説明

車両の制御装置

【課題】キックダウン操作に伴う自動変速機のダウンシフトに際して、ドライバに与える違和感を抑制する。
【解決手段】車両10において、車速Vが上昇する程、自動変速機18の各ギヤ段における最大駆動力Fmaxが減少傾向にある為に、車速Vが低い程、ダウンシフト時の駆動力変化(駆動力差ΔT)が大きくなることに対して、キックダウン操作時の車速Vが自動変速機18の現在のギヤ段毎に定められた所定車速V’以下である場合には、そのキックダウン操作に伴うダウンシフトが禁止されるので、ドライバに違和感を与える可能性がある程に駆動力変化が大きくなるようなダウンシフトが抑制される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、キックダウン操作に伴ってダウンシフトを実行する自動変速機を備えた車両の制御装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
駆動力源からの動力を駆動輪側へ伝達する自動変速機を備えた車両が良く知られている。例えば、特許文献1−3に記載された車両がそれである。一般に、このような車両では、予め記憶された関係(変速マップ)から車速やアクセル開度等の車両状態に基づいてギヤ段(変速段)或いはギヤ比(変速比)が判断され、その判断されたギヤ段(ギヤ比も同意)となるように基本変速制御が実行される。また、このような基本変速制御とは別に、例えばキックダウンスイッチ等により所謂キックダウン操作が判断されると、自動変速機のダウンシフトが実行される。このようなキックダウン操作に伴うダウンシフトは、例えば降坂路走行中などのようにダウンシフト前のギヤ段であっても要求される加速状態が実現される場合には、不要なものである。特許文献1には、アクセル操作に基づいた要求加速度とアクセルペダルの急踏込み後の予測される予想加速度とを比較し、予想加速度が要求加速度に達する場合にはダウンシフトを実行しないことで、不要なダウンシフトを防止することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平5−231515号公報
【特許文献2】特開2010−203590号公報
【特許文献3】特開2010−77997号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記特許文献1に記載された技術では、予想加速度が要求加速度に達しない場合にはダウンシフトが実行されて、駆動力が増大させられる。このとき、ダウンシフトに伴う駆動力変化が考慮されていない為、ドライバ(運転者)の想定を超える駆動力変化が生じて、ドライバに違和感を与える可能性がある。尚、このような課題は未公知であり、ダウンシフトに伴う駆動力変化を考慮してキックダウン操作に伴うダウンシフトの実行を判断することについて未だ提案されていない。
【0005】
本発明は、以上の事情を背景として為されたものであり、その目的とするところは、キックダウン操作に伴う自動変速機のダウンシフトに際して、ドライバに与える違和感を抑制することができる車両の制御装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成する為の第1の発明の要旨とするところは、(a) 駆動力源からの動力を駆動輪側へ伝達する自動変速機を備え、キックダウン操作に伴ってその自動変速機のダウンシフトを実行する車両の制御装置であって、(b) 前記キックダウン操作時の車速が前記自動変速機の現在のギヤ段或いはギヤ比毎に定められた所定車速以下である場合には、そのキックダウン操作に伴う前記ダウンシフトを制限することにある。
【発明の効果】
【0007】
このようにすれば、エンジンの動力を駆動輪側へ伝達する自動変速機を備えた車両においては、一般的に、車速が上昇する程、自動変速機の各ギヤ段(ギヤ比も同意)における最大駆動力が減少傾向にある為に、車速が低い程、ダウンシフト時の駆動力変化が大きくなることに対して、キックダウン操作時の車速が前記所定車速以下である場合には、そのキックダウン操作に伴うダウンシフトが制限されるので、ドライバに違和感を与える可能性がある程に駆動力変化が大きくなるようなダウンシフトが抑制される。よって、キックダウン操作に伴う自動変速機のダウンシフトに際して、ドライバに与える違和感を抑制することができる。
【0008】
ここで、第2の発明は、前記第1の発明に記載の車両の制御装置において、前記キックダウン操作時にダウンシフトすべきギヤ段或いはギヤ比として予め設定された低車速側ギヤ段或いは低車速側ギヤ比への前記自動変速機のダウンシフトを少なくとも禁止することで、そのキックダウン操作に伴う前記ダウンシフトを制限するものである。このようにすれば、ドライバに違和感を与える可能性がある程に駆動力変化が大きくなるようなダウンシフトが確実に抑制される。また、禁止されないギヤ段へのダウンシフトは許容されるので、キックダウン操作にて要求される駆動力への増大分の一部については確保される。
【0009】
また、第3の発明は、前記第1の発明又は第2の発明に記載の車両の制御装置において、前記車両は、前記自動変速機を自動変速する自動変速モードを成立させる自動変速ポジションと人為的な変速操作によりその自動変速機を変速する手動変速モードを成立させる手動変速ポジションとを選択することができるシフトポジション選択装置を備えており、前記ダウンシフトが制限されることがある前記キックダウン操作は、前記手動変速モードが成立させられているときのキックダウン操作である。このようにすれば、手動変速モードでのキックダウン操作に伴う自動変速機のダウンシフトに際して、ドライバに与える違和感を抑制することができる。
【0010】
また、第4の発明は、前記第3の発明に記載の車両の制御装置において、前記手動変速モードが成立させられているときのキックダウン操作では、前記自動変速機を1段低車速側のギヤ段或いは1段低車速側のギヤ段に対応するギヤ比へダウンシフトするか、或いは前記自動変速機を2段以上低車速側の所定ギヤ段或いは2段以上低車速側の所定ギヤ段に対応する所定ギヤ比へダウンシフトするものであり、前記キックダウン操作時の車速が前記所定車速以下である場合には、前記手動変速モードでの前記キックダウン操作に伴う前記ダウンシフトを禁止することにある。このようにすれば、手動変速モードにて走行中にキックダウン操作が為されたときに、ドライバに違和感を与える可能性がある程に駆動力変化が大きくなるようなダウンシフトが確実に抑制される。また、禁止されないギヤ段へのダウンシフトは許容されるので、キックダウン操作にて要求される駆動力への増大分の一部については確保される。
【0011】
また、第5の発明は、前記第1の発明乃至第4の発明の何れか1つに記載の車両の制御装置において、前記車両は、アクセル全開以降のアクセルペダルの更なる踏み込み操作を検出するキックダウンスイッチを備えており、前記キックダウン操作は、前記キックダウンスイッチの操作である。このようにすれば、キックダウンスイッチの操作に伴う自動変速機のダウンシフトに際して、ドライバに与える違和感を抑制することができる。
【0012】
また、第6の発明は、前記第1の発明乃至第5の発明の何れか1つに記載の車両の制御装置において、前記駆動力源としてエンジンを備え、ギヤ段或いはギヤ比毎の最大駆動力における同一のギヤ段間或いは同一のギヤ比間の駆動力差は、車速が低い程、大きくなるものであり、前記所定車速は、前記駆動力差が前記自動変速機の現在のギヤ段或いはギヤ比毎に定められた所定駆動力を超えないように定められることにある。このようにすれば、ドライバに違和感を与える可能性がある程に駆動力変化が大きくなるようなダウンシフトが確実に抑制される。
【0013】
また、第7の発明は、前記第1の発明乃至第6の発明の何れか1つに記載の車両の制御装置において、前記所定車速は、前記自動変速機の現在のギヤ段或いはギヤ比が高車速側である程、高くなるように定められることにある。このようにすれば、自動変速機のギヤ段が高車速側である程、高い車速での走行中であったり、駆動力が小さな状態での走行中であることに対して、ドライバに違和感を与える可能性がある程に駆動力変化が大きくなるようなダウンシフトが確実に抑制される。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明が適用される車両に備えられた動力伝達経路の概略構成を説明する図であると共に、車両に設けられた制御系統の要部を説明する図である。
【図2】電子制御装置の制御機能の要部を説明する機能ブロック線図である。
【図3】自動変速機の基本変速制御においてギヤ段の決定に用いられる変速線図の一例を示す図である。
【図4】各ギヤ段毎の得られる最大駆動力と車速との関係を示す駆動力線図の一例である。
【図5】電子制御装置の制御作動の要部すなわちすなわちキックダウン操作に伴う自動変速機のダウンシフトに際してドライバに与える違和感を抑制する為の制御作動を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明において、好適には、前記駆動力源としては、例えば燃料の燃焼によって動力を発生する内燃機関等のガソリンエンジンやディーゼルエンジン等が好適に用いられるが、電動機等の他の原動機を単独で或いはエンジンと組み合わせて採用することもできる。
【0016】
また、好適には、前記自動変速機は、例えば複数のギヤ段が択一的に達成される公知の遊星歯車式自動変速機、2軸間に備えられた常時噛み合う複数対の変速ギヤの何れかを油圧アクチュエータにより駆動される同期装置によって択一的に動力伝達状態とすることでギヤ段が自動的に切換られる公知の同期噛合型平行2軸式自動変速機、入力軸を2系統備えて各系統の入力軸にクラッチがそれぞれ繋がり更にそれぞれ偶数段と奇数段へと繋がっている型式の同期噛合型平行2軸式自動変速機である所謂DCT(Dual Clutch Transmission)、伝動ベルトが一対の可変プーリに巻き掛けられ変速比が無段階に連続的に変化させられる所謂ベルト式無段変速機、共通の軸心まわりに回転させられる一対のコーンとその軸心と交差する回転中心回転可能な複数個のローラがそれら一対のコーンの間で挟圧されそのローラの回転中心と軸心との交差角が変化させられることによって変速比が可変とされた所謂トラクション型無段変速機、或いはエンジンからの動力を第1電動機及び出力軸へ分配する例えば遊星歯車装置で構成される差動機構とその差動機構の出力軸に設けられた第2電動機とを備えてその差動機構の差動作用によりエンジンからの動力の主部を駆動輪側へ機械的に伝達しエンジンからの動力の残部を第1電動機から第2電動機への電気パスを用いて電気的に伝達することにより電気的に変速比が変更される電気式無段変速機として機能する自動変速機などにより構成される。また、前記自動変速機の車両に対する搭載姿勢は、その自動変速機の軸線が車両の幅方向となるFF(フロントエンジン・フロントドライブ)車両などの横置き型でも、その自動変速機の軸線が車両の前後方向となるFR(フロントエンジン・リヤドライブ)車両などの縦置き型でも良い。
【0017】
以下、本発明の実施例を図面を参照しつつ詳細に説明する。
【実施例】
【0018】
図1は、本発明が適用される車両10に備えられたエンジン14から駆動輪30までの動力伝達経路の概略構成を説明する図であると共に、車両10に設けられた制御系統の要部を説明する図である。図1において、車両用動力伝達装置12(以下、動力伝達装置12という)は、車体にボルト止め等によって取り付けられる非回転部材としてのトランスアクスルケース20(以下、ケース20という)内において、エンジン14側から順番に、トルクコンバータ16、自動変速機18等を備えている。また、動力伝達装置12は、自動変速機18の出力回転部材と噛み合うデフリングギヤ24を一体的に備える差動歯車装置(ディファレンシャルギヤ)26、その差動歯車装置26に連結された1対の車軸28等を備えている。このように構成された動力伝達装置12は、例えばFF(フロントエンジン・フロントドライブ)型の車両10に好適に用いられるものである。動力伝達装置12において、駆動力源としてのエンジン14の動力は、トルクコンバータ16、自動変速機18、差動歯車装置26、及び1対の車軸28等を順次介して1対の駆動輪30へ伝達される。
【0019】
自動変速機18は、エンジン14から駆動輪30までの動力伝達経路の一部を構成し、複数組の遊星歯車装置の回転要素が複数の油圧式摩擦係合装置の何れかによって選択的に連結されることにより複数のギヤ段(変速段)が択一的に成立させられる遊星歯車式自動変速機である。例えば、自動変速機18は、公知の車両によく用いられる所謂クラッチツゥクラッチ変速を行う有段式自動変速機であり、運転者のアクセル操作や車速V等に応じて各ギヤ段が成立させられる。
【0020】
また、本実施例の車両10は、所定の関係としての変速マップ(例えば図3参照)に従って自動変速機18を変速する自動変速モードとドライバ(ユーザ)による変速操作により自動変速機18を変速することが可能な手動変速モードとの間で自動変速機18の変速モードを切り替えることが可能である。その為、車両10には、変速モードを自動変速モードとする為の(すなわち自動変速モードを成立させる為の)自動変速ポジションと変速モードを手動変速モードとする為の(すなわち手動変速モードを成立させる為の)手動変速ポジションとを含む複数種類のシフトポジションPSHを人為的操作により選択することができるシフトポジション選択装置としてのシフトレバー40が例えば運転席近傍に備えられている。
【0021】
シフトレバー40は、自動変速機18における動力伝達経路が遮断されたニュートラル状態すなわち中立状態とし且つ自動変速機18の出力回転部材をロックする為の駐車ポジション(Pポジション)である「P(パーキング)」、後進走行の為の後進走行ポジション(Rポジション)である「R(リバース)」、前記中立状態とする為の中立ポジション(Nポジション)である「N(ニュートラル)」、自動変速モードを成立させて自動変速機18のギヤ段を公知の変速マップに従って自動変速機18に設定された複数のギヤ段(変速段)の何れかへ切り換える自動変速制御を実行させる為の自動変速ポジションとしての前進用の自動走行ポジション(ドライブポジション、Dポジション)である「D(ドライブ)」、又は手動変速モードを成立させて自動変速機18のギヤ段をシフトレバー40の変速操作に応じて上記複数のギヤ段の何れかへ切り換える手動変速制御を実行させる為の手動変速ポジションとしての前進用の手動走行ポジション(マニュアルポジション、Mポジション)である「M(マニュアル)」へ手動操作されるように設けられている。
【0022】
上記Mポジションは、例えば車両10の前後方向において上記Dポジションと同じ位置において車両10の幅方向に隣接して設けられており、シフトレバー40がMポジションへ操作されることにより、自動変速機18のギヤ段が自動変速機18に設定された複数のギヤ段の何れかへシフトレバー40の操作に応じて変更される。具体的には、このMポジションには、車両10の前後方向にアップシフト位置「+」、及びダウンシフト位置「−」が設けられており、シフトレバー40がそれ等のアップシフト位置「+」又はダウンシフト位置「−」へ操作されると、自動変速機18は上記ギヤ段の何れかへ切り換えられる。これにより、自動変速機18は、シフトレバー40のドライバ操作に基づいて、ドライバの所望するギヤ段へ切り換えられる。また、シフトレバー40は、スプリング等の付勢部材により上記アップシフト位置「+」又はダウンシフト位置「−」から、Mポジションへ自動的に戻される。
【0023】
また、車両10には、例えばエンジン14の出力制御や自動変速機18の変速制御などに関連する制御装置を含む電子制御装置80が備えられている。電子制御装置80は、例えばCPU、RAM、ROM、入出力インターフェース等を備えた所謂マイクロコンピュータを含んで構成されており、CPUはRAMの一時記憶機能を利用しつつ予めROMに記憶されたプログラムに従って信号処理を行うことにより車両10の各種制御を実行する。例えば、電子制御装置80は、エンジン14の出力制御、自動変速機18の変速制御等を実行するようになっており、必要に応じてエンジン制御用や油圧制御用(変速制御用)等に分けて構成される。
【0024】
電子制御装置80には、各種センサ(例えばエンジン回転速度センサ50、変速機入力回転速度センサ52、変速機出力回転速度センサ54、アクセル開度センサ56、スロットル弁開度センサ58、エアフローメータ60、シフトポジションセンサ62、ブレーキスイッチ64、キックダウンスイッチ66など)により検出された各種信号(例えばエンジン回転速度N、変速機入力回転速度NIN、車速Vに対応する変速機出力回転速度NOUT、アクセルペダル70の操作量であるアクセル開度Acc、スロットル弁開度θTH、吸入空気量QAIR、シフトレバー40の操作位置であるシフトポジションPSH、フットブレーキペダル72の操作を表すブレーキオン信号BON、キックダウンスイッチ66の操作を表すキックダウン信号KDONなど)が、それぞれ供給される。また、電子制御装置80からは、例えばエンジン14の出力制御の為のエンジン出力制御指令信号S、自動変速機18の変速制御の為に油圧制御回路74を作動させる為の油圧指令信号Sなどが、それぞれ出力される。
【0025】
車両10には、アクセル開度Accが全開(アクセル全開)以降更にアクセルペダル70が踏み込める機構が設けられている。キックダウンスイッチ66は、アクセル全開以降のアクセルペダル70の更なる踏み込み操作を検出する為に設けられており、ある程度の節度感を持って作動するスイッチである。その為、ドライバは、キックダウンさせる意志があるときには、節度を乗り越えてキックダウンスイッチ66を操作することができる。キックダウンとは、アクセルペダル70の踏み込み操作に伴って判断される所謂パワーオンダウンシフトのうちで、アクセル全開乃至アクセル全開付近でのダウンシフトのことであるが、アクセルペダル70の急な踏み増し操作に伴うパワーオンダウンシフトを含めても良い。
【0026】
図2は、電子制御装置80による制御機能の要部を説明する機能ブロック線図である。図2において、変速制御手段すなわち変速制御部82は、自動変速機18の変速制御を実行する。具体的には、変速制御部82は、シフトポジションPSHがDポジションであると判定した場合には、変速モードとして自動変速モードを成立させる。そして、変速制御部82は、例えば図3に示すようなアップシフト線(実線)とダウンシフト線(破線)とを有する予め記憶された関係(変速マップ)から実際の車速V及びアクセル開度Accで示される車両状態に基づいて判断したギヤ段が得られるように自動変速機18の自動変速制御を実行する油圧指令信号Sを油圧制御回路74へ出力する。これにより、Dポジション時の自動変速モードにおいて自動変速機18の変速が自動制御される。また、変速制御部82は、シフトポジションPSHがMポジションであると判定した場合には、変速モードとして手動変速モードを成立させる。そして、変速制御部82は、例えば上記変速マップに依ることなく、シフトレバー40におけるドライバによる変速操作に応じたギヤ段が得られるように自動変速機18の変速制御を実行する油圧指令信号Sを油圧制御回路74へ出力する。これにより、Mポジション時の手動変速モードにおいてドライバ操作に応じた所望のギヤ段に切り換えられる。
【0027】
エンジン出力制御手段すなわちエンジン出力制御部84は、例えばアクセル開度Accをパラメータとして車速Vと目標駆動力Fとの予め実験的に求められて記憶された不図示の関係(駆動力マップ)から実際のアクセル開度Acc及び車速Vに基づいて目標駆動力Fを算出する。この駆動力マップは、車速Vが小さい程またアクセル操作量Accが大きい程目標駆動力Fが大きくなるように設定されている。エンジン出力制御部84は、例えば予め記憶された次式(1)の関係から、目標駆動力F及び変速制御部82により決定された自動変速機18のギヤ段に基づいて目標エンジントルクTを算出する。エンジン出力制御部84は、目標エンジントルクTが得られるように、例えばスロットルアクチュエータにより電子スロットル弁を開閉制御する他、燃料噴射装置による燃料噴射量や噴射時期を制御し、点火装置による点火時期を制御するエンジン出力制御指令信号Sを出力する。尚、rは駆動輪30のタイヤ有効半径、γGは変速制御部82により決定された自動変速機18のギヤ段が達成されたときの自動変速機18の変速比(=変速機入力回転速度NIN/変速機出力回転速度NOUT)、iは自動変速機18の出力回転部材よりも駆動輪30側の動力伝達経路における終減速比、及びtはトルクコンバータ16のトルク比である。
=(F×r)/(γGS×i×t) ・・・(1)
【0028】
ここで、変速制御部82は、キックダウン操作としてのキックダウンスイッチ66の操作に伴って自動変速機18のダウンシフトを実行する。このようなキックダウン操作に伴うダウンシフトは、自動変速モードでの走行中に実行されることはもちろんのこと、ドライバ操作により所望のギヤ段に変速することが可能な手動変速モードでの走行中であっても実行される。変速制御部82は、自動変速モードでの走行中にキックダウン操作が有ったときには、図3に示すような変速マップに従って自動変速機18をダウンシフトする。一方、変速制御部82は、手動変速モードでの走行中にキックダウン操作が有ったときには、手動変速モードでのキックダウン操作時にダウンシフトすべき低車速側のギヤ段(すなわち変速比γGが大きくなるローギヤ)として予め設定された現在のギヤ段よりも1段低車速側のギヤ段へ自動変速機18をダウンシフトする。
【0029】
ところで、自動変速機18のダウンシフトが実行されると、エンジントルクTが変化しない場合には駆動力Fが増大させられる。このとき、ダウンシフトに伴う駆動力変化が考慮されていないと、ドライバの想定を超える駆動力変化が生じて、ドライバに違和感を与える可能性がある。図3に示すような変速マップを予め設定する際には、ダウンシフトに伴う駆動力変化をある程度考慮することも可能である為、変速マップに依ることなくキックダウン操作に伴うダウンシフトが実行される手動変速モードでは、自動変速モードに比較して、ドライバの想定を超える駆動力変化が生じ易いと考えられる。
【0030】
そこで、本実施例の電子制御装置80は、手動変速モードでの走行中にキックダウン操作が有ったときに、自動変速機18のダウンシフトによる駆動力Fの変化量が所定駆動力F’以上となる場合は、キックダウン操作に伴うダウンシフトを禁止する、すなわちキックダウン操作に伴うダウンシフトを実行しない。
【0031】
図4は、各ギヤ段(第1速ギヤ段−第4速ギヤ段)毎の得られる最大駆動力Fmaxと車速Vとの関係を示す駆動力線図である。この図4の駆動力線図は、スロットル弁開度θTHが全開(スロット全開、フルスロットル)のときのエンジントルクTのみによって得られる駆動力Fに対応するものである。図4において、ギヤ段間の駆動力差ΔTがダウンシフトに伴ってステップ的に変化する駆動力変化(すなわち駆動力Fの変化量)となる。例えば、車速VがA[km/h]であるとき、第1速ギヤ段(1st)にて得られる駆動力T1と、第2速ギヤ段(2nd)にて得られる駆動力T2との駆動力差ΔT(1-2)A(=T1−T2)が2→1ダウンシフトに伴ってステップ的に変化する駆動力Fの変化量となる。また、図4に示すように、各ギヤ段毎における最大駆動力Fmaxは、車速Vが上昇する程減少する傾向にあり、且つその減少傾向は、低車速側のギヤ段程大きくなる。その為、車速VがA[km/h]であるときの駆動力差ΔT(1-2)Aと車速VがB[km/h]であるときの駆動力差ΔT(1-2)Bとの比較でも明らかなように、ギヤ段毎の最大駆動力Fmaxにおける同一のギヤ段間の各駆動力差ΔTは、車速Vが低い程大きくなる。従って、この駆動力差ΔTが所定駆動力F’以上となる場合にそのギヤ段間でのダウンシフトを実行しないということは、見方を換えれば、駆動力差ΔTが所定駆動力F’以上となるような低車速側ではダウンシフトを実行しないということである。つまり、本実施例の電子制御装置80は、手動変速モードでの走行中にキックダウン操作が有ったときの車速Vが所定車速V’以下である場合は、キックダウン操作に伴うダウンシフトを実行しない。この所定車速V’は、駆動力差ΔTが所定駆動力F’を超えないように予め求められて設定された閾値である。
【0032】
前記所定駆動力F’は、例えばキックダウン操作に伴うダウンシフトを実行した場合であってもドライバが違和感を感じない駆動力差ΔTとして予め実験的に求められて設定された閾値である。駆動力差ΔTは、低車速側のギヤ段間程大きくなる傾向がある。また、低車速側のギヤ段程、最大駆動力Fmaxが大きいので、ダウンシフトに伴う駆動力差ΔTが大きくても違和感を感じ難いと思われる。その為、前記所定駆動力F’は、例えば自動変速機18の現在のギヤ段が低車速側のギヤ段である程大きくなるように、自動変速機18の現在のギヤ段毎に予め定められる。一方、高い車速Vでの走行となる程、高車速側のギヤ段(すなわち変速比γGが小さくなるハイギヤ)が用いられ、駆動力Fが小さな状態での走行となる傾向があるので、ダウンシフトに伴う駆動力差ΔTが小さくても違和感を感じ易いと思われる。従って、前記所定車速V’は、所定駆動力F’が自動変速機18の現在のギヤ段毎に予め定められることに対応して、自動変速機18の現在のギヤ段が高車速側のギヤ段である程高くなるように、自動変速機18の現在のギヤ段毎に予め定められる。
【0033】
より具体的には、図2に戻り、シフトポジション判定手段すなわちシフトポジション判定部86は、例えばシフトポジションPSHの信号に基づいて、シフトレバー40がMポジションへ操作されているか否か、すなわち手動変速モードが成立させられているか否かを判定する。
【0034】
キックダウン操作有無判定手段すなわちキックダウン操作有無判定部88は、例えばキックダウン信号KDONに基づいて、ドライバによるキックダウン操作が有ったか否かを判定する。すなわち、キックダウン操作有無判定部88は、キックダウン操作が為されたか否かを検出する。
【0035】
ダウンシフト可否判定手段すなわちダウンシフト可否判定部90は、例えばシフトポジション判定部86により手動変速モードが成立させられていると判定され、且つキックダウン操作有無判定部88によりドライバによるキックダウン操作が有ったと判定された場合には、キックダウン操作に伴うダウンシフトを実行したときの駆動力差ΔTが所定駆動力F’以上となるか否かを判定する。すなわち、ダウンシフト可否判定部90は、手動変速モードにてキックダウン操作が有ったときの車速Vが所定車速V’以下であるか否かを判定する。
【0036】
変速制御部82は、ダウンシフト可否判定部90により駆動力差ΔTが所定駆動力F’以上となると判定された場合には、すなわちダウンシフト可否判定部90により車速Vが所定車速V’以下であると判定された場合には、キックダウン操作に伴うダウンシフトを実行しない。一方で、変速制御部82は、ダウンシフト可否判定部90により駆動力差ΔTが所定駆動力F’未満となると判定された場合には、すなわちダウンシフト可否判定部90により車速Vが所定車速V’を超えていると判定された場合には、キックダウン操作に伴うダウンシフトを実行する。
【0037】
図5は、電子制御装置80の制御作動の要部すなわちキックダウン操作に伴う自動変速機18のダウンシフトに際してドライバに与える違和感を抑制する為の制御作動を説明するフローチャートであり、例えば数msec乃至数十msec程度の極めて短いサイクルタイムで繰り返し実行される。
【0038】
図5において、先ず、シフトポジション判定部86に対応するS10において、例えばシフトポジションPSHの信号に基づいてシフトレバー40がMポジションへ操作されているか否かが判定される。このS10の判断が否定される場合は本ルーチンが終了させられるが肯定される場合はキックダウン操作有無判定部88に対応するS20において、例えばキックダウン信号KDONに基づいてドライバによるキックダウン操作が有ったか否かが判定される。このS20の判断が否定される場合は本ルーチンが終了させられるが肯定される場合はダウンシフト可否判定部90に対応するS30において、例えばキックダウン操作に伴うダウンシフトを実行したときの駆動力差ΔTが所定駆動力F’以上となるか否かが判定される。すなわち、車速Vが所定車速V’以下であるか否かが判定される。このS30の判断が肯定される場合は、キックダウン操作に伴うダウンシフトが実行されず、本ルーチンが終了させられる。一方で、上記S30の判断が否定される場合は変速制御部82に対応するS40において、キックダウン操作に伴うダウンシフトが実行される。
【0039】
上述のように、本実施例によれば、車両10において、車速Vが上昇する程、自動変速機18の各ギヤ段における最大駆動力Fmaxが減少傾向にある為に、車速Vが低い程、ダウンシフト時の駆動力変化(駆動力差ΔT)が大きくなることに対して、キックダウン操作時の車速Vが自動変速機18の現在のギヤ段毎に定められた所定車速V’以下である場合には、そのキックダウン操作に伴うダウンシフトが禁止されるので、ドライバに違和感を与える可能性がある程に駆動力変化が大きくなるようなダウンシフトが抑制される。よって、キックダウン操作に伴う自動変速機18のダウンシフトに際して、ドライバに与える違和感を抑制することができる。
【0040】
また、本実施例によれば、ダウンシフトが禁止されることがあるキックダウン操作は、手動変速モードが成立させられているときのキックダウン操作であるので、手動変速モードにて走行中にキックダウン操作が為されたときに、ドライバに違和感を与える可能性がある程に駆動力変化が大きくなるようなダウンシフトが確実に禁止される。よって、手動変速モードでのキックダウン操作に伴う自動変速機18のダウンシフトに際して、ドライバに与える違和感を抑制することができる。
【0041】
また、本実施例によれば、前記キックダウン操作は、キックダウンスイッチ66の操作であるので、キックダウンスイッチ66の操作に伴う自動変速機18のダウンシフトに際して、ドライバに与える違和感を抑制することができる。
【0042】
また、本実施例によれば、ギヤ段毎の最大駆動力Fmaxにおける同一のギヤ段間の駆動力差ΔTは、車速Vが低い程、大きくなるものであり、所定車速V’は、駆動力差ΔTが自動変速機18の現在のギヤ段毎に定められた所定駆動力F’を超えないように定められるので、ドライバに違和感を与える可能性がある程に駆動力変化が大きくなるようなダウンシフトが確実に抑制される。
【0043】
また、本実施例によれば、所定車速V’は、自動変速機18の現在のギヤ段が高車速側である程、高くなるように定められるので、自動変速機18のギヤ段が高車速側である程、高い車速Vでの走行中であったり、駆動力Fが小さな状態での走行中であることに対して、ドライバに違和感を与える可能性がある程に駆動力変化が大きくなるようなダウンシフトが確実に抑制される。
【0044】
以上、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、本発明はその他の態様においても適用される。
【0045】
例えば、前述の実施例では、手動変速モードが成立させられているときのキックダウン操作では、自動変速機18を1段低車速側のギヤ段へダウンシフトするものであったが、自動変速機18を2段以上低車速側の所定ギヤ段へダウンシフトするものであっても良い。そして、キックダウン操作時の車速Vが所定車速V’以下である場合には、少なくともその所定ギヤ段へのダウンシフトを禁止すれば良い。つまり、キックダウン操作に伴うダウンシフト先が2段以上低車速側のギヤ段である場合には、キックダウン操作時にダウンシフトすべきギヤ段として設定された低車速側のギヤ段へのダウンシフトを少なくとも禁止し、少なくとも1段低車速側のギヤ段へのダウンシフトを許容することで、キックダウン操作に伴うダウンシフトを制限しても良い。このようにすれば、キックダウン操作が為されたときに、ドライバに違和感を与える可能性がある程に駆動力変化が大きくなるようなダウンシフトが確実に抑制されると共に、禁止されないギヤ段へのダウンシフトは許容されるので、キックダウン操作にて要求される駆動力Fへの増大分の一部については確保される。上記所定ギヤ段は、例えば現在のギヤ段よりも2段低車速側のギヤ段や3段低車速側のギヤ段というように、現在のギヤ段毎に予め設定されたダウンシフト先のギヤ段である。
【0046】
また、前述の実施例では、手動変速モードは、シフトレバー40の操作に応じてギヤ段が指定されるギヤ段固定のものであったが、これに限らない。例えば、手動変速モードは、自動変速制御における高車速側のギヤ段の使用を制限する所謂マニュアルレンジが設定されるシフトレンジ固定のものであっても良い。このような場合でも、本発明は適用され得る。
【0047】
また、前述の実施例では、キックダウン操作は、キックダウンスイッチ66の操作であったが、これに限らない。例えば、アクセル開度Accの変化量或いは変化速度が所定値を超えるようなアクセルペダル70の踏み込み操作を、キックダウン操作に含めても良い。このような場合でも、本発明は適用され得る。
【0048】
また、前述の実施例では、自動変速モードでの走行に比較してドライバの想定を超える駆動力変化が生じ易いと考えられる手動変速モードでの走行に本発明を適用したが、これに限らない。自動変速モードであってもドライバの想定を超える駆動力変化が生じる可能性があるので、自動変速モードでの走行にも本発明を適用することができる。例えば、自動変速モードでの走行の場合、要求駆動力に因ってはダウンシフト先のギヤ段として2段以上低車速側のギヤ段が設定されることが考えられる。この際、キックダウン操作時の車速Vが所定車速V’以下である場合には、キックダウン操作時にダウンシフトすべきギヤ段として予め設定された低車速側のギヤ段へのダウンシフトを少なくとも禁止することで、キックダウン操作に伴うダウンシフトを制限しても良い。このようにすれば、キックダウン操作が為されたときに、ドライバに違和感を与える可能性がある程に駆動力変化が大きくなるようなダウンシフトが確実に抑制されると共に、禁止されないギヤ段へのダウンシフトは許容されるので、キックダウン操作にて要求される駆動力Fへの増大分の一部については確保される。
【0049】
また、前述の実施例では、自動変速機18は遊星歯車式自動変速機であったが、無段変速機や所謂DCT(Dual Clutch Transmission)などの自動変速機であっても本発明を適用することができる。尚、無段変速機の場合には、自動変速機18のギヤ段に相当するギヤ比が用いられる。或いは、そのギヤ比に対応する変速機の入力回転速度等が用いられる。
【0050】
また、前述の実施例では、所定駆動力F’や所定車速V’は、駆動力変化に基づいて予め求められて記憶された所定値であったが、道路勾配毎や路面状態毎に異なる値が設定されても良い。例えば、滑りやすい路面状態に対応する為の制御様式であるスノーモードがドライバにより選択されているときには、加速志向を反映する為の制御様式であるパワーモードがドライバにより選択されているときと比較して、ダウンシフトが実行され難くするように、小さな所定駆動力F’(すなわち高い所定車速V’)を設定しても良い。
【0051】
また、前述の実施例では、流体伝動装置としてトルクコンバータ16が用いられていたが、トルク増幅作用のないフルードカップリングが用いられても良い。また、流体伝動装置は必ずしも備えられる必要はない。
【0052】
尚、上述したのはあくまでも一実施形態であり、本発明は当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を加えた態様で実施することができる。
【符号の説明】
【0053】
10:車両
14:エンジン(駆動力源)
18:自動変速機
30:駆動輪
40:シフトレバー(シフトポジション選択装置)
66:キックダウンスイッチ
80:電子制御装置(制御装置)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
駆動力源からの動力を駆動輪側へ伝達する自動変速機を備え、キックダウン操作に伴って該自動変速機のダウンシフトを実行する車両の制御装置であって、
前記キックダウン操作時の車速が前記自動変速機の現在のギヤ段或いはギヤ比毎に定められた所定車速以下である場合には、該キックダウン操作に伴う前記ダウンシフトを制限することを特徴とする車両の制御装置。
【請求項2】
前記キックダウン操作時にダウンシフトすべきギヤ段或いはギヤ比として予め設定された低車速側ギヤ段或いは低車速側ギヤ比への前記自動変速機のダウンシフトを少なくとも禁止することで、該キックダウン操作に伴う前記ダウンシフトを制限するものであることを特徴とする請求項1に記載の車両の制御装置。
【請求項3】
前記車両は、前記自動変速機を自動変速する自動変速モードを成立させる自動変速ポジションと人為的な変速操作により該自動変速機を変速する手動変速モードを成立させる手動変速ポジションとを選択することができるシフトポジション選択装置を備えており、
前記ダウンシフトが制限されることがある前記キックダウン操作は、前記手動変速モードが成立させられているときのキックダウン操作であることを特徴とする請求項1又は2に記載の車両の制御装置。
【請求項4】
前記手動変速モードが成立させられているときのキックダウン操作では、前記自動変速機を1段低車速側のギヤ段或いは1段低車速側のギヤ段に対応するギヤ比へダウンシフトするか、或いは前記自動変速機を2段以上低車速側の所定ギヤ段或いは2段以上低車速側の所定ギヤ段に対応する所定ギヤ比へダウンシフトするものであり、
前記キックダウン操作時の車速が前記所定車速以下である場合には、前記手動変速モードでの前記キックダウン操作に伴う前記ダウンシフトを禁止することを特徴とする請求項3に記載の車両の制御装置。
【請求項5】
前記車両は、アクセル全開以降のアクセルペダルの更なる踏み込み操作を検出するキックダウンスイッチを備えており、
前記キックダウン操作は、前記キックダウンスイッチの操作であることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の車両の制御装置。
【請求項6】
前記駆動力源としてエンジンを備え、
ギヤ段或いはギヤ比毎の最大駆動力における同一のギヤ段間或いは同一のギヤ比間の駆動力差は、車速が低い程、大きくなるものであり、
前記所定車速は、前記駆動力差が前記自動変速機の現在のギヤ段或いはギヤ比毎に定められた所定駆動力を超えないように定められることを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載の車両の制御装置。
【請求項7】
前記所定車速は、前記自動変速機の現在のギヤ段或いはギヤ比が高車速側である程、高くなるように定められることを特徴とする請求項1乃至6の何れか1項に記載の車両の制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−87782(P2013−87782A)
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−225716(P2011−225716)
【出願日】平成23年10月13日(2011.10.13)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】