説明

超音波支援経皮ワクチン送達方法およびシステム

(i)角質層を通って下にある表皮層、または表皮および真皮層内に刺し通すように適合された複数の微小突起(32)(またはそのアレイ)を含む微小突起部材(30)(またはシステム)、および(ii)超音波装置を有する送達システムを含んでなる、ワクチンを経皮送達する装置および方法。一つの態様では、ワクチンは、微小突起部材に適用される生体適合性皮膜(35)内に含まれる。別の態様では、送達システムは、患者の皮膚に適用した後に微小突起部材上に配置されるワクチン含有ヒドロゲル配合物を有するゲルパックを含む。別の態様では、ワクチンは皮膜およびヒドロゲル配合物の双方の内に含まれる。

【発明の詳細な説明】
【関連出願への言及】
【0001】
本出願は、2003年11月21日付け米国仮特許出願60/524,062号の利益を主張する。
【技術分野】
【0002】
本発明は、一般的に経皮ワクチン送達システムおよび方法に関する。さらに具体的には、本発明は超音波支援経皮ワクチン送達方法およびシステムに関する。
【背景技術】
【0003】
有効作用物質(または薬剤)は、経皮または注入により最も都合よく投与される。不運にも、多数の有効作用物質は、経口投与された場合に、吸収されないかまたは血流中に入る前に悪影響を受けて所望の活性がなくなるので、完全に無効であるかまたは著しく低下した効力となる。反対に、血流内への作用物質の直接注入は、投与の間に作用物質が変化しないことは確保されるが、しかし困難、不都合、苦痛および不快な操作であり、患者のコンプライアンスが良くないことがある。
【0004】
従って、原理的にはさもなければ経口投与の必要がある有効作用物質を投与する方法を、皮下注射また静脈注入により経皮送達が提供する。経口送達と比較して、経皮送達は、消化管の厳しい環境を避け、消化器官での薬剤代謝を通らず、初回通過効果を低下し、そして消化酵素および肝臓酵素による失活作用の可能性を避ける。
【0005】
本明細書中で使用される場合に、「経皮」の用語は、皮膚の本質的な切断または貫通、例えば外科用メスでの切断または皮下針を用いる皮膚の刺し通し(刺通、pierce)を行わないで、皮膚を通して局所組織または全身循環系への有効作用物質(例えば治療作用物質、例えば薬剤または免疫学的に活性な薬剤、例えばワクチン)の送達を指す総称用語である。経皮作用物質送達は、受動的拡散を介する送達ならびに外部エネルギー源、例えば電気(イオン電気導入法)および超音波(例えばフォノフォレシス(phonophoresis))に基づく送達を含む。
【0006】
当該技術分野では周知のように、皮膚は外部の危険から身体を遮蔽する物理的障害であるだけでなく、免疫系の一つの主要構成部分である。皮膚の免疫機能は、先天的および後天的免疫機能の双方を有する生きている表皮および真皮の定住的な細胞性および体液性構成成分の集合からもたらされ、それは集合的に皮膚免疫系として知られる。
【0007】
皮膚免疫系の最も重要な成分の一つは、ラゲルハンス細胞(LC)であり、それは生きている表皮内に見られる特殊化した抗原提示細胞である。LCは、周囲の細胞間のそれらの樹枝細胞の長い分枝により生きている表皮内に半連続の網目を形成する。LCの正常の機能は、抗原を検出、捕そくおよび提示して侵入した病原体に対する免疫応答を引き起こす。LCは、表皮抗原を取り込み、領域内皮膚と排出リンパ節とを往来し、そしてプロセシングした抗原をT細胞に提示することによりその機能を果たす。
【0008】
皮膚免疫システムの有効性は、皮膚を標的としたワクチン接種戦略の成功および安全性に責任がある。皮膚乱切による生の弱毒化痘瘡ワクチンの接種は、生命に危険な痘瘡疾患の世界的な撲滅の成功に導いて成功した。種々のワクチンの標準IM投与量の1/5〜1/10を用いる皮内注射は、多数のワクチンの免疫応答誘導に有効であり、低投与量の狂犬病ワクチンは皮内投与のために商業的にライセンスされている。
【0009】
経皮送達は、免疫器官としての皮膚の機能を考慮すると、ワクチン接種に著しい利点を与える。皮膚に入る病原体は、さまざまな機構を介する微生物排除が可能な特殊化された細胞の高度に組織化されそして多様な集団に直面する。表皮ランゲルハンス細胞は、強力な抗原提示細胞である。リンパ球および皮膚マクロファージは、皮膚の至ることころで浸出する。角化細胞およびランゲルハンス細胞は、さまざまな配列の免疫学的活性化合物を発現またはそれを生成するように誘導できる。集合的に、それらの細胞は。先天的および特異性免疫応答の双方を最終的に制御する複雑な一連の事象を統合する。
【0010】
さらに、非複製抗原(すなわち死ウイルス、細菌、サブユニットワクチン)は、抗原提示細胞のエンドソーム経路に入ると考えられる。抗原はクラスII MHC分子と関連して細胞表面上でプロセシングそして発現され、CD4T細胞の活性化に導く。実験的証拠は、抗原の外来導入は、クラスI MHCと関連する細胞表面抗原発現をほとんどまたは全く誘導せず、無効なCD8T細胞活性化をもたらす。ワクチン複製は、一方(例えば、生、弱毒化ウイルス、例えばポリオおよおび痘瘡ワクチン)では、効率的な体液性および細胞性免疫応答に導きそしてワクチン中の「金の標準」とみなされる。同様の広範な免疫応答スペクトルは、DNAワクチンにより達成される。
【0011】
対照的に、ポリペプチドに基づくワクチン、例えばサブユニットワクチン、および死ウイルスおよび細胞ワクチンは、主として体液性応答を発現し、それは元来の抗原提示がクラスII MHC経路を経由して起きるからである。クラスI MHC経路を経由するそれらのワクチンの提示を可能とする方法も、それが免疫応答スペクトルを広げるので大きい価値がある。
【0012】
数件の報告は、可溶性タンパク質抗原が、界面活性剤と共に配合でき、クラスI経路を経由する抗原提示に導き、そして抗原特異性クラスI限定CTLを誘導することを示唆している(非特許文献1)。ピノソームの浸透溶解によるタンパク質抗原の導入もクラスI抗原プロセシング経路に導くことが示されている(非特許文献2)。超音波技術は、イン・ビトロおよびイン・ビボで細胞中へ巨大分子を導入するためおよび特にはDNAに基づく治療に使用されている。プラスミドDNAを用いる研究は、超音波を利用すると送達効率が著しく増加できることを明確に示している。
【0013】
しかし、クラスII MHC/HLA提示分子に加えてクラスI MHC/HLA提示分子上へのタンパク質の細胞ローディングに導く皮膚抗原提示細胞(APC)内へのタンパク質に基づくワクチンのイン・ビボ細胞内超音波送達に関する公開された出版物はない。特に、この手段を達成するために超音波と関連する微小突起アレイの使用についての言及はない。
【0014】
細胞内でのDNAワクチンのイン・ビボ送達、引き続いてクラスII MHC/HLA提示分子に加えてクラスI MHC/HLA提示分子上へのタンパク質の細胞発現およびローディングを達成するために超音波と関連する微小突起の使用に関して言及した公開文献もない。
【0015】
当該技術分野では周知のように、経皮薬剤フラックスは、皮膚の条件、薬剤分子の大きさおよび物理/化学的性質、および皮膚を横断する濃度勾配に依存する。多数の薬剤に対する皮膚の低い透過性のために、経皮送達は限定された用途を持つにすぎない。この低い透過性は、角質層、すなわち脂質二重層により囲まれたケラチン繊維(ケラチン細胞)で充填された平らで死細胞から成る最も外の皮膚層に主として起因する。この脂質二重層の高度に秩序だった構造は、角質層に比較的非透過の特性を与える。
【0016】
受動的経皮拡散作用物質フラックスを増加する一つの一般的な方法は、皮膚透過促進剤
を用いる皮膚の前処理か、またはそれと作用物質との同時送達を含む。透過促進剤は、作用物質が送達される身体表面に適用された場合に、それを通過する作用物質のフラックスを増加する。しかし、経皮タンパク質フラックス増加におけるそれらの方法の効力は限定されたものであり、特に大型タンパク質ではその大きさのためにさらに限定される。
【0017】
経皮送達されている作用物質の量を増加するために、皮膚の最外層を機械的に貫通しまたは引き裂きそれにより皮膚への経路を創成するために開発される多数の技術およびシステムがある。その例は、皮膚乱切装置またはスカリファイアー(scarifier)であり、それは典型的には複数の尖叉または針を有しそれは皮膚に当てられて、当てられた場所に皮膚を引っかくかまたは小さい切れ目を入れる。ワクチンは、特許文献1に開示のように皮膚に局所的に、または特許文献2、3、および4に開示のように乱切尖叉に当てられる湿潤液体として適用される。
【0018】
有効作用物質、例えばワクチンを送達するためにスカリファイアーの使用に関連する主要な欠点は、経皮作用物質フラックスおよび得られた送達投与量の決定が困難なことである。また、横に逸らせて穴あけに対抗する皮の弾性変形性および反発性のために、小さい刺通要素はしばしば皮膚を均等には貫通せずおよび/またはそれは皮膚貫通の際に作用物質の液体皮膜が拭き去られる。
【0019】
経皮薬剤送達を促進するための小型皮膚刺通要素を使用するその他のシステムおよび装置は、特許文献5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、および23(すべて引用することによりその全体を本明細に編入される)中に開示されている。
【0020】
それらの開示されたシステムおよび装置は、皮膚の最外層(すなわち角質層)を刺通するために種々の形状および大きさの刺通要素を使用している。それらの参考文献中に開示された刺通要素は、一般に薄く平らな部材、例えばバッドまたはシートから垂直に延びている。それらの装置の幾つかの刺通要素は極端に小さく、いくつかは、わずかに約25〜400μmの微小突起長さおよびわずかに約5〜50μmの微小突起厚さを有する。それらの小さい刺通/切断要素は、それに応じて、通過する経皮作用物質送達を増加するための角質層内の小さい微小スリット/微小切目を作る。
【0021】
開示されたシステムは、さらに典型的には、作用物質を保持するための貯蔵部(reservoir)および角質層を通って貯蔵部から作用物質を移送する送達系、例えば装置自体の中空尖叉を含む。かかる装置の一つの例は、特許文献24に記載されており、それは液体作用物質貯蔵部を有する。しかし、貯蔵部は、液体作用物質を小さい管状要素を通して皮膚内に押し込むために加圧しなければならない。かかる装置の欠点は、加圧可能な液体貯蔵部を付加するための追加の複雑さおよび経費および圧力駆動送達システムの存在による複雑さを含む。
【0022】
特許文献25(引用することにより本明細書に全て編入される)中に開示のように、送達されるべき有効作用物質は、物理的貯蔵部内に収容される代わりに、微小突起上に被覆されることも可能である。これは別個の物理的貯蔵部および貯蔵部のための特別な作用物質配合または組成を開発する必要がなくなる。
【0023】
被覆微小突起システムの欠点は、それらが一般に作用物質のわずか数百μgの送達に限定されることである。別の欠点は、一括型作用物質送達のプロフィールに限定されることである。
【0024】
角質層を通る作用物質フラックスを増加するために能動的輸送システムも使用されてい
る。経皮作用物質送達のためのかかる一つのシステムは、「電気輸送」と呼ばれる。そのシステムは、電位を利用し、それは角質層を通る作用物質の輸送を支援するように電流の適用をもたらす。
【0025】
一般的に「フォノフォレシス」と呼ばれる別の能動的輸送システムは、角質層を通る作用物質の輸送を支援するために超音波(すなわち音波)を利用する。その例は、特許文献26および27に開示されたシステムである。
【0026】
特許文献26には、局所および皮下送達ビヒクルとして気体封入ミクロスフィアを含む能動システムを開示している。ミクロスフィアは作用物質をカプセル封入して作製されそして患者に注入または投与される。次いで、超音波エネルギーが作用物質を放出するためにミクロスフィアを破壊するために使用される。
【0027】
ミクロスフィアに加えられる超音波は、0.5MHz〜10MHzの範囲内の周波数である。しかし、この周波数範囲は、典型的なミクロスフィアの大きさより遙かに大きい皮膚細胞内にキャビテーション効果を発生するために使用には限界があることが示されている。
【0028】
特許文献27中には、別の能動的システムが開示されている。該システムは、膜を通って生体分子を送達または抽出するために音波エネルギーを利用する「マイクロニードル・アレイ」を含む。しかし、該引用文献は、ワクチンの送達を教示も示唆もしていない。具体的には、作用物質による疾病からヒトを防御または処置する免疫応答を刺激するために投与される、感染性作用物質、もしくはその成分、またはそれらの成分をコードする核酸を含む製剤の記述はない。
【0029】
特許文献27は、被覆された微小突起を介するワクチンまたはいずれかのその他の生物学的有効作用物質の送達を教示も示唆もしていない。
【0030】
従って、送達されるべきワクチンを含む生体適合性皮膜を有する微小突起およびそのアレイを利用する超音波支援ワクチン送達システムを提供することが望ましい。
【特許文献1】米国特許第5,487,726号明細書
【特許文献2】米国特許第4,453,926号明細書
【特許文献3】米国特許第4,109,655号明細書
【特許文献4】米国特許第3,136,314号明細書
【特許文献5】米国特許第5,879,326号明細書
【特許文献6】米国特許第3,814,097号明細書
【特許文献7】米国特許第5,250,023号明細書
【特許文献8】米国特許第3,964,482号明細書
【特許文献9】再交付第25,637号明細書
【特許文献10】国際特許出願公開WO96/37155号明細書
【特許文献11】国際特許出願公開WO96/37256号明細書
【特許文献12】国際特許出願公開WO96/17648号明細書
【特許文献13】国際特許出願公開WO97/03718号明細書
【特許文献14】国際特許出願公開WO98/11937号明細書
【特許文献15】国際特許出願公開WO98/00193号明細書
【特許文献16】国際特許出願公開WO97/48440号明細書
【特許文献17】国際特許出願公開WO97/48441号明細書
【特許文献18】国際特許出願公開WO97/48442号明細書
【特許文献19】国際特許出願公開WO98/00193号明細書
【特許文献20】国際特許出願公開WO99/64580号明細書
【特許文献21】国際特許出願公開WO98/28037号明細書
【特許文献22】国際特許出願公開WO98/29298号明細書
【特許文献23】国際特許出願公開WO98/29365号明細書
【特許文献24】国際特許出願公開WO93/17754号明細書
【特許文献25】米国特許出願番号10/045,842号明細書
【特許文献26】米国特許第5,733,572号明細書
【特許文献27】特許出願公開番号2002/0099356A1号明細書
【非特許文献1】Raychaudhuri et al.,1992
【非特許文献2】Moore et al.
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0031】
従って、従来技術の作用物質送達システムと関連する上記の欠点および不利益を本質的に低減または排除するワクチン送達方法およびシステムを提供することが本発明の目的である。
【0032】
ワクチンを含む生体適合性皮膜で被覆された微小突起を含むワクチン送達方法およびシステムを提供することが、本発明の別の目的である。
【0033】
DNAおよびポリペプチドに基づくワクチンの細胞取り込みを増加する超音波ワクチン送達方法およびシステムを提供することが、本発明のさらに別の目的である。
【課題を解決するための手段】
【0034】
発明の要旨
上記の目的および以下に記載しそして明らかになるであろうものに従って、対象者に免疫学的に活性な薬剤を経皮送達するための送達システムは、角質層を刺通する複数の微小突起を有する微小突起部材、免疫学的に活性な薬剤を含む配合物、および対象者に超音波エネルギーを適用するように適合された超音波装置を含んでなる。
【0035】
本発明の一つの態様では、微小突起部材が少なくとも約10個(微小突起)/1cm、さらに好ましくは少なくとも約200〜2000個(微小突起)/cmの範囲内の微小突起密度を有する。
【0036】
本発明の一つの態様では、微小突起部材が、約500μm未満の深さまで各角質層に刺通するように適合された微小突起を有する。
【0037】
一つの態様では、微小突起部材は、ステンレス鋼、チタン、ニッケル−チタン合金、または同様の生体適合性材料で構築されている。
【0038】
別の態様では、微小突起部材は、非電導性材料、例えばポリマーから構築される。あるいは、微小突起部材は非電導性材料、例えばパリレン(parylene)を用いて被覆されることができる。
【0039】
適合する免疫学的に活性な薬剤、抗原性作用物質またはワクチンは、ウイルスおよび細菌、タンパク質に基づくワクチン、多糖に基づくワクチン、および核酸に基づくワクチンを含むことができる。
【0040】
抗原性作用物質は、限定ではないが、タンパク質、多糖複合体、オリゴ糖、およびリポタンパク質の形態の抗原を含む、それらのサブユニットワクチンは、百日咳菌(Bordetella pertussis)(組換えDPTワクチン−無細胞)、破傷風菌(C
lostridium tetani)(精製、組換え)、ジフテリア菌(Corynebacterium diptheriae)(精製、組換え)、サイトメガロウイルス(糖タンパク質サブユニット)、A群連鎖球菌(streptococcus)(糖タンパク質サブユニット、破傷風トキソイドを有する複合糖質A群多糖、有毒サブユニットキャリヤに連結したMタンパク質/ペプチド、Mタンパク質、多価型特異性エピトープ、システインプロテアーゼ、C5aペプチダーゼ)、B型肝炎ウイルス(組換えPre S1、Pre S2、S、組換えコアタンパク質)、C型肝炎ウイルス(組換え−発現した表面タンパク質およびエピトープ)、ヒト乳頭腫ウイルス(Papillomavirus)(キャプシドタンパク質、TA−GN組換えタンパク質L2およびE7〔HPV−6より〕、HPV−11からMEDI−501組換えVLP L1、四価組換えBLP
L1〔HPV−6より〕、HPV−11、HPV−16、およびHPV−18、LAMP−E7〔HPV−16より〕)、在郷軍人病捍菌(Legionella pneumophila)(精製した細菌表面タンパク質)、髄膜炎菌(Neisseria meningitides)(破傷風トキソイドを有する複合糖質)、緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)(合成ペプチド)、風疹ウイルス(Rubella
virus)(合成ペプチド)、肺炎連鎖球菌(Streptococcus pneumoniae)(髄膜炎菌B OMPへ複合した複合糖質〔1、4、5、6B、9N、14、18C、19V、23F〕、CRM197に複合した複合糖質〔4、6B、9V、14、18C、19F、23F〕、CRM1970に複合した複合糖質〔1、4、5、6B、9V、14、18C、19F、23F〕)、梅毒トレポネーマ(Treponema
pallidum)(表面リポタンパク質)、水痘状疱疹ウイルス(Varicella
zoster virus)(サブユニット、糖タンパク質)、およびコレラ菌(Vibrio cholerae)(複合リポ多糖)を含む。
【0041】
全ウイルスまたは細菌は、限定ではないが、弱毒生または死ウイルス、例えばサイトメガロウイルス、B型肝炎ウイルス、C型肝炎ウイルス、ヒト乳頭腫ウイルス、風疹ウイルス、および水痘状疱疹ウイルス、弱毒生または死細菌、例えば百日咳菌、破傷風菌、ジフテリア菌、A群連鎖球菌、在郷軍人病捍菌、髄膜炎菌、緑膿菌、肺炎連鎖球菌、梅毒トレポナーマ、およびコレラ菌およびそれらの混合物を含む。
【0042】
抗原性作用物質を含む市場で入手できる別のワクチンは、限定ではないが、流感ワクチン、ライム病ワクチン、狂犬病ワクチン、麻疹ワクチン、耳下腺炎ワクチン、水痘ワクチン、天然痘ワクチン、肝炎ワクチン、百日咳ワクチン、およびジフテリアワクチンを含む。
【0043】
核酸を含んでなるワクチンは、限定ではないが、一本鎖および二本鎖核酸、例えば、スーパーコイルプラスミドDNA、線状プラスミドDNA、コスミド、細菌の人工染色体(BAC)、酵母の人工染色体(YAC)、哺乳動物の人工染色体、およびRNA分子、例えばmRNAを含む。核酸の大きさは、数千キロ塩基未満であることができる。さらに、本発明の一定の態様では、核酸はタンパク質系作用物質とカップリングできるかまたは1個もしくはそれ以上の化学変性、例えばホスホロチオエート部分を含むことができる。核酸のコード配列は、それに対して免疫応答が望まれる抗原の配列を含んでなる。さらに、DNAの場合には、プロモーターおよびポリアデニル化配列もワクチン構築物内に組み込まれる。コードできる抗原は、感染性疾患、病原体、ならびにガン抗原のすべての抗原性成分を含む。従って、核酸は、例えば感染性疾患、ガン、アレルギー、自己免疫、および炎症性疾患の分野に適用を見出す。
【0044】
ワクチン抗原と一緒になってワクチンを含んでなることができる適合する該免疫応答増強性アジュバントは、リン酸アルミニウムゲル、水酸化アルミニウム、藻グルカン、β−グルカン、コレラトキシンBサブユニット、CRL1005、x=8およびy=205の
平均値を有するABAブロックポリマー、ガンマインスリン、線状(非分枝状)β−D(2−>1)ポリフルクトフラノキシル−α−D−グルコース、ゲルブ(Gerbu)アジュバント、N−アセチルグルコサミン−(β 1−4)−N−アセチルムラミル−L−アラニル−D−グルタミン(GMDP)、ジメチルジオクタデシルアンモニウム・クロリド(DDA)、アエンL−プロリン塩錯体(Zn−Pro−8)、イミキモド(Imiquimod)(1−(2−メチルプロピル)−1H−イミダゾ〔4,5−c〕キノリン−4−アミン、ImmTherTM、N−アセチルグルコアミニル−N−アセチルムラミル−L−Ala−D−イソGlu−L−Ala−グリセロールジパルミタート、MTP−PEリポソーム、C59108 19PNa−3HO(MTP)、ムラメチド(Murametide)、Nac−Mur−L−Ala−D−Gln−OCH、プリュラン(Pleuran)、β−グルカン、QS−21;S−28463、4−アミノ−a、a−ジメチル−1H−イミダゾ〔4,5−c〕キノリン−1−エタノール、スクラボ(sclavo)ペプチド、VQGEESNDK・HC1(1L−1β 163−171ペプチド)、およびトレニル−MDP(TermurtideTM)、N−アセチル ムラミル−L−トレオニル−D−イソグルタミン、インターロイキン18、IL−2 IL−12、IL−15を含む。アジュバントは、DNAオリゴヌクレオチド、例えば、CpGを含むオリゴヌクレオチドも含む。さらに、免疫調節リンホカイン、例えばIL−18、IL−2 IL−12、IL−15、IL−4、IL−10、ガンマ インターフェロン、およびNF−カッパB調節シグナル伝達タンパク質をコードする核酸配列を使用できる。
【0045】
本発明の一つの態様では、微小突起部材は、少なくとも微小突起上に配置される生体適合性皮膜を含む。
【0046】
固体皮膜を形成するために微小突起部材に適用される皮膜配合物は、少なくとも1種の免疫学的に活性な薬剤を有する水性および非水性配合物を含んでなることができ、それは生体適合性キャリヤ内に溶解またはキャリヤ内に懸濁できる。
【0047】
本発明の一つの態様では、皮膜配合物は、双イオン性、両親媒性、陽イオン性、陰イオン性または非イオン性であることができる少なくとも1種の界面活性剤を含む。適合する界面活性剤の例は、ラウロアンフォ酢酸ナトリウム、ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)、塩化セチルピリジニウム(CPC)、塩化ドデシルトリメチルアンモニウム(TMAC)、塩化ベンザルコニウム、ポリソルベート、例えばTween20およびTween80、その他のソルビタン誘導体、例えばラウリン酸ンソルビタン、およびアルコキシル化アルコール、例えばラウレス(laureth)−4を含む。
【0048】
本発明の一つの態様では、界面活性剤の濃度は、皮膜溶液配合物の約0.001%〜2重量%の範囲内である。
【0049】
本発明の別の態様では、皮膜配合物は、両親媒性を有する少なくとも1種のポリマー性材料またはポリマーを含み、それは、限定ではないが、セルロース誘導体、例えばヒドロキシエチルセルロース(HEC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、メチルセルロース(MC)、ヒドロキシエチルメチルセルロース(HEMC)、例えばエチルヒドロキシエチルセルロース(EHEC)、ならびにプルロニクス(pluronics)を含んでなることができる。
【0050】
本発明の一つの態様では、両親媒性を示すポリマーの濃度は、好ましくは皮膜の約0.01〜20重量%の範囲内、さらに好ましくは約0.03〜10重量%の範囲内である。
【0051】
別の態様では、皮膜配合物は、下記の群:ポリ(ビニルアルコール)、ポリ(エチレン
オキシド)、ポリ(2−ヒドロキシエチルメタクリレート)、ポリ(n−ビニルピロリドン)、ポリエチレングリコールおよびそれらの混合物、および同様のポリマーからな選択される親水性ポリマーを含む。
【0052】
好ましい態様では、皮膜配合物中の親水性ポリマーの濃度は、皮膜配合物の約0.01〜20重量%の範囲内、さらに好ましくは約0.03〜10重量%の範囲内である。
【0053】
本発明の別の態様では、皮膜配合物は生体適合性キャリヤを含み、それらは、限定ではないが、ヒトアルブミン、生体工学処理されたヒトアルブミン、ポリグルタミン酸、ポリアスパラギン酸、ポリヒスチジン、ペントサンポリ硫酸エステル、ポリアミノ酸、スクロース、トレハロース、メレジトース、ラフィノースおよびスタキオースを含んでなることができる。
【0054】
好ましくは、皮膜配合物中の生体適合性キャリヤの濃度は、皮膜配合物の約2〜70重量%の範囲内、さらに好ましくは約5〜50重量%の範囲内である。
【0055】
さらなる態様では、皮膜配合物は安定化剤を含み、それらは、限定ではないが、非還元糖、多糖、還元性またはDNアーゼ阻害剤を含んでなることができる。
【0056】
別の態様では、皮膜配合物は、血管収縮剤を含み。それらは、限定ではないが、アミデフリン(amidephrine)、カファミノール(cafaminol)、シクロペンタミン(cyclopentamine)、デオキシエピネフリン(deoxyepinephrine)、エピネフリン(epinephrine)、フェリプレシン(felypressin)、インダナゾリン(indanazoline)、メチゾリン(metizoline)、ミドドリン(midodrine)、ナファゾリン(naphazoline)、ノルデフリン(nordefrin)、オクトドリン(octodrine)、オルニプレシン(ornipressin)、オキシメタゾリン(oxymetazoline)、フェニレフリン(phenylephrine)、フェニルエタノールアミン、フェニルプロパノールアミン、プロピルヘキセドリン(propylhexedrine)、偽エフェドリン(pseudoephedrine)、テトラヒドロゾリン(tetrahydrozoline)、トラマゾリン(tramazoline)、ツアミノヘプタン(tuaminoheptane)、チマゾリン(tymazoline)、バソプレシン(vasopressin),キシロメタゾリン(xylometazoline)およびそれらの混合物を含んでなることができる。最も好ましい血管収縮剤は、エピネフリン、ナファゾリン、テトラヒドロゾリン インダナゾリン、メチゾリン、トラマゾリン、チマゾリン、オキシメタゾリンおよびキシロメタゾリンを含む。
【0057】
使用された場合の血管収縮剤の濃度は、好ましくは皮膜の約0.1重量%〜10重量%の範囲内である。
【0058】
本発明のさらに別の態様では、皮膜配合物は、少なくとも1種の「経路開在(patency)調節剤」を含み、それらは、限定ではないが、浸透剤(例えば塩化ナトリウム)、双性イオン性化合物(例えばアミノ酸)および抗炎症薬、例えばベタメタゾン21−リン酸二ナトリウム塩、トリアムシノロンアセトニド21−リン酸二ナトリウム、ヒドロコルタマート(hydrocortamate)塩酸塩、ヒドロコルチゾン21−リン酸二ナトリウム塩、メチルプレドニゾロン21−リン酸二ナトリウム塩、メチルプレドニゾロン21−コハク酸ナトリウム塩、パラメタゾン・リン酸二ナトリウムおよびプレドニゾロン21−コハク酸ナトリウム塩、および抗凝固剤、例えばクエン酸、クエン酸塩(例えばクエン酸ナトリウム)、デキストラン硫酸ナトリウム、アスピリンおよびEDTAを含んでなることができる。
【0059】
本発明のさらなる態様では、皮膜配合物は少なくとも1種の抗酸化剤を含み、それらは金属イオン封鎖剤、例えばクエン酸ナトリウム、クエン酸、EDTA(エチレン−ジニトリロ−四酢酸)または遊離ラジカル捕そく剤、例えばアスコルビン酸、メチオニン、アスコルビン酸ナトリウムなどであることができる。現在好ましい抗酸化剤は、EDTAおよびメチオニンを含む。
【0060】
本発明の一定の態様では、低揮発性対イオンを加えて皮膜配合物の粘度を増加させる。一つの態様では、作用物質は配合物pHにおいて正の電荷を有しそして粘度増加対イオンは少なくともお2個の酸性pKaを有する酸を含んでなる。適合する酸は、マレイン酸、リンゴ酸、マロン酸、酒石酸、アジピン酸、シトラコン酸、フマル酸、グルタル酸、イタコン酸、メグルトール(meglutol)、メサコン酸、コハク酸、シトラマル酸、タルトロン酸、クエン酸、トリカルバリル酸、エチレンジアミン四酢酸、アスパラギン酸、グルタミン酸、炭酸、硫酸、およびリン酸を含む。
【0061】
別の好ましい態様は、作用物質が配合物pHにおいて正の電荷を有しそして少なくとも1個のイオンは少なくとも2個の酸性pKaを有する酸である対イオンの粘度増加混合物に関する。他の対イオンは、1つもしくはそれ以上のpKaを有する酸である。適合する酸の例は、塩酸、臭素酸、硝酸、硫酸、マレイン酸、リン酸、ベンゼンスルホン酸、メタンスルホン酸、クエン酸、コハク酸、グリコール酸、グルコン酸、グルクロン酸、乳酸、リンゴ酸、ピルビン酸、酒石酸、タルトロン酸、フマル酸、酢酸、プロピオン酸、ペンタン酸、炭酸、マロン酸、アジピン酸、シトラコン酸、レブリン酸、グルタル酸、イタコン酸、メグルトール、メサコン酸、シトラマル酸、クエン酸、アスパラギン酸、グルタミン酸、トリカルバリル酸およびエチレンジアミン四酢酸を含む。
【0062】
一般に、本発明の上記の態様では、対イオンの量は、抗原性作用物質の電荷を中和しなければならない。かかる態様では、対イオンまたは対イオンの混合物は、配合物のpHにおいて作用物質上に存在する電荷を中和するために必要な量で存在する。過剰の対イオン(遊離酸としてまたは塩として)を、pHを制御しそして適当な緩衝能力をもたらすために配合物に加えることができる。
【0063】
別の好ましい態様では、作用物質は正の荷電を有しそして対イオンは、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、塩酸、グリコール酸、および酢酸の群から選択される対イオンの粘度増加混合物である。好ましくは、対イオンは、約20〜200cp(センチポアズ)の範囲内の粘度に達するように配合物に加えられる。
【0064】
好ましい態様では、粘度増加対イオンは、酸性対イオン、例えば低揮発性弱酸である。低揮発性弱酸対イオンは、少なくとも1つの酸性pKaそしてPatmにおいて約50℃より高い融点または約170℃より高い沸点を示す。かかる酸の例は、クエン酸、コハク酸、グリコール酸、グルコン酸、グルクロン酸、乳酸、リンゴ酸、ピルビン酸、酒石酸、タルトロン酸、およびフマル酸を含む。
【0065】
別の好ましい態様では、対イオンは強酸である。強酸は約2以下の少なくとも1つのpKaを示すとして定義できる。かかる酸の例は、塩酸、臭素酸、硝酸、スルホン酸、硫酸、マレイン酸、リン酸、ベンゼンスルホン酸およびメタンスルホン酸を含む。
【0066】
別の好ましい態様は、少なくとも1種の対イオンが強酸でありそして少なくとも1種の対イオンが低揮発性弱酸である対イオンの混合物に関する。
【0067】
別の好ましい態様は、少なくとも1種の対イオンが強酸でありそして少なくとも1種の
対イオンが高揮発性弱酸である対イオンの混合物に関する。揮発性弱酸対イオンは、約2より高い少なくとも一つのpKaを示し、そしてPatmにおいて約50℃より低い融点または約170℃より低い沸点を示す。かかる酸の例は、酢酸、プロピオン酸、ペンタン酸などを含む。
【0068】
好ましくは、酸性対イオンは、配合物のpHにおいて抗原性作用物質に存在する正電荷を中和するために必要な量で存在する。過剰の対イオン(遊離酸としてまたは塩として)は、pHを制御しそして適当な緩衝能力をもたらすために配合物に加えることができる。
【0069】
特に抗原性作用物質が負の電荷を有する場合の本発明のさらに別の態様では、皮膜配合物は低揮発性塩基性対イオンをさらに含んでなる。
【0070】
好ましい態様では、皮膜配合物は低揮発性弱塩基性対イオンを含んでなる。低揮発性弱塩基は少なくとも一つの塩基性pKaを示しそしてPatmにおいて約50℃より高い融点または約170℃より高い沸点を示す。かかる塩基の例は、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トロメタミン、メチルグルカミン、およびグルコサミンを含む。
【0071】
別の態様では、低揮発性対イオンは、少なくとも1つの酸性pKa、および少なくとも2つの塩基性pKaを示す塩基性双性イオンを含んでなり、ここで塩基性pKaの数は、酸性pKaの数より多い。かかる化合物の例は、ヒスチジン、リシン、およびアルギニンを含む。
【0072】
さらに別の態様では、低揮発性対イオンは、約12より高い少なくとも1つのpKaを示す強塩基を含んでなる。かかる塩基の例は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、および水酸化マグネシウムを含む。
【0073】
その他の好ましい態様は、低揮発性の強塩基および弱塩基を含んでなる塩基性対イオンの混合物を含む。あるいは、適合する対イオンは、高揮発性の強塩基および弱塩基を含んでなる。高揮発性塩基は、約12より低い少なくとも1つの塩基性pKaおよびPatmにおいて約50℃より低い融点または約170℃より低い沸点を示す。かかる塩基の例はアンモニアおよびモルホリンを含む。
【0074】
好ましくは、塩基性対イオンは、配合物のpHにおいて抗原性作用物質上に存在する負電荷を中和するために必要な量で存在する。過剰の対イオン(遊離酸としてまたは塩として)が、pHを制御しそして適当な緩衝能力をもたらすために配合物に加えることができる。
【0075】
好ましくは、皮膜配合物は、約500cp未満そして3cpより高い粘度を有する。
【0076】
本発明の一つの態様では、微小突起表面から測定して皮膜厚さは25μm未満、好ましくは10μm未満である。
【0077】
本発明のさらなる態様では、配合物は、ゲルパック(gel pack)内に組み込むことができるヒドロゲルを含んでなる。
【0078】
それに応じて、本発明の一定の態様では、ヒドロゲル配合物は、少なくとも1種の免疫学的に活性な薬剤を含む。好ましくは、作用物質は、ウイルスおよび細菌、タンパク質に基づくワクチン、多糖に基づくワクチン、および核酸に基づくワクチンを含み限定はされない上記のワクチンの一種を含んでなる。
【0079】
ヒドロゲル配合物は、好ましくは、巨大分子ポリマー性網目構造を有する、水をベースとするヒドロゲルを含んでなる。
【0080】
本発明の好ましい態様では、ポリマー性網目構造は、限定ではないが、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、メチルセルロース(MC)、ヒドロキシエチルメチルセルロース(HEMC)、エチルヒドロキシエチルセルロース(EHEC)、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ポリ(ビニルアルコール)、ポリ(エチレンオキシド)、ポリ(2−ヒドロキシエチルメタクリレート)、ポリ(n−ビニルピロリドン)、およびプルロニクスを含んでなる。
【0081】
ヒドロゲル配合物は好ましくは一種の界面活性剤を含んでなり、それは双性イオン、両親媒性、陽イオン、陰イオン、または非イオン性であることができる。
【0082】
本発明の一つの態様では、界面活性剤は、ラウロアンフォ酢酸ナトリウム、ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)、塩化セチルピリジウム(CPC)、塩化ドデシルトリメチルアンモニウム(TMAC)、ベンザルコニウム、クロリド、ポリソルベート、例えばTween20およびTween80、その他のソルビタン誘導体、例えばラウリン酸ソルビタンおよびアルコキシル化アルコール、例えばラウレス−4を含んでなることができる。
【0083】
別の態様では、ヒドロゲル配合物は、両親媒性を有するポリマー性材料またはポリマーを含み、それらは、限定ではないが、セルロース誘導体、例えばヒドロキシエチルセルロース(HEC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、メチルセルロース(MC)、ヒドロキシエチルメチルセルロース(HEMC)、エチルヒドロキシエチルセルロース(EHEC)、ならびにプルロニクスを含んでなることができる。
【0084】
本発明のさらなる態様では、ヒドロゲル配合物は少なくとも1種の経路開在調節剤を含み、それは、限定ではないが、浸透剤(例えば塩化ナトリウム)、双性イオン性化合物(例えばアミノ酸)、および抗炎症薬、例えばベタメタゾン21−リン酸二ナトリウム塩、トアリアムシノロンアセトニド21−リン酸二ナトリウム、ヒドロコルタマート塩酸塩、ヒドロコルチゾン21−リン酸二ナトリウム塩、メチルプレドニゾロン21−リン酸二ナトリウム塩、メチルプレドニゾロン21−コハク酸ナトリウム塩、パラメタゾン・リン酸二ナトリウムおよびプレドニゾロン21−コハク酸ナトリウム塩、および抗凝固剤、例えばクエン酸、クエン酸塩(例えばクエン酸ナトリウム)、デキストリン硫酸ナトリウム、およびEDTAを含んでなることができる。
【0085】
本発明のさらに別の態様では、ヒドロゲル配合物は少なくとも1種の血管収縮薬を含み、それは、限定ではないが、エピネフリン、ナファゾリン、テトラヒドロゾリン、インダナゾリン、メチゾリン、トラマゾリン、チマゾチン、オキシメタゾリン、キシロメタゾリン、アミデフリン、カファミノール、シクロペンタミン、デオキシエピネフリン、エピネフリン、フェリプレシン、インダナゾリン、メチゾリン、ミドドリン、ナファゾリン、ノルデフリン、オクトドリン、オルニプレシン、オキシメタゾリン、フェニレフリン、フェニルエタノールアミン、フェニルプロパノールアミン、プロピルヘキセドリン、偽エフェドリン、テトラヒドロゾリン、トラマゾリン、ツアミノヘプタン、チマゾリン、バソプレシンおよびキシロメタゾリン、およびそれの混合物を含んでなることができる。
【0086】
ゲルパック態様のさらなる局面では、ワクチンはゲルパック内のヒドロゲル配合物中および微小突起部材に適用される生体適合性皮膜中に含まれることができる。
【0087】
本発明の別の態様では、超音波装置が微小突起部材に接着される。
【0088】
本発明のさらに別の態様では、超音波装置がゲルパックに接着される。
【0089】
本発明の別の態様では、超音波装置は、超音波装置から微小突起部材への超音波エネルギーの伝達を促進するために整合層(matiching layer)をさらに含む。好ましくは、整合層へ超音波装置を接着させるために両面接着層が使用される。
【0090】
本発明の現在好まれる態様では、超音波装置は少なくとも約20kHzの周波数を有する音波を発生する。
【0091】
本発明の一つの態様によると、ワクチン(ヒドロゲル配合物中に含まれるかまたは微小突起部材上の生体適合性皮膜中に含まれるかまたは双方に含まれる)を送達するための方法は下記の工程:好ましくはアクチュエーターを介して微小突起部材を最初に患者の皮膚上に適用し、その際微小突起は角質層を刺通する。次いで超音波装置を適用された微小突起部材上に適用して遂行できる。
【0092】
別の態様では、微小突起部材の適用および取外しの後、次いで超音波装置を患者の前に処理した領域に最も近い患者の皮膚上に配置する。
【0093】
本発明の別の態様では、微小突起装置を患者の皮膚に適用し、次いでワクチン含有ヒドロゲル配合物を含むゲルパックを適用した微小突起部材の頂部上に配置し、ここでヒドロゲル配合物は微小突起により生成した角質層内および微小スリットを通って移動する。次いで、微小突起部材およびゲルパックを取去り、そして超音波装置を影響を受けた領域に最も近い患者の皮膚上に配置する。
【0094】
別の態様では、超音波装置は、適用された微小突起部材ゲルパック構築物の頂部上に配置される。
【0095】
配合物が微小突起部材上の皮膜を含んでなる本発明の態様では、超音波装置を用いて超音波を伝達する工程が、好ましくは微小突起部材の適用の後約5秒間〜30分間の範囲内、そしてさらに好ましくは約30秒間〜15分間の範囲内に行われる。
【0096】
配合物がヒドロゲルを含んでなる本発明の態様では、超音波装置を用いて超音波エネルギーを伝達する工程が、好ましくは微小突起部材の適用の後約5分間〜24時間の範囲内、そしてさらに好ましくは約10分間〜4時間の範囲内に行われる。
【0097】
配合物がゲルパックおよび微小突起部材上の皮膜内に組み込まれたヒドロゲルを含んでなる本発明の態様では、超音波装置を用いて超音波エネルギーを伝達する工程が、好ましくは微小突起部材の適用の後約5秒間〜24時間の範囲内、そしてさらに好ましくは約30秒間〜4時間の範囲内に行われる。
【0098】
好ましくは、本発明の上記の態様では、超音波エネルギーを伝達する工程が、約20kHz〜10MHzの範囲内の周波数を有する音波が適用されることを含んでなる。さらに好ましくは、約20kHZ〜1MHzの範囲内の周波数を有する音波が適用される。
【0099】
また好ましくは、本発明の上記の態様では、超音波エネルギーを伝達する工程が、約0.01W/cm〜100W/cmの範囲内の強度を有するエネルギーを適用することを含んでなる。さらに好ましくは、約1W/cm〜20W/cmの範囲内の強度を有するエネルギーを適用する。
【0100】
別の局面では、本発明の方法は、好ましくは約5秒間〜1時間の範囲内、そしてさらに好ましくは約30秒間〜10分間の範囲内の期間にわたって超音波エネルギーを伝達することを含んでなる。
【0101】
本発明の詳細な説明
本発明を詳細に説明する前に、本発明は特定して例示した材料、方法または配合物は、そのままに限定せず、勿論変形してもよいことを理解するべきである。従って、本明細書中の記載と類似または同等である多数の材料、方法および配合が本発明の実施に当たって使用できるけれども、好ましい材料、方法および配合を本明細書に記載する。
【0102】
本明細書中に記載される用語は、本発明の特定の態様を記述する目的のみであり、そして限定する意図はないことを理解すべきである。
【0103】
別途に断らない限り、本明細書中に使用されるすべての技術的および科学的用語は、本発明が関係する当該技術分野の通常の技術者により一般的に理解されると同じ意味を有する。
【0104】
さらに、上記および下記を問わず本明細書中に引用されるすべての出版物、特許および特許出願は、その全体を引用することにより本明細書に編入される。
【0105】
最後に、本明細書および添付の特許請求範囲中で使用される場合に、単数形“a”、“an”および“the”は、内容が明確に示さない限り複数の言及を含む。従って、例えば“an active agent”(有効作用物質)はかかる作用物質の2種またはそれ以上を含む。“microprojection”(微小突起)への言及は、2個またはそれ以上のかかる微小突起などを含む。
【0106】
定義
本明細書中に使用される場合に「経皮」の用語は、局所または全身治療のために皮膚内におよび/またはそれを通過する作用物質の送達を意味する。
【0107】
本明細書中に使用される場合に「経皮フラックス」の用語は、経皮送達の速度を意味する。
【0108】
本明細書中に使用される場合に「ワクチン」の用語は、免疫学的に有効な量で投与された場合に有益な免疫応答を誘発できる免疫学的に活性な薬剤または作用物質、例えば抗原を含む物質の組成物または混合物を指す。かかる作用物質の例には、限定ではないが、ウイルスおよび細菌、タンパク質に基づくワクチン、多糖に基づくワクチン、および核酸に基づくワクチンが含まれる。
【0109】
本発明に使用できる適合する抗原性作用物質は、限定ではないが、タンパク質、多糖複合体、オリゴ糖、およびリポタンパク質の形態の抗原を含む、それらのサブユニットワクチンは、百日咳菌(組換えDPTワクチン−無細胞)、破傷風菌(精製、組換え)、ジフテリア菌(精製、組換え)、サイトメガロウイルス(糖タンパク質サブユニット)、A群連鎖球菌(糖タンパク質サブユニット、破傷風トキソイドを有する複合糖質A群多糖、有毒サブユニットキャリヤに連結したMタンパク質/ペプチド、Mタンパク質、多価型特異性エピトープ、システインプロテアーゼ、C5aペプチダーゼ)、B型肝炎ウイルス(組換えPre S1、Pre S2、S、組換えコアタンパク質)、C型肝炎ウイルス(組換え−発現した表面タンパク質およびエピトープ)、ヒト乳頭腫ウイルス(キャプシドタ
ンパク質、TA−GN組換えタンパク質L2およびE7〔HPV−6より〕、HPV−11からMEDI−501組換えVLP L1、四価組換えBLP L1〔HPV−6より〕、HPV−11、HPV−16、およびHPV−18、LAMP−E7〔HPV−16より〕)、在郷軍人病捍菌(精製した細菌表面タンパク質)、髄膜炎菌(破傷風トキソイドを有する複合糖質)、緑膿菌(合成ペプチド)、風疹ウイルス(合成ペプチド)、肺炎連鎖球菌(髄膜炎菌B OMPへ複合した複合糖質〔1、4、5、6B、9N、14、18C、19V、23F〕、CRM197に複合した複合糖質〔4、6B、9V、14、18C、19F、23F〕、CRM1970に複合した複合糖質〔1、4、5、6B、9V、14、18C、19F、23F〕)、梅毒トレポネーマ(表面リポタンパク質)、水痘状疱疹ウイルス(サブユニット、糖タンパク質)、およびコレラ菌(複合リポ多糖)を含む。
【0110】
全ウイルスまたは細菌は、限定ではないが、弱毒生または死ウイルス、例えばサイトメガロウイルス、B型肝炎ウイルス、C型肝炎ウイルス、ヒト乳頭腫ウイルス、風疹ウイルスおよび水痘状疱疹ウイルス、弱毒生または死細菌、百日咳菌、破傷風菌、ジフテリア菌、A群連鎖球菌、在郷軍人病捍菌、髄膜炎菌、緑膿菌、肺炎連鎖球菌、梅毒トレポネーマ、およびコレラ菌、およびそれらの混合物を含む。
【0111】
抗原性作用物質を含む市場で入手できる多数のワクチンも本発明に利用され、限定ではないが、流感ワクチン、ライム病ワクチン、狂犬病ワクチン、麻疹ワクチン、耳下腺炎ワクチン、水痘ワクチン、天然痘ワクチン、肝炎ワクチン、百日咳ワクチン、ジフテリアワクチンを含む。
【0112】
本発明による方法に従って送達できる核酸を含んでなるワクチンは、限定ではないが、一本鎖および二本鎖核酸、例えば、スーパーコイルプラスミドDNA、線状プラスミドDNA、コスミド、細菌の人工染色体(BAC)、酵母の人工染色体(YAC)、哺乳動物の人工染色体、およびRNA分子、例えばmRNAを含む。核酸の大きさは、数千キロベースまでであることができる。さらに、本発明の一定の態様では、核酸はタンパク質系作用物質とカップリングできるかまたは1個もしくはそれ以上の化学変性、例えばホスホロチオエート部分を含むことができる。核酸のコード配列は、それに対して免疫応答が望まれる抗原の配列を含んでなる。さらに、DNAの場合には、プロモーターおよびポリアデニル化配列もワクチン構築物内に組み込まれる。コードできる抗原は、感染性疾患、病原体、ならびにガン抗原のすべての抗原性成分を含む。従って、核酸は、例えば感染性疾患、ガン、アレルギー、自己免疫、および炎症性疾患の分野に適用を見出す。
【0113】
ワクチン抗原と一緒になってワクチンを含んでなることができる適合する免疫学的増強性アジュバントは、リン酸アルミニウムゲル、水酸化アルミニウム、藻グルカン、β−グルカン、コレラトキシンBサブユニット、CRL1005、x=8およびy=205の平均値を有するABAブロックポリマー、ガンマインスリン、線状(非分枝状)β−D(2−>1)ポリフルクトフラノキシル−α−D−グルコース、ゲルブ アジュバント、N−アセチルグルコサミン−(β 1−4)−N−アセチルムラミル−L−アラニル−D−グルタミン(GMDP)、ジメチルジオクタデシルアンモニウム・クロリド(DDA)、アエンL−プロリン塩錯体(Zn−Pro−8)、イミキモド(1−(2−メチルプロピル)−1H−イミダゾ〔4,5−c〕キノリン−4−アミン、ImmTherTM、N−アセチルグルコアミニル−N−アセチルムラミル−L−Ala−D−イソGlu−L−Ala−グリセロールジパルミタート、MTP−PE リポソーム、C59108 19PNa−3HO(MTP)、ムラメチド、Nac−Mur−L−Ala−D−Gln−OCH、プリュラン、β−グルカン、QS−21;S−28463、4−アミノ−a、a−ジメチル−1H−イミダゾ〔4,5−c〕キノリン−1−エタノール、スクラボ ペプチド、VQGEESNDK・HC1(1L−1β 163−171ペプチド
)、およびトレニル−MDP(TermurtideTM)、N−アセチル ムラミル−L−トレオニル−D−イソグルタミン、インターロイキン18、IL−2 IL−12、IL−15を含む。アジュバントは、DNAオリゴヌクレオチド、例えば、CpGを含むオリゴヌクレオチドも含む。さらに免疫調節リンホカイン、例えばIL−18、IL−2
IL−12、IL−15、IL−4、IL−10、ガンマ インターフェロン、およびNF−カッパB調節シグナル伝達タンパク質をコードする核酸配列を使用できる。
【0114】
上記のワクチンは、種々の形態、例えば遊離塩基、酸、荷電もしくは非荷電分子、分子複合体の成分または製薬学的に許容できる塩であることができる。さらに、身体pH、酵素などで容易に加水分解できる有効作用物質(例えばエーテル、エステル、アミドなど)の簡単な誘導体も使用できる。
【0115】
一つを越えるワクチンを本発明の作用物質源、貯蔵部、および/または皮膜内に組み込んでもよく、そして「有効作用物質」の用語の使用は2種もしくはそれ以上のかかる有効作用物質または薬剤の使用をいかなる意味での排除するものではないと理解するべきである。
【0116】
本明細書中に使用される場合の「生物学的有効量」または「生物学的有効速度」の用語は、ワクチンが免疫学的に活性な薬剤でありそして所望の免疫学的でしばしば有益な結果を刺激または開始するために必要な免疫学的に活性な薬剤の量または速度を指す。本発明のヒドロゲル配合物および皮膜中に使用される免疫学的に活性な薬剤の量は、所望の免疫学的結果を達成するために必要な有効作用物質の量を送達するために必要な量である。実際には、これは、送達される特定の免疫学的に活性な薬剤、送達の部位、および皮膚組織内への有効作用物質の送達のための溶解および放出速度に依存して広範に変化するであろう。
【0117】
本明細書中に使用される場合の「微小突起」の用語は、生きている動物、殊には哺乳動物そしてさらに特定するとヒトの皮膚の角質層を通過して下にある表皮層、または表皮および真皮層内に刺通または切断するために適合された刺通要素を指す。
【0118】
本発明の一つの態様では、刺通要素は1000μm未満の突起長さを有する。さらなる態様では、刺通要素は500μm未満、さらに好ましくは250μm未満の突起長さを有する。典型的には、微小突起は約5〜50μmの幅および厚さを有する。微小突起はさまざまな形状、例えば針、中空針、刃、ピン、パンチ、およびそれらの組み合わせに成形されてもよい。
【0119】
本明細書中に使用される場合の「微小突起部材」の用語は、角質層を刺通するためにアレイ状に配列された複数の微小突起を含んでなる微小突起アレイを一般的に指す。微小突起部材は、薄いシートから複数の微小突起をエッチングまたはパンチングし、そして例えば図2に示すような形状を形成するようににシートの面から微小突起を折るかもしくは曲げ出して成形できる。微小突起部材は、他の公知の方法、例えば米国特許第6,050,988号明細書(その全体を引用することにより本明細書に編入される)中に開示されたように、それぞれの切片の端にそって微小突起を有する1個もしくはそれ以上の切片を形成しても成形できる。
【0120】
本明細書中に使用される場合の「超音波」および「超音波的」の用語は、ヒトの耳の可聴範囲より高い周波数を有する超音波または振動を指す。当該技術分野では周知のように、かかる周波数は、典型的には約20,000サイクル/秒より高い。
【0121】
本明細書中に使用される場合の「超音波支援」の用語は、一般に、送達が高周波数音波
および/または振動の形での超音波エネルギーの適用により少なくとも部分的に誘導または支援される身体表面(例えば皮膚、粘膜、または爪)を介する治療作用物質(荷電、非荷電、またはそれらの混合)、特にはワクチンの送達を指す。
【0122】
以上に指摘したように、本発明は、一般的に(i)角質層を通って下にある表皮層、または表皮および真皮層内に刺通または切断通過するように適合された複数の刺通要素(またはそのアレイ)を有する微小突起部材(またはシステム)および(ii)生物学的有効作用物質の経皮送達のための超音波装置を含んでなる。
【0123】
一つの態様では、微小突起は少なくとも1種のワクチンを含む皮膜をその上に有する。皮膚の角質層を刺通すると、ワクチンを含む皮膜は体液(細胞内液体および細胞外液体、例えば間質液)により溶解されそしてワクチン作用のために皮膚内に放出される。本明細書中に詳細に考察するように、微小突起部材適用の後、超音波(すなわち超音波周波数または波動)を部材または超音波装置を介して部材が適用される皮膚部位に適用して、特に、ワクチンフラックスを増強する。適用者は、超音波の適用がポリペプチドに基づくワクチンおよびDNAワクチンの細胞取り込みを増加して遺伝子発現および免疫性を増強させることをさらに見出すであろう。
【0124】
当該技術分野では周知のように、超音波の適用は典型的には変換器を用いて行われる。当該技術分野では周知のように、超音波変換器は電気エネルギーを機械エネルギーに変換して超音波を発生する。
【0125】
図1を参照すると、本発明に従って使用できる超音波装置のための例示的な変換器10の略図が示されている。図1に示すように、変換器10は一般的に同心ケーブル11、ハウジング12、遮音材13、支持ブロック14、ライブ電極15、圧電結晶16、接地電極17および整合層18を含む。
【0126】
円盤形圧電結晶16の前面および背面は、典型的には、結晶16を振動させる電圧を供給する2個の電極15、17との良好な接触を確保するために薄膜で被覆される。
【0127】
前電極は電気ショックから患者を保護するために接地され、そして整合層18によっても覆われており、整合層は身体内への超音波エネルギーの伝達を改善する。
【0128】
場合により、整合層18は、変換器10とゲルパック(例えば60)または微小突起部材(例えば70)、または皮膚との間の接触をさらに改善する一回使用両面接着層により被覆される。本発明に従って、新しい一回使用両面接着剤を、それぞれ単回使用の前に整合層18に接着する。
【0129】
本明細書中で詳細に考察するように、皮膚への微小突起アレイ適用の後に、変換器10をゲルパック(または使用されるシステム構成に応じて微小突起部材、または皮膚)に接着されそして超音波処置が適用される。別の態様では、整合層18は、一回使用両面接着剤に置換される。さらに別の態様では、両面接着剤はゲルパックまたは微小突起部材の一体構成部分である。
【0130】
図1に示すように、結晶16の背面は、厚い支持ブロック14に接する。支持ブロック14は変換器10内に伝達される超音波を吸収しそして結晶16の振動を緩衝する(それによりパルス状超音波伝達の空間的パルス長さを減少する)ように適合される。
【0131】
最後に、典型的にはコルクまたはゴムを含んでなる遮音材13は、プラスチックハウジング12内への超音波の漏洩を防止する。
【0132】
当該技術分野の通常の熟練者も認めるように、ワクチンフラックスを増強するための超音波または超音波エネルギーを与えるために、さまざまな変換器、従って超音波装置が本発明の範囲内で使用できる。
【0133】
本発明に従って、作用物質フラックスを増強するために、超音波装置は種々の微小突起部材およびシステムを使用できる。図2を参照すると、本発明に使用するための微小突起部材30の一つの態様が示されている。図2に示すように、微小突起部材30は、複数の微小突起34を有する微小突起アレイ32を含む。微小突起34は、好ましくは、本態様では開口38を含むシート36から本質的に角度90°で伸びている。
【0134】
本発明に従って、シート36はシート36のための支持体40を含む送達パッチ内に組み込まれてもよく、そして追加してパッチの皮膚への接着のための接着剤16を含んでもよい(図4参照)。この態様では、微小突起34は、薄い金属シート36から複数の微小突起34をエッチングまたはパンチングにより形成されそしてシート36の面から微小突起34を曲げ出して形成される。
【0135】
本発明の一つの態様では、微小突起部材30は少なくとも約10個(微小突起)/cm、さらに好ましくは少なくとも約200〜2000個(微小突起)/cmの範囲の微小突起密度を有する。好ましくは、作用物質が通過する単位面積あたりの開口数は、少なくとも10個(開口)/cmでありそして約2000個(開口)/cm以下である。
【0136】
図示のように、微小突起34は、好ましくは1000μm未満の突起長さを有する、一つの態様では、微小突起34は500μm未満、さらに好ましくは250μm未満の突起長さを有する。微小突起34は、さらに好ましくは約5〜50μmの幅および厚さを有する。
【0137】
微小突起部材30は、種々の金属、例えばステンレス鋼、チタン、ニッケル−チタン合金、または同様の生体適合性材料、例えばポリマー性材料から製作できる。好ましくは、微小突起部材30はチタンから製作される。
【0138】
本発明に従って、微小突起部材30は、非電導性材料、例えばポリマーからでも構築できる。あるいは、微小突起部材は、非電導性材料、例えばパリレンで被覆できる。
【0139】
本発明に使用できる微小突起部材は、米国特許第6,083,196号、第6,050988号および第6,091,975号の各明細書(それらはその全体を引用することにより本明細書に編入される)中に開示された部材を含むが、それらに限定はされない。
【0140】
本発明に使用できるその他の微小突起部材は、米国特許第5,879,326号明細書(それはその全体を引用することにより本明細書に編入される)中に開示された部材のように、シリコンチップエッチング技術を使用するシリコンのエッチングによりまたはエッチングされた微小金型を使用してプラスチックを成形して形成された部材を含む。
【0141】
本発明に従って、送達されるべき生物学的有効作用物質(すなわちワクチン)は、ゲルパック貯蔵部内に配置されたヒドロゲル配合物内に含まれる(以下で詳細に考察する)か、微小突起部材30上に配置された生体適合性皮膜内に含まれるか、またはヒドロゲル配合物および生体適合性皮膜内の双方内に含まれることができる。
【0142】
図3を参照すると、生体適合性皮膜35を含む微小突起34を有する微小突起部材30が示されている。本発明に従って、皮膜35はそれぞれの微小突起34を部分的または完
全に覆うことができる。例えば、皮膜35は微小突起34上のある乾燥パターン被覆であることができる。皮膜35は、微小突起34が形成される前またはその後に適用できる。
【0143】
本発明に従って、皮膜35は各種の公知の方法により微小突起34に適用できる。好ましくは、皮膜は、皮膚に進入する微小突起部材30または微小突起34の部分(例えば先端39)のみに適用される。
【0144】
かかる被覆方法の一つは、浸漬被覆を含んでなる。浸漬被覆は、微小突起34を被覆溶液中に部分的または全体的に浸漬して微小突起を被覆する手段として記述できる。部分浸漬技術を使用して、皮膜35を微小突起34の先端39のみに限定できる。
【0145】
別の被覆方法は、ローラー被覆を含んでなる、それは微小突起34の先端39に皮膜35を同様に限定するローラー被覆機構を使用する。ローラー被覆法は、米国特許出願番号10/099,604号(公開番号2002/0132054号)明細書(その全体を引用することにより本明細書に編入される)中に開示されている。
【0146】
上記の出願中に詳細に考察されているように、公開されたローラー被覆法は、皮膚刺通の間に微小突起34から容易には外れない平滑な皮膜をもたらす。微小突起先端皮膜35の平滑な断面を図3Aに示す。
【0147】
本発明に従って、微小突起34は、皮膜35の体積を受け入れおよび/または増加するよに適合された手段、例えば開口(図示なし)、溝(図示なし)、表面凹凸(図示なし)または同様の変形をさらに含むことができ、ここで、該手段はさらに多量の皮膜を接着できる増加した表面積をもたらす。
【0148】
本発明の範囲内で使用できる別の被覆法は、噴霧被覆法を含んでなる。本発明に従って、噴霧被覆法は、皮膜組成物のエアロゾル懸濁液の形成を包含できる。一つの態様では、約10〜200pl(ピコロットル)の小滴大きさを有するエアロゾル懸濁液を微小突起10上に噴霧し次いで乾燥する。
【0149】
パターン被覆も微小突起34を被覆するために使用できる。パターン被覆は、微小突起表面上への接着液体の位置を決定するために分配システムを用いて適用できる。接着した液体の量は、好ましくは0.1〜20nl/微小突起の範囲内である。適合する高精度定量液体分配装置の例は、米国特許第5,916,524号、第5,743,960号、第5,741,554号および第5,738,728号の各明細書(それらは引用することによりすべて本明細書に編入される)中に開示されたている。
【0150】
微小突起皮膜配合物または溶液は、公知のソレノイド弁分配装置、任意の液体駆動手段および一般的に電場を用いて制御される位置決め手段を用いるインクジェット技術を用いてでも適用できる。当該技術分野では公知の印刷工業または同様の液体分配技術からのその他の液体分配技術が、本発明のパターン被覆を適用するために使用できる。
【0151】
上記のように、本発明の一つの態様によると、固体皮膜を形成するための微小突起部材30に適用される皮膜配合物は、少なくとも1種のワクチンを含む水性または非水性配合物を含んでなることができる。本発明に従って、ワクチンは、生体適合性キャリヤ内に溶解または該キャリヤ内に懸濁できる。
【0152】
ワクチン、好ましくは、限定ではないが、ウイルスおよび細菌、タンパク質に基づくワクチン、多糖に基づくワクチン、および核酸に基づくワクチンを含む。
【0153】
適合する抗原性作用物質は、限定ではないが、タンパク質、多糖複合体、オリゴ糖、およびリポタンパク質の形の抗原を含む、それらのサブユニットワクチンは、百日咳菌(組換えDPTワクチン−無細胞)、破傷風菌(精製、組換え)、ジフテリア菌(精製、組換え)、サイトメガロウイルス(糖タンパク質サブユニット)、A群連鎖球菌(糖タンパク質サブユニット、破傷風トキソイドを有する複合糖質A群多糖、有毒サブユニットキャリヤに連結したMタンパク質/ペプチド、Mタンパク質、多価型特異性エピトープ、システインプロテアーゼ、C5aペプチダーゼ)、B型肝炎ウイルス(組換えPre S1、Pre S2、S、組換えコアタンパク質)、C型肝炎ウイルス(組換え−発現した表面タンパク質およびエピトープ)、ヒト乳頭腫ウイルス(キャプシドタンパク質、TA−GN組換えタンパク質L2およびE7〔HPV−6より〕、HPV−11からのMEDI−501組換えVLP L1、四価組換えBLP L1〔HPV−6より〕、HPV−11、HPV−16、およびHPV−18、LAMP−E7〔HPV−16より〕)、在郷軍人病捍菌(精製した細菌表面タンパク質)、髄膜炎菌(破傷風トキソイドを有する複合糖質)、緑膿菌(合成ペプチド)、風疹ウイルス(合成ペプチド)、肺炎連鎖球菌(髄膜炎菌B OMPへ複合した複合糖質〔1、4、5、6B、9N、14、18C、19V、23F〕、CRM197に複合した複合糖質〔4、6B、9V、14、18C、19F、23F〕、CRM1970に複合した複合糖質〔1、4、5、6B、9V、14、18C、19F、23F〕)、梅毒トレポネーマ(表面リポタンパク質)、水痘状疱疹ウイルス(サブユニット、糖タンパク質)、およびコレラ菌(複合リポ多糖)を含む。
【0154】
全ウイルスまたは細菌は、限定ではないが、弱毒生または死ウイルス、例えばサイトメガロウイルス、B型肝炎ウイルス、C型肝炎ウイルス、ヒト乳頭腫ウイルス、風疹ウイルス、および水痘状疱疹ウイルス、弱毒生または死細菌、例えば百日咳菌、破傷風菌、ジフテリア菌、A群連鎖球菌、在郷軍人病捍菌、髄膜炎菌、緑膿菌、肺炎連鎖球菌、梅毒トレポネーマ、およびコレラ菌、およびそれらの混合物を含む。
【0155】
抗原性作用物質を含む追加の市場で入手できる多数のワクチンは、限定ではないが、流感ワクチン、ライム病ワクチン、狂犬病ワクチン、麻疹ワクチン、耳下腺炎ワクチン、水痘ワクチン、天然痘ワクチン、肝炎ワクチン、百日咳ワクチン、およびジフテリアワクチンを含む。
【0156】
核酸を含んでなるワクチンは、限定ではないが、一本鎖および二本鎖核酸、例えば、スーパーコイルプラスミドDNA、線状プラスミドDNA、コスミド、細菌の人工染色体(BAC)、酵母の人工染色体(YAC)、哺乳動物の人工染色体、およびRNA分子、例えばmRNAを含む。核酸の大きさは、数千キロベース未満であることができる。さらに、本発明の一定の態様では、核酸はタンパク質系作用物質とカップリングできるかまたは1個もしくはそれ以上の化学変性、例えばホスホロチオエート部分を含むことができる。核酸のコード配列は、それに対して免疫応答が望まれる抗原の配列を含んでなる。さらに、DNAの場合には、プロモーターおよびポリアデニル化配列もワクチン構築物内に組み込まれる。コードできる抗原は、感染性疾患、病原体、ならびにガン抗原のすべての抗原性成分を含む。従って、核酸は、例えば感染性疾患、ガン、アレルギー、自己免疫、および炎症性疾患の分野に適用を見出す。
【0157】
ワクチン抗原と一緒になってワクチンを含んでなることができる適合する免疫応答増強性アジュバントは、リン酸アルミニウムゲル、水酸化アルミニウム、藻グルカン、β−グルカン、コレラトキシンBサブユニット、CRL1005、x=8およびy=205の平均値を有するABAブロックポリマー、ガンマインスリン、線状(非分枝状)β−D(2−>1)ポリフルクトフラノキシル−α−D−グルコーす、ゲルブ アジュバント、N−アセチルグルコサミン−(β 1−4)−N−アセチルムラミル−L−アラニル−D−グルタミン(GMDP)、ジメチルジオクタデシルアンモニウム・クロリド(DDA)、ア
エンL−プロリン塩錯体(Zn−Pro−8)、イミキモド(1−(2−メチルプロピル)−1H−イミダゾ〔4,5−c〕キノリン−4−アミン、ImmTherTM、N−アセチルグルコアミニル−N−アセチルムラミル−L−Ala−D−イソGlu−L−Ala−グリセロールジパルミタート、MTP−PE リポソーム、C5910819PNa−3HO(MTP)、ムラメチド、Nac−Mur−L−Ala−D−Gln−OCH、プリュラン、β−グルカン、QS−21;S−28463、4−アミノ−a、a−ジメチル−1H−イミダゾ〔4,5−c〕キノリン−1−エタノール、スクラボ ペプチド、VQGEESNDK・HC1(1L−1β 163−171ペプチド)、およびトレニル−MDP(TermurtideTM)、N−アセチル ムラミル−L−トレオニル−D−イソグルタミン、およびインターロイキン18、IL−2 IL−12、IL−15を含む。アジュバントは、DNAオリゴヌクレオチド、例えば、CpGを含むオリゴヌクレオチドも含む。さらに免疫調節リンホカイン、例えばIL−18、IL−2 IL−12、IL−15、IL−4、IL−10、ガンマ インターフェロン、およびNF−カッパB調節シグナル伝達タンパク質をコードする核酸配列を使用できる。
【0158】
上記のワクチンは、種々の形態、例えば遊離塩基、酸、荷電または非荷電分子、分子複合体の成分または製薬学的に許容できる塩であることができる。さらに、身体pH、酵素などで容易に加水分解できる有効作用物質(例えばエーテル、エステル、アミドなど)の簡単な誘導体も使用できる。
【0159】
本発明に従って、皮膜配合物は、好ましくは少なくとも1種の湿潤剤を含む。当該技術分野では周知のように、湿潤剤は一般的に両親媒性分子として記述できる。湿潤剤を含む溶液が疎水性基体上に塗布された場合に、分子の疎水性基が疎水性基体に結合し、一方分子の親水性部分は水を接触したままである。その結果、基体の疎水性表面は湿潤剤の疎水性基により被覆されず、溶剤により湿潤されやすくする。湿潤剤は、両親媒性を示す界面活性剤ならびにポリマーを含む。
【0160】
本発明の一つの態様では、皮膜配合物は少なくとも1種の界面活性剤を含む。本発明に従って、界面活性剤は、双性イオン、両親媒性、陽イオン、陰イオン、または非イオン性であることができる。界面活性剤の例は、ラウロアンフォ酢酸ナトリウム、ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)、塩化セチルピリジウム(CPC)、塩化ドデシルトリメチルアンモニウム(TMAC)、ベンザルコニウム、塩化物、ポリソルベート、例えばTween20およびTween80、その他のソルビタン誘導体、例えばラウリン酸ソルビタン、およびアルコキシル化アルコール、例えばラウレス−4を含む。最も好ましい界面活性剤は、Tween20、Tween80、およびSDSである。
【0161】
好ましくは、界面活性剤の濃度は、皮膜溶液配合物の約0.001〜2重量%の範囲内を含む。
【0162】
本発明のさらなる態様では、皮膜組成物は両親媒性を有する少なくとも1種のポリマー性材料またはポリマーを含む。上記のポリマーの例は、限定ではないが、セルロース誘導体、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、メチルセルロース(MC)、ヒドロキシエチルメチルセルロース(HEMC)、またはエチルヒドロキシエチルセルロース(EHEC)、ならびにプルロニクスを含む。
【0163】
本発明の一つの態様では、両親媒性を示すポリマーの濃度は、好ましくは皮膜配合物の約0.01〜20重量%の範囲内、さらに好ましくは0.03〜10重量%の範囲内である。さらに好ましくは、湿潤剤の濃度は、皮膜配合物の約0.1〜5重量%の範囲内である。
【0164】
当該技術分野の通常の技術者には認められるように、上記の湿潤剤は分離でも組み合わせても使用できる。
【0165】
本発明に従って、皮膜配合物は、さらに親水性ポリマーを含むことができる。好ましくは、親水性ポリマーは、以下の群:ポリ(ビニルアルコール)、ポリ(エチレンオキシド)、ポリ(2−ヒドロキシエチルメタクリレート)、ポリ(n−ビニルピロリドン)、ポリエチレングリコールおよびそれらの混合物、および同様のポリマーから選択される。当該技術分野では周知のように、上記のポリマーは粘度を上昇させる。
【0166】
皮膜配合物中の親水性ポリマーの濃度は、好ましくは皮膜配合物の約0.01〜20重量%の範囲内、さらに好ましくは約0.03〜10重量%の範囲内である。その上さらに好ましくは、湿潤剤の濃度は皮膜配合物の約0.1〜5重量%の範囲内である。
【0167】
本発明に従って、皮膜配合物は生体適合性キャリヤ、例えば同時係属米国特許出願番号10/127,108号明細書(それはその全体を引用することにより本明細書に編入される)中に開示されているものをさらに含むことができる。生体適合性キャリヤの例は、ヒトアルブミン、生体工学処理されたヒトアルブミン、ポリグルタミン酸、ポリアスパラギン酸、ポリヒスチジン、ペントサンポリ硫酸エステル、ポリアミノ酸、スクロース、トレハロース、メレジトース、ラフィノースおよびスタキオースを含む。
【0168】
皮膜配合物中の生体適合性キャリヤの濃度は、例えば皮膜配合物の約2〜70重量%の範囲内、さらに好ましくは約5〜50重量%の範囲内である。その上さらに好ましくは、湿潤剤の濃度は、皮膜配合物の約10〜40重量%の範囲内である。
【0169】
本発明の皮膜は、例えば同時係属の米国特許出願番号10/674,626号および60/514,433号の各明細書(それらはその全体を引用することにより本明細書に編入される)に開示のもののように血管収縮剤をさらに含むことができる。上記の同時係属特許出願明細書中に記載のように、血管収縮剤は微小突起部材上に適用されている間およびその後の出血を制御するために使用される。好ましい血管収縮剤は、限定ではないが、アミデフリン、カファミノール、シクロペンタミン、デオキシエピネフリン、エピネフリン、フェリプレシン、インダナゾリン、メチゾリン、ミドドリン、ナファゾリン、ノルデフリン、オクトドリン、オルニプレシン、オキシメタゾリン、フェニレフリン、フェニルエタノールアミン、フェニルプロパノールアミン、プロピルヘキセドリン、偽エフェドリン、テトラヒドロゾリン、トラマゾリン、ツアミノヘプタン、チマゾリン、バソプレシン、キシロメタゾリンおよびそれらの混合物を含む。最も好ましい血管収縮剤は、エピネフリン、ナファゾリン、テトラヒドロゾリン インダナゾリン、メチゾリン、トラマゾリン、チマゾリン、オキシメタゾリンおよびキシロメタゾリンを含む。
【0170】
使用された場合の血管収縮剤の濃度は、好ましくは皮膜の約0.1重量%〜10重量%の範囲内である。
【0171】
本発明のさらに別の態様では、皮膜配合物は同時係属の米国特許出願番号09/950,436号明細書(それはその全体を引用することにより本明細書に編入される)に開示のもののように、少なくとも1種の「経路開在調節剤」を含む。該同時係属出願明細書中に記載のように、経路開在調節剤は皮膚の生来の治癒過程を防止または低下させこれにより微小突起部材アレイにより角質層内に形成された経路または微小スリットの閉止を防止する。経路開在調節剤の例は、限定ではないが、浸透剤(例えば塩化ナトリウム)、および双性イオン性化合物(例えばアミノ酸)を含む。
【0172】
「経路開在調節剤」の用語は、同時係属出願明細書中に記載のように、さらに抗炎症薬、例えばベタメタゾン21−リン酸二ナトリウム塩、トリアムシノロンアセトニド21−リン酸二ナトリウム、ヒドロコルタマート塩酸塩、ヒドロコルチゾン21−リン酸二ナトリウム塩、メチルプレドニゾロン21−リン酸二ナトリウム塩、メチルプレドニゾロン21−コハク酸ナトリウム塩、パラメタゾン・リン酸二ナトリウムおよびプレドニゾロン21−コハク酸ナトリウム塩、および抗凝固剤、例えばクエン酸、クエン酸塩(例えばクエン酸ナトリウム)、デキストラン硫酸ナトリウム、アスピリンおよびEDTAを含む。
【0173】
本発明の別の態様では、皮膜配合物は少なくとも1種の抗酸化剤を含み、それらは金属イオン封鎖であることができ、例えばクエン酸ナトリウム、クエン酸、EDTA(エチレン−ジニトリロ−四酢酸)、または遊離ラジカル捕そく剤、例えばアスコルビン酸、メチオニン、アスコルビン酸ナトリウムなどを含む。現在好ましい抗酸化剤は、EDTAおよびメチオニンを含む。
【0174】
本発明の一定の態様では、低揮発性対イオンを加えて皮膜配合物の粘度を増加させる。一つの態様では、作用物質は配合物pHにおいて正の電荷を有しそして粘度増加性対イオンは少なくともお2個の酸性pKaを有する酸を含んでなる。適合する酸は、マレイン酸、リンゴ酸、マロン酸、酒石酸、アジピン酸、シトラコン酸、フマル酸、グルタル酸、イタコン酸、メグルトール、メサコン酸、コハク酸、シトラマル酸、タルトロン酸、クエン酸、トリカルバリル酸、エチレンジアミン四酢酸、アスパラギン酸、グルタミン酸、炭酸、硫酸、およびリン酸を含む。
【0175】
別の好ましい態様は、作用物質が配合物pHにおいて正の電荷を有しそして少なくとも1種の対イオンは少なくとも2個の酸性pKaを有する酸である、対イオンの粘度増加混合物に関する。他の対イオンは、1つもしくはそれ以上のpKaを有する酸である。適合する酸の例は、塩酸、臭素酸、硝酸、硫酸、マレイン酸、リン酸、ベンゼンスルホン酸、メタンスルホン酸、クエン酸、コハク酸、グリコール酸、グルコン酸、グルクロン酸、乳酸、リンゴ酸、ピルビン酸、酒石酸、タルトロン酸、フマル酸、酢酸、プロピオン酸、ペンタン酸、炭酸、マロン酸、アジピン酸、シトラコン酸、レブリン酸、グルタル酸、イタコン酸、メグルトール、メサコン酸、シトラマル酸、クエン酸、アスパラギン酸、グルタミン酸、トリカルバリル酸およびエチレンジアミン四酢酸を含む。
【0176】
一般に、本発明の上記の態様では、対イオンの量は、抗原性作用物質の電荷を中和しなければならない。かかる態様では、対イオンまたは対イオンの混合物は、配合物のpHにおいて作用物質上に存在する電荷を中和するために必要な量で存在する。過剰の対イオン(遊離酸としてまたは塩として)を、pHを制御しそして適当な緩衝能力をもたらすために配合物に加えることができる。
【0177】
別の好ましい態様では、作用物質は正の荷電を有しそして対イオンは、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、塩酸、グリコール酸、および酢酸の群から選択される対イオンの粘度増加混合物である。好ましくは、対イオンは、約20〜200cpの範囲内の粘度に達するように配合物に加えられる。
【0178】
好ましい態様では、粘度増加対イオンは、酸性対イオン、例えば低揮発性弱酸である。低揮発生弱酸対イオンは、少なくとも1つの酸性pKaそしてPatmにおいて約50℃より高い融点または約170℃より高い沸点を示す。かかる酸の例は、クエン酸、コハク酸、グリコール酸、グルコン酸、グルクロン酸、乳酸、リンゴ酸、ピルビン酸、酒石酸、タルトロン酸、およびフマル酸を含む。
【0179】
別の好ましい態様では、対イオンは強酸である。強酸は約2以下の少なくとも1つのp
Kaを示すとして定義できる。かかる酸の例は、塩酸、臭素酸、硝酸、スルホン酸、硫酸、マレイン酸、リン酸、ベンゼンスルホン酸およびメタンスルホン酸を含む。
【0180】
別の好ましい態様は、少なくとも1種の対イオンが強酸でありそして少なくとも1種の対イオンが低揮発性弱酸である対イオンの混合物に関する。
【0181】
別の好ましい態様は、少なくとも1種の対イオンが強酸でありそして少なくとも1種の対イオンが高揮発性弱酸である対イオンの混合物に関する。揮発性弱酸対イオンは、約2より高い少なくとも一つのpKaを示しそしてPatmにおいて約50℃より低い融点または約170℃より低い沸点を示す。かかる酸の例は、酢酸、プロピオン酸、ペンタン酸などを含む。
【0182】
好ましくは、酸性対イオンは、配合物のpHにおいて抗原性作用物質上に存在する正電荷を中和するために必要な量で存在する。過剰の対イオン(遊離酸としてまたは塩として)は、pHを制御しそして適当な緩衝能力をもたらすために配合物に加えることができる。
【0183】
特に抗原性作用物質が負の電荷を有する場合の本発明のさらに別の態様では、皮膜配合物は低揮発性塩基性対イオンをさらに含んでなる。
【0184】
好ましい態様では、皮膜配合物は低揮発性弱塩基性対イオンを含んでなる。低揮発性弱塩基は少なくとも一つの塩基性pKaを示しそしてPatmにおいて約50℃より高い融点または約170℃より高い沸点を示す。かかる塩基の例は、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トロメタミン、メチルグルカミン、およびグルコサミンを含む。
【0185】
別の態様では、低揮発性対イオンは、少なくとも1つの酸性pKa、および少なくとも2つの塩基性pKaを示す塩基性双性イオンを含んでなり、ここで塩基性pKaの数は、酸性pKaの数より多い。かかる化合物の例は、ヒスチジン、リシンおよびアルギニンを含む。
【0186】
さらにその他の態様では、低揮発性対イオンは、約12より高い少なくとも1つのpKaを示す強塩基を含んでなる。かかる塩基の例は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、および水酸化マグネシウムを含む。
【0187】
その他の好ましい態様は、低揮発性の強塩基および弱塩基を含んでなる塩基性対イオンの混合物を含んでなる。あるいは、適合する対イオンは、高揮発性の強塩基および弱塩基を含む。高揮発性塩基は、約12より低い少なくとも1つの塩基性pKaおよびPatmにおいて約50℃より低い融点または約170℃より低い沸点を示す。かかる塩基の例はアンモニアおよびモルホリンを含む。
【0188】
好ましくは、塩基性対イオンは、配合物のpHにおいて抗原性作用物質に存在する負電荷を中和するために必要な量で存在する。過剰の対イオン(遊離酸としてまたは塩として)が、pHを制御しそして適当な緩衝能力をもたらすために配合物に加えることができる。
【0189】
本発明に従って、皮膜配合物は非水性溶剤、例えばエタノール、クロロホルム、エーテル、プロピレングリコール、ポリエチレングリコールなど、染料、顔料、不活性充填剤、透過促進剤、賦形剤、および当該技術分野では公知の製薬学的製品または経皮装置のその他の慣用の成分も含むことができる。
【0190】
その他の公知の配合物添加剤は、それらが皮膜配合物の必要な溶解度および粘度特性および乾燥皮膜の物理的一体性に不利に影響しない限り、皮膜配合物に加えることもできる。
【0191】
好ましくは、皮膜配合物は、微小突起10それぞれに効果的に被覆するために約500cp未満そして3cpより高い粘度を有する。さらに好ましくは、皮膜配合物は約3〜200cpの範囲内の粘度を有する。
【0192】
本発明に従って、所望の皮膜厚さは、シートの単位面積あたりの微小突起の密度および皮膜組成物の粘度および濃度ならびに選択した被覆方法に依存する。好ましくは、皮膜厚さは50μm未満である。
【0193】
一つの態様では、微小突起表面から測定して皮膜厚さは25μm未満、さらに好ましくは10μm未満である。その上さらに好ましくは、皮膜厚さは約1〜10μmの範囲内である。
【0194】
すべての場合に、皮膜を適用した後に、種々の手段により微小突起10上で皮膜配合物を乾燥する。本発明の好ましい態様では、皮膜部材は室温条件で乾燥される。しかし皮膜配合物を微小突起上で乾燥するために、さまざまな方法および湿度レベルが使用できる。さらに、被覆された部材は、加熱、凍結乾燥、冷凍乾燥または皮膜から水分を除くための類似の技術を使用できる。
【0195】
図5および6を参照して、(本発明の一つの態様に従って)貯蔵および適用のために、同時係属米国特許出願番号09/976,762号(公開番号2002/0091357号)明細書(それはその全体を引用することにより本明細書に編入される)中に詳細に記載のように、微小突起部材30は、好ましくは接着タブ31により保持環50中に懸垂される。
【0196】
保持環50中に微小突起部材30を配置した後に、微小突起部材30を患者の皮膚に適用する。好ましくは、微小突起部材30はインパクトアプリケーター(impact applicator)、例えば同時係属米国特許出願番号09/976,798号明細書(それはその全体を引用することにより本明細書に編入される)中に開示のものを用いて皮膚に適用される。
【0197】
図7および8を参照すると、本発明の範囲内で使用できる別の微小突起システムが示されている。図7および8に示すように、システム60は、ゲルパック62および微小突起構築体70を含み、それは図2に示す微小突起部材30のような微小突起部材を有する。
【0198】
本発明に従って、ゲルパック62は、所定量のヒドロゲル配合物68をその中に受け入れるように適合された中央に配置された貯蔵部または開口66を有するハウジングまたは環64を含む。図7に示すように、環64は、環64の外平面上に配置された支持部材65を含む。好ましくは、支持部材65はヒドロゲル配合物に非浸透性である。
【0199】
好ましい態様では、ゲルパック60は、慣用の接着剤を介してゲルパック環64の外面に接着している取り外し可能な剥離ライナー69をさらに含む。以下に詳細に記載するように、剥離ライナー69は、適用(または組合)された微小突起構築体70へのゲルパック60の適用の前に取り外される。
【0200】
ここで図8を参照すると、微小突起構築体70は、支持膜環72および同様の微小突起
アレイ74を含む。微小突起構築体は、皮膚接着環74を含む。
【0201】
本発明の範囲内で使用できる上記のゲルパック60および微小突起構築体70、ならびにそれらの追加の態様のこれ以上の詳細は、同時係属米国特許出願番号60/514,387号明細書(これはその全体を引用することにより本明細書に編入される)中に記載されている。
【0202】
以上に記載のように、本発明の少なくとも一つの態様では、ヒドロゲル配合物は少なくとも1種の生物学的に有効な作用物質、好ましくはワクチンを含む。本発明の別の態様では、ヒドロゲル配合物はワクチンを欠き、従って、それは単に水和機構だけである。
【0203】
本発明に従って、ヒドロゲル配合物がワクチンを欠く場合に、ワクチンは、上記のように微小突起アレイ32上に被覆されるか、または、国際特許出願公開WO98/28037号明細書(これはその全体を引用することにより本明細書に編入される)中に開示のように固体フィルム内、上記の同時係属米国特許出願番号60/514,387号明細書中に開示のように微小突起アレイ32の皮膚側、もしくはアレイ32の上面に含まれる。
【0204】
同時係属特許出願明細書中に考察したように、固体フィルムは、典型的には、ワクチン、ポリマー性材料、例えばヒドロキシエチルセルロース(HEC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、メチルセルロース(MC)、ヒドロキシエチルメチルセルロース(HEMC)、エチルヒドロキシエチルセルロース(EHEC)、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ポリ(ビニルアルコール)、ポリ(エチレンオキシド)、ポリ(2−ヒドロキシエチルメタクリレート)、ポリ(n−ビニルピロリドン)、もしくはプルロニクス、可塑剤、例えばグリセロール、ポリプロピレングリコールもしくはポリエチレングリコール、界面活性剤、例えばTween20もしくはTween80、および揮発性溶剤、例えば水、イソプロパノール、もしくはエタノールから成る液体配合物をキャスティングして製作される。キャスティングおよびその後の蒸発の後に、固体フィルムが生成する。
【0205】
好ましくは、本発明のヒドロゲル配合物は、水に基づくヒドロゲルを含んでなる。ヒドロゲルは、その高い含水量および生体適合性のために好ましい配合物である。
【0206】
当該技術分野では周知のように、ヒドロゲルは水中で膨潤する巨大分子ポリマー性網目構造体である。適合するポリマー性網目構造体の例は、限定ではないが、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、メチルセルロース(MC)、ヒドロキシエチルメチルセルロース(HEMC)、エチルヒドロキシエチルセルロース(EHEC)、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ポリ(ビニルアルコール)、ポリ(エチレンオキシド)、ポリ(2−ヒドロキシエチルメタクリレート)、ポリ(n−ビニルピロリドン)、およびプルロニクスを含む。最も好ましいポリマー性材料は、セルロース誘導体である。それらのポリマーは、異なる平均分子量を示す種々のグレードで入手でき、従って異なる粘弾性を示す。
【0207】
好ましくは、ポリマー性材料の濃度は、ヒドロゲル配合物の約0.5〜40重量%の範囲内である。
【0208】
本発明のヒドロゲル配合物は、好ましくは、配合物が適切な湿潤特性を示すことを保証するために十分な表面活性を有し、それは配合物と微小突起アレイ32および皮膚および場合により固体フィルムとの間の最適な接触を確立するために重要である。
【0209】
本発明に従って、適切な湿潤性は、ヒドロゲル配合物中に湿潤剤を組み込んで達成される。場合により、湿潤剤は固体フィルム内に組み込むこともできる。
【0210】
好ましくは、湿潤剤は少なくとも1種の界面活性剤を含む。本発明に従って、界面活性剤は双性イオン、両親媒性、陽イオン、陰イオン、または非イオン性であることができる。界面活性剤の例は、ラウロアンフォ酢酸ナトリウム、ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)、塩化セチルピリジウム(CPC)、塩化ドデシルトリメチルアンモニウム(TMAC)、ベンザルコニウム、クロリド、ポリソルベート、例えばTween20およびTween80、その他のソルビタン誘導体、例えばラウリン酸ソルビタン、アルコキシル化アルコール、およびラウレス−4を含む。最も好ましい界面活性剤は、Tween20、Tween80およびSDSを含む。
【0211】
好ましくは、湿潤剤はポリマー性材料または両親媒性を有するポリマーも含む。上記のポリマーの例は、限定ではないが、セルロース誘導体、例えばヒドロキシエチルセルロース(HEC)、ヒドロキシプロピル−メチルセルロース(HPMC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、メチルセルロース(MC)、ヒドロキシエチルメチルセルロース(HEMC)、またはエチルヒドロキシエチルセルロース(EHEC)、ならびにプルロニクスを含む。
【0212】
好ましくは、界面活性剤の濃度は、ヒドロゲル配合物の約0.001〜2重量%の範囲内である。両親媒性を示すポリマーの濃度は、好ましくはヒドロゲル配合物の約0.5〜40重量%の範囲内である。
【0213】
当該技術分野の通常の技術者が認めるように、上記の湿潤剤は、分離してまたは組み合わせて使用できる。
【0214】
本発明に従って、ヒドロゲル配合物は、少なくとも1種の経路開在調節剤または「抗治癒剤」、例えば同時係属米国特許出願番号09/950,436号明細書中に記載のようなものを同様に含むことができる。以上に記載のように、経路開在調節剤は、限定ではないが、浸透剤(例えば塩化ナトリウム)、および双性イオン性化合物(例えばアミノ酸)を含むことができる。経路開在調節剤はまた、抗炎症薬、例えばベタメタゾン21−リン酸二ナトリウム塩、トリアムシノロンアセトニド21−リン酸二ナトリウム、ヒドロコルタマート塩酸塩、ヒドロコルチゾン21−リン酸二ナトリウム塩、メチルプレドニゾロン21−リン酸二ナトリウム塩、メチルプレドニゾロン21−コハク酸ナトリウム塩、パラメタゾン・リン酸二ナトリウムおよびプレドニゾロン21−コハク酸ナトリウム塩、および抗凝固剤、例えばクエン酸、クエン酸塩(例えばクエン酸ナトリウム)、デキストラン硫酸ナトリウム、およびEDTAを含む。
【0215】
ヒドロゲル配合物は、さらに少なくとも1種の血管収縮薬を含むことができる。上記のように、適合する血管収縮薬は、限定ではないが、エピネフリン、ナファゾリン、テトラヒドロゾリン、インダナゾリン、メチゾリン、トラマゾリン、チマゾチン、オキシメタゾリン、キシロメタゾリン、アミデフリン、カファミノール、シクロペンタミン、デオキシエピネフリン、エピネフリン、フェリプレシン、インダナゾリン、メチゾリン、ミドドリン、ナファゾリン、ノルデフリン、オクトドリン、オルニプレシン、オキシメタゾリン、フェニレフリン、フェニルエタノールアミン、フェニルプロパノールアミン、プロピルヘキセドリン、偽エフェドリン、テトラヒドロゾリン、トラマゾリン、ツアミノヘプタン、チマゾリン、バソプレシンおよびキシロメタゾリン、およびそれらの混合物を含む。
【0216】
本発明に従って、ヒドロゲル配合物は、非水性溶剤、例えばエタノール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール等、染料、顔料、不活性充填剤、透過促進剤、賦形剤、および当該技術分野では公知の製薬学的製品または経皮装置のその他の慣用の成分も含むことができる。
【0217】
本発明のヒドロゲル配合物は、配合物がゲルパック60内に含まれることができ、その一体性を適用過程の間保持するために適する粘度を示し、そしてそれが微小突起構築物開口380を通りそして皮膚経路中に流れることができるほど十分に液状である。
【0218】
ニュートン流動性を示すヒドロゲル配合物のためには、ヒドロゲル配合物の粘度は好ましくは25℃で測定して約2〜30ポアズ(P)の範囲内である。せん断薄化ヒドロゲル配合物に対しては、25℃で測定して、好ましくは、667/sおよび2667/sのせん断速度において粘度はそれぞれ1.5〜30Pまたは0.5〜10Pの範囲内である。ダイラタンシー配合物に対しては、25℃で測定して、好ましくは667/sのせん断速度において粘度は約1.5〜30Pの範囲内である。
【0219】
記載したように、本発明の少なくとも1つの態様では、ヒドロゲル配合物は少なくとも1種のワクチンを含む。好ましくはワクチンは上記のワクチンの一種を含んでなる。
【0220】
本発明に従って、ヒドロゲル配合物が上記のワクチンの一種を含む場合に、ワクチンは飽和を越えるかまたは飽和以下の濃度で存在できる。微小突起システム内に使用されるワクチンの量は、所望の結果を達成するためにワクチンの治療有効量を伝達するために必要な量である。実際には、これは特定のワクチン、送達の部位、病状の重症度、および所望の治療効果に依存して広範に変化する。従って、本方法中に組み込まれるワクチンの治療有効量のための特定の範囲を定義することは実際的ではない。
【0221】
本発明の一つの態様では、ワクチンの濃度はヒドロゲル配合物の少なくとも1〜40重量%の範囲内である。
【0222】
貯蔵よび適用のために、同様に好ましくは、微小突起構築物は図5および6に示す保持体50中に懸垂される。保持体50中に微小突起構築物70の配置の後、微小突起構築物70を患者の皮膚に適用する。好ましくは、微小突起構築物70はインパクトアプリケーター、例えば同時係属米国特許出願番号09/976,798号明細書中に開示のものを用いて皮膚に同様に適用される。
【0223】
微小突起構築物70の適用の後、剥離ライナー69をゲルパック60から取り外す。次いでゲルパック60を微小突起構築物70上に位置させ、それによりヒドロゲル配合物68は微小突起アレイ32中の開口38を通ってゲルパック60から放出され、微小突起34により形成された角質層内の微小スリットを通って、微小突起34の外面下に移動しそして角質層を通過して局所または全身治療を達成する。
【0224】
ここで図9を参照すると、本発明の範囲内で使用できる微小突起システム80の別の態様が示されている。図9に示すように、該システムは、以上に記載しそして図6および7に示した微小突起部材70およびゲルパック60を含んでなる一体ユニットを含んでなる。
【0225】
本発明の態様に従って、ワクチン(ヒドロゲル配合物中に含まれるかもしくは微小突起部材上の生体適合性皮膜中に含まれるか、または双方に含まれる)を送達する方法は、下記の工程で達成される:被覆された微小突起部材(例えば70)を最初に患者の皮膚にアクチュエーターを介して適用し、ここで微小突起34は角質層を刺通する。次いで、適用した微小突起部材上に超音波装置を適用する。
【0226】
別の態様では、被覆された近位部材の適用および取り外しの後に、次いで前に処置した
領域に近傍の患者皮膚上に超音波装置を配置する。
【0227】
本発明の別の態様では、微小突起装置70を患者の皮膚に適用し、次いで、適用した微小突起部材70の頂部にワクチン含有ヒドロゲル配合物を有するゲルパック60を配置し、そこでヒドロゲル配合物68が微小突起部材34により生成された角質層内の微小スリット内およびそれを通って移動する。次いで、微小突起部材70およびゲルパック60を取り外しそして処置した領域の近傍の患者皮膚上に超音波装置を配置する。
【0228】
別の態様では、適用した微小突起部材−ゲルパック構築体80の頂部に超音波装置を配置する。
【0229】
ゲルパック態様のさらなる局面では、ワクチンはゲルパック60内のヒドロゲル配合物内および微小突起部材70に適用された生体適合性皮膜内に含まれる。
【0230】
好ましくは、ワクチン被覆微小突起アレイが本発明の実施のために使用される場合には、超音波処置は、ワクチン被覆微小突起アレイの皮膚への最初の適用の5秒間〜30分間後に適用される。さらに好ましくは、超音波処置は、ワクチン被覆微小突起アレイの皮膚への最初の適用の30秒間〜15分間後に適用される。
【0231】
好ましくは、ゲル貯蔵部を含むワクチンが本発明の実施のために使用される場合には、超音波処置は、ゲル貯蔵部を含むワクチンの皮膚への最初の適用の5分間〜24時間後に適用される。さらに好ましくは、超音波処置は、ゲル貯蔵部を含むワクチンの皮膚への最初の適用10分間〜4時間後に適用される。
【0232】
好ましくは、ワクチン被覆微小突起アレイとゲル貯蔵部を含むワクチンの組み合わせが本発明の実施のために使用される場合に、超音波処置は、ワクチン被覆微小突起アレイおよびゲル貯蔵部を含むワクチンの組み合わせの皮膚への最初の適用の5秒間〜24時間後に適用される。さらに好ましくは、超音波処置は、ワクチン被覆微小突起アレイおよびゲル貯蔵部を含むワクチンの組み合わせの皮膚への最初の適用の30秒間〜4時間後に適用される。
【0233】
好ましくは、超音波装置は、約20kHz〜10MHzの範囲内、さらに好ましくは約20kHz〜1MHzの範囲内の周波数を有する音波を適用する。
【0234】
好ましくは、適用される強度は、約0.01〜100W/cmの範囲内である。さらに好ましくは、適用強度は、約1〜20W/cmの範囲内である。
【0235】
好ましくは、通常該処置は、約5秒間〜1時間の範囲内の期間で適用される。さらに好ましくは、約30秒間〜10分間の範囲内の期間である。
実施例
【実施例1】
【0236】
予備実験では、微小突起アレイ技術はDNAを皮膚内に送達するが、しかし遺伝子発現およびコードした抗原への免疫応答は、低すぎて検出されないことが分かった。本実施例で、我々は、乾燥皮膜アレイまたはゲル貯蔵部を用いる微小突起アレイ技術による経皮DNAワクチン送達と、細胞内DNA送達を支援するための超音波とを組み合わせた。B型肝炎表面抗原(HBsAg)をコードする発現ベクターに対する免疫応答を測定した。9群の処置群を評価した。
群1;DNA被覆微小突起アレイ(MA)送達(適用時間2分間)、細胞内送達の増強なし。
群2;DNA被覆微小突起アレイ送達(適用時間2分間)、次いで微小突起アレイ取り外し後に超音波。
群3;DNA被覆微小突起アレイ送達(適用時間1分間)、次いで超音波の間その位置に止まる微小突起と共に超音波。
群4;非被覆微小突起アレイ適用、次いで微小突起アレイ取り外し後にゲル貯蔵部内のDNAと共に超音波。ゲル貯蔵部は超音波の前15分間その位置に置く。
群4A;非被覆微小突起アレイ適用、微小突起アレイの取り外しの後にゲル貯蔵部内のDNA、超音波なし。ゲル貯蔵部は16分間その位置に置く。
群5;非被覆微小突起アレイ適用、次いで超音波の間その位置に留まる微小突起アレイと共にゲル貯蔵部内のDNAと共に超音波。ゲル貯蔵部は超音波の前15分間その位置に置く。
群5A;非被覆微小突起アレイ適用、ゲル貯蔵部内にDNA、微小突起アレイはその位置に留まる、超音波なし。ゲル貯蔵部は16分間その位置に置く。
群6:局所DNA適用、次いで適用15分後超音波。
群6A:局所DNAを16分間適用、超音波なし。
【0237】
材料および方法
微小突起アレイ:pCMV−S(HBsAg発現プラスミド−Aldevron,Fargo,N.D.)を被覆したMA1035(微小突起長さ225μm、675個(微小突起)/cm、2cmアレイ)。
【0238】
微小突起アレイ皮膜:アレイあたり60μgDNA;12mg/mLプラスミド、12mg/mLスクロース、および2mg/mL Tween20を含む水性配合物を用いるローラー被覆方法により得られたもの。
【0239】
DNAゲル:1.5%HEC、3.6mg/mL DNA、および2mg/mL Tween20を含む水性配合物350μL。
【0240】
局所DNA適用:50μl食塩水中50μgDNA。
【0241】
超音波条件:1MHz、1W/cm、1分間、図1記載の変換器により伝達される。
【0242】
無毛モルモット(HGP)皮膚へのDNA伝達:微小突起アレイを生きたHGPに1分間適用しそして適用部位に印を付ける。微小突起アレイ/DNAゲルによるDNA伝達は処理表中に示されたように増強される。超音波は微小突起アレイによるDNA伝達の直後に行い、一方すべての動物は麻酔状態のままである。
【0243】
第4週目における一回のブースター適用の2週後の体液性免疫応答は、ABBOTT
AUSAB EIA診断キットおよび定量パネルを用いて測定する。10mlU/mlの防御レベルより高い抗体力価を表1中で「陽性」と表示する。
【0244】
細胞性応答は、TCL活性を予測するために、代替アッセイを用いて決定する:抗体力価決定のための血清を得る時点で脾臓細胞を採取しそしてガンマインターフェロン産生CD8細胞の数〔抗CD4被覆Dynabeads(Dynal,NY)によりCD4陽性細胞の枯渇の後〕を、HBsAgタンパク質(Aldevron)を用いてイン・ビトロ再刺激の5日後にELISPOTアッセイにより決定する。「陽性」応答は、(i)HBsAgを用いて再刺激したウエル内の細胞の平均数が、無関係な抗原であるオボアルブミン(Ova)を用いて再刺激したウエルにおけるよりも有意に高い(P<0.05、スチューデント検定)、(ii)スポット形成細胞(SFC)のネット数(HBsAgを用いて刺激したウエル中のSFCからOvaを用いて刺激したウエル中のSFCの数を差し引いたもの)が5またはそれより高く、そして(iii)HBsAgウエル中のSFCの平均数のOvaウエル中のSFCの平均数に対する比が2.0より高い場合に記録される。
【0245】
【表1】

【0246】
本実施例は、超音波が、微小突起アレイにより生成された通路を通る微小突起アレイまたはゲル貯蔵部により皮膚への送達後の細胞内DNA取り込みを増強できそして送達されたDNAワクチン構築物によりコードされる抗原への細胞性および体液性免疫応答の誘導をもたらすことができることを証明する。
【実施例2】
【0247】
マクロフラックス(Macroflux)技術は、筋肉への針およびシリンジによる慣用の送達と同様もしくはそれよりも大きい皮膚へのポリペプチドワクチン送達および免疫応答の誘導に適することが証明されている。タンパク質ワクチンが細胞外に送達された場合に、体液性応答が得られ、これは抗原の提示がクラスII MHC/HLA経路を介して起きるためである。タンパク質ワクチンがシトソル内に送達された場合(または抗原が細胞内に産生された場合−ワクチンまたはDNAワクチンを複製して)にのみ、細胞性免疫応答が追加的に達成される。本実施例において、我々は乾燥被覆アレイまたはゲル貯蔵部を用い、微小突起アレイ技術による経皮ポリペプチドワクチン送達と、細胞内送達を支援するための超音波とを組み合わせる。B型肝炎ウイルス表面抗原(HBaAg)タンパク質への免疫応答を測定した。9群の処置群を評価した。
群1;HBsAgタンパク質被覆微小突起アレイ(MA)送達(適用時間5分間)、細胞内送達の増強なし。
群2;HBsAgタンパク質被覆微小突起アレイ送達(適用時間5分間)、次いで微小突起アレイ取り外し後に超音波。
群3;HBsAgタンパク質被覆微小突起アレイ送達(適用時間5分間)、次いで超音波の間その位置に止まる微小突起アレイと共に超音波。
群4;非被覆微小突起アレイ適用、次いで微小突起アレイ取り外し後にゲル貯蔵部内のHBsAgタンパク質と共に超音波。ゲル貯蔵部は超音波の前15分間その位置にある。
群4A;非被覆微小突起アレイ適用、次いで微小突起アレイ取り外しの後にゲル貯蔵部内のHBsAgタンパク質、超音波なし。ゲル貯蔵部は20分間その位置に置く。
群5;非被覆微小突起アレイ適用、次いで超音波の間その位置に留まる微小突起アレイと共にゲル貯蔵部内のHBsAgタンパク質と共に超音波。ゲル貯蔵部は超音波の前15分
間その位置に置く。
群5A;非被覆微小突起アレイの適用、その位置に留まる微小突起アレイと共にゲル貯蔵部内のHBsAgタンパク質、超音波なし。ゲル貯蔵部は20分間その位置に置く。
群6:局所HBsAgタンパク質適用、次いで適用15分後超音波。
群6A:局所HBsAgタンパク質20分間適用、超音波なし。
【0248】
材料および方法
微小突起アレイ:HBsAgタンパク質(Aldevron,Fargo,N.D.)を被覆したMA1035(微小突起長さ225μm、675個(微小突起)/cm、2cmアレイ)。
【0249】
微小突起アレイ皮膜:アレイあたり30μgHBsAgタンパク質;20μgHBsAgタンパク質、20mg/mLスクロース、2mg/mL HLC、および2mg/mL
Tween20を含む水性配合物を用いるローラー被覆方法により得られたもの。
【0250】
HBsAgタンパク質ゲル:1.5%HEC、3.6mg/mLHBsAgタンパク質、および2mg/mL Tween20を含む水性配合物350μL。
【0251】
局所HBsAgタンパク質適用:50μl食塩水中50μgHBsAgタンパク質。
【0252】
超音波条件:1MHz、1W/cm,1分間、図1記載の変換器により伝達される。
【0253】
無毛モルモット(HGP)皮膚へのHBsAgタンパク質伝達:微小突起アレイを生きたHGPに5分間適用しそして適用部位に印を付ける。微小突起アレイ/HBsAgタンパク質ゲルによるHBsAgタンパク質伝達は処理表内に示されたように増強される。超音波は微小突起アレイによるHBsAgタンパク質伝達の直後に行い、一方すべての動物は麻酔状態のままである。
【0254】
第4週目における一回のブースター適用の2週後の体液性免疫応答は、ABBOTT
AUSAB EIA診断キットおよび定量パネルを用いて測定する。10mlU/mlの防衛レベルより高い抗体力価を表2中で「陽性」と表示する。
【0255】
細胞性応答は、TCL活性を予測するために、代替アッセイを用いて決定する:抗体力価決定のための血清を得る時点で脾臓細胞を採取しそしてガンマインターフェロン産生CD8細胞の数〔抗CD4被覆Dynabeads(Dynal,NY)によりCD4陽性細胞の枯渇の後〕を、HBsAgタンパク質を用いてイン・ビトロ再刺激の5日後にELISPOTアッセイにより決定する。「陽性」応答は、(i)HBsAgを用いて再刺激したウエル内の細胞の平均数が、無関係な抗原であるオボアルブミン(Ova)を用いて再刺激したウエルにおけるよりも有意に高い(P<0.05、スチューデント検定)、(ii)スポット形成細胞(SFC)のネット数(HBsAgを用いて刺激したウエル中のSFCからOvaを用いて刺激したウエル中のSFCの数を差し引いたもの)が5またはそれより高く、そして(iii)HBsAgウエル中のSFCの平均数のOvaウエル中のSFCの平均数に対する比が2.0より高い、場合に記録される。
【0256】
【表2】

【0257】
本実施例は、超音波が、微小突起アレイにより生成された通路を通る被覆された微小突起アレイまたはゲル貯蔵部により皮膚への送達後の細胞内ポリペプチドおよびワクチン取り込みを増強できそしてポリペプチドワクチンへの体液性および細胞性免疫応答の誘導をもたらすことができることを証明する。
【0258】
以上の記述および実施例より、当該技術分野の通常の技術者は、本発明が、なかでも、患者へのワクチン経皮送達のための効果的そして効率的な手段を提供することを容易に確認できる。
【0259】
本発明の精神および範囲から逸脱することなく、通常の技術者は、さまざまな用途および条件に適合させるために本発明にさまざまな変化および変更を行えるであろう。従ってそれらの変化および変更は、別記の請求範囲と等価の全範囲内で適切および正当であり、そして意図されると見なされる。
【0260】
添付の図に例示するように、本発明の好ましい態様の記載およびさらに具体的な描写から、さらなる特徴および利点が明らかになり、そしてその中では同じ参照記号は、一般にすべての図面を通じて同じ部品または要素を指し、ここで
【図面の簡単な説明】
【0261】
【図1】本発明によるワクチンを経皮送達するための超音波装置のための変換器の一つの態様を示した図である。
【図2】微小突起部材の一つの実施例の部分の透視図である。
【図3】本発明による微小突起上に接着された皮膜を有する図2に示した微小突起部材の透視図である。
【図3A】本発明による図3中の3A−3Aの線にそった単一微小突起の断面図である。
【図4】接着性支持体を有す微小突起部材の側断面図である。
【図5】中に配置された微小突起部材を有する保持体の側方断面図である。
【図6】図5に示した保持体の透視図である。
【図7】微小突起システムのゲルパックの一つの態様の分解立体図である。
【図8】図7に示したゲルパックと関連して使用される微小突起構築体の一つの態様の分解立体図である。そして
【図9】微小突起システムの別の態様の透視図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
角質層を刺し通す複数の微小突起を有する微小突起部材
免疫学的に活性な薬剤を含む配合物、および
対象者に超音波エネルギーを適用するように適合された超音波装置
を含んでなる、該対象者に該免疫学的に活性な薬剤を送達するための送達システム。
【請求項2】
該微小突起部材が少なくとも約10個(微小突起)/1cmの微小突起密度を有する、請求項1のシステム。
【請求項3】
該微小突起部材が少なくとも約200〜2000個(微小突起)/cmの範囲内の微小突起密度を有する、請求項2のシステム。
【請求項4】
該微小突起が、約500μm未満の深さまで角質層に刺し通すように適合される、請求項1のシステム。
【請求項5】
該配合物が少なくとも1個の該微小突起の上に配置された皮膜を含んでなる、請求項1のシステム。
【請求項6】
該免疫学的に活性な薬剤がタンパク質に基づくワクチンを含んでなる、請求項1のシステム。
【請求項7】
該対象者への該超音波エネルギーの該適用がタンパク質に基づく該ワクチンの生体内細胞内伝達をもたらし、それにより皮膚に存在する細胞内へのタンパク質に基づく該ワクチンの該送達がクラスII MHC/HLA提示分子に加えてクラスI MHC/HLA提示分子上へのタンパク質に基づく該ワクチンの細胞ローディングに導く、請求項6のシステム。
【請求項8】
細胞性および体液性応答が該対象者内に発生する、請求項7のシステム。
【請求項9】
該免疫学的に活性な薬剤がDNAワクチンを含んでなる、請求項1のシステム。
【請求項10】
該対象者への該超音波エネルギーの該適用が、該DNAワクチンの生体内細胞内送達をもたらし、それにより該DNAワクチンの該伝達がタンパク質の細胞発現およびクラスII MHC/HLA提示分子に加えてクラスI MHC/HLA提示分子上への該タンパク質のローディングに導く、請求項9のシステム。
【請求項11】
細胞性および体液性応答が該対象者中に発生する、請求項10のシステム。
【請求項12】
該対象者内に発生する該免疫応答がもっぱら細胞性応答である、請求項10のシステム。
【請求項13】
該免疫学的に活性な薬剤が、タンパク質、多糖複合体、オリゴ糖、リポタンパク質、サブユニットワクチン、百日咳菌(組換えDPTワクチン−無細胞)、破傷風菌(精製、組換え)、ジフテリア菌(精製、組換え)、サイトメガロウイルス(糖タンパク質サブユニット)、A群連鎖球菌(糖タンパク質サブユニット、破傷風トキソイドを有する複合糖質A群多糖、有毒サブユニットキャリヤに連結したMタンパク質/ペプチド、Mタンパク質、多価型特異性エピトープ、システインプロテアーゼ、C5aペプチダーゼ)、B型肝炎ウイルス(組換えPre S1、Pre S2、S、組換えコアタンパク質)、C型肝炎ウイルス(組換え−発現した表面タンパク質およびエピトープ)、ヒト乳頭腫ウイルス(キャプシドタンパク質、TA−GN組換えタンパク質L2およびE7〔HPV−6より〕、HPV−11からMEDI−501組換えVLP L1、四価組換えBLP L1〔HPV−6より〕、HPV−11、HPV−16、およびHPV−18、LAMP−E7〔HPV−16より〕)、在郷軍人病捍菌(精製した細菌表面タンパク質)、髄膜炎菌(破傷風トキソイドを有する複合糖質)、緑膿菌(合成ペプチド)、風疹ウイルス(合成ペプチド)、肺炎連鎖球菌(髄膜炎菌B OMPへ複合した複合糖質〔1、4、5、6B、9N、14、18C、19V、23F〕、CRM197に複合した複合糖質〔4、6B、9V、14、18C、19F、23F〕、CRM1970に複合した複合糖質〔1、4、5、6B、9V、14、18C、19F、23F〕)、梅毒トレポネーマ(表面リポタンパク質)、水痘状疱疹ウイルス(サブユニット、糖タンパク質)、コレラ菌(複合リポ多糖)、全ウイルス、細菌、弱毒生または死ウイルス、サイトメガロウイルス、B型肝炎ウイルス、C型肝炎ウイルス、ヒト乳頭腫ウイルス、風疹ウイルス、水痘状疱疹ウイルス、弱毒生または死細菌、百日咳菌、破傷風菌、ジフテリア菌、A群連鎖球菌、在郷軍人病捍菌、髄膜炎菌、緑膿菌、肺炎連鎖球菌、梅毒トレポネーマ、コレラ菌、流感ワクチン、ライム病ワクチン、狂犬病ワクチン、麻疹ワクチン、耳下腺炎ワクチン、水痘ワクチン、天然痘ワクチン、肝炎ワクチン、百日咳ワクチン、ジフテリアワクチン、核酸、一本鎖および二本鎖核酸、スーパーコイルプラスミドDNA、線状プラスミドDNA、コスミド、細菌の人工染色体(BAC)、酵母の人工染色体(YAC)、哺乳動物の人工染色体、およびRNA分子からなる群から選択される作用物質を含んでなる、請求項1のシステム。
【請求項14】
該配合物が免疫学的増強性アジュバントを含む、請求項13のシステム。
【請求項15】
該アジュバントがリン酸アルミニウムゲル、水酸化アルミニウム、藻グルカン、b−グルカン、コレラトキシンBサブユニット、CRL1005、x=8およびy=205の平均値を有するABAブロックポリマー、ガンマインスリン、線状(非分枝状)β−D(2−>1)ポリフルクトフラノキシル−a−D−グルコース、ゲルブ アジュバント、N−アセチルグルコサミン−(b 1−4)−N−アセチルムラミル−L−アラニル−D−グルタミン(GMDP)、ジメチルジオクタデシルアンモニウム・クロリド(DDA)、アエンL−プロリン塩錯体(Zn−Pro−8)、イミキモド(1−(2−メチルプロピル)−1H−イミダゾ〔4,5−c〕キノリン−4−アミン、ImmTherTM、N−アセチルグルコアミニル−N−アセチルムラミル−L−Ala−D−イソGlu−L−Ala−グリセロールジパルミタート、MTP−PEリポソーム、C59H108N6O19PNa−3H2O(MTP)、ムラメチド、Nac−Mur−L−Ala−D−Gln−OCH3、プリュラン、b−グルカン、QS−21;S−28463、4−アミノ−a、a−ジメチル−1H−イミダゾ〔4,5−c〕キノリン−1−エタノール、スクラボ ペプチド、VQGEESNDK・HC1(1L−1b 163−171ペプチド)、トレオニル−MDP(TermurtideTM)、N−アセチル ムラミル−L−トレオニル−D−イソグルタミン、インターロイキン18,IL−2 IL−12、IL−15、DNAオリゴヌクレオチド、CpGを含むオリゴヌクレオチド、ガンマ インターフェロン、NF−カッパB調節シグナル伝達タンパク質、熱ショックタンパク質(HSP)、GTP−GDP、ロキソリビン、MPL(R)、ムラパルミチン(Murapalmitine)、およびTheramideTMからなる群から選択される、請求項14のシステム。
【請求項16】
該配合物が界面活性剤を含む、請求項5のシステム。
【請求項17】
該界面活性剤が、ラウロアンフォ酢酸ナトリウム、ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)、塩化セチルピリジニウム(CPC)、塩化ドデシルトリメチルアンモニウム(TMAC)、塩化ベンザルコニウム、ポリソルベート、例えばTween20およびTween80、ソルビタン誘導体、ラウリン酸ソルビタン、アルコキシル化アルコール、およびラウレス−4からなる群から選択される、請求項16のシステム。
【請求項18】
該配合物が両親媒性ポリマーを含む、請求項5のシステム。
【請求項19】
該両親媒性ポリマーがセルロース誘導体、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、ヒドロキシプロピル−メチルセルロース(HPMC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、メチルセルロース(MC)、ヒドロキシエチルメチルセルロース(HEMC)、エチルヒドロキシエチルセルロース(EHEC)、およびプルロニクスからなる群から選択される、請求項18のシステム。
【請求項20】
該配合物が親水性ポリマーを含む、請求項5のシステム。
【請求項21】
該親水性ポリマーが、ポリ(ビニルアルコール)、ポリ(エチレンオキシド)、ポリ(2−ヒドロキシエチルメタクリレート)、ポリ(n−ビニルピロリドン)、ポリエチレングリコールおよびそれらの混合物からなる群から選択される、請求項20のシステム。
【請求項22】
該配合物が生体適合性キャリヤを含む、請求項5のシステム。
【請求項23】
該生体適合性ポリマーが、ヒトアルブミン、生体工学処理されたヒトアルブミン、ポリグルタミン酸、ポリアスパラギン酸、ポリヒスチジン、ペントサンポリ硫酸エステル、ポリアミノ酸、スクロース、トレハロース、メレジトース、ラフィノースおよびスタキオースからなる群から選択される、請求項22のシステム。
【請求項24】
該配合物が血管収縮薬を含む、請求項5のシステム。
【請求項25】
該血管収縮薬が、エピネフリン、ナファゾリン、テトラヒドロゾリン、インダナゾリン、メチゾリン、トラマゾリン、チマゾチン、オキシメタゾリン、キシロメタゾリン、アミデフリン、カファミノール、シクロペンタミン、デオキシエピネフリン、エピネフリン、フェリプレシン、インダナゾリン、メチゾリン、ミドドリン、ナファゾリン、ノルデフリン、オクトドリン、オルニプレシン、オキシメタゾリン、フェニレフリン、フェニルエタノールアミン、フェニルプロパノールアミン、プロピルヘキセドリン、偽エフェドリン、テトラヒドロゾリン、トラマゾリン、ツアミノヘプタン、チマゾリン、バソプレシンおよびキシロメタゾリンからなる群から選択される、請求項24のシステム。
【請求項26】
該配合物が経路開在調節剤を含む、請求項5のシステム。
【請求項27】
該経路開在調節剤が浸透剤、塩化ナトリウム、双性イオン性化合物、アミノ酸、抗炎症薬、ベタメタゾン21−リン酸二ナトリウム塩、トリアムシノロンアセトニド21−リン酸二ナトリウム、ヒドロコルタマート塩酸塩、ヒドロコルチゾン21−リン酸二ナトリウム塩、メチルプレドニゾロン21−リン酸二ナトリウム塩、メチルプレドニゾロン21−コハク酸ナトリウム塩、パラメタゾン・リン酸二ナトリウム、プレドニゾロン21−コハク酸ナトリウム塩、抗凝固剤、クエン酸、クエン酸塩、クエン酸ナトリウム、デキストラン硫酸ナトリウム、およびEDTAからなる群から選択される、請求項26のシステム。
【請求項28】
該配合物が抗酸化剤を含む、請求項5のシステム。
【請求項29】
該抗酸化剤が、クエン酸ナトリウム、クエン酸、エチレン−ジニトリロ−四酢酸(EDTA)、アスコルビン酸、メチオニン、およびアスコルビン酸ナトリウムからなる群から選択される、請求項28のシステム。
【請求項30】
該配合物が低揮発性対イオンをさらに含む、請求項5のシステム。
【請求項31】
該低揮発性対イオンが、マレイン酸、リンゴ酸、マロン酸、酒石酸、アジピン酸、シトラコン酸、フマル酸、グルタル酸、イタコン酸、メグルトール、メサコン酸、コハク酸、シトラマル酸、タルトロン酸、クエン酸、トリカルバリル酸、エチレンジアミン四酢酸、アスパラギン酸、グルタミン酸、炭酸、硫酸、およびリン酸、およびそれらの混合物からなる群から選択される、請求項30のシステム。
【請求項32】
該低揮発性対イオンが、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トロメタミン、メチルグルカミン、グルコサミン、ヒスチジン、リシン、アルギニン、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、アンモニアおよびモルホリン、およびそれらの混合物からなる群から選択される、請求項30のシステム。
【請求項33】
該皮膜が約500センチポアズ未満そして3センチポアズを越える粘度を有する、請求項5のシステム。
【請求項34】
該皮膜が約25μm未満の厚さを有する、請求項5のシステム。
【請求項35】
該配合物がヒドロゲルを含んでなる、請求項1のシステム。
【請求項36】
該ヒドロゲルが巨大分子ポリマー性網目構造を含んでなる、請求項35のシステム。
【請求項37】
該巨大分子ポリマー性網目構造が、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、メチルセルロース(MC)、ヒドロキシエチルメチルセルロース(HEMC)、エチルヒドロキシエチルセルロース(EHEC)、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ポリ(ビニルアルコール)、ポリ(エチレンオキシド)、ポリ(2−ヒドロキシエチルメタクリレート)、ポリ(n−ビニルピロリドン)、およびプルロニクスからなる群から選択される、請求項36のシステム。
【請求項38】
該配合物が界面活性剤を含む、請求項35記載のシステム。
【請求項39】
該界面活性剤がラウロアンフォ酢酸ナトリウム、ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)、塩化セチルピリジウム(CPC)、塩化ドデシルトリメチルアンモニウム(TMAC)、ラウリン酸ベンザルコニウム、ポリソルベート、例えばTween20およびTween80、ラウリン酸ソルビタン、アルコキシル化アルコール、およびラウレス−4からなる群から選択される、請求項38のシステム。
【請求項40】
該配合物が両親媒性ポリマーを含む、請求項35記載のシステム。
【請求項41】
該両親媒性ポリマーが、セルロース誘導体、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、ヒドロキシプロピル−メチルセルロース(HPMC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、メチルセルロース(MC)、ヒドロキシエチルメチルセルロース(HEMC)、エチルヒドロキシエチルセルロース(EHEC)、およびプルロニクスからなる群から選択される、請求項40のシステム。
【請求項42】
該配合物が経路開在調節剤を含む、請求項35のシステム。
【請求項43】
該経路開在調節剤が浸透剤、塩化ナトリウム、双性イオン性化合物、アミノ酸、抗炎症
薬、ベタメタゾン21−リン酸二ナトリウム塩、トリアムシノロンアセトニド21−リン酸二ナトリウム、ヒドロコルタマート塩酸塩、ヒドロコルチゾン21−リン酸二ナトリウム塩、メチルプレドニゾロン21−リン酸二ナトリウム塩、メチルプレドニゾロン21−コハク酸ナトリウム塩、パラメタゾン・リン酸二ナトリウム、プレドニゾロン21−コハク酸ナトリウム塩、抗凝固剤、クエン酸、クエン酸塩、クエン酸ナトリウム、デキストラン硫酸ナトリウム、およびEDTAからなる群から選択される、請求項42のシステム。
【請求項44】
該配合物が血管収縮薬を含む、請求項35のシステム。
【請求項45】
該血管収縮薬が、エピネフリン、ナファゾリン、テトラヒドロゾリン、インダナゾリン、メチゾリン、トラマゾリン、チマゾチン、オキシメタゾリン、キシロメタゾリン、アミデフリン、カファミノール、シクロペンタミン、デオキシエピネフリン、エピネフリン、フェリプレシン、インダナゾリン、メチゾリン、ミドドリン、ナファゾリン、ノルデフリン、オクトドリン、オルニプレシン、オキシメタゾリン、フェニレフリン、フェニルエタノールアミン、フェニルプロパノールアミン、プロピルヘキセドリン、偽エフェドリン、テトラヒドロゾリン、トラマゾリン、ツアミノヘプタン、チマゾリン、バソプレシンおよびキシロメタゾリンからなる群から選択される、請求項44のシステム。
【請求項46】
該超音波装置が微小突起部材に接着される、請求項1のシステム。
【請求項47】
該超音波装置が、該超音波エネルギーの伝達を促進するために整合層をさらに含む、請求項1のシステム。
【請求項48】
該超音波装置が、両面接着層を含む、請求項47のシステム。
【請求項49】
該超音波装置が、少なくとも約20kHzの周波数を有する音波を発生する、請求項1のシステム。
【請求項50】
複数の角質層刺通微小突起を有する微小突起部材、免疫学的に活性な薬剤を含む配合物および超音波装置を含む、微小突起送達システムを提供し、
該微小突起部材を該対象者上の所定の位置に適用し、そして
該免疫学的に活性な薬剤の送達を促進するために該対象者上の該所望位置に該超音波装置からの超音波エネルギーを伝達する
工程を含んでなる、対象者に免疫学的に活性な薬剤を経皮送達する方法。
【請求項51】
該免疫学的に活性な薬剤がタンパク質に基づくワクチンを含んでなる、請求項50の方法。
【請求項52】
該対象者への該超音波エネルギーの該伝達がタンパク質に基づく該ワクチンの生体内細胞内伝達をもたらし、それにより皮膚に存在する細胞内でタンパク質に基づく該ワクチンの該送達が、クラスII MHC/HLA提示分子に加えてクラスI MHC/HLA提示分子上への該タンパク質に基づく該ワクチンの細胞ローディングに導く、請求項51の方法。
【請求項53】
細胞性および体液性応答が該対象者内に発生する、請求項52の方法。
【請求項54】
該免疫学的に活性な薬剤がDNAワクチンを含んでなる、請求項50の方法。
【請求項55】
該対象者への該超音波エネルギーの該伝達が、該DNAワクチンの生体内細胞内送達をもたらし、それにより該DNAワクチンの該伝達がタンパク質の細胞発現およびクラスI
I MHC/HLA提示分子に加えてクラスI MHC/HLA提示分子上への該タンパク質のローディングに導く、請求項54の方法。
【請求項56】
細胞性および体液性応答が該対象者中に発生する、請求項55の方法。
【請求項57】
該対象者内に発生した該免疫応答がもっぱら細胞性応答である、請求項55の方法。
【請求項58】
該超音波装置からの超音波のエネルギーを伝達する該工程が、該微小突起部材を介する該超音波エネルギーの導入を含んでなる、請求項50の方法。
【請求項59】
該超音波装置が該微小突起部材に接着される、請求項58の方法。
【請求項60】
該配合物がゲルパック内に包含されるヒドロゲルを含んでなり、そして該超音波装置が該ゲルパックに接着される、請求項58の方法。
【請求項61】
該超音波装置を用いてエネルギーを伝達する前に該微小突起部材を取外す工程をさらに含んでなる、請求項50の方法。
【請求項62】
該超音波装置を用いてエネルギーを伝達する該工程が、該対象者上への該所望位置への該超音波装置の接着の工程を含む、請求項61の方法。
【請求項63】
該配合物が該微小突起の少なくとも1個に適用される皮膜を含んでなり、そして該超音波装置を用いて該超音波エネルギーを伝達する該工程が、該対象者へ該微小突起部材を適用する該工程の後、約5秒間〜30分間の範囲内で行われる、請求項50の方法。
【請求項64】
該超音波装置を用いて超音波エネルギーを伝達する該工程が、該対象者へ該微小突起部材を適用する該工程の後、約30秒間〜15分間の範囲内で行われる、請求項50の方法。
【請求項65】
該配合物がゲルパック内に包含されたヒドロゲルを含んでなり、そして該超音波装置を用いて超音波エネルギーを伝達する該工程が、該対象者へ該微小突起部材を適用する該工程の後、約5分間〜24時間の範囲内で行われる、請求項50の方法。
【請求項66】
該超音波装置を用いて該超音波エネルギーを伝達する該工程が、該対象者へ該微小突起部材を適用する該工程の後、約10分間〜4時間の範囲内で行われる、請求項65の方法。
【請求項67】
該配合物が該微小突起の少なくとも1個に適用される皮膜およびゲルパック内に包含されるヒドロゲルを含んでなる、請求項50の方法。
【請求項68】
該対象者に該超音波エネルギーを伝達する該工程の前に該対象者から該微小突起部材を取り外す工程をさらに含む、請求項67の方法。
【請求項69】
該超音波装置を用いて該超音波エネルギーを伝達する該工程が、該対象者へ該微小突起部材を適用する該工程の後、約5秒間〜24時間の範囲内で行われる、請求項67の方法。
【請求項70】
該超音波装置を用いて超音波エネルギーを伝達する該工程が、該対象者へ該微小突起部材を適用する該工程の後、約30秒間〜4時間の範囲内で行われる、請求項67の方法。
【請求項71】
超音波エネルギーを伝達する該工程が、約20kHz〜10MHzの範囲内の周波数を有する音波を適用することを含んでなる、請求項50の方法。
【請求項72】
超音波エネルギーを伝達する該工程が、約20kHz〜1MHzの範囲内の周波数を有する音波を適用することを含んでなる、請求項67の方法。
【請求項73】
超音波エネルギーを伝達する該工程が、約0.01W/cm〜100W/cmの範囲内の強度を有する音波を適用することを含んでなる、請求項50の方法。
【請求項74】
超音波エネルギーを伝達する該工程が、約1W/cm〜20W/cmの範囲内の強度を有する音波を適用することを含んでなる、請求項50の方法。
【請求項75】
超音波エネルギーを伝達する該工程が、約5秒間〜1時間の範囲内の期間で超音波エネルギーを適用することを含んでなる、請求項50の方法。
【請求項76】
超音波エネルギーを伝達する該工程が、約30秒間〜10分間の範囲内の期間で超音波エネルギーを適用することを含んでなる、請求項50の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図3A】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2007−518468(P2007−518468A)
【公表日】平成19年7月12日(2007.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−541176(P2006−541176)
【出願日】平成16年10月21日(2004.10.21)
【国際出願番号】PCT/US2004/035015
【国際公開番号】WO2005/051455
【国際公開日】平成17年6月9日(2005.6.9)
【出願人】(503073787)アルザ・コーポレーシヨン (113)
【Fターム(参考)】