスパート画像処理ツールは、現状では、いわゆる偽陽性の問題による影響を免れていない。
【0024】
エキスパート画像処理ツールは、修正された画像を出力することができる。この修正画像において、探索対象たる特徴を有すると考えられる画像化された身体のオブジェクトに対応するピクセルが強調表示されている。さらに、修正された画像において強調表示された各オブジェクトの各評価結果の統計的信頼度を示す英数字レポートがエキスパート画像処理ツールによって提供される。
【0025】
これまでのところ、二種類の画像処理ツール、すなわちエキスパート画像処理ツールおよびノンエキスパート画像処理ツールが別個にかつ代替的に使用されており、画像解釈のため、特に腫瘍病巣その他病変の医療検出および/または医療診断のために複数のシステムに用いられており、各ツールはともにいわゆる偽陽性の問題の影響を受ける。
【0026】
画像化された身体の対応する領域の特徴に関連する画像のピクセルの検出および評価を目的とする、身体の単一の静止画像の解釈に加えて、動的画像化技術(dynamic imaging techniques)がある。動的画像化技術は、画像化された身体領域の動的特徴を検出するのに有用である。
【0027】
この類の動的特徴例は、画像化されたオブジェクトにおいてある時点で現在している造影剤の力学的作用の時間‐信号強度曲線から導出することができる。この類の調査は、腫瘍組織の血管化の進展といった生理的作用と関連する病変に対して特に有益である。
【0028】
造影剤(contrast agent)は、画像化対象の解剖学的部位に注入される物質である。造影剤は、物理的画像化手段との特定の相互作用を示し、画像に対する該物質の寄与度を、画像化された解剖学的部位の周辺組織に対して差異化するのに役立つ特別の反応を示す。造影剤を組織に注入する前における画像の同一の解剖学的部位および造影剤の注入後一定の時間的間隔をおいた、やはり同一の解剖学的部位の時系列に基づいて、画像化された領域または該領域のオブジェクトにおける造影剤取込み速度と流失速度を測定する尺度を与える一定数の異なるパラメータを決定することができる。造影剤が拡散していく画像化オブジェクト上の領域寸法を含め、他のパラメータは、本明細書で詳細に後述する。動的特徴の調査結果、特に、造影剤の調査結果によって、いわゆる時間‐信号強度曲線(signal intensity/time−curve)として可視化された時間依存パラメータが与えられる。
【0029】
この類の技術は、上述したような技術とは独立したものであって、現行の並行調査方法(parallel investigation method)として用いられているものである。画像化されたオブジェクトの前記動的特徴の結果は、その後、上述の画像処理ツールの結果に対して追加される別個の情報とみなされる。この組合せは、画像読影者によって実行されるもので、画像化オブジェクトの特徴の評価または検出のために画像処理ツールによって得られた結果と、上述した、動的特徴の調査結果との単なる比較にすぎない。また、この場合、画像化された身体における画像化オブジェクトの特徴の完全な評価は、画像処理ツールおよび動的特徴測定ツールの出力データの評価者の個人的技能に依存し、時間と費用がかかるのである。
【0030】
本明細書および特許請求の範囲において使用されている「画像」という用語は2次元画像と3次元画像(あるいは体積画像)のいずれかをさす概念として用いられている。2次元画像は、例えば、任意の断面にける画像化オブジェクトのスライスであって、2次元画像はピクセルアレイで形成され、3次元画像はボクセルアレイで形成される。各ピクセルまたはボクセルは、画像空間において厳密な所定の位置を占めており、そのアスペクトは、物理的信号が画像化対象の身体またはその一部との相互作用にさらされた後で、画像を取得するための選択された画像化技術にしたがって用いられる物理的信号を特徴づけるパラメータ値によって決まる。
【0031】
一般的に言えば、画像化対象の身体との相互作用の後の物理的信号の有意なパラメータは、信号強度である。これらの信号の他のパラメータは、画像のピクセル間またはボクセル間のトポグラフィカルな関係が、前記ピクセルまたはボクセルに対応する画像化された身体の異なるドット間のトポグラフィカルな関係を表すように、画像化された身体のドットまたは点と、画像における対応するピクセルまたはボクセルと、の一義的対応関係を生成するために用いられる。
【0032】
それゆえ、このツールによって動作する現在の画像処理および方法は、ピクセルレベルまたはボクセルレベルで動作し、画像化による診断検査の目的が特定の特徴を有するオブジェクトの識別にあることが考慮されていないことは明らかである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0033】
本発明の第1の目的は、処理画像における偽陽性の検出・表示を低減させることが可能な、画像、特に診断画像の自動処理および評価のための発展型システムを提供することにある。
【0034】
本発明のさらなる目的は、画像評価者のタスクを出力データと画像との分析にしぼることにより、画像評価者の利便性に配慮したユニークなツールを提供することにある。
【0035】
本発明のさらなる目的は、画像処理ツールの出力情報量を増加させて、手作業である画像解釈プロセスの最終ステップ、特に、一般的な腫瘍組織またはさらに腫瘍組織の良悪性などの、関心対象または探索対象たる特徴を有する画像化された身体の部位に特に関わる画像領域を認識するステップをさらに容易化することにある。
【課題を解決するための手段】
【0036】
本発明は、画像、特に、診断画像の自動処理および評価の方法によって上記の目的を達成する。本発明の画像の自動処理方法およびその処理された画像の評価方法は、コンピュータハードウェアによって実行可能な画像処理ソフトウェアプログラムを備えている。画像処理ソフトウェアプログラムは、デジタル入力画像に含まれる画像データを処理して、修正デジタル出力画像を生成する。この修正出力画像に含まれる画像データは、画像化された身体領域に対応する領域の任意の特徴を強調表示させるグラフィック形式および/または英数字形式で生成される。画像処理ソフトウェアプログラムは、ノンエキスパート画像処理アルゴリズムとしての第1画像処理モジュールを備えている。ここで、第1画像処理モジュールを「画像検出モジュール」と定義しておく。
【0037】
第1画像処理モジュールによって出力された修正画像ファイルは、さらに第2画像処理モジュールによって処理される。この第2画像処理モジュールは、分類・予測アルゴリズムなどのエキスパート画像処理アルゴリズムである画像処理ツールである。ここで、第2画像処理モジュールを「分類モジュール」と定義しておく。第2画像処理モジュールは、第1画像処理モジュールによって出力された修正画像にさらに修正を施した修正画像ファイルを出力する。第2画像処理モジュールによって修正された修正画像上では、任意の特徴を有する画像化オブジェクトに対応しているピクセルが強調表示される。
【0038】
本発明の画像の自動処理方法およびその処理された画像の評価方法の眼目は、ノンエキスパート画像処理ツールとエキスパート画像処理ツールとを組合せるという点にあり、偽陽性の低減と、画像を構成する各ピクセルに対する探索対象たる特徴の分類における高い正答率を実現することができる。
【0039】
ノンエキスパート画像処理ツールを用いて画像データを前処理し、分類ツールなどのエキスパート画像処理ツールが適用されるところの後続処理ステップの入力データとして、ノンエキスパート画像処理ツールの前処理出力データを用いることによって、画像処理・画像評価の最終結果に対して相乗効果がもたらされる。
【0040】
この点に関する説明は、ノンエキスパート画像処理ツールによる偽陽性の検出と、エキスパート画像処理ツールによる偽陽性の分類との間には一定の相関関係が存在するという前提に依拠しているといってよい。エキスパートシステムによる検査技法とノンエキスパートシステムの検査技法とが全く異なる性格を有しているだけに、性質ゆえに上述の相乗効果はより強力である。而して、論理的に期待を形成するかぎりにおいては、ノンエキスパートシステムとエキスパートシステムとを組合せることが、検出および評価結果における偽陽性の発生件数の低減につながるであろう、という発想に思い至ることはにわかに想定しがたいことである。つまり、現在までに知られている他の画像化ツールを用いて偽陽性問題を論理的に分析する当業者にとって、偽陽性問題の潜在的に有効な解決策として、エキスパートおよびノンエキスパートシステムを組合せるということには思い至らなかったといえよう。
【0041】
さらなる改良として、本発明の画像の自動処理方法およびその処理された画像の評価方法は、画像検出モジュールを、複数種類のノンエキスパート画像処理ツールからなる一つの処理ツール系として構成したうえで、取得された画像を該画像検出モジュールで処理する。この処理ツール系に属する先行の画像処理ツールが出力した出力データは、後行の画像処理ツールの入力データとして用いられる。
【0042】
本発明の画像の自動処理方法およびその処理された画像の評価方法に固有の実施例は、(イ)「セグメンテーションツール」および(ロ)「形態パラメータ検出ツール」という2つの画像処理ツールを有する画像検出モジュールで構成した例である。
【0043】
セグメンテーションツール(segmentation tool)は、同質的な特徴を有するものと思料される画像化された身体領域に対応する画像オブジェクトとしてラベリングされたピクセルクラスタを検出する。
【0044】
形態パラメータ検出ツール(morphological parameter detection tool)は、セグメンテーションツールによる処理によって個別化した各画像オブジェクトを分析し、個別化されたオブジェクトのモルフォロジと、探索対象たる特徴を有する画像オブジェクトの範型モルフォロジまたは基準モルフォロジとを比較して、個別化されたオブジェクトを探索対象たる特徴との関連性において有効または無効なオブジェクトとしてラベリングする。
【0045】
動的特徴抽出サブシステムについては、本発明の画像処理モジュールと評価方法とは、複数種のノンエキスパート画像処理ツールで構成した処理ツール系を備えており、取得された画像に含まれる画像データが、この処理ツール系によって処理され、先行の画像処理ツールが出力した出力データは、後続の画像処理ツールの入力データとして用いられる。
【0046】
固有の一実施例においては、動的特徴抽出サブシステムは、「第1画像レジストレーションツール」を備えている。第1画像レジストレーションツールは、時間遅延画像の画像シーケンスを取得する画像化セッションの間に発生する患者の動きの影響を除去する。画像レジストレーションツールによるレジストレーション処理ステップの結果として得られた出力データは、「第1セグメンテーションツール」への入力データとして用いられる。第1セグメンテーションツールは、同質的特徴を有すると思料される画像化された身体領域に対応する画像オブジェクトとしてラベリングされた画像を構成するピクセルクラスタを検出する。また、後続の「モーフィングツール(morphing tool)」は、先行のセグメンテーションツールによる処理によって検出された各画像オブジェクトの形状解析(shape analysis)を実行する。
【0047】
モーフィングツールの出力データは、さらに、画像化された身体領域に対する動的特徴抽出処理において用いられる。
【0048】
本発明のさらなる特徴によれば、検出ツールの出力データと、動的特徴抽出サブシステムの出力データを組合せることも可能である。動的特徴抽出サブシステムが実行した画像シーケンスのレジストレーションステップにおいて取得された画像は、さらにセグメンテーション(切出し)ステップで処理される。セグメンテーションステップにおいて生成された出力画像データは、さらに画像検出モジュールのモーフィングツールの入力データとして用いられる。このようにして、モルフォロジ情報は、画像データから抽出され、また、動的特徴抽出に一般的に用いられる画像シーケンスの各画像から抽出される。
【0049】
静止画像、典型的には画像化されたオブジェクトのモルフォロジ情報を抽出するため画像検出モジュールによる処理で用いる静止画像は、一般的には高解像度画像である。他方、画像化オブジェクトの動的特徴を抽出するために用いられる画像シーケンスの画像は、通常は低解像度画像である。いずれにせよ、画像シーケンスで取得した画像化オブジェクトの時間依存挙動(time‐dependent behavior)は、この場合においても、画像化オブジェクトの形態的特徴(morphological feature)を確立するために用いることができる。
【0050】
画像検出モジュールまたは動的特徴抽出サブシステムによって実行されるセグメンテーションステップにおいて、異なる画像オブジェクトが、画像化された身体領域において、特定の特徴を有することによってそのアピアランスが判別されるピクセルクラスタまたはピクセルグループが検出・判別される。なお、該領域が特定の仕方で画像取得のための物理的手段と相互作用を起こすのはこの特徴による。
【0051】
次のステップ(このステップには一連のサブステップが含まれるが、その詳細の説明は本明細書の当該箇所に譲る)では、検出・判別された画像オブジェクトは、形状、寸法、対称性、密度、テクスチャ、腫瘍徴候などのモルフォロジについて分析される。画像化された身体の画像オブジェクトおよび対応する領域における探索対象たる特徴の存否という点に照らして、画像化された身体領域のモルフォロジを記述する抽出されたパラメータに専ら基づいて、そして、前記特徴を有する画像化された身体領域の典型的なモルフォロジを記述するパラメータとの比較に基づいて、画像オブジェクトの仕分けが行われる。
【0052】
かくして、この段階ですでに、探索対象たる特徴を有する画像化された身体領域に潜在的に対応する画像オブジェクトから、一定数の偽陽性を、専らこれらの形態的基準に基づいて選別することができる。
【0053】
入力データ画像は、2次元または3次元のデジタル画像データであればどのようなデジタルデータでもよい。さらに、用いられる画像データは、数種の画像化技術を用いて並行して取得することもできる。診断画像化の分野においては、画像といえばX線画像、超音波画像および磁気共鳴画像(MRI画像)である。同じ身体または同じ身体の同じ解剖学的部位のこれらの画像は、すべて、本方法による画像処理の対象とすることができ、本発明の上述の方法の一以上のステップによって処理された画像データは、すべて、分類モジュール用入力データとして用いることができる。
【0054】
さらに、MRI画像を考慮すると、二種類の有用なMRI画像を取得することができる。これらの二種類の画像はいわゆるT1強調画像およびT2強調画像である。MRI画像取得技術は公知であり、画像化された身体の取り扱いにの点でそれぞれ相違する。特に、画像化された身体に現在する水分および脂肪組織の取り扱いが異なるので、水分および脂肪組織の観点から、取得された画像のピクセルのアピアランスの点でも相異なる。
【0055】
本発明の画像の自動処理方法およびその処理された画像の評価方法のさらなる特徴によれば、また、被験者身体のMRI画像からT2強調画像が取得され、取得した画像データは、分類モジュールの追加的入力データとして、または、画像検出モジュールおよび/または動的特徴抽出サブシステムの一以上の処理ステップの入力データとして用いることができる。この出力画像データは、分類モジュールのための追加的入力データとして用いられる。
【0056】
T1強調画像および/またはT2強調画像および/または、さらに、画像検出モジュールおよび/または動的特徴抽出サブシステムを用いて他の代替的な画像化技術によって取得された同一の身体画像を処理することによって修正された画像データ、を得るためには、これらの修正画像データをパラメータ化しなければならず、分類モジュールの分類ツールによって読取り・処理が可能なベクトル形式に変換されなければならない。
【0057】
本発明のさらなる特徴によれば、(a)少なくとも2つの特徴を探索対象とし、(b)分類モジュールが少なくとも2つの分類ステップから構成され、(c)該少なくとも2つの特徴のいずれかの存否を鑑定するために、各分類ステップが特別にトレーニングされている。
【0058】
これは、大きな関連性と実用的意味合いとを有する。一例として、解剖学的部位における腫瘍組織の識別という問題を考えてみるとよい。腫瘍組織には二種類しかない、つまり、腫瘍組織は良性または悪性のいずれかであるので、第1の分類ステップの関心は、専ら画像化された身体における病変の存否の識別に関する一方、第2の分類ステップの関心は専ら病巣の良悪性判定である。
【0059】
本発明の画像の自動処理方法およびその処理された画像の評価方法に固有の一実施例は、数種の分類ツールまたはアルゴリズムの各分類ステップを利用することを考慮に入れたもので、第1の特徴および第2の特徴をそれぞれ判定させるために、各ステップを個別に学習させたものである。
【0060】
それゆえ、探索対象たる第1の特徴が腫瘍組織であり、第2の特徴が当該組織の良悪性である場合には、第1の分類ツールまたはアルゴリズムは、一般的腫瘍組織の存否の観点から画像を評価するようトレーニングされ、第2の分類ツールまたはアルゴリズムは、第1の分類ツールまたはアルゴリズムによって識別された腫瘍組織の良悪性を評価するために特別にトレーニングされている。
【0061】
分類モジュールの出力データは、英数字データで可視化することができ、または、修正された画像であって、そこにおいて探索対象たる特徴を有している画像化された身体領域に対応すると考えられるピクセルが、それらに特別なアスペクト例えば色または明るさなどを付与することによって強調表示されている修正された画像によって視覚化することもできる。二以上の特徴を探索する場合、例えば、良悪性の観点から腫瘍組織を探索する場合、視覚化に続いて、該特徴を有すると分類された画像化された身体のオブジェクトまたは領域に対応するピクセルに、異なるアピアランスが与えられる。
【0062】
本方法のさらなる特徴によれば、分類プロセスの結果として、ある特徴を有する画像化オブジェクトに対応していると判定された、画像の個々のピクセルまたは複数のピクセルが、色などの所定の視覚的特性を与えることによって強調表示される。
【0063】
かくのごとくであるから、例えば、画像化された身体において識別された画像化オブジェクトが良性の腫瘍病変であるか悪性の腫瘍病変であるかを判定するという特別な問題を考慮する場合、良性の腫瘍病変と考えられるオブジェクトに対応する画像のピクセルが、青色または緑色で表示され、悪性の腫瘍病変と考えられるオブジェクトに対応するピクセルは、赤色で表示される。これらの色は、予め設定されたもので、分類モジュールの出力データ特性に依存して各ピクセルに対して適用される。
【0064】
画像の特徴の存在を決定するために人工ニューラルネットワークを用いる場合、一般的には、人工ニューラルネットワークの出力レイヤには、1以上の出力されたノットが提供され、探索対象たる特徴の存在または不存在は、ノットがとりうる数値で与えられる。
【0065】
本発明の画像の自動処理方法およびその処理された画像の評価方法の改良点によれば、処理画像のピクセルの強調表示されたアピアランスを生成するために、出力されたノット値を用いることができ、また、人工ニューラルネットワークのファジー出力を利用することができる。
【0066】
本発明の上述の改良によれば、分類アルゴリズムの出力情報を表示する目的で、各出力ノードを、RGBモデル、HSVモデルまたはHISモデルなど任意のカラーモデルで色空間を定義する画像パラメータに、一義的に割り当てることができる。この場合、各出力ノット値は、人工ニューラルネットワークの出力レイヤに出力されたノットの数に依存して、選択されたカラーモデルの値、例えば、RGB値またはHU値その他これらの値の組合せなどに一義的に関連付けすることができる。
【0067】
この方法ステップは、人工ニューラルネットワークが、二以上のノットを有している場合や、複数の人工ニューラルネットワークをカスケード状に用いている場合にも適用することができる。
【0068】
この最後の場合には、選択されたカラーモデルのすべての値またはその一部を符号化するために、それぞれの出力情報を用いることが可能である。一例として、例えばRGBカラーモデルのケースであれば、Rパラメータは人工ニューラルネットワークのカスケード上にある第1の人工ニューラルネットワークの出力によって決まる。Gパラメータは人工ニューラルネットワークのカスケード上にある第2の人工ニューラルネットワークの出力によって決まる。RGBカラーモデルのBパラメータは、カスケードが2つの人工ニューラルネットワークのみで構成されているのであれば固定値として与えられる、ああるいは、該2つの人工ニューラルネットワークの各出力値の組合せによって決まることになる。人工ニューラルネットワークのカスケード上に第3の人工ニューラルネットワークが存在する場合には、Bパラメータは、第3の人工ニューラルネットワークの出力値によって決まるか、または、第3の人工ニューラルネットワークの出力値と第1および第2の人工ニューラルネットワークの一方または両方の出力値との組合せによって決まることになる。
【0069】
かくして、上述の方法を用いることで、分類モジュールのファジー出力を視覚化することができ、分類結果に関連するより詳細な仕方で、読影者が、可視化された方法でより精確な感触または仕方で、分類モジュールによる出力値として得た結果を評価することが可能となる。
【0070】
各カラーモデルは互いに明確に定義された数学的関係が存在しているので、色空間について任意のカラーモデルを用いることができる。
【0071】
上記の例は、分類ツールまたはアルゴリズムとして人工ニューラルネットワークに言及しつつ述べてきたけれども、同一の方法が、他の種類の分類ツールまたはアルゴリズムに対しても適用可能であることは明らかである。なんとなれば、いずれにせよ、ある特徴の鑑定に関連したこれらの分類ツールまたはアルゴリズムの処理結果はパラメータ化される必要がある、つまり探索対象たる特徴の存否を示す数値、あるいは、探索対象たる特徴の存否を鑑定するという問題に関連する分類結果が不定値であることを示す数値として与えられるからである。
【0072】
ファジー出力を視覚化するステップに特に関連して、ファジー出力をもつのは人工ニューラルネットワークにおいてのみではなく、他のファミリーの分類アルゴリズムにもあてはまること、そして、このファジー出力値は、分類アルゴリズムの出力と、RGBモデルまたはその他の画像モデルとの相関関係のルールを確立しておくことによって表現することができることに留意すべきである。
【0073】
画像検出モジュール、動的特徴抽出サブシステムおよび分類モジュールのいずれかの画像処理の個別のステップは、原則的には、一部は診断画像の画像処理において、一部は、美術または工業など、画像処理が利用されている他分野において、単体かつ独立のツールとして用いられている公知の画像処理ステップであることに留意すべきである。
【0074】
画像検出モジュールおよび分類モジュールに含まれる処理ステップおよび処理ツールについては、以下の出版物、文書のリストに詳しく述べられている。
【0075】
デジタル画像処理は以下の各文献にさらに詳細に記述されている。
【0076】
画像分割については以下の文献を参照されたい。
(1) Middleton I, Damper RI. Segmentation of magnetic resonance images using a combination of neural networks and active contour models. Med Eng Phys 2004;26:71−86
(2) Grau V, Mewes AU, Alcaniz M, Kikinis R, Warfield SK. Improved watershed transform for medical image segmentation using prior information. IEEE Trans Med Imaging 2004;23:447−458
(3) Lucier BJ, Kallergi M, Qian W, DeVore RA, Clark RA, Saff EB, Clarke LP. Wavelet compression and segmentation of digital mammograms. J Digit Imaging 1994;7:27−38
【0077】
画像レジストレーションの詳細については、以下の文献を参照されたい。
(1) Sorzano CO, Thevenaz P, Unser M. Elastic registration of biological images using vector−spline regularization. IEEE Trans Biomed Eng 2005;52:652−663
(2) Crum WR, Hartkens T, Hill DL. Non−rigid image registration: theory and practice. Br J Radiol 2004;77 Spec No 2:S140−53
(3) Park H, Bland PH, Brock KK, Meyer CR. Adaptive registration using local information measures. Med Image Anal 2004;8:465−473
(4) Kim J, Fessler JA. Intensity−based image registration using robust correlation coefficients. IEEE Trans Med Imaging 2004;23:1430−1444
(5) Pluim JP, Fitzpatrick JM. Image registration. IEEE Trans Med Imaging 2003;22:1341−1343
【0078】
造影剤取込み曲線(contrast agent uptake curve)および該曲線の定義方法については以下の文献に詳しい。
(1) Daldrup−Link HE, Brasch RC. Macromolecular contrast agents for MR mammography: current status. Eur Radiol 2003;13:354−365
(2) Sardanelli F, Iozzelli A, Fausto A. Contrast agents and temporal resolution in breast MR imaging. J Exp Clin Cancer Res 2002;21:69−75
(3) Baum F, Fischer U, Vosshenrich R, Grabbe E. Classification of hypervascularized lesions in CE MR imaging of the breast. Eur Radiol 2002;12:1087−1092
(4) Turetschek K, Roberts TP, Floyd E, Preda A, Novikov V, Shames DM, Carter WO, Brasch RC. Tumor microvascular characterization using ultrasmall superparamagnetic iron oxide particles (USPIO) in an experimental breast cancer model. J Magn Reson Imaging 2001;13:882−8
(5) Ercolani P, Valeri G, Amici F. Dynamic MRI of the breast. Eur J Radiol 1998;27 Suppl 2:S265−71
(6) Tofts PS. Modeling tracer kinetics in dynamic Gd−DTPA MR imaging. J Magn Reson Imaging JID − 9105850 RN − 0 (Contrast Media) RN − 0 (Organometallic Compounds) RN − 0 (Radioactive Tracers) RN − 67−43−6 (Pentetic Acid) RN − 80529−93−7 (Gadolinium DTPA) 1997;7:91−101
(7) Griebel J, Mayr NA, de Vries A, Knopp MV, Gneiting T, Kremser C, Essig M, Hawighorst H, P.H. L, Yuh W. Assessment of tumor microcirculation: a new role of dynamic contrast MR imaging. J Magn Reson Imaging JID − 9105850 RN − 0 (Antineoplastic Agents) RN − 0 (Contrast Media) RN − 0 (Radioactive Tracers) RN − 7440−54−2 (Gadolinium) 1997;7:111−9
(8) Hoffmann U, Brix G, Knopp MV, Hess T, Lorenz WJ. Pharmacokinetic mapping of the breast: a new method for dynamic MR mammography. Magn Reson Med 1995;33:506−14
【0079】
分類アルゴリズム、とりわけ人工ニューラルネットワークの利用、および分類アルゴリズムを用いた画像処理のためのピクセルまたはボクセルの符号化については、以下の文献に開示されている。
(1) Szabo BK, Wiberg MK, Bone B, Aspelin P. Application of artificial neural networks to the analysis of dynamic MR imaging features of the breast. Eur Radiol 2004;14:1217−1225
(2) Szabo BK, Aspelin P, Wiberg MK. Neural network approach to the segmentation and classification of dynamic magnetic resonance images of the breast: comparison with empiric and quantitative kinetic parameters. Acad Radiol 2004;11:1344−1354
(3) Vomweg TW, Buscema M, Kauczor HU, Teifke A, Intraligi M, Terzi S, Heussel CP, Achenbach T, Rieker O, Mayer D, Thelen M. Improved artificial neural networks in prediction of malignancy of lesions in contrast−enhanced MR−mammography. Med Phys 2003;30:2350−2359
(4) Perez de AlR, Ruiz−Cabello J, Cortijo M, Rodriguez I, Echave I, Regadera J, Arrazola J, Aviles P, Barreiro P, Gargallo D, Grana M. Computer−assisted enhanced volumetric segmentation magnetic resonance imaging data using a mixture of artificial neural networks. Magn Reson Imaging 2003;21:901−912
(5) Lucht RE, Knopp MV, Brix G. Classification of signal−time curves from dynamic MR mammography by neural networks. Magn Reson Imaging 2001;19:51−7
(6) Markopoulos C, Kouskos E, Koufopoulos K, Kyriakou V, Gogas J. Use of artificial neural networks (computer analysis) in the diagnosis of microcalcifications on mammography. Eur J Radiol 2001;39:60−5
(7) Vergnaghi D, Monti A, Setti E, Musumeci R. A use of a neural network to evaluate contrast enhancement curves in breast magnetic resonance images. J Digit Imaging 2001;14:58−59
(8) Abdolmaleki P, Buadu LD, Naderimansh H. Feature extraction and classification of breast cancer on dynamic magnetic resonance imaging using artificial neural network. Cancer Lett 2001;171:183−91
(9) Chen DR, Chang RF, Huang YL, Chou YH, Tiu CM, Tsai PP. Texture analysis of breast tumors on sonograms. Semin Ultrasound CT MR 2000;21:308−316
【0080】
概説的なものとしては、以下の文献を参照されたい。
(1) Buscema M. A brief overview and introduction to artificial neural networks. Subst Use Misuse 2002;37:1093−1148
(2) Haykin S.. Neural Networks: A Comprehensive Foundation, 2 ed. New York: Macmillan, 1999
(3) Buscema M. Artificial neural networks and complex social systems. I. Theory. Subst Use Misuse JID − 9602153 1998;33:v−xvii, 1−220 FAU − Bu
(4) Buscema M. Theory: Foundation of Artificial Neural Networks. Substance Use & Misuse 1998;33:28−98 .
【0081】
色空間に関する基本的概念およびこれを記述するモデルについては、オンライン百科事典「ウィキペディア」に掲載されている(http://en.wikipedia.org/wiki/Color_theoryまたはhttp://en.wikipedia.org/wiki/Color_spaceおよびその他関連リンクを参照)。
【0082】
なお、CADstreamやCADalyst(Confirma社製)など他のタイプの画像処理システムが市販されているが、これらは純粋な検出ツールである。
【0083】
本発明の画像の自動処理方法およびその処理された画像の評価方法のさらなる改良は、本発明の従属請求項の各主題において示されている。
【0084】
本発明の画像の自動処理方法およびその処理された画像の評価方法に関して、一般的教示として、ピクセル単位またはボクセル単位での分類プロセスの実行と代替的な方法として技術分野において公知なものとしては、検出ツールを用いて画像において同定されたオブジェクトのレベルで分類を実行する方法がある。このような方法においては、各オブジェクトを一義的に符号化する変数が、少なくとも、かかるオブジェクトの形態的特徴を記述したパラメータによって、および/または、動的特徴抽出サブシステムが抽出した動的特徴によって、さらには、他の画像化技術またはその派生型を用いて取得された他の画像オブジェクトの特徴を記述するその他のパラメータによって、与えられる。
【0085】
画像に含まれる情報の符号化のこの類の方法は、コンピュータ支援診断プロセスを用いて解決すべき実際上の問題により近いことに留意すべきである。事実、あるピクセルまたはボクセルが、画像化領域、特に画像化された組織のもつ特徴と関連性を有する場合、診断画像は、画像化領域における病変オブジェクトの存否を判定するために取得される。そのようにして個別化されたオブジェクトに基づいて画像処理を行うことで、分類モジュールによって処理されるレコード件数を限定することができ、計算処理の負荷を軽減させることができる。
【0086】
本発明は、画像、特に医用診断画像の処理および評価のためのシステムおよびソフトウェアに関するものである。
【0087】
本発明の画像の自動処理方法およびその処理された画像の評価方法のさらなる詳細と利点とは、一例として、図面を参照しつつ以下の記載において開示される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0088】
大雑把に言えば、画像とは物理的・現実的世界を仮想的世界へ投影したものである。2次元画像は、3次元空間の実在する情景の2次元空間への投影であることもあれば、3次元の物質界を任意の横断面で切り取った画像、したがって投影ではなくいわゆるスライスであることもある。典型的には、画像は、光線、放射線といった物理的手段と物質界との物理的な相互作用によって取得される。もっとも、物質界によって発せられるX線または電磁波は、一般的には自然発生的なものではない。光などの物質界の自然発生的な放射線または光線と画像化の客体たる物質界との相互作用や、画像取得のために選択・生成された放射線または光線と画像化の客体たる物質界との相互作用メカニズムによる。
【0089】
物質界は対象物から構成されていると観ずることができるが、この場合、物質界には物質界画像が対応し、物質界に属する個々のオブジェクトはオブジェクト画像にそれぞれ対応する関係にあるととらえることもできよう。このような視座によれば、物理的手段と物質界との相互作用が有効であるかぎりにおいてではあるけれども、物質界のトポロジは画像において再現されるのである。それゆえ、オブジェクト相互の空間的な関係と各オブジェクトの形状その他の特徴も、実在の物質界の仮想的な表現としての画像において再現されるといってよい。
【0090】
画像処理は、様々な作用に起因する画像取得におけるエラーの影響を受ける画像を適宜修正するために、多様な程度において利用されている。また、画像処理は、実在の物質界に属する対象物の表現としての画像オブジェクトを認識するためにも用いられている。画像処理の目的について一般的定義を与えるならば、画像オブジェクトとして画像の中に現在するところの、現実の物質界に属する任意のオブジェクトを認識対象として認識するということになろう。画像を認識するとは、実世界においてしたがって実世界を画像化した画像内において、問題関心たるオブジェクトを関心対象でないオブジェクトに対して差異化することである。
【0091】
どのようなクライテリアおよび画像処理方法を適用するかは、探索対象たるオブジェクトの特徴に依存して決まる。つまり、どのようなオブジェクトの特徴を探索対象とするかによって、該オブジェクトと画像取得手段との相互作用の態様も異なることになり、それに応じて、画像オブジェクトに固有の視覚的アピアランスが付与されるのである。
【0092】
診断画像の画像化においては、画像取得手段によって生成された信号の強度を評価することが、画像のアピアランスを手がかりに、画像化オブジェクトの性質、種類その他の特徴または性質(以下、単に「特徴」と表記する)をアピアランス判定するためのクライテリアとなる。信号強度は、一般的にはグレースケール画像である画像に属する各ピクセルまたはボクセルのアピアランス、各ピクセルまたはボクセルのアピアランスとその周囲のピクセルのアピアランスとの関係、形状その他の形態パラメータ、さらには、画像化オブジェクトの経時的挙動であって、自然発生的であるか、または、画像化オブジェクトの時間依存挙動を引き起こす何らかの条件の生成によって惹起された挙動、などと関連性を有している。
【0093】
診断画像は一般的にはグレースケール画像であって、グレースケール画像においては、各ピクセルのアピアランスが、画像取得のための物理的手段によって生成される信号を定義するパラメータに対して一義的に関連付けられている。
【0094】
図1によると、デジタル画像、特に医用デジタル画像の処理・評価方法は2つの主要なモジュールを備えている。すなわち、引用符号1で示した画像前処理モジュール(「画像検出モジュール」とも表記する)、および、引用符号2で示した画像評価モジュール(「分類モジュール」とも表記する)が画像処理・評価方法の主要モジュールである。デジタル画像は、画像処理プログラムの種類に応じて、一連の画像処理ステップを実行する画像検出モジュール1の入力3に入力される。
【0095】
画像検出モジュールは、処理または修正された画像データを出力する。これらの処理後データまたは修正後データは、分類モジュール2の入力画像データを生成するために用いられるデータである。ここにおいて、画像の単一ピクセル(single pixel)が、分類モジュール2において、探索対象たる特徴を有する画像化された身体のドット、領域または部分を表しているかどうか分析される。分類データは、英数字形式の4として出力されるか、あるいは、探索対象たる特徴を有する画像化された身体のドット、領域または部分に対応するピクセルが、画像の他の全ピクセルに対して強調表示されている修正後画像として出力される。
【0096】
画像は、任意の画像化技術によって取得することができ、特に、これらの技術に典型的な一以上の公知の派生型に基づく放射線、超音波または磁気共鳴画像技術によって取得することができる。本発明の画像の自動処理方法およびその処理された画像の評価方法は、かかる画像化技術の診断画像処理への適用、特に、腫瘍組織の検出および腫瘍組織の良悪性の判定を目的とした診断画像の処理への応用として開示される。本方法は、実質的には、乳がんの診断のための胸部磁気共鳴画像(MRI画像)に関する開示となっている。しかしながら、その他の病巣、解剖学的部位の病変に対して本発明の画像の自動処理方法およびその処理された画像の評価方法を応用しうることは以下の記述から明らかである。さらに、本発明の画像の自動処理方法およびその処理された画像の評価方法は、医療診断と非常な径庭のある分野においても適用することができるものである。
【0097】
本発明の画像の自動処理方法およびその処理された画像の評価方法のワークフローの例は図2のダイアグラムに示されている。
【0098】
画像、特に、患者の解剖学的部位(本実施例においては胸部)のMRI画像が取得される。図1に示すように、該MRI画像は、第1の画像検出モジュールによって処理される。以下の記述から明らかとなるが、画像検出モジュールは、患者の解剖学的部位(ここでは胸部)の2次元画像のピクセルまたは3次元画像のボクセルの検出を目的とした画像処理に基づいている。そして、これらのピクセルまたはボクセルのアピアランスは、画像化された身体の対応するドットまたは領域と、画像を取得するための物理的手段との相互作用に依存して与えられる。この相互作用の仕方は、探索対象たる特徴すなわち良性または悪性の腫瘍病変を有する組織に典型的な相互作用に仕方に対応するものである。以下の記述からさらに明らかとなるが、この他のクライテリアとしては、ピクセルの輝度レベル、または、画像化された身体における(病巣または病巣候補である)同一のオブジェクトのピクセルグループの形態パラメータが挙げられる。
【0099】
検出処理ステップの結果得られた修正後画像において、探索対象たる特徴を有する画像化された身体領域(腫瘍領域など)を表すピクセルが、他のピクセルに対して強調表示される。つまり、修正後画像は修正された画像化データを含んでいる。
【0100】
検査中の身体の2次元のまたは3次元の画像を取得するためにMRI技術を用いている図2の例を考慮すると、T1強調画像およびT2強調画像として定義される二種類の画像を取得できることが理解できる。この二種類の画像の取得は当該技術分野において通常の知識を有する者にとり公知であり、処理後画像において、画像化された身体の脂肪組織または水分に対応するピクセルが異なるアピアランスを与えられて差異化されている。
【0101】
T1強調画像および/またはT2強調画像は、画像化された身体のモルフォロジ情報が抽出される静止画像を検出するために用いることができ、あるいは、画像化された身体またはその領域のいわゆる動的特徴を抽出するために用いることができる。動的特徴は、公知の灌流パラメータまたは時間‐信号強度曲線(signal intensity/time−curves)などであって、これらは造影剤が注入された同一の身体領域の画像からなる画像シーケンスを取得することによって得られる。画像化された身体領域の灌流挙動は、画像化された身体領域の特徴を検出するための典型的なクライテリアである。腫瘍病変の探索に際して時間‐信号強度曲線挙動は非常に重要である。なんとなれば、血管化の増大が腫瘍病変の特徴であるので、腫瘍病変はそれに特徴的な時間‐信号強度曲線を示すからである。時間‐信号強度曲線は、画像化された身体領域の特徴(ここでは腫瘍病巣)を検出するために用いることができる。
【0102】
典型的なケースとして、画像化された身体領域またはオブジェクトの形態的特徴を抽出するために用いらるT1強調画像は、高解像度画像であり、一方、画像化された身体の領域またはオブジェクトの動的挙動などの時間依存挙動に基づいて動的特徴を抽出するために用いられる画像は、一般的には低解像度画像である。
【0103】
本実施例では、T2強調画像は専ら脂肪組織または水分に関連する特徴の検出に用いられている。
【0104】
図2に示すとおり、画像検出モジュールと並んで、画像化された組織すなわち画像化された身体領域またはオブジェクトの時間依存挙動を抽出するために取得された画像からなる画像シーケンスを処理するためのサブシステムが備えられている。
【0105】
画像検出モジュールは、静止画像および画像シーケンスに共通して用いられるいわゆるセグメンテーション(切出し)ステップを含んでいる。セグメンテーションは、画像化された身体領域またはオブジェクトの形態的特徴を、静止画像および時間依存挙動を判定するために取得された画像シーケンスを用いて処理することができる。
【0106】
画像のシーケンスから動的特徴を抽出する動的特徴抽出サブシステムは、レジストレーションツールを備えている。レジストレーションツールは、患者のモーションに起因するアーチファクトを画像から除去するように構成されている。公知のレジストレーションツールは多数あり、前掲各文献に述べられているとおりである。
【0107】
ピクセル/ボクセルの信号強度の経時的変化を判定するために、画像シーケンスとして登録された一連の画像は、他の登録された画像と相互に比較され、特に、サブトラクトされる。特に、動的時間‐信号強度曲線の測定の場合、画像化された身体への造影剤の注入後に取得された、画像シーケンスの各画像は、造影剤の画像化された身体への注入前の任意の時点で取得された身体の画像からサブトラクトされる。
【0108】
以下に詳述するとおり、動的特徴は、画像シーケンスを構成する各画像の前記画像差分の経時的変化を示す時間‐信号強度曲線によって得ることができる。
【0109】
登録された画像は、セグメンテーションステップステップで処理される。セグメンテーションステップは、離散スケールで洗い出された一定の輝度レベルを有するピクセルによって表されている異なるオブジェクトを画像上で検出するために用いられる。
【0110】
セグメンテーションプロセスによって得られた画像領域は、画像オブジェクト(image object)として定義され、そして、さらに、該画像オブジェクトの形態的特徴を抽出するためのツールによって処理される。
【0111】
(1)画像検出モジュールによって判定される形態的特徴、(2)動的特徴抽出サブシステムによって判定される動的特徴、さらには、(3)T2加重画像の画像データは、画像評価のためエキスパート処理ツールにフィードされる、画像に含まれる一以上のオブジェクトをベクトルによって符号化するために用いられる。エキスパート処理ツールは、典型的には、予測アルゴリズムまたは、カスケード状に接続された複数の予測アルゴリズムの系または組として構成された分類ツールである。分類ツールは、これまでの記述において定義された分類モジュールの一部である。分類ツールが経験を収集し、収集した経験に基づいて画像を評価できるように、分類ツールを知識または経験によって学習させることができる。典型的な分類ツールは、いわゆる人工ニューラルネットワーク、クラスタリングアルゴリズムまたはその他の統計的予測・分類アルゴリズムなど、当業者の技術的知識に属する各種ツールである。
【0112】
図2に示すごとく、分類・評価ステップを実行するため、ピクセルを符号化するベクトルに情報を追加することができる。この場合、患者履歴および/またはグラフィカルでないデータが考慮および処理され、画像の各ピクセルを符号化するためのベクトル情報に追加すべきリスクファクターが判定される。
【0113】
図3は、本発明の画像の自動処理方法およびその処理された画像の評価方法における画像化および画像処理のフローを示したものである。
【0114】
主要フローは、一の画像または複数の画像を取得する複数のステップから構成される。画像データは、コンピュータ支援診断システムに送信され、該診断システムは、受信した画像データを処理し、その画像が取得された身体領域の特徴または症状に関して一定の兆候を個別化するための任意のクライテリアに基づいて、かつ、該画像に含まれる情報に基づいて、画像自動評価を実行する。処理結果は、英数字形式、グラフィック形式、または両形式の組合せにより表示されたうえで、コンピュータ支援診断システムの表示に基づいて診断を行う医療関係者に対して提供されなければならない。
【0115】
本発明のコンピュータ支援診断システムは、本発明の画像の自動処理方法およびその処理された画像の評価方法の以下のステップを実行するソフトウェアプログラムに基づくものである。図3の右側がこれに該当する。
【0116】
この例に関して留意しておくべきは、図4を参照するとより理解しやすが、画像検出モジュール(画像前処理モジュール)は、T2加重画像の処理と、高解像度のT1加重静止画像の処理とを考慮しておらず、サンプルは、画像シーケンスの処理に限定されている。T2強調画像およびT1加重画像は、図2のより複雑な例との関連で記述されているように、画像化オブジェクトの形態的特徴の検出に関する画像の前処理、または、画像化オブジェクトの動的特徴の判定のいずれかのために用いることができる。これはより複雑なケースである。なんとなれば、図2についての前述の記述から明らかであるが、動的特徴抽出サブシステムは、画像シーケンスの利用に加えて、画像検出モジュールの典型的なステップであるセグメンテーションステップを実行する前に、画像シーケンスの各画像のレジストレーションという前処理ステップを必要とするからである。それゆえ、画像検出モジュールへ入力される画像入力データは、この場合、画像シーケンスの登録画像であって、高解像度画像ではない。画像検出モジュールの画像処理の方法は、画像から完全に独立であり、かくして、図3および図4の例は、高解像度静止画像に対して適宜変更のうえ適用される。ただし、この場合には不要なレジストレーションステップは省略されることになろう。
【0117】
第1のステップにおいて、取得された画像に属する画像データは、典型的にはDICOMファイル形式など周知のファイル形式に変換され、レジストレーション処理ステップで処理される。レジストレーション処理は公知のステップであって、画像アーチファクトを除去するうえで重要なステップである。アーチファクトは、心拍および/または呼吸により誘発された動きといった生理作用に起因する患者の自発的または非自発的な動きに起因するものである。
【0118】
レジストレーション処理には公知のものが多いので、個々の技術の詳細については、以下の出版物を適宜参照されたい。
(1) Sorzano CO, Thevenaz P, Unser M. Elastic registration of biological images using vector−spline regularization. IEEE Trans Biomed Eng 2005;52:652−663
(2) Sivaramakrishna R. 3D breast image registration−−a review. Technol Cancer Res Treat 2005;4:39−48
(3) Crum WR, Hartkens T, Hill DL. Non−rigid image registration: theory and practice. Br J Radiol 2004;77 Spec No 2:S140−53
(4) Pluim JP, Maintz JB, Viergever MA. F−information measures in medical image registration. IEEE Trans Med Imaging 2004;23:1508−1516
(5) Cao Z, Pan S, Li R, Balachandran R, Fitzpatrick JM, Chapman WC, Dawant BM. Registration of medical images using an interpolated closest point transform: method and validation. Med Image Anal 2004;8:421−427
(6) Kim J, Fessler JA. Intensity−based image registration using robust correlation coefficients. IEEE Trans Med Imaging 2004;23:1430−1444
(7) Chandrashekara R, Mohiaddin RH, Rueckert D. Analysis of 3−D myocardial motion in tagged MR images using nonrigid image registration. IEEE Trans Med Imaging 2004;23:1245−1250
(8) Pluim JP, Fitzpatrick JM. Image registration. IEEE Trans Med Imaging 2003;22:1341−1343
【0119】
図5は、公知のレジストレーションプロセスによって実行される一般的ステップを示している。2つの画像、特に、ここでは異なる時間t0およびt1にて取得された2つの3次元画像が、同図右側に2つの立方体によって示されている。レジストレーションプロセスの第1のステップとして第1の画像が分析され、一定の数の関連オブジェクトが、画像上において何らかのオブジェクトを画定する単一ピクセル、ボクセルまたはピクセルグループもしくはボクセルグループの形で与えられる。さらに、これらのピクセル、ボクセル、そのグループ、またはオブジェクトは、同一の画像に属する他のピクセル、ボクセルまたはオブジェクトから容易に区別することができ、また、ランドマークとして定義され、ランドマークとしての信頼性が分析される。
【0120】
ひとたび信頼性を有する一定数のランドマークが与えられると、該ランドマークは、トラッキングステップで処理される。トラッキングステップは、時間t1において取得された第2の画像において同一のランドマークを発見するステップである。ランドマークは、図5右側の例において図式的に三角形と円で表現されている。ひとたびランドマークが第2の画像において個別化されると、変位ベクトルが定義される。変位ベクトルは、ランドマークが異なれば方向性と絶対値も異なる。これは、生体組織は一般にリジッドでない構造であり、画像平面にわたる大域的および局所的な動きベクトル場を定義する大域的および局所的なベクトル場を生成するために用いられる構造であるからである。
【0121】
大域的および局所的な動きベクトル場を第2の画像に適用することは、いわゆるモーフィングステップである。モーフィングステップは、患者の動きが画像化領域に与える影響とそれに起因するアーチファクトとを除去するステップである。トラッキングステップおよびモーフィングベクトル場は、3次元画像を表す立方体と、ランドマークを表す幾何学的オブジェクト間の矢印によって、図3右側に図示されている。動きベクトル場は、一番下の立方体に矢印で示されている。2つのランドマーク(三角形と円)の局所的動きベクトルおよびベクトル場は、図5の図形表現から理解できるように、同一でないベクトル方向を示している。画像レジストレーションは、画像シーケンスを構成する各画像について実行されなければならない。
【0122】
登録された画像は、このように、2つの異なる種類の処理に付されることができる。つまり、登録された画像を画像検出モジュールと、動的特徴抽出サブシステムと、によって処理することができるということである。どちらの場合も、登録画像は、いわゆるセグメンテーションツールによって処理することができる。ピクセルグループを決定するため、セグメンテーション処理は、登録された画像のピクセルまたはボクセルの特徴を分析する。その際、ピクセルグループを、画像のピクセルの輝度クライテリアに基づいて、オブジェクトの共通の種類の一部であるとみなしてもよい。このセグメンテーションステップによって、一定の数のオブジェクトを画像上で個別化することができ、これらの個別化されたオブジェクトを、他の処理ステップにおける単位要素(unitary element)として扱うことができる。
【0123】
セグメンテーションは公知の技術であって、セグメンテーションについてのより詳細な情報は下記の文献に開示されている。
(1) Middleton I, Damper RI. Segmentation of magnetic resonance images using a combination of neural networks and active contour models. Med Eng Phys 2004;26:71−86
(2) Grau V, Mewes AU, Alcaniz M, Kikinis R, Warfield SK. Improved watershed transform for medical image segmentation using prior information. IEEE Trans Med Imaging 2004;23:447−458
(3) Sha DD, Sutton JP. Towards automated enhancement, segmentation and classification of digital bran images using networks of networks. Information Sciences 2001;138:45−77
(4) Ghanei A, Soltanian−Zadeh H, Windham JP. A 3D deformable surface model for segmentation of objects from volumetric data in medical images. Comput Biol Med 1998;28:239−53
【0124】
セグメンテーション処理ステップに関する若干の基本的情報を、図6、図7Aおよび図7Bを用いて以下に説明する。
【0125】
セグメンテーションは、複数の領域内で同様のプロパティを有する複数の画像をさらに分割し、一連の互いに接続しているボクセルを検出する。セグメンテーションは、該領域相互の関係に関する情報も与える。領域内の画像分割の実行後、該領域は画像上のオブジェトとして定義される。
【0126】
前述のとおり、セグメンテーション処理は、画像のピクセル、ボクセルまたは同様の信号強度特徴を有する複数のピクセルまたはボクセルからなる領域を個別化することによって実行される。通常は、セグメンテーション処理は、強度しきい値を定義し、このしきい値を画像の輝度ヒストグラムに適用することによって実行される。本方法においては、固定しきい値を用いる代わりに、適合可能なしきい値が用いられている。
【0127】
図6は簡略化された画像輝度ヒストグラムを示している。ここで、強度ヒストグラムは2次元であるが、画像を考慮する際には輝度ヒストグラムは表面(surface)である。
【0128】
ピクセル輝度は、画像上のピクセル位置について表され、適合可能なしきい値は、三つの異なるしきい値TH1、TH2およびTH3で示されている。
【0129】
輝度がしきい値を超える各ピクセルグループまたは画像領域は、画像上のオブジェクトとして定義される。
【0130】
図7(イ)ないし7(ヘ)および図6の例を用いて以下に説明するとおり、適合可能なしきい値を用いたセグメンテーション処理ステップは、反復的な仕方で実行される。
【0131】
第1のしきい値TH1でのオブジェクト1の識別は、最大輝度の識別によって行われ、これに続く第2のステップとして、画像は、該最大輝度を用いて判定された個々のしきい値を用いてシード(seed)される。
【0132】
「オブジェクト2」と示したオブジェクトの第2のクラスを発見するために、セグメンテーションプロセスは上記ステップを反復して実行する。今度は、画像において二番目に高い輝度が判定され、第2の個別しきい値が与えられる。画像は、この第2の個別しきい値TH2でシードされ、画像領域は、同定された第2のオブジェクト2に対応して個別化される。
【0133】
次の反復的ステップでは、さらなるオブジェクトを識別するために、画像において三番目に高い輝度を個別化し、第3の個別しきい値TH3を決定し、画像を該個別しきい値でシードする。この例で発生するように、第3のしきい値を用いた状態での、画像に対する個別しきい値のシード化によって画像の限局された領域がもたらされない場合には、セグメンテーションの反復的プロセスは停止する。これらのステップにおいて、セグメンテーションプロセスは終了し、画像は、オブジェクトを二個だけ示しているものとみなされる。
【0134】
図7Cは、TH50、TH60、TH70、TH80およびTH120によってそれぞれ示された異なるしきい値を用いた、2つの異なる画像の拡大された細部に対するセグメンテーション結果を示している。画像は胸部MRI画像であり、細部は、腫瘍病巣であると疑うに足る特定の有意性を有する画像領域である。同図から明らかであるとおり、オブジェクトを識別するためにより低い輝度しきい値が与えられ、該しきい値が用いられていく反復的ステップにおいては、領域限定が徐々により困難になっていき、画像をシードして識別された画像の強調表示領域が、次第に画像の全体を占めるようになり、各領域がほとんどドットにすぎないような小さな部分を占める領域となり、いかなるオブジェクトもさらに低いしきい値にて限定・個別化されない状態に至る。
【0135】
本発明の画像の自動処理方法およびその処理された画像の評価方法の画像検出モジュールは、セグメンテーションステップにおいて画像において個別化されたオブジェクトの形態的特徴を抽出するさらなるステップから構成されている。
【0136】
画像上で個別化されたオブジェクトの複数の異なる形態的特徴を用いることができ、互いにほぼ独立的に用いることができる。画像化されたオブジェクトの形態的特徴を抽出するための典型的な方法およびアルゴリズムは、ごく一般的な周知の知識であるので、詳細については以下の文献等を参照されたい。Analyse von Gefaesstrukturen in medizinischen Schichtdatensaetzen fuer die computergestuetzte Operationsplanung, Dissertation, Dirk Selle; Medizinische Bildverarbeitung, Heinz Handels, B.G. Teubner Stuttgart − Leipzig; Bildverarbeitung fuer die Medizin, Thomas Lehmann, Springer
【0137】
この公知の方法には、画像パターン認識プロセス、エッジ検出アルゴリズムおよびその他の類似のアルゴリズムなどがある。
【0138】
図8に示した画像オブジェクトの第1群の形態的特徴は、オブジェクトの幾何学的パラメータである。ここで、画像オブジェクトは、3次元物体として与えられており、測定されたパラメータは、画像が3次元画像であれば体積サイズであり、画像が2次元画像であれば面積である。さらに、画像オブジェクトの最大直径および最小直径が判定される。2次元画像の本例では、2つの次元に対応した最大長および最小長が判定される。
【0139】
画像化オブジェクトのモルフォロジを記述するさらなるパラメータとして、コンパクトネスを画像特に3次元画像から求めることができ、この場合、面積・体積比を求めることができる。また、図9に示すごとく、画像オブジェクトのフラクタル次元を求めることができる。
【0140】
さらに、この他の特徴として挙げておくべきは、画像上で個別化されたオブジェクトの形状の定義である。オブジェクト形状の定義については、公知の技術である画像の骨格化(skeletonizing)を用いる。
【0141】
骨格化プロセスの若干の例を図10に示したが、これは、円板形、矩形、略十字形状、長尺形状など、異なるモーフィングを施されたオブジェクトである。骨格化によって、形状を定義する数値パラメータを得ることができる。この技術の詳細は以下の文書に記載されているのでそちらを参照されたい:Analyse von Gefaesstrukturen in medizinischen Schichtdatensaetzen fuer die computergestuetzte Operationsplanung, Dissertation, Dirk Selle
【0142】
この他、セグメンテーションステップによって個別化された画像オブジェクトの形態的特徴として決定されうるパラメータは、均質性(homogeneity)である。この特徴を記述する数値パラメータは、オブジェクトに対応する画像領域内の平均信号強度、画像領域内の信号強度偏差および画像領域のマージン特性である(図12参照)。
【0143】
造影剤が注入された身体領域の画像化の際に使用できる他の形態パラメータとしては、造影剤バブルのサイズがある。バブルサイズは立方ミリメートル単位で与えられ、バブルの最大寸法は立方ミリメートルで表現される。画像領域におけるバブル数はオブジェクトに対応している。
【0144】
評価モジュールの入力データとしてさらに用いるため個別化された各画像オブジェクトを符号化するベクトルを生成するために、画像オブジェクトまたは少なくともその一部の数値を記述するパラメータを用いることができる。
【0145】
本発明は動的特徴を抽出するための動的特徴抽出サブシステムを提供する。動的特徴抽出サブシステムは、画像オブジェクトの自発的な時間依存的変化に起因して生じる、または、画像化オブジェクトの誘発された時間依存挙動に起因して生じる、個別化された画像オブジェクトの時間依存挙動を評価するために用いられる。画像オブジェクトに対する腫瘍病巣の評価に有用なものとして特に関連性を有する誘発された時間依存挙動は、画像オブジェクトの造影剤灌流挙動の判定である。
【0146】
診断目的での、画像化された解剖学的組織部位における造影剤の流入・流失挙動の灌流測定は公知の技術である。この技術は、異なる時間間隔において撮影された同一の解剖学的部位の画像からなる画像シーケンスの取得に基づいている。最初の画像は、画像化対象領域に造影剤が未注入の状態で撮影される。それ以降の各画像は、画像化対象領域に造影剤が注入されて以降、異なる時点で撮影される。造影剤は、血管およびリンパ管を経由して画像化領域に搬送され、造影剤の灌流挙動は、画像化された領域の血管化を表示することができる。血管化は、腫瘍組織の成長に伴い腫瘍病巣が存在する領域に生じるものであるから、血管化の増大は、腫瘍病変の存在を示す兆候である。この血管化の増大は、時間‐信号強度曲線の測定によって検出することができる。
【0147】
本発明の画像の自動処理方法およびその処理された画像の評価方法は、画像シーケンスに対する動的特徴の抽出を行う動的特徴抽出サブシステムを備えている。動的特徴抽出は、画像化領域における画像オブジェクトの造影剤灌流挙動を記述するパラメータを測定することによって行われる。
【0148】
上述の画像シーケンスを用いて造影剤灌流挙動を記述するパラメータを測定する作業には、画像サブトラクションを実行するステップが含まれる。このステップは、典型的には、画像がレジストレーションステップに、さらにセグメンテーションステップに受け渡された後で行われる。
【0149】
図13は、造影剤取込みを判定するための画像サブトラクションのステップを図式的に示したものである。上段の各画像は、胸部のMRI画像の画像シーケンスを構成する各画像である。各画像は、t0、t1、t2、t3、t4によって示される異なる時点に撮影されたものである。時間t0に撮影された画像は、画像化領域において造影剤が全く存在しない時点に撮影された画像である。以降の各時点において撮影された画像は、画像化領域に造影剤が注入された状態で撮影されたものである。
【0150】
下段の各画像は、画像サブトラクションの結果を示している。造影剤が存在していない時間t0に撮影された画像は、造影剤が画像化領域にすでに注入された時間t1、t2、t3およびt4において撮影された各画像からサブトラクトされる。下段の各画像は、各時間の差分t1−t0、t2−t0、t3−t0およびt4−t0によって識別される。
【0151】
サブトラクション処理によって、造影剤によらない画像寄与をひろく除去することができ、その結果、前記サブトラクションステップで得られた各画像の平均輝度が、専ら造影剤に起因するものとみなして扱えるようになる。
【0152】
前記サブトラクションステップで得られた各画像の平均輝度値は、画像シーケンスを構成する各画像が撮影された時点との関係で表された数値パラメータてある。上記パラメータを近似した曲線のグラフィックな表現は、図15左側の強度/時間ダイアグラムであり、この曲線は、画像化された領域に存在する造影剤の灌流挙動の測値であって、いわゆる時間‐信号強度曲線である。
【0153】
図16は、3つの異なるケースに対応した3つの時間‐信号強度曲線を同一図上で示したものである。
【0154】
ここで、以下の点に留意すべきである。セグメンテーションステップとオブジェクト個別化ステップとが画像シーケンスを構成する各画像に対して実行された場合、時間‐信号強度曲線の形で示された灌流挙動は、図16の各時間‐信号強度曲線が、画像シーケンスに対するセグメンテーションおよびオブジェクト抽出によって個別化された三つのオブジェクトの時間‐信号強度曲線を表すことができるように、画像において個別化された各オブジェクトに対して独立に実行することができ、かくして、各オブジェクトの灌流挙動情報を与えることができるのである。
【0155】
時間‐信号強度測定の結果は、この情報の関数として計算される他のパラメータを生成するためにも用いることができる。
【0156】
図14は、灌流測定ステップで計算される主要パラメータをまとめた表である。このうち特に関連性を有するパラメータは、ENHn(n=1,2,3,4,5)で示された相対エンハンスメント(強調処理)パラメータ(relative enhancement parameter)である。表中において、6画像からなる画像シーケンスが、異なる時間tn(n=1,2,3,4,5)において撮影されたものとみなされている。図15は、エンハンスメントパラメータによって定義され、図15左側に描かれた時間‐信号強度曲線から得られる複数の点を通過するエンハンスメントパラメータ曲線を示したものである。
【0157】
図17は、異なる事例または異なる画像オブジェクトについて相対エンハンスメント曲線を示したものである。相対エンハンスメント曲線の形状は、画像オブジェクトまたは画像化された事例における腫瘍組織の良悪性を示唆するものである。
【0158】
図14の表によれば、エンハンスメントパラメータを用いて下記の各パラメータが与えられる。エンハンスメントパラメータは、エンハンスメント曲線の形状を定義するパラメータであるので、画像化オブジェクトの灌流挙動が腫瘍病巣が示す灌流挙動との類似性と、該腫瘍病巣の良悪性とを示すパラメータである。
【0159】
エンハンスメント曲線の形状を数値的に記述するためのさらなるパラメータには以下のようなものがある。
(イ)ENHmax:各エンハンスメントパラメータのピーク値
(ロ)ENHalt:先頭から1番目および2番目のエンハンスメントパラメータにおけるピーク値
(ハ)ENH1−2:造影剤投与後における2つの測定値の間の信号強度の相対的増加
(ニ)MSLP:第1の画像の撮影の時間から第2の画像の撮影の時間に至る間の時間間隔における、造影剤未注入状態から造影注入以降の初回画像撮影までの時間間隔、または、該第1画像の撮影から次回画像撮影までの時間間隔のうちいずれか大きいほうの時間間隔における信号強度の相対的増加として与えられる最大勾配。
(ホ)SAT(彩度):画像化領域に造影剤未注入状態で撮影された複数のシーケンス画像において到達されたピーク信号強度に対する、造影剤注入状態で撮影された画像シーケンスの第1画像の間に到達された信号強度。
(へ)ENH2−5:第1流失パラメータ(first washout parameter)。画像化領域に造影剤が注入された状態で撮影された第2の画像から最後の画像(ここでは第5の画像)に至るまでの信号強度変化。
(ト)ENH3−5:第2流失パラメータ(second washout parameter):画像化領域に造影剤が注入された状態で撮影された第3の画像から最後の画像(ここでは第5の画像)に至るまでの信号強度変化。言うまでもなく、流失パラメータの数は、エンハンスメントパラメータの数に依存して決まるので、つまり、画像シーケンスに含まれる画像数に依存して決まる。
【0160】
本発明の画像の自動処理方法およびその処理された画像の評価方法およびシステムは、画像の任意のオブジェクトまたは領域が病巣候補に該当するかどうかについて第1の決定を行う決定アルゴリズム(decisional algorithm)を備えている。この決定は、前ステップにおいて抽出された形態的特徴および動的特徴の組合せに基づいて行われる。病巣のモルフォロジを記述するアルゴリズムは、セグメンテーション結果と画像ボリューム情報を前提として機能し、T2強調画像を考慮する。切出された病巣の形状およびアピアランスのリストが、上記開示に係る異なる画像処理方法によって生成される。
【0161】
(イ)モルフォロジ形状(morphology shape)
(a)骨格化(skeletonizing):トポロジ保存骨格化を用いることによって、病巣オブジェクトをよりシンプルな形で表すことができる。統計的評価は、円形度、平坦度、スピキュラ(放射状突起成分)状といった病巣形状から結論を導出する。スケルトンサイズと、スケルトンのバウンダリからの距離とに関する情報を用いる。カプセル化されたバブルが壊死の尺度として検出される。また、接続性コンポーネント(connectivity component)の概念が用いられる。
(b)ボクセルカウンティング(voxel counting):ボリュームサイズ値、最大直径および最小直径、バウンダリサイズ値のシンプルな記述は、ボクセルカウンティングによって計算される。コンパクトネス値は、フラクタル次元、ボリュームサイズに対するバウンダリサイズの比率または中心点までの平均距離によって与えられる。
(c)水分比率(water ratio):検出された病巣は、座標変換によってT2強調画像にオーバーレイされる。しきい値処理によって水分に囲まれたエリアが判定される。
【0162】
(ロ)動的特徴に関するモルフォロジ(morphology dynamic)
モルフォロジに加えて、動的特徴も計算される。
(d)病巣全体の動態曲線(dynamic curve):すべての時間フレームにおける病変の平均輝度値を計算する。動態曲線の周波数は時間フレームゼロで正規化され、時間間隔もまた正規化される。
(e)ホットスポットの動態曲線:病巣全体に対するのと同一のプロシージャが、最大輝度を有するロケーションについて繰り返される。ホットスポット(hotspot)は、すべての時間フレームを通して病巣中に存在していなければならない。
(f)病巣のバウンダリの形状:まず、オブジェクトの病巣のバウンダリ上の平均輝度を判定する。次に、病巣を膨張関数(dilation function)によって拡張し、バウンダリ計算を繰り返す。
【0163】
比較および決定ステップを可能とするため、すべてのモルフォロジ系の値は、ボクセル解像度、画像サイズ、MRプロトコルの時間フレームおよび使用造影剤から独立となるように、いずれも正規化される。有用であれば、各値は固定範囲(fix range)に縮小される。
【0164】
これらのパラメータの少なくとも二つは、病巣発見における偽陽性件数を減少させるために直接用いることができる。
【0165】
上記開示のとおり抽出された動的特徴を記述するパラメータは、そのすべてまたは一部が、上述のとおり個別化された各画像オブジェクトを符号化するためのベクトルを補完する数値データとして用いることができる。これらのパラメータを評価モジュールの入力データとして用いることになる。
【0166】
処理後画像データのベクトル符号化は、オブジェクト単位で実行することができ、ピクセルまたはボクセル単位で実行することもできる。この場合、モルフォロジ情報および動的特徴情報は、画像上で個別化されたオブジェクトに対応している画像領域内の各ピクセルまたはボクセルについて同一の情報である。
【0167】
画像検出モジュールおよび動的特徴抽出サブシステムによって処理された画像データの符号化のためのベクトルは、さらに、本明細書冒頭で開示したように、患者履歴に関するデータおよびその他の患者の個人データによって補完される。
【0168】
本発明の画像の自動処理方法およびその処理された画像の評価方法のさらなる特徴によれば、評価モジュールによるさらなる処理の対象となる画像データの符号化ベクトルは、符号化対象の各ピクセルまたはボクセルのアスペクトおよび該符号化対象のピクセルまたはボクセルの周囲の一定数のピクセルまたはボクセルのアスペクトを記述するパラメータと、マトリクスとして処理される画像データの数学的特性パラメータとして与えられるさらなる特性パラメータとを含むことができる。
【0169】
評価モジュールに関しては、本発明の画像の自動処理方法およびその処理された画像の評価方法は、評価モジュールが、上記定義された画像データを、予測アルゴリズムまたはクラスタリングアルゴリズムなどの分類アルゴリズムを用いて、処理するというものである。
【0170】
予測アルゴリズムとしては、いわゆる人工ニューラルネットワークまたは類似の数学的非線形構造を用いることができる。クラスタリングおよび/または人工ニューラルネットワークその他の予測もしくは分類アルゴリズムは、既知事例画像のデータベースを用いてトレーニング(学習)される。この既知事例データベースでは、上述の構造にしたがって、画像符号化ベクトルに与えられるパラメータが、画像オブジェクトが有する探索対象たる特徴と一義的に関連付けされることになる。上述の既知事例データベースは、画像はアナログ的な手法によって当該既知事例画像として処理されなければならないということを念頭において構成されなければならない。かかる予測または分類アルゴリズムのトレーニング、テストおよび一般的利用は、当業者にとって公知のステップである。
【0171】
探索対象たる特徴の存在を示す値設定した変数を定義することによって、特徴の存在がパラメータ化される。
【0172】
本実施例においては、画像化領域における腫瘍病巣の同定とその良悪性の判定が必要である。そこで、腫瘍病変の存在を定義し、および、良悪性を定義するために2つの変数を用いることができる。これらの変数のいずれも、0または1のいずれかの値をとりうる変数である。
【0173】
図18および図19に示すごとく、評価モジュールは、二以上のアルゴリズムで構成することができる。各アルゴリズムは、任意の特徴の存否を予測するために特別にトレーニングされたアルゴリズムである。
【0174】
本例では、第1の人工ニューラルネットワークは、腫瘍病変の存否を判定するために特別にトレーニングされ、テストされている。第2の人工ニューラルネットワークは、腫瘍病変の良悪性を判定するために特別にトレーニングされ、テストされている。このような場合、2つのアルゴリズムは、複数のアルゴリズムからなるカスケード状に接続されている。
【0175】
探索対象たる特徴の件数が、本例のように二を超える場合には、探索対象たる特徴の存否を各別に決定するための人工ニューラルネットワークなど、特別にトレーニングされた評価アルゴリズムを用いることができる。
【0176】
本発明の画像特に診断画像の処理・評価方法のさらなる特徴によれば、画像検出モジュールおよび動的特徴抽出サブシステムといった画像処理モジュールのそれぞれについて、そして可能な場合には、各処理モジュールまたはサブシステムによって実行される処理ステップのそれぞれについて、修正後画像データおよび決定されたパラメータは、部分的結果が視覚化できるように視覚化されることができる。
【0177】
最終的な分類結果は、英数字情報と画像とをプリントアウトまたはモニタ表示するなどして視覚化される。前記画像に属するオブジェクトに関連するピクセルまたはボクセルであって、探索対象たる特徴の存在が確認されたものは、その画像の他のピクセルまたはボクセルと比較して強調表示される。強調表示は、例えば、他のピクセルまたはボクセルをグレースケールとする一方で該当するピクセルまたはボクセルについてはカラーアスペクトを与えるなどによって行う。
【0178】
本発明のさらなる特徴によれば、探索対象たる特徴を有する画像化された領域対応するものとして分類されたピクセルを表す固有の方法が提供される。
【0179】
この例としては、分類モジュールは、特別にトレーニングされた専用の人工ニューラルネットワークによって相互に独立的に実行される2つの異なる分類ステップから構成されている。各探索対象たる特徴の存否は、2つの出力値によってパラメータ化される。この2つの出力値は、0または1の値をとる。人工ニューラルネットワークが判定する探索対象たる特徴の存在は、2つの出力変数(1,1)として与えられる。探索対象たる特徴の不存在は、2つの出力変数(0,0)として与えられる。(1,0)および(0,1)は不定のケースである。
【0180】
ここでは、ピクセルまたはボクセルのアスペクトは、ピクセルまたはボクセルが、探索対象たる特徴を有するものとして人工ニューラルネットワークによって分類された領域の画像に対応しているようなケースを想定して定義されている。
【0181】
この例では、人工ニューラルネットワークの出力変数は、任意のカラーモデルによる色空間におけるピクセルまたはボクセルのアピアランスを記述するパラメータを定義するために用いられる。
【0182】
利用可能なカラーモデルは特定のモデルに限ったものではないのであるが、モニタ用のピクセルアピアランスを記述するのに適したカラーモデルは、RGBカラーモデルである。RGBモデルでは、ピクセルのアピアランスは、三つの変数で定義される。すなわち、R、GおよびBがそれである。これらの変数はそれぞれ赤、緑および青を表す。詳しくは、オンライン百科事典「ウィキペディア」(http://en.wikipedia.org/wiki/Color_theoryまたはhttp://en.wikipedia.org/wiki/Color_spaceその他の関連リンク)を参照されたい。
【0183】
本発明の前記特徴によれば、人工ニューラルネットワークの2つの出力変数のうちの第1の出力変数は、選択されたカラーモデルにしたがって、ピクセルのアピアランスを定義するパラメータのうちの一つの値を決定し、他方、第2の出力変数が、選択されたカラーモデルの第2のパラメータを決定するために用いられる。一般的には、カラーモデルは、少なくとも3または4のパラメータを用いてピクセルのアスペクトを定義する。それゆえ、この場合、第3のパラメータ、選択されたカラーモデルによってはさらに第4のパラメータは、ゼロ値に設定されるか、または、人工ニューラルネットワークの2つの出力値の組で定義されることになる。
【0184】
分類・予測アルゴリズムが2を超える出力変数を含んでいる場合、これらの変数の値は、選択されたカラーモデルのパラメータを決定するため、各変数に対して独立的に用いることもできれば、前記出力変数の一部またはすべての組として用いることもできることは明らかである。
【0185】
本例においては、分類モジュールは、2つの人工ニューラルネットワークから構成されている。各人工ニューラルネットワークは、探索対象たる2つの特徴のうちの一つを有するか有しない画像化された身体の領域に関連するものとして、それぞれ画像のピクセルを分類するための専用の人工ニューラルネットワークである。2つの具体的特徴とは、「腫瘍病巣」および「良悪性」である。2つの特徴のうちの一つの存在を判定する各人工ニューラルネットワークは、2つのノット(knot)を有している出力レイヤを備えている。
【0186】
各ノットがとりうる値は、離散的な数値である0および1である。この場合、任意の形状を画像のピクセルに与えるために、選択されたカラーモデルの1以上のパラメータを決定する上述の方法における変数を用いることができる。第1のパラメータは、第1の人工ニューラルネットワークの2つの出力値の組合せまたはその他の関数として与えることができる。一方、第2のパラメータは、第2の人工ニューラルネットワークの2つの出力値の組合せまたはその関数によって与えることができる。
【0187】
第3のパラメータ、ピクセル表現のために選択されたカラーモデルによってはさらに第4のパラメータは、予め指定した固定値として設定することができる。あるいは、双方の人工ニューラルネットワークの出力変数の組合せまたはその関数によって決定することもできる。
【0188】
分類結果の正答率またはその他の統計的に有意なパラメータといったカラーモデルのパラメータのうちの任意の一つを決定するために、他のパラメータまたは数値を用いることができる。
【0189】
上記の特徴によると、画像分類結果は、視覚的かつグラフィカルな仕方で表示され、画像上で、各分類結果は、出力変数の2つの値が、分類に関して厳密な有意性を示さないようなケースを含めて示される。
【0190】
一般化すれば、上記の改良は、以下のように定義される。
【0191】
人工ニューラルネットワーク(ANN)をデータベース(DB)でトレーニングされた(学習させた)ANNとする。ひとたび人工ニューラルネットワークが未知の入力ベクトルv_iを受け取ると、人工ニューラルネットワークは、n個の出力ノード(n=1,2,・・・)のそれぞれに対してファジー出力を生成する。
【0192】
この情報を表示するため、各出力ノードは、RGB値、HUE値その他の組合せなどのカラーモデルのパラメータによって決定されるような画像特性に割り当てられている。
【0193】
一つだけの出力ノードが用いられている場合であれば、このノードの出力値は典型的には2色で表示される。例えば、出力値out_value>しきい値であればREDであり、それ以外の場合にはGREENとなる。
【0194】
RGB色符号化においてout_valueを用いることで出力にファジネスを与えることができる。例えば、(イ)0<out_value<0.33であればRGB=(0,0,out_value*255*3)となり、(ロ)0.33<out_value<0.66であればRGB=(0,out_value*255*2,0)となり、(ハ)0<out_value<0.33であればRGB=(out_value*255,0,0)となる。
【0195】
2つの出力ノードを有する人工ニューラルネットワーク(ANN)については、カラーモデルのパラメータ、例えばRGBモデルであればRGBモデルのパラメータ値は、一例として次式または同様の組合せによって与えられる。
R,G,B=(out_value_l*255,(out_value_l−outvalue_2)*255,out_value_2)
【0196】
3を超えるノードとカラーマッピングとの組合せについては、以下のURLを参照されたい。
http://en.wikipedia.org/wiki/Color_theory
http://en.wikipedia.org/wiki/Color_space
【0197】
分類モジュールが人工ニューラルネットワークのカスケードで形成されている場合には、画像のピクセルまたはボクセルのアピアランスを定義するために三つの人工ニューラルネットワークの出力値を用いることができる。パラメータを決定する関数は以下のとおりである。
R,G,B=(out_value_NN1,out_value_NN2,0)
【0198】
図20には、本発明の処理・評価方法における出力例が示されている。図20の例は英数字形式情報とグラフィック形式情報との組合せである。
【0199】
英数字形式情報には、使用されている画像取得方法の種類を記述する関連データに関する情報が含まれている。
【0200】
さらに、英数字情報は、探索対象たる特徴を有するものとして分類されたオブジェクトの個数に関するデータ(このオブジェクト数は画像処理によって決まる)、他の関連性を有する特徴をもつ前記オブジェクト数、オブジェクトのモルフォロジおよび動的特徴を記述する関連パラメータ、分類結果の真である統計的確率およびエラーのため分類結果が偽である確率などを含む。
【0201】
グラフィック形式情報は、画像化領域全体のオーバービュー画像および画像上で個別化されたオブジェクトであって探索対象たる特徴をもつオブジェクトの細部拡大画像を含んでいる。動的特徴の判定を行う場合には、時間依存挙動を近似する関数のグラフィック表示、時間依存挙動を記述する少なくとも一つの関連パラメータ、および本例では、いわゆる時間‐信号強度曲線などの情報が含まれる。
【0202】
画像処理・評価方法に関しては、以下のことに留意すべきである。画像前処理が特にセグメンテーションおよびオブジェクト抽出ステップを含んでいるため、画像評価モジュールは、従来的な仕方で、つまり、画像をピクセル単位またはボクセル単位で解析する手法や、画像をオブジェクト単位で解析する手法によって実装することができる。それゆえ、各オブジェクトについて、探索対象たる特徴の存否を分類または予測することができるように、評価モジュールは、セグメンテーションによって個別化された画像オブジェクトを単位要素(unitary element)として取り扱う。画像オブジェクトが有する特徴は、画像オブジェクトの形態的特徴の判定によって、および、一定の条件下における画像オブジェクトの具体的時間依存挙動である動的特徴の判定によって数値パラメータ化される。
【0203】
かくのごとくであるから、既知事例データベースは複数のレコードを有している。各レコードはその特徴が既知である画像オブジェクト、したがって、以上において開示した画像検出モジュールと動的特徴抽出サブシステムとによって処理された画像オブジェクトを参照するよう構成されている。
【図面の簡単な説明】
【0204】
【図1】本発明の画像の自動処理方法およびその処理された画像の評価方法を適用した画像処理および評価のためのシステムの構成の概略を示したブロック図である。
【図2】本発明の画像の自動処理方法およびその処理された画像の評価方法を適用したシステムの実施例のより詳細なブロック図である。
【図3】診断画像処理・評価の一連のステップすべての関係を示したブロック図である。
【図4】本発明の画像の自動処理方法およびその処理された画像の評価方法の一例において提供された各画像処理モジュールのステップを示したブロック図である。
【図5】画像レジストレーションの主要ステップの略図である。
【図6】画像セグメンテーションの実施において用いられるしきい値を設定する原理を示した図である。
【図7A】(イ)ないし(ニ)は、典型的な画像に適用される画像セグメンテーションプロセスのステップを示したものである。
【図7B】(ホ)ないし(ヘ)は、典型的な画像に適用される画像セグメンテーションプロセスのステップを示したものである。
【図7C】異なるしきい値を用いた、2つの異なる画像の拡大された細部に対する画像セグメンテーションの処理結果を示したものである。
【図8】本発明の画像の自動処理方法およびその処理された画像の評価方法における形態化ステップにしたがって画像オブジェクトを選別するためのクライテリアの例を図式的に示したものである。
【図9】本発明の画像の自動処理方法およびその処理された画像の評価方法における形態化ステップにしたがって画像オブジェクトを選別するためのクライテリアの例を図式的に示したものである。
【図10】本発明の画像の自動処理方法およびその処理された画像の評価方法における形態化ステップにしたがって画像オブジェクトを選別するためのクライテリアの例を図式的に示したものである。
【図11】本発明の画像の自動処理方法およびその処理された画像の評価方法における形態化ステップにしたがって画像オブジェクトを選別するためのクライテリアの例を図式的に示したものである。
【図12】本発明の画像の自動処理方法およびその処理された画像の評価方法における形態化ステップにしたがって画像オブジェクトを選別するためのクライテリアの例を図式的に示したものである。
【図13】画像化された身体において造影剤が注入された状態で異なる時間に撮影された画像からなる画像シーケンスを用いて、画像化された身体の動的特徴を抽出するステップを図式的に示したものである。
【図14】図13の例のステップによって得られる異なるパラメータを示した表である。
【図15】時間‐信号強度曲線と、該時間‐信号強度曲線を用いて図14の表にしたがって決定されたパラメータの選択例を示したものである。
【図16】画像の異なるオブジェクトについての異なる時間‐信号強度曲線の結果の例を示したものである。
【図17】図15の例にしたがって画像の異なるオブジェクトの時間‐信号強度曲線から決定される異なるパラメータを示すとともに、各時間‐信号強度曲線と、病巣の造影剤の灌流に対する典型的挙動と、を比較することによって決定される、腫瘍病巣の良悪性と時間‐信号強度曲線との対応関係を示したものである。
【図18】前記ピクセルの、第1の特徴との対応関係の観点から、特に、画像のピクセルが、腫瘍病巣を示しているのか、それともアーチファクトを示しているのか、という観点からピクセルを分類することに特化した第1の分類プロセスの例を示した略図である。
【図19】図18に基づいて第2の分類プロセスが示した図であり、ピクセルと第2の特徴との対応関係の観点から、特に、ピクセルが表す腫瘍病巣の良悪性の観点からピクセルを分類する第2の分類プロセスを示したものである。
【図20】本発明の全画像処理および評価方法によって出力されるグラフィック形式および英数字形式情報の一例を示したものである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像検出モジュールである第1画像処理モジュールと分類・評価モジュールである第2画像処理モジュールとで構成された、コンピュータハードウェア上で実行可能とされる、画像処理ソフトウェアプログラムを実行して、デジタル入力画像を処理することにより、画像化された身体領域の特定の部位が有する特徴をグラフィック形式および/または英数字形式で強調表示した修正デジタル出力画像を生成する画像の自動処理方法およびその処理された画像の評価方法において、
(イ)前記第1画像処理モジュールが、デジタル入力画像を修正して、修正画像ファイルを生成するステップと、前記第2画像処理モジュールが、前記第1画像処理モジュールによって修正された前記修正画像ファイルをさらに処理して、該修正画像ファイルに含まれる画像化された身体領域の、所定の特徴を有する特定の部位を表すピクセルまたはボクセルが強調表示された修正デジタル出力画像を生成するステップとで構成され、
(ロ)前記画像検出モジュールである第1画像処理モジュールが、ノンエキスパート画像処理アルゴリズムで構成され、そして、
(ハ)前記分類・評価モジュールである第2画像処理モジュールが、エキスパート画像処理アルゴリズムとしての分類・予測アルゴリズムで構成されている
ことを特徴とする画像の自動処理方法およびその処理された画像の評価方法。
【請求項2】
前記画像検出モジュールが、動的特徴抽出サブシステムを有しており、そして、
前記動的特徴抽出サブシステムが、前記画像化された身体領域の自発的または誘発的時間依存挙動を記述する時間依存パラメータを測定して、該画像化された身体領域の動的特徴を抽出するように構成されている
ことを特徴とする請求項1に記載の画像の自動処理方法およびその処理された画像の評価方法。
【請求項3】
前記動的特徴抽出サブシステムが、画像シーケンス比較ツールを有しており、そして、
前記動的特徴抽出サブシステムが、前記画像シーケンス比較ツールを用いて、それぞれ異なる時間に撮影された同一の身体領域の一連の画像からなる画像シーケンスの各画像が比較され、前記画像化された身体領域の動的特徴が抽出されるように構成されている
ことを特徴とする請求項2に記載の画像の自動処理方法およびその処理された画像の評価方法。
【請求項4】
前記動的特徴抽出サブシステムが、画像化された身体領域における造影剤の灌流挙動を、時間依存的な時間‐信号強度曲線を用いて測定するように構成されていることを特徴とする請求項2または3に記載の画像の自動処理方法およびその処理された画像の評価方法。
【請求項5】
前記画像検出モジュールが、前記デジタル入力画像上のピクセルまたはボクセルであってその形状を定義する類似のパラメータを有している該ピクセルまたはボクセルから構成されるグループまたはクラスタを分析して、該ピクセルまたはボクセルからなる該グループまたはクラスタを、画像化された身体領域における単体オブジェクトとして定義するステップを有していることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の画像の自動処理方法およびその処理された画像の評価方法。
【請求項6】
前記単体オブジェクトと前記画像化された身体領域の特定の部位との対応関係が、セグメンテーション処理ステップによって判定されるように構成されていることを特徴とする請求項5に記載の画像の自動処理方法およびその処理された画像の評価方法。
【請求項7】
前記画像検出モジュールが、前記画像の前記単体オブジェクトの1以上の形態的特徴を記述する数値パラメータを測定するステップを有していることを特徴とする請求項6に記載の画像の自動処理方法およびその処理された画像の評価方法。
【請求項8】
前記画像検出モジュールが、
前記画像の前記単体オブジェクトの1以上の形態的特徴を記述する数値パラメータと、前記画像化された身体領域が有する探索対象たる形態的特徴を記述する基準参照パラメータと、を比較するステップと、
前記ステップの結果得られた前記画像の単体オブジェクトの形態的特徴を記述する前記パラメータと、前記基準参照パラメータとの対応関係に基づいて、前記画像において個別化されたオブジェクトのうちから、有効な単体オブジェクトのサブセットを定義する選択ステップと
を有していることを特徴とする請求項7に記載の画像の自動処理方法およびその処理された画像の評価方法。
【請求項9】
形態的特徴を表すパラメータが測定され、処理対象画像が2次元画像であるか3次元画像であるかにしたがって、前記画像の単体オブジェクトのサイズとプロポーションに関する基準値、特に、最大直径または最大幅および最小直径または最小幅などのオブジェクトサイズに関する基準値と、測定された該形態的特徴を表すパラメータと、が比較されるステップを含むことを特徴とする請求項7または8に記載の画像の自動処理方法およびその処理された画像の評価方法。
【請求項10】
測定された前記形態的特徴を表すパラメータが、前記単体オブジェクトのコンパクトネスの基準値と、3次元画像の場合には面積/体積指数の基準値と、フラクタル次元の基準値と、比較されるステップを含むことを特徴とする請求項7ないし9に記載の画像の自動処理方法およびその処理された画像の評価方法。
【請求項11】
測定された前記形態的特徴を表すパラメータが、前記単体オブジェクトの形状の基準値と比較されるステップを含むことを特徴とする請求項7ないし10のいずれかに記載の画像の自動処理方法およびその処理された画像の評価方法。
【請求項12】
前記単体オブジェクトの形状が、該単体オブジェクトを骨格化処理することによってパラメータ化されることを特徴とする請求項11に記載の画像の自動処理方法およびその処理された画像の評価方法。
【請求項13】
前記画像化された身体領域に造影剤が注入された状態で画像が取得され、そして、測定された前記形態的特徴を表すパラメータが、前記単体オブジェクトの造影剤空隙のサイズと、造影剤空隙数と、造影剤空隙の最大寸法との基準値と比較されることを特徴とする請求項7ないし12のいずれかに記載の画像の自動処理方法およびその処理された画像の評価方法。
【請求項14】
測定された前記形態的特徴を記述するパラメータが、前記単体オブジェクトの均質性の基準値と比較され、そして、前記単体オブジェクトの均質性の基準値には、単体オブジェクトの画像の中に位置するピクセルまたはボクセルの平均信号強度と、前記単体オブジェクトの画像の中に位置するピクセルまたはボクセルの信号強度標準偏差と、画像の単体オブジェクトの画像マージン特性とが含まれていることを特徴とする請求項7ないし13のいずれかに記載の画像の自動処理方法およびその処理された画像の評価方法。
【請求項15】
前記動的特徴抽出サブシステムによる処理が、
(a)画像化対象たる同一の身体の複数の画像をそれぞれ異なる時点で撮影して、該複数の画像からなる画像シーケンスを取得するサブステップと、
(b)前記画像シーケンスを構成する各画像を比較して、該画像シーケンスを構成する各画像の時間依存的差分としての前記画像化された身体領域の時間依存挙動を記述する1以上のパラメータを決定するサブステップと、
(c)前記各画像が、前記シーケンスを構成する各画像の平均輝度の差分に基づいて比較されて、時間依存的輝度変化曲線が決定されるサブステップと、
(d)前記時間依存的輝度変化曲線の解析的特徴または幾何学的特徴を記述するパラメータの値が決定されて、前記パラメータが、画像化された身体領域の動的特徴として定義されるサブステップと、
を有していることを特徴とする請求項1ないし14のいずれかに記載の画像の自動処理方法およびその処理された画像の評価方法。
【請求項16】
前記時間依存挙動が、該造影剤の灌流に対する前記画像化された身体の挙動であり、前記画像シーケンスの第1番目の画像が、該造影剤が画像化された身体領域に注入されていない状態で撮影された画像であり、前記第1番目の画像に続く前記画像シーケンスの各画像が、該造影剤が該画像化された身体領域に注入された後において異なる時点で撮影された画像であることを特徴とする請求項15に記載の画像の自動処理方法およびその処理された画像の評価方法。
【請求項17】
前記各画像の比較ステップが、前記画像シーケンスの前記第1番目の画像を、該第1番目の画像に続く該画像シーケンスの各画像からサブトラクトするサブトラクションステップとして構成され、そして、時間依存的輝度変化曲線が灌流曲線であることを特徴とする請求項15または16のいずれかに記載の画像の自動処理方法およびその処理された画像の評価方法。
【請求項18】
前記画像化された身体領域の前記動的特徴が、時間‐信号強度曲線を記述する分析的または幾何学的記述子パラメータであることを特徴とする請求項1ないし17のいずれかに記載の画像の自動処理方法およびその処理された画像の評価方法。
【請求項19】
前記動的特徴抽出サブシステムが、前記画像シーケンスを構成する各画像を、該画像シーケンスを構成する他の画像と関連付けて登録する第1のレジストレーションステップを有していることを特徴とする請求項15ないし18のいずれかに記載の画像の自動処理方法およびその処理された画像の評価方法。
【請求項20】
前記レジストレーションステップに続いて、前記動的特徴抽出サブシステムが、オブジェクトのセグメンテーションおよび個別化を行うステップを含み、そして、前記セグメンテーションおよび個別化ステップによって、前記単体オブジェクトが、前記画像化された身体領域の特定の部位に対応するものとして前記画像において個別化され、かつ、前記動的特徴を決定するステップが前記画像の各単体オブジェクトについて独立的に実行されることを特徴とする請求項2ないし19のいずれかに記載の画像の自動処理方法およびその処理された画像の評価方法。
【請求項21】
前記動的特徴抽出サブシステムが、(a)前記単体オブジェクトの前記形態的特徴を記述するパラメータと、(b)探索対象たる前記画像化された身体領域が有する形態的特徴を記述する基準参照パラメータと、を比較することによって、有効な単体オブジェクトを選択するオブジェクト選択ステップを有しており、そして、
有効でない単体オブジェクトが前記動的特徴抽出において処理対象として含まれないように、かつ、前記動的特徴抽出において処理対象となるべきオブジェクトが、有効でないものとみなされて捨象されないようにするため、前記オブジェクト選択ステップが、前記オブジェクトの動的特徴の抽出の前または抽出の後に実行されるように構成されている
ことを特徴とする2ないし20のいずれかに記載の画像の自動処理方法およびその処理された画像の評価方法。
【請求項22】
前記オブジェクト選択ステップが、請求項7ないし14のいずれかに記載のステップにしたがって実行されるように構成されていることを特徴とする請求項21に記載の画像の自動処理方法およびその処理された画像の評価方法。
【請求項23】
前記分類モジュールが、各オブジェクトの形態的特徴および動的特徴を記述する前記パラメータを参照してオブジェクトベースの分類処理を行うステップを有していることを特徴とする請求項2ないし22のいずれかに記載の画像の自動処理方法およびその処理された画像の評価方法。
【請求項24】
個別化された各オブジェクトが、(a)該オブジェクトの形態的特徴を記述するパラメータと、(b)該オブジェクトの動的特徴を記述するパラメータと、をコンポーネントとして有しているベクトルによって符号化されることを特徴とする請求項23に記載の画像の自動処理方法およびその処理された画像の評価方法。
【請求項25】
前記分類・評価モジュールである第2画像処理モジュールへの前記入力データが、前記画像の各ピクセルまたはボクセルを符号化するベクトルを用いて生成され、
前記ベクトルが、(a)前記ピクセルまたはボクセルのアピアランスを記述する前記パラメータと、(b)該ピクセルまたはボクセルの周囲に分布する一定数のピクセルまたはボクセルのアピアランスを記述するパラメータと、をコンポーネントとして有し、該ピクセルまたはボクセルが前記個別化されたオブジェクトに属している場合には、さらに(c)前記個別化されたオブジェクトの前記形態的特徴を記述する前記パラメータと、(d)前記個別化されたオブジェクトの前記動的特徴を記述する前記パラメータと、をコンポーネントとして有している
ことを特徴とする請求項1ないし25のいずれかにに記載の画像の自動処理方法およびその処理された画像の評価方法。
【請求項26】
前記各ピクセルまたはボクセルが、前記ピクセルまたはボクセルと前記一定数の周囲のピクセルまたはボクセルとのアピアランスを記述するパラメータのマトリクスの数学的特徴を記述したパラメータをコンポーネントとしてさらに有しているベクトルによって、符号化されることを特徴とする請求項25に記載の画像の自動処理方法およびその処理された画像の評価方法。
【請求項27】
(イ)前記分類モジュールの出力が、所定の値範囲を有するn組の変数によってパラメータ化され、
(ロ)探索対象たる前記特徴の存否、または、探索対象たる前記画像化された身体領域の特定の部位の存否が、前記所定の値範囲内の前記n組の変数の出力値の所定の組合せと一義的に関連付けられ、
(ハ)画像領域および/または各ピクセルまたはボクセルが、色空間を記述するカラーモデルのパラメータによって定義されるアピアランスを与えられて修正されている出力画像として表され、そして、
(ニ)前記カラーモデルの前記色空間を記述する前記パラメータが、前記n組の変数の出力値の関数として与えられる
ことを特徴とする請求項1ないし26のいずれかに記載の画像の自動処理方法およびその処理された画像の評価方法。
【請求項28】
二以上の探索対象たる特徴の存否または前記画像化された身体領域における二以上のオブジェクトの存否を判定するために、前記分類モジュールが分類アルゴリズムを有しており、そして、
前記分類アルゴリズムが、複数の前記探索対象たる特徴のうちの一の特徴を、または、数種のオブジェクトのうちの一のオブジェクトを、他のオブジェクトから独立して認識または予測するようにトレーニングされている
ことを特徴とする請求項1ないし27のいずれかにに記載の画像の自動処理方法およびその処理された画像の評価方法。
【請求項29】
(イ)二以上の探索対象たる特徴の存否または前記画像化された身体領域における二以上のオブジェクトの存否を判定するために、該画像化された身体領域において第1の特徴または第1の種類のオブジェクトが、数種の少なくとも2つのさらなる特徴によって、または、数種のオブジェクトのサブクラスによって定義され、
(ロ)前記分類モジュールが、前記分類アルゴリズムに加えて、複数の前記探索対象たる特徴のうちの一の特徴を、または、数種のオブジェクトのうちの一のオブジェクトを、他から独立して認識または予測するようにトレーニングされているさらなる分類アルゴリズムを有し、そして、
(ハ)第1の分類アルゴリズムの該出力データが、前記画像において個別化された各ピクセルもしくはボクセルまたは各オブジェクトを符号化するベクトルに前記出力データを加えることによって、第2の分類アルゴリズムの入力データとして用いられるように構成されている
ことを特徴とする請求項1ないし28のいずれかに記載の画像の自動処理方法およびその処理された画像の評価方法。
【請求項30】
分類モジュールの出力が、画像領域および/または各ピクセルまたはボクセルが、色空間を記述するカラーモデルのパラメータによって確定される特定のアピアランスを与えられて修正された画像によって表され、そして、
カラーモデルの各パラメータまたはその一部が、一または二以上の前記分類アルゴリズムの出力変数のn組の値の関数として与えられる
ことを特徴とする請求項27、28または29のいずれかに記載の画像の自動処理方法およびその処理された画像の評価方法。
【請求項31】
(イ)前記分類アルゴリズムが、既知事例データベースによってトレーニングされ、
(ロ)前記既知事例データベースが、各既知事例に関する一以上の画像を含み、
(ハ)前記各既知事例に関する一以上の画像が、処理対象オブジェクトを個別化するために処理され、
(ニ)前記処理対象オブジェクトが、ベクトルによって符号化され、
(ホ)前記ベクトルのパラメータが、前記画像における前記オブジェクトの形態的特徴を記述するパラメータと動的特徴を記述するパラメータとで構成され、
(ヘ)前記形態的特徴を記述するパラメータと前記動的特徴を記述するパラメータとが、請求項1ないし30に記載の一以上のステップによって求められ、そして、
(ト)前記オブジェクトが有する前記探索対象たる特徴または種別が既知の数値変数によってパラメータ化される
ことを特徴とする請求項1ないし30のいずれかに記載の画像の自動処理方法およびその処理された画像の評価方法。
【請求項32】
少なくとも一つの分類アルゴリズムまたはすべての分類アルゴリズムが、人工ニューラルネットワークで構成されていることを特徴とする請求項1ないし31のいずれかに記載の画像の自動処理方法およびその処理された画像の評価方法。
【請求項33】
コンピュータハードウェア上で実行可能とされる画像処理ソフトウェアプログラムを実行してデジタル入力画像を処理することにより、画像化された身体領域の特定の部位が有する特徴をグラフィック形式および/または英数字形式で強調表示した修正デジタル出力画像を生成する画像の自動処理方法およびその処理された画像の評価方法において、
(イ)画像に属する特定のピクセル領域またはピクセルクラスタを、所定の特徴を有する単体オブジェクトとして定義する画像セグメンテーション処理およびオブジェクト個別化処理テップと、
(ロ)前記画像におけるオブジェクトが有する特徴のうち少なくとも形態的特徴を判定し、該形態的特徴が基準形態特徴に該当している該画像におけるオブジェクトを有効オブジェクトとして定義するステップと、
(ハ)前記有効オブジェクトを、該有効オブジェクトの形態的特徴および/または動的特徴を記述するパラメータをコンポーネントとして含むベクトルによって、符号化するステップと、
(ニ)少なくとも1件の画像を含む複数の事例からなる既知事例データベースを作成するステップと、
(ホ)該画像の各オブジェクトを符号化するベクトルを分類アルゴリズムに処理させることで、該分類アルゴリズムが、前記既知事例データベースによってトレーニングされ、該画像の各オブジェクトの前記特徴を判定するステップと、
から構成され、
前記既知事例データベースの各画像が前記セグメンテーションおよびオブジェクト個別化ステップにしたがって、そして、該オブジェクトの形態的特徴を判定するステップにしたがって処理され、該オブジェクトの特徴を記述する数値パラメータをさらに含んでいるベクトルによって該オブジェクトが符号化される
ことを特徴とする画像の自動処理方法およびその処理された画像の評価方法。
【請求項34】
複数種の画像化技術を用いて、画像化された身体領域の画像と前記既知事例データベースの処理対象画像とが入力画像として与えられることを特徴とする請求項1ないし33のいずれかに記載の画像の自動処理方法およびその処理された画像の評価方法。
【請求項35】
コンピュータハードウェア上で実行可能とされる画像処理ソフトウェアプログラムを実行してデジタル入力画像を処理することにより、画像化された身体領域の特定の部位が有する特徴をグラフィック形式および/または英数字形式で強調表示した修正デジタル出力画像を生成する画像の自動処理方法およびその処理された画像の評価方法において、
画像領域のピクセルまたはボクセルの少なくとも2つの特徴を独立的に決定するように構成された分類アルゴリズムを用いて、単体のピクセルもしくはボクセルまたはピクセルグループもしくはボクセルグループを分類するステップを有している
ことを特徴とする画像の自動処理方法およびその処理された画像の評価方法。
【請求項36】
診断画像の自動処理・評価システムにおいて、(a)請求項1ないし35のいずれかに記載の画像自動処理・評価方法を実行するソフトウェア手段と、(b)前記ソフトウェア手段を実行することができる処理装置としてのハードウェア資源と、を備えていることを特徴とする診断画像の自動処理・評価システム。
【請求項37】
診断画像の自動処理・評価ソフトウェアプログラムにおいて、請求項1ないし37のいずれかに記載の画像自動処理・評価方法を実行するためのハードウェア命令を有しており、該ハードウェア命令が、DVD、CDなどの可搬情報媒体に保存された命令コードとして構成されていることを特徴とする診断画像の自動処理・評価ソフトウェアプログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7A】
image rotate

【図7B】
image rotate

【図7C】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate


【公表番号】特表2009−512528(P2009−512528A)
【公表日】平成21年3月26日(2009.3.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−537090(P2008−537090)
【出願日】平成18年10月24日(2006.10.24)
【国際出願番号】PCT/EP2006/067729
【国際公開番号】WO2007/048797
【国際公開日】平成19年5月3日(2007.5.3)
【出願人】(503427359)ブラッコ イメージング ソチエタ ペル アチオニ (19)
【氏名又は名称原語表記】BRACCO IMAGING S.P.A.
【Fターム(参考)】