説明

論理回路におけるクロック分配のための遅延マッチング

【課題】論理回路におけるクロック分配のための遅延マッチング。
【解決手段】論理回路内部に分配された複数の信号間の伝播遅延差を補正するための技術。遅延マッチング回路は、フロップによって生成された内部のクロックからQへの遅延を模倣する。遅延マッチング回路は、再分配されようとしている、クロック信号のような原初の信号の伝播経路内に置かれる。一般に、遅延マッチング回路は、特定の構成を有する伝播ゲート・マルチプレクサを含むことができる。遅延マッチング回路は、原初の信号の分割された版により経験されたクロックからQへの遅延に実質的に等しい遅延を課する。このようにして、遅延マッチング回路は、原初の信号と分割された信号の立ち上がり端と立ち下がり端とが、実質的に一致することを確実にし、同期した動作を可能にする。これゆえ、遅延マッチング回路は、再分配された信号と分割された信号を同期させることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、論理回路内部に分配された複数のクロック信号間の伝播遅延の差異を補正することに関する。
【背景技術】
【0002】
複数の装置は、論理回路内部でクロック信号を分割し、再分配するように機能する同期型クロック分割器を含む。例えば、高速電気通信装置は、原初のクロック信号を分割することにより生成された別々のクロック信号を使用させる。特に、クロック分割器回路は、原初のクロック信号の周波数を下げる。理想的には、クロック信号は、論理回路全体に同期的に再分配されるべきであり、その結果、原初のクロック信号と分割されたクロック信号の立ち上がり端及び立ち下がり端は、互いに完全に一致させられる。
【0003】
残念なことに、分割されたクロック信号は、一般的に原初のクロック信号に対して遅延する。特に、分割されたクロック信号は、原初のクロック信号を使用するフリップ・フロップから発せられる。フリップ・フロップは、クロック入力からQ出力への内部遅延、すなわち、“クロックからQへの”遅延、を生成する。クロックからQへの遅延は、原初のクロック信号と分割されたクロック信号との間の伝播遅延における差異を生じさせる。伝播遅延差は、分割されたクロック信号及び再分配されたクロック信号の正確な同期を妨げ、論理回路の正確な動作を害する。
【発明の概要】
【0004】
本明細書は、論理回路内部に分配された複数のクロック信号間の伝播遅延差を補正するための技術に向けられる。本明細書によれば、遅延マッチング回路は、フリップ・フロップによって生成された内部のクロックからQへの遅延を模倣する。遅延マッチング回路は、再分配されようとしている原初のクロック信号の伝播経路内に置かれる。
【0005】
一般に、遅延マッチング回路は、フリップ・フロップに関係するスレーブ段の電流シンキング及びソーシング特性に符合するように選択された構成を有する伝播ゲート・マルチプレクサを含むことができる。遅延マッチング回路は、原初のクロック信号の分割された版に課せられたクロックからQへの遅延に実質的に等しい遅延を課する。
【0006】
このようにして、遅延マッチング回路は、原初の信号の立ち上がり端と分割された信号の立ち上がり端が、実質的に一致することを確実にし、同期した動作を可能にする。これゆえ、遅延マッチング回路は、再分配された信号と分割された信号を非常に正確に同期させることができる。
【0007】
遅延マッチング回路は、プロセス、温度、電圧、周波数及びその他の動作条件の範囲にわたり良好に動作することができる。複数の実施形態では、遅延マッチング回路は、この回路がフリップ・フロップの同期遅延特性及び非同期動作の両者に符合することを可能にする非同期リセット機能をさらに含むことができる。
【0008】
1つの実施形態では、本明細書は、クロック分配回路を提供する。クロック分配回路は、クロック信号を発生するためのクロック源、及びクロック信号を分割するため及び分割されたクロック信号を生成するためのクロック分割器を具備する。クロック分割器は、分割されたクロック信号に第1の伝播遅延を導入するフリップ・フロップを含む。クロック信号を分配する遅延マッチング回路は、クロック信号に第2の伝播遅延を導入する。第2の伝播遅延は、フリップ・フロップにより分割されたクロック信号に導入された第1の伝播遅延に実質的に符合する。
【0009】
他の1つの実施形態では、本明細書は、遅延マッチング回路を提供する。遅延マッチング回路は、クロック源に接続されたマルチプレクサ、フリップ・フロップ中のスレーブ送信ゲートの特性を実質的に模倣するマルチプレクサ内部の複数の送信ゲート、フリップ・フロップのマスタ出力ドライバの特性を実質的に模倣するマルチプレクサに接続された複数の入力、及びフリップ・フロップ中の出力ドライバの特性を実質的に模倣するマルチプレクサに接続された出力を具備する。
【0010】
付加された実施形態では、本明細書は、第1の送信ゲートを駆動するために接続された第1の入力、第2の送信ゲートを駆動するために接続された第2の入力、送信ゲートの1つを選択的に使用可能にするためにクロック源に接続された選択入力、及び第1の送信ゲート及び第2の送信ゲートに接続された出力を有するマルチプレクサを具備する遅延マッチング回路を提供する。送信ゲートは、実質的にフリップ・フロップ中のスレーブ送信ゲートに対応するように構成される。PMOSトランジスタは、第1の入力に接続されたドレイン、グランドに接続されたゲート、及び電源電圧に接続されたソースを有する。PMOSトランジスタは、実質的にフリップ・フロップのマスタ出力ドライバ中のPMOSトランジスタに対応するように構成される。NMOSトランジスタは、第2の入力に接続されたドレイン、電源電圧に接続されたゲート、及びグランドに接続されたソースを有する。NMOSトランジスタは、実質的にフリップ・フロップのマスタ出力ドライバ中のNMOSトランジスタに対応するように構成される。マルチプレクサの出力に接続されたインバータは、実質的にフリップ・フロップ中の出力ドライバに対応するように構成される。
【0011】
さらなる実施形態では、本明細書は、信号を発生するための信号源、信号を変形し変形された信号を分配するための信号分配回路、を具備する回路を提供する。ここにおいて、信号分配回路は、変形された信号に第1の伝播遅延を導入するフリップ・フロップ、及び信号を分配するための遅延マッチング回路を含む。ここにおいて、遅延マッチング回路は、信号に第2の伝播遅延を導入し、第2の伝播遅延はフリップ・フロップにより変形された信号に導入された第1の伝播遅延に実質的に符合する。
【0012】
他の1つの実施形態では、本明細書は、分割されたクロック信号を生成するためにフリップ・フロップを用いてクロック信号を分割すること、ここにおいて、フリップ・フロップは、分割されたクロック信号に第1の伝播遅延を導入する、及び遅延マッチング回路を用いてクロック信号に第2の伝播遅延を導入すること、を具備する方法を提供する。第2の伝播遅延は、フリップ・フロップにより分割されたクロック信号に導入された第1の伝播遅延に実質的に符合する。遅延マッチング回路は、フリップ・フロップの遅延特性を実質的に模倣する。
【0013】
1又はそれより多くの実施形態の詳細が、添付された図面及び下記の明細書に述べられる。その他の機能、目的、及び利点は、明細書及び図面から、並びに特許請求の範囲から明確にされる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】図1は、信号分配回路を説明するブロック図である。
【図2】図2は、図1の回路をより詳細に説明するブロック図である。
【図3】図3は、フリップ・フロップのマスタ・ドライバ段を説明する回路図である。
【図4】図4は、フリップ・フロップのスレーブ段を説明する回路図である。
【図5】図5は、図1及び2の分配回路における使用のための遅延マッチング回路を説明する回路図である。
【図6】図6は、クロックと分割されたクロック信号、並びに遅延を符合させた信号の間の伝播遅延差を説明するタイミング図である。
【図7】図7は、非同期リセット性能を有するフリップ・フロップのマスタ・ドライバ段を説明する回路図である。
【図8】図8は、非同期リセット性能を有する遅延マッチング回路を説明する回路図である。
【詳細な説明】
【0015】
図1は、信号分配回路10を説明するブロック図である。図1の例において、回路10は、クロック源11からクロック信号CLKを受信し、そして論理回路の内部にクロック信号及びクロック信号の分割された版を分配する。例えば、クロック信号CLKは、位相固定ループ(phase-locked loop)(PLL)中の電圧制御された発振器(voltage controlled oscillator)(VCO)の出力又はシステム・クロックであり得る。
【0016】
クロック分割器12は、CLK信号をより低い周波数のクロック信号CLK/Nに分割し、伝播遅延d、例えば、クロックからQへの遅延、を導入する。結果としての分割されたクロック信号は、CLK/N+dである。これから説明されるように、クロック分割器回路12は、分割されたクロック信号CLK/N+d中にクロックからQへの遅延を導入するフリップ・フロップを含むことができる。
【0017】
遅延マッチング回路14は、原初のクロック信号CLKのための再分配経路の内部に常駐する。原初のクロック信号CLKは、分割されたクロック信号CLK/N+dとともに、より大きな論理回路にわたり再分配される。クロック分割器12によって導入されたクロックからQへの遅延は、分割されたクロック信号CLK/N+dと原初のクロック信号CLKとの間の伝播遅延差を引き起こす。その結果、分割されたクロック信号CLK/N+dと原初の再分配されたクロック信号CLKとの間の同期を損なうことがある。
【0018】
遅延マッチング回路14は、分割されたクロック信号CLK/N+dに導入されたクロックからQへの遅延に対して原初のクロック信号CLKを補正する。特に、遅延マッチング回路14は、クロック信号CLKに伝播遅延d’を導入する。伝播遅延d‘は、フリップ・フロップによって分割されたクロック信号CLK/N+dに導入された伝播遅延dに実質的に符合する。
【0019】
結果としての再分配されたクロック信号は、CLK+d’であり、これは、分割されたクロック信号CLK/N+dに実質的に符合するように遅延を導入する、そしてそれにより、正確な同期を確実にする。ある複数の実施形態では、遅延マッチング回路14は、しかも、クロック分割器12の同期したクロックからQへの遅延を符合させるだけでなく、非同期リセット機能も提供するように構成されることができる。
【0020】
図2は、図1の回路10をより詳細に説明するブロック図である。特に、図2は、クロック分配回路10及びデータ入力(D)、クロック入力(C)、データ出力(Q)及び反転されたデータ出力
【数1】

【0021】
(以降、(/Q)と表記する)を有するDフリップ・フロップ16とともににクロック分割器12を図示する。
【0022】
図2において、説明の目的のために、反転データ出力(/Q)は、データ入力に接続されて、2分割クロック分割器を生成する。しかしながら、クロック分割器12は、任意のN分割回路の形式を取ることができ、フリップ・フロップから発せられる任意の周波数を有するクロック信号を生成するために、2,4,6、等々の係数により原初のクロック信号CLKを分割できる。これから説明されるように、遅延マッチング回路14は、フリップ・フロップ16の遅延特性を模倣するように構成される。特に、遅延マッチング回路14は、フリップ・フロップ16内部の構成要素を模倣するように設計された回路構成要素を含む。
【0023】
図3は、フリップ・フロップ16のマスタ・ドライバ段(master driver stage)18を説明する回路図である。図3に示されたように、マスタ・ドライバ段18は、第1のマスタ送信ゲート19、第2のマスタ送信ゲート20、出力インバータ22及びフィードバック・インバータ23を含む。フリップ・フロップ16のデータ入力(D)は、入力データ信号、例えば、原初のクロック信号、を用いて第1のマスタ送信ゲート19を駆動する。
【0024】
第1及び第2の送信ゲート19,20の出力は、出力インバータ22を駆動するために一緒に結合される。各送信ゲート19,20は、クロック信号(CLK)及び反転クロック信号
【数2】

【0025】
(以降、(/CLK)と表記する)を受信する。出力インバータ22は、フリップ・フロップ16のスレーブ段に送信される出力データ信号D’を生成する。出力インバータ22の出力に接続されたフィードバック・インバータ23は、第2のマスタ送信ゲート20の入力を駆動する。
【0026】
図4は、フリップ・フロップ16のスレーブ段24を説明する回路図である。図4に示されたように、スレーブ段24は、実質的に、第1のスレーブ送信ゲート28及び第2のスレーブ送信ゲート30を組み込んでいるマルチプレクサ部26を含む。マスタ・ドライバ段18の出力インバータ22は、データ出力D’を用いて第1のスレーブ送信ゲート28を駆動する。スレーブ段24中の各スレーブ送信ゲート28,30は、クロック信号(CLK)及び反転クロック信号(CLK)を受信する。第1のスレーブ送信ゲート28は、データ出力信号(Q)を生成する出力インバータ34を駆動する。フィードバック・インバータ36は、第2のスレーブ送信ゲート30を駆動する。
【0027】
スレーブ送信ゲート28,30は、結果としてフリップ・フロップ16から発せられる分割されたクロック信号に遅延dの導入になる、本来の電流シンキング性能及びソーシング性能により特徴付けられる。結果としての遅延は、原初のクロック信号と分割されたクロック信号のタイミングの差を生成する。この差は、分割されたクロック信号と再分配された原初のクロック信号の同期を損ない、補正を必要とする。
【0028】
理想的には、原初のクロック信号は、同期的に再分配されるべきであり、その結果、原初のクロック信号と分割されたクロック信号の立ち上がり端及び立ち下がり端は、完全に一致される。その上、プロセス、温度、電圧、周波数及びその他の動作条件の範囲にわたり原初のクロック信号と分割されたクロック信号のタイミングを維持することが、一般に望まれる。
【0029】
図5は、図1及び図2の分配回路10における使用のための遅延マッチング回路14を説明する回路図である。一般に、遅延マッチング回路14は、図4のスレーブ段24の機能およびタイミングを模倣する。遅延マッチング回路14内部のトランジスタが材料、大きさ、及びその他の特性に関してスレーブ段24中の対応するトランジスタに符合するのであれば、遅延マッチング回路14のタイミングは、フリップ・フロップ16のそれと対応する。その上、類似の材料及び大きさが使用されるために、遅延マッチング回路14の性能は、一般にプロセス、温度、電圧、周波数及びその他の動作条件又は製造条件の変化によって影響されないはずである。
【0030】
図5に示されたように、遅延マッチング回路14は、マルチプレクサ38を含む。マルチプレクサ38は、第1の送信ゲート40を駆動するために接続された第1の入力39、及び第2の送信ゲート42を駆動するために接続された第2の入力41を含む。マルチプレクサ38は、クロック・ソースに接続された選択入力43を含み、反転クロック信号(/CLK)を用いて送信ゲート40,42の1個を選択的に使用可能にする。反転クロック信号(/CLK)は、両方の送信ゲート40,42に共通に接続される。マルチプレクサ38は、第1及び第2の送信ゲート40,42の出力に接続された出力を有する。
【0031】
送信ゲート40,42は、スレーブ送信ゲート28に実質的に対応するように構成される。特に、送信ゲート40,42は、電流ソーシング及びシンキング性能に関してフリップ・フロップ16のスレーブ送信ゲート28に符合する。新たなデータは、フリップ・フロップ16中のスレーブ送信ゲート28を通してクロック信号CLKの立ち上がり端において発せられる。これから説明されるように、入力トランジスタ44,46は、インバータ22に符合する。
【0032】
フリップ・フロップ16を通るデータ経路は、インバータ22、送信ゲート28、及びインバータ34を含む。このデータ経路の電流シンキング及びソーシング力は、図5の遅延マッチング回路14内部で2回、第1の入力39に対して1回及び第2の入力41に対して1回、繰り返される(replicated)。クロック信号CLKの立ち上がり端の間、フリップ・フロップ16の送信ゲート28は開き、送信ゲート30は閉じる。これは、毎回のクロック遷移におけるマルチプレクサ38の動作に類似する。フリップ・フロップ16中の送信ゲート30は、一般に送信ゲート28よりはるかに小さい。その結果、各送信ゲート40,42は、電流ソーシング性能及びシンキング性能に関してフリップ・フロップ16の送信ゲート28の特性に符合する。
【0033】
図5をさらに参照して、PMOSトランジスタ44は、マルチプレクサ38の第1の入力39に接続されたドレイン、グランドに接続されたゲート、及び電源電圧Vccに接続されたソースを有する。PMOSトランジスタ44は、フリップ・フロップ16のマスタ段18中のマスタ出力ドライバ、例えば、出力インバータ22中のPMOSトランジスタに実質的に対応するように構成される。特に、PMOSトランジスタ44は、フリップ・フロップ中の対応するPMOSトランジスタと実質的に同じ電流シンキング能力及び電流ソーシング能力を提供する。
【0034】
NMOSトランジスタ46は、マルチプレクサ38の第2の入力41に接続されたドレイン、電源電圧Vccに接続されたゲート、及びグランドに接続されたソースを有する。NMOSトランジスタ46は、フリップ・フロップ16のマスタ段18中のマスタ出力ドライバ、例えば、出力インバータ22中のNMOSトランジスタに実質的に対応するように構成される。特に、NMOSトランジスタ46は、フリップ・フロップ中の対応するNMOSトランジスタと実質的に同じ電流シンキング能力及び電流ソーシング能力を提供する。
【0035】
インバータ48は、マルチプレクサ38の出力47に接続され、フリップ・フロップ16の出力ドライバ、例えば、出力インバータ34に実質的に対応するように構成される。特に、出力インバータ48は、フリップ・フロップの出力インバータ34と実質的に同じ電流駆動能力を提供するように選択される。
【0036】
一般に、遅延マッチング回路14は、分割されたクロック信号CLK/N+dを発するために使用されるフリップ・フロップ16の動作及び、特に、クロックからQへの伝播遅延特性を模倣するように設計される。遅延マッチング回路14は、フリップ・フロップ16中の対応する構成要素の特性を実質的に模倣するように設計された複数の構成要素を含むという点で、フリップ・フロップ16の動作を“模倣する”。例えば、上記したように、送信ゲート40,42は、実質的にスレーブ送信ゲート28に符合される。送信ゲート40,42は、フリップ・フロップ16中のスレーブ送信ゲート28の特性を模倣する。特に、送信ゲート40,42は、可能な限り早くスレーブ送信ゲート28を切り替えるように、そしてスレーブ送信ゲート28に類似の方式で電流のシンキング及びソーシングを遅らせるように選択される。
【0037】
その上、トランジスタ44,46は、フリップ・フロップ16のインバータ22に実質的に符合され、出力インバータ48は、フリップ・フロップの出力インバータ34に実質的に符合される。フリップ・フロップ16を経由するデータ経路は、一般にインバータ22、送信ゲート28及びインバータ34を含む。再び、このデータ経路の電流シンキング特性及びソーシング特性は、図5の具体例の遅延マッチング回路14において2回、マルチプレクサ38の第1の入力に対して1回及びマルチプレクサ38の第2の入力に対して1回、繰り返される。そのようにして、類似性が、遅延マッチング回路14のマルチプレクサ38とフリップ・フロップ16のマルチプレクサ26との間でなされることが可能である。特に、クロック信号CLKの立ち上がり端の間、送信ゲート28は開き、送信ゲート30は閉じる。これは、毎回のクロック遷移においてマルチプレクサ38内部の動きに類似する。
【0038】
同様に、入力トランジスタ44,46は、フリップ・フロップ16のマスタ出力ドライバ段18の特性を実質的に模倣するマルチプレクサ入力を形成する。その上、インバータ48は、フリップ・フロップ16中の、インバータ34のような出力ドライバの特性を実質的に模倣するマルチプレクサ出力を形成する。それゆえ、遅延マッチング回路14は、フリップ・フロップ16の電流シンキング特性及び電流ソーシング特性、並びにフリップ・フロップの出力駆動特性を実質的に模倣する。
【0039】
フリップ・フロップ16中の対応する構成要素を効率的に模倣するために、遅延マッチング回路14の内部の構成要素は、適切に選択され、適切な大きさにされる。例えば、送信ゲート40,42は、フリップ・フロップ16のスレーブ段24の送信ゲート28に対して材料及び大きさにおいて実質的に同一であることができる。大きさに関して、送信ゲート40,42は、送信ゲート28,30の電極面積及びゲート長に対するゲート幅の比に符合する電極面積及びゲート長に対するゲート幅の比を有することができる。
【0040】
遅延マッチング回路14中の入力トランジスタ44,46は、マスタ・ドライバ段18内部の駆動トランジスタを複製するように、選択された材料及び大きさにされることから形成されることができる。同様に、出力インバータ48は、フリップ・フロップ16中の対応する出力ドライバ回路系の材料及び大きさを複製することができる。遅延マッチング回路14の種々の構成要素に対して選択された類似の大きさ及び材料は、フリップ・フロップ16の電流シンキング能力及びソーシング能力、それゆえ、伝播遅延特性、を近付けるように働く。
【0041】
図5の例において、遅延マッチング回路14は、2分割クロック分割器回路の遅延特性を模倣するように設計されるが、再分配のために原初のクロック信号の周波数を保つために1分割の機能を提供する。クロック分割器12の出力が、入力クロック信号CLKに応じてフロップにより同期して発せられる限り、遅延マッチング回路14の回路系は、4分割、6分割、8分割、その他の分割器比率により生成された遅延に符合するように拡大されることができる。
【0042】
例えば、クロック分割器回路系が分割の追加の係数を与えるために増設のフリップ・フロップ組み込む範囲までは、遅延マッチング回路14は、図5に示されたものに類似の増設模倣段を組み込むことができる。増設模倣段は、例えば、縦続接続する分割器を使用させるクロック分配スキームに対してであり、その分割器では、1つのクロックからQへの遅延を有する1つの以前に分割されたクロックがCLKからの追加のクロックからQへの遅延を有する別の分割されたクロックを生成するために使用される。そのような場合には、増設の模倣段は、直列で与えられることが可能である。
【0043】
しかしながら、他の非縦続接続された場合では、クロック分割器中のフリップ・フロップの数は、原初のクロック信号CLKに対する出力遅延を決定しない。クロック分割器12のCLKから出力までは、出力を駆動するフリップ・フロップにより決定される。そのフリップ・フロップがクロック信号CLKを供給されるのであれば、出力は、CLK/N+dになるはずである。出力フロップのクロック供給がCLK+d”であれば、出力は、CLK/N+d+d”になるはずである。d”がdの整数の係数である限り、遅延模倣段は、全ての出力を同期させるように縦続接続されることが可能である。
【0044】
図6は、原初のクロック信号、分割されたクロック信号、及び遅延マッチングされたクロック信号の間の伝播遅延差を説明するタイミング図である。図6に示されたように、遅延d(50)は、原初のクロック信号CLKと分割されたクロック信号CLK/2+dとの間に存在する。この遅延は、フリップ・フロップ16内部のクロックからQへの遅延からの結果であり、分割されたクロック信号を再分配されたクロック信号と同期させる能力を損なう。
【0045】
遅延マッチング回路14は、しかしながら、遅延dを加えることによって、再分配のために原初のクロック信号を補正する。その結果、再分配されたクロック信号CLK+dは、分割されたクロック信号CLK/2+dと同期される。特に、分割されたクロック信号及び再分配されたクロック信号の立ち下り端52及び立ち上がり端53は、互いに実質的に一致され、正確な同期を可能にする。
【0046】
図7は、非同期リセット性能を有するフリップ・フロップのマスタ・ドライバ段54を説明する回路図である。図7の例では、フリップ・フロップは、一般に図2−図5に図示されたフリップ・フロップ16と一致することができる。例えば、マルチプレクサ部56は、第1の送信ゲート58及び第2の送信ゲート60を含む。
【0047】
各送信ゲート58,60は、クロック信号(CLK)及び反転クロック信号(/CLK)を受信する。データ入力Dは、第1の送信ゲート58を駆動する。出力NANDゲート64は、中間データ出力D’を駆動する。フィードバック・インバータ66は、中間データ出力D’と第2の送信ゲート60との間に接続されて、第2の送信ゲートを駆動する。
【0048】
第1及び第2のマスタ送信ゲート58,60の出力は、出力NANDゲート64を駆動するために一緒に接続される。出力NANDゲート64は、フリップ・フロップ16のスレーブ段に送信される中間データ出力D’を生成する。特に、出力NANDゲート64は、送信ゲート58,60の出力に接続された1つの入力、及び非同期リセット線に接続された別の1つの入力を有する。リセット線が肯定される(asserted)場合に、中間データ出力D’はリセットされる。
【0049】
それゆえ、フリップ・フロップにより生成された同期するクロックからQへの遅延に加えて、NANDゲート64は、分割されたクロック信号と再分配されたクロック信号との間の同期を変化させることが可能な非同期タイミングを考慮することを導入する。特に、NANDゲート64及びリセット線と組み合わせられて、マルチプレクサ56は、非同期動作のためにアクティブな低ラッチを形成する。
【0050】
図8は、非同期リセット性能を有する遅延マッチング回路68を説明する回路図である。遅延マッチング回路68は、図7に図示されたように、非同期リセットを有するフリップ・フロップのタイミングを模倣する。同期するクロックからQへの遅延を符合させることに加えて、遅延マッチング回路68は、同様に、フリップ・フロップの非同期リセット機能を模倣する。特に、フリップ・フロップのリセット線が肯定される場合に、遅延マッチング回路68の出力も、同様に、リセット値にされる。一旦、リセットが否定される(deasserted)と、遅延マッチング回路68の出力は、立ち上がりクロック端の遷移が出力を変更するようにさせるまでリセット値のままで留まる。
【0051】
図8に示されたように、遅延マッチング回路68は、第1の送信ゲート72及び第2の送信ゲート74を組み込んでいるマルチプレクサ部70を含む。マルチプレクサ70は、第1及び第2の送信ゲート72,74の出力に接続された出力75を有する。送信ゲート72,74の出力75は、出力インバータ76を駆動して、再分配されたクロック信号を生成する。マルチプレクサ70は、送信ゲート72,74の1つを選択的に使用可能にするためにクロック源に接続された選択入力78を含む。反転クロック信号(CLK)は、入力80を介して両方の送信ゲート72,74に共通に接続される。
【0052】
入力NANDゲート82は、送信ゲート72を駆動する。アクティブ低ラッチ84は、送信ゲート74を駆動するように接続される。アクティブ低ラッチ84は、図7のマスタ・ドライバ54に実質的に同じである。マスタ・ラッチの出力ドライバがNANDゲート64であるため、NANDゲート82は、第1の送信ゲート72への入力中に組み込まれて、正しい駆動を提供する。NANDゲート82は、低に接続され、その結果出力は常に高である。出力は通常0であり、リセットが肯定される時に1に駆動される必要があるので、アクティブ低ラッチ84だけがリセットされる必要がある。事実上、NANDゲート82は、フリップ・フロップ中で使用されるラッチに符合するように使用される。その結果、遅延マッチング回路68は、0状態にリセットするフリップ・フロップと実質的に同じ遅延及びタイミングを生成する。
【0053】
本明細書中で説明された機能構成要素に関する一例のハードウェア・インプリメンテーションは、クロック分割及びクロック再分配のためにフリップ・フロップを使用させる集積論理回路系及び単体論理回路系を含むことができる。本明細書中で説明されたように遅延マッチング回路系は、高速論理回路系、電気通信装置、ワイアレス電気通信装置、正確なクロック同期を必要とするその他の回路系を含む種々の装置において有用であり得る。
【0054】
種々の実施形態が説明されてきている。多数のその他の変形は、本発明の精神及び範囲から逸脱しないで行われることができる。例えば、同期リセット技術及び非同期リセット技術が説明の目的で本明細書中に説明されてきているが、本明細書中で説明された原理は、非同期設定、イネーブル、及び同期設定/リセットのようなその他の論理回路技術に容易に適用可能である。したがって、これらの実施形態及びその他の実施形態は、特許請求の範囲内である。
【符号の説明】
【0055】
10…信号分配回路,16…フリップ・フロップ,18,54…マスタ・ドライバ段,19,20,40,42,58,60,72,74…送信ゲート,22,34,48,76…出力インバータ,23,66…フィードバック・インバータ,24…スレーブ段,26,38,56,70…マルチプレクサ,28,30…スレーブ送信ゲート,36…インバータ,44,46…入力トランジスタ,64…出力NANDゲート,82…入力NANDゲート。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
クロック信号を発生するためのクロック源;
該クロック信号を分割し、分割されたクロック信号を生成するため、及び該分割されたクロック信号に第1の伝播遅延を導入するフリップ・フロップを含むクロック分割器;及び
該クロック信号を分配するため、及び該クロック信号に第2の伝播遅延を導入するための遅延マッチング回路、該第2の伝播遅延は、該フリップ・フロップにより該分割されたクロック信号に導入された該第1の伝播遅延に実質的に符合する、
を具備する、クロック分配回路。
【請求項2】
遅延マッチング回路は:
クロック源に接続された選択線を有するマルチプレクサ;
フリップ・フロップ中のスレーブ送信ゲートの特性を実質的に模倣する該マルチプレクサ内部の複数の送信ゲート;
該フリップ・フロップのマスタ出力ドライバの特性を実質的に模倣する該マルチプレクサに接続された複数の入力;及び
該フリップ・フロップ中の出力ドライバの特性を実質的に模倣する該マルチプレクサに接続された出力、
を含む、請求項1の回路。
【請求項3】
遅延マッチング回路は、フリップ・フロップの電流信号及び電流ソーシング特性を実質的に模倣する、請求項1の回路。
【請求項4】
遅延マッチング回路は、フリップ・フロップの出力駆動特性を実質的に模倣する、請求項1の回路。
【請求項5】
第1の伝播遅延は、クロックからQへの伝播遅延である、請求項1の回路。
【請求項6】
遅延マッチング回路はマルチプレクサを含み、該マルチプレクサはクロック源に接続された選択線を含む、請求項1の回路。
【請求項7】
遅延マッチング回路は、第1の送信ゲートを駆動するために接続された第1の入力、第2の送信ゲートを駆動するために接続された第2の入力、該送信ゲートの1つを選択的に使用可能にするためにクロック源に接続された選択入力、及び該第1の送信ゲート及び第2の送信ゲートに接続された出力を有するマルチプレクサを含む、ここにおいて、該複数の送信ゲートは、実質的にフリップ・フロップ中のスレーブ送信ゲートに対応するように構成される、請求項1の回路。
【請求項8】
複数の送信ゲートは、フリップ・フロップ中のスレーブ送信ゲートに実質的に大きさで対応するように構成される、請求項7の回路。
【請求項9】
遅延マッチング回路は、
第1の入力に接続されたドレイン、グランドに接続されたゲート、及び電源電圧に接続されたソースを有するPMOSトランジスタ、ここにおいて、該PMOSトランジスタは、実質的にフリップ・フロップのマスタ出力ドライバ中のPMOSトランジスタに対応するように構成される;及び
第2の入力に接続されたドレイン、該電源電圧に接続されたゲート、及びグランドに接続されたソースを有するNMOSトランジスタ、ここにおいて、該NMOSトランジスタは、実質的に該フリップ・フロップの該マスタ出力ドライバ中のNMOSトランジスタに対応するように構成される、
を含む、請求項7の回路。
【請求項10】
PMOSトランジスタは、フリップ・フロップのマスタ出力ドライバ中のPMOSトランジスタに実質的に大きさで対応するように構成される、及びNMOSトランジスタは、該フリップ・フロップの該マスタ出力ドライバ中のNMOSトランジスタに実質的に大きさで対応するように構成される、請求項9の回路。
【請求項11】
遅延マッチング回路は、マルチプレクサの出力に接続されたインバータを含む、ここにおいて、該インバータは、実質的にフリップ・フロップ中の出力ドライバに対応するように構成される、請求項7の回路。
【請求項12】
遅延マッチング回路は:
フリップ・フロップ中のスレーブ送信ゲートの特性を模倣するための手段;
該フリップ・フロップのマスタ出力ドライバ中のトランジスタの特性を模倣するための手段;及び
該フリップ・フロップ中の出力ドライバの特性を模倣するための手段
を含む、請求項1の回路。
【請求項13】
クロック分割器は、第1の非同期リセット機能を含む、及び遅延マッチング回路は、該第1の非同期リセット機能の動作を模倣する第2の非同期リセット機能を含む、請求項1の回路。
【請求項14】
クロック源に接続されたマルチプレクサ;
フリップ・フロップ中のスレーブ送信ゲートの特性を実質的に模倣する該マルチプレクサ内部の複数の送信ゲート;
該フリップ・フロップのマスタ出力ドライバの特性を実質的に模倣する該マルチプレクサに接続された複数の入力;及び
該フリップ・フロップ中の出力ドライバの特性を実質的に模倣する該マルチプレクサに接続された出力
を具備する、遅延マッチング回路。
【請求項15】
入力は、第1の送信ゲートを駆動するために接続された第1の入力、及び第2の送信ゲートを駆動するために接続された第2の入力を含み、マルチプレクサは、該送信ゲートの1つを選択的に使用可能にするためにクロック源に接続された選択入力をさらに含む、ここにおいて、出力は、該第1の送信ゲート及び第2の送信ゲートに接続される、及び該複数の送信ゲートは、実質的にフリップ・フロップ中のスレーブ送信ゲートに対応するように構成される、請求項14の回路。
【請求項16】
第1の入力に接続されたドレイン、グランドに接続されたゲート、及び電源電圧に接続されたソースを有するPMOSトランジスタ、ここにおいて、該PMOSトランジスタは、実質的にフリップ・フロップのマスタ出力ドライバ中のPMOSトランジスタに対応するように構成される;及び
第2の入力に接続されたドレイン、該電源電圧に接続されたゲート、及びグランドに接続されたソースを有するNMOSトランジスタ、ここにおいて、該NMOSトランジスタは、実質的に該フリップ・フロップの該マスタ出力ドライバ中のNMOSトランジスタに対応するように構成される、
をさらに具備する、請求項14の回路。
【請求項17】
マルチプレクサの出力に接続されたインバータ、ここにおいて、該インバータは、実質的にフリップ・フロップ中の出力ドライバに対応するように構成される、をさらに具備する、請求項14の回路。
【請求項18】
第1の伝播遅延は、クロックからQへの伝播遅延である、請求項14の回路。
【請求項19】
クロック源により発生されたクロック信号とは無関係に出力の非同期リセットを可能にする非同期リセット機能をさらに具備する、請求項14の回路。
【請求項20】
第1の送信ゲートを駆動するために接続された第1の入力、第2の送信ゲートを駆動するために接続された第2の入力、該送信ゲートの1つを選択的に使用可能にするためにクロック源に接続された選択入力、及び該第1の送信ゲート及び第2の送信ゲートに接続された出力を有する遅延マッチング回路、ここにおいて、該送信ゲートは、実質的にフリップ・フロップ中のスレーブ送信ゲートに対応するように構成される;
第1の入力に接続されたドレイン、グランドに接続されたゲート、及び電源電圧に接続されたソースを有するPMOSトランジスタ、ここにおいて、該PMOSトランジスタは、実質的に該フリップ・フロップのマスタ出力ドライバ中のPMOSトランジスタに対応するように構成される;
第2の入力に接続されたドレイン、該電源電圧に接続されたゲート、及びグランドに接続されたソースを有するNMOSトランジスタ、ここにおいて、該NMOSトランジスタは、実質的に該フリップ・フロップの該マスタ出力ドライバ中のNMOSトランジスタに対応するように構成される;
マルチプレクサの出力に接続されたインバータ、ここにおいて、該インバータは、実質的に該フリップ・フロップ中の出力ドライバに対応するように構成される、
を具備する、遅延マッチング回路。
【請求項21】
信号を発生するための信号源;
該信号を変形し変形された信号を分配するため、及び該変形された信号に第1の伝播遅延を導入するフリップ・フロップを含む信号分配回路;及び
該信号を分配するため、及び該信号に第2の伝播遅延を導入するための遅延マッチング回路、該第2の伝播遅延は該フリップ・フロップにより該変形された信号に導入された該第1の伝播遅延に実質的に符合する
を具備する、回路。
【請求項22】
遅延マッチング回路は:
信号源に接続された選択線を有するマルチプレクサ;
フリップ・フロップ中のスレーブ送信ゲートの特性を実質的に模倣する該マルチプレクサ内部の複数の送信ゲート;
該フリップ・フロップのマスタ出力ドライバの特性を実質的に模倣する該マルチプレクサに接続された複数の入力;及び
該フリップ・フロップ中の出力ドライバの特性を実質的に模倣する該マルチプレクサに接続された出力、
を含む、請求項21の回路。
【請求項23】
遅延マッチング回路は、第1の送信ゲートを駆動するために接続された第1の入力、第2の送信ゲートを駆動するために接続された第2の入力、該送信ゲートの1つを選択的に使用可能にするために信号源に接続された選択入力、及び該第1の送信ゲート及び第2の送信ゲートに接続された出力を含む、ここにおいて、該複数の送信ゲートは、実質的にフリップ・フロップ中のスレーブ送信ゲートに対応するように構成される、請求項21の回路。
【請求項24】
複数の送信ゲートは、フリップ・フロップ中のスレーブ送信ゲートに実質的に大きさで対応するように構成される、請求項23の回路。
【請求項25】
遅延マッチング回路は、
第1の入力に接続されたドレイン、グランドに接続されたゲート、及び電源電圧に接続されたソースを有するPMOSトランジスタ、ここにおいて、該PMOSトランジスタは、実質的にフリップ・フロップのマスタ出力ドライバ中のPMOSトランジスタに対応するように構成される;及び
第2の入力に接続されたドレイン、該電源電圧に接続されたゲート、及びグランドに接続されたソースを有するNMOSトランジスタ、ここにおいて、該NMOSトランジスタは、実質的に該フリップ・フロップの該マスタ出力ドライバ中のNMOSトランジスタに対応するように構成される、
を含む、請求項23の回路。
【請求項26】
PMOSトランジスタは、フリップ・フロップのマスタ出力ドライバ中のPMOSトランジスタに実質的に大きさで対応するように構成される、及びNMOSトランジスタは、該フリップ・フロップの該マスタ出力ドライバ中のNMOSトランジスタに実質的に大きさで対応するように構成される、請求項25の回路。
【請求項27】
遅延マッチング回路は、マルチプレクサの出力に接続されたインバータを含む、ここにおいて、該インバータは、実質的にフリップ・フロップ中の出力ドライバに対応するように構成される、請求項23の回路。
【請求項28】
分割されたクロック信号を生成するため、及び該分割されたクロック信号に第1の伝播遅延を導入するためにフリップ・フロップを用いてクロック信号を分割すること;及び
遅延マッチング回路を用いて該クロック信号に第2の伝播遅延を導入すること、該第2の伝播遅延は該フリップ・フロップにより該分割されたクロック信号に導入された該第1の伝播遅延に実質的に符合する、ここにおいて、該遅延マッチング回路は、該フリップ・フロップの遅延特性を実質的に模倣する、
を具備する、方法。
【請求項29】
遅延マッチング回路は:
クロック源に接続された選択線を有するマルチプレクサ;
フリップ・フロップ中のスレーブ送信ゲートの特性を実質的に模倣する該マルチプレクサ内部の複数の送信ゲート;
該フリップ・フロップのマスタ出力ドライバの特性を実質的に模倣する該マルチプレクサに接続された複数の入力;及び
該フリップ・フロップ中の出力ドライバの特性を実質的に模倣する該マルチプレクサに接続された出力
を含む、請求項28の方法。
【請求項30】
第1の伝播遅延は、クロックからQへの伝播遅延である、請求項28の方法。
【請求項31】
遅延マッチング回路は、第1の送信ゲートを駆動するために接続された第1の入力、第2の送信ゲートを駆動するために接続された第2の入力、該送信ゲートの1つを選択的に使用可能にするためにクロック源に接続された選択入力、及び該第1の送信ゲート及び第2の送信ゲートに接続された出力を含む、ここにおいて、該複数の送信ゲートは、実質的にフリップ・フロップ中のスレーブ送信ゲートに対応するように構成される、請求項28の方法。
【請求項32】
遅延マッチング回路は:
第1の入力に接続されたドレイン、グランドに接続されたゲート、及び電源電圧に接続されたソースを有するPMOSトランジスタ、ここにおいて、該PMOSトランジスタは、実質的にフリップ・フロップのマスタ出力ドライバ中のPMOSトランジスタに対応するように構成される;及び
第2の入力に接続されたドレイン、該電源電圧に接続されたゲート、及びグランドに接続されたソースを有するNMOSトランジスタ、ここにおいて、該NMOSトランジスタは、実質的に該フリップ・フロップの該マスタ出力ドライバ中のNMOSトランジスタに対応するように構成される、
を含む、請求項31の方法。
【請求項33】
遅延マッチング回路は、マルチプレクサの出力に接続されたインバータを含む、ここにおいて、該インバータは、実質的にフリップ・フロップ中の出力ドライバに対応するように構成される、請求項31の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−220249(P2010−220249A)
【公開日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2010−126963(P2010−126963)
【出願日】平成22年6月2日(2010.6.2)
【分割の表示】特願2006−522119(P2006−522119)の分割
【原出願日】平成16年7月29日(2004.7.29)
【出願人】(595020643)クゥアルコム・インコーポレイテッド (7,166)
【氏名又は名称原語表記】QUALCOMM INCORPORATED
【Fターム(参考)】