車両に対する道路状況のタイプを予測方式で決定する方法
本発明は、車両の道路状況のタイプを予測方式で決定する方法に関し、本方法は、
− 車両の前方に位置する少なくとも1つの可能経路を規定する地点が、ナビゲーションシステムから得られるステップ(11)と、
− 各地点に対して、この地点に関連する道路環境のタイプを記述する少なくとも1つの属性が、ナビゲーションシステムから抽出されるステップ(13)と、
− この地点の属性が、先行地点の属性と比較されるステップ(14)と、
− 属性が一致する場合に、運転状況が先行地点の属性の関数となるように、運転状況が、属性から推測されるステップと、
− 2つの属性が異なる場合に、この経路に対する運転状況の連続を規定するような方法で、運転状況の終了が、属性から推測され、かつ、新しい運転状況への移行が、この地点の属性に応じて決定されるステップと、
を含むことを特徴とする。
本発明は、また、その方法を実現するように構成されるシステムに関する。
− 車両の前方に位置する少なくとも1つの可能経路を規定する地点が、ナビゲーションシステムから得られるステップ(11)と、
− 各地点に対して、この地点に関連する道路環境のタイプを記述する少なくとも1つの属性が、ナビゲーションシステムから抽出されるステップ(13)と、
− この地点の属性が、先行地点の属性と比較されるステップ(14)と、
− 属性が一致する場合に、運転状況が先行地点の属性の関数となるように、運転状況が、属性から推測されるステップと、
− 2つの属性が異なる場合に、この経路に対する運転状況の連続を規定するような方法で、運転状況の終了が、属性から推測され、かつ、新しい運転状況への移行が、この地点の属性に応じて決定されるステップと、
を含むことを特徴とする。
本発明は、また、その方法を実現するように構成されるシステムに関する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両に対する運転状況を予測方式で決定する方法に関する。本発明は、また、運転状況の予測的決定を実行するシステム、および、そのシステムを備えた車両に関する。
【0002】
本発明は、とりわけ自動車産業において、特に、コンピュータ支援運転システム(computer−assisted driving system)の制御に、適用可能である。
【背景技術】
【0003】
電子機器技術と、センサ技術と、電気通信技術との発展に伴って、車両の運転の安全性または運転の快適性を改善するために、多くの解決策が提案されてきた。これらの改善は、しばしば、コンピュータ支援運転システムとして適している。これらのコンピュータ支援運転システムは、一般に、車両の道路状況のタイプに従って、車両の挙動に作用する。
【0004】
公知の手法では、一部のコンピュータ支援運転システムは、たとえば、道路状況のタイプに従って、道路を照らすビームの向きまたは強度を制御することを、目標とする。道路状況のタイプは、車両の状態または環境を反映する。道路状況のタイプは、たとえば、車線内での車両の速度もしくは位置、または、その代わりに、障害物、歩行者、もしくは別の車両に対する当該車両の近さ、に基づいて、決定される。
【0005】
搭載されたセンサに基づくコンピュータ支援運転システムは、比較的短い範囲のセンサのために、車両の前方の十分遠くの情報を処理することができない。たとえば、搭載されたカメラの範囲は、直線で数10メートル以上には届かない。さらに、搭載されたセンサは、カーブの先には届かない。したがって、搭載されたセンサは、前もって、十分遠くの状況を予知することはできない。したがって、実際には、これらのシステムは、限定された応用にしか適さない。
【0006】
別のシステムは、ナビゲーションシステムから得られる地図作成データを、センサから得られるデータと組み合わせることに依存する。この組合せは、これら2つのタイプのデータのインデックスの衝突を可能にする。さらに、この組合せは、センサにとってアクセスすることが困難である領域、および/または、車両の前方に遠く離れた領域、典型的には約10キロメートルの距離に位置する領域、に関する情報を、提供できるようにする。したがって、センサ、とりわけ白線センサにより規定されるような、かつ、道路を表す地図上の地点の座標の関数として計算されるような、道路の曲率の関数として、照明ビームが向けられるようにする、システムが発明されてきた。
【0007】
さらに、一般に、単一のセンサは、状況の十分な知識を得るためには、不十分である。情報の項目を確認するためには、一般に、2つ以上のセンサの冗長性および相補性を利用するために、2つ以上のセンサを使用する必要がある。
【0008】
現在のナビゲーションシステムでは、道路の幾何学的配列が、道路の中心に連結され、かつ、不規則な間隔で配置される、地点により表される。これらの地点の座標の入力が不正確さの原因である。さらに、車両測位のための手段は、10メートル未満または15メートル未満の精度を、まれにしか、提供しない。10メートルから15メートルまでの精度は、地点Aから地点Bに導くためには、十分である。一方、ナビゲーションシステムから得られる位置データにおけるこの精度は、運転補助応用のためには、とりわけ安全性を改善することを目的とする応用のためには、不十分である。
【0009】
位置データとは別に、ナビゲーションシステムの地図を構成する地点は、また、属性により特徴付けられる。属性が関連付けられる地点の道路環境のタイプと、特に、この地点での道路網インフラストラクチャおよび設備とを、属性が記述する。属性は、たとえば、情報の以下の断片、すなわち、交通車線の数、制限速度、交差点、ロータリ、カーブ、直線部分、トンネルなど、のうちの1つを含む。
【0010】
したがって、車両の位置に基づいて、車両の環境を記述する属性を、セグメントと、地図上の地点と、関連付けることにより、エレクトロニックホライズン(electronic horizon)が確立される。このエレクトロニックホライズンは、車両の上流で想定され得る、経路のイメージを表す。エレクトロニックホライズンは、ハードウェアプラットフォーム(処理ユニット、GPSまたはGalileo受信機を含む位置センサ、たとえばジャイロスコープなどを含む)を介して、または、電子プラットフォームおよびソフトウェアモジュールを介して、ナビゲーションシステムから得られる。車両の現在位置に基づいて、地点に関連する属性を利用することにより、エレクトロニックホライズンが、車両の環境を記述する。
【0011】
これらのナビゲーションシステムは、車両の位置に対して、現在の情報しか提供することができない。これらのナビゲーションシステムは、車両の前方の運転状況の、連続した事象ベースのビュー(view)を可能にしないのに対して、車両の連続した前進は、連続性も必要な、コンピュータ補助運転システムの制御を必要とする。したがって、その結果、コンピュータ支援運転システムを制御するためのナビゲーションシステムの利点が、必然的に制限されることになる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明の目的は、前述の制限に対する解決策を提供することである。より具体的には、本発明は、車両の前方の環境の連続した事象ベースの記述を予測方式で提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
この目的のために、本発明は、車両の道路状況のタイプを予測方式で決定する方法であり、この方法は、
− 車両の前方に位置する少なくとも1つの可能経路を規定する地点が、ナビゲーションシステムから得られるステップと、
− 各地点に対して、この該当地点に関連する道路環境のタイプを記述する少なくとも1つの属性が、ナビゲーションシステムから抽出されるステップと、
− 該当地点の属性が、先行地点の属性と比較されるステップと、
− 属性が同一である場合に、運転状況が先行地点の属性の関数となるように、運転状況が、属性から推測されるステップと、
− 2つの属性が異なる場合に、この経路に対する運転状況の連続を規定するために、先行地点に対応する運転状況の終了が、属性から推測され、かつ、新しい運転状況への移行が、該当地点の属性の関数として決定されるステップと、
− 連続する地点のセットが識別され、かつ、共通の道路環境が、このセットの地点に関連付けられるステップと
を含む、車両の道路状況のタイプを予測方式で決定する方法を提供する。
【0014】
したがって、車両がまさに関与しようとする、予想される運転状況の連続が得られ、運転状況のこの連続は、本出願の枠組みでは、「エレクトロニック事象ホライズン」(簡略化のために、以下「ホライズン」という)と呼ばれる、新しいセットを形成する。このホライズンは、たとえば、車両から一定距離までの可能な状況のセットを含むことができることが、用語「ホライズン」を採用する理由である。この距離は、ナビゲーションシステムにより供給されるエレクトロニックホライズンに依存し、たとえば、10キロメートルから12キロメートルまでの範囲とすることができる。現在の状況を直接供給する、従来のナビゲーションシステムとは対照的に、本発明による方法は、事象ベースの連続した状況を提供する。その結果、状況は、コンピュータ支援運転システムが連続して制御できるようにする。
【0015】
実際には、旅行で、いくつかの地点が異なるデータを示すのに対して、道路状況が変化しなかった場合には、現在の情報に基づいて道路状況のタイプを識別する従来の方法は、現実を反映しない。たとえば、町(タウン:town)を横断する高速道路の場合には、実際の道路環境は、常に高速道路である。しかし、ナビゲーションシステムのいくつかの地点は、高速道路を示すが、ナビゲーションシステムの他の地点が、町を示すこともある。これらの指示は、交互になることさえある。このとき、道路環境を識別する従来の方法は、町/高速道路を交互に示すが、このことは、実際の状況に対応しない。たとえば、この従来の方法が照明ビームの制御に適用され、高速道路ビームからタウンビームに至るときには、照明機器は、連続して、かつ、頻繁に、一方のビームから他方のビームに至るが、道路環境は、同じ状態を維持する。ナビゲーションの一部の地点が、両方の環境を同時に示すこと、たとえば、前述の例では、同じ地点に対して、高速道路および町を示すこともあるが、この例では、ストロボ照明を実質的に有する、という危険性がある。
【0016】
対照的に、本発明による方法は、共通の道路環境の推測により、コンピュータ支援運転システムを連続して制御できるようにする。したがって、本発明による方法は、前述の欠点を回避できるようにする。たとえば、車両は、町を横切っているときでさえ、高速道路照明ビームを維持する。
【0017】
このように、好ましくは、本発明による方法は、それ故に、連続地点のセットを識別し、連続地点の少なくとも一部が、異なる道路環境データを示す場合、および/または、いくつかの地点が、同じ地点に対して、いくつかの異なる道路環境を示す場合に、共通の道路環境が、このセットの地点に関連付けられる。
【0018】
本発明による方法は、さらに、随意に、以下の特徴のうちの少なくとも1つを提供することができる。
− 属性は、以下のデータ値(交差点、ロータリ、カーブ、直線部分、ロータリ上の交差点、カーブ上の交差点、直線部分上の交差点、トンネル、橋)のうちの1つである。
− コンピュータ支援運転システムが、予測方式で決定される運転状況に従って、制御される。近づく道路状況が決定可能になることにより、本発明は、車両のホライズンの、事象ベースの連続したビューを提供する。この事象の観念は、別個の意味ではなく、換言すれば、1回限りの意味ではなく、状況の意味または運転状態の意味である。したがって、コンピュータ支援運転システムが、連続して予測方式で制御可能になる、または、コンピュータ支援運転システムのパラメータが、状況に対して適合可能になる。コンピュータ支援運転システムは、たとえば、以下の動作(車両と一体化された、道路を照らすためのシステムの作動、歩行者の存在、車両の存在、または道路標識の存在の検出、車両の速度の調節)のうちの少なくとも1つを実行する。コンピュータ支援運転システムは、また、運転の一方のモードから別のモードへ切り換えるための動作、たとえば、車両の熱推進モードから車両の電気推進モードへ切り換える動作を、実行することができる。コンピュータ支援運転システムにより実行される動作は、運転状況に従ってレーダの開口角度を適合させることにより、実行可能である。
− 各地点に対して、道路環境データ値に関係がある追加属性が、ナビゲーションシステムから抽出され、かつ、運転状況の決定が、道路環境データ値を使って強化される。道路環境データ値は、以下のデータ値(「町」、「町の外」、「高速道路」、「その他」)のうちの1つである。したがって、本発明は、属性データだけでなく、車両の前方に位置する環境の環境も考慮する。それ故に、属性に基づく予測のビューが、環境情報により強化される。その結果、運転状況は、より正確に記述される。たとえば、本発明は、町の中の直線部分または高速道路上の直線部分に対して、異なる情報を供給する。この情報は、たとえば、照明ビームを制御することが必要なときに、特に有用である。
− 道路環境データの交代を示す連続地点のセットが、識別され、かつ、共通の道路環境が、このセットの地点に関連付けられる。したがって、ナビゲーションシステムから得られるデータが、現実に適合しない交代を示す場合には、本方法は、この一貫性のなさを検出し、かつ、共通の環境を、この地点のセットに割り当てる。したがって、生成される事象ベースのビューの連続性が、保たれる。その結果、コンピュータ支援運転システムは、常に連続して制御される。好ましい実施形態によれば、すべての道路環境が、階層として構成され、かつ、この地点のセットの道路状況のうち、階層がより高い道路環境が、共通の道路環境として選択される。たとえば、連続地点のセットが、「町」の環境データと「高速道路」の環境データの交代を示し、かつ、この地点のセットに関連する共通の道路環境が、道路環境「高速道路」である。高速道路が町を貫通する場合には、高い確率で、ナビゲーションシステムが、「町」の環境と「高速道路」の環境の交代を示す地点の連続を示す。したがって、本発明は、この一貫性のなさが取り除かれ、かつ、共通の環境「高速道路」を、これらの地点のすべてに割り当てられるようにする。したがって、運転状況は、環境「高速道路」に明確に関連付けられる。コンピュータ支援運転システムは、照明ビームを制御するためのシステムである場合には、たとえば、高速道路ヘッドライトを維持し、町のヘッドライトには切り換わらない。
− 移行の推測のため、および運転状況の決定のために、属性を比較するステップが、有限状態のプログラマブルコントローラにより実行される。
− 運転状況が決定される地点は、ユーザにより指定される目的地に従ってナビゲーションシステムにより規定される旅程の地点に対応する、または、ユーザにより目的地が指定されない場合には、最も可能性が高い旅程の地点に対応する。最も可能性が高い旅程は、過去の運転履歴、および/または、地図作成データ、たとえば車両が運転している道路のタイプに基づいて、規定される。これが、たとえば、高速道路上にある場合には、高速道路上に残る方が、高速道路から出るより、高い確率がある。
− 運転状況の決定に関連する確信度指標が、計算される。コンピュータ支援運転システムは、確信度指標が閾値より大きい場合に限り、制御される。確信度指標は、以下のパラメータ(衛星測位手段による車両の位置測定、地図のデジタル化の精度、地図の更新日、車両の環境、選択されたガイダンスモードまたは選択されなかったガイダンスモード)の少なくとも1つの関数である。
− 少なくとも1つの搭載されたセンサから得られるデータと、ナビゲーションシステムから得られるデータまたはナビゲーションシステムに送信されるデータとが、マージされる。このマージするステップは、運転状況をより正確な方法で決定するために、センサから得られるデータが、ナビゲーションシステムから得られるデータまたはナビゲーションシステムに送信されるデータを強化するように、適用される。
− さらに、または、代わりに、本発明は、測位手段から得られる情報を利用することができないときであっても、運転状況を決定するために、センサから得られるデータが、ナビゲーションシステムから得られるデータまたはナビゲーションシステムに送信されるデータを捕捉するような方法で、構成される。
【0019】
本発明の枠組みでは、車両に対する運転状況を予測方式で決定するためのシステムも提供される。このシステムは、搭載されたナビゲーション機器と、前述の特徴の1つに従う方法を実現することができる処理手段と、を含む。システムは、前述のステップの少なくとも一部の実現のために、有限状態のプログラマブルコントローラを含む。
【0020】
本発明は、さらに、前述の段落に従うシステムを含む車両に関する。
【0021】
本発明の別の特徴、目的、および利点が、添付図面に関して、非限定的な例によって提示される、以下の詳細な説明によって、明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明による方法の一例の、さまざまなステップを概略的に示す。
【図2】地図作成地点により伝えられる属性の関数として、運転状況の例を提示する対応の表である。
【図3】本発明がベースとなり得る、地図の一例を示す。
【図4】運転状況を決定するために使用される、環境の例示的リストを作成する。
【図5】本発明による方法の別の例の、さまざまなステップを概略的に示す。
【図6】本発明の枠組みでの有限状態のプログラマブルコントローラにより実現される、分析の一例を記述する。
【図7】本発明の別の例示的応用を示す。
【図8】本発明のさらに別の例示的応用のための地図の一例を示す。
【図9】図8の例示的応用の枠組みでの有限状態のプログラマブルコントローラにより実現される、分析を記述する。
【図10】本発明の実現の枠組みで適用され得る、照明方策を要約する表である。
【図11】本発明による確信度指標計算の一例を示す。
【図12】本発明によるシステムの一例を記述する。
【発明を実施するための形態】
【0023】
図1には、本発明による道路状況のタイプの決定のための方法の一例の、さまざまなステップが示されている。
【0024】
車両の前方に位置する少なくとも1つの可能経路を規定する地点が、ナビゲーションシステムから得られる(ステップ11)。
【0025】
本発明は、ナビゲーションシステムの使用を伴う。公知の方法では、ナビゲーションシステムは、とりわけ、位置を測定するための手段と、地図作成データのベースと、を含む。典型的には、測位手段は、車両に搭載されて取り付けられた受信機−送信機を有する、衛星による測位のための機器(GPSまたは将来のGalileo)を組み入れる。
【0026】
各経路は、地点のセットにより表され、そのセットの位置は、地図作成データ内に記録される。
【0027】
さらに、地図作成データは、地点に関連する属性を含む。属性は、属性が関連付けられる地点の道路環境のタイプを記述し、かつ、属性は、たとえば、情報の以下の項目(交通車線の数、制限速度、交差点、ロータリ、カーブ、直線部分、トンネル、橋など)のうちの1つを含む。図2は、本発明の枠組みで使用される属性の一部のリストを図示する。
【0028】
したがって、測位手段と地図からのデータの組合せが、エレクトロニックホライズンを車両の前方で規定できるようにする(ステップ12)。好適には、このエレクトロニックホライズンは、地点の位置により規定される車両の上流の可能経路のセットと、これらの地点に関連する道路環境情報のタイプと、からなる。
【0029】
図3は、エレクトロニックホライズンの一例を示す。この図は、地図上の、車両20の位置と、さまざまな地点と、を表示する。ノードと呼ばれる、これらの地点の一部は、交差点25を表す。道路を表すその他の地点は、形状の地点(point of form)と呼ばれる。これらのさまざまな地点が、セグメント(seg01、seg02など)を制限可能にし、且つ、後続する可能性のある経路のセットを規定できるようにする。これらの経路が、図3に現れている。この図3は、また、さまざまな地点に関連する属性(たとえば、車線の数21、制限速度22、トンネル入口23、トンネル出口24、橋の始点26、橋の終点27、道路の曲率半径28)を表示する。
【0030】
本発明に特徴的な方法では、エレクトロニックホライズンに関連する属性が抽出される(ステップ13)。
【0031】
ホライズンの所与の地点に関して、この所与の地点の属性が分析され、所定のセット、たとえば図2に指定されるセットに属する属性が、保持される。この属性は、先行地点の属性と比較される(ステップ14)。
【0032】
該当地点に対する先行地点が、該当地点に隣接する地点を示し、その隣接する地点は、該当地点と同一経路上に位置し、かつ、車両と該当地点との間に配置される。所与の地点に対する次の地点が、車両の移動方向の所与の地点に続く地点を示す。
【0033】
該当地点の属性と先行地点の属性とが一致する場合には、このことから、先行地点の属性に対応する運転状況が、推測される(ステップ15)。したがって、2つの地点間の連続する運転状況が、特徴付けられる。このとき、継続する属性が同一である限り、同一の運転状況が、維持される。したがって、本発明は、車両の環境の事象ベースの連続した記述を提供する。このとき、この運転状況に基づいて、連続制御を、たとえば、コンピュータ支援運転システムに提供することができる(ステップ16)。エレクトロニックホライズンで運転状況を前もって決定することにより、対応する制御コマンドを、保存し、かつ、本発明の方法により決定される運転状況に適用することができる。
【0034】
属性と運転状況との間の対応付けは、たとえば、図2に提示されるタイプの対応の表を用いて、実行される。表の一例が、図2に提供される。たとえば、2つの継続する属性が属性「トンネル」に関連付けられる場合には、本方法は、このことから、これら2つの地点の間の運転状況「トンネルでの運転」を推測する。
【0035】
該当地点の属性と先行地点の属性とが一致しない場合には、それに応じて、先行地点に基づく運転状況の終了が、推測される。このことから、運転の移行および新しい運転状況の開始も、推測される。この移行の性質と、新しい運転状況の性質とが、該当地点により規定される。
【0036】
該当地点の属性に従う運転状況の決定は、また、対応の表に基づくことができる。たとえば、先行地点が属性「直線部分」に関連付けられ、かつ、該当地点が属性「ロータリ」に関連付けられる場合には、本方法は、このことから、「直線部分での運転」に対する状況の終了を推測し、来るべき状況への移行を決定する。この対応付けの表によれば、この移行は、「ロータリへの移行」のタイプである。
【0037】
これらのステップは、継続する地点のセットに対して繰り返される。属性が一致する限り、本方法は、それに応じて、連続する運転状況を推測する。したがって、運転状況の連続が得られ、その運転状況の連続の開始および終了は、対応する運転状況により、境界を定められる。
【0038】
したがって、本発明は、車両の前方のすべての運転状況を識別するエレクトロニック事象ホライズンを、予想により生成できるようにする。このホライズンは、現在の情報を提供することに限定されるものではなく、事象の連続を予測するものであり、これらの事象は、運転状況に対応するものである。したがって、本発明により生成されるエレクトロニックホライズンは、事象ホライズンとして適している。
【0039】
事象ホライズンは、1つの車両の位置に対して生成される。典型的には、事象ホライズンの範囲は、10kmのオーダである。車両が前方に動くときには、このホライズンは、このホライズンの予測性質を保つために車両の前方に十分遠くの、地図作成データを考慮することにより、更新される。したがって、本発明によるシステムは、漸進的事象ホライズン生成器または漸進的事象ホライズンセンサとして、適している。
【0040】
その結果、本発明により生成される漸進的事象ホライズンは、運転手により行われる分析に極めて近い環境の分析を提供する。
【0041】
好適には、環境の分析と制御コマンドの生成とが、切り離される。このことは、とりわけ、分析プログラムの複雑性を低減可能にし、かつ、プログラムをよりアップグレードできるようにする。
【0042】
図3の例を再考すると、漸進的事象ホライズンが、交差点25の後の可能な運転状況の中から、以下の運転状況(直線での運転(seg12)、次に、トンネル内での運転(地点23と地点24との間)、次に、直線部分での運転への移行、次に、直線部分での運転など)を予想する。
【0043】
好ましい方法では、本発明によるシステムは、第一に、事前に規定された第1の属性のセットに属する属性に基づいて、運転状況を決定する。典型的には、このセットは、図2の網羅的でない表に列挙される属性(交差点、ロータリ、トンネル、橋、直線部分、カーブ)を包含する。これらの属性は、第1のレベルの情報に対応する。これらの属性は、車両の直接的な道路環境に関する情報を提供し、かつ、道路自体を特徴付ける。
【0044】
好適には、本発明によるシステムは、地点のそれぞれに対する追加属性を抽出する。この追加属性は、事前に規定された第2の属性のセットに属する。この追加属性は、第2のレベルの情報を提供するものであり、その第2の情報レベルは、第1のレベルより高い、換言すれば、第1のレベルより一般的である。この追加属性は、具体的には、車両の道路環境を特徴付ける。この追加属性は、環境データとして示される。典型的には、このセットは、図4に列挙される環境データ(町、高速道路、町の外、その他)を包含する。用語「その他」は、ナビゲーションシステムが環境に対して情報を有しない場合を表す。したがって、このセットは、低下した制御モードに切り替えるために、たとえば、ハンドルの角度の関数としての制御コマンドに切り換えるために、運転上の安全性を考慮できるようにする。一般的に言って、システムが環境の情報または属性の情報を所有しないときには、新しい属性および/または新しい環境が得られるまで、システムは、進行中の運転状況を終了させ、かつ、もはやどんな運転状況も生成しない。
【0045】
本発明によるシステムは、予想される運転状況の記述を改善するために、この環境データを抽出し、かつ、この環境データを分析する。
【0046】
図5は、追加属性を考慮して、道路状況のタイプを決定するための方法のさまざまなステップを示す。その方法は、運転状況を予測するために、環境を分析し、かつ、環境を考慮するための、追加のステップ17を含む。
【0047】
図3の例を再び取り上げると、車両が、「町」モードで有効に移動している場合には、システムは、町の環境と共に、前述の属性を抽出する。次に、システムは、交差点の後の続く運転状況(「町の中の直線部分での運転」(seg12)、次に、「町の中のトンネルでの運転」状況(地点23と地点24との間)の開始に印をつけて、「町の中のトンネルでの運転」への移行、次に、「町の中の直線部分での運転」状況の開始に印をつけて、「町の中の直線部分での運転」への移行)などを決定する。
【0048】
好適には、この環境データの使用は、予測される運転状況に関する情報のレベルを、高められるようにする。このとき、運転状況に基づいて、かつ、コンピュータ支援運転システムを制御するために使用される、制御規則を、より高い精度で規定することができる。
【0049】
好ましくは、これまで述べられたさまざまなステップは、有限状態のプログラマブルコントローラの使用を伴う。システムは、運転状況の識別と、属性に従った移行と、のために必要とされるデータを記憶するための手段を、さらに含む。好適には、システムは、コンピュータ支援運転システムに作用する制御コマンドを生成するための手段を含む。
【0050】
図6は、有限状態のプログラマブルコントローラを構成する分析構造の一例を記述する。
【0051】
初期状態「0」から始まり、エレクトロニックホライズンをスキャンすることが、プログラマブルコントローラの状態により決定される運転状況に対応する、移行を識別できるようにする。その後、新しい属性が、エレクトロニックホライズンで検出されない限り、プログラマブルコントローラは、対応する状態にとどまる。属性の変更(「その他」)の検出に続き、運転状態の終了が、示される(「最終状態」)。新しい運転状況に対応する新しい移行が、この属性に応じて生成される。交差点を除き、考えられる状況のすべてが、どんな回数(1回または複数回)の移行が実行されたとしても、この方法で処理される。
【0052】
交差点が、該当地点で識別されたときには、交差点は、地図データベースにおいて、この状況の開始およびこの状況の終了の両方を表す、単一の地点としてだけ出現するので、この状況の検出の後に、プログラマブルコントローラは、即座に、該当地点で最終状態に到達する。
【0053】
最後に、漸進的事象ホライズンセンサは、運転状況および関連するコンテクストのすべての切迫した状況に従って、運転状況および関連するコンテクストのすべてを記述するツリーの形で、車両に対する到達可能経路を規定する。地図により供給されるエレクトロニックホライズンの地点からの運転状況の生成の一例が、図7に概略的に示される。n個の地点のセット(地点1から地点n)が、N個の運転状況(状況1から状況N、ただし、n>N)を、決定できるようにする。これらのn個の地点は、第1のレベルの属性(ロータリ、カーブ、交差点)と、第2のレベルの道路環境または属性(町、および町の外)と、に関連付けられる。運転状況は、第1のレベルの属性、および道路環境(地点1から地点4に対する「町の中のロータリでの運転」、地点5から地点7に対する「町の中のカーブでの運転」、地点nに対する「町の外の交差点」)のセットに基づいて、生成される。
【0054】
本発明は、運転手が自分の目的地をナビゲーションシステムに指定したか否かにかかわらず、実現することができる。
【0055】
この目的地が指定された場合には、運転状況が決定される地点は、この目的地の関数として、ナビゲーションシステムにより規定される、旅程の地点に対応する。
【0056】
反対の場合には、運転状況が決定される地点は、最もありそうな旅程の地点に対応する。多くの公知の方法が、この最もありそうな旅程を、決定できるようにする。一般的に言って、これらの方法は、ナビゲーションの過去の履歴からのデータおよび/または地図データを、たとえば、車両が運転している道路のタイプを、考慮する。車両が、たとえば、高速道路上を運転している場合には、車が高速道路上にとどまる確率が、高速道路を離れる確率より高いことがある。
【0057】
好ましくは、ガイダンスモードが動作中であるか否かにかかわらず、エレクトロニックホライズンの地点のすべてが、すべての可能経路を含むホライズンを規定するために、分析される。したがって、すべての運転状況が予想される。
【0058】
ここで、本発明の1つの例示的応用が、図8および図9を参照して詳述される。
【0059】
システムは、車両が従う最も高い確率を有する、経路を決定する。この経路は、より太い線の両側の2つの細い線により、表される。本発明によるシステムは、形状のさまざまな地点(72〜74、76、79)と、ノード(75、77、80)と、を抽出し、これらのノードは、地図上の交差点を表す。システムは、これらの地点の属性を分析する。車両71の前方に位置する第1の地点72の属性の分析により、システムは、3メートル(属性「L」)の所での、直線部分の開始を識別する(ステップ91)。地点74の分析は、また、直線部分の属性(属性「L」)を伝えるので、このことが、地点72および地点74により境界を定められる、セグメント73上での運転状況「直線部分での運転」を、決定できるようにする。したがって、プログラマブルコントローラは、この部分の状態を変更しない(ステップ92)。ノード75は、ロータリ上の交差点(属性「I、R」)に対する属性に関連付けられる。このノード75は、プログラマブルコントローラの状態の変化と、運転状況「直線部分での運転」の終了と、をトリガする(ステップ93)。システムは、このことから、この運転状況が20メートルの所で終了する、と推測する。
【0060】
この同じノード75は、ロータリ上の交差点への移行に対する状況の印をつける(ステップ94)。この同じノード75は、また、20メートルの所で始まる「ロータリでの運転」に対応する新しい運転状況の開始の印をつける。次の5つの地点は、ロータリ属性(「R」)に関連付けられる。したがって、プログラマブルコントローラは、ロータリ上の交差点に対する属性(属性「I、R」)を伝えるノード77まで、状態を変更しない(ステップ96)。プログラマブルコントローラは、状態を再度変更し、65メートルの所での運転状況「ロータリでの運転」の終了を検出し(ステップ97)、ロータリ上の交差点への移行を決定する(ステップ98)。
【0061】
したがって、本発明は、特に現実に近い運転状況を、ロータリと同じくらい複雑な環境であっても、生成できるようにする。記述される事象ホライズンは、また、完全に連続している。本発明によれば、このとき、完全に首尾一貫し、かつ、連続した、制御規則が、これらの運転状況から推測され得る。
【0062】
これらの地点のそれぞれに関連する環境が、環境「町」であるという仮説を取り上げ、以下により詳細に記述される、照明ビームに対する制御方策を要約する、図10の表に基づくと、結果として、直線部分のセグメントが標準の照明を有し、ロータリ部分のセグメントは、TL_NAVにより示される機能により広げられるビームを有する。この機能は、以下で明らかにされるが、ビーム拡大に対応する。
【0063】
ナビゲーションシステムにより供給される現在の情報に基づく制御規則が、連続する制御ではなく、単一地点制御をもたらす。そのような規則は、たとえば、具体的には町の外側のロータリで夜に、オンの動作およびオフの動作の、一貫性のない連続をもたらす。
【0064】
好ましくは、本発明は、連続する地点のセットが、道路環境データの首尾一貫しない交代を示すか否かを識別するように、構成される。この交代は、2つ以上の異なる道路環境に適用されてもよく、必ずしも、一対一対応でなくてもよい。本発明は、交代頻度が、現実に適合するか否かを識別するように、設計される。
【0065】
たとえば、高速道路が町を通過するときに、地図上の一部の地点、または全地点でさえも、それぞれ、環境「町」および環境「高速道路」を同時に所有することが、しばしばある。このことは、環境データが、制御のためにそのように使用される場合には、換言すれば、本発明により提供されるようなホライズンの事象ベースの分析なしに、「町」と「高速道路」の間を交代する制御コマンドを生成することができる。たとえば、照明ビーム制御に適用されると、そのような制御コマンドは、ヘッドランプへの電力の急速なオン/オフの交代を、すなわち、運転の安全性および快適性の点から受け入れることができない動作を、生み出す。
【0066】
本発明は、また、共通の道路環境をこの地点のセットに関連付けるように、設計される。したがって、生成される漸進的事象ホライズンの連続性が、保たれる。その結果、このホライズンに基づく制御も、連続して制御される。
【0067】
これらの地点のすべてに対して選択されるべき、共通の道路環境を決定するために、すべての道路環境が、階層の形で構成され、かつ、階層内で最も高い道路環境が、共通の道路環境として選択される。
【0068】
町を貫通する高速道路の、以前の事例を取り上げると、より高い階層レベルが、環境「町」より、環境「高速道路」に割り当てられる。したがって、この場合に選択される共通の道路環境は、道路環境「高速道路」である。したがって、生成される運転状況は、この地点のセットに対して、環境「高速道路」を考慮する。したがって、本発明により予想される運転状況は、ナビゲーションデータにより導入される一貫性のなさにもかかわらず、実際には、真に対応する。したがって、運転状況に基づく制御規則は、完全に適合される。したがって、この制御規則が、照明に関係がある場合には、結果として、高速道路照明モードが、高速道路の全部分にわたり、オンを維持する。
【0069】
図10を参照すると、ここで、車両からの照明ビームに対する制御方策が、提示される。より具体的には、本発明の主題である、漸進的事象ホライズンセンサは、頭字語AFSにより一般に示される配光可変型前照灯システムから適用されるべきコマンドを、受け取る。
【0070】
公知の方法では、AFSシステムは、以下の従来の機能を提供する。
− 擬似−TL(Town Lighting、町の照明)機能
この機能の目的は、都会の運転に対して、照明ビームを(左および右に)広げることである。この機器は、車両の速度だけに応じて、活性化される。典型的には、この機器は、速度が閾値、たとえば、50km/h以下に落ちた場合に、活性化される。したがって、AFS機能に対する制御規則は、速度センサだけに依存する。
− 擬似−ML(高速道路照明)機能
この機能は、ヘッドランプを高速道路モードに引き上げることにある。この機能は、車両の速度だけに応じて、典型的には、速度が閾値、たとえば、80km/hを超える場合に、活性化される。したがって、AFS機能の制御規則は、速度センサだけに依存する。
− FBL(Fixed Bending Light、固定屈曲照明)
この機能は、ハンドルの回転に応じて、左側の内側の縁または右側の内側の縁の漸進的照明を提供する。したがって、AFS機能に対する制御規則は、角度位置センサだけに依存する。
− DBL(Dynamic Bending Light、動的屈曲照明)
この機能は、ハンドルの回転の関数として、照明光学系の漸進的回転を提供する。したがって、AFS機能に対する制御規則は、角度位置センサにだけ依存する。
【0071】
これらの機能の何れも、車両の環境を考慮する制御規則により制御されることはない。
【0072】
代替形態として、一部のAFSシステムが、ハンドルの角度データ値の関数として(FBL、DBL)ではなく、ナビゲーションシステムの地図により供給される地点の位置の関数として、これらの機能の制御が実行されるように、設計される。これらの地点は、道路プロファイルを規定できるようにし、かつ、道路の曲率を計算できるようにする。制御規則は、内側の縁(左側、右側)の漸進的照明、または、照明光学系の漸進的回転を、トリガするために、道路の曲率に基づいている。
【0073】
本発明は、新しい制御規則を提供する。これらの新しい制御規則は、配光可変型前照灯システム(adaptive front lighting system、AFS)の機能の制御を、改善できるようにする。この目的のために、その思想は、制御規則を、これまで示された方法で決定されるような運転状況に基づかせる、というものである。
【0074】
図10の表は、制御方策を提示するものであり、その制御方策は、一方では、第1のレベルの属性(交差点、ロータリ、直線部分、カーブ、中央分離帯のある有料高速道路、またはその他)により、他方では、道路環境(高速道路、町、町の外)により、規定される運転状況の関数としてのAFSタイプのさまざまな照明機能に対して、特に利点がある。この表は、以下の機能を提示する。
−TL_NAV
この機能は、都会の運転のために、光ビームを、左または右に広げることにある。この機能は、本発明の方法の主題により検出されるような運転状況に基づく制御規則により、制御される。図10の表で規定される方策によれば、環境「町の中での運転」を伝える運転状況が決定された場合には、ビーム拡大機能が、トリガされ得る。検出された環境が、「町の外での運転」であり、かつ、第1のレベルの属性に基づき決定された運転状況が、「カーブでの運転」、または、「中央分離帯のある有料高速道路での運転」、または、「両面交通の有料高速道路での運転」である場合には、制御規則は、ビームの拡大を防止する。ロータリに到着する前に、運転状況「町の外のロータリでの運転」が、決定される。車両がロータリに到着すると、制御規則は、再度、ビームの拡大を許可する。
−ML_NAV
この機能は、運転状況「高速道路での運転」、または、「中央分離帯のある有料高速道路上の町の外での運転」、または、「両面交通の有料高速道路上の町の外での運転」が検出されたときに、高速道路に適合された照明を適用することにある。
−FBL_NAV
この機能は、運転状況と、本発明の方法に従って決定される環境であって、図10の表で識別される環境と、に応じて、カーブ上の内側の縁(左側、右側)の漸進的照明を提供する。
−DBL_NAV
この機能は、運転状況と、本発明の方法に従って決定される環境であって、図10の表で識別される環境と、に応じて、カーブでの照明光学系の漸進的回転を提供する。
【0075】
本発明は、機能FBL_NAVおよび機能DBL_NAVに適用されるときに、特に利点があることを証明する。実際には、従来のFBL機能または従来のDBL機能では、漸進的照明または光学系の漸進的回転は、ハンドルの回転により、トリガされる。したがって、照明機能は、車両がすでにカーブに入ったときに、トリガされる。したがって、既存の解決策は、カーブの中に入るときの照明を、改善することができない。逆に、本発明による漸進的事象ホライズンセンサは、カーブに入ることを、前もって十分に予想できるようにする。したがって、漸進的照明または光学系の漸進的回転は、車両がカーブに入るとすぐに、可視性を改善するために、カーブより十分前に、トリガされる。
【0076】
カーブの出口でも、同じことが当てはまる。本発明は、漸進的ホライズンセンサを用いて、カーブからの出口を予想し、その結果、ハンドルの角度が、カーブからの出口を予測できるようになる十分に前に、制御コマンドを生成する。
【0077】
さらに、これらの機能のそれぞれに対する制御規則は、また、運転状況に基づくことに加えて、センサから得られるデータ(たとえば、速度、もしくは、ハンドルの角度)、または、地図上の位置の位置データに、基づいてもよい。データのこの組合せは、図12を参照して詳細に説明される。
【0078】
したがって、これらの機能は、従来のAFS機能と、ナビゲーションにより補助されるAFS機能と、を結合する。その結果、本発明は、制御規則を改善し、かつ、AFS照明機能を最適化できるようにする。
【0079】
これらのAFS照明機能をさらに改善するために、制御規則は、以下の具体的な特徴を考慮する。
− FBL機能は、高速道路上、町の外、地方の道路上、全国的高速道路、および有料高速道路上で、DBL機能と、常に結合される。したがって、車両は、ロービームヘッドライトを選択し、かつ、FBLおよびDBLの機能を活性化する。
− TL機能は、FBL機能に優先する。したがって、場合により、照明は、ロービーム+TL+DBLになったり、ロービーム+FBL+DBLにならなかったりする。これは、交差点およびロータリに対して、町の中または町の外についていえることである。機能の一部の活性化は、有効な規制に適合しなければならない。
− 以下の状況の少なくとも1つは、機能TLを活性化するために、検証されなければならない。
− 車両は、既成市街地にあり、かつ、車両の速度は、80km/h未満である、
− 車両は、公共の照明を装備して、道路上にあり、かつ、車両の速度は、80km/h未満である、
− 車両の速度は50km/時未満である。
− ML機能を活性化するためには、車両の速度は、70km/hより速くなければならず、かつ、以下の状況が検証されなければならない。
− 車両は、高速道路上にある、および/または、車両の速度は、110km/hより速い。
− 高速道路が検出されたときに、活性化の前に、2分の待ち時間が必要とされる。
【0080】
好ましくは、本発明は、予想により決定される運転状況に関係がある、確信度指標を規定する。この確信度指標は、制御規則がコンピュータ支援運転システムに適用される範囲に、影響を及ぼす。典型的には、この指標が、事前に規定された閾値未満である場合には、運転状況に基づく制御規則は、コンピュータ支援運転システムに適用されず、この場合には、別の予想される以外のセンサに基づく制御コマンドが、適用される。たとえば、AFS照明の場合には、車両は、ハンドルの角度または速度に基づいて、AFS制御に切り換わる。
【0081】
好ましくは、確信度指標は、以下の網羅的でないリストからの基準の1つまたは複数に基づいて、計算される。
− 道路に関する情報のレベル: この基準は、具体的には、地図の精度を反映する。
− 道路の機能クラス: この基準は、道路のクラスに関連する属性の精度を考慮する。
− 道路環境のタイプ: 町、高速道路出口、交差点など。
− 衛星測位手段(GPS、または将来のGalileo)による車両の位置決めの精度、
− 選択された、または、選択されない、ガイダンスモード(旅程のユーザによる指示)、
− 地図の更新日。
【0082】
好適には、確信度指標は、これらの基準のそれぞれを考慮することにより、計算される。確信度指標の計算では、これらの基準のそれぞれが、重み付けされてもよい。これらの重みは、重みが割り当てられる基準の信頼度の関数として、決定される。これらの重みは、経験により、または、学習により、規定されてもよい。
【0083】
図11は、運転状況の決定のためのシステムの確信度指標の計算の一例を示す。
【0084】
1つの特定の実施形態では、本発明は、搭載されたセンサから得られるデータを使用するために、構成される。図12は、そのようなシステムの一例を概略的に示す。
【0085】
本発明は、衛星測位手段121から得られるデータを受け取る、ナビゲーションシステム123を含む。これらの手段は、すでに説明されている。本発明は、また、ナビゲーションシステムに地図作成データ供給する、データベース122を含む。
【0086】
ナビゲーションシステムから得られるデータ125は、漸進的事象ホライズンセンサ124に送信される。漸進的事象ホライズンセンサ124は、有限状態のプログラマブルコントローラを含む。漸進的事象ホライズンセンサ124は、運転状況126を決定する。これらの運転状況は、たとえば、コンピュータ支援運転システムに送信されるように、設計される。ナビゲーションシステム123は、また、衛星位置決めシステムに特有の測位の精度に対応する確信度指標127を、漸進的事象ホライズンセンサ124に供給する。漸進的事象ホライズンセンサ124は、たとえば、確信度指標の中に別の基準を一体化して、図11に図示される方法に従って確信度指標を計算し、そして、確定した確信度指標128を、運転状況126と共に送信する。
【0087】
本発明は、また、ハンドルの角度または車輪の角度に関する情報を提供する、少なくとも1つの搭載されたセンサ129、たとえば、速度センサまたはジャイロスコープセンサを含む。
【0088】
搭載されたセンサ129からのデータ130は、ナビゲーションシステム123に送信され得る。このデータ130は、具体的には、ナビゲーションシステムが、低下したモードで動作するときに、測位手段から、または、地図から得られるデータを補足することができる、または、そのデータとマージすることができる。たとえば、測位手段からの信号がなくなる場合には、ハンドルに対する角度データおよび/または速度データは、システムを、少なくとも一時的に、地図上で車両の位置を決め続けられるようにすることができる。
【0089】
さらに、搭載されたセンサ129からのデータ131は、漸進的事象ホライズンセンサ124に送信されてもよい。このとき、このデータ131は、運転状況の決定を改善するために、ナビゲーションシステムから得られるデータと組み合わせられる。たとえば、速度センサからのデータは、測位手段から得られるデータであって、車両の速度または位置に関係があるデータを、改善できるようにする。光学系を回転して駆動することにある、動的屈曲照明タイプの配光可変型前照灯機能については、制御規則により考慮される速度データが、車両がカーブに入るまたはカーブの中にいるとき、車両の実際の速度にできるだけ近いことが、実際には重要である。しかし、測位手段だけに基づいて、速度に関する正確な情報を得ることは、容易ではない。
【0090】
したがって、搭載されたセンサから得られるデータと、ナビゲーションシステムから得られるデータ、または、そこに送信されるデータと、をマージすることが、運転状況を、より正確な方法で、かつ、低下した動作モードで、決定できるようにする。
【0091】
実際には、コンピュータ支援運転システムは、漸進的事象ホライズンセンサの確信度指標が、事前に規定された閾値以下であるときに、低下したモードで動作するので、搭載されたセンサを使用して低下したモード制御に切り換わる(たとえば、ハンドルの角度に基づくDBL、または、速度に基づくML)。
【0092】
好適には、本発明は、異なるタイプの複数の搭載されたセンサからのデータを、使用する。
【0093】
ナビゲーションシステムから得られるデータと搭載されたセンサから得られるデータのこのマージは、たとえば、図10を参照して説明されるAFS照明方策に対して、実施される。
【0094】
本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に従う任意の実施形態を包含する。
【0095】
とりわけ、地点のそれぞれについて、第一に、属性(第1のレベルの属性)を分析し、次に、環境を分析することに、利点があるが、逆の分析を実行してもよい。エレクトロニックホライズン上の地点の環境だけを分析することも、想定され得る。
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両に対する運転状況を予測方式で決定する方法に関する。本発明は、また、運転状況の予測的決定を実行するシステム、および、そのシステムを備えた車両に関する。
【0002】
本発明は、とりわけ自動車産業において、特に、コンピュータ支援運転システム(computer−assisted driving system)の制御に、適用可能である。
【背景技術】
【0003】
電子機器技術と、センサ技術と、電気通信技術との発展に伴って、車両の運転の安全性または運転の快適性を改善するために、多くの解決策が提案されてきた。これらの改善は、しばしば、コンピュータ支援運転システムとして適している。これらのコンピュータ支援運転システムは、一般に、車両の道路状況のタイプに従って、車両の挙動に作用する。
【0004】
公知の手法では、一部のコンピュータ支援運転システムは、たとえば、道路状況のタイプに従って、道路を照らすビームの向きまたは強度を制御することを、目標とする。道路状況のタイプは、車両の状態または環境を反映する。道路状況のタイプは、たとえば、車線内での車両の速度もしくは位置、または、その代わりに、障害物、歩行者、もしくは別の車両に対する当該車両の近さ、に基づいて、決定される。
【0005】
搭載されたセンサに基づくコンピュータ支援運転システムは、比較的短い範囲のセンサのために、車両の前方の十分遠くの情報を処理することができない。たとえば、搭載されたカメラの範囲は、直線で数10メートル以上には届かない。さらに、搭載されたセンサは、カーブの先には届かない。したがって、搭載されたセンサは、前もって、十分遠くの状況を予知することはできない。したがって、実際には、これらのシステムは、限定された応用にしか適さない。
【0006】
別のシステムは、ナビゲーションシステムから得られる地図作成データを、センサから得られるデータと組み合わせることに依存する。この組合せは、これら2つのタイプのデータのインデックスの衝突を可能にする。さらに、この組合せは、センサにとってアクセスすることが困難である領域、および/または、車両の前方に遠く離れた領域、典型的には約10キロメートルの距離に位置する領域、に関する情報を、提供できるようにする。したがって、センサ、とりわけ白線センサにより規定されるような、かつ、道路を表す地図上の地点の座標の関数として計算されるような、道路の曲率の関数として、照明ビームが向けられるようにする、システムが発明されてきた。
【0007】
さらに、一般に、単一のセンサは、状況の十分な知識を得るためには、不十分である。情報の項目を確認するためには、一般に、2つ以上のセンサの冗長性および相補性を利用するために、2つ以上のセンサを使用する必要がある。
【0008】
現在のナビゲーションシステムでは、道路の幾何学的配列が、道路の中心に連結され、かつ、不規則な間隔で配置される、地点により表される。これらの地点の座標の入力が不正確さの原因である。さらに、車両測位のための手段は、10メートル未満または15メートル未満の精度を、まれにしか、提供しない。10メートルから15メートルまでの精度は、地点Aから地点Bに導くためには、十分である。一方、ナビゲーションシステムから得られる位置データにおけるこの精度は、運転補助応用のためには、とりわけ安全性を改善することを目的とする応用のためには、不十分である。
【0009】
位置データとは別に、ナビゲーションシステムの地図を構成する地点は、また、属性により特徴付けられる。属性が関連付けられる地点の道路環境のタイプと、特に、この地点での道路網インフラストラクチャおよび設備とを、属性が記述する。属性は、たとえば、情報の以下の断片、すなわち、交通車線の数、制限速度、交差点、ロータリ、カーブ、直線部分、トンネルなど、のうちの1つを含む。
【0010】
したがって、車両の位置に基づいて、車両の環境を記述する属性を、セグメントと、地図上の地点と、関連付けることにより、エレクトロニックホライズン(electronic horizon)が確立される。このエレクトロニックホライズンは、車両の上流で想定され得る、経路のイメージを表す。エレクトロニックホライズンは、ハードウェアプラットフォーム(処理ユニット、GPSまたはGalileo受信機を含む位置センサ、たとえばジャイロスコープなどを含む)を介して、または、電子プラットフォームおよびソフトウェアモジュールを介して、ナビゲーションシステムから得られる。車両の現在位置に基づいて、地点に関連する属性を利用することにより、エレクトロニックホライズンが、車両の環境を記述する。
【0011】
これらのナビゲーションシステムは、車両の位置に対して、現在の情報しか提供することができない。これらのナビゲーションシステムは、車両の前方の運転状況の、連続した事象ベースのビュー(view)を可能にしないのに対して、車両の連続した前進は、連続性も必要な、コンピュータ補助運転システムの制御を必要とする。したがって、その結果、コンピュータ支援運転システムを制御するためのナビゲーションシステムの利点が、必然的に制限されることになる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明の目的は、前述の制限に対する解決策を提供することである。より具体的には、本発明は、車両の前方の環境の連続した事象ベースの記述を予測方式で提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
この目的のために、本発明は、車両の道路状況のタイプを予測方式で決定する方法であり、この方法は、
− 車両の前方に位置する少なくとも1つの可能経路を規定する地点が、ナビゲーションシステムから得られるステップと、
− 各地点に対して、この該当地点に関連する道路環境のタイプを記述する少なくとも1つの属性が、ナビゲーションシステムから抽出されるステップと、
− 該当地点の属性が、先行地点の属性と比較されるステップと、
− 属性が同一である場合に、運転状況が先行地点の属性の関数となるように、運転状況が、属性から推測されるステップと、
− 2つの属性が異なる場合に、この経路に対する運転状況の連続を規定するために、先行地点に対応する運転状況の終了が、属性から推測され、かつ、新しい運転状況への移行が、該当地点の属性の関数として決定されるステップと、
− 連続する地点のセットが識別され、かつ、共通の道路環境が、このセットの地点に関連付けられるステップと
を含む、車両の道路状況のタイプを予測方式で決定する方法を提供する。
【0014】
したがって、車両がまさに関与しようとする、予想される運転状況の連続が得られ、運転状況のこの連続は、本出願の枠組みでは、「エレクトロニック事象ホライズン」(簡略化のために、以下「ホライズン」という)と呼ばれる、新しいセットを形成する。このホライズンは、たとえば、車両から一定距離までの可能な状況のセットを含むことができることが、用語「ホライズン」を採用する理由である。この距離は、ナビゲーションシステムにより供給されるエレクトロニックホライズンに依存し、たとえば、10キロメートルから12キロメートルまでの範囲とすることができる。現在の状況を直接供給する、従来のナビゲーションシステムとは対照的に、本発明による方法は、事象ベースの連続した状況を提供する。その結果、状況は、コンピュータ支援運転システムが連続して制御できるようにする。
【0015】
実際には、旅行で、いくつかの地点が異なるデータを示すのに対して、道路状況が変化しなかった場合には、現在の情報に基づいて道路状況のタイプを識別する従来の方法は、現実を反映しない。たとえば、町(タウン:town)を横断する高速道路の場合には、実際の道路環境は、常に高速道路である。しかし、ナビゲーションシステムのいくつかの地点は、高速道路を示すが、ナビゲーションシステムの他の地点が、町を示すこともある。これらの指示は、交互になることさえある。このとき、道路環境を識別する従来の方法は、町/高速道路を交互に示すが、このことは、実際の状況に対応しない。たとえば、この従来の方法が照明ビームの制御に適用され、高速道路ビームからタウンビームに至るときには、照明機器は、連続して、かつ、頻繁に、一方のビームから他方のビームに至るが、道路環境は、同じ状態を維持する。ナビゲーションの一部の地点が、両方の環境を同時に示すこと、たとえば、前述の例では、同じ地点に対して、高速道路および町を示すこともあるが、この例では、ストロボ照明を実質的に有する、という危険性がある。
【0016】
対照的に、本発明による方法は、共通の道路環境の推測により、コンピュータ支援運転システムを連続して制御できるようにする。したがって、本発明による方法は、前述の欠点を回避できるようにする。たとえば、車両は、町を横切っているときでさえ、高速道路照明ビームを維持する。
【0017】
このように、好ましくは、本発明による方法は、それ故に、連続地点のセットを識別し、連続地点の少なくとも一部が、異なる道路環境データを示す場合、および/または、いくつかの地点が、同じ地点に対して、いくつかの異なる道路環境を示す場合に、共通の道路環境が、このセットの地点に関連付けられる。
【0018】
本発明による方法は、さらに、随意に、以下の特徴のうちの少なくとも1つを提供することができる。
− 属性は、以下のデータ値(交差点、ロータリ、カーブ、直線部分、ロータリ上の交差点、カーブ上の交差点、直線部分上の交差点、トンネル、橋)のうちの1つである。
− コンピュータ支援運転システムが、予測方式で決定される運転状況に従って、制御される。近づく道路状況が決定可能になることにより、本発明は、車両のホライズンの、事象ベースの連続したビューを提供する。この事象の観念は、別個の意味ではなく、換言すれば、1回限りの意味ではなく、状況の意味または運転状態の意味である。したがって、コンピュータ支援運転システムが、連続して予測方式で制御可能になる、または、コンピュータ支援運転システムのパラメータが、状況に対して適合可能になる。コンピュータ支援運転システムは、たとえば、以下の動作(車両と一体化された、道路を照らすためのシステムの作動、歩行者の存在、車両の存在、または道路標識の存在の検出、車両の速度の調節)のうちの少なくとも1つを実行する。コンピュータ支援運転システムは、また、運転の一方のモードから別のモードへ切り換えるための動作、たとえば、車両の熱推進モードから車両の電気推進モードへ切り換える動作を、実行することができる。コンピュータ支援運転システムにより実行される動作は、運転状況に従ってレーダの開口角度を適合させることにより、実行可能である。
− 各地点に対して、道路環境データ値に関係がある追加属性が、ナビゲーションシステムから抽出され、かつ、運転状況の決定が、道路環境データ値を使って強化される。道路環境データ値は、以下のデータ値(「町」、「町の外」、「高速道路」、「その他」)のうちの1つである。したがって、本発明は、属性データだけでなく、車両の前方に位置する環境の環境も考慮する。それ故に、属性に基づく予測のビューが、環境情報により強化される。その結果、運転状況は、より正確に記述される。たとえば、本発明は、町の中の直線部分または高速道路上の直線部分に対して、異なる情報を供給する。この情報は、たとえば、照明ビームを制御することが必要なときに、特に有用である。
− 道路環境データの交代を示す連続地点のセットが、識別され、かつ、共通の道路環境が、このセットの地点に関連付けられる。したがって、ナビゲーションシステムから得られるデータが、現実に適合しない交代を示す場合には、本方法は、この一貫性のなさを検出し、かつ、共通の環境を、この地点のセットに割り当てる。したがって、生成される事象ベースのビューの連続性が、保たれる。その結果、コンピュータ支援運転システムは、常に連続して制御される。好ましい実施形態によれば、すべての道路環境が、階層として構成され、かつ、この地点のセットの道路状況のうち、階層がより高い道路環境が、共通の道路環境として選択される。たとえば、連続地点のセットが、「町」の環境データと「高速道路」の環境データの交代を示し、かつ、この地点のセットに関連する共通の道路環境が、道路環境「高速道路」である。高速道路が町を貫通する場合には、高い確率で、ナビゲーションシステムが、「町」の環境と「高速道路」の環境の交代を示す地点の連続を示す。したがって、本発明は、この一貫性のなさが取り除かれ、かつ、共通の環境「高速道路」を、これらの地点のすべてに割り当てられるようにする。したがって、運転状況は、環境「高速道路」に明確に関連付けられる。コンピュータ支援運転システムは、照明ビームを制御するためのシステムである場合には、たとえば、高速道路ヘッドライトを維持し、町のヘッドライトには切り換わらない。
− 移行の推測のため、および運転状況の決定のために、属性を比較するステップが、有限状態のプログラマブルコントローラにより実行される。
− 運転状況が決定される地点は、ユーザにより指定される目的地に従ってナビゲーションシステムにより規定される旅程の地点に対応する、または、ユーザにより目的地が指定されない場合には、最も可能性が高い旅程の地点に対応する。最も可能性が高い旅程は、過去の運転履歴、および/または、地図作成データ、たとえば車両が運転している道路のタイプに基づいて、規定される。これが、たとえば、高速道路上にある場合には、高速道路上に残る方が、高速道路から出るより、高い確率がある。
− 運転状況の決定に関連する確信度指標が、計算される。コンピュータ支援運転システムは、確信度指標が閾値より大きい場合に限り、制御される。確信度指標は、以下のパラメータ(衛星測位手段による車両の位置測定、地図のデジタル化の精度、地図の更新日、車両の環境、選択されたガイダンスモードまたは選択されなかったガイダンスモード)の少なくとも1つの関数である。
− 少なくとも1つの搭載されたセンサから得られるデータと、ナビゲーションシステムから得られるデータまたはナビゲーションシステムに送信されるデータとが、マージされる。このマージするステップは、運転状況をより正確な方法で決定するために、センサから得られるデータが、ナビゲーションシステムから得られるデータまたはナビゲーションシステムに送信されるデータを強化するように、適用される。
− さらに、または、代わりに、本発明は、測位手段から得られる情報を利用することができないときであっても、運転状況を決定するために、センサから得られるデータが、ナビゲーションシステムから得られるデータまたはナビゲーションシステムに送信されるデータを捕捉するような方法で、構成される。
【0019】
本発明の枠組みでは、車両に対する運転状況を予測方式で決定するためのシステムも提供される。このシステムは、搭載されたナビゲーション機器と、前述の特徴の1つに従う方法を実現することができる処理手段と、を含む。システムは、前述のステップの少なくとも一部の実現のために、有限状態のプログラマブルコントローラを含む。
【0020】
本発明は、さらに、前述の段落に従うシステムを含む車両に関する。
【0021】
本発明の別の特徴、目的、および利点が、添付図面に関して、非限定的な例によって提示される、以下の詳細な説明によって、明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明による方法の一例の、さまざまなステップを概略的に示す。
【図2】地図作成地点により伝えられる属性の関数として、運転状況の例を提示する対応の表である。
【図3】本発明がベースとなり得る、地図の一例を示す。
【図4】運転状況を決定するために使用される、環境の例示的リストを作成する。
【図5】本発明による方法の別の例の、さまざまなステップを概略的に示す。
【図6】本発明の枠組みでの有限状態のプログラマブルコントローラにより実現される、分析の一例を記述する。
【図7】本発明の別の例示的応用を示す。
【図8】本発明のさらに別の例示的応用のための地図の一例を示す。
【図9】図8の例示的応用の枠組みでの有限状態のプログラマブルコントローラにより実現される、分析を記述する。
【図10】本発明の実現の枠組みで適用され得る、照明方策を要約する表である。
【図11】本発明による確信度指標計算の一例を示す。
【図12】本発明によるシステムの一例を記述する。
【発明を実施するための形態】
【0023】
図1には、本発明による道路状況のタイプの決定のための方法の一例の、さまざまなステップが示されている。
【0024】
車両の前方に位置する少なくとも1つの可能経路を規定する地点が、ナビゲーションシステムから得られる(ステップ11)。
【0025】
本発明は、ナビゲーションシステムの使用を伴う。公知の方法では、ナビゲーションシステムは、とりわけ、位置を測定するための手段と、地図作成データのベースと、を含む。典型的には、測位手段は、車両に搭載されて取り付けられた受信機−送信機を有する、衛星による測位のための機器(GPSまたは将来のGalileo)を組み入れる。
【0026】
各経路は、地点のセットにより表され、そのセットの位置は、地図作成データ内に記録される。
【0027】
さらに、地図作成データは、地点に関連する属性を含む。属性は、属性が関連付けられる地点の道路環境のタイプを記述し、かつ、属性は、たとえば、情報の以下の項目(交通車線の数、制限速度、交差点、ロータリ、カーブ、直線部分、トンネル、橋など)のうちの1つを含む。図2は、本発明の枠組みで使用される属性の一部のリストを図示する。
【0028】
したがって、測位手段と地図からのデータの組合せが、エレクトロニックホライズンを車両の前方で規定できるようにする(ステップ12)。好適には、このエレクトロニックホライズンは、地点の位置により規定される車両の上流の可能経路のセットと、これらの地点に関連する道路環境情報のタイプと、からなる。
【0029】
図3は、エレクトロニックホライズンの一例を示す。この図は、地図上の、車両20の位置と、さまざまな地点と、を表示する。ノードと呼ばれる、これらの地点の一部は、交差点25を表す。道路を表すその他の地点は、形状の地点(point of form)と呼ばれる。これらのさまざまな地点が、セグメント(seg01、seg02など)を制限可能にし、且つ、後続する可能性のある経路のセットを規定できるようにする。これらの経路が、図3に現れている。この図3は、また、さまざまな地点に関連する属性(たとえば、車線の数21、制限速度22、トンネル入口23、トンネル出口24、橋の始点26、橋の終点27、道路の曲率半径28)を表示する。
【0030】
本発明に特徴的な方法では、エレクトロニックホライズンに関連する属性が抽出される(ステップ13)。
【0031】
ホライズンの所与の地点に関して、この所与の地点の属性が分析され、所定のセット、たとえば図2に指定されるセットに属する属性が、保持される。この属性は、先行地点の属性と比較される(ステップ14)。
【0032】
該当地点に対する先行地点が、該当地点に隣接する地点を示し、その隣接する地点は、該当地点と同一経路上に位置し、かつ、車両と該当地点との間に配置される。所与の地点に対する次の地点が、車両の移動方向の所与の地点に続く地点を示す。
【0033】
該当地点の属性と先行地点の属性とが一致する場合には、このことから、先行地点の属性に対応する運転状況が、推測される(ステップ15)。したがって、2つの地点間の連続する運転状況が、特徴付けられる。このとき、継続する属性が同一である限り、同一の運転状況が、維持される。したがって、本発明は、車両の環境の事象ベースの連続した記述を提供する。このとき、この運転状況に基づいて、連続制御を、たとえば、コンピュータ支援運転システムに提供することができる(ステップ16)。エレクトロニックホライズンで運転状況を前もって決定することにより、対応する制御コマンドを、保存し、かつ、本発明の方法により決定される運転状況に適用することができる。
【0034】
属性と運転状況との間の対応付けは、たとえば、図2に提示されるタイプの対応の表を用いて、実行される。表の一例が、図2に提供される。たとえば、2つの継続する属性が属性「トンネル」に関連付けられる場合には、本方法は、このことから、これら2つの地点の間の運転状況「トンネルでの運転」を推測する。
【0035】
該当地点の属性と先行地点の属性とが一致しない場合には、それに応じて、先行地点に基づく運転状況の終了が、推測される。このことから、運転の移行および新しい運転状況の開始も、推測される。この移行の性質と、新しい運転状況の性質とが、該当地点により規定される。
【0036】
該当地点の属性に従う運転状況の決定は、また、対応の表に基づくことができる。たとえば、先行地点が属性「直線部分」に関連付けられ、かつ、該当地点が属性「ロータリ」に関連付けられる場合には、本方法は、このことから、「直線部分での運転」に対する状況の終了を推測し、来るべき状況への移行を決定する。この対応付けの表によれば、この移行は、「ロータリへの移行」のタイプである。
【0037】
これらのステップは、継続する地点のセットに対して繰り返される。属性が一致する限り、本方法は、それに応じて、連続する運転状況を推測する。したがって、運転状況の連続が得られ、その運転状況の連続の開始および終了は、対応する運転状況により、境界を定められる。
【0038】
したがって、本発明は、車両の前方のすべての運転状況を識別するエレクトロニック事象ホライズンを、予想により生成できるようにする。このホライズンは、現在の情報を提供することに限定されるものではなく、事象の連続を予測するものであり、これらの事象は、運転状況に対応するものである。したがって、本発明により生成されるエレクトロニックホライズンは、事象ホライズンとして適している。
【0039】
事象ホライズンは、1つの車両の位置に対して生成される。典型的には、事象ホライズンの範囲は、10kmのオーダである。車両が前方に動くときには、このホライズンは、このホライズンの予測性質を保つために車両の前方に十分遠くの、地図作成データを考慮することにより、更新される。したがって、本発明によるシステムは、漸進的事象ホライズン生成器または漸進的事象ホライズンセンサとして、適している。
【0040】
その結果、本発明により生成される漸進的事象ホライズンは、運転手により行われる分析に極めて近い環境の分析を提供する。
【0041】
好適には、環境の分析と制御コマンドの生成とが、切り離される。このことは、とりわけ、分析プログラムの複雑性を低減可能にし、かつ、プログラムをよりアップグレードできるようにする。
【0042】
図3の例を再考すると、漸進的事象ホライズンが、交差点25の後の可能な運転状況の中から、以下の運転状況(直線での運転(seg12)、次に、トンネル内での運転(地点23と地点24との間)、次に、直線部分での運転への移行、次に、直線部分での運転など)を予想する。
【0043】
好ましい方法では、本発明によるシステムは、第一に、事前に規定された第1の属性のセットに属する属性に基づいて、運転状況を決定する。典型的には、このセットは、図2の網羅的でない表に列挙される属性(交差点、ロータリ、トンネル、橋、直線部分、カーブ)を包含する。これらの属性は、第1のレベルの情報に対応する。これらの属性は、車両の直接的な道路環境に関する情報を提供し、かつ、道路自体を特徴付ける。
【0044】
好適には、本発明によるシステムは、地点のそれぞれに対する追加属性を抽出する。この追加属性は、事前に規定された第2の属性のセットに属する。この追加属性は、第2のレベルの情報を提供するものであり、その第2の情報レベルは、第1のレベルより高い、換言すれば、第1のレベルより一般的である。この追加属性は、具体的には、車両の道路環境を特徴付ける。この追加属性は、環境データとして示される。典型的には、このセットは、図4に列挙される環境データ(町、高速道路、町の外、その他)を包含する。用語「その他」は、ナビゲーションシステムが環境に対して情報を有しない場合を表す。したがって、このセットは、低下した制御モードに切り替えるために、たとえば、ハンドルの角度の関数としての制御コマンドに切り換えるために、運転上の安全性を考慮できるようにする。一般的に言って、システムが環境の情報または属性の情報を所有しないときには、新しい属性および/または新しい環境が得られるまで、システムは、進行中の運転状況を終了させ、かつ、もはやどんな運転状況も生成しない。
【0045】
本発明によるシステムは、予想される運転状況の記述を改善するために、この環境データを抽出し、かつ、この環境データを分析する。
【0046】
図5は、追加属性を考慮して、道路状況のタイプを決定するための方法のさまざまなステップを示す。その方法は、運転状況を予測するために、環境を分析し、かつ、環境を考慮するための、追加のステップ17を含む。
【0047】
図3の例を再び取り上げると、車両が、「町」モードで有効に移動している場合には、システムは、町の環境と共に、前述の属性を抽出する。次に、システムは、交差点の後の続く運転状況(「町の中の直線部分での運転」(seg12)、次に、「町の中のトンネルでの運転」状況(地点23と地点24との間)の開始に印をつけて、「町の中のトンネルでの運転」への移行、次に、「町の中の直線部分での運転」状況の開始に印をつけて、「町の中の直線部分での運転」への移行)などを決定する。
【0048】
好適には、この環境データの使用は、予測される運転状況に関する情報のレベルを、高められるようにする。このとき、運転状況に基づいて、かつ、コンピュータ支援運転システムを制御するために使用される、制御規則を、より高い精度で規定することができる。
【0049】
好ましくは、これまで述べられたさまざまなステップは、有限状態のプログラマブルコントローラの使用を伴う。システムは、運転状況の識別と、属性に従った移行と、のために必要とされるデータを記憶するための手段を、さらに含む。好適には、システムは、コンピュータ支援運転システムに作用する制御コマンドを生成するための手段を含む。
【0050】
図6は、有限状態のプログラマブルコントローラを構成する分析構造の一例を記述する。
【0051】
初期状態「0」から始まり、エレクトロニックホライズンをスキャンすることが、プログラマブルコントローラの状態により決定される運転状況に対応する、移行を識別できるようにする。その後、新しい属性が、エレクトロニックホライズンで検出されない限り、プログラマブルコントローラは、対応する状態にとどまる。属性の変更(「その他」)の検出に続き、運転状態の終了が、示される(「最終状態」)。新しい運転状況に対応する新しい移行が、この属性に応じて生成される。交差点を除き、考えられる状況のすべてが、どんな回数(1回または複数回)の移行が実行されたとしても、この方法で処理される。
【0052】
交差点が、該当地点で識別されたときには、交差点は、地図データベースにおいて、この状況の開始およびこの状況の終了の両方を表す、単一の地点としてだけ出現するので、この状況の検出の後に、プログラマブルコントローラは、即座に、該当地点で最終状態に到達する。
【0053】
最後に、漸進的事象ホライズンセンサは、運転状況および関連するコンテクストのすべての切迫した状況に従って、運転状況および関連するコンテクストのすべてを記述するツリーの形で、車両に対する到達可能経路を規定する。地図により供給されるエレクトロニックホライズンの地点からの運転状況の生成の一例が、図7に概略的に示される。n個の地点のセット(地点1から地点n)が、N個の運転状況(状況1から状況N、ただし、n>N)を、決定できるようにする。これらのn個の地点は、第1のレベルの属性(ロータリ、カーブ、交差点)と、第2のレベルの道路環境または属性(町、および町の外)と、に関連付けられる。運転状況は、第1のレベルの属性、および道路環境(地点1から地点4に対する「町の中のロータリでの運転」、地点5から地点7に対する「町の中のカーブでの運転」、地点nに対する「町の外の交差点」)のセットに基づいて、生成される。
【0054】
本発明は、運転手が自分の目的地をナビゲーションシステムに指定したか否かにかかわらず、実現することができる。
【0055】
この目的地が指定された場合には、運転状況が決定される地点は、この目的地の関数として、ナビゲーションシステムにより規定される、旅程の地点に対応する。
【0056】
反対の場合には、運転状況が決定される地点は、最もありそうな旅程の地点に対応する。多くの公知の方法が、この最もありそうな旅程を、決定できるようにする。一般的に言って、これらの方法は、ナビゲーションの過去の履歴からのデータおよび/または地図データを、たとえば、車両が運転している道路のタイプを、考慮する。車両が、たとえば、高速道路上を運転している場合には、車が高速道路上にとどまる確率が、高速道路を離れる確率より高いことがある。
【0057】
好ましくは、ガイダンスモードが動作中であるか否かにかかわらず、エレクトロニックホライズンの地点のすべてが、すべての可能経路を含むホライズンを規定するために、分析される。したがって、すべての運転状況が予想される。
【0058】
ここで、本発明の1つの例示的応用が、図8および図9を参照して詳述される。
【0059】
システムは、車両が従う最も高い確率を有する、経路を決定する。この経路は、より太い線の両側の2つの細い線により、表される。本発明によるシステムは、形状のさまざまな地点(72〜74、76、79)と、ノード(75、77、80)と、を抽出し、これらのノードは、地図上の交差点を表す。システムは、これらの地点の属性を分析する。車両71の前方に位置する第1の地点72の属性の分析により、システムは、3メートル(属性「L」)の所での、直線部分の開始を識別する(ステップ91)。地点74の分析は、また、直線部分の属性(属性「L」)を伝えるので、このことが、地点72および地点74により境界を定められる、セグメント73上での運転状況「直線部分での運転」を、決定できるようにする。したがって、プログラマブルコントローラは、この部分の状態を変更しない(ステップ92)。ノード75は、ロータリ上の交差点(属性「I、R」)に対する属性に関連付けられる。このノード75は、プログラマブルコントローラの状態の変化と、運転状況「直線部分での運転」の終了と、をトリガする(ステップ93)。システムは、このことから、この運転状況が20メートルの所で終了する、と推測する。
【0060】
この同じノード75は、ロータリ上の交差点への移行に対する状況の印をつける(ステップ94)。この同じノード75は、また、20メートルの所で始まる「ロータリでの運転」に対応する新しい運転状況の開始の印をつける。次の5つの地点は、ロータリ属性(「R」)に関連付けられる。したがって、プログラマブルコントローラは、ロータリ上の交差点に対する属性(属性「I、R」)を伝えるノード77まで、状態を変更しない(ステップ96)。プログラマブルコントローラは、状態を再度変更し、65メートルの所での運転状況「ロータリでの運転」の終了を検出し(ステップ97)、ロータリ上の交差点への移行を決定する(ステップ98)。
【0061】
したがって、本発明は、特に現実に近い運転状況を、ロータリと同じくらい複雑な環境であっても、生成できるようにする。記述される事象ホライズンは、また、完全に連続している。本発明によれば、このとき、完全に首尾一貫し、かつ、連続した、制御規則が、これらの運転状況から推測され得る。
【0062】
これらの地点のそれぞれに関連する環境が、環境「町」であるという仮説を取り上げ、以下により詳細に記述される、照明ビームに対する制御方策を要約する、図10の表に基づくと、結果として、直線部分のセグメントが標準の照明を有し、ロータリ部分のセグメントは、TL_NAVにより示される機能により広げられるビームを有する。この機能は、以下で明らかにされるが、ビーム拡大に対応する。
【0063】
ナビゲーションシステムにより供給される現在の情報に基づく制御規則が、連続する制御ではなく、単一地点制御をもたらす。そのような規則は、たとえば、具体的には町の外側のロータリで夜に、オンの動作およびオフの動作の、一貫性のない連続をもたらす。
【0064】
好ましくは、本発明は、連続する地点のセットが、道路環境データの首尾一貫しない交代を示すか否かを識別するように、構成される。この交代は、2つ以上の異なる道路環境に適用されてもよく、必ずしも、一対一対応でなくてもよい。本発明は、交代頻度が、現実に適合するか否かを識別するように、設計される。
【0065】
たとえば、高速道路が町を通過するときに、地図上の一部の地点、または全地点でさえも、それぞれ、環境「町」および環境「高速道路」を同時に所有することが、しばしばある。このことは、環境データが、制御のためにそのように使用される場合には、換言すれば、本発明により提供されるようなホライズンの事象ベースの分析なしに、「町」と「高速道路」の間を交代する制御コマンドを生成することができる。たとえば、照明ビーム制御に適用されると、そのような制御コマンドは、ヘッドランプへの電力の急速なオン/オフの交代を、すなわち、運転の安全性および快適性の点から受け入れることができない動作を、生み出す。
【0066】
本発明は、また、共通の道路環境をこの地点のセットに関連付けるように、設計される。したがって、生成される漸進的事象ホライズンの連続性が、保たれる。その結果、このホライズンに基づく制御も、連続して制御される。
【0067】
これらの地点のすべてに対して選択されるべき、共通の道路環境を決定するために、すべての道路環境が、階層の形で構成され、かつ、階層内で最も高い道路環境が、共通の道路環境として選択される。
【0068】
町を貫通する高速道路の、以前の事例を取り上げると、より高い階層レベルが、環境「町」より、環境「高速道路」に割り当てられる。したがって、この場合に選択される共通の道路環境は、道路環境「高速道路」である。したがって、生成される運転状況は、この地点のセットに対して、環境「高速道路」を考慮する。したがって、本発明により予想される運転状況は、ナビゲーションデータにより導入される一貫性のなさにもかかわらず、実際には、真に対応する。したがって、運転状況に基づく制御規則は、完全に適合される。したがって、この制御規則が、照明に関係がある場合には、結果として、高速道路照明モードが、高速道路の全部分にわたり、オンを維持する。
【0069】
図10を参照すると、ここで、車両からの照明ビームに対する制御方策が、提示される。より具体的には、本発明の主題である、漸進的事象ホライズンセンサは、頭字語AFSにより一般に示される配光可変型前照灯システムから適用されるべきコマンドを、受け取る。
【0070】
公知の方法では、AFSシステムは、以下の従来の機能を提供する。
− 擬似−TL(Town Lighting、町の照明)機能
この機能の目的は、都会の運転に対して、照明ビームを(左および右に)広げることである。この機器は、車両の速度だけに応じて、活性化される。典型的には、この機器は、速度が閾値、たとえば、50km/h以下に落ちた場合に、活性化される。したがって、AFS機能に対する制御規則は、速度センサだけに依存する。
− 擬似−ML(高速道路照明)機能
この機能は、ヘッドランプを高速道路モードに引き上げることにある。この機能は、車両の速度だけに応じて、典型的には、速度が閾値、たとえば、80km/hを超える場合に、活性化される。したがって、AFS機能の制御規則は、速度センサだけに依存する。
− FBL(Fixed Bending Light、固定屈曲照明)
この機能は、ハンドルの回転に応じて、左側の内側の縁または右側の内側の縁の漸進的照明を提供する。したがって、AFS機能に対する制御規則は、角度位置センサだけに依存する。
− DBL(Dynamic Bending Light、動的屈曲照明)
この機能は、ハンドルの回転の関数として、照明光学系の漸進的回転を提供する。したがって、AFS機能に対する制御規則は、角度位置センサにだけ依存する。
【0071】
これらの機能の何れも、車両の環境を考慮する制御規則により制御されることはない。
【0072】
代替形態として、一部のAFSシステムが、ハンドルの角度データ値の関数として(FBL、DBL)ではなく、ナビゲーションシステムの地図により供給される地点の位置の関数として、これらの機能の制御が実行されるように、設計される。これらの地点は、道路プロファイルを規定できるようにし、かつ、道路の曲率を計算できるようにする。制御規則は、内側の縁(左側、右側)の漸進的照明、または、照明光学系の漸進的回転を、トリガするために、道路の曲率に基づいている。
【0073】
本発明は、新しい制御規則を提供する。これらの新しい制御規則は、配光可変型前照灯システム(adaptive front lighting system、AFS)の機能の制御を、改善できるようにする。この目的のために、その思想は、制御規則を、これまで示された方法で決定されるような運転状況に基づかせる、というものである。
【0074】
図10の表は、制御方策を提示するものであり、その制御方策は、一方では、第1のレベルの属性(交差点、ロータリ、直線部分、カーブ、中央分離帯のある有料高速道路、またはその他)により、他方では、道路環境(高速道路、町、町の外)により、規定される運転状況の関数としてのAFSタイプのさまざまな照明機能に対して、特に利点がある。この表は、以下の機能を提示する。
−TL_NAV
この機能は、都会の運転のために、光ビームを、左または右に広げることにある。この機能は、本発明の方法の主題により検出されるような運転状況に基づく制御規則により、制御される。図10の表で規定される方策によれば、環境「町の中での運転」を伝える運転状況が決定された場合には、ビーム拡大機能が、トリガされ得る。検出された環境が、「町の外での運転」であり、かつ、第1のレベルの属性に基づき決定された運転状況が、「カーブでの運転」、または、「中央分離帯のある有料高速道路での運転」、または、「両面交通の有料高速道路での運転」である場合には、制御規則は、ビームの拡大を防止する。ロータリに到着する前に、運転状況「町の外のロータリでの運転」が、決定される。車両がロータリに到着すると、制御規則は、再度、ビームの拡大を許可する。
−ML_NAV
この機能は、運転状況「高速道路での運転」、または、「中央分離帯のある有料高速道路上の町の外での運転」、または、「両面交通の有料高速道路上の町の外での運転」が検出されたときに、高速道路に適合された照明を適用することにある。
−FBL_NAV
この機能は、運転状況と、本発明の方法に従って決定される環境であって、図10の表で識別される環境と、に応じて、カーブ上の内側の縁(左側、右側)の漸進的照明を提供する。
−DBL_NAV
この機能は、運転状況と、本発明の方法に従って決定される環境であって、図10の表で識別される環境と、に応じて、カーブでの照明光学系の漸進的回転を提供する。
【0075】
本発明は、機能FBL_NAVおよび機能DBL_NAVに適用されるときに、特に利点があることを証明する。実際には、従来のFBL機能または従来のDBL機能では、漸進的照明または光学系の漸進的回転は、ハンドルの回転により、トリガされる。したがって、照明機能は、車両がすでにカーブに入ったときに、トリガされる。したがって、既存の解決策は、カーブの中に入るときの照明を、改善することができない。逆に、本発明による漸進的事象ホライズンセンサは、カーブに入ることを、前もって十分に予想できるようにする。したがって、漸進的照明または光学系の漸進的回転は、車両がカーブに入るとすぐに、可視性を改善するために、カーブより十分前に、トリガされる。
【0076】
カーブの出口でも、同じことが当てはまる。本発明は、漸進的ホライズンセンサを用いて、カーブからの出口を予想し、その結果、ハンドルの角度が、カーブからの出口を予測できるようになる十分に前に、制御コマンドを生成する。
【0077】
さらに、これらの機能のそれぞれに対する制御規則は、また、運転状況に基づくことに加えて、センサから得られるデータ(たとえば、速度、もしくは、ハンドルの角度)、または、地図上の位置の位置データに、基づいてもよい。データのこの組合せは、図12を参照して詳細に説明される。
【0078】
したがって、これらの機能は、従来のAFS機能と、ナビゲーションにより補助されるAFS機能と、を結合する。その結果、本発明は、制御規則を改善し、かつ、AFS照明機能を最適化できるようにする。
【0079】
これらのAFS照明機能をさらに改善するために、制御規則は、以下の具体的な特徴を考慮する。
− FBL機能は、高速道路上、町の外、地方の道路上、全国的高速道路、および有料高速道路上で、DBL機能と、常に結合される。したがって、車両は、ロービームヘッドライトを選択し、かつ、FBLおよびDBLの機能を活性化する。
− TL機能は、FBL機能に優先する。したがって、場合により、照明は、ロービーム+TL+DBLになったり、ロービーム+FBL+DBLにならなかったりする。これは、交差点およびロータリに対して、町の中または町の外についていえることである。機能の一部の活性化は、有効な規制に適合しなければならない。
− 以下の状況の少なくとも1つは、機能TLを活性化するために、検証されなければならない。
− 車両は、既成市街地にあり、かつ、車両の速度は、80km/h未満である、
− 車両は、公共の照明を装備して、道路上にあり、かつ、車両の速度は、80km/h未満である、
− 車両の速度は50km/時未満である。
− ML機能を活性化するためには、車両の速度は、70km/hより速くなければならず、かつ、以下の状況が検証されなければならない。
− 車両は、高速道路上にある、および/または、車両の速度は、110km/hより速い。
− 高速道路が検出されたときに、活性化の前に、2分の待ち時間が必要とされる。
【0080】
好ましくは、本発明は、予想により決定される運転状況に関係がある、確信度指標を規定する。この確信度指標は、制御規則がコンピュータ支援運転システムに適用される範囲に、影響を及ぼす。典型的には、この指標が、事前に規定された閾値未満である場合には、運転状況に基づく制御規則は、コンピュータ支援運転システムに適用されず、この場合には、別の予想される以外のセンサに基づく制御コマンドが、適用される。たとえば、AFS照明の場合には、車両は、ハンドルの角度または速度に基づいて、AFS制御に切り換わる。
【0081】
好ましくは、確信度指標は、以下の網羅的でないリストからの基準の1つまたは複数に基づいて、計算される。
− 道路に関する情報のレベル: この基準は、具体的には、地図の精度を反映する。
− 道路の機能クラス: この基準は、道路のクラスに関連する属性の精度を考慮する。
− 道路環境のタイプ: 町、高速道路出口、交差点など。
− 衛星測位手段(GPS、または将来のGalileo)による車両の位置決めの精度、
− 選択された、または、選択されない、ガイダンスモード(旅程のユーザによる指示)、
− 地図の更新日。
【0082】
好適には、確信度指標は、これらの基準のそれぞれを考慮することにより、計算される。確信度指標の計算では、これらの基準のそれぞれが、重み付けされてもよい。これらの重みは、重みが割り当てられる基準の信頼度の関数として、決定される。これらの重みは、経験により、または、学習により、規定されてもよい。
【0083】
図11は、運転状況の決定のためのシステムの確信度指標の計算の一例を示す。
【0084】
1つの特定の実施形態では、本発明は、搭載されたセンサから得られるデータを使用するために、構成される。図12は、そのようなシステムの一例を概略的に示す。
【0085】
本発明は、衛星測位手段121から得られるデータを受け取る、ナビゲーションシステム123を含む。これらの手段は、すでに説明されている。本発明は、また、ナビゲーションシステムに地図作成データ供給する、データベース122を含む。
【0086】
ナビゲーションシステムから得られるデータ125は、漸進的事象ホライズンセンサ124に送信される。漸進的事象ホライズンセンサ124は、有限状態のプログラマブルコントローラを含む。漸進的事象ホライズンセンサ124は、運転状況126を決定する。これらの運転状況は、たとえば、コンピュータ支援運転システムに送信されるように、設計される。ナビゲーションシステム123は、また、衛星位置決めシステムに特有の測位の精度に対応する確信度指標127を、漸進的事象ホライズンセンサ124に供給する。漸進的事象ホライズンセンサ124は、たとえば、確信度指標の中に別の基準を一体化して、図11に図示される方法に従って確信度指標を計算し、そして、確定した確信度指標128を、運転状況126と共に送信する。
【0087】
本発明は、また、ハンドルの角度または車輪の角度に関する情報を提供する、少なくとも1つの搭載されたセンサ129、たとえば、速度センサまたはジャイロスコープセンサを含む。
【0088】
搭載されたセンサ129からのデータ130は、ナビゲーションシステム123に送信され得る。このデータ130は、具体的には、ナビゲーションシステムが、低下したモードで動作するときに、測位手段から、または、地図から得られるデータを補足することができる、または、そのデータとマージすることができる。たとえば、測位手段からの信号がなくなる場合には、ハンドルに対する角度データおよび/または速度データは、システムを、少なくとも一時的に、地図上で車両の位置を決め続けられるようにすることができる。
【0089】
さらに、搭載されたセンサ129からのデータ131は、漸進的事象ホライズンセンサ124に送信されてもよい。このとき、このデータ131は、運転状況の決定を改善するために、ナビゲーションシステムから得られるデータと組み合わせられる。たとえば、速度センサからのデータは、測位手段から得られるデータであって、車両の速度または位置に関係があるデータを、改善できるようにする。光学系を回転して駆動することにある、動的屈曲照明タイプの配光可変型前照灯機能については、制御規則により考慮される速度データが、車両がカーブに入るまたはカーブの中にいるとき、車両の実際の速度にできるだけ近いことが、実際には重要である。しかし、測位手段だけに基づいて、速度に関する正確な情報を得ることは、容易ではない。
【0090】
したがって、搭載されたセンサから得られるデータと、ナビゲーションシステムから得られるデータ、または、そこに送信されるデータと、をマージすることが、運転状況を、より正確な方法で、かつ、低下した動作モードで、決定できるようにする。
【0091】
実際には、コンピュータ支援運転システムは、漸進的事象ホライズンセンサの確信度指標が、事前に規定された閾値以下であるときに、低下したモードで動作するので、搭載されたセンサを使用して低下したモード制御に切り換わる(たとえば、ハンドルの角度に基づくDBL、または、速度に基づくML)。
【0092】
好適には、本発明は、異なるタイプの複数の搭載されたセンサからのデータを、使用する。
【0093】
ナビゲーションシステムから得られるデータと搭載されたセンサから得られるデータのこのマージは、たとえば、図10を参照して説明されるAFS照明方策に対して、実施される。
【0094】
本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に従う任意の実施形態を包含する。
【0095】
とりわけ、地点のそれぞれについて、第一に、属性(第1のレベルの属性)を分析し、次に、環境を分析することに、利点があるが、逆の分析を実行してもよい。エレクトロニックホライズン上の地点の環境だけを分析することも、想定され得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の道路状況のタイプを予測方式で決定する方法であり、ナビゲーションシステムから、前記車両の前方に位置する少なくとも1つの可能経路を規定する地点を得るステップ(11)を含む方法であって、
− 各地点に対して、この該当地点に関連する道路環境のタイプを記述する少なくとも1つの属性が、前記ナビゲーションシステムから抽出されるステップ(13)と、
− 前記該当地点の属性が、先行地点の属性と比較されるステップ(14)と、
− 前記属性が一致する場合に、運転状況が前記先行地点の前記属性の関数となるように、前記運転状況が、属性から推測されるステップと、
− 前記2つの属性が異なる場合に、この経路に対する運転状況の連続を規定するために、運転状況の終了が、前記属性から推測され、かつ、新しい運転状況への移行が、前記該当地点の属性の関数として決定されるステップと、
− 連続する地点のセットが識別され、かつ、共通の道路環境が、前記セットの地点に関連付けられるステップと、
をさらに含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記連続する地点の少なくとも一部が、異なる道路環境データを示す、および/または、一部の地点が、前記同一地点に対して、複数の異なる道路環境データを示す、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記属性が、交差点、ロータリ、カーブ、直線部分、ロータリ上の交差点、カーブ上の交差点、直線部分上の交差点、トンネル、橋のうちの1つである、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
コンピュータ支援運転システムが、予測方式で決定される前記運転状況に従って、制御される、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記コンピュータ支援運転システムが、以下の動作、すなわち、
− 前記車両と一体化された、道路を照明するためのシステムの始動、
− 歩行者、車両、または道路標識の存在の検出、
− 前記車両の速度の調節、
− 前記車両の熱推進モードから前記車両の電気推進モードへの移行、
のうちの少なくとも1つを実行する、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記動作が、前記運転状況に従って、レーダの開口角度を適合させることにより、実行される、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
各地点に対して、道路環境データ値に関する追加属性が、前記ナビゲーションシステムから抽出され(17)、前記運転状況の前記決定が、前記道路環境データ値を使って強化される(15)、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記道路環境データ値が、以下のデータ値、すなわち、「町」、「町の外」、「高速道路」、「その他」の中からの1つである、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記道路環境のすべてが階層として構成され、地点のこのセットの前記道路環境の中で、階層が上位の前記道路環境が、共通の道路環境として選択される、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記連続する地点のセットが、前記「町」および前記「高速道路」の環境データの代替を示し、地点のこのセットに関連する前記共通の道路環境が、前記道路環境「高速道路」である、請求項8または9に記載の方法。
【請求項11】
前記運転状況が決定される地点が、前記ユーザにより指定される目的地に従って前記ナビゲーションシステムにより規定される、旅程の地点に対応する、または、最も可能性が高い地点として規定される、旅程の地点に対応する、請求項1から10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記運転状況の決定に関連する確信度指標が計算される、請求項1から11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記コンピュータ支援運転システムが、前記確信度指標が閾値より大きい場合に限り、制御される、請求項4から6のいずれか一項と請求項12との組合せで得られる、方法。
【請求項14】
前記確信度指標が、以下のパラメータ、すなわち、衛星測位システム、地図のデジタル化の精度、前記地図の更新日、前記車両の環境、選択されたガイダンスモード、または、それ以外の中からの少なくとも1つの関数である、請求項12または13に記載の方法。
【請求項15】
車両に対する運転状況を予測方式で決定するためのシステムであって、搭載されたナビゲーション機器(123)と、請求項1から14のいずれか一項に記載の方法を実現するように構成される処理手段(124)と、を備えることを特徴とするシステム。
【請求項1】
車両の道路状況のタイプを予測方式で決定する方法であり、ナビゲーションシステムから、前記車両の前方に位置する少なくとも1つの可能経路を規定する地点を得るステップ(11)を含む方法であって、
− 各地点に対して、この該当地点に関連する道路環境のタイプを記述する少なくとも1つの属性が、前記ナビゲーションシステムから抽出されるステップ(13)と、
− 前記該当地点の属性が、先行地点の属性と比較されるステップ(14)と、
− 前記属性が一致する場合に、運転状況が前記先行地点の前記属性の関数となるように、前記運転状況が、属性から推測されるステップと、
− 前記2つの属性が異なる場合に、この経路に対する運転状況の連続を規定するために、運転状況の終了が、前記属性から推測され、かつ、新しい運転状況への移行が、前記該当地点の属性の関数として決定されるステップと、
− 連続する地点のセットが識別され、かつ、共通の道路環境が、前記セットの地点に関連付けられるステップと、
をさらに含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記連続する地点の少なくとも一部が、異なる道路環境データを示す、および/または、一部の地点が、前記同一地点に対して、複数の異なる道路環境データを示す、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記属性が、交差点、ロータリ、カーブ、直線部分、ロータリ上の交差点、カーブ上の交差点、直線部分上の交差点、トンネル、橋のうちの1つである、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
コンピュータ支援運転システムが、予測方式で決定される前記運転状況に従って、制御される、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記コンピュータ支援運転システムが、以下の動作、すなわち、
− 前記車両と一体化された、道路を照明するためのシステムの始動、
− 歩行者、車両、または道路標識の存在の検出、
− 前記車両の速度の調節、
− 前記車両の熱推進モードから前記車両の電気推進モードへの移行、
のうちの少なくとも1つを実行する、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記動作が、前記運転状況に従って、レーダの開口角度を適合させることにより、実行される、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
各地点に対して、道路環境データ値に関する追加属性が、前記ナビゲーションシステムから抽出され(17)、前記運転状況の前記決定が、前記道路環境データ値を使って強化される(15)、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記道路環境データ値が、以下のデータ値、すなわち、「町」、「町の外」、「高速道路」、「その他」の中からの1つである、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記道路環境のすべてが階層として構成され、地点のこのセットの前記道路環境の中で、階層が上位の前記道路環境が、共通の道路環境として選択される、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記連続する地点のセットが、前記「町」および前記「高速道路」の環境データの代替を示し、地点のこのセットに関連する前記共通の道路環境が、前記道路環境「高速道路」である、請求項8または9に記載の方法。
【請求項11】
前記運転状況が決定される地点が、前記ユーザにより指定される目的地に従って前記ナビゲーションシステムにより規定される、旅程の地点に対応する、または、最も可能性が高い地点として規定される、旅程の地点に対応する、請求項1から10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記運転状況の決定に関連する確信度指標が計算される、請求項1から11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記コンピュータ支援運転システムが、前記確信度指標が閾値より大きい場合に限り、制御される、請求項4から6のいずれか一項と請求項12との組合せで得られる、方法。
【請求項14】
前記確信度指標が、以下のパラメータ、すなわち、衛星測位システム、地図のデジタル化の精度、前記地図の更新日、前記車両の環境、選択されたガイダンスモード、または、それ以外の中からの少なくとも1つの関数である、請求項12または13に記載の方法。
【請求項15】
車両に対する運転状況を予測方式で決定するためのシステムであって、搭載されたナビゲーション機器(123)と、請求項1から14のいずれか一項に記載の方法を実現するように構成される処理手段(124)と、を備えることを特徴とするシステム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図10】
【図11】
【図12】
【図8】
【図9】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図10】
【図11】
【図12】
【図8】
【図9】
【公表番号】特表2012−531340(P2012−531340A)
【公表日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−516658(P2012−516658)
【出願日】平成22年6月17日(2010.6.17)
【国際出願番号】PCT/EP2010/058589
【国際公開番号】WO2011/000714
【国際公開日】平成23年1月6日(2011.1.6)
【出願人】(391011607)ヴァレオ ビジョン (133)
【氏名又は名称原語表記】VALEO VISION
【Fターム(参考)】
【公表日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年6月17日(2010.6.17)
【国際出願番号】PCT/EP2010/058589
【国際公開番号】WO2011/000714
【国際公開日】平成23年1月6日(2011.1.6)
【出願人】(391011607)ヴァレオ ビジョン (133)
【氏名又は名称原語表記】VALEO VISION
【Fターム(参考)】
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