説明

車両用動力伝達装置

【課題】 無段変速機の駆動力の伝達効率を高く維持したまま、動力伝達装置の最小変速比を小さくする。
【解決手段】 無段変速機Tの出力軸12の回転を増速して駆動輪伝達軸36,37に伝達する増速機構34を備えるので、無段変速機Tの変速比を比較的に大きい値にして高い伝達効率を維持しながら、無段変速機Tおよび増速機構34を含む動力伝達装置のトータルの変速比を低下させることで、エンジンの燃料消費率の低減を図ることができる。また無段変速機Tのワンウェイクラッチの必要な応答周波数を低減することができるので、その分だけワンウェイクラッチのフリクションダンパーを弱く設定してフリクションを低減することができ、しかも複数のワンウェイクラッチが順番に作動することで発生した出力軸12のトルク変動を、増速機構34で低減して駆動輪伝達軸36,37に出力することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、入力軸の回転を往復動するコネクティングロッドおよびワンウェイクラッチを介して出力軸に伝達するとともに、前記コネクティングロッドの往復動のストロークを増減して変速比を変更する無段変速機を備えた車両用動力伝達装置に関する。
【背景技術】
【0002】
駆動源に接続された入力軸の回転を変速して出力軸に伝達する無段変速機が、前記入力軸および前記出力軸の軸方向に並置された複数の変速ユニットを備え、前記複数の変速ユニットの各々が、前記入力軸の軸線からの偏心量が可変であって該入力軸と共に回転する入力側支点と、前記出力軸に接続されたワンウェイクラッチと、前記ワンウェイクラッチの入力部材に設けられた出力側支点と、前記入力側支点および前記出力側支点に両端を接続されて往復運動するコネクティングロッドと、前記出力軸の回転を駆動輪に伝達する駆動輪伝達軸とを備える車両用動力伝達装置が、下記特許文献1により公知である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特表2005−502543号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
図12は、横軸がエンジン回転数、縦軸がエンジン出力トルク、右下がりのラインは等車速ライン、右上がりのラインは等変速比ライン、等高線状のラインは等燃費ラインであって、色の濃い部分ほどは燃費が良い(燃料消費率が少ない)ことを示している。従来のこの種の無段変速機の最小変速比は2〜3程度であったが、この変速比を更に小さくすることができれば、例えばエンジンの運転位置を図12のa点からb点に移動させることで、燃料消費率を更に低減することが可能である。
【0005】
しかしながら、無段変速機の最小変速比を小さくすると、駆動力の伝達効率が低下する問題がある。以下、その理由を図13に基づいて説明する。
【0006】
図13は無段変速機の原理を示すもので、入力軸01と一体に回転する入力側支点02と出力軸03に設けたワンウェイクラッチ04の入力部材と一体に回転する出力側支点05とがコネクティングロッド06で接続されており、入力軸01に対する入力側支点02の偏心量εが可変である。
【0007】
コネクティングロッド06からワンウェイクラッチ04に駆動力が伝達される際の効率は揺動角θが小さいほど大きくなるため、駆動力の伝達効率を高くするには揺動角θを小さく(変速比を大きく)する必要があり、駆動力の伝達効率を高く維持したまま変速比を小さくすることは困難であった。
【0008】
図14は無段変速機の変速比を変化させたときの出力軸03(ワンウェイクラッチ04)の揺動角θおよび駆動力の伝達効率の変化を示すものであり、変速比を小さくして出力軸03の揺動角θが増加すると、駆動力の伝達効率が急激に低下することが分かる。
【0009】
また無段変速機の変速比を小さくしようとすると入力側支点02の偏心量εが大きくなるため、コネクティングロッド06やそれを入力軸に支持するベアリングが大型化して重量も大きくなる。その結果、図15に示すように、最大変速比を小さくすると、全ての変速比領域において駆動力の伝達効率が低下する問題がある。
【0010】
本発明は前述の事情に鑑みてなされたもので、無段変速機の駆動力の伝達効率を高く維持したまま、動力伝達装置の最小変速比を小さくすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するために、請求項1に記載された発明によれば、駆動源に接続された入力軸の回転を変速して出力軸に伝達する無段変速機が、前記入力軸および前記出力軸の軸方向に並置された複数の変速ユニットを備え、前記複数の変速ユニットの各々が、前記入力軸の軸線からの偏心量が可変であって該入力軸と共に回転する入力側支点と、前記出力軸に接続されたワンウェイクラッチと、前記ワンウェイクラッチの入力部材に設けられた出力側支点と、前記入力側支点および前記出力側支点に両端を接続されて往復運動するコネクティングロッドと、前記出力軸の回転を駆動輪に伝達する駆動輪伝達軸とを備える車両用動力伝達装置であって、前記出力軸の回転を増速して前記駆動輪伝達軸に伝達する増速機構を備えることを特徴とする車両用動力伝達装置が提案される。
【0012】
また請求項2に記載された発明によれば、請求項1の構成に加えて、前記出力軸および前記駆動輪伝達軸は別軸上に配置され、前記駆動輪伝達軸上にディファレンシャルギヤが配置されることを特徴とする車両用動力伝達装置が提案される。
【0013】
また請求項3に記載された発明によれば、請求項1または請求項2の構成に加えて、前記増速機構は、前記出力軸上に設けた駆動ヘリカルギヤと、前記駆動輪伝達軸上に設けた従動ヘリカルギヤとを含み、前記駆動ヘリカルギヤは前記出力軸に軸方向摺動可能に嵌合してケーシングにスラストベアリングを介して支持されることを特徴とする車両用動力伝達装置が提案される。
【0014】
また請求項4に記載された発明によれば、請求項3の構成に加えて、前記駆動ヘリカルギヤは前記出力軸に相対回転不能かつ軸方向摺動可能に嵌合し、ドグクラッチにより前記出力軸に結合可能であることを特徴とする車両用動力伝達装置が提案される。
【0015】
また請求項5に記載された発明によれば、請求項3の構成に加えて、前記駆動ヘリカルギヤは前記出力軸に相対回転不能かつ軸方向摺動可能にスプライン結合されることを特徴とする車両用動力伝達装置が提案される。
【0016】
尚、実施の形態の偏心ディスク18は本発明の入力側支点に対応し、実施の形態のピン19cは本発明の出力側支点に対応し、実施の形態のアウター部材22は本発明の入力部材に対応し、実施の形態のアンギュラボールベアリング40,41は本発明のスラストベアリングに対応し、実施の形態のエンジンEは本発明の駆動源に対応する。
【発明の効果】
【0017】
請求項1の構成によれば、無段変速機が入力軸および出力軸の軸方向に並置された複数の変速ユニットを備え、駆動源に接続された入力軸が回転すると、入力軸と共に偏心回転する入力側支点に接続されたコネクティングロッドが往復動し、コネクティングロッドがワンウェイクラッチの入力部材に設けた出力側支点を往復動させることで、ワンウェイクラッチに接続された出力軸が間欠回転し、各変速ユニットにより異なる位相で駆動される出力軸は連続的に回転する。入力軸に対する入力側支点の偏心量を変更すると、コネクティングロッドを往復動のストロークが変化して出力軸の回転角が変化することで、無段変速機の変速比が変化する。
【0018】
無段変速機の出力軸の回転を増速して駆動輪伝達軸に伝達する増速機構を備えるので、無段変速機の変速比を比較的に大きい値にして高い伝達効率を維持しながら、無段変速機および増速機構を含む動力伝達装置のトータルの変速比を低下させることで、エンジンの燃料消費率の低減を図ることができる。
【0019】
また仮に無段変速機の上流側に増速機構を設けた場合には、無段変速機の下流側に増速機構を設ける場合に比べて、ワンウェイクラッチが単位時間に係合および係合解除する回数(応答周波数)が増加するため、ワンウェイクラッチのフリクションダンパーを強く設定することが必要となり、その結果としてワンウェイクラッチのフリクションが増加する原因となる。しかしながら、無段変速機の下流側に増速機構を設けたことで、ワンウェイクラッチの必要な応答周波数を低減することができるので、その分だけワンウェイクラッチのフリクションダンパーを弱く設定してフリクションを低減することができる。
【0020】
また無段変速機の下流側に増速機構を設けたことで、無段変速機の出力トルクが増速機構により小さくなって駆動輪伝達軸に出力される。従って、複数のワンウェイクラッチが順番に作動することで発生した出力軸のトルク変動を、増速機構で低減して駆動輪伝達軸に出力することができる。
【0021】
また請求項2の構成によれば、出力軸および駆動輪伝達軸は別軸上に配置され、駆動輪伝達軸上にディファレンシャルギヤが配置されるので、出力軸上にディファレンシャルギヤを配置する場合に比べて駆動輪伝達軸の長さの設定自由度を高め、左右の駆動輪伝達軸の長さを均一化して乗り心地性や操安性を高めることができる。
【0022】
また請求項3の構成によれば、増速機構は出力軸上に設けた駆動ヘリカルギヤおよび駆動輪伝達軸上に設けた従動ヘリカルギヤを含むので、スパーギヤを用いる場合に比べて噛合い率が向上し、増速機構から駆動輪伝達軸に伝達されるトルクが変動するのを抑制することができる。このとき駆動ヘリカルギヤは出力軸に軸方向摺動可能に嵌合してケーシングにスラストベアリングを介して支持されるので、駆動ヘリカルギヤに作用するスラスト力をケーシングで支持して出力軸に伝達されないようにし、出力軸に設けたワンウェイクラッチのフリクションの増大や異常摩耗の発生を防止することができる。
【0023】
また請求項4の構成によれば、駆動ヘリカルギヤは出力軸に相対回転不能かつ軸方向摺動可能に嵌合し、ドグクラッチにより出力軸に結合可能なので、駆動ヘリカルギヤに作用するスラスト力をケーシングで支持して出力軸に伝達されないようにしながら、ドグクラッチを係合して出力軸の回転を駆動ヘリカルギヤに伝達するとともに、ドグクラッチを係合解除して車両の後進走行時に駆動ヘリカルギヤの回転が無段変速機に逆伝達されるのを防止することができる。
【0024】
また請求項5の構成によれば、駆動ヘリカルギヤは出力軸に相対回転不能かつ軸方向摺動可能にスプライン結合されるので、出力軸の回転をスプラインを介して駆動ヘリカルギヤに伝達しながら、駆動ヘリカルギヤに作用するスラスト力をケーシングで支持して出力軸に伝達されないようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】車両の走行用動力装置のスケルトン図。[第1の実施の形態]
【図2】図1の2部詳細図。[第1の実施の形態]
【図3】図2の3−3線断面図(TOP状態)。[第1の実施の形態]
【図4】図2の3−3線断面図(LOW状態)。[第1の実施の形態]
【図5】TOP状態での作用説明図。[第1の実施の形態]
【図6】LOW状態での作用説明図。[第1の実施の形態]
【図7】図1の7部詳細図。[第1の実施の形態]
【図8】無段変速機の変速比と伝達効率との関係を示すグラフ。[第1の実施の形態]
【図9】増速機構によるトルク振幅低減の原理の説明図。[第1の実施の形態]
【図10】増速機構の増速比と出力トルクとの関係を示すグラフ。[第1の実施の形態]
【図11】前記図7に対応する図。[第2の実施の形態]
【図12】エンジンの運転状態と燃料消費率との関係を無段変速機の変速比および車速毎に示すグラフ。
【図13】無段変速機の変速比とワンウェイクラッチの揺動角との関係を示すグラフ。
【図14】無段変速機の変速比に対する伝達効率および出力軸の揺動角の関係を示すグラフ。
【図15】最大変速比が異なる無段変速機の変速比と伝達効率との関係を示すグラフ。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、図1〜図11に基づいて本発明の第1の実施の形態を説明する。
【0027】
図1に示すように、自動車の走行用駆動源であるエンジンEのクランクシャフト31にダンパー32を介して無段変速機Tの入力軸11が直列に接続されており、無段変速機TのエンジンEと反対側の端部に、その変速比を変更するための電動モータよりなる変速アクチュエータAが直列に接続される。無段変速機Tの入力軸11と平行に配置された出力軸12はエンジンE側に延出しており、その出力軸12の回転がドグクラッチ33および増速機構34を介してディファレンシャルギヤ35に伝達され、更にディファレンシャルギヤ35から左右方向に延出する駆動輪伝達軸36,37を介して左右の駆動輪W,Wに伝達される。増速機構34は、出力軸12の外周に相対回転自在に支持されてドグクラッチ33により出力軸12に結合可能な駆動ヘリカルギヤ38と、駆動ヘリカルギヤ38よりも小径に形成されてディファレンシャルギヤ35のギヤボックスに固設される従動ヘリカルギヤ39とで構成される。
【0028】
次に、図2〜6に基づいて無段変速機Tの構造を説明する。
【0029】
図2および図3に示すように、無段変速機Tは同一構造を有する複数個(実施の形態では4個)の変速ユニット10…を軸方向に重ね合わせたもので、それらの変速ユニット10…は入力軸11および出力軸12を共有している。
【0030】
以下、代表として一つの変速ユニット10の構造を説明する。エンジンEのクランクシャフト31に接続されて回転する入力軸11は、変速アクチュエータAの中空の変速軸14aの内部を相対回転自在に貫通する。変速アクチュエータAのロータ14bは変速軸14aに固定されており、ステータ14cはケーシングに固定される。変速アクチュエータAの変速軸14aは、入力軸11と同速度で回転可能であり、かつ入力軸11に対して異なる速度で相対回転可能である。
【0031】
変速アクチュエータAの変速軸14aを貫通した入力軸11には第1ピニオン15が固定されており、この第1ピニオン15を跨ぐように変速アクチュエータAの変速軸14aにクランク状のキャリヤ16が接続される。第1ピニオン15と同径の2個の第2ピニオン17,17が、第1ピニオン15と協働して正三角形を構成する位置にそれぞれピニオンピン16a,16aを介して支持されており、これら第1ピニオン15および第2ピニオン17,17に、円板形の偏心ディスク18の内部に偏心して形成されたリングギヤ18aが噛合する。偏心ディスク18の外周面に、コネクティングロッド19のロッド部19aの一端に設けたリング部19bがボールベアリング20を介して相対回転自在に嵌合する。
【0032】
出力軸12の外周に設けられたワンウェイクラッチ21は、コネクティングロッド19のロッド部19aにピン19cを介して枢支されたリング状のアウター部材22と、アウター部材22の内部に配置されて出力軸12に固定されたインナー部材23と、アウター部材22の内周の円弧面とインナー部材23の外周の平面との間に形成された楔状の空間に配置されてスプリング24…で付勢されたローラ25…とを備える。
【0033】
図2から明らかなように、4個の変速ユニット10…はクランク状のキャリヤ16を共有しているが、キャリヤ16に第2ピニオン17,17を介して支持される偏心ディスク18の位相は各々の変速ユニット10で90°ずつ異なっている。例えば、図2において、左端の変速ユニット10の偏心ディスク18は入力軸11に対して図中上方に変位し、左から3番目の変速ユニット10の偏心ディスク18は入力軸11に対して図中下方に変位し、左から2番目および4番目の変速ユニット10,10の偏心ディスク18,18は上下方向中間に位置している。
【0034】
次に、無段変速機Tの一つの変速ユニット10の作用を説明する。変速アクチュエータA4の変速軸14aを入力軸11に対して相対回転させると、入力軸11の軸線L1まわりにキャリヤ16が回転する。このとき、キャリヤ16の中心O、つまり第1ピニオン15および2個の第2ピニオン17,17が成す正三角形の中心は入力軸11の軸線L1まわりに回転する。
【0035】
図3および図5は、キャリヤ16の中心Oが第1ピニオン15(つまり入力軸11)に対して出力軸12と反対側にある状態を示しており、このとき入力軸11に対する偏心ディスク18の偏心量ε(図3参照)が最大になって無段変速機Tの変速比はTOP状態になる。図4および図6は、キャリヤ16の中心Oが第1ピニオン15(つまり入力軸11)に対して出力軸12と同じ側にある状態を示しており、このとき入力軸11に対する偏心ディスク18の偏心量εが最小になって無段変速機Tの変速比はLOW状態になる。
【0036】
図5に示すTOP状態で、エンジンEで入力軸11を回転させるとともに、入力軸11と同速度で変速アクチュエータAの変速軸14aを回転させると、入力軸11、変速軸14a、キャリヤ16、第1ピニオン15、2個の第2ピニオン17,17および偏心ディスク18が一体になった状態で、入力軸11を中心に反時計方向(矢印A参照)に偏心回転する。図5(A)から図5(B)を経て図5(C)の状態へと回転する間に、偏心ディスク18の外周にリング部19bをボールベアリング20を介して相対回転自在に支持されたコネクティングロッド19は、そのロッド部19aの先端にピン19cで枢支されたアウター部材22を反時計方向(矢印B参照)に回転させる。図5(A)および図5(C)は、アウター部材22の前記矢印B方向の回転の両端を示している。
【0037】
このようにしてアウター部材22が矢印B方向に回転すると、ワンウェイクラッチ21のアウター部材22およびインナー部材23間の楔状の空間にローラ25…が噛み込み、アウター部材22の回転がインナー部材23を介して出力軸12に伝達されるため、出力軸12は反時計方向(矢印C参照)に回転する。
【0038】
入力軸11および第1ピニオン15が更に回転すると、第1ピニオン15および第2ピニオン17,17にリングギヤ18aを噛合させた偏心ディスク18が反時計方向(矢印A参照)に偏心回転する。図5(C)から図5(D)を経て図5(A)の状態へと回転する間に、偏心ディスク18の外周にリング部19bをボールベアリング20を介して相対回転自在に支持されたコネクティングロッド19は、そのロッド部19aの先端にピン19cで枢支されたアウター部材22を時計方向(矢印B′参照)に回転させる。図5(C)および図5(A)は、アウター部材22の前記矢印B′方向の回転の両端を示している。
【0039】
このようにしてアウター部材22が矢印B′方向に回転すると、アウター部材22とインナー部材23との間の楔状の空間からローラ25…がスプリング24…を圧縮しながら押し出されることで、アウター部材22がインナー部材23に対してスリップして出力軸12は回転しない。
【0040】
以上のように、アウター部材22が往復回転したとき、アウター部材22の回転方向が反時計方向(矢印B参照)のときだけ出力軸12が反時計方向(矢印C参照)に回転するため、出力軸12は間欠回転することになる。
【0041】
図6は、LOW状態で無段変速機Tを運転するときの作用を示すものである。このとき、入力軸11の位置は偏心ディスク18の中心に一致しているので、入力軸11に対する偏心ディスク18の偏心量εはゼロになる。この状態でエンジンEで入力軸11を回転させるとともに、入力軸11と同速度で変速アクチュエータAの変速軸14aを回転させると、入力軸11、変速軸14a、キャリヤ16、第1ピニオン15、2個の第2ピニオン17,17および偏心ディスク18が一体になった状態で、入力軸11を中心に反時計方向(矢印A参照)に偏心回転する。しかしながら、偏心ディスク18の偏心量εがゼロであるため、コネクティングロッド19の往復運動のストロークもゼロになり、出力軸12は回転しない。
【0042】
従って、変速アクチュエータAを駆動してキャリヤ16の位置を図3のTOP状態と図4のLOW状態との間に設定すれば、ゼロ変速比および所定変速比間の任意の変速比での運転が可能になる。
【0043】
無段変速機Tは、並置された4個の変速ユニット10…の偏心ディスク18…の位相が相互に90°ずつずれているため、4個の変速ユニット10…が交互に駆動力を伝達することで、つまり4個のワンウェイクラッチ21…の何れかが必ず係合状態にあることで、出力軸12を連続回転させることができる。
【0044】
次に、図7に基づいてドグクラッチ33および増速機構34の構造を説明する。
【0045】
増速機構34は、出力軸12の外周に相対回転自在に支持された駆動ヘリカルギヤ38と、ディファレンシャルギヤ35のギヤボックスに固設された従動ヘリカルギヤ39とで構成されるもので、駆動ヘリカルギヤ38および従動ヘリカルギヤ39はギヤ歯の噛合い率の向上によってトルク伝達の脈動を防止するためのものであり、かつ出力軸12の回転数を増速してディファレンシャルギヤ35に伝達すべく、大径の駆動ヘリカルギヤ38の歯数は小径の従動ヘリカルギヤ39の歯数よりも多く設定されている(図1参照)。
【0046】
ヘリカルギヤはトルク伝達を行うときに歯面どうしが斜めに噛み合うため、軸方向のスラスト力が発生する。このスラスト力が出力軸12に伝達されてしまうと、出力軸12に設けたワンウェイクラッチ21…に異常摩耗が発生したりフリクションが増加したりする可能性があるため、増速機構34の駆動ヘリカルギヤ38は出力軸12に相対回転自在かつ軸方向摺動自在にフローティング支持され、ラジアル力およびスラスト力の両方を支持可能なアンギュラボールベアリング40,41を介してケーシング42に回転自在に支持される。よって駆動ヘリカルギヤ38に作用するスラスト力はケーシング42に伝達されて支持され、出力軸12に伝達されることがないため、前記スラスト力によるワンウェイクラッチ21…の異常摩耗やフリクションの増加を確実に防止することができる。
【0047】
出力軸12は駆動ヘリカルギヤ38の軸方向両側において一対のボールベアリング43,44を介してケーシング42に回転自在に支持されており、右側のアンギュラボールベアリング41および右側のボールベアリング44の間にドグクラッチ33が配置される。ドグクラッチ33は、駆動ヘリカルギヤ38から右側に延びるボス38aの外周に形成したスプライン38bと、出力軸12の外周に形成したスプライン12aと、両者のスプライン38b,12aに同時に係合可能なスプライン45aが形成されたスリーブ45と、スリーブ45のフォーク溝45bに嵌合して該スリーブ45を軸線方向に駆動するフォーク46とで構成される。従って、図7において、フォーク46でスリーブ45を左側に移動させると出力軸12に駆動ヘリカルギヤ38が結合され、フォーク46でスリーブ45を右側に移動させると出力軸12から駆動ヘリカルギヤ38が切り離される。
【0048】
後進走行用の電動モータMのモータ軸47に固設した後進用ギヤ48がディファレンシャルギヤ35のギヤボックスに固設した従動ヘリカルギヤ39に噛合する。
【0049】
次に、上記構成を備えた本発明の実施の形態の作用を説明する。
【0050】
ドグクラッチ33を係合して駆動ヘリカルギヤ38を出力軸12に結合した状態では、エンジンEの駆動力はクランクシャフト31からダンパー32を介して入力軸11に入力され、無段変速機Tで変速されて出力軸12に出力される。出力軸12の回転はドグクラッチ33から駆動ヘリカルギヤ38、従動ヘリカルギヤ39、ディファレンシャルギヤ35および左右の駆動輪伝達軸36,37を介して駆動輪W,Wに伝達され、車両を前進走行させる。車両の停止中は、無段変速機Tの偏心量εをゼロにすることで出力軸12は回転を停止するため、ドグクラッチ33を係合解除せずともエンジンEのアイドリング運転が可能である。
【0051】
車両の後進走行時には、ドグクラッチ33を係合解除して駆動ヘリカルギヤ38を出力軸12から切り離した状態で電動モータMを駆動し、モータ軸47の回転を後進用ギヤ48を介して従動ヘリカルギヤ39に伝達すれば良い。電動モータMを後進走行時と逆方向に駆動すれば、電動モータMによる前進走行や、電動モータMによるエンジンEの駆動力のアシストを行うことができる。
【0052】
尚、ドグクラッチ33が係合したまま車両が後進走行すると駆動輪W,Wの回転が出力軸12に逆伝達されるが、無段変速機Tは出力軸12側から入力軸11側に駆動力を逆伝達可能な構造になっていないため、ワンウェイクラッチ21…が連続的に係合してコネクティングロッド19…が損傷する虞がある。しかしながら本実施の形態では、車両の後進走行時にドグクラッチ33を係合解除することで、上記問題を解消することができる。
【0053】
さて、本実施の形態では、出力軸12の回転を駆動ヘリカルギヤ38および従動ヘリカルギヤ29よりなる増速機構34を介して増速した状態でディファレンシャルギヤ35に伝達することで、以下のような作用効果を達成することができる。
【0054】
図8において、太い破線は本発明の無段変速機Tの単体の変速比および伝達効率の関係を示す特性ラインであり、太い実線は本発明の無段変速機Tに増速機構34を組み合わせたもののトータルの特性ラインである。太い破線の無段変速機Tの単体の特性ラインに比べて太い実線の無段変速機Tおよび増速機構34のトータルの特性ラインは、図中下側および右側にシフトしている。トータルの特性ラインが下側にシフトするのは、増速機構34を設けたことによりフリクションが増加して伝達効率が低下するためである。またトータルの特性ラインが右側にシフトするのは、増速機構34を設けたことにより変速比が減少するためである。
【0055】
このように、無段変速機Tに増速機構34を組み合わせることにより、そのトータルの伝達効率は、変速比が約5以上の領域で若干低下するものの、変速比が約5未満の領域で増加させることができる。これが可能なのは、本発明の無段変速機Tが高変速比を得ることが可能であり、かつ高変速比の領域で伝達効率が略一定の高い値に維持されているためである。
【0056】
図8において、細い破線はベルト式無段変速機の単体の変速比および伝達効率の関係を示す特性ラインであり、細い実線はベルト式無段変速機に増速機構を組み合わせたもののトータルの特性ラインである。しかしながら、ベルト式無段変速機は高変速比を得ることが難しく、しかも高変速比の領域で伝達効率が低下するため、ベルト式無段変速機に増速機構を組み合わせた場合(細い実線参照)、発進時のトルクを発生させるのに必要な高変速比を得ることができなくなり、スムーズな発進が困難になる可能性があるだけでなく、エンジンEの発生トルクによってはエンジンEがストールする可能性がある。
【0057】
以上のように、本実施の形態によれば、無段変速機Tおよび増速機構34を組み合わせることで、高い伝達効率を維持しながら最小変速比を例えば2以下に低下させることができる。これにより、図12における車両の運転状態をa点からb点に移動させ、燃料消費率の低減を図ることができる。
【0058】
図14に示すように、無段変速機Tの伝達効率の高い部分は変速比が6〜∞の領域であるため、図12で説明した燃料消費率の低減を狙って1.5〜∞の変速比を得るには、無段変速機Tを変速比が6〜∞の領域で使用するとともに、増速機構34の増速比を4に設定して変速比=1.5が得られるようにすれば良い。一方、増速機構34の増速比を増加させるとフリクションも増加するため、増速比を小さく抑えることが望ましいが、増速比を小さく抑えると、図12で説明した燃料消費率の低減効果が薄れるため、増速比の最小値は1.3程度が限界である。よって増速機構34の増速比の範囲は1.3〜4程度であることが望ましい。
【0059】
エンジンEから駆動輪W,Wに伝達される平均トルクが同じであると仮定した場合、増速機構34を設けた場合には、増速機構34を設けない場合に比べて、出力トルクが変動する振幅を小さく抑えることができる。以下、その理由を図9に基づいて説明する。
【0060】
図9(A)は、出力軸12の回転角に対する無段変速機Tの1個のワンウェイクラッチ21の出力トルクを示すもので、破線は増速機構34を備えていない場合(増速比が1の場合)、実線は増速機構34を備えている場合(増速比が1以上の場合)に対応する。同図から、増速機構34を備えている場合の方が、無段変速機Tの1個のワンウェイクラッチ21の出力トルクのピークトルクが大きく、かつトルク伝達の角度が大きくなっていることが分かる。
【0061】
その理由は、ワンウェイクラッチ21がトルクを伝達するメカニズムが、ローラにてトルクが伝達され始める状態から、内輪に対して外輪が捩じられる角度に応じて、伝達トルクの大きさが変わること、つまり伝達トルクが大きいと捩じられる角度が大きくなることに起因している。
【0062】
図9(B)は、出力軸12の回転角に対する増速機構34の出力トルクを示すものである。破線は増速機構34を備えていない場合(増速比が1の場合)であり、この場合には増速機構34においてトルク低減が行われないために、図9(A)の破線と同じ出力トルクになっている。一方、実線は増速機構34を備えている場合(増速比が1以上の場合)であり、この場合には増速機構34における増速比がnであるとすると、出力トルクは図9(A)の実線に比べて1/nに減少する。
【0063】
図9(C)は、図9(B)のグラフを、時間差をもって順番に係合する複数のワンウェイクラッチ21…に対応するように合成したものである。同図から明らかなように、実線で示す増速機構34を備えている場合には、一つのワンウェイクラッチ21が伝達する出力トルクのピークトルクが減少し、かつ前後で係合するワンウェイクラッチ21…の出力トルクが相互に干渉する割合が増加することから、その出力トルクの振幅A2は、破線で示す増速機構34を備えていない場合の振幅A1に比べて小さくなる。
【0064】
図10は、増速機構34の増速比を変化させたときの、増速機構34の出力トルクの振幅を示すもので、無段変速機Tの変速比がトップドライブ状態(変速比が小さい状態)の場合も、無段変速機Tの変速比がアンダードライブ状態(変速比が大きい状態)の場合も、増速比の増加に伴って増速機構34の出力トルクの振幅が小さくなることが分かる。
【0065】
このように、増速機構34の増速比を増加させると増速機構34の出力トルクの振幅を減少させることができるが、増速機構34の出力トルクを一定にするには、増速機構34の増速比を増加させた分だけ無段変速機Tの変速比(減速比)を増加させる必要がある。無段変速機Tの変速比(減速比)が増加すると、その出力トルクが増加することでワンウェイクラッチ21…が伝達すべきトルクが増加し、ワンウェイクラッチ21…が大型化する問題があるため、増速機構34の増速比を無闇に増加させることは困難である。よって、増速機構34の出力トルクの振幅が小さくなることと、ワンウェイクラッチ21…が大型化することとの兼ね合いから、増速機構34の増速比は1.5〜3程度が好ましいと考えられる。
【0066】
ところで、出力軸12の回転数が同一であるとすると、仮に無段変速機Tの上流側(エンジンE側)に増速機構34を設けた場合には、無段変速機Tの下流側に増速機構34を設ける場合に比べて、ワンウェイクラッチ21が単位時間に係合および係合解除する回数が増加する。即ち、ワンウェイクラッチ21が短い時間間隔で係合および係合解除することが必要となり、高い応答周波数が要求される。この要求を満たすためには、ワンウェイクラッチ21のローラ25…をアウター部材23およびインナー部材23間に形成される楔面に噛み込む方向に付勢するスプリング24…(図3および図4参照)の弾発力を強く設定することが必要となり、その結果としてワンウェイクラッチ21のフリクションが増加する原因となる。
【0067】
しかしながら、本実施の形態によれば、無段変速機Tの下流側に増速機構34を設けたことで、ワンウェイクラッチ21の必要応答周波数を低減することができるので、その分だけスプリング24…の弾発力を弱く設定してフリクションを低減することができる。
【0068】
図1に鎖線で示すように、仮に増速機構34を廃止して無段変速機Tの出力軸12の両端に駆動輪伝達軸36,37を接続したとすると、出力軸12の左端に接続される左側の駆動輪伝達軸36の長さが出力軸12の右側に接続される右側の駆動輪伝達軸37の長さに比べて極端に短くなり、左右の駆動輪伝達軸36,37の長さのアンバランスによって乗り心地性や操安性が低下する可能性がある。
【0069】
しかしながら、本実施の形態によれば、駆動輪伝達軸36,37を無段変速機Tの出力軸12と別軸に配置したことにより、左右の駆動輪伝達軸36,37の長さを略均等にして乗り心地性や操安性の低下を防止することができる。
【0070】
次に、図11に基づいて本発明の第2の実施の形態を説明する。
【0071】
第1の実施の形態は、増速機構34が駆動ヘリカルギヤ38および従動ヘリカルギヤ39で構成されているが、第2の実施の形態は、増速機構34が駆動ヘリカルギヤ38および従動ヘリカルギヤ39に加えて遊星歯車機構49を備えている。
【0072】
遊星歯車機構49は、出力部材としてのサンギヤ50と、入力部材としてのキャリヤ51と、固定部材としてのリングギヤ52と、キャリヤ51に回転自在に支持されてサンギヤ50およびリングギヤ52に同時に噛合する複数のピニオン53…とを備える。サンギヤ50は駆動ヘリカルギヤ38のボス部に固設され、キャリヤ51はボールベアリング54を介してケーシング42に支持され、リングギヤ52はケーシング42に固設される。ドグクラッチ33はキャリヤ51と出力軸12とを結合可能である。
【0073】
従って、ドグクラッチ33が係合した状態では、出力軸12の回転はドグクラッチ33、キャリヤ51、ピニオン53…およびサンギヤ50を介して増速されて駆動ヘリカルギヤ38に伝達され、そこから従動ヘリカルギヤ39を介して更に増速されてディファレンシャルギヤ35に伝達される。
【0074】
本実施の形態によれば、遊星歯車機構49によって第1段の増速を行い、駆動ヘリカルギヤ38および従動ヘリカルギヤ39によって第2段の増速を行うので、大きな増速比を容易に確保することができる。またディファレンシャルギヤ35の寸法から従動ヘリカルギヤ39の径を充分に小さくできず、そのために駆動ヘリカルギヤ38および従動ヘリカルギヤ39によって増速を行うことができない場合であっても、遊星歯車機構49によって必要な増速比を確保することができる。
【0075】
この第2の実施の形態によっても、上述した第1の実施の形態と同様の作用効果を達成することができる。
【0076】
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明はその要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更を行うことが可能である。
【0077】
例えば、本発明の駆動源は実施の形態のエンジンEに限定されず、電動モータ等の他の駆動源であっても良い。
【0078】
また実施の形態では駆動ヘリカルギヤ38に作用するスラスト力を支持するスラストベアリングとしてアンギュラボールベアリング40,41を採用しているが、任意の形式のスラストベアリングを採用することができる。
【0079】
また実施の形態では駆動ヘリカルギヤ38を一対のアンギュラボールベアリング40,41でケーシング42に支持しているが、エンジンEの回転方向は決まっており、駆動ヘリカルギヤ38に作用するスラスト力の方向は一定であるため、駆動ヘリカルギヤ38のスラスト力を受ける側のベアリングのみをスラストベアリングで構成しても良い。
【0080】
またドグクラッチ33を設けない場合には、駆動ヘリカルギヤ38を出力軸12に相対回転不能かつ軸方向摺動可能にスプラインで支持した状態で、その駆動ヘリカルギヤ38をケーシング42にスラストベアリングを介して支持することで、出力軸12にスラスト力が伝達されるのを防止することができる。
【符号の説明】
【0081】
10 変速ユニット
11 入力軸
12 出力軸
18 偏心ディスク(入力側支点)
19 コネクティングロッド
19c ピン(出力側支点)
21 ワンウェイクラッチ
22 アウター部材(入力部材)
33 ドグクラッチ
34 増速機構
35 ディファレンシャルギヤ
36 駆動輪伝達軸
37 駆動輪伝達軸
38 駆動ヘリカルギヤ
39 従動ヘリカルギヤ
40 アンギュラボールベアリング(スラストベアリング)
41 アンギュラボールベアリング(スラストベアリング)
42 ケーシング
E エンジン(駆動源)
L1 入力軸の軸線
T 無段変速機
W 駆動輪
ε 偏心量

【特許請求の範囲】
【請求項1】
駆動源(E)に接続された入力軸(11)の回転を変速して出力軸(12)に伝達する無段変速機(T)が、前記入力軸(11)および前記出力軸(12)の軸方向に並置された複数の変速ユニット(10)を備え、
前記複数の変速ユニット(10)の各々が、
前記入力軸(11)の軸線(L1)からの偏心量(ε)が可変であって該入力軸(11)と共に回転する入力側支点(18)と、
前記出力軸(12)に接続されたワンウェイクラッチ(21)と、
前記ワンウェイクラッチ(21)の入力部材(22)に設けられた出力側支点(19c)と、
前記入力側支点(18)および前記出力側支点(19c)に両端を接続されて往復運動するコネクティングロッド(19)と、
前記出力軸(12)の回転を駆動輪(W)に伝達する駆動輪伝達軸(36,37)と、を備える車両用動力伝達装置であって、
前記出力軸(12)の回転を増速して前記駆動輪伝達軸(36,37)に伝達する増速機構(34)を備えることを特徴とする車両用動力伝達装置。
【請求項2】
前記出力軸(12)および前記駆動輪伝達軸(36,37)は別軸上に配置され、前記駆動輪伝達軸(36,37)上にディファレンシャルギヤ(35)が配置されることを特徴とする、請求項1に記載の車両用動力伝達装置。
【請求項3】
前記増速機構(34)は、前記出力軸(12)上に設けた駆動ヘリカルギヤ(38)と、前記駆動輪伝達軸(36,37)上に設けた従動ヘリカルギヤ(39)とを含み、前記駆動ヘリカルギヤ(38)は前記出力軸(12)に軸方向摺動可能に嵌合して前記無段変速機(T)のケーシング(42)にスラストベアリング(40,41)を介して支持されることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の車両用動力伝達装置。
【請求項4】
前記駆動ヘリカルギヤ(38)は前記出力軸(12)に相対回転不能かつ軸方向摺動可能に嵌合し、ドグクラッチ(33)により前記出力軸(12)に結合可能であることを特徴とする、請求項3に記載の車両用動力伝達装置。
【請求項5】
前記駆動ヘリカルギヤ(38)は前記出力軸(12)に相対回転不能かつ軸方向摺動可能にスプライン結合されることを特徴とする、請求項3に記載の車両用動力伝達装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2012−255473(P2012−255473A)
【公開日】平成24年12月27日(2012.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−128034(P2011−128034)
【出願日】平成23年6月8日(2011.6.8)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】