説明

車両の制御装置

【課題】アイドルストップを無用に禁止してしまうことを回避できる車両の制御装置を提供する。
【解決手段】車両に搭載されたバッテリーの充電状態SOCが制御目標になるようオルタネーターの発電電圧を可変にする車両の制御装置であって、アイドルストップを許可可能なバッテリー充電状態SOCを設定するアイドルストップ許可SOC設定部(S3)と、減速燃料カット中にオルタネーターの発電によってバッテリーを充電させ、減速燃料カットの途中でバッテリーが満充電近くまで充電された場合に、前記アイドルストップ許可SOCを超える範囲で、バッテリー充電状態SOCの制御目標を下げて再設定するバッテリーSOC調整部(S6,S8)と、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、車両の制御装置、特にアイドルストップ可能な車両用のバッテリーSOC(State Of Charge)を制御する装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近時、車両の走行状態に応じて、オルタネーター(発電機)の発電電圧(充電電圧)を上下するシステムが車両に搭載されつつある。このように発電電圧を可変する制御システムは、減速燃料カット中は発電電圧を上げてバッテリーを積極的に充電しておき、クルマの加速時などは、発電電圧を下げてエンジン負荷を低減することで、燃費を向上できる。
【0003】
そして特許文献1のシステムでは、定常走行時の目標SOCとアイドルストップ許可判定用SOCとをバッテリー劣化度に応じて変更している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−268708号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、定常走行時の目標SOCは、減速燃料カット中により充電できるよう下がっているほうが、充電効率がよい。
【0006】
ただし、充電効率をよくするために目標SOCを下げていくと、目標SOCがアイドルストップを許可できるSOCを下回るためにアイドルストップを許可できなくなってしまうおそれがある。
【0007】
本発明は、このような従来の問題点に着目してなされたものであり、アイドルストップを無用に禁止してしまうことを回避できる車両の制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は以下のような解決手段によって前記課題を解決する。
【0009】
本発明は、車両に搭載されたバッテリーの充電状態SOCが制御目標になるようオルタネーターの発電電圧を可変にする車両の制御装置であって、アイドルストップを許可可能なバッテリー充電状態SOCを設定するアイドルストップ許可SOC設定部と、減速燃料カット中にオルタネーターの発電によってバッテリーを充電させ、減速燃料カットの途中でバッテリーが満充電近くまで充電された場合に、アイドルストップ許可SOCを超える範囲で、バッテリー充電状態SOCの制御目標を下げて再設定するバッテリーSOC調整部と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、アイドルストップを無用に禁止してしまうことを回避できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明による車両の制御装置を適用可能なシステムの一例を示す図である。
【図2】充電状態SOCが同じである新品バッテリーと劣化バッテリーとの状態を模式的に示した図である。
【図3】コントローラーの制御ロジックの一例を示すフローチャートである。
【図4】発電電圧可変制御開始処理の制御ロジックの一例を示すフローチャートである。
【図5】発電回生モードの制御ロジックの一例を示すフローチャートである。
【図6】バッテリーが劣化していない状態で、制御ロジックを実行したときの作動を説明するタイミングチャートである。
【図7】バッテリーが劣化している状態で、制御ロジックを実行したときの作動を説明するタイミングチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下では図面等を参照して本発明を実施するための形態について、さらに詳しく説明する。
【0013】
図1は、本発明による車両の制御装置を適用可能なシステムの一例を示す図である。
【0014】
システム1は、エンジン10と、スターター11と、発電機12と、バッテリー20と、補機類30と、コントローラー50と、を含む。
【0015】
スターター11は、エンジン10を始動する。
【0016】
発電機12は、ベルト13を介してエンジン10に接続される。発電機12は、エンジン出力によって発電する。
【0017】
バッテリー20は、発電機12によって充電される。また必要に応じて、バッテリー20は、スターター11、発電機12、補機類30に電力を供給する。バッテリー20の負極には電流センサー21が取り付けられている。この電流センサー21がバッテリーの充放電電流を検出する。電流センサー21で検出された信号は、コントローラー50に送られる。また、コントローラー50はバッテリー20の端子電圧(すなわち、バッテリー電圧)を検出する機能を備えている。
【0018】
補機類30は、一例を挙げるとカーナビゲーションシステムである。カーナビゲーションシステムは、供給される電圧が低いと画面が消える可能性があるので、常に一定以上の電圧を確保する必要がある。
【0019】
コントローラー50は、電流センサー21などから信号を受信する。そしてコントローラー50は、スターター11、発電機12、補機類30などに制御信号を送信する。コントローラー50は中央演算装置(CPU)、読み出し専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)及び入出力インタフェース(I/Oインタフェース)を備えたマイクロコンピュータで構成される。コントローラー50を複数のマイクロコンピュータで構成してもよい。
【0020】
(本発明の基本コンセプト)
上述したように、近時、車両の走行状態に応じて、オルタネーター(発電機)の発電電圧(充電電圧)を上下するシステムが車両に搭載されつつある。このように発電電圧を可変する制御システムは、減速燃料カット中は発電電圧を上げてバッテリーを積極的に充電しておき、クルマの加速時などは、発電電圧を下げてエンジン負荷を低減することで、燃費を向上できる。
【0021】
バッテリーは満充電に近づくにつれて充電電流が流入しにくくなり、満充電では充電電流が流入しない。そこで、満充電状態にならないように、その一方で空充電状態にもならないように、バッテリーの充電状態を制御することが望ましい。
【0022】
バッテリーの充電状態を示す指標として、バッテリー充電状態SOCが広く用いられる。この充電状態SOCは、次式(1)で定義される。
【0023】
【数1】

【0024】
これを模式的に図示すると、図2のようになる。
【0025】
バッテリー充電状態SOCは、上述のように定義されるが、これを実際に検出することは困難である。
【0026】
そこで簡易的には、バッテリー充電電流の大小で、充電状態SOCの大小を推定する。すなわち、充電状態SOCが大きければ、満充電に近い状態であり、充電電流は流入しにくく小さくなる。そこでバッテリーの充電電流が小さいほど、充電状態SOCが大きいと推定できる。一方、充電状態SOCが小さくなると、充電電流は流入しやすく大きくなる。そこでバッテリーの充電電流が大きいほど、充電状態SOCが小さいと推定できる。
【0027】
このようにして充電状態SOCを推定するが、充電状態SOCが同じでも、バッテリーの劣化度合によって、バッテリー残容量が変わる。バッテリー満充電容量Cfは、バッテリーの劣化度合に依存するからである。図2(A)に示すように、バッテリーが新品であれば、バッテリー満充電容量Cfは大きい。一方、図2(B)に示すように、バッテリーが劣化するほど、バッテリー満充電容量Cfは小さくなる。なお図2(A)及び図2(B)は、充電状態SOCが同じである新品バッテリーと劣化バッテリーとの状態を模式的に示した図である。図2(A)及び図2(B)からわかるように、充電状態SOCが同じでも、バッテリーが劣化しているほど、バッテリー残容量は小さくなる。バッテリー残容量が小さい状態でスターターを始動すると、電圧が大きく降下し、カーナビゲーション画面が一時的に消えるなどのおそれがある。
【0028】
そこで、バッテリーが劣化するにつれて、正常な再始動性を確保するために、アイドルストップを許可可能なバッテリー充電状態SOCを上げる必要がある。
【0029】
一方、オルタネーターの発電電圧を可変にする制御システムにおけるバッテリー充電状態SOCの制御目標は、減速燃料カット中に発電電圧を上げてバッテリーを満充電近くまで充電できるよう予め設定される。しかし減速燃料カットの途中でバッテリーが満充電状態になると高い充電効率が得られない。そこでバッテリーにより充電できるようバッテリー充電状態SOCの制御目標を下げる必要がある。
このように、高い充電効率を得るために制御目標SOCを下げていくと、さらには、バッテリー劣化の進行によってアイドルストップ許可SOCを上げていくと、制御目標SOCがアイドルストップ許可SOCを下回るために、アイドルストップできない状態になるおそれがある。
【0030】
そこで本発明では、SOC制御目標を適切に設定するようにしたのである。具体的な内容を以下に説明する。
【0031】
図3は、コントローラーの制御ロジックの一例を示すフローチャートである。
【0032】
コントローラー1は、以下の処理を微小時間(たとえば10ミリ秒)サイクルで繰り返し実行する。
【0033】
ステップS1においてコントローラーは、スタータースイッチフラグがセットされているか否かを判定する。スタータースイッチフラグがセットされていれば、コントローラーは、ステップS2へ処理を移行する。スタータースイッチフラグがセットされていなければ、コントローラーは、ステップS4へ処理を移行する。
【0034】
ステップS2においてコントローラーは、エンジンクランキング中の電圧降下に基づいてバッテリーの劣化度合を推定する。バッテリーの劣化度合は、エンジンをクランキングしたときのバッテリー電圧の最大降下量に基づいて推定できる。すなわちバッテリーが新品であれば、エンジンクランキング中の電圧の最大降下量は小さいが、バッテリーの劣化度合が進行するほど、エンジンクランキング中の電圧の最大降下量が大きくなる。そこで、エンジンクランキング中の電圧の最大降下量と、バッテリーの劣化度合と、の関係を予め実験によって求めてマップ化しておく。そして、そのマップにエンジンクランキング中の電圧の最大降下量を適用すれば、バッテリーの劣化度合を推定できる。
【0035】
ステップS3においてコントローラーは、バッテリー劣化度合に応じてアイドルストップ許可SOCを設定する。
【0036】
ステップS4においてコントローラーは、発電電圧可変制御中であるか否かを判定する。発電電圧可変制御中でなければ、コントローラーは、ステップS5へ処理を移行する。発電電圧可変制御中であれば、コントローラーは、ステップS7へ処理を移行する。
【0037】
ステップS5においてコントローラーは、発電電圧可変制御の許可条件が成立したか否かを判定する。エンジンクランキング後は、エンジンクランキング中のスターター駆動によってバッテリー充電状態SOCが小さくなるためにオルタネーター発電電圧を最大にするが、バッテリー充電状態SOCが満充電に近い状態になれば発電電圧可変制御を許可する。発電電圧可変制御の許可条件が成立しなければ、コントローラーは、一旦処理を抜ける。発電電圧可変制御の許可条件が成立したら、コントローラーは、ステップS6へ処理を移行する。
【0038】
ステップS6においてコントローラーは、発電電圧可変制御開始処理を実行する。具体的な内容は、後述する。
【0039】
ステップS7においてコントローラーは、減速燃料カット中であるか否かを判定する。減速燃料カットでなければ、コントローラーは、一旦処理を抜ける。減速燃料カット中であれば、コントローラーは、ステップS8へ処理を移行する。
【0040】
ステップS8においてコントローラーは、発電回生モードを処理する。具体的な内容は、後述する。
【0041】
図4は、発電電圧可変制御開始処理の制御ロジックの一例を示すフローチャートである。
【0042】
ステップS61においてコントローラーは、発電電圧可変制御を開始する。すなわち、バッテリー20の充電状態SOCが所定の制御目標になるようオルタネーター12の発電電圧を可変にする。
【0043】
ステップS62においてコントローラーは、発電電圧可変制御のSOC制御目標がアイドルストップ許可SOCを超えるか否かを判定する。発電電圧可変制御のSOC制御目標がアイドルストップ許可SOCを超えていれば、コントローラーは、一旦処理を抜ける。超えていなければ、コントローラーは、ステップS63へ処理を移行する。ここでのSOC制御目標は前回運転の最終値を使い、初回運転であれば、燃費向上の観点で最適となるよう予め設定した目標値を使う。また、SOC制御目標は、基点SOCを中心として上限SOCと下限SOCが設けられている。
【0044】
ステップS63においてコントローラーは、アイドルストップ許可SOCを超えるよう発電電圧可変制御のSOC制御目標を上げる。
【0045】
図5は、発電回生モードの制御ロジックの一例を示すフローチャートである。
【0046】
ステップS81においてコントローラーは、オルタネーター12の発電電圧を最大にし、減速燃料カットの途中でバッテリーが満充電近くまで充電されたか否か、すなわち現在の充放電電流値が基準値を下回るようになったか否かを判定する。下回るようになるまでは、コントローラーは、一旦処理を抜ける。下回るようになったら、コントローラーは、ステップS82へ処理を移行する。
【0047】
ステップS82においてコントローラーは、発電電圧可変制御のSOC制御目標を下げても、アイドルストップ許可SOCを超えているか否かを判定する。超えていれば、コントローラーは、ステップS83へ処理を移行する。超えていなければ、コントローラーは、一旦処理を抜ける。なおSOC制御目標の低下量は、予め一定値が設定されている。
【0048】
ステップS83においてコントローラーは、発電電圧可変制御のSOC制御目標を下げる。
【0049】
図6は、バッテリーが劣化していない状態で、制御ロジックを実行したときの作動を説明するタイミングチャートである。
【0050】
なお上述のフローチャートとの対応が分かりやすくするために、フローチャートのステップ番号にSを付して併記する。
【0051】
以上の制御ロジックが実行されて以下のように作動する。
【0052】
スタータースイッチがセットされておらず(図6(B))、発電電圧可変制御も開始されていない状態では(図6(C))、コントローラーは、ステップS1→S4→S5、を繰り返し処理する。
【0053】
時刻t11でスタータースイッチがセットされたら(図6(B);ステップS1でYes)、コントローラーは、エンジンクランキング中のバッテリーの電圧最小値(電圧最大降下量)に基づいて、バッテリーの劣化度合を求める(ステップS2)。エンジンクランキング中の電圧値は、時刻t12で最小になり、バッテリーの劣化度合が求められる。そしてバッテリーの劣化度合に応じてアイドルストップ許可SOCが設定される(図6(D);ステップS3)。なお図6では、バッテリーの劣化度合に変化がないため、それまでのアイドルストップ許可SOCが維持される。
【0054】
時刻t13でスタータースイッチがリセットされたら(図6(B);ステップS1でNo)、コントローラーは、ステップS1→S4→S5、を繰り返し処理する。
【0055】
時刻t14で発電電圧可変制御の許可条件が成立したら(図6(C);ステップS5でYes)、発電電圧可変制御を開始し(ステップS6→S61)、バッテリー20の充電状態SOCが制御目標になるようオルタネーター(発電機)の発電電圧(充電電圧)を上下する(図6(E))。そして次サイクル以降は、コントローラーは、ステップS1→S4→S7、を繰り返し処理する。
【0056】
時刻t15で減速燃料カット状態になったら(図6(A);ステップS7でYes)、コントローラーは、ステップS1→S4→S7→S8→S81、と処理を進める。オルタネーターの発電電圧を最大にする(図6(E))。
【0057】
時刻t16でバッテリーが満充電近くになり現在の充放電電流値が基準値を下回るようになって(図6(F);ステップS81でYes)、発電電圧可変制御のSOC制御目標を下げてもアイドルストップ許可SOCを超えていれば(ステップS82でYes)、発電電圧可変制御のSOC制御目標を下げる(図6(D);ステップS83)。
【0058】
図7は、バッテリーが劣化している状態で、制御ロジックを実行したときの作動を説明するタイミングチャートである。
【0059】
スタータースイッチがセットされておらず(図7(B))、発電電圧可変制御も開始されていない状態では(図7(C))、コントローラーは、ステップS1→S4→S5、を繰り返し処理する。
【0060】
時刻t21でスタータースイッチがセットされたら(図7(B);ステップS1でYes)、コントローラーは、エンジンクランキング中の電圧最小値に基づいて、バッテリーの劣化度合を求める(ステップS2)。エンジンクランキング中の電圧値は、時刻t22で最小になり、バッテリーの劣化度合が求められる。そしてバッテリーの劣化度合に応じてアイドルストップ許可SOCが再設定される(図7(D);ステップS3)。
【0061】
時刻t23でスタータースイッチがリセットされたら(図7(B);ステップS1でNo)、コントローラーは、ステップS1→S4→S5、を繰り返し処理する。
【0062】
時刻t24で発電電圧可変制御の許可条件が成立したら(図7(C);ステップS5でYes)、発電電圧可変制御を開始する(ステップS6→S61)。図7(D)から明らかなように、発電電圧可変制御のSOC制御目標の一部が、アイドルストップ許可SOCを下回る(ステップS62でNo)。そこで発電電圧可変制御のSOC制御目標を上げる(図7(D);ステップS63)。そして次サイクル以降は、コントローラーは、ステップS1→S4→S7、を繰り返し処理する。
【0063】
時刻t25で減速燃料カット状態になったら(図7(A);ステップS7でYes)、コントローラーは、ステップS1→S4→S7→S8→S81、と処理を進める。
【0064】
時刻t26でバッテリーが満充電近くになり現在の充放電電流値が基準値を下回るようになったが(図7(F);ステップS81でYes)、発電電圧可変制御のSOC制御目標を下げたらアイドルストップ許可SOCを超えないので(ステップS82でNo)、現在の発電電圧可変制御のSOC制御目標を変更しない(図7(D))。
【0065】
本実施形態によれば、アイドルストップ許可SOCを超えるようにバッテリー充電状態SOCの制御目標を設定するようにした。このようにしたので、アイドルストップを無用に禁止してしまうことを回避できる。
【0066】
またバッテリー充電状態SOCの制御目標を下げても、アイドルストップ許可SOCを超えていれば、バッテリー充電状態SOCの制御目標を下げて再設定するようにした。このようにしたので、高い充電効率を得ることができる。
【0067】
以上説明した実施形態に限定されることなく、その技術的思想の範囲内において種々の変形や変更が可能であり、それらも本発明の技術的範囲に含まれることが明白である。
【0068】
たとえば、上記においては、SOC制御目標の低下量が予め一定値に設定される場合を例示したが、充電状態SOCなどに応じて変化させてもよい。
【0069】
また、上記においては、駆動源としてエンジンをのみ使用する車両を例示して説明したが、エンジンと電動機とを併用するいわゆるハイブリッド車両であってもよい。
【0070】
さらに発電機としては、オルタネーターに限らず、オルタネーター機能及びスターター機能を有するSSG(Side mount Starter Generator)であってもよい。
【0071】
また、上記においては、SOC制御目標に上限値SOCと下限値SOCとを設け、SOC制御目標の一部がアイドルストップ許可SOCを下回るとSOC制御目標を上げていたが、SOC制御目標の下限値SOCをアイドルストップ許可SOCに設定してもよい。
【符号の説明】
【0072】
10 エンジン
11 スターター
12 発電機
20 バッテリー
30 補機類
50 コントローラー
ステップS2 バッテリー劣化推定部
ステップS3 アイドルストップ許可SOC設定部
ステップS6,S8 バッテリーSOC調整部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に搭載されたバッテリーの充電状態SOCが制御目標になるようオルタネーターの発電電圧を可変にする車両の制御装置であって、
アイドルストップを許可可能なバッテリー充電状態SOCを設定するアイドルストップ許可SOC設定部と、
減速燃料カット中にオルタネーターの発電によってバッテリーを充電させ、減速燃料カットの途中でバッテリーが満充電近くまで充電された場合に、前記アイドルストップ許可SOCを超える範囲で、バッテリー充電状態SOCの制御目標を下げて再設定するバッテリーSOC調整部と、
を有することを特徴とする車両の制御装置。
【請求項2】
請求項1に記載の車両の制御装置において、
バッテリーの劣化度合を推定するバッテリー劣化推定部を備え、
前記アイドルストップ許可SOC設定部は、前記バッテリーの劣化度合が進行したら、アイドルストップ許可SOCを上げて再設定する、
ことを特徴とする車両の制御装置。
【請求項3】
請求項2に記載の車両の制御装置において、
前記バッテリーSOC調整部は、バッテリー充電状態SOCの制御目標が、再設定されたアイドルストップ許可SOCを下回ってたら、再設定されたアイドルストップ許可SOCを超えるように、バッテリー充電状態SOCの制御目標を上げて再設定する、
ことを特徴とする車両の制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−149345(P2011−149345A)
【公開日】平成23年8月4日(2011.8.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−11786(P2010−11786)
【出願日】平成22年1月22日(2010.1.22)
【出願人】(000003997)日産自動車株式会社 (16,386)
【Fターム(参考)】