説明

車両用操舵装置

【課題】運転者がステアリングホイルの切り遅れという違和感を抱くことなく、カーブを走行可能な車両用操舵装置を提供する。
【解決手段】ステアリングホイルの操舵角θhを検出する操舵角センサ3と、ステアリングホイルの操舵角速度dθh/dtを算出する角速度算出部23とを備え、操舵角θhと操舵角速度dθh/dtに基づいて目標転舵角θfを設定し、車両の転舵輪の転舵角が目標転舵角θfになるように転舵輪を転舵する車両用操舵装置において、車両が現在走行している車道の中心線の曲線半径Rを検出し、操舵角速度ゲインK1を曲線半径Rが小さくなると増大するように設定し、操舵角θhと操舵角ゲインK0の積K0・θhと操舵角速度dθh/dtと操舵角速度ゲインK1の積K1・dθh/dtとの和に基づいて目標転舵角θfを設定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ステアリングホイルの操舵角と操舵角速度に基づいて目標転舵角を設定し、車両の転舵輪の転舵角が前記目標転舵角になるように転舵する車両用操舵装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、運転者によるステアリングホイルの操舵角に対する、車両の転舵輪の転舵角を可変できるアクティブ前輪操舵(AFS:Active front steering)とステア・バイ・ワイヤ(SBW:Steer by Wire)とが提案されている(例えば、特許文献1参照)。このような操舵装置では、ステアリングホイルの操作量や、車両の車速に応じて、転舵輪の目標転舵角を決定し、この目標転舵角に応じて転舵輪を転舵させている。
【特許文献1】特開2008−189200号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
前記アクティブ前輪操舵やステア・バイ・ワイヤを搭載した車両に限らず、一般の車両において、車両がカーブに進入すると、車両はアンダーステアになり、運転者は、切り遅れというステアリングホイルが思ったように切れない違和感を抱く場合があった。
【0004】
そこで、本発明は、運転者がステアリングホイルの切り遅れという違和感を抱くことなく、カーブを走行可能な車両用操舵装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、ステアリングホイルの操舵角を検出する操舵角検出手段と、前記ステアリングホイルの操舵角速度を算出する操舵角速度算出手段とを備え、前記操舵角と前記操舵角速度に基づいて目標転舵角を設定し、車両の転舵輪の転舵角が前記目標転舵角になるように前記転舵輪を転舵する車両用操舵装置において、
前記車両が現在走行している車道の中心線の曲線半径を検出し、
操舵角速度ゲインを、前記曲線半径が小さくなると増大するように設定し、
前記操舵角と操舵角ゲインの積と、前記操舵角速度と前記操舵角速度ゲインの積との和に基づいて前記目標転舵角を設定することを特徴とする。
【0006】
車両が現在走行している車道の中心線の曲線半径が小さいほど、車両の転舵輪の転舵角を大きくしなければならず、応じて、ステアリングホイルの操舵角も大きくしなければならない。本発明によれば、曲線半径が小さい場合、大きな操舵角速度ゲインを設定でき、さらに、この大きな操舵角速度ゲインと操舵角速度との積に基づいて目標転舵角が設定できるので、結果的に、操舵角は小さくても、目標転舵角を大きくできる。このため、カーブでのアンダーステアは発生し難く、運転者の抱くステアリングホイルが思ったように切れないという切り遅れの違和感を抑制することができる。また、操舵角速度ゲインと操舵角速度との積に基づいて目標転舵角が設定できるので、運転者がステアリングホイルを速く切って、迅速に転舵したい場合は、操舵角速度が大きくなるので、目標転舵角も大きくでき、カーブ時の操舵角の応答性を高められる。これによっても、運転者の抱くステアリングホイルが思ったように切れないという切り遅れの違和感を抑制することができる。
【0007】
また、本発明の前記曲線半径の検出では、ナビゲーションシステムから取得される前記車道の地図情報に基づいて、前記曲線半径が検出されることが好ましい。ナビゲーションシステムでは、走行中には、車両が現在走行している車道を含めた付近の地図情報を有している。この地図情報から、車両の予定ルートに沿った車両が現在走行している車道の道路情報を取得すれば、その道路情報から、その車道(道路情報)の中心線の曲線半径は、画像処理により、容易に検出することができる。
【0008】
また、本発明の前記曲線半径の検出では、カメラで撮影される前記車道の画像情報に基づいて、前記曲線半径が検出されることが好ましい。車載されているカメラで撮影された車両が現在走行している車道の画像情報からは、画像処理により、その車道の中心線の曲線半径を容易に検出することができる。
【0009】
また、本発明では、前記転舵角に対する前記操舵角の伝達レシオを変化させる差動ギヤを有し、前記差動ギヤは、前記転舵角が前記目標転舵角になるように、前記操舵角に応じて前記伝達レシオを変化させることが好ましい。これによれば、本発明に係る車両用操舵装置を、アクティブ前輪操舵において提供することができる。
【0010】
また、本発明では、発生するトルクを前記ステアリングホイルに伝達させることなく、前記転舵輪を転舵させるように駆動する転舵アクチュエータを有することが好ましい。これによれば、本発明に係る車両用操舵装置を、ステア・バイ・ワイヤにおいて提供することができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、運転者がステアリングホイルの切り遅れという違和感を抱くことなく、カーブを走行可能な車両用操舵装置を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
次に、本発明の実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。なお、各図において、共通する部分には同一の符号を付し重複した説明を省略する。
【0013】
図1に、本発明の実施形態に係る車両用操舵装置1の構成図を示す。
車両用操舵装置1は、運転者が操舵可能なステアリングホイル2と、その操舵による操舵角θhを検出する操舵角センサ(操舵角検出手段)3と、その操舵による操舵トルクを検出するトルクセンサ4と、操舵角θhに対する車両の転舵輪11の転舵角の比である伝達レシオK2の大きさを可変させる伝達レシオ可変機構5と、ステアリングホイル2の操舵角θh(操舵力)を転舵輪11の転舵角(操舵力)に変換するラック&ピニオン型ギヤボックス6と、転舵角を検出する転舵角センサ7とを有している。
【0014】
ステアリングホイル2は、ステアリングシャフト2aに連結され、ステアリングホイル2に伴ってステアリングシャフト2aが回転することによって、操舵角θh(操舵力)が伝達可変機構5に伝達される。操舵角センサ(操舵角検出手段)3と、トルクセンサ4とは、ステアリングシャフト2aの近傍に設けられている。検出された操舵角θhと操舵トルクとは、制御手段8へ送信される。操舵角θhは、中立位置をθh=0として、正の値で定義されるものとする。また、ここで、ステアリングホイル2の中立位置とは、転舵輪11が直進状態になるように制御されるステアリングホイル2の位置に対応する。
【0015】
伝達レシオ可変機構5は、ステアリングシャフト2aとラック&ピニオン型ギヤボックス6のそれぞれに連結する差動ギヤ5bと、伝達レシオK2を変化させるために差動ギヤ5bを回動させる差動ギヤ用モータ5aと、制御手段8から伝達レシオK2を受信し、受信した伝達レシオK2になるように差動ギヤ用モータ5aを駆動するための駆動電流を流す駆動手段5cとを有している。
【0016】
ラック&ピニオン型ギヤボックス6は、軸方向に移動して転舵輪11を転舵させる略棒状のラック軸6dと、ステアリングホイル2等の回転運動をラック軸6dの軸方向の直線運動に変換するラック&ピニオン6aと、ラック軸6dに転舵力の補助力を付与するEPSモータ6bと、EPSモータ6bをPWM駆動し補助力を発生させるための駆動電流を供給する駆動手段6cとを有している。
【0017】
ラック軸6dの両端部には、それぞれ、ステアリングロッド14、タイロッド13、及びナックルアーム12を介して、転舵輪11が連結されている。ラック軸6dに伝達した転舵力によって、ステアリングロッド14が直線運動し、タイロッド13及びナックルアーム12を介して、転舵輪11は、その転舵角を変化させる。
【0018】
転舵角センサ7は、ラック軸6dに設けられている。転舵角センサ7は、ステアリングロッド14の移動量を検出するポテンショメータを有している。
【0019】
トルクセンサ4は、ステアリングホイル2と差動ギヤ5bの間に装備され、ステアリングホイル2にかかる操舵トルクを直接検出できるようになっている。トルクセンサ4で計測された操舵トルクは、制御手段8に送信される。制御手段8では、操舵トルクに基づいて前記補助力の大きさが決定され、その補助力に見合った駆動電流をEPSモータ6bへ出力するように、駆動手段6cに制御信号を送信する。EPSモータ6bは、運転者がステアリングホイル2に作用させる操舵力を軽減させるために、補助力を発生させるのであって、操舵角θhに対して対応する転舵角を小さくさせたり大きくさせたりして変化させることは基本的に無い。一方、伝達レシオ可変機構5は、操舵角θhに対して対応する転舵角(伝達レシオK2)を小さくさせたり大きくさせたり変化させることができる。伝達レシオK2は所定の値に設定されると、実質的に、ステアリングホイル2から転舵輪11までは、機械的に連結され、EPSモータ6b単独でラック軸6dを移動させることは基本的にできない。
【0020】
このことから、(目標)転舵角θfは、式1によって求めることができる。ここで、K0は、操舵角ゲインである。伝達レシオK2は、車両が現在走行している車道の中心線の曲線半径Rによって変化することになるが、操舵角ゲインK0は、曲線半径Rによって変化しない値である。

θf=K2×K0×θh・・・式1
【0021】
そして、制御手段8には、ナビゲーションシステム9aとカメラ9bとの少なくともどちらか一方が接続されている。制御手段8は、ナビゲーションシステム9aから取得される車両が現在走行している車道の地図情報に基づいて、前記曲線半径Rを検出する。また、制御手段8は、カメラ9bで撮影される車両が現在走行している車道の画像情報に基づいて、前記曲線半径Rを検出する。
【0022】
図2に、制御手段8のブロック図を示す。制御手段8は、操舵角ゲイン設定部21と、乗算部22と、角速度算出部23と、R検出部24と、操舵角速度ゲイン設定部25と、乗算部26と、和算部27と、伝達レシオ算出部28とを有している。
【0023】
R検出部24には、ナビゲーションシステム9aとカメラ9bの少なくともどちらか一方が接続されている。ナビゲーションシステム9aが接続されている場合は、図3に示すような車両が現在走行している車道周辺の地図情報31が、ナビゲーションシステム9aからR検出部24へ送信される。地図情報31は、車両が現在走行している車道の形状、すなわち、どこを通って、どう曲がっているかのわかる道路情報32を有している。R検出部24は、地図情報31から、道路情報32を抽出する。R検出部24は、抽出した道路情報32に基づいて、車両が現在走行している車道の中心線33を作成する。中心線33は、車両の現在の位置を示す車両位置35の前後に作成される。なお、この中心線33に替えて、ナビゲーションシステム9aが作成した、車両が目的地に向かうために選択された予定ルートを用いてもよい。次に、R検出部24は、車両位置35の前後の中心線33にフィッティングする円34の半径を前記曲線半径Rとして検出する。
【0024】
また、R検出部24にカメラ9bが接続されている場合は、図4に示すような車両が現在走行している車道を、カメラ9bで撮影した画像情報36が、カメラ9bからR検出部24へ送信される。R検出部24は、画像情報36に基づいて、車道の両端である縁石37と中央分離38とを抽出する。R検出部24は、縁石37と中央分離38との中央に、車両が現在走行している車道の中心線39を作成する。次に、R検出部24は、中心線39にフィッティングする円弧40の半径を前記曲線半径Rとして検出する。
【0025】
そして、検出された曲線半径Rは、R検出部24から、操舵角速度ゲイン設定部25へ送信される。
【0026】
図5に、操舵角速度ゲイン設定部25が、入力する曲線半径Rと、その曲線半径Rに対して設定(出力)する操舵角速度ゲインK1の関係を示す。図5に示すように、操舵角速度ゲイン設定部25に入力される曲線半径Rが小さくなる程、操舵角速度ゲイン設定部25から出力される操舵角速度ゲインK1は大きくなるように設定されている。このような設定は、曲線半径Rと操舵角速度ゲインK1の関係をデータベースに記憶させておき、入力した曲線半径Rに応じて、対応する操舵角速度ゲインK1を読み出し出力することで実現することができる。
【0027】
また、図2に示すように、制御手段8では、操舵角センサ3から受信した操舵角θhを、乗算部22と、角速度算出部23と、伝達レシオ算出部28とが受信する。
【0028】
乗算部22では、操舵角θhと前記操舵角ゲインK0とを乗算し、その積K0・θhを出力する。前記したように操舵角ゲインK0は、曲線半径Rによって変化しない値であるので、操舵角ゲイン設定部21に所定の操舵角ゲインK0を予め設定して記憶しておき、必要に応じて読み出せばよい。
【0029】
角速度算出部(操舵角速度算出手段)23は、受信した操舵角θhを用いて、操舵角θhの時間微分である操舵角速度dθh/dtを算出し、乗算部26へ送信する。
【0030】
乗算部26では、操舵角速度dθh/dtと前記操舵角速度ゲインK1とを乗算し、その積K1・dθh/dtを出力する。
【0031】
和算部27では、積K0・θhと、積K1・dθh/dtとを和算し、その和(K0×θh+K1×dθh/dt)を目標転舵角θfとして出力する。目標転舵角θfは、制御手段8が車両の転舵輪の転舵角を制御して近づけ一致させようとする目標値である。すなわち、制御手段8は、その和を目標転舵角θfに設定したことになる(θf=K0×θh+K1×dθh/dt)。
【0032】
伝達レシオ算出部28では、和算部27から受信する目標転舵角θfに基づいて、前記式1を用いて、伝達レシオK2を算出する。算出された伝達レシオK2は、駆動手段5c(図1参照)へ送信され、伝達レシオ可変機構5(図1参照)において、転舵角が目標転舵角θfに一致するような伝達レシオK2が実現されることになる。また、制御手段8は、転舵角センサ7で計測される転舵角を受信し、受信した転舵角が目標転舵角θfに一致するようにフィードバック制御を行いことで、その一致の精度を高めることができる。
【0033】
図6に、ステアリングホイルを操舵した際の目標転舵角θfの時間変化を示す。目標転舵角θfは、操舵角依存成分(K0・θh)と操舵角速度依存成分(K1・dθh/dt)の和であるので、操舵角依存成分(K0・θh)に、操舵角速度依存成分(K1・dθh/dt)が加算されて上積みされている様子として図6を表している。また、実線の「大R」は、図5に示すように曲線半径Rが大きい場合であり、破線の「小R」は曲線半径Rが小さい場合である。
【0034】
これより、曲線半径Rが小さい方が、操舵角は同じでも、目標転舵角θfを大きくでき、カーブでのアンダーステアは発生し難く、運転者の抱くステアリングホイル2が思ったように切れないという切り遅れの違和感を抑制することができる。また、曲線半径Rが小さい方が、操舵開始から目標転舵角θfがピークに達するまでの時間が短いので、カーブ時の操舵角の応答性が高くなり、運転者の抱くステアリングホイル2が思ったように切れないという切り遅れの違和感を抑制することができる。
【0035】
図7に、本発明の実施形態の変形例に係る車両用操舵装置1の構成図を示す。図1の実施形態に係る車両用操舵装置1は、アクティブ前輪操舵によっていたが、図7の実施形態の変形例に係る車両用操舵装置1は、ステア・バイ・ワイヤによっている。変形例が、実施形態と異なる点は、トルクセンサ4と伝達レシオ可変機構5が省かれ、反力モータ15と反力モータ駆動手段15aとが設けられている点である。また、ラック&ピニオン6aとEPSモータ6bと駆動手段6cが省かれ、転舵アクチュエータ16と転舵アクチュエータ駆動手段16aが設けられている点が異なっている。特に、伝達レシオ可変機構5とラック&ピニオン6aが省かれたことにより、ステアリングホイル2とラック軸6dとが機械的に接続されていない点が大きく異なっている。さらに、伝達レシオ可変機構5が省かれたことによって、制御手段8は、伝達レシオK2を出力することなく、目標転舵角θfを出力すればよいので、図2の伝達レシオ算出部28は省くことができる。
【0036】
反力モータ15は、その出力軸がステアリングシャフト2aと連結されており、これにより、ステアリングホイル2を中立位置(θh=0)に復帰させる方向に作用する反力と、この中立位置(θh=0)に復帰させる方向とは反対の方向に作用させる復帰抵抗力と、を発生させることが可能になっている。制御手段8は、操舵角θhに基づいた制御信号を反力モータ駆動手段15aに出力する。反力モータ駆動手段15aは、制御信号に基づいて、反力モータ15を駆動し、車両の走行状態及び運転者による操作状態に応じて、ステアリングホイル2に対して反力、又は、復帰抵抗力を付与する。
【0037】
転舵アクチュエータ16は、ラック軸6dに転舵動力を付与して、ラック軸6dを軸方向に移動させ、転舵輪11を転舵させる。転舵アクチュエータ駆動手段16aは、制御手段8から、目標転舵角θfを受信する。転舵アクチュエータ駆動手段16aは、転舵角が目標転舵角θfに近づき一致するように、転舵アクチュエータ16を駆動させ、ラック軸6dを移動させる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明の実施形態に係る車両用操舵装置の構成図である。
【図2】制御手段のブロック図である。
【図3】ナビゲーションシステムから取得した地図情報の例であり、曲線半径の検出方法を示している。
【図4】カメラから取得した画像情報の例であり、曲線半径の検出方法を示している。
【図5】操舵角速度ゲイン設定部が、入力する曲線半径Rと、その曲線半径Rに対して設定(出力)する操舵角速度ゲインK1の関係を示すグラフである。
【図6】ステアリングホイルを操舵した際の目標転舵角θfの時間変化を示すグラフであり、操舵角依存成分(K0・θh)に、曲線半径Rが大きい場合と小さい場合の操舵角速度依存成分(K1・dθh/dt)が加算されている様子を示している。
【図7】本発明の実施形態の変形例に係る車両用操舵装置の構成図である。
【符号の説明】
【0039】
1 車両用操舵装置
2 ステアリングホイル
2a ステアリングシャフト
3 操舵角センサ(操舵角検出手段)
4 トルクセンサ
5 伝達レシオ可変機構
5a 差動ギヤ用モータ
5b 差動ギヤ(遊星ギヤ)
5c 駆動手段
6 ラック&ピニオン型ギヤボックス
6a ラック&ピニオン
6b EPSモータ
6c 駆動手段
6d ラック軸
7 転舵角センサ
8 制御手段
9a ナビゲーションシステム
9b カメラ
11 転舵輪
12 ナックルアーム
13 タイロッド
14 ステアリングロッド
15 反力モータ
15a 反力モータ駆動手段
16 転舵アクチュエータ
16a 転舵アクチュエータ駆動手段
21 操舵角ゲイン設定部
22 乗算部
23 角速度算出部
24 R検出部
25 操舵角速度ゲイン設定部
26 乗算部
27 和算部
28 伝達レシオ算出部
31 地図情報
32 道路情報
33 中心線
34 フィッティングした円
35 車両位置
36 画像情報
37 縁石
38 中央分離
39 中心線
40 フィッティングした円弧

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ステアリングホイルの操舵角を検出する操舵角検出手段と、前記ステアリングホイルの操舵角速度を算出する操舵角速度算出手段とを備え、前記操舵角と前記操舵角速度に基づいて目標転舵角を設定し、車両の転舵輪の転舵角が前記目標転舵角になるように前記転舵輪を転舵する車両用操舵装置において、
前記車両が現在走行している車道の中心線の曲線半径を検出し、
操舵角速度ゲインを、前記曲線半径が小さくなると増大するように設定し、
前記操舵角と操舵角ゲインの積と、前記操舵角速度と前記操舵角速度ゲインの積との和に基づいて前記目標転舵角を設定することを特徴とする車両用操舵装置。
【請求項2】
前記曲線半径の検出では、ナビゲーションシステムから取得される前記車道の地図情報に基づいて、前記曲線半径が検出されることを特徴とする請求項1に記載の車両用操舵装置。
【請求項3】
前記曲線半径の検出では、カメラで撮影される前記車道の画像情報に基づいて、前記曲線半径が検出されることを特徴とする請求項1に記載の車両用操舵装置。
【請求項4】
前記転舵角に対する前記操舵角の伝達レシオを変化させる差動ギヤを有し、
前記差動ギヤは、前記転舵角が前記目標転舵角になるように、前記操舵角に応じて前記伝達レシオを変化させることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の車両用操舵装置。
【請求項5】
発生するトルクを前記ステアリングホイルに伝達させることなく、前記転舵輪を転舵させるように駆動する転舵アクチュエータを有することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の車両用操舵装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−132221(P2010−132221A)
【公開日】平成22年6月17日(2010.6.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−312171(P2008−312171)
【出願日】平成20年12月8日(2008.12.8)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】