説明

車両の下部構造

【課題】車両の下部構造において、燃料タンクとキャニスタを連絡するエバポ配管の長さを短縮し、エバポ配管からの蒸発燃料の透過量を減少させるとともに、プロペラシャフトで車両の幅方向に分断された空間を拡大し、燃料タンクで発生する蒸発燃料を吸着するのに充分な大型のキャニスタの配設可能として、車外への蒸発燃料の放出量を低減することにある。
【解決手段】キャニスタを燃料タンクの前側近傍でプロペラシャフトとサイドフレームとの間に挟まれる空間に配設するとともに、車両の平面視で、両サイドフレーム間の間隔を、キャスタの側方を通過する部位が最も広くなるように拡げて設定している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、車両の下部構造に係り、特に車両のフロア下の燃料タンク近傍にキャニスタを配設する車両の下部構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
車両においては、車両の前部にエンジンと変速機とを縦置きに搭載し、車両の後輪車軸よりも前側で上面がフロアに覆われるとともに左右両側が一対のサブフレームに挟まれる位置に燃料タンクを配設し、燃料タンクの下面に車両の前後方向に延びる凹部を形成し、エンジンに接続された排気管と変速機に連結されたプロペラシャフトとを、前記凹部を通して燃料タンクの後方に延出した車両がある。
【0003】
キャニスタは、燃料タンクとエバポ配管で連絡され、燃料タンク内で発生した蒸発燃料を、一時的に吸着し、そして、エンジンの運転時に、エンジンに吸入させて処理し、蒸発燃料の車外への放出量を低減するものである。しかしながら、蒸発燃料の車外への放出量を減らすためには、キャニスタを燃料タンクの近傍に配設してエバポ配管から透過量を減らすとともに大型のキャニスタを使用することが望まれている。
【0004】
従来、車両の下部構造には、車体のフロア下に位置してトランスファとキャニスタとを設けるとともに、その内の一方側キャニスタを他方側トランスファの後退軌跡上の空きスペースに配置することにより、容量の大きなキャニスタの設置を可能としたものがある。
また、キャニスタの配置構造には、フロントフロアパネルとリヤフロアパネルとを接続する連結壁の後面と、リヤフロアパネルの下方に支持した燃料タンクの前面との間にキャニスタを配置し、パージ通路を短縮したものがある。
【特許文献1】特開平5−193522号公報
【特許文献2】特開平8−58404号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、従来、車両の下部構造においては、フロアの下側の限られた空間がプロペラシャフトで車両の幅方向に分断され、燃料タンクの近傍に大型のキャニスタを配設することが困難であった。また、キャニスタを排気管に隣接するように配設した場合に、キャニスタが過度に加熱されてしまい、蒸発燃料の吸着量が減少するという不都合があった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明は、車両の前部にエンジンと変速機とを縦置きに搭載し、前記車両の後輪車軸よりも前側で上面がフロアに覆われるとともに左右両側が一対のサイドフレームに挟まれる位置にキャニスタと燃料タンクとを配設し、この燃料タンクの下面に前記車両の前後方向に延びる凹部を形成し、前記エンジンに接続された排気管と前記変速機に連結されたプロペラシャフトとを、前記凹部を通して前記燃料タンクの後方に延出した車両の下部構造において、前記キャニスタを前記燃料タンクの前側近傍で前記プロペラシャフトと前記サイドフレームとの間に挟まれる空間に配設するとともに、前記車両の平面視で、前記両サイドフレーム間の間隔を、前記キャスタの側方を通過する部位が最も広くなるように拡げて設定したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
この発明の車両の下部構造において、キャニスタを燃料タンクの前側近傍でプロペラシャフトとサイドフレームとの間に挟まれる空間に配設するとともに、車両の平面視で、両サイドフレーム間の間隔を、キャスタの側方を通過する部位が最も広くなるように拡げて設定したことにより、燃料タンクとキャニスタを連絡するエバポ配管の長さを短縮することができ、エバポ配管からの蒸発燃料の透過量を減少させるとともに、プロペラシャフトで車両の幅方向に分断された空間を拡大し、燃料タンクで発生する蒸発燃料を吸着するのに充分な大型のキャニスタを配設可能として、車外への蒸発燃料の放出量を低減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
この発明は、エバポ配管の長さの短縮や大型のキャニスタを配設可能とすることを、キャニスタの周辺部品を最適に配設して実現するものである。
以下、図面に基づいてこの発明の実施例を詳細且つ具体的に説明する。
【実施例1】
【0009】
図1〜図6は、この発明の第1実施例を示すものである。
【0010】
図1〜図3において、2は車両、4は車両ボディ、6はボディパネル、8Lは車両前後方向に指向する左サイドフレーム、8Rは車両前後方向に指向して左サイドフレーム8Lに対峙した右サイドフレーム、10F・10Fは前輪、10B・10Bは後輪、12Fは前輪車軸、12Bは後輪車軸である。左サイドフレーム8Lと右サイドフレーム8Rとは、フロア14よりも下方で、車体メンバとして、車両幅方向に指向した前部メンバ16と第1〜第6クロスメンバ18−1〜18−6と後部メンバ20とで連結されている。
【0011】
ボディパネル6は、図1に示す如く、左サイドフレーム8Lに沿った左サイドパネル部6Lと、右サイドフレーム8Rに沿った右サイドパネル部6Rとを備えている。
【0012】
車両2の前部には、エンジン22とこのエンジン22の後部に連結した変速機24とが縦置きに搭載されているとともに、この変速機24の後部に連結したトランスファ26が搭載されている。変速機24とトランスファ26とは、フロア14に下方に開いた山形形状で形成したフロアトンネル28内に配設されている。
【0013】
エンジン22には、車両2の後方側に延設した排気管30が接続されている。また、トランスファ26には、車両2の後方側に延設したリヤプロペラシャフト32の一端が接続されている。このリヤプロペラシャフト32の他端は、後輪車軸12Bに連結したリヤディファレンシャル34に接続している。
【0014】
車両2の前後方向の中央部位よりも少し車両2の後方側には、後輪車軸12Bよりも前側で、つまり、第4クロスメンバ18−4と第5クロスメンバ18−5との間で、上面がフロア14に覆われるとともに左右両側が一対の左サイドフレーム8L、右サイドフレーム8Rに挟まれる位置にキャニスタ36が配設されるとともに、第5クロスメンバ18−5と第6クロスメンバ18−6との間で、上面がフロア14に覆われるとともに左右両側が一対の左サイドフレーム8L、右サイドフレーム8Rに挟まれる位置に燃料タンク38が配設されている。
【0015】
排気管30は、図1〜図3に示す如く、車両2の前部のエンジン22側で第1触媒コンバータ40−1と、車両2の前後方向の中央部位で第2触媒コンバータ40−2と、第4クロスメンバ18−4と第5クロスメンバ18−5間の部位でサブマフラ42とを備え、車両2の後部の第6クロスメンバ18−6と後部メンバ20間の部位でフロア14の下方に配設されたメインマフラ44に接続している。
【0016】
図1、図4に示す如く、キャニスタ36は、燃料タンク38の前側近傍で、リヤプロペラシャフト32と左サイドフレーム8Lとの間に挟まれる空間46に配設され、ボディパネル6及びフロア14に取り付けたキャニスタブラケット48によって支持されている。
【0017】
また、図1に示す如く、車両2の平面視で、両サイドフレームである左サイドフレーム8Lと右サイドフレーム8Rとの間の間隔は、キャニスタ36の側方を通過する部位が間隔Wであり、この間隔Wが、前部の間隔WF及び後部の間隔WBと比較して、最も広くなるように拡げて設定され、キャニスタ36が排気管30から熱影響を受けにくい構造としている。
【0018】
燃料タンク38の下面には、図4に示す如く、車両2の前後方向に延びる凹部50が形成されている。エンジン22に接続された排気管30と変速機24に連結されたリヤプロペラシャフト32とは、この凹部50に通されて燃料タンク38の後方に延出している。
【0019】
図4に示す如く、車両2を後方から視た場合に、凹部50は、下方が開いた山形に形成され、前記フロアトンネル28と略重なるように形成されている。そして、リヤプロペラシャフト32は、この凹部50の山形の頂部50P近傍に配設されるとともに、排気管30のサブマフラ42がリヤプロペラシャフト32に対して下方で且つ車両2の幅方向の右方に偏寄した位置に配設されている。また、キャニスタ36は、車両2の幅方向でリヤプロペラシャフト32に対して排気管30を偏寄した側とは反対側に配設されている。
【0020】
図6に示す如く、キャニスタ36には、左サイドフレーム8L側の側面に燃料タンク38に連結したエバポ配管52と、車両2の前部のエンジン22に連結したパージ配管54と、車両2の後部に延設したエアサクション配管56とを接続しているとともに、切換弁・内圧センサユニット60を取り付け、リヤプロペラシャフト32側の側面にキャニスタブラケット48に取り付けられた遮熱板58を配設している。切換弁・内圧センサユニット60には、ハーネス62が接続している。
【0021】
また、キャニスタ36には、エアサクション配管56を介してエアサクションフィルタ64が接続して設けられている。このエアサクションフィルタ64は、図1、図2に示す如く、左サイドフレーム8Lを挟んで車両2の幅方向でキャニスタ36と並ぶ位置に配設されている。
【0022】
このエアサクションフィルタ64は、図4、図5に示す如く、フィルタケース66内にフィルタエレメント68を備え、エアサクション配管56を、キャニスタ側エアサクション配管56−1と大気側エアサクション配管56−2とに分割し、キャニスタ36と共に、キャニスタブラケット48の上面に一体的に取り付けられている。
【0023】
キャニスタブラケット48は、図6に示す如く、上面に、キャニスタ36、エアサクションフィルタ64、切換弁・内圧センサユニット60等の各周辺部品を集約して設置させるとともにこれら各部品の下面を覆う長方形状の下側部材70と、この下側部材70の左側の前後隅部位から立ち上がった左側取付部72L−1、72L−2と、下側部材70の右側の前後隅部位から立ち上がった右側取付部72R−1、72R−2と、車両2の前側の左側取付部72L−1に連設した左側ブラケット部74Lと、車両2の前側の右側取付部72R−1に連設した右側ブラケット部74Rと、左サイドフレーム8Lを通過させるフレーム用凹部76とを備えている。
【0024】
そして、このキャニスタブラケット52は、車両2の左側の左側取付部72L−1、72L−2がボディパネル6の左立上部6Gに固定具としての取付ボルト78で取り付けられるとともに、車両2の右側の右側取付部72R−1、72R−2がフロア14の下面に取り付けられる。なお、図5において、80Lは、ボディパネル6の左立上部6Gから立ち上がった左側ピラーである。
【0025】
次に、この第1実施例の作用を説明する。
【0026】
図1、図2に示すように、キャニスタ36を、燃料タンク38の前側近傍で、リヤプロペラシャフト32と左サイドフレーム8Lとの間に挟まれる空間46に配設し、車両2の平面視で、左サイドフレーム8Lと右サイドフレーム8Rとの間隔を、キャニスタ36の側方を通過する部位が幅Wで最も広くなるように拡げている。これにより、車両2の幅方向に延びるキャニスタ36を燃料タンク38の近傍に配設し、燃料タンク38とキャニスタ36とを連絡するエバポ配管52の長さを短縮することができ、エバポ配管52からの燃料の透過量を減少させることができる。
【0027】
また、リヤプロペラシャフト32で車両2の幅方向に分断された空間46を拡大し、燃料タンク38で蒸発燃料を吸着するのに充分な容量を備えた大型のキャニスタ36を配設することが可能となり、蒸発燃料の吸着量を増加させ、また、車外への蒸発燃料の放出量を低減することができる。
【0028】
更に、図4に示すように、燃料タンク38の下面に形成された凹部50を、下方に開いた山形に形成し、リヤプロペラシャフト32を山形の頂部50P近傍に配設するとともに、排気管30のサブマフラ42をリヤプロペラシャフト32に対して下方で且つ車両2の幅方向に偏寄した位置に配設し、そして、キャニスタ36を、車両2の幅方向で排気管30を偏寄した側とは反対側に配設する。これにより、キャニスタ36を排気管30から離れた位置に配設し、且つ、キャニスタ36の排気管30に近接する側の側面に遮熱板58を取り付けたため、キャニスタ36が過度に加熱されることを防止し、キャニスタ36ヘの蒸発燃料の吸着量を増加させることができるとともに、車外への蒸発燃料の放出量を低減することができる。
【0029】
更にまた、キャニスタ36にエアサクション配管56を介して接続されるエアサクションフィルタ64を、車両2の幅方向で、左サイドフレーム8Lを挟んでキャニスタ36と対向する位置に配設する。これにより、エアサクション配管56の長さを短縮することができ、エアサクション配管56の通路抵抗を低減し、燃料タンク38で発生した蒸発燃料をキャニスタ36に吸着し易くすることができ、また、左サイドフレーム8Lと左サイドパネル部6Lとの間に形成される空間を利用してエアサクションフィルタ64の大型化を図ることができ、エアサクションフィルタ64の長寿命化を図ることができる。
【0030】
また、キャニスタ36及びエアサクションフィルタ64は、下面を覆うキャニスタブラケット48で車両2に一体的に取り付けられる。これにより、キャニスタブラケット48により、キャニスタ36及びエアサクションフィルタ64を飛び石から保護することができ、また、図6に示す如く、キャニスタブラケット48の上面にキャニスタ36の各周辺部品を集約的に配設することができ、スペースの有効利用を図ることができる。
【0031】
この結果、キャニスタ36を燃料タンク38の前側近傍で、リヤプロペラシャフト32と左サイドフレーム8Lとの間に挟まれる空間46に配設するとともに、車両2の平面視で、左サイドフレーム8Lと右サイドフレーム8Rとの間の間隔を、キャスタ36の側方を通過する部位が幅Wで最も広くなるように拡げたことにより、キャニスタ36の周辺部品の配設を最適化し、燃料タンク38とキャニスタ36とを連絡するエバポ配管52の長さを短縮することができ、エバポ配管52からの蒸発燃料の透過量を減少させるとともに、リヤプロペラシャフト32で車両2の幅方向に分断された空間を拡大し、燃料タンク38で発生する蒸発燃料を吸着するのに充分な大型のキャニスタ36を配設可能とし、車外への蒸発燃料の放出量を低減することができる。
【0032】
また、車両2を後方から視た場合に、凹部50を下方が開いた山形に形成し、リヤプロペラシャフト32を山形の頂部50P近傍に配設するとともに、排気管30をリヤプロペラシャフト32に対して下方で且つ車両2の幅方向に偏寄した位置に配設し、キャニスタ36を、車両2の幅方向でリヤプロペラシャフト32に対して排気管30を偏寄した側と反対側に配設したことにより、キャニスタ36を排気管30から離れた位置に配設し、キャニスタ36が過度に加熱されることを防止することができ、キャニスタ36ヘの蒸発燃料の吸着量を増加させて、車外への蒸発燃料の放出量を低減する。
【0033】
更に、キャニスタ36にエアサクション配管56を介して接続されるエアサクションフィルタ64を、左サイドフレーム8Lを挟んで車両2の幅方向でキャニスタ36と並ぶ位置に配設したことにより、キャニスタ36に隣接する位置にエアサクションフィルタ64を配設し、エアサクション配管56の長さを短縮することができ、エアサクション配管56の通路抵抗を減らし、燃料タンク38で発生した蒸発燃料をキャニスタ36に吸着し易くし、また、エアサクションフィルタ64を大型化することができ、エアサクションフィルタ64の長寿命化を図ることができる。
【実施例2】
【0034】
図7は、この発明の特別構成であり、第2実施例を示すものである。
【0035】
以下の実施例においては、上述の第1実施例と同一機能を果たす箇所には同一符号を付して説明する。
【0036】
この第2実施例の特徴とするところは、以下の点にある。即ち、キャニスタブラケット48のリヤプロペラシャフト32側の下側部材70には、延長部82により遮熱板58をキャニスタ36の端面から離間させてリヤプロペラシャフト32側に配置し、これにより、キャニスタ36の端面と遮熱板58との間に空気流通空間84を形成した。また、遮熱板58の前側には、車両2の右側に指向して空気流通空間84内に積極的に走行風を導く空気導入用板86を設けた。
【0037】
この第2実施例の構成によれば、遮熱板58とキャニスタ36の端面とによって形成された空気流通空間84を通る走行風により、キャニスタ36が過度に加熱されることを、効果的に防止することができる。
【実施例3】
【0038】
図8は、この発明の特別構成であり、第3実施例を示すものである。
【0039】
この第3実施例の特徴とするところは、以下の点にある。即ち、キャニスタブラケット48の前側の下側部材70には、キャニスタ36及び切換弁・内圧センサユニット60等の各周辺部品を、車両2の前方側を覆う保護カバー92を設けた。この保護カバー92は、キャニスタ36及び切換弁・内圧センサユニット60等の前側を覆う前側カバー部94と、キャニスタ36及び切換弁・内圧センサユニット60等の上側を覆う上側カバー部96とからなる。
【0040】
この第3実施例の構成によれば、保護カバー92により、キャニスタ36及び切換弁・内圧センサユニット60等の各周辺部品を飛び石等から容易に保護することができる。
【産業上の利用可能性】
【0041】
キャニスタ周辺に配設される部品の最適化を、各種車両に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】第1実施例において車両の平面図である。
【図2】第1実施例において車両の側面図である。
【図3】第1実施例において図2の矢印IIIによる車両後部の底面図である。
【図4】第1実施例において図1の矢印IV−IVによる車両の後方側から視た断面図である。
【図5】第1実施例においてキャニスタ部位の車両の後方側から視た図である。
【図6】第1実施例においてキャニスタ部位の斜視図である。
【図7】第2実施例においてキャニスタ部位の斜視図である。
【図8】第3実施例においてキャニスタ部位の斜視図である。
【符号の説明】
【0043】
2 車両
8 サイドフレーム
14 フロア
22 エンジン
24 変速機
30 排気管
32 リヤプロペラシャフト
36 キャニスタ
38 燃料タンク
46 空間
48 キャニスタブラケット
50 凹部
52 エバポ配管
54 パージ配管
56 エアサクション配管
64 エアサクションフィルタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の前部にエンジンと変速機とを縦置きに搭載し、前記車両の後輪車軸よりも前側で上面がフロアに覆われるとともに左右両側が一対のサイドフレームに挟まれる位置にキャニスタと燃料タンクとを配設し、この燃料タンクの下面に前記車両の前後方向に延びる凹部を形成し、前記エンジンに接続された排気管と前記変速機に連結されたプロペラシャフトとを、前記凹部を通して前記燃料タンクの後方に延出した車両の下部構造において、前記キャニスタを前記燃料タンクの前側近傍で前記プロペラシャフトと前記サイドフレームとの間に挟まれる空間に配設するとともに、前記車両の平面視で、前記両サイドフレーム間の間隔を、前記キャスタの側方を通過する部位が最も広くなるように拡げて設定したことを特徴とする請求項1に記載の車両の下部構造。
【請求項2】
前記車両を後方から視た場合に、前記凹部を下方が開いた山形に形成し、前記プロペラシャフトを前記山形の頂部近傍に配設するとともに、前記排気管を前記プロペラシャフトに対して下方で且つ前記車両の幅方向に偏寄した位置に配設し、前記キャニスタを、前記車両の幅方向で前記プロペラシャフトに対して前記排気管を偏寄した側とは反対側に配設したことを特徴とする請求項1に記載の車両の下部構造。
【請求項3】
前記キャニスタにエアサクション配管を介して接続されるエアサクションフィルタを、前記サイドフレームを挟んで前記車両の幅方向で前記キャニスタと並ぶ位置に配設したことを特徴とする請求項1に記載の車両の下部構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2006−315521(P2006−315521A)
【公開日】平成18年11月24日(2006.11.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−139813(P2005−139813)
【出願日】平成17年5月12日(2005.5.12)
【出願人】(000002082)スズキ株式会社 (3,196)
【Fターム(参考)】