説明

車両の制動制御装置

【課題】スノーフェードの発生を事前に予測することができ、スノーフェード対策制御を適切なタイミングで開始してスノーフェードの発生を予防することができる制動制御装置を提供することを課題とする。
【解決手段】本発明は、パッドまたはロータへの氷雪の将来における付着可能性を、過去の気象情報または将来の気象情報に基づいて推定し、推定された氷雪の将来における付着可能性およびスノーフェード対策機構の作動開始閾値に基づいて、当該スノーフェード対策機構の作動を開始するよう制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の制動制御装置に関し、特に、スノーフェード対策制御に関する、車両の制動制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、四輪自動車等の車両において、寒冷時にパッドとロータの間に雪や氷が入ることによりブレーキの効きが低下する現象(スノーフェード)が発生した場合に、スノーフェードを防止するスノーフェード対策機構が設けられている。
【0003】
例えば、特許文献1の技術では、スノーフェードが検出された場合に、ブレーキシリンダ液圧の増減を繰り返し、パッドとロータを接触させたり、離間させたりすることにより振動を発生させ、この振動によりパッドとロータとの間に付着した雪や氷を払い落としていた。
【0004】
また、特許文献2の技術では、温度センサが検出する外気温度が予め設定された基準温度未満であるときには、ブレーキアクチュエータを制御し、雪や氷がパッドとロータとの間に入り込まないようパッドをロータに押し付けて、スノーフェードを防止していた。
【0005】
【特許文献1】特開2003−011800号公報
【特許文献2】特開2001−260866号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述した従来技術では、スノーフェードの発生を事前に予測して、スノーフェードの発生を防止することができないという問題点を有していた。
【0007】
特に、特許文献1の技術では、どのようにスノーフェードの発生を検知するか明記されておらず、また、スノーフェードの発生を事前に予測するものではないので、スノーフェードにより一時的なブレーキの効きの低下を避けられないという問題がある。
【0008】
また、特許文献2の技術では、外気温度に基づいてブレーキを制御するものであるが、過去の走行状態や将来の気象情報等を用いていないため走行時に雨や雪が付着した場合の除去が困難であり、また、スノーフェードの発生を事前に予防することができないという問題がある。
【0009】
本発明は、前記問題に鑑みてなされたもので、スノーフェードの発生を事前に予測することができ、スノーフェード対策制御を適切なタイミングで開始してスノーフェードの発生を予防することができる、車両の制動制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の一態様は、制御部を少なくとも備えた、車両の制動制御装置であって、前記制御部は、パッドまたはロータへの氷雪の将来における付着可能性を、過去の気象情報または将来の気象情報に基づいて推定する氷雪推定手段と、前記氷雪推定手段によって推定された前記氷雪の将来における付着可能性、および、スノーフェード対策機構の作動開始閾値に基づいて、当該スノーフェード対策機構の作動を開始するよう制御するスノーフェード対策開始制御手段と、を備えることを特徴とする。
【0011】
また、本発明の制動制御装置では、前記スノーフェード対策機構は、前記パッドと前記ロータとのクリアランスを調整するクリアランス調整手段を備えることを特徴とする。
【0012】
また、本発明の制動制御装置では、前記車両の制動制御装置は、記憶部を更に備えており、前記制御部は、前記過去の気象情報を前記記憶部に格納する気象情報格納手段を更に備え、前記気象情報格納手段によって格納された前記過去の気象情報は、過去の所定時間内に雪または雨の環境を走行した時間、あるいは、過去の所定時間内に雪または雨の降った時間を含むことを特徴とする。
【0013】
また、本発明の制動制御装置では、前記氷雪推定手段は、停車中に、前記将来の気象情報に基づいて、将来の所定時間内に、降雪確率が所定値以上または降水確率が所定値以上であり、かつ、外気温度が所定気温以下である場合に、前記付着可能性を高く推定することを特徴とする。
【0014】
また、本発明の制動制御装置では、前記スノーフェード対策開始制御手段は、前記将来の降雪確率または降水確率に基づいて、前記作動開始閾値を調節することを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
この発明によれば、パッドまたはロータへの氷雪の将来における付着可能性を、過去の気象情報または将来の気象情報に基づいて推定し、推定された氷雪の将来における付着可能性、および、スノーフェード対策機構の作動開始閾値に基づいて、当該スノーフェード対策機構の作動を開始するよう制御するので、スノーフェードの発生を事前に予測することができ、スノーフェード対策制御を適切なタイミングで開始してスノーフェードの発生を予防することができる。
【0016】
また、この発明によれば、スノーフェード対策機構は、パッドとロータとのクリアランスを調整するので、部品の磨耗等による耐久性悪化を予防しながらスノーフェード対策制御を実行することができる。
【0017】
また、この発明によれば、過去の気象情報は、過去の所定時間内に雪または雨の環境を走行した時間、あるいは、過去の所定時間内に雪または雨の降った時間を含むので、過去の環境に基づいて適切にスノーフェードの発生を予測することができ、スノーフェード対策制御を適切なタイミングで開始することによりスノーフェードの発生を予防するとともに、スノーフェード対策制御に用いられる消費エネルギーを低減することができる。
【0018】
また、この発明によれば、停車中に、将来の気象情報に基づいて、将来の所定時間内に、降雪確率が所定値以上または降水確率が所定値以上であり、かつ、外気温度が所定気温以下である場合に付着可能性を高く推定するので、将来の環境に基づいてスノーフェードの発生を予測することができ、スノーフェード対策制御を適切なタイミングで開始することによりスノーフェードの発生を予防するとともに、スノーフェード対策制御に用いられる消費エネルギーを低減することができる。また、車両が停車中の場合を条件とすることにより、走行中の燃費低下を抑制しながらスノーフェード対策制御を実行することができる。
【0019】
また、この発明によれば、スノーフェード対策開始制御手段は、将来の降雪確率または降水確率に基づいて、作動開始閾値を調節するので、スノーフェードが発生しない場合にスノーフェード対策制御が実行されることによる部品の耐久性悪化を予防することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下に、本発明に係る車両の制動制御装置および制動制御方法の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0021】
[本発明の概要]
以下、本発明の概要について説明し、その後、本発明の構成および処理等について詳細に説明する。
【0022】
本発明は、概略的に、以下の基本的特徴を有する。すなわち、本発明は、制御部を少なくとも備えた、車両の制動制御装置であって、パッドまたはロータへの氷雪の将来における付着可能性を、過去の気象情報または将来の気象情報に基づいて推定する。
【0023】
ここで、本制動制御装置は、記憶部を更に備えており、過去の気象情報を記憶部に格納し、格納された過去の気象情報は、過去の所定時間内に雪または雨の環境を走行した時間、あるいは、過去の所定時間内に雪または雨の降った時間を含む情報であってもよい。
【0024】
また、本制動制御装置は、停車中に、将来の気象情報に基づいて、将来の所定時間内に、降雪確率が所定値以上または降水確率が所定値以上であり、かつ、外気温度が所定気温以下である場合に、付着可能性を高く推定してもよい。ここで、「停車中」とは、本制動制御装置を備えた車両が停車状態にあることであり、例えば、イグニッションがOFFの状態や車速が「0」の状態である場合に、本制動制御装置の処理により停車中と判断される。
【0025】
そして、推定された氷雪の将来における付着可能性、および、スノーフェード対策機構の作動開始閾値に基づいて、当該スノーフェード対策機構の作動を開始するよう制御する。
【0026】
ここで、「スノーフェード対策機構」とは、パッドとロータとのクリアランス(隙間)に雪や雨等が入ってブレーキの効きを低下させる現象である「スノーフェード」を防止するための機構である。スノーフェード対策機構として、例えば、パッドとロータとのクリアランスを調整するクリアランス調整手段(例えば、ブレーキアクチュエータ)や、パッドまたはロータを加熱してこれらに付着した氷雪を溶かす加熱手段や、パッドとロータとを摺動させて付着した氷雪を擦り落とす摺動手段等の他、公知の技術(例えば、特許文献1、2に記載の技術等)を用いてもよい。
【0027】
また、ここで、本制動制御装置は、将来の降雪確率または降水確率に基づいて、作動開始閾値を調節してもよい。以上で、本発明の概要の説明を終える。
【0028】
[1−1.制動制御装置100の構成]
図1において制動制御装置100(例えば、ブレーキ制御ECU)は、車両に実装されており、概略的に、制動制御装置100の全体を統括的に制御するCPU等の制御部102、および、各種のデータベースやテーブルなどを格納する記憶部106を備えて構成されており、これら各部は任意の通信路を介して通信可能に接続されている。制動制御装置100は、各種検出部11〜21により検出された信号を取得し、その信号に基づいて、スノーフェード対策機構10の作動を制御する。
【0029】
記憶部106に格納される各種のデータベースやテーブル(気象情報ファイル106a)は、固定ディスク装置等のストレージ手段であり、各種処理に用いる各種のプログラムやテーブルやファイルやデータベース等を格納する。
【0030】
これら記憶部106の各構成要素のうち、気象情報ファイル106aは、過去の気象情報または将来の気象情報を記憶する気象情報記憶手段として機能する。
【0031】
また、図1において、制御部102は、OS(Operating System)等の制御プログラム、各種の処理手順等を規定したプログラム、および所要データを格納するための内部メモリを有し、これらのプログラム等により、種々の処理を実行するための情報処理を行う。制御部102は、機能概念的に、氷雪推定部102a、スノーフェード対策開始制御部102b、気象情報格納部102c、および、バッテリ電圧取得部102dを備えて構成されている。
【0032】
このうち、氷雪推定部102aは、パッドまたはロータへの氷雪の将来における付着可能性を、気象情報ファイル106aに記憶された過去の気象情報または将来の気象情報に基づいて推定する氷雪推定手段として機能する。例えば、氷雪推定部102aは、停車中に、気象情報ファイル106aに記憶された将来の気象情報に基づいて、将来の所定時間内に、降雪確率が所定値以上または降水確率が所定値以上であり、かつ、外気温度が所定気温以下である場合に、付着可能性を高く推定してもよい。また、氷雪推定部102aは、その他の各種検出部11〜21より取得した情報に基づいて付着可能性を推定してもよい。
【0033】
また、スノーフェード対策開始制御部102bは、氷雪推定部102aによって推定された氷雪の将来における付着可能性およびスノーフェード対策機構の作動開始閾値に基づいて、当該スノーフェード対策機構の作動を開始するよう制御するスノーフェード対策開始制御手段として機能する。ここで、スノーフェード対策開始制御部102bは、将来の降雪確率または降水確率に基づいて、作動開始閾値を調節してもよく、例えば、将来の降雪確率または降水確率が低い場合は、閾値を高く設定するよう調節してもよい。
【0034】
また、気象情報格納部102cは、過去の気象情報を気象情報ファイル106aに格納する気象情報格納手段として機能する。ここで、過去の気象情報は、過去の所定時間内に雪または雨の環境を走行した時間や、過去の所定時間内に雪または雨の降った時間等の時間情報を含んでいてもよい。
【0035】
また、バッテリ電圧取得部102dは、バッテリ電圧を検出するバッテリ電圧検出部21を制御して、バッテリ電圧を取得するバッテリ電圧取得手段として機能する。以上で、車両に実装した制動制御装置100の構成の説明を終える。
【0036】
[1−2.スノーフェード対策機構10の構成]
図1においてスノーフェード対策機構10(例えば、ブレーキアクチュエータ)は、概略的に、パッドとロータとのクリアランスを調整するクリアランス調整部10aを備えて構成されており、スノーフェード対策機構10は、制動制御装置100により制御される。なお、スノーフェード対策機構10は、例えば、パッドまたはロータを加熱してこれらに付着した氷雪を溶かす加熱手段、または、パッドとロータとを摺動させて付着した氷雪を擦り落とす摺動手段等を備えてもよい。以上で、スノーフェード対策機構10の構成の説明を終える。
【0037】
[1−3.各種検出部11〜21の構成]
図1において各種検出部(現在の「雨」検出部11〜場所検出部21)は、概略的に、現在の「雨」検出部11、現在の「雪」検出部12、現在の「外気温度」検出部13、将来の「雨」情報取得部14、将来の「雪」情報取得部15、将来の「外気温度」情報取得部16、車速検出部17、IG(イグニッション)ON/OFF検出部18、バッテリ電圧検出部19、時間検出部20、および、場所検出部21を備えて構成されており、制動制御装置100の氷雪推定部102aは、これら各種検出部11〜21を制御して、検出された各信号を取得するよう制御する。
【0038】
このうち、現在の「雨」検出部11は、車両周辺において、現在雨が降っているか否かを検出する現在の「雨」検出手段として機能し、例えば、ワイパー等に取り付けられた雨滴検知センサ、温度検知センサ、および、現在の気象情報を取得するカーナビゲーションシステム等であってもよい。
【0039】
また、現在の「雪」検出部12は、車両周辺において、現在雪が降っているか否かを検出する現在の「雪」検出手段として機能し、例えば、ワイパー等に取り付けられた雨滴検知センサ、温度検知センサ、および、現在の気象情報を取得するカーナビゲーションシステム等であってもよい。
【0040】
また、現在の「外気温度」検出部13は、車両周辺における現在の温度を検出する現在の「外気温度」検出手段として機能し、例えば、温度検知センサ、および、現在の気象情報を取得するカーナビゲーションシステム等であってもよい。
【0041】
また、将来の「雨」情報取得部14は、所定時間経過後の車両周辺において、将来雨が降っているか否かを推定する将来の「雨」情報取得手段として機能し、例えば、天気予報等の将来の気象情報を取得するカーナビゲーションシステム等であってもよい。
【0042】
また、将来の「雪」情報取得部15は、所定時間経過後の車両周辺において、将来雪が降っているか否かを推定する将来の「雪」情報取得手段として機能し、例えば、天気予報等の将来の気象情報を取得するカーナビゲーションシステム等であってもよい。
【0043】
また、将来の「外気温度」情報取得部16は、所定時間経過後の車両周辺における、将来の温度を推定する将来の「外気温度」情報取得手段として機能し、例えば、天気予報等の将来の気象情報を取得するカーナビゲーションシステム等であってもよい。
【0044】
また、車速検出部17は、車両の走行速度を検出する車速検出手段として機能し、例えば、車速センサ等であってもよい。
【0045】
また、IG ON/OFF検出部18は、イグニッション(IG)がオンまたはオフの状態にあるかを検出して、エンジンがオンまたはオフの状態であるかを検知するIG ON/OFF検出手段として機能し、例えば、パルス検知センサ等であってもよい。
【0046】
また、バッテリ電圧検出部19は、現在のバッテリの電圧の状態を検出するバッテリ電圧検出手段として機能し、例えば、バッテリ電圧モニタリング用電流センサ(例えば、ADセンサ)等であってもよい。ここで、バッテリ電圧取得部102dは、バッテリ電圧検出部19を制御して、検出されたバッテリ電圧の状態を表す信号を取得する。
【0047】
また、時間検出部20は、現時刻等を検出する時間検出手段として機能する。
【0048】
また、場所検出部21は、車両の現在位置を検出する場所検出手段として機能し、例えば、カーナビゲーションシステム等に搭載されたグローバルポジショニングシステム(GPS)等であってもよい。以上で、各種検出部11〜21の構成の説明を終える。
【0049】
これにて、本制動制御装置100、スノーフェード対策機構10、および、各種検出部11〜21の構成の説明を終える。
【0050】
[2.制動制御装置100の処理]
次に、このように構成された本実施の形態における制動制御装置100における処理の一例について、以下に図2〜図4を参照して詳細に説明する。図2および図3は、本発明の氷雪推定処理を示すフローチャートであり、図4は、本発明のスノーフェード対策抑制開始制御処理を示すフローチャートである。
【0051】
[2−1.氷雪推定処理]
最初に、制動制御装置100の処理の氷雪推定処理ステップSA−1〜ステップSA−16までの処理を、図2および図3を参照して詳細に説明する。
【0052】
図2に示すように、氷雪推定部102aは、現在の「雨」検出部11を制御して、車両周辺において、現在雨が降っている状態か否か検出をする(ステップSA−1)。
【0053】
そして、氷雪推定部102aは、現在雨が降っている状態であると判断した場合(ステップSA−1:Yes)、IG ON/OFF検出部18を制御して、エンジンがオンかオフかの状態を検知することにより車両が停車状態であるか否かを判断し、車両は停車状態にあると判断した場合、氷雪推定部102aは、時間検出部20を制御して車両の停車状態継続時間を取得し、取得した停車状態継続時間が所定時間t1(t1は、停車中の降雨判定用閾値を示す)以上であるか否かを判断する(ステップSA−2)。なお、氷雪推定部20は、車速検出部17を制御して、車速が「0」であることを検知することにより車両が停車状態であることを判断してもよい(以下も同様)。
【0054】
一方、氷雪推定部102aは、現在雨が降っていない状態であると判断した場合(ステップSA−1:No)、Flag1(停車中に雨が降っていたことを示すフラグ)をOFFにセットし、Flag2(走行中に雨が降っていたことを示すフラグ)をOFFにセットし、ステップSA−6の処理へ進む。
【0055】
ステップSA−2に戻り、氷雪推定部102aは、停車状態継続時間が所定時間t1以上であると判断した場合(ステップSA−2:Yes)、Flag1をONにセットし、Flag2をOFFにセットし、ステップSA−4の処理へ進む。
【0056】
一方、氷雪推定部102aは、停車状態継続時間が所定時間t1未満であると判断した場合(ステップSA−2:No)、時間検出部20を制御して車両の停車状態継続時間を取得し、取得した停車状態継続時間が所定時間t2(t2は、走行中の降雨判定用閾値を示す)以上であるか否かを判断する(ステップSA−3)。
【0057】
そして、氷雪推定部102aは、停車状態継続時間が所定時間t2以上であると判断した場合(ステップSA−3:Yes)、Flag2をONにセットし、Flag1をOFFにセットする。その後、ステップSA−4の処理へ進む。
【0058】
一方、氷雪推定部102aが停車状態継続時間が所定時間t2未満であると判断した場合(ステップSA−3:No)、そのまま、ステップSA−4の処理へ進む。
【0059】
そして、氷雪推定部102aは、現在Flag1はOFFであるが、過去の所定時間t11(t11は、過去の停車中の降雨判定用閾値を示す)以内には、Flag1がONにセットされていたか否かを判断する(ステップSA−4)。
【0060】
そして、氷雪推定部102aが、現在Flag1はOFFであるが、過去の所定時間t11以内には、Flag1がONにセットされていたと判断した場合(ステップSA−4:Yes)、氷雪推定部102aは、Flag11(過去t11以内に停車中に雨が降っていたことを示すフラグ)をONにセットし、ステップSA−5の処理へ進む。
【0061】
一方、氷雪推定部102aが、現在Flag1はOFFであり、過去の所定時間t11以内にも、Flag1がONにセットされていなかったと判断した場合(ステップSA−4:No)、氷雪推定部102aは、Flag11をOFFにセットし、ステップSA−5の処理へ進む。
【0062】
そして、氷雪推定部102aは、現在Flag2はOFFであるが、過去の所定時間t22(t22は、過去の走行中の降雨判定用閾値を示す)以内には、Flag2がONにセットされていたか否かを判断する(ステップSA−5)。
【0063】
そして、氷雪推定部102aは、現在Flag2はOFFであるが、過去の所定時間t22以内には、Flag2がONにセットされていたと判断した場合(ステップSA−5:Yes)、Flag22(過去t22以内に走行中に雨が降っていたことを示すフラグ)をONにセットし、ステップSA−6の処理へ進む。
【0064】
一方、氷雪推定部102aは、現在Flag2はOFFであり、過去の所定時間t22以内にも、Flag2がONにセットされていなかったと判断した場合(ステップSA−5:No)、Flag22をOFFにセットし、ステップSA−6の処理へ進む。
【0065】
そして、氷雪推定部102aは、現在の「雪」検出部12を制御して、車両周辺において、現在雪が降っている状態か否か検出をする(ステップSA−6)。
【0066】
そして、氷雪推定部102aは、現在雪が降っている状態であると判断した場合(ステップSA−6:Yes)、IG ON/OFF検出部18を制御して、車両が停車状態であるか否かを判断し、氷雪推定部102aが車両は停車状態にあると判断した場合、氷雪推定部102aは、時間検出部20を制御して車両の停車状態継続時間を取得し、取得した停車状態継続時間が所定時間t3(t3は、停車中の降雪判定用閾値を示す)以上であるか否かを判断する(ステップSA−7)。
【0067】
一方、氷雪推定部102aは、現在雪が降っていない状態であると判断した場合(ステップSA−6:No)、Flag3(停車中に雪が降っていたことを示すフラグ)をOFFにセットし、Flag4(走行中に雪が降っていたことを示すフラグ)をOFFにセットし、ステップSA−11の処理へ進む。
【0068】
ステップSA−7に戻り、氷雪推定部102aは、停車状態継続時間が所定時間t3以上であると判断した場合(ステップSA−7:Yes)、Flag3をONにセットし、Flag4をOFFにセットする。その後、ステップSA−9の処理へ進む。
【0069】
一方、氷雪推定部102aは、停車状態継続時間が所定時間t3未満であると判断した場合(ステップSA−7:No)、時間検出部20を制御して車両の停車状態継続時間を取得し、取得した停車状態継続時間が所定時間t4(t4は、走行中の降雪判定用閾値を示す)以上であるか否かを判断する(ステップSA−8)。
【0070】
そして、氷雪推定部102aは、停車状態継続時間が所定時間t4以上であると判断した場合(ステップSA−8:Yes)、氷雪推定部102aは、Flag4をONにセットし、Flag3をOFFにセットし、ステップSA−9の処理へ進む。
【0071】
一方、氷雪推定部102aは、停車状態継続時間が所定時間t4未満であると判断した場合(ステップSA−8:No)、そのまま、ステップSA−9の処理へ進む。
【0072】
そして、氷雪推定部102aは、現在Flag3はOFFであるが、過去の所定時間t33(t33は、過去の停車中の降雪判定用閾値を示す)以内には、Flag3がONにセットされていたか否かを判断する(ステップSA−9)。
【0073】
そして、氷雪推定部102aは、現在Flag3はOFFであるが、過去の所定時間t33以内には、Flag3がONにセットされていたと判断した場合(ステップSA−9:Yes)、Flag33(過去t33以内に停車中に雪が降っていたことを示すフラグ)をONにセットし、ステップSA−10の処理へ進む。
【0074】
一方、氷雪推定部102aは、現在Flag3はOFFであり、過去の所定時間t33以内にも、Flag3がONにセットされていなかったと判断した場合(ステップSA−9:No)、氷雪推定部102aは、Flag33をOFFにセットし、ステップSA−10の処理へ進む。
【0075】
そして、氷雪推定部102aは、現在Flag4はOFFであるが、過去の所定時間t44(t44は、過去の走行中の降雪判定用閾値を示す)以内には、Flag4がONにセットされていたか否かを判断する(ステップSA−10)。
【0076】
そして、氷雪推定部102aは、現在Flag4はOFFであるが、過去の所定時間t44以内には、Flag4がONにセットされていたと判断した場合(ステップSA−10:Yes)、Flag44(過去t44以内に走行中に雪が降っていたことを示すフラグ)をONにセットし、ステップSA−11の処理へ進む。
【0077】
一方、氷雪推定部102aは、現在Flag4はOFFであり、過去の所定時間t44以内にも、Flag4がONにセットされていなかったと判断した場合(ステップSA−10:No)、Flag44をOFFにセットし、ステップSA−11の処理へ進む。
【0078】
図3に示すように、氷雪推定部102aは、現在の「外気温度」検出部13を制御して、現在の車両周辺における温度を検出し、所定温度T(例えば、−3℃<T<3℃)以下か否かを判断する(ステップSA−11)。
【0079】
そして、氷雪推定部102aは、所定温度がT以下であると判断した場合(ステップSA−11:Yes)、Flag5(現在の外気温度が低いことを示すフラグ)をONにセットし、ステップSA−12へ進む。
【0080】
一方、氷雪推定部102aが所定温度がTを超えると判断した場合(ステップSA−11:No)、氷雪推定部102aは、Flag5をOFFにセットし、ステップSA−12へ進む。
【0081】
そして、氷雪推定部102aは、将来の「外気温度」情報取得部16を制御して、カーナビゲーションシステム等から気象情報を取得し、取得した気象情報に基づいて、時間検出部20を制御して検出した現在時刻から所定時間t5(例えば、30分<t5<180分)以降に、車両周辺における外気温度がT以下である確率が所定値P(例えば、50%<P<100%)以上であるか否かを判断する(ステップSA−12)。
【0082】
そして、氷雪推定部102aは、外気温度の確率がP以上であると判断した場合(ステップSA−12:Yes)、Flag6(将来の外気温度が低いことを示すフラグ)をONにセットし、ステップSA−13へ進む。
【0083】
一方、氷雪推定部102aは、外気温度の確率がP未満であると判断した場合(ステップSA−12:No)、氷雪推定部102aは、Flag6をOFFにセットし、その後、ステップSA−13へ進む。
【0084】
そして、氷雪推定部102aは、将来の「雨」情報取得部14を制御して、カーナビゲーションシステム等から気象情報を取得し、取得した気象情報に基づいて、時間検出部20を制御して検出した現在時刻から所定時間t6(例えば、30分<t6<180分)以降に、車両周辺において雨が降る降雨確率が所定値P(例えば、50%<P<100%)以上であるか否かを判断する(ステップSA−13)。
【0085】
そして、氷雪推定部102aは、降雨確率がP以上であると判断した場合(ステップSA−13:Yes)、Flag7(将来の降雨確率が高いことを示すフラグ)をONにセットし、ステップSA−14へ進む。
【0086】
一方、氷雪推定部102aは、降雨確率がP未満と判断した場合(ステップSA−13:No)、Flag7をOFFにセットし、ステップSA−14へ進む。
【0087】
そして、氷雪推定部102aは、将来の「雪」情報取得部15を制御して、将来の気象情報を取得し、取得した気象情報に基づいて、時間検出部20を制御して検出した現在時刻から所定時間t7(例えば、30分<t7<180分)以降に、車両周辺において雪が降る降雪確率が所定値P(例えば、50%<P<100%)以上であるか否かを判断する(ステップSA−14)。
【0088】
そして、氷雪推定部102aは、降雪確率がP以上であると判断した場合(ステップSA−14:Yes)、Flag8(将来の降雪確率が高いことを示すフラグ)をONにセットし、ステップSA−15へ進む。
【0089】
一方、氷雪推定部102aは、降雪確率がP未満と判断した場合(ステップSA−14:No)、Flag8をOFFにセットし、ステップSA−15へ進む。
【0090】
そして、氷雪推定部102aは、記憶部106に格納された作動回数(スノーフェード対策機構10が過去の作動した回数)、および、場所検出部21を制御して検出した車両の現在位置に基づいて、過去、所定D日以内に同じ場所でスノーフェードが発生したか否かを判断する(ステップSA−15)。
【0091】
そして、氷雪推定部102aは、所定D日以内に同じ場所でスノーフェードが発生したと判断した場合(ステップSA−15:Yes)、Flag9(過去にスノーフェードが発生した場所にいることを示すフラグ)をONにセットし、ステップSA−16へ進む。
【0092】
一方、氷雪推定部102aは、所定D日以内には同じ場所でスノーフェードが発生しなかった判断した場合(ステップSA−15:No)、Flag9をOFFにセットし、ステップSA−16へ進む。
【0093】
そして、氷雪推定部102aは、Flag5〜9のいずれかのFlagにONがセットされているかを判断する(ステップSA−16)。
【0094】
そして、氷雪推定部102aは、Flag5〜9のいずれかのFlagにONがセットされていると判断した場合(ステップSA−16:Yes)、所定時間t1〜t4のうちの対応する値を減らし、所定時間t11,t22,t33およびt44のうちの対応する値を増やし、その後、ステップSA−17の処理へ進む。
【0095】
一方、氷雪推定部102aは、Flag5〜9のいずれのFlagにもOFFがセットされていると判断した場合(ステップSA−16:No)、所定時間t1〜t4,t11,t22,t33およびt44のうちの対応する値を元に戻し、ステップSA−17の処理へ進む。以上で、氷雪推定処理の説明を終える。
【0096】
[2−2.スノーフェード対策開始制御処理]
次に、制動制御装置100のスノーフェード対策開始制御処理のステップSA−17およびステップSA−18の処理を、図4を参照して詳細に説明する。
【0097】
図4に示すように、スノーフェード対策開始制御部102bは、Flag1〜4,11,22,33,44のいずれかのFlagがONがセットされている状態であるか、または、停車状態(イグニッションがOFFの状態にあるか、または、車速が「0」である状態)の場合に、Flag7にONがセットされており、かつ、Flag5もしくは6にONがセットされているか、または、停車状態の場合にFlag8にONがセットされている状態が成立しているかを判断する(ステップSA−17)。
【0098】
すなわち、スノーフェード対策開始制御部102bは、過去t1(例えば、30分<t1<60分)時間以内に雪の上をt2(例えば、15分<t2<60分)以上走った場合、過去t11(例えば、60分<t11<180分)時間以内にt3(例えば、60分<t3<180分)以上雪が降った場合、過去t4(例えば、30分<t4<60分)時間以内に雨の上をt5(例えば、15分<t5<60分)以上走った場合、過去t44(例えば、60分<t44<180分)時間以内にt6(例えば、60分<t6<180分)以上雨が降った場合、停車状態で将来t8(例えば、30分<t8<180分)時間にわたり雪が降る確率がP2(例えば、50%<P2<100%)以上ある場合、停車状態で将来t9(例えば、30分<t9<180分)時間にわたり雨が降る確率がP3(例えば、50%<P3<100%)以上あり外気温度がT(例えば、−3℃<T<3℃)以下である場合等に、スノーフェード対策機構10の作動を開始するのに十分な付着可能性があると推定する。
【0099】
そして、スノーフェード対策開始制御部102bは、上記状態が成立している(十分な付着可能性あり)と判断した場合(ステップSA−17:Yes)、スノーフェード対策制御機構10を制御して、パッドとロータとのクリアランスを通常位置より狭める。すなわち、スノーフェード対策制御機構10の作動を開始し、ステップSA−18の処理へ進む。
【0100】
一方、スノーフェード対策開始制御部102bが、上記状態が成立していないと判断した場合(ステップSA−17:No)、スノーフェード対策開始制御部102bは、スノーフェード対策制御機構10を制御して、パッドとロータとのクリアランスを通常位置に戻す。すなわち、スノーフェード対策制御機構10の作動を解除する。その後、ステップSA−19の処理へ進む。
【0101】
そして、スノーフェード対策開始制御部102bは、Flag6にOFFがセットされているか、または、バッテリ電圧取得部102dの制御によりバッテリ電圧検出部19から取得した現在のバッテリの電圧が低いか、または、スノーフェード対策機構10が所定時間t55(t55は、スノーフェード対策機構作動持続上限値を示す)以上作動しているか、または、制御部102により推定された走行パターンに基づいて予測された運転開始まで時間が所定時間t66(t66は、運転開始までの時間が近いためスノーフェード対策機構の作動を中断する時間閾値を示す)未満である状態が成立しているかを判断する(ステップSA−18)。
【0102】
ここで、スノーフェード対策開始制御部102bは、例えば、現在の外気温度がTemp3(例えば、−3℃<Temp3<3℃)より低い場合や、雪や雨が降っているような状況においても、過去にスノーフェード対策制御をt(例えば、60分<t<180分)にわたって継続しており、かつ運転開始(または、ドライバーの意思によるブレーキ操作)までの時間がt(例えば、60分<t<180分)より短い状態が成立しているかを判断してもよい。また、スノーフェード対策開始制御部102bは、例えば、バッテリ電圧V(例えば、9v<V<10v)より低い状態が成立しているかを判断してもよい。また、スノーフェード対策開始制御部102bは、例えば、スノーフェード対策制御の作動時間がt(例えば、30分<t<360分)より長い状態が成立しているかを判断してもよい。なお、スノーフェード対策制御の作動時間tは、バッテリ電力量からスノーフェード対策制御で消費する電力量を引いたときにバッテリ電圧が上記状態のバッテリ電圧V(好ましくは、9v<V<10v)を上回るよう設定されているが、ただし、スノーフェード対策制御方法により大きく異なる。
【0103】
そして、スノーフェード対策開始制御部102bは、上記状態が成立していると判断した場合(ステップSA−18:Yes)、スノーフェード対策制御機構10の作動を中断し、スノーフェード対策開始制御処理を終了する。
【0104】
一方、スノーフェード対策開始制御部102bは、上記状態が成立していないと判断した場合(ステップSA−18:No)、スノーフェード対策開始制御処理を終了する。以上で、スノーフェード対策開始制御処理の説明を終える。
【0105】
これにて、制動制御装置100の処理の説明を終える。
【0106】
[他の実施の形態]
さて、これまで本発明の実施の形態について説明したが、本発明は、上述した実施の形態以外にも、上記特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内において種々の異なる実施の形態にて実施されてよいものである。
【0107】
また、実施の形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。
【0108】
このほか、上記文献中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各処理の登録データを含む情報、データベース構成については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0109】
また、制動制御装置100に関して、図示の各構成要素は機能概略的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。
【0110】
例えば、制動制御装置100の各装置が備える処理機能、特に制御部102にて行われる各処理機能については、その全部または任意の一部を、CPU(Central Processing Unit)および当該CPUにて解釈実行されるプログラムにて実現することができ、あるいは、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現することも可能である。尚、プログラムは、後述する記録媒体に記録されており、必要に応じて制動制御装置100に機械的に読み取られる。すなわち、ROMまたはHDなどの記憶部106などは、OS(Operating System)として協働してCPUに命令を与え、各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録されている。このコンピュータプログラムは、RAMにロードされることによって実行され、CPUと協働して制御部を構成する。
【0111】
また、このコンピュータプログラムは、制動制御装置100に対して任意のネットワークを介して接続されたアプリケーションプログラムサーバ(例えば、カーナビゲーション情報を配信するサーバ)に記憶されていてもよく、必要に応じてその全部または一部をダウンロードすることも可能である。
【0112】
また、本発明に係るプログラムを、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納することもできる。ここで、この「記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、EPROM、EEPROM、CD−ROM、MO、DVD等の任意の「可搬用の物理媒体」、あるいは、LAN、WAN、インターネットに代表されるネットワークを介してプログラムを送信する場合の通信回線や搬送波のように、短期にプログラムを保持する「通信媒体」を含むものとする。
【0113】
また、「プログラム」とは、任意の言語や記述方法にて記述されたデータ処理方法であり、ソースコードやバイナリコード等の形式を問わない。なお、「プログラム」は必ずしも単一的に構成されるものに限られず、複数のモジュールやライブラリとして分散構成されるものや、OS(Operating System)に代表される別個のプログラムと協働してその機能を達成するものをも含む。なお、実施の形態に示した各装置において記録媒体を読み取るための具体的な構成、読み取り手順、あるいは、読み取り後のインストール手順等については、周知の構成や手順を用いることができる。
【0114】
記憶部106に格納される各種のデータベース等(気象情報ファイル106a)は、RAM、ROM等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、フレキシブルディスク、光ディスク等のストレージ手段であり、各種処理や各種のプログラムやテーブルやデータベースやファイル等を格納する。
【0115】
また、制動制御装置100は、既知のパーソナルコンピュータ、ワークステーション等の情報処理装置を接続し、該情報処理装置に本発明の方法を実現させるソフトウェア(プログラム、データ等を含む)を実装することにより実現してもよい。
【0116】
更に、装置の分散・統合の具体的形態は図示するものに限られず、その全部または一部を、各種の付加等に応じた任意の単位で、機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。
【産業上の利用可能性】
【0117】
以上詳述に説明したように、本発明によれば、スノーフェードの発生を事前に予測することができ、スノーフェード対策制御を適切なタイミングで開始してスノーフェードの発生を予防することができる制動制御装置を提供することができるので、自動車産業等に利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0118】
【図1】本発明が適用される本制動制御装置の構成の一例を示すブロック図である。
【図2】本実施形態における氷雪推定処理を示すフローチャートである。
【図3】本実施形態における氷雪推定処理を示すフローチャートである。
【図4】本実施形態におけるスノーフェード対策開始制御処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0119】
100 制動制御装置
102 制御部
102a 氷雪推定部
102b スノーフェード対策開始制御部
102c 気象情報格納部
102d バッテリ電圧取得部
106 記憶部
106a 気象情報ファイル
10 スノーフェード対策機構
10a クリアランス調整部
11 現在の「雨」検出部
12 現在の「雪」検出部
13 現在の「外気温度」検出部
14 将来の「雨」情報取得部
15 将来の「雪」情報取得部
16 将来の「外気温度」情報取得部
17 車速検出部
18 IG ON/OFF検出部
19 バッテリ電圧検出部
20 時間検出部
21 場所検出部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御部を少なくとも備えた、車両の制動制御装置であって、
前記制御部は、
パッドまたはロータへの氷雪の将来における付着可能性を、過去の気象情報または将来の気象情報に基づいて推定する氷雪推定手段と、
前記氷雪推定手段によって推定された前記氷雪の将来における付着可能性、および、スノーフェード対策機構の作動開始閾値に基づいて、当該スノーフェード対策機構の作動を開始するよう制御するスノーフェード対策開始制御手段と、
を備えることを特徴とする制動制御装置。
【請求項2】
前記スノーフェード対策機構は、
前記パッドと前記ロータとのクリアランスを調整するクリアランス調整手段
を備えることを特徴とする請求項1に記載の制動制御装置。
【請求項3】
前記車両の制動制御装置は、
記憶部を更に備えており、
前記制御部は、
前記過去の気象情報を前記記憶部に格納する気象情報格納手段
を更に備え、
前記気象情報格納手段によって格納された前記過去の気象情報は、過去の所定時間内に雪または雨の環境を走行した時間、あるいは、過去の所定時間内に雪または雨の降った時間を含むことを特徴とする請求項1に記載の制動制御装置。
【請求項4】
前記氷雪推定手段は、
停車中に、前記将来の気象情報に基づいて、将来の所定時間内に、降雪確率が所定値以上または降水確率が所定値以上であり、かつ、外気温度が所定気温以下である場合に、前記付着可能性を高く推定することを特徴とする請求項1に記載の制動制御装置。
【請求項5】
前記スノーフェード対策開始制御手段は、
前記将来の降雪確率または降水確率に基づいて、前記作動開始閾値を調節することを特徴とする請求項1に記載の制動制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2009−119889(P2009−119889A)
【公開日】平成21年6月4日(2009.6.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−292524(P2007−292524)
【出願日】平成19年11月9日(2007.11.9)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】