車両用表示装置
【課題】 表示全体の表示領域を抑制しつつ、車両状態の情報を大きく表示して、視認性を向上できる車両用表示装置を提供すること。
【解決手段】 車両状態を画像で表示する車両用表示装置1において、第1画像表示と第2画像表示の一部を重ねて表示するとともに、重ねる順位を判断して制御する画像制御をCPU21で行い、そのCPU21による画像制御は、第1画像表示又は第2画像表示の指針111,121が、両表示の重なり領域130を指す場合に、指針111,121が指示する画像表示を優先して手前側に表示する。
【解決手段】 車両状態を画像で表示する車両用表示装置1において、第1画像表示と第2画像表示の一部を重ねて表示するとともに、重ねる順位を判断して制御する画像制御をCPU21で行い、そのCPU21による画像制御は、第1画像表示又は第2画像表示の指針111,121が、両表示の重なり領域130を指す場合に、指針111,121が指示する画像表示を優先して手前側に表示する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両状態を画像で表示する車両用表示装置の技術分野に属する。
【背景技術】
【0002】
従来では、車両の作動、状態表示機器、及び警告表示機器と統一して表示するパネルを車両の運転席前面に配置するとともに、パネルの表示素子を液晶表示素子で構成している(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開平10−185625号公報(第2−12頁、全図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、従来の車両用表示装置にあっては、ステアリング径の内部空間から覗き込んで見るタイプであることによる表示領域の制限や、前方視界の確保を理由とする表示領域への制限、インストパネル形状やステアリング形状などデザイン上の理由による表示領域の制限などにより、視認性が良好な状態で車両状態を示す情報を、画像で表示することは困難であった。
【0004】
本発明は、上記問題点に着目してなされたもので、その目的とするところは、表示全体の表示領域を抑制しつつ、車両状態の情報を大きく表示して、視認性を向上できる車両用表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するため、本発明では、車両状態を画像で表示する車両用表示装置において、第1画像表示と第2画像表示の一部を重ねて表示するとともに、重ねる順位を判断して制御する画像制御手段を備えた、前記ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
よって、本発明にあっては、表示全体の表示領域を抑制しつつ、車両状態の情報を大きく表示して、視認性を向上できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、本発明の車両用表示装置を実現する実施の形態を、請求項1〜6に係る発明に対応する実施例1に基づいて説明する。
【実施例1】
【0008】
まず、構成を説明する。
図1は実施例1の車両用表示装置の概略図である。
実施例1の車両用表示装置1は、車両のメータパネルとしてメータパネル位置に取付けられ、車速、エンジン回転数、燃料、水温等を表示する。
図1に示すように、車両用表示装置1には、車内通信網であるCANによりエンジンコントローラ6や自動変速機のコントローラ7などと通信可能にし、車速センサ8や水温センサ9、図示しないエンジン回転検出器などは、直接、信号入力ラインに接続されている。
【0009】
図2には、車両用表示装置1のブロック図を示す。
車両用表示装置1は、制御部2(画像制御手段に相当する)、入出力部3、表示部4、電源部5を主要な構成としている。
制御部2は、入力された情報を処理し、表示内容を設定し、車両用表示装置1の各部を制御するものであり、CPU21、グラフィックアクセラレータ22、VRAM23、RAM24、FROM25を主要な構成としている。
CPU21は、FROM23に記憶させているデータやプログラムの実行により、入力データを処理し、表示内容を設定し、装置内各部の制御を行う。
グラフィックアクセラレータ22は、表示部4で表示させる画像データを生成する処理を行い、VRAM23へ一時的に記憶させる。
【0010】
VRAM23は、表示部4が画像を表示するのに用いる画像データを一時的に記憶する。
RAM24は、CPU21の処理データや処理内容を一時的に記憶する。
FROM25は、CPU25の処理プログラムやデータを、書き換えられるまで記憶する。
【0011】
入出力部3は、外部又は内部装置と制御部2との入出力を行うインターフェースであり、入力インターフェース部31、CANインターフェース部32、TFTインターフェース部33を主要な構成としている。
入力インターフェース部31は、車速センサ8や水温センサ9など、直接信号ラインで、設定された入力タイミング、手順により情報を入力し、CPU21へ情報を出力する。
CANインターフェース部32は、車内の通信網として設けられるCANに接続して通信を行う。
TFTインターフェース部33は、主に表示部4へ画像データを出力する。
【0012】
表示部4は、LCDによる液晶画像表示を行う。LCD表示画像は、背面に位置するバックライト41から光を照射することにより、充分な表示の輝度を得る。
バックライト41は、LCDへ光を照射する。
なお、表示部4はLCD以外の画像を表示するものであってもよい。
電源部5は、車両の電源ラインから電源を供給され、車両用表示装置1が必要な電源電圧へ変換して各部へ供給する。
【0013】
図3に示すのは、実施例1の車両用表示装置1によるメータ表示の構成を示す説明図である。
表示部4によるメータ表示領域100は、タコメータ110(第1画像表示に相当する)、スピードメータ120(第2画像表示に相当する)、タコメータ110とスピードメータ120の重なり領域130(重なり部分に相当する)、オド・トリップメータ141、シフトインディケータ142、方向指示143を主要な構成としている。
【0014】
タコメータ110は、基端を中心として回転し先端が値に相当する目盛を指す指針111と、円周上に配置した目盛112からなり、エンジンの回転数を表示する。
スピードメータ120は、基端を中心として回転し先端が値に相当する目盛を指す指針121と、円周上に配置した目盛122からなり、エンジンの回転数を表示する。
なお、タコメータ110及びスピードメータ120の目盛112及び目盛122の外周縁とほぼ一致するタコメータ110及びスピードメータ120の外周径は、直径φ110mmとなるようにする。また、タコメータ110及びスピードメータ120は、指針111,121の回転角を240度確保した扇形状である。
【0015】
重なり領域130は、タコメータ110とスピードメータ120が、隣り合うように配置されることで重なる部分であり、どちらも指針111,121で指し示すことがある領域である。
オド・トリップメータ141は、車両のトータルの走行距離、使用者がリセットした位置からの走行距離を表示する。
シフトインディケータ142は、自動変速機のシフト位置を表示する。
方向指示143は、方向指示器のオン、オフと、指示方向を表示する。
【0016】
作用を説明する。
[メータ表示作用]
実施例1の車両用表示装置1では、カラー液晶表示によりメータ表示が行われる。
メータ表示に必要な情報は、入力インターフェース部31、CANインターフェース部32により、装置内部へ取り込まれ、CPU21により情報が表示用に処理される。
【0017】
外部から得た情報からメータ表示する内容がCPU21により決定されると、次にグラフィックアクセラレータ22により、表示内容に従って、実際にメータ表示する画像が生成され、VRAM23に画像データが一時的に保持される。
表示部4は、VRAM23に保持されている画像データを表示する。
これにより、図8に示すようなメータ表示を行う。
なお、図8は説明上、本来のカラー表示を白黒複数階調の図にし、さらに階調の白黒を反転させた図である。
【0018】
図8に示すのは、メータ表示の例である。図8では、視認性のよい色のメータ針などが、表現されている。
図8を例とするカラー画像による表示は、メカ式のメータに比較して美感を得ることができ、様々な情報の提供を行うことができ、また、その変更が容易であり、従来のメータに対して有利である。
【0019】
[重なり表示処理]
図4は実施例1の車両用表示装置1のCPU21で実行されるタコメータ110とスピードメータ120の重なり表示の処理の流れを示すフローチャートで、以下各ステップについて説明する。
【0020】
ステップS1では、スピードメータ120で表示する車両速度が所定の範囲内かどうかを判断し、所定範囲内ならばステップS3に進み、所定範囲外ならばステップS4へ進む。なお、車両速度の所定範囲は、例えば、0〜50km/hとし、スピードメータ120における重なり領域を示すものとする。
【0021】
ステップS2では、タコメータ110で表示するエンジン回転数が所定の範囲内かどうかを判断し、所定範囲内ならばステップS4に進み、所定範囲外ならばステップS3へ進む。なお、エンジン回転数の所定範囲は、例えば、6000〜8000r/minとし、タコメータ110における重なり領域を示すものとする。
【0022】
ステップS3では、重なり領域130において、スピードメータ120を手前に表示し、スピードメータ120は、欠ける部分なく全体が表示されるようにする。
【0023】
ステップS4では、重なり領域130において、タコメータ110を手前に表示し、タコメータ110は、欠ける部分なく全体が表示されるようにする。
【0024】
[表示を重ねるように表示、制御する作用]
図8は、スピードメータ120が手前(上)の状態とタコメータ110が手前の状態の画像表示例を示す説明図であり、図8においては、説明上、指針を固定した状態、つまり本制御を行わずに重なり状態のみを変更している。
実施例1の車両用表示装置1では、図3、図8に示すように、タコメータ110とスピードメータ120を一部重ねて表示する。
このように一部を重ねることによって、車両に対し、前方視界やステアリング形状、デザインからくる表示領域全体を狭くする要求に対応しつつ、メータ表示を大きく見せ、視認性が良好なメータ表示にできる。
【0025】
さらに、実施例1では、タコメータ110とスピードメータ120の重なり表示を、タコメータ110の高回転部分とスピードメータ120の低回転部分を重ねるように構成している。
図5は重なり表示の切り替えと指針の動きを説明する図である。
車速が低速である例えば、0〜50km/hの場合には、ステップS1,S3の処理によりスピードメータ120が手前に表示される(図5(a)参照)。
これに対して、エンジン回転数が高回転である例えば、6000〜8000r/minの場合には、ステップS2,S4の処理によりタコメータ110が手前に表示される(図5(b)参照)。
【0026】
このように、重なり表示の切り替えを行うことによりタコメータ110の指針111が高回転の所定範囲を指す場合には、その指針111と目盛112が欠けることなく表示され、スピードメータ120の指針121が低速の所定範囲を指す場合には、その指針121と目盛り122が欠けることなく表示され、見やさが確保される。よって、タコメータ110とスピードメータ120のどちらも見やすいようにしつつ表示を重ねて省スペースにできる。
さらに、ステップS1,S2の判断により、通常時には、スピードメータが優先して手前に表示されるようにし、さらに、車速が50km/h以下で、エンジン回転数が6000r/min以上の場合にも、スピードメータが優先して手前に表示される。よって、車速を指針で指す部分が見えなくなることがない。
このように法規で規制されている車速の表示を優先する配慮が制御により可能となる。但し、50km/h以下で6000r/min以上の状態は、現実的にほとんど生じないと考えることを付言しておく。
【0027】
[メータの表示径について]
メータの表示径は、円周上に配置される目盛112,122の外周径、もしくは目盛112,122の外周に実施例1の図4のように外周縁部が表示される場合には、その外径とする。
図6に示すのは、メータ表示の表示径と視認性の評価、価格差、評価/価格差の関係を示すグラフ図である。
図6では、横軸に表示径、詳細に図示しない縦軸には、評価(高くなるほど、良い評価)、価格差、評価/価格差(評価を価格差で割り算したもの)を示す。メータの視認性は、表示径が大きいほど見やすいことになり、表示径がφ110mm以上ではほとんど変わらないものとなっている。これは、評価の条件として運転席に着座して見るという条件のためと考えられる。また、表示径が大きくなることにより表示面積が大きくなることによるコストへの影響である、表示径と価格差の関係はほぼ一定の比例した関係となった。そのため、評価を価格差で割ったものは、表示径がφ110mmをピークとして、表示径がφ110mmより大きくなると少しずつ低くなる。よって、表示径φ110mmがコストが安く、良好な視認性が充分に得られる径となる。つまり価格対表示径サイズにおいて、表示径φ110mmがベストとなる。これより小さい表示径では、コストは抑制できるが、評価に不満のある人が増えることになり、これより大きい表示径では、評価がそれ以上上がることなく、コストが増大する。
また、視認性をコストより重視した場合、コストに余裕のある場合には、表示径φ110mm以上であればよい。
【0028】
このメータ表示径を実施例1ではタコメータ110、スピードメータ120ともに直径φ110mmとしている。
よって、評価データからも明らかなように、実施例1の車両用表示装置1は、コストを抑制しつつ、良好な視認性の評価を充分に得ることができる。
【0029】
[メータの表示角度について]
メータの表示角度は、タコメータ110、スピードメータ120において、最小値から最大値までを指し示す指針111,121の回転角度である。
図7に示すのは、メータ表示の表示角度と視認性の評価、価格差、評価/価格差の関係を示すグラフ図である。
図7では、横軸に表示角度、詳細に図示しない縦軸には、評価(高くなるほど、良い評価)、価格差、評価/価格差(評価を価格差で割り算したもの)を示す。メータの視認性は、表示角度が大きいほど見やすいことになり、表示角度が240度以上ではほとんど変わらないものとなっている。これは、表示角度が狭い場合には、目盛を凝視しないと値が分かりにくいが、充分に表示角度が広くなると、目盛を凝視しなくても感覚的に値を認識できるという感覚的なものが原因と考えられる。また、一定の表示径において表示角度が増えることによる表示面積全体の増加による価格差を示す、表示角度と価格差の関係はほぼ一定の比例した関係となった。これに対して、評価を価格差で割ったものは、表示角度が240度より大きくなると、少しずつ低くなっていくものとなり、表示角度は240度が、コストが安く、良好な視認性が充分に得られる限界となる。つまり価格対表示角度において、表示角度240度がベストとなる。これより小さい表示角度では、コストは抑制できるが、評価に不満のある人が増えることになり、これより大きい表示角度では、評価がそれ以上上がることなく、コストが増大する。
また、視認性をコストより重視した場合には、表示角度が240度以上であればよい。
【0030】
このメータ表示径を実施例1ではタコメータ110、スピードメータ120ともに表示角度を240度としている。
よって、評価データからも明らかなように、実施例1の車両用表示装置1は、コストを抑制しつつ、良好な視認性の評価を充分に得ることができる。
【0031】
[予備動作について]
さらに、実施例1の車両用表示装置1では、予備動作として、イグニッション電源がオンになった際に、指針111,121を表示する値、つまり速度値、回転数値に関係なく、最小値から最大値へ動かすようにし、図5(a),(b)に示すのと同様に、タコメータ110の表示が手前になるよう表示が切り替わることを示す。これにより、起動したことを示す演出効果を、使用者に与えることができ、且つ表示が切り替わることがあることを予め認知させるようにできる。
【0032】
次に、効果を説明する。
実施例1の車両用表示装置にあっては、下記に列挙する効果を得ることができる。
(1)車両状態を画像で表示する車両用表示装置1において、第1画像表示と第2画像表示の一部を重ねて表示するとともに、重ねる順位を判断して制御する画像制御をCPU21で行うため、表示全体の表示領域を抑制しつつ、車両状態の情報を大きく表示して、視認性を向上できる。
【0033】
(2)第1画像表示及び第2画像表示は、円周上に配置される目盛112,122と指針111,121により計量値を表示する回転計を画像で表示するものであり、CPU21による画像制御は、第1画像表示又は第2画像表示の指針111,121が、両表示の重なり領域130を指す場合に、指針111,121が指示する画像表示を優先して手前側に表示するため、指針111,121で指し示す表示を損なうことなく優先表示を行うようにして、重なり部分があっても良好な視認性を得られる回転計にすることができる。
【0034】
(3)第1画像表示及び前記第2画像表示は、車両の走行速度を示すスピードメータ120と、車両のエンジンの回転数を示すタコメータ110であり、CPU21による画像制御は、両表示の重なり領域130が指針111で指示されない場合に、優先してスピードメータ120を手前側に表示するため、法規で規制されている車速の表示を優先する配慮を行うことができる。
【0035】
(4)タコメータ110及びスピードメータ120の指針111,121の回転角度は、240度以上であるため、充分な視認性を評価データに基づき得ることが可能な回転計表示にすることができる。
【0036】
(5)タコメータ110及びスピードメータ120は、円周上に配置された目盛りの外縁周径が110mm以上であるため、充分な視認性を評価データに基づき得ることが可能な回転計表示にすることができる。
【0037】
(6)車両のイグニッション電源がオンになった際に、車両状態に無関係に、両表示の指針111,121を最大回転位置まで、回転させ、指針の回転に伴って重なり表示を切り替える予備動作表示を行うため、表示の切り替えを認識させ、起動時の演出を行うことができる。
【実施例2】
【0038】
実施例2は、タコメータが手前に表示される際に、スピードメータに車速のデジタル表示を行う例である。
CPU21による画像表示の制御は、ステップS4のタコメータ110を手前に表示される際に、スピードメータ120に車速をデジタルで表示する。
構成は実施例1と同様であるので、説明を省略する。
【0039】
作用を説明する。
[デジタル表示を追加する作用]
図9は、実施例2の車両用表示装置の表示例を示す図である。
実施例2では、ステップS4の処理によりタコメータ110の表示を手前にし、スピードメータ120を奥に表示した場合に、車速のデジタル表示150をスピードメータ120に追加して表示する(図9参照)。
これにより、奥の表示となることにより、その指針121が指す目盛122の部分が欠けることはないが、注意をタコメータ110に向けてしまうと評価されるような場合には、このように、スピードメータ120にデジタル表示150を追加することにより、さらにスピードメータ120における表示を強調することができる。
【0040】
効果を説明する。
実施例2の車両用表示装置にあっては、上記(1)〜(3)の効果に加えて、以下の効果を有する。
(7)タコメータ110を手前に表示する際に、スピードメータ120に車速のデジタル表示150を追加するため、スピードメータ120が奥側の表示となる際にも車速の表示を充分に強調することができる。
【0041】
以上、本発明の車両用表示装置を実施例1、実施例2に基づき説明してきたが、具体的な構成については、これらの実施例に限られるものではなく、特許請求の範囲の各請求項に係る発明の要旨を逸脱しない限り、設計の変更や追加等は許容される。
スピードメータの表示とタコメータの表示が重なる際には、スピードメータが優先されるが、その場合も、薄く透けて見えるような表示を行うようにしてもよい。
重なり領域の範囲については、車両の性能、エンジン性能等により変化するものであり、その車両に合わせて変更すればよい。
重なり領域の重ね度合いは、図4に示すもの以外の重ね度合いであってよく、表示全体の大きさに合わせて変更すればよい。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】実施例1の車両用表示装置の概略図である。
【図2】実施例1の車両用表示装置1のブロック図を示す。
【図3】実施例1の車両用表示装置1によるメータ表示の構成を示す説明図である。
【図4】実施例1の車両用表示装置1のCPU21で実行されるタコメータ110とスピードメータ120の重なり表示の処理の流れを示すフローチャートである。
【図5】実施例1の車両用表示装置における重なり表示の切り替えと指針の動きを説明する図である。
【図6】実施例1の車両用表示装置におけるメータ表示の表示径と視認性の評価、価格差、評価/価格差の関係を示すグラフ図である。
【図7】実施例1の車両用表示装置におけるメータ表示の表示角度と視認性の評価、価格差、評価/価格差の関係を示すグラフ図である。
【図8】実施例1の車両用表示装置におけるスピードメータ120が手前(上)の状態とタコメータ110が手前の状態の画像表示例を示す説明図である。
【図9】実施例2の車両用表示装置の表示例を示す図である。
【符号の説明】
【0043】
1 車両用表示装置
2 制御部
21 CPU
22 グラフィックアクセラレータ
23 VRAM
24 RAM
25FROM
3 入出力部
31 入力インターフェース部
32 CANインターフェース部
33 TFTインターフェース部
4 表示部
41 バックライト
5 電源部
6 エンジンコントローラ
7 コントローラ
8 車速センサ
9 水温センサ
100 メータ表示領域
110 タコメータ
111 指針
112 目盛
120 スピードメータ
121 指針
122 目盛
130 重なり領域
141 オド・トリップメータ
142 シフトインディケータ
143 方向指示
150 デジタル表示
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両状態を画像で表示する車両用表示装置の技術分野に属する。
【背景技術】
【0002】
従来では、車両の作動、状態表示機器、及び警告表示機器と統一して表示するパネルを車両の運転席前面に配置するとともに、パネルの表示素子を液晶表示素子で構成している(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開平10−185625号公報(第2−12頁、全図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、従来の車両用表示装置にあっては、ステアリング径の内部空間から覗き込んで見るタイプであることによる表示領域の制限や、前方視界の確保を理由とする表示領域への制限、インストパネル形状やステアリング形状などデザイン上の理由による表示領域の制限などにより、視認性が良好な状態で車両状態を示す情報を、画像で表示することは困難であった。
【0004】
本発明は、上記問題点に着目してなされたもので、その目的とするところは、表示全体の表示領域を抑制しつつ、車両状態の情報を大きく表示して、視認性を向上できる車両用表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するため、本発明では、車両状態を画像で表示する車両用表示装置において、第1画像表示と第2画像表示の一部を重ねて表示するとともに、重ねる順位を判断して制御する画像制御手段を備えた、前記ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
よって、本発明にあっては、表示全体の表示領域を抑制しつつ、車両状態の情報を大きく表示して、視認性を向上できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、本発明の車両用表示装置を実現する実施の形態を、請求項1〜6に係る発明に対応する実施例1に基づいて説明する。
【実施例1】
【0008】
まず、構成を説明する。
図1は実施例1の車両用表示装置の概略図である。
実施例1の車両用表示装置1は、車両のメータパネルとしてメータパネル位置に取付けられ、車速、エンジン回転数、燃料、水温等を表示する。
図1に示すように、車両用表示装置1には、車内通信網であるCANによりエンジンコントローラ6や自動変速機のコントローラ7などと通信可能にし、車速センサ8や水温センサ9、図示しないエンジン回転検出器などは、直接、信号入力ラインに接続されている。
【0009】
図2には、車両用表示装置1のブロック図を示す。
車両用表示装置1は、制御部2(画像制御手段に相当する)、入出力部3、表示部4、電源部5を主要な構成としている。
制御部2は、入力された情報を処理し、表示内容を設定し、車両用表示装置1の各部を制御するものであり、CPU21、グラフィックアクセラレータ22、VRAM23、RAM24、FROM25を主要な構成としている。
CPU21は、FROM23に記憶させているデータやプログラムの実行により、入力データを処理し、表示内容を設定し、装置内各部の制御を行う。
グラフィックアクセラレータ22は、表示部4で表示させる画像データを生成する処理を行い、VRAM23へ一時的に記憶させる。
【0010】
VRAM23は、表示部4が画像を表示するのに用いる画像データを一時的に記憶する。
RAM24は、CPU21の処理データや処理内容を一時的に記憶する。
FROM25は、CPU25の処理プログラムやデータを、書き換えられるまで記憶する。
【0011】
入出力部3は、外部又は内部装置と制御部2との入出力を行うインターフェースであり、入力インターフェース部31、CANインターフェース部32、TFTインターフェース部33を主要な構成としている。
入力インターフェース部31は、車速センサ8や水温センサ9など、直接信号ラインで、設定された入力タイミング、手順により情報を入力し、CPU21へ情報を出力する。
CANインターフェース部32は、車内の通信網として設けられるCANに接続して通信を行う。
TFTインターフェース部33は、主に表示部4へ画像データを出力する。
【0012】
表示部4は、LCDによる液晶画像表示を行う。LCD表示画像は、背面に位置するバックライト41から光を照射することにより、充分な表示の輝度を得る。
バックライト41は、LCDへ光を照射する。
なお、表示部4はLCD以外の画像を表示するものであってもよい。
電源部5は、車両の電源ラインから電源を供給され、車両用表示装置1が必要な電源電圧へ変換して各部へ供給する。
【0013】
図3に示すのは、実施例1の車両用表示装置1によるメータ表示の構成を示す説明図である。
表示部4によるメータ表示領域100は、タコメータ110(第1画像表示に相当する)、スピードメータ120(第2画像表示に相当する)、タコメータ110とスピードメータ120の重なり領域130(重なり部分に相当する)、オド・トリップメータ141、シフトインディケータ142、方向指示143を主要な構成としている。
【0014】
タコメータ110は、基端を中心として回転し先端が値に相当する目盛を指す指針111と、円周上に配置した目盛112からなり、エンジンの回転数を表示する。
スピードメータ120は、基端を中心として回転し先端が値に相当する目盛を指す指針121と、円周上に配置した目盛122からなり、エンジンの回転数を表示する。
なお、タコメータ110及びスピードメータ120の目盛112及び目盛122の外周縁とほぼ一致するタコメータ110及びスピードメータ120の外周径は、直径φ110mmとなるようにする。また、タコメータ110及びスピードメータ120は、指針111,121の回転角を240度確保した扇形状である。
【0015】
重なり領域130は、タコメータ110とスピードメータ120が、隣り合うように配置されることで重なる部分であり、どちらも指針111,121で指し示すことがある領域である。
オド・トリップメータ141は、車両のトータルの走行距離、使用者がリセットした位置からの走行距離を表示する。
シフトインディケータ142は、自動変速機のシフト位置を表示する。
方向指示143は、方向指示器のオン、オフと、指示方向を表示する。
【0016】
作用を説明する。
[メータ表示作用]
実施例1の車両用表示装置1では、カラー液晶表示によりメータ表示が行われる。
メータ表示に必要な情報は、入力インターフェース部31、CANインターフェース部32により、装置内部へ取り込まれ、CPU21により情報が表示用に処理される。
【0017】
外部から得た情報からメータ表示する内容がCPU21により決定されると、次にグラフィックアクセラレータ22により、表示内容に従って、実際にメータ表示する画像が生成され、VRAM23に画像データが一時的に保持される。
表示部4は、VRAM23に保持されている画像データを表示する。
これにより、図8に示すようなメータ表示を行う。
なお、図8は説明上、本来のカラー表示を白黒複数階調の図にし、さらに階調の白黒を反転させた図である。
【0018】
図8に示すのは、メータ表示の例である。図8では、視認性のよい色のメータ針などが、表現されている。
図8を例とするカラー画像による表示は、メカ式のメータに比較して美感を得ることができ、様々な情報の提供を行うことができ、また、その変更が容易であり、従来のメータに対して有利である。
【0019】
[重なり表示処理]
図4は実施例1の車両用表示装置1のCPU21で実行されるタコメータ110とスピードメータ120の重なり表示の処理の流れを示すフローチャートで、以下各ステップについて説明する。
【0020】
ステップS1では、スピードメータ120で表示する車両速度が所定の範囲内かどうかを判断し、所定範囲内ならばステップS3に進み、所定範囲外ならばステップS4へ進む。なお、車両速度の所定範囲は、例えば、0〜50km/hとし、スピードメータ120における重なり領域を示すものとする。
【0021】
ステップS2では、タコメータ110で表示するエンジン回転数が所定の範囲内かどうかを判断し、所定範囲内ならばステップS4に進み、所定範囲外ならばステップS3へ進む。なお、エンジン回転数の所定範囲は、例えば、6000〜8000r/minとし、タコメータ110における重なり領域を示すものとする。
【0022】
ステップS3では、重なり領域130において、スピードメータ120を手前に表示し、スピードメータ120は、欠ける部分なく全体が表示されるようにする。
【0023】
ステップS4では、重なり領域130において、タコメータ110を手前に表示し、タコメータ110は、欠ける部分なく全体が表示されるようにする。
【0024】
[表示を重ねるように表示、制御する作用]
図8は、スピードメータ120が手前(上)の状態とタコメータ110が手前の状態の画像表示例を示す説明図であり、図8においては、説明上、指針を固定した状態、つまり本制御を行わずに重なり状態のみを変更している。
実施例1の車両用表示装置1では、図3、図8に示すように、タコメータ110とスピードメータ120を一部重ねて表示する。
このように一部を重ねることによって、車両に対し、前方視界やステアリング形状、デザインからくる表示領域全体を狭くする要求に対応しつつ、メータ表示を大きく見せ、視認性が良好なメータ表示にできる。
【0025】
さらに、実施例1では、タコメータ110とスピードメータ120の重なり表示を、タコメータ110の高回転部分とスピードメータ120の低回転部分を重ねるように構成している。
図5は重なり表示の切り替えと指針の動きを説明する図である。
車速が低速である例えば、0〜50km/hの場合には、ステップS1,S3の処理によりスピードメータ120が手前に表示される(図5(a)参照)。
これに対して、エンジン回転数が高回転である例えば、6000〜8000r/minの場合には、ステップS2,S4の処理によりタコメータ110が手前に表示される(図5(b)参照)。
【0026】
このように、重なり表示の切り替えを行うことによりタコメータ110の指針111が高回転の所定範囲を指す場合には、その指針111と目盛112が欠けることなく表示され、スピードメータ120の指針121が低速の所定範囲を指す場合には、その指針121と目盛り122が欠けることなく表示され、見やさが確保される。よって、タコメータ110とスピードメータ120のどちらも見やすいようにしつつ表示を重ねて省スペースにできる。
さらに、ステップS1,S2の判断により、通常時には、スピードメータが優先して手前に表示されるようにし、さらに、車速が50km/h以下で、エンジン回転数が6000r/min以上の場合にも、スピードメータが優先して手前に表示される。よって、車速を指針で指す部分が見えなくなることがない。
このように法規で規制されている車速の表示を優先する配慮が制御により可能となる。但し、50km/h以下で6000r/min以上の状態は、現実的にほとんど生じないと考えることを付言しておく。
【0027】
[メータの表示径について]
メータの表示径は、円周上に配置される目盛112,122の外周径、もしくは目盛112,122の外周に実施例1の図4のように外周縁部が表示される場合には、その外径とする。
図6に示すのは、メータ表示の表示径と視認性の評価、価格差、評価/価格差の関係を示すグラフ図である。
図6では、横軸に表示径、詳細に図示しない縦軸には、評価(高くなるほど、良い評価)、価格差、評価/価格差(評価を価格差で割り算したもの)を示す。メータの視認性は、表示径が大きいほど見やすいことになり、表示径がφ110mm以上ではほとんど変わらないものとなっている。これは、評価の条件として運転席に着座して見るという条件のためと考えられる。また、表示径が大きくなることにより表示面積が大きくなることによるコストへの影響である、表示径と価格差の関係はほぼ一定の比例した関係となった。そのため、評価を価格差で割ったものは、表示径がφ110mmをピークとして、表示径がφ110mmより大きくなると少しずつ低くなる。よって、表示径φ110mmがコストが安く、良好な視認性が充分に得られる径となる。つまり価格対表示径サイズにおいて、表示径φ110mmがベストとなる。これより小さい表示径では、コストは抑制できるが、評価に不満のある人が増えることになり、これより大きい表示径では、評価がそれ以上上がることなく、コストが増大する。
また、視認性をコストより重視した場合、コストに余裕のある場合には、表示径φ110mm以上であればよい。
【0028】
このメータ表示径を実施例1ではタコメータ110、スピードメータ120ともに直径φ110mmとしている。
よって、評価データからも明らかなように、実施例1の車両用表示装置1は、コストを抑制しつつ、良好な視認性の評価を充分に得ることができる。
【0029】
[メータの表示角度について]
メータの表示角度は、タコメータ110、スピードメータ120において、最小値から最大値までを指し示す指針111,121の回転角度である。
図7に示すのは、メータ表示の表示角度と視認性の評価、価格差、評価/価格差の関係を示すグラフ図である。
図7では、横軸に表示角度、詳細に図示しない縦軸には、評価(高くなるほど、良い評価)、価格差、評価/価格差(評価を価格差で割り算したもの)を示す。メータの視認性は、表示角度が大きいほど見やすいことになり、表示角度が240度以上ではほとんど変わらないものとなっている。これは、表示角度が狭い場合には、目盛を凝視しないと値が分かりにくいが、充分に表示角度が広くなると、目盛を凝視しなくても感覚的に値を認識できるという感覚的なものが原因と考えられる。また、一定の表示径において表示角度が増えることによる表示面積全体の増加による価格差を示す、表示角度と価格差の関係はほぼ一定の比例した関係となった。これに対して、評価を価格差で割ったものは、表示角度が240度より大きくなると、少しずつ低くなっていくものとなり、表示角度は240度が、コストが安く、良好な視認性が充分に得られる限界となる。つまり価格対表示角度において、表示角度240度がベストとなる。これより小さい表示角度では、コストは抑制できるが、評価に不満のある人が増えることになり、これより大きい表示角度では、評価がそれ以上上がることなく、コストが増大する。
また、視認性をコストより重視した場合には、表示角度が240度以上であればよい。
【0030】
このメータ表示径を実施例1ではタコメータ110、スピードメータ120ともに表示角度を240度としている。
よって、評価データからも明らかなように、実施例1の車両用表示装置1は、コストを抑制しつつ、良好な視認性の評価を充分に得ることができる。
【0031】
[予備動作について]
さらに、実施例1の車両用表示装置1では、予備動作として、イグニッション電源がオンになった際に、指針111,121を表示する値、つまり速度値、回転数値に関係なく、最小値から最大値へ動かすようにし、図5(a),(b)に示すのと同様に、タコメータ110の表示が手前になるよう表示が切り替わることを示す。これにより、起動したことを示す演出効果を、使用者に与えることができ、且つ表示が切り替わることがあることを予め認知させるようにできる。
【0032】
次に、効果を説明する。
実施例1の車両用表示装置にあっては、下記に列挙する効果を得ることができる。
(1)車両状態を画像で表示する車両用表示装置1において、第1画像表示と第2画像表示の一部を重ねて表示するとともに、重ねる順位を判断して制御する画像制御をCPU21で行うため、表示全体の表示領域を抑制しつつ、車両状態の情報を大きく表示して、視認性を向上できる。
【0033】
(2)第1画像表示及び第2画像表示は、円周上に配置される目盛112,122と指針111,121により計量値を表示する回転計を画像で表示するものであり、CPU21による画像制御は、第1画像表示又は第2画像表示の指針111,121が、両表示の重なり領域130を指す場合に、指針111,121が指示する画像表示を優先して手前側に表示するため、指針111,121で指し示す表示を損なうことなく優先表示を行うようにして、重なり部分があっても良好な視認性を得られる回転計にすることができる。
【0034】
(3)第1画像表示及び前記第2画像表示は、車両の走行速度を示すスピードメータ120と、車両のエンジンの回転数を示すタコメータ110であり、CPU21による画像制御は、両表示の重なり領域130が指針111で指示されない場合に、優先してスピードメータ120を手前側に表示するため、法規で規制されている車速の表示を優先する配慮を行うことができる。
【0035】
(4)タコメータ110及びスピードメータ120の指針111,121の回転角度は、240度以上であるため、充分な視認性を評価データに基づき得ることが可能な回転計表示にすることができる。
【0036】
(5)タコメータ110及びスピードメータ120は、円周上に配置された目盛りの外縁周径が110mm以上であるため、充分な視認性を評価データに基づき得ることが可能な回転計表示にすることができる。
【0037】
(6)車両のイグニッション電源がオンになった際に、車両状態に無関係に、両表示の指針111,121を最大回転位置まで、回転させ、指針の回転に伴って重なり表示を切り替える予備動作表示を行うため、表示の切り替えを認識させ、起動時の演出を行うことができる。
【実施例2】
【0038】
実施例2は、タコメータが手前に表示される際に、スピードメータに車速のデジタル表示を行う例である。
CPU21による画像表示の制御は、ステップS4のタコメータ110を手前に表示される際に、スピードメータ120に車速をデジタルで表示する。
構成は実施例1と同様であるので、説明を省略する。
【0039】
作用を説明する。
[デジタル表示を追加する作用]
図9は、実施例2の車両用表示装置の表示例を示す図である。
実施例2では、ステップS4の処理によりタコメータ110の表示を手前にし、スピードメータ120を奥に表示した場合に、車速のデジタル表示150をスピードメータ120に追加して表示する(図9参照)。
これにより、奥の表示となることにより、その指針121が指す目盛122の部分が欠けることはないが、注意をタコメータ110に向けてしまうと評価されるような場合には、このように、スピードメータ120にデジタル表示150を追加することにより、さらにスピードメータ120における表示を強調することができる。
【0040】
効果を説明する。
実施例2の車両用表示装置にあっては、上記(1)〜(3)の効果に加えて、以下の効果を有する。
(7)タコメータ110を手前に表示する際に、スピードメータ120に車速のデジタル表示150を追加するため、スピードメータ120が奥側の表示となる際にも車速の表示を充分に強調することができる。
【0041】
以上、本発明の車両用表示装置を実施例1、実施例2に基づき説明してきたが、具体的な構成については、これらの実施例に限られるものではなく、特許請求の範囲の各請求項に係る発明の要旨を逸脱しない限り、設計の変更や追加等は許容される。
スピードメータの表示とタコメータの表示が重なる際には、スピードメータが優先されるが、その場合も、薄く透けて見えるような表示を行うようにしてもよい。
重なり領域の範囲については、車両の性能、エンジン性能等により変化するものであり、その車両に合わせて変更すればよい。
重なり領域の重ね度合いは、図4に示すもの以外の重ね度合いであってよく、表示全体の大きさに合わせて変更すればよい。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】実施例1の車両用表示装置の概略図である。
【図2】実施例1の車両用表示装置1のブロック図を示す。
【図3】実施例1の車両用表示装置1によるメータ表示の構成を示す説明図である。
【図4】実施例1の車両用表示装置1のCPU21で実行されるタコメータ110とスピードメータ120の重なり表示の処理の流れを示すフローチャートである。
【図5】実施例1の車両用表示装置における重なり表示の切り替えと指針の動きを説明する図である。
【図6】実施例1の車両用表示装置におけるメータ表示の表示径と視認性の評価、価格差、評価/価格差の関係を示すグラフ図である。
【図7】実施例1の車両用表示装置におけるメータ表示の表示角度と視認性の評価、価格差、評価/価格差の関係を示すグラフ図である。
【図8】実施例1の車両用表示装置におけるスピードメータ120が手前(上)の状態とタコメータ110が手前の状態の画像表示例を示す説明図である。
【図9】実施例2の車両用表示装置の表示例を示す図である。
【符号の説明】
【0043】
1 車両用表示装置
2 制御部
21 CPU
22 グラフィックアクセラレータ
23 VRAM
24 RAM
25FROM
3 入出力部
31 入力インターフェース部
32 CANインターフェース部
33 TFTインターフェース部
4 表示部
41 バックライト
5 電源部
6 エンジンコントローラ
7 コントローラ
8 車速センサ
9 水温センサ
100 メータ表示領域
110 タコメータ
111 指針
112 目盛
120 スピードメータ
121 指針
122 目盛
130 重なり領域
141 オド・トリップメータ
142 シフトインディケータ
143 方向指示
150 デジタル表示
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両状態を画像で表示する車両用表示装置において、
第1画像表示と第2画像表示の一部を重ねて表示するとともに、重ねる順位を判断して制御する画像制御手段を備えた、
前記ことを特徴とする車両用表示装置。
【請求項2】
請求項1に記載の車両用表示装置において、
前記第1画像表示及び前記第2画像表示は、円周上に配置される目盛りと指針により計量値を表示する回転計を画像で表示するものであり、
前記画像制御手段は、
前記第1画像表示又は前記第2画像表示の前記指針が、両表示の重なり部分を指す場合に、前記指針が指示する画像表示を優先して手前側に表示する、
ことを特徴とする車両用表示装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の車両用表示装置において、
前記第1画像表示及び前記第2画像表示は、
車両の走行速度を示す速度計と、
車両のエンジンの回転数を示すエンジン回転数計であり、
前記画像制御手段は、
両表示の重なり部分が前記指針で指示されない場合に、優先して速度計を手前側に表示する、
ことを特徴とする車両用表示装置。
【請求項4】
請求項2又は請求項3に記載の車両用表示装置において、
前記第1画像表示及び前記第2画像表示の前記指針の回転角度は、240度以上である、
ことを特徴とする車両用表示装置。
【請求項5】
請求項2〜請求項4のいずれか1項に記載の車両用表示装置において、
前記第1画像表示及び前記第2画像表示は、円周上に配置された目盛りの外縁周径が110mm以上である、
ことを特徴とする車両用表示装置。
【請求項6】
請求項2〜請求項5のいずれか1項に記載の車両用表示装置において、
車両のイグニッション電源がオンになった際に、車両状態に無関係に、両表示の前記指針を最大回転位置まで、回転させ、指針の回転に伴って重なり表示を切り替える予備動作表示を行う、
ことを特徴とする車両用表示装置。
【請求項1】
車両状態を画像で表示する車両用表示装置において、
第1画像表示と第2画像表示の一部を重ねて表示するとともに、重ねる順位を判断して制御する画像制御手段を備えた、
前記ことを特徴とする車両用表示装置。
【請求項2】
請求項1に記載の車両用表示装置において、
前記第1画像表示及び前記第2画像表示は、円周上に配置される目盛りと指針により計量値を表示する回転計を画像で表示するものであり、
前記画像制御手段は、
前記第1画像表示又は前記第2画像表示の前記指針が、両表示の重なり部分を指す場合に、前記指針が指示する画像表示を優先して手前側に表示する、
ことを特徴とする車両用表示装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の車両用表示装置において、
前記第1画像表示及び前記第2画像表示は、
車両の走行速度を示す速度計と、
車両のエンジンの回転数を示すエンジン回転数計であり、
前記画像制御手段は、
両表示の重なり部分が前記指針で指示されない場合に、優先して速度計を手前側に表示する、
ことを特徴とする車両用表示装置。
【請求項4】
請求項2又は請求項3に記載の車両用表示装置において、
前記第1画像表示及び前記第2画像表示の前記指針の回転角度は、240度以上である、
ことを特徴とする車両用表示装置。
【請求項5】
請求項2〜請求項4のいずれか1項に記載の車両用表示装置において、
前記第1画像表示及び前記第2画像表示は、円周上に配置された目盛りの外縁周径が110mm以上である、
ことを特徴とする車両用表示装置。
【請求項6】
請求項2〜請求項5のいずれか1項に記載の車両用表示装置において、
車両のイグニッション電源がオンになった際に、車両状態に無関係に、両表示の前記指針を最大回転位置まで、回転させ、指針の回転に伴って重なり表示を切り替える予備動作表示を行う、
ことを特徴とする車両用表示装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【公開番号】特開2007−160995(P2007−160995A)
【公開日】平成19年6月28日(2007.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−357126(P2005−357126)
【出願日】平成17年12月12日(2005.12.12)
【出願人】(000004765)カルソニックカンセイ株式会社 (3,404)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年6月28日(2007.6.28)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年12月12日(2005.12.12)
【出願人】(000004765)カルソニックカンセイ株式会社 (3,404)
【Fターム(参考)】
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