説明

車両用ドアアンロック制御装置

【課題】ドアがロックされた手段に応じて、アンロックする手段を自動的に変更することができる車両用ドアアンロック制御装置の提供。
【解決手段】車両用ドアアンロック制御装置に、携帯機200との通信に基づいてドアの施解錠を行う、第1の施解錠制御手段としての施解錠制御部116と、メカニカルキーまたはドアロックコントロールスイッチ104の操作に応じてドアの施解錠を行う、第2の施解錠制御手段と、ドアが施錠された手段に応じて、該ドアを解錠できる手段を設定する解錠手段設定部114とを備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両がドアロックされた駐車状態にあるとき、ドアをアンロック状態に切り換える車両用ドアアンロック制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
駐車時の作動電流の低減のために、ドアロックされた駐車中の車両、例えばスマートエントリーシステムを採用する車両においては、4段階で作動時間の動作間欠時間を徐々に延ばし、車両のバッテリの低減を抑止する。例えば、9日、14日、30日の4段階で作動時間の動作間欠時間が延長される。このようにすることにより、長期駐車時のバッテリ上がりを防止する。
【0003】
また、キーレスエントリーシステムを有するとともに、キー操作によってもドアのロック・アンロックが可能である車両において、キー操作によりドアのロック、アンロックされたときには、これを検出し、キーレスエントリーシステムの作動電源をカットし、キーレスエントリーシステムを不動作状態とする車両用ドアロック制御装置が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
この車両用ドアロック制御装置によれば、車両を長時間使用しない場合のバッテリ上がりや携帯用送信機を紛失した場合の盗難の危険を防止できる。
【特許文献1】特開平2−209583号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した背景技術には以下の問題がある。
【0006】
車両駐車時に、スマートエントリーシステムの消費電力を低減させる手段としては、オフスイッチなどで、その作動を止める手段がある。この場合、ワイヤレスリモートコントロールシステムにより、ロック・アンロック作動が行われる。すなわち、携帯機からワイヤレス信号が送信されることにより、ドアのロック、アンロック作動が行われる。しかし、さらに消費電力を低減させたい場合には、その手段がない。
【0007】
また、スマートエントリーシステムの作動を止め、その後スマートエントリーシステムを作動させる場合には、オフスイッチを解除する必要がある。したがって、ある時間だけ自動的にスマートエントリーシステムの作動を止めることはできない。
【0008】
本発明は、上述の点に鑑みてなされたものであり、ドアがロックされた手段に応じて、アンロックする手段を自動的に変更することができる車両用ドアアンロック制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するため、本発明の車両用ドアアンロック制御装置は、携帯機との通信に基づいて、ドアの施解錠を行う第1の施解錠制御手段と、メカニカルキーまたはドアロックコントロールスイッチの操作に応じて、ドアの施解錠を行う第2の施解錠制御手段と、ドアが施錠された手段に応じて、該ドアを解錠できる手段を設定する解錠手段設定手段とを備えることを特徴の1つとする。
【0010】
このように構成することにより、ドアの施錠を種々の方法で可能である車両用遠隔操作装置において、施錠を行った手段に応じて、解錠する手段を設定することができる。
【0011】
また、前記第1の施解錠制御手段は、スマートエントリーシステムまたはワイヤレスリモートコントロールシステムにより、ドアの施解錠を行うようにしてもよい。
【0012】
このように構成することにより、ドアの施錠を、ワイヤレス、スマートで行った場合に、施錠を行った手段に応じて、解錠する手段を設定することができる。
【0013】
また、前記解錠手段設定手段は、車両の駐車経過時間に応じて、ドアを解錠できる手段を変更するようにしてもよい。
【0014】
このように構成することにより、駐車経過時間に応じて、作動電流が小さい解錠手段に変更することができる。
【0015】
また、前記解錠手段設定手段は、車両の駐車経過時間に応じて、前記第1の施解錠制御手段の機能を停止するようにしてもよい。
【0016】
このように構成することにより、駐車経過時間に応じて、作動電流が大きい解錠手段を作動停止にすることができる。
【0017】
また、ドアが施錠された手段に応じて、車両電子機器の作動制限を行う車両電子機器機能設定手段を備えるようにしてもよい。
【0018】
このように構成することにより、施錠後の作動に制限を持たせることができ、操作性と消費電力の低減の両立を図ることができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明の実施例によれば、ドアがロックされた手段に応じて、アンロックする手段を自動的に変更することができる車両用ドアアンロック制御装置を実現できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
次に、本発明を実施するための最良の形態を、以下の実施例に基づき図面を参照しつつ説明する。
【0021】
なお、実施例を説明するための全図において、同一機能を有するものは同一符号を用い、繰り返しの説明は省略する。
【0022】
本発明の実施例にかかる車両用遠隔操作装置について、図1を参照して説明する。
【0023】
本実施例にかかる車両用遠隔操作装置は、車載電子機器100と、携帯機200とを備える。
【0024】
最初に、車載電子機器100について説明する。
【0025】
車載電子機器100は、車両に搭載され、アンテナを備える無線機102と、第2の施解錠制御手段としてのドアロックコントロールスイッチ104と、セキュリティ電子制御部106と、ドア電子制御部108と、車両用ドアアンロック制御装置としての制御部(ECU: Electronic Control Unit)110とを備える。
【0026】
制御部110は、認証部112と、解錠手段設定手段としての解錠手段設定部114と、第1の施解錠制御手段としての施解錠制御部116と、車両電子機器機能設定手段としてのアラーム機能設定部118とを備える。無線機102、ドアロックコントロールスイッチ104、セキュリティ電子制御部106、ドア電子制御部108および制御部110は、バス150により接続される。
【0027】
無線機102は、スマートエントリーシステムが作動している場合、後述する認証部112の命令にしたがって、リクエスト信号を発信する。その結果、スマートキーの検知エリアが形成される。例えば、無線機102は、車両が駐車状態である場合に、所定の周期、例えば0.3秒毎に定期的にリクエスト信号を発信する。また、無線機102は、リクエスト信号を発信する周期を駐車経過時間に応じて延長する(間欠作動時間延長)。その結果、リクエスト信号を送信する時間が短縮される。また、無線機102は、リクエスト信号の応答として携帯機200から送信されたキーのIDコードを受信し、制御部110に入力する。
【0028】
また、無線機102は、ワイヤレスリモートコントロールシステムが作動している場合、携帯機200から送信された微弱電波を受信し、その微弱電波に含まれるワイヤレスコード、例えば識別コードおよび機能コードを示す情報を制御部110に入力する。また、無線機102は、微弱電波を受信する周期を駐車経過時間に応じて延長する(間欠作動時間延長)。その結果、微弱電波を受信する時間が短縮される。
【0029】
ドアロックコントロールスイッチ104は、例えば運転席に備えられ、ドアコントロールスイッチの操作に応じて、各席ドアのロック・アンロックの制御を行う。
【0030】
例えば、ドアロックコントロールスイッチ104に備えられたマニュアル作動用のドアロックコントロールスイッチのロック側またはアンロック側が押されることにより、全ドア連動でロックまたはアンロックを行う命令を、後述するドア電子制御部108に入力する。
【0031】
また、例えば、運転席ドアのキーシリンダにメカニカルキーが差し込まれ、操作されることにより、全ドア連動でロックまたはアンロックを行う命令をドア電子制御部108に入力する。
【0032】
セキュリティ電子制御部106は、車両が駐車される場合のドアがロックされた手段に応じて、アラーム機能の制御を行う。
【0033】
例えば、車両が駐車される場合のドアがロックされた手段に応じて、ユーザが車内または車両の近くにいると判断し、オートアラームが解除され警戒を行っていない無警戒状態から、ユーザが車両から離れる準備を行っていると判断し、オートアラームのセット準備を行う警戒準備状態、ユーザが車両から離れたと判断し、オートアラームがセットされ車両盗難に対し警戒している警戒状態に対応して、アラーム機能の制御を行う。
【0034】
ドア電子制御部108は、車両の各乗降用ドアに夫々設けられ、ドアロックコントロールスイッチ104および後述する施解錠制御部116からドアのロックもしくはアンロックを行うことを示す信号が入力された場合、その信号にしたがってドアのロックもしくはアンロックを行う。
【0035】
認証部112は、スマートエントリーシステムが作動している場合、リクエスト信号を生成する。また、認証部112は、入力されたIDコードの判別/照合を行う。また、認証部112は、ワイヤレスリモートコントロールシステムが作動している場合、入力された識別コードを判別する。例えば、認証部112は、入力された識別コードが当該車両に固有の識別情報と一致しているか否かを認証する。
【0036】
解錠手段設定部114は、ドアがロックされた手段に応じて、そのドアをアンロックできる手段を駐車経過時間に応じて変更する。
【0037】
例えば、ドアをロックする手段としては、以下の方法がある。
【0038】
(1)ドアロックコントロールスイッチ104に備えられたマニュアル作動用のドアロックコントロールスイッチのロック側を押すことにより、全ドア連動でロックする方法、また、ドアアウトサイドハンドルを引きながらロックする方法(以下、キーレスロックと呼ぶ)
(2)運転席ドアキーシリンダにメカニカルキーを差し込み、操作することにより、全ドア連動でロックする方法(以下、キー連動ロックと呼ぶ)
(3)ワイヤレスリモートコントロールシステムが作動している場合に、携帯機200の施錠スイッチ208を押すことにより、全ドアをロックする方法(以下、ワイヤレスロックと呼ぶ)
(4)スマートエントリーシステムが作動している場合に、車室外検知エリアでスマートキーを携帯して降車し、全ドア“閉”のとき、車室外検知エリアで各席ドアアウトサイドハンドルのロックスイッチを押すことにより全席ドアをロックする方法(以下、スマートロックと呼ぶ)
解錠手段設定部114は、車両のドアのロックが、キーレスロック、キー連動ロック、ワイヤレスロックおよびスマートロックのいずれかの方法でされたかを検出し、検出されたドアがロックされた手段に基づいて、そのドアを解錠(アンロック)できる手段を設定する。
【0039】
例えば、解錠手段設定部114は、駐車経過時間に応じてスマートエントリーシステムおよびワイヤレスリモートコントロールシステムを停止する。この場合、ユーザにおける操作の容易(便利)である方法ほど、時間的な制約を持たせ、キー連動操作などユーザにおける操作が不便(煩わしい)操作ほど、時間的制約を持たせない。すなわち、駐車経過時間が長くなるにしたがって、スマートエントリーシステムによるアンロック、ワイヤレスリモートコントロールシステムによるアンロック、メカニカルキーによるアンロックの順に機能の制約を行う。
【0040】
このようにすることにより、短時間駐車における利便性は損なわず、長期駐車におけるバッテリ消費量を低減できる。
【0041】
解錠手段設定部114は、ドアがロックされた手段に応じて、予め設定された作動電流の低減モードを選択し、選択された作動電流の低減モードにしたがってそのドアを解錠できる手段を設定する。
【0042】
ここで、作動電流の低減モードについて、図2を参照して説明する。
【0043】
本実施例においては、消費電力の大きいスマートエントリーシステムおよびワイヤレスリモートコントロールシステムを、駐車の経過時間に応じて作動停止にする。
【0044】
スマートエントリーシステムおよびワイヤレスリモートコントロールシステムを作動停止にする時間は、車両のドアのロックが行われた手段に応じて異なる。
【0045】
車両のドアがロックされた手段がキーレスロックである場合には、駐車された時点から、スマートエントリーシステムおよびワイヤレスリモートコントロールシステムを作動停止にする(以下、モード1と呼ぶ)。
【0046】
この場合、駐車された時点から、運転席ドアキーシリンダにメカニカルキーを差し込み、操作することにより、全ドア連動でアンロックする方法(以下、キー連動アンロックと呼ぶ)でのみアンロックすることができる。
【0047】
車両のドアのロックされた手段がキー連動ロックである場合には、駐車された時点から、スマートエントリーシステムは作動停止であり、ワイヤレスリモートコントロールシステムは駐車時点から一週間は通常作動であり、続く一週間は間欠作動時間の延長が行われ、それ以降は作動停止となる(以下、モード2と呼ぶ)。
【0048】
この場合、駐車時点から一週間はワイヤレスリモートコントロールシステムによるアンロック、およびキー連動アンロックによりアンロックを行うことができる。続く一週間は、キー連動アンロックに加え、ワイヤレスリモートコントロールシステムの間欠作動時間中の作動時間であればワイヤレスリモートコントロールシステムによりアンロックを行うことができる。
【0049】
車両のドアのロックされた手段がワイヤレスロックである場合には、駐車された時点から一週間は、スマートエントリーシステムの間欠作動時間が延長されるが、それ以降は作動停止であり、ワイヤレスリモートコントロールシステムは駐車時点から一週間は通常作動であり、それ以降は間欠作動時間の延長が行わる(以下、モード3と呼ぶ)。
【0050】
この場合、駐車時点から一週間は、ワイヤレスリモートコントロールシステムによるアンロックおよびキー連動アンロックに加え、スマートエントリーシステムの間欠作動時間中の作動時間であればスマートエントリーシステムによるアンロックを行うことができる。続く一週間は、キー連動アンロックに加え、ワイヤレスリモートコントロールシステムの間欠作動時間中の作動時間であればワイヤレスリモートコントロールシステムによるアンロックを行うことができる。それ以降は、キー連動アンロックに加え、ワイヤレスリモートコントロールシステムの間欠作動時間中の作動時間であればワイヤレスリモートコントロールシステムによるアンロックを行うことができる。
【0051】
車両のドアのロックされた手段がスマートロックである場合には、駐車された時点から一週間は、スマートエントリーシステムは通常動作しており、続く一週間はその間欠作動時間が延長されるが、それ以降は作動停止であり、ワイヤレスリモートコントロールシステムは駐車時点から2週間までは通常作動であるが、それ以降は間欠作動時間の延長が行わる(以下、モード4と呼ぶ)。
【0052】
この場合、駐車時点から一週間はスマートエントリーシステムによるアンロック、ワイヤレスリモートコントロールシステムによるアンロックおよびキー連動アンロックによりアンロックを行うことができる。続く一週間は、ワイヤレスリモートコントロールシステムによるアンロック、およびキー連動アンロックに加え、スマートエントリーシステムの間欠作動時間中の作動時間であればスマートエントリーシステムによるアンロックを行うことができる。それ以降は、キー連動アンロックに加え、ワイヤレスリモートコントロールシステムの間欠作動時間中の作動時間であればワイヤレスリモートコントロールシステムによるアンロックを行うことができる。
【0053】
施解錠制御部116は、スマートエントリーシステムが作動している場合に、車室外検知エリアでスマートキーを携帯したユーザが降車し、全ドア“閉”のとき、車室外検知エリアで各席ドアアウトサイドハンドルのロックスイッチを押したことを検出した場合に、全席ドアをロックする命令をドア電子制御部108に入力する。また、施解錠制御部116は、スマートエントリーシステムが作動している場合に、車室外検知エリアでスマートキーを携帯したユーザが、各席ドアアウトサイドハンドルを握った(裏面に触れた)ことを検出した場合に全ドアをアンロックする。
【0054】
また、施解錠制御部116は、ワイヤレスリモートコントロールシステムが作動している場合に、携帯機200により送信された微弱電波(ワイヤレス信号)に基づき、施解錠を行うことを示す命令にしたがって、ドアのロック・アンロックを行う命令をドア電子制御部108に入力する。
【0055】
アラーム機能設定部118は、図3に示すように、車両のドアがロックされた手段に応じて、アラーム機能を設定する。
【0056】
例えば、アラーム機能設定部118は、モード1の場合には、警戒状態におけるアラーム機能の全ての機能を制限する。例えば、車室内への不正な侵入者を検知した場合に、警報作動する機能、またそのことをユーザに通知する機能を停止する。また、アラーム機能設定部118は、ガラスが割れたことを検知した場合に、警報作動する機能、またそのことをユーザに通知する機能を停止する。
【0057】
また、アラーム機能設定部118は、モード2の場合には、警戒状態におけるアラーム機能の一部の機能を制限する。例えば、車室内への不正な侵入者を検知した場合に、警報作動する機能を停止する。この場合、車室内への不正な侵入者を検知したことは、ユーザに通知される。
【0058】
また、アラーム機能設定部118は、モード3の場合には、警戒状態におけるアラーム機能の一部の機能を制限する。例えば、ガラスが割れたことを検知した場合に、警報作動する機能を停止する。この場合、ガラスが割れたことを検知したことは、ユーザに通知される。
【0059】
また、アラーム機能設定部118は、モード4の場合には、警戒状態におけるアラーム機能の制限は行わない。
【0060】
このように、駐車時における機能の制約(制限)を行うことにより、駐車時の消費電力を低減することができ、バッテリの上がりを防止することができる。
【0061】
次に、本実施例にかかる携帯機200について説明する。
【0062】
携帯機200は、無線機202と、ワイヤレスコード生成部204と、スイッチ部206とを備える。スイッチ部206は、施錠スイッチ208と、解錠スイッチ210と、トランクスイッチ212とを備える。無線機202、ワイヤレスコード生成部204、施錠スイッチ208、解錠スイッチ210およびトランクスイッチ212は、バス250により接続される。
【0063】
無線機202は、スマートエントリーシステムが作動している場合、リクエスト信号を受信し、その応答としてIDコードを送信する。また、無線機202は、ワイヤレスリモートコントロールシステムが作動している場合、使用者のスイッチ部206の操作に応じて、車両に微弱電波を送信する。この微弱電波には、ワイヤレスコード、例えば識別コード、機能コードが含まれる。
【0064】
施錠スイッチ208は、ワイヤレスリモートコントロールシステムが作動している場合、車両のドアをロックする場合に押されるスイッチである。
【0065】
解錠スイッチ210は、ワイヤレスリモートコントロールシステムが作動している場合、車両のドアをアンロックする場合に押されるスイッチである。
【0066】
トランクスイッチ210は、ワイヤレスリモートコントロールシステムが作動している場合、車両のトランクをオープンする場合に押されるスイッチである。
【0067】
ワイヤレスコード生成部204は、使用者によるスイッチ部206の操作に応じて、各スイッチに対応付けられた機能コードを生成し、無線機202に入力する。
【0068】
次に、本実施例にかかる車両用遠隔操作装置の動作について説明する。ここでは、主に制御部110の動作について、図4を参照して説明する。
【0069】
解錠手段設定部114は、ドアがロックされたか否かを判断する(ステップS402)。
【0070】
ドアがロックされていない場合(ステップS402:NO)、ステップS402に戻る。一方、ドアがロックされた場合(ステップS402:YES)、解錠手段設定部114は、ドアがロックされた手段がキーレスロックであるか否かを判断する(ステップS404)。
【0071】
ドアがロックされた手段がキーレスロックである場合(ステップS404:YES)、解錠手段設定部114はモード1を選択し、モード1にしたがってそのドアを解錠できる手段を設定する(ステップS406)。すなわち、駐車された時点から、スマートエントリーシステムおよびワイヤレスリモートコントロールシステムを作動停止にする。
【0072】
一方、ドアがロックされた手段がキーレスロックでない場合(ステップS404:NO)、解錠手段設定部114は、ドアがロックされた手段がキー連動ロックであるか否かを判断する(ステップS408)。
【0073】
ドアがロックされた手段がキー連動ロックである場合(ステップS408:YES)、解錠手段設定部114はモード2を選択し、モード2にしたがってそのドアを解錠できる手段を設定する(ステップS410)。すなわち、駐車された時点から、スマートエントリーシステムを作動停止にし、ワイヤレスリモートコントロールシステムは駐車時点から一週間は通常作動させ、続く一週間は間欠作動時間の延長を行い、それ以降は作動停止とする。
【0074】
一方、ドアがロックされた手段がキー連動ロックでない場合(ステップS408:NO)、解錠手段設定部114は、ドアがロックされた手段がワイヤレスロックであるか否かを判断する(ステップS412)。
【0075】
ドアがロックされた手段がワイヤレスロックである場合(ステップS412:YES)、解錠手段設定部114はモード3を選択し、モード3にしたがってそのドアを解錠できる手段を設定する(ステップS414)。すなわち、駐車された時点から一週間は、スマートエントリーシステムの間欠作動時間を延長し、それ以降は作動停止にし、ワイヤレスリモートコントロールシステムは駐車時点から一週間は通常作動させ、それ以降は間欠作動時間の延長を行う。
【0076】
一方、ドアがロックされた手段がワイヤレスロックでない場合(ステップS412:NO)、解錠手段設定部114は、ドアがロックされた手段がスマートロックであるか否かを判断する(ステップS416)。
【0077】
ドアがロックされた手段がスマートロックである場合(ステップS416:YES)、解錠手段設定部114はモード4を選択し、モード4にしたがってそのドアを解錠できる手段を設定する(ステップS418)。すなわち、駐車された時点から一週間は、スマートエントリーシステムを通常動作させ、続く一週間はその間欠作動時間を延長し、それ以降は作動停止とし、ワイヤレスリモートコントロールシステムは駐車時点から2週間までは通常作動させ、それ以降は間欠作動時間の延長を行う。
【0078】
一方、ドアがロックされた手段がスマートロックでない場合(ステップS416:NO)、終了する。
【0079】
本発明の実施例によれば、スマートエントリーなど駐車時に作動電流を使用するシステムを備えた車両用遠隔操作装置において、ドアがロックされた場合に、キーレス、キー連動、ワイヤレス、スマートのいずれかでロックされたかを検出して、その検出結果に基づいて、アンロックする手段を駐車経過時間に応じて変更する。このようにすることにより、消費電力を低減できる。
【0080】
また、ドアがロックされた場合に、その後の各作動に制約を持たせることにより、さらに消費電力を低減できる。
【0081】
また、駐車時の作動電流を選択することができる。例えば、長期駐車する場合には、作動電流が小さいモードとなるドアをロックする手段を選択することにより、消費電力を低減でき、車両のバッテリ上がりを防止することができる。
【0082】
本実施例においては、スマートエントリーシステムおよびワイヤレスリモートコントロールシステムの作動を停止する時間の単位が1週間である場合について説明したが、この単位時間は適宜変更可能である。また、本実施例においては、スマートエントリーシステムおよびワイヤレスリモートコントロールシステムを備える場合について説明したが、少なくとも一方のシステムを備える場合においても適用できる。
【0083】
また本実施例においては、ドアがロックされた場合の、車両電子機器の機能を制限する一例として、アラーム機能を制限する場合について説明したが、アラーム機能以外の機能を制限するようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0084】
本発明にかかる車両用ドアアンロック制御装置は、車両のスマートエントリーシステムおよびワイヤレスリモートコントロールシステムに適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0085】
【図1】本発明の一実施例にかかる車両用遠隔操作装置を示すブロック図である。
【図2】解錠手段を示す説明図である。
【図3】駐車時の機能制約を示す説明図である。
【図4】本発明の一実施例にかかる車両用遠隔操作装置の動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0086】
100 車載電子機器
150、250 バス
200 携帯機

【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯機との通信に基づいて、ドアの施解錠を行う第1の施解錠制御手段と、
メカニカルキーまたはドアロックコントロールスイッチの操作に応じて、ドアの施解錠を行う第2の施解錠制御手段と、
ドアが施錠された手段に応じて、該ドアを解錠できる手段を設定する解錠手段設定手段と
を備えることを特徴とする車両用ドアアンロック制御装置。
【請求項2】
請求項1に記載の車両用ドアアンロック制御装置において、
前記第1の施解錠制御手段は、スマートエントリーシステムまたはワイヤレスリモートコントロールシステムにより、ドアの施解錠を行うことを特徴とする車両用ドアアンロック制御装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の車両用ドアアンロック制御装置において、
前記解錠手段設定手段は、車両の駐車経過時間に応じて、ドアを解錠できる手段を変更することを特徴とする車両用ドアアンロック制御装置。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれか1項に記載の車両用ドアアンロック制御装置において、
前記解錠手段設定手段は、車両の駐車経過時間に応じて、前記第1の施解錠制御手段の機能を停止することを特徴とする車両用ドアアンロック制御装置。
【請求項5】
請求項1ないし4のいずれか1項に記載の車両用ドアアンロック制御装置において、
ドアが施錠された手段に応じて、車両電子機器の作動制限を行う車両電子機器機能設定手段
を備えることを特徴とする車両用ドアアンロック制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2007−107347(P2007−107347A)
【公開日】平成19年4月26日(2007.4.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−301983(P2005−301983)
【出願日】平成17年10月17日(2005.10.17)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】