説明

試料または試料の成分の化学的または物理学的特性の決定

本発明は干渉情報を試料の化学的および/または物理学的特性に相関する別のストラテジーを提供する。このストラテジーは、干渉分光学に基づく技術水準を超える実質的な技術的および商業的利点を提供する方法およびシステムで実行することができる。方法は、a.試料の少なくとも一部分から放出された、それに伝達されたかまたはそれを通過して伝達された、またはそれと相互作用した電磁シグナルの変調に対応するインターフェログラムおよび/または少なくとも1のインターフェログラム要素を得、b.i.少なくとも1の関数を用いて該インターフェログラムおよび/またはインターフェログラム要素のインターフェログラムおよび/またはセグメントの少なくとも1の変換、ii.所望により、インターフェログラムおよび/またはインターフェログラム要素のもう1のセグメントについてi)を繰り返すことを行い、ここに、i)を一度だけ行う場合は、変換はフーリエ変換を含まず、c.該少なくとも1のスコアを少なくとも1の化学的または物理的特性に相関する工程を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インターフェロメトリーに基づく分光技術を用いた試料または標本の化学的または物理学的特性を決定するための方法およびシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
変調に基づく分光技術が数年間知られている。これらの技術のうちの1は、1891年のマイケルソンの仕事に基づくものであり(A.A. Michelson, Phil. Mag. (5), 31, 256, 1891)、一般的に「マイケルソン干渉計」といわれている。マイケルソン干渉計は、赤外線測定用のいくつかの商業的分光機器(ABB-Bomem Inc. USA, PerkinElmer Inc. USA, Thermo Nicolet USA, Foss Analytical Denmark)において現在広く実行されている。マイケルソン干渉計は、光線を分離し、ついで、光路差が生じた後に2の光線を結合し、そのようにして検出した光に干渉を生じさせることに基づくものである。
【0003】
光の干渉に基づくもう1の分光学的方法はファブリ・ペローであり、これは2の平行な部分反射ミラーを通る透過光に基づき、ミラー間の距離が変化した場合に干渉が生じる。核磁気共鳴(NMR)のような他の分光学的技術は、同様の干渉データの方法を用い、一般的に、フーリエ変換を用いて時間および/または位置で観察された情報を周波数または波長ドメインの情報に変換することによって記載する(例えば、「FT−NMRにおけるシフトへの「自由誘導減衰」の変換」)。
スペクトル情報を再構築するためには、干渉計情報(インターフェログラム)を高速フーリエ変換によって数値的に変換する。したがって、干渉技術に基づく分光学的方法は、フーリエ変換分光学(FTと略される)と呼ばれる場合もある。
干渉分光学は、一般的に、モノクロメーター、プリズム、フィルタまたは磁気掃引のような他の分光学的技術を超える幾つかの利点を提供する。FTベースの分光光度計は、従来技術の機器におけるこれらの技術を実質的に置き換えた。FT技術の最も顕著な利点は、波長/周波数安定性、高速スキャン、高いシグナル処理量、高スペクトル分解能、単一のディテクター、安定したスペクトル応答である。FT−IR分光学の総合的な記載は、P R GriffithsおよびJ A de Hasethによって"Fourier Transform Infrared Spectrometry", John Wiley & Sons, 1986 (ISBN 0-471-09902-3)に提供されている。
【0004】
FT分光光度計はスペクトル情報を記録するために主に使用され、スペクトル情報は試料の定性的および/または定量的分析のために使用される。これらの分光学的方法は長期間にわたって実施され、したがって大規模な経験に基づく。FT分光学およびパソコンがより一般的になり、それらが伝統的な方法に応用されるにしたがい、分光学的分析においておおいに選択される方法となってきた。新たな技術が導入されると、新たな適用が開発され、また、新たな方法、例えば多変量較正も実施されて大部分の利点が創り出されている。したがって、分光学的方法の産業応用が、これらの方法の融通性および速度の利点を採用してますます増大している。
【0005】
近代製造技術およびコンピュータは、FT分光学の適用を増加することにおいて必須である。かかる機器の機械的および電子的設計および構造は複雑であり、高精度および時として外来の材料を必要とするからである。「アブストラクト」干渉情報を、分光学的測定者が彼らの分析の基礎とする「有形の」スペクトル情報に計算上集中的に変換するためには、コンピュータも必要である。スペクトル情報の完全な利点を採用するためには、必要とされる時として複雑な多変量較正モデルを適用するためにコンピュータに頼ることも必要である。
【0006】
伝統的に、試料の化学的または物理学的特性の評価は、1、2または幾つかのみの分離した波長(複数の波長)(例えば、波長における吸収/透過または発光)からの情報に基づいている。これは部分的には一変量較正の固有の単純性に起因し、部分的には複雑な手動計算を行う困難性に起因している(一変量とは、問題の特性を実質的に表すのみで、他の特性に影響されない単一の情報源が存在する状態である)。評価に多変量較正法を適用すれば、それはパソコンの利用可能性でもってより一般的になり、より複雑な問題、例えばスペクトル干渉、重複するスペクトル特徴、非−線形または同時相関(co-corelation))の評価を行うことがより一般的になってきている。
【0007】
種々の方法、典型的にはシェモメトリクスの分野に適用される種々の方法は、測定変数間の強い同一線形ならびに問題の特定に多変量相関が存在するシステムに対する解決法を提供する。
【0008】
これらのむしろ複雑な評価は、例えばH MartensおよびT Naes, "Multivariate Calibration", John Wiley &,Sons, London, 1989によって記載されているように、典型的にシェモメトリクスの分野に適用されるように、数ある中の幾つかを挙げれば特に多変量較正、例えばMLR、PLS、PCA/PCR、ANNにおいて、種々の多変量統計方法の使用によって可能になってきている。一般的に、これらの方法は複数の変数、例えば、スペクトル情報、からの情報を用いて複雑な共分散、例えばスペクトル情報における効果を決定および/または補正することに基づいている。理想的には、必要なスペクトルデータ点の数は、実質的に測定に存在する変数または効果の源の数と等しいかまたはそれよりも多い。
【0009】
分光学は一般的に、化学的または物理学的特性に対する所定の波長または周波数におけるスペクトル特性の分析とみられる。典型的な分光適用は、化学成分と関係した減衰または放出特性の実験である。数少ないシステム、特に単一または数個のコンポーネントまたは物理的因子のみからなるシステムは、制限されたまたはスペクトル干渉が存在しないことによって規定される単純スペクトルシステム、例えば一変量システムとみることができる。ここでは、スペクトル干渉は、関心のある特性の状態以外の、システムの状態によって引き起こされるかまたはそれを反映するスペクトル波長における変化、例えば濃度、温度、圧力ほかにおける変化、と規定される。
【0010】
スペクトル干渉の例は「重複する」減衰または放出であり、例えば、近接する波長における2の成分の吸収である。これは大部分のシステムの実験における場合であるため、経験は、スペクトル重複が存在しないシステムはまれであるが、その場合「全体重複」の場合は実際には非存在であることを示している。通常、スペクトル応答を完全に共有していない1またはそれを超える波長が存在し、通常、異なる分光領域または技術がスペクトル分離を提供するためである。「重複している」システムの場合には、幾つかの技術が開発されて、基底にある特性の検索において研究者を援助している。かかる方法の例は、分光学における曲線分解およびシェモメトリクスにおける多変量較正である。
【0011】
分光測定の分野、例えば分光学の重要な態様であり、伝統的にスペクトル分析に先立つ仕事であるシステムのスペクトル特性の決定をみると、当該技術分野の技術の現在の状態はいくつかの方法および技術を提供している。これらの大部分に共通することは、それらが、前記に論じたように、スペクトル特性の解釈においてではなく、これらの特定の決定において「スペクトル重複」の同様な問題を取り扱っていることである。
【0012】
かかるスペクトル重複の大部分の共通点は、スペクトルデータの記録における制限されたスペクトル分解によって引き起こされる。それは単一の「純粋な」波長を単離することがめったに可能でないからである。むしろ、あるバンド幅の周波帯を記録し、その形態をいずか所定のスペクトログラフの特性および/または適用によって決定する。
【0013】
実際の適用においては、大部分の技術が、スペクトル情報の記録における「スペクトル重複」がスペクトル分析において限定されるかまたは無視し得る条件を提供する。最悪でも、スペクトル分解は、考慮されることまたは例えば、スペクトル・デコンボルーションのような方法によって補正される場合もあることが許容されることは通常知られている。
【0014】
理論的には、大部分の方法が無制限の分解の潜在性を提供している一方で、これは実際の適用において得ることができない。無制限のスペクトル分解が理論において得ることが可能な1の方法は、一般的にフーリエ逆変換の方法と組合せた、インターフェロメトリーの方法である。増加する分解は、例えば、サンプリング時間を増加することによって光路差(OPD)およびFP−NMRスペクトルを増加することによってマイケルソン干渉計において、干渉の程度を増加することによって得る。一方で、これは比較的高価で行われる。通常、最高の要件は費用が高くつき、壊れやすい機器ののために好適な「交換」がなされるように、物理的および機械的安定性ならびに適用性を制限するいくつかの範囲の時間が適用性を制限するからである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
最近、当該技術分野で適用されている高速フーリエ変換(FFT)には幾つかの欠点がある。
1.インターフェログラムのフーリエ逆変換によって決まる各スペクトル特性は、収集したインターフェログラムのすべての要素に基づいて決定する。理想条件下では、これは、インターフェログラムにおけるランダム・ノイズの高い抑制のような幾つかの利点を提供するが、実際の適用においては、ランダム・ノイズよりも乏しい情報に寄与するインターフェログラム要素および/または領域が存在し、したがって、スペクトル特性の決定において有益でない。
2.分離したフーリエ逆変換によって得られたスペクトルにおけるスペクトルサンプル点は、以下に示す2の顕著な欠点:
a.スペクトル中のピーク値に対応する特定の周波数におけるスペクトルの値を決定することは、一般的にフーリエ逆変換の特性ではない。
b.例えば、ある種のピーク値を測定するために、スペクトルの好適な分解を得るためには、機械的安定性および速度の低下に通じるマイケルソン干渉計における長いOPDのような機器における複雑な状況に通じる最短長のインターフェログラムが必要である
を生じるインターフェログラムの表示の程度によって決まる。
3.インターフェログラムにおける特徴の分解および/または決定を改善するための緊密なサンプリングは、一般的に行われない。スペクトル中に生じる周波数は機器の感度の外側であるためである。
【0016】
高速逆フーリエ変換には、インターフェログラムのすべてのデータ要素を干渉ドメイン中に等間隔で収集されることが必要である。典型的に、インターフェログラムは強度について非常に変化し易い範囲の領域からなるため、データ収集の別の方法は、重要な情報の収集のためになり得る。
【課題を解決するための手段】
【0017】
したがって、1の態様において、本発明は、
a.試料の少なくとも一部分から放出された、それに伝達されたかまたはそれを通過して伝達された、またはそれを相互作用した電磁シグナルの変調に対応するインターフェログラムおよび/または少なくとも1のインターフェログラム要素を得、
b.
i.少なくとも1の関数を用いて該インターフェログラムおよび/またはインターフェログラム要素のインターフェログラムおよび/またはセグメントの少なくとも1の変換
ii.所望により、インターフェログラムおよび/またはインターフェログラム要素のもう1のセグメントにおいてi)を繰り返すこと
を行い、
c.該少なくとも1のスコアを少なくとも1の化学的または物理的特性に相関する
ことを含む、試料または試料の成分の化学的または物理的特性を決定する方法に関する。
および、第2の態様において、本発明は、
a.試料の少なくとも一部分から放出された、それに伝えられたかまたはそれを通過して伝えられた、またはそれを相互作用した電磁シグナルの変調に対応するインターフェログラムおよび/または少なくとも1のインターフェログラム要素を得るための干渉計、
b.
i.少なくとも1の関数を用いてインターフェログラムおよび/またはインターフェログラムのセグメントおよび/またはインターフェログラム要素の少なくとも1の変換を行い、
ii.所望により、インターフェログラムおよび/またはインターフェログラム要素のもう1のセグメントについてi)を繰り返す
プロセッサー
ここにi)を1回のみ行う場合には該変換がフーリエ変換を含まず、
c.該少なくとも1のスコアを少なくとも1の化学的または物理的特性に相関するための手段
を含む、試料または試料の成分の化学的または物理的特性を決定するためのシステムに関する。
【発明の効果】
【0018】
本発明により、上記した欠点の幾つかが排除され、単純かつより強固な方法および機器が許容される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
(発明の詳細な説明)
【0020】
用語:
試料の化学的または物理的特性
典型的な化学的特性は1またはそれを超える化合物の濃度、試料の組成またはpHであり、典型的な物理的特性は試料の温度、圧力、色または粘度である。
インターフェログラム要素
位置、距離(例えば、OPD)または時間(例えば、FID)の関数へのスペクトル情報の干渉変調の観察された結果。インターフェログラム要素は、デジタル化された干渉データ点ともいう。
【0021】
インターフェログラム
本明細書においては、インターフェログラム要素の収集、またはインターフェログラム要素を規定する関数(ここに該関数は好ましくは位置/距離/時間のような変調ドメインのすべての表示について規定する)。
【0022】
インターフェログラム・セグメント
本明細書においては、測定したインターフェログラム中の近接するインターフェログラム要素、または干渉ドメイン中の位置の範囲に対応するインターフェログラムを規定する分析関数のセクション。
【0023】
ローディング関数
インターフェログラム、インターフェログラム・セグメントまたは要素をスコアに変換するために用いる分離したまたは連続する関数。好ましくは、ローディング関数およびインターフェログラムの間の内部積を計算することによる。ローディング関数は、直交またはほぼ直交となる場合があり、典型的には、モデル化する特性に相関する多変量モデルに用いるインターフェログラム・マトリクス中の部分空間を表示する。
【0024】
内部積
【0025】
【数1】

【0026】
[式中、Iはインターフェログラム・データ、fは周期関数(または、一般的に、ウェイトの連続したまたは分離した関数)、xはインターフェログラムのドメイン(例えば、位置、距離または時間)およびiはインターフェログラム要素を分離する指標]
と規定される。
【0027】
積セグメント
ローディング関数のセグメントであり、ここではローディング関数がアクティブ・ウェイト(active weight)を有する。積セグメントの外側では、ローディング関数はゼロのウェイトを有する。インターフェログラムの唯一対応するセグメントは、スコアの計算に有効である。
【0028】
インターフェログラム期間
/2π−期間
典型的には、例えば、周波数および位置の積によって決定された、インターフェログラム・ドメイン中の所与の周波数および位置に基づく、環状関数の平衡がとれた場合の関数の整数値間の期間。期間の例はいずれかの整数値の間、例えば[−1,0]、[0,1]、[1,2]ほかの、周波数、例えば1,500cm−1と光路差、例えば−0.01および0.01cmの範囲との積である。
【0029】
平衡した関数
整数がゼロである、合計がゼロまたはゼロに近い分離した関数まで拡大する、整数がゼロである連続関数。
【0030】
直交
関数の内部積がゼロである場合、2の関数は直交である。本主題の目的のために、この定義は、多変量較正の内容においてデータセット、例えばマトリクスの意味のある部分空間をかかる関数が規定することを説明する「ほぼ直交の」関数を含むことまで拡大される。かかる「ほぼ直交」関数の例は、PLS校正(潜在的変数)のローディングである。
【0031】
隣接データポイントまたは隣接インターフェログラム要素
インターフェログラムの位置/距離/周波数の隣接した値に対応するデータポイントまたはインターフェログラム要素。
【0032】
一様でないサンプリング
本明細書において、一様でないサンプリングとは、変調ドメイン(例えば、OPDまたはFID)中の値をサンプリングすることにおけるシフトをいう。かかるシフトの例は、2の機器の間の収集の制御における差、機械的/電気的な干渉などに起因する一定または比例的なジターほかから生じる。しかしながら、一様でないサンプリングは、中心バーストのような、インターフェログラムのより良好なセクションの分解を得るための、変調ドメインの位置における密度/間隔を変化させつつインターフェログラム要素を作為的に収集することもいう。
【0033】
変調ドメイン/干渉ドメイン/インターフェログラム・ドメイン???
また、インターフェログラム要素が位置/距離/時間の値に対応するインターフェログラム・ドメインまたは干渉ドメインをいう。例は、マイケルソン干渉計における光路差(OPD)。
【0034】
変調の状況
変調ドメインにおける位置/距離/時間の特定の値。
【0035】
中心バースト
インターフェログラム中のインターフェログラムの包絡面の中心ピーク。マイケルソン干渉計については、このピークはOPD=0上で中心にする。
【0036】
表示の範囲
位置/距離/時間の範囲。
【0037】
スコアまたはスコア値
インターフェログラム中のローディング関数のウェイト、例えば寄与または内容を表す。典型的なスコアは、ローディング関数とインターフェログラムの内部積である。一般的に、分離した関数と取り扱う場合、合計は連続積分の特性を保持するように、含まれる要素の数および空間に調整する。
【0038】
スケール化
典型的には情報を抑制または強調する目的のデータセット、ローディング関数、インターフェログラム、インターフェログラム・セグメントまたは要素に対して与えられた値。
【0039】
予測モデル
本明細書においては、観察または計算された値、例えばスコアを、化学的または物理的特性の概算値、または特定の状態の存在の予測に変換する数学的モデル。
【0040】
本発明の幾つかの好ましい形態を用いると、驚くべきことには、干渉分光学の分野において新規な方法を適用することにより、分光学の従来の方法の状況を用いて容易に行うことができなかった適用および課題を、機械的および/または電気的構造が改善されたおよび商業的に実行可能な機器の製造を許容する状況下で、満足のゆく様式で解決し得ることが見出された。
【0041】
本発明の幾つかの好ましい形態は、試料の組成または条件が制限されない適用、例えば、未知試料の分光分析または公知試料中の未知成分の特性の決定、例えば試料の1またはそれを超える成分の同定に好適であり、一方、他の等しく好ましい形態は、試料の組成および/または条件が知られている適用、例えば、同様の起源の一群の試料から引き出した試料中の成分(例えば、ヒト血液試料、果汁または発酵中のワインのごとき試料の特性)の量の決定に好適である。
【0042】
フーリエ逆変換分光学をインターフェログラムにおけるスペクトル要素のウェイトまたはスコア、例えば波長における強度、の決定であると見ることができる場合、本発明の幾つかの好ましい形態は、好ましくはスペクトル情報を得る目的が試料または試料の成分の化学的または物理的特性を決定するためのである場合に、1つのみならず、好ましくはスペクトル情報を得る仕事のインターフェログラムの1を超えるセクションを考慮する。典型的な特性は、減衰または放出分光学におけるスペクトル応答の記録、例えば、一部分を挙げればUV/可視光、NIR、IR、NMR、MS、X線、蛍光またはラマンのようなスペクトルの記録である。スペクトル特性の他の典型的な使用は、1またはそれを超える化合物の濃度、試料の組成もしくはpHのような化学的または試料の温度、圧力、色もしくは粘度のような物理的特性の決定である。
【0043】
典型的に分光学インターフェロメトリーにおいて出くわすインターフェログラムは、スペクトル情報の位置、距離(例えばOPD)または時間(例えばFID)の関数、例えば、インターフェログラム・ドメインへの変調であり、インターフェログラムは典型的に余弦または正弦周期関数(または複数の関数)の数として示される場合もあるが、周期関数で示される。したがって、インターフェログラムの各要素(インターフェログラムは干渉変調の結果を観察する)は、これらの周期関数の合計として考えられ、フーリエ逆変換においては、スペクトルの各点は、インターフェログラム中の余弦または正弦関数のウェイトまたはスコア、一連の等式を同時に解くことによる一連の係数を決定することに匹敵する仕事、として決定される。
【0044】
本発明は、インターフェログラムが非常に相関したスペクトル特徴のスペクトルとしてある程度見ることができることを示し、ここでインターフェログラムにおける相関は、周期関数の相関である。したがって、驚くべきことに、伝統的にスペクトルから決定されている、試料または試料の成分の化学的または物理的特性を決定するためにスペクトルの処理に伝統的に適用される幾つかの方法をインターフェログラム・データの処理に適用できることを見出した。本発明の幾つかの好ましい形態の結果は、従来水準の方法と比較して、通常あてはまる条件下で改善された情報を得るための、より重要には実質的に単純化された系下の匹敵する情報品質を得るための能力を生じるインターフェログラムの創製および記録に要件の実質的な単純化を許容する。好ましい形態において、スコアの数は、分析したインターフェログラムにおけるインターフェログラム要素の数未満である。
【0045】
さらに、本発明に係る方法は、多変量系に適用することが好ましい。
【0046】
2の波長における「純粋な」スペクトル情報の増幅または強度を得るためには、2の対応する周期関数が互いに相に存在する状態ないし相の外側に存在する状態から、それらが再び相に存在する状態に移行する場合のインターフェログラムを記録すること、例えば直交要件の実行、が必要である。したがって、周波数において近接して離れた2の関数は、周波数の分解を得るために、周波数においてさらに離れた2の関数よりもより長いインターフェログラムで示されなければならない。これらの条件下では、周波数のうちの1における周波数の増幅振幅における変化は他の周波数における概算振幅に影響しないが、インターフェログラムが実質的により短い場合には、周波数のうちの1における振幅変化が他のものの周波数の決定に影響する。
【0047】
所与の周波数におけるインターフェログラムのフーリエ逆変換の結果は、インターフェログラムの値および問題の周波数の余弦または正弦関数の対応する分離した値の内部積、例えば、以下の等式で与えられる、すべての要素に同一のウェイトを用いた、各インターフェログラム要素および余弦および正弦関数の対応する値の積の合計、に等しい。
【0048】
【数2】

【0049】
[式中、Iはインターフェログラム・データ、fは周期関数(または一般的にウェイトの連続または分離した関数)、xはインターフェログラムのドメイン、およびiはインターフェログラム要素を分離する指標]。
【0050】
2の周波数をそれらが互いに独立している条件下で決定する場合、インターフェログラムのサイズは、2の対応する余弦または正弦関数の分離した内部積がゼロでなければならないことを実行しなければならない。これは、インターフェログラムの程度、例えばマイケルソン干渉計からのインターフェログラム、またはFT−NMR分光学で記録されたFIDにおける時間の長さからのインターフェログラムで表される最大OPD、に対する得ることが可能なスペクトル分解の依存性を決定する。
【0051】
本発明の幾つかの好ましい形態には、好ましくはスペクトル分解、例えば直交、要件が実行さない条件(例えば、インターフェログラムの長さが所与の周波数の完全な分離を許容するのに十分でない)下での周波数の振幅の決定のための、インターフェログラム要素と周期関数の内部積の計算が含まれる。内部積がインターフェログラムのセクション、好ましくはインターフェログラムのセクションがインターフェログラムを2またはそれを超えるセグメント、より好ましくは10またはそれを超える、または個々のインターフェログラム要素を分離して処理する場合のように小さい場合のみを表す多くの好ましい形態において、インターフェログラム・データのかかる使用が試料または試料の成分のスペクトル特性の決定および/または化学的もしくは物理的特性の決定、しばしば必要であり好ましい特性が干渉ドメイン単位に関するインターフェログラム要素位置の決定に良好に適合することが見出された。本発明の幾つかの形態の効果は、内部積の計算を行うことと見ることもでき、その場合、個々のウェイト、好ましくは所定の個々のウェイトが各積要素に与えられ、そのうちの幾つかはゼロとすることができ、一方で他のものはゼロとは異なる。
【0052】
単一の周期関数からのインターフェログラム要素および対応する要素の個々の積(すなわち、積要素)をインターフェログラムのドメインに対してグラフにプロットする場合、それは、関数の分離した要素のグラフを表す。インターフェログラムおよび周期関数の性質に起因して、得られる関数は多くのスペクトルの性質を有する連続した積関数のデジタル化された表示であり、短い範囲のインターフェログラムにわたる積の累積合計を表す関数でもあるであろう。
【0053】
本発明の幾つかの形態は、インターフェログラムの個々の要素を用い、一方で、一般的には、インターフェログラムおよびローディング関数の積に対する要素を使用することが好ましい。インターフェログラム要素の使用と直接的に関連する場合がある1の問題は、各インターフェログラム要素は変調したスペクトル情報を反映するが、それが、情報の源、例えばデータ収集系のノイズまたは他の特性を妨害する場合もある他のものも実際に反映することである。さらに、インターフェログラム・データは通常インターフェログラム・ドメイン中の非常に正確に決定された位置で集められるが、この位置は、手段を用いてドメイン位置を決定し、かかる手段が例えばメインテナンスに起因して特性をわずかに変化させる場合や、または、異なる位置決定手段を有する2の異なる機器がインターフェログラム要素の指標よりも干渉ドメイン位置に参照しつつ試料または試料の成分の化学的または物理学的特性を決定するために同じモデルの使用に意図されている場合のように、条件下でわずかに変化する。
【0054】
本発明の多くの好ましい形態は、試料または試料の成分の化学的または物理学的特性を決定する場合に、ロード関数として余弦および/または正弦関数(例えば、周期関数)を用いて積要素を生成する(すなわち、インターフェログラム要素およびウェイトの関数、例えば周期関数)。より好ましくは、積要素および積セグメントは、インターフェログラムの決定に影響する要因に関して決定の安定を改善する様に含まれる。好ましくは、かかる特性が得られるインターフェログラム中の位置および範囲、例えばインターフェログラム・セクションを選択することによる。1のかかる好ましい条件は、対で、群でまたは全体として考えた場合のように選択した積要素が周期関数のバランスのとれた和を表す場合である。もう1の子の好ましい条件は、循環のバランスがとれている、例えばセクションを考えた場合に関数の積分または関数の異なる点の合計がゼロに等しい周期関数の使用である。したがって、これらの形態の正味の効果は、積の合計、例えば一定または徐々に変化するバックグラウンドシグナル、インターフェログラム・ドメイン中の位置におけるわずかな変化、または一般的にシステム的なエラーシグナル、例えばスペクトル特性を実質的に反映していない、実質的に異なる循環周期を有するシグナル、のようなインターフェログラム中の変化のいくつかの源に対して安定な内部積、を作成している。かかる特性は直交またはほぼ直交と呼ぶ。本発明の1のより好ましい形態は、周期関数として、各々長さが2πまたは2πに近い1またはそれを超える循環(または複数の循環)延長する、好ましくは周波数ドメイン中の循環の位置を境界における関数の値がゼロに近いように選択するまたは一般的にその位置における関数のバランスが実質的にその分離した性質の効果に非感受性である余弦および/または正弦関数を用い、例えば、余弦関数を用いる場合には、循環の位置は好ましくは(2i±1/2)πと(2i±3/2)πの間に等しいかまたは近く、ここに、iは整数であって、それに従って正弦関数を考慮した場合、循環の位置は好ましくは(2i)πと(2i+2)πまたは(2i+1)πと(2i+3)πとの間に等しいかまたは近い。
【0055】
干渉データを測定する場合、しばしば、干渉ドメイン中の所定の位置の値を得ることが可能である(例えば、マイケルソン干渉計中の所定のOPDにおけるインターフェログラムの測定)が、公知の位置で値を得ることがより好ましい場合もある(例えば、調節手段を用いてデータ獲得を制御し、調節手段が所定の性質よりも公知の性質を有している、例えば、マイケルソン干渉計中のインターフェログラムのOPDを光源、例えば公知の周波数のレーザーまたはレーザーダイオードによって決定する)。インターフェログラムのデータ要素(または複数の要素)がインターフェログラム・ドメイン中の所定の位置でよりも公知で得られる場合、かかる位置の知識を用いて所定の位置の干渉(変調)特性を概算または決定し、ついでかかる情報を試料の化学的および/または物理学的特性を決定するために用いることが好ましい場合もある。インターフェログラムを公知の位置で得る形態においては、および、特に標準化したモデル、すなわち、所与の条件下で1のシステムで開発され、異なる条件下でまたはもう1のシステムで適用されるモデルを用いた場合、積セグメントのスコアは、例えばデータ獲得調整手段、例えばデータ獲得を制御するために用いる光源の周波数における差、の特性の結果としての、インターフェログラム要素のドメイン位置によって実質的に影響されないため、積セグメントを使用することが好ましい。
【0056】
したがって、1の態様において、本発明は、
a. 試料の少なくとも一部分から放出された、それに伝えられたかまたはそれを通過して伝えられた、またはそれと相互作用した電磁シグナルの変調に対応するインターフェログラムおよび/または少なくとも1のインターフェログラム要素を得、
b.
i.少なくとも1の関数を用いてインターフェログラムおよび/またはインターフェログラムのセグメントおよび/またはインターフェログラム要素の少なくとも1の変換を行い、
ii.所望により、インターフェログラムおよび/またはインターフェログラム要素のもう1のセグメントについてi)を繰り返し、
ここに、少なくとも1の変換は干渉ドメイン位置として表されるローディング関数と干渉ドメイン位置で表されるインターフェログラム表示との間の内部積、および干渉要素位置で表される負荷係数および得られたインターフェログラム要素の計算を含み、
それによって、少なくとも1のスコアを得、
該少なくとも1のスコアを少なくとも1の化学的または物理学的特性に相関させる
工程を含む、試料または試料の成分の化学的または物理学的特性を決定するための方法に関する。
【0057】
インターフェログラムは一般的にローディング関数を分離するため、例えば、通常、周期関数は周期関数の周期の期間を数で正確に平衡しない。したがって、インターフェログラム・セクションを周期を超えて拡大することが好ましい場合があり、好ましくはその場合にはかかる拡大はセグメントを超えて周期関数をより良好に平衡させるように調整する。このことは、好ましくはセクションに最も近い単一またはいくつかのインターフェログラム要素を含み、ウェイトを周期関数の対応する要素に割り当てることによって行う。もう1の等しく好ましい形態は、測定していない位置におけるインターフェログラムの値を、例えば分離した値を得るための内挿法によって、または連続関数の1またはそれを超えるパラメータを決定することによって、またはインターフェログラム・データおよびローディング関数の積の数学的積分を行うことによって概算し、したがって積セグメントの良好な平衡を得ることである。
【0058】
したがって、1の態様において、本発明は、
c.試料の少なくとも一部分から放出された、それに伝えられたかまたはそれを通過して伝えられた、またはそれと相互作用した電磁シグナルの変調に対応するインターフェログラムおよび/または少なくとも1のインターフェログラム要素を得、
d.
i.少なくとも1の関数を用いてインターフェログラムおよび/またはインターフェログラムのセグメントおよび/またはインターフェログラム要素の少なくとも1の変換を行い、
ii.所望により、インターフェログラムのもう1のセグメントおよび/またはインターフェログラム要素についてi)を繰り返し、
ここに、少なくとも1のデータ点がインターフェログラムを形成し、インターフェログラムまたはインターフェログラム要素のセグメントが少なくとも1の近位の点に基づき、
それによって少なくとも1のスコアを得、
該少なくとも1のスコアを少なくとも1の化学的または物理学的特性に相関させる
工程を含む、試料または試料の成分の化学的または物理学的特性を決定する方法に関する。
【0059】
本発明の1の好ましい方法は、第1の機器で、試料または試料の成分の化学的および/または物理学的特性を決定するモデルを開発し、好ましくは該モデルは平衡したまたは実質的に平衡したインターフェログラム・セクション(または複数のセクション)に基づき、ついで、該モデルを第2の機器(かかる第2の機器は、モデル生成の間とは異なる様式で作動する該第1の機器であると理解される)で得られた第2のインターフェログラム・データに適用し、好ましくはこの場合、第2のインターフェログラムで得られたインターフェログラムの干渉要素の位置に対する要件は第1の機器での位置とは幾分異なる。かかる差は、インターフェログラム要素の全体位置における絶対的または比例したシフト、実質的に個々のインターフェログラム要素の位置における変動可能なシフト、または第1の機器で得られた第1のインターフェログラム・データと比較した第2の機器で得られた第2のインターフェログラム・データの少なくとも1の領域で失われているまたは加えられている要素のいずれかとなる場合がある。インターフェログラム・セクションに対して、モデルを個々の要素の加重した合計の合計と考えるように要素の有意なシフト、排除または追加は定義され、その場合、第2の機器のモデルを用いた特性の予想に対する効果は第1の機器のモデルの得られるまたは観察される精度に実質的に等しいがそれよりも大きいであろう。したがって、本発明の多くの好ましい形態は、第2の条件(異なる条件である場合もある)で得られたデータに当てはめた場合にモデル性能を実質的に保持する得られたインターフェログラム・データ要素の位置および/または数に関して、第1の条件下でモデルが得られることを許容する。したがって、1の態様において、本発明は、好ましくは大きく影響しない、精度および/または正確さに関する、第1の機器または第1の条件下で作動する機器上(第2の機器へのモデルの当てはめ)、または第2の条件下で作動する機器上(モデルの性能)で展開する較正を用いる本発明に係るシステムのモデルの方法をいう。
【0060】
単純な形態のフーリエ逆変換分光学は、全体のインターフェログラム上の余弦ローディング関数のスコアを決定することによって見ることができる。前記に定義したように、余弦ローディング関数は、周期セグメント、例えば平衡したセグメントの数として見ることができ、したがって内部積の付加特性を用いて、フーリエ逆変換分光学は全セグメントのスコアを決定し、合計の結果を合することに等しくなる。したがって、単一の周波数のスペクトル強度を決定するためのフーリエ逆変換分光学は、全ての周期についてセグメント積を導き、それらを等しい加重、例えば加重1と合することに等しい。本発明の多くの好ましい適用は、スペクトル強度以外のシステムの特性を決定することに関し、これらの好ましい適用の多くにおいては個々の積セグメントを個々の加重と合し、好ましくはその場合のセグメント積の少なくとも幾つかの加重は0の加重を含んで1とは異なる。好ましくは、かかる加重は、問題の適用が、例えば予測能力によって決定されるように、良好なモデル性能を有するように決定する。
【0061】
同様に、本発明の多くの好ましい形態は、インターフェログラム・ドメイン中の位置決定および間隔に関して、インターフェログラム要素の決定を最適化するという利点を有する。インターフェログラム逆変換の適用は、すべての要素が等しく離れていることを想定している。さらに、要素の間隔は、間隔の減少がスペクトル領域を増大するように概算スペクトルのスペクトル領域(例えば、最大周波数)を規定し、この増大したスペクトル領域はスペクトルグラフの作動スペクトル領域の外側に入り、よって目的にほとんど供しない場合がある。シグナルの質、積要素のシグナル適切さまたは積要素または積セグメントの平衡を改善するために、本発明の好ましい形態は、例えば、近赤外および中赤外スペクトル領域で測定する場合にレーザーまたは可視光のレーザーダイオードの波長によって制御される場合もある関心のある領域を超える周波数領域の拡張または実質的な拡張に通じるであろう、インターフェログラムをフーリエ逆変換に用いる場合に一般的に決定されるよりも小さい間隔でインターフェログラム要素を決定し、本発明の形態の間隔はFT分光学において典型的に使用される間隔よりも2倍小さい、または4、8、16、32または64倍も小さい場合がある。変調した周波数によって、インターフェログラム要素の間隔は、好ましくは、最大周波数の調べたスペクトル要素の周波数よりも2倍小さく、より好ましくはその周波数の4、6、16、32または64倍より小さい。
【0062】
本発明においては、好ましくは積セグメントのシグナルの質またはシグナルの適切さを改善するために、不均一に間隔の空いたインターフェログラム要素を用いることが好ましい場合がある。インターフェログラム要素が均一に離れ、スペクトル特性の決定において等しく加重される条件下では、例えば、フーリエ逆変換の場合のように、インターフェログラム要素の大部分と比較して、絶対値において大きな要素が最終結果においてより重く加重されることは明らかである。好ましくは、これらの要素はできるかぎり高い質で決定し、すべてのインターフェログラム要素を実質的に同一の条件下で決定する場合、かかる領域を表す要素の数における改善は最終的な結果を改善するであろう。したがって、幾つかの態様において、好ましくはインターフェログラム・ドメインまたは絶対シグナル値の関数が高い場合にインターフェログラム強度の変化が迅速であるインターフェログラムのある種の領域は、例えば、センターバーストにおいてまたはその付近または干渉変調が局所的なインターフェログラム構造を引き起こす位置において、かかる領域をほかのまたはしばしばより大きな領域におけるよりも小さい間隔のインターフェログラム要素で測定することが好ましい。したがって、1の態様において、本発明は、
e.試料の少なくとも一部分から放出された、それに伝えられたかまたはそれを通過して伝えられた、またはそれと相互作用した電磁シグナルの変調に対応するインターフェログラムおよび/または少なくとも1のインターフェログラム要素を得、
f.
i.少なくとも1の関数を用いてインターフェログラムおよび/またはインターフェログラムおよび/またはインターフェログラム要素のセグメントの少なくとも1の変換、
ii.所望により、インターフェログラムおよび/またはインターフェログラム要素のもう1のセグメントについてi)を繰り返し、
ここに、インターフェログラムのいくつかの領域は他の領域とは異なるインターフェログラム要素の間隔で測定し、
それによって少なくとも1のスコアを得、
g.該少なくとも1のスコアを少なくとも1の化学的または物理学的特性に相関させる
工程を含む試料または試料の成分の化学的または物理学的特性を決定する方法に関する。
【0063】
例えばフーリエ変換によって、インターフェロメトリー・データに基づいて、例えば電磁放射の減衰または放出のようなスペクトル情報を生成する慣用的な方法は、周波数ドメイン中で等しく離れた間隔のかかるスペクトル情報を引き出し、その場合の周波数および間隔はインターフェログラムを得る条件、例えばインターフェログラム要素の間隔およびインターフェログラムの長さによって決定する。本発明の形態は慣用的な方法を行うのと同様の周波数および間隔でスペクトル情報を決定することを許容するが、いくつかの好ましい形態は、試料または試料の成分の特性の決定が信頼できかつ安定であるところのスペクトル情報周波数を決定する。本発明の形態は、インターフェログラムのドメイン中のインターフェログラム・データ要素の位置または間隔に依存することなくかかる周期関数の周波数を選択する周期関数を用いる。したがって、周期関数の周波数は、スペクトル特徴、例えば減衰または放出バンドの位置および/または形状を反映する、手動の決定に参照して選択する。したがって、好ましい形態は、インターフェログラムのスペクトル特性の周波数ドメイン中で不均一に離れている周期関数を選択することができる。いくつかの形態は、さらに、インターフェログラムの特性、例えばインターフェログラムの長さ、によって規定される最大分解よりも小さい周波数間隔を有する周期関数を含む。さらに、本発明の形態は、例えば、近接した間隔、連続する周波数バンドを近接して表す、好ましくは測定したインターフェログラムにおけるかかるローディングのスコアに対する重要な寄与として決定した場合に2の周波数の間の周波数間隔の短縮によって実質的に影響が観察されない間隔で、例えば周期関数の使用を介して、周波数を反映するローディングを特徴とする。
【0064】
スペクトルの分析と類似して、スペクトル特徴の正確な周波数または波長位置に関心のある場合、本発明の多くの好ましい形態において、例えば各インターフェログラム要素の正確な相対位置を知るのみならず、インターフェログラム要素の正確なドメイン位置を知るまたは決定することに関心がある。化学的または物理学的特性をインターフェログラム・データに相関させるために、インターフェログラム・ドメイン中のインターフェログラム要素の位置における変動を補償する2の等しく好ましい方法が存在する。第1に、いくつかの形態は、所定の位置における変調情報が、所定の位置に近い位置で決定した1またはそれを超えるインターフェログラム要素、例えば隣接データ、に基づいてソートの内挿法によって概算または決定する方法を含む。第2に、多くの好ましい形態は、ローディング関数の加重、例えば、周期関数の周期関数の合計を、例えばインターフェログラム・ドメイン位置の関数としてローディングの数字表現が知られている場合に決定したインターフェログラム要素の位置で決定する方法を含む。
【0065】
フーリエ変換分光学のようなインターフェロメトリー分光学においては、例えばフリンジのような限られたサイズのインターフェログラムのフーリエ変換を介して導入された「スペクトル・アーティファクト」を減少することによって、限られたスキャン長の効果をある程度「軟化する」と質的に説明することができるアポディゼーション関数を使用することが一般的である。一方、アポディゼーションを適用する効果はインターフェログラムの末端に向ってのインターフェログラム要素の値を計ることであるため、このことは、重要な情報、この場合はインターフェログラムの末端に向けての情報を抑制する効果を明らかに有する。本発明の幾つかの形態は干渉分光学の技術水準の様式でアポディゼーションしたインターフェログラムに適用することができるが、一般的にかかる方法をインターフェログラムに適用しないことが好ましい。一方、好ましくはアポディゼーション関数が0の値を有するインターフェログラムの末端位置以外で1の値を有する場合、好ましくはゼロの領域を周期関数の全または半周期の末端または始点に調節する場合、ローディング関数、例えば周期関数にアポディゼーションを適用することが好ましい場合がある。かかるアポディゼーションの効果は、典型的に、好ましくはインターフェログラムの長さが周期関数のサイクルの全ての数に等しくない場合、サイクルの全ての数に周期関数を適用することに等しい。したがって、実質的に異なるアポディゼーションを各々の周波数を決定した周期関数に適用することが好ましく、これはかかる関数の内部積がインターフェログラムの変化するウェイトを反映させることができるが、これは、好ましくは、例えばアポディゼーションなしに関数に対してアポディゼーションした関数のウェイトを決定することによって補正する。本発明の多くの形態において、インターフェロメトリー分光学におけるアポディゼーションの方法に匹敵するスペクトル表示の結果を得ることが可能であり、その場合、この効果は予め決定したウェイトで個々の積要素および/または積セグメントを処理することによって得る。
【0066】
例えば、調査の下でシステムのスペクトル特性についての先行する情報が限られているまたは存在しない条件下のように、周期関数として余弦または正弦関数を使用することが好ましい場合がある。他の形態においては、かかる関数の形態を調査の下でシステムの特性に基づいて決定する場合には他の関数を使用することが好ましい。かかる関数は好ましくは前記に論じたようにある種の周期特性を有し、一方で、例えば平衡に関してこれらの関数の結果が好ましくは存在するが、他の等しく好ましい関数がより複雑な特性を有する。本発明の多くの形態は、第1の関数の特性に似た第2の関数を構築またはシミュレートするシステムの特性に基づいて決定した第1の関数を用いるが、それは周期関数、例えば周期周波数関数の合計からなり、その場合、異なる周波数関数のウェイトを調節して少なくとも部分的に第1の関数を表す。かかる第2の関数を決定する好ましい場合もある1の利点は、それがインターフェログラム・ドメイン中のいずれの位置における関数の数値を決定することを許容し、および/または、個々の周期関数のウェイト、ある種の条件下で1のシステム上でモデルを展開した場合に非常に好ましく、異なる条件下または異なる機器上で適用する特性、を調節することを許容することである。これらの関数ならびに余弦または正弦関数のような周期関数は、シェモメトリクスの分野で一般的に使用される用語である、ローディングまたはローディング関数ということができる。これは、関数が全体のインターフェログラムを表す形態、および、例えば関数が関心のあるセクションの外側でゼロの値を有する場合のような、セクションのみ考える場合の両方の関数にあてはまる。ローディングの決定に関する1の好ましい形態は、第1のローディング、例えばPCAの主成分またはPLS較正の潜在変数のようなモデルローディングまたは他の多変量モデルを概算し、ついで、例えば余弦または正弦関数に基づいて1またはいくつかの周期関数のウェイトを決定することによって第2のローディングを構築することであり、それは、例えば多数の要素またはモデルの次元の決定のためにシェモメトリクスの技術を用いることによって、第1のローディングを第2のローディングと置き換え、満足のゆく数のローディングが決定されるまで前記を繰り返すモデルローディングの決定を続ける。
【0067】
調査下のシステムのスペクトル特性が知られている場合、ローディングは好ましくは手動のタスクについて実質的な関心の周波数を表す好ましくは余弦または正弦関数のような周期関数の合計を加重する。例えば、1の好ましい形態は、試料または成分の減衰または放出周波帯特性を実質的に表すローディングの構築を含み、その場合、かかる周波帯特性は2またはそれを超えるスペクトル特徴、例えば2またはそれを超えるピークからなる場合があり、その場合かかる特性は1またはそれを超えるローディングまたは1を超える周波帯特性が表されるローディングのいずれかで表すことができる。較正法を用いてローディングの形状またはどの周波数および/またはインターフェログラム・セクションを考えるかを決定することが好ましい場合もあり、その場合、好ましくはインターフェログラム中のスペクトル特徴の表示を影響し得る条件を反映する一連の測定が得られている。干渉、例えばスペクトルの性質のまたはシステムの物理学的または機械的な条件によって引き起こされる干渉が存在する場合には、かかるローディングが好ましい場合があり、その場合、周期関数の正確な加重を決定することは困難になり得る。しばしば好ましい形態は、インターフェログラム全体を通してまたは好ましくはインターフェログラムの1またはそれを超える部分のいずれかで、較正モデルを使用して周期関数にウェイトを割り当てることであり、かくして、周期関数の多くの好ましい特性を保持するローディングを構築し、それを較正モデルの多変量特性と合する。
【0068】
一般的に、すべてのインターフェログラム要素を用いた非スケール化または均一にスケール化した周期関数のフーリエ逆変換または内部積が「純粋な」スペクトル特性、例えば特定の周波数における放出または透過を表す場合(高分解能のインターフェログラムを想定して)。一方で、例えばローディングがインターフェログラム情報を特性に相関させる較正モデルにおけるローディングである場合のように、個々のインターフェログラム要素の使用は、例えば周波数に対する直接的な関係なしに、変調したインターフェログラムの関心のある特性のウェイトを表す。これらの2のアプローチは、均一にスケール化した周期関数がスペクトル特徴を反映し、較正したローディングが特性を反映することを用いて、スコアがローディング関数およびインターフェログラムの積として導き出される状況における「終点」とみることができる。両方のアプローチは本発明の多くの好ましい形態の特徴であるが、個々に加重した積要素および/または積セグメントの使用は、本発明の多くの形態においても好ましい。積要素および/または積セグメントの使用の質的効果は、特定の周波数の純粋なスペクトル特性および特性相関の組合せを加重することができる。したがって、例えば、本発明のいくつかの形態において、所定のウェイト、例えば1とは異なるウェイトを1またはいくつかの積要素または積セグメントに適用し、好ましくはその場合、加重の効果はゼロまたは実質的にゼロであり、効果が化学的または物理学的特性の決定の質にマイナスに影響するノイズまたは他の減少を抑制し、あるいは、その場合、ウェイトはゼロとは異なり、ウェイトの効果が化学的または物理学的特性の決定の質を高める。これらのウェイトは、好ましくは調査下のシステムのスペクトル特性の先行情報に基づいて決定し、あるいはより好ましくはウェイトは多変量較正によって決定する。
【0069】
本発明の多くの好ましい形態は、試料または試料中の成分の化学的または物理学的特性の決定のためのスコア情報を含むが、多くの等しく好ましい形態は決定におけるスコアの数学的変換を含む。1のしばしば好ましい変換は、スコアを参照条件または安定した条件下で得られまたは決定されたスコアに正規化することである。例えば、好ましくは正規化が(例えば分光学における透過の論理式変換による吸収の計算に匹敵する)変換したスコアと決定した特性との間に実質的な線形を導入する場合または使用する試料またはシステムの変化する環境または物理学的条件に関してスコアの信頼性または安定性を高める場合に、分光学における試料ブラインドの減衰および試料の減衰の間の比を形成して透過を得ることである。典型的かつしばしば好ましい数学的変換は形状において同様であり、Beer-Lambert、Kubelka-Munkの効果または分光学において典型的に使用される変換に影響する。
【0070】
分光学の1のしばしば必要な特徴は、スペクトル情報を公知または参照する条件の特性、例えば減衰情報を吸収に変換するまたは「スペクトル・バックグラウンド」を除去または抑制するために、減衰または放出スペクトルを決定する場合と同じ条件下で試料ブラインドのスペクトル特性を決定する、公知または参照条件下に参照または正規化する能力である。これらのスペクトル特性は、正規化したスペクトル応答の決定を許容し、しばしば、スペクトルデータの比較およびモデル目的のためのその使用に必須である。かかるスペクトルデータの正規化と考慮される多くの因子は、例えば光源強度または検出器感度のような周波数または波長とよく相関する。この特性はインターフェログラム中のすべての点のすべての周波数から実質的になるため収集したインターフェログラムを正規化することを困難にし得るが、本発明の多くの好ましい形態においてはかかる正規化を積要素および/または積セグメントに適用することによって、または周波数依存性が知られているローディングに適用することによって、このことが可能になる。例えば、インターフェログラムを周波数関連情報、例えばかかる周波数関連情報をインターフェログラムに正規化し、ついで組換えることができる、周期関数および/または他のローディングに分解することによって、このことが可能になる。かかる正規化の1の好ましい形態は、周期関数に対応する周波数および/またはこの周波数に近い周波数のスペクトル特性を、例えば完全な内部積またはフーリエ逆変換による応答を決定し、ついでスペクトル特性の知識を適用して問題の周波数に対応する積要素および/または積セグメントを正規化することによって、決定することである。
【0071】
同様のしばしば好ましいアプローチは、干渉成分の存在を決定し、測定したインターフェログラムまたはスペクトルにおけるその寄与を除去または抑制することである。例えば、IR分光学においては、天然の水の存在および通常の空気中の二酸化炭素ガスの存在の効果は変化することができ、それは完全に制御することはできないが測定したインターフェログラムまたはスペクトル中のその存在を実質的に排除または減少することができる。この方法は、同じまたは同様の干渉を含む試料ブラインドの測定を介して正規化する方法よりも好ましい場合がある。
【0072】
本発明のいくつかの形態は、干渉情報を得るために用いる試料の参照条件および/またはシステムの光学、電気または機械的特性の決定に依拠し、好ましくはかかる情報を用いてインターフェログラム・データまたはスペクトル特性を正規化または標準化する。一般的な方法は、例えばブラインド試料の記録と類似する、調査する成分または試料が実質的に表示されない条件下でシステムから応答を得るためのものである。この情報は、つづいて関心のある成分または試料を反映する好ましくは実質的に同じ条件下で行うレーザー測定が関係する特性の決定に使用する。現在の発明のある種の形態において、例えば適用が試料ブラインドのような条件がめったにまたは決して得られないイン−ライン/アット−ライン測定に関する場合、試料をディスポーザブルな試料コンパートメントで分析する場合、例えば異なる試料コンパートメントの変化する物理学的寸法に起因して試料コンパートメントの条件が1またはいくつかの測定についてのみ維持される場合、または分析を参照条件の測定が実質的な時間を消費する速度で行う場合、または測定システムの条件が分析および/またはサンプリング時間に対して迅速に変化する場合のような代表的な参照条件で測定を得ることが困難となる場合がある。かかる形態において、試料の測定した結果を用いて、参照条件を概算または予想し、好ましくはその場合は、例えば、較正モデルを展開し、記載特性のスコアの予想を用いて試料データを正規化するために使用することができる参照条件を再構築することによって、一連の直交するまたは実質的に直交する記載特性、例えば主成分または潜在的な因子によって、インターフェログラム、積要素、積セグメントまたはスペクトル特性を記載し、インターフェログラム、積要素、積セグメントまたは試料条件のスペクトル特性に対する参照条件下の記載特性のスコアの相関を決定することによって、複数の条件を反映する複数の参照条件を記録し、それを試料条件に相関することによってモデルを展開する。参照条件を得ることが困難である適用においては、好ましくは決定する特性または複数の特性に実質的に相関しない特性ならびに相関した特性(例えば、相関しなかった特性は相関した特性に直交する)を同定し、ついでかかる非相関および相関した特性の組合せを用い、したがって参照条件を得ることによって、かかる条件を決定または概算することが好ましい場合がある。例えば、観察されたデータが決定する寄与反映特性/複数の特性(例えば、相関した特性)に加えて参照条件下でシステムの特性に実質的に等しい場合には、参照条件を相関した特性の寄与を除いた観察されたデータと概算することができる。かかる形態は、観察されたデータが決定する電磁放射および化学的または物理的特性の減衰に関係する観察されたデータが実質的に減衰において線形でない場合、例えばBeer-Lambert、Lubelka-Munkまたは特性および観察されたデータの間の同様の関係を適用する場合には、好ましい場合がある。
【0073】
他のしばしば好ましい形態には、ウェイト、ローディングまたはローディングウェイトのような一連のパラメータを決定し、使用におけるシステムの特性を特徴付けし、ついでこれらのパラメータを解析の前に測定したデータまたはモデルデータに適用することによって、使用においてシステムのスペクトル感度を補正することが含まれる。1の好ましい形態は、所定の周波数でのシステムの応答を決定し、つづいてこの周波数または他の周波数を表す周期関数を、機器の特定の周波数応答の先行知識なしに作成する所定のモデル、例えば予想モデルで周期関数を使用することを許容するようにスケール化し、しばしば好ましくはかかる較正モデルは参照機器での測定に基づき、あるいは参照機器を表す標準化された機器に基づく。周波数応答のかかる正規化のしばしば好ましい特性は、機器の中に配置されている較正モデルの性能における改善であり、しばしば好ましくは機器の周波数応答の標準化に実質的に等しい。
【0074】
現在の発明のいくつかの好ましい形態は、本発明のいくつかのほかの好ましい形態および/またはフーリエ変換分光学の方法の技術水準を含むインターフェロメトリーに基づくいくつかの適用に好適な、インターフェログラム・データまたは正規化した干渉データの評価および/または前処理に関する。いくつかの因子はインターフェログラムに対してシステム的な変化を引き起こすことができ、その多くは、例えば試料の化学的もしくは物理学的変化または測定システムの光学的、機械的または電気的変化によって引き起こされる、個々のインターフェログラム(例えばインターフェログラム、例えば結合したインターフェログラムを2またはそれを超える個々のインターフェログラムに基づいて構築する場合)の記録の間に観察され、一方で、試料の測定の間または1の試料から他の試料を測定する間に観察される場合もある。これらの変化の多くの効果は、試料の特性または試料の成分の決定の信頼性または質を減少することができる効果であり、例えば、個々のインターフェログラムの記録の間のインターフェロメーターの瞬間的な機械的または電気的な混乱であるが、例えば変動可能または変化する粒径を有する試料、または、例えば全体的にまたは粗雑にグレーティングされたコーンまたは2相のエマルジョンを測定する場合のように試料の分析物または物理的成分が試料コンパートメントに全体的に充填していない試料を測定する場合のように、試料コンパートメントにおける試料または成分表示の制限された均一性のように試料の特性を反映する場合もある。これらの効果は、測定システムに存在する試料の観察されたスペクトル特性に対する効果を有することによって特徴付けられ、その効果は、試料または試料材料の他の部分を2回目に測定する場合に存在しないかまたは異なる様式で表示することができ、しばしばかかる効果は2またはそれを超える独立したまたは実質的に独立した構成にインターフェログラムが分離することを許容するインターフェログラムの相加的であり、および/または、かかる効果は、例えば異なる周波数におけるインターフェログラムのスペクトル応答が実質的に異なる場合に乗法的な効果に近い。
【0075】
本発明の典型的な好ましい形態は、同一試料の測定の2またはそれを超える個々のインターフェログラムに基づく、および/または同一または異なる試料の以前の測定の2またはそれ超えるインターフェログラムおよび/または合したインターフェログラムに基づく、好ましくは直交または実質的に直交したローディング、例えば主成分ローディング(Principle Component loadings)の確立を含む。その場合、これらのローディングおよび/またはこれらのローディングのスコア、および/または互いのまたは所定の特性の相関または比較および結果は;モデルによる決定における個々のインターフェログラムまたは合したインターフェログラムの質および/または適切さを決定するため、例えば個々のインターフェログラムが合したインターフェログラムに含まれているかを決定するため、および/または、例えば2またはそれを超えるローディングをモデルにおける2またはそれを超えるインターフェログラム(すなわち、一次および二次のインターフェログラム)として処理する場合のような決定に用いるモデルのパラメータとして、および/またはどのモデルの選択を適用するかを決定するために、用いる。
【0076】
インターフェロメトリーの方法の技術分野においては、合したインターフェログラムは一般的に2またはそれを超える個々のインターフェログラムの平均であり、典型的には合したインターフェログラムの目的は各インターフェログラム要素のシグナルレベルの質または信頼性を改善することである。本発明のいくつかの形態においてこれがきわめて好ましい方法であるが、他の形態は一群の個々のインターフェログラムまたは合したインターフェログラムの他の特性を使用する。1の好ましい形態は一群の個々のインターフェログラムおよび/または一群の合したインターフェログラムの主成分解析(PCA)からのローディングおよび/またはスコアを用い、しばしば好ましくは正規化されているが、好ましくは例えばセンタリングおよび/またはスケール化の適用なしに、インターフェログラムはPCAの前に変化しない。現在の発明のいくつかの好ましい方法は、PCAの第1ローディングのようなローディングを用いて、個々のインターフェログラムの平均として構築した合したインターフェログラムの使用と平行して、インターフェログラムの一般特性を表すが、他の形態においては、インターフェログラムの第1の表示、すなわち一次インターフェログラムとしてそれを使用し、好ましくはPCAのローディングのような他のローディングが試料のインターフェログラム特性の第2の表示、すなわち二次インターフェログラムとして予想にさらに含まれる。その場合、インターフェログラムの一次、二次または一般的にはいずれのかかる表示も含まれ、インターフェログラムと同様に処理される。このことは、2またはそれを超える実質的に独立した効果が存在する状況において好ましく、時として、効果は変化する大きさで存在し、その場合、二次インターフェログラムは好ましくは一次インターフェログラムに実質的に存在しない効果を現し、かかる効果の典型的な例は、測定の間の化学組成における変化、相の変化、例えば空気ボーブル(air bobble)の形成、粒子の変化するサイズの分布または運動である。かかる形態のいくつかは、分析する試料の一群の個々のインターフェログラムから決定したPCAローディングのようなローディングを用い、一方、他の形態は、それに代えてまたはそれに加えて、他の試料の測定および/または異なる条件、例えば試料または機器条件を表す測定の個々のまたは合したインターフェログラムの分析において予め決定した1またはそれを超えるローディングを用いる。
【0077】
データ、例えばスコアが予想のモデルに通常含まれる場合は、好ましくは測定の間に特性が変化することを示すシステムを測定する場合に、試料の個々のインターフェログラムからの一連のスコアから導いた特性を使用することが好ましい場合がある。かかる特性は、しばしば、値域、標準偏差または分散のようなデータのモーメント(統計学的意味の)である。さらに、かかる異なるスコアの特性、例えば共分散または相関は、予想モデルにおけるインプットとして好ましい場合がある。
【0078】
しばしばおよび好ましくは、効果の存在または大きさに関する先行知識が存在する場合、例えばシステムが適時に展開する場合または機器、操作者または他の因子の同一性が測定したインターフェログラム変化に影響し得る場合、Orthogonal Signal Correctionの方法、または同様の方法を適用するのが好ましく、その場合かかる効果の相関は単離または除去し、好ましくはその場合効果の影響はスコアとして含まれまたは後のローディングまたは二次インターフェログラムの決定に含まれる。この利点は、かかる因子の実質的な単離または除去であり、好ましくはその場合、効果はローディング、スコアまたは二次インターフェログラムに含まれ、したがってモデルに含まれる。このことは結果の診断において価値あるものとなることができ、さらに、決定の質および/または信頼性を改善することができる。
【0079】
本発明の1のより好ましい形態は、決定の方法を確立すること、例えば較正を介して予想モデルを確立することに関し、それには、好ましくは十分なシグナル表示を含む条件下での、16、好ましくは18、20、22または24ビットのような16を超える分解を用いる好適な増幅およびデジタル化によって、化学的および/または分光学的変化を反映する好適な数の反復における好適な数の試料のインターフェログラム要素の測定が含まれ、また、合したインターフェログラム、または一次および二次インターフェログラム(または複数のインターフェログラム)のようなインターフェログラムの決定、周波数、例えば所定の間隔の周波数および/または試料に関する先行知識から適当と考えられる周波数の選択のための積要素および積セグメントの構築、好ましくはインターフェログラム、積要素または積セグメントデータを正規化すること、分析した各試料についてスペクトル特徴についての乗法および/または化学的もしくは物理学的特性を決定すること、および、PLS、PCA/PRC、ANN、PARAFAC、Tucker3の方法の技術水準のようないずれかの好適な較正方法を用いてモデル性能に対する個々の積要素および積セクションのウェイティングおよび/または有意性を決定することに関し、かかる決定は、例えば、交差検定、テストセット検定(test set validation)またはジャックナイフ検定の方法を用いることによって行い、好ましくは個々の積要素および/または積セグメントはモデル生成において新たな積セグメントに反復様式で結合する。ついで、生成したモデルを試料または試料の成分の化学的または物理学的特性の決定に用い、好ましくは各々の一連の測定したインターフェログラムについて多数のモデルが生成し、スペクトル特性、例えば減衰、吸収または放出スペクトル、pHのような化学組成または特性、または温度、均一性、粘度または粒径のような物理学的特性のような同一のデータに基づいて1を超える特性の決定が許容される。
【0080】
さらに、前記に示した趣旨により、適用したローディング機能は平衡していることが好ましい。このことは前記した較正モデルを用いて得たローディング関数によって必ずしも得る必要はないので、これらのローディングは実質的に平衡しているサブ関数に分解することが好ましい。
【0081】
前記のことから、本発明の幾つかの形態は、試料または試料の成分の特性を決定することを目的としてインターフェログラムから情報を抽出することに関することは明らかである。分光学の技術は、分光学的分析にそれを用いる前のインターフェログラムの前処理、例えば低および/または高パス・フィルトレーションに似た幾つかの方法に依拠する。本発明の多くの好ましい形態は測定したインターフェログラムに直接適用するが、これらは前処理したインターフェログラムに等しく良好に適用することができる。先行技術の方法は、例えばかかる参照をデータに含め、かかる干渉の排除のための多変量較正法に依拠することによって、またはさらに、例えば収集したデータのデジタル・フィルタリングによってインターフェログラム要素の干渉情報を減少または実質的に排除することができるいくつかの適用を供して、インターフェログラム・データを多変量較正に含める前に、関心のある特性に対して実質的に一変量の性質のスペクトル情報を単離する(例えば、Smallら、米国特許第6,061,582号)。本発明のいくつかの好ましい形態は、例えばインターフェログラム要素および関数要素の積、例えば単一または複数の周期関数または他の所定のローディング関数を形成することによってスケール化したような、スケール化したインターフェログラム・データを用いる。
【0082】
一変量システムの概念は、研究室条件下の特性の実験においてしばしば出くわす。一方で、天然のシステムまたは試料を含む適用においては、一変量条件はほとんど出くわさず、むしろこれらのシステムは関心のあるスペクトル特性と化学的もしくは物理学的特性またはパラメータとの間の相関に関して多変量性質のものである。このことは条件を確立するためにそれを必須としており、その場合予め設定することができる相関を分解することが可能である。典型的に本発明に好ましくない1のアプローチは、干渉するスペクトル特性をフィルタリングすることによるような、一変量特性が観察できる条件を確立することである。かかるアプローチのしばしばでくわす結果は、不測の条件に気付かないことである。したがって、測定したデータにおいて共分散を処理することができる多変量モデルの構築を許容する条件を確立することが典型的に好ましい。1の好ましい方法は、ローディング関数を構築または決定することであり、それは1よりも高い次元(1の次元は一変量系に対応する)の測定したデータの直交またはほぼ直交したサブ空間を表す。かかるローディングは、インターフェログラム要素を含む多変量モデルを用いて構築するが、一般的に、先に決定した第1のローディング関数のスコアの決定によってインターフェログラム要素の変換を行い、ついで、多変量モデルへの入力としてかかるスコアを用いることが好ましい。かかる第1のローディング関数はほぼ同一線形のスコアを生成する場合があるが、これらのスコアに基づくモデルは、例えばモデルローディング、例えば第2のローディングの決定による、考えの下でシステムの実質的に直交する表示にそれらを整える。したがって、かかる第1のローディングの数は第2のローディングの数に典型的に等しいが、好ましくは第2のローディングよりも多い、かなり多い第1のローディングが存在する。いずれのかかる第1のローディングの数および性質は、好ましくは、試料または試料の成分の化学的および/または物理学的特性の決定における改善された予想性能を考慮して決定し、かかる予想性能は典型的に決定の精度または正確さである。
【0083】
本発明の形態は、好ましくは、X線、UV/可視光、近−IR、中−IR、遠−IR、マイクロ波および無線周波数のようないくつかのスペクトル領域および実行における減衰、透過および放出分光学のような干渉分光学の実質的にすべての分野に適用する。さらに、それは、例えば蛍光、リン光および化学ルミネセンスのようなルミネセンス、NMR、ESR、ラマン、PAS、ATR、DRおよびデータを変調する、例えば周波数を時間、空間または距離ドメインで表示する一般的技術のような技術に等しく良好に適する。
【0084】
本発明の形態の適用には、液体、固体または気体相での試料の分析のような伝統的な適用が含まれるが、それは、天文学における放射の調査のような他のスペクトル分析に等しく良好に適する。多くの好ましい形態の一般的特性は、典型的に必要なデータのサイズの減少および/または例えば高分解能分光学、例えば定性および定量ガス分析における、測定したインターフェログラムのドメイン・スパンの減少である。さらに、本発明の形態は、画像のスペクトル分析にも非常に良好に適し、典型的に、その適用は記録しなければならないデータの量を実質的に減少する条件下でかかる分析を行うことを許容する。
【0085】
本発明の形態の適用の典型的な利点は、第1にスペクトル分析の向上または拡大および第2にインターフェロメトリーに基づく機器の技術水準と比較したかかる形態に基づく機器の複雑さの減少である。本発明の幾つかの形態は、方法の技術分野のものを超える計算資源を要求するが、コンピュータおよび計算法の現在の状態および将来的な発達は、これらの形態の好適に有効な移植を許容する。
【0086】
幾つかの好ましい形態の典型的な特性は、例えば水性ガスのような気体のおおくの典型的なスペクトル特徴の鋭さによって典型的に要求される比較的高いスペクトル分解と比べて短いOPDを有する中−IRインターフェロメトリーを用いたガス特性の決定である。これらの条件下では、例えば1または幾つかのローディング関数を適合することによって、試料中の気体の相対または絶対濃度を決定するためのローディングのスコアのようないくつかの形態を用いて、気体のスペクトル特性を表し、高分解スペクトルよりもスコアを用いて十分な質の決定を得ることが好ましい場合がある。実質的にスペクトル特性を表している典型的なローディングは、システムのPCAまたはPLSモデルからのローディングであり、一方で、部分的にスペクトル特性を表しているローディングは、例えば1または幾つかのスペクトル特徴、例えば吸収バンド(または複数のバンド)を表している1またはそれを超える関数とすることができる。多くのかかる形態は、さらに、1を超える種の気体からなる試料の特性の満足のゆく決定を許容する。
【0087】
本発明の1のより好ましい形態は、生物系または生物の生理状態または特性の決定に関する。これらの形態は、組織または体液の成分の侵入的および/または非侵入的測定を含む。本発明の形態を用いて決定する好ましい特性は、グルコース、酸素、タンパク質、脂質、コレステロール、アルコールのような1またはそれを超える価額成分の量または存在の決定、ならびに病気の存在または前提条件の存在、薬物の投与量の制御、例えばインスリン注入、または例えば手術または透析のような治療プロセスのような一般的特性の決定を含む。かかる一般的特性の決定は、1またはそれを超える化学成分の特性、例えば糖尿病の指標としてのグルコールのレベルに関係する場合があり、一方で、他のものは1またはそれを超えるシステムの一般的スペクトル特徴によって決定し、かかる特徴はしばしば1またはそれを超える化学成分に簡単に寄与させることまたは寄与させると診断することはできず、むしろ生物系の特徴の正味の結果、例えば病気または症状の「アブストラクト」分光学表示として見ることができる。
【0088】
本発明のいくつかの好ましい形態の1は、本発明の1またはいくつかの形態に基づいて小さくかつコンパクトなインターフェロメトリー機器を組み立てる可能性である。好ましくは、かかる小さくかつコンパクトな機器は生物系、例えばヒト個人の分析に適用され、その場合、医院、屋外、または患者の家でさえポイント・オブ・ケア検査として行う検査のような地方分散型の検査に特に好適である。好ましくはかかる機器は直接的に結果を報告するが、登録または評価のために中央処理ステーションに結果または測定データを伝達することが好ましい場合もある。
【0089】
本発明のいくつかの好ましい形態の適用は、通常実質的なレベルの、典型的には70%ほどの水を含む生物系のような水性系の調査における近−IRおよび特に中−IRスペクトル技術の使用を改善することを許容する。このことはIRスペクトル領域における問題を構成する場合がある。水はかかるエネルギーの強力な吸収体であり、例えば透過またはミッション分光学における制限された試料の厚さにより、かかる試料を測定することが困難になる場合があるためである。幾つかの態様はショートスキャン・インターフェログラムを用いるため、このことは、通常、高分解能インターフェロメトリー技術を考えた場合には得ることができない特性を有する機器の組立てを許容し、1のしばしば好ましい特性は、比較的大きな数の口径を有する機器の組立てである。インターフェログラムに自己アポディゼーションを引き起こさないかかる数の口径を使用することが好ましい場合があるが、本発明の好ましい形態の多くを用いてかかる自己アポディゼーションが起こる条件を使用することも等しく好ましく、かかる態様にはこの効果の排除または補償の態様が含まれ、したがって、試料、例えば生物系の化学的または物理学的特性の正確かつ信頼できる決定を行うことが可能になる。
【0090】
本発明のさらなる形態は、分光学分析と通常は関係しないがスペクトル調査の利点を与えることができる適用にも等しく適用される。1の例は、監視の分野における適用であり、例えば運動の検出または熱の検出に、例えば火災の早期警告としてのように、熱の放射または反射の測定を適用する場合である。小さくかつコンパクトなセンサーで実行する形態は、例えば、火災の検出における熱および種々の気体の同時の決定を提供することによって、さらなる情報ならびにかかるデバイスの感度および選択性を改善することを提供することができ、おそらく感度を改善し、ならびに、火災の性質および状態のようなさらなる情報を付与する。
【0091】
前記したことから、本発明の形態が、好ましくは少なくとも、本発明の方法を含むように適合された試料コンパートメント、インターフェロメーター手段、データ獲得手段、データプロセシング手段および試料または試料の成分の化学的または物理学的特性の決定の結果を伝達することができる出力手段を含む、システムにおける実行に良好に適することは明らかである。かかるシステムは、主として小さなサイズおよび振動のような物理学的緊張に対するより大きな頑丈さに起因して、同様の適用に使用されるシステムの技術分野と比較してかなりの利点を提供する。本発明によるシステムは、赤外線領域、および特に中−赤外線領域における分光学的適用に特に良好に適する。このことは、特にスキャンの長さ、例えばOPDとして定義されるインターフェログラムの減少したサイズに起因し、当該技術分野の現在の技術水準の適用が1mm以上のOPDを要求する一方で、本発明の形態は1mmより小さい、好ましくは0.5mmより小さいようなより小さなインターフェログラムに良好に適する。
【0092】
アクチュエーターを引き伸ばす、クリンピングするまたは曲げるのような変形を通して変位が達成されるソリッドステート・アクチュエーター、例えばアクチュエーター、例えばピエゾ素子はUVおよび可視領域の干渉分光学における使用が見出されており、その場合のOPDは50μm以下のような0.1mm未満であり、典型的には好適なスペクトル分解を得るのに十分である。幾つかの形態は短いインターフェログラムを用いる分光学分析が可能であるため、ソリッドステート・インターフェロメーターにおけるこれらを方法は、特にOPDが1mm以下である場合、好ましくは赤外線分光学に適用することが非常に好ましい。
【0093】
図面の簡単な説明
図1 単純な平衡した関数の例である。
図2a ローディング関数として余弦周期関数のセグメントの使用で予想される共分散の図である。
図2b 各ローディング関数が2またはそれを超えるセグメントを含む場合の、ローディング関数として余弦周期関数のセグメントの使用で予想される共分散の図である。
図3a 実施例3のスコアの選択の図である。
図3b 実施例3のスコアの選択の図である。
図3c 実施例3のスコアの選択の図である。
図3d 円が選択した変数を表す、実施例3に記載した機器によって得られた典型的なスペクトル。
図4a 6020ローディングスコアを用いた実施例4に記載したモデルのグラフ。
図4b 6020ローディングスコアを用いた実施例4に記載したモデルのグラフ。
図4c 50ローディングスコアを用いた実施例4に記載したモデルのグラフ。
図4d 50ローディングスコアを用いた実施例4に記載したモデルのグラフ。
【0094】
発明の説明
本発明の好ましい方法は、インターフェロメトリーに基づく、例えばインターフェログラムを得ることに基づく分光学的方法を用いる、試料の化学的または物理学的特性の決定に関する。好ましくは、インターフェログラムは、インターフェログラムが変調したドメインの干渉を表す条件下で得、その場合、インターフェログラムは実質的に異なる状態の変調を表す2またはそれを超えるデジタル化された干渉データポイントを含み、好ましくはインターフェログラムはインターフェログラム・ドメインの等しい表示における変調の状態を表す干渉データポイント、例えば時間の間隔、周波数、ポジションまたは距離を含む。ここで、デジタル化されたデータポイントなる用語はインターフェログラム要素と相互交換可能に使用されることに注意すべきである。好ましくは、インターフェログラム要素の間隔は、調査下のスペクトル領域に依存して選択され、スペクトル領域の最高周波数が1サイクル当たり少なくとも1のインターフェログラム要素、好ましくは2、4、8、16、32、64または128インターフェログラム要素のように1を超えるように選択される。典型的に、かかる小さい間隔の目的は、より高いドメイン分解を有するインターフェログラムの決定を許容することであり、好ましくはこれが決定の質を高める。赤外線スペクトル領域を考慮する場合、典型的に、約600ないし10,000cm−1の範囲の周波数に関し、一般的に、約2μm、好ましくはほぼ1.0、0.8、0.5、0.2、0.1、0.05のような2μm未満またはなお0.05μm未満の光路差(OPD)を表すインターフェログラム要素を得ることが好ましい。
【0095】
本発明のさらなるいくつかの好ましい形態は、インターフェログラム・ドメイン中の不均一な間隔で得られたインターフェログラム要素を含む。かかる形態においては、インターフェログラムのいくつかのセクションにおいて変化するドメイン分解能を有するインターフェログラムを得ることが好ましく、好ましくは分解能はインターフェログラムの特徴を表す情報を反映するセクションにおいて高い。かかるセクションは、典型的に、マイケルソン干渉計からのインターフェログラム中のセンターバーストにおけるまたはそれに近いような、変調がドメインの関数として変調した強度における実質的変化を引き起こす領域である。典型的に、インターフェログラム要素のかかる不均一な間隔は、インターフェログラムの測定の間の変調の速度またはデータ収集の速度のうちの1または両方を変化することによって得る。データ収集の速度は、データの連続する獲得の間の時間の逆数と定義される。変調の速度は常に変化させることができない。しかし、例えば、マイケルソン干渉計では運動ミラーの線形速度が変調の速度、例えば時間当たりの変化OPDを決める。
【0096】
IRスペクトル領域、すなわち近−IR、中−IRまたは遠−IRを考えた場合、本発明の幾つかの好ましい形態は、例えばマイケルソン干渉計によって変調する場合のように、光の異なるフラクション間の光路差(OPD)を変化することによる光の変調に関する。これらの形態の幾つかにおいて、最大OPDは1.0cm以下とすることが好ましく、好ましくは0.8、0.6、0.5、0.4、0.3、0.2よりも短く、なお好ましくは0.1cmよりも短い。他の等しく好ましい形態において、OPDは0.07、0.06、0.05、0.04、0.03、0.02cmよりも短い、さらに0.01cmよりも短いような0.08cmよりも短い。
【0097】
幾つかの形態において、インターフェログラムは、センターバースト付近のインターフェログラム要素の位置において対称または実質的に対称であることが好ましく、好ましくはマイナスおよびプラスのOPDの程度は実質的に等しい。これらの形態は、典型的に、変調した情報の対称特性を利用することによって特徴付けられる。他の等しく好ましい形態において、インターフェログラムは非対称であることが好ましく、好ましくはセンターバーストの位置はインターフェログラムの長さのほぼ45、30、20、10、5、2または1パーセントの位置である。すなわち、インターフェログラムの長さは、インターフェログラムのいずれかの末端から測定して表されるインターフェログラム・ドメインのスパンとして決まる。好ましくは、センターバーストの位置は、インターフェログラムの長さの20、15、10、5、2または1パーセントのようなまたはそれよりも近いようなインターフェログラムのいずれかの末端に近接している。
【0098】
本発明の幾つかの形態は、短いOPDを表すインターフェログラムを考えた場合、好ましくはインターフェログラム由来の他の情報と組み合わせた、例えば吸収、伝達または放出特性のようなスペクトル特性を決定する目的のフーリエ変換、例えば高速フーリエ逆変換(FFT)の適用を含む。短いOPDの結果としての制限されたスペクトル分解能を補償するために、FFTは好ましくはゼロ−フィリングの方法を用いて行い、したがって内挿法によって、および/または好ましくは周期関数または他のローディング関数のスコアを用いることによるようなインターフェログラムからの情報を用いてかかる中間情報を決定することによって、スペクトルデータの表示が得られる。
【0099】
本発明の1のしばしば好ましい形態は、インターフェログラムとローディング関数との間の積を形成することによって値(すなわち、スコア)を形成することであり、2を超える積が形成される場合は、値はこれらの積の合計である。内部積の好ましいローディング関数は、周期関数、例えば余弦または正弦関数は所定の周波数を表し、または合計が実質的にゼロである関数、例えば平衡関数であるように、少なくともセクションにわたって種々の特性を有することができる。幾つかの他の等しく好ましいローディング関数は、システムのモデルを形成し、かかるモデルから関数情報を導くことによるように、分析するシステムの知識を用いることによって決定する。かかる関数は周期関数の合計とすることができ、好ましくは変量ウェイト(variable weight)および/または主成分および/または部分的最小二乗ローディングのような他のローディング関数の合計とすることができる。ローディング関数が周期関数または平衡関数である場合、幾つかの形態は周期関数の実質的に全サイクルを表すセクションまたは平衡関数の合計がゼロであるセクションについて個々のスコアを得ることを好む。かかる全サイクルの始点および終点は、関数の値がこれらの点において実質的にゼロであるように好ましくは選択する場合がある。これは、任意の始点および終点について観察し得るよりも良好な「安定性」を生じる場合があるからであり、この場合の「安定性」とは、1または幾つかのインターフェログラム要素のシフトを表すような、始点および終点がわずかに変化するにしたがうスコアにおける変化に対する抵抗である。スコア、例えば積セグメントを形成するためにインターフェログラムのセクションを用いる幾つかの好ましい形態は、例えば各スコアがサイクルまたは平衡セクションを表す場合には、インターフェログラムの1を超えるセクションを用い、例えば異なるインターフェログラム・セクションのローディング関数のスコアおよび/または異なる周期関数のスコアを表し、1またはそれを超える周波数を表す。多くの好ましい形態において、かかるセクションは連続的であり、一方で他の等しく好ましい形態においてはかかるセクションはインターフェログラム・ドメインから離して置く。
【0100】
本発明の好ましい形態において、個々のインターフェログラム要素は分析を行うベースの少なくとも一部分を使用する。得られたかかるインターフェログラム要素の目的について、厳密には、全体インターフェログラムよりもむしろ適当なインターフェログラム要素を測定することのみが必要であることは明らかである。しかしながら、数学的な事情において、これは、変換においてデルタ関数(すなわち、値が0と異なる1の位置を除くすべての位置で0の値を有する関数)を用いてインターフェログラムまたはそのセグメントから該インターフェログラム要素を抽出することと等しい。計算方法に依存して、本発明の形態はDiracまたはKroneckerデルタ関数のいずれかを好む。
【0101】
質的には、ローディングのスコアは周波数を表す単一の周期関数であり、全インターフェログラムはその特定の周波数についてのFFTの結果に似ている。幾つかの形態はかかるローディングスコアを好む。これはいずれかの周波数の対応するスペクトル特性を実質的に決定し、FFT法によって決定した周波数はインターフェログラムを得た条件、例えば要素の位置および間隔によって決定する。さらに好ましくは、かかるローディング関数は全てのインターフェログラム要素と積を形成しないが、好ましくは見出されまたは決定した要素のみ改善された質を得る。1の好ましい形態は、実質的に整数の数の周期関数の全サイクルが示されるインターフェログラムのかかるセクションのみ含むことである。本発明の幾つかの好ましい形態において、周期関数の異なるサイクルは等しく加重し、一方で他の等しく好ましい形態は少なくともいくつかのサイクルに異なるウェイトを適用する。
【0102】
理想的な条件下の電磁シグナルの変調のようなスペクトル特性の決定は、使用しているシステムの物理学的および電気的特性から独立し、一方では、実際には、システムの組立てに使用した成分の大部分の不完全および不安定な特性に起因して、これは得ることが困難となり得る。本発明の幾つかの形態は実質的に安定な条件に依拠し、一方で、多くの安定性態様は組立てを通して好ましくはアドレスさせ、幾つかは好ましくは本発明の形態によって好ましくはアドレスされる。典型的な変化可能な積はシグナル感度であり、それは幾つかの因子に大いに起因することができるが、正味の効果は1の時間から他の時間または1のシステムから他のシステムで、観察されたシグナルにおいて強度が異なる。感度における差がすべての周波数について同一である場合、それは各インターフェログラム要素にスケール化変数を適用することによって補償することができるが、これは珍しいケースである。感度における変動は典型的に周波数に依存するからである。かかる条件下では、幾つかの形態において、かかるスケール化は異なる値を有することが好ましく、かかる値はローディングの周波数成分、例えば周期関数の基礎的周波数に基づいて決定される。好ましくは、かかるスケール化の特性は、機器に関連する特性における変動に関してモデルの予想特性を改善するか、または、異なる機器の機器に関係する特性に関してかのいずれかである。
【0103】
分光学的測定に影響する他の特性は、IR分光学における水および/二酸化炭素気体のような変数スペクトル干渉である。典型的な分光学適用は、例えば試料ブラインドの測定によって、変化する条件について補償するために公知の条件でとった測定に依拠している。本発明の幾つかの形態はかかるアプローチを含む、その目的は各周波数の感度を実質的に決定し、この情報を用いて所定の様式でローディングおよび/またはスコアをスケール化することである。
【0104】
多くの好ましい形態において、試料ブラインドのスペクトル特性を測定することが好ましいが、本発明の他の等しく好ましい形態は、決定すべき試料の測定から効果変動条件を決定することである。本発明の形態は、変動条件の特性の先の決定を使用して得られたインターフェログラムにおけるその存在および/または効果を決定し、この決定を使用して変動条件を補償および/または除去する。
【0105】
本発明のいくつかの好ましい形態は、試料または試料の成分の化学的または物理学的特性の決定の線形モデルの適用を含む。しばしば好ましくは、決定する特性およびスペクトル情報の相関が線形でない場合、線形または実質的に線形の相関を確立するために、インターフェログラム要素および/またはモデルパラメータを変換し、一方で、幾つかの他の等しく好ましい形態において、決定モデル、例えばPCA、PLSまたはANN較正モデルを作成するために用いる方法の固有の特性に依拠することによって線形相関の欠陥を補償することが好ましい。
【0106】
予想モデル、例えば較正モデルを作成する場合、多くの変動効果、例えば、温度、圧力、スペクトル感受性および/または干渉ドメインにおけるインターフェログラム要素の位置を含むことができる場合もあり、それは測定したデータ、例えばインターフェログラムに影響を有し、かかる影響を無視するまたは補償するようにモデルを訓練する。一方、これらの効果の幾つかは較正試料の測定の間に実感することが困難となり得、またはその影響の抑制はモデルの決定特性を激しく妥協し得る。したがって、本発明の幾つかの好ましい形態は、予想モデルの作成において使用される機器または複数の機器上で測定されるようにインターフェログラムが表示されるように、所定の機器上で測定したインターフェログラムを実質的に変換する測定したインターフェログラムの変換を含む。かかる変換の1の好ましい効果は、いずれかの機器上での決定の統計的な質がモデルの決定に使用した機器または複数の機器のものに匹敵し、かかる統計的な質が予測の精度および/または正確さとして表されることである。しばしば、変換の特性は、機器の状態、例えばモデルの展開に使用する機器または複数の機器のかかる状態に対して、公知の特性の光源のようなデータ獲得の制御に仕様する手段の州ぺくろつ応答および/または特性に基づいて決定することが好ましい場合がある。本発明の幾つかの形態において、測定したインターフェログラムの変換は、測定するインターフェログラムおよび/または機器によって以前に測定した1またはそれを超えるインターフェログラム(または複数のインターフェログラム)のような測定したインターフェログラムの特性に参照して行い、好ましくはかかるインターフェログラムは参照条件下で測定する場合もある(例えば、試料ブラインドの測定)。
【0107】
モデル、例えば較正モデルの決定に使用するデータの測定の条件と比較していずれか所定の時間のいずれか所定の機器による試料の測定の間に干渉データの生成および/または決定に影響を有する1またはそれを超える因子が実質的に異なる適用において、本発明の幾つかの好ましい形態は、かかるモデルから導いた決定の統計的な質が較正用のデータの生成に使用した機器またはいずれかの実質的に同一の機器で行う較正および/またはかかる決定の間に作成した決定の統計的な質に匹敵するように、ローディングのようなモデル特性を変換するための方法を含み、かかる統計的な質は予想の精度および/または正確さとして表される。しばしば、形質転換の適用は、好ましくは1またはそれを超える問題の機器の特性、例えば干渉ドメインにおけるスペクトル感度および/またはインターフェログラム成分の位置によって、好ましくはかかる特性をモデル生成に使用した機器または複数の機器の同一の特性に関係付けることによって制御または決定する。本発明の幾つかの形態において、モデル特性の変換は、測定するインターフェログラムおよび/または機器によって以前に測定した1またはそれを超えるインターフェログラム(または複数のインターフェログラム)のような測定したインターフェログラムの特性に参照して行い、かかるインターフェログラムは参照条件下で測定すること、例えば試料ブラインドの測定がしばしば好ましい。
【0108】
好ましくは試料または試料の成分の化学的または物理学的特性に関係する試料の公知の特性を含む較正によって決定するモデルを第1の機器で展開し、好ましくはこれらの試料を幾つか測定し、好ましくはモデルの特性が、実質的に第2の機器の状態のいずれの先行知識なしに、それが第2の機器での測定に適用されることを許容し、より好ましくは第2の機器の状態の先行技術を含むことによって、前記のいずれかの請求項に係る方法
【0109】
本発明の幾つかの非常に好ましい形態は、インターフェログラムと問題の特性との間の相関を決定することによって試料または試料コンパートメントの化学的または物理学的特性の決定を許容するモデルの生成用の多変量較正の方法を使用する。かかる好ましい多変量法は、PLS、PCA、LS、ANN、PARAFAC、Tucker3を含む。
【0110】
本発明の形態は、いくつかの異なる型の試料の特性の決定に良好に好適であり:かかる試料には、環境試料、飲料水、浴槽水、プロセス用水、冷却水のような水性試料;組織試料、血液試料、尿試料、糞便試料、細胞培養サンプル、細菌培養物、酵母培養物のような生物試料;油試料、石油試料、油脂試料、医薬試料のような産業試料;ミルク試料、乳製品物試料、肉試料、魚試料、果実試料、野菜試料のような食料試料;排気ガス、発酵ガス、可燃性ガスのような気体試料が含まれる。
【0111】
さらに、分析物の異なる特性は、本発明の形態を用いて決定することに好適であり;スペクトル特性、温度、濁度、全有機材料、乾燥材料、溶解材料、クロロフィル、繊維、アミノ酸、タンパク質、脂肪、脂肪酸、脂質、グリセリド、コレステロール、酵素、糖、グルコース、アルコール、エタノール、メタノール、酸、クエン酸、酸性酸(acidic acid)、脂肪族化合物、芳香族化合物、ケトン、アルデヒド、pH、密度、塩分、色が含まれる。
【0112】
本発明の形態は、X−線、UV/可視光、近−IR、中−IR、遠−IR、マイクロ波、無線周波数のような、異なるスペクトル領域の電磁シグナルを含む分析に首尾よく適用する。
【0113】
さらに、吸収、伝達、反射、放出のような分光学的技術は本発明の形態に良好に適し、例えば検出が光子、磁気、熱または圧力のような現象を検知し、スペクトル方法の適用を生じることを含む場合に良好に適する。
【0114】
いくつかの異なる群の試料の特性を本発明の形態で決定することができ、それには、食料または飼料試料、好ましくは食料または飼料試料は以下のものの1または幾つかであり、果汁、ミルク、乳製品、穀物、シリアル、飲料試料、好ましくは飲料試料は以下のものの1または幾つかであり、ジュース、ソフトドリンク、ビール、ワイン、スピリッツ、医薬試料、好ましくは医薬試料は以下のものの1または幾つかであり、医薬製品の製造に使用する原料、医薬製品の製造に使用する中間生成物、医薬製品、または化学生成物のような他の産業生成物。さらに、生物試料の特性の決定に含まれるのは、好ましくは生物試料は以下のものの1または幾つかであり、組織試料、血液試料、尿試料、糞便試料、好ましくは試料はヒトまたは家畜起源のもの、環境試料、好ましくは環境試料は以下のものの1または幾つかであり、土壌、水性液、気体。監視またはセキュリティーに関するいまだ他の適当において、火災の前段階の検出におけるような本発明の形態は非常に好ましく、火災の前段階には上昇した熱またはガスの放出が含まれ、熱または高温スポットの直接的決定による火災、例えば揮発性化学物質を含む化学物質をこぼすこと、水をこぼすことまたは蒸気、またはヒトまたは動物のような熱放出対象の存在または不存在についても、スペクトル分解能は慣用的な方法を超える幾つかの利点を提供する。これらの形態は好ましくは、インターフェログラムが能動的無線検知の結果として得られる場合に好ましくは適用される。
【0115】
本発明による典型的な適用は、光の減衰、好ましくは光の吸収または散乱によって引き起こされる減衰の決定である。あるいは獲得された情報は、光の吸収によって実質的に引き起こされる気体または空気の振動または圧力(光音響分光学)または試料または標本から反射される光(反射分光学、乱反射分光学)に関する。さらなる適用は試料または標本から放出される光であり、該放出された光は実質的により高いエネルギーの光の吸収によって引き起こされ(フォトルミネセンス分光学)、好ましくは放出された光は蛍光であり(蛍光分光学)、試料および標本から放出された光であり、該放出された光は実質的に同じエネルギーの光の相互作用によって引き起こされ(例えば、ラマン分光学)、好ましくは相互作用する光はプラスまたはマイナスのストーク・シフトを反射し、または試料または標本から放出された光であり、該放出された光は放出光、好ましくは熱放射(放出分光学)に関し、あるいは化学的プロセスを通して試料または標本で発生した光(化学ルミネセンス分光学)にも関し、好ましくはその化学的プロセスは酵素および基質を含む。また、全反射法(ATR)も多くの形態の中で好ましい。本発明の幾つかの形態は、核磁気共鳴(NMR)または電子スピン共鳴(ESR)のような光以外の特性に基づく分光学的方法においても適用を有する。
【0116】
項目
以下の項目に従って本発明の好ましい形態をさらに記載する:
1.試料の少なくとも一部分から放出された、それに伝えられたかまたはそれを通過して伝えられた、またはそれと相互作用した電磁シグナルの変調からインターフェログラムを得、
インターフェログラムを2またはそれを超えるスペクトル特性に変換し、
インターフェログラムおよび/またはスペクトル特性を化学的または物理学的特性に相関させる
ことを含む試料または試料の成分の化学的または物理学的特性を決定する方法。
【0117】
2.インターフェログラムが変調の実質的に異なる状態を表す2またはそれを超えるデジタル化されたデータポイントを含み、好ましくはインターフェログラムが時間、周波数、位置または距離の等しい表示間隔の変調の状態を表す3またはそれを超えるデジタル化された干渉データポイントを含む、項目1に記載の方法。
【0118】
3.1またはそれを超えるデジタル化した干渉データポイントが少なくとも2の異なるデジタル化した干渉データポイントに対して等しくない間隔で離れている時間、周波数、位置または距離での変調の状況を表し、好ましくは相対的な間隔がインターフェログラムの特徴の表示を改善する目的を有する、項目2に記載の方法。
【0119】
4.デジタル化した干渉データポイント間の間隔がインターフェログラムの他のセクションにおけるよりもインターフェログラムの1のセクションにおいて短く、好ましくはより短い間隔のセクションのサイズが、少なくとも1の、好ましくは2またはそれを超える考慮する最大周波数の電磁シグナルのサイクル(または複数のサイクル)の時間、周波数、位置または距離に対応し、好ましくはより短い間隔のセクションがインターフェログラムのセンターバーストにまたはその付近に存在する項目3に記載の方法。
【0120】
5.変調した電磁シグナルが10,000ないし200cm−1の周波数領域に存在し、変調手段が通過する異なる距離(光路差、OPD)を有する光を合することによって光を変調するインターフェロメーターであり、最大OPDが好ましくは1.0cm未満、好ましくはそれが0.8、0.6、0.5、0.4、0.3、02またはさらに0.1cmよりも短い前記項目のいずれかに記載の方法。
【0121】
6.OPDが0.07、0.06、0.05、0.04、0.03、0.02よりも短いような、またはさらに0.01cmよりも短いような0.08cmよりも短い項目1ないし4のいずれかの項目に記載の方法。
【0122】
7.変調した電磁放射がインターフェログラム・ドメインのポイント付近で対称または実質的に対称であり、インターフェログラム・ドメインの表示の大きさが対称点に対する両方の方向で等しいまたは実質的に等しい前記項目のいずれかの項目に記載の方法。
【0123】
8.変調した電磁放射の干渉がインターフェログラム・ドメインのポイント付近で対称または実質的に対称であり、インターフェログラム・ドメインの
表示の大きさが対称ポイントに対して2の方向において等しくない前記項目のいずれかに記載の方法。
【0124】
9.インターフェログラム・ドメインの対称のポイントが、表示したインターフェログラム・ドメインのいずれかの極値に対してインターフェログラム・ドメインの表示の5%ないし45%、好ましくは20%ないし30%のインターフェログラムの位置に位置する項目7に記載の方法。
【0125】
10.インターフェログラム・ドメインの対称のポイントが、表示したインターフェログラム・ドメインのいずれかの極値からインターフェログラム・ドメインの表示の20%のまたはそれよりも近い、好ましくは表示したインターフェログラム・ドメインのいずれかの極値から10%またはそれよりも近いインターフェログラムの位置に位置する項目7に記載の方法。
【0126】
11.インターフェログラムを高速フーリエ変換法を用いて周波数強度に変換し、好ましくは試料または試料の成分の特性が吸収、伝達または放射スペクトルの決定である前記項目のいずれかに記載の方法。(ゼロ・フィリング)
【0127】
12.スペクトル特性がインターフェログラムおよびローディング関数の内部積の結果、すなわちスコア値である前記項目のいずれかに記載の方法。
【0128】
13.ローディング関数が較正を通して決定され、好ましくは較正の目的が試料または試料の成分の化学的または物理学的特性の決定を実質的に最適化することである項目11記載の方法。
【0129】
14.ローディング関数が周期関数であり、好ましくは周期関数がインターフェログラムに表示される2またはそれを超える周期を有し、好ましくは周期関数が余弦または正弦関数である項目11記載の方法。
【0130】
15.ローディング関数が対称であり、好ましくはローディング関数の合計が実質的にゼロに等しい項目11ないし13のいずれかに記載の方法。
【0131】
16.インターフェログラムの部分のサイズが実質的に周期関数の単一の周期を表し、好ましくはインターフェログラムの部分が2またはそれを超える周期を表す項目13記載の方法。(端における内挿法、不完全周期)
【0132】
17.周期関数の2またはそれを超える周期が連続的である項目16記載の方法。
【0133】
18.スコアを用いて試料または試料の成分の吸収、伝達または放射特性を決定する項目11ないし17のいずれかに記載の方法。
【0134】
19.インターフェログラムおよび/またはローディングおよび/またはスコアをスペクトル特性の変換の前にスケール化し、好ましくはスケール化の目的が化学的または物理学的特性に対するスペクトル特性の相関において実質的に改善された安定性および/または信頼性を得ることであり、好ましくはスケール化が相関に影響する変数を部分的または実質的に補償する前記項目のいずれかに記載の方法。
【0135】
20.スケール化を測定系の状態を反映する情報に基づいて決定され、好ましくはスケール化をインターフェログラムに反映された特性に基づいて決定する項目16記載の方法。
【0136】
21.スケール化がインターフェログラムおよび/またはローディングおよび/またはスコアを測定系の参照材料または参照条件の測定を通して得られた対応する特性に関係付ける目的を有し、好ましくは参照材料が実質的に化学的または物理学的成分を実質的に含まない試料を表す、例えば、試料ブラインド、項目16または17に記載の方法。
【0137】
22.インターフェログラムおよび/またはローディングおよび/またはスコアを予め決定した数字関数に付し、好ましくは数字関数が情報が化学的または物理学的特性に良好に対応するようにそれを変換し、より好ましくは数字関数が情報が化学的または物理学的特性に実質的に線形に対応するようにそれを変換する前記項目のいずれかに記載の方法。
【0138】
23.測定したインターフェログラムを変換に付し、好ましくは変換の目的が第1の機器で測定したインターフェログラムの観察をそれが第2の機器で得られたように表示することであり、好ましくは目的が第2の機器を用いて展開した決定モデルを用いて決定の統計学的な質を改善することである前記項目のいずれかに記載の方法。
【0139】
24.変換の特性を第2の機器の状態に対する第1の機器の状態で決定する項目20記載の方法。
【0140】
25.変換の特性または第1の機器の状態を測定したインターフェログラムに基づいて決定し、好ましくはそれを1または幾つかの以前に測定したインターフェログラム(または複数のインターフェログラム)に基づいて決定する項目20または21に記載の方法。
【0141】
26.ローディング、第1の機器での測定に基づいて決定するためのモデルの部分を変換に付し、好ましくは変換の目的が第2の機器の測定から導いた決定をそれが第1の機器で得られたように表示することであり、好ましくは目的が第1の機器を用いて展開した決定モデルを用いて決定の統計学的な質を改善することである前記項目のいずれかに記載の方法。
【0142】
27.変換の特性を、第2の機器の状態に対する第1の機器の状態によって決定する項目23記載の方法。
【0143】
28.変換の特性または第2の機器の状態を測定したインターフェログラムに基づいて決定し、好ましくはそれを1またはそれを超える以前に測定したインターフェログラム(または複数のインターフェログラム)に基づいて決定する項目23または24に記載の方法。
【0144】
29.決定のためのモデルが第1の機器で展開され、好ましくは試料または試料の成分の化学的または物理学的特性およびこれらの試料の1の、好ましくは幾つかの測定に対する試料の公知の特性を含む較正によって展開され、好ましくはモデルの特性が、実質的に第2の機器の状態のいずれの先行知識なしに、より好ましくは第2の機器の状態の先行知識を含むことによって、それが第2の機器の測定に適用されることを許容する前記項目のいずれかに記載の方法。
【0145】
30.化学的または物理学的特性の決定を、予め決定した予想モデルをインターフェログラムおよび/またはスペクトル特性に適用することによって行い、好ましくは予想モデルを較正を通して決定し、好ましくは較正がPLS、PCA、LS、ANN、PARAFAC、Tucker3のような多変量較正である前記項目のいずれかに記載の方法。
【0146】
31.試料が以下のもの:環境試料、飲料水、水泳水、プロセス用水、冷却水のような水性試料;組織試料、血液試料、尿試料、糞便試料、細胞培養試料、最近培養物、酵母培養物のような生物学的試料;油試料、石油試料、油脂試料、医薬試料のような工業試料;ミルク試料、乳製品試料、肉試料、魚試料、果実試料、野菜試料のような食料試料;排気ガス、発酵ガス、可燃性ガスのような気体試料のうちの1を表示する試料である前記項目のいずれかに記載の方法。
【0147】
32.評価する化学的または物理学的特性が以下のもの:スペクトル特性、温度、濁度、全有機材料、乾燥材料、溶解した材料、クロロフィル、繊維、アミノ酸、タンパク質、脂肪、脂肪酸、脂質、グリセリド、コレステロール、酵素、糖、グルコース、アルコール、エタノール、メタノール酸、クエン酸、酸性酸、脂肪族化合物、芳香族化合物、ケトン、アルデヒド、pH、密度、塩分、色のうちの1である前記項目のいずれかに記載の方法。
【0148】
33.電磁シグナルが以下のスペクトル領域(または複数のスペクトル領域):X−線、UV/可視光、近−IR、中−IR、遠−IR、マイクロ波、無線周波数のうちの1または幾つかである前記項目のいずれかに記載の方法。
【0149】
34.インターフェログラムを以下の分光学的方法:吸収、伝達、反射、放出のうちの1または幾つかと結合して得る前記項目のいずれかに記載の方法。
【0150】
35.インターフェログラムが以下の現象:光子、熱、圧力のうちの1または幾つかの検出を反映する項目31に記載の方法。
【0151】
36.決定する特性が食物または飼料試料の化学的または物理学的特性であり、好ましくは食料または飼料試料が以下のもの:果汁、ミルク、ミルク製品、穀物、シリアルのうちの1または幾つかである前記項目のいずれかに記載の方法。
【0152】
37.決定する特性が飲料試料の化学的または物理学的特性であり、好ましくは飲料が以下のもの:ジュース、ソフトドリンク、ビール、ワイン、スピリッツのうちの1または幾つかである項目1ないし32のいずれかに記載の方法。
【0153】
38.決定する特性が医薬試料の化学的または物理学的特性であり、好ましくは医薬試料が以下のもの:医薬生成物の製造に用いる原料、医薬生成物の製造の中間生成物、医薬生成物のうちの1または幾つかである項目1ないし32のいずれかに記載の方法。
【0154】
39.決定する特性が生物試料の化学的または物理学的特性であり、好ましくは生物試料が以下のもの:組織試料、血液試料、尿試料、糞便試料のうちの1または幾つかであり、好ましくは試料がヒトまたは家畜起源のものである項目1ないし32のいずれかに記載の方法。
【0155】
40.決定する特性が環境試料の化学的または物理学的特性であり、好ましくは環境試料が以下のもの:土壌、水性液、気体のうちの1または幾つかである項目1ないし32のいずれかに記載の方法。
【0156】
41.決定する特性が位置の状態または特性であり、好ましくは場所の状態または特性が以下のもの:火災の前段階、火災、化学物質が溢れること(chemical spillage)、水が溢れることのうちの1または幾つかであり、好ましくはインターフェログラムを能動的リモート・検出の結果として得る項目1ないし32のいずれかに記載の方法。(環境特性、ヒトの存在)
【0157】
実施例1
平衡した関数
本発明の幾つかの形態において、1またはそれを超える平衡したローディング関数を用いることが好ましく、「平衡した」なる用語は、ローディング関数の合計が等しいまたはゼロである特性をいう。この特性は、それが「バックグラウンド」または高い「周波数」ノイズを偏倚または徐々に変化するようなインターフェログラム特徴の影響を抑制または最小限化することが関心あることである場合である。
【0158】
図1は幾つかの単純な平衡した関数を表す。グラフの横(x−)軸は2π−周期の数(例えば、マイケルソン干渉計におけるOPD時間波数、またはNMR−FIDにおける時間時間周波数)を表し、縦(y−)軸はウェイト(軌道)を表す。1において、関数はゼロ付近で示されているが、これらの関数はインターフェログラム中のいずれかの位置で評価することができる。
【0159】
平衡した関数の数は限定されないが、しばしば、1または多数の2π−周期にわたって伸長する余弦および/または正弦関数のような単純な関数が好ましい。図1のグラフ(i)ないし(iii)は余弦関数に基づくかかる関数を図示する。図1のグラフ(i)は、単一の2π−周期に伸長する余弦関数を示すが、該周期の外側では関数は0の値を有する。グラフ(ii)は2の2π−周期に伸長する余弦関数を示す。グラフ(iii)は単一の周期によって分離された2の2π−周期からなる余弦関数を示し、第2周期のウェイトは第1の周期に対して減少している。
【0160】
本発明の形態においてしばしば好ましい余弦または正弦関数のよりもわずかにより正確な他の関数は、図1グラフ(iv)ないし(vi)に示す本発明の形態にしばしば好ましい。これらの関数、および試料余弦または正弦関数の間の主な明らかな相違点は、それらが関数の中心付近で対称であることである。関数の境界の外側では、以下に説明するように、関数は0の値をとる。図1のグラフ(iv)は、4の2π−周期に伸長する関数を示し、この関数の等式は2の余弦関数の積である;f(x)=cos(2πx)*cos2(1/4πx)。2の2π−周期に伸長するグラフ(v)における関数も2の余弦関数の積である;f(x)=cos(2πx)*cos2(1/2πx)。最後に、3/2の2π−周期に伸長するグラフ(iv)の関数は形態;f(x)=cos(2πx)*cos(2/3πx)を有する。
【0161】
結論
本発明の幾つかの好ましい形態は、平衡したローディング関数の使用を含む。前記に示した関数として「単純な」関数の積合計、例えば1、2または典型的にはわずか数2π−周期、例えば内部積を計算することから得られたスコアであるが、合した関数が平衡した特性を保持し、予想モデルにおけるこれらの関するから得られるスコアを使用するように、より広範な関数、例えば「単純な」ローディング関数に基づいて構築することが好ましい場合もある。典型的には、好ましいローディング関数の数は1よりも大きく、典型的には考慮下のシステムに存在する独立パラメータまたはパラメータ変数の数と等しいかまたはそれよりも大きい。ローディング関数の数および形態は、好ましくはそれが使用するモデルの予想の精度および/または正確さを最適化するように決定する。
【0162】
実施例2
「共分散」の積セグメント
本発明の積セグメントは、インターフェログラムのセクションにわたって伸長する。理論的には、それは幾分からの周波数「異常」、例えば「純粋な」周波数情報からの偏りを含まない所定の周波数における周波数情報を導き出すための所定の長さのインターフェログラムを必要とする。インターフェログラムがかなり大きい分光学においては、これらの異常はシャープなスペクトル特徴に近いバンドの広がりまたは幾つかの場合では縞と見ることができる。本明細書における「異常」なる用語は、例えば分光学特性よりも計算によって得られた場合の、観察された特性をいう。
【0163】
シェモメトリック的な意味において、かかるスペクトル異常は、周波数における強度の変化が他の周波数における観察された変化を引き起こすような、観察された周波数の間の共分散と見ることができる。スペクトル異常は、例えば重複するスペクトル情報が観察される低分解能で観察される。本発明の幾つかの好ましい形態は、モデルのデータ源として、短いセグメントのインターフェログラムを使用することを含む。したがって、同様にして、スペクトル異常が予想し得る場合は、同様の共分散が存在するであろう。
【0164】
余弦としての単純なセグメント・セグメントは、多くの異なる特性を有し得る。その基礎周波数、インターフェログラムにおける位置、長さ(例えば、数2π周期における)およびウェイトのような特性は影響を有することが予想される。この2aおよび2bを説明するために、ローディング、例えば積セグメントとして余弦周期関数の使用において予想される共分散の表示を提供する。以下のように、本発明者らは、1500cm−1の周波数(波数)に対応する余弦関数を考えるであろう。余弦周期関数のスコアでは他の周波数、例えば領域1000ないし4000cm−1の共分散の効果を考える。
【0165】
観察された効果は余弦周期関数の位置に依存するであろうため、本実施例の結果はそれがインターフェログラムにおける幾つかの所定の位置に位置するため、周期関数で考えられた周波数の最大の観察された効果を表す。考えられる位置は、基礎周波数における余弦関数がゼロの値を有する場合の位置(π(n−1/2)に対応するインターフェログラムの位置、式中nは整数である)である。これは、主としてインターフェログラムの有限の性質によって引き起こされる、いくつかの「より広い効果」を減少するために選択し、ボーダーにおける値は低くウェートされる。
【0166】
図2aは長さ1、2、4、8、16および32の2π−周期(または複数の周期)の余弦周期関数の間の共分散の質的測定を示す。横(x−)軸は周波数(波数)を表し、縦軸(y−)軸は共分散(自由な単位)を表す。グラフの脚注は、2π−周期(または複数の周期)の数における余弦機能の長さを示す。各グラフは、対応する周波数が周波数1500cm−1における余弦周期関数上で有する最大効果を示す。
【0167】
1ないし32の2π−周期の範囲の余弦関数の異なる長さを考えると、図2aは、1500cm−1の基礎周波数付近における大部分の周波数が周期関数のスコアに対してかなりの効果を有するという意味で、単一の周期が非常に特異的でないことを示す。ローディング関数の長さが増大するに従って、この効果は予想し得るように変化する。スペクトル分解を表す場合にかかるスペクトルが解釈することが困難であろうように、かなりの幅を有するが、4の2π−周期ほど小さいローディング関数の使用は異なる「ピーク様の」特性を示す。表す最長のローディング関数は32の2π−周期であり、この関数はかなり狭い共分散関数を表す。
【0168】
図2bは、単一の2π−周期余弦関数のセグメントの形態にローディング関数を用いる場合、図2aと同様に共分散特性を示す。初めは図2aに示す32の2π−周期のローディング関数であり、そこでは幾つかの2π−周期が削除されている(例えば、ウェイト0が与えられている)。グラフ(n)上の脚注は、(2)においては毎回ほかの2π−周期を用いること(2π−周期、1、3、5・・・・・)、(4)においては第4の周期毎を用いること(1、5、9・・・・・)を用いること、などのように、連続する削除した2π−周期の数を示す。
【0169】
図2bのグラフは、2π−周期の数が減少するに従って、共分散の基本的形態が単一の2π−周期のものに近づくことを示している。さらなる周期の数(および位置)は、単一の2π−周期の「チョッピング」のソートを決める。
【0170】
結論
上記したことは、本明細書に定義したように、種々のローディング関数が異なる形態の共分散を示すことを示している。分光学においてかかる共分散が非常に望ましくない場合、例えばPLS、PCA/PCR、ANNなどのような多変量の較正を介して、多変量シェモメトリックス・モデルで簡単に取り扱うことができることはよく確立されている。実際、個々のおよび最適化した強調(例えば、個々のウェイティング)は、フーリエ逆変換における非ウェイト関数の使用を超える幾つかの利点を提供し得る。
【0171】
フーリエ逆変換スペクトル・データに基づいたシェモメトリック・モデルを展開する場合、典型的には単一または数個の周波数を選択し、あるいは少なくともモデルに対して関心のないいずれのスペクトル領域を排除する。このことは、しばしば「変数選択」と呼ぶ場合があり、目的は、限られた情報を運んでいるまたは適切な情報を運んでいない情報(例えば、ある起源の「ノイズ」によって優位を占められるような)の源を排除することによって、将来の試料の予想のモデルの精度および/または正確さのような予想特性を改善することである。本発明は「変数選択」の同じ特性を提供するが、全インターフェログラムおよび周波数関数の内部積のみの代わりに、インターフェログラム・データを選択することの加えられた特徴(例えば、セグメント)を有し、それは「純粋な」スペクトル情報を得るためのインターフェログラムのフーリエ逆変換の結果に原則的に等しい。
【0172】
実施例3
較正モデル
例えばシェモメトリクスの分野でしばしば行われるような、本発明の好ましい形態の多くに明らかな関連性を有する多変量較正の重要な結果は、変数選択の特徴である(本明細書において、変数は、スペクトル特徴または干渉情報のような試料の決定または測定した特性である)。ある程度は、変数選択は、例えばゼロにおけるまたはゼロに近い変数のウェイトを決定し、したがってそれを抑制することによる、モデル生成のたおめの伝統的なモデルの多くの特性である。この特徴は、主として限定された数の較正または訓練試料の場合には、全体的に頼ることが困難な場合がある。その理由は、数百または数千のような多数の変数の場合においては、1またはそれを超える変数で反映するランダムな特性(ノイズまたは無関係な情報の意味でのランダム)を関心のあるパラメータに相関する有意な確率が存在し得る場合があるからである。したがって、モデル生成の前に1またはそれを超える変数を排除する選択の場合もある。
【0173】
本発明の変数選択特徴を説明するために、種々の量の0%ないしほぼ10%の溶解した物質(ラクトース、スクロース、グルコース、フルクトース、マルトース、トリトンX−100、PEG)を含む66の水性試料のインターフェログラムをBomem FT−IR分光計で測定した。インターフェログラムは、機器の光路に置いたほぼ50μmの水性フィルムの測定から得た64の個々のインターフェログラムを加えることによって得た、約+/−0.06cm OPDに対応する二重面の「2kインターフェログラム」である。調べたシステムの典型的なスペクトルを図3dに示し、それは横(x−)軸の波数の関数としての縦(y−)軸の吸収を示している。スペクトルは水のスペクトル特性も示しており、1650cm−1付近および3100ないし3400cm−1の領域で最も顕著であり、水の吸収は顕著なスペクトル特性が全く測定されないほど強い。
【0174】
変数選択の1の単純な方法は、反復様式で、変数をPLS較正における較正ウェイトに乗じることであり、それは較正ウェイトをほぼ1(選択した)またはほぼ0(選択していない)のいずれかに調整する。効果は多数の変数の選択であり、選択した変数の数は、PLSモデルにおける因子の数と同様である。この方法を本実施例において用いて、グルコースの較正における変数選択を説明する。吸収スペクトルに対して変数選択を行い、約50の変数(システムのランクは約65)を選択すると、選択した変数を示す円によって、図3dに示す選択を生じた。この変数選択は、1000、1200、1400−1500および2800−3000cm−1における変数が最も表されることを示している。これらの領域はグルコースが吸収を有する波数領域に相当する。
【0175】
本発明の可能な変数選択を実証するために、10cm−1間隔で1000ないし4000cm−1の各周波数について余弦ローディング関数を構築した。1、4および16の2π−周期余弦関数のローディング関数を調製した。ローディング関数の3の異なる長さの各々について、これらの関数のスコアを各試料の各測定について決定した。各周波数において20のスコアを反復較正ウェイトの方法に従って選択した。選択したスコアを1、4および16の2π−周期のローディングについて各々図3a、3bおよび3cにプロットした。各ローディング長さスコアの選択したスコアの全て(全20×301=6020スコア)から5、10、15、20および50の因子のPLSモデルについてスコアを選択した。吸収データに対してPLSモデルを用いるこのシステムの実験から、初期のPLS因子は主として平均スペクトルを表すデータを収集しており、一方、後期の因子はグルコースのスペクトル特徴を表すデータを収集していることがわかる。較正および予想実験を通して、このシステムのPLS因子の適用な数は、15因子付近であることが決定された。
【0176】
単一の2π−周期スコアを用いた結果を図3aに示す。(−)と標識したグラフは、各周波数から選択したすべての20のスコアを示す。このグラフは、各周波数の選択したスコアの大部分がセンターバースト(OPD=0)付近に見出されることを説明している。5因子のPLSモデルについての選択した変数を(5)と標識したグラフに示す。選択したスコアは低周波数(1100cm−1付近)で2のオフ−センターバースト位置を有するセンターバーストに主に近い。同様の結果は、グラフ(10)、(15)および(20)に各々示す10、15および20cm−1に対応する選択に見出される。最後に、システムのフル・ランクに近く、したがって「オーバーフィッティング」しがちである50PLS因子を用いた選択したスコアは、OPD軸に沿って高い程度の散乱を示しているが、いまだ、センターバーストに近い高密度の全体像および低周波数の散乱を反映している。これらの知見は、図3dに示す吸収データに基づく周波数の選択とよく一致する。
【0177】
長さ4の2π−周期のローディングを用いて得たデータを示す図3b、および長さ16の2π−周期のローディングを用いて得たデータを示す図3cは、単一の2π−周期のみを用いて得たのと同様の結果を与えた。このことは、本発明の変数選択が安定であることを示している。
【0178】
選択したスコアを用いて得た較正モデルを調べることによって、先行技術からわかるように、スペクトルデータを用いて得られたものと同様の結果となる満足のゆく様式でモデルが実行されることが明らかになった。
【0179】
結論
これらの知見は本発明による方法が変数の選択に有用であることを示している。フーリエ逆変換によって得られたスペクトルデータの分析に基づく方法は、全体インターフェログラムに拡大する余弦ローディングを用いた方法と同様の結果を与えることが予想される。したがって、好ましくはインターフェログラムのセクションのみを考える本発明の方法は、考えるモデルの性能に積極的な様式で寄与しないインターフェログラムの領域を排除または抑制することが可能なため、スペクトル方法のそれに優る変数選択を得る可能性を許容する。
【0180】
実施例4
予想モデル
変調した情報を用いて試料または試料の成分の化学的および/または物理学的特性を決定するタスクは、本発明の異なる形態の特性である。幾つかの形態は電磁エネルギーの変調に、例えば中−IR光の変調のためにマイケルソン干渉計を用いるのと同様に、インターフェロメーターを用いることに関する。本実施例は、水性試料のグルコース含量を決定するための、かかる変調した光、例えばインターフェログラムの使用に関する。種々の量の0%ないしほぼ10%の溶解した物質(ラクトース、スクロース、グルコース、フルクトース、マルトース、トリトンX−100、PEG)を含む66の水性試料のインターフェログラムを、Bomem FT−IR分光計上で測定した。収集したインターフェログラムは、機器の光路に設置したほぼ50μmの水性フィルムの測定から得た64の個々のインターフェログラムを加えることによって得た、約+/−0.06cm OPDに対応する二重面の「2k インターフェログラム」である。短いOPDを有するインターフェログラムの使用を実証するために、1kのインターフェログラムまたは約+/−0.03cm OPDに等しいインターフェログラムの中央セクションのみを多変量モデルの生成のために選択した。
【0181】
用いた試料において、異なる成分は例えばグルコースについて特異的なスペクトル特徴が存在しない程度まで重複するスペクトル特徴の高い程度を示す。したがって、この例は典型的な適用を説明しており、高い程度の同一線上のスペクトル特性が試料の異なる成分間に存在する。
【0182】
測定したインターフェログラムを用いて、16の2π−周期ローディング関数の多数のスコアを構築する。これらのスコアは、1000ないし4000cm−1の範囲で毎10cm−1周波数または周波数の各々について全301の周波数について決定し、反復PLS較正に基づいて変数選択の方法を用いてスペクトル周波数に対応するがインターフェログラム・ドメインの16の2π−周期の各々の異なる位置で20のローディング関数を選択し、x−変数は各反復における概算較正ウェイトによってスケール化し、ほぼ0または1の値の一連の較正ウェイトを生じる。1に近い値は対応する変数の選択を示し、その数値はほぼPLSモデルの後期の変数、例えばPLS因子の数字に等しい。この方法は、その単純さおよびその非−パラメータ特性、例えばPLSモデルの因子の数字に加えてオペレーターの入力が必要ない、に起因して選択した。
【0183】
さらなる変数選択は、較正係数の反復ウェイティングの方法に66の試料の301×20スコア(合計6020スコア)を付することによって行い、今回は50因子のPLSモデルを用いる。これは54ローディング関数の選択を生じる。
【0184】
選択したローディング関数からの2セットのスコアを用いてモデルを作成した。グルコースの公知の特性を冠すc’=10−cによって変換し、ここにcはグルコースの濃度であり、c'はグルコースの変換した濃度である。この関数は、減衰と濃度との間のBeer−Lambert関係を想定して選択した。この変換の妥当性はグルコースの適度の濃度、例えば5%未満に起因して想定する。
【0185】
PLSモデルの後期変数の数は、測定値を6ブロックに分割することによって行うクロス確認の方法を用いて決定した。クロス確認は、1のブロックをモデルの外に置き、それを予想に用いることによって行った。これを各ブロックについて繰り返し、合計6のPLSモデルを得た。両方のモデルについて、合計17の有意な後期変数、例えばPLS因子を選択した。COおよびHO気体の変化する量、可能性のある環境の温度変化などのような幾つかのさらなる変数に加えて、試料中の化学成分の数(合計8の異なる化合物)に関連してこの値をもっともらしく判定した。17の潜在的変数を超えてモデルの複雑さが増すことは、「オーバーフィット」を導入するらしく、例えばモデルにランダム特性を含めること、それはモデル生成に用いる比較的少ない試料に起因してこの例における同定を困難とし得る。
【0186】
図4aおよび4bは、6020ローディングスコアを用いたモデルのグラフを示す。クロス確認の標準誤差(RMSECV)と表されるモデルの性能は0.094%グルコースであった。図4aのグラフは、公知、例えば参照値と試料の予想グルコース含量との間の相関を示し、図4bのグラフはグルコース濃度の関数としての公知および予想した値との間の差を示す。
【0187】
図4cおよび4dは、50の選択したローディングスコアを用いたモデルのグラフを示す。RMSECVとして表すモデルの性能は、0.065%グルコースであった。図4cのグラフは、公知、例えば参照値と試料の予想グルコース含量との間の相関を示し、図4dのグラフは公知とグルコース濃度の関数としての予想した値との間の差を示す。
【0188】
結論
2のモデルの結果は、本発明の方法が変調した情報に基づく特性の決定に適当であることを示している。手近の形態は、化学的特性に相関した場合、水性試料中のグルコースの濃度を決定することを可能にする多数のローディング関数を選択することが可能であることを示す。本発明のモデルは、試料のスペクトル特性の事前の知識なしに規定される。さらに、余弦関数のより正確な基礎周波数、2π−周期の数、または余弦以外のいずれか他の関数の使用のような、ローディング関数の最適化に注意する必要はない。かかる改善は、主として変数較正セットの制限されたサイズに起因して、本発明の手段において必要であると考えられない。
【図面の簡単な説明】
【0189】
【図1−1】図1−1は単純な平衡した関数の例である。
【図1−2】図1−2は単純な平衡した関数の例である。
【図2a−1】図2a−1はローディング関数として余弦周期関数のセグメントの使用で予想される共分散の図である。
【図2a−2】図2a−2はローディング関数として余弦周期関数のセグメントの使用で予想される共分散の図である。
【図2b−1】図2b−1は各ローディング関数が2またはそれを超えるセグメントを含む場合の、ローディング関数として余弦周期関数のセグメントの使用で予想される共分散の図である。
【図2b−2】図2b−2は各ローディング関数が2またはそれを超えるセグメントを含む場合の、ローディング関数として余弦周期関数のセグメントの使用で予想される共分散の図である。
【図3a−1】図3a−1は実施例3のスコアの選択の図である。
【図3a−2】図3a−2は実施例3のスコアの選択の図である。
【図3b−1】図3b−1は実施例3のスコアの選択の図である。
【図3b−2】図3b−2は実施例3のスコアの選択の図である。
【図3c−1】図3c−1は実施例3のスコアの選択の図である。
【図3c−2】図3c−2は実施例3のスコアの選択の図である。
【図3d】図3dは円が選択した変数を表す、実施例3に記載した機器によって得られた典型的なスペクトルである。
【図4−1】図4−1のaは6020ローディングスコアを用いた実施例4に記載したモデルのグラフである。図4−1のbは6020ローディングスコアを用いた実施例4に記載したモデルのグラフである。
【図4−2】図4−2のcは50ローディングスコアを用いた実施例4に記載したモデルのグラフである。図4−2のdは50ローディングスコアを用いた実施例4に記載したモデルのグラフである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
a.試料の少なくとも一部分から放出された、それに伝達されたかまたはそれを通過して伝達された、またはそれと相互作用した電磁シグナルの変調に対応するインターフェログラムおよび/または少なくとも1のインターフェログラム要素を得、
b.
i.少なくとも1の関数を用いて該インターフェログラムおよび/またはインターフェログラム要素のインターフェログラムおよび/またはセグメントの少なくとも1の変換
ii.所望により、インターフェログラムおよび/またはインターフェログラム要素のもう1のセグメントについてi)を繰り返すこと
を行い、
ここに、i)を一度だけ行う場合は、変換はフーリエ変換を含まず、
c.該少なくとも1のスコアを少なくとも1の化学的または物理的特性に相関する
工程を含む、試料または試料の成分の化学的または物理的特性を決定する方法。
【請求項2】
インターフェログラムが、変調の実質的に異なる状態を表す2またはそれを超えるインターフェログラム要素を含み、好ましくはインターフェログラムが、時間、周波数、位置または距離の等しい表示における変調の状態を表す3またはそれを超えるインターフェログラム要素を含む請求項1記載の方法。
【請求項3】
1またはそれを超えるインターフェログラム要素が少なくとも2の異なるインターフェログラム要素に対して等しく離れていない時間、周波数、位置または距離における変調の状態を表し、好ましくは相対的間隔がインターフェログラムの特徴の表示を改善する目的を有する請求項2記載の方法。
【請求項4】
インターフェログラム要素間の間隔がインターフェログラムの1のセクションにおいて他のセクションよりも短い請求項3記載の方法。
【請求項5】
変調した電磁シグナルが10000ないし200cm−1の波長領域にあり、変調手段が異なる距離(光路差、OPD)を通った光を合することによって光を変調するインターフェロメーターであり、最大OPDが好ましくは1.0cm未満であり、好ましくは0.08、0.07、0.06、0.05、0.04、0.03、0.02または0.01cmよりも短いような、0.8、0.6、0.5、0.4、0.3、0.2または0.1cmよりも短い前記請求項のいずれか1に記載の方法。
【請求項6】
変調した電磁放射の干渉がインターフェログラム・ドメイン中の点の周りで対称または実質的に対称であり、インターフェログラム・ドメインの表示の程度が対称点に対して両方の方向で等しいまたは実質的に等しい前記請求項のいずれか1に記載の方法。
【請求項7】
変調した電磁放射の干渉が、インターフェログラム・ドメイン中の点の周りで対称または実質的に対称であり、インターフェログラムの表示の程度が対称点に対して2の方向で等しくない前記請求項のいずれか1に記載の方法。
【請求項8】
インターフェログラム・ドメインの対称の点が表示したインターフェログラム・ドメインのいずれかの端に対して、インターフェログラム・ドメインの表示の5%ないし45%の、好ましくはインターフェログラム・ドメインの表示の20%ないし30%のインターフェログラムの位置に位置する請求項7に記載の方法。
【請求項9】
インターフェログラム・ドメインの対称の点が表示したインターフェログラム・ドメインのいずれかの端から、インターフェログラム・ドメインの表示の20%のまたはそれよりも近い、好ましくは表示したインターフェログラム・ドメインのいずれかの端から10%のまたはそれよりも近いインターフェログラムの位置に位置する請求項7に記載の方法。
【請求項10】
インターフェログラムを高速フーリエ変換の方法を用いて周波数強度に変換し、好ましくは試料または試料の成分の特性が吸収、伝達または放出スペクトルの決定である前記請求項のいずれか1に記載の方法。
【請求項11】
スペクトル特性がインターフェログラムおよびローディング関数の内部積の結果、すなわちスコア値である前記請求項のいずれか1に記載の方法。
【請求項12】
ローディング関数を較正を介して決定し、好ましくは較正の目的が試料または試料の成分の化学的または物理学的特性の決定を実質的に最適化することである請求項11記載の方法。
【請求項13】
ローディング関数が周期関数であり、好ましくは周期関数が、インターフェログラムに表す4またはそれを超える周期のようなインターフェログラムに表す8またはそれを超える周期のような、インターフェログラムに表す16またはそれを超える周期のような、インターフェログラムに表す2またはそれを超える周期を有し、好ましくは周期関数が余弦または正弦関数である請求項11記載の方法。
【請求項14】
ローディング関数が対称であり、好ましくはローディング関数の合計が実質的にゼロに等しい請求項11ないし13のいずれか1に記載の方法。
【請求項15】
スコアを用いて、試料または試料の成分の吸収、伝達または放出特性を決定する請求項11ないし14のいずれか1に記載の方法。
【請求項16】
インターフェログラムおよび/またはローディングおよび/またはスコアをスペクトル特性に変換する前にスケール化し、好ましくはスケール化の目的が化学的または物理学的特性に対するスペクトル特性の相関における実質的に改善された安定性および/または信頼性を得ることである前記請求項のいずれか1に記載の方法。
【請求項17】
スケール化を測定系の状態を反映する情報に基づいて決定し、好ましくはスケール化をインターフェログラムに反映された特性に基づいて決定する請求項16記載の方法。
【請求項18】
スケール化が測定系の参照材料または参照条件の測定を介して得た特性にインターフェログラムおよび/またはローディングおよび/またはスコアを関係付ける目的を有し、好ましくは参照材料が化学的または物理学的成分を実質的に含まない試料、例えば試料ブラインドを表す請求項16または17に記載の方法。
【請求項19】
インターフェログラムおよび/またはローディングおよび/またはスコアを所定の数字関数に付し、好ましくは数関数が情報が化学的または物理学的特性により良好に対応するように情報を変換し、より好ましくは数関数が情報が化学的または物理学的特性に実質的に線形で対応するように情報を変換する前記請求項のいずれか1に記載の方法。
【請求項20】
測定したインターフェログラムを情報に付し、好ましくは情報の目的が第2の機器で得られるのと同様に第1の機器で測定されたインターフェログラムの観察を表すことであり、好ましくは目的が第2の機器を用いて展開した決定モデルを用いて決定の統計学的な質を改善することである前記請求項のいずれか1に記載の方法。
【請求項21】
変換の特性を、第2の機器の状態に対する第1の機器の状態で決定する請求項20記載の方法。
【請求項22】
変換の特性または第1の機器の状態を、測定したインターフェログラムに基づいて決定し、好ましくは1またはそれを超える幾つかの以前に測定したインターフェログラム(または複数のインターフェログラム)に基づいて決定する請求項20または21に記載の方法。
【請求項23】
ローディング、第1の機器の測定に基づく決定のモデルの一部分を変換に付し、好ましくは変換の目的が第1の機器で得られるのと同様に第2の機器の測定から導いた決定を表すことである前記請求項のいずれか1に記載の方法。
【請求項24】
変換の特性を第2の機器の状態に対する第1の機器の状態によって決定する請求項23記載の方法。
【請求項25】
変換の特性または第2の機器の状態を測定したインターフェログラムに基づいて決定し、好ましくはそれを1または幾つかの以前に測定したインターフェログラム(または複数のインターフェログラム)に基づいて決定する請求項23または請求項24に記載の方法。
【請求項26】
決定用のモデルを、好ましくは試料または試料の成分の化学的または物理学的特性に関連する試料の公知の特性を含む較正によって、第1の機器で展開し、好ましくはこれらの試料を数回測定し、実質的に第2の機器の状態のいずれかの先行知識なしに、より好ましくは第2の機器の状態の先行知識を含むことによって好ましくはモデルの特性が第2の機器の測定にそれが適用することを許容する前記請求項のいずれか1に記載の方法。
【請求項27】
化学的または物理学的特性の決定を、所定の予想モデルをインターフェログラムおよび/またはスペクトル特性に適用することによって行い、好ましくは予想モデルを較正を介して決定し、好ましくは較正がPLS、PCA、LS、ANN、PARAFAC、Tucker3のような多変量較正である前記請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項28】
試料が以下のもの:環境試料、飲料水、浴槽水、プロセス用水、冷却水のような水性試料;組織試料、血液試料、尿試料、糞試料、細胞培養試料、細菌培養物、酵母培養物のような生物試料;油試料、石油試料、油脂試料、医薬試料のような産業試料;ミルク試料、乳製品試料、肉試料、魚試料、果実試料、野菜試料のような食料試料;排気ガス、発酵ガス、可燃性ガスのような気体試料のうちの1を表す試料である前記請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項29】
評価する化学的または物理学的特性が以下のもの:スペクトル特性、温度、濁度、全有機材料、乾燥材料、溶解材料、クロロフィル、繊維、アミノ酸、タンパク質、脂肪、脂肪酸、脂質、グリセリド、コレステロール、酵素、糖、グルコース、アルコール、エタノール、メタノール、酸、クエン酸、酸性酸(acidic acid)、脂肪族化合物、芳香族化合物、ケトン、アルデヒド、pH、密度、塩分、色のうちの1である前記請求項のいずれか1に記載の方法。
【請求項30】
電磁シグナルが以下のスペクトル領域:X−線、UV/可視光、近−IR、中−IR、遠−IR、マイクロ波、無線周波数のうちの1または幾つかである前記請求項のいずれか1に記載の方法。
【請求項31】
インターフェログラムを、以下の分光学的方法:吸収、伝達、反射、放射のうちの1または幾つかと結合して得る前記請求項のいずれか1に記載の方法。
【請求項32】
インターフェログラムが現象、光子、熱、圧力のうちの1または幾つかの検出を反映する請求項31に記載の方法。
【請求項33】
決定する特性が食料または飼料試料の化学的または物理学的特性であり、好ましくは食料または飼料試料が以下のもの:果汁、ミルク、乳製品、穀物、シリアルのうちの1または幾つかである前記請求項のいずれか1に記載の方法。
【請求項34】
決定する特性が飲料試料の化学的または物理学的特性であり、好ましくは飲料試料が以下のもの:ジュース、ソフトドリンク、ビール、ワイン、スピリッツのうちの1または幾つかである請求項1ないし32のいずれか1に記載の方法。
【請求項35】
決定する特性が医薬試料の化学的または物理学的特性であり、好ましくは医薬試料が以下のもの:医薬製品の製造に使用する原料、医薬製品の製造に使用する中間生成物、医薬製品のうちの1または幾つかである請求項1ないし32のいずれか1に記載の方法。
【請求項36】
決定する特性が生物試料の化学的または物理学的特性であり、好ましくは生物試料が以下のもの:組織試料、血液試料、尿試料、糞便試料のうちの1または幾つかであり、好ましくは試料はヒトまたは家畜起源のものである請求項1ないし32のいずれか1に記載の方法。
【請求項37】
決定する特性が環境試料の化学的または物理学的特性であり、好ましくは環境試料が以下のもの:土壌、水性液、気体のうちの1または幾つかである請求項1ないし32のいずれか1に記載の方法。
【請求項38】
決定する特性が場所の状態または特性であり、好ましくは場所の状態または特性が以下のもの:火災の前段階、火災、化学物質のこぼれ、水のこぼれのうちの1であり、好ましくはインターフェログラムを能動的無線検知の結果として得る請求項1ないし32のいずれか1に記載の方法。
【請求項39】
該少なくとも1の関数が少なくとも1のローディング関数である前記請求項のいずれか1に記載の方法。
【請求項40】
該少なくとも1の関数がインターフェログラムの長さによって設定される2のフーリエ変換周波数の間の周波数における正弦または余弦である前記請求項のいずれか1に記載の方法。
【請求項41】
該少なくとも1の関数が周波数において等しく離れていない少なくとも3の余弦または正弦関数を含む前記請求項のいずれか1に記載の方法。
【請求項42】
該変換が該インターフェログラムとそれぞれの関数との間の内部積を計算することを含む前記請求項のいずれか1に記載の方法。
【請求項43】
該少なくとも1の関数が実質的に平衡している前記請求項のいずれか1に記載の方法。
【請求項44】
該少なくとも1の関数がアポディゼーションされている前記請求項のいずれか1に記載の方法。
【請求項45】
該少なくとも1の関数が他の値について余弦およびゼロのような周期関数の少なくとも1のセグメントである前記請求項のいずれか1に記載の方法。
【請求項46】
該少なくとも1の関数がDiracまたはKroneckerデルタ関数である前記請求項のいずれか1に記載の方法。
【請求項47】
該少なくとも1の関数が分析的に規定した関数である前記請求項のいずれか1に記載の方法。
【請求項48】
該少なくとも1の関数が分離したデータセットを含む前記請求項のいずれか1に記載の方法。
【請求項49】
該少なくとも1の関数が多変量較正によって見出されたローディング関数である請求項48に記載の方法。
【請求項50】
該少なくとも1の関数が正弦または余弦とは異なる前記請求項のいずれか1に記載の方法。
【請求項51】
インターフェログラムまたはインターフェログラム・セグメントを密度および/または均一でない分布を変化させて単純化する前記請求項のいずれか1に記載の方法。
【請求項52】
さらに、少なくとも1の隣接するデータポイントに基づいてインターフェログラム、インターフェログラムのセグメントまたはインターフェログラム要素を形成する各データポイントを概算する工程を含む前記請求項のいずれか1に記載の方法。
【請求項53】
該分離したデータセットを、インターフェログラム・ドメインの隣接するデータポイントから各データポイントを概算して該インターフェログラム、インターフェログラムのセグメントまたはインターフェログラム要素で得たデータポイントの変調ドメインの位置に合致させることにより見出す請求項48、49および52のいずれか1に記載の方法。
【請求項54】
a.試料の少なくとも一部分から放出された、それに伝達されたかまたはそれを通過して伝達された、またはそれと相互作用した電磁シグナルの変調に対応するインターフェログラムおよび/または少なくとも1のインターフェログラム要素を得るためのインターフェロメーター
b.
i.少なくとも1の関数を有するインターフェログラムおよび/またはインターフェログラムのセグメントおよび/またはインターフェログラム要素の少なくとも1の変換、
ii.所望により、インターフェログラムおよび/またはインターフェログラム要素の他のセグメントについてi)を繰り返す
ことを行うプロセッサー、
ここに変換は、i)を1回のみ行う場合はフーリエ変換を含まず、
該プロセッサーは変換から少なくとも1のスコアを得るための手段を含み、
および
c.該少なくとも1のスコアを少なくとも1の化学的または物理学的特性に相関する手段
を含む、試料または試料の成分の化学的または物理学的特性を決定するシステム。
【請求項55】
さらに、請求項2ないし53のいずれか1項に記載の1またはそれを超える特徴を行うための手段を含む請求項54記載のシステム。

【図1−1】
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【図1−2】
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【図2a−1】
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【図2a−2】
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【図2b−1】
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【図2b−2】
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【図3a−1】
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【図3a−2】
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【図3b−1】
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【図3b−2】
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【図3c−1】
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【図3c−2】
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【図3d】
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【図4−1】
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【図4−2】
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【公表番号】特表2009−516181(P2009−516181A)
【公表日】平成21年4月16日(2009.4.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−540454(P2008−540454)
【出願日】平成18年11月16日(2006.11.16)
【国際出願番号】PCT/DK2006/000636
【国際公開番号】WO2007/057016
【国際公開日】平成19年5月24日(2007.5.24)
【出願人】(501175605)シェモメテック・アクティーゼルスカブ (6)
【氏名又は名称原語表記】CHEMOMETEC A/S
【Fターム(参考)】