説明

超電導コイル用電力変換装置

【課題】3レベルチョッパにおいて、オンオフ動作をするスイッチング素子が、電圧指令値に応じて定まる2素子に限定されることなく、その選択に自由度を持たせることが出来、より広範囲な用途への適用が可能となる超電導コイル用電力変換装置を得ることを目的とする。
【解決手段】超電導コイル5の充放電に係る制御モード毎に予め各半導体スイッチング素子7a、7b、8a、8bのオンオフ制御順位を特定するスイッチングパターンを設定しておき、電圧指令値Vdrefに応じて該当する制御モードに設定されたスイッチングパターンを選択するスイッチングパターン選択部16、および直流出力電圧が電圧指令値Vdrefに一致するよう選択されたスイッチングパターンによるチョッパ回路6の出力電圧パルス幅を演算し各スイッチング素子7a、7b、8a、8bをオンオフ駆動する信号を作成するパルス作成部17を備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、超電導電力貯蔵システム(Superconducting Magnetic Energy Storage System、以下SMES)に適用される超電導コイル用電力変換装置に係り、特に、3レベルの直流電源と超電導コイルとの間で直流電力の授受を行う3レベルチョッパの制御技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
電力貯蔵システムを有する電力変換装置は、パワーエレクトロニクス技術の適用によって高度な電力変換制御が可能であり、電力系統の事故や落雷等に起因した系統電圧の瞬時低下や、鉄道等における電力負荷変動といった電力システムの様々な課題を解決する手段として、開発・導入が進められている。一般に、このような電力変換装置は、連系した電力系統の交流電力と、電力貯蔵システムの持つ電力を双方向に変換する電力変換器として、電圧形インバータを用いる。高圧大容量の電圧形インバータとしてはマルチレベルインバータがあるが、近年ではその一種である3レベル方式(3レベルインバータ)が実用化され、多くの適用例がある。
一方、電力貯蔵システムの電力貯蔵デバイスとしては、鉛蓄電池をはじめとする各種二次電池や、フライホイールなどのような機械電力で貯蔵するものなど様々なものがあるが、超電導コイルを用いたSMESを電力変換装置に適用した小形かつ大容量のシステム開発が進められている。
【0003】
従来のSMES電力変換装置として、例えば、特許文献1に示されたものは、超電導コイルの電力の入出力を2レベルのチョッパ回路で行うもので、チョッパ回路を構成する2つの半導体スイッチング素子をオン・オフ制御することで超電導コイルに印加する電圧を調整し、超電導コイル電流の増大、減少、および環流動作による超電導コイル電流の保持を行っている。
具体的な電力入出力制御の方式としては、例えば、特許文献2に示されている。ここでは、SMESが入出力すべき有効電力の指令値をチョッパ電力制御器に与えている。チョッパ電力制御器は、有効電力指令値と超電導コイルに流れる電流とから、超電導コイルに印加すべき電圧の指令値を出力する。PWM(Pulse Width Modulation)制御器は、この電圧指令値に基づいてPWM制御を行い、チョッパ回路の半導体スイッチング素子をオン・オフする駆動信号を出力する。PWM制御は、2レベルの電圧形インバータで一般的に使用されている三角波比較方式などが適用可能である。
【0004】
高圧大容量のSMES電力変換装置の電圧形インバータとして3レベルインバータを適用した場合、チョッパ回路も3レベルタイプが必要となる。図10は、例えば、非特許文献1に示された3レベルチョッパ回路であり、2レベルインバータを3レベル化したインバータと同様に、2レベルチョッパ回路を3レベル化した構成である。
従って、3レベルチョッパのPWM制御には、3レベルインバータで一般的に使用されている制御方式が適用可能である。図11は、非特許文献1に示されたダブルキャリアユニポーラ方式によるPWM制御であり、電圧指令値に応じた電圧が超電導コイルに印加されている。
【0005】
図12は、図11と同じダブルキャリアユニポーラ方式のPWM制御を行った場合の、3レベルチョッパ回路における各半導体スイッチング素子G1〜G4のオン・オフ状態を示したものである。図12に示したスイッチングパターンSPは、後段の、発明の実施の形態1の図3で説明する3レベルチョッパ回路を構成する4個の半導体スイッチング素子(7a、7b、8a、8b、なお、この図12では、G1〜G4で示す)が取り得る合計16通りのオン・オフ状態に対応するスイッチングパターンに番号を付したものである。
【0006】
図12において、超電導コイルに流れる電流を増大させる超電導コイル充電時は、電圧指令値は正であり、3レベルチョッパ回路の外側の素子G1、G4のみがオン・オフを繰り返し、内側の素子G2、G3はオン状態のままでスイッチングしていない。逆に、超電導コイルに流れる電流を減少させる超電導コイル放電時は、電圧指令値は負であり、内側素子G2、G3のみがスイッチングを行い、外側素子G1、G4はオフ状態のままとなっている。この時、電圧指令値の正負、大小によって使用されるスイッチングパターンは異なるものの、電圧指令値が一定であれば、使用されるスイッチングパターンは全16通りのうちの3種類となっている。また、図3のスイッチングパターンのうちで出力電圧が0Vである零電圧出力パターンは5種類あるのに対し、図12で使用されている零電圧出力パターンはSP6の1種類のみとなっている。
【0007】
【特許文献1】特許第2543336号(第1図、第2図)
【特許文献2】特許第2771948号(図1)
【非特許文献1】船橋、高柳、林、三宮、堤:「100MVA級SMES用電圧型交直変換装置の概念設計」、電気学会電力技術研究会資料、PE−01−12、pp.67−72、2001年(図2、図3)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
以上のように、SMES電力変換装置で使用されている3レベルチョッパの従来のダブルキャリアユニポーラ方式では、電圧指令値と三角波形の変調波との比較による論理出力でスイッチング素子の駆動信号を制御するため、電圧指令値に対してオンオフ動作をするスイッチング素子が特定の2素子に限定される。
この為、個々の適用において要求される運転パターンによって、例えば、オンオフ動作をするスイッチング素子を3個以上として各素子の負荷率を均等化させる方向を追求したい場合、また、充電、放電等の動作モードの移行を円滑にしたい場合等が生じても、従来の電圧指令値と三角波形の変調波との比較による論理出力でスイッチング素子を駆動する方式では、これら多様な要求に対応できないという問題点があった。
【0009】
この発明は、以上のような従来の問題点を解消するためになされたもので、3レベルチョッパにおいて、オンオフ動作をするスイッチング素子が、電圧指令値に応じて定まる2素子に限定されることなく、その選択に自由度を持たせることが出来、より広範囲な用途への適用が可能となる超電導コイル用電力変換装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この発明に係る超電導コイル用電力変換装置は、正側端子、負側端子および中性点端子を備えた3レベルの直流電源と正負両極端子を備えた超電導コイルとの間に接続され、複数のスイッチング素子を備え、各スイッチング素子をオンオフすることにより直流電源と超電導コイルとの間で直流電力の授受を行う3レベルチョッパ、および超電導コイルの両極端子への直流出力電圧が電圧指令値に追随するよう各スイッチング素子をオンオフ制御するチョッパ制御手段を備えた超電導コイル用電力変換装置において、
チョッパ制御手段は、超電導コイルの充放電に係る複数種別の制御モード毎に予め各スイッチング素子のオンオフ制御順位を特定するスイッチングパターンを設定しておき、電圧指令値に応じて該当する制御モードに設定されたスイッチングパターンを選択するスイッチングパターン選択部、および直流出力電圧が電圧指令値に一致するよう選択されたスイッチングパターンによる3レベルチョッパの出力電圧パルス幅を演算し各スイッチング素子をオンオフ駆動する信号を作成するパルス作成部を備えたものである。
【発明の効果】
【0011】
この発明においては、制御モード毎に任意のスイッチングパターンを設定できるので、個々に要求される特性を満足させる方向で、3レベルチョッパを構成する各スイッチング素子をオンオフ動作させることができ、超電導コイル用電力変換装置として、より広範囲な用途への適用が可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1による超電導コイル用電力変換装置の例を示す構成図である。
電力系統1に変圧器2を介して接続される電圧形インバータ回路3の直流出力端子(正側端子、負側端子および中性点端子)間に2つの直流コンデンサ4a、4bを直列に接続する。そして、3レベルチョッパであるチョッパ回路6は、直流電源となる2つの直流コンデンサ4a、4bと超電導コイル5との間でチョッパ動作によって双方向の電力変換を行う。
【0013】
電圧形インバータ回路3は、高圧大容量の三相3レベルインバータであり、自己消弧機能を持った半導体スイッチング素子として、例えば、高耐圧大電流用途のGTOサイリスタ(Gate Turn−Off Thyristor)やGCTサイリスタ(Gate Commutated Turn−off Thyristor)などが適用されるが、従来のパワートランジスタや近年高耐圧化が進んでいるIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)なども適用可能である。三相3レベルインバータは、本願では主要部でなく、またその構成や動作については公知であるため、詳細な説明を省略する。
【0014】
チョッパ回路6は、図2に示すような電圧可逆形のチョッパ回路であり、電圧形インバータ回路3と同様の3レベル構成によるブリッジ形チョッパ回路であるが、超電導コイル5に流す電流の向きを一方向に固定すると、電流の向きを逆転させるための半導体スイッチング素子が不要になるため、半導体素子の使用数が半分となっている。
即ち、第1および第2のスイッチング素子である半導体スイッチング素子7a、7bの直列接続の組と第3および第4のスイッチング素子である半導体スイッチング素子8a、8bの直列接続の組による2組の半導体スイッチング素子と、同様に、第1のダイオードであるダイオード9a、9bの直列接続の組と第2のダイオードであるダイオード10a、10bの直列接続の組による2組のダイオードと、直列に接続した半導体スイッチング素子同士の接続点を中性点端子にクランプするための第1および第2のクランプダイオードである2個のクランプダイオード11a、11bで構成される。
【0015】
なお、図2では、半導体スイッチング素子としてGTOを適用しているが、電圧形インバータ回路3で適用される半導体スイッチング素子に対応してGCT、パワートランジスタ、IGBTなど他の半導体スイッチング素子と置き換えてもよい。また、2個直列に接続したダイオードの組は、直流回路電圧に対して十分な耐圧があれば1個のダイオードに置き換えてもよい。
【0016】
次に、図2に示したチョッパ回路6に関し、図3を参照して具体的なチョッパ動作を説明する。図3は、チョッパ回路6が取り得る全てのスイッチングパターンを示したものである。即ち、チョッパ回路6は、4個の半導体スイッチング素子7a、7b、8a、8bを持つため、図3に示したSP0〜SP15の合計16通りのオン・オフ状態の組合せを取り得る。各スイッチングパターンSP0〜SP15において流れる電流経路により、直流コンデンサ4a、4bの充電または放電、超電導コイル電流の環流状態という3種類の動作モードに大きく分類できる。
【0017】
但し、スイッチングパターンSP0〜SP15の中で、半導体スイッチング素子7b(または8a)がオフの時に半導体スイッチング素子7a(または8b)がスイッチングしても、電流経路は変わらない。そのため、SP1、8、9はSP0と同じ電流経路となる。同様に、SP2とSP10、SP3とSP11、SP4とSP5、SP12とSP13がそれぞれ同じ電流経路となる。従って、半導体スイッチング素子7b(または8a)がオフの時には、半導体スイッチング素子7a(または8b)を必ずオフにすると決めると、使用するスイッチングパターンは全16通りのうちSP0、2、3、4、6、7、12、14、15の9通りとなる。これにより、スイッチングパターンを選択する制御が簡素化できる。
【0018】
図4(a)〜(d)は、それぞれ各スイッチングパターンSP0、2、3および4の、図5(a)〜(d)は、それぞれ同SP6、7、12および14の、図6は同SP15の電流経路をそれぞれ示している。
図3、図4〜6より、SP7、14、15は、超電導コイル5を流れる電流を増大させるスイッチングパターンであるため、超電導コイル充電制御モードで使用する。この内、SP15は、電圧2Eを出力し、SP7、14は、電圧Eを出力して超電導コイル5の充電を行うパターンである。
SP0、2、4は、超電導コイル5を流れる電流を減少させるスイッチングパターンであるため、超電導コイル放電制御モードで使用する。この内、SP0は、電圧(−2E)を出力し、SP2、4は、電圧(−E)を出力して超電導コイル5から放電を行うパターンである。
SP3、6、12は、超電導コイル5の電流がチョッパ回路6の内部を通って環流するスイッチングパターンであり、超電導コイル5には電圧が印加されない零電圧出力のパターンである。これら零電圧出力のスイッチングパターンは超電導コイル5に流れる電流を保持する場合に使用するが、半導体素子を通流する際に若干の損失が発生するため、超電導コイル電流は徐々に減少する。従って、上述した超電導コイル充電制御モードと超電導コイル放電制御モード以外においては、超電導コイル電流の減少分を補償しながら超電導コイル電流を保持する超電導コイル電流補償制御モードを設ける。従って、チョッパ回路6の制御モードとしては、超電導コイル充電制御モード、超電導コイル放電制御モードおよび超電導コイル電流補償制御モードの3種類となる。
【0019】
この発明では、これら各制御モード毎に予め各スイッチング素子のオンオフ制御順位を特定するスイッチングパターンを設定してチョッパ制御手段であるPWM制御器14に格納しておく。以下、図7〜9により、各制御モード毎に設定したスイッチングパターンの順位の一例を説明する。
【0020】
図7は、超電導コイル充電制御モードにおけるスイッチングパターンの順序を示したものである。他の制御モードとの切換えを円滑に行うために、他の制御モードと共通のスイッチングパターンとするSP3、12を備える。即ち、零電圧出力のスイッチングパターンであるSP3またはSP12による環流モードの動作状態で、他の制御モードが有するSP3またはSP12の位置への移行を可能とする。また、半導体スイッチング素子が同時に2つ以上スイッチングしないようにスイッチングパターンの連続性を考慮して、SP12→SP14→SP15→SP7→SP3→SP7→SP15→SP14→SP12の順序を1周期としてこのパターン順位を繰り返す。この結果、各半導体スイッチング素子が全て1回ずつオン・オフのスイッチング動作を行うことになる。
超電導コイル充電制御モードは、電力変換装置から大電力を出力した直後など、超電導コイル5の電流が定格値よりも大きく減少している場合に実行し、SP15のパターン期間で直流回路電圧を超電導コイル5に印加して超電導コイル電流を増大する。
【0021】
以上のように、スイッチングパターンの順位が1つ進むときに1つの半導体スイッチング素子のみがオンまたはオフの動作を行うので、制御が簡便で、かつ、図7に示す1周期で4つの半導体スイッチング素子が全て1回のオンオフ動作を行うので、従来のように、一部の素子にオンオフ動作が集中せず均等化する利点がある。
【0022】
ここで、図7に示すスイッチングパターンの順序を設定した根拠について更に詳しく説明する。
図7で示す超電導コイル充電制御モードにおいては、超電導コイル5の充電を行うために、チョッパ回路3の出力電圧は、正(0〜2E)である必要がある。従って、このモードでは出力電圧がEまたは2EであるSP7、14、15を選択し、それぞれのパターンの出力時間(パルス幅)を調整して出力電圧指令値に応じた出力電圧制御をすることになる。但し、このSP7、14、15の3パターンだけでパルス幅制御を行うと、どのような順序、どのようなパルス幅で制御しても、得られる平均出力電圧は、E〜2Eの範囲となるので、0〜Eの出力電圧指令値にも対応するためには零電圧出力のパターンも必要となる。
【0023】
次に、パルス出力順序としては出力電圧で見て0→E→2E→E→0の繰返しが一般的と考えられる。その理由は、零電圧出力のパターンは4つの素子のうちいずれか2つがオン、2E出力は4つ全てがオンの状態であるので、同時に2つ以上スイッチングを行わないという条件を適用した場合、0→2Eまたは2E→0の順序は必ず2つの素子がオン、またはオフしなければならず、その条件に適合しないからである。
一方、E出力のパターンは、3つの素子がオンの状態であり、0←→E、E←→2Eのそれぞれの順序において適切なパターンを組み合わせることにより、いずれか1つの素子のみオンまたはオフすることで電圧出力を増減でき、上記条件を満たすことができる。
【0024】
ここで、採用可能な零電圧出力パターンは、SP3、6、12の3通りあり(すでにSP11、13は除外済み)、SP6を3つの正電圧出力パターンSP7、14、15と組み合わせた場合を考えると、全ての素子が均等にスイッチングする順序は得られない。SP6の代わりにSP3またはSP12を零電圧出力パターンとしてこれを3つの正電圧出力パターンと組み合わせても同様である。
その他の零電圧出力の選び方として、3つのパターンから2つ選んで組み合わせる、また、3つとも組み合わせるというケースが考えられるが、その中でSP3、12の2つを選んで組み合わせた場合のみ、全ての素子が均等にスイッチングする順序が得られ、それが図7で示す内容となる。
【0025】
次に、図8は、超電導コイル放電制御モードのスイッチングパターン配列を示したものである。他の制御モードとの切換えを行う零電圧出力パターンであるSP3、12を備え、連続的にスイッチングパターンを配置して、SP12→SP4→SP0→SP2→SP3→SP2→SP0→SP4→SP12の順序を1周期として繰り返す。この結果、超電導コイル充電制御モードと同様に、各半導体スイッチング素子が全て1回ずつオン・オフのスイッチングを行う。
図8に示すスイッチングパターン順序の設定根拠は、先の図7の場合と同様でありその説明は割愛する。
超電導コイル放電制御モードは、電力変換装置から電力を出力する場合に実行し、SP0のパターン期間で直流回路へ超電導コイル5の持つ電力を供給する。
【0026】
図9は、超電導コイル電流補償制御モードのスイッチングパターン配列を示したものである。環流状態での超電導コイル電流の減少分はわずかであり、減少分を補償充電する場合の電圧指令値は0に近い値となるため、直流回路電圧の半分の電圧Eを超電導コイル5に印加するモードを設ける。これにより、直流回路全電圧2Eを印加する場合と比較して、電流が上昇する傾きも半分となり、電流リプルの小さい充電ができる。従って、電圧Eを出力するSP7、14を使用し、他の制御モードとの切換えを円滑に行うための零電圧出力パターンであるSP3、12を備える。
更に、他の制御モードと同様に、各半導体スイッチング素子が全て1回ずつオン・オフのスイッチングを行うという条件を満足させるため、零電圧出力パターンであるSP6を加え、これらにより連続的にスイッチングパターンを配置して、SP12→SP14→SP6→SP7→SP3→SP7→SP6→SP14→SP12の順序を1周期として繰り返す。
【0027】
次に、図1を用いてPWM制御器14の動作について説明する。チョッパ電力制御器13は、超電導コイル電流Idとインバータ電力制御器12が出力する電力指令値Prefを基に、チョッパ回路6が出力すべき電圧の指令値Vdrefを演算し、PWM制御器14へ出力する。PWM制御器14の制御モード選択部15は、電圧指令値Vdrefを基に、チョッパ回路6の制御モードを選択する。即ち、負の電圧指令値に基づき超電導コイル放電制御モード、コイル放電制御後の正の電圧指令値に基づき超電導コイル充電制御モード、超電導コイル電流Idがほぼ定格値の時の微小な正の電圧指令値に基づき超電導コイル電流補償制御モードと、3つの制御モードのうちいずれか1つを選択する。スイッチングパターン選択部16は、制御モード選択部15が出力する制御モード信号に基づき、図7〜9で示した各制御モードに応じたそれぞれ5種類のスイッチングパターンを選択して出力する。
【0028】
制御モード選択部15によって超電導コイル充電制御モードが選択された場合、スイッチングパターン選択部16は、図7に示したSP3、7、12、14、15の5種類のスイッチングパターンをパルス作成部17へ出力する。パルス作成部17は、直前の制御モードで出力していたスイッチングパターンが、零電圧出力パターンであるSP3またはSP12の時に、新たな制御モードによるスイッチングパターンへ移行し、図7で示したスイッチングパターンの順序で出力パルスを作成する。
例えば、SP3を出力中に移行した場合、図7に示したSP3から始まるスイッチングパターンの順序、即ち、SP3→SP7→SP15→SP14→SP12→SP14→SP15→SP7→SP3の順序で出力パルスを作成する。また、SP12を出力中に移行した場合は、SP12から始まるSP12→SP14→SP15→SP7→SP3→SP7→SP15→SP14→SP12の順序で出力パルスを作成する。
【0029】
また、パルス作成部17は、チョッパ回路6の平均出力電圧が電圧指令値Vdref(=0〜2E)と等しくなるように、各スイッチングパターンの出力継続時間(出力パルスの幅)を決定する。即ち、SP3の出力継続時間をt3、SP7の出力継続時間をt7、SP12の出力継続時間をt12、SP14の出力継続時間をt14、SP15の出力継続時間をt15、スイッチングパターンが一巡する時間をT1とすると、
T1=t3+t7×2+t12+t14×2+t15×2
となり、チョッパ回路6の平均出力電圧は、
(E×t7×2+E×t14×2+2E×t15×2)/T1=Vdref
となる。
【0030】
従って、パルス作成部17は、スイッチングパターンの出力順序と決定した各スイッチングパターンの出力継続時間の情報をチョッパ回路6への駆動信号として順次出力する。その結果、チョッパ回路6には、5種類のスイッチングパターンのうちいずれか1つが入力される。そして、その順序は半導体スイッチング素子が同時に2つ以上スイッチングすることなく、かつ、全ての半導体スイッチング素子が同じ回数のオン・オフのスイッチングを行うこととなり、SP7、14、15のパターン期間で直流回路電圧Eまたは2Eが超電導コイル5に印加され超電導コイル電流が増大する。
【0031】
制御モード選択部15によって超電導コイル放電制御モードが選択された場合も、超電導コイル充電制御モードが選択された場合と同様であり、スイッチングパターン選択部16は、図8に示したSP0、2、3、4、12の5種類のスイッチングパターンをパルス作成部17へ出力する。パルス作成部17は、直前の制御モードで出力していたスイッチングパターンが、零電圧出力パターンであるSP3またはSP12の時に、新たな制御モードによるスイッチングパターンへ移行し、SP3を出力中に移行した場合は、図8に示したSP3から始まるSP3→SP2→SP0→SP4→SP12→SP4→SP0→SP2→SP3の順序で、SP12を出力中に移行した場合は、SP12から始まるSP12→SP4→SP0→SP2→SP3→SP2→SP0→SP4→SP12の順序で出力パルスを作成する。
【0032】
また、パルス作成部17は、電圧指令値Vdref(=−2E〜0)に対して、SP0の出力継続時間をt0、SP2の出力継続時間をt2、SP3の出力継続時間をt3、SP4の出力継続時間をt4、SP12の出力継続時間をt12、スイッチングパターンが一巡する時間をT2とすると、チョッパ回路6の平均出力電圧が、
(−2E×t0×2−E×t2×2−E×t4×2)/T2=Vdref
但し、T2=t0×2+t2×2+t3+t4×2+t12
となるように、各スイッチングパターンの出力継続時間(出力パルスの幅)を決定する。
パルス作成部17が、スイッチングパターンの出力順序と決定した各スイッチングパターンの出力継続時間の情報を駆動信号として順次出力することにより、チョッパ回路6には5種類のスイッチングパターンのうちいずれか1つが入力される。そして、その順序は、半導体スイッチング素子が同時に2つ以上スイッチングすることなく、かつ、全ての半導体スイッチング素子が同じ回数のオン・オフのスイッチングを行うこととなり、SP0、2、4のパターン期間で直流回路電圧−Eまたは−2Eが超電導コイル5に印加され超電導コイル電流が減少する。
【0033】
制御モード選択部15によって超電導コイル電流補償制御モードが選択された場合も、超電導コイル充電制御モード、超電導コイル放電制御モードが選択された場合と同様であり、スイッチングパターン選択部16は、図9に示したSP3、6、7、12、14の5種類のスイッチングパターンをパルス作成部17へ出力する。パルス作成部17は、直前の制御モードで出力していたスイッチングパターンが、零電圧出力パターンであるSP3またはSP12の時に、新たな制御モードによるスイッチングパターンへ移行し、SP3を出力中に移行した場合は、図9に示したSP3から始まるSP3→SP7→SP6→SP14→SP12→SP14→SP6→SP7→SP3の順序で、SP12を出力中に移行した場合は、SP12から始まるSP12→SP14→SP6→SP7→SP3→SP7→SP6→SP14→SP12の順序で出力パルスを作成する。
【0034】
また、パルス作成部17は、微小な正の電圧指令値Vdrefに対して、SP3の出力継続時間をt3、SP6の出力継続時間をt6、SP7の出力継続時間をt7、SP12の出力継続時間をt12、SP14の出力継続時間をt14、スイッチングパターンが一巡する時間をT3とすると、チョッパ回路6の平均出力電圧が、
(E×t7×2+E×t14×2)/T3=Vdref
但し、T3=t3+t6×2+t7×2+t12+t14×2
となるように、各スイッチングパターンの出力継続時間(出力パルスの幅)を決定する。
パルス作成部17が、スイッチングパターンの出力順序と決定した各スイッチングパターンの出力継続時間の情報を駆動信号として順次出力することにより、チョッパ回路6には5種類のスイッチングパターンのうちいずれか1つが入力される。そして、その順序は、半導体スイッチング素子が同時に2つ以上スイッチングすることなく、かつ、全ての半導体スイッチング素子が同じ回数のオン・オフのスイッチングを行うこととなり、SP7、14のパターン期間で直流回路電圧Eが超電導コイル5に印加され超電導コイル電流が増大して回路の損失による電流減少が補償される。
【0035】
以上のように、この発明の実施の形態1においては、チョッパ回路6の3種類全ての制御モードにおいて、半導体スイッチング素子が同時に2つ以上スイッチングすることなく各制御モード内での制御が簡便円滑となる。また、各半導体スイッチング素子のスイッチング回数を平均化でき、スイッチングに伴う発熱を各半導体スイッチング素子に分散することが可能となる。また、全ての制御モードに共通の零電圧出力パターンSP3、12を備えたので、各制御モードの切換え移行を円滑に行うことができる。
【0036】
なお、この発明の実施の形態1では、3つの制御モードにおけるスイッチングパターンの順序を、それぞれ図7〜9で示すものとしたが、制御モード毎に予め各スイッチング素子のオンオフ制御順位を特定するスイッチングパターンを設定しておき、電圧指令値に応じて該当する制御モードに設定されたスイッチングパターンを選択するという本願発明の適用においては、必ずしも、例示した図に示す順序に限られるものではない。
その場合も、従来のように、オンオフ動作をするスイッチング素子が電圧指令値に応じて定まる2素子に限定されることなく、その選択に自由度を持たせることが出来、より広範囲な用途への適用が可能となるという本願発明の課題を解決することが出来る。
【0037】
また、この発明の各変形例において、3レベルチョッパは、アノードが直流電源の正側端子に接続される第1のスイッチング素子、この第1のスイッチング素子のカソード側と直列に接続されカソードが超電導コイルの正極端子に接続される第2のスイッチング素子、アノードが超電導コイルの負極端子に接続される第3のスイッチング素子、この第3のスイッチング素子のカソード側と直列に接続されカソードが直流電源の負側端子に接続される第4にスイッチング素子、アノードが直流電源の負側端子に接続されカソードが超電導コイルの正極端子に接続される第1のダイオード、アノードが超電導コイルの負極端子に接続されカソードが直流電源の正側端子に接続される第2のダイオード、アノードが直流電源の中性点端子に接続されカソードが第1と第2のスイッチング素子の接続点に接続される第1のクランプダイオード、およびアノードが第3と第4のスイッチング素子の接続点に接続されカソードが直流電源の中性点端子に接続される第2のクランプダイオードを備えたので、制御モード毎に任意のスイッチングパターンを設定して、個々に要求される特性を満足させることができる3レベルチョッパを確実に実現させることが可能となる。
【0038】
また、直流電源の正側端子、負側端子および中性点端子の電圧をそれぞれ、+E、−Eおよび0とし、3レベルチョッパの直流出力電圧平均値をEDとしたとき、
複数種別の制御モードは、+2E>ED>0の電圧範囲で制御する超電導コイル充電制御モード、0>ED>−2Eの電圧範囲で制御する超電導コイル放電制御モード、および+E>ED>0の電圧範囲で制御する超電導コイル電流補償制御モードからなるので、超電導コイルに必要な操作が確実になされる。
【0039】
また、超電導コイル充電制御モードで設定するスイッチングパターンは、各スイッチング素子(第1〜第4のスイッチング素子をSW−1〜SW−4と表示する)のオン/オフ(ON/OFF)制御を下記の順位で繰り返すものとしたので、超電導コイルの充電動作が円滑確実になされる。
順位 SW−1 SW−2 SW−3 SW−4
1 ON ON OFF OFF
2 ON ON ON OFF
3 ON ON ON ON
4 OFF ON ON ON
5 OFF OFF ON ON
6 OFF ON ON ON
7 ON ON ON ON
8 ON ON ON OFF
1 ON ON OFF OFF
【0040】
また、超電導コイル放電制御モードで設定するスイッチングパターンは、各スイッチング素子(第1〜第4のスイッチング素子をSW−1〜SW−4と表示する)のオン/オフ(ON/OFF)制御を下記の順位で繰り返すものとしたので、超電導コイルの放電動作が円滑確実になされる。
順位 SW−1 SW−2 SW−3 SW−4
1 ON ON OFF OFF
2 OFF ON OFF OFF
3 OFF OFF OFF OFF
4 OFF OFF ON OFF
5 OFF OFF ON ON
6 OFF OFF ON OFF
7 OFF OFF OFF OFF
8 OFF ON OFF OFF
1 ON ON OFF OFF
【0041】
また、超電導コイル電流補償制御モードで設定するスイッチングパターンは、各スイッチング素子(第1〜第4のスイッチング素子をSW−1〜SW−4と表示する)のオン/オフ(ON/OFF)制御を下記の順位で繰り返すものとしたので、超電導コイルの電流補償動作が円滑確実になされる。
順位 SW−1 SW−2 SW−3 SW−4
1 ON ON OFF OFF
2 ON ON ON OFF
3 OFF ON ON OFF
4 OFF ON ON ON
5 OFF OFF ON ON
6 OFF ON ON ON
7 OFF ON ON OFF
8 ON ON ON OFF
1 ON ON OFF OFF
【0042】
また、電圧指令値の変化に応じて制御モードをそれまでの制御モードから他の制御モードに移行する場合、移行前の制御モードにおける出力電圧が零となるスイッチングパターン順位から各スイッチング素子のオンオフ状態が移行前スイッチングパターン順位のオンオフ状態と同一となる移行先制御モードにおけるスイッチングパターン順位に移行するようにしたので、各制御モードの切換え移行が円滑になされる。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】この発明の実施の形態1における超電導コイル用電力変換装置の構成を示す図である。
【図2】この発明の実施の形態1におけるチョッパ回路6の内部構成図である。
【図3】チョッパ回路6の半導体スイッチング素子が取り得る全てのオン・オフ状態の組み合わせを示すスイッチングパターン表である。
【図4】チョッパ回路6の各スイッチングパターンSP0、SP2、SP3、SP4における電流経路を示す図である。
【図5】同じく、チョッパ回路6の各スイッチングパターンSP6、SP7、SP12、SP14における電流経路を示す図である。
【図6】同じく、チョッパ回路6のスイッチングパターンSP15における電流経路を示す図である。
【図7】この発明の実施の形態1における超電導コイル充電制御モードにおけるスイッチングパターンの順序を示す図である。
【図8】この発明の実施の形態1における超電導コイル放電制御モードにおけるスイッチングパターンの順序を示す図である。
【図9】この発明の実施の形態1における超電導コイル電流補償制御モードにおけるスイッチングパターンの順序を示す図である。
【図10】従来の3レベルチョッパ回路と超電導コイルを示す図である。
【図11】従来の3レベルチョッパ回路のPWM制御法を示す波形図である。
【図12】従来の3レベルチョッパ回路のPWM制御を行った場合の、各半導体スイッチング素子のオン・オフ状態を示す波形図である。
【符号の説明】
【0044】
3 電圧形インバータ回路、4a,4b 直流コンデンサ、5 超電導コイル、
6 チョッパ回路、7a,7b,8a,8b 半導体スイッチング素子、
9a,9b,10a,10b ダイオード、11a,11b クランプダイオード、
12 インバータ電力制御器、13 チョッパ電力制御器、14 PWM制御器、
15 制御モード選択部、16 スイッチングパターン選択部、17 パルス作成部、
Vdref 電圧指令値。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
正側端子、負側端子および中性点端子を備えた3レベルの直流電源と正負両極端子を備えた超電導コイルとの間に接続され、複数のスイッチング素子を備え、前記各スイッチング素子をオンオフすることにより前記直流電源と前記超電導コイルとの間で直流電力の授受を行う3レベルチョッパ、および前記超電導コイルの両極端子への直流出力電圧が電圧指令値に追随するよう前記各スイッチング素子をオンオフ制御するチョッパ制御手段を備えた超電導コイル用電力変換装置において、
前記チョッパ制御手段は、前記超電導コイルの充放電に係る複数種別の制御モード毎に予め前記各スイッチング素子のオンオフ制御順位を特定するスイッチングパターンを設定しておき、前記電圧指令値に応じて該当する制御モードに設定されたスイッチングパターンを選択するスイッチングパターン選択部、および前記直流出力電圧が前記電圧指令値に一致するよう前記選択されたスイッチングパターンによる前記3レベルチョッパの出力電圧パルス幅を演算し前記各スイッチング素子をオンオフ駆動する信号を作成するパルス作成部を備えたことを特徴とする超電導コイル用電力変換装置。
【請求項2】
前記3レベルチョッパは、アノードが前記直流電源の正側端子に接続される第1のスイッチング素子、この第1のスイッチング素子のカソード側と直列に接続されカソードが前記超電導コイルの正極端子に接続される第2のスイッチング素子、アノードが前記超電導コイルの負極端子に接続される第3のスイッチング素子、この第3のスイッチング素子のカソード側と直列に接続されカソードが前記直流電源の負側端子に接続される第4にスイッチング素子、アノードが前記直流電源の負側端子に接続されカソードが前記超電導コイルの正極端子に接続される第1のダイオード、アノードが前記超電導コイルの負極端子に接続されカソードが前記直流電源の正側端子に接続される第2のダイオード、アノードが前記直流電源の中性点端子に接続されカソードが前記第1と第2のスイッチング素子の接続点に接続される第1のクランプダイオード、およびアノードが前記第3と第4のスイッチング素子の接続点に接続されカソードが前記直流電源の中性点端子に接続される第2のクランプダイオードを備えたことを特徴とする請求項1記載の超電導コイル用電力変換装置。
【請求項3】
前記直流電源の前記正側端子、負側端子および中性点端子の電圧をそれぞれ、+E、−Eおよび0とし、前記3レベルチョッパの直流出力電圧平均値をEDとしたとき、
前記複数種別の制御モードは、+2E>ED>0の電圧範囲で制御する超電導コイル充電制御モード、0>ED>−2Eの電圧範囲で制御する超電導コイル放電制御モード、および+E>ED>0の電圧範囲で制御する超電導コイル電流補償制御モードからなることを特徴とする請求項2記載の超電導コイル用電力変換装置。
【請求項4】
前記超電導コイル充電制御モードで設定するスイッチングパターンは、各スイッチング素子(第1〜第4のスイッチング素子をSW−1〜SW−4と表示する)のオン/オフ(ON/OFF)制御を下記の順位で繰り返すものとしたことを特徴とする請求項3記載の超電導コイル用電力変換装置。
順位 SW−1 SW−2 SW−3 SW−4
1 ON ON OFF OFF
2 ON ON ON OFF
3 ON ON ON ON
4 OFF ON ON ON
5 OFF OFF ON ON
6 OFF ON ON ON
7 ON ON ON ON
8 ON ON ON OFF
1 ON ON OFF OFF
【請求項5】
前記超電導コイル放電制御モードで設定するスイッチングパターンは、各スイッチング素子(第1〜第4のスイッチング素子をSW−1〜SW−4と表示する)のオン/オフ(ON/OFF)制御を下記の順位で繰り返すものとしたことを特徴とする請求項3記載の超電導コイル用電力変換装置。
順位 SW−1 SW−2 SW−3 SW−4
1 ON ON OFF OFF
2 OFF ON OFF OFF
3 OFF OFF OFF OFF
4 OFF OFF ON OFF
5 OFF OFF ON ON
6 OFF OFF ON OFF
7 OFF OFF OFF OFF
8 OFF ON OFF OFF
1 ON ON OFF OFF
【請求項6】
前記超電導コイル電流補償制御モードで設定するスイッチングパターンは、各スイッチング素子(第1〜第4のスイッチング素子をSW−1〜SW−4と表示する)のオン/オフ(ON/OFF)制御を下記の順位で繰り返すものとしたことを特徴とする請求項3記載の超電導コイル用電力変換装置。
順位 SW−1 SW−2 SW−3 SW−4
1 ON ON OFF OFF
2 ON ON ON OFF
3 OFF ON ON OFF
4 OFF ON ON ON
5 OFF OFF ON ON
6 OFF ON ON ON
7 OFF ON ON OFF
8 ON ON ON OFF
1 ON ON OFF OFF
【請求項7】
前記電圧指令値の変化に応じて前記制御モードをそれまでの制御モードから他の制御モードに移行する場合、前記移行前の制御モードにおける出力電圧が零となるスイッチングパターン順位から前記各スイッチング素子のオンオフ状態が前記移行前スイッチングパターン順位のオンオフ状態と同一となる移行先制御モードにおけるスイッチングパターン順位に移行するようにしたことを特徴とする請求項3ないし6のいずれかに記載の超電導コイル用電力変換装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate


【公開番号】特開2008−161003(P2008−161003A)
【公開日】平成20年7月10日(2008.7.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−349143(P2006−349143)
【出願日】平成18年12月26日(2006.12.26)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【出願人】(501137636)東芝三菱電機産業システム株式会社 (904)
【出願人】(000213297)中部電力株式会社 (811)
【Fターム(参考)】