説明

負荷情報を活用した情報表示装置

【課題】制御装置と情報表示装置とからなる制御システムにおいて、コントローラで実行しているプログラムの実行ブロックと関連付けた状態で駆動軸の負荷トルク情報を管理・取得し、それらの情報をプログラム表示に対応づけて表示させることにより、プログラムのどの部分の動きを行っている際に大きな負荷がかかっているのかを把握する。
【解決手段】コントローラで実行しているプログラムの現在実行ブロックに関連付けて駆動軸の負荷トルク情報を取得・管理するようにすると共に、任意の制限トルクを設定し、その設定値を超える箇所に関してはプログラムの状態表示を変更する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サーボモータやインバータ、I/Oなどの制御機器を制御するためのモーションコントローラやPLCにおいて、コントローラ内の情報を表示するための情報表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
工作機械や搬送機器、工場内の制御機器などにおいては、サーボドライブやインバータ、I/Oなどの駆動機器が複数台使用されており、これらの制御のためモーションコントローラやPLC、パソコン(以降、これらを制御装置と呼ぶ)などが良く使用されている。
【0003】
またこれらの制御装置においては、それ自身で情報表示用の画面を有していないことが多く、機器のセットアップやプログラム開発、機器の保守、運用時には、内部のプログラムの操作や機械の稼動状態を表示するために別途情報表示装置を装着することが多い。
【0004】
このような制御装置を用いた機械などでは、駆動中のモータ負荷トルクを監視して、このトルクが一定以上になった場合、過負荷アラームを出して機械の動作を中断したり、動作速度を下げて負荷を軽減させることはすでに公知である。
この際、アラームが発生した箇所に関しては情報表示装置で表示される該当のプログラム箇所の表示色を変更するとともに、メッセージを表示したりすることでどのようなアラームがどの部分で発生したかを示すこともすでに公知である。
【0005】
同様に工具の破損や磨耗、または機械稼動部の磨耗が生じると工具負荷が高くなるので、駆動軸の工具負荷を監視することでこれらの異常を検出する機能を備えるものもすでに公知である。
制御装置を用いて機械を動かす場合、機械構成によっては、重力の影響を受けたり、慣性モーメントが変化することにより、駆動区間における負荷が大きく変動するものがある。
このような場合、単純に駆動軸の過負荷を検出するだけではなく、プログラムの各部分でどのくらいの負荷がかかっているのか、定格トルクに対しての余裕度はどのくらいなのかをプログラムの全ての領域において把握したいという要求があった。
また、保守・メンテナンスフェーズにおいて稼動中の機械の経年変化や、破損、磨耗や加工中の噛みこみなどにより異常が発生した場合においても、それがプログラムのどの場所で発生して、どのような挙動を示しているかを確認したいという要求もあった。また異常状態の把握だけでなく、プログラムの各部分で通常状態での負荷トルクの発生状況を把握しておきたいという要求があった。
これまで工作機械などでは、取得したトルク情報を用いて工具寿命の管理などを行うものも存在する。(例えば特許文献1参照)
このように、従来は、トルク情報による負荷状態の監視は過負荷状態の検出を目的としたものか、工作機械の工具寿命の管理を目的としたものであった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2004−102568
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
制御装置を工作機械用途などに用いる場合、実際に切削などを行う際に切削経路によって工具にかかる負荷が大きく変動することがあるため、工具負荷が大きい箇所に関しては工具の動かし方を変更する必要性が生じるが、プログラムのどの部分でどのくらいの負荷がかかっているのかをプログラムと関連づけて直感的に把握することは難しいという問題があった。
また、制御装置を動作させる場合、軸の負荷トルクだけでなく、電圧、温度など種々のデータを監視する必要があるが、これらのデータがユーザプログラムの実行時にどのように変化しているかをユーザプログラムと関連づけて直感的に把握することは難しいという問題があった。
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたものであり、過負荷だけではなく、ユーザプログラムのどの部分でどのくらいの負荷がかかっているのかをプログラムと関連づけて直感的に表示できる情報表示装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記問題を解決するため、請求項1に記載の発明では、サーボモータ、インバータ、I/O装置などの制御を行う制御装置と、この制御装置に接続されて制御装置上で実行されているユーザプログラム情報やユーザプログラムによって変化するトルク情報やその他の入力情報を表示する情報表示装置からなる制御システムにおいて、制御装置は、情報表示装置と通信を経由して情報をやりとりするための通信I/F処理部と、ユーザプログラムを行単位で実行・制御するためのプログラム実行部と、実行中のユーザプログラムの実行行を管理するためのプログラム実行行管理部と、ユーザプログラム実行中における駆動軸のトルク情報を取得して、プログラム実行行管理部で管理される実行行番号と関連づけて格納する実行情報管理部とを備え、情報表示装置は、制御装置と通信を経由して情報をやりとりするための通信I/F処理部と、制御装置の実行情報管理部から前期通信I/F処理部によってユーザプログラムの実行行番号と駆動軸のトルク情報を定周期で取得するための実行情報取得部と、各駆動軸に対する上限値トルクおよび下限値トルクを設定するための上下限情報設定部と、現在実行しているユーザプログラムを表示するプログラム表示部を備え、プログラム表示部では、制御装置から取得したユーザプログラムの実行行番号を元に現在実行中のユーザプログラムの行を表示すると共に、駆動軸のトルクが、予め設定された上限値または下限値を超えたユーザプログラムの箇所について、プログラムの表示状態を変更することにより、ユーザが簡単に視認できるよう構成した。
【0009】
請求項2に記載の発明では、サーボモータ、インバータ、I/O装置などの制御を行う制御装置と、この制御装置に接続されて制御装置上で実行されているユーザプログラム情報やユーザプログラムによって変化するトルク情報やその他の入力情報を表示する情報表示装置からなる制御システムにおいて、制御装置は、情報表示装置と通信を経由して情報をやりとりするための通信I/F処理部と、ユーザプログラムを行単位で実行・制御するためのプログラム実行部と、実行中のユーザプログラムの実行行を管理するためのプログラム実行行管理部と、外部機器からの入力データを入力したり、外部機器への出力データを出力するための外部機器I/F処理部と、ユーザプログラム実行中における外部機器からの入力データ情報を取得して、プログラム実行行管理部で管理される実行行番号と関連づけて格納する実行情報管理部とを備え、情報表示装置は、制御装置と通信を経由して情報をやりとりするための通信I/F処理部と、制御装置の実行情報管理部から前期通信I/F処理部によってユーザプログラムの実行行番号と外部機器からの入力データ情報を定周期で取得するための実行情報取得部と、外部機器からの入力データに対する上限値および下限値を設定するための上下限情報設定部と、現在実行しているユーザプログラムを表示するプログラム表示部を備え、プログラム表示部では、前記制御装置から取得したユーザプログラムの実行行番号を元に現在実行中のユーザプログラムの行を表示すると共に、外部機器からの入力データが、予め設定された上限値または下限値を超えたユーザプログラムの箇所について、プログラムの表示状態を変更することにより、ユーザが簡単に視認できるように構成した。
【0010】
請求項3に記載の発明では、請求項1に記載の制御システムにおいて、情報表示装置は、実行情報取得部で取得した駆動軸のトルク情報をグラフィック表示するためのトルク表示部を備え、実行情報取得部で取得したユーザプログラムの実行行番号と対応させて駆動軸のトルクの変化状況を表示することができるように構成した。
【0011】
請求項4に記載の発明では、請求項3に記載の制御システムにおいて、トルク表示部によるトルク情報の表示は、制御装置のサンプリング周期で取得したすべてのデータを使用してユーザプログラムの1行中のトルクの変化も表示するように構成した。
【0012】
請求項5に記載の発明では、請求項3に記載の制御システムにおいて、トルク表示部によるトルク情報の表示は、制御装置のサンプリング周期で取得したデータをユーザプログラムの行単位で平均した値を使用して表示するように構成した。
【0013】
請求項6に記載の発明では、請求項3に記載の制御システムにおいて、トルク表示部によるトルク情報の表示は、制御装置のサンプリング周期で取得したデータのうち、ユーザプログラムの1行単位の中でのピーク値を使用して表示するように構成した。
【0014】
請求項7に記載の発明では、請求項4乃至請求項6に記載の制御システムにおいて、トルク表示部によるトルク情報の表示は、上下限情報設定部で設定した上限値と下限値も合わせてグラフィック表示するように構成した。
請求項8に記載の発明では、請求項2に記載の制御システムにおいて、情報表示装置は、実行情報取得部で取得した外部機器の外部入力情報をグラフィック表示するための外部入力表示部を備え、実行情報取得部で取得したユーザプログラムの実行行番号と対応させて外部機器の外部入力情報の変化状況を表示することができるように構成した。
【0015】
請求項9に記載の発明では、請求項8に記載の制御システムにおいて、外部入力表示部による外部入力情報の表示は、制御装置のサンプリング周期で取得したすべてのデータを使用してユーザプログラムの1行中の外部入力の変化も表示するように構成した。
【0016】
請求項10に記載の発明では、請求項8に記載の制御システムにおいて、外部入力表示部による外部入力情報の表示は、制御装置のサンプリング周期で取得したデータをユーザプログラムの行単位で平均した値を使用して表示するように構成した。
【0017】
請求項11に記載の発明では、請求項8に記載の制御システムにおいて、外部入力表示部による外部入力情報の表示は、制御装置のサンプリング周期で取得したデータのうち、ユーザプログラムの1行単位の中でのピーク値を使用して表示するように構成した。
【0018】
請求項12に記載の発明では、請求項9乃至請求項11に記載の制御システムにおいて、外部入力表示部による外部入力情報の表示は、上下限情報設定部で設定した上限値と下限値も合わせてグラフィック表示するように構成した。


【発明の効果】
【0019】
請求項1に記載の発明によると、設定した上限トルクを超えた箇所のプログラム表示状態を変更して表示することにより、工作機械であればプログラムのどの箇所の命令を実行している際にワークに対する負荷がかっているか直感的に理解することができる。
【0020】
これにより、切削動作をおこなう場合であれば工具負荷を減らすために、プログラム中のどの箇所の命令を変更すればよいのかを簡単に把握することが可能になる。また搬送系の機械であれば、設定した上限トルクを超えている場合、その区間の加減速時間を長くしたり、稼動物の重量を小さくするなどユーザがプログラムの変更・改善箇所を簡単に判断することが可能となる。
【0021】
請求項2に記載の発明によると、工作機械や半導体製造装置などで加工を行う場合、対象のワークが影響を受ける要因としては軸負荷トルク以外にも温度や圧力、電圧、光量などその機器が取り扱う対象によって様々な要因が考えられる。これらの値は、「工程Aのワーク搬送中の温度が異常」、「作業工程Bのタッピング動作中のトルク値が異常」、「工程Cのボトル搬送中ライト光量不足」など、駆動する区間による影響を受けることが多いが、これらの異常が発生しているプログラム箇所を簡単に特定することが可能になる。
【0022】
請求項3に記載の発明によると、駆動軸のトルクがユーザプログラムの実行行と対応してどう変化しているかを直感的に把握することが可能になる。
請求項4に記載の発明によると、駆動軸のトルクがユーザプログラムの実行行単位の中でどのように変化しているかを直感的に把握することが可能になる。
請求項5に記載の発明によると、駆動軸のトルクがユーザプログラムの実行行単位の中で平均するとどのように変化しているかを直感的に把握することが可能になる。
請求項6に記載の発明によると、駆動軸のトルクがユーザプログラムの実行行単位の中でピーク値はどのように変化しているかを直感的に把握することが可能になる。
請求項7に記載の発明によると、駆動軸のトルクがユーザプログラムの実行行単位の中で設定した上限値や下限値と比較してどのように変化しているかを直感的に把握することが可能になる。
請求項8に記載の発明によると、外部機器からの入力がユーザプログラムの実行行と対応してどう変化しているかを直感的に把握することが可能になる。
請求項9に記載の発明によると、外部機器からの入力がユーザプログラムの実行行単位の中でどのように変化しているかを直感的に把握することが可能になる。
請求項10に記載の発明によると、外部機器からの入力がユーザプログラムの実行行単位の中で平均するとどのように変化しているかを直感的に把握することが可能になる。
請求項11に記載の発明によると、外部機器からの入力がユーザプログラムの実行行単位の中でピーク値はどのように変化しているかを直感的に把握することが可能になる。
請求項12に記載の発明によると、外部機器からの入力がユーザプログラムの実行行単位の中で設定した上限値や下限値と比較してどのように変化しているかを直感的に把握することが可能になる。


【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の全体構成図である。
【図2】本発明を適用した情報表示装置において、軸負荷トルクが上下限値を超えた箇所に関してプログラム表示を変更して表示している一例である。
【図3】本発明を適用した情報表示装置において、プログラム表示と併せて取得したトルク情報をプログラムの実行ブロックに対応させてグラフ表示している一例である。
【図4】本発明を適用した情報表示装置において、プログラム表示と併せて取得したトルク情報をユーザプログラムの実行行単位で平均して、プログラムの実行ブロックに併記してグラフ表示している一例である。
【図5】コントローラの実行情報管理部で管理するデータ構成の一例である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の実施の形態について図を参照して説明する。
【実施例1】
【0025】
図1は、本発明の制御システムの構成ブロック図である。制御システムは、1制御装置と通信媒体で接続された2情報表示装置、およびネットワーク等で接続された3サーボドライブで構成される。1制御装置は、2情報表示装置との通信を処理する4通信I/F処理部と、ユーザプログラムのどの部分が現在実行されているかを管理する6プログラム実行ブロック管理部と、ユーザプログラムを実行する7プログラム実行部と、ユーザプログラムの実行行と対応させて制御装置の制御サイクル毎に負荷トルクの情報や外部機器からの入力情報を管理保管する5実行情報管理部と、ネットワークで接続された1軸あるいは複数軸の3サーボドライブとのインターフェイス処理を行う8サーボI/F処理部と、外部の種々のI/O機器からの入力データを取得するための9外部機器I/F処理部から構成される。2情報表示装置は、1制御装置との通信を処理する13通信I/F処理部と、1制御装置の5実行情報管理部が管理するユーザプログラムの実行情報を読み出すための12実行情報取得部と、ユーザが任意の制限トルクを設定するための11上下限情報設定部と、12実行情報取得部で取得したユーザプログラムの実行情報を表示する10プログラム表示部と、12実行情報取得部で取得したトルク情報をユーザプログラムの行と対応させてグラフィックに表示する14トルク表示部と、12実行情報取得部で取得した外部機器からの外部入力情報をユーザプログラムの行と対応させてグラフィックに表示する15外部入力表示部から構成される。
【0026】
1制御装置は、図2に示すようなユーザが予め作成したユーザプログラムによって指定された各軸の移動量や移動速度から制御周期毎に対応する13サーボドライブへの加速、減速、定速移動、停止などの指令を与える。図2では、MVSコマンドにより、A1軸とA2軸に対し、指令位置と移動速度を与える例を示している。このユーザプログラムの1行のことをブロックとも呼ぶ。実際はこの1ブロックの中でA1、A2軸の3サーボドライブに対して加速指令、定速での移動指令、減速指令、停止指令が送付される。負荷トルクはこの指令によって、あるいは負荷の位置などによって変動する。
【0027】
1制御装置は、予め登録されているユーザプログラムを6プログラム実行ブロック管理部でどのユーザプログラムのどの行が実行中であるかを管理しながら、7プログラム実行部で実行するが、その際に、その制御周期毎に8サーボI/F処理部を経由して、3サーボドライブより負荷トルク情報を入手し、5実行情報管理部は、制御周期毎に得られた各負荷軸のトルク情報をユーザプログラムの実行行データとともに管理格納しておく。通常はリングバッファ等を使って管理格納しておく。図5に6プログラム実行管理部が管理格納している負荷トルク情報の例を示す。この例では、制御周期毎のX1軸とY1軸の負荷トルクが実行ブロック情報とともに記憶されている。なおこの例では各プログラムブロック単位での負荷トルクの平均値とピーク値についても記録されている。
【0028】
2情報表示装置は、12実行情報取得部が、1制御装置の5実行情報管理部が管理格納している負荷情報を読出し、10プログラム表示部を使ってユーザプログラムとその実行行に対応した負荷トルク情報を表示する。また11上下限情報設定部によって、ユーザは予め各軸毎の負荷トルクの上限、下限を設定することができる。
【0029】
図2は、2情報表示装置において、5実行情報管理部が取得したトルク情報と11上下限情報設定部で設定された負荷トルクの上下限情報を使用して、ユーザプログラムを行単位で表示するとともに、実際に駆動時の負荷トルクが設定した上限、下限を超えたユーザプログラム行部分についてハイライト表示している例である。この例では行番号21、22、23、28のユーザプログラム行において負荷トルクが上限、下限を超えたことが直感的に把握できるようになっている。
【0030】
図3では、ユーザプログラムを表示するとともに、実際に駆動時の負荷トルクが設定した上限、下限を超えたユーザプログラムの行部分についてハイライト表示するとともに、このユーザプログラム行と対応して実際の負荷トルクをグラフとして図示した例である。これによってユーザプログラムの行の中で負荷トルクがどのように変化しているか、設定した許容値に対してどの程度の余裕度があるのかが直感的に把握できるようになっている。
【0031】
図4では、図3のようにユーザプログラムの行単位の中のすべての制御周期で得られた負荷トルク情報を表示するのではなく、行単位で負荷トルクを平均した値をグラフとして表示した例である。これによって負荷の平均的なトルクがユーザプログラムと対応してどう変化しているかを直感的に把握することができるようになっている。
【0032】
また図示はしないが、平均値の代わりにユーザプログラム行単位の中のピーク値を使って負荷トルクをグラフとして表示することも可能である。
【実施例2】
【0033】
例えば本発明を射出成形機に適用した場合、ユーザプログラムを作成する際に、射出時の温度や成型時の圧力などを把握する必要がある。また稼働中はプログラム動作中におけるこれらの情報を監視して、異常な温度や圧力になった場合は該当動作そのものの異常と判断しなければならない。
【0034】
このような場合、温度センサや圧力センサを装着し、それらのセンサ信号を9外部機器I/F処理部を使って1制御装置が取得可能にする。そして5実行情報管理部は、現在実行しているユーザプログラムの実行ブロック情報とこれら外部機器からの入力情報を関連付けて管理格納する。2情報表示装置は、負荷トルク情報の代わりに外部機器から取得した情報を使って、図2、3、4のようにユーザプログラムの実行行と対応させて外部機器からの入力情報の変化を表示することが可能になる。

【符号の説明】
【0035】
1 制御装置
2 情報表示装置
3 サーボドライブ
4 通信I/F処理部
5 実行情報管理部
6 プログラム実行ブロック管理部
7 プログラム実行部
8 サーボI/F処理部
9 外部機器I/F処理部
10 プログラム表示部
11 上下限情報設定部
12 実行情報取得部
13 通信I/F処理部
14 トルク表示部
15 外部入力表示部





【特許請求の範囲】
【請求項1】
サーボモータ、インバータ、I/O装置などの制御を行う制御装置と、この制御装置に接続されて制御装置上で実行されているユーザプログラム情報やユーザプログラムによって変化するトルク情報やその他の入力情報を表示する情報表示装置からなる制御システムにおいて、
前記制御装置は、前記情報表示装置と通信を経由して情報をやりとりするための通信I/F処理部と、ユーザプログラムを行単位で実行・制御するためのプログラム実行部と、実行中のユーザプログラムの実行行を管理するためのプログラム実行行管理部と、ユーザプログラム実行中における駆動軸のトルク情報を取得して、プログラム実行行管理部で管理される実行行番号と関連づけて格納する実行情報管理部とを備え、
前記情報表示装置は、前記制御装置と通信を経由して情報をやりとりするための通信I/F処理部と、前記制御装置の実行情報管理部から前期通信I/F処理部によってユーザプログラムの実行行番号と駆動軸のトルク情報を定周期で取得するための実行情報取得部と、
各駆動軸に対する上限値トルクおよび下限値トルクを設定するための上下限情報設定部と、
現在実行しているユーザプログラムを表示するプログラム表示部を備え、
前記プログラム表示部では、前記制御装置から取得したユーザプログラムの実行行番号を元に現在実行中のユーザプログラムの行を表示すると共に、駆動軸のトルクが、予め設定された上限値または下限値を超えたユーザプログラムの箇所について、プログラムの表示状態を変更することにより、ユーザが簡単に視認できるようにしたことを特徴とする制御システム。
【請求項2】
サーボモータ、インバータ、I/O装置などの制御を行う制御装置と、この制御装置に接続されて制御装置上で実行されているユーザプログラム情報やユーザプログラムによって変化するトルク情報やその他の入力情報を表示する情報表示装置からなる制御システムにおいて、
前記制御装置は、前記情報表示装置と通信を経由して情報をやりとりするための通信I/F処理部と、ユーザプログラムを行単位で実行・制御するためのプログラム実行部と、
実行中のユーザプログラムの実行行を管理するためのプログラム実行行管理部と、外部機器からの入力データを入力したり、外部機器への出力データを出力するための外部機器I/F処理部と、ユーザプログラム実行中における外部機器からの入力データ情報を取得して、プログラム実行行管理部で管理される実行行番号と関連づけて格納する実行情報管理部とを備え、
前記情報表示装置は、前記制御装置と通信を経由して情報をやりとりするための通信I/F処理部と、前記制御装置の実行情報管理部から前期通信I/F処理部によってユーザプログラムの実行行番号と外部機器からの入力データ情報を定周期で取得するための実行情報取得部と、外部機器からの入力データに対する上限値および下限値を設定するための上下限情報設定部と、現在実行しているユーザプログラムを表示するプログラム表示部を備え、
前記プログラム表示部では、前記制御装置から取得したユーザプログラムの実行行番号を元に現在実行中のユーザプログラムの行を表示すると共に、外部機器からの入力データが、予め設定された上限値または下限値を超えたユーザプログラムの箇所について、プログラムの表示状態を変更することにより、ユーザが簡単に視認できるようにしたことを特徴とする制御システム。
【請求項3】
前記情報表示装置は、前記実行情報取得部で取得した駆動軸のトルク情報をグラフィック表示するためのトルク表示部を備え、前記実行情報取得部で取得したユーザプログラムの実行行番号と対応させて駆動軸のトルクの変化状況を表示することを特徴とする請求項1記載の制御システム。
【請求項4】
前記トルク表示部によるトルク情報の表示は、前記制御装置のサンプリング周期で取得したすべてのデータを使用してユーザプログラムの1行中のトルクの変化も表示することを特徴とする請求項3記載の制御システム。
【請求項5】
前記トルク表示部によるトルク情報の表示は、前期制御装置のサンプリング周期で取得したデータをユーザプログラムの行単位で平均した値を使用して表示することを特徴とする請求項3記載の制御システム。
【請求項6】
前記トルク表示部によるトルク情報の表示は、前記制御装置のサンプリング周期で取得したデータのうち、ユーザプログラムの1行単位の中でのピーク値を使用して表示することを特徴とする請求項3記載の制御システム。
【請求項7】
前記トルク表示部によるトルク情報の表示は、前記上下限情報設定部で設定した上限値と下限値も合わせてグラフィック表示することを特徴とする請求項4乃至請求項6記載の制御システム。
【請求項8】
前記情報表示装置は、前記実行情報取得部で取得した外部機器からの入力情報をグラフィック表示するための外部入力表示部を備え、前記実行情報取得部で取得したユーザプログラムの実行行番号と対応させて外部入力情報の変化状況を表示することを特徴とする請求項2記載の制御システム。
【請求項9】
前記外部入力表示部による外部入力情報の表示は、前記制御装置のサンプリング周期で取得したすべてのデータを使用してユーザプログラムの1行中の外部入力の変化も表示することを特徴とする請求項8記載の制御システム。
【請求項10】
前記外部入力表示部による外部入力情報の表示は、前記制御装置のサンプリング周期で取得したデータをユーザプログラムの行単位で平均した値を使用して表示することを特徴とする請求項8記載の制御システム。
【請求項11】
前記外部入力表示部による外部入力情報の表示は、前記制御装置のサンプリング周期で取得したデータのうち、ユーザプログラムの1行単位の中でのピーク値を使用して表示することを特徴とする請求項8記載の制御システム。
【請求項12】
前記外部入力表示部による外部入力情報の表示は、前記上下限情報設定部で設定した上限値と下限値も合わせてグラフィック表示することを特徴とする請求項9乃至請求項11記載の制御システム。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−37383(P2013−37383A)
【公開日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−285872(P2009−285872)
【出願日】平成21年12月17日(2009.12.17)
【出願人】(000006622)株式会社安川電機 (2,482)
【Fターム(参考)】