読取装置、その制御方法および記録媒体
【課題】読取動作などの各種の動作の設定を変更でき、汎用性が高く、使いやすい印刷装置を提供すること。
【解決手段】プリンタ1では、コマンド受信部41で動作設定コマンドφ1を受信すると、コマンド実行部43によって、そのコマンドφ1に基づき動作パラメータ格納部50の動作パラメータを変更する。すなわち、紙送り機構10における搬送動作、MICR読取機構14における読取動作、および認識部42でMICR文字を認識する認識動作の設定を変更する。このため、ホスト30から動作設定コマンドφ1をプリンタ1に送信するだけで、1台のプリンタで数種類の動作を行わせることができる。これにより、非常に汎用性が高く、オペレータの意図に則した動作を行うことができる印刷装置を実現できる。
【解決手段】プリンタ1では、コマンド受信部41で動作設定コマンドφ1を受信すると、コマンド実行部43によって、そのコマンドφ1に基づき動作パラメータ格納部50の動作パラメータを変更する。すなわち、紙送り機構10における搬送動作、MICR読取機構14における読取動作、および認識部42でMICR文字を認識する認識動作の設定を変更する。このため、ホスト30から動作設定コマンドφ1をプリンタ1に送信するだけで、1台のプリンタで数種類の動作を行わせることができる。これにより、非常に汎用性が高く、オペレータの意図に則した動作を行うことができる印刷装置を実現できる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、単票用紙に付された磁気パターンを読み取り可能な印刷装置、その制御方法および印刷装置の制御プログラムが記録された記録媒体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
磁気パターンの1つであるMICR(Magnetic Ink Character Recognition)文字が付された単票用紙として、現金やカードと同様なパーソナルチェックが知られている。このパーソナルチェックは、その表面にカスタマーカウントやシリアル番号などのMICRデータが印刷されたものである。このようなパーソナルチェックの有効・無効の確認は、表面のMICR文字を照会することによって行うことができる。
【0003】
従来、MICRリーダと呼ばれる読み取りヘッド(磁気ヘッド)を用いてMICR文字を読み取り、その読み取り結果からパーソナルチェックが有効であると判断されると、パーソナルチェックをプリンタにセットして裏書きするようにしていた。これに対し、MICR文字の読み取り動作と裏書き動作が一連の動作として行うことができるように、MICRリーダの機能とプリンタの機能を備えた複合的な装置(以下では印刷装置と呼ぶ)が開発され、オペレータにかかる負担が大幅に軽減されつつある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
磁気ヘッドで読み取られたMICR文字は、予めROMなどに記録されている読み取りフォントにしたがった認識方法に基づいて、所定の文字あるいは記号などのキャラクタとして認識されるようになっている。従来のMICRリーダにおいては、その読み取りフォントは1種類であり、種類の異なるものに対しては、複数のMICRリーダを用意して使い分ける必要がある。これと同様に、異なるフォントのMICR文字が付されたそれぞれのパーソナルチェックを読み取るためには、それぞれのフォントに対応した複数の印刷装置(複合装置)を用意する必要があり、パーソナルチェックを取扱できる環境を構築するには大変な費用がかかる。また、オペレータによってパーソナルチェックに付されているMICR文字のフォントに対応して印刷装置を選択するのでは、その作業についてのオペレータの負担は軽減されない。
【0005】
また、従来のMICRリーダでは、MICR文字を読み取った後にパーソナルチェックは装置外に排出されるだけであるのに対して、印刷装置では、パーソナルチェックは裏書きをする位置にセットされ、オペレータがパーソナルチェックを再びセットし直す手間を省くことができる。しかしながら、MICR文字を認識できなかったときには、パーソナルチェックを装置外に排出させる操作を行い、再びセットしないといけないので、このようなケースでは若干手間がかかる。
【0006】
このように、MICRリーダとプリンタとを設置するのと比較すると、MICR文字の読取機構と印刷機構とを複合的に備えた印刷装置を用いることにより、オペレータの負担は大幅に軽減できるが、MICR文字の種類が異なる、あるいは読取ができないなどの特殊なケースでは依然として操作に手間がかかり、さらに改良すべき点がある。
【0007】
そこで、本発明においては、認識結果などに応じて数種類の動作を行うことができるさらに便利で汎用性の高い印刷装置およびその制御方法を提供することを目的としている。そして、多種多様な単票用紙およびその読取結果に対応した処理ができる印刷装置およびその制御方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
従来のMICRリーダはパーソナルチェックからMICR文字を読み取って、その認識結果をホストに送信する機能しか有していなかったのに対して、MICR読取機能と印刷機能を共に備えた印刷装置は、ホストから印刷用のデータおよび制御用のコマンドも受信できるようになっており、さらに、単票用紙の搬送機構も前後方向に動き、位置決めもできるようになっている。本発明においては、この点に着目して、読取ヘッドなどを備える読取機構における読取動作、単票用紙を搬送する搬送機構における搬送動作または磁気パターンを認識する認識動作の設定を変更するための動作設定コマンドを設け、このコマンドに基づき単票用紙からMICR文字を読み取った後の各動作を設定できるようにしている。これにより、ホスト側から動作設定コマンドを送信することにより、個々の単票用紙、あるいはオペレータの意図に応じた処理動作が行える印刷装置を実現できるようにしている。
【0009】
すなわち、本発明の印刷装置は、単票用紙に付された磁気パターンを読取可能な読取機構と、単票用紙を搬送可能な搬送機構と、単票用紙を印刷可能な印刷機構と、読取機構、搬送機構および印刷機構を制御可能な制御装置とを有し、制御装置は、読取機構で読み取った磁気パターンを認識可能な認識部と、読取機構の読取動作、搬送機構の搬送動作また認識部の認識動作の設定を変更可能な動作設定コマンドを受信可能な受信部と、動作設定コマンドを実行可能、すなわち、動作設定コマンドにより各動作の設定を変更可能なコマンド実行部とを備えていることを特徴としている。
【0010】
また、本発明の印刷装置の制御方法は、単票用紙に付された磁気パターンを読み取る読取工程と、読取工程で読み取った磁気パターンを認識する認識工程と、単票用紙を搬送する搬送工程と、単票用紙を印刷する印刷工程とを有する印刷装置の制御方法であって、読取工程における読取動作、認識工程における認識動作または搬送工程における搬送動作の設定を変更可能な動作設定コマンドを受信する受信工程と、動作設定コマンドを実行可能なコマンド実行工程とを有することを特徴としている。
【0011】
本発明の印刷装置およびその制御方法では、動作設定コマンドを受信すると、そのコマンドに基づき読取動作、搬送動作、認識動作の設定を変更する。このため、ホスト側からMICR文字の読取命令があると新たに設定された動作で一連のMICR文字の読取処理が行われる。このように本発明の印刷装置およびその制御方法では、ローカル接続されたパソコンやネットワークに接続されたホスト等から動作設定コマンドを送信するだけでMICR文字の読み取りの動作内容を変更することができる。従って、汎用性が高く、使いやすい複合型の印刷装置を提供できる。そして、1台の印刷装置あるいはMICR文字読み取り機構で、複数の種類の異なるチェックなどのMICR文字の付された単票用紙を処理でき、また、読み取りに関する各種動作も変えることができるので、複数のMICR読み取り機能を印刷装置に収納したり、あるいは、POSステーションに複数の印刷装置を設置する必要はなく、シンプルな構成で様々な単票用紙および読み取り時の状態に対応可能な印刷装置を提供することができる。
【0012】
本発明においては、動作設定コマンドに読取動作における読取範囲の設定を変更できる機能を設けることが望ましい。このようなコマンドによって読取機構における読取範囲の設定を変更できるようにすれば、読み取り範囲を予め最終文字などで限定できれば、読取および認識動作を短時間で行うことができる。
【0013】
また、本発明においては、動作設定コマンドに認識動作で認識するフォントの設定を変更できる機能を設けること望ましい。このようにすれば、動作設定コマンドを送信するだけで、1台の印刷装置でフォントの異なる磁気パターンが付された単票用紙を取り扱うことが可能となる。このため、オペレータは異なったフォントの付された単票用紙であっても1台の印刷装置で読取フォントを切り換えるだけで、それらの単票用紙を取り扱うことができる。従って、オペレータにかかる負担を大幅に軽減できる。また、1台の印刷装置で様々なフォントの磁気パターンを処理できるので、種々単票用紙を取扱できる環境を低コストで構築することができる。
【0014】
さらに、本発明においては、動作設定コマンドに認識動作で解析不可能文字を検出したときの読取動作及び/又は認識動作の設定を変更できる機能を設けることが望ましい。このような動作設定コマンドを実行して、設定されている動作を変更できれば、認識動作において解析不可能文字が発生したら読取動作および認識動作を終了させたり、解析不可能文字が発生したときに、その文字を特定の記号に置換して最後まで読取動作および認識動作を行わせたりするなどといった複数の動作の内から、オペレータの意図などに応じた動作を設定することができる。なお、本発明の印刷装置においては、解析不可能文字が発生した時点で読取動作および認識動作を終了させて、単票用紙の処理が異常終了したことを示すデータをホストに送信するように設定しても良く、また、解析不可能文字を特定の記号に置換するように認識動作を設定しても良い。また、解析不可能文字を特定の記号に置換した場合、その記号の個数に応じてホスト側に認識結果(特定の記号を含む認識文字列)の送信を行うか否かの決定を行うようにしても良い。
【0015】
また、本発明においては、動作設定コマンドに認識動作後の搬送動作の設定を変更できる機能を設けることが望ましい。このようなコマンドを実行できれば、認識動作が終了した後に、単票用紙を一旦排出させる、あるいは裏書きされる位置に移動させるなどの設定が可能となり、オペレータの意図に応じた動作を行うことができる。この場合、認識結果に基づいて搬送動作が決定される設定をしても良く、例えば、認識動作が正常に終了したときには単票用紙を裏書きする位置に移動後保持し、認識動作が異常に終了したときには単票用紙を強制的に排出するように設定しても良い。このように認識動作後の搬送動作の設定を変更することができるので、より使いやすい印刷装置を実現できる。また、認識動作後の搬送動作の設定を変更することにより、単票用紙の処理に対して最適な搬送動作を行うことが可能となり、印刷装置が単票用紙を処理するのに必要な処理時間を大幅に削減できるという効果も奏する。
【0016】
さらに、本発明の印刷装置の搬送機構は前後方向に用紙を送ることができるので、認識動作が正常に終了しないときに単票用紙を自動的にMICR文字の読み取り開始位置から読めるようにセットし直して読取動作および認識動作を繰り返すオートリトライ動作を行うことができる。このオートリトライ動作を実行可能な動作実行コマンドを設ければ、認識処理が正常に終了しないとき、例えば、解析不可能文字があったときには、単票用紙をセットし直して再び読取動作および認識動作を行わせるというオペレータの作業を軽減できる。また、単票用紙をセットし直す際の操作ミスなどから単票用紙を処理する時間が長くなるといったこともなくすことができる。一方、認識できない場合でも、オペレータが適当な処理を待って印刷動作を行うというケースもあり、このような場合は、動作設定コマンドでオートリトライ動作を無効としておくことによって対応可能である。
【0017】
本発明においては、このような各コマンドを動作設定コマンドとして個々に設けることが可能であり、また、上述したそれぞれの動作を一括して変更できる動作設定コマンドを設けることも可能である。個々の動作の設定を変更するコマンドを設けた場合は、所定の動作のみを変更できるようにすれば良いので、設定を変更する必要のない動作については改めて設定する必要がない。また、コマンドの構造を簡易にでき、コマンドを解析する処理などを簡易に行うことができる。一方、各動作を一括して変更できる動作設定コマンドであれば、そのコマンドを印刷装置に1度送るだけで各動作を変更できるので、複数の動作を同時に変更するときにはその処理を容易に行うことができる。また、本発明においては、読取機構や搬送機構、認識部の動作設定に限らず、印刷機構における印刷動作の設定を変更可能な動作設定コマンドを設けておいても良い。
【0018】
上述した印刷装置の制御方法は、上記の機能を実行可能な命令を有する制御プログラムとして記録媒体であるROMなどに記録して提供することが可能である。その制御プログラムは、単票用紙の磁気パターンを読み取る読取処理と、読取処理で読み取った磁気パターンを認識する認識処理と、単票用紙を搬送する搬送処理と、単票用紙を印刷する印刷処理とを実行可能な命令を有する制御プログラムであって、読取処理における読取動作、認識処理における認識動作または搬送処理における搬送動作の設定を変更可能な動作設定コマンドを受信する受信処理と、動作設定コマンドを実行するコマンド実行処理とを実行可能な命令を有することが望ましい。
【発明の効果】
【0019】
以上説明したように、本発明においては、磁気パターンの読取機構における読取動作、単票用紙の搬送機構における搬送動作または磁気パターンを認識する認識動作の設定を変更するための動作設定コマンドを設け、このコマンドに基づき単票用紙を処理する際の各動作の設定を変更するようにしている。従って、本発明によれば、ローカル接続されたパソコンやネットワークを介してホストなどから動作設定コマンドを送信するだけで各動作の設定を変更でき、1台の印刷装置で数種類の処理動作を行うことができる。このため、オペレータの意図に則した単票用紙の処理動作を行うことのできる非常にフレキシブルな印刷装置を実現できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下に図面を参照して本発明を適用した印刷装置を説明する。図1に、本例の印刷装置(以下、プリンタ)の外観を示してある。また、図2に、プリンタの概略構成を紙経路に沿って模式的に示してある。
【0021】
本例のプリンタ1は、店舗の支払いに使用される個人使用可能な小切手として、銀行で発行される単票用紙(パーソナルチェック、以下、チェックとする。)6を取扱できるようになっている。チェック6は、その表面に、使用者の口座番号、チェック紙の通し番号などが磁気パターンの1つであるMICR文字(磁気インク文字)6aで印刷されたものである。MICR文字6aとして印刷された各データは、MICR文字6aをMICRヘッド(磁気ヘッド)でサーチすることにより得られる文字波形を解析することによって判別される。
【0022】
本例のプリンタ1は、上面がドキュメントテーブル3になったほぼ直方体状のベース部2と、ドキュメントテーブル3のほぼ中央部分に取り付けられた上部カバー4を有し、これらによって紙経路5が構成されている。挿入口7に対しては、チェック6を紙経路5に沿った方向(X方向)からと、紙経路5に直交する方向(Y方向)のそれぞれの方向から挿入できるようになっている。本例のプリンタ1には、ドキュメントテーブル3の図面に向かって右側にはローカル操作を行う操作パネル9aが設けられ、また、ベース部2に電源スイッチ9bが設けられている。
【0023】
本例のプリンタ1においては、ベース部2と上部カバー4によって構成された紙経路5には、チェック6を紙経路5に沿った方向に紙送り可能な紙送りローラ11などを備えた紙送り機構(搬送機構)10、チェック6に裏書きを行うことが可能な印刷ヘッド13を備えた印刷機構12、チェック6に付されたMICR文字6aを読取可能なMICRヘッド15を備えたMICR読取機構14がこの順序で配列されている。これらの各機構10、12および14は制御装置20によって制御されるようになっている。このように本例のプリンタ1は、MICR読取機構14と印刷機構12とを備えた複合型の処理装置である。
【0024】
制御装置20は、CPU21を中心に構成されており、このCPU21には、各機構10、12および14を制御するための制御プログラムや各種の動作パラメータなどが記録されたROM22と、それらの動作パラメータを一時的に格納するための動作パラメータ格納領域23aが確保され、また、MICR文字6aを読み取ることにより得られるMICRデータ、このMICRデータの認識結果およびホストから送信される印刷データの一時記憶領域などが確保されるRAM23と、パソコンなどのホスト30あるいはPOSなどの機器とインターフェースケーブル31あるいは赤外線インターフェースなどによって接続されたインターフェース24とが接続されている。このインターフェース24を介してホストとの間で制御コマンド、印刷データ、認識結果等を送受信できるようになっている。また、CPU21には、紙送り機構10を制御可能な紙送り制御回路25、印刷機構12を制御可能な印刷制御回路26およびMICR読取機構14を制御可能なMICR制御回路27が接続されており、各機構10、12および14がそれぞれの制御回路25、26および27を介してCPU21によって制御される。
【0025】
なお、プリンタ1は、ホスト30上で稼働するアプリケーションプログラムから制御することが可能である。また、ホスト30となるパソコンやPOSは、フロッピーディスク(登録商標)32やCD−ROMなどの移動式の記録媒体を介して供給された制御プログラムをプリンタ1に供給することも可能である。さらに、ホスト30となるパソコンにインターネットなどのコンピュータネットワーク33と交信する機能を設け、ネットワーク経由で供給される制御プログラムを受信してハードディスク34などの内蔵型の記録装置に一旦記録した後、その制御プログラムをプリンタ1に供給することも可能である。勿論、LANドライバをプリンタ1に搭載し、プリンタ1をネットワークに直に接続して、制御プログラムなどをネットワーク経由でプリンタ1に供給することも可能である。
【0026】
このような本例のプリンタ1における基本的な動作は次の通りである。挿入口7にチェック6が挿入されると、チェック6が紙送り機構10によって、MICR文字6aの後端部分がMICRヘッド15の上に配置する読取位置Rまで紙送りされる。その後、紙送り機構10によって逆方向(挿入口7の方向)に送られながら、そこに付されているMICR文字6aがMICRヘッド15によって読み込まれる。MICR文字6aが全て読み込まれると、裏書きされるべき部分が印刷ヘッド12の上に位置する印刷位置Pまで搬送される。本例のプリンタ1では、MICRヘッド15で得られた文字波形が全て所定の文字として認識されると、インターフェース24を介してその認識結果(認識文字列)がホスト30に送信される。ホスト30側でその認識結果に基づきチェック6の有効性が確認されると、ホスト30からプリンタ1に対してチェック6の裏書きを開始するためのコマンドや印刷データが送信される。プリンタ1では、このコマンドや印刷データに基づきチェック6に裏書きを施す。そして、裏書きが終了した後は、紙送り機構10によって排紙口8からチェック6が排出される。すなわち、チェック6が紙送り機構10によって排出位置Hまで逆方向に紙送りされる。また、MICRヘッド15で読み込まれたデータの全てが文字として認識されない場合や、パソコン30側でチェック6の有効性が確認できない場合は、印刷位置Pに保持されているチェック6が紙送り機構10によって強制的に排出位置Hに搬送される。
【0027】
本例のプリンタ1においては、上述した基本的な動作を、ホスト30から送信される動作設定コマンドを受信することによって変更することができる。すなわち、紙送り機構10における搬送動作、印刷機構12における印刷動作およびMICR読取機構14における読取動作の設定を変更することができるようになっている。
【0028】
図3に制御装置20の概略の機能ブロック図を示してある。この図に示すように、本例の制御装置20は、ホスト30から送信される動作設定コマンドφ1やチェック6の処理を開始させるための実行コマンドなどの各種のコマンドφ2を受信可能な受信部であるコマンド受信部41と、MICR読取機構14のMICRヘッド15で読み取ったMICR文字6aを認識可能な認識部42と、各種のコマンドφ2を実行可能なコマンド実行部43と、認識部42の認識結果をホスト30に送信可能なデータ送信部44とを有している。また、コマンド受信部41で受信されたコマンドを解析するコマンド解析部48と、各種の動作を行わせるための動作パラメータが格納されている動作パラメータ格納部50とを有している。さらに、紙送り機構10、印刷機構12およびMICR読取機構14を、それぞれ制御可能な紙送り機構制御部47、印刷機構制御部46および読取機構制御部45を有している。さらにまた、認識部42における認識結果が格納される認識結果格納部51を有している。
【0029】
コマンド実行部43は、コマンドφ2のうち、MICR文字6aの読み取りなどの処理を実行する実行コマンドが入力されると、動作パラメータ格納部50に格納(設定)されている動作パラメータに基づき紙送り機構制御部47、印刷機構制御部46および読取機構制御部45を介してそれぞれの機構10、12および14の動作を制御できるようになっている。また、コマンド実行部43は、動作パラメータ格納部50に格納されている動作パラメータに基づき認識部42およびデータ送信部44の動作も制御可能である。さらに、コマンド実行部43は、上記の各機構および認識部42の動作の設定を変更する動作設定コマンドφ1が入力されると、それに基づき動作パラメータ格納部50に設定されている動作パラメータを更新し、動作設定を変更できるようになっている。
【0030】
認識部42は、コマンド実行部43の制御のもとに、MICRヘッド15によって読み取られたMICR文字6aを所定の読取フォントに基づいて解析でき、また、解析不可能文字があるとその文字を所定の記号、例えば、“?”に置き換えることができる。認識部42における認識動作では、動作パラメータ格納部50の動作パラメータで指示されている読取フォントに応じた認識処理が行われる。
【0031】
データ送信部44は、コマンド実行部43の制御のもとに、認識部42の認識結果をホスト30に送信できるようになっており、本例では、認識動作の終了状態に応じて第1および第2の送信データを送信できる。第1の送信データは“ヘッダー+読取ステータス+認識文字列+NUL”であり、第2の送信データは“ヘッダー+読取ステータス+NUL”である。なお、ヘッダーは認識結果の送信データであることを示すデータであり、読取ステータスは認識部42における認識動作が正常終了あるいは異常終了したか否かを示すデータである。また、認識文字列は認識部42における認識結果であり、“NUL”は認識文字列の終端を示す終端記号である。第2の送信データが送信される場合は次の3通りであり、その他の場合は第1の送信データが送信される。なお、送信データに含まれる読取ステータスは図4(A)および(B)に示す通りである。
【0032】
第2の送信データが送信される場合:
1.MICR読取機構14でMICR文字6aを読み取ったときに、文字波形が得られなかったとき。
【0033】
2.認識部42の認識動作が解析不可能文字を“?”に置き換えるように設定されており、その解析不可能文字が所定の個数(本例では、3個)より多いとき。
【0034】
3.動作設定コマンドφ1によって読み取り範囲が指定されている場合に、指定された最終文字が認識されなかった場合。
【0035】
コマンド実行部43は動作設定コマンドφ1として4種類のコマンドによる設定処理を実行でき、1種類の実行コマンド(“FS a 0”)φ3を実行できるようになっている。これに対して、ホスト30は、動作設定コマンドφ1として、チェック6の読取動作の設定を変更するための第1の設定コマンドφ11、チェック6の読取動作の一括指定を行うための第2の設定コマンドφ12、チェック6の読取範囲を指定するための第3の設定コマンドφ13、およびオートリトライの回数を指定するための第4の設定コマンドφ14の4種類の動作設定コマンドと、1種類の実行コマンドφ3を出力可能なドライバ37を有している。
本例では、第1の設定コマンドφ11として、“FS d m n”が用意されている。“FS d”はチェック6の読取動作を選択するコマンドであることを示すデータであり、“m”は読取動作の種類を指定するためのデータである。また、“n”は“m”で指定された読取動作の設定を変更するためのデータである。図5(A)および(B)には、“m”および“n”の組み合わせによって変更される読取動作の例を示してある。第1の設定コマンドφ11によって次のように動作の設定を変更することができる。すなわち、コマンド実行部43によって動作パラメータ格納部50の動作パラメータが次のように変更される。
【0036】
A.m=0の場合は、読み取りフォントが変更される。具体的には、
n=0であると、認識部42における認識動作の読取フォントがE13Bに設定される。
【0037】
n=1であると、認識部42における認識動作の読取フォントがCMC7に設定される。
【0038】
B.m=1の場合は、認識動作における解析不可能文字の処理方法が変更される。具体的には、
n=0であると、認識部42における認識動作で解析不可能文字が検出されたときにMICR読取機構14による読取動作が中止されるように設定される。
【0039】
n=1であると、認識部42における認識動作で解析不可能文字が検出されると、その解析不可能文字を所定の記号、例えば、“?”に置き換えながら認識動作およびMICR読取機構14による読取動作が継続されるように設定される。
C.m=2の場合は、認識動作における読取範囲が変更される。具体的には、
n=0であると、MICR読取機構14による読取動作における読取範囲を制限せずに、MICR文字6aの全ての印刷範囲が読取範囲として設定される。
【0040】
n=1であると、MICR読取機構14による読取動作における読取範囲を制限できるように設定される。なお、実際の読取範囲は後述する第3の設定コマンドφ13の文字コードによって設定され、本コマンドφ11は読取範囲を制限するか否かの変更を行うのみである。
【0041】
D.m=3の場合は、認識動作後の動作が変更される。具体的には、
n=0であると、認識部42における認識動作が正常終了したときに、紙送り機構10でチェック6を印刷位置Pまで紙送りし、その位置Pに保持させるように設定される。また、解析不可能文字を“?”に置換して認識動作を継続するように設定され、且つ、認識結果がホスト30に送信される場合もチェック6を印刷位置Pに保持させる。
【0042】
n=1が指定されると、認識部42での認識結果に関係なく紙送り機構10でチェック6を排出位置Hに紙送りされるように設定される。
【0043】
E.m=4の場合は、オートリトライ動作が変更される。具体的には、
n=0が指定されると、認識部42の認識結果に関係なく、オートリトライ動作が行われないように設定される。
【0044】
n=1が指定されると、認識部42の認識処理において解析不可能文字が発生したならオートリトライ動作が行われるように設定される。なお、オートリトライ動作の回数は後述する第4の設定コマンドφ14によって設定され、本コマンドφ11はオートリトライ動作の有効・無効が設定されるだけである。また、第4の設定コマンドφ14でオートリトライ動作の回数が“0”に設定されたときは、本コマンドφ11でオートリトライ動作が有効に設定されていても、その動作は行われない。
【0045】
本例では、第2の設定コマンドφ12として、“FS e n”が用意されている。“FS e”はチェック6の読取動作を一括して変更することができるコマンドであることを示すデータである。“n”は読取動作の種類の指定および変更を一括して行うためのデータであり、本例では、例えば、1バイトのデータである。図6に示すように、“n”の各ビットには読取動作の種類が割り当てられており、そのビット値を“0”あるいは“1”に変更することにより、割り当てられた動作の内容を変更できるようになっている。このように第2の設定コマンドφ12は、第1の設定コマンドφ11が1種類の動作の設定を変更できるのに対して、全ての動作(本例では5種類の動作)を一括して変更できる。すなわち、第2の設定コマンドφ12がコマンド実行部43で実行され、この設定コマンドφ12に従って動作パラメータ格納部50の動作パラメータが変更される。
【0046】
さらに、本例では、第3の設定コマンドφ13として、“FS f n”が用意されている。“FS f”は読取範囲を変更するためのコマンドであることを示すデータであり、“n”は読取範囲を指定するためのデータである。本例では、n=0とすると、MICR文字6aの全ての印刷範囲が読取範囲として設定できる。また、“n”を所定の文字コードとすると、MICR文字6aの先頭から最も右端にあるその文字コードまでの読み取りを行うように設定できる。すなわち、MICR文字6aを読みはじめて所定の文字を読み取った位置からチェック6の先頭までの範囲が読取範囲となり、実質的に読取範囲が狭くなる。なお、所定の文字コードが認識されない場合は、読み取り異常終了となる。また、第1の設定コマンドφ11あるいは第2の設定コマンドφ12によって読取範囲の指定が選択されていない場合は、本コマンドφ13により設定された文字コードは読み取り処理に影響しない。
【0047】
また、本例では、第4の設定コマンドφ14として、“FS g n”が用意されている。“FS g”はオートリトライ動作の回数を変更するためのコマンドであることを示すデータであり、“n”はその回数を指定するたのデータである。なお、第1の設定コマンドφ11あるいは第2の設定コマンドφ12によってオートリトライ動作が有効とされていない場合は、本コマンドφ14により設定された回数は認識後の動作に影響しない。コマンド実行部43は、この第4の設定コマンドφ14に基づき、動作パラメータ格納部50に格納されている動作パラメータのうち、オートリトライの回数に関する動作パラメータのみを変更する。本例では、例えば、“n”の値がそのままオートリトライ動作の回数として設定され、n=0のときには、第1の設定コマンドφ11や第2の設定コマンドφ12によってオートリトライ動作が有効とされていても、オートリトライ動作は行われない。
【0048】
図7にプリンタ1におけるコマンド受信処理のフローチャートを示してある。この図に基づき制御装置20内の処理を詳しく説明する。まず、ステップST1でホスト30から送信されたコマンドがコマンド受信部41で受信され、ステップST2において、コマンド解析部48によって受信されたコマンドが第1の設定コマンドφ11であると解釈されると、ステップST8で第1の設定コマンドφ11に従った処理が行われる。
【0049】
図8に第1の設定コマンドφ11が受信されたときの処理(ステップST8)の詳しいフローチャートを示してある。ステップST2において、コマンド解析部48によって第1の設定コマンドφ11であることを示す“FS d”が解釈されると、これに続いて送信される1バイトデータである“m”がステップST21で受信される。この1バイトデータが受信されると、ステップST22でそのデータ(m)が定義域内であるか否かが判断され、定義域内であれば、この1バイトデータに続いて送信される1バイトのデータである“n”がステップST23で受信される。この1バイトデータ(n)も1バイトデータ(m)と同様にステップST24で定義域内であるか否かが判断され、定義域内であることが確認されると、ステップST25において、コマンド実行部43によって、“m”および“n”の組み合わせに基づき動作パラメータ格納部50の動作パラメータが変更される。なお、“m”および“n”が定義域外の場合は、第1の設定コマンドφ11が無効とされ設定内容は変更されない。
【0050】
図7に戻って、ステップST3において、コマンド解析部48によってコマンド受信部41で受信されたコマンドが第2の設定コマンドφ12であると解釈されると、ステップST9でそのコマンドφ12に従った処理が行われる。図9には第2の設定コマンドφ12が受信されたときの処理(ステップST9)の詳しいフローチャートを示してある。ステップST3において、コマンド解析部48によって第2の設定コマンドφ12であることを示す“FS e”が解釈されると、これに続いて送信される1バイトデータである“n”がステップST26でコマンド受信部41で受信される。そして、ステップST27において、コマンド実行部43によって、“n”に基づき動作パラメータ格納部50の動作パラメータが変更される。
【0051】
再び図7に戻って、ステップST4において、コマンド解析部48によってコマンド受信部41で受信されたコマンドが第3の設定コマンドφ13であると解釈されると、ステップST10でそのコマンドφ13に従った処理が行われる。すなわち、コマンド解析部48で第3の設定コマンドφ13であることを示す“FS f”が解釈されると、これに続く1バイトデータである“n”が受信され、コマンド実行部43によってこの“n”に基づき読取範囲の右端を指定する文字コードが変更される。なお、この第3の設定コマンドφ14を受信したときの処理は、図9に示した第2の設定コマンドφ12を受信したときの処理と基本的に同様なので、処理フローの図示は省略する。ステップST5において、コマンド解析部48によって第4の設定コマンドであることを示す“FS g”が解釈されると、ステップST11でそのコマンドに従った処理が行われる。このステップST11では、コマンド解析部48で第4の設定コマンドφ14であることを示す“FS g”が解釈されると、これに続く1バイトデータである“n”が受信され、コマンド実行部43によってこの“n”に基づきオートリトライ動作の回数を示す動作パラメータが変更される。なお、この第4の設定コマンドφ14を受信したときの処理も図9に示した第2の設定コマンドφ12を受信したときの処理と基本的に同様なので、処理フローの図示は省略する。
【0052】
次に、ステップST6において、コマンド受信部41で受信されたコマンドが実行コマンドφ3であれば、動作パラメータ格納部50に格納されている現在の動作パラメータにしたがって、ステップST7でチェック6の処理動作が開始される。受信されたコマンドが設定コマンドφ1(φ11〜φ14)および実行コマンドφ2でなければ、ステップST12でその他のコマンドに従った処理が行われる。
【0053】
図10および図11に本例のプリンタ1におけるチェック6の処理動作(ステップST7)をフローチャートを用いて詳しく示してある。以下では、図2、図10および図11に基づきチェック6の処理動作を説明する。本例のプリンタ1では、チェック6を挿入口7にセットすると、そのチェック6は自動的に読取位置Rまで紙送りされ、そこに保持される。この状態で、上述した実行コマンドφ3が受信されると、ステップST31において、動作パラメータ格納部50の動作パラメータに基づき紙送り機構10およびMICR読取機構14が動作し、MICR読取機構14でチェック6のMICR文字6aが読み取られる。このときの読取動作における読取範囲は、上述したように、第1の設定コマンドφ11や第2の設定コマンドφ12によって読み取り範囲の指定が行われていない場合は、MICR文字6aの全ての印刷範囲になる。また、第1の設定コマンドφ11または第2の設定コマンドφ12で読取範囲の指定が設定されており、さらに、第3の設定コマンドφ13で所定の文字コードが指定されている場合は、チェック6の先頭から、最も右端にあるその文字コードまでの範囲が読取範囲となる。なお、文字コードが指定されている場合でも、その文字コードが認識されない場合は読み取り異常終了となる。
【0054】
次に、ステップST32において、MICR読取機構14から文字波形が得られているか否かが判断され、文字波形が得られていれば、ステップST33において、認識部42によって、第1あるいは第2の設定コマンドφ11あるいはφ12で設定された読取フォント(E13BあるいはCMC7)に基づきその文字波形が解析され、所定の文字として認識される。この認識結果は認識結果格納部51に格納される。そして、ステップST34において、その認識動作において解析不可能文字が検出されると、ステップST35で認識動作が異常終了したと判断され、データ送信部44からホスト30に送信されるデータの読取ステータスが異常終了に設定される。
【0055】
次に、ステップST36において、第1の設定コマンドφ11あるいは第2の設定コマンドφ12によってオートリトライ動作が指定され、且つ、第4の設定コマンドφ13で所定の回数(0は除く)が指定されていれば、上述した読取動作からの処理が再び行われる。オートリトライ動作で全ての文字を解析できれば、上述した読取ステータスが正常終了に設定され、ステップST39においてデータ送信部44からホスト30に第1の送信データ、すなわち、“ヘッダー+読取ステータス(正常終了)+認識結果(解析文字列)+NUL”がホスト30に送信される。なお、ステップST32で全く文字波形が得られなければ、ステップST40においてデータ送信部44からホスト30には第2の送信データ“ヘッダー+読取ステータス(異常終了)+NUL”がホスト30に送信される。
【0056】
設定されている回数のオートリトライ動作を行っても解析不可能文字があるときは、ステップST37において認識部42における認識動作が解析不可能文字を“?”に置換するように設定されているか否かが判断される。このステップST37で解析不可能文字を置換する処理が無効とされている場合、例えば、m=1かつn=0となった第1の設定コマンドφ11によって認識部42の認識動作およびMICR読取機構14の読取動作が設定されている場合は、解析不可能文字を検出した時点で、MICR読取機構14による読取動作および認識部42による認識動作が強制的に中止される。そして、このときは、ステップST40でデータ送信部44からホスト30に第2の送信データである“ヘッダー+読取ステータス(異常終了)+NUL”がホスト30に送信される。
【0057】
ステップST37において、第1の設定コマンドφ11あるいは第2の設定コマンドφ12によって、認識部42で解析不可能文字を“?”に置き換え、読取動作および認識動作を継続するように設定されていれば、ステップST38において認識部42で解析不可能文字を“?”に置き換えながら読取動作および認識動作が継続される。そして、ステップST38で認識動作中にその置換された文字(?)がN個以上になれば、本例では、その文字(?)が4個以上になれば、ステップST40でホスト30に第2の送信データである“ヘッダー+読取ステータス(異常終了)+NUL”が送信される。ステップST38で認識動作で解析不可能文字が3個以下であれば、ステップST39において、データ送信部44から第1の送信データ“ヘッダー+読取ステータス(異常終了)+認識文字列(?を含む認識文字列)+NUL”がホスト30に送信される。
【0058】
このように認識部42の認識動作が終了あるいは強制的に中止されると、ステップST41で紙送り機構10によるチェック6の搬送動作が行われる。この搬送動作では、第1の設定コマンドφ11あるいは第2の設定コマンドφ12によって読取ステータスに関係なくチェック6が排出されるように設定されていれば、認識部42における認識結果に関係なく、チェック6が排出位置Hまで紙送りされて装置外部に排出される。また、読取ステータスに応じてチェック6の待機位置が定まるように設定されていれば、チェック6が印刷位置Pに紙送りされ、この位置に保持される。そして、ステップST42でホストからの指示に従った処理が行われる。例えば、ホスト30から印刷、すなわち、チェック6に裏書きを実行させるための実行コマンドおよび印刷データが送信されると、そのコマンドおよびデータに従って裏書きが施される。
【0059】
なお、本発明は、一文字ごとに読み取り及び認識の動作を行わせるプリンタであっても、すべての文字を読み取った後認識動作を行わせるプリンタであっても適用することができる。
【0060】
以上説明したように、本例のプリンタ1においては、動作設定コマンドφ1として用意された4種類の設定コマンドφ11〜φ14に基づき読取動作、搬送動作および認識動作を変更するようにしている。例えば、第1の設定コマンドφ11あるいは第2の設定コマンドφ12と、第3の設定コマンドφ13によって読取動作における読取範囲を変更できる。このため、チェック6の先頭から必要な部分のデータを取得することができる。また、読取範囲を変更できるので、MICR文字6aの一部のみ、例えば、シリアル番号などが記載されている部分のみを読み取って、そのデータをホスト30に送信するといった柔軟な使い方ができる。本例のプリンタ1においては、ホスト30に送信するデータ、すなわち、第1の送信データおよび第2の送信データにはデータの終端を示す終端記号(NUL)が付加されているので、ホスト側では、読取範囲を変更した場合でも、この終端記号を識別することにより、MICR文字6aのデータ部分を容易に特定することができる。このため、オペレータの意図に従った読取範囲の指定を行うことができる。
【0061】
また、本例のプリンタ1においては、第1の設定コマンドφ11および第2の設定コマンドφ12によって認識動作における読取フォントを変更できるので、これらのコマンドをホスト30から送信して読取フォントを変更するだけで、1台のプリンタで異なるフォントのMICR文字6aが付されたチェック6を取り扱うことができる。特に、複数のプリンタが設置される大型店舗においてチェック6を使用できる環境を構築する場合、従来の印刷装置では異なるフォントのMICR文字6aが印刷されたチェック6を取扱できるように非常に多くのプリンタまたはMICRリーダを設置する必要がある。これに対して、本例のプリンタ1は、上述したように1台で複数のフォントのMICR文字6aを取り扱うことができるので、プリンタまたはMICRリーダの設置台数を大幅に削減でき、その環境を非常に低コストで構築できる。
【0062】
さらに、本例のプリンタ1では、第1の設定コマンドφ11および第2の設定コマンドφ12によって認識動作で解析不可能文字を検出したときの読取動作および認識動作の設定を変更できる。すなわち、認識動作において解析不可能文字が発生したら読取動作および認識動作を終了させたり、解析不可能文字が発生しても、その文字を特定の記号に置換して最後まで読取動作および認識動作を行わせたりすることができる。このため、オペレータの意図に応じた認識動作後の動作を行うことができる。また、本例のプリンタ1では、第1および第2の設定コマンドφ11およびφ12で認識動作が正常に終了したときには単票用紙を裏書きする位置に保持し、認識動作が異常に終了したときには単票用紙を強制的に排出するように設定できる。このため、チェック6の処理に対して最適な搬送動作を選択をすることができ、チェック6の処理時間を短縮できる。
【0063】
また、本例のプリンタ1では、第1および第2の設定コマンドφ11およびφ12と第4の設定コマンドφ14によってオートリトライ動作の有効、無効およびその回数の設定ができる。このため、認識動作が正常に終了しなかったときには、オートリトライ動作を実行させて再び読取動作および認識動作を行わせることができる。従って、認識動作が正常に終了しなかった場合、オペレータがチェック6を再び装置に設置する必要がなくなる。これにより、オペレータの作業を簡略化でき、チェック6を処理する時間も短縮できる。また、オートリトライ動作を無効とすることも可能であるので、よりオペレータの意図に則した動作を行うことが可能なフレキシブルな印刷装置を提供できる。
【0064】
このように本例のプリンタ1は、各設定コマンドφ11〜φ14に基づき読取動作、搬送動作、認識動作を変更できるので、ローカル接続されたパソコンやネットワークに接続されたホスト等からそれらのコマンドを送信するだけで数種類の動作が可能であり、汎用性が高く、使いやすさに優れている。
【0065】
なお、上述した方法は、プリンタのアプリケーションプログラムなどのソフトウェアとして実現でき、ROM22などに記録して提供可能である。また、ホスト30からプリンタ1に供給してプリンタ1のハードディスクなどの内蔵型の記録媒体に記録することによっても使用できる。勿論、ネットワークを介してプリンタ1でそのプログラムをダウンロードすることによって使用することも可能である。また、印刷機構12における印刷動作の設定を変更できる動作設定コマンドを設けても良い。
【0066】
以上説明したように、本発明においては、磁気パターンの読取機構における読取動作、単票用紙の搬送機構における搬送動作または磁気パターンを認識する認識動作の設定を変更するための動作設定コマンドを設け、このコマンドに基づき単票用紙を処理する際の各動作の設定を変更するようにしている。従って、本発明によれば、ローカル接続されたパソコンやネットワークを介してホストなどから動作設定コマンドを送信するだけで各動作の設定を変更でき、1台の印刷装置で数種類の処理動作を行うことができる。このため、オペレータの意図に則した単票用紙の処理動作を行うことのできる非常にフレキシブルな印刷装置を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】本発明を適用したプリンタの外観を示す斜視図である。
【図2】図1に示すプリンタの概略構成を模式的に示す図である。
【図3】図2に示す制御装置の概略の機能を示すブロック図である。
【図4】データ送信部から送信されるデータに含まれる読取ステータスを示す図である。
【図5】第1の設定コマンドの機能を説明するための図である。
【図6】第2の設定コマンドの機能を説明するための図である。
【図7】制御装置におけるコマンドを受信する処理のフローチャートである。
【図8】第1の設定コマンドを受信する処理のフローチャートである。
【図9】第2の設定コマンドを受信する処理のフローチャートである。
【図10】プリンタにおける認識動作までの処理を示すフローチャートである。
【図11】認識動作後の処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0068】
1・・プリンタ
6・・チェック
6a・・MICR文字
10・・紙送り機構(搬送機能)
12・・印刷機構
14・・MICR読取機構
20・・制御装置
30・・ホスト
37・・ドライバ
41・・コマンド受信部
42・・認識部
43・・コマンド実行部
44・・データ送信部
50・・動作パラメータ格納部
φ1・・動作設定コマンド
φ3・・実行コマンド
φ11・・第1の設定コマンド
φ12・・第2の設定コマンド
φ13・・第3の設定コマンド
φ14・・第4の設定コマンド
【技術分野】
【0001】
本発明は、単票用紙に付された磁気パターンを読み取り可能な印刷装置、その制御方法および印刷装置の制御プログラムが記録された記録媒体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
磁気パターンの1つであるMICR(Magnetic Ink Character Recognition)文字が付された単票用紙として、現金やカードと同様なパーソナルチェックが知られている。このパーソナルチェックは、その表面にカスタマーカウントやシリアル番号などのMICRデータが印刷されたものである。このようなパーソナルチェックの有効・無効の確認は、表面のMICR文字を照会することによって行うことができる。
【0003】
従来、MICRリーダと呼ばれる読み取りヘッド(磁気ヘッド)を用いてMICR文字を読み取り、その読み取り結果からパーソナルチェックが有効であると判断されると、パーソナルチェックをプリンタにセットして裏書きするようにしていた。これに対し、MICR文字の読み取り動作と裏書き動作が一連の動作として行うことができるように、MICRリーダの機能とプリンタの機能を備えた複合的な装置(以下では印刷装置と呼ぶ)が開発され、オペレータにかかる負担が大幅に軽減されつつある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
磁気ヘッドで読み取られたMICR文字は、予めROMなどに記録されている読み取りフォントにしたがった認識方法に基づいて、所定の文字あるいは記号などのキャラクタとして認識されるようになっている。従来のMICRリーダにおいては、その読み取りフォントは1種類であり、種類の異なるものに対しては、複数のMICRリーダを用意して使い分ける必要がある。これと同様に、異なるフォントのMICR文字が付されたそれぞれのパーソナルチェックを読み取るためには、それぞれのフォントに対応した複数の印刷装置(複合装置)を用意する必要があり、パーソナルチェックを取扱できる環境を構築するには大変な費用がかかる。また、オペレータによってパーソナルチェックに付されているMICR文字のフォントに対応して印刷装置を選択するのでは、その作業についてのオペレータの負担は軽減されない。
【0005】
また、従来のMICRリーダでは、MICR文字を読み取った後にパーソナルチェックは装置外に排出されるだけであるのに対して、印刷装置では、パーソナルチェックは裏書きをする位置にセットされ、オペレータがパーソナルチェックを再びセットし直す手間を省くことができる。しかしながら、MICR文字を認識できなかったときには、パーソナルチェックを装置外に排出させる操作を行い、再びセットしないといけないので、このようなケースでは若干手間がかかる。
【0006】
このように、MICRリーダとプリンタとを設置するのと比較すると、MICR文字の読取機構と印刷機構とを複合的に備えた印刷装置を用いることにより、オペレータの負担は大幅に軽減できるが、MICR文字の種類が異なる、あるいは読取ができないなどの特殊なケースでは依然として操作に手間がかかり、さらに改良すべき点がある。
【0007】
そこで、本発明においては、認識結果などに応じて数種類の動作を行うことができるさらに便利で汎用性の高い印刷装置およびその制御方法を提供することを目的としている。そして、多種多様な単票用紙およびその読取結果に対応した処理ができる印刷装置およびその制御方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
従来のMICRリーダはパーソナルチェックからMICR文字を読み取って、その認識結果をホストに送信する機能しか有していなかったのに対して、MICR読取機能と印刷機能を共に備えた印刷装置は、ホストから印刷用のデータおよび制御用のコマンドも受信できるようになっており、さらに、単票用紙の搬送機構も前後方向に動き、位置決めもできるようになっている。本発明においては、この点に着目して、読取ヘッドなどを備える読取機構における読取動作、単票用紙を搬送する搬送機構における搬送動作または磁気パターンを認識する認識動作の設定を変更するための動作設定コマンドを設け、このコマンドに基づき単票用紙からMICR文字を読み取った後の各動作を設定できるようにしている。これにより、ホスト側から動作設定コマンドを送信することにより、個々の単票用紙、あるいはオペレータの意図に応じた処理動作が行える印刷装置を実現できるようにしている。
【0009】
すなわち、本発明の印刷装置は、単票用紙に付された磁気パターンを読取可能な読取機構と、単票用紙を搬送可能な搬送機構と、単票用紙を印刷可能な印刷機構と、読取機構、搬送機構および印刷機構を制御可能な制御装置とを有し、制御装置は、読取機構で読み取った磁気パターンを認識可能な認識部と、読取機構の読取動作、搬送機構の搬送動作また認識部の認識動作の設定を変更可能な動作設定コマンドを受信可能な受信部と、動作設定コマンドを実行可能、すなわち、動作設定コマンドにより各動作の設定を変更可能なコマンド実行部とを備えていることを特徴としている。
【0010】
また、本発明の印刷装置の制御方法は、単票用紙に付された磁気パターンを読み取る読取工程と、読取工程で読み取った磁気パターンを認識する認識工程と、単票用紙を搬送する搬送工程と、単票用紙を印刷する印刷工程とを有する印刷装置の制御方法であって、読取工程における読取動作、認識工程における認識動作または搬送工程における搬送動作の設定を変更可能な動作設定コマンドを受信する受信工程と、動作設定コマンドを実行可能なコマンド実行工程とを有することを特徴としている。
【0011】
本発明の印刷装置およびその制御方法では、動作設定コマンドを受信すると、そのコマンドに基づき読取動作、搬送動作、認識動作の設定を変更する。このため、ホスト側からMICR文字の読取命令があると新たに設定された動作で一連のMICR文字の読取処理が行われる。このように本発明の印刷装置およびその制御方法では、ローカル接続されたパソコンやネットワークに接続されたホスト等から動作設定コマンドを送信するだけでMICR文字の読み取りの動作内容を変更することができる。従って、汎用性が高く、使いやすい複合型の印刷装置を提供できる。そして、1台の印刷装置あるいはMICR文字読み取り機構で、複数の種類の異なるチェックなどのMICR文字の付された単票用紙を処理でき、また、読み取りに関する各種動作も変えることができるので、複数のMICR読み取り機能を印刷装置に収納したり、あるいは、POSステーションに複数の印刷装置を設置する必要はなく、シンプルな構成で様々な単票用紙および読み取り時の状態に対応可能な印刷装置を提供することができる。
【0012】
本発明においては、動作設定コマンドに読取動作における読取範囲の設定を変更できる機能を設けることが望ましい。このようなコマンドによって読取機構における読取範囲の設定を変更できるようにすれば、読み取り範囲を予め最終文字などで限定できれば、読取および認識動作を短時間で行うことができる。
【0013】
また、本発明においては、動作設定コマンドに認識動作で認識するフォントの設定を変更できる機能を設けること望ましい。このようにすれば、動作設定コマンドを送信するだけで、1台の印刷装置でフォントの異なる磁気パターンが付された単票用紙を取り扱うことが可能となる。このため、オペレータは異なったフォントの付された単票用紙であっても1台の印刷装置で読取フォントを切り換えるだけで、それらの単票用紙を取り扱うことができる。従って、オペレータにかかる負担を大幅に軽減できる。また、1台の印刷装置で様々なフォントの磁気パターンを処理できるので、種々単票用紙を取扱できる環境を低コストで構築することができる。
【0014】
さらに、本発明においては、動作設定コマンドに認識動作で解析不可能文字を検出したときの読取動作及び/又は認識動作の設定を変更できる機能を設けることが望ましい。このような動作設定コマンドを実行して、設定されている動作を変更できれば、認識動作において解析不可能文字が発生したら読取動作および認識動作を終了させたり、解析不可能文字が発生したときに、その文字を特定の記号に置換して最後まで読取動作および認識動作を行わせたりするなどといった複数の動作の内から、オペレータの意図などに応じた動作を設定することができる。なお、本発明の印刷装置においては、解析不可能文字が発生した時点で読取動作および認識動作を終了させて、単票用紙の処理が異常終了したことを示すデータをホストに送信するように設定しても良く、また、解析不可能文字を特定の記号に置換するように認識動作を設定しても良い。また、解析不可能文字を特定の記号に置換した場合、その記号の個数に応じてホスト側に認識結果(特定の記号を含む認識文字列)の送信を行うか否かの決定を行うようにしても良い。
【0015】
また、本発明においては、動作設定コマンドに認識動作後の搬送動作の設定を変更できる機能を設けることが望ましい。このようなコマンドを実行できれば、認識動作が終了した後に、単票用紙を一旦排出させる、あるいは裏書きされる位置に移動させるなどの設定が可能となり、オペレータの意図に応じた動作を行うことができる。この場合、認識結果に基づいて搬送動作が決定される設定をしても良く、例えば、認識動作が正常に終了したときには単票用紙を裏書きする位置に移動後保持し、認識動作が異常に終了したときには単票用紙を強制的に排出するように設定しても良い。このように認識動作後の搬送動作の設定を変更することができるので、より使いやすい印刷装置を実現できる。また、認識動作後の搬送動作の設定を変更することにより、単票用紙の処理に対して最適な搬送動作を行うことが可能となり、印刷装置が単票用紙を処理するのに必要な処理時間を大幅に削減できるという効果も奏する。
【0016】
さらに、本発明の印刷装置の搬送機構は前後方向に用紙を送ることができるので、認識動作が正常に終了しないときに単票用紙を自動的にMICR文字の読み取り開始位置から読めるようにセットし直して読取動作および認識動作を繰り返すオートリトライ動作を行うことができる。このオートリトライ動作を実行可能な動作実行コマンドを設ければ、認識処理が正常に終了しないとき、例えば、解析不可能文字があったときには、単票用紙をセットし直して再び読取動作および認識動作を行わせるというオペレータの作業を軽減できる。また、単票用紙をセットし直す際の操作ミスなどから単票用紙を処理する時間が長くなるといったこともなくすことができる。一方、認識できない場合でも、オペレータが適当な処理を待って印刷動作を行うというケースもあり、このような場合は、動作設定コマンドでオートリトライ動作を無効としておくことによって対応可能である。
【0017】
本発明においては、このような各コマンドを動作設定コマンドとして個々に設けることが可能であり、また、上述したそれぞれの動作を一括して変更できる動作設定コマンドを設けることも可能である。個々の動作の設定を変更するコマンドを設けた場合は、所定の動作のみを変更できるようにすれば良いので、設定を変更する必要のない動作については改めて設定する必要がない。また、コマンドの構造を簡易にでき、コマンドを解析する処理などを簡易に行うことができる。一方、各動作を一括して変更できる動作設定コマンドであれば、そのコマンドを印刷装置に1度送るだけで各動作を変更できるので、複数の動作を同時に変更するときにはその処理を容易に行うことができる。また、本発明においては、読取機構や搬送機構、認識部の動作設定に限らず、印刷機構における印刷動作の設定を変更可能な動作設定コマンドを設けておいても良い。
【0018】
上述した印刷装置の制御方法は、上記の機能を実行可能な命令を有する制御プログラムとして記録媒体であるROMなどに記録して提供することが可能である。その制御プログラムは、単票用紙の磁気パターンを読み取る読取処理と、読取処理で読み取った磁気パターンを認識する認識処理と、単票用紙を搬送する搬送処理と、単票用紙を印刷する印刷処理とを実行可能な命令を有する制御プログラムであって、読取処理における読取動作、認識処理における認識動作または搬送処理における搬送動作の設定を変更可能な動作設定コマンドを受信する受信処理と、動作設定コマンドを実行するコマンド実行処理とを実行可能な命令を有することが望ましい。
【発明の効果】
【0019】
以上説明したように、本発明においては、磁気パターンの読取機構における読取動作、単票用紙の搬送機構における搬送動作または磁気パターンを認識する認識動作の設定を変更するための動作設定コマンドを設け、このコマンドに基づき単票用紙を処理する際の各動作の設定を変更するようにしている。従って、本発明によれば、ローカル接続されたパソコンやネットワークを介してホストなどから動作設定コマンドを送信するだけで各動作の設定を変更でき、1台の印刷装置で数種類の処理動作を行うことができる。このため、オペレータの意図に則した単票用紙の処理動作を行うことのできる非常にフレキシブルな印刷装置を実現できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下に図面を参照して本発明を適用した印刷装置を説明する。図1に、本例の印刷装置(以下、プリンタ)の外観を示してある。また、図2に、プリンタの概略構成を紙経路に沿って模式的に示してある。
【0021】
本例のプリンタ1は、店舗の支払いに使用される個人使用可能な小切手として、銀行で発行される単票用紙(パーソナルチェック、以下、チェックとする。)6を取扱できるようになっている。チェック6は、その表面に、使用者の口座番号、チェック紙の通し番号などが磁気パターンの1つであるMICR文字(磁気インク文字)6aで印刷されたものである。MICR文字6aとして印刷された各データは、MICR文字6aをMICRヘッド(磁気ヘッド)でサーチすることにより得られる文字波形を解析することによって判別される。
【0022】
本例のプリンタ1は、上面がドキュメントテーブル3になったほぼ直方体状のベース部2と、ドキュメントテーブル3のほぼ中央部分に取り付けられた上部カバー4を有し、これらによって紙経路5が構成されている。挿入口7に対しては、チェック6を紙経路5に沿った方向(X方向)からと、紙経路5に直交する方向(Y方向)のそれぞれの方向から挿入できるようになっている。本例のプリンタ1には、ドキュメントテーブル3の図面に向かって右側にはローカル操作を行う操作パネル9aが設けられ、また、ベース部2に電源スイッチ9bが設けられている。
【0023】
本例のプリンタ1においては、ベース部2と上部カバー4によって構成された紙経路5には、チェック6を紙経路5に沿った方向に紙送り可能な紙送りローラ11などを備えた紙送り機構(搬送機構)10、チェック6に裏書きを行うことが可能な印刷ヘッド13を備えた印刷機構12、チェック6に付されたMICR文字6aを読取可能なMICRヘッド15を備えたMICR読取機構14がこの順序で配列されている。これらの各機構10、12および14は制御装置20によって制御されるようになっている。このように本例のプリンタ1は、MICR読取機構14と印刷機構12とを備えた複合型の処理装置である。
【0024】
制御装置20は、CPU21を中心に構成されており、このCPU21には、各機構10、12および14を制御するための制御プログラムや各種の動作パラメータなどが記録されたROM22と、それらの動作パラメータを一時的に格納するための動作パラメータ格納領域23aが確保され、また、MICR文字6aを読み取ることにより得られるMICRデータ、このMICRデータの認識結果およびホストから送信される印刷データの一時記憶領域などが確保されるRAM23と、パソコンなどのホスト30あるいはPOSなどの機器とインターフェースケーブル31あるいは赤外線インターフェースなどによって接続されたインターフェース24とが接続されている。このインターフェース24を介してホストとの間で制御コマンド、印刷データ、認識結果等を送受信できるようになっている。また、CPU21には、紙送り機構10を制御可能な紙送り制御回路25、印刷機構12を制御可能な印刷制御回路26およびMICR読取機構14を制御可能なMICR制御回路27が接続されており、各機構10、12および14がそれぞれの制御回路25、26および27を介してCPU21によって制御される。
【0025】
なお、プリンタ1は、ホスト30上で稼働するアプリケーションプログラムから制御することが可能である。また、ホスト30となるパソコンやPOSは、フロッピーディスク(登録商標)32やCD−ROMなどの移動式の記録媒体を介して供給された制御プログラムをプリンタ1に供給することも可能である。さらに、ホスト30となるパソコンにインターネットなどのコンピュータネットワーク33と交信する機能を設け、ネットワーク経由で供給される制御プログラムを受信してハードディスク34などの内蔵型の記録装置に一旦記録した後、その制御プログラムをプリンタ1に供給することも可能である。勿論、LANドライバをプリンタ1に搭載し、プリンタ1をネットワークに直に接続して、制御プログラムなどをネットワーク経由でプリンタ1に供給することも可能である。
【0026】
このような本例のプリンタ1における基本的な動作は次の通りである。挿入口7にチェック6が挿入されると、チェック6が紙送り機構10によって、MICR文字6aの後端部分がMICRヘッド15の上に配置する読取位置Rまで紙送りされる。その後、紙送り機構10によって逆方向(挿入口7の方向)に送られながら、そこに付されているMICR文字6aがMICRヘッド15によって読み込まれる。MICR文字6aが全て読み込まれると、裏書きされるべき部分が印刷ヘッド12の上に位置する印刷位置Pまで搬送される。本例のプリンタ1では、MICRヘッド15で得られた文字波形が全て所定の文字として認識されると、インターフェース24を介してその認識結果(認識文字列)がホスト30に送信される。ホスト30側でその認識結果に基づきチェック6の有効性が確認されると、ホスト30からプリンタ1に対してチェック6の裏書きを開始するためのコマンドや印刷データが送信される。プリンタ1では、このコマンドや印刷データに基づきチェック6に裏書きを施す。そして、裏書きが終了した後は、紙送り機構10によって排紙口8からチェック6が排出される。すなわち、チェック6が紙送り機構10によって排出位置Hまで逆方向に紙送りされる。また、MICRヘッド15で読み込まれたデータの全てが文字として認識されない場合や、パソコン30側でチェック6の有効性が確認できない場合は、印刷位置Pに保持されているチェック6が紙送り機構10によって強制的に排出位置Hに搬送される。
【0027】
本例のプリンタ1においては、上述した基本的な動作を、ホスト30から送信される動作設定コマンドを受信することによって変更することができる。すなわち、紙送り機構10における搬送動作、印刷機構12における印刷動作およびMICR読取機構14における読取動作の設定を変更することができるようになっている。
【0028】
図3に制御装置20の概略の機能ブロック図を示してある。この図に示すように、本例の制御装置20は、ホスト30から送信される動作設定コマンドφ1やチェック6の処理を開始させるための実行コマンドなどの各種のコマンドφ2を受信可能な受信部であるコマンド受信部41と、MICR読取機構14のMICRヘッド15で読み取ったMICR文字6aを認識可能な認識部42と、各種のコマンドφ2を実行可能なコマンド実行部43と、認識部42の認識結果をホスト30に送信可能なデータ送信部44とを有している。また、コマンド受信部41で受信されたコマンドを解析するコマンド解析部48と、各種の動作を行わせるための動作パラメータが格納されている動作パラメータ格納部50とを有している。さらに、紙送り機構10、印刷機構12およびMICR読取機構14を、それぞれ制御可能な紙送り機構制御部47、印刷機構制御部46および読取機構制御部45を有している。さらにまた、認識部42における認識結果が格納される認識結果格納部51を有している。
【0029】
コマンド実行部43は、コマンドφ2のうち、MICR文字6aの読み取りなどの処理を実行する実行コマンドが入力されると、動作パラメータ格納部50に格納(設定)されている動作パラメータに基づき紙送り機構制御部47、印刷機構制御部46および読取機構制御部45を介してそれぞれの機構10、12および14の動作を制御できるようになっている。また、コマンド実行部43は、動作パラメータ格納部50に格納されている動作パラメータに基づき認識部42およびデータ送信部44の動作も制御可能である。さらに、コマンド実行部43は、上記の各機構および認識部42の動作の設定を変更する動作設定コマンドφ1が入力されると、それに基づき動作パラメータ格納部50に設定されている動作パラメータを更新し、動作設定を変更できるようになっている。
【0030】
認識部42は、コマンド実行部43の制御のもとに、MICRヘッド15によって読み取られたMICR文字6aを所定の読取フォントに基づいて解析でき、また、解析不可能文字があるとその文字を所定の記号、例えば、“?”に置き換えることができる。認識部42における認識動作では、動作パラメータ格納部50の動作パラメータで指示されている読取フォントに応じた認識処理が行われる。
【0031】
データ送信部44は、コマンド実行部43の制御のもとに、認識部42の認識結果をホスト30に送信できるようになっており、本例では、認識動作の終了状態に応じて第1および第2の送信データを送信できる。第1の送信データは“ヘッダー+読取ステータス+認識文字列+NUL”であり、第2の送信データは“ヘッダー+読取ステータス+NUL”である。なお、ヘッダーは認識結果の送信データであることを示すデータであり、読取ステータスは認識部42における認識動作が正常終了あるいは異常終了したか否かを示すデータである。また、認識文字列は認識部42における認識結果であり、“NUL”は認識文字列の終端を示す終端記号である。第2の送信データが送信される場合は次の3通りであり、その他の場合は第1の送信データが送信される。なお、送信データに含まれる読取ステータスは図4(A)および(B)に示す通りである。
【0032】
第2の送信データが送信される場合:
1.MICR読取機構14でMICR文字6aを読み取ったときに、文字波形が得られなかったとき。
【0033】
2.認識部42の認識動作が解析不可能文字を“?”に置き換えるように設定されており、その解析不可能文字が所定の個数(本例では、3個)より多いとき。
【0034】
3.動作設定コマンドφ1によって読み取り範囲が指定されている場合に、指定された最終文字が認識されなかった場合。
【0035】
コマンド実行部43は動作設定コマンドφ1として4種類のコマンドによる設定処理を実行でき、1種類の実行コマンド(“FS a 0”)φ3を実行できるようになっている。これに対して、ホスト30は、動作設定コマンドφ1として、チェック6の読取動作の設定を変更するための第1の設定コマンドφ11、チェック6の読取動作の一括指定を行うための第2の設定コマンドφ12、チェック6の読取範囲を指定するための第3の設定コマンドφ13、およびオートリトライの回数を指定するための第4の設定コマンドφ14の4種類の動作設定コマンドと、1種類の実行コマンドφ3を出力可能なドライバ37を有している。
本例では、第1の設定コマンドφ11として、“FS d m n”が用意されている。“FS d”はチェック6の読取動作を選択するコマンドであることを示すデータであり、“m”は読取動作の種類を指定するためのデータである。また、“n”は“m”で指定された読取動作の設定を変更するためのデータである。図5(A)および(B)には、“m”および“n”の組み合わせによって変更される読取動作の例を示してある。第1の設定コマンドφ11によって次のように動作の設定を変更することができる。すなわち、コマンド実行部43によって動作パラメータ格納部50の動作パラメータが次のように変更される。
【0036】
A.m=0の場合は、読み取りフォントが変更される。具体的には、
n=0であると、認識部42における認識動作の読取フォントがE13Bに設定される。
【0037】
n=1であると、認識部42における認識動作の読取フォントがCMC7に設定される。
【0038】
B.m=1の場合は、認識動作における解析不可能文字の処理方法が変更される。具体的には、
n=0であると、認識部42における認識動作で解析不可能文字が検出されたときにMICR読取機構14による読取動作が中止されるように設定される。
【0039】
n=1であると、認識部42における認識動作で解析不可能文字が検出されると、その解析不可能文字を所定の記号、例えば、“?”に置き換えながら認識動作およびMICR読取機構14による読取動作が継続されるように設定される。
C.m=2の場合は、認識動作における読取範囲が変更される。具体的には、
n=0であると、MICR読取機構14による読取動作における読取範囲を制限せずに、MICR文字6aの全ての印刷範囲が読取範囲として設定される。
【0040】
n=1であると、MICR読取機構14による読取動作における読取範囲を制限できるように設定される。なお、実際の読取範囲は後述する第3の設定コマンドφ13の文字コードによって設定され、本コマンドφ11は読取範囲を制限するか否かの変更を行うのみである。
【0041】
D.m=3の場合は、認識動作後の動作が変更される。具体的には、
n=0であると、認識部42における認識動作が正常終了したときに、紙送り機構10でチェック6を印刷位置Pまで紙送りし、その位置Pに保持させるように設定される。また、解析不可能文字を“?”に置換して認識動作を継続するように設定され、且つ、認識結果がホスト30に送信される場合もチェック6を印刷位置Pに保持させる。
【0042】
n=1が指定されると、認識部42での認識結果に関係なく紙送り機構10でチェック6を排出位置Hに紙送りされるように設定される。
【0043】
E.m=4の場合は、オートリトライ動作が変更される。具体的には、
n=0が指定されると、認識部42の認識結果に関係なく、オートリトライ動作が行われないように設定される。
【0044】
n=1が指定されると、認識部42の認識処理において解析不可能文字が発生したならオートリトライ動作が行われるように設定される。なお、オートリトライ動作の回数は後述する第4の設定コマンドφ14によって設定され、本コマンドφ11はオートリトライ動作の有効・無効が設定されるだけである。また、第4の設定コマンドφ14でオートリトライ動作の回数が“0”に設定されたときは、本コマンドφ11でオートリトライ動作が有効に設定されていても、その動作は行われない。
【0045】
本例では、第2の設定コマンドφ12として、“FS e n”が用意されている。“FS e”はチェック6の読取動作を一括して変更することができるコマンドであることを示すデータである。“n”は読取動作の種類の指定および変更を一括して行うためのデータであり、本例では、例えば、1バイトのデータである。図6に示すように、“n”の各ビットには読取動作の種類が割り当てられており、そのビット値を“0”あるいは“1”に変更することにより、割り当てられた動作の内容を変更できるようになっている。このように第2の設定コマンドφ12は、第1の設定コマンドφ11が1種類の動作の設定を変更できるのに対して、全ての動作(本例では5種類の動作)を一括して変更できる。すなわち、第2の設定コマンドφ12がコマンド実行部43で実行され、この設定コマンドφ12に従って動作パラメータ格納部50の動作パラメータが変更される。
【0046】
さらに、本例では、第3の設定コマンドφ13として、“FS f n”が用意されている。“FS f”は読取範囲を変更するためのコマンドであることを示すデータであり、“n”は読取範囲を指定するためのデータである。本例では、n=0とすると、MICR文字6aの全ての印刷範囲が読取範囲として設定できる。また、“n”を所定の文字コードとすると、MICR文字6aの先頭から最も右端にあるその文字コードまでの読み取りを行うように設定できる。すなわち、MICR文字6aを読みはじめて所定の文字を読み取った位置からチェック6の先頭までの範囲が読取範囲となり、実質的に読取範囲が狭くなる。なお、所定の文字コードが認識されない場合は、読み取り異常終了となる。また、第1の設定コマンドφ11あるいは第2の設定コマンドφ12によって読取範囲の指定が選択されていない場合は、本コマンドφ13により設定された文字コードは読み取り処理に影響しない。
【0047】
また、本例では、第4の設定コマンドφ14として、“FS g n”が用意されている。“FS g”はオートリトライ動作の回数を変更するためのコマンドであることを示すデータであり、“n”はその回数を指定するたのデータである。なお、第1の設定コマンドφ11あるいは第2の設定コマンドφ12によってオートリトライ動作が有効とされていない場合は、本コマンドφ14により設定された回数は認識後の動作に影響しない。コマンド実行部43は、この第4の設定コマンドφ14に基づき、動作パラメータ格納部50に格納されている動作パラメータのうち、オートリトライの回数に関する動作パラメータのみを変更する。本例では、例えば、“n”の値がそのままオートリトライ動作の回数として設定され、n=0のときには、第1の設定コマンドφ11や第2の設定コマンドφ12によってオートリトライ動作が有効とされていても、オートリトライ動作は行われない。
【0048】
図7にプリンタ1におけるコマンド受信処理のフローチャートを示してある。この図に基づき制御装置20内の処理を詳しく説明する。まず、ステップST1でホスト30から送信されたコマンドがコマンド受信部41で受信され、ステップST2において、コマンド解析部48によって受信されたコマンドが第1の設定コマンドφ11であると解釈されると、ステップST8で第1の設定コマンドφ11に従った処理が行われる。
【0049】
図8に第1の設定コマンドφ11が受信されたときの処理(ステップST8)の詳しいフローチャートを示してある。ステップST2において、コマンド解析部48によって第1の設定コマンドφ11であることを示す“FS d”が解釈されると、これに続いて送信される1バイトデータである“m”がステップST21で受信される。この1バイトデータが受信されると、ステップST22でそのデータ(m)が定義域内であるか否かが判断され、定義域内であれば、この1バイトデータに続いて送信される1バイトのデータである“n”がステップST23で受信される。この1バイトデータ(n)も1バイトデータ(m)と同様にステップST24で定義域内であるか否かが判断され、定義域内であることが確認されると、ステップST25において、コマンド実行部43によって、“m”および“n”の組み合わせに基づき動作パラメータ格納部50の動作パラメータが変更される。なお、“m”および“n”が定義域外の場合は、第1の設定コマンドφ11が無効とされ設定内容は変更されない。
【0050】
図7に戻って、ステップST3において、コマンド解析部48によってコマンド受信部41で受信されたコマンドが第2の設定コマンドφ12であると解釈されると、ステップST9でそのコマンドφ12に従った処理が行われる。図9には第2の設定コマンドφ12が受信されたときの処理(ステップST9)の詳しいフローチャートを示してある。ステップST3において、コマンド解析部48によって第2の設定コマンドφ12であることを示す“FS e”が解釈されると、これに続いて送信される1バイトデータである“n”がステップST26でコマンド受信部41で受信される。そして、ステップST27において、コマンド実行部43によって、“n”に基づき動作パラメータ格納部50の動作パラメータが変更される。
【0051】
再び図7に戻って、ステップST4において、コマンド解析部48によってコマンド受信部41で受信されたコマンドが第3の設定コマンドφ13であると解釈されると、ステップST10でそのコマンドφ13に従った処理が行われる。すなわち、コマンド解析部48で第3の設定コマンドφ13であることを示す“FS f”が解釈されると、これに続く1バイトデータである“n”が受信され、コマンド実行部43によってこの“n”に基づき読取範囲の右端を指定する文字コードが変更される。なお、この第3の設定コマンドφ14を受信したときの処理は、図9に示した第2の設定コマンドφ12を受信したときの処理と基本的に同様なので、処理フローの図示は省略する。ステップST5において、コマンド解析部48によって第4の設定コマンドであることを示す“FS g”が解釈されると、ステップST11でそのコマンドに従った処理が行われる。このステップST11では、コマンド解析部48で第4の設定コマンドφ14であることを示す“FS g”が解釈されると、これに続く1バイトデータである“n”が受信され、コマンド実行部43によってこの“n”に基づきオートリトライ動作の回数を示す動作パラメータが変更される。なお、この第4の設定コマンドφ14を受信したときの処理も図9に示した第2の設定コマンドφ12を受信したときの処理と基本的に同様なので、処理フローの図示は省略する。
【0052】
次に、ステップST6において、コマンド受信部41で受信されたコマンドが実行コマンドφ3であれば、動作パラメータ格納部50に格納されている現在の動作パラメータにしたがって、ステップST7でチェック6の処理動作が開始される。受信されたコマンドが設定コマンドφ1(φ11〜φ14)および実行コマンドφ2でなければ、ステップST12でその他のコマンドに従った処理が行われる。
【0053】
図10および図11に本例のプリンタ1におけるチェック6の処理動作(ステップST7)をフローチャートを用いて詳しく示してある。以下では、図2、図10および図11に基づきチェック6の処理動作を説明する。本例のプリンタ1では、チェック6を挿入口7にセットすると、そのチェック6は自動的に読取位置Rまで紙送りされ、そこに保持される。この状態で、上述した実行コマンドφ3が受信されると、ステップST31において、動作パラメータ格納部50の動作パラメータに基づき紙送り機構10およびMICR読取機構14が動作し、MICR読取機構14でチェック6のMICR文字6aが読み取られる。このときの読取動作における読取範囲は、上述したように、第1の設定コマンドφ11や第2の設定コマンドφ12によって読み取り範囲の指定が行われていない場合は、MICR文字6aの全ての印刷範囲になる。また、第1の設定コマンドφ11または第2の設定コマンドφ12で読取範囲の指定が設定されており、さらに、第3の設定コマンドφ13で所定の文字コードが指定されている場合は、チェック6の先頭から、最も右端にあるその文字コードまでの範囲が読取範囲となる。なお、文字コードが指定されている場合でも、その文字コードが認識されない場合は読み取り異常終了となる。
【0054】
次に、ステップST32において、MICR読取機構14から文字波形が得られているか否かが判断され、文字波形が得られていれば、ステップST33において、認識部42によって、第1あるいは第2の設定コマンドφ11あるいはφ12で設定された読取フォント(E13BあるいはCMC7)に基づきその文字波形が解析され、所定の文字として認識される。この認識結果は認識結果格納部51に格納される。そして、ステップST34において、その認識動作において解析不可能文字が検出されると、ステップST35で認識動作が異常終了したと判断され、データ送信部44からホスト30に送信されるデータの読取ステータスが異常終了に設定される。
【0055】
次に、ステップST36において、第1の設定コマンドφ11あるいは第2の設定コマンドφ12によってオートリトライ動作が指定され、且つ、第4の設定コマンドφ13で所定の回数(0は除く)が指定されていれば、上述した読取動作からの処理が再び行われる。オートリトライ動作で全ての文字を解析できれば、上述した読取ステータスが正常終了に設定され、ステップST39においてデータ送信部44からホスト30に第1の送信データ、すなわち、“ヘッダー+読取ステータス(正常終了)+認識結果(解析文字列)+NUL”がホスト30に送信される。なお、ステップST32で全く文字波形が得られなければ、ステップST40においてデータ送信部44からホスト30には第2の送信データ“ヘッダー+読取ステータス(異常終了)+NUL”がホスト30に送信される。
【0056】
設定されている回数のオートリトライ動作を行っても解析不可能文字があるときは、ステップST37において認識部42における認識動作が解析不可能文字を“?”に置換するように設定されているか否かが判断される。このステップST37で解析不可能文字を置換する処理が無効とされている場合、例えば、m=1かつn=0となった第1の設定コマンドφ11によって認識部42の認識動作およびMICR読取機構14の読取動作が設定されている場合は、解析不可能文字を検出した時点で、MICR読取機構14による読取動作および認識部42による認識動作が強制的に中止される。そして、このときは、ステップST40でデータ送信部44からホスト30に第2の送信データである“ヘッダー+読取ステータス(異常終了)+NUL”がホスト30に送信される。
【0057】
ステップST37において、第1の設定コマンドφ11あるいは第2の設定コマンドφ12によって、認識部42で解析不可能文字を“?”に置き換え、読取動作および認識動作を継続するように設定されていれば、ステップST38において認識部42で解析不可能文字を“?”に置き換えながら読取動作および認識動作が継続される。そして、ステップST38で認識動作中にその置換された文字(?)がN個以上になれば、本例では、その文字(?)が4個以上になれば、ステップST40でホスト30に第2の送信データである“ヘッダー+読取ステータス(異常終了)+NUL”が送信される。ステップST38で認識動作で解析不可能文字が3個以下であれば、ステップST39において、データ送信部44から第1の送信データ“ヘッダー+読取ステータス(異常終了)+認識文字列(?を含む認識文字列)+NUL”がホスト30に送信される。
【0058】
このように認識部42の認識動作が終了あるいは強制的に中止されると、ステップST41で紙送り機構10によるチェック6の搬送動作が行われる。この搬送動作では、第1の設定コマンドφ11あるいは第2の設定コマンドφ12によって読取ステータスに関係なくチェック6が排出されるように設定されていれば、認識部42における認識結果に関係なく、チェック6が排出位置Hまで紙送りされて装置外部に排出される。また、読取ステータスに応じてチェック6の待機位置が定まるように設定されていれば、チェック6が印刷位置Pに紙送りされ、この位置に保持される。そして、ステップST42でホストからの指示に従った処理が行われる。例えば、ホスト30から印刷、すなわち、チェック6に裏書きを実行させるための実行コマンドおよび印刷データが送信されると、そのコマンドおよびデータに従って裏書きが施される。
【0059】
なお、本発明は、一文字ごとに読み取り及び認識の動作を行わせるプリンタであっても、すべての文字を読み取った後認識動作を行わせるプリンタであっても適用することができる。
【0060】
以上説明したように、本例のプリンタ1においては、動作設定コマンドφ1として用意された4種類の設定コマンドφ11〜φ14に基づき読取動作、搬送動作および認識動作を変更するようにしている。例えば、第1の設定コマンドφ11あるいは第2の設定コマンドφ12と、第3の設定コマンドφ13によって読取動作における読取範囲を変更できる。このため、チェック6の先頭から必要な部分のデータを取得することができる。また、読取範囲を変更できるので、MICR文字6aの一部のみ、例えば、シリアル番号などが記載されている部分のみを読み取って、そのデータをホスト30に送信するといった柔軟な使い方ができる。本例のプリンタ1においては、ホスト30に送信するデータ、すなわち、第1の送信データおよび第2の送信データにはデータの終端を示す終端記号(NUL)が付加されているので、ホスト側では、読取範囲を変更した場合でも、この終端記号を識別することにより、MICR文字6aのデータ部分を容易に特定することができる。このため、オペレータの意図に従った読取範囲の指定を行うことができる。
【0061】
また、本例のプリンタ1においては、第1の設定コマンドφ11および第2の設定コマンドφ12によって認識動作における読取フォントを変更できるので、これらのコマンドをホスト30から送信して読取フォントを変更するだけで、1台のプリンタで異なるフォントのMICR文字6aが付されたチェック6を取り扱うことができる。特に、複数のプリンタが設置される大型店舗においてチェック6を使用できる環境を構築する場合、従来の印刷装置では異なるフォントのMICR文字6aが印刷されたチェック6を取扱できるように非常に多くのプリンタまたはMICRリーダを設置する必要がある。これに対して、本例のプリンタ1は、上述したように1台で複数のフォントのMICR文字6aを取り扱うことができるので、プリンタまたはMICRリーダの設置台数を大幅に削減でき、その環境を非常に低コストで構築できる。
【0062】
さらに、本例のプリンタ1では、第1の設定コマンドφ11および第2の設定コマンドφ12によって認識動作で解析不可能文字を検出したときの読取動作および認識動作の設定を変更できる。すなわち、認識動作において解析不可能文字が発生したら読取動作および認識動作を終了させたり、解析不可能文字が発生しても、その文字を特定の記号に置換して最後まで読取動作および認識動作を行わせたりすることができる。このため、オペレータの意図に応じた認識動作後の動作を行うことができる。また、本例のプリンタ1では、第1および第2の設定コマンドφ11およびφ12で認識動作が正常に終了したときには単票用紙を裏書きする位置に保持し、認識動作が異常に終了したときには単票用紙を強制的に排出するように設定できる。このため、チェック6の処理に対して最適な搬送動作を選択をすることができ、チェック6の処理時間を短縮できる。
【0063】
また、本例のプリンタ1では、第1および第2の設定コマンドφ11およびφ12と第4の設定コマンドφ14によってオートリトライ動作の有効、無効およびその回数の設定ができる。このため、認識動作が正常に終了しなかったときには、オートリトライ動作を実行させて再び読取動作および認識動作を行わせることができる。従って、認識動作が正常に終了しなかった場合、オペレータがチェック6を再び装置に設置する必要がなくなる。これにより、オペレータの作業を簡略化でき、チェック6を処理する時間も短縮できる。また、オートリトライ動作を無効とすることも可能であるので、よりオペレータの意図に則した動作を行うことが可能なフレキシブルな印刷装置を提供できる。
【0064】
このように本例のプリンタ1は、各設定コマンドφ11〜φ14に基づき読取動作、搬送動作、認識動作を変更できるので、ローカル接続されたパソコンやネットワークに接続されたホスト等からそれらのコマンドを送信するだけで数種類の動作が可能であり、汎用性が高く、使いやすさに優れている。
【0065】
なお、上述した方法は、プリンタのアプリケーションプログラムなどのソフトウェアとして実現でき、ROM22などに記録して提供可能である。また、ホスト30からプリンタ1に供給してプリンタ1のハードディスクなどの内蔵型の記録媒体に記録することによっても使用できる。勿論、ネットワークを介してプリンタ1でそのプログラムをダウンロードすることによって使用することも可能である。また、印刷機構12における印刷動作の設定を変更できる動作設定コマンドを設けても良い。
【0066】
以上説明したように、本発明においては、磁気パターンの読取機構における読取動作、単票用紙の搬送機構における搬送動作または磁気パターンを認識する認識動作の設定を変更するための動作設定コマンドを設け、このコマンドに基づき単票用紙を処理する際の各動作の設定を変更するようにしている。従って、本発明によれば、ローカル接続されたパソコンやネットワークを介してホストなどから動作設定コマンドを送信するだけで各動作の設定を変更でき、1台の印刷装置で数種類の処理動作を行うことができる。このため、オペレータの意図に則した単票用紙の処理動作を行うことのできる非常にフレキシブルな印刷装置を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】本発明を適用したプリンタの外観を示す斜視図である。
【図2】図1に示すプリンタの概略構成を模式的に示す図である。
【図3】図2に示す制御装置の概略の機能を示すブロック図である。
【図4】データ送信部から送信されるデータに含まれる読取ステータスを示す図である。
【図5】第1の設定コマンドの機能を説明するための図である。
【図6】第2の設定コマンドの機能を説明するための図である。
【図7】制御装置におけるコマンドを受信する処理のフローチャートである。
【図8】第1の設定コマンドを受信する処理のフローチャートである。
【図9】第2の設定コマンドを受信する処理のフローチャートである。
【図10】プリンタにおける認識動作までの処理を示すフローチャートである。
【図11】認識動作後の処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0068】
1・・プリンタ
6・・チェック
6a・・MICR文字
10・・紙送り機構(搬送機能)
12・・印刷機構
14・・MICR読取機構
20・・制御装置
30・・ホスト
37・・ドライバ
41・・コマンド受信部
42・・認識部
43・・コマンド実行部
44・・データ送信部
50・・動作パラメータ格納部
φ1・・動作設定コマンド
φ3・・実行コマンド
φ11・・第1の設定コマンド
φ12・・第2の設定コマンド
φ13・・第3の設定コマンド
φ14・・第4の設定コマンド
【特許請求の範囲】
【請求項1】
単票用紙に付された磁気パターンを読取可能な読取機構と、単票用紙を搬送可能な搬送機構と、単票用紙に印刷可能な印刷機構と、前記読取機構、搬送機構および印刷機構を制御可能な制御装置とを有し、
前記制御装置は、前記読取機構で読み取った磁気パターンを認識可能な認識部と、
前記読取機構の読取動作、前記搬送機構の搬送動作または前記認識部の認識動作を設定する動作設定コマンドを受信可能な受信部と、
前記動作設定コマンドを実行するコマンド実行部とを備え、
前記読取機構は、前記単票用紙に付された磁気パターンのうち、前記動作設定コマンドにより指定された読取範囲のみを読み取ること、
を特徴とする印刷装置。
【請求項2】
請求項1において、前記動作設定コマンドは、前記読取機構における読取範囲を設定可能であることを特徴とする印刷装置。
【請求項3】
請求項1において、前記動作設定コマンドは、前記認識部で認識するフォントの種類を設定可能であることを特徴とする印刷装置。
【請求項4】
請求項1において、前記動作設定コマンドは、前記認識部で解析不可能文字を検出したときの前記読取動作及び/又は認識動作を設定可能であることを特徴とする印刷装置。
【請求項5】
請求項1において、前記動作設定コマンドは前記搬送機構における、前記認識動作後の搬送動作を設定可能であることを特徴とする印刷装置。
【請求項6】
請求項1において、前記動作設定コマンドは、前記認識動作の後に、前記読取動作及び前記認識動作を繰り返し実行可能なオートリトライ動作を設定可能であることを特徴とする印刷装置。
【請求項7】
請求項1において、前記受信部は、前記読取動作、搬送動作および認識動作の設定を一括して変更可能な動作設定コマンドを受信可能であることを特徴とする印刷装置。
【請求項8】
請求項1において、前記受信部は、前記印刷機構の印刷動作を設定する動作設定コマンドを受信可能であることを特徴とする印刷装置。
【請求項9】
単票用紙に付された磁気パターンを読み取る読取工程と、前記読取工程で読み取った磁気パターンを認識する認識工程と、単票用紙を搬送する搬送工程と、単票用紙を印刷する印刷工程とを有する印刷装置の制御方法であって、
さらに、前記読取工程における読取動作、前記認識工程における認識動作または前記搬送工程における搬送動作を設定する動作設定コマンドを受信する受信工程と、
前記動作設定コマンドを実行するコマンド実行工程とを有し、
前記読取工程では、前記単票用紙に付された磁気パターンのうち、前記動作設定コマンドにより指定された読取範囲のみを読み取ること、
を特徴とする印刷装置の制御方法。
【請求項10】
請求項9において、前記動作設定コマンドは、前記読取工程における読取範囲を設定可能であることを特徴とする印刷装置の制御方法。
【請求項11】
請求項9において、前記動作設定コマンドは、前記認識工程で認識するフォントの種類を設定可能であることを特徴とする印刷装置の制御方法。
【請求項12】
請求項9において、前記動作設定コマンドは、前記認識工程で解析不可能文字を検出したときの前記読取動作及び/又は認識動作を設定可能であることを特徴とする印刷装置の制御方法。
【請求項13】
請求項9において、前記動作設定コマンドは、前記搬送工程における、前記認識動作の後の搬送動作を設定可能であることを特徴とする印刷装置の制御方法。
【請求項14】
請求項9において、前記動作設定コマンドは、前記認識工程の後に、前記読取工程と前記認識工程を繰り返すオートリトライ動作を設定可能であることを特徴とする印刷装置の制御方法。
【請求項15】
請求項9において、前記受信工程は、前記読取動作、搬送動作および認識動作の設定を一括して変更可能な動作設定コマンドを受信可能であることを特徴とする印刷装置の制御方法。
【請求項16】
請求項9において、前記受信工程は、前記印刷工程における印刷動作の設定を変更可能な動作設定コマンドを受信可能であることを特徴とする印刷装置の制御方法。
【請求項17】
単票用紙に付された磁気パターンを読み取る読取処理と、前記読取処理で読み取った磁気パターンを認識する認識処理と、単票用紙を搬送する搬送処理と、単票用紙を印刷する印刷処理とを実行可能な命令を有する印刷装置の制御プログラムであって、
前記読取処理における読取動作、前記認識処理における認識動作または前記搬送処理における搬送動作の設定を変更可能な動作設定コマンドを受信する受信処理と、
前記動作設定コマンドを実行するコマンド実行処理とを実行可能な命令を有し、
さらに、前記読取処理において、前記単票用紙に付された磁気パターンのうち、前記動作設定コマンドにより指定された読取範囲のみを読み取る前記制御プログラムが記録されていることを特徴とする記録媒体。
【請求項18】
請求項17において、前記受信処理では、前記動作設定コマンドとして前記読取処理における読取範囲を設定可能なコマンドを受信する処理を実行可能な命令を有する前記制御プログラムが記録されていることを特徴とする記録媒体。
【請求項19】
請求項17において、前記受信処理では、前記動作設定コマンドとして前記認識処理で認識するフォントの種類を設定可能なコマンドを受信する処理を実行可能な命令を有する前記制御プログラムが記録されていることを特徴とする記録媒体。
【請求項20】
請求項17において、前記受信処理では、前記動作設定コマンドとして前記認識処理で解析不可能文字を検出したときの前記読取処理及び/又は前記認識処理における動作を設定可能なコマンドを受信する処理を実行可能な命令を有する前記制御プログラムが記録されていることを特徴とする記録媒体。
【請求項21】
請求項17において、前記受信処理では、前記動作設定コマンドとして前記搬送処理における前記認識動作の後の搬送動作を設定可能なコマンドを受信する処理を実行可能な命令を有する前記制御プログラムが記録されていることを特徴とする記録媒体。
【請求項22】
請求項17において、前記受信処理では、前記動作設定コマンドとして前記認識処理の後に、前記読取処理と前記認識処理を繰り返すオートリトライ動作を設定するコマンドを受信する処理を実行可能な命令を有する前記制御プログラムが記録されていることを特徴とする記録媒体。
【請求項23】
請求項17において、前記受信処理では、前記動作設定コマンドとして前記読取動作、搬送動作および認識動作を一括して変更可能なコマンドを受信する処理を実行可能な命令を有する前記制御プログラムが記録されていることを特徴とする記録媒体。
【請求項24】
請求項17において、前記受信処理では、前記印刷処理における印刷動作の設定を変更可能な動作設定コマンドを受信する処理を実行可能な命令を有する前記制御プログラムが記録されていることを特徴とする記録媒体。
【請求項1】
単票用紙に付された磁気パターンを読取可能な読取機構と、単票用紙を搬送可能な搬送機構と、単票用紙に印刷可能な印刷機構と、前記読取機構、搬送機構および印刷機構を制御可能な制御装置とを有し、
前記制御装置は、前記読取機構で読み取った磁気パターンを認識可能な認識部と、
前記読取機構の読取動作、前記搬送機構の搬送動作または前記認識部の認識動作を設定する動作設定コマンドを受信可能な受信部と、
前記動作設定コマンドを実行するコマンド実行部とを備え、
前記読取機構は、前記単票用紙に付された磁気パターンのうち、前記動作設定コマンドにより指定された読取範囲のみを読み取ること、
を特徴とする印刷装置。
【請求項2】
請求項1において、前記動作設定コマンドは、前記読取機構における読取範囲を設定可能であることを特徴とする印刷装置。
【請求項3】
請求項1において、前記動作設定コマンドは、前記認識部で認識するフォントの種類を設定可能であることを特徴とする印刷装置。
【請求項4】
請求項1において、前記動作設定コマンドは、前記認識部で解析不可能文字を検出したときの前記読取動作及び/又は認識動作を設定可能であることを特徴とする印刷装置。
【請求項5】
請求項1において、前記動作設定コマンドは前記搬送機構における、前記認識動作後の搬送動作を設定可能であることを特徴とする印刷装置。
【請求項6】
請求項1において、前記動作設定コマンドは、前記認識動作の後に、前記読取動作及び前記認識動作を繰り返し実行可能なオートリトライ動作を設定可能であることを特徴とする印刷装置。
【請求項7】
請求項1において、前記受信部は、前記読取動作、搬送動作および認識動作の設定を一括して変更可能な動作設定コマンドを受信可能であることを特徴とする印刷装置。
【請求項8】
請求項1において、前記受信部は、前記印刷機構の印刷動作を設定する動作設定コマンドを受信可能であることを特徴とする印刷装置。
【請求項9】
単票用紙に付された磁気パターンを読み取る読取工程と、前記読取工程で読み取った磁気パターンを認識する認識工程と、単票用紙を搬送する搬送工程と、単票用紙を印刷する印刷工程とを有する印刷装置の制御方法であって、
さらに、前記読取工程における読取動作、前記認識工程における認識動作または前記搬送工程における搬送動作を設定する動作設定コマンドを受信する受信工程と、
前記動作設定コマンドを実行するコマンド実行工程とを有し、
前記読取工程では、前記単票用紙に付された磁気パターンのうち、前記動作設定コマンドにより指定された読取範囲のみを読み取ること、
を特徴とする印刷装置の制御方法。
【請求項10】
請求項9において、前記動作設定コマンドは、前記読取工程における読取範囲を設定可能であることを特徴とする印刷装置の制御方法。
【請求項11】
請求項9において、前記動作設定コマンドは、前記認識工程で認識するフォントの種類を設定可能であることを特徴とする印刷装置の制御方法。
【請求項12】
請求項9において、前記動作設定コマンドは、前記認識工程で解析不可能文字を検出したときの前記読取動作及び/又は認識動作を設定可能であることを特徴とする印刷装置の制御方法。
【請求項13】
請求項9において、前記動作設定コマンドは、前記搬送工程における、前記認識動作の後の搬送動作を設定可能であることを特徴とする印刷装置の制御方法。
【請求項14】
請求項9において、前記動作設定コマンドは、前記認識工程の後に、前記読取工程と前記認識工程を繰り返すオートリトライ動作を設定可能であることを特徴とする印刷装置の制御方法。
【請求項15】
請求項9において、前記受信工程は、前記読取動作、搬送動作および認識動作の設定を一括して変更可能な動作設定コマンドを受信可能であることを特徴とする印刷装置の制御方法。
【請求項16】
請求項9において、前記受信工程は、前記印刷工程における印刷動作の設定を変更可能な動作設定コマンドを受信可能であることを特徴とする印刷装置の制御方法。
【請求項17】
単票用紙に付された磁気パターンを読み取る読取処理と、前記読取処理で読み取った磁気パターンを認識する認識処理と、単票用紙を搬送する搬送処理と、単票用紙を印刷する印刷処理とを実行可能な命令を有する印刷装置の制御プログラムであって、
前記読取処理における読取動作、前記認識処理における認識動作または前記搬送処理における搬送動作の設定を変更可能な動作設定コマンドを受信する受信処理と、
前記動作設定コマンドを実行するコマンド実行処理とを実行可能な命令を有し、
さらに、前記読取処理において、前記単票用紙に付された磁気パターンのうち、前記動作設定コマンドにより指定された読取範囲のみを読み取る前記制御プログラムが記録されていることを特徴とする記録媒体。
【請求項18】
請求項17において、前記受信処理では、前記動作設定コマンドとして前記読取処理における読取範囲を設定可能なコマンドを受信する処理を実行可能な命令を有する前記制御プログラムが記録されていることを特徴とする記録媒体。
【請求項19】
請求項17において、前記受信処理では、前記動作設定コマンドとして前記認識処理で認識するフォントの種類を設定可能なコマンドを受信する処理を実行可能な命令を有する前記制御プログラムが記録されていることを特徴とする記録媒体。
【請求項20】
請求項17において、前記受信処理では、前記動作設定コマンドとして前記認識処理で解析不可能文字を検出したときの前記読取処理及び/又は前記認識処理における動作を設定可能なコマンドを受信する処理を実行可能な命令を有する前記制御プログラムが記録されていることを特徴とする記録媒体。
【請求項21】
請求項17において、前記受信処理では、前記動作設定コマンドとして前記搬送処理における前記認識動作の後の搬送動作を設定可能なコマンドを受信する処理を実行可能な命令を有する前記制御プログラムが記録されていることを特徴とする記録媒体。
【請求項22】
請求項17において、前記受信処理では、前記動作設定コマンドとして前記認識処理の後に、前記読取処理と前記認識処理を繰り返すオートリトライ動作を設定するコマンドを受信する処理を実行可能な命令を有する前記制御プログラムが記録されていることを特徴とする記録媒体。
【請求項23】
請求項17において、前記受信処理では、前記動作設定コマンドとして前記読取動作、搬送動作および認識動作を一括して変更可能なコマンドを受信する処理を実行可能な命令を有する前記制御プログラムが記録されていることを特徴とする記録媒体。
【請求項24】
請求項17において、前記受信処理では、前記印刷処理における印刷動作の設定を変更可能な動作設定コマンドを受信する処理を実行可能な命令を有する前記制御プログラムが記録されていることを特徴とする記録媒体。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2008−152761(P2008−152761A)
【公開日】平成20年7月3日(2008.7.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−284680(P2007−284680)
【出願日】平成19年11月1日(2007.11.1)
【分割の表示】特願平10−123768の分割
【原出願日】平成10年5月6日(1998.5.6)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年7月3日(2008.7.3)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年11月1日(2007.11.1)
【分割の表示】特願平10−123768の分割
【原出願日】平成10年5月6日(1998.5.6)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
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