車両の後部車体構造
【課題】上側メンバの閉断面構造により開口部を拡大し、リヤフロアパネルと開口部下縁との段差を小さくして、荷物の良好な出し入れ性を確保し、開口部剛性を下側メンバにて確保し車体剛性や捩り剛性を確保する車両の後部車体構造を提供する。
【解決手段】リヤエンドパネル10に、リヤサイドフレーム9より上側位置で車幅方向に延びる閉断面構造の上側メンバ31と、リヤサイドフレーム9より下側位置で車幅方向に延びる閉断面構造の下側メンバ32と、を設け、上側メンバ31の上下幅が下側メンバ32の上下幅よりも小さく形成され、下側メンバ32の閉断面34を、上側メンバ31の閉断面33より大きく形成したことを特徴とする。
【解決手段】リヤエンドパネル10に、リヤサイドフレーム9より上側位置で車幅方向に延びる閉断面構造の上側メンバ31と、リヤサイドフレーム9より下側位置で車幅方向に延びる閉断面構造の下側メンバ32と、を設け、上側メンバ31の上下幅が下側メンバ32の上下幅よりも小さく形成され、下側メンバ32の閉断面34を、上側メンバ31の閉断面33より大きく形成したことを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、車体後部に荷室にアクセスするための開口部(いわゆる荷室開口)が形成されたような車両の後部車体構造に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、車両の後部に、荷室にアクセスするための開口部が形成された車両においては、該開口部が形成された分だけ車体の後部の剛性が低下する。
このため、上記開口部の周囲に閉断面構造物を配設して、開口部の剛性を確保することが知られている。
【0003】
一方で、荷室の床面を下方に下げて低床と成した場合、荷物の積載量が増加拡大する利点がある反面、低床になる分だけ開口部との上下方向の段差が大きくなり、荷物の出し入れ時に作業者(乗員)の負担が大きくなるという問題があった。
また、上述段差を解消するために、低床構造に対応して開口部の下縁位置を下方に下げると、該開口部がさらに大きくなり、これにより開口剛性が低下するので、後部車体剛性を充分に確保することができない問題点がある。
【0004】
ところで、特許文献1には、荷室にアクセスするために、車体後部に形成された開口部と、この開口部の口縁を形成するリヤエンドメンバを設け、該リヤエンドメンバを上側のリヤエンドメンバと下側のリヤエンドメンバとに分けて、荷室利用時には、上側のリヤエンドメンバを取外すことにより、開口部と荷室床面との間の上下方向の段差を解消し、荷物の積込み取出し時以外時には、上記上側のリヤエンドメンバを車体に取付けておくことにより、開口部剛性を確保したものが開示されている。
しかしながら、上記特許文献1に開示された従来構造においては、上側のリヤエンドメンバが脱着式であるため、この上側のリヤエンドメンバが開口部剛性や後部車体剛性に充分に寄与しているとは云い難く、また該上側のリヤエンドメンバの脱着に手間がかかる問題点があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−216866号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで、この発明は、リヤサイドフレームの後端と接続されて開口部の下縁を形成するリヤエンドパネルに、リヤサイドフレームより上側位置で車幅方向に延びる上側メンバと、リヤサイドフレームより下側位置で車幅方向に延びる下側メンバとを設け、下側メンバの閉断面を、上側メンバの閉断面より大きく形成することで、該上側メンバの閉断面構造により上記開口部を拡大することができ、荷室床面を形成するリヤフロアパネルと開口部下縁との上下方向の段差を小さくすることができ、荷物の出し入れがしやすい荷室を形成することができると共に、開口部剛性を下側メンバにて確保することにより、後部車体剛性や捩り剛性を確保することができる車両の後部車体構造の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明による車両の後部車体構造は、車室後部に形成された荷室と、該荷室の床面を形成するリヤフロアパネルと、該リヤフロアパネルの下部に設けられた左右一対のリヤサイドフレームと、該リヤサイドフレームの後端と接続されると共に、上記荷室にアクセスするために車体後部に形成された開口部の下縁を形成するリヤエンドパネルと、を備えた車両の後部車体構造であって、上記リヤエンドパネルには、上記リヤサイドフレームより上側位置で車幅方向に延びる閉断面構造の上側メンバと、上記リヤサイドフレームより下側位置で車幅方向に延びる閉断面構造の下側メンバと、が設けられ、上記上側メンバの車両上下方向幅が、上記下側メンバの車両上下方向幅に比べて小さく形成されると共に、上記下側メンバの閉断面が、上記上側メンバの閉断面より大きく形成されたものである。
【0008】
上記構成によれば、リヤサイドフレームより下側位置に設けられた下側メンバの閉断面が、上側メンバの閉断面より大きく形成されたものである。換言すれば、リヤサイドフレームより上側位置に設けられた上側メンバの閉断面が、下側メンバの閉断面より小さく形成されたものである。
このように、上側メンバの閉断面を下側メンバの閉断面よりも小さく形成することにより、開口部を拡大することができ、荷室床面を形成するリヤフロアパネルと開口部下縁との上下方向の段差を小さくして、荷物の出し入れがしやすい荷室を形成することができる。
【0009】
また、開口部剛性は下側メンバにて確保することにより、後部車体剛性(開口部剛性)や捩り剛性を確保することができる。
要するに、開口部の拡大と、荷物出し入れ性の確保と、開口部剛性および捩り剛性の確保と、を両立することができる。
【0010】
この発明の一実施態様においては、上記リヤエンドパネルを挟んで上記一対のリヤサイドフレームの各後端部には、衝撃吸収用のクラッシュカンがそれぞれ接続され、上記クラッシュカンの各後端部には、車幅方向に延びるリヤバンパビームが接続されたものである。
上記構成によれば、リヤサイドフレームと衝撃吸収用のクラッシュカンとを直線的に接続することができるので、車両の後突時における荷重伝達性能(いわゆるロードパス性)の向上を図ることができる。
【0011】
この発明の一実施態様においては、上記リヤエンドパネルには、上記下側メンバの両側部から上方に延びて上記上側メンバと接続される縦メンバが設けられたものである。
上記構成によれば、縦メンバで上側メンバと下側メンバとを接続することにより、開口部剛性および捩り剛性のさらなる向上を図ることができる。
【0012】
この発明の一実施態様においては、上記縦メンバは、上記一対のクラッシュカンの車幅方向外側を通るように配設されたものである。
上記構成によれば、縦メンバがクラッシュカンの車幅方向外側位置に配設されたので、リヤサイドフレームの配設位置による開口部の車幅方向の長さが制約を受けるのを防止することができる。
【0013】
この発明の一実施態様においては、上記縦メンバは、上記一対のリヤサイドフレームと上記一対のクラッシュカンとに挟持されるよう該リヤサイドフレームおよび該クラッシュカンと車幅方向の同位置に配設されたものである。
上記構成によれば、縦メンバをリヤサイドフレーム、クラッシュカンと車幅方向の同位置に配設したので、後突時に入力される荷重を、リヤサイドフレームのみならず縦メンバを介してリヤピラーにも伝達することができ、荷重分散を図ることができるので、車体の変形を抑制することができる。
【0014】
この発明の一実施態様においては、上記縦メンバの上端部が上側メンバに連結されると共に、該縦メンバの上端部は上方に延設されて上記開口部の側縁を形成するリヤピラー部を形成し、上記縦メンバと、該縦メンバから車幅方向に延びる上側メンバと、の連通部を閉鎖する補強レインフォースメントが設けられたものである。
上記構成によれば、補強レインフォースメントを設けたので、上側メンバに対する荷重伝達を可及的抑制することができて、車体の変形を抑えることができる。
なお、上述の上側メンバはシール剛性およびストライカ支持剛性が確保できれば充分である。
【発明の効果】
【0015】
この発明によれば、リヤサイドフレームの後端と接続されて開口部の下縁を形成するリヤエンドパネルに、リヤサイドフレームより上側位置で車幅方向に延びる上側メンバと、リヤサイドフレームより下側位置で車幅方向に延びる下側メンバとを設け、下側メンバの閉断面を、上側メンバの閉断面より大きく形成したので、該上側メンバの閉断面構造により上記開口部を拡大することができ、荷室床面を形成するリヤフロアパネルと開口部下縁との上下方向の段差を小さくすることができ、荷物の出し入れがしやすい荷室を形成することができると共に、開口部剛性を下側メンバにて確保することにより、後部車体剛性や捩り剛性を確保することができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の車両の後部車体構造を示す側面図
【図2】図1の要部斜視図
【図3】バンパビーム、クロージングプレート、クラッシュカン等を省略して示す図2の背面図
【図4】図3のA−A線矢視断面図
【図5】図3のB−B線矢視断面図
【図6】リヤエンドメンバとリヤエンドパネルの分解斜視図
【図7】リヤフロアパネルと縦メンバの関連構造を示す分解斜視図
【図8】補強レインフォースメントの取付け構造を示す部分斜視図
【図9】車両の後部車体構造の他の実施例を示す分解斜視図
【図10】バンパビーム、クロージングプレート、クラッシュカン等を省略して示す図9の背面図
【図11】図10のC−C線矢視断面図
【図12】図10のD−D線矢視断面図
【図13】図10のE−E線矢視断面図
【図14】リヤサイドフレームおよびリヤフロアパネルと縦メンバの関連構造を示す分解斜視図
【発明を実施するための形態】
【0017】
車体後部に形成された開口部の拡大と、荷物の出し入れ性の確保と、開口部剛性および捩り剛性の確保と、を両立するという目的を、車室後部に形成された荷室と、該荷室の床面を形成するリヤフロアパネルと、該リヤフロアパネルの下部に設けられた左右一対のリヤサイドフレームと、該リヤサイドフレームの後端と接続されると共に、上記荷室にアクセスするために車体後部に形成された開口部の下縁を形成するリヤエンドパネルと、を備えた車両の後部車体構造において、上記リヤエンドパネルには、上記リヤサイドフレームより上側位置で車幅方向に延びる閉断面構造の上側メンバと、上記リヤサイドフレームより下側位置で車幅方向に延びる閉断面構造の下側メンバと、が設けられ、上記上側メンバの車両上下方向幅が、上記下側メンバの車両上下方向幅に比べて小さく形成されると共に、上記下側メンバの閉断面を、上記上側メンバの閉断面より大きく形成するという構成にて実現した。
【実施例1】
【0018】
この発明の一実施例を以下図面に基づいて詳述する。
図面は車両の後部車体構造を示し、図1、図2において、車室1および車室1後部に形成された荷室2の床面を形成するリヤフロアパネル3を設け、このリヤフロアパネル3の車室1と対応する部分には、リヤシート4を配設している。
【0019】
このリヤシート4は、後席乗員の着座面を形成するシートクッション5と、後席乗員の背もたれ面を形成するシートバック6と、後席乗員の頭部を支持するヘッドレスト7と、を備えている。なお、このリヤシート4はセパレートシートまたはベンチシートにて構成することができる。
【0020】
また、上述のリヤフロアパネル3の荷室2と対応する部位には、下方に段下げ形成されたスペアタイヤパン8を形成している。
さらに、上述のリヤフロアパネル3の下部両サイドには、図1、図2に示すように、左右一対のリヤサイドフレーム9,9を設け、車体強度部材としてのこれら左右のリヤサイドフレーム9と、リヤフロアパネル3との間には、車両の前後方向に延びるリヤサイド閉断面を形成している。
【0021】
左右一対のリヤサイドフレーム9の後端にはリヤエンドパネル10が接続されており、車幅方向および上下方向に延びる該リヤエンドパネル10を挟んで上記一対のリヤサイドフレーム9,9のそれぞれの後端部には、衝撃吸収用のクラッシュカン11,11がそれぞれ接続されている。
上述のリヤサイドフレーム9とクラッシュカン11とは、平面視および側面視で車両の前後方向に連続するように直線的に接続されている。
【0022】
また、左右のクラッシュカン11,11の各後端部には、車幅方向に延びるリヤバンパビーム12が接続されている。このリヤバンパビーム12は車両前方側が開放した断面コ字状に形成されており、該リヤバンパビーム12のコ字状内部には、左右のクラッシュカン11,11と干渉しない位置まで車幅方向に延びるクロージングプレート13が取付けられている。そして、上述のクラッシュカン11とリヤバンパビーム12とクロージングプレート13とで、リヤバンパレインフォースメントが構成されるものである。
【0023】
ここで、上述のリヤサイドフレーム9の後端には、図2に示すように、各一対の接合フランジ部9a,9aが外側に向けて一体に折曲げ形成され、また、クラッシュカン11の前端部には取付けプレート14が一体的に設けられており、図4に示すように、リヤエンドパネル10を挟んでリヤサイドフレーム9の接合フランジ部9aと、取付けプレート14とを、ボルト15、ナット16などの複数の取付け部材で締結することにより、リヤサイドフレーム9の後端部にクラッシュカン11を、前後方向に連続させて、連結したものである。
【0024】
また、図2に示すように、クラッシュカン11の後端には上下一対の接合フランジ部11a,11aを内側に向けて一体に折曲げ形成し、これら接合フランジ部11a,11aをリヤバンパビーム12の対応部に溶接固定することで、左右のクラッシュカン11,11間にリヤバンパビーム12を張架したものである。
【0025】
ところで、図1に示すように、上述のリヤフロアパネル3の前端には、前低後高状に傾斜するキックアップ部17を連続して形成する一方、車室1および荷室2の天井部を形成するルーフパネル18を設け、このルーフパネル18の後端下部には、リヤヘッダ19を接合固定し、このリヤヘッダ19とルーフパネル18との間には、車幅方向に延びるヘッダ閉断面20を形成して、上部車体剛性の向上を図るように構成している。
【0026】
車体後部には、荷室2にアクセスするために開口部21(いわゆる荷室開口)を形成すると共に、この開口部21を開閉自在に覆うバックドア22(リフトゲートと同意)を設けている。
このバックドア22は、バックドアアウタパネル23と、バックドアインナパネル24と、バックウインド25(バックウインドガラスなど)とを備えており、リヤヘッダ19後部の支点26を中心として開閉するものである。
なお、図1において、27はリヤバンパであり、図2において、28はリヤホイールハウスである。
【0027】
図3は、クラッシュカン11、リヤバンパビーム12、クロージングプレート13、取付けプレート14等を省略した状態で示す要部の背面図、図4は図3のA−A線矢視断面図、図5は図3のB−B線矢視断面図、図6は要部の分解斜視図である。
【0028】
図2、図3、図4に示すように、上述のリヤエンドパネル10は開口部21の下縁を形成するものであり、このリヤエンドパネル10の車両前面側には、リヤサイドフレーム9よりも上側位置において車幅方向に延びるハット断面形状の上側メンバ31と、リヤサイドフレーム9よりも下側位置において車幅方向に延びるハット断面形状の下側メンバ32と、が接合固定されており、リヤエンドパネル10と上側メンバ31との間には車幅方向に延びる閉断面33が形成され、また、リヤエンドパネル10と下側メンバ32との間には車幅方向に延びる閉断面34が形成されている。
ここで、上述の上側メンバ31の車両上下方向の幅、つまり高さは、下側メンバ32の車両上下方向の幅、つまり高さと比較して、小さく形成されている。
【0029】
図4に断面図で示すように、上側メンバ31は、前片31aと、上片31bと、下片31cと、上下の接合フランジ片31d,31dと、を一体形成した車体剛性部材であり、同様に、下側メンバ32は、前片32aと、上片32bと、下片32cと、上下の接合フランジ片32d,32dと、を一体形成した車体強度部材である。
ここで、下側メンバ32の閉断面34は、上側メンバ31の閉断面33よりも大きく形成されている。換言すれば、上側メンバ31の閉断面33は、下側メンバ32の閉断面34よりも小さく形成されている。
【0030】
また、上側メンバ31の上下の接合フランジ片31d,31dを、リヤエンドパネル10に溶接固定すると共に、下側メンバ32の上下の接合フランジ片32d,32dを、リヤエンドパネル10に溶接固定して、これら上下の各メンバ31,32を平行に配設したものである。
さらに、上述のリヤエンドパネル10には、下側メンバ32の左右両側部から上方に延びて、上側メンバ31と接続される縦メンバ35が設けられている。
なお、上側メンバ31とフロアパネル3は、上側メンバ31の下側の接合フランジ片31dが、リヤエンドパネル10に溶接固定されると共に、フロアパネル3の後端に形成されたフランジ片3dが下側の接合フランジ片31dを介してリヤエンドパネル10に溶接固定されており、車両上下方向に隣接して設けられており、開口部21下縁とリヤフロアパネル3との上下方向の段差を小さくし、荷物の出し入れがしやすい荷室2を形成している。
【0031】
このように、左右の縦メンバ35,35の上端部は、上側メンバ31の両側部にそれぞれ連結されると共に、これら縦メンバ35,35の上端部は、さらに上方に延設されて上述の開口部21の側縁を形成するリヤピラー部36,36が一体形成されている。このリヤピラー部36は図示しないリヤピラーと接続される。
上述の縦メンバ35は、図6に分解斜視図で示すように、前片35aと、左右の側片35b,35bと、左右の接合フランジ片35c,35cと、を一体形成した車体剛性部材であり、同様に、リヤピラー部36も前片36aと、左右の側片36b,36bと、左右の接合フランジ片36c,36cと、を一体形成した車体剛性部材である。
【0032】
そして、縦メンバ35,35およびリヤピラー部36,36の各接合フランジ片35c,36cを、リヤエンドパネル10に溶接固定し、該リヤエンドパネル10と、縦メンバ35、リヤピラー部36との間には上下方向に連続する閉断面37が形成されている(図5参照)。
さらに、図6に示すように、上述の上側メンバ31,下側メンバ32、左右の縦メンバ35,35、リヤピラー部36,36が一体形成されてリヤエンドメンバ38が構成されている。ここで、上述のリヤエンドパネル10はリヤエンドメンバ38の全体形状と対応する形状に形成されている。また、図6に示すように、閉断面構造の各メンバ31,32,35,35を閉ループ状に接続しているので、車体の捩り剛性をより一層向上させることができる。
【0033】
また、この実施例1では、図2、図3に示すように、縦メンバ35,35は一対のリヤサイドフレーム9,9および一対のクラッシュカン11,11の車幅方向外側を通るように配設されている。
このため、図7に示すように、上述のリヤフロアパネル3の後端部におけるリヤサイドフレーム配設部位の車幅方向外側には、車両前方に向けて窪む凹部39が形成されており、この凹部39に縦メンバ35を配置すべく構成している。
【0034】
さらに、図7の要部を図8に抽出して示すように、縦メンバ35と、該縦メンバ35から車幅方向に延びる上側メンバ31と、の連通部を閉鎖する補強レインフォースメント40が設けられている。
【0035】
図8に示すように、この補強レインフォースメント40は取付け片40aと閉鎖片40bとを一体に折曲げ形成したもので、取付け片40aを縦メンバ35の前片35aに溶接固定し、閉鎖片40bの上部をリヤピラー部36の側片36bに溶接固定し、閉鎖片40bの下部を縦メンバ35の側片35bに溶接固定して、閉断面37,33間の連通を遮断したものである。
一方、上側メンバ31の上片31bにおける車幅方向の中央部には、図1、図4に示すように、バックドア22をロックするためのストライカ41が取付けられている。なお、図中、矢印Fは車両前方を示し、矢印Rは車両後方を示し、矢印INは車両内方を示し、矢印OUTは車両外方を示し、矢印UPは車両上方を示す。
【0036】
このように、図1〜図8で示した実施例1の車両の後部車体構造は、車室1後部に形成された荷室2と、該荷室2の床面を形成するリヤフロアパネル3と、該リヤフロアパネル3の下部に設けられた左右一対のリヤサイドフレーム9,9と、該リヤサイドフレーム9の後端と接続されると共に、上記荷室2にアクセスするために車体後部に形成された開口部21の下縁を形成するリヤエンドパネル10と、を備えた車両の後部車体構造であって、上記リヤエンドパネル10には、上記リヤサイドフレーム9より上側位置で車幅方向に延びる上側メンバ31と、上記リヤサイドフレーム9より下側位置で車幅方向に延びる下側メンバ32と、が設けられ、上側メンバ31の車両上下方向幅が、下側メンバ32の車両上下方向幅に比べて小さく形成されると共に、上記下側メンバ32の閉断面34が、上記上側メンバ31の閉断面33より大きく形成されたものである(図1、図4参照)。
【0037】
この構成によれば、リヤサイドフレーム9より下側位置に設けられた下側メンバ32の閉断面34が、上側メンバ31の閉断面33より大きく形成されたものである。換言すれば、リヤサイドフレーム9より上側位置に設けられた上側メンバ31の閉断面33が、下側メンバ32の閉断面34より小さく形成されたものである。
このように、上側メンバ31の閉断面33を下側メンバ32の閉断面34よりも小さく形成することにより、開口部21を上下方向に拡大することができ、荷室2床面を形成するリヤフロアパネル3と開口部21下縁との上下方向の段差を小さくして、荷物の出し入れがしやすい荷室2を形成することができる。
【0038】
また、開口部21の剛性は下側メンバ32にて確保することにより、後部車体剛性(開口部剛性)や捩り剛性を確保することができる。
要するに、開口部21の拡大と、荷物出し入れ性の確保と、開口部剛性および捩り剛性の確保と、を両立することができる。
【0039】
また、上記リヤエンドパネル10を挟んで上記一対のリヤサイドフレーム9,9の各後端部には、衝撃吸収用のクラッシュカン11,11がそれぞれ接続され、上記クラッシュカン11の各後端部には、車幅方向に延びるリヤバンパビーム12が接続されたものである(図2、図4参照)。
この構成によれば、リヤサイドフレーム9と衝撃吸収用のクラッシュカン11とを直線的に接続することができるので、車両の後突時における荷重伝達性能(いわゆるロードパス性)の向上を図ることができる。つまり、クラッシュカン11とリヤサイドフレーム9とが車両前後方向に直線的に接続されているので、後突入力荷重をクラッシュカン11からリヤサイドフレーム9に良好に伝達することができる。
【0040】
さらに、上記リヤエンドパネル10には、上記下側メンバ32の両側部から上方に延びて上記上側メンバ31と接続される縦メンバ35が設けられたものである(図2、図6参照)。
この構成によれば、縦メンバ35で上側メンバ31と下側メンバ32とを接続することにより、連続した環状の閉断面を形成でき、開口部21の剛性および捩り剛性のさらなる向上を図ることができる。
【0041】
加えて、上記縦メンバ35は、上記一対のクラッシュカン11,11の車幅方向外側を通るように配設されたものである(図2、図3参照)。
この構成によれば、縦メンバ35がクラッシュカン11の車幅方向外側位置に配設されたので、リヤサイドフレーム9の配設位置による開口部21の車幅方向の長さの拡大が制約されるのを防止することができる。
【0042】
さらにまた、上記縦メンバ35の上端部が上側メンバ31に連結されると共に、該縦メンバ35の上端部は上方に延設されて上記開口部21の側縁を形成するリヤピラー部36を形成し、上記縦メンバ35と、該縦メンバ35から車幅方向に延びる上側メンバ31と、の連通部を閉鎖する補強レインフォースメント40が設けられたものである(図7、図8参照)。
この構成によれば、補強レインフォースメント40を設けたので、上側メンバ31に対する荷重伝達を可及的抑制することができて、車体の変形を抑えることができる。
なお、上述の上側メンバ31はシール剛性およびストライカ支持剛性が確保できれば充分である。
【実施例2】
【0043】
図9〜図14は車両の後部車体構造の他の実施例を示すものであって、図9は車両の後部車体構造を示す斜視図、図10は各要素11〜14を省略した状態で示す図9の背面図、図11は図10のC−C線矢視断面図、図12は図10のD−D線矢視断面図、図13は図10のE−E線矢視断面図、図14はリヤサイドフレーム9リヤエンドメンバ38との分解斜視図である。
【0044】
この実施例においては、図9〜図14、特に、図10、図13に示すように、上述の縦メンバ35が、一対のリヤサイドフレーム9,9と、一対のクラッシュカン11,11との間に挟持されるように、縦メンバ35をリヤサイドフレーム9およびクラッシュカン11と車幅方向の同位置に配設したものである。
【0045】
このため、図14に示すように、リヤサイドフレーム9の底片における後端部には、車両前方側に窪む凹部42を形成すると共に、この凹部42と上下方向に対応して、リヤフロアパネル3の後端部にも、車両前方側に窪む凹部43を形成し、これら各凹部42,43の形成位置に上述の縦メンバ35を、図13に示す如く配設している。
【0046】
また、この実施例2の場合には、図13に示すように、リヤサイドフレーム9の接合フランジ部9aと、縦メンバ35の接合フランジ片35cと、リヤエンドパネル10と、クラッシュカン11前端の取付けプレート14と、の合計4部材をボルト15、ナット16等の取付け部材にて締結固定している。
【0047】
このように、図9〜図14で示した実施例2においては、上記縦メンバ35は、上記一対のリヤサイドフレーム9,9と上記一対のクラッシュカン11,11とに挟持されるよう該リヤサイドフレーム9および該クラッシュカン11と車幅方向の同位置に配設されたものである(図10、図13参照)。
この構成によれば、縦メンバ35をリヤサイドフレーム9、クラッシュカン11と車幅方向の同位置に配設したので、後突時に入力される荷重を、リヤサイドフレーム9のみならず縦メンバ35を介してリヤピラー(図示せず)にも伝達することができ、荷重分散を図ることができるので、車体の変形を抑制することができる。
【0048】
図9〜図14で示したこの実施例2においても、その他の構成、作用、効果について、先の実施例1と同様であるから、図9〜図14において、前図と同一の部分には同一符号を付して、その詳しい説明を省略する。
なお、この発明は図1〜図8の実施例1、図9〜図14の実施例2の構成のみに限定されるものではない。
【符号の説明】
【0049】
1…車室
2…荷室
3…リヤフロアパネル
9…リヤサイドフレーム
10…リヤエンドパネル
11…クラッシュカン
12…リヤバンパビーム
21…開口部
31…上側メンバ
32…下側メンバ
33,34…閉断面
35…縦メンバ
36…リヤピラー部
40…補強レインフォースメント
【技術分野】
【0001】
この発明は、車体後部に荷室にアクセスするための開口部(いわゆる荷室開口)が形成されたような車両の後部車体構造に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、車両の後部に、荷室にアクセスするための開口部が形成された車両においては、該開口部が形成された分だけ車体の後部の剛性が低下する。
このため、上記開口部の周囲に閉断面構造物を配設して、開口部の剛性を確保することが知られている。
【0003】
一方で、荷室の床面を下方に下げて低床と成した場合、荷物の積載量が増加拡大する利点がある反面、低床になる分だけ開口部との上下方向の段差が大きくなり、荷物の出し入れ時に作業者(乗員)の負担が大きくなるという問題があった。
また、上述段差を解消するために、低床構造に対応して開口部の下縁位置を下方に下げると、該開口部がさらに大きくなり、これにより開口剛性が低下するので、後部車体剛性を充分に確保することができない問題点がある。
【0004】
ところで、特許文献1には、荷室にアクセスするために、車体後部に形成された開口部と、この開口部の口縁を形成するリヤエンドメンバを設け、該リヤエンドメンバを上側のリヤエンドメンバと下側のリヤエンドメンバとに分けて、荷室利用時には、上側のリヤエンドメンバを取外すことにより、開口部と荷室床面との間の上下方向の段差を解消し、荷物の積込み取出し時以外時には、上記上側のリヤエンドメンバを車体に取付けておくことにより、開口部剛性を確保したものが開示されている。
しかしながら、上記特許文献1に開示された従来構造においては、上側のリヤエンドメンバが脱着式であるため、この上側のリヤエンドメンバが開口部剛性や後部車体剛性に充分に寄与しているとは云い難く、また該上側のリヤエンドメンバの脱着に手間がかかる問題点があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−216866号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで、この発明は、リヤサイドフレームの後端と接続されて開口部の下縁を形成するリヤエンドパネルに、リヤサイドフレームより上側位置で車幅方向に延びる上側メンバと、リヤサイドフレームより下側位置で車幅方向に延びる下側メンバとを設け、下側メンバの閉断面を、上側メンバの閉断面より大きく形成することで、該上側メンバの閉断面構造により上記開口部を拡大することができ、荷室床面を形成するリヤフロアパネルと開口部下縁との上下方向の段差を小さくすることができ、荷物の出し入れがしやすい荷室を形成することができると共に、開口部剛性を下側メンバにて確保することにより、後部車体剛性や捩り剛性を確保することができる車両の後部車体構造の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明による車両の後部車体構造は、車室後部に形成された荷室と、該荷室の床面を形成するリヤフロアパネルと、該リヤフロアパネルの下部に設けられた左右一対のリヤサイドフレームと、該リヤサイドフレームの後端と接続されると共に、上記荷室にアクセスするために車体後部に形成された開口部の下縁を形成するリヤエンドパネルと、を備えた車両の後部車体構造であって、上記リヤエンドパネルには、上記リヤサイドフレームより上側位置で車幅方向に延びる閉断面構造の上側メンバと、上記リヤサイドフレームより下側位置で車幅方向に延びる閉断面構造の下側メンバと、が設けられ、上記上側メンバの車両上下方向幅が、上記下側メンバの車両上下方向幅に比べて小さく形成されると共に、上記下側メンバの閉断面が、上記上側メンバの閉断面より大きく形成されたものである。
【0008】
上記構成によれば、リヤサイドフレームより下側位置に設けられた下側メンバの閉断面が、上側メンバの閉断面より大きく形成されたものである。換言すれば、リヤサイドフレームより上側位置に設けられた上側メンバの閉断面が、下側メンバの閉断面より小さく形成されたものである。
このように、上側メンバの閉断面を下側メンバの閉断面よりも小さく形成することにより、開口部を拡大することができ、荷室床面を形成するリヤフロアパネルと開口部下縁との上下方向の段差を小さくして、荷物の出し入れがしやすい荷室を形成することができる。
【0009】
また、開口部剛性は下側メンバにて確保することにより、後部車体剛性(開口部剛性)や捩り剛性を確保することができる。
要するに、開口部の拡大と、荷物出し入れ性の確保と、開口部剛性および捩り剛性の確保と、を両立することができる。
【0010】
この発明の一実施態様においては、上記リヤエンドパネルを挟んで上記一対のリヤサイドフレームの各後端部には、衝撃吸収用のクラッシュカンがそれぞれ接続され、上記クラッシュカンの各後端部には、車幅方向に延びるリヤバンパビームが接続されたものである。
上記構成によれば、リヤサイドフレームと衝撃吸収用のクラッシュカンとを直線的に接続することができるので、車両の後突時における荷重伝達性能(いわゆるロードパス性)の向上を図ることができる。
【0011】
この発明の一実施態様においては、上記リヤエンドパネルには、上記下側メンバの両側部から上方に延びて上記上側メンバと接続される縦メンバが設けられたものである。
上記構成によれば、縦メンバで上側メンバと下側メンバとを接続することにより、開口部剛性および捩り剛性のさらなる向上を図ることができる。
【0012】
この発明の一実施態様においては、上記縦メンバは、上記一対のクラッシュカンの車幅方向外側を通るように配設されたものである。
上記構成によれば、縦メンバがクラッシュカンの車幅方向外側位置に配設されたので、リヤサイドフレームの配設位置による開口部の車幅方向の長さが制約を受けるのを防止することができる。
【0013】
この発明の一実施態様においては、上記縦メンバは、上記一対のリヤサイドフレームと上記一対のクラッシュカンとに挟持されるよう該リヤサイドフレームおよび該クラッシュカンと車幅方向の同位置に配設されたものである。
上記構成によれば、縦メンバをリヤサイドフレーム、クラッシュカンと車幅方向の同位置に配設したので、後突時に入力される荷重を、リヤサイドフレームのみならず縦メンバを介してリヤピラーにも伝達することができ、荷重分散を図ることができるので、車体の変形を抑制することができる。
【0014】
この発明の一実施態様においては、上記縦メンバの上端部が上側メンバに連結されると共に、該縦メンバの上端部は上方に延設されて上記開口部の側縁を形成するリヤピラー部を形成し、上記縦メンバと、該縦メンバから車幅方向に延びる上側メンバと、の連通部を閉鎖する補強レインフォースメントが設けられたものである。
上記構成によれば、補強レインフォースメントを設けたので、上側メンバに対する荷重伝達を可及的抑制することができて、車体の変形を抑えることができる。
なお、上述の上側メンバはシール剛性およびストライカ支持剛性が確保できれば充分である。
【発明の効果】
【0015】
この発明によれば、リヤサイドフレームの後端と接続されて開口部の下縁を形成するリヤエンドパネルに、リヤサイドフレームより上側位置で車幅方向に延びる上側メンバと、リヤサイドフレームより下側位置で車幅方向に延びる下側メンバとを設け、下側メンバの閉断面を、上側メンバの閉断面より大きく形成したので、該上側メンバの閉断面構造により上記開口部を拡大することができ、荷室床面を形成するリヤフロアパネルと開口部下縁との上下方向の段差を小さくすることができ、荷物の出し入れがしやすい荷室を形成することができると共に、開口部剛性を下側メンバにて確保することにより、後部車体剛性や捩り剛性を確保することができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の車両の後部車体構造を示す側面図
【図2】図1の要部斜視図
【図3】バンパビーム、クロージングプレート、クラッシュカン等を省略して示す図2の背面図
【図4】図3のA−A線矢視断面図
【図5】図3のB−B線矢視断面図
【図6】リヤエンドメンバとリヤエンドパネルの分解斜視図
【図7】リヤフロアパネルと縦メンバの関連構造を示す分解斜視図
【図8】補強レインフォースメントの取付け構造を示す部分斜視図
【図9】車両の後部車体構造の他の実施例を示す分解斜視図
【図10】バンパビーム、クロージングプレート、クラッシュカン等を省略して示す図9の背面図
【図11】図10のC−C線矢視断面図
【図12】図10のD−D線矢視断面図
【図13】図10のE−E線矢視断面図
【図14】リヤサイドフレームおよびリヤフロアパネルと縦メンバの関連構造を示す分解斜視図
【発明を実施するための形態】
【0017】
車体後部に形成された開口部の拡大と、荷物の出し入れ性の確保と、開口部剛性および捩り剛性の確保と、を両立するという目的を、車室後部に形成された荷室と、該荷室の床面を形成するリヤフロアパネルと、該リヤフロアパネルの下部に設けられた左右一対のリヤサイドフレームと、該リヤサイドフレームの後端と接続されると共に、上記荷室にアクセスするために車体後部に形成された開口部の下縁を形成するリヤエンドパネルと、を備えた車両の後部車体構造において、上記リヤエンドパネルには、上記リヤサイドフレームより上側位置で車幅方向に延びる閉断面構造の上側メンバと、上記リヤサイドフレームより下側位置で車幅方向に延びる閉断面構造の下側メンバと、が設けられ、上記上側メンバの車両上下方向幅が、上記下側メンバの車両上下方向幅に比べて小さく形成されると共に、上記下側メンバの閉断面を、上記上側メンバの閉断面より大きく形成するという構成にて実現した。
【実施例1】
【0018】
この発明の一実施例を以下図面に基づいて詳述する。
図面は車両の後部車体構造を示し、図1、図2において、車室1および車室1後部に形成された荷室2の床面を形成するリヤフロアパネル3を設け、このリヤフロアパネル3の車室1と対応する部分には、リヤシート4を配設している。
【0019】
このリヤシート4は、後席乗員の着座面を形成するシートクッション5と、後席乗員の背もたれ面を形成するシートバック6と、後席乗員の頭部を支持するヘッドレスト7と、を備えている。なお、このリヤシート4はセパレートシートまたはベンチシートにて構成することができる。
【0020】
また、上述のリヤフロアパネル3の荷室2と対応する部位には、下方に段下げ形成されたスペアタイヤパン8を形成している。
さらに、上述のリヤフロアパネル3の下部両サイドには、図1、図2に示すように、左右一対のリヤサイドフレーム9,9を設け、車体強度部材としてのこれら左右のリヤサイドフレーム9と、リヤフロアパネル3との間には、車両の前後方向に延びるリヤサイド閉断面を形成している。
【0021】
左右一対のリヤサイドフレーム9の後端にはリヤエンドパネル10が接続されており、車幅方向および上下方向に延びる該リヤエンドパネル10を挟んで上記一対のリヤサイドフレーム9,9のそれぞれの後端部には、衝撃吸収用のクラッシュカン11,11がそれぞれ接続されている。
上述のリヤサイドフレーム9とクラッシュカン11とは、平面視および側面視で車両の前後方向に連続するように直線的に接続されている。
【0022】
また、左右のクラッシュカン11,11の各後端部には、車幅方向に延びるリヤバンパビーム12が接続されている。このリヤバンパビーム12は車両前方側が開放した断面コ字状に形成されており、該リヤバンパビーム12のコ字状内部には、左右のクラッシュカン11,11と干渉しない位置まで車幅方向に延びるクロージングプレート13が取付けられている。そして、上述のクラッシュカン11とリヤバンパビーム12とクロージングプレート13とで、リヤバンパレインフォースメントが構成されるものである。
【0023】
ここで、上述のリヤサイドフレーム9の後端には、図2に示すように、各一対の接合フランジ部9a,9aが外側に向けて一体に折曲げ形成され、また、クラッシュカン11の前端部には取付けプレート14が一体的に設けられており、図4に示すように、リヤエンドパネル10を挟んでリヤサイドフレーム9の接合フランジ部9aと、取付けプレート14とを、ボルト15、ナット16などの複数の取付け部材で締結することにより、リヤサイドフレーム9の後端部にクラッシュカン11を、前後方向に連続させて、連結したものである。
【0024】
また、図2に示すように、クラッシュカン11の後端には上下一対の接合フランジ部11a,11aを内側に向けて一体に折曲げ形成し、これら接合フランジ部11a,11aをリヤバンパビーム12の対応部に溶接固定することで、左右のクラッシュカン11,11間にリヤバンパビーム12を張架したものである。
【0025】
ところで、図1に示すように、上述のリヤフロアパネル3の前端には、前低後高状に傾斜するキックアップ部17を連続して形成する一方、車室1および荷室2の天井部を形成するルーフパネル18を設け、このルーフパネル18の後端下部には、リヤヘッダ19を接合固定し、このリヤヘッダ19とルーフパネル18との間には、車幅方向に延びるヘッダ閉断面20を形成して、上部車体剛性の向上を図るように構成している。
【0026】
車体後部には、荷室2にアクセスするために開口部21(いわゆる荷室開口)を形成すると共に、この開口部21を開閉自在に覆うバックドア22(リフトゲートと同意)を設けている。
このバックドア22は、バックドアアウタパネル23と、バックドアインナパネル24と、バックウインド25(バックウインドガラスなど)とを備えており、リヤヘッダ19後部の支点26を中心として開閉するものである。
なお、図1において、27はリヤバンパであり、図2において、28はリヤホイールハウスである。
【0027】
図3は、クラッシュカン11、リヤバンパビーム12、クロージングプレート13、取付けプレート14等を省略した状態で示す要部の背面図、図4は図3のA−A線矢視断面図、図5は図3のB−B線矢視断面図、図6は要部の分解斜視図である。
【0028】
図2、図3、図4に示すように、上述のリヤエンドパネル10は開口部21の下縁を形成するものであり、このリヤエンドパネル10の車両前面側には、リヤサイドフレーム9よりも上側位置において車幅方向に延びるハット断面形状の上側メンバ31と、リヤサイドフレーム9よりも下側位置において車幅方向に延びるハット断面形状の下側メンバ32と、が接合固定されており、リヤエンドパネル10と上側メンバ31との間には車幅方向に延びる閉断面33が形成され、また、リヤエンドパネル10と下側メンバ32との間には車幅方向に延びる閉断面34が形成されている。
ここで、上述の上側メンバ31の車両上下方向の幅、つまり高さは、下側メンバ32の車両上下方向の幅、つまり高さと比較して、小さく形成されている。
【0029】
図4に断面図で示すように、上側メンバ31は、前片31aと、上片31bと、下片31cと、上下の接合フランジ片31d,31dと、を一体形成した車体剛性部材であり、同様に、下側メンバ32は、前片32aと、上片32bと、下片32cと、上下の接合フランジ片32d,32dと、を一体形成した車体強度部材である。
ここで、下側メンバ32の閉断面34は、上側メンバ31の閉断面33よりも大きく形成されている。換言すれば、上側メンバ31の閉断面33は、下側メンバ32の閉断面34よりも小さく形成されている。
【0030】
また、上側メンバ31の上下の接合フランジ片31d,31dを、リヤエンドパネル10に溶接固定すると共に、下側メンバ32の上下の接合フランジ片32d,32dを、リヤエンドパネル10に溶接固定して、これら上下の各メンバ31,32を平行に配設したものである。
さらに、上述のリヤエンドパネル10には、下側メンバ32の左右両側部から上方に延びて、上側メンバ31と接続される縦メンバ35が設けられている。
なお、上側メンバ31とフロアパネル3は、上側メンバ31の下側の接合フランジ片31dが、リヤエンドパネル10に溶接固定されると共に、フロアパネル3の後端に形成されたフランジ片3dが下側の接合フランジ片31dを介してリヤエンドパネル10に溶接固定されており、車両上下方向に隣接して設けられており、開口部21下縁とリヤフロアパネル3との上下方向の段差を小さくし、荷物の出し入れがしやすい荷室2を形成している。
【0031】
このように、左右の縦メンバ35,35の上端部は、上側メンバ31の両側部にそれぞれ連結されると共に、これら縦メンバ35,35の上端部は、さらに上方に延設されて上述の開口部21の側縁を形成するリヤピラー部36,36が一体形成されている。このリヤピラー部36は図示しないリヤピラーと接続される。
上述の縦メンバ35は、図6に分解斜視図で示すように、前片35aと、左右の側片35b,35bと、左右の接合フランジ片35c,35cと、を一体形成した車体剛性部材であり、同様に、リヤピラー部36も前片36aと、左右の側片36b,36bと、左右の接合フランジ片36c,36cと、を一体形成した車体剛性部材である。
【0032】
そして、縦メンバ35,35およびリヤピラー部36,36の各接合フランジ片35c,36cを、リヤエンドパネル10に溶接固定し、該リヤエンドパネル10と、縦メンバ35、リヤピラー部36との間には上下方向に連続する閉断面37が形成されている(図5参照)。
さらに、図6に示すように、上述の上側メンバ31,下側メンバ32、左右の縦メンバ35,35、リヤピラー部36,36が一体形成されてリヤエンドメンバ38が構成されている。ここで、上述のリヤエンドパネル10はリヤエンドメンバ38の全体形状と対応する形状に形成されている。また、図6に示すように、閉断面構造の各メンバ31,32,35,35を閉ループ状に接続しているので、車体の捩り剛性をより一層向上させることができる。
【0033】
また、この実施例1では、図2、図3に示すように、縦メンバ35,35は一対のリヤサイドフレーム9,9および一対のクラッシュカン11,11の車幅方向外側を通るように配設されている。
このため、図7に示すように、上述のリヤフロアパネル3の後端部におけるリヤサイドフレーム配設部位の車幅方向外側には、車両前方に向けて窪む凹部39が形成されており、この凹部39に縦メンバ35を配置すべく構成している。
【0034】
さらに、図7の要部を図8に抽出して示すように、縦メンバ35と、該縦メンバ35から車幅方向に延びる上側メンバ31と、の連通部を閉鎖する補強レインフォースメント40が設けられている。
【0035】
図8に示すように、この補強レインフォースメント40は取付け片40aと閉鎖片40bとを一体に折曲げ形成したもので、取付け片40aを縦メンバ35の前片35aに溶接固定し、閉鎖片40bの上部をリヤピラー部36の側片36bに溶接固定し、閉鎖片40bの下部を縦メンバ35の側片35bに溶接固定して、閉断面37,33間の連通を遮断したものである。
一方、上側メンバ31の上片31bにおける車幅方向の中央部には、図1、図4に示すように、バックドア22をロックするためのストライカ41が取付けられている。なお、図中、矢印Fは車両前方を示し、矢印Rは車両後方を示し、矢印INは車両内方を示し、矢印OUTは車両外方を示し、矢印UPは車両上方を示す。
【0036】
このように、図1〜図8で示した実施例1の車両の後部車体構造は、車室1後部に形成された荷室2と、該荷室2の床面を形成するリヤフロアパネル3と、該リヤフロアパネル3の下部に設けられた左右一対のリヤサイドフレーム9,9と、該リヤサイドフレーム9の後端と接続されると共に、上記荷室2にアクセスするために車体後部に形成された開口部21の下縁を形成するリヤエンドパネル10と、を備えた車両の後部車体構造であって、上記リヤエンドパネル10には、上記リヤサイドフレーム9より上側位置で車幅方向に延びる上側メンバ31と、上記リヤサイドフレーム9より下側位置で車幅方向に延びる下側メンバ32と、が設けられ、上側メンバ31の車両上下方向幅が、下側メンバ32の車両上下方向幅に比べて小さく形成されると共に、上記下側メンバ32の閉断面34が、上記上側メンバ31の閉断面33より大きく形成されたものである(図1、図4参照)。
【0037】
この構成によれば、リヤサイドフレーム9より下側位置に設けられた下側メンバ32の閉断面34が、上側メンバ31の閉断面33より大きく形成されたものである。換言すれば、リヤサイドフレーム9より上側位置に設けられた上側メンバ31の閉断面33が、下側メンバ32の閉断面34より小さく形成されたものである。
このように、上側メンバ31の閉断面33を下側メンバ32の閉断面34よりも小さく形成することにより、開口部21を上下方向に拡大することができ、荷室2床面を形成するリヤフロアパネル3と開口部21下縁との上下方向の段差を小さくして、荷物の出し入れがしやすい荷室2を形成することができる。
【0038】
また、開口部21の剛性は下側メンバ32にて確保することにより、後部車体剛性(開口部剛性)や捩り剛性を確保することができる。
要するに、開口部21の拡大と、荷物出し入れ性の確保と、開口部剛性および捩り剛性の確保と、を両立することができる。
【0039】
また、上記リヤエンドパネル10を挟んで上記一対のリヤサイドフレーム9,9の各後端部には、衝撃吸収用のクラッシュカン11,11がそれぞれ接続され、上記クラッシュカン11の各後端部には、車幅方向に延びるリヤバンパビーム12が接続されたものである(図2、図4参照)。
この構成によれば、リヤサイドフレーム9と衝撃吸収用のクラッシュカン11とを直線的に接続することができるので、車両の後突時における荷重伝達性能(いわゆるロードパス性)の向上を図ることができる。つまり、クラッシュカン11とリヤサイドフレーム9とが車両前後方向に直線的に接続されているので、後突入力荷重をクラッシュカン11からリヤサイドフレーム9に良好に伝達することができる。
【0040】
さらに、上記リヤエンドパネル10には、上記下側メンバ32の両側部から上方に延びて上記上側メンバ31と接続される縦メンバ35が設けられたものである(図2、図6参照)。
この構成によれば、縦メンバ35で上側メンバ31と下側メンバ32とを接続することにより、連続した環状の閉断面を形成でき、開口部21の剛性および捩り剛性のさらなる向上を図ることができる。
【0041】
加えて、上記縦メンバ35は、上記一対のクラッシュカン11,11の車幅方向外側を通るように配設されたものである(図2、図3参照)。
この構成によれば、縦メンバ35がクラッシュカン11の車幅方向外側位置に配設されたので、リヤサイドフレーム9の配設位置による開口部21の車幅方向の長さの拡大が制約されるのを防止することができる。
【0042】
さらにまた、上記縦メンバ35の上端部が上側メンバ31に連結されると共に、該縦メンバ35の上端部は上方に延設されて上記開口部21の側縁を形成するリヤピラー部36を形成し、上記縦メンバ35と、該縦メンバ35から車幅方向に延びる上側メンバ31と、の連通部を閉鎖する補強レインフォースメント40が設けられたものである(図7、図8参照)。
この構成によれば、補強レインフォースメント40を設けたので、上側メンバ31に対する荷重伝達を可及的抑制することができて、車体の変形を抑えることができる。
なお、上述の上側メンバ31はシール剛性およびストライカ支持剛性が確保できれば充分である。
【実施例2】
【0043】
図9〜図14は車両の後部車体構造の他の実施例を示すものであって、図9は車両の後部車体構造を示す斜視図、図10は各要素11〜14を省略した状態で示す図9の背面図、図11は図10のC−C線矢視断面図、図12は図10のD−D線矢視断面図、図13は図10のE−E線矢視断面図、図14はリヤサイドフレーム9リヤエンドメンバ38との分解斜視図である。
【0044】
この実施例においては、図9〜図14、特に、図10、図13に示すように、上述の縦メンバ35が、一対のリヤサイドフレーム9,9と、一対のクラッシュカン11,11との間に挟持されるように、縦メンバ35をリヤサイドフレーム9およびクラッシュカン11と車幅方向の同位置に配設したものである。
【0045】
このため、図14に示すように、リヤサイドフレーム9の底片における後端部には、車両前方側に窪む凹部42を形成すると共に、この凹部42と上下方向に対応して、リヤフロアパネル3の後端部にも、車両前方側に窪む凹部43を形成し、これら各凹部42,43の形成位置に上述の縦メンバ35を、図13に示す如く配設している。
【0046】
また、この実施例2の場合には、図13に示すように、リヤサイドフレーム9の接合フランジ部9aと、縦メンバ35の接合フランジ片35cと、リヤエンドパネル10と、クラッシュカン11前端の取付けプレート14と、の合計4部材をボルト15、ナット16等の取付け部材にて締結固定している。
【0047】
このように、図9〜図14で示した実施例2においては、上記縦メンバ35は、上記一対のリヤサイドフレーム9,9と上記一対のクラッシュカン11,11とに挟持されるよう該リヤサイドフレーム9および該クラッシュカン11と車幅方向の同位置に配設されたものである(図10、図13参照)。
この構成によれば、縦メンバ35をリヤサイドフレーム9、クラッシュカン11と車幅方向の同位置に配設したので、後突時に入力される荷重を、リヤサイドフレーム9のみならず縦メンバ35を介してリヤピラー(図示せず)にも伝達することができ、荷重分散を図ることができるので、車体の変形を抑制することができる。
【0048】
図9〜図14で示したこの実施例2においても、その他の構成、作用、効果について、先の実施例1と同様であるから、図9〜図14において、前図と同一の部分には同一符号を付して、その詳しい説明を省略する。
なお、この発明は図1〜図8の実施例1、図9〜図14の実施例2の構成のみに限定されるものではない。
【符号の説明】
【0049】
1…車室
2…荷室
3…リヤフロアパネル
9…リヤサイドフレーム
10…リヤエンドパネル
11…クラッシュカン
12…リヤバンパビーム
21…開口部
31…上側メンバ
32…下側メンバ
33,34…閉断面
35…縦メンバ
36…リヤピラー部
40…補強レインフォースメント
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車室後部に形成された荷室と、
該荷室の床面を形成するリヤフロアパネルと、
該リヤフロアパネルの下部に設けられた左右一対のリヤサイドフレームと、
該リヤサイドフレームの後端と接続されると共に、上記荷室にアクセスするために車体後部に形成された開口部の下縁を形成するリヤエンドパネルと、を備えた車両の後部車体構造であって、
上記リヤエンドパネルには、上記リヤサイドフレームより上側位置で車幅方向に延びる閉断面構造の上側メンバと、
上記リヤサイドフレームより下側位置で車幅方向に延びる閉断面構造の下側メンバと、が設けられ、
上記上側メンバの車両上下方向幅が、上記下側メンバの車両上下方向幅に比べて小さく形成されると共に、
上記下側メンバの閉断面が、上記上側メンバの閉断面より大きく形成されたことを特徴とする
車両の後部車体構造。
【請求項2】
上記リヤエンドパネルを挟んで上記一対のリヤサイドフレームの各後端部には、衝撃吸収用のクラッシュカンがそれぞれ接続され、
上記クラッシュカンの各後端部には、車幅方向に延びるリヤバンパビームが接続された
請求項1記載の車両の後部車体構造。
【請求項3】
上記リヤエンドパネルには、上記下側メンバの両側部から上方に延びて上記上側メンバと接続される縦メンバが設けられた
請求項1または2記載の車両の後部車体構造。
【請求項4】
上記縦メンバは、上記一対のクラッシュカンの車幅方向外側を通るように配設された
請求項3記載の車両の後部車体構造。
【請求項5】
上記縦メンバは、上記一対のリヤサイドフレームと上記一対のクラッシュカンとに挟持されるよう
該リヤサイドフレームおよび該クラッシュカンと車幅方向の同位置に配設された
請求項3記載の車両の後部車体構造。
【請求項6】
上記縦メンバの上端部が上側メンバに連結されると共に、
該縦メンバの上端部は上方に延設されて上記開口部の側縁を形成するリヤピラー部を形成し、
上記縦メンバと、該縦メンバから車幅方向に延びる上側メンバと、の連通部を閉鎖する補強レインフォースメントが設けられた
請求項3〜6の何れか1に記載の車両の後部車体構造。
【請求項1】
車室後部に形成された荷室と、
該荷室の床面を形成するリヤフロアパネルと、
該リヤフロアパネルの下部に設けられた左右一対のリヤサイドフレームと、
該リヤサイドフレームの後端と接続されると共に、上記荷室にアクセスするために車体後部に形成された開口部の下縁を形成するリヤエンドパネルと、を備えた車両の後部車体構造であって、
上記リヤエンドパネルには、上記リヤサイドフレームより上側位置で車幅方向に延びる閉断面構造の上側メンバと、
上記リヤサイドフレームより下側位置で車幅方向に延びる閉断面構造の下側メンバと、が設けられ、
上記上側メンバの車両上下方向幅が、上記下側メンバの車両上下方向幅に比べて小さく形成されると共に、
上記下側メンバの閉断面が、上記上側メンバの閉断面より大きく形成されたことを特徴とする
車両の後部車体構造。
【請求項2】
上記リヤエンドパネルを挟んで上記一対のリヤサイドフレームの各後端部には、衝撃吸収用のクラッシュカンがそれぞれ接続され、
上記クラッシュカンの各後端部には、車幅方向に延びるリヤバンパビームが接続された
請求項1記載の車両の後部車体構造。
【請求項3】
上記リヤエンドパネルには、上記下側メンバの両側部から上方に延びて上記上側メンバと接続される縦メンバが設けられた
請求項1または2記載の車両の後部車体構造。
【請求項4】
上記縦メンバは、上記一対のクラッシュカンの車幅方向外側を通るように配設された
請求項3記載の車両の後部車体構造。
【請求項5】
上記縦メンバは、上記一対のリヤサイドフレームと上記一対のクラッシュカンとに挟持されるよう
該リヤサイドフレームおよび該クラッシュカンと車幅方向の同位置に配設された
請求項3記載の車両の後部車体構造。
【請求項6】
上記縦メンバの上端部が上側メンバに連結されると共に、
該縦メンバの上端部は上方に延設されて上記開口部の側縁を形成するリヤピラー部を形成し、
上記縦メンバと、該縦メンバから車幅方向に延びる上側メンバと、の連通部を閉鎖する補強レインフォースメントが設けられた
請求項3〜6の何れか1に記載の車両の後部車体構造。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
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【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2011−131685(P2011−131685A)
【公開日】平成23年7月7日(2011.7.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−291934(P2009−291934)
【出願日】平成21年12月24日(2009.12.24)
【出願人】(000003137)マツダ株式会社 (6,115)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年7月7日(2011.7.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年12月24日(2009.12.24)
【出願人】(000003137)マツダ株式会社 (6,115)
【Fターム(参考)】
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