認証システム、端末装置、及び、情報処理装置
【課題】 ユーザの手間を省くことができるとともに、ユーザが正規のユーザであるか否かの判定を安定して行なうことのできる認証システム、端末装置、及び、情報処理装置を提供する。
【解決手段】
複数の画像形成装置22とデータ通信可能な情報処理装置24は、複数の画像形成装置22から送信される応答信号に基づいて、複数の画像形成装置22の中からICカードリーダ14が接続されている画像形成装置22を抽出し、抽出した画像形成装置22に対して、正規のユーザのユーザアカウント情報を送信する。ICカードリーダ14が接続可能な画像形成装置22は、当該画像形成装置22にICカードリーダ14が接続されていると判定されたときに、情報処理装置24から受信した正規のユーザのユーザアカウント情報と、ICカードリーダ14によって読取られた情報とに基づいて、認証処理を行なうようにする。
【解決手段】
複数の画像形成装置22とデータ通信可能な情報処理装置24は、複数の画像形成装置22から送信される応答信号に基づいて、複数の画像形成装置22の中からICカードリーダ14が接続されている画像形成装置22を抽出し、抽出した画像形成装置22に対して、正規のユーザのユーザアカウント情報を送信する。ICカードリーダ14が接続可能な画像形成装置22は、当該画像形成装置22にICカードリーダ14が接続されていると判定されたときに、情報処理装置24から受信した正規のユーザのユーザアカウント情報と、ICカードリーダ14によって読取られた情報とに基づいて、認証処理を行なうようにする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネットワークを介してデータ通信を行なう情報処理装置及び端末装置を含み、ユーザが正規のユーザであるか否かを判定するための認証システムに関し、特には、端末装置が、情報処理装置から送信される識別情報に基づいて認証処理を行なう認証システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、複数の画像形成装置と、これらの複数の画像形成装置とネットワークを介してデータ通信を行なう情報処理装置とを含む各種システムが提案されている。
【0003】
例えば、特許文献1に開示される画像形成システムでは、画像形成装置は、使用した原ジョブ設定情報をサーバに対して送信し、サーバは、受信した原ジョブ設定情報と、原ジョブ設定情報がデータ処理されたものであるジョブ設定情報とを記憶するとともに、画像形成装置からの要求に応じてジョブ設定情報を画像形成装置に対して送信し、画像形成装置は、受信したジョブ設定情報に基づいて所定の画像形成処理を行なう。特許文献1で開示される技術では、サーバに、データ処理、並びに、原ジョブ設定情報及びジョブ設定情報の記憶処理を行なわせることで、画像形成装置にかかる負荷を低減している。
【0004】
また、画像形成装置が、悪意を持った第三者によって不正に使用されることを防止するために、画像形成装置のユーザが正規のユーザであるのか、又は、正規のユーザではない者、例えば、不正に操作しようとする第三者であるのかを判定する認証システムの普及が進んでいる。このような認証システムでは、画像形成装置には、ユーザを識別するための識別情報を読取る情報読取装置が接続される。情報読取装置としては、識別情報であるユーザアカウント情報をICカードから読取ることが可能なICカードリーダが使用されることが多い。画像形成装置は、ICカードリーダによって読取られたユーザアカウント情報と、予め記憶される正規のユーザのユーザアカウント情報とに基づいて認証処理を行ない、その結果に基づいて所定の処理を行なう。
【特許文献1】特開2003−303061号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
認証システムにおいて、画像形成装置にかかる負荷を低減させるために、特許文献1の技術を応用することが考えられる。すなわち、画像形成装置は、ICカードリーダによって読取られたユーザアカウント情報を情報処理装置に対して送信し、情報処理装置は、受信したユーザアカウント情報と、予め記憶される正規のユーザのユーザアカウント情報とに基づいて認証処理を行なうとともに、認証処理の結果を画像形成装置に対して通知する。このような認証システムでは、情報処理装置に対するアクセスが過多になる等の理由によって通信トラブルが生じ、画像形成装置と情報処理装置との間でデータ通信を行なえない場合には、認証処理を行なうことができず、正規のユーザは画像形成装置を使用できないという問題が生じるおそれがある。
【0006】
一方、画像形成装置に認証処理を行なわせる場合には、ユーザは、正規のユーザのユーザアカウント情報を画像形成装置毎に予め記憶させておかなければならず、手間がかかり、ユーザの負担が大きくなってしまうという問題がある。
【0007】
本発明は、上述の問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、ユーザの手間を省くことができるとともに、ユーザが正規のユーザであるか否かの判定を安定して行なうことのできる認証システム、端末装置、及び、情報処理装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第1の局面に係る認証システムは、複数の端末装置と、複数の端末装置とネットワークを介してデータ通信を行なう情報処理装置とを含む認証システムであって、情報処理装置において、記憶手段は、ユーザが正規のユーザであるか否かを識別するための識別情報を記憶し、問合せ手段は、複数の端末装置の各々に対し、情報記録媒体から情報を読取る情報読取装置が接続されているか否かを問合せ、応答信号受信手段は、複数の端末装置から、問合せに対して送信される応答信号を受信し、抽出手段は、受信した応答信号に基づいて、複数の端末装置の中から、情報読取装置が接続されている端末装置を抽出し、第1の識別情報送信手段は、抽出した端末装置に対し、記憶手段に記憶されている識別情報を送信する。また、複数の端末装置のうちの少なくとも1つにおいて、問合せ受信手段は、情報処理装置から送信される問合せを受信し、応答信号送信手段は、問合せ受信手段が問合せを受信したことに応答して、当該端末装置に情報読取装置が接続されているか否かを判定し、判定結果に応じて応答信号を作成し情報処理装置に対して送信し、第1の識別情報受信手段は、当該端末装置に情報読取装置が接続されていると判定されたときに、情報処理装置から送信される識別情報を受信して所定の識別情報記憶手段に記憶し、判定手段は、識別情報記憶手段に記憶された識別情報と、情報読取装置によって読取られた情報とに基づいて、ユーザが正規のユーザであるか否かを判定し、制御手段は、判定手段による判定結果に基づいて、所定の処理を行なう。
【0009】
このように、複数の端末装置とデータ通信可能な情報処理装置は、複数の端末装置から送信される、情報読取装置が接続されているか否かに関する問合せに対する応答信号に基づいて、複数の端末装置の中から、情報読取装置が接続されている端末装置を抽出し、抽出した端末装置に対して、ユーザが正規のユーザであるか否かを識別するための識別情報を送信する。情報読取装置が接続可能な端末装置は、当該端末装置に情報読取装置が接続されていると判定されたときに、情報処理装置から受信して識別情報記憶手段に記憶された識別情報と、情報読取装置によって読取られた情報とに基づいて、ユーザが正規のユーザであるか否かを判定する。したがって、情報処理装置は、ネットワークを介してデータ通信を行なう全ての端末装置に対して識別情報を送信する場合と比較して、識別情報の送信先を減らすことができるので、識別情報の送信処理に要する負荷を低減することができる。また、情報読取装置が接続されている全ての端末装置に一度に識別情報を受信させることができるので、情報読取装置が接続されている端末装置のユーザは、端末装置毎に識別情報を予め記憶させておく必要がなくなり、識別情報の記憶処理に要する手間を省くことができる。さらに、端末装置が、ユーザが正規のユーザであるか否かの判定を行なうので、通信トラブル等のために端末装置と情報処理装置との間でデータ通信を行なえない場合においても、安定してユーザが正規のユーザであるか否かの判定を行なうことができる。
【0010】
好ましくは、第1の識別情報送信手段は、複数の端末装置のうち、抽出手段によって抽出された端末装置を除く端末装置に対し、記憶手段に記憶されている識別情報を送信しない。
【0011】
これにより、情報処理装置は、ネットワークを介してデータ通信を行なう全ての端末装置に対して識別情報を送信する場合と比較して、識別情報の送信先を確実に減らすことができるので、識別情報の送信処理に要する負荷を確実に低減することができる。
【0012】
より好ましくは、情報読取装置には、情報記録媒体から情報を読取るための所定の読取方式が予め設定され、問合せ手段は、複数の端末装置の各々に対し、情報記録媒体から所定の読取方式により情報を読取る情報読取装置が接続されているか否かを問合せる手段を含み、応答信号送信手段は、問合せ受信手段が問合せを受信したことに応答して、当該端末装置に所定の読取方式により情報記録媒体から情報を読取る情報読取装置が接続されているか否かを判定し、判定結果に応じて応答信号を作成し情報処理装置に対して送信する手段を含む。
【0013】
このように、複数の端末装置とデータ通信可能な情報処理装置は、端末装置から送信される、情報記録媒体から所定の読取方式により情報を読取る情報読取装置が接続されているか否かに関する問合せに対する応答信号に基づいて、複数の端末装置の中から、所定の読取方式により情報記録媒体から情報を読取る情報読取装置が接続されている端末装置を抽出し、抽出した端末装置に対して、ユーザが正規のユーザであるか否かを識別するための識別情報を送信する。したがって、情報処理装置は、ネットワークを介してデータ通信を行なう全ての端末装置に対して識別情報を送信する場合と比較して、識別情報の送信先をさらに減らすことができるので、識別情報の送信処理に要する負荷をさらに低減することができる。また、所定の読取方式により情報記録媒体から情報を読取る情報読取装置が接続されている全ての端末装置に一度に識別情報を受信させることができるので、所定の読取方式により情報記録媒体から情報を読取る情報読取装置が接続されている端末装置のユーザは、端末装置毎に識別情報を予め記憶させておく必要がなくなり、識別情報の記憶処理に要する手間を省くことができる。
【0014】
さらに好ましくは、情報処理装置は、識別情報の送信時から予め定める所定時間が経過したか否かを判定する経過時間判定手段をさらに含み、第1の識別情報送信手段は、経過時間判定手段によって、識別情報の送信時から予め定める所定時間が経過したと判定されたときに、抽出した端末装置に対し、記憶手段に記憶されている識別情報を再送信する。
【0015】
このように、第1の識別情報送信手段は、経過時間判定手段によって識別情報の送信時から予め定める所定時間が経過したと判定されたときに、抽出した端末装置に対して識別情報を再送信するので、通信トラブル等のために端末装置と情報処理装置との間でデータ通信を行なえない状況が一時的に生じた場合においても、情報読取装置が接続されている端末装置に確実に識別情報を受信させることができ、ユーザが正規のユーザであるか否かの判定をより一層確実に行なうことができる。また、識別情報に変更が生じた場合においても、端末装置は最新の識別情報に基づいて、ユーザが正規のユーザであるか否かの判定を行なうことができるので、より一層正確な判定を行なうことができる。
【0016】
さらに好ましくは、複数の端末装置のうちの少なくとも1つは、識別情報の受信に成功したことを通知する配信情報通知信号を情報処理装置に対して送信する配信情報通知信号送信手段をさらに含み、情報処理装置は、配信情報通知信号を受信する配信情報通知信号受信手段をさらに含み、第1の識別情報送信手段は、経過時間判定手段によって、識別情報の送信時から予め定める所定時間が経過したと判定されたときに、抽出した端末装置であって、かつ、配信情報通知信号を送信していない端末装置に対し、記憶手段に記憶されている識別情報を再送信する。
【0017】
このように、第1の識別情報送信手段は、経過時間判定手段によって識別情報の送信時から予め定める所定時間が経過したと判定されたときに、抽出した端末装置であって、かつ、識別情報の受信に成功したことを通知する配信情報通知信号を送信していない端末装置に対し、識別情報を再送信するので、通信トラブル等のために端末装置と情報処理装置との間でデータ通信を行なえない状況が一時的に生じることによって識別情報を受信できなかった端末装置に対しても識別情報を受信させることができ、ユーザが正規のユーザであるか否かの判定をより一層確実に行なうことができる。また、識別情報の送信時から予め定める所定時間が経過する毎に、抽出した端末装置に対して識別情報を送信する場合と比較して、識別情報の送信先を減らすことができるので、識別情報の送信処理に要する負荷をより一層低減することができる。
【0018】
さらに好ましくは、記憶手段は、識別情報の送信先の端末装置を示す配信先情報と、識別情報の送信時の日付及び時間を示す配信日時情報と、端末装置が識別情報の受信に成功したか否かを示す配信状況情報とを、それぞれ関連付けて配信ログ情報としてさらに記憶する。
【0019】
このように配信ログ情報が記憶されることによって、経過時間判定手段による識別情報の送信時から予め定める所定時間が経過したか否かの判定、及び、第1の識別情報送信手段による、抽出した端末装置であって、かつ、識別情報の受信に成功したことを通知する配信情報通知信号を送信していない端末装置に対する識別情報の送信をより一層確実に行なえるようになる。したがって、通信トラブル等のために端末装置と情報処理装置との間でデータ通信を行なえない状況が一時的に生じることによって識別情報を受信できなかった端末装置に対しても、より一層確実に識別情報を受信させることができ、ユーザが正規のユーザであるか否かの判定をさらに確実に行なうことができる。
【0020】
さらに好ましくは、認証システムは、複数の端末装置及び情報処理装置とネットワークを介してデータ通信を行なう情報端末装置をさらに含み、情報端末装置は、情報処理装置に対し、識別情報を送信する第2の識別情報送信手段を含み、情報処理装置は、情報端末装置から送信される識別情報を受信する第2の識別情報受信手段をさらに含み、記憶手段は、第2の識別情報受信手段によって受信された識別情報を記憶する。
【0021】
これにより、情報処理装置は、ネットワークを介してデータ通信を行なう外部装置である情報端末装置から識別情報を入手することができるようになるので、識別情報の記憶処理及び変更処理をより一層容易に行なうことができるようになる。したがって、より一層ユーザの利便性を向上させることができる。
【0022】
本発明の第2の局面に係る端末装置は、情報記録媒体から情報を読取る情報読取装置が接続可能であり、情報処理装置とネットワークを介してデータ通信を行なう端末装置であって、情報処理装置から送信される、端末装置に情報読取装置が接続されているか否かに関する問合せを受信する問合せ受信手段と、問合せ受信手段が問合せを受信したことに応答して、当該端末装置に情報読取装置が接続されているか否かを判定し、判定結果に応じて応答信号を作成し情報処理装置に対して送信する応答信号送信手段と、当該端末装置に情報読取装置が接続されていると判定されたときに、応答信号に応答して情報処理装置から送信される、ユーザが正規のユーザであるか否かを識別するための識別情報を受信して所定の識別情報記憶手段に記憶させる第1の識別情報受信手段と、当該端末装置に情報読取装置が接続されていると判定されたときに、識別情報記憶手段に記憶された識別情報と、情報読取装置によって読取られた情報とに基づいて、ユーザが正規のユーザであるか否かを判定する判定手段と、判定手段による判定結果に基づいて、所定の処理を行なう制御手段とを含む。
【0023】
このように、情報読取装置が接続可能な端末装置は、当該端末装置に情報読取装置が接続されていると判定されたときに、情報処理装置から受信して識別情報記憶手段に記憶された識別情報と、情報読取装置によって読取られた情報とに基づいて、ユーザが正規のユーザであるか否かを判定する。したがって、通信トラブル等のために端末装置と情報処理装置との間でデータ通信を行なえない場合においても、安定してユーザが正規のユーザであるか否かの判定を行なうことができる。また、情報読取装置が接続されている全ての端末装置は、一度に識別情報を受信することができるので、情報読取装置が接続されている端末装置のユーザは、端末装置毎に識別情報を予め記憶させておく必要がなくなり、識別情報の記憶処理に要する手間を省くことができる。
【0024】
本発明の第3の局面に係る情報処理装置は、情報記録媒体から情報を読取る情報読取装置が接続されている端末装置を含む複数の端末装置と、ネットワークを介してデータ通信を行なう情報処理装置であって、ユーザが正規のユーザであるか否かを識別するための識別情報を記憶する記憶手段と、複数の端末装置に対し、端末装置に情報読取装置が接続されているか否かを問合せる問合せ手段と、複数の端末装置から問合せに応答して送信される応答信号を受信する応答信号受信手段と、受信した応答信号に基づいて、複数の端末装置の中から、情報読取装置が接続されている端末装置を抽出する抽出手段と、抽出した端末装置に対し、記憶手段に記憶されている識別情報を送信する第1の識別情報送信手段とを含む。
【0025】
このように、複数の端末装置とデータ通信可能な情報処理装置は、複数の端末装置から送信される、情報読取装置が接続されているか否かに関する問合せに対する応答信号に基づいて、複数の端末装置の中から情報読取装置が接続されている端末装置を抽出し、抽出した端末装置に対して、ユーザが正規のユーザであるか否かを識別するための識別情報を送信する。したがって、情報処理装置は、ネットワークを介してデータ通信を行なう全ての端末装置に対して識別情報を送信する場合と比較して、識別情報の送信先を減らすことができるので、識別情報の送信処理に要する負荷を低減することができる。また、情報読取装置が接続されている全ての端末装置に一度に識別情報を受信させることができるので、情報読取装置が接続されている端末装置のユーザは、端末装置毎に識別情報を予め記憶させておく必要がなくなり、識別情報の記憶処理に要する手間を省くことができる。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、複数の端末装置とデータ通信可能な情報処理装置は、複数の端末装置から送信される、情報読取装置が接続されているか否かに関する問合せに対する応答信号に基づいて、複数の端末装置の中から、情報読取装置が接続されている端末装置を抽出し、抽出した端末装置に対して、ユーザが正規のユーザであるか否かを識別するための識別情報を送信する。情報読取装置が接続可能な端末装置は、当該端末装置に情報読取装置が接続されていると判定されたときに、情報処理装置から受信して識別情報記憶手段に記憶された識別情報と、情報読取装置によって読取られた情報とに基づいて、ユーザが正規のユーザであるか否かを判定する。したがって、情報処理装置は、ネットワークを介してデータ通信を行なう全ての端末装置に対して識別情報を送信する場合と比較して、識別情報の送信先を減らすことができるので、識別情報の送信処理に要する負荷を低減することができる。また、情報読取装置が接続されている全ての端末装置に一度に識別情報を受信させることができるので、情報読取装置が接続されている端末装置のユーザは、端末装置毎に識別情報を予め記憶させておく必要がなくなり、識別情報の記憶処理に要する手間を省くことができる。さらに、端末装置が、ユーザが正規のユーザであるか否かの判定を行なうので、通信トラブル等のために端末装置と情報処理装置との間でデータ通信を行なえない場合においても、安定してユーザが正規のユーザであるか否かの判定を行なうことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下の説明及び図面においては、同一の部品には同一の参照符号及び名称を付してある。それらの機能も同様である。したがって、それらについての詳細な説明をその都度繰返すことはしない。
【0028】
[第1の実施の形態]
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る認証システム10の構成を模式的に示すブロック図である。図1を参照して、認証システム10は、複数の画像形成装置22a〜22dと、画像形成装置22a〜22dとLAN(Local Area Network)回線からなるネットワーク20を介してデータ通信を行なう情報処理装置24とを含む。 画像形成装置22a,22cには、IC(Integrated Circuit)カード12からユーザアカウント情報を読取るICカードリーダ14a,14cが接続されている。情報処理装置24には、ICカード12からユーザアカウント情報を読取るICカードリーダ15が接続されている。ここで、ユーザアカウント情報とは、ICカード12の所有者を特定するための情報であって、例えば、所有者の氏名及び所属部門等を示す情報のことである。ユーザアカウント情報は、画像形成装置22を使用しようとするユーザが、画像形成装置22の使用を許可された正規のユーザであるか否かを判定する認証処理において使用される。以下、本明細書において、各画像形成装置22a〜22dに対応する各構成部においては、各画像形成装置22a〜22dを表すアルファベットを参照符号の末尾に付して区別し、総称する場合は参照符号のみで表す。
【0029】
ICカードリーダ14a,14c,15には、予め所定のICカード規格が設定されている。ICカードリーダ14a,14c,15は、設定されたICカード規格によりICカード12からユーザアカウント情報を読取り、読取った情報を含む読取信号を出力する。したがって、ICカードリーダ14a,14c,15は、予め設定されるICカード規格に対応するICカード12からユーザアカウント情報を読取る場合に、正常な読取信号を出力する。ここで、ICカード規格とは、例えば、非接触ICカードの国際標準規格である、近接型ICカードに対応するISO/IEC 14443で規定される規格、密着型ICカードに対応するISO/IEC 10536で規定される規格、近傍型ICカードに対応するISO/IEC 15693で規定される規格、及び、フェリカ(登録商標)等のことである。以下、本明細書では、個々のICカード規格を、各ICカード規格を表すアルファベットを「方式」という文言の末尾に付して区別し、例えば、方式A又は方式B等と表現する。本実施の形態では、ICカードリーダ14a,14c,15には、方式AのICカード規格が予め設定されており、正規のユーザは方式Aに対応するICカード12を所有する。
【0030】
認証システム10において、情報処理装置24は、ICカードリーダ14a,14cが接続されている画像形成装置22a,22cに対して正規のユーザのユーザアカウント情報を送信する。画像形成装置22a,22cは、受信した正規のユーザのユーザアカウント情報と、ICカードリーダ14a,14cによって読取られたユーザアカウント情報とに基づいて認証処理を行ない、認証処理の結果に応じて所定の処理を実行する。
【0031】
〈ハードウェア構成〉
以下、画像形成装置22a〜22d及び情報処理装置24のハードウェア構成について説明する。
【0032】
[画像形成装置22a]
図2は、ICカードリーダ14aが接続され、かつ、検索要求応答部16aを含む画像形成装置22aの構成を示すブロック図である。図2を参照して、画像形成装置22aは、例えば、スキャナ機能、コピー機能、ファクシミリ機能、及び、プリンタ機能等を備えるMFP(Multifunction Printer)であって、制御部50a、HDD(Hard Disk Drive)52a、操作部54a、画像読取部56a、画像処理部58a、画像形成部60a、USB(登録商標、Universal Serial Bus)インターフェイス(USB I/F)62a、LANインターフェイス(LAN I/F)66a、及び、検索要求応答部16aを含む。
【0033】
制御部50aは、実質的にコンピュータであって、CPU(Central Processing Unit)70a、ROM(Read−Only Memory)72a、及び、第1RAM(Random Access Memory)74aを含む。CPU70aには、BUSライン76aが接続されており、このBUSライン76aには、ROM72a及び第1RAM74aが電気的に接続される。CPU70aは、操作部54a等からの指示に応じて各種コンピュータプログラムを実行することによって、画像形成装置22aの各構成部の動作及び情報処理装置24等の外部機器との通信等の所望の処理を実行する。上記の各種コンピュータプログラムは、予めROM72aに記憶されており、所望の処理の実行時において、当該ROM72aから読出されて第1RAM74aに転送される。CPU70aは、CPU70a内の図示しないプログラムカウンタと呼ばれるレジスタに格納された値によって指定される、第1RAM74a内のアドレスからプログラムの命令を読出し、解釈する。CPU70aはまた、読出された命令によって指定されるアドレスから演算に必要なデータを読出し、そのデータに対し命令に対応する演算を実行する。実行の結果も、第1RAM74a、HDD52a及びCPU70a内のレジスタ等の、命令によって指定されるアドレスに格納される。
【0034】
本実施の形態において、ROM72aには、認証システム10の一部として画像形成装置22aを制御し、動作させるためのコンピュータプログラムが記憶されている。このコンピュータプログラムの制御構造については後述する。
【0035】
BUSライン76aには、さらに、HDD52a、操作部54a、画像読取部56a、画像処理部58a、画像形成部60a、USB I/F62a、LAN I/F66a、及び、検索要求応答部16aが電気的に接続される。
【0036】
HDD52aは、磁気記憶媒体を備え、画像形成装置22aの識別ID(Identification Number)、情報処理装置24から送信される正規のユーザのユーザアカウント情報、及び、画像メモリ88aから入力される画像データ等を含む各種データを記憶する記憶領域を提供する。ここで、識別IDとは、画像形成装置22aを特定して判別するために画像形成装置22aに固有に設定されるIDのことである。本実施の形態では、識別IDとして、IP(Internet Protocol)アドレスを使用する。
【0037】
操作部54aは、ユーザの指示等に応じた各種入力を行なうための各種入力キー等を備えるタッチパネルを含む入力部と、液晶ディスプレイ(LCD(Liquid Crystal Display))等の表示部とを重ねて構成される。
【0038】
画像読取部56aは、原稿検知センサ及びCCD(Charge−Coupled Device)ラインセンサ(以上いずれも図示せず。)を含む光学系を備える。原稿検知センサは、ユーザによって手動で、又は、自動原稿搬送装置(図示せず。ADF(Automatic Document Feeder))によって、原稿載置台(図示せず。)上に載置された原稿の画像表面に対し光源(図示せず。)から光を照射することで得られる反射光像をCCDラインセンサ上に結像させる。CCDラインセンサは、結像された反射光像を順次光電変換して、画像データとして後述する画像メモリ88aに出力する。画像読取部56aは、原稿のコピー時又はスキャン時に、原稿載置台に載置される原稿から原稿検知センサによって画像情報を読取り、読取った画像情報をCCDラインセンサによって電気信号に変換して画像データとして画像メモリ88aに出力する。
【0039】
画像処理部58aは、MPU(Micro Processing Unit、図示せず。)を含む。画像処理部58aは、画像読取部56a又は外部装置から画像メモリ88aに入力された画像データに対して、例えば、γ(ガンマ)補正処理及びフィルタ処理等の所定の画像処理、並びに、圧縮処理又は伸張処理等の各種処理を専用メモリである第2RAM86aを使用して実現する。画像処理部58aはさらに、これらの処理が施された画像データを一旦画像メモリ88aにページ単位で出力した後、HDD52aに記憶させる。
【0040】
画像形成部60aは、画像メモリ88a及び印字部90aを備える。画像メモリ88aは、RAMを含み、画像データをページ単位で一時的に記憶する。画像メモリ88aは、制御部50a等からの指示に応じて、印字部90aに送信するための画像データをHDD52aからページ単位で順次読出して一時的に記憶し、記憶した画像データを印字部90aによる画像形成に同期して、印字部90aに対して出力する。このように、HDD52aが複数の画像データを記憶し、画像メモリ88aがこれらの画像データをページ単位で順次処理していくことによって、印字部90aに送信するための画像データが複数ある場合においても、画像形成動作を効率よく迅速に行なうことができる。
【0041】
印字部90aは、感光体、帯電装置、レーザ走査ユニット(LSU(Laser Scanning Unit))、現像装置、転写ユニット、クリーニング装置、及び、定着装置(以上いずれも図示せず。)を含む。また、印字部90aはさらに、画像形成装置22aに着脱自在に装着される、手差し給紙トレイ、第1給紙トレイ及び第2給紙トレイ(以上いずれも図示せず。)を含む。これらの給紙トレイは、この順で上下に並ぶように設置され、記録用紙を保持し、記録用紙を搬送するための用紙搬送部(図示せず。)に記録用紙を送給する。手差し給紙トレイは、ユーザが手動により所望の記録用紙を設置するためのトレイであり、第1給紙トレイ及び第2給紙トレイは、異なる大きさの記録用紙を保持するトレイである。印字部90aは、制御部50a等からの指示に応じて、上記給紙トレイのいずれかから用紙搬送部を介して搬送される記録用紙上に、画像メモリ88aから送信される画像データに基づいて画像を形成する。
【0042】
USB I/F62aは、USBポートを備えるHot Plug対応のインターフェイスであって、画像形成装置22aの稼動中にUSBケーブルを介して電気的に接続される外部装置を自動認識する。画像形成装置22aにおいて、USB I/F62aにはICカードリーダ14aが接続される。ICカードリーダ14aは、ICカード12に含まれるユーザアカウント情報の読取処理を行なう情報読取装置である。ICカードリーダ14aは、ICカード12がカード挿入口(図示せず。)に挿入されると、予め設定されるICカード規格である方式AによりICカード12に含まれるユーザアカウント情報を読取り、読取った情報を含む読取信号を制御部50aに対して出力する。
【0043】
画像形成装置22aは、LAN I/F66aを介してLAN回線からなるネットワーク20に接続されており、ネットワーク20上に接続されるファクシミリ装置等とファクシミリ通信が可能であり、また、情報処理装置24とのデータ通信が可能である。
【0044】
検索要求応答部16aは、実際にはCPU70aにより実行されるプログラムにより実現される。検索要求応答部16aは、画像形成装置22aにICカードリーダ14aが接続されているか否かを示す検索応答用データと、画像形成装置22aの識別IDとを含む応答信号を作成する。本実施の形態では、検索応答用データとして1ビットのデータを使用する。すなわち、検索要求応答部16aは、情報処理装置24から送信される検索要求信号を受信すると、HDD52aから識別IDを読出すとともに、USB I/F62aにICカードリーダ14aが接続されているか否かを判定する。そして、ICカードリーダ14aが接続されていると判定した場合には、ICカードリーダ14aが接続されていることを示す2値データである「1」データと、読出した識別IDとを含む応答信号を作成する。一方、ICカードリーダ14aが接続されていないと判定した場合には、ICカードリーダ14aが接続されていないことを示す2値データである「0」データと、読出した識別IDとを含む応答信号を作成する。なお、検索要求信号とは、応答信号の送信を要求する旨の命令を表す信号のことであり、情報処理装置24から画像形成装置22a〜22dに対して送信される。情報処理装置24は、検索要求信号を画像形成装置22a〜22dに対して送信することによって、画像形成装置22にICカードリーダ14aが接続されているか否かを問合せる。
【0045】
画像形成装置22aの各構成部には電源(図示せず。)が接続され、この電源から電圧が印加されることで、画像形成装置22aの各構成部が動作する。
【0046】
画像形成装置22aは、上述した各構成部を動作させることによって、操作部54aからのユーザの入力操作による指示又は外部装置等からの指示に応じて、原稿画像を読取り記録用紙に印刷するコピーモード、外部装置等から送信される画像データを受信して記録用紙に印刷するプリンタモード、原稿画像を読取り外部装置等に送信するスキャナモード、及び、ファクシミリ装置とファクシミリ通信を行なうFAXモード等の各種のモードのいずれかを実行する。
【0047】
[画像形成装置22b〜22d]
図1を参照して、画像形成装置22bは、ICカードリーダ14が接続されない点を除いて画像形成装置22aと同一の構成である。画像形成装置22cは、画像形成装置22aと同一の構成である。画像形成装置22dは、ICカードリーダ14が接続されない点、検索要求応答部16を含まない点、及び、ROM72dに、認証システム10の一部として画像形成装置22dを制御し、動作させるためのコンピュータプログラムが記憶されていない点を除いて画像形成装置22aと同一の構成である。
【0048】
[情報処理装置24]
図3は、情報処理装置24の構成を示すブロック図である。図3を参照して、情報処理装置24は、制御部100、USB I/F110、HDD112、操作部114、表示部116、LAN I/F118、及び、抽出部120を含むサーバである。
【0049】
制御部100は、実質的にコンピュータであって、CPU122、ROM124、及び、RAM126を含む。CPU122には、BUSライン128が接続されており、このBUSライン128には、ROM124及びRAM126が電気的に接続される。CPU122は、画像形成装置22等の外部装置又は操作部114等からの指示に応じて各種コンピュータプログラムを実行することによって、情報処理装置24の各構成部の動作及び画像形成装置22等の外部機器との通信等の所望の処理を実行する。上記の各種コンピュータプログラムは、予めROM124に記憶されており、所望の処理の実行時において、当該ROM124から読出されてRAM126に転送される。CPU122は、CPU122内の図示しないプログラムカウンタと呼ばれるレジスタに格納された値によって指定される、RAM126内のアドレスからプログラムの命令を読出し、解釈する。CPU122はまた、読出された命令によって指定されるアドレスから演算に必要なデータを読出し、そのデータに対し命令に対応する演算を実行する。実行の結果も、RAM126,HDD112及びCPU122内のレジスタ等の、命令によって指定されるアドレスに格納される。
【0050】
本実施の形態において、ROM124には、認証システム10の一部として情報処理装置24を制御し、動作させるためのコンピュータプログラムが記憶されている。このコンピュータプログラムの制御構造については後述する。ROM124には、さらに、正規のユーザのユーザアカウント情報の登録処理を実行するためのユーザアカウント情報登録プログラムが記憶されている。ユーザアカウント情報登録プログラムは、このプログラムを実行する権限を有するユーザが、例えばパスワード等を用いた所定の認証を行なうことによって起動される。
【0051】
BUSライン128には、さらに、HDD112、USB I/F110、操作部114、表示部116、LAN I/F118、及び、抽出部120が電気的に接続される。
【0052】
USB I/F110は、USBポートを備えるHot Plug対応のインターフェイスであって、情報処理装置24の稼動中にUSBケーブルを介して電気的に接続される外部装置を自動認識する。情報処理装置24において、USB I/F110にはICカードリーダ15が接続される。ICカードリーダ15は、ICカード12に含まれるユーザアカウント情報の読取処理を行なう情報読取装置である。権限を有するユーザにより所定の認証が行なわれてユーザアカウント情報登録プログラムが起動された後、ICカードリーダ15は、登録対象のユーザアカウント情報を記録したICカード12がカード挿入口(図示せず。)に挿入されると、予め設定されるICカード規格である方式AによりICカード12に含まれるユーザアカウント情報を読取り、読取ったユーザアカウント情報をHDD112に記憶させる。すなわち、所定の認証を行なうことができる権限を有するユーザのみが、登録対象のユーザアカウント情報である正規のユーザのユーザアカウント情報を記録したICカード12をICカードリーダ15に読取らせ、HDD112に記憶させることができる。
【0053】
HDD112は、磁気記憶媒体を備え、ICカードリーダ15によって読取られた正規のユーザのユーザアカウント情報等を含む各種データを記憶する記憶領域を提供する。
【0054】
操作部114は、ユーザの指示等に応じた各種入力及び文字入力等を行なう入力装置であるキーボードからなる。表示部116は、情報処理装置24における処理結果等を表示するための、液晶ディスプレイ等からなる表示装置である。操作部114及び表示部116は、インターフェイス(図示せず。)を介してBUSライン128と接続される。
【0055】
情報処理装置24は、LAN I/F118を介してLAN回線からなるネットワーク20に接続されており、ネットワーク20上に接続される画像形成装置22とのデータ通信が可能である。
【0056】
抽出部120は、実際にはCPU122により実行されるプログラムにより実現される。抽出部120は、画像形成装置22から受信した応答信号に基づいて、ネットワーク20に接続される複数の画像形成装置22の中から、ICカードリーダ14が接続されている画像形成装置22を抽出し、対応する識別IDを応答信号から読出す。すなわち、抽出部120は、受信した応答信号の中から、ICカードリーダ14が接続されていることを示す「1」データを含む信号を抽出し、抽出した応答信号に含まれる画像形成装置22の識別IDを読出す。
【0057】
情報処理装置24の各構成部には電源(図示せず。)が接続され、この電源から電圧が印加されることで、情報処理装置24の各構成部が動作する。
【0058】
〈ソフトウェア構成〉
[画像形成装置22a〜22c]
図4は、画像形成装置22a〜22cにおいて認証システム10を実現するためのプログラム構造をフローチャート形式で示す図である。上述したように、画像形成装置22a〜22cのROM72に記憶されるコンピュータプログラムは、認証システム10の一部として画像形成装置22a〜22cを制御し、動作させるようにプログラミングされている。このプログラムは、正規のユーザのユーザアカウント情報の記憶処理を行なう記憶プログラムである。このプログラムは、制御部50を実質的に構成するCPU70を含むコンピュータが、上記コンピュータプログラムに従って、画像形成装置22a〜22cの動作を制御することによって、ハードウェアとコンピュータプログラムとの協働により実現する、信号作成機能、判定機能、及び、記憶機能等によって実行される。なお、前記信号作成機能とは、応答信号を作成する機能のことであり、前記判定機能とは、検索要求信号を受信したか否かを判定する処理等の後述する各判定処理を行なう機能のことであり、前記記憶機能とは、受信した正規のユーザのユーザアカウント情報をHDD52に記憶させる機能のことである。
【0059】
画像形成装置22a〜22cにおいて認証システム10を実現するための記憶プログラムは、画像形成装置22a〜22cの電源が投入されることによって起動される。画像形成装置22a〜22cの起動時には、画像形成装置22a,22cは制御部50によって使用不可能な状態にされる。画像形成装置22bは制御部50によって使用可能な状態にされるとともに、操作部54の表示部には、画像形成装置22bが行なう各種処理に対する指示をユーザ等に入力させるための設定画面が表示される。なお、本プログラムは、ユーザ等によって画像形成装置22a〜22cの電源が切られることによって終了する。
【0060】
図4を参照して、記憶プログラムは、LAN I/F66を監視し、LAN I/F66が、情報処理装置24から検索要求信号を受信するまで待機するステップS100と、ステップS100において、検索要求信号を受信したと判定された場合(YESの場合)に実行され、画像形成装置22a〜22cにICカードリーダ14が接続されているか否かを示す検索応答用データと、画像形成装置22a〜22cの自己の識別IDとを含む応答信号を作成するステップS101と、作成した応答信号をLAN I/F66及びネットワーク20を介して情報処理装置24に対して送信するステップS102と、作成した応答信号が、ICカードリーダ14が接続されていることを示す「1」データを含むか否かを判定し、判定結果に応じて制御の流れを分岐させるステップS103とを含む。ステップS103において、「1」データを含まないと判定された場合(NOの場合)には、制御はステップS100に戻る。
【0061】
このプログラムはさらに、ステップS103において、「1」データを含むと判定された場合(YESの場合)に実行され、LAN I/F66を監視し、LAN I/F66が、情報処理装置24から正規のユーザのユーザアカウント情報を受信するまで待機するステップS104を含む。
【0062】
このプログラムはさらに、ステップS104において、正規のユーザのユーザアカウント情報を受信したと判定された場合(YESの場合)に実行され、受信した正規のユーザのユーザアカウント情報をHDD52に記憶させるステップS105を含む。
【0063】
[画像形成装置22a,22c]
図5は、画像形成装置22a,22cにおいて認証システム10を実現するためのプログラム構造をフローチャート形式で示す図である。上述したように、画像形成装置22a,22cのROM72に記憶されるコンピュータプログラムは、認証システム10の一部として画像形成装置22a,22cを制御し、動作させるようにプログラミングされている。このプログラムは、認証処理を行なう認証プログラムである。このプログラムは、制御部50を実質的に構成するCPU70を含むコンピュータが、上記コンピュータプログラムに従って、画像形成装置22a,22cの動作を制御することによって、ハードウェアとコンピュータプログラムとの協働により実現する判定機能、及び、動作制御機能等によって実行される。なお、前記判定機能とは、画像形成装置22a,22cを使用しようとするユーザが正規のユーザであるか否かを判定する処理等の後述する各判定処理を行なう機能のことであり、前記動作制御機能とは、画像形成装置22a,22cを使用可能又は使用不可能な状態にする機能のことである。
【0064】
画像形成装置22a,22cにおいて認証システム10を実現するための認証プログラムは、画像形成装置22a,22cの電源が投入されることによって起動される。なお、本プログラムは、ユーザ等によって画像形成装置22a,22cの電源が切られることによって終了する。
【0065】
図5を参照して、認証プログラムは、操作部54の表示部に、例えば、「カードを挿入してください。」等の、ICカードリーダ14のカード挿入口(図示せず。)に対するICカード12の挿入を促す旨を報知する表示を表示させるステップS200と、ICカードリーダ14を監視し、ICカードリーダ14のカード挿入口(図示せず。)にICカード12が挿入されるまで待機するステップS201とを含む。
【0066】
このプログラムはさらに、ステップS201において、ICカード12が挿入されたと判定された場合(YESの場合)に実行され、ICカードリーダ14に、予め設定されるICカード規格によりICカード12に含まれるユーザアカウント情報の読取りを行なわせるとともに、読取った情報を含む読取信号を出力させるステップS202と、HDD52に記憶される正規のユーザのユーザアカウント情報を読出し、読出した正規のユーザのユーザアカウント情報の中に、ICカードリーダ14から出力された読取信号に含まれるユーザアカウント情報と一致するものがあるか否かに基づいて、ユーザが正規のユーザであるか否かを判定し、判定結果に応じて制御の流れを分岐させるステップS203とを含む。
【0067】
このプログラムはさらに、ステップS203において、ユーザが正規のユーザではないと判定された場合(NOの場合)、すなわち、HDD52から読出した正規のユーザのユーザアカウント情報の中に、ICカードリーダ14から出力された読取信号に含まれるユーザアカウント情報と一致するものがないと判定された場合に実行され、ICカードリーダ14のカード挿入口(図示せず。)からICカード12を排出させるとともに、操作部54の表示部に、例えば、「このカードは対応していません。」等の、ユーザが正規のユーザではなく、画像形成装置22が使用不可能である旨を報知する表示を表示するステップS204を含む。このような表示を行なうことにより、画像形成装置22を使用しようとするユーザは、自分が正規のユーザではなく、画像形成装置22が使用不可能であることを容易に認識することができる。したがって、画像形成装置22を使用するユーザの利便性をさらに向上させることができる。
【0068】
このプログラムはさらに、ステップS203において、ユーザが正規のユーザであると判定された場合(YESの場合)、すなわち、HDD52から読出した正規のユーザのユーザアカウント情報の中に、ICカードリーダ14から出力された読取信号に含まれるユーザアカウント情報と一致するものがあると判定された場合に実行され、画像形成装置22を使用可能な状態にするとともに、操作部54の表示部に、画像形成装置22が行なう各種処理に対する指示をユーザ等に入力させるための設定画面を表示させるステップS205を含む。
【0069】
このプログラムはさらに、操作部114を監視し、操作部114の入力キーの1つであるクリアキーが押下されるまで待機するステップS206を含む。ステップS206において、操作部54のクリアキーが押下されたと判定された場合(YESの場合)には、画像形成装置22を使用不可の状態に設定し、制御はステップS200に戻る。
【0070】
[情報処理装置24]
図6は、情報処理装置24において認証システム10を実現するためのプログラム構造をフローチャート形式で示す図である。上述したように、情報処理装置24のROM124に記憶されるコンピュータプログラムは、認証システム10の一部として情報処理装置24を制御し、動作させるようにプログラミングされている。このプログラムは、制御部100を実質的に構成するCPU122を含むコンピュータが、上記コンピュータプログラムに従って、情報処理装置24の動作を制御することによって、ハードウェアとコンピュータプログラムとの協働により実現する抽出機能、及び、判定機能等によって実行される。なお、前記抽出機能とは、ネットワーク20に接続される複数の画像形成装置22の中からICカードリーダ14が接続されている画像形成装置22を抽出する機能のことであり、前記判定機能とは、予め定める所定時間が経過したか否かを判定する処理等の各判定処理を行なう機能のことである。
【0071】
図6を参照して、情報処理装置24において認証システム10を実現するためのプログラムは、ユーザ等によって情報処理装置24の操作部114から、本プログラムを開始する旨の指示に応じた入力操作がなされることによって起動される。
【0072】
このプログラムは、LAN I/F118及びネットワーク20を介して、ネットワーク20に接続される複数の画像形成装置22に対し、検索要求信号を送信するステップS300と、検索要求信号送信時から予め定める所定時間が経過するまで待機するステップS301とを含む。
【0073】
このプログラムはさらに、ステップS301において、予め定める所定時間が経過したと判定された場合(YESの場合)に実行され、予め定める所定時間内にLAN I/F118及びネットワーク20を介して画像形成装置22から受信した応答信号に基づいて、ネットワーク20に接続される複数の画像形成装置22の中から、ICカードリーダ14が接続されている画像形成装置22を抽出し、対応する識別IDを応答信号から読出すステップS302を含む。ステップS302において、抽出部120は、受信した応答信号の中から、ICカードリーダ14が接続されていることを示す「1」データを含む信号を抽出し、抽出した応答信号に含まれる画像形成装置22の識別IDを読出す。
【0074】
このプログラムはさらに、HDD112から正規のユーザのユーザアカウント情報を読出し、読出した正規のユーザのユーザアカウント情報を、LAN I/F118及びネットワーク20を介して、ステップS302において読出された識別IDを有する画像形成装置22に対して送信するステップS303を含む。
【0075】
〈動作〉
本実施の形態に係る画像形成装置22a〜22d及び情報処理装置24は、以下のようにして動作する。
【0076】
情報処理装置24の電源は常時投入された状態であり、権限を有するユーザにより所定の認証が行なわれてユーザアカウント情報登録プログラムが起動されると、画像形成装置22a,22cの正規のユーザは、登録対象のユーザアカウント情報を記録したICカード12を予め設定されるICカード規格である方式AによりICカードリーダ15に読取らせ、読取らせたユーザアカウント情報をHDD112に記憶させる。
【0077】
画像形成装置22a,22cを使用しようとするユーザが画像形成装置22a,22cの電源をそれぞれ投入すると、画像形成装置22a,22cの制御部50のCPU70は、画像形成装置22a,22cを使用不可能な状態にするとともに、LAN I/F66、及び、ICカードリーダ14の監視を開始する。画像形成装置22b,22dを使用しようとするユーザが画像形成装置22b,22dの電源をそれぞれ投入すると、画像形成装置22b,22dの制御部50のCPU70は、画像形成装置22b,22dを使用可能な状態にするとともに、操作部54の表示部に画像形成装置22b,22dが行なう各種処理に対する指示をユーザ等に入力させるための設定画面を表示させ、LAN I/F66の監視を開始する。
【0078】
情報処理装置24のユーザが、情報処理装置24の操作部114から、上述した認証システム10を実現するためのプログラムを開始する旨の指示に応じた入力操作を行なうと、情報処理装置24の制御部100のCPU122は、LAN I/F118及びネットワーク20を介して、ネットワーク20に接続される複数の画像形成装置22a〜22dに対し、検索要求信号を送信する。
【0079】
画像形成装置22a〜22dの制御部50のCPU70によって、LAN I/F66が情報処理装置24から送信される検索要求信号を受信したと判定されると、画像形成装置22a〜22cの検索要求応答部16は、画像形成装置22a〜22cにICカードリーダ14が接続されているか否かを示す検索応答用データと、画像形成装置22a〜22cの自己の識別IDとを含む応答信号をそれぞれ作成する。本実施の形態において、画像形成装置22a,22cにはICカードリーダ14a,14cが接続されているので、画像形成装置22a,22cの検索要求応答部16により作成される応答信号は、ICカードリーダ14が接続されていることを示す2値データである「1」データと自己の識別IDとを含む。画像形成装置22bにはICカードリーダ14が接続されていないので、画像形成装置22bの検索要求応答部16により作成される応答信号は、ICカードリーダ14が接続されていないことを示す2値データである「0」データと自己の識別IDとを含む。
【0080】
画像形成装置22a〜22cの制御部50のCPU70は、検索要求応答部16によって作成された応答信号をLAN I/F66及びネットワーク20を介して情報処理装置24に対してそれぞれ送信する。画像形成装置22dは検索要求応答部16を含まないので、応答信号の作成及び送信は行なわない。
【0081】
情報処理装置24の制御部100のCPU122によって、検索要求信号送信時から予め定める所定時間が経過したと判定されると、情報処理装置24の抽出部120は、予め定める所定時間内にLAN I/F118及びネットワーク20を介して画像形成装置22a〜22cから受信した応答信号に基づいて、ネットワーク20に接続される複数の画像形成装置22a〜22dの中から、ICカードリーダ14が接続されている画像形成装置22を抽出し、対応する識別IDを応答信号から読出す。すなわち、抽出部120は、受信した応答信号の中から、ICカードリーダ14が接続されていることを示す「1」データを含む信号を抽出し、抽出した応答信号に含まれる画像形成装置22の識別IDを読出す。本実施の形態では、抽出部120によって、画像形成装置22a,22cによって送信された「1」データを含む応答信号が抽出され、画像形成装置22a,22cの識別IDであるIPアドレスが読出される。画像形成装置22bによって送信された「0」データを含む応答信号は抽出されず、対応する識別IDも読出されない。また、応答信号を送信しなかった画像形成装置22dに対応する識別IDも読出されない。
【0082】
情報処理装置24の制御部100のCPU122は、HDD112から正規のユーザのユーザアカウント情報を読出し、読出した正規のユーザのユーザアカウント情報を、LAN I/F118及びネットワーク20を介して、抽出部120によって読出された識別IDを有する画像形成装置22a,22cに対して送信する。
【0083】
画像形成装置22bの制御部50のCPU70は、自己の検索要求応答部16によって作成された応答信号はICカードリーダ14が接続されていることを示す「1」データを含まないと判定し、画像形成装置22bの状態を電源投入時の状態のままで維持する。
【0084】
画像形成装置22a,22cの制御部50のCPU70は、検索要求応答部16によって作成された応答信号はICカードリーダ14が接続されていることを示す「1」データを含むと判定するとともに、LAN I/F66が、情報処理装置24から正規のユーザのユーザアカウント情報を受信したと判定すると、受信した正規のユーザのユーザアカウント情報をHDD52に記憶させる。
【0085】
画像形成装置22a,22cの制御部50のCPU70は、操作部54の表示部に、例えば、「カードを挿入してください。」等の、ICカードリーダ14のカード挿入口(図示せず。)に対するICカード12の挿入を促す旨を報知する表示を表示させる。
【0086】
ユーザがICカードリーダ14のカード挿入口(図示せず。)にICカード12を挿入し、画像形成装置22a,22cの制御部50のCPU70によって、ICカードリーダ14のカード挿入口(図示せず。)にICカード12が挿入されたと判定されると、ICカードリーダ14は、予め設定されるICカード規格である方式AによりICカード12に含まれるユーザアカウント情報を読取り、読取った情報を含む読取信号を画像形成装置22a,22cの制御部50に対して出力する。
【0087】
画像形成装置22a,22cの制御部50のCPU70は、HDD52に記憶される正規のユーザのユーザアカウント情報を読出し、読出した正規のユーザのユーザアカウント情報の中に、ICカードリーダ14から出力された読取信号に含まれるユーザアカウント情報と一致するものがあるか否かに基づいて、ユーザが正規のユーザであるか否かを判定する。
【0088】
画像形成装置22a,22cの制御部50のCPU70は、HDD52から読出した正規のユーザのユーザアカウント情報の中に、ICカードリーダ14から出力された読取信号に含まれるユーザアカウント情報と一致するものがないと判定し、ユーザが正規のユーザではないと判定すると、ICカードリーダ14のカード挿入口(図示せず。)からICカード12を排出させるとともに、操作部54の表示部に、例えば、「このカードは対応していません。」等の、ユーザが正規のユーザではなく、画像形成装置22a,22cが使用不可能である旨を報知する表示を表示する。このとき、画像形成装置22a,22cは、使用不可能な状態のままであり、ユーザは画像形成装置22a,22cを使用することができない。
【0089】
一方、画像形成装置22a,22cの制御部50のCPU70は、HDD52から読出した正規のユーザのユーザアカウント情報の中に、ICカードリーダ14から出力された読取信号に含まれるユーザアカウント情報と一致するものがあると判定し、ユーザが正規のユーザであると判定すると、画像形成装置22a,22cを使用可能な状態にするとともに、操作部54の表示部に、画像形成装置22a,22cが行なう各種処理に対する指示をユーザ等に入力させるための設定画面を表示させる。
【0090】
画像形成装置22a〜22dのユーザ、画像形成装置22a,22cにおいては正規のユーザが表示された設定画面を確認し、操作部54から所望のジョブを実行するための入力操作を行なうと、画像形成装置22a〜22dの制御部50のCPU70は、操作部54から入力される制御信号に基づいて、ユーザの入力操作に応じた処理を実行する。
【0091】
画像形成装置22b,22dのユーザは、所望の全ての処理が終了すると、画像形成装置22b,22dの操作部54のクリアキーを押下する。画像形成装置22b,22dの制御部50のCPU70は、クリアキーが押下されたと判定すると、操作部54の表示部に、画像形成装置22b,22dが行なう各種処理に対する指示をユーザ等に入力させるための設定画面を表示させる。
【0092】
画像形成装置22a,22cの正規のユーザは、所望の全ての処理が終了すると、ICカードリーダ14のカード挿入口(図示せず。)からICカード12を排出させるとともに画像形成装置22b,22dの操作部54のクリアキーを押下する。画像形成装置22a,22cの制御部50のCPU70は、クリアキーが押下されたと判定すると、画像形成装置22a,22cを使用不可の状態に設定し、操作部54の表示部に、例えば、「カードを挿入してください。」等の、ICカードリーダ14のカード挿入口(図示せず。)に対するICカード12の挿入を促す旨を報知する表示を表示させる。
【0093】
[第1の変形例]
認証システム10の第1の変形例は、画像形成装置22cに接続されるICカードリーダ14cにおいて予め設定されるICカード規格が異なる点、画像形成装置22a〜22cの検索要求応答部16における処理が異なる点、及び、情報処理装置24の抽出部120における処理が異なる点を除いて、上記第1の実施の形態における認証システム10と同一の構成である。本変形例において、認証システム10と同一の機能を有する構成部には同一の参照符号及び名称を付し、それらについての詳細な説明は繰返さない。
【0094】
本変形例では、ICカードリーダ14a,15には、方式AのICカード規格が予め設定され、ICカードリーダ14cには、方式BのICカード規格が予め設定されている。正規のユーザは方式Aに対応するICカード12を所有する。
【0095】
〈ハードウェア構成〉
[画像形成装置22a〜22c]
画像形成装置22a〜22cの検索要求応答部16は、画像形成装置22a〜22cにICカードリーダ14が接続されているか否かを示す検索応答用データと、接続されるICカードリーダ14に予め設定されるICカード規格を示す規格情報と、画像形成装置22の識別IDとを含む応答信号を作成する。すなわち、検索要求応答部16は、情報処理装置24から送信される検索要求信号を受信すると、HDD52から自己の識別IDを読出すとともに、USB I/F62にICカードリーダ14が接続されているか否かを判定する。そして、ICカードリーダ14が接続されていると判定した場合には、ICカードリーダ14が接続されていることを示す2値データである「1」データと、接続されるICカードリーダ14に予め設定されるICカード規格を示す規格情報と、読出した識別IDとを含む応答信号を作成する。一方、ICカードリーダ14が接続されていないと判定した場合には、ICカードリーダ14が接続されていないことを示す2値データである「0」データと、読出した識別IDとを含む応答信号を作成する。
【0096】
[情報処理装置24]
情報処理装置24の抽出部120は、画像形成装置22から受信した応答信号に基づいて、ネットワーク20に接続される複数の画像形成装置22の中から、情報処理装置24に接続されるICカードリーダ15において予め設定されるICカード規格と同じICカード規格が予め設定されるICカードリーダ14が接続されている画像形成装置22を抽出し、対応する識別IDを応答信号から読出す。すなわち、抽出部120は、受信した応答信号の中から、ICカードリーダ14が接続されていることを示す「1」データを含む信号を抽出し、さらに、抽出した応答信号の中からICカードリーダ15において予め設定されるICカード規格と同じICカード規格を示す規格情報を含む信号を抽出し、抽出した応答信号に含まれる画像形成装置22の識別IDを読出す。
【0097】
〈ソフトウェア構成〉
[画像形成装置22a〜22c]
画像形成装置22a〜22cのROM72に記憶されるコンピュータプログラムは、認証システム10の第1の変形例の一部として画像形成装置22a〜22cを制御し、動作させるようにプログラミングされている。画像形成装置22a〜22cにおいて認証システム10の第1の変形例を実現するためのプログラムは、上述したステップS101及びステップS104(図4参照)における処理を除いて、上記第1の実施の形態における認証システム10を実現するためのプログラムと同じである。以下、ステップS101及びステップS104における処理について説明する。
【0098】
ステップS101は、ステップS100において、検索要求信号を受信したと判定された場合(YESの場合)に実行され、画像形成装置22a〜22cにICカードリーダ14が接続されているか否かを示す検索応答用データと、接続されるICカードリーダ14に予め設定されるICカード規格を示す規格情報と、画像形成装置22a〜22cの自己の識別IDとを含む応答信号を作成する。
【0099】
ステップS104は、ステップS103において、「1」データを含むと判定された場合(YESの場合)に実行され、LAN I/F66を監視し、LAN I/F66が、予め定める所定時間以内に情報処理装置24から正規のユーザのユーザアカウント情報を受信したか否かを判定し、判定結果に応じて制御の流れを分岐させる。ステップS104において、予め定める所定時間以内に正規のユーザのユーザアカウント情報を受信していないと判定された場合(NOの場合)には、制御はステップS100に戻る。
【0100】
なお、ステップS105における処理は、ステップS104において、予め定める所定時間以内に正規のユーザのユーザアカウント情報を受信したと判定された場合(YESの場合)に実行される。
【0101】
[情報処理装置24]
情報処理装置24のROM124に記憶されるコンピュータプログラムは、認証システム10の第1の変形例の一部として情報処理装置24を制御し、動作させるようにプログラミングされている。情報処理装置24において認証システム10の第1の変形例を実現するためのプログラムは、上述したステップS302(図5参照)における処理を除いて、上記第1の実施の形態における認証システム10を実現するためのプログラムと同じである。以下、ステップS302における処理について説明する。
【0102】
ステップS302は、ステップS301において、予め定める所定時間が経過したと判定された場合(YESの場合)に実行され、予め定める所定時間内にLAN I/F118及びネットワーク20を介して画像形成装置22から受信した応答信号に基づいて、ネットワーク20に接続される複数の画像形成装置22の中から、情報処理装置24に接続されるICカードリーダ15において予め設定されるICカード規格と同じICカード規格が予め設定されるICカードリーダ14が接続されている画像形成装置22を抽出し、対応する識別IDを応答信号から読出す。ステップS302において、抽出部120は、受信した応答信号の中からICカードリーダ14が接続されていることを示す「1」データを含む信号を抽出し、さらに、抽出した応答信号の中からICカードリーダ15において予め設定されるICカード規格と同じICカード規格を示す規格情報を含む信号を抽出し、抽出した応答信号に含まれる画像形成装置22の識別IDを読出す。
【0103】
〈動作〉
本変形例に係る画像形成装置22a〜22d及び情報処理装置24は、以下のようにして動作する。本変形例における動作は、画像形成装置22a〜22cの検索要求応答部16における応答信号の作成動作、並びに、情報処理装置24の抽出部120における画像形成装置22の抽出動作及び識別IDの読出動作等を除いて、上記第1の実施の形態における動作と同じである。以下、異なる動作について説明する。
【0104】
画像形成装置22a〜22dの制御部50のCPU70によって、LAN I/F66が情報処理装置24から検索要求信号を受信したと判定されると、画像形成装置22a〜22cの検索要求応答部16は、画像形成装置22a〜22cにICカードリーダ14が接続されているか否かを示す検索応答用データと、接続されるICカードリーダ14に予め設定されるICカード規格を示す規格情報と、画像形成装置22a〜22cの識別IDとを含む応答信号をそれぞれ作成する。本実施の形態において、画像形成装置22aにはICカードリーダ14aが接続されているので、画像形成装置22aの検索要求応答部16により作成される応答信号は、ICカードリーダ14aが接続されていることを示す2値データである「1」データと、ICカードリーダ14aにおいて予め設定されるICカード規格である方式Aを示す規格情報と、自己の識別IDとを含む。画像形成装置22bにはICカードリーダ14が接続されていないので、画像形成装置22bの検索要求応答部16により作成される応答信号は、ICカードリーダ14が接続されていないことを示す2値データである「0」データと自己の識別IDとを含む。画像形成装置22cにはICカードリーダ14cが接続されているので、画像形成装置22cの検索要求応答部16により作成される応答信号は、ICカードリーダ14cが接続されていることを示す2値データである「1」データと、ICカードリーダ14cにおいて予め設定されるICカード規格である方式Bを示す規格情報と、自己の識別IDとを含む。
【0105】
情報処理装置24の制御部100のCPU122によって、検索要求信号送信時から予め定める所定時間が経過したと判定されると、抽出部120は、予め定める所定時間内にLAN I/F118及びネットワーク20を介して画像形成装置22a〜22cから受信した応答信号に基づいて、ネットワーク20に接続される複数の画像形成装置22a〜22dの中から、情報処理装置24に接続されるICカードリーダ15において予め設定されるICカード規格と同じICカード規格が予め設定されるICカードリーダ14が接続されている画像形成装置22を抽出し、対応する識別IDを読出す。すなわち、抽出部120は、受信した応答信号の中から、ICカードリーダ14が接続されていることを示す「1」データを含む信号を抽出し、さらに、抽出した応答信号の中からICカードリーダ15において予め設定されるICカード規格と同じICカード規格を示す規格情報を含む信号を抽出し、抽出した応答信号に含まれる画像形成装置22の識別IDを読出す。本実施の形態では、抽出部120によって、画像形成装置22aによって送信された「1」データ及び方式Aを示す規格情報を含む応答信号が抽出され、画像形成装置22aの識別IDであるIPアドレスが読出される。画像形成装置22bによって送信された「0」データを含む応答信号は抽出されず、対応する識別IDも読出されない。画像形成装置22cによって送信された「1」データ及び方式Bを示す規格情報を含む応答信号は抽出されず、対応する識別IDも読出されない。また、応答信号を送信しなかった画像形成装置22dに対応する識別IDも読出されない。
【0106】
情報処理装置24の制御部100のCPU122は、HDD112から正規のユーザのユーザアカウント情報を読出し、読出した正規のユーザのユーザアカウント情報を、LAN I/F118及びネットワーク20を介して、抽出部120によって読出された識別IDを有する画像形成装置22aに対して送信する。
【0107】
画像形成装置22aの制御部50のCPU70は、検索要求応答部16によって作成された応答信号はICカードリーダ14が接続されていることを示す「1」データを含むと判定するとともに、LAN I/F66が、情報処理装置24から送信される正規のユーザのユーザアカウント情報を予め定める所定時間以内に受信したと判定すると、受信した正規のユーザのユーザアカウント情報をHDD52に記憶させる。
【0108】
画像形成装置22cの制御部50のCPU70は、検索要求応答部16によって作成された応答信号はICカードリーダ14が接続されていることを示す「1」データを含むと判定するとともに、LAN I/F66が、情報処理装置24から送信される正規のユーザのユーザアカウント情報を予め定める所定時間以内に受信していないと判定する。このとき、正規のユーザのユーザアカウント情報はHDD52に記憶されない。
【0109】
認証システム10の第1の変形例によれば、ICカードリーダ14aには、ICカード12からユーザアカウント情報を読取るための所定の読取方式である方式Aが予め設定され、情報処理装置24の制御部100及びLAN I/F118は、複数の画像形成装置22の各々に対し、ICカード12から方式Aによりユーザアカウント情報を読取るICカードリーダ14が接続されているか否かを、検索要求信号を送信することによって問合せ、画像形成装置22の検索要求応答部16及びLAN I/F66は、LAN I/F66が検索要求信号を受信したことに応答して、当該画像形成装置22にICカード12から方式Aによりユーザアカウント情報を読取るICカードリーダ14が接続されているか否かを判定し、判定結果に応じて応答信号を作成し情報処理装置24に対して送信する。
【0110】
これにより、複数の画像形成装置22とデータ通信可能な情報処理装置24は、複数の画像形成装置22から送信される、ICカード12から方式Aによりユーザアカウント情報を読取るICカードリーダ14が接続されているか否かに関する問合せである検索要求信号に対する応答信号に基づいて、複数の画像形成装置22の中から、方式Aが予め設定されたICカードリーダ14が接続されている画像形成装置22を抽出し、抽出した画像形成装置22に対して、正規のユーザのユーザアカウント情報を送信することができる。したがって、情報処理装置24は、ネットワーク20を介してデータ通信を行なう全ての画像形成装置22に対して正規のユーザのユーザアカウント情報を送信する場合と比較して、情報の送信先をさらに減らすことができるので、送信処理に要する負荷をさらに低減することができる。また、方式Aが予め設定されたICカードリーダ14が接続されている全ての画像形成装置22に一度に正規のユーザのユーザアカウント情報を受信させることができるので、方式Aが予め設定されたICカードリーダ14が接続されている画像形成装置22のユーザは、画像形成装置22毎に正規のユーザのユーザアカウント情報を予め記憶させておく必要がなくなり、正規のユーザのユーザアカウント情報の記憶処理に要する手間を省くことができる。
【0111】
また、予め方式Bが設定される画像形成装置22cは、正規のユーザが所有する方式Aに対応するICカード12に含まれるユーザアカウント情報を読取ることができないので、認証処理を行なうことができない。したがって、画像形成装置22cに対して認証処理に使用するための正規のユーザのユーザアカウント情報を送信しないようにすることによって、無駄な送信処理をより一層効率良く省くことができる。
【0112】
[第2の変形例]
認証システム10の第2の変形例は、画像形成装置22が配信状況通知信号を送信する点、情報処理装置24のHDD112に配信ログ情報が記憶される点、及び、情報処理装置24による正規のユーザのユーザアカウント情報の送信処理が異なる点を除いて、上記第1の実施の形態における認証システム10と同一の構成である。本変形例において、認証システム10と同一の機能を有する構成部には同一の参照符号及び名称を付し、それらについての詳細な説明は繰返さない。
【0113】
〈ハードウェア構成〉
[情報処理装置24]
HDD112は、画像形成装置22が正規のユーザのユーザアカウント情報を受信したときに情報処理装置24に対して送信する配信状況通知信号に応じて、配信ログ情報を記憶する。ここで、配信状況通知信号とは、画像形成装置22が正規のユーザのユーザアカウント情報の受信に成功したことを通知する信号であって、画像形成装置22の自己の識別IDと、正規のユーザのユーザアカウント情報が受信されたときの日付及び時間を示す配信日時情報とを含む。すなわち、HDD112は、画像形成装置22から送信される配信状況通知信号に基づいて、配信先情報を示す、配信状況通知信号に含まれる画像形成装置22の自己の識別IDと、配信状況通知信号に含まれる配信日時情報と、配信状況情報とを、それぞれ関連付けて配信ログ情報として記憶する。ここで、配信状況情報とは、画像形成装置22が正規のユーザのユーザアカウント情報の受信に成功したか否かを示す情報のことである。本変形例では、配信状況情報として1ビットのデータを使用する。すなわち、HDD112は、情報処理装置24が配信状況通知信号を受信した場合には、配信状況情報として、画像形成装置22が正規のユーザのユーザアカウント情報の受信に成功したことを示す2値データである「1」データを記憶する。一方、配信状況通知信号を受信しない場合には、配信状況情報として、画像形成装置22が正規のユーザのユーザアカウント情報の受信に成功していないことを示す2値データである「0」データを記憶する。なお、情報処理装置24が画像形成装置22に対して最初に正規のユーザのユーザアカウント情報を送信するとき、すなわち、1回目の正規のユーザのユーザアカウント情報の送信時には、配信ログ情報において、配信先情報として、抽出部120によって読出された画像形成装置22の識別IDが記憶され、配信日時情報として、情報処理装置24が最初に正規のユーザのユーザアカウント情報を送信するときの日付及び時間が記憶され、配信状況情報として、画像形成装置22が正規のユーザのユーザアカウント情報の受信に成功していないことを示す2値データである「0」データが記憶される。この配信ログ情報は、情報処理装置24が配信状況通知信号を受信すると書換えられる。テーブル1に、配信ログ情報の一例を示す。
【0114】
【表1】
テーブル1を参照して、例えば、配信ログ情報において、配信先情報として、画像形成装置22aの識別IDであるIPアドレス「102.0.0.1」が記憶され、配信日時情報として、2008年5月13日の12時15分であることを示す「2008.05.13.12:15」が記憶され、配信状況情報として「1」データが記憶される場合、画像形成装置22aは、2008年5月13日の12時15分に正規のユーザのユーザアカウント情報の受信に成功したことを示す。また、配信ログ情報において、配信先情報として、画像形成装置22cの識別IDであるIPアドレス「102.0.0.3」が記憶され、配信日時情報として、2008年5月13日の11時00分であることを示す「2008.05.13.11:00」が記憶され、配信状況情報として「0」データが記憶される場合、画像形成装置22cは、情報処理装置24が正規のユーザのユーザアカウント情報を2008年5月13日の11時00分に最初に送信して以来、正規のユーザのユーザアカウント情報の受信に成功していないことを示す。
【0115】
〈ソフトウェア構成〉
[画像形成装置22a〜22c]
画像形成装置22a〜22cのROM72に記憶されるコンピュータプログラムは、認証システム10の第2の変形例の一部としての画像形成装置22a〜22cを制御し、動作させるようにプログラミングされている。画像形成装置22a〜22cにおいて認証システム10の第2の変形例を実現するためのプログラムは、上述したステップS105(図4参照)における処理を除いて、上記第1の実施の形態における認証システム10を実現するためのプログラムと同じである。以下、ステップS105における処理について説明する。
【0116】
ステップS105は、ステップS104において、正規のユーザのユーザアカウント情報を受信したと判定された場合(YESの場合)に実行され、受信した正規のユーザのユーザアカウント情報をHDD112に記憶させるとともに、正規のユーザのユーザアカウント情報の受信に成功したことを通知する配信状況通知信号をLAN I/F66及びネットワーク20を介して情報処理装置24に対して送信する。
【0117】
[情報処理装置24]
図7は、情報処理装置24において認証システム10の第2の変形例を実現するためのプログラム構造をフローチャート形式で示す図である。情報処理装置24のROM124に記憶されるコンピュータプログラムは、認証システム10の第2の変形例の一部としての情報処理装置24を制御し、動作させるようにプログラミングされている。図7を参照して、情報処理装置24における認証システム10の第2の変形例を実現するためのプログラムにおいて、ステップS400〜ステップS402の処理は、上記第1の実施の形態における認証システム10を実現するためのプログラムにおけるステップS300〜ステップS302(図6参照)の処理と同じである。
【0118】
このプログラムはさらに、配信状況情報として「0」データが記憶される配信ログ情報において、対応する配信先情報に記憶される識別IDを有する画像形成装置22の全てについて以下のステップを繰返すプロセスを含む。すなわち、このプロセスは、HDD112から正規のユーザのユーザアカウント情報を読出し、読出した正規のユーザのユーザアカウント情報を、LAN I/F118及びネットワーク20を介して、ステップS402において読出された識別IDを有する画像形成装置22であって、かつ、配信状況情報として「0」データが記憶される配信ログ情報において、対応する配信先情報に記憶される識別IDを有する画像形成装置22に対して送信するステップS403を含む。ステップS403において、最初の正規のユーザのユーザアカウント情報の送信時には、配信ログ情報において、配信先情報として、抽出部120によって読出された画像形成装置22の識別IDが記憶され、配信日時情報として、情報処理装置24が最初に正規のユーザのユーザアカウント情報を送信するときの日付及び時間が記憶され、配信状況情報として、画像形成装置22が正規のユーザのユーザアカウント情報の受信に成功していないことを示す2値データである「0」データが記憶される。
【0119】
このプロセスはさらに、LAN I/F118を監視し、LAN I/F118が、画像形成装置22から送信される配信状況通知信号を、正規のユーザのユーザアカウント情報の送信時から予め定める所定時間以内に受信したか否かを判定し、判定結果に応じて制御の流れを分岐させるステップS404を含む。ステップS404において、予め定める所定時間以内に配信状況通知信号を受信しないと判定された場合(NOの場合)には、本プロセスが繰返される。
【0120】
このプロセスはさらに、ステップS404において、予め定める所定時間以内に配信状況通知信号を受信したと判定された場合(YESの場合)に実行され、HDD112に記憶される配信ログ情報を書換えるステップS405を含む。すなわち、ステップS405では、受信した配信状況通知信号に基づいて、配信先情報を示す、配信状況通知信号に含まれる画像形成装置22の自己の識別IDと、配信状況通知信号に含まれる配信日時情報と、配信状況情報を示す、画像形成装置22が正規のユーザのユーザアカウント情報の受信に成功したことを示す「1」データとをそれぞれ関連付けて、対応する配信ログ情報に対して上書きすることでHDD112に記憶させる。
【0121】
〈動作〉
本変形例に係る画像形成装置22a〜22d及び情報処理装置24は、以下のようにして動作する。本変形例における動作は、画像形成装置22が配信状況通知信号を送信する動作、情報処理装置24のHDD112に対する配信ログ情報の記憶動作、及び、情報処理装置24による正規のユーザのユーザアカウント情報の送信動作等を除いて、上記第1の実施の形態における動作と同じである。以下、異なる動作について説明する。
【0122】
最初の、すなわち1回目の正規のユーザのユーザアカウント情報の送信時には、配信ログ情報において、配信先情報として、抽出部120によって読出された画像形成装置22の識別IDが記憶され、配信日時情報として、情報処理装置24が最初に正規のユーザのユーザアカウント情報を送信するときの日付及び時間が記憶され、配信状況情報として、画像形成装置22が正規のユーザのユーザアカウント情報の受信に成功していないことを示す2値データである「0」データが記憶される。この配信ログ情報の記憶動作とともに、1回目の正規のユーザのユーザアカウント情報の送信動作が以下のようにして行なわれる。すなわち、情報処理装置24の制御部100のCPU122は、HDD112から正規のユーザのユーザアカウント情報を読出し、読出した正規のユーザのユーザアカウント情報を、LAN I/F118及びネットワーク20を介して、抽出部120によって読出された識別IDであって、かつ、配信状況情報として「0」データが記憶される配信ログ情報において、対応する配信先情報に記憶される識別IDを有する画像形成装置22a,22cに対して送信する。
【0123】
画像形成装置22aの制御部50のCPU70は、検索要求応答部16によって作成された応答信号はICカードリーダ14が接続されていることを示す「1」データを含むと判定するとともに、LAN I/F66が、情報処理装置24から送信される正規のユーザのユーザアカウント情報を受信したと判定して、受信した正規のユーザのユーザアカウント情報をHDD52に記憶させる。そして、正規のユーザのユーザアカウント情報の記憶動作とともに、正規のユーザのユーザアカウント情報の受信に成功したことを通知する配信状況通知信号をLAN I/F66及びネットワーク20を介して情報処理装置24に対して送信する。
【0124】
一方、画像形成装置22cは、情報処理装置24に対して応答信号の送信を行なった後、例えば故障等によって通信トラブルを生じ、情報処理装置24とのデータ通信が不可能な状態となる。画像形成装置22cの制御部50のCPU70は、検索要求応答部16によって作成された応答信号がICカードリーダ14が接続されていることを示す「1」データを含むと判定するとともに、LAN I/F66が、情報処理装置24から送信される正規のユーザのユーザアカウント情報を受信していないと判定する。このとき、画像形成装置22cの制御部50のCPU70によって、正規のユーザのユーザアカウント情報の記憶動作、及び、配信状況通知信号の送信動作は行なわれない。
【0125】
情報処理装置24の制御部100のCPU122は、正規のユーザのユーザアカウント情報の送信時から予め定める所定時間、例えば15分〜30分以内に、画像形成装置22aから送信される配信状況通知信号を受信したと判定すると、HDD112に記憶される配信ログ情報を書換える。すなわち、受信した配信状況通知信号に基づいて、配信先情報を示す、配信状況通知信号に含まれる画像形成装置22aの自己の識別IDと、配信状況通知信号に含まれる配信日時情報と、配信状況情報を示す画像形成装置22aが正規のユーザのユーザアカウント情報の受信に成功したことを示す「1」データとをそれぞれ関連付けて、対応する配信ログ情報に対して上書きすることでHDD112に記憶させる。
【0126】
画像形成装置22cは、情報処理装置24から画像形成装置22aに対して正規のユーザのユーザアカウント情報が送信されてから15分〜30分以内に通信トラブルが解消され、情報処理装置24とのデータ通信が可能になる。
【0127】
情報処理装置24の制御部100のCPU122は、HDD112から正規のユーザのユーザアカウント情報を読出し、読出した正規のユーザのユーザアカウント情報を、LAN I/F118及びネットワーク20を介して、抽出部120によって読出された識別IDであって、かつ、配信状況情報として「0」データが記憶される配信ログ情報において、対応する配信先情報に記憶される識別IDを有する画像形成装置22cに対して送信する。
【0128】
画像形成装置22cの制御部50のCPU70は、LAN I/F66が、情報処理装置24から送信される正規のユーザのユーザアカウント情報を受信したと判定して、受信した正規のユーザのユーザアカウント情報をHDD52に記憶させる。そして、正規のユーザのユーザアカウント情報の記憶動作とともに、正規のユーザのユーザアカウント情報の受信に成功したことを通知する配信状況通知信号をLAN I/F66及びネットワーク20を介して情報処理装置24に対して送信する。
【0129】
情報処理装置24の制御部100のCPU122は、正規のユーザのユーザアカウント情報の最新の送信時から予め定める所定時間、例えば15分〜30分以内に、画像形成装置22cから送信される配信状況通知信号を受信したと判定すると、HDD112に記憶される配信ログ情報を書換える。すなわち、受信した配信状況通知信号に基づいて、配信先情報を示す、配信状況通知信号に含まれる画像形成装置22cの自己の識別IDと、配信状況通知信号に含まれる配信日時情報と、配信状況情報を示す画像形成装置22cが正規のユーザのユーザアカウント情報の受信に成功したことを示す「1」データとをそれぞれ関連付けて、対応する配信ログ情報に対して上書きすることでHDD112に記憶させる。これにより、配信ログ情報における、抽出部120によって読出された識別IDに対応する全ての配信状況情報において「1」データが記憶される。
【0130】
画像形成装置22a,22cの制御部50のCPU70は、受信した正規のユーザのユーザアカウント情報をHDD52に記憶させると、上記第1の実施の形態における画像形成装置22a,22cと同様にして、認証処理等を含む所定の処理を行なう。
【0131】
認証システム10の第2の変形例によれば、ICカードリーダ14a,14cが接続されている画像形成装置22a,22cにおいて、LAN I/F66は、正規のユーザのユーザアカウント情報の受信に成功したことを通知する配信情報通知信号を情報処理装置24に対して送信し、情報処理装置24において、LAN I/F118は、配信情報通知信号を受信するとともに、制御部100のCPU122によって、正規のユーザのユーザアカウント情報の送信時から予め定める所定時間が経過したと判定されたときに、抽出部120によって抽出された画像形成装置22であって、かつ、配信情報通知信号を送信していない画像形成装置22に対し、正規のユーザのユーザアカウント情報を再送信する。
【0132】
このように、情報処理装置24のLAN I/F118は、制御部100のCPU122によって、正規のユーザのユーザアカウント情報の送信時から予め定める所定時間が経過したと判定されたときに、抽出部120によって抽出された画像形成装置22であって、かつ、配信情報通知信号を送信していない画像形成装置22に対し、HDD112に記憶されている正規のユーザのユーザアカウント情報を再送信するので、通信トラブル等のために画像形成装置22と情報処理装置24との間でデータ通信を行なえない状況が一時的に生じることによって、正規のユーザのユーザアカウント情報を受信できなかった画像形成装置22に対しても正規のユーザのユーザアカウント情報を受信させることができ、認証処理をより一層確実に行なうことができる。また、正規のユーザのユーザアカウント情報の送信時から予め定める所定時間が経過する毎に、抽出部120によって抽出された全ての画像形成装置22に対して正規のユーザのユーザアカウント情報を送信する場合と比較して、情報の送信先を減らすことができるので、送信処理に要する負荷をより一層低減することができる。
【0133】
また、HDD112は、正規のユーザのユーザアカウント情報の送信先の画像形成装置22を示す配信先情報である識別IDと、正規のユーザのユーザアカウント情報の送信時又は受信時の日付及び時間を示す配信日時情報と、画像形成装置22が正規のユーザのユーザアカウント情報の受信に成功したか否かを示す配信状況情報とを、それぞれ関連付けて配信ログ情報として記憶する。
【0134】
このように配信ログ情報が記憶されることによって、情報処理装置24の制御部100のCPU122による、正規のユーザのユーザアカウント情報の送信時から予め定める所定時間が経過したか否かの判定、及び、LAN I/F118による、抽出部120によって抽出された画像形成装置22であって、かつ、配信情報通知信号を送信していない画像形成装置22に対する正規のユーザのユーザアカウント情報の再送信をより一層確実に行なえるようになる。したがって、通信トラブル等のために画像形成装置22と情報処理装置24との間でデータ通信を行なえない状況が一時的に生じることによって正規のユーザのユーザアカウント情報を受信できなかった画像形成装置22に対しても、より一層確実に正規のユーザのユーザアカウント情報を受信させることができ、認証処理をさらに確実に行なうことができる。
【0135】
なお、上記認証システム10の第2の変形例は、配信情報通知信号を送信していない画像形成装置22に対して正規のユーザのユーザアカウント情報を繰返し送信する構成であったが、本発明はそのような実施の形態には限定されない。例えば、情報処理装置24のLAN I/F118は、制御部100のCPU122によって、正規のユーザのユーザアカウント情報の送信時から予め定める所定時間、例えば24時間が経過したと判定されたときに、抽出部120によって抽出された全ての画像形成装置22に対し、正規のユーザのユーザアカウント情報を繰返し再送信する構成であってもよい。このように定期的に正規のユーザのユーザアカウント情報を繰返し送信することによって、通信トラブル等のために画像形成装置22と情報処理装置24との間でデータ通信を行なえない状況が一時的に生じた場合においても、ICカードリーダ14が接続されている画像形成装置22に確実に正規のユーザのユーザアカウント情報を受信させることができ、認証処理をより一層確実に行なうことができる。また、正規のユーザのユーザアカウント情報に変更が生じた場合においても、画像形成装置22は最新の正規のユーザのユーザアカウント情報に基づいて認証処理を行なうことができるので、より一層正確な判定を行なうことができる。
【0136】
[第2の実施形態]
図8は、本発明の第2の実施の形態に係る認証システム200の構成を模式的に示すブロック図である。図8を参照して、認証システム200は、ICカードリーダ202,204が接続されている情報端末装置206,208をさらに含む点、及び、情報処理装置24にICカードリーダ15が接続されていない点を除いて、上記第1の実施の形態における認証システム10と同一の構成である。本実施の形態において、認証システム10と同一の機能を有する構成部には同一の参照符号及び名称を付し、それらについての詳細な説明は繰返さない。
【0137】
認証システム200において、情報端末装置206,208は、ネットワーク20を介して画像形成装置22a〜22d及び情報処理装置24とデータ通信を行なう。ICカードリーダ202,204は、第1の実施の形態におけるICカードリーダ15と同一の構成を有し、ICカード12からユーザアカウント情報を読取る。ICカードリーダ202,204には、方式AのICカード規格が予め設定されている。
【0138】
認証システム200において、情報端末装置206,208は、情報処理装置24に対して、ICカードリーダ202,204によって読取られた正規のユーザのユーザアカウント情報を送信する。情報処理装置24は、ICカードリーダ14a,14cが接続されている画像形成装置22a,22cに対して、情報端末装置206,208から受信した正規のユーザのユーザアカウント情報を送信する。画像形成装置22a,22cは、受信した正規のユーザのユーザアカウント情報と、ICカードリーダ14a,14cによって読取られたユーザアカウント情報とに基づいて認証処理を行ない、認証処理の結果に応じて所定の処理を実行する。
【0139】
〈ハードウェア構成〉
[情報処理装置24]
情報処理装置24において、USB I/F110には、ICカードリーダ15が接続されない。HDD112には、情報端末装置206,208から送信される正規のユーザのユーザアカウント情報を含む各種データが記憶される。
【0140】
[情報端末装置206(208)]
情報端末装置206,208は同一の構成を有する。以下、情報端末装置206,208を代表して情報端末装置206について説明し、対応する情報端末装置208の構成部に付す参照符号については括弧内に示す。
【0141】
図9は、情報端末装置206(208)の構成を示すブロック図である。図9を参照して、情報端末装置206(208)は、制御部300、USB I/F310、HDD312、操作部314、表示部316、及び、LAN I/F318を含む。
【0142】
制御部300は、実質的にコンピュータであって、CPU322、ROM324、及び、RAM326を含む。CPU322には、BUSライン328が接続されており、このBUSライン328には、ROM324及びRAM326が電気的に接続される。CPU322は、情報処理装置24等の外部装置又は操作部314等からの指示に応じて各種コンピュータプログラムを実行することによって、情報端末装置206(208)の各構成部の動作及び情報処理装置24等の外部機器との通信等の所望の処理を実行する。上記の各種コンピュータプログラムは、予めROM324に記憶されており、所望の処理の実行時において、当該ROM324から読出されてRAM326に転送される。CPU322は、CPU322内の図示しないプログラムカウンタと呼ばれるレジスタに格納された値によって指定される、RAM326内のアドレスからプログラムの命令を読出し、解釈する。CPU322はまた、読出された命令によって指定されるアドレスから演算に必要なデータを読出し、そのデータに対し命令に対応する演算を実行する。実行の結果も、RAM326,HDD312及びCPU322内のレジスタ等の、命令によって指定されるアドレスに格納される。
【0143】
本実施の形態において、ROM324には、認証システム200の一部としての情報端末装置206(208)を制御し、動作させるためのコンピュータプログラムであるユーザアカウント情報送信プログラムが記憶されている。ユーザアカウント情報送信プログラムは、正規のユーザのユーザアカウント情報の送信処理を実行するためのプログラムであって、このプログラムを実行する権限を有するユーザが、例えばパスワード等を用いた所定の認証を行なうことによって起動される。このコンピュータプログラムの制御構造については後述する。
【0144】
BUSライン328には、さらに、HDD312、USB I/F310、操作部314、表示部316、及び、LAN I/F318が電気的に接続される。
【0145】
USB I/F310は、USBポートを備えるHot Plug対応のインターフェイスであって、情報端末装置206(208)の稼動中にUSBケーブルを介して電気的に接続される外部装置を自動認識する。情報端末装置206(208)において、USB I/F310にはICカードリーダ202(204)が接続される。ICカードリーダ202(204)は、ICカード12に含まれるユーザアカウント情報の読取処理を行なう情報読取装置である。権限を有するユーザにより所定の認証が行なわれてユーザアカウント情報送信プログラムが起動された後、ICカードリーダ202(204)は、登録対象のユーザアカウント情報を記録したICカード12がカード挿入口(図示せず。)に挿入されると、予め設定されるICカード規格である方式AによりICカード12に含まれるユーザアカウント情報を読取り、読取った情報を含む読取信号を制御部300に対して出力する。すなわち、所定の認証を行なうことができる権限を有するユーザのみが、登録対象のユーザアカウント情報である正規のユーザのユーザアカウント情報を記録したICカード12をICカードリーダ202(204)に読取らせ、読取った情報を含む読取信号を制御部300に対して出力させることができる。
【0146】
HDD312は、磁気記憶媒体を備え、各種データを記憶する記憶領域を提供する。操作部314は、ユーザの指示等に応じた各種入力及び文字入力等を行なう入力装置であるキーボードからなる。表示部316は、情報端末装置206(208)における処理結果等を表示するための、液晶ディスプレイ等からなる表示装置である。操作部314及び表示部316は、インターフェイス(図示せず。)を介してBUSライン328と接続される。
【0147】
情報端末装置206(208)は、LAN I/F318を介してLAN回線からなるネットワーク20に接続されており、ネットワーク20上に接続される情報処理装置24及び画像形成装置22等とのデータ通信が可能である。
【0148】
情報端末装置206(208)の各構成部には電源(図示せず。)が接続され、この電源から電圧が印加されることで、情報端末装置206(208)の各構成部が動作する。
【0149】
〈ソフトウェア構成〉
[情報処理装置24]
図10は、情報処理装置24において認証システム200を実現するためのプログラム構造をフローチャート形式で示す図である。情報処理装置24のROM124に記憶されるコンピュータプログラムは、認証システム200の一部としての情報処理装置24を制御し、動作させるようにプログラミングされている。図10を参照して、情報処理装置24における認証システム200を実現するためのプログラムにおいて、ステップS502〜ステップS505の処理は、上記第1の実施の形態における認証システム10を実現するためのプログラムにおけるステップS300〜ステップS303(図6参照)の処理と同じである。
【0150】
情報処理装置24において認証システム200を実現するためのプログラムは、ユーザ等によって情報処理装置24の操作部114から、本プログラムを開始する旨の指示に応じた入力操作がなされることによって起動される。なお、本プログラムは、ユーザ等によって情報処理装置24の電源が切られることによって終了する。
【0151】
このプログラムは、LAN I/F118を監視して、LAN I/F118が、情報端末装置206(208)から読取信号を受信するまで待機するステップS500と、ステップS500において、読取信号を受信したと判定された場合(YESの場合)に実行され、読取信号に含まれる正規のユーザのユーザアカウント情報を、HDD112に記憶させるステップS501とを含む。ステップS501において、正規のユーザのユーザアカウント情報が既にHDD112に記憶されている場合には、受信した読取信号に含まれる情報は、既に記憶されている正規のユーザアカウント情報に対して新たに追加するようにして記憶される。
【0152】
[情報端末装置206(208)]
図11は、情報端末装置206(208)において認証システム200を実現するためのプログラム構造をフローチャート形式で示す図である。上述したように、情報端末装置206(208)のROM324に記憶されるユーザアカウント情報送信プログラムは、認証システム200の一部としての情報端末装置206(208)を制御し、動作させるようにプログラミングされている。このプログラムは、制御部300を実質的に構成するCPU322を含むコンピュータが、上記コンピュータプログラムに従って、情報端末装置206(208)の動作を制御することによって、ハードウェアとコンピュータプログラムとの協働により実現する各種判定機能等によって実行される。
【0153】
図11を参照して、ユーザアカウント情報送信プログラムは、このプログラムを実行する権限を有するユーザが、情報端末装置206(208)の電源を投入した後、例えばパスワード等を用いた所定の認証を行なうことによって起動される。
【0154】
このプログラムは、操作部314の表示部に、例えば、「カードを挿入してください。」等の、ICカードリーダ202(204)のカード挿入口(図示せず。)に対する、ICカード12の挿入を促す旨を報知する表示を表示させるステップS600と、ICカードリーダ202(204)を監視して、ICカードリーダ202(204)のカード挿入口(図示せず。)に登録対象のユーザアカウント情報を記録したICカード12が挿入されるまで待機するステップS601を含む。
【0155】
このプログラムはさらに、ステップS601において、ICカード12が挿入されたと判定された場合(YESの場合)に実行され、ICカードリーダ202(204)に、予め設定されるICカード規格により、正規のユーザによって所有されるICカード12に含まれるユーザアカウント情報の読取りを行なわせるとともに、読取った情報を含む読取信号を、LAN I/F318及びネットワーク20を介して情報処理装置24に対して送信させるステップS602とを含む。
【0156】
〈動作〉
本実施の形態に係る画像形成装置22a〜22d、情報処理装置24及び情報端末装置206(208)は、以下のようにして動作する。本実施の形態における動作は、情報端末装置206(208)における動作、及び、情報処理装置24のHDD112に対する正規のユーザのユーザアカウント情報の記憶動作を除いて、上記第1の実施の形態における動作と同じである。以下、異なる動作について説明する。
【0157】
ユーザアカウント情報送信プログラムを実行する権限を有するユーザが、情報端末装置206(208)の電源を投入した後、例えばパスワード等を用いた所定の認証を行なうと、情報端末装置206(208)の制御部300のCPU322は、操作部314の表示部に、例えば、「カードを挿入してください。」等の、ICカードリーダ202(204)のカード挿入口(図示せず。)に対するICカード12の挿入を促す旨を報知する表示を表示させる。
【0158】
画像形成装置22a,22cの使用を許可された正規のユーザがICカードリーダ202(204)のカード挿入口(図示せず。)に登録対象のユーザアカウント情報が記録されたICカード12を挿入し、情報端末装置206(208)の制御部300のCPU322によって、ICカードリーダ202(204)のカード挿入口(図示せず。)にICカード12が挿入されたと判定されると、ICカードリーダ202(204)は、予め設定されるICカード規格である方式AによりICカード12に含まれるユーザアカウント情報を読取り、読取った情報を含む読取信号を情報端末装置206(208)の制御部300に対して出力する。
【0159】
情報端末装置206(208)の制御部300のCPU322は、ICカードリーダ202(204)から出力された読取信号を、LAN I/F318及びネットワーク20を介して情報処理装置24に対して送信する。
【0160】
情報処理装置24の電源は常時投入された状態であり、情報処理装置24のユーザが、情報処理装置24の操作部114から、上述した認証システム200を実現するためのプログラムを開始する旨の指示に応じた入力操作を行なうと、情報処理装置24の制御部100のCPU122は、LAN I/F118の監視を開始する。
【0161】
情報処理装置24の制御部100のCPU122は、LAN I/F118が、情報端末装置206(208)から送信される読取信号を受信したと判定すると、読取信号に含まれる正規のユーザのユーザアカウント情報をHDD112に記憶させる。このとき、正規のユーザのユーザアカウント情報が既にHDD112に記憶されている場合には、受信した読取信号に含まれる情報は、既に記憶されている正規のユーザのユーザアカウント情報に対して新たに追加するようにして記憶される。
【0162】
情報処理装置24の制御部100のCPU122は、受信した読取信号に含まれる正規のユーザのユーザアカウント情報をHDD112に記憶させると、上記第1の実施の形態における動作と同様にして、検索要求信号の送信処理及び正規のユーザアカウント情報の送信処理等を含む各処理を行なう。
【0163】
画像形成装置22a,22cの制御部50のCPU70は、上記第1の実施の形態における画像形成装置22a,22cと同様にして、認証処理等を含む所定の処理を行なう。
【0164】
以下、情報処理装置24のHDD112に正規のユーザアカウント情報が新たに追加記憶される度に、上述の動作がユーザによって情報処理装置24の電源が切られるまで繰返される。
【0165】
上述したように、複数の画像形成装置22及び情報処理装置24とネットワーク20を介してデータ通信を行なう情報端末装置206(208)をさらに含む認証システム200によれば、情報端末装置206(208)において、LAN I/F318は、情報処理装置24に対して正規のユーザのユーザアカウント情報を送信し、情報処理装置24において、LAN I/F118は、情報端末装置206(208)から送信される正規のユーザのユーザアカウント情報を受信し、HDD112は、受信した正規のユーザのユーザアカウント情報を記憶する。
【0166】
これにより、情報処理装置24は、ネットワーク20を介してデータ通信を行なう外部装置である情報端末装置206(208)から正規のユーザのユーザアカウント情報を入手することができるようになるので、正規のユーザのユーザアカウント情報の記憶処理及び変更処理をより一層容易に行なうことができるようになる。したがって、より一層ユーザの利便性を向上させることができる。
【0167】
なお、上記認証システム200は、情報処理装置24が正規のユーザアカウント情報を新たに受信する度に抽出部120による抽出処理が行なわれる構成であったが、本発明はそのような実施の形態に限定されない。例えば、抽出部120によって抽出された画像形成装置22の識別IDをHDD112に記憶させておき、情報処理装置24が正規のユーザアカウント情報を新たに受信する度に、HDD112に記憶される識別IDを読出し、読出した識別IDに対応する画像形成装置22に対し、新たに記憶された正規のユーザのユーザアカウント情報を送信する構成であってもよい。
【0168】
(作用・効果)
本実施の形態によれば、複数の画像形成装置22と、複数の画像形成装置22とネットワーク20を介してデータ通信を行なう情報処理装置24とを含む認証システム10,200において、情報処理装置24では、HDD112は、ユーザが正規のユーザであるか否かを識別するための識別情報である正規のユーザのユーザアカウント情報を記憶し、制御部100及びLAN I/F118は、複数の画像形成装置22の各々に対し、ICカード12からユーザアカウント情報を読取るICカードリーダ14が接続されているか否かを、検索要求信号を送信することによって問合せ、LAN I/F118は、複数の画像形成装置22から問合せに対して送信される応答信号を受信し、抽出部120は、受信した応答信号に基づいて、複数の画像形成装置22の中から、ICカードリーダ14が接続されている画像形成装置22を抽出し、LAN I/F118は、抽出した画像形成装置22に対し、HDD112に記憶されている正規のユーザのユーザアカウント情報を送信する。
【0169】
また、複数の画像形成装置22のうちの少なくとも1つでは、LAN I/F66は、情報処理装置24から送信される問合せである検索要求信号を受信し、検索要求応答部16及びLAN I/F66は、LAN I/F66が検索要求信号を受信したことに応答して、当該画像形成装置22にICカードリーダ14が接続されているか否かを判定し、判定結果に応じて応答信号を作成し情報処理装置24に対して送信し、LAN I/F66及び制御部50は、当該画像形成装置22にICカードリーダ14が接続されていると判定されたときに、情報処理装置24から送信される正規のユーザのユーザアカウント情報を受信してHDD52に記憶し、制御部50は、HDD52に記憶された正規のユーザのユーザアカウント情報と、ICカードリーダ14によって読取られたユーザアカウント情報とに基づいて、ユーザが正規のユーザであるか否かを判定する認証処理を行ない、判定結果に基づいて、当該画像形成装置22を使用可能な状態にする。
【0170】
このように、複数の画像形成装置22とデータ通信可能な情報処理装置24は、複数の画像形成装置22から送信される、ICカードリーダ14が接続されているか否かに関する問合せである検索要求信号に対する応答信号に基づいて、複数の画像形成装置22の中からICカードリーダ14が接続されている画像形成装置22を抽出し、抽出した画像形成装置22に対して、正規のユーザのユーザアカウント情報を送信する。ICカードリーダ14が接続可能な画像形成装置22は、当該画像形成装置22にICカードリーダ14が接続されていると判定されたときに、情報処理装置24から受信してHDD52に記憶された正規のユーザのユーザアカウント情報と、ICカードリーダ14によって読取られた情報とに基づいて、認証処理を行なう。したがって、情報処理装置24は、ネットワーク20を介してデータ通信を行なう全ての画像形成装置22に対して正規のユーザのユーザアカウント情報を送信する場合と比較して、情報の送信先を減らすことができるので、送信処理に要する負荷を低減することができる。また、ICカードリーダ14が接続されている全ての画像形成装置22に一度に正規のユーザのユーザアカウント情報を受信させることができるので、ICカードリーダ14が接続されている画像形成装置22のユーザは、画像形成装置22毎に正規のユーザのユーザアカウント情報を予め記憶させておく必要がなくなり、記憶処理に要する手間を省くことができる。さらに、画像形成装置22が認証処理を行なうので、通信トラブル等のために画像形成装置22と情報処理装置24との間でデータ通信を行なえない場合においても、安定して認証処理を行なうことができる。
【0171】
また本実施の形態によれば、LAN I/F118は、複数の画像形成装置22のうち、抽出部120によって抽出された画像形成装置22を除く画像形成装置22に対し、HDD112に記憶されている正規のユーザのユーザアカウント情報を送信しない。これにより、情報処理装置24は、ネットワーク20を介してデータ通信を行なう全ての画像形成装置22に対して正規のユーザのユーザアカウント情報を送信する場合と比較して、情報の送信先を確実に減らすことができるので、送信処理に要する負荷を確実に低減することができる。
【0172】
さらに本実施の形態によれば、ICカード12からユーザアカウント情報を読取るICカードリーダ14が接続可能であり、情報処理装置24とネットワーク20を介してデータ通信を行なう画像形成装置22において、LAN I/F66は、情報処理装置24から送信される、画像形成装置22にICカードリーダ14が接続されているか否かに関する問合せである検索要求信号を受信し、検索要求応答部16及びLAN I/F66は、LAN I/F66が検索要求信号を受信したことに応答して、当該画像形成装置22にICカードリーダ14が接続されているか否かを判定し、判定結果に応じて応答信号を作成し情報処理装置24に対して送信し、LAN I/F66及び制御部50は、当該画像形成装置22にICカードリーダ14が接続されていると判定されたときに、応答信号に応答して情報処理装置24から送信される正規のユーザのユーザアカウント情報を受信してHDD52に記憶し、制御部50は、当該画像形成装置22にICカードリーダ14が接続されていると判定されたときに、HDD52に記憶された正規のユーザのユーザアカウント情報と、ICカードリーダ14によって読取られたユーザアカウント情報とに基づいて、ユーザが正規のユーザであるか否かを判定する認証処理を行ない、判定結果に基づいて、当該画像形成装置22を使用可能な状態にする。
【0173】
このように、ICカードリーダ14が接続可能な画像形成装置22は、当該画像形成装置22にICカードリーダ14が接続されていると判定されたときに、情報処理装置24から受信してHDD52に記憶された正規のユーザのユーザアカウント情報と、ICカードリーダ14によって読取られたユーザアカウント情報とに基づいて、認証処理を行なう。したがって、通信トラブル等のために画像形成装置22と情報処理装置24との間でデータ通信を行なえない場合においても、安定して認証処理を行なうことができる。また、ICカードリーダ14が接続されている全ての画像形成装置22は、一度に正規のユーザのユーザアカウント情報を受信することができるので、ICカードリーダ14が接続されている画像形成装置22のユーザは、画像形成装置22毎に正規のユーザのユーザアカウント情報を予め記憶させておく必要がなくなり、情報の記憶処理に要する手間を省くことができる。
【0174】
さらに本実施の形態によれば、ICカード12からユーザアカウント情報を読取るICカードリーダ14が接続されている画像形成装置22を含む複数の画像形成装置22と、ネットワーク20を介してデータ通信を行なう情報処理装置20において、HDD112は、ユーザが正規のユーザであるか否かを識別するための識別情報である正規のユーザのユーザアカウント情報を記憶し、制御部100及びLAN I/F118は、複数の画像形成装置22の各々に対し、ICカード12からユーザアカウント情報を読取るICカードリーダ14が接続されているか否かを、検索要求信号を送信することによって問合せ、LAN I/F118は、複数の画像形成装置22から問合せに対して送信される応答信号を受信し、抽出部120は、受信した応答信号に基づいて、複数の画像形成装置22の中から、ICカードリーダ14が接続されている画像形成装置22を抽出し、LAN I/F118は、抽出した画像形成装置22に対し、HDD112に記憶されている正規のユーザのユーザアカウント情報を送信する。
【0175】
このように、複数の画像形成装置22とデータ通信可能な情報処理装置24は、複数の画像形成装置22から送信される応答信号に基づいて、複数の画像形成装置22の中からICカードリーダ14が接続されている画像形成装置22を抽出し、抽出した画像形成装置22に対して、正規のユーザのユーザアカウント情報を送信する。したがって、情報処理装置24は、ネットワーク20を介してデータ通信を行なう全ての画像形成装置22に対して正規のユーザのユーザアカウント情報を送信する場合と比較して、情報の送信先を減らすことができるので、情報の送信処理に要する負荷を低減することができる。また、ICカードリーダ14が接続されている全ての画像形成装置22に一度に正規のユーザのユーザアカウント情報を受信させることができるので、ICカードリーダ14が接続されている画像形成装置22のユーザは、画像形成装置22毎に正規のユーザのユーザアカウント情報を予め記憶させておく必要がなくなり、情報の記憶処理に要する手間を省くことができる。
【0176】
今回開示された実施の形態は単に例示であって、この発明が上記した実施の形態のみに制限されるわけではない。この発明の範囲は、発明の詳細な説明の記載を参酌した上で、特許請求の範囲の各請求項によって示され、そこに記載された文言と均等の意味及び範囲内での全ての変更を含む。
【図面の簡単な説明】
【0177】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る認証システムの構成を模式的に示すブロック図である。
【図2】ICカードリーダが接続され、かつ、検索要求応答部を含む画像形成装置の構成を示すブロック図である。
【図3】情報処理装置の構成を示すブロック図である。
【図4】画像形成装置において認証システムを実現するためのプログラム構造をフローチャート形式で示す図である。
【図5】画像形成装置において認証システムを実現するためのプログラム構造をフローチャート形式で示す図である。
【図6】情報処理装置において認証システムを実現するためのプログラム構造をフローチャート形式で示す図である。
【図7】情報処理装置において認証システムの第2の変形例を実現するためのプログラム構造をフローチャート形式で示す図である。
【図8】本発明の第2の実施の形態に係る認証システムの構成を模式的に示すブロック図である。
【図9】情報端末装置の構成を示すブロック図である。
【図10】情報処理装置において認証システムを実現するためのプログラム構造をフローチャート形式で示す図である。
【図11】情報端末装置において認証システムを実現するためのプログラム構造をフローチャート形式で示す図である。
【符号の説明】
【0178】
10,200 認証システム
12 ICカード
14,15,202,204 ICカードリーダ
16 検索要求応答部
20 ネットワーク
22 画像形成装置
24 情報処理装置
50,100,300 制御部
52,112,312 HDD
54,114,314 操作部
56 画像読取部
58 画像処理部
60 画像形成部
62,110,310 USB I/F
66,118,318 LAN I/F
70,122,322 CPU
72,124,324 ROM
74,86,126,326 RAM
76,128,328 BUSライン
88 画像メモリ
90 印字部
116,316 表示部
120 抽出部
206,208 情報端末装置
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネットワークを介してデータ通信を行なう情報処理装置及び端末装置を含み、ユーザが正規のユーザであるか否かを判定するための認証システムに関し、特には、端末装置が、情報処理装置から送信される識別情報に基づいて認証処理を行なう認証システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、複数の画像形成装置と、これらの複数の画像形成装置とネットワークを介してデータ通信を行なう情報処理装置とを含む各種システムが提案されている。
【0003】
例えば、特許文献1に開示される画像形成システムでは、画像形成装置は、使用した原ジョブ設定情報をサーバに対して送信し、サーバは、受信した原ジョブ設定情報と、原ジョブ設定情報がデータ処理されたものであるジョブ設定情報とを記憶するとともに、画像形成装置からの要求に応じてジョブ設定情報を画像形成装置に対して送信し、画像形成装置は、受信したジョブ設定情報に基づいて所定の画像形成処理を行なう。特許文献1で開示される技術では、サーバに、データ処理、並びに、原ジョブ設定情報及びジョブ設定情報の記憶処理を行なわせることで、画像形成装置にかかる負荷を低減している。
【0004】
また、画像形成装置が、悪意を持った第三者によって不正に使用されることを防止するために、画像形成装置のユーザが正規のユーザであるのか、又は、正規のユーザではない者、例えば、不正に操作しようとする第三者であるのかを判定する認証システムの普及が進んでいる。このような認証システムでは、画像形成装置には、ユーザを識別するための識別情報を読取る情報読取装置が接続される。情報読取装置としては、識別情報であるユーザアカウント情報をICカードから読取ることが可能なICカードリーダが使用されることが多い。画像形成装置は、ICカードリーダによって読取られたユーザアカウント情報と、予め記憶される正規のユーザのユーザアカウント情報とに基づいて認証処理を行ない、その結果に基づいて所定の処理を行なう。
【特許文献1】特開2003−303061号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
認証システムにおいて、画像形成装置にかかる負荷を低減させるために、特許文献1の技術を応用することが考えられる。すなわち、画像形成装置は、ICカードリーダによって読取られたユーザアカウント情報を情報処理装置に対して送信し、情報処理装置は、受信したユーザアカウント情報と、予め記憶される正規のユーザのユーザアカウント情報とに基づいて認証処理を行なうとともに、認証処理の結果を画像形成装置に対して通知する。このような認証システムでは、情報処理装置に対するアクセスが過多になる等の理由によって通信トラブルが生じ、画像形成装置と情報処理装置との間でデータ通信を行なえない場合には、認証処理を行なうことができず、正規のユーザは画像形成装置を使用できないという問題が生じるおそれがある。
【0006】
一方、画像形成装置に認証処理を行なわせる場合には、ユーザは、正規のユーザのユーザアカウント情報を画像形成装置毎に予め記憶させておかなければならず、手間がかかり、ユーザの負担が大きくなってしまうという問題がある。
【0007】
本発明は、上述の問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、ユーザの手間を省くことができるとともに、ユーザが正規のユーザであるか否かの判定を安定して行なうことのできる認証システム、端末装置、及び、情報処理装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第1の局面に係る認証システムは、複数の端末装置と、複数の端末装置とネットワークを介してデータ通信を行なう情報処理装置とを含む認証システムであって、情報処理装置において、記憶手段は、ユーザが正規のユーザであるか否かを識別するための識別情報を記憶し、問合せ手段は、複数の端末装置の各々に対し、情報記録媒体から情報を読取る情報読取装置が接続されているか否かを問合せ、応答信号受信手段は、複数の端末装置から、問合せに対して送信される応答信号を受信し、抽出手段は、受信した応答信号に基づいて、複数の端末装置の中から、情報読取装置が接続されている端末装置を抽出し、第1の識別情報送信手段は、抽出した端末装置に対し、記憶手段に記憶されている識別情報を送信する。また、複数の端末装置のうちの少なくとも1つにおいて、問合せ受信手段は、情報処理装置から送信される問合せを受信し、応答信号送信手段は、問合せ受信手段が問合せを受信したことに応答して、当該端末装置に情報読取装置が接続されているか否かを判定し、判定結果に応じて応答信号を作成し情報処理装置に対して送信し、第1の識別情報受信手段は、当該端末装置に情報読取装置が接続されていると判定されたときに、情報処理装置から送信される識別情報を受信して所定の識別情報記憶手段に記憶し、判定手段は、識別情報記憶手段に記憶された識別情報と、情報読取装置によって読取られた情報とに基づいて、ユーザが正規のユーザであるか否かを判定し、制御手段は、判定手段による判定結果に基づいて、所定の処理を行なう。
【0009】
このように、複数の端末装置とデータ通信可能な情報処理装置は、複数の端末装置から送信される、情報読取装置が接続されているか否かに関する問合せに対する応答信号に基づいて、複数の端末装置の中から、情報読取装置が接続されている端末装置を抽出し、抽出した端末装置に対して、ユーザが正規のユーザであるか否かを識別するための識別情報を送信する。情報読取装置が接続可能な端末装置は、当該端末装置に情報読取装置が接続されていると判定されたときに、情報処理装置から受信して識別情報記憶手段に記憶された識別情報と、情報読取装置によって読取られた情報とに基づいて、ユーザが正規のユーザであるか否かを判定する。したがって、情報処理装置は、ネットワークを介してデータ通信を行なう全ての端末装置に対して識別情報を送信する場合と比較して、識別情報の送信先を減らすことができるので、識別情報の送信処理に要する負荷を低減することができる。また、情報読取装置が接続されている全ての端末装置に一度に識別情報を受信させることができるので、情報読取装置が接続されている端末装置のユーザは、端末装置毎に識別情報を予め記憶させておく必要がなくなり、識別情報の記憶処理に要する手間を省くことができる。さらに、端末装置が、ユーザが正規のユーザであるか否かの判定を行なうので、通信トラブル等のために端末装置と情報処理装置との間でデータ通信を行なえない場合においても、安定してユーザが正規のユーザであるか否かの判定を行なうことができる。
【0010】
好ましくは、第1の識別情報送信手段は、複数の端末装置のうち、抽出手段によって抽出された端末装置を除く端末装置に対し、記憶手段に記憶されている識別情報を送信しない。
【0011】
これにより、情報処理装置は、ネットワークを介してデータ通信を行なう全ての端末装置に対して識別情報を送信する場合と比較して、識別情報の送信先を確実に減らすことができるので、識別情報の送信処理に要する負荷を確実に低減することができる。
【0012】
より好ましくは、情報読取装置には、情報記録媒体から情報を読取るための所定の読取方式が予め設定され、問合せ手段は、複数の端末装置の各々に対し、情報記録媒体から所定の読取方式により情報を読取る情報読取装置が接続されているか否かを問合せる手段を含み、応答信号送信手段は、問合せ受信手段が問合せを受信したことに応答して、当該端末装置に所定の読取方式により情報記録媒体から情報を読取る情報読取装置が接続されているか否かを判定し、判定結果に応じて応答信号を作成し情報処理装置に対して送信する手段を含む。
【0013】
このように、複数の端末装置とデータ通信可能な情報処理装置は、端末装置から送信される、情報記録媒体から所定の読取方式により情報を読取る情報読取装置が接続されているか否かに関する問合せに対する応答信号に基づいて、複数の端末装置の中から、所定の読取方式により情報記録媒体から情報を読取る情報読取装置が接続されている端末装置を抽出し、抽出した端末装置に対して、ユーザが正規のユーザであるか否かを識別するための識別情報を送信する。したがって、情報処理装置は、ネットワークを介してデータ通信を行なう全ての端末装置に対して識別情報を送信する場合と比較して、識別情報の送信先をさらに減らすことができるので、識別情報の送信処理に要する負荷をさらに低減することができる。また、所定の読取方式により情報記録媒体から情報を読取る情報読取装置が接続されている全ての端末装置に一度に識別情報を受信させることができるので、所定の読取方式により情報記録媒体から情報を読取る情報読取装置が接続されている端末装置のユーザは、端末装置毎に識別情報を予め記憶させておく必要がなくなり、識別情報の記憶処理に要する手間を省くことができる。
【0014】
さらに好ましくは、情報処理装置は、識別情報の送信時から予め定める所定時間が経過したか否かを判定する経過時間判定手段をさらに含み、第1の識別情報送信手段は、経過時間判定手段によって、識別情報の送信時から予め定める所定時間が経過したと判定されたときに、抽出した端末装置に対し、記憶手段に記憶されている識別情報を再送信する。
【0015】
このように、第1の識別情報送信手段は、経過時間判定手段によって識別情報の送信時から予め定める所定時間が経過したと判定されたときに、抽出した端末装置に対して識別情報を再送信するので、通信トラブル等のために端末装置と情報処理装置との間でデータ通信を行なえない状況が一時的に生じた場合においても、情報読取装置が接続されている端末装置に確実に識別情報を受信させることができ、ユーザが正規のユーザであるか否かの判定をより一層確実に行なうことができる。また、識別情報に変更が生じた場合においても、端末装置は最新の識別情報に基づいて、ユーザが正規のユーザであるか否かの判定を行なうことができるので、より一層正確な判定を行なうことができる。
【0016】
さらに好ましくは、複数の端末装置のうちの少なくとも1つは、識別情報の受信に成功したことを通知する配信情報通知信号を情報処理装置に対して送信する配信情報通知信号送信手段をさらに含み、情報処理装置は、配信情報通知信号を受信する配信情報通知信号受信手段をさらに含み、第1の識別情報送信手段は、経過時間判定手段によって、識別情報の送信時から予め定める所定時間が経過したと判定されたときに、抽出した端末装置であって、かつ、配信情報通知信号を送信していない端末装置に対し、記憶手段に記憶されている識別情報を再送信する。
【0017】
このように、第1の識別情報送信手段は、経過時間判定手段によって識別情報の送信時から予め定める所定時間が経過したと判定されたときに、抽出した端末装置であって、かつ、識別情報の受信に成功したことを通知する配信情報通知信号を送信していない端末装置に対し、識別情報を再送信するので、通信トラブル等のために端末装置と情報処理装置との間でデータ通信を行なえない状況が一時的に生じることによって識別情報を受信できなかった端末装置に対しても識別情報を受信させることができ、ユーザが正規のユーザであるか否かの判定をより一層確実に行なうことができる。また、識別情報の送信時から予め定める所定時間が経過する毎に、抽出した端末装置に対して識別情報を送信する場合と比較して、識別情報の送信先を減らすことができるので、識別情報の送信処理に要する負荷をより一層低減することができる。
【0018】
さらに好ましくは、記憶手段は、識別情報の送信先の端末装置を示す配信先情報と、識別情報の送信時の日付及び時間を示す配信日時情報と、端末装置が識別情報の受信に成功したか否かを示す配信状況情報とを、それぞれ関連付けて配信ログ情報としてさらに記憶する。
【0019】
このように配信ログ情報が記憶されることによって、経過時間判定手段による識別情報の送信時から予め定める所定時間が経過したか否かの判定、及び、第1の識別情報送信手段による、抽出した端末装置であって、かつ、識別情報の受信に成功したことを通知する配信情報通知信号を送信していない端末装置に対する識別情報の送信をより一層確実に行なえるようになる。したがって、通信トラブル等のために端末装置と情報処理装置との間でデータ通信を行なえない状況が一時的に生じることによって識別情報を受信できなかった端末装置に対しても、より一層確実に識別情報を受信させることができ、ユーザが正規のユーザであるか否かの判定をさらに確実に行なうことができる。
【0020】
さらに好ましくは、認証システムは、複数の端末装置及び情報処理装置とネットワークを介してデータ通信を行なう情報端末装置をさらに含み、情報端末装置は、情報処理装置に対し、識別情報を送信する第2の識別情報送信手段を含み、情報処理装置は、情報端末装置から送信される識別情報を受信する第2の識別情報受信手段をさらに含み、記憶手段は、第2の識別情報受信手段によって受信された識別情報を記憶する。
【0021】
これにより、情報処理装置は、ネットワークを介してデータ通信を行なう外部装置である情報端末装置から識別情報を入手することができるようになるので、識別情報の記憶処理及び変更処理をより一層容易に行なうことができるようになる。したがって、より一層ユーザの利便性を向上させることができる。
【0022】
本発明の第2の局面に係る端末装置は、情報記録媒体から情報を読取る情報読取装置が接続可能であり、情報処理装置とネットワークを介してデータ通信を行なう端末装置であって、情報処理装置から送信される、端末装置に情報読取装置が接続されているか否かに関する問合せを受信する問合せ受信手段と、問合せ受信手段が問合せを受信したことに応答して、当該端末装置に情報読取装置が接続されているか否かを判定し、判定結果に応じて応答信号を作成し情報処理装置に対して送信する応答信号送信手段と、当該端末装置に情報読取装置が接続されていると判定されたときに、応答信号に応答して情報処理装置から送信される、ユーザが正規のユーザであるか否かを識別するための識別情報を受信して所定の識別情報記憶手段に記憶させる第1の識別情報受信手段と、当該端末装置に情報読取装置が接続されていると判定されたときに、識別情報記憶手段に記憶された識別情報と、情報読取装置によって読取られた情報とに基づいて、ユーザが正規のユーザであるか否かを判定する判定手段と、判定手段による判定結果に基づいて、所定の処理を行なう制御手段とを含む。
【0023】
このように、情報読取装置が接続可能な端末装置は、当該端末装置に情報読取装置が接続されていると判定されたときに、情報処理装置から受信して識別情報記憶手段に記憶された識別情報と、情報読取装置によって読取られた情報とに基づいて、ユーザが正規のユーザであるか否かを判定する。したがって、通信トラブル等のために端末装置と情報処理装置との間でデータ通信を行なえない場合においても、安定してユーザが正規のユーザであるか否かの判定を行なうことができる。また、情報読取装置が接続されている全ての端末装置は、一度に識別情報を受信することができるので、情報読取装置が接続されている端末装置のユーザは、端末装置毎に識別情報を予め記憶させておく必要がなくなり、識別情報の記憶処理に要する手間を省くことができる。
【0024】
本発明の第3の局面に係る情報処理装置は、情報記録媒体から情報を読取る情報読取装置が接続されている端末装置を含む複数の端末装置と、ネットワークを介してデータ通信を行なう情報処理装置であって、ユーザが正規のユーザであるか否かを識別するための識別情報を記憶する記憶手段と、複数の端末装置に対し、端末装置に情報読取装置が接続されているか否かを問合せる問合せ手段と、複数の端末装置から問合せに応答して送信される応答信号を受信する応答信号受信手段と、受信した応答信号に基づいて、複数の端末装置の中から、情報読取装置が接続されている端末装置を抽出する抽出手段と、抽出した端末装置に対し、記憶手段に記憶されている識別情報を送信する第1の識別情報送信手段とを含む。
【0025】
このように、複数の端末装置とデータ通信可能な情報処理装置は、複数の端末装置から送信される、情報読取装置が接続されているか否かに関する問合せに対する応答信号に基づいて、複数の端末装置の中から情報読取装置が接続されている端末装置を抽出し、抽出した端末装置に対して、ユーザが正規のユーザであるか否かを識別するための識別情報を送信する。したがって、情報処理装置は、ネットワークを介してデータ通信を行なう全ての端末装置に対して識別情報を送信する場合と比較して、識別情報の送信先を減らすことができるので、識別情報の送信処理に要する負荷を低減することができる。また、情報読取装置が接続されている全ての端末装置に一度に識別情報を受信させることができるので、情報読取装置が接続されている端末装置のユーザは、端末装置毎に識別情報を予め記憶させておく必要がなくなり、識別情報の記憶処理に要する手間を省くことができる。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、複数の端末装置とデータ通信可能な情報処理装置は、複数の端末装置から送信される、情報読取装置が接続されているか否かに関する問合せに対する応答信号に基づいて、複数の端末装置の中から、情報読取装置が接続されている端末装置を抽出し、抽出した端末装置に対して、ユーザが正規のユーザであるか否かを識別するための識別情報を送信する。情報読取装置が接続可能な端末装置は、当該端末装置に情報読取装置が接続されていると判定されたときに、情報処理装置から受信して識別情報記憶手段に記憶された識別情報と、情報読取装置によって読取られた情報とに基づいて、ユーザが正規のユーザであるか否かを判定する。したがって、情報処理装置は、ネットワークを介してデータ通信を行なう全ての端末装置に対して識別情報を送信する場合と比較して、識別情報の送信先を減らすことができるので、識別情報の送信処理に要する負荷を低減することができる。また、情報読取装置が接続されている全ての端末装置に一度に識別情報を受信させることができるので、情報読取装置が接続されている端末装置のユーザは、端末装置毎に識別情報を予め記憶させておく必要がなくなり、識別情報の記憶処理に要する手間を省くことができる。さらに、端末装置が、ユーザが正規のユーザであるか否かの判定を行なうので、通信トラブル等のために端末装置と情報処理装置との間でデータ通信を行なえない場合においても、安定してユーザが正規のユーザであるか否かの判定を行なうことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下の説明及び図面においては、同一の部品には同一の参照符号及び名称を付してある。それらの機能も同様である。したがって、それらについての詳細な説明をその都度繰返すことはしない。
【0028】
[第1の実施の形態]
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る認証システム10の構成を模式的に示すブロック図である。図1を参照して、認証システム10は、複数の画像形成装置22a〜22dと、画像形成装置22a〜22dとLAN(Local Area Network)回線からなるネットワーク20を介してデータ通信を行なう情報処理装置24とを含む。 画像形成装置22a,22cには、IC(Integrated Circuit)カード12からユーザアカウント情報を読取るICカードリーダ14a,14cが接続されている。情報処理装置24には、ICカード12からユーザアカウント情報を読取るICカードリーダ15が接続されている。ここで、ユーザアカウント情報とは、ICカード12の所有者を特定するための情報であって、例えば、所有者の氏名及び所属部門等を示す情報のことである。ユーザアカウント情報は、画像形成装置22を使用しようとするユーザが、画像形成装置22の使用を許可された正規のユーザであるか否かを判定する認証処理において使用される。以下、本明細書において、各画像形成装置22a〜22dに対応する各構成部においては、各画像形成装置22a〜22dを表すアルファベットを参照符号の末尾に付して区別し、総称する場合は参照符号のみで表す。
【0029】
ICカードリーダ14a,14c,15には、予め所定のICカード規格が設定されている。ICカードリーダ14a,14c,15は、設定されたICカード規格によりICカード12からユーザアカウント情報を読取り、読取った情報を含む読取信号を出力する。したがって、ICカードリーダ14a,14c,15は、予め設定されるICカード規格に対応するICカード12からユーザアカウント情報を読取る場合に、正常な読取信号を出力する。ここで、ICカード規格とは、例えば、非接触ICカードの国際標準規格である、近接型ICカードに対応するISO/IEC 14443で規定される規格、密着型ICカードに対応するISO/IEC 10536で規定される規格、近傍型ICカードに対応するISO/IEC 15693で規定される規格、及び、フェリカ(登録商標)等のことである。以下、本明細書では、個々のICカード規格を、各ICカード規格を表すアルファベットを「方式」という文言の末尾に付して区別し、例えば、方式A又は方式B等と表現する。本実施の形態では、ICカードリーダ14a,14c,15には、方式AのICカード規格が予め設定されており、正規のユーザは方式Aに対応するICカード12を所有する。
【0030】
認証システム10において、情報処理装置24は、ICカードリーダ14a,14cが接続されている画像形成装置22a,22cに対して正規のユーザのユーザアカウント情報を送信する。画像形成装置22a,22cは、受信した正規のユーザのユーザアカウント情報と、ICカードリーダ14a,14cによって読取られたユーザアカウント情報とに基づいて認証処理を行ない、認証処理の結果に応じて所定の処理を実行する。
【0031】
〈ハードウェア構成〉
以下、画像形成装置22a〜22d及び情報処理装置24のハードウェア構成について説明する。
【0032】
[画像形成装置22a]
図2は、ICカードリーダ14aが接続され、かつ、検索要求応答部16aを含む画像形成装置22aの構成を示すブロック図である。図2を参照して、画像形成装置22aは、例えば、スキャナ機能、コピー機能、ファクシミリ機能、及び、プリンタ機能等を備えるMFP(Multifunction Printer)であって、制御部50a、HDD(Hard Disk Drive)52a、操作部54a、画像読取部56a、画像処理部58a、画像形成部60a、USB(登録商標、Universal Serial Bus)インターフェイス(USB I/F)62a、LANインターフェイス(LAN I/F)66a、及び、検索要求応答部16aを含む。
【0033】
制御部50aは、実質的にコンピュータであって、CPU(Central Processing Unit)70a、ROM(Read−Only Memory)72a、及び、第1RAM(Random Access Memory)74aを含む。CPU70aには、BUSライン76aが接続されており、このBUSライン76aには、ROM72a及び第1RAM74aが電気的に接続される。CPU70aは、操作部54a等からの指示に応じて各種コンピュータプログラムを実行することによって、画像形成装置22aの各構成部の動作及び情報処理装置24等の外部機器との通信等の所望の処理を実行する。上記の各種コンピュータプログラムは、予めROM72aに記憶されており、所望の処理の実行時において、当該ROM72aから読出されて第1RAM74aに転送される。CPU70aは、CPU70a内の図示しないプログラムカウンタと呼ばれるレジスタに格納された値によって指定される、第1RAM74a内のアドレスからプログラムの命令を読出し、解釈する。CPU70aはまた、読出された命令によって指定されるアドレスから演算に必要なデータを読出し、そのデータに対し命令に対応する演算を実行する。実行の結果も、第1RAM74a、HDD52a及びCPU70a内のレジスタ等の、命令によって指定されるアドレスに格納される。
【0034】
本実施の形態において、ROM72aには、認証システム10の一部として画像形成装置22aを制御し、動作させるためのコンピュータプログラムが記憶されている。このコンピュータプログラムの制御構造については後述する。
【0035】
BUSライン76aには、さらに、HDD52a、操作部54a、画像読取部56a、画像処理部58a、画像形成部60a、USB I/F62a、LAN I/F66a、及び、検索要求応答部16aが電気的に接続される。
【0036】
HDD52aは、磁気記憶媒体を備え、画像形成装置22aの識別ID(Identification Number)、情報処理装置24から送信される正規のユーザのユーザアカウント情報、及び、画像メモリ88aから入力される画像データ等を含む各種データを記憶する記憶領域を提供する。ここで、識別IDとは、画像形成装置22aを特定して判別するために画像形成装置22aに固有に設定されるIDのことである。本実施の形態では、識別IDとして、IP(Internet Protocol)アドレスを使用する。
【0037】
操作部54aは、ユーザの指示等に応じた各種入力を行なうための各種入力キー等を備えるタッチパネルを含む入力部と、液晶ディスプレイ(LCD(Liquid Crystal Display))等の表示部とを重ねて構成される。
【0038】
画像読取部56aは、原稿検知センサ及びCCD(Charge−Coupled Device)ラインセンサ(以上いずれも図示せず。)を含む光学系を備える。原稿検知センサは、ユーザによって手動で、又は、自動原稿搬送装置(図示せず。ADF(Automatic Document Feeder))によって、原稿載置台(図示せず。)上に載置された原稿の画像表面に対し光源(図示せず。)から光を照射することで得られる反射光像をCCDラインセンサ上に結像させる。CCDラインセンサは、結像された反射光像を順次光電変換して、画像データとして後述する画像メモリ88aに出力する。画像読取部56aは、原稿のコピー時又はスキャン時に、原稿載置台に載置される原稿から原稿検知センサによって画像情報を読取り、読取った画像情報をCCDラインセンサによって電気信号に変換して画像データとして画像メモリ88aに出力する。
【0039】
画像処理部58aは、MPU(Micro Processing Unit、図示せず。)を含む。画像処理部58aは、画像読取部56a又は外部装置から画像メモリ88aに入力された画像データに対して、例えば、γ(ガンマ)補正処理及びフィルタ処理等の所定の画像処理、並びに、圧縮処理又は伸張処理等の各種処理を専用メモリである第2RAM86aを使用して実現する。画像処理部58aはさらに、これらの処理が施された画像データを一旦画像メモリ88aにページ単位で出力した後、HDD52aに記憶させる。
【0040】
画像形成部60aは、画像メモリ88a及び印字部90aを備える。画像メモリ88aは、RAMを含み、画像データをページ単位で一時的に記憶する。画像メモリ88aは、制御部50a等からの指示に応じて、印字部90aに送信するための画像データをHDD52aからページ単位で順次読出して一時的に記憶し、記憶した画像データを印字部90aによる画像形成に同期して、印字部90aに対して出力する。このように、HDD52aが複数の画像データを記憶し、画像メモリ88aがこれらの画像データをページ単位で順次処理していくことによって、印字部90aに送信するための画像データが複数ある場合においても、画像形成動作を効率よく迅速に行なうことができる。
【0041】
印字部90aは、感光体、帯電装置、レーザ走査ユニット(LSU(Laser Scanning Unit))、現像装置、転写ユニット、クリーニング装置、及び、定着装置(以上いずれも図示せず。)を含む。また、印字部90aはさらに、画像形成装置22aに着脱自在に装着される、手差し給紙トレイ、第1給紙トレイ及び第2給紙トレイ(以上いずれも図示せず。)を含む。これらの給紙トレイは、この順で上下に並ぶように設置され、記録用紙を保持し、記録用紙を搬送するための用紙搬送部(図示せず。)に記録用紙を送給する。手差し給紙トレイは、ユーザが手動により所望の記録用紙を設置するためのトレイであり、第1給紙トレイ及び第2給紙トレイは、異なる大きさの記録用紙を保持するトレイである。印字部90aは、制御部50a等からの指示に応じて、上記給紙トレイのいずれかから用紙搬送部を介して搬送される記録用紙上に、画像メモリ88aから送信される画像データに基づいて画像を形成する。
【0042】
USB I/F62aは、USBポートを備えるHot Plug対応のインターフェイスであって、画像形成装置22aの稼動中にUSBケーブルを介して電気的に接続される外部装置を自動認識する。画像形成装置22aにおいて、USB I/F62aにはICカードリーダ14aが接続される。ICカードリーダ14aは、ICカード12に含まれるユーザアカウント情報の読取処理を行なう情報読取装置である。ICカードリーダ14aは、ICカード12がカード挿入口(図示せず。)に挿入されると、予め設定されるICカード規格である方式AによりICカード12に含まれるユーザアカウント情報を読取り、読取った情報を含む読取信号を制御部50aに対して出力する。
【0043】
画像形成装置22aは、LAN I/F66aを介してLAN回線からなるネットワーク20に接続されており、ネットワーク20上に接続されるファクシミリ装置等とファクシミリ通信が可能であり、また、情報処理装置24とのデータ通信が可能である。
【0044】
検索要求応答部16aは、実際にはCPU70aにより実行されるプログラムにより実現される。検索要求応答部16aは、画像形成装置22aにICカードリーダ14aが接続されているか否かを示す検索応答用データと、画像形成装置22aの識別IDとを含む応答信号を作成する。本実施の形態では、検索応答用データとして1ビットのデータを使用する。すなわち、検索要求応答部16aは、情報処理装置24から送信される検索要求信号を受信すると、HDD52aから識別IDを読出すとともに、USB I/F62aにICカードリーダ14aが接続されているか否かを判定する。そして、ICカードリーダ14aが接続されていると判定した場合には、ICカードリーダ14aが接続されていることを示す2値データである「1」データと、読出した識別IDとを含む応答信号を作成する。一方、ICカードリーダ14aが接続されていないと判定した場合には、ICカードリーダ14aが接続されていないことを示す2値データである「0」データと、読出した識別IDとを含む応答信号を作成する。なお、検索要求信号とは、応答信号の送信を要求する旨の命令を表す信号のことであり、情報処理装置24から画像形成装置22a〜22dに対して送信される。情報処理装置24は、検索要求信号を画像形成装置22a〜22dに対して送信することによって、画像形成装置22にICカードリーダ14aが接続されているか否かを問合せる。
【0045】
画像形成装置22aの各構成部には電源(図示せず。)が接続され、この電源から電圧が印加されることで、画像形成装置22aの各構成部が動作する。
【0046】
画像形成装置22aは、上述した各構成部を動作させることによって、操作部54aからのユーザの入力操作による指示又は外部装置等からの指示に応じて、原稿画像を読取り記録用紙に印刷するコピーモード、外部装置等から送信される画像データを受信して記録用紙に印刷するプリンタモード、原稿画像を読取り外部装置等に送信するスキャナモード、及び、ファクシミリ装置とファクシミリ通信を行なうFAXモード等の各種のモードのいずれかを実行する。
【0047】
[画像形成装置22b〜22d]
図1を参照して、画像形成装置22bは、ICカードリーダ14が接続されない点を除いて画像形成装置22aと同一の構成である。画像形成装置22cは、画像形成装置22aと同一の構成である。画像形成装置22dは、ICカードリーダ14が接続されない点、検索要求応答部16を含まない点、及び、ROM72dに、認証システム10の一部として画像形成装置22dを制御し、動作させるためのコンピュータプログラムが記憶されていない点を除いて画像形成装置22aと同一の構成である。
【0048】
[情報処理装置24]
図3は、情報処理装置24の構成を示すブロック図である。図3を参照して、情報処理装置24は、制御部100、USB I/F110、HDD112、操作部114、表示部116、LAN I/F118、及び、抽出部120を含むサーバである。
【0049】
制御部100は、実質的にコンピュータであって、CPU122、ROM124、及び、RAM126を含む。CPU122には、BUSライン128が接続されており、このBUSライン128には、ROM124及びRAM126が電気的に接続される。CPU122は、画像形成装置22等の外部装置又は操作部114等からの指示に応じて各種コンピュータプログラムを実行することによって、情報処理装置24の各構成部の動作及び画像形成装置22等の外部機器との通信等の所望の処理を実行する。上記の各種コンピュータプログラムは、予めROM124に記憶されており、所望の処理の実行時において、当該ROM124から読出されてRAM126に転送される。CPU122は、CPU122内の図示しないプログラムカウンタと呼ばれるレジスタに格納された値によって指定される、RAM126内のアドレスからプログラムの命令を読出し、解釈する。CPU122はまた、読出された命令によって指定されるアドレスから演算に必要なデータを読出し、そのデータに対し命令に対応する演算を実行する。実行の結果も、RAM126,HDD112及びCPU122内のレジスタ等の、命令によって指定されるアドレスに格納される。
【0050】
本実施の形態において、ROM124には、認証システム10の一部として情報処理装置24を制御し、動作させるためのコンピュータプログラムが記憶されている。このコンピュータプログラムの制御構造については後述する。ROM124には、さらに、正規のユーザのユーザアカウント情報の登録処理を実行するためのユーザアカウント情報登録プログラムが記憶されている。ユーザアカウント情報登録プログラムは、このプログラムを実行する権限を有するユーザが、例えばパスワード等を用いた所定の認証を行なうことによって起動される。
【0051】
BUSライン128には、さらに、HDD112、USB I/F110、操作部114、表示部116、LAN I/F118、及び、抽出部120が電気的に接続される。
【0052】
USB I/F110は、USBポートを備えるHot Plug対応のインターフェイスであって、情報処理装置24の稼動中にUSBケーブルを介して電気的に接続される外部装置を自動認識する。情報処理装置24において、USB I/F110にはICカードリーダ15が接続される。ICカードリーダ15は、ICカード12に含まれるユーザアカウント情報の読取処理を行なう情報読取装置である。権限を有するユーザにより所定の認証が行なわれてユーザアカウント情報登録プログラムが起動された後、ICカードリーダ15は、登録対象のユーザアカウント情報を記録したICカード12がカード挿入口(図示せず。)に挿入されると、予め設定されるICカード規格である方式AによりICカード12に含まれるユーザアカウント情報を読取り、読取ったユーザアカウント情報をHDD112に記憶させる。すなわち、所定の認証を行なうことができる権限を有するユーザのみが、登録対象のユーザアカウント情報である正規のユーザのユーザアカウント情報を記録したICカード12をICカードリーダ15に読取らせ、HDD112に記憶させることができる。
【0053】
HDD112は、磁気記憶媒体を備え、ICカードリーダ15によって読取られた正規のユーザのユーザアカウント情報等を含む各種データを記憶する記憶領域を提供する。
【0054】
操作部114は、ユーザの指示等に応じた各種入力及び文字入力等を行なう入力装置であるキーボードからなる。表示部116は、情報処理装置24における処理結果等を表示するための、液晶ディスプレイ等からなる表示装置である。操作部114及び表示部116は、インターフェイス(図示せず。)を介してBUSライン128と接続される。
【0055】
情報処理装置24は、LAN I/F118を介してLAN回線からなるネットワーク20に接続されており、ネットワーク20上に接続される画像形成装置22とのデータ通信が可能である。
【0056】
抽出部120は、実際にはCPU122により実行されるプログラムにより実現される。抽出部120は、画像形成装置22から受信した応答信号に基づいて、ネットワーク20に接続される複数の画像形成装置22の中から、ICカードリーダ14が接続されている画像形成装置22を抽出し、対応する識別IDを応答信号から読出す。すなわち、抽出部120は、受信した応答信号の中から、ICカードリーダ14が接続されていることを示す「1」データを含む信号を抽出し、抽出した応答信号に含まれる画像形成装置22の識別IDを読出す。
【0057】
情報処理装置24の各構成部には電源(図示せず。)が接続され、この電源から電圧が印加されることで、情報処理装置24の各構成部が動作する。
【0058】
〈ソフトウェア構成〉
[画像形成装置22a〜22c]
図4は、画像形成装置22a〜22cにおいて認証システム10を実現するためのプログラム構造をフローチャート形式で示す図である。上述したように、画像形成装置22a〜22cのROM72に記憶されるコンピュータプログラムは、認証システム10の一部として画像形成装置22a〜22cを制御し、動作させるようにプログラミングされている。このプログラムは、正規のユーザのユーザアカウント情報の記憶処理を行なう記憶プログラムである。このプログラムは、制御部50を実質的に構成するCPU70を含むコンピュータが、上記コンピュータプログラムに従って、画像形成装置22a〜22cの動作を制御することによって、ハードウェアとコンピュータプログラムとの協働により実現する、信号作成機能、判定機能、及び、記憶機能等によって実行される。なお、前記信号作成機能とは、応答信号を作成する機能のことであり、前記判定機能とは、検索要求信号を受信したか否かを判定する処理等の後述する各判定処理を行なう機能のことであり、前記記憶機能とは、受信した正規のユーザのユーザアカウント情報をHDD52に記憶させる機能のことである。
【0059】
画像形成装置22a〜22cにおいて認証システム10を実現するための記憶プログラムは、画像形成装置22a〜22cの電源が投入されることによって起動される。画像形成装置22a〜22cの起動時には、画像形成装置22a,22cは制御部50によって使用不可能な状態にされる。画像形成装置22bは制御部50によって使用可能な状態にされるとともに、操作部54の表示部には、画像形成装置22bが行なう各種処理に対する指示をユーザ等に入力させるための設定画面が表示される。なお、本プログラムは、ユーザ等によって画像形成装置22a〜22cの電源が切られることによって終了する。
【0060】
図4を参照して、記憶プログラムは、LAN I/F66を監視し、LAN I/F66が、情報処理装置24から検索要求信号を受信するまで待機するステップS100と、ステップS100において、検索要求信号を受信したと判定された場合(YESの場合)に実行され、画像形成装置22a〜22cにICカードリーダ14が接続されているか否かを示す検索応答用データと、画像形成装置22a〜22cの自己の識別IDとを含む応答信号を作成するステップS101と、作成した応答信号をLAN I/F66及びネットワーク20を介して情報処理装置24に対して送信するステップS102と、作成した応答信号が、ICカードリーダ14が接続されていることを示す「1」データを含むか否かを判定し、判定結果に応じて制御の流れを分岐させるステップS103とを含む。ステップS103において、「1」データを含まないと判定された場合(NOの場合)には、制御はステップS100に戻る。
【0061】
このプログラムはさらに、ステップS103において、「1」データを含むと判定された場合(YESの場合)に実行され、LAN I/F66を監視し、LAN I/F66が、情報処理装置24から正規のユーザのユーザアカウント情報を受信するまで待機するステップS104を含む。
【0062】
このプログラムはさらに、ステップS104において、正規のユーザのユーザアカウント情報を受信したと判定された場合(YESの場合)に実行され、受信した正規のユーザのユーザアカウント情報をHDD52に記憶させるステップS105を含む。
【0063】
[画像形成装置22a,22c]
図5は、画像形成装置22a,22cにおいて認証システム10を実現するためのプログラム構造をフローチャート形式で示す図である。上述したように、画像形成装置22a,22cのROM72に記憶されるコンピュータプログラムは、認証システム10の一部として画像形成装置22a,22cを制御し、動作させるようにプログラミングされている。このプログラムは、認証処理を行なう認証プログラムである。このプログラムは、制御部50を実質的に構成するCPU70を含むコンピュータが、上記コンピュータプログラムに従って、画像形成装置22a,22cの動作を制御することによって、ハードウェアとコンピュータプログラムとの協働により実現する判定機能、及び、動作制御機能等によって実行される。なお、前記判定機能とは、画像形成装置22a,22cを使用しようとするユーザが正規のユーザであるか否かを判定する処理等の後述する各判定処理を行なう機能のことであり、前記動作制御機能とは、画像形成装置22a,22cを使用可能又は使用不可能な状態にする機能のことである。
【0064】
画像形成装置22a,22cにおいて認証システム10を実現するための認証プログラムは、画像形成装置22a,22cの電源が投入されることによって起動される。なお、本プログラムは、ユーザ等によって画像形成装置22a,22cの電源が切られることによって終了する。
【0065】
図5を参照して、認証プログラムは、操作部54の表示部に、例えば、「カードを挿入してください。」等の、ICカードリーダ14のカード挿入口(図示せず。)に対するICカード12の挿入を促す旨を報知する表示を表示させるステップS200と、ICカードリーダ14を監視し、ICカードリーダ14のカード挿入口(図示せず。)にICカード12が挿入されるまで待機するステップS201とを含む。
【0066】
このプログラムはさらに、ステップS201において、ICカード12が挿入されたと判定された場合(YESの場合)に実行され、ICカードリーダ14に、予め設定されるICカード規格によりICカード12に含まれるユーザアカウント情報の読取りを行なわせるとともに、読取った情報を含む読取信号を出力させるステップS202と、HDD52に記憶される正規のユーザのユーザアカウント情報を読出し、読出した正規のユーザのユーザアカウント情報の中に、ICカードリーダ14から出力された読取信号に含まれるユーザアカウント情報と一致するものがあるか否かに基づいて、ユーザが正規のユーザであるか否かを判定し、判定結果に応じて制御の流れを分岐させるステップS203とを含む。
【0067】
このプログラムはさらに、ステップS203において、ユーザが正規のユーザではないと判定された場合(NOの場合)、すなわち、HDD52から読出した正規のユーザのユーザアカウント情報の中に、ICカードリーダ14から出力された読取信号に含まれるユーザアカウント情報と一致するものがないと判定された場合に実行され、ICカードリーダ14のカード挿入口(図示せず。)からICカード12を排出させるとともに、操作部54の表示部に、例えば、「このカードは対応していません。」等の、ユーザが正規のユーザではなく、画像形成装置22が使用不可能である旨を報知する表示を表示するステップS204を含む。このような表示を行なうことにより、画像形成装置22を使用しようとするユーザは、自分が正規のユーザではなく、画像形成装置22が使用不可能であることを容易に認識することができる。したがって、画像形成装置22を使用するユーザの利便性をさらに向上させることができる。
【0068】
このプログラムはさらに、ステップS203において、ユーザが正規のユーザであると判定された場合(YESの場合)、すなわち、HDD52から読出した正規のユーザのユーザアカウント情報の中に、ICカードリーダ14から出力された読取信号に含まれるユーザアカウント情報と一致するものがあると判定された場合に実行され、画像形成装置22を使用可能な状態にするとともに、操作部54の表示部に、画像形成装置22が行なう各種処理に対する指示をユーザ等に入力させるための設定画面を表示させるステップS205を含む。
【0069】
このプログラムはさらに、操作部114を監視し、操作部114の入力キーの1つであるクリアキーが押下されるまで待機するステップS206を含む。ステップS206において、操作部54のクリアキーが押下されたと判定された場合(YESの場合)には、画像形成装置22を使用不可の状態に設定し、制御はステップS200に戻る。
【0070】
[情報処理装置24]
図6は、情報処理装置24において認証システム10を実現するためのプログラム構造をフローチャート形式で示す図である。上述したように、情報処理装置24のROM124に記憶されるコンピュータプログラムは、認証システム10の一部として情報処理装置24を制御し、動作させるようにプログラミングされている。このプログラムは、制御部100を実質的に構成するCPU122を含むコンピュータが、上記コンピュータプログラムに従って、情報処理装置24の動作を制御することによって、ハードウェアとコンピュータプログラムとの協働により実現する抽出機能、及び、判定機能等によって実行される。なお、前記抽出機能とは、ネットワーク20に接続される複数の画像形成装置22の中からICカードリーダ14が接続されている画像形成装置22を抽出する機能のことであり、前記判定機能とは、予め定める所定時間が経過したか否かを判定する処理等の各判定処理を行なう機能のことである。
【0071】
図6を参照して、情報処理装置24において認証システム10を実現するためのプログラムは、ユーザ等によって情報処理装置24の操作部114から、本プログラムを開始する旨の指示に応じた入力操作がなされることによって起動される。
【0072】
このプログラムは、LAN I/F118及びネットワーク20を介して、ネットワーク20に接続される複数の画像形成装置22に対し、検索要求信号を送信するステップS300と、検索要求信号送信時から予め定める所定時間が経過するまで待機するステップS301とを含む。
【0073】
このプログラムはさらに、ステップS301において、予め定める所定時間が経過したと判定された場合(YESの場合)に実行され、予め定める所定時間内にLAN I/F118及びネットワーク20を介して画像形成装置22から受信した応答信号に基づいて、ネットワーク20に接続される複数の画像形成装置22の中から、ICカードリーダ14が接続されている画像形成装置22を抽出し、対応する識別IDを応答信号から読出すステップS302を含む。ステップS302において、抽出部120は、受信した応答信号の中から、ICカードリーダ14が接続されていることを示す「1」データを含む信号を抽出し、抽出した応答信号に含まれる画像形成装置22の識別IDを読出す。
【0074】
このプログラムはさらに、HDD112から正規のユーザのユーザアカウント情報を読出し、読出した正規のユーザのユーザアカウント情報を、LAN I/F118及びネットワーク20を介して、ステップS302において読出された識別IDを有する画像形成装置22に対して送信するステップS303を含む。
【0075】
〈動作〉
本実施の形態に係る画像形成装置22a〜22d及び情報処理装置24は、以下のようにして動作する。
【0076】
情報処理装置24の電源は常時投入された状態であり、権限を有するユーザにより所定の認証が行なわれてユーザアカウント情報登録プログラムが起動されると、画像形成装置22a,22cの正規のユーザは、登録対象のユーザアカウント情報を記録したICカード12を予め設定されるICカード規格である方式AによりICカードリーダ15に読取らせ、読取らせたユーザアカウント情報をHDD112に記憶させる。
【0077】
画像形成装置22a,22cを使用しようとするユーザが画像形成装置22a,22cの電源をそれぞれ投入すると、画像形成装置22a,22cの制御部50のCPU70は、画像形成装置22a,22cを使用不可能な状態にするとともに、LAN I/F66、及び、ICカードリーダ14の監視を開始する。画像形成装置22b,22dを使用しようとするユーザが画像形成装置22b,22dの電源をそれぞれ投入すると、画像形成装置22b,22dの制御部50のCPU70は、画像形成装置22b,22dを使用可能な状態にするとともに、操作部54の表示部に画像形成装置22b,22dが行なう各種処理に対する指示をユーザ等に入力させるための設定画面を表示させ、LAN I/F66の監視を開始する。
【0078】
情報処理装置24のユーザが、情報処理装置24の操作部114から、上述した認証システム10を実現するためのプログラムを開始する旨の指示に応じた入力操作を行なうと、情報処理装置24の制御部100のCPU122は、LAN I/F118及びネットワーク20を介して、ネットワーク20に接続される複数の画像形成装置22a〜22dに対し、検索要求信号を送信する。
【0079】
画像形成装置22a〜22dの制御部50のCPU70によって、LAN I/F66が情報処理装置24から送信される検索要求信号を受信したと判定されると、画像形成装置22a〜22cの検索要求応答部16は、画像形成装置22a〜22cにICカードリーダ14が接続されているか否かを示す検索応答用データと、画像形成装置22a〜22cの自己の識別IDとを含む応答信号をそれぞれ作成する。本実施の形態において、画像形成装置22a,22cにはICカードリーダ14a,14cが接続されているので、画像形成装置22a,22cの検索要求応答部16により作成される応答信号は、ICカードリーダ14が接続されていることを示す2値データである「1」データと自己の識別IDとを含む。画像形成装置22bにはICカードリーダ14が接続されていないので、画像形成装置22bの検索要求応答部16により作成される応答信号は、ICカードリーダ14が接続されていないことを示す2値データである「0」データと自己の識別IDとを含む。
【0080】
画像形成装置22a〜22cの制御部50のCPU70は、検索要求応答部16によって作成された応答信号をLAN I/F66及びネットワーク20を介して情報処理装置24に対してそれぞれ送信する。画像形成装置22dは検索要求応答部16を含まないので、応答信号の作成及び送信は行なわない。
【0081】
情報処理装置24の制御部100のCPU122によって、検索要求信号送信時から予め定める所定時間が経過したと判定されると、情報処理装置24の抽出部120は、予め定める所定時間内にLAN I/F118及びネットワーク20を介して画像形成装置22a〜22cから受信した応答信号に基づいて、ネットワーク20に接続される複数の画像形成装置22a〜22dの中から、ICカードリーダ14が接続されている画像形成装置22を抽出し、対応する識別IDを応答信号から読出す。すなわち、抽出部120は、受信した応答信号の中から、ICカードリーダ14が接続されていることを示す「1」データを含む信号を抽出し、抽出した応答信号に含まれる画像形成装置22の識別IDを読出す。本実施の形態では、抽出部120によって、画像形成装置22a,22cによって送信された「1」データを含む応答信号が抽出され、画像形成装置22a,22cの識別IDであるIPアドレスが読出される。画像形成装置22bによって送信された「0」データを含む応答信号は抽出されず、対応する識別IDも読出されない。また、応答信号を送信しなかった画像形成装置22dに対応する識別IDも読出されない。
【0082】
情報処理装置24の制御部100のCPU122は、HDD112から正規のユーザのユーザアカウント情報を読出し、読出した正規のユーザのユーザアカウント情報を、LAN I/F118及びネットワーク20を介して、抽出部120によって読出された識別IDを有する画像形成装置22a,22cに対して送信する。
【0083】
画像形成装置22bの制御部50のCPU70は、自己の検索要求応答部16によって作成された応答信号はICカードリーダ14が接続されていることを示す「1」データを含まないと判定し、画像形成装置22bの状態を電源投入時の状態のままで維持する。
【0084】
画像形成装置22a,22cの制御部50のCPU70は、検索要求応答部16によって作成された応答信号はICカードリーダ14が接続されていることを示す「1」データを含むと判定するとともに、LAN I/F66が、情報処理装置24から正規のユーザのユーザアカウント情報を受信したと判定すると、受信した正規のユーザのユーザアカウント情報をHDD52に記憶させる。
【0085】
画像形成装置22a,22cの制御部50のCPU70は、操作部54の表示部に、例えば、「カードを挿入してください。」等の、ICカードリーダ14のカード挿入口(図示せず。)に対するICカード12の挿入を促す旨を報知する表示を表示させる。
【0086】
ユーザがICカードリーダ14のカード挿入口(図示せず。)にICカード12を挿入し、画像形成装置22a,22cの制御部50のCPU70によって、ICカードリーダ14のカード挿入口(図示せず。)にICカード12が挿入されたと判定されると、ICカードリーダ14は、予め設定されるICカード規格である方式AによりICカード12に含まれるユーザアカウント情報を読取り、読取った情報を含む読取信号を画像形成装置22a,22cの制御部50に対して出力する。
【0087】
画像形成装置22a,22cの制御部50のCPU70は、HDD52に記憶される正規のユーザのユーザアカウント情報を読出し、読出した正規のユーザのユーザアカウント情報の中に、ICカードリーダ14から出力された読取信号に含まれるユーザアカウント情報と一致するものがあるか否かに基づいて、ユーザが正規のユーザであるか否かを判定する。
【0088】
画像形成装置22a,22cの制御部50のCPU70は、HDD52から読出した正規のユーザのユーザアカウント情報の中に、ICカードリーダ14から出力された読取信号に含まれるユーザアカウント情報と一致するものがないと判定し、ユーザが正規のユーザではないと判定すると、ICカードリーダ14のカード挿入口(図示せず。)からICカード12を排出させるとともに、操作部54の表示部に、例えば、「このカードは対応していません。」等の、ユーザが正規のユーザではなく、画像形成装置22a,22cが使用不可能である旨を報知する表示を表示する。このとき、画像形成装置22a,22cは、使用不可能な状態のままであり、ユーザは画像形成装置22a,22cを使用することができない。
【0089】
一方、画像形成装置22a,22cの制御部50のCPU70は、HDD52から読出した正規のユーザのユーザアカウント情報の中に、ICカードリーダ14から出力された読取信号に含まれるユーザアカウント情報と一致するものがあると判定し、ユーザが正規のユーザであると判定すると、画像形成装置22a,22cを使用可能な状態にするとともに、操作部54の表示部に、画像形成装置22a,22cが行なう各種処理に対する指示をユーザ等に入力させるための設定画面を表示させる。
【0090】
画像形成装置22a〜22dのユーザ、画像形成装置22a,22cにおいては正規のユーザが表示された設定画面を確認し、操作部54から所望のジョブを実行するための入力操作を行なうと、画像形成装置22a〜22dの制御部50のCPU70は、操作部54から入力される制御信号に基づいて、ユーザの入力操作に応じた処理を実行する。
【0091】
画像形成装置22b,22dのユーザは、所望の全ての処理が終了すると、画像形成装置22b,22dの操作部54のクリアキーを押下する。画像形成装置22b,22dの制御部50のCPU70は、クリアキーが押下されたと判定すると、操作部54の表示部に、画像形成装置22b,22dが行なう各種処理に対する指示をユーザ等に入力させるための設定画面を表示させる。
【0092】
画像形成装置22a,22cの正規のユーザは、所望の全ての処理が終了すると、ICカードリーダ14のカード挿入口(図示せず。)からICカード12を排出させるとともに画像形成装置22b,22dの操作部54のクリアキーを押下する。画像形成装置22a,22cの制御部50のCPU70は、クリアキーが押下されたと判定すると、画像形成装置22a,22cを使用不可の状態に設定し、操作部54の表示部に、例えば、「カードを挿入してください。」等の、ICカードリーダ14のカード挿入口(図示せず。)に対するICカード12の挿入を促す旨を報知する表示を表示させる。
【0093】
[第1の変形例]
認証システム10の第1の変形例は、画像形成装置22cに接続されるICカードリーダ14cにおいて予め設定されるICカード規格が異なる点、画像形成装置22a〜22cの検索要求応答部16における処理が異なる点、及び、情報処理装置24の抽出部120における処理が異なる点を除いて、上記第1の実施の形態における認証システム10と同一の構成である。本変形例において、認証システム10と同一の機能を有する構成部には同一の参照符号及び名称を付し、それらについての詳細な説明は繰返さない。
【0094】
本変形例では、ICカードリーダ14a,15には、方式AのICカード規格が予め設定され、ICカードリーダ14cには、方式BのICカード規格が予め設定されている。正規のユーザは方式Aに対応するICカード12を所有する。
【0095】
〈ハードウェア構成〉
[画像形成装置22a〜22c]
画像形成装置22a〜22cの検索要求応答部16は、画像形成装置22a〜22cにICカードリーダ14が接続されているか否かを示す検索応答用データと、接続されるICカードリーダ14に予め設定されるICカード規格を示す規格情報と、画像形成装置22の識別IDとを含む応答信号を作成する。すなわち、検索要求応答部16は、情報処理装置24から送信される検索要求信号を受信すると、HDD52から自己の識別IDを読出すとともに、USB I/F62にICカードリーダ14が接続されているか否かを判定する。そして、ICカードリーダ14が接続されていると判定した場合には、ICカードリーダ14が接続されていることを示す2値データである「1」データと、接続されるICカードリーダ14に予め設定されるICカード規格を示す規格情報と、読出した識別IDとを含む応答信号を作成する。一方、ICカードリーダ14が接続されていないと判定した場合には、ICカードリーダ14が接続されていないことを示す2値データである「0」データと、読出した識別IDとを含む応答信号を作成する。
【0096】
[情報処理装置24]
情報処理装置24の抽出部120は、画像形成装置22から受信した応答信号に基づいて、ネットワーク20に接続される複数の画像形成装置22の中から、情報処理装置24に接続されるICカードリーダ15において予め設定されるICカード規格と同じICカード規格が予め設定されるICカードリーダ14が接続されている画像形成装置22を抽出し、対応する識別IDを応答信号から読出す。すなわち、抽出部120は、受信した応答信号の中から、ICカードリーダ14が接続されていることを示す「1」データを含む信号を抽出し、さらに、抽出した応答信号の中からICカードリーダ15において予め設定されるICカード規格と同じICカード規格を示す規格情報を含む信号を抽出し、抽出した応答信号に含まれる画像形成装置22の識別IDを読出す。
【0097】
〈ソフトウェア構成〉
[画像形成装置22a〜22c]
画像形成装置22a〜22cのROM72に記憶されるコンピュータプログラムは、認証システム10の第1の変形例の一部として画像形成装置22a〜22cを制御し、動作させるようにプログラミングされている。画像形成装置22a〜22cにおいて認証システム10の第1の変形例を実現するためのプログラムは、上述したステップS101及びステップS104(図4参照)における処理を除いて、上記第1の実施の形態における認証システム10を実現するためのプログラムと同じである。以下、ステップS101及びステップS104における処理について説明する。
【0098】
ステップS101は、ステップS100において、検索要求信号を受信したと判定された場合(YESの場合)に実行され、画像形成装置22a〜22cにICカードリーダ14が接続されているか否かを示す検索応答用データと、接続されるICカードリーダ14に予め設定されるICカード規格を示す規格情報と、画像形成装置22a〜22cの自己の識別IDとを含む応答信号を作成する。
【0099】
ステップS104は、ステップS103において、「1」データを含むと判定された場合(YESの場合)に実行され、LAN I/F66を監視し、LAN I/F66が、予め定める所定時間以内に情報処理装置24から正規のユーザのユーザアカウント情報を受信したか否かを判定し、判定結果に応じて制御の流れを分岐させる。ステップS104において、予め定める所定時間以内に正規のユーザのユーザアカウント情報を受信していないと判定された場合(NOの場合)には、制御はステップS100に戻る。
【0100】
なお、ステップS105における処理は、ステップS104において、予め定める所定時間以内に正規のユーザのユーザアカウント情報を受信したと判定された場合(YESの場合)に実行される。
【0101】
[情報処理装置24]
情報処理装置24のROM124に記憶されるコンピュータプログラムは、認証システム10の第1の変形例の一部として情報処理装置24を制御し、動作させるようにプログラミングされている。情報処理装置24において認証システム10の第1の変形例を実現するためのプログラムは、上述したステップS302(図5参照)における処理を除いて、上記第1の実施の形態における認証システム10を実現するためのプログラムと同じである。以下、ステップS302における処理について説明する。
【0102】
ステップS302は、ステップS301において、予め定める所定時間が経過したと判定された場合(YESの場合)に実行され、予め定める所定時間内にLAN I/F118及びネットワーク20を介して画像形成装置22から受信した応答信号に基づいて、ネットワーク20に接続される複数の画像形成装置22の中から、情報処理装置24に接続されるICカードリーダ15において予め設定されるICカード規格と同じICカード規格が予め設定されるICカードリーダ14が接続されている画像形成装置22を抽出し、対応する識別IDを応答信号から読出す。ステップS302において、抽出部120は、受信した応答信号の中からICカードリーダ14が接続されていることを示す「1」データを含む信号を抽出し、さらに、抽出した応答信号の中からICカードリーダ15において予め設定されるICカード規格と同じICカード規格を示す規格情報を含む信号を抽出し、抽出した応答信号に含まれる画像形成装置22の識別IDを読出す。
【0103】
〈動作〉
本変形例に係る画像形成装置22a〜22d及び情報処理装置24は、以下のようにして動作する。本変形例における動作は、画像形成装置22a〜22cの検索要求応答部16における応答信号の作成動作、並びに、情報処理装置24の抽出部120における画像形成装置22の抽出動作及び識別IDの読出動作等を除いて、上記第1の実施の形態における動作と同じである。以下、異なる動作について説明する。
【0104】
画像形成装置22a〜22dの制御部50のCPU70によって、LAN I/F66が情報処理装置24から検索要求信号を受信したと判定されると、画像形成装置22a〜22cの検索要求応答部16は、画像形成装置22a〜22cにICカードリーダ14が接続されているか否かを示す検索応答用データと、接続されるICカードリーダ14に予め設定されるICカード規格を示す規格情報と、画像形成装置22a〜22cの識別IDとを含む応答信号をそれぞれ作成する。本実施の形態において、画像形成装置22aにはICカードリーダ14aが接続されているので、画像形成装置22aの検索要求応答部16により作成される応答信号は、ICカードリーダ14aが接続されていることを示す2値データである「1」データと、ICカードリーダ14aにおいて予め設定されるICカード規格である方式Aを示す規格情報と、自己の識別IDとを含む。画像形成装置22bにはICカードリーダ14が接続されていないので、画像形成装置22bの検索要求応答部16により作成される応答信号は、ICカードリーダ14が接続されていないことを示す2値データである「0」データと自己の識別IDとを含む。画像形成装置22cにはICカードリーダ14cが接続されているので、画像形成装置22cの検索要求応答部16により作成される応答信号は、ICカードリーダ14cが接続されていることを示す2値データである「1」データと、ICカードリーダ14cにおいて予め設定されるICカード規格である方式Bを示す規格情報と、自己の識別IDとを含む。
【0105】
情報処理装置24の制御部100のCPU122によって、検索要求信号送信時から予め定める所定時間が経過したと判定されると、抽出部120は、予め定める所定時間内にLAN I/F118及びネットワーク20を介して画像形成装置22a〜22cから受信した応答信号に基づいて、ネットワーク20に接続される複数の画像形成装置22a〜22dの中から、情報処理装置24に接続されるICカードリーダ15において予め設定されるICカード規格と同じICカード規格が予め設定されるICカードリーダ14が接続されている画像形成装置22を抽出し、対応する識別IDを読出す。すなわち、抽出部120は、受信した応答信号の中から、ICカードリーダ14が接続されていることを示す「1」データを含む信号を抽出し、さらに、抽出した応答信号の中からICカードリーダ15において予め設定されるICカード規格と同じICカード規格を示す規格情報を含む信号を抽出し、抽出した応答信号に含まれる画像形成装置22の識別IDを読出す。本実施の形態では、抽出部120によって、画像形成装置22aによって送信された「1」データ及び方式Aを示す規格情報を含む応答信号が抽出され、画像形成装置22aの識別IDであるIPアドレスが読出される。画像形成装置22bによって送信された「0」データを含む応答信号は抽出されず、対応する識別IDも読出されない。画像形成装置22cによって送信された「1」データ及び方式Bを示す規格情報を含む応答信号は抽出されず、対応する識別IDも読出されない。また、応答信号を送信しなかった画像形成装置22dに対応する識別IDも読出されない。
【0106】
情報処理装置24の制御部100のCPU122は、HDD112から正規のユーザのユーザアカウント情報を読出し、読出した正規のユーザのユーザアカウント情報を、LAN I/F118及びネットワーク20を介して、抽出部120によって読出された識別IDを有する画像形成装置22aに対して送信する。
【0107】
画像形成装置22aの制御部50のCPU70は、検索要求応答部16によって作成された応答信号はICカードリーダ14が接続されていることを示す「1」データを含むと判定するとともに、LAN I/F66が、情報処理装置24から送信される正規のユーザのユーザアカウント情報を予め定める所定時間以内に受信したと判定すると、受信した正規のユーザのユーザアカウント情報をHDD52に記憶させる。
【0108】
画像形成装置22cの制御部50のCPU70は、検索要求応答部16によって作成された応答信号はICカードリーダ14が接続されていることを示す「1」データを含むと判定するとともに、LAN I/F66が、情報処理装置24から送信される正規のユーザのユーザアカウント情報を予め定める所定時間以内に受信していないと判定する。このとき、正規のユーザのユーザアカウント情報はHDD52に記憶されない。
【0109】
認証システム10の第1の変形例によれば、ICカードリーダ14aには、ICカード12からユーザアカウント情報を読取るための所定の読取方式である方式Aが予め設定され、情報処理装置24の制御部100及びLAN I/F118は、複数の画像形成装置22の各々に対し、ICカード12から方式Aによりユーザアカウント情報を読取るICカードリーダ14が接続されているか否かを、検索要求信号を送信することによって問合せ、画像形成装置22の検索要求応答部16及びLAN I/F66は、LAN I/F66が検索要求信号を受信したことに応答して、当該画像形成装置22にICカード12から方式Aによりユーザアカウント情報を読取るICカードリーダ14が接続されているか否かを判定し、判定結果に応じて応答信号を作成し情報処理装置24に対して送信する。
【0110】
これにより、複数の画像形成装置22とデータ通信可能な情報処理装置24は、複数の画像形成装置22から送信される、ICカード12から方式Aによりユーザアカウント情報を読取るICカードリーダ14が接続されているか否かに関する問合せである検索要求信号に対する応答信号に基づいて、複数の画像形成装置22の中から、方式Aが予め設定されたICカードリーダ14が接続されている画像形成装置22を抽出し、抽出した画像形成装置22に対して、正規のユーザのユーザアカウント情報を送信することができる。したがって、情報処理装置24は、ネットワーク20を介してデータ通信を行なう全ての画像形成装置22に対して正規のユーザのユーザアカウント情報を送信する場合と比較して、情報の送信先をさらに減らすことができるので、送信処理に要する負荷をさらに低減することができる。また、方式Aが予め設定されたICカードリーダ14が接続されている全ての画像形成装置22に一度に正規のユーザのユーザアカウント情報を受信させることができるので、方式Aが予め設定されたICカードリーダ14が接続されている画像形成装置22のユーザは、画像形成装置22毎に正規のユーザのユーザアカウント情報を予め記憶させておく必要がなくなり、正規のユーザのユーザアカウント情報の記憶処理に要する手間を省くことができる。
【0111】
また、予め方式Bが設定される画像形成装置22cは、正規のユーザが所有する方式Aに対応するICカード12に含まれるユーザアカウント情報を読取ることができないので、認証処理を行なうことができない。したがって、画像形成装置22cに対して認証処理に使用するための正規のユーザのユーザアカウント情報を送信しないようにすることによって、無駄な送信処理をより一層効率良く省くことができる。
【0112】
[第2の変形例]
認証システム10の第2の変形例は、画像形成装置22が配信状況通知信号を送信する点、情報処理装置24のHDD112に配信ログ情報が記憶される点、及び、情報処理装置24による正規のユーザのユーザアカウント情報の送信処理が異なる点を除いて、上記第1の実施の形態における認証システム10と同一の構成である。本変形例において、認証システム10と同一の機能を有する構成部には同一の参照符号及び名称を付し、それらについての詳細な説明は繰返さない。
【0113】
〈ハードウェア構成〉
[情報処理装置24]
HDD112は、画像形成装置22が正規のユーザのユーザアカウント情報を受信したときに情報処理装置24に対して送信する配信状況通知信号に応じて、配信ログ情報を記憶する。ここで、配信状況通知信号とは、画像形成装置22が正規のユーザのユーザアカウント情報の受信に成功したことを通知する信号であって、画像形成装置22の自己の識別IDと、正規のユーザのユーザアカウント情報が受信されたときの日付及び時間を示す配信日時情報とを含む。すなわち、HDD112は、画像形成装置22から送信される配信状況通知信号に基づいて、配信先情報を示す、配信状況通知信号に含まれる画像形成装置22の自己の識別IDと、配信状況通知信号に含まれる配信日時情報と、配信状況情報とを、それぞれ関連付けて配信ログ情報として記憶する。ここで、配信状況情報とは、画像形成装置22が正規のユーザのユーザアカウント情報の受信に成功したか否かを示す情報のことである。本変形例では、配信状況情報として1ビットのデータを使用する。すなわち、HDD112は、情報処理装置24が配信状況通知信号を受信した場合には、配信状況情報として、画像形成装置22が正規のユーザのユーザアカウント情報の受信に成功したことを示す2値データである「1」データを記憶する。一方、配信状況通知信号を受信しない場合には、配信状況情報として、画像形成装置22が正規のユーザのユーザアカウント情報の受信に成功していないことを示す2値データである「0」データを記憶する。なお、情報処理装置24が画像形成装置22に対して最初に正規のユーザのユーザアカウント情報を送信するとき、すなわち、1回目の正規のユーザのユーザアカウント情報の送信時には、配信ログ情報において、配信先情報として、抽出部120によって読出された画像形成装置22の識別IDが記憶され、配信日時情報として、情報処理装置24が最初に正規のユーザのユーザアカウント情報を送信するときの日付及び時間が記憶され、配信状況情報として、画像形成装置22が正規のユーザのユーザアカウント情報の受信に成功していないことを示す2値データである「0」データが記憶される。この配信ログ情報は、情報処理装置24が配信状況通知信号を受信すると書換えられる。テーブル1に、配信ログ情報の一例を示す。
【0114】
【表1】
テーブル1を参照して、例えば、配信ログ情報において、配信先情報として、画像形成装置22aの識別IDであるIPアドレス「102.0.0.1」が記憶され、配信日時情報として、2008年5月13日の12時15分であることを示す「2008.05.13.12:15」が記憶され、配信状況情報として「1」データが記憶される場合、画像形成装置22aは、2008年5月13日の12時15分に正規のユーザのユーザアカウント情報の受信に成功したことを示す。また、配信ログ情報において、配信先情報として、画像形成装置22cの識別IDであるIPアドレス「102.0.0.3」が記憶され、配信日時情報として、2008年5月13日の11時00分であることを示す「2008.05.13.11:00」が記憶され、配信状況情報として「0」データが記憶される場合、画像形成装置22cは、情報処理装置24が正規のユーザのユーザアカウント情報を2008年5月13日の11時00分に最初に送信して以来、正規のユーザのユーザアカウント情報の受信に成功していないことを示す。
【0115】
〈ソフトウェア構成〉
[画像形成装置22a〜22c]
画像形成装置22a〜22cのROM72に記憶されるコンピュータプログラムは、認証システム10の第2の変形例の一部としての画像形成装置22a〜22cを制御し、動作させるようにプログラミングされている。画像形成装置22a〜22cにおいて認証システム10の第2の変形例を実現するためのプログラムは、上述したステップS105(図4参照)における処理を除いて、上記第1の実施の形態における認証システム10を実現するためのプログラムと同じである。以下、ステップS105における処理について説明する。
【0116】
ステップS105は、ステップS104において、正規のユーザのユーザアカウント情報を受信したと判定された場合(YESの場合)に実行され、受信した正規のユーザのユーザアカウント情報をHDD112に記憶させるとともに、正規のユーザのユーザアカウント情報の受信に成功したことを通知する配信状況通知信号をLAN I/F66及びネットワーク20を介して情報処理装置24に対して送信する。
【0117】
[情報処理装置24]
図7は、情報処理装置24において認証システム10の第2の変形例を実現するためのプログラム構造をフローチャート形式で示す図である。情報処理装置24のROM124に記憶されるコンピュータプログラムは、認証システム10の第2の変形例の一部としての情報処理装置24を制御し、動作させるようにプログラミングされている。図7を参照して、情報処理装置24における認証システム10の第2の変形例を実現するためのプログラムにおいて、ステップS400〜ステップS402の処理は、上記第1の実施の形態における認証システム10を実現するためのプログラムにおけるステップS300〜ステップS302(図6参照)の処理と同じである。
【0118】
このプログラムはさらに、配信状況情報として「0」データが記憶される配信ログ情報において、対応する配信先情報に記憶される識別IDを有する画像形成装置22の全てについて以下のステップを繰返すプロセスを含む。すなわち、このプロセスは、HDD112から正規のユーザのユーザアカウント情報を読出し、読出した正規のユーザのユーザアカウント情報を、LAN I/F118及びネットワーク20を介して、ステップS402において読出された識別IDを有する画像形成装置22であって、かつ、配信状況情報として「0」データが記憶される配信ログ情報において、対応する配信先情報に記憶される識別IDを有する画像形成装置22に対して送信するステップS403を含む。ステップS403において、最初の正規のユーザのユーザアカウント情報の送信時には、配信ログ情報において、配信先情報として、抽出部120によって読出された画像形成装置22の識別IDが記憶され、配信日時情報として、情報処理装置24が最初に正規のユーザのユーザアカウント情報を送信するときの日付及び時間が記憶され、配信状況情報として、画像形成装置22が正規のユーザのユーザアカウント情報の受信に成功していないことを示す2値データである「0」データが記憶される。
【0119】
このプロセスはさらに、LAN I/F118を監視し、LAN I/F118が、画像形成装置22から送信される配信状況通知信号を、正規のユーザのユーザアカウント情報の送信時から予め定める所定時間以内に受信したか否かを判定し、判定結果に応じて制御の流れを分岐させるステップS404を含む。ステップS404において、予め定める所定時間以内に配信状況通知信号を受信しないと判定された場合(NOの場合)には、本プロセスが繰返される。
【0120】
このプロセスはさらに、ステップS404において、予め定める所定時間以内に配信状況通知信号を受信したと判定された場合(YESの場合)に実行され、HDD112に記憶される配信ログ情報を書換えるステップS405を含む。すなわち、ステップS405では、受信した配信状況通知信号に基づいて、配信先情報を示す、配信状況通知信号に含まれる画像形成装置22の自己の識別IDと、配信状況通知信号に含まれる配信日時情報と、配信状況情報を示す、画像形成装置22が正規のユーザのユーザアカウント情報の受信に成功したことを示す「1」データとをそれぞれ関連付けて、対応する配信ログ情報に対して上書きすることでHDD112に記憶させる。
【0121】
〈動作〉
本変形例に係る画像形成装置22a〜22d及び情報処理装置24は、以下のようにして動作する。本変形例における動作は、画像形成装置22が配信状況通知信号を送信する動作、情報処理装置24のHDD112に対する配信ログ情報の記憶動作、及び、情報処理装置24による正規のユーザのユーザアカウント情報の送信動作等を除いて、上記第1の実施の形態における動作と同じである。以下、異なる動作について説明する。
【0122】
最初の、すなわち1回目の正規のユーザのユーザアカウント情報の送信時には、配信ログ情報において、配信先情報として、抽出部120によって読出された画像形成装置22の識別IDが記憶され、配信日時情報として、情報処理装置24が最初に正規のユーザのユーザアカウント情報を送信するときの日付及び時間が記憶され、配信状況情報として、画像形成装置22が正規のユーザのユーザアカウント情報の受信に成功していないことを示す2値データである「0」データが記憶される。この配信ログ情報の記憶動作とともに、1回目の正規のユーザのユーザアカウント情報の送信動作が以下のようにして行なわれる。すなわち、情報処理装置24の制御部100のCPU122は、HDD112から正規のユーザのユーザアカウント情報を読出し、読出した正規のユーザのユーザアカウント情報を、LAN I/F118及びネットワーク20を介して、抽出部120によって読出された識別IDであって、かつ、配信状況情報として「0」データが記憶される配信ログ情報において、対応する配信先情報に記憶される識別IDを有する画像形成装置22a,22cに対して送信する。
【0123】
画像形成装置22aの制御部50のCPU70は、検索要求応答部16によって作成された応答信号はICカードリーダ14が接続されていることを示す「1」データを含むと判定するとともに、LAN I/F66が、情報処理装置24から送信される正規のユーザのユーザアカウント情報を受信したと判定して、受信した正規のユーザのユーザアカウント情報をHDD52に記憶させる。そして、正規のユーザのユーザアカウント情報の記憶動作とともに、正規のユーザのユーザアカウント情報の受信に成功したことを通知する配信状況通知信号をLAN I/F66及びネットワーク20を介して情報処理装置24に対して送信する。
【0124】
一方、画像形成装置22cは、情報処理装置24に対して応答信号の送信を行なった後、例えば故障等によって通信トラブルを生じ、情報処理装置24とのデータ通信が不可能な状態となる。画像形成装置22cの制御部50のCPU70は、検索要求応答部16によって作成された応答信号がICカードリーダ14が接続されていることを示す「1」データを含むと判定するとともに、LAN I/F66が、情報処理装置24から送信される正規のユーザのユーザアカウント情報を受信していないと判定する。このとき、画像形成装置22cの制御部50のCPU70によって、正規のユーザのユーザアカウント情報の記憶動作、及び、配信状況通知信号の送信動作は行なわれない。
【0125】
情報処理装置24の制御部100のCPU122は、正規のユーザのユーザアカウント情報の送信時から予め定める所定時間、例えば15分〜30分以内に、画像形成装置22aから送信される配信状況通知信号を受信したと判定すると、HDD112に記憶される配信ログ情報を書換える。すなわち、受信した配信状況通知信号に基づいて、配信先情報を示す、配信状況通知信号に含まれる画像形成装置22aの自己の識別IDと、配信状況通知信号に含まれる配信日時情報と、配信状況情報を示す画像形成装置22aが正規のユーザのユーザアカウント情報の受信に成功したことを示す「1」データとをそれぞれ関連付けて、対応する配信ログ情報に対して上書きすることでHDD112に記憶させる。
【0126】
画像形成装置22cは、情報処理装置24から画像形成装置22aに対して正規のユーザのユーザアカウント情報が送信されてから15分〜30分以内に通信トラブルが解消され、情報処理装置24とのデータ通信が可能になる。
【0127】
情報処理装置24の制御部100のCPU122は、HDD112から正規のユーザのユーザアカウント情報を読出し、読出した正規のユーザのユーザアカウント情報を、LAN I/F118及びネットワーク20を介して、抽出部120によって読出された識別IDであって、かつ、配信状況情報として「0」データが記憶される配信ログ情報において、対応する配信先情報に記憶される識別IDを有する画像形成装置22cに対して送信する。
【0128】
画像形成装置22cの制御部50のCPU70は、LAN I/F66が、情報処理装置24から送信される正規のユーザのユーザアカウント情報を受信したと判定して、受信した正規のユーザのユーザアカウント情報をHDD52に記憶させる。そして、正規のユーザのユーザアカウント情報の記憶動作とともに、正規のユーザのユーザアカウント情報の受信に成功したことを通知する配信状況通知信号をLAN I/F66及びネットワーク20を介して情報処理装置24に対して送信する。
【0129】
情報処理装置24の制御部100のCPU122は、正規のユーザのユーザアカウント情報の最新の送信時から予め定める所定時間、例えば15分〜30分以内に、画像形成装置22cから送信される配信状況通知信号を受信したと判定すると、HDD112に記憶される配信ログ情報を書換える。すなわち、受信した配信状況通知信号に基づいて、配信先情報を示す、配信状況通知信号に含まれる画像形成装置22cの自己の識別IDと、配信状況通知信号に含まれる配信日時情報と、配信状況情報を示す画像形成装置22cが正規のユーザのユーザアカウント情報の受信に成功したことを示す「1」データとをそれぞれ関連付けて、対応する配信ログ情報に対して上書きすることでHDD112に記憶させる。これにより、配信ログ情報における、抽出部120によって読出された識別IDに対応する全ての配信状況情報において「1」データが記憶される。
【0130】
画像形成装置22a,22cの制御部50のCPU70は、受信した正規のユーザのユーザアカウント情報をHDD52に記憶させると、上記第1の実施の形態における画像形成装置22a,22cと同様にして、認証処理等を含む所定の処理を行なう。
【0131】
認証システム10の第2の変形例によれば、ICカードリーダ14a,14cが接続されている画像形成装置22a,22cにおいて、LAN I/F66は、正規のユーザのユーザアカウント情報の受信に成功したことを通知する配信情報通知信号を情報処理装置24に対して送信し、情報処理装置24において、LAN I/F118は、配信情報通知信号を受信するとともに、制御部100のCPU122によって、正規のユーザのユーザアカウント情報の送信時から予め定める所定時間が経過したと判定されたときに、抽出部120によって抽出された画像形成装置22であって、かつ、配信情報通知信号を送信していない画像形成装置22に対し、正規のユーザのユーザアカウント情報を再送信する。
【0132】
このように、情報処理装置24のLAN I/F118は、制御部100のCPU122によって、正規のユーザのユーザアカウント情報の送信時から予め定める所定時間が経過したと判定されたときに、抽出部120によって抽出された画像形成装置22であって、かつ、配信情報通知信号を送信していない画像形成装置22に対し、HDD112に記憶されている正規のユーザのユーザアカウント情報を再送信するので、通信トラブル等のために画像形成装置22と情報処理装置24との間でデータ通信を行なえない状況が一時的に生じることによって、正規のユーザのユーザアカウント情報を受信できなかった画像形成装置22に対しても正規のユーザのユーザアカウント情報を受信させることができ、認証処理をより一層確実に行なうことができる。また、正規のユーザのユーザアカウント情報の送信時から予め定める所定時間が経過する毎に、抽出部120によって抽出された全ての画像形成装置22に対して正規のユーザのユーザアカウント情報を送信する場合と比較して、情報の送信先を減らすことができるので、送信処理に要する負荷をより一層低減することができる。
【0133】
また、HDD112は、正規のユーザのユーザアカウント情報の送信先の画像形成装置22を示す配信先情報である識別IDと、正規のユーザのユーザアカウント情報の送信時又は受信時の日付及び時間を示す配信日時情報と、画像形成装置22が正規のユーザのユーザアカウント情報の受信に成功したか否かを示す配信状況情報とを、それぞれ関連付けて配信ログ情報として記憶する。
【0134】
このように配信ログ情報が記憶されることによって、情報処理装置24の制御部100のCPU122による、正規のユーザのユーザアカウント情報の送信時から予め定める所定時間が経過したか否かの判定、及び、LAN I/F118による、抽出部120によって抽出された画像形成装置22であって、かつ、配信情報通知信号を送信していない画像形成装置22に対する正規のユーザのユーザアカウント情報の再送信をより一層確実に行なえるようになる。したがって、通信トラブル等のために画像形成装置22と情報処理装置24との間でデータ通信を行なえない状況が一時的に生じることによって正規のユーザのユーザアカウント情報を受信できなかった画像形成装置22に対しても、より一層確実に正規のユーザのユーザアカウント情報を受信させることができ、認証処理をさらに確実に行なうことができる。
【0135】
なお、上記認証システム10の第2の変形例は、配信情報通知信号を送信していない画像形成装置22に対して正規のユーザのユーザアカウント情報を繰返し送信する構成であったが、本発明はそのような実施の形態には限定されない。例えば、情報処理装置24のLAN I/F118は、制御部100のCPU122によって、正規のユーザのユーザアカウント情報の送信時から予め定める所定時間、例えば24時間が経過したと判定されたときに、抽出部120によって抽出された全ての画像形成装置22に対し、正規のユーザのユーザアカウント情報を繰返し再送信する構成であってもよい。このように定期的に正規のユーザのユーザアカウント情報を繰返し送信することによって、通信トラブル等のために画像形成装置22と情報処理装置24との間でデータ通信を行なえない状況が一時的に生じた場合においても、ICカードリーダ14が接続されている画像形成装置22に確実に正規のユーザのユーザアカウント情報を受信させることができ、認証処理をより一層確実に行なうことができる。また、正規のユーザのユーザアカウント情報に変更が生じた場合においても、画像形成装置22は最新の正規のユーザのユーザアカウント情報に基づいて認証処理を行なうことができるので、より一層正確な判定を行なうことができる。
【0136】
[第2の実施形態]
図8は、本発明の第2の実施の形態に係る認証システム200の構成を模式的に示すブロック図である。図8を参照して、認証システム200は、ICカードリーダ202,204が接続されている情報端末装置206,208をさらに含む点、及び、情報処理装置24にICカードリーダ15が接続されていない点を除いて、上記第1の実施の形態における認証システム10と同一の構成である。本実施の形態において、認証システム10と同一の機能を有する構成部には同一の参照符号及び名称を付し、それらについての詳細な説明は繰返さない。
【0137】
認証システム200において、情報端末装置206,208は、ネットワーク20を介して画像形成装置22a〜22d及び情報処理装置24とデータ通信を行なう。ICカードリーダ202,204は、第1の実施の形態におけるICカードリーダ15と同一の構成を有し、ICカード12からユーザアカウント情報を読取る。ICカードリーダ202,204には、方式AのICカード規格が予め設定されている。
【0138】
認証システム200において、情報端末装置206,208は、情報処理装置24に対して、ICカードリーダ202,204によって読取られた正規のユーザのユーザアカウント情報を送信する。情報処理装置24は、ICカードリーダ14a,14cが接続されている画像形成装置22a,22cに対して、情報端末装置206,208から受信した正規のユーザのユーザアカウント情報を送信する。画像形成装置22a,22cは、受信した正規のユーザのユーザアカウント情報と、ICカードリーダ14a,14cによって読取られたユーザアカウント情報とに基づいて認証処理を行ない、認証処理の結果に応じて所定の処理を実行する。
【0139】
〈ハードウェア構成〉
[情報処理装置24]
情報処理装置24において、USB I/F110には、ICカードリーダ15が接続されない。HDD112には、情報端末装置206,208から送信される正規のユーザのユーザアカウント情報を含む各種データが記憶される。
【0140】
[情報端末装置206(208)]
情報端末装置206,208は同一の構成を有する。以下、情報端末装置206,208を代表して情報端末装置206について説明し、対応する情報端末装置208の構成部に付す参照符号については括弧内に示す。
【0141】
図9は、情報端末装置206(208)の構成を示すブロック図である。図9を参照して、情報端末装置206(208)は、制御部300、USB I/F310、HDD312、操作部314、表示部316、及び、LAN I/F318を含む。
【0142】
制御部300は、実質的にコンピュータであって、CPU322、ROM324、及び、RAM326を含む。CPU322には、BUSライン328が接続されており、このBUSライン328には、ROM324及びRAM326が電気的に接続される。CPU322は、情報処理装置24等の外部装置又は操作部314等からの指示に応じて各種コンピュータプログラムを実行することによって、情報端末装置206(208)の各構成部の動作及び情報処理装置24等の外部機器との通信等の所望の処理を実行する。上記の各種コンピュータプログラムは、予めROM324に記憶されており、所望の処理の実行時において、当該ROM324から読出されてRAM326に転送される。CPU322は、CPU322内の図示しないプログラムカウンタと呼ばれるレジスタに格納された値によって指定される、RAM326内のアドレスからプログラムの命令を読出し、解釈する。CPU322はまた、読出された命令によって指定されるアドレスから演算に必要なデータを読出し、そのデータに対し命令に対応する演算を実行する。実行の結果も、RAM326,HDD312及びCPU322内のレジスタ等の、命令によって指定されるアドレスに格納される。
【0143】
本実施の形態において、ROM324には、認証システム200の一部としての情報端末装置206(208)を制御し、動作させるためのコンピュータプログラムであるユーザアカウント情報送信プログラムが記憶されている。ユーザアカウント情報送信プログラムは、正規のユーザのユーザアカウント情報の送信処理を実行するためのプログラムであって、このプログラムを実行する権限を有するユーザが、例えばパスワード等を用いた所定の認証を行なうことによって起動される。このコンピュータプログラムの制御構造については後述する。
【0144】
BUSライン328には、さらに、HDD312、USB I/F310、操作部314、表示部316、及び、LAN I/F318が電気的に接続される。
【0145】
USB I/F310は、USBポートを備えるHot Plug対応のインターフェイスであって、情報端末装置206(208)の稼動中にUSBケーブルを介して電気的に接続される外部装置を自動認識する。情報端末装置206(208)において、USB I/F310にはICカードリーダ202(204)が接続される。ICカードリーダ202(204)は、ICカード12に含まれるユーザアカウント情報の読取処理を行なう情報読取装置である。権限を有するユーザにより所定の認証が行なわれてユーザアカウント情報送信プログラムが起動された後、ICカードリーダ202(204)は、登録対象のユーザアカウント情報を記録したICカード12がカード挿入口(図示せず。)に挿入されると、予め設定されるICカード規格である方式AによりICカード12に含まれるユーザアカウント情報を読取り、読取った情報を含む読取信号を制御部300に対して出力する。すなわち、所定の認証を行なうことができる権限を有するユーザのみが、登録対象のユーザアカウント情報である正規のユーザのユーザアカウント情報を記録したICカード12をICカードリーダ202(204)に読取らせ、読取った情報を含む読取信号を制御部300に対して出力させることができる。
【0146】
HDD312は、磁気記憶媒体を備え、各種データを記憶する記憶領域を提供する。操作部314は、ユーザの指示等に応じた各種入力及び文字入力等を行なう入力装置であるキーボードからなる。表示部316は、情報端末装置206(208)における処理結果等を表示するための、液晶ディスプレイ等からなる表示装置である。操作部314及び表示部316は、インターフェイス(図示せず。)を介してBUSライン328と接続される。
【0147】
情報端末装置206(208)は、LAN I/F318を介してLAN回線からなるネットワーク20に接続されており、ネットワーク20上に接続される情報処理装置24及び画像形成装置22等とのデータ通信が可能である。
【0148】
情報端末装置206(208)の各構成部には電源(図示せず。)が接続され、この電源から電圧が印加されることで、情報端末装置206(208)の各構成部が動作する。
【0149】
〈ソフトウェア構成〉
[情報処理装置24]
図10は、情報処理装置24において認証システム200を実現するためのプログラム構造をフローチャート形式で示す図である。情報処理装置24のROM124に記憶されるコンピュータプログラムは、認証システム200の一部としての情報処理装置24を制御し、動作させるようにプログラミングされている。図10を参照して、情報処理装置24における認証システム200を実現するためのプログラムにおいて、ステップS502〜ステップS505の処理は、上記第1の実施の形態における認証システム10を実現するためのプログラムにおけるステップS300〜ステップS303(図6参照)の処理と同じである。
【0150】
情報処理装置24において認証システム200を実現するためのプログラムは、ユーザ等によって情報処理装置24の操作部114から、本プログラムを開始する旨の指示に応じた入力操作がなされることによって起動される。なお、本プログラムは、ユーザ等によって情報処理装置24の電源が切られることによって終了する。
【0151】
このプログラムは、LAN I/F118を監視して、LAN I/F118が、情報端末装置206(208)から読取信号を受信するまで待機するステップS500と、ステップS500において、読取信号を受信したと判定された場合(YESの場合)に実行され、読取信号に含まれる正規のユーザのユーザアカウント情報を、HDD112に記憶させるステップS501とを含む。ステップS501において、正規のユーザのユーザアカウント情報が既にHDD112に記憶されている場合には、受信した読取信号に含まれる情報は、既に記憶されている正規のユーザアカウント情報に対して新たに追加するようにして記憶される。
【0152】
[情報端末装置206(208)]
図11は、情報端末装置206(208)において認証システム200を実現するためのプログラム構造をフローチャート形式で示す図である。上述したように、情報端末装置206(208)のROM324に記憶されるユーザアカウント情報送信プログラムは、認証システム200の一部としての情報端末装置206(208)を制御し、動作させるようにプログラミングされている。このプログラムは、制御部300を実質的に構成するCPU322を含むコンピュータが、上記コンピュータプログラムに従って、情報端末装置206(208)の動作を制御することによって、ハードウェアとコンピュータプログラムとの協働により実現する各種判定機能等によって実行される。
【0153】
図11を参照して、ユーザアカウント情報送信プログラムは、このプログラムを実行する権限を有するユーザが、情報端末装置206(208)の電源を投入した後、例えばパスワード等を用いた所定の認証を行なうことによって起動される。
【0154】
このプログラムは、操作部314の表示部に、例えば、「カードを挿入してください。」等の、ICカードリーダ202(204)のカード挿入口(図示せず。)に対する、ICカード12の挿入を促す旨を報知する表示を表示させるステップS600と、ICカードリーダ202(204)を監視して、ICカードリーダ202(204)のカード挿入口(図示せず。)に登録対象のユーザアカウント情報を記録したICカード12が挿入されるまで待機するステップS601を含む。
【0155】
このプログラムはさらに、ステップS601において、ICカード12が挿入されたと判定された場合(YESの場合)に実行され、ICカードリーダ202(204)に、予め設定されるICカード規格により、正規のユーザによって所有されるICカード12に含まれるユーザアカウント情報の読取りを行なわせるとともに、読取った情報を含む読取信号を、LAN I/F318及びネットワーク20を介して情報処理装置24に対して送信させるステップS602とを含む。
【0156】
〈動作〉
本実施の形態に係る画像形成装置22a〜22d、情報処理装置24及び情報端末装置206(208)は、以下のようにして動作する。本実施の形態における動作は、情報端末装置206(208)における動作、及び、情報処理装置24のHDD112に対する正規のユーザのユーザアカウント情報の記憶動作を除いて、上記第1の実施の形態における動作と同じである。以下、異なる動作について説明する。
【0157】
ユーザアカウント情報送信プログラムを実行する権限を有するユーザが、情報端末装置206(208)の電源を投入した後、例えばパスワード等を用いた所定の認証を行なうと、情報端末装置206(208)の制御部300のCPU322は、操作部314の表示部に、例えば、「カードを挿入してください。」等の、ICカードリーダ202(204)のカード挿入口(図示せず。)に対するICカード12の挿入を促す旨を報知する表示を表示させる。
【0158】
画像形成装置22a,22cの使用を許可された正規のユーザがICカードリーダ202(204)のカード挿入口(図示せず。)に登録対象のユーザアカウント情報が記録されたICカード12を挿入し、情報端末装置206(208)の制御部300のCPU322によって、ICカードリーダ202(204)のカード挿入口(図示せず。)にICカード12が挿入されたと判定されると、ICカードリーダ202(204)は、予め設定されるICカード規格である方式AによりICカード12に含まれるユーザアカウント情報を読取り、読取った情報を含む読取信号を情報端末装置206(208)の制御部300に対して出力する。
【0159】
情報端末装置206(208)の制御部300のCPU322は、ICカードリーダ202(204)から出力された読取信号を、LAN I/F318及びネットワーク20を介して情報処理装置24に対して送信する。
【0160】
情報処理装置24の電源は常時投入された状態であり、情報処理装置24のユーザが、情報処理装置24の操作部114から、上述した認証システム200を実現するためのプログラムを開始する旨の指示に応じた入力操作を行なうと、情報処理装置24の制御部100のCPU122は、LAN I/F118の監視を開始する。
【0161】
情報処理装置24の制御部100のCPU122は、LAN I/F118が、情報端末装置206(208)から送信される読取信号を受信したと判定すると、読取信号に含まれる正規のユーザのユーザアカウント情報をHDD112に記憶させる。このとき、正規のユーザのユーザアカウント情報が既にHDD112に記憶されている場合には、受信した読取信号に含まれる情報は、既に記憶されている正規のユーザのユーザアカウント情報に対して新たに追加するようにして記憶される。
【0162】
情報処理装置24の制御部100のCPU122は、受信した読取信号に含まれる正規のユーザのユーザアカウント情報をHDD112に記憶させると、上記第1の実施の形態における動作と同様にして、検索要求信号の送信処理及び正規のユーザアカウント情報の送信処理等を含む各処理を行なう。
【0163】
画像形成装置22a,22cの制御部50のCPU70は、上記第1の実施の形態における画像形成装置22a,22cと同様にして、認証処理等を含む所定の処理を行なう。
【0164】
以下、情報処理装置24のHDD112に正規のユーザアカウント情報が新たに追加記憶される度に、上述の動作がユーザによって情報処理装置24の電源が切られるまで繰返される。
【0165】
上述したように、複数の画像形成装置22及び情報処理装置24とネットワーク20を介してデータ通信を行なう情報端末装置206(208)をさらに含む認証システム200によれば、情報端末装置206(208)において、LAN I/F318は、情報処理装置24に対して正規のユーザのユーザアカウント情報を送信し、情報処理装置24において、LAN I/F118は、情報端末装置206(208)から送信される正規のユーザのユーザアカウント情報を受信し、HDD112は、受信した正規のユーザのユーザアカウント情報を記憶する。
【0166】
これにより、情報処理装置24は、ネットワーク20を介してデータ通信を行なう外部装置である情報端末装置206(208)から正規のユーザのユーザアカウント情報を入手することができるようになるので、正規のユーザのユーザアカウント情報の記憶処理及び変更処理をより一層容易に行なうことができるようになる。したがって、より一層ユーザの利便性を向上させることができる。
【0167】
なお、上記認証システム200は、情報処理装置24が正規のユーザアカウント情報を新たに受信する度に抽出部120による抽出処理が行なわれる構成であったが、本発明はそのような実施の形態に限定されない。例えば、抽出部120によって抽出された画像形成装置22の識別IDをHDD112に記憶させておき、情報処理装置24が正規のユーザアカウント情報を新たに受信する度に、HDD112に記憶される識別IDを読出し、読出した識別IDに対応する画像形成装置22に対し、新たに記憶された正規のユーザのユーザアカウント情報を送信する構成であってもよい。
【0168】
(作用・効果)
本実施の形態によれば、複数の画像形成装置22と、複数の画像形成装置22とネットワーク20を介してデータ通信を行なう情報処理装置24とを含む認証システム10,200において、情報処理装置24では、HDD112は、ユーザが正規のユーザであるか否かを識別するための識別情報である正規のユーザのユーザアカウント情報を記憶し、制御部100及びLAN I/F118は、複数の画像形成装置22の各々に対し、ICカード12からユーザアカウント情報を読取るICカードリーダ14が接続されているか否かを、検索要求信号を送信することによって問合せ、LAN I/F118は、複数の画像形成装置22から問合せに対して送信される応答信号を受信し、抽出部120は、受信した応答信号に基づいて、複数の画像形成装置22の中から、ICカードリーダ14が接続されている画像形成装置22を抽出し、LAN I/F118は、抽出した画像形成装置22に対し、HDD112に記憶されている正規のユーザのユーザアカウント情報を送信する。
【0169】
また、複数の画像形成装置22のうちの少なくとも1つでは、LAN I/F66は、情報処理装置24から送信される問合せである検索要求信号を受信し、検索要求応答部16及びLAN I/F66は、LAN I/F66が検索要求信号を受信したことに応答して、当該画像形成装置22にICカードリーダ14が接続されているか否かを判定し、判定結果に応じて応答信号を作成し情報処理装置24に対して送信し、LAN I/F66及び制御部50は、当該画像形成装置22にICカードリーダ14が接続されていると判定されたときに、情報処理装置24から送信される正規のユーザのユーザアカウント情報を受信してHDD52に記憶し、制御部50は、HDD52に記憶された正規のユーザのユーザアカウント情報と、ICカードリーダ14によって読取られたユーザアカウント情報とに基づいて、ユーザが正規のユーザであるか否かを判定する認証処理を行ない、判定結果に基づいて、当該画像形成装置22を使用可能な状態にする。
【0170】
このように、複数の画像形成装置22とデータ通信可能な情報処理装置24は、複数の画像形成装置22から送信される、ICカードリーダ14が接続されているか否かに関する問合せである検索要求信号に対する応答信号に基づいて、複数の画像形成装置22の中からICカードリーダ14が接続されている画像形成装置22を抽出し、抽出した画像形成装置22に対して、正規のユーザのユーザアカウント情報を送信する。ICカードリーダ14が接続可能な画像形成装置22は、当該画像形成装置22にICカードリーダ14が接続されていると判定されたときに、情報処理装置24から受信してHDD52に記憶された正規のユーザのユーザアカウント情報と、ICカードリーダ14によって読取られた情報とに基づいて、認証処理を行なう。したがって、情報処理装置24は、ネットワーク20を介してデータ通信を行なう全ての画像形成装置22に対して正規のユーザのユーザアカウント情報を送信する場合と比較して、情報の送信先を減らすことができるので、送信処理に要する負荷を低減することができる。また、ICカードリーダ14が接続されている全ての画像形成装置22に一度に正規のユーザのユーザアカウント情報を受信させることができるので、ICカードリーダ14が接続されている画像形成装置22のユーザは、画像形成装置22毎に正規のユーザのユーザアカウント情報を予め記憶させておく必要がなくなり、記憶処理に要する手間を省くことができる。さらに、画像形成装置22が認証処理を行なうので、通信トラブル等のために画像形成装置22と情報処理装置24との間でデータ通信を行なえない場合においても、安定して認証処理を行なうことができる。
【0171】
また本実施の形態によれば、LAN I/F118は、複数の画像形成装置22のうち、抽出部120によって抽出された画像形成装置22を除く画像形成装置22に対し、HDD112に記憶されている正規のユーザのユーザアカウント情報を送信しない。これにより、情報処理装置24は、ネットワーク20を介してデータ通信を行なう全ての画像形成装置22に対して正規のユーザのユーザアカウント情報を送信する場合と比較して、情報の送信先を確実に減らすことができるので、送信処理に要する負荷を確実に低減することができる。
【0172】
さらに本実施の形態によれば、ICカード12からユーザアカウント情報を読取るICカードリーダ14が接続可能であり、情報処理装置24とネットワーク20を介してデータ通信を行なう画像形成装置22において、LAN I/F66は、情報処理装置24から送信される、画像形成装置22にICカードリーダ14が接続されているか否かに関する問合せである検索要求信号を受信し、検索要求応答部16及びLAN I/F66は、LAN I/F66が検索要求信号を受信したことに応答して、当該画像形成装置22にICカードリーダ14が接続されているか否かを判定し、判定結果に応じて応答信号を作成し情報処理装置24に対して送信し、LAN I/F66及び制御部50は、当該画像形成装置22にICカードリーダ14が接続されていると判定されたときに、応答信号に応答して情報処理装置24から送信される正規のユーザのユーザアカウント情報を受信してHDD52に記憶し、制御部50は、当該画像形成装置22にICカードリーダ14が接続されていると判定されたときに、HDD52に記憶された正規のユーザのユーザアカウント情報と、ICカードリーダ14によって読取られたユーザアカウント情報とに基づいて、ユーザが正規のユーザであるか否かを判定する認証処理を行ない、判定結果に基づいて、当該画像形成装置22を使用可能な状態にする。
【0173】
このように、ICカードリーダ14が接続可能な画像形成装置22は、当該画像形成装置22にICカードリーダ14が接続されていると判定されたときに、情報処理装置24から受信してHDD52に記憶された正規のユーザのユーザアカウント情報と、ICカードリーダ14によって読取られたユーザアカウント情報とに基づいて、認証処理を行なう。したがって、通信トラブル等のために画像形成装置22と情報処理装置24との間でデータ通信を行なえない場合においても、安定して認証処理を行なうことができる。また、ICカードリーダ14が接続されている全ての画像形成装置22は、一度に正規のユーザのユーザアカウント情報を受信することができるので、ICカードリーダ14が接続されている画像形成装置22のユーザは、画像形成装置22毎に正規のユーザのユーザアカウント情報を予め記憶させておく必要がなくなり、情報の記憶処理に要する手間を省くことができる。
【0174】
さらに本実施の形態によれば、ICカード12からユーザアカウント情報を読取るICカードリーダ14が接続されている画像形成装置22を含む複数の画像形成装置22と、ネットワーク20を介してデータ通信を行なう情報処理装置20において、HDD112は、ユーザが正規のユーザであるか否かを識別するための識別情報である正規のユーザのユーザアカウント情報を記憶し、制御部100及びLAN I/F118は、複数の画像形成装置22の各々に対し、ICカード12からユーザアカウント情報を読取るICカードリーダ14が接続されているか否かを、検索要求信号を送信することによって問合せ、LAN I/F118は、複数の画像形成装置22から問合せに対して送信される応答信号を受信し、抽出部120は、受信した応答信号に基づいて、複数の画像形成装置22の中から、ICカードリーダ14が接続されている画像形成装置22を抽出し、LAN I/F118は、抽出した画像形成装置22に対し、HDD112に記憶されている正規のユーザのユーザアカウント情報を送信する。
【0175】
このように、複数の画像形成装置22とデータ通信可能な情報処理装置24は、複数の画像形成装置22から送信される応答信号に基づいて、複数の画像形成装置22の中からICカードリーダ14が接続されている画像形成装置22を抽出し、抽出した画像形成装置22に対して、正規のユーザのユーザアカウント情報を送信する。したがって、情報処理装置24は、ネットワーク20を介してデータ通信を行なう全ての画像形成装置22に対して正規のユーザのユーザアカウント情報を送信する場合と比較して、情報の送信先を減らすことができるので、情報の送信処理に要する負荷を低減することができる。また、ICカードリーダ14が接続されている全ての画像形成装置22に一度に正規のユーザのユーザアカウント情報を受信させることができるので、ICカードリーダ14が接続されている画像形成装置22のユーザは、画像形成装置22毎に正規のユーザのユーザアカウント情報を予め記憶させておく必要がなくなり、情報の記憶処理に要する手間を省くことができる。
【0176】
今回開示された実施の形態は単に例示であって、この発明が上記した実施の形態のみに制限されるわけではない。この発明の範囲は、発明の詳細な説明の記載を参酌した上で、特許請求の範囲の各請求項によって示され、そこに記載された文言と均等の意味及び範囲内での全ての変更を含む。
【図面の簡単な説明】
【0177】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る認証システムの構成を模式的に示すブロック図である。
【図2】ICカードリーダが接続され、かつ、検索要求応答部を含む画像形成装置の構成を示すブロック図である。
【図3】情報処理装置の構成を示すブロック図である。
【図4】画像形成装置において認証システムを実現するためのプログラム構造をフローチャート形式で示す図である。
【図5】画像形成装置において認証システムを実現するためのプログラム構造をフローチャート形式で示す図である。
【図6】情報処理装置において認証システムを実現するためのプログラム構造をフローチャート形式で示す図である。
【図7】情報処理装置において認証システムの第2の変形例を実現するためのプログラム構造をフローチャート形式で示す図である。
【図8】本発明の第2の実施の形態に係る認証システムの構成を模式的に示すブロック図である。
【図9】情報端末装置の構成を示すブロック図である。
【図10】情報処理装置において認証システムを実現するためのプログラム構造をフローチャート形式で示す図である。
【図11】情報端末装置において認証システムを実現するためのプログラム構造をフローチャート形式で示す図である。
【符号の説明】
【0178】
10,200 認証システム
12 ICカード
14,15,202,204 ICカードリーダ
16 検索要求応答部
20 ネットワーク
22 画像形成装置
24 情報処理装置
50,100,300 制御部
52,112,312 HDD
54,114,314 操作部
56 画像読取部
58 画像処理部
60 画像形成部
62,110,310 USB I/F
66,118,318 LAN I/F
70,122,322 CPU
72,124,324 ROM
74,86,126,326 RAM
76,128,328 BUSライン
88 画像メモリ
90 印字部
116,316 表示部
120 抽出部
206,208 情報端末装置
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の端末装置と、前記複数の端末装置とネットワークを介してデータ通信を行なう情報処理装置とを含む認証システムにおいて、
前記情報処理装置は、
ユーザが正規のユーザであるか否かを識別するための識別情報を記憶する記憶手段と、
前記複数の端末装置の各々に対し、情報記録媒体から情報を読取る情報読取装置が接続されているか否かを問合せる問合せ手段と、
前記複数の端末装置から、前記問合せに対して送信される応答信号を受信する応答信号受信手段と、
受信した前記応答信号に基づいて、前記複数の端末装置の中から、前記情報読取装置が接続されている端末装置を抽出する抽出手段と、
抽出した前記端末装置に対し、前記記憶手段に記憶されている前記識別情報を送信する第1の識別情報送信手段とを含み、
前記複数の端末装置のうちの少なくとも1つは、
前記情報処理装置から送信される前記問合せを受信する問合せ受信手段と、
前記問合せ受信手段が前記問合せを受信したことに応答して、当該端末装置に前記情報読取装置が接続されているか否かを判定し、判定結果に応じて前記応答信号を作成し前記情報処理装置に対して送信する応答信号送信手段と、
当該端末装置に前記情報読取装置が接続されていると判定されたときに、前記情報処理装置から送信される前記識別情報を受信して所定の識別情報記憶手段に記憶する第1の識別情報受信手段と、
前記識別情報記憶手段に記憶された前記識別情報と、前記情報読取装置によって読取られた前記情報とに基づいて、ユーザが正規のユーザであるか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段による判定結果に基づいて、所定の処理を行なう制御手段とを含むことを特徴とする認証システム。
【請求項2】
前記第1の識別情報送信手段は、前記複数の端末装置のうち、前記抽出手段によって抽出された前記端末装置を除く端末装置に対し、前記記憶手段に記憶されている前記識別情報を送信しないことを特徴とする請求項1に記載の認証システム。
【請求項3】
前記情報読取装置には、前記情報記録媒体から情報を読取るための所定の読取方式が予め設定され、
前記問合せ手段は、前記複数の端末装置の各々に対し、前記情報記録媒体から所定の読取方式により情報を読取る情報読取装置が接続されているか否かを問合せる手段を含み、
前記応答信号送信手段は、前記問合せ受信手段が前記問合せを受信したことに応答して、当該端末装置に前記所定の読取方式により前記情報記録媒体から情報を読取る情報読取装置が接続されているか否かを判定し、判定結果に応じて前記応答信号を作成し前記情報処理装置に対して送信する手段を含むことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の認証システム。
【請求項4】
前記情報処理装置は、前記識別情報の送信時から予め定める所定時間が経過したか否かを判定する経過時間判定手段をさらに含み、
前記第1の識別情報送信手段は、前記経過時間判定手段によって、前記識別情報の送信時から予め定める所定時間が経過したと判定されたときに、抽出した前記端末装置に対し、前記記憶手段に記憶されている前記識別情報を再送信することを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1つに記載の認証システム。
【請求項5】
前記複数の端末装置のうちの前記少なくとも1つは、前記識別情報の受信に成功したことを通知する配信情報通知信号を前記情報処理装置に対して送信する配信情報通知信号送信手段をさらに含み、
前記情報処理装置は、前記配信情報通知信号を受信する配信情報通知信号受信手段を更に含み、
前記第1の識別情報送信手段は、前記経過時間判定手段によって、前記識別情報の送信時から予め定める所定時間が経過したと判定されたときに、抽出した前記端末装置であって、かつ、前記配信情報通知信号を送信していない前記端末装置に対し、前記記憶手段に記憶されている前記識別情報を再送信することを特徴とする請求項4に記載の認証システム。
【請求項6】
前記記憶手段は、前記識別情報の送信先の端末装置を示す配信先情報と、前記識別情報の送信時の日付及び時間を示す配信日時情報と、前記端末装置が識別情報の受信に成功したか否かを示す配信状況情報とを、それぞれ関連付けて配信ログ情報としてさらに記憶することを特徴とする請求項5に記載の認証システム。
【請求項7】
前記認証システムは、前記複数の端末装置及び前記情報処理装置とネットワークを介してデータ通信を行なう情報端末装置をさらに含み、
前記情報端末装置は、前記情報処理装置に対し、前記識別情報を送信する第2の識別情報送信手段を含み、
前記情報処理装置は、前記情報端末装置から送信される前記識別情報を受信する第2の識別情報受信手段をさらに含み、
前記記憶手段は、前記第2の識別情報受信手段によって受信された前記識別情報を記憶することを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか1つに記載の認証システム。
【請求項8】
情報記録媒体から情報を読取る情報読取装置が接続可能であり、情報処理装置とネットワークを介してデータ通信を行なう端末装置であって、
前記情報処理装置から送信される、前記端末装置に前記情報読取装置が接続されているか否かに関する問合せを受信する問合せ受信手段と、
前記問合せ受信手段が前記問合せを受信したことに応答して、当該端末装置に前記情報読取装置が接続されているか否かを判定し、判定結果に応じて前記応答信号を作成し前記情報処理装置に対して送信する応答信号送信手段と、
当該端末装置に前記情報読取装置が接続されていると判定されたときに、前記応答信号に応答して前記情報処理装置から送信される、ユーザが正規のユーザであるか否かを識別するための識別情報を受信して所定の識別情報記憶手段に記憶させる第1の識別情報受信手段と、
当該端末装置に前記情報読取装置が接続されていると判定されたときに、前記識別情報記憶手段に記憶された前記識別情報と、前記情報読取装置によって読取られた前記情報とに基づいて、ユーザが正規のユーザであるか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段による判定結果に基づいて、所定の処理を行なう制御手段とを含むことを特徴とする端末装置。
【請求項9】
情報記録媒体から情報を読取る情報読取装置が接続されている端末装置を含む複数の端末装置と、ネットワークを介してデータ通信を行なう情報処理装置であって、
ユーザが正規のユーザであるか否かを識別するための識別情報を記憶する記憶手段と、
前記複数の端末装置に対し、前記端末装置に前記情報読取装置が接続されているか否かを問合せる問合せ手段と、
前記複数の端末装置から前記問合せに応答して送信される応答信号を受信する応答信号受信手段と、
受信した前記応答信号に基づいて、前記複数の端末装置の中から、前記情報読取装置が接続されている端末装置を抽出する抽出手段と、
抽出した前記端末装置に対し、前記記憶手段に記憶されている前記識別情報を送信する第1の識別情報送信手段とを含むことを特徴とする情報処理装置。
【請求項1】
複数の端末装置と、前記複数の端末装置とネットワークを介してデータ通信を行なう情報処理装置とを含む認証システムにおいて、
前記情報処理装置は、
ユーザが正規のユーザであるか否かを識別するための識別情報を記憶する記憶手段と、
前記複数の端末装置の各々に対し、情報記録媒体から情報を読取る情報読取装置が接続されているか否かを問合せる問合せ手段と、
前記複数の端末装置から、前記問合せに対して送信される応答信号を受信する応答信号受信手段と、
受信した前記応答信号に基づいて、前記複数の端末装置の中から、前記情報読取装置が接続されている端末装置を抽出する抽出手段と、
抽出した前記端末装置に対し、前記記憶手段に記憶されている前記識別情報を送信する第1の識別情報送信手段とを含み、
前記複数の端末装置のうちの少なくとも1つは、
前記情報処理装置から送信される前記問合せを受信する問合せ受信手段と、
前記問合せ受信手段が前記問合せを受信したことに応答して、当該端末装置に前記情報読取装置が接続されているか否かを判定し、判定結果に応じて前記応答信号を作成し前記情報処理装置に対して送信する応答信号送信手段と、
当該端末装置に前記情報読取装置が接続されていると判定されたときに、前記情報処理装置から送信される前記識別情報を受信して所定の識別情報記憶手段に記憶する第1の識別情報受信手段と、
前記識別情報記憶手段に記憶された前記識別情報と、前記情報読取装置によって読取られた前記情報とに基づいて、ユーザが正規のユーザであるか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段による判定結果に基づいて、所定の処理を行なう制御手段とを含むことを特徴とする認証システム。
【請求項2】
前記第1の識別情報送信手段は、前記複数の端末装置のうち、前記抽出手段によって抽出された前記端末装置を除く端末装置に対し、前記記憶手段に記憶されている前記識別情報を送信しないことを特徴とする請求項1に記載の認証システム。
【請求項3】
前記情報読取装置には、前記情報記録媒体から情報を読取るための所定の読取方式が予め設定され、
前記問合せ手段は、前記複数の端末装置の各々に対し、前記情報記録媒体から所定の読取方式により情報を読取る情報読取装置が接続されているか否かを問合せる手段を含み、
前記応答信号送信手段は、前記問合せ受信手段が前記問合せを受信したことに応答して、当該端末装置に前記所定の読取方式により前記情報記録媒体から情報を読取る情報読取装置が接続されているか否かを判定し、判定結果に応じて前記応答信号を作成し前記情報処理装置に対して送信する手段を含むことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の認証システム。
【請求項4】
前記情報処理装置は、前記識別情報の送信時から予め定める所定時間が経過したか否かを判定する経過時間判定手段をさらに含み、
前記第1の識別情報送信手段は、前記経過時間判定手段によって、前記識別情報の送信時から予め定める所定時間が経過したと判定されたときに、抽出した前記端末装置に対し、前記記憶手段に記憶されている前記識別情報を再送信することを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1つに記載の認証システム。
【請求項5】
前記複数の端末装置のうちの前記少なくとも1つは、前記識別情報の受信に成功したことを通知する配信情報通知信号を前記情報処理装置に対して送信する配信情報通知信号送信手段をさらに含み、
前記情報処理装置は、前記配信情報通知信号を受信する配信情報通知信号受信手段を更に含み、
前記第1の識別情報送信手段は、前記経過時間判定手段によって、前記識別情報の送信時から予め定める所定時間が経過したと判定されたときに、抽出した前記端末装置であって、かつ、前記配信情報通知信号を送信していない前記端末装置に対し、前記記憶手段に記憶されている前記識別情報を再送信することを特徴とする請求項4に記載の認証システム。
【請求項6】
前記記憶手段は、前記識別情報の送信先の端末装置を示す配信先情報と、前記識別情報の送信時の日付及び時間を示す配信日時情報と、前記端末装置が識別情報の受信に成功したか否かを示す配信状況情報とを、それぞれ関連付けて配信ログ情報としてさらに記憶することを特徴とする請求項5に記載の認証システム。
【請求項7】
前記認証システムは、前記複数の端末装置及び前記情報処理装置とネットワークを介してデータ通信を行なう情報端末装置をさらに含み、
前記情報端末装置は、前記情報処理装置に対し、前記識別情報を送信する第2の識別情報送信手段を含み、
前記情報処理装置は、前記情報端末装置から送信される前記識別情報を受信する第2の識別情報受信手段をさらに含み、
前記記憶手段は、前記第2の識別情報受信手段によって受信された前記識別情報を記憶することを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか1つに記載の認証システム。
【請求項8】
情報記録媒体から情報を読取る情報読取装置が接続可能であり、情報処理装置とネットワークを介してデータ通信を行なう端末装置であって、
前記情報処理装置から送信される、前記端末装置に前記情報読取装置が接続されているか否かに関する問合せを受信する問合せ受信手段と、
前記問合せ受信手段が前記問合せを受信したことに応答して、当該端末装置に前記情報読取装置が接続されているか否かを判定し、判定結果に応じて前記応答信号を作成し前記情報処理装置に対して送信する応答信号送信手段と、
当該端末装置に前記情報読取装置が接続されていると判定されたときに、前記応答信号に応答して前記情報処理装置から送信される、ユーザが正規のユーザであるか否かを識別するための識別情報を受信して所定の識別情報記憶手段に記憶させる第1の識別情報受信手段と、
当該端末装置に前記情報読取装置が接続されていると判定されたときに、前記識別情報記憶手段に記憶された前記識別情報と、前記情報読取装置によって読取られた前記情報とに基づいて、ユーザが正規のユーザであるか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段による判定結果に基づいて、所定の処理を行なう制御手段とを含むことを特徴とする端末装置。
【請求項9】
情報記録媒体から情報を読取る情報読取装置が接続されている端末装置を含む複数の端末装置と、ネットワークを介してデータ通信を行なう情報処理装置であって、
ユーザが正規のユーザであるか否かを識別するための識別情報を記憶する記憶手段と、
前記複数の端末装置に対し、前記端末装置に前記情報読取装置が接続されているか否かを問合せる問合せ手段と、
前記複数の端末装置から前記問合せに応答して送信される応答信号を受信する応答信号受信手段と、
受信した前記応答信号に基づいて、前記複数の端末装置の中から、前記情報読取装置が接続されている端末装置を抽出する抽出手段と、
抽出した前記端末装置に対し、前記記憶手段に記憶されている前記識別情報を送信する第1の識別情報送信手段とを含むことを特徴とする情報処理装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2010−49293(P2010−49293A)
【公開日】平成22年3月4日(2010.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−210246(P2008−210246)
【出願日】平成20年8月19日(2008.8.19)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年3月4日(2010.3.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年8月19日(2008.8.19)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】
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