説明

車両検出装置

【課題】複数の映像間で対応をとる特徴点を定めて位置合わせ基準を鮮明にでき、車両の検出精度を向上させる。
【解決手段】実施形態の車両検出装置は、線分成分抽出手段、多角形近似手段及び計測手段を備えている。前記線分成分抽出手段は、左右の撮影画像毎に、当該撮影画像に含まれる前記車両のフロントガラス領域と車体との境界を示す複数の線分成分を抽出する。前記多角形近似手段は、前記左右の撮影画像毎に、当該抽出された複数の線分成分の幾つかを用いて閉ループを構成する多角形近似を行う。前記計測手段は、前記左右の撮影画像毎に前記閉ループを構成する線分成分を当該左右の撮影画像間で互いに位置合わせし、当該位置合わせした線分成分間の座標情報と、左右の撮影画像を撮影した撮影位置を示す撮影位置情報とに基づいて、前記閉ループの位置を前記車両の位置として計測する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、車両検出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば高速道路の料金所などでは、一般に、赤外線レーザーを用いた透過型及び反射型と呼ばれる方式のポールセンサ(車両検出装置)によって車両の通過を検出する。
【0003】
しかしながら、車両の形状は多種多様であり、ポールセンサによって検出される車両先端部から、車両の特定部位(例えば、車載器が設置されるフロントガラス近辺)までの長さが車両毎に異なる。このため、ポールセンサによる特定部位の検出は困難である。
【0004】
また、ポールセンサは、設置時に掘削工事が必要であることに加え、左右のセンサの位置を調整する設備が別途必要であることから、工事・調整コストがかかるという不都合がある。以上により、ポールセンサは、別の手段の車両検知装置に代替されることが望ましい。
【0005】
一方、カメラを用いた車両検出装置であれば、既設のポールセンサを利用することにより車両が画角に映る条件を比較的簡単に確保することが可能である。また、カメラは、近年、値段が下がってきており、比較的安価に入手可能となっている。従って、カメラを用いた車両検出装置を実現することが好ましい。
【0006】
ここで、複数のカメラを用いたステレオ方式による車両検出装置を検討する。一般に、車両の特徴点は車両の形状や見え方によって異なる。このため、ステレオ方式の場合、複数のカメラによる複数の映像間で対応をとる特徴点が都度変わってしまい、位置合わせ基準が不鮮明となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2003−208692号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
以上説明したように、ステレオ方式による車両検出装置は、複数の映像間で対応をとる特徴点が都度変わってしまい、位置合わせ基準が不鮮明となる不都合がある。
【0009】
本発明が解決しようとする課題は、複数の映像間で対応をとる特徴点を定めて位置合わせ基準を鮮明にでき、車両の検出精度を向上し得る車両検出装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
実施形態の車両検出装置は、車両の走行方向に対して左右方向より撮影する撮影手段から前記車両を撮影した撮影画像を得ると共に、当該撮影画像から当該車両の位置を検出する。
【0011】
前記車両検出装置は、線分成分抽出手段、多角形近似手段及び計測手段を備えている。
【0012】
前記線分成分抽出手段は、前記車両を撮影した左右の撮影画像毎に、当該撮影画像に含まれる前記車両のフロントガラス領域と車体との境界を示す複数の線分成分を抽出する。
【0013】
前記多角形近似手段は、前記左右の撮影画像毎に、当該撮影画像から抽出された複数の線分成分の幾つかを用いて閉ループを構成する多角形近似を行う。
【0014】
前記計測手段は、前記左右の撮影画像毎に前記閉ループを構成する線分成分のうちの少なくとも1つの線分成分を当該左右の撮影画像間で互いに位置合わせし、当該位置合わせした線分成分間の座標情報と、前記左右の撮影画像を撮影した撮影位置を示す撮影位置情報とに基づいて、前記閉ループの位置を前記車両の位置として計測する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】第1の実施形態に係る車両検出装置を適用した車両検出システムの構成を示す模式図である。
【図2】同実施形態における車両検出装置の構成を示す模式図である。
【図3】同実施形態におけるフロントガラス領域とその線分成分を示す模式図である。
【図4】同実施形態における動作を説明するためのフローチャートである。
【図5】同実施形態におけるステレオカメラモデル(上)とカメラ座標系と世界座標系との関係(下)を示す模式図である。
【図6】第2の実施形態に係る車両検出装置によるフロントガラスの粗い近似と詳細近似とを示す模式図である。
【図7】同実施形態における動作を説明するためのフローチャートである。
【図8】第3の実施形態に係る車両検出装置による車両幅及び車両高さの計測を説明するための模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、各実施形態について説明するが、その前に各実施形態に共通する概要について述べる。各実施形態に共通する概要は、フロントガラス領域(多角形にて近似)に着目し、左右のカメラ映像よりフロントガラス領域を抽出し、当該領域を構成する線分成分を特徴量として左右の注視特徴との対応をとることにより、車両を対象とするステレオ視を実現し、高精度な車両検知を実現する形態である。
【0017】
続いて、各実施形態について具体的に述べる。
【0018】
<第1の実施形態>
図1は第1の実施形態に係る車両検出装置を適用した車両検出システムの構成を示す模式図である。この車両検出システムは、ポールセンサ10、電子カメラ20、ETC(Electronic Toll Collection)システム30及び車両検出装置を備えている。
【0019】
ポールセンサ10は、光センサや踏板を用いて、ETCレーンに進入する車両を検出するものであり、検出結果を車両検出装置100に通知する。
【0020】
電子カメラ20は、車両の走行方向に対して左右方向から撮影する撮影手段であり、ここでは前上方の位置に左右方向に並べて設置された左右のカメラを用いている。各カメラは予め設定したフレームレートで、動画像を撮影するディジタルカメラであって、ETCレーンを走行し、ポールセンサ10を通過してくる車両を撮影するものである。すなわち、ETCレーンを走行する車両について、複数の画像を撮影する。なお、以下の説明では、車両の特定部位として、フロントガラスを例に挙げるため、電子カメラ20は、少なくとも車両のフロントガラスを含む全景が撮影できる位置に設置される。
【0021】
また、電子カメラ20の撮影位置は、車両のフロントガラス及び車両の側面を視野に含むように設置され、フロントガラスの上辺及び下辺の長手方向に略平行する方向に沿って並べられてもよい。例えば、ETCレーンなど、車両が電子カメラ20の光軸に対して斜め方向より進入・退出するなどのように、フロントガラス領域と車体との境界を示す線分成分が一様に傾いてしまう場合には、左右のカメラの並び方向を、その代表線分成分に直交する方向に傾けて設置するなどしてもよい。
【0022】
また、電子カメラ20としては、左右のカメラに代えて、1枚のレンズで光学的に車両の左右の撮影画像を得る撮影装置としてもよい。例えば、電子カメラ20は、特殊なレンズにより、1台のカメラで同時に双方向からの映像を一度に分岐できる場合には、単数のカメラでハードウェアを構築してもよい。例えば、光の入り口には2つのレンズを備え、内部には光路を曲げるプリズムが配置されたウェッジプリズム偏光方式を用いたレンズ等が、適宜使用可能となっている。
【0023】
また電子カメラ20によって得られた画像データは、撮影時刻を示すタイムコードが含まれている。電子カメラ20と、車両検出装置100と図1に示した他の装置とは、同期した時刻情報を有する。なお、他の手法によって、電子カメラ20と車両検出装置100をはじめとする他の装置が同期して動作すれば(電子カメラ20の画像データの撮影時刻を車両検出装置100をはじめとする他の装置が認識できれば)、必ずしも画像データにタイムコードが含まれなくてもよい。
【0024】
ETCシステム30は、高速道路などの有料道路を走行する車両に対して課せられる通行料金を自動的に徴収するものであって、車両に搭載されるETC車載器と無線通信し、通過車両を特定する情報を取得する。なお、一般にETC車載器は、少なくとも無線通信を行うためのアンテナがフロントガラスを介して視認できる位置に設置される。このため、フロントガラスの位置を正確に特定することで、ETC車載器と精度の高い通信を行うことができる。
【0025】
車両検出装置100は、図2に示すように、表示部110と、ユーザインタフェース120と、記憶部130と、ネットワークインタフェース140と、制御部150とを備える。
表示部110は、LCD(Liquid Crystal Display)などを用いたディスプレイ装置であって、当該車両検出装置100の運用状況を初めとする種々の情報を表示する。
ユーザインタフェース120は、キーボード、マウス、タッチパネルなどのユーザから指示を受け付けるインタフェースである。
【0026】
記憶部130は、制御部150の制御プログラムや制御データを記憶するものであって、HDD、RAM、ROM、フラッシュメモリなどの記憶手段を1つまたは複数用いたものである。
【0027】
ネットワークインタフェース140は、LANなどのネットワークに接続され、このネットワークを通じて、ポールセンサ10、電子カメラ20およびETCシステム30と通信する。
【0028】
制御部150は、マイクロプロセッサを備え、記憶部130が記憶する制御プログラムや制御データにしたがって動作し、当該車両検出装置100の各部を統括して制御するものであって、予め制御プログラムに組み込まれた車両の特定部位を電子カメラ20の撮影画像から検出し、実空間上における車両位置を特定する機能をもっている。なお、制御部150は、車両位置の特定に加え、実空間上における通過時刻(ETCシステム30の通信エリアの通過時刻)を予測する機能を有していてもよい。
【0029】
また、制御部150による車両位置を特定する機能は、以下の各機能(f1)〜(f4)を備えている。
【0030】
(f1) 左右のカメラからなる電子カメラ20から得られた左右の撮影画像から車両の進入を検知する車両検知機能。なお、車両検知機能は、背景差分およびパターン照合を基本的な方式として用いている。但し、電子カメラ20の車両検知機能は、例えば多くの場合にはポールセンサ10が検出した対象が車両であることから、省略可能となっている。
【0031】
(f2) 車両を撮影した左右の撮影画像毎に、当該撮影画像に含まれる車両のフロントガラス領域と車体との境界を示す複数の線分成分を抽出する線分成分抽出機能。例えば、図3(a)に示す撮影画像に対し、図3(b)に示すように、フロントガラス領域と車体との境界を示す複数の線分成分が抽出される。
【0032】
(f3) 左右の撮影画像毎に、当該撮影画像から抽出された複数の線分成分の幾つかを用いて閉ループを構成する多角形近似を行う多角形近似機能。補足すると、フロントガラス領域に相当する閉ループは、線分成分抽出機能により抽出された複数の線分成分の組合せで構成されている。また、撮影画像毎の線分成分抽出機能及び多角形近似機能の処理については、特願2010−208539によって実現可能である。
【0033】
(f4) 左右の撮影画像毎に閉ループを構成する線分成分のうちの少なくとも1つの線分成分を当該左右の撮影画像間で互いに位置合わせし、当該位置合わせした線分成分間の座標情報と、左右の撮影画像を撮影した撮影位置を示す撮影位置情報(カメラ設置情報)とに基づいて、閉ループの位置を車両の位置として計測する計測機能。また、計測機能は、閉ループを構成する全ての線分成分を位置合わせしてもよい。例えば、車両のフロントガラスが、例えば曲面が多く、代表線分成分(前述した「少なくとも1つの線分成分」)を決定することが難しい場合については、フロントガラス領域全体で照合するなどして左右代表点の対応をとってもよい。
【0034】
次に、以上のように構成された車両検出装置が適用された車両検出システムの動作について図4のフローチャートを用いて説明する。
【0035】
車両検出装置100は、電源が投入されて起動されると、図4に示す動作を、電源が切られるまで繰り返し実行する。なお、この動作は、制御部150が、記憶部130に記憶される制御プログラムや制御データにしたがって動作することにより実現する。
【0036】
また車両検出装置100の起動に先立って、ポールセンサ10および電子カメラ20も起動される。これにより、ポールセンサ10は、ETCレーンへの車両進入の監視を開始し、電源が切られるまで、検出結果を車両検出装置100に通知する。
【0037】
電子カメラ20は、所定のフレームレートによる撮影を開始し、電源が切られるまで、撮影した画像データを車両検出装置100に伝送する(ST1)。
【0038】
まず、制御部150は、ネットワークインタフェース140を通じたポールセンサ10からの通知に基づき、ポールセンサ10が検出した対象が車両か否かを判定するように、車両検知機能を実行する。
【0039】
制御部150の車両検知機能は、電子カメラ20から得られた左右の撮影画像から背景差分及びパターン照合に基づいて、車両の進入を検知したか否かを判定する(ST2)。
【0040】
補足すると、電子カメラ20としての左右のカメラは、カメラ画角内を走行する車両について、少なくとも複数フレームの車両フロントガラス領域が映るよう設置されている。
【0041】
制御部150の車両検知機能は、画面上に車両の進入を判定する注視領域を予め設定し、その領域内での映像変化を背景差分などで検出する。検出した対象が車両か否かについては、注視領域近傍を探索領域とし、予め用意された車両フロント部パターン(ライト、フロントグリル、ナンバープレート)とのマッチング処理を行うことにより判定する。または、車両の特徴であるナンバープレート等を検出してもよい。いずれにしても判定の結果、車両の進入を検知した場合には、ステップST3に移行し、一方、車両の進入を検知しなかった場合には、再び車両の進入の監視を行う。
【0042】
続いて、制御部150は、ネットワークインタフェース140を通じて、電子カメラ20から伝送される複数の画像データのうち、所定の時刻に撮影されたフレームの画像データを抽出する。以下、この抽出した画像データを処理対象画像データと称する。なお、上記所定の時刻は、車両の特定部位が写る画像データが抽出できるように、ポールセンサ10の設置位置と電子カメラ20のカメラ視野(撮影範囲)の位置関係(設置距離)、車両の想定通過速度などを考慮して決定される。
【0043】
制御部150は、上記処理対象画像データに対して前処理を施す。なお、具体的な前処理の内容としては、S/N比を向上させる目的でノイズ除去を行って画像の鮮鋭化を行ったり、あるいは映像のコントラストを向上させるためにフィルタリングを行う。また画像の補正を目的として、例えば、映像歪の修正などを行う。
【0044】
しかる後、制御部150は、前処理が施された処理対象画像データに対して、ハフ変換などの手法を適用し、車両の進入が検知された左右の撮影画像毎に、当該撮影画像に含まれる車両のフロントガラス領域と車体との境界を示す複数の線分成分を抽出する(ST3)。
【0045】
ステップST3の具体的な抽出アルゴリズムとしては、車両を上方から撮影する場合、例えば、映像中の水平および垂直方向を基本とした8方向の線分成分の抽出を行う。
【0046】
これにより、フロントガラス境界部分を含む線分成分が多数抽出されることになる。フロントガラスについては、ワイパー周り等は曲線となっている場合が多いため、1つの線分成分で抽出するのは難しいと考えられるので、一般的には、複数の線分成分を組み合わせた多角形もしくは折れ線で抽出することで、フロントガラスの形状を近似することが可能である。また例えば、円を線分成分で近似する場合は、内接正八角形にて近似し、誤差は円と内接正八角形の面積の差に相当するが、実用設計上の誤差として許容可能と考えられる。
【0047】
なお、処理対象画像データと、その前後のフレームの画像データに対して、ハフ変換などの手法を適用し、各映像から線分成分を抽出し、これらの時間的に連続する線分成分から車両の移動に伴う幾何学的な変動予測を行って、所定の時刻(処理対象画像データの撮影時刻)における線分成分を得るようにしてもよい。このように複数フレームの画像データを用いることで、抽出精度を上げることができる。
【0048】
また、ハフ変換などの手法を用いて線分成分を抽出すると説明したが、処理対象画像データにカラー情報が含まれる場合には、カラー情報に基づいて、処理対象画像データに基づく映像を同系色毎の領域に分け、領域の境界を線分成分として抽出するようにしてもよい。このような手法によっても、フロントガラスと、それ以外の車両の部位の境界を線分成分として検出することができる。
【0049】
いずれにしても制御部150は、左右の撮影画像毎に、ステップST3で抽出した複数の線分成分の幾つかを用いて、閉ループを構成する多角形近似を行って、フロントガラス領域の候補を生成する。
【0050】
多角形近似によって映像から抽出される要素としては、フロントガラス領域、フロントガラス内に写り込む影領域、太陽の反射が写り込む反射領域、車両の一部であるピラー、運転席および助手席の窓ガラスがある。実際には、複数の線分成分によって複雑な形状の閉ループが生成される。
【0051】
フロントガラス領域は、最も単純なものであれば矩形に近似できるが、フロントガラスの形状によっては曲線を含む形に近似される。また単純な形状であっても、車両の横方向から撮影された場合、フロントガラスの左右で奥行きが発生して非対称性が現れる。
【0052】
また、この時点では、どの線分成分がフロントガラス領域の一部であるかは判っていないが、フロントガラスと車体との境界を表す線分成分を、上記多角形近似によって組み込んだ閉ループの組み合わせの中に、最適解が存在する。このため、制御部150は、多角形近似によって生成された複数の閉ループについて、評価関数を用いて評価を行い、フロントガラス領域を正確に近似するものに候補を絞り込む。
【0053】
なお、実際には、曲率が高い部分や境界のコントラストに不十分なところがあり、部分的に線分成分が欠損したままの候補も考えられる。このため、欠損部を線分成分で補完的に近似したのち、上記評価を行ってもよい。例えば、撮影の角度によっては、ピラーの片方がフロントガラスで隠れる場合があり、このような場合には、隠れてしまったピラー側のフロントガラス端部について線分成分を補完して、閉ループを完成させる。
【0054】
また、予め記憶部130に、種々のピラーのパターンを記憶しておくとともに、各パターンに対応付けて、複数のフロントガラス領域の候補を記憶しておく。そして、多角形近似からピラーに類似した閉ループを検出し、この検出した閉ループと記憶部130に記憶する情報とのパターンマッチングにより、ピラーを検出し、そして、この検出したピラーに対応付けたフロントガラス領域の候補を得るようにしてもよい。
【0055】
制御部150は、このように求めたフロントガラス領域の候補に対して、複数の異なる評価を行い、各評価のスコアの合計値をそれぞれ求める。
【0056】
複数の評価の方法としては、1)画像上のフロントガラスの位置およびサイズなどを考慮したスコア付け、2)フロントガラス領域を構成する線分成分の周辺の輝度分布に基づくスコア付け、3)予め記憶部130に記憶しておいたフロントガラスのテンプレートとのマッチングの度合いに応じたスコア付け、などが考えられる。フロントガラス領域内に例えば反射や影の影響より多角形が出現することが考えられるが、1)と、3)によって、上記多角形は低いスコア付けが為される。
【0057】
次に、制御部150は、このように求めたスコアの合計値から、最適なフロントガラス領域を選出する。
また、制御部150は、当該選出したフロントガラス領域と、処理対象画像データに含まれるフロントマスク部(ライト、グリル、ナンバー)との位置関係を検査し、矛盾(例えば、フロントガラス領域とフロントマスク部の横方向のズレが大きい)がないかを確認する。矛盾がある場合には、次順のスコア合計値が高いフロントガラス領域について、同様の検査を行う。なお、上記車両フロントマスク部の位置は、フロントマスク部を構成する要素のパターンマッチングにより求める。
【0058】
以上のようなステップST3の実行により、左右の撮影画像毎に、フロントガラス領域と車体との境界を示す複数の線分成分が抽出される。
【0059】
制御部150は、処理対象画像データの撮影時刻と、処理対象画像データの撮影画像毎に閉ループを構成する線分成分のうちの少なくとも1つの線分成分を当該左右の撮影画像間で互いに位置合わせする(ST4)。
【0060】
しかる後、制御部150は、当該位置合わせした線分成分間の座標情報と、左右の撮影画像を撮影した撮影位置を示す撮影情報とに基づいて、閉ループの位置を車両の位置として計測する(ST5)。
【0061】
すなわち、制御部150は、図5(a)及び図5(b)に示すように、座標情報の差分をとることにより得られたカメラ座標(仮想画像座標)から世界座標系(ETCレーン上の実空間上の位置)への変換を行うことにより、フロントガラス領域の線分成分の位置を算出する。この算出した位置が、ステップST5で計測すべき車両の位置に相当する。なお、図5(a)中、C1,C2は、左右カメラの中間点を原点Oとしたカメラ座標系における、左右カメラの撮影位置(撮影面座標系のX軸と、左右カメラの光軸との交点)を示す。なお、左右カメラは、2台の同一仕様のカメラであって互いに平行等位に設置されている。従って、2つのカメラの光軸を平行にして撮像面を一致させ、さらに、撮像面の横軸も一致させた配置となっている。bは、左右のカメラの間隔を示す。fは焦点距離を示す。[xl,yl],[xr,yr]は、それぞれ左右の撮影画像(図中、Image Plane:撮像面)上で右カメラ、左カメラの光軸(図中、破線矢印)との交点を原点とした撮像面座標系における、位置合わせをした線分中の互いに対応する点(端点など)の座標である。Object[X,Y,Z]は、カメラ座標系における、当該互いに対応する点の座標である。
【0062】
ここで、図5(a)に示すカメラ座標系は、以下のような関係にある。
【0063】
Z=b・f/(xl−xr),
X=Z・xr/f,
Y=Z・yr/f.
また、図5(b)中、R,tは、カメラ座標と世界座標とを関連付けるための外部パラメータである。Rは回転行列を示す。tは平行移動ベクトルを示す。
【0064】
車両位置の計測後、制御部150は、ステップST5で計測した車両の位置(座標)をネットワークインタフェース140を通じて、ETCシステム30に通知する。
【0065】
ETCシステム30は、車両の位置(座標)および車両の想定通過速度などを考慮し、ETC車載器のアンテナが搭載されるフロントガラスに向けたタイミングで、無線信号の送受信を行う。
【0066】
上述したように本実施形態によれば、車両のフロントガラス領域と車体との境界を示す複数の線分成分を用いて閉ループを構成し、左右の撮影画像毎に閉ループを構成する線分成分のうちの少なくとも1つの線分成分を当該左右の撮影画像間で互いに位置合わせする構成により、複数の映像間で対応をとる特徴点を定めて位置合わせ基準を鮮明にでき、車両の検出精度を向上させることができる。
【0067】
すなわち、車両フロントガラス領域境界部分の線分成分を左右のカメラ映像から抽出し、その代表線分成分の対応関係をとることにより高精度な車両の3次元計測を実現することができる。また、ETCシステムへの応用を考慮した場合、車載器がフロントガラス近辺に設置されることから、通信対象の車載器との位置および距離を正確に抽出することができる。また、フロントガラス位置情報から、車幅や車高に相当する情報についても演繹的に求めることができる。
【0068】
また、本実施形態によれば、車両を撮影した画像データから車両の映像を構成する複数の線分成分を抽出し、これらの線分成分を用いて、閉ループを生成する多角形近似を行って、車両の特定部位(例えば、フロントガラス)の領域の候補を複数生成し、それらに対して複数の異なる評価を行って最も確からしい車両の特定部位の領域を特定する構成により、目標とする車両の特定部位が写っていれば、画像解析によって上記特定部位を検出できるので、カメラの設置自由度が高く、また高い検出精度を得ることができる。
【0069】
<第2の実施形態>
次に、第2の実施形態に係る車両検出装置について図1を参照しながら説明するが、第1の実施形態と同一部分についてはその詳しい説明を省略し、ここでは異なる部分について主に述べる。以下の各実施形態も同様にして重複した説明を省略する。
【0070】
第2の実施形態は、第1の実施形態の変形例であり、図1に示した機能ブロックの構成において、フロントガラス領域の線分の確実な抽出を図るため、制御部150に各機能を実現させるための制御プログラムの一部が異なるものとなっている。
【0071】
具体的には、制御部150は、前述した線分成分抽出機能(f2)が、再実行機能(f2-1)を備えている。
【0072】
再実行機能(f2-1)は、抽出した複数の線分成分を方向毎に分類し、当該方向毎の線分成分の数及び長さに基づいて、図6(a)及び図6(b)に示すように、当該線分成分の数を増やして長さを短くするように、線分成分抽出時のパラメータを変更し、当該変更されたパラメータに基づいて、当該複数の線分成分を抽出する処理を再実行する機能である。補足すると、フロントガラス領域検出はその構成要素である線分成分を確実に抽出するために、エッジフィルタのサイズ等のパラメータを変化させて、線分成分の抽出率の向上を図っている。線分成分の抽出率については抽出結果(方向毎の線分成分の数や長さ)で判断している。なお、線分成分の抽出率は、方向毎の線分成分の数や長さに関して、予め想定する抽出結果に占める実際の抽出結果の割合として算出可能となっている。
【0073】
また、再実行機能(f2-1)は、フロントガラス領域のサイズが基準サイズよりも大きいときには線分成分の数を減らして長さを長くし(図6(a))、フロントガラス領域のサイズが基準サイズ以下のときには線分成分の数を増やして長さを短くするように(図6(b))、線分成分抽出時のパラメータを変更する機能を含んでもよい。すなわち、小型車のフロントガラスと大型バス等のフロントガラスに代表されるようにサイズに大きな差異がある場合については、撮影されるフロントガラスの解像度に応じて、フロントガラス領域を高解像度のカメラでは粗い近似とし、低解像度のカメラでは詳細な近似とするように、撮影対象の解像度を変化させて処理を試みてもよい。また、大型車/小型車の別は、例えば、前処理が施された処理対象画像データの画像に対して、ラベリング処理などによって車両のヘッドライトの領域を抽出し、抽出された領域が示す左右のヘッドライト位置および間隔から推定可能となっている。
【0074】
次に、以上のように構成された車両検出装置が適用された車両検出システムの動作について図7のフローチャートを用いて説明する。図7のフローチャートにおいては、図4のフローチャートに比べ、ステップST3の後に、ステップST3−1,ST3−2が付加されている。従って、以下ではステップST3とその後のST3−1,ST3−2の動作について説明する。
【0075】
いま、制御部150は、前述同様にステップST3を実行し、左右の撮影画像毎に、当該撮影画像に含まれる車両のフロントガラス領域と車体との境界を示す複数の線分成分を抽出する(ST3)。
【0076】
続いて、制御部150は、抽出した複数の線分成分を方向毎に分類し、当該方向毎の線分成分の数及び長さに基づいて、抽出結果が良好か否かを判定する(ST3−1)。この判定は、線分成分の抽出率が所定の抽出率より高いか否かによって行う。
【0077】
ステップST3−1の判定の結果、抽出結果が良好でない場合、当該線分成分の数を増やして長さを短くするように、線分成分抽出時のパラメータを変更し(ST3−2)、当該変更されたパラメータに基づいて、当該複数の線分成分を抽出するステップST3の処理を再実行する。
【0078】
一方、ステップST3−1の判定の結果、抽出結果が良好な場合、制御部150は、前述同様に、左右の撮影画像毎に、ステップST3で抽出した複数の線分成分の幾つかを用いて、閉ループを構成する多角形近似を行って、フロントガラス領域の候補を生成する。以下、制御部150は、前述同様に、ステップST4〜ST5の動作を実行する。
【0079】
上述したように本実施形態によれば、抽出した方向毎の線分成分の数及び長さに基づいて線分成分抽出時のパラメータを変更し、線分成分を抽出する処理を再実行する構成により、第1の実施形態の効果に加え、フロントガラス領域の線分の確実な抽出を図ることができる。
【0080】
なお、本実施形態は、フロントガラス領域のサイズの応じて線分成分抽出時のパラメータを変更し、線分成分を抽出する処理を再実行する構成としても、前述同様に、フロントガラス領域の線分の確実な抽出を図ることができる。
【0081】
また、本実施形態は、以下のように変形してもよい。すなわち、処理パラメータを変更して複数回フロントガラス領域の検出を試みても主要な線分成分が抽出できない場合には、車両進入時に検出したナンバープレートの矩形検出情報を使い、その四辺の情報について対応づけを行うように変形してもよい。
【0082】
この変形例の場合、制御部150の再実行機能(f2-1)は、車両のフロントガラス領域を構成する複数の線分成分を抽出する第1の線分成分抽出機能(f2-1-1)と、車両のナンバープレート枠の矩形領域を構成する複数の線分成分を抽出する第2の線分成分抽出機能(f2-1-2)とを備えている。また、これに伴い、制御部150の多角形近似機能(f3)は、第1の線分成分抽出機能(f2-1-1)により抽出された線分成分に基づいて閉ループを構成できなかったとき、第2の線分成分抽出機能(f2-1-2)により抽出された各線分成分を用いて多角形近似を行う機能を備えている。
【0083】
なお、第2の線分成分抽出機能(f2-1-2)は、例えば、前処理が施された処理対象画像データの画像に対して、ラベリング処理などによって車両のヘッドライトの領域を抽出し、その位置から推定される範囲からナンバープレートに類似する矩形の形状を抽出すればよい。一般に、ナンバープレートは、左右のヘッドライトの間の中心かつそれらを結ぶ線より下に存在する。
【0084】
このような変形例によれば、制御部150は、車両のフロントガラス領域を構成する複数の線分成分を抽出する第1の線分成分抽出機能により抽出された線分成分に基づいて閉ループを構成できなかったとき、車両のナンバープレート枠の矩形領域を構成する複数の線分成分を抽出する第2の線分成分抽出機能により抽出された各線分成分を用いて多角形近似を行う。従って、フロントガラス領域の線分の確実な抽出ができなかった場合でも、ナンバープレート枠の線分を抽出することにより、車両の位置を計測することができる。
【0085】
<第3の実施形態>
図8は第3の実施形態に係る車両検出装置による車両幅及び車両高さの計測を説明するための模式図である。
【0086】
第3の実施形態は、第1又は第2の実施形態の変形例であり、各実施形態の構成に加え、少なくとも車両幅又は車両高さを算出する構成を備えている。
【0087】
制御部150は、前述した計測機能(f4)において、以下の機能(f4-1),(f4-2)の少なくとも一方を備えている。
【0088】
(f4-1) 座標情報に基づいて、車両のフロントガラス領域の上辺の高さを当該車両の高さとして算出する車両高さ算出機能。
【0089】
(f4-2) 座標情報に基づいて、車両のフロントガラス領域の底辺の長さを当該車両の幅として算出する車両幅算出機能。
【0090】
補足すると、制御部150の車両高さ算出機能(f4-1)は、フロントガラス領域を構成する線分成分について左右カメラ間の対応づけを行った線分成分の情報を利用する。例えば図3で車両左右側面部分の縦線について左右カメラ間の照合を行った場合、フロントガラス上辺に相当する線分成分の両端点e1,e2の座標情報が判る。従って、車両高さ算出機能(f4-1)は、両座標の対応関係より,フロントガラス上辺に相当する線分成分の照合を行い、図8に示す如き、フロントガラス上辺の高さを算出する。なお、車両高さ算出機能(f4-1)は、カメラパラメータの構成を変化させ、フロントガラス上辺の両端点e1,e2の座標情報の差分(e1−e2)の対応関係を直接求めるなどの処理によって、フロントガラス上辺の高さを算出してもよい。
【0091】
一方、制御部150の車両幅算出機能(f4-2)は、車両左右側面部分の縦線について左右カメラ間の照合を行った場合、フロントガラス底辺に相当する線分成分の両端点e6,e3の情報が判る。従って、車両幅算出機能(f4-2)は、両座標の対応関係より、フロントガラス底辺に相当する線分成分の照合を行い、フロントガラス底辺の端点間の距離|e6−e3|を算出する。なお、車両幅算出機能(f4-2)は、カメラパラメータの構成を変化させ、フロントガラス下辺の座標情報の差分(e6−e5),(e5−e4),(e4−e3)を直接求めるなどの処理によって、フロントガラス下辺の端点の距離(e6−e5)+(e5−e4)+(e4−e3)を算出してもよい。
【0092】
次に、以上のように構成された車両検出装置が適用された車両検出システムの動作について説明する。この動作においては、前述したステップST5において、車両高さ又は車両幅の少なくとも一方を算出する処理が付加されている。従って、以下ではステップST5とそれに付加された車両高さ算出,車両幅算出の動作について説明する。
【0093】
いま、制御部150は、前述同様にステップST1〜ST5を実行し、ステップST4で位置合わせした線分成分間の座標情報と、左右の撮影画像を撮影した撮影位置を示す撮影位置情報(カメラ設置情報)とに基づいて、閉ループの位置を車両の位置として計測する(ST5)。
【0094】
このとき、制御部150の車両高さ算出機能は、ステップST4で位置合わせした線分成分の座標情報に基づいて、車両のフロントガラス領域の上辺の高さを当該車両の高さとして算出する。また、制御部150の車両幅算出機能は、ステップST4で位置合わせした線分成分の座標情報に基づいて、車両のフロントガラス領域の底辺の長さを当該車両の幅として算出してもよい。
【0095】
いずれにしても、制御部150は、ステップST5で計測した車両の位置(座標)と、車両高さ及び/又は車両幅とをネットワークインタフェース140を通じて、ETCシステム30に通知する。
【0096】
ETCシステム30は、車両の位置(座標)および車両の想定通過速度などを考慮し、ETC車載器のアンテナが搭載されるフロントガラスに向けたタイミングで、無線信号の送受信を行う。また、ETCシステム30は、車両高さ及び/又は車両幅の付加的な情報を把握でき、ETCレーンを通過する車両のサイズの統計などをとることができる。
【0097】
上述したように本実施形態によれば、座標情報に基づいて、車両のフロントガラス領域の上辺の高さを当該車両の高さとして算出し、また、座標情報に基づいて、車両のフロントガラス領域の底辺の長さを当該車両の幅として算出する構成により、第1又は第2の実施形態の効果に加え、車両高さ及び/又は車両幅の付加的な情報を推測することができる。
【0098】
以上説明した少なくとも一つの実施形態によれば、車両のフロントガラス領域と車体との境界を示す複数の線分成分のうちの少なくとも1つの線分成分を左右の撮影画像間で互いに位置合わせする構成により、複数の映像間で対応をとる特徴点を定めて位置合わせ基準を鮮明にでき、車両の検出精度を向上させることができる。
【0099】
なお、上記の各実施形態に記載した手法は、コンピュータに実行させることのできるプログラムとして、磁気ディスク(フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスクなど)、光ディスク(CD−ROM、DVDなど)、光磁気ディスク(MO)、半導体メモリなどの記憶媒体に格納して頒布することもできる。
【0100】
また、この記憶媒体としては、プログラムを記憶でき、かつコンピュータが読み取り可能な記憶媒体であれば、その記憶形式は何れの形態であっても良い。
【0101】
また、記憶媒体からコンピュータにインストールされたプログラムの指示に基づきコンピュータ上で稼働しているOS(オペレーティングシステム)や、データベース管理ソフト、ネットワークソフト等のMW(ミドルウェア)等が上記実施形態を実現するための各処理の一部を実行しても良い。
【0102】
さらに、各実施形態における記憶媒体は、コンピュータと独立した媒体に限らず、LANやインターネット等により伝送されたプログラムをダウンロードして記憶または一時記憶した記憶媒体も含まれる。
【0103】
また、記憶媒体は1つに限らず、複数の媒体から上記の各実施形態における処理が実行される場合も本発明における記憶媒体に含まれ、媒体構成は何れの構成であっても良い。
【0104】
なお、各実施形態におけるコンピュータは、記憶媒体に記憶されたプログラムに基づき、上記の各実施形態における各処理を実行するものであって、パソコン等の1つからなる装置、複数の装置がネットワーク接続されたシステム等の何れの構成であっても良い。
【0105】
また、各実施形態におけるコンピュータとは、パソコンに限らず、情報処理機器に含まれる演算処理装置、マイコン等も含み、プログラムによって本発明の機能を実現することが可能な機器、装置を総称している。
【0106】
なお、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0107】
10…ポールセンサ、20…電子カメラ、30…ETCシステム、100…車両検出装置、110…表示部、120…ユーザインタフェース、130…記憶部、140…ネットワークインタフェース、150…制御部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の走行方向に対して左右方向より撮影する撮影手段から前記車両を撮影した撮影画像を得ると共に、当該撮影画像から当該車両の位置を検出する車両検出装置であって、
前記車両を撮影した左右の撮影画像毎に、当該撮影画像に含まれる前記車両のフロントガラス領域と車体との境界を示す複数の線分成分を抽出する線分成分抽出手段と、
前記左右の撮影画像毎に、当該撮影画像から抽出された複数の線分成分の幾つかを用いて閉ループを構成する多角形近似を行う多角形近似手段と、
前記左右の撮影画像毎に前記閉ループを構成する線分成分のうちの少なくとも1つの線分成分を当該左右の撮影画像間で互いに位置合わせし、当該位置合わせした線分成分間の座標情報と、前記左右の撮影画像を撮影した撮影位置を示す撮影位置情報とに基づいて、前記閉ループの位置を前記車両の位置として計測する計測手段と
を備えたことを特徴とする車両検出装置。
【請求項2】
請求項1に記載の車両検出装置において、
前記計測手段は、前記閉ループを構成する全ての線分成分を位置合わせすることを特徴とする車両検出装置。
【請求項3】
請求項1に記載の車両検出装置において、
前記撮影手段の左右の撮影位置は、前記車両のフロントガラス及び前記車両の側面を視野に含むように設置され、前記フロントガラスの上辺及び下辺の長手方向に略平行する方向に沿って並べられたことを特徴とする車両検出装置。
【請求項4】
請求項1に記載の車両検出装置において、
前記線分成分抽出手段は、前記抽出した複数の線分成分を方向毎に分類し、前記方向毎の線分成分の数及び長さに基づいて、前記線分成分の数を増やして長さを短くするように、線分成分抽出時のパラメータを変更し、当該変更されたパラメータに基づいて、前記複数の線分成分を抽出する処理を再実行する再実行手段を備えたことを特徴とする車両検出装置。
【請求項5】
請求項4に記載の車両検出装置において、
前記線分成分抽出手段は、
前記車両のフロントガラス領域を構成する複数の線分成分を抽出する第1の線分成分抽出部と、
前記車両のナンバープレート枠の矩形領域を構成する複数の線分成分を抽出する第2の線分成分抽出部と
を備え、
前記多角形近似手段は、前記第1の線分成分抽出部により抽出された線分成分に基づいて前記閉ループを構成できなかったとき、前記第2の線分成分抽出部により抽出された各線分成分を用いて前記多角形近似を行うことを特徴とする車両検出装置。
【請求項6】
請求項4に記載の車両検出装置において、
前記再実行手段は、前記フロントガラス領域のサイズが基準サイズよりも大きいときには前記線分成分の数を減らして長さを長くし、前記フロントガラス領域のサイズが前記基準サイズ以下のときには前記線分成分の数を増やして長さを短くするように、前記線分成分抽出時のパラメータを変更することを特徴とする車両検出装置。
【請求項7】
請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の車両検出装置において、
前記計測手段は、前記座標情報に基づいて、前記車両のフロントガラス領域の底辺の長さを当該車両の幅として算出する車両幅算出手段を備えたことを特徴とする車両検出装置。
【請求項8】
請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の車両検出装置において、
前記計測手段は、前記座標情報に基づいて、前記車両のフロントガラス領域の上辺の高さを当該車両の高さとして算出する車両高さ算出手段を備えたことを特徴とする車両検出装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−37394(P2013−37394A)
【公開日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−170307(P2011−170307)
【出願日】平成23年8月3日(2011.8.3)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】