説明

試料検査装置、被検査試料の画像位置合わせ方法及びプログラム

【目的】 アライメントに要する時間を短縮し、全体の検査時間を短縮する方法および検査装置を提供することを目的とする。
【構成】 Y方向に仮想分割されたフォトマスク101の複数の検査ストライプの各検査ストライプごとに、前記Y方向と直行するX方向に向かって複数のエリアを設定するエリア切り出し回路215と、各検査ストライプごとにX方向に移動しながらフォトマスク101の光学画像を取得するセンサ回路106等と、エリアごとに、光学画像と、比較対象となる参照画像との位置合わせを行なう位置合わせ回路216と、位置合わせされた前記光学画像と参照画像との比較を行なう比較判定処理回路218と、を備え、前記エリア切り出し回路215において、既に以前に位置合わせされた検査ストライプでの各エリアにおける光学画像と参照画像との位置ずれ量に基づいて、次回の検査ストライプにおける各エリアを設定することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、試料検査装置、被検査試料の画像位置合わせ方法、或いは、かかる方法をコンピュータに実行させるためのプログラムに係り、例えば、半導体製造に用いる試料の検査装置及びその画像位置合わせ手法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、LSIの高集積化及び大容量化に伴い、半導体素子に要求される回路線幅はますます狭くなってきている。これらの半導体素子は、回路パターンが形成された原画パターン(マスク或いはレチクルともいう。以下、マスクと総称する)を用いて、いわゆるステッパと呼ばれる縮小投影露光装置でウェハ上にパターンを露光転写して回路形成することにより製造される。よって、かかる微細な回路パターンをウェハに転写するためのマスクの製造には、微細な回路パターンを描画することができるパターン描画装置を用いる。かかるパターン描画装置を用いてウェハに直接パターン回路を描画することもある。電子ビーム描画装置については、文献にも記載されている(例えば、特許文献1参照)。或いは、電子ビーム以外にもレーザビームを用いて描画するレーザビーム描画装置の開発が試みられており、文献に開示されている(例えば、特許文献2参照)。
【0003】
しかし、1ギガビット級のDRAM(ランダムアクセスメモリ)に代表されるように、大規模集積回路(LSI)を構成するパターンは、サブミクロンからナノメータのオーダーになろうとしている。このLSIの製造における歩留まりの低下の大きな原因の一つとして、半導体ウェハ上に超微細パターンをフォトリソグラフィ技術で露光、転写する際に使用されるマスクの欠陥があげられる。特に、半導体ウェハ上に形成されるLSIのパターン寸法の微細化に伴って、パターン欠陥として検出しなければならない寸法も極めて小さいものとなっている。よって、かかる欠陥を検査する装置の開発が行われている。
【0004】
一方、マルチメディア化の進展に伴い、LCD(Liquid Crystal Display:液晶ディスプレイ)は、500mm×600mm、またはこれ以上への液晶基板サイズの大型化と、液晶基板上に形成されるTFT(Thin Film Transistor:薄膜トランジスタ)等のパターンの微細化が進んでいる。従って、極めて小さいパターン欠陥を広範囲に検査することが要求されるようになってきている。このため、このような大面積LCDのパターン及び大面積LCDを製作する時に用いられるフォトマスクの欠陥を短時間で、効率的に検査する試料検査装置の開発も急務となってきている。
【0005】
ここで、マスクの欠陥検査方法としては、同一マスク上の異なる場所の同一パターンを比較する「die to die検査」や、マスクパターンを描画する時に使用したCADデータ(設計データ)と比較する「die to database検査」がある。かかる検査装置における検査方法では、例えば、マスクの検査領域をY方向に重なり部分をもつストライプ状の複数の検査領域(検査ストライプ)に分割し、各検査領域ごとに順次検査を行い、最後に全ての検査領域の欠陥を統合してマスク全体の欠陥を検出する。
【0006】
例えば、まず、マスクを搭載したXYステージを最初の検査ストライプの検査開始位置まで移動させる。そして、XYステージをX方向に定速度で送りながら、レーザ干渉計で一定ピッチの移動を検出した毎にY方向にレーザスキャン光学装置でレーザビームを走査し、透過光を検出して所定の大きさのエリア毎に二次元画像を取得する。そして、そのエリアの光学画像は、参照画像と比較され、欠陥検出が行われる。
【0007】
ここで、検査装置を用いて光学画像を取得する場合、XYステージをX方向に移動させて、マスクの一端から他端に向けて光学画像を順次取得することとなるが、XYステージの移動軌跡が直交誤差や移動直線誤差により湾曲していると、取得された光学画像を合成した場合、その合成画像は、湾曲した移動軌跡に沿って湾曲されたものとして取得されてしまうこととなる。したがって、取得した光学画像と、参照画像は、位置ずれを起こすため、画像比較を実行する前にアライメントを行う必要がある。
【0008】
従来、起こり得る最大のXYステージ誤差の範囲を考慮して、取得した光学画像より十分広い範囲の参照画像を用いて、エリアごとに光学画像とアライメントを行ない、最も一致した位置で画像比較する方法が一般的である。しかし、かかる方法では、XYステージの誤差が大きいほど光学画像を動かす範囲が広くなるため、アライメントに費やす処理時間が長くなってしまう。その結果、試料全体を検査する時間も長くなるという問題がある。
【0009】
かかる問題に対し、各検査ストライプを複数のフレーム(エリア)に分割し、各フレーム毎に前記光学画像と参照画像との比較を行ない、前記比較の際に行なうアライメントは、直前のフレームで行ったアライメントのオフセット量を参照して行なうとする技術が文献に開示されている(例えば、特許文献3参照)。かかる方法においても、直前のフレームで行なうアライメントが終了しなければ、次のフレームのアライメント補正量がわからないため、同一検査ストライプ内でありながら直前のフレームで行なうアライメントが終了するまで、次のフレーム(エリア)のアライメントを待っていなければならず、アライメントに費やす処理時間が長くなってしまう点を解決するには至っていない。
【特許文献1】特開2002−237445号公報
【特許文献2】米国特許5386221号公報
【特許文献3】特開2000−147749号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
以上のように、欠陥検査装置では、マスクやウェハ等の基板から取得した光学画像と比較対象となる参照画像とのアライメントにかかる時間を短くすることが可能であれば、全体の検査時間を飛躍的に短縮することが可能となり、装置の生産性を向上させることが実現できる。
【0011】
本発明は、上述した問題点を克服し、アライメントに要する時間を短縮し、全体の検査時間を短縮する方法および検査装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の一態様の被検査試料の画像位置合わせ方法は、
Y方向に仮想分割された被検査試料の複数の検査領域の各検査領域ごとに、前記Y方向と直行するX方向に向かって複数の比較領域を設定する比較領域設定工程と、
前記各検査領域ごとにX方向に移動しながら前記被検査試料の光学画像を取得する光学画像取得工程と、
前記複数の比較領域の各比較領域ごとに、前記被検査試料の光学画像と、比較対象となる参照画像との位置合わせを行なう位置合わせ工程と、
位置合わせされた光学画像と参照画像との位置ずれ量を次回の比較領域設定工程にフィードバックするフィードバック工程と、
を備えたことを特徴とする。
【0013】
また、かかる方法を、コンピュータを実行させるためのプログラムにより構成する場合には、
Y方向に仮想分割された被検査試料の複数の検査領域の各検査領域ごとに、前記Y方向と直行するX方向に向かって複数の比較領域を演算する比較領域演算処理と、
前記各検査領域ごとにX方向に移動しながら取得された前記被検査試料の光学画像を入力する光学画像入力処理と、
演算された前記複数の比較領域の各比較領域ごとに、前記被検査試料の光学画像と、比較対象となる参照画像との位置合わせを行なう位置合わせ処理と、
位置合わせされた光学画像と参照画像との位置ずれ量を記憶装置に記憶する記憶処理と、
前記記憶装置に記憶された位置ずれ量を次回の比較領域演算処理にフィードバックするフィードバック処理と、
を備えればよい。
【0014】
そして、本発明の一態様の試料検査装置は、
Y方向に仮想分割された被検査試料の複数の検査領域の各検査領域ごとに、前記Y方向と直行するX方向に向かって複数の比較領域を設定する比較領域設定部と、
前記複数の検査領域の各検査領域ごとにX方向に移動しながら前記被検査試料の光学画像を取得する光学画像取得部と、
前記複数の比較領域の各比較領域ごとに、前記被検査試料の光学画像と、比較対象となる参照画像との位置合わせを行なう位置合わせ部と、
位置合わせされた前記光学画像と参照画像との比較を行なう比較部と、
を備え、
前記比較領域設定部において、前記位置合わせ部により既に以前に位置合わせされた検査領域での各比較領域における光学画像と参照画像との位置ずれ量に基づいて、次回の検査領域における複数の比較領域を設定することを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、既に以前に位置合わせされた検査領域での各比較領域における光学画像と参照画像との位置ずれ量をフィードバックすることにより、処理操作が既に終了している以前の検査領域での位置ずれ量に基づいて、次回の検査領域における複数の比較領域を設定するため、従来のように、同一検査領域で直前の比較領域で行なうアライメントが終了するまで、次の比較領域のアライメントを待つ必要を無くすことができる。また、参照画像も広く切り出す必要も無くすことができる。よって、前記次回の検査領域における複数の比較領域での位置合わせに要する時間を短縮することができる。よって、全体の検査時間を短縮することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
実施の形態1.
上述したように、相当数の画素ずれをエリア毎に補正処理するには、それなりの演算量を必要とする。そして、さらに、隙間なく検査するためには隣接エリア間の無効領域を大きくとることは、装置としての効率も悪いものである。一方、隣接するエリア間で極端な差異が現れることはまれであり、もしそのような差が出た場合には実際にフォトマスクの不良が存在するか装置起因の異常であることが支配的である。
そこで、実施の形態1では、既に位置合わせが終了している検査ストライプに位置する近傍エリアの位置ずれ量を参考にして、エリアの切り出し位置を制御する方法、及び装置について説明する。かかる構成によれば、位置合わせを広範囲にする必要もなく、無効画素の少ない効率の良い検査を行うことが可能になる。
【0017】
図1は、実施の形態1における試料検査装置の構成を示す概念図である。
図1において、マスクやウェハ等の基板を試料して、かかる試料の欠陥を検査する試料検査装置100は、光学画像取得部と制御系回路を備えている。光学画像取得部は、XYθテーブル102、光源103、拡大光学系104、フォトダイオードアレイ105、センサ回路106、レーザ測長システム122、オートローダ130を備えている。制御系回路では、コンピュータとなる制御計算機110が、バス120を介して、位置回路107、比較回路108、展開回路111、参照回路112、オートローダ制御回路113、テーブル制御回路114、磁気ディスク装置109、磁気テープ装置115、フレシキブルディスク装置(FD)116、CRT117、パターンモニタ118、プリンタ119に接続されている。また、XYθテーブル102は、X軸モータ、Y軸モータ、θ軸モータにより駆動される。
【0018】
図2は、比較回路の内部構成を示すブロック図である。
図2において、比較回路108は、比較領域設定部の一例となる切り出し回路215、位置合わせ部の一例である位置合わせ回路216、比較部の一例となる比較判定処理回路218、位置合わせ量フィードバック回路217を有している。
【0019】
被検査試料となるフォトマスク101は、XYθ各軸のモータによって水平方向及び回転方向に移動可能に設けられたXYθテーブル102上に載置され、フォトマスク101に形成されたパターンには適切な光源103によって光が照射される。フォトマスク101を透過した光は拡大光学系104を介して、フォトダイオードアレイ105に光学像として結像し、入射する。
【0020】
図3は、光学画像の取得手順を説明するための図である。
被検査領域は、図3に示すように、Y方向に向かって、スキャン幅Wの短冊状の複数の検査ストライプに仮想的に分割され、更にその分割された各検査ストライプが連続的に走査されるようにXYθテーブル102の動作が制御され、X方向に移動しながら光学画像が取得される。フォトダイオードアレイ105では、図3に示されるようなスキャン幅Wの画像を連続的に入力する。そして、第1の検査ストライプにおける画像を取得した後、第2の検査ストライプにおける画像を今度は逆方向に移動しながら同様にスキャン幅Wの画像を連続的に入力する。そして、第3の検査ストライプにおける画像を取得する場合には、第2の検査ストライプにおける画像を取得する方向とは逆方向、すなわち、第1の検査ストライプにおける画像を取得した方向に移動しながら画像を取得する。このように、連続的に画像を取得していくことで、無駄な処理時間を短縮することができる。
【0021】
フォトダイオードアレイ105上に結像されたパターンの像は、フォトダイオードアレイ105によって光電変換され、更にセンサ回路106によってA/D(アナログデジタル)変換される。これらの光源103、拡大光学系104、フォトダイオードアレイ105、センサ回路106により高倍率の検査光学系が構成されている。
【0022】
XYθテーブル102は、制御計算機110の制御の下にテーブル制御回路114により駆動される。そして、XYθテーブル102の移動位置はレーザ測長システム122により測定され、位置回路107に供給される。また、XYθテーブル102上のフォトマスク101はオートローダ制御回路113により駆動されるオートローダ130から搬送されるものとなっている。
【0023】
センサ回路106から出力された測定パターンデータは、位置回路107から出力されたXYθテーブル102上におけるフォトマスク101の位置を示すデータとともに比較回路108に送られる。
【0024】
一方、フォトマスク101のパターン形成時に用いた設計データは、記憶装置の一例である磁気ディスク109から制御計算機110を通して展開回路111に読み出される。展開回路111により、読み出された被検査試料となるフォトマスク101の設計画像データが2値ないしは多値のイメージデータに変換され、このイメージデータが参照回路112に送られる。参照回路112は、送られてきた図形のイメージデータに適切なフィルタ処理を施す。
【0025】
図4は、フィルタ処理を説明するための図である。
センサ回路106から得られた測定パターンデータは、拡大光学系104の解像特性やフォトダイオードアレイ105のアパーチャ効果等によってフィルタが作用した状態、言い換えれば連続変化するアナログ状態にあるため、画像強度(濃淡値)がデジタル値の設計側のイメージデータにもフィルタ処理を施して、測定パターンデータに合わせるためである。
【0026】
図5は、実施の形態1におけるフローチャート図である。
まず、S(ステップ)502において、全体アライメント工程として、検査に先立ち測定パターンデータと設計イメージデータとの位置合わせ(全体アライメント)を行っておく。これは、試料に設けられた適当な専用マークを使って行われるが、オペレータが指定する任意のパターンエッジ等を使って行ってもよい。
【0027】
S504において、Y方向に仮想的に分割された複数の検査ストライプのうち、まず、第1検査ストライプから処理するため、変数nに1を代入する。
【0028】
S506において、比較領域となる複数のエリアを設定する比較領域設定工程であるエリア切り出し領域演算工程として、比較領域設定部の一例となる切り出し回路215は、光学画像である測定パターンデータと、比較対象の参照画像となる適切なフィルタ処理の施された設計イメージデータとをまず、適当な画素サイズのエリアに設定するため、各エリアの位置を演算する。
【0029】
図6は、実施の形態1における位置合わせ手法を説明するための図である。
図6(a)では、光学画像の取得方向が示されている。ここでは、XYθテーブル102が山なりに歪んだ軌跡を辿って、移動したことを示している。そして、上述したように、第n検査ストライプと第n+1検査ストライプとでは逆方向に、第n+1検査ストライプと第n+2検査ストライプとではさらにまた逆方向にと、蛇行しながら連続的に移動する。そして、図6(b)に示すように、例えば、スキャン幅Wを2048画素とすると、例えば、測定パターンデータと設計イメージデータとの各々について、512×512画素の領域を1つのエリアとして、位置を演算する。第1検査ストライプでは、全体アライメントの結果を反映して、エリア切り出し領域演算を行なうとよい。図6(b)では、各エリア同士が重なり部分を有していないように記載しているが、エリアの端にパターンが形成されていることもあるため、左右上下の各部分において若干の重なり部分を有するようにすることが望ましい。
【0030】
S508において、光学画像取得工程として、上述したように、第1検査ストライプの一端から他端に向かって、XYθテーブル102が、X方向に移動しながら、フォトダイオードアレイ105に第1検査ストライプの領域における光学画像が取得される。そして、切り出し回路215には、センサ回路106から出力された測定パターンデータが、位置回路107から出力されたXYθテーブル102上におけるフォトマスク101の位置を示すデータとともに入力される。
【0031】
S510において、参照画像取得工程として、切り出し回路215は、参照回路112から適切なフィルタ処理の施された設計イメージデータと設計上でのフォトマスク101の位置を示すデータとともに入力する。
【0032】
S512において、エリア切り出し工程として、切り出し回路215は、測定パターンデータと設計イメージデータとの各々について、演算した複数のエリアの位置に相当する画像を切り出す。例えば、各々512×512画素の領域を1つのエリアとして、設定された複数のエリアを検査領域となる第1検査ストライプから切り出す。
【0033】
S514において、位置合わせ工程となるエリアアライメント工程として、位置合わせ部の一例である位置合わせ回路216は、切り出した画像同士のアライメントを行なう。第1検査ストライプでは、全体アライメントの結果を反映して、エリア切り出し領域演算を行なっているため、切り出した画像同士は、おおよその位置は合っているが、しかし、試料のひずみやXYθテーブル102の精度などにより若干の位置ずれを生じているのが常である。ここでは、サブ画素単位、例えば1/32画素単位でアライメントを行なうと好適である。位置合わせ回路216は、両者のずれ量が小さくなるように調整する(エリアアライメント)。ここで、図6(b)に示す複数のエリアを同時にアライメント処理するのが望ましい。例えば、100個のエリアを同時にアライメント処理する。同時に並列処理することでアライメント時間を短縮することができる。従来のように、直前のエリアの位置合わせ結果を参照する手法では、複数のエリアを同時に並列処理することが困難であるのに対し、本実施の形態では、同時に並列に処理するため、よりアライメント時間を短縮することができる。また、図6(b)では、エリアd1について、光学画像の原点と参照画像の原点とが、(2,2)画素ずれていたことを示している。よって、光学画像と参照画像との一方、或いは両方を移動させることにより位置合わせを行なう。
【0034】
S516において、オフセット量記憶工程として、各エリアでのエリアアライメントの結果、位置ずれが生じていた場合には、位置合わせ回路216は、その位置ずれ量(オフセット量)を記憶装置に記憶する。例えば、磁気ディスク装置109に記憶する。図6(b)の例では、エリアd1について、オフセット量となる(2,2)画素を磁気ディスク装置109に記憶する。オフセット量となる(2,2)画素は、メモリ上に格納されていればよく、磁気ディスク装置109等のハードウェアでも制御計算機110でも構わない。そして、位置合わせ量フィードバック回路217は、メモリ上に格納された各エリアのオフセット量を切り出し回路215にフィードバックする。
【0035】
S518において、画素比較工程として、比較部の一例である比較判定処理回路218は、各エリアにおけるアライメントされた測定パターンデータと設計イメージデータとを適切なアルゴリズムに従って比較し、パターン欠陥の有無を判定する。例えば、設計パターンに基づいて生成された設計データと前記測定データとを比較して差異が閾値を超えたら欠陥と判定する。
【0036】
S520において、nがnmaxかどうか、すなわち、次の検査ストライプの有無を判定する。次の検査ストライプがある場合は、S522に進み、次の検査ストライプが無い場合には終了する。
【0037】
S522において、加算工程として、次の検査ストライプがある場合は、n値に1を加算して、S506に戻り、次の検査ストライプの処理に移る。
【0038】
次の検査ストライプ(ここでは、第2検査ストライプ)では、第1検査ストライプにおける位置ずれ量(オフセット量)を参照する。
フィードバックされたS506において、比較領域となる複数のエリアを設定する比較領域設定工程であるエリア切り出し領域演算工程として、切り出し回路215は、S516において記憶された前回の検査ストライプ、ここでは、第1検査ストライプにおける各エリアのオフセット量を入力する。そして、かかるフィードバックされたオフセット量を参照した上で、切り出し回路215は、第2検査ストライプにおける各エリアの位置を演算し、設定する。図6(c)に示すように、例えば、第1検査ストライプにおけるエリアd1がオフセット量として、(2,2)画素を必要とした場合、第2検査ストライプにおける各エリアの位置を演算する際に、予め、(2,2)画素オフセットした位置に第2検査ストライプにおけるエリアd1を設定する。図6(c)では、光学画像側を(2,2)画素オフセットしているが、参照画像となる設計データ側を(−2,−2)画素オフセットするように設定してもよい。或いは、光学画像側を(1,1)画素オフセットし、設計データ側を(−1,−1)画素オフセットしてもよい。
【0039】
S508における光学画像取得工程では、第1検査ストライプをテーブルが走行した後、引き続き、連続して第2検査ストライプをXYθテーブル102が走行する。切り出し回路215は、第2検査ストライプをXYθテーブル102が走行する際には、第1検査ストライプのエリアアライメント結果のうち、X座標が同じエリアのずれ量をみて、第2検査ストライプの各エリアの切り出し位置を演算する。
【0040】
切り出し回路215にて、予め、オフセットした位置にエリアを設定しているため、第2検査ストライプにおいて、S514において、位置合わせ回路216が、エリアアライメントを行なう際、図6(c)に示すように、画像位置は、ほとんど一致させることができ、移動量を減少させることができる。よって、位置合わせ時間を短縮することができる。その結果、装置全体としての検査時間を短縮することができる。
さらに、上述したように、既に位置合わせが終了した検査ストライプのデータを使用するため、XYθテーブル102の走行を停止させないで済ますことができる。言い換えれば、光学画像の取得時間を短縮することができる。
【0041】
以上のように、第n+1検査ストライプの各エリアの位置を演算する際に、第n検査ストライプの各エリアの位置ずれ量を参照して演算し、予めオフセットした位置に設定することで、第n+1検査ストライプの各エリアの位置合わせの際、移動量を減少させることができる。ここで、第n+1検査ストライプの位置合わせの際、ほとんど位置ずれ量がないので、第n+2検査ストライプの各エリアの位置を演算する際には、第n+1検査ストライプのエリアの位置を演算する際に使用した位置ずれ量を参照するようにすればよい。
【0042】
ここで、エリアを切り出した後で、エリアアライメント工程により再度サブ画素でアライメントするため、切り出し位置を変更するのは、整数画素単位での変更でも十分である。
【0043】
以上のように、従来装置では、エリアとエリアの間に相当量のオーバーラップさせる画素を用意する必要があり、検査時間を長くする要因となっていたが、本実施の形態のように構成することにより、エリア間の重なり量(オーバーラップさせる画素)を削減することが可能になる。そして、さらにエリアアライメントでサーチする範囲も狭くなるため、装置のコンパクト化及び検査時間の短縮を可能とすることができる。
【0044】
図7は、望ましいエリアの大きさを説明するための図である。
図7(a)には、1つのエリアとして、検査ストライプ幅である2048画素角(2048×2048画素)とした場合について示している。図7(b)には、1つのエリアとして、1つのパターンしかエリア内に入らない程度の大きさとした場合について示している。例えば、XYθテーブル102の軌跡が、図7(a)に示すように、Y方向に蛇行した場合、1つのエリアを大きくしすぎると、光学画像も蛇行した画像となり、どのように位置合わせをしても、参照画像と一致させることができなくなる。また、1つのエリアの演算量が大きいため、計算機に負荷をかけることにもなる。一方、図7(b)に示すように、逆に、1つのエリアの大きさを小さくし過ぎると、局所的なパターン変動による欠陥であるにもかかわらず、他のパターンとの比較をしないで、欠陥パターンに位置合わせをしてしまうため、かかる局所的なパターン変動による欠陥を見逃す可能性がある。さらに、エリアアライメント時の演算量等を考慮すると512画素角程度の大きさにすると好適である。
【0045】
ここで、本実施の形態1では、第2検査ストライプ以降に前ストライプのエリアアライメント結果を反映させることを説明したが、これでは第1検査ストライプのエリアアライメント量が大きくなってしまう場合が考えられる。そこで、第1検査ストライプのパターンないしはその近傍のパターンを使って、まずは全体アライメントを実行するというのも実用的である。または、第1検査ストライプにおいては、一度エリアアライメントまで実行して再度XYθテーブル102を走行させて、その際にこのエリアアライメント結果を反映するという手法でも構わない。
【0046】
実施の形態2.
実施の形態1では、測定データと設計データを比較する(データベース比較:die to database)検査装置について述べたが、測定データ同士を比較する(ダイ比較:die to die)検査手法について説明する。
図8は、実施の形態2におけるフォトマスクを示す図である。
図8において、フォトマスク101の中に同一の設計データから描画された被検査領域が2つ以上あることが前提となる。図8では、被検査領域321と被検査領域322との同一の設計データに基づく2つの被検査領域がフォトマスク101の中に描画されている。ここで、ダイ比較検査を行う検査装置として、光源を2つ以上持ち、比較したい画像を同時に取り込む構成であってもよいし、光源は1つであるが、少なくとも検査ストライプ1本分のメモリを搭載して、取り込んだ画像から比較したい画像をお互いに切り出す構成にしてもよい。その他は、実施の形態1の構成と同様で構わないため説明を省略する。
【0047】
以上のようなダイ比較検査の場合においても、実施の形態1において説明したように、それ以前の検査ストライプのエリアアライメント結果を反映させることは同様に有効である。すなわち、図5における参照画像を設計画像データではなく、前記参照画像として、前記被検査試料の第2の光学画像データを用いて、同様なフローチャートにより動作させればよい。
【0048】
実施の形態3.
上述した各実施の形態では、エリアの切り出し領域の演算には同一のX座標のエリアの位置ずれ量を参照しているが、実際に欠陥が存在した時や、ずれ量を判別できないエリア(例えば全面ガラス部)のようなこともあるので、X座標が近い複数のエリアのずれ量から総合的に判断するようにすると好適である。実施の形態3では、複数のエリアの位置ずれ量から総合的に判断する場合について説明する。装置構成は、実施の形態1と同様で構わないため、説明を省略する。
【0049】
図9は、実施の形態3におけるエリアの切り出し領域の演算手法を説明するための図である。
図5におけるS506において第n+1検査ストライプにおけるエリアの切り出し領域の演算を行なう場合に、図5におけるS514において、第n検査ストライプにおけるエリアアライメントを行なった結果、図9(a)に示すように、例えば、第n検査ストライプにおけるエリアa1についてオフセット量として(2,2)画素、エリアa2についてオフセット量として(1,1)画素、エリアa3についてオフセット量として(2,3)画素、エリアb1についてオフセット量として(1,2)画素、エリアb2についてオフセット量として(1,2)画素、エリアb3についてオフセット量として(0.5,1)画素、エリアc1についてオフセット量として(1,1)画素、エリアc2についてオフセット量として(1,1)画素、エリアc3についてオフセット量として(0.5,0.5)画素の位置ずれが生じた場合、図9(b)に示すように、第n+1検査ストライプにおけるエリアb2の切り出し領域を予め平均値(1,1)オフセットさせた位置に設定する。
欠陥あるときなどは、一部のエリアが極端に異常なオフセット量となることが発生しうる(近傍がほとんど2画素ずれなのに、そのエリアだけ8画素とか)。このような場合にこの異常値の結果を次のストライプに反映させないために、オフセット量の異常値を除外する機能も有用である。
【0050】
上述したように、サブ画素単位ではアライメントするため、平均値が整数にならない場合でも整数値オフセットさせた位置で構わない。
【0051】
図9では、同一の検査ストライプにおける複数のエリアの位置ずれ量を参照することにより次の検査ストライプにおけるエリアの切り出し領域を演算する場合について説明したが、既にアライメントを行なった複数の検査ストライプにおけるエリアの位置ずれ量を参照することにより次の検査ストライプにおけるエリアの切り出し領域を演算するようにしても好適である。
図10は、実施の形態3におけるエリアの切り出し領域の別の演算手法を説明するための図である。
図5におけるS506において第n+2検査ストライプにおけるエリアの切り出し領域の演算を行なう場合に、図5におけるS514において、第n検査ストライプにおけるエリアアライメントを行なった結果、図10(a)に示すように、例えば、第n検査ストライプにおけるエリアd1についてオフセット量として(4,4)画素の位置ずれが生じ、第n+1検査ストライプにおけるエリアアライメントを行なった結果、図10(b)に示すように、例えば、第n+1検査ストライプにおけるエリアd1についてオフセット量として(2,2)画素の位置ずれが生じた場合、図10(c)に示すように、第n+2検査ストライプにおけるエリアd1の切り出し領域を予め平均値(3,3)オフセットさせた位置に設定する。言い換えれば、複数の検査ストライプにおけるオフセット量を参照する。
【0052】
以上のように、エリアの切り出し領域工程において、次回の検査領域に対して各エリアを設定する場合に、位置合わせ工程により既に以前に位置合わせされた検査ストライプでの複数のエリアにおける複数の位置ずれ量に基づいて、各エリアを設定することで、エリアアライメントでサーチする範囲を狭くすることができる。よって、アライメント時間を短縮することができる。フィードバックさせる位置ずれ量が複数のエリアの位置ずれ量となった以外は、実施の形態1と同様なフローチャートにより動作させればよい。
【0053】
実施の形態4.
図11は、実施の形態4におけるエリアの切り出し領域の演算手法を説明するための図である。
上述したようにXYθテーブル102の動作は、図11(a)に示すように、FWD(順)方向とBWD(逆)方向の交互動作をさせている。言い換えれば、隣り合う検査ストライプでは逆方向に移動しながらフォトマスク101の光学画像を取得している。XYθテーブル102の走行精度によっては、FWD走行時とBWD走行時で軌道が若干異なる可能性がある。このような場合に、直前のストライプ、つまりXYθテーブル102が逆方向に動作したときのエリアアライメント結果を反映するとかえって位置ずれが大きくなってしまう可能性がある。そこで、実施の形態4では、エリアアライメント結果を反映するのは、同一方向に動作して画像取得した検査ストライプのものを使用する形態について説明する。装置構成は、実施の形態1と同様で構わないため、説明を省略する。フィードバックさせる位置ずれ量の検査ストライプ番号が異なる以外は、実施の形態1と同様なフローチャートにより動作させればよい。
【0054】
図11(a)では、第n検査ストライプでは、XYθテーブル102が正のX方向に動作する場合を示している。よって、第n+1検査ストライプでは、XYθテーブル102が負のX方向に動作し、第n+2検査ストライプでは、XYθテーブル102が正のX方向に動作することになる。例えば、第1検査ストライプがFWD動作であれば、第2検査ストライプはBWD動作、そして第3検査ストライプがFWD動作となるので、第3検査ストライプの画像切り出し領域演算には、第1検査ストライプのエリアアライメント結果を反映することになる。
【0055】
図11(b)に示すように、例えば、第n検査ストライプにおけるエリアd1についてオフセット量として(2,2)画素の位置ずれが生じた場合、図11(c)に示すように、第n+2検査ストライプにおけるエリアd1の切り出し領域を予め(2,2)オフセットさせた位置に設定する。
【0056】
以上のように、エリア切り出し演算工程において、次回の検査ストライプに対して各エリアを設定する場合に、既に以前に位置合わせされた検査ストライプのうち、XYθテーブル102が同方向に移動した検査ストライプでの各エリアにおける位置ずれ量に基づいて、次回の検査ストライプの各エリアを設定することで、信頼性のより高い位置にエリアを設定することができる。その結果、位置合わせ時間の短縮を図ることができる。
【0057】
また、位置合わせ処理とXYθテーブル102の動作は同期が取れていないような場合、すなわち、XYθテーブル102の進行速度に対して位置合わせ処理或いは比較処理に時間がかかってしまう場合には、第n+4検査ストライプの画像切り出しに、より以前に処理が終わっている第n検査ストライプのエリアアライメント結果を反映できるようにしておくことも有効である。例えば、第5検査ストライプの画像切り出しに、より以前に処理が終わっている第1検査ストライプのエリアアライメント結果を反映できるようにしておくことも有効である。画像取得している検査ストライプに対し、位置合わせ処理が、確実に終了している検査ストライプの位置ずれ量結果を用いることにより、より確実に位置ずれ量結果待ち時間による処理停滞を防ぐことができる。
【0058】
実施の形態5.
通常は各検査ストライプのY座標というのは、検査開始時ないしはそれ以前に決定しておくものであるが、装置起因などで徐々にずれが生じてしまうことも考えられる。そのような場合には、エリアアライメントの結果、検査ストライプ全長に渡って一定の方向にずれることとなる。ここまでは近傍エリアのエリアアライメント結果を次検査ストライプに反映することを述べてきたが、実施の形態5では、検査ストライプ全長に渡るエリアアライメント結果を解析して、全体的にシフトしているような場合には、次の検査ストライプそのものの領域をずらす構成について説明する。装置構成は、実施の形態1と同様で構わないため、説明を省略する。光学画像を取得する工程において検査ストライプそのものの領域をずらす以外は、実施の形態1と同様なフローチャートにより動作させればよい。
【0059】
図12は、実施の形態5におけるエリアの切り出し領域の演算手法を説明するための図である。
図12(a)に示すように、例えば、第n検査ストライプにおけるエリアa1とエリアb1についてオフセット量として(0,2)画素の位置ずれが生じた場合、図12(b)に示すように、第n+1検査ストライプを走査するXYθテーブル102の位置自体を予め(0,2)オフセットさせた位置に設定する。
【0060】
以上のように、光学画像取得部において、既に以前に位置合わせされた検査ストライプでのエリアにおける位置ずれ量に基づいて、次回の検査ストライプの位置を変更する、つまりXYθテーブル102を動作させる範囲も連動して切り替えることにより、検査に寄与しない無効画素領域を削減することができる。そのようにすることによって、検査ストライプの重なりを減らすことができ、さらに、XYθテーブル102が走行する距離を短くすることができる等、検査時間短縮が可能となる。
【0061】
ここで、検査ストライプ全長が同様にY方向にずれた場合に限るものではなく、一部のエリアが同様にY方向にずれた場合であっても構わない。
【0062】
以上のように、例えば、2048幅の検査ストライプをさらに細分化したエリア(1エリアは512×512画素程度)に対して、各エリアごとに画像同士の位置合わせを行った後で該エリアの欠陥有無を判定する比較行為がなされる中で、場合によっては10数画素程度の位置合わせも行われる。このため、従来のように、画像を取得しても検査に寄与しない無効画素を大きくしなければならないとすると、その分検査時間が長くなるという問題があった。そこで、上記各実施の形態によれば、異なる検査ストライプの近傍エリアの位置ずれ量を参考にして、エリアの切り出し位置を制御することにより、位置合わせを実行する際にサーチする範囲を限定できるため、無効画素の少ない効率の良い検査を行うことができる。
【0063】
図13は、別の光学画像取得手法を説明するための図である。
図1の構成では、スキャン幅Wの画素数(2048画素)を同時に入射するフォトダイオードアレイ105を用いているが、これに限るものではなく、図13に示すように、XYθテーブル102をX方向に定速度で送りながら、レーザ干渉計で一定ピッチの移動を検出した毎にY方向に図示していないレーザスキャン光学装置でレーザビームをY方向に走査し、透過光を検出して所定の大きさのエリア毎に二次元画像を取得する手法を用いても構わない。
【0064】
以上の説明において、「〜回路」或いは「〜工程」と記載したものは、コンピュータで動作可能なプログラムにより構成することができる。或いは、ソフトウェアとなるプログラムだけではなく、ハードウェアとソフトウェアとの組合せにより実施させても構わない。或いは、ファームウェアとの組合せでも構わない。また、プログラムにより構成される場合、プログラムは、磁気ディスク装置、磁気テープ装置、FD、或いはROM(リードオンリメモリ)等の記録媒体に記録される。
【0065】
以上、具体例を参照しつつ実施の形態について説明した。しかし、本発明は、これらの具体例に限定されるものではない。
【0066】
また、図5におけるフローチャートでは、エリア切り出し領域演算の後に、光学画像を取得するフローとなっているが、同時に行なっても構わない。
【0067】
また、装置構成や制御手法等、本発明の説明に直接必要しない部分等については記載を省略したが、必要とされる装置構成や制御手法を適宜選択して用いることができる。
【0068】
その他、本発明の要素を具備し、当業者が適宜設計変更しうる全ての検査装置或いは位置合わせ方法は、本発明の範囲に包含される。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】実施の形態1における試料検査装置の構成を示す概念図である。
【図2】比較回路の内部構成を示すブロック図である。
【図3】光学画像の取得手順を説明するための図である。
【図4】フィルタ処理を説明するための図である。
【図5】実施の形態1におけるフローチャート図である。
【図6】実施の形態1における位置合わせ手法を説明するための図である。
【図7】望ましいエリアの大きさを説明するための図である。
【図8】実施の形態2におけるフォトマスクを示す図である。
【図9】実施の形態3におけるエリアの切り出し領域の演算手法を説明するための図である。
【図10】実施の形態3におけるエリアの切り出し領域の別の演算手法を説明するための図である。
【図11】実施の形態4におけるエリアの切り出し領域の演算手法を説明するための図である。
【図12】実施の形態5におけるエリアの切り出し領域の演算手法を説明するための図である。
【図13】別の光学画像取得手法を説明するための図である。
【符号の説明】
【0070】
100 試料検査装置
101 フォトマスク
102 XYθテーブル
103 光源
104 拡大光学系
105 フォトダイオードアレイ
106 センサ回路
107 位置回路
108 比較回路
109 磁気ディスク装置
110 制御計算機
112 参照回路
115 磁気テープ装置
215 切り出し回路
216 位置合わせ回路
217 位置合わせ量フィードバック回路
218 比較判定処理回路
321,322 被検査領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
Y方向に仮想分割された被検査試料の複数の検査領域の各検査領域ごとに、前記Y方向と直行するX方向に向かって複数の比較領域を設定する比較領域設定部と、
前記複数の検査領域の各検査領域ごとにX方向に移動しながら前記被検査試料の光学画像を取得する光学画像取得部と、
前記複数の比較領域の各比較領域ごとに、前記被検査試料の光学画像と、比較対象となる参照画像との位置合わせを行なう位置合わせ部と、
位置合わせされた前記光学画像と参照画像との比較を行なう比較部と、
を備え、
前記比較領域設定部において、前記位置合わせ部により既に以前に位置合わせされた検査領域での各比較領域における光学画像と参照画像との位置ずれ量に基づいて、次回の検査領域における複数の比較領域を設定することを特徴とする試料検査装置。
【請求項2】
前記比較領域設定部において、前記次回の検査領域に対して前記各比較領域を設定する場合に、前回の検査領域における対応する各比較領域に対して前記位置合わせ部により位置合わせされた前記被検査試料の光学画像と前記参照画像との位置ずれ量に基づいて、前記複数の比較領域を設定することを特徴とする請求項1記載の試料検査装置。
【請求項3】
前記参照画像として、前記被検査試料の設計画像データを用いることを特徴とする請求項1記載の試料検査装置。
【請求項4】
前記参照画像として、前記被検査試料の第2の光学画像を用いることを特徴とする請求項1記載の試料検査装置。
【請求項5】
前記比較領域設定部において、次回の検査領域に対して前記各比較領域を設定する場合に、前記位置合わせ部により既に以前に位置合わせされた検査領域での複数の比較領域における複数の位置ずれ量に基づいて、前記複数の比較領域を設定することを特徴とする請求項1記載の試料検査装置。
【請求項6】
前記光学画像取得部において、隣り合う検査領域では逆方向に移動しながら前記被検査試料の光学画像を取得し、
前記比較領域設定部において、次回の検査領域に対して前記各比較領域を設定する場合に、前記位置合わせ部により既に以前に位置合わせされた検査領域のうち、前記光学画像取得部において同方向に移動した検査領域での比較領域における位置ずれ量に基づいて、前記複数の比較領域を設定することを特徴とする請求項1記載の試料検査装置。
【請求項7】
前記光学画像取得部において、前記位置合わせ部により既に以前に位置合わせされた検査領域での比較領域における位置ずれ量に基づいて、次回の検査領域の位置を変更することを特徴とする請求項1記載の試料検査装置。
【請求項8】
Y方向に仮想分割された被検査試料の複数の検査領域の各検査領域ごとに、前記Y方向と直行するX方向に向かって複数の比較領域を設定する比較領域設定工程と、
前記各検査領域ごとにX方向に移動しながら前記被検査試料の光学画像を取得する光学画像取得工程と、
前記複数の比較領域の各比較領域ごとに、前記被検査試料の光学画像と、比較対象となる参照画像との位置合わせを行なう位置合わせ工程と、
位置合わせされた光学画像と参照画像との位置ずれ量を次回の比較領域設定工程にフィードバックするフィードバック工程と、
を備えたことを特徴とする被検査試料の画像位置合わせ方法。
【請求項9】
Y方向に仮想分割された被検査試料の複数の検査領域の各検査領域ごとに、前記Y方向と直行するX方向に向かって複数の比較領域を演算する比較領域演算処理と、
前記各検査領域ごとにX方向に移動しながら取得された前記被検査試料の光学画像を入力する光学画像入力処理と、
演算された前記複数の比較領域の各比較領域ごとに、前記被検査試料の光学画像と、比較対象となる参照画像との位置合わせを行なう位置合わせ処理と、
位置合わせされた光学画像と参照画像との位置ずれ量を記憶装置に記憶する記憶処理と、
前記記憶装置に記憶された位置ずれ量を次回の比較領域演算処理にフィードバックするフィードバック処理と、
をコンピュータに実行させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2006−267250(P2006−267250A)
【公開日】平成18年10月5日(2006.10.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−82318(P2005−82318)
【出願日】平成17年3月22日(2005.3.22)
【出願人】(305008983)アドバンスド・マスク・インスペクション・テクノロジー株式会社 (105)
【Fターム(参考)】