説明

車両用電波透過カバー、及び車両用電波透過カバーの製造方法

【課題】第一の意匠と第二の意匠とを高精度に位置合せする
【解決手段】フィルム250に第二の意匠となる凹凸形状304を賦形する際に、第一の意匠との位置合わせを考慮する必要がない。また、第一の意匠の黒色樹脂層350と第二の意匠の凹凸形状304との位置精度は、成形精度による。よって、黒色樹脂層(第一の意匠)350と凹凸形状(第二の意匠)304とが容易に高精度に位置合わせされる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用電波透過カバー、特に、ミリ波レーダ装置やマイクロ波レーダ装置等の電波レーダ装置から出射されるレーダ波の経路に配置される車両用電波透過カバー及び車両用電磁透過カバーの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車のフロントグリルには、所定の意匠形状を有するエンブレム部品が設けられることが多い。
【0003】
また、近年、フロントグリルの背面側に、車間距離や障害物との距離を計測する等の目的で電波レーダ装置(例えば、ミリ波レーダ装置やマイクロ波レーダ装置)が設けられることがある。よって、電波レーダ装置から出射されるレーダ波の経路に配置され、レーダ波が透過するエンブレム部品(車両用電波透過カバー)が提案されている(例えば、特許文献1、特許文献2を参照)。
【特許文献1】特開2004−251868号公報
【特許文献2】特開2007−13722号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、特許文献1及び特許文献2では、第一の意匠が印刷されると共に、第二の意匠が凹凸形状で表現されている。
【0005】
よって、印刷された第一の意匠と凹凸形状の第二の意匠とに位置ずれが生じないように、高精度に位置合わせを行なう必要がある。
【0006】
特に、第一の意匠が白抜き印刷とされ、この白抜き部分に凹凸形状を形成するような第一の意匠と第二の意匠とが連続している場合(見切り線同士が接している場合)、第一の意匠と第二の意匠との意匠見切りがずれると、第一の意匠と第二の意匠との境界に隙間があいたり重なったりするので、影響が大きい(意匠見切り品質による影響が大きい)。よって、印刷見切りと凹凸形状とが正確に合う必要があり、より高精度に位置合わせを行なう必要がある(意匠見切り品質を向上させることが、より必要とされる)。
【0007】
本発明は、上記を考慮し、第一の意匠と第二の意匠とが高精度に位置合された車両用電波透過カバー、及び第一の意匠と第二の意匠とを高精度に位置合することできる車両用電波透過カバーの製造方法を提供することが目的である。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1の発明は、外表面を構成すると共に前記外表面と反対側の裏面に、第一の意匠を形成する凹部と第二の意匠を形成する凹部とが形成されるように透明樹脂層を成形する透明樹脂層成形工程と、前記透明樹脂層の前記第一の意匠を形成する凹部に有色樹脂層を成形する有色樹脂成形工程と、前記透明樹脂層及び前記有色樹脂層に、前記透明樹脂層の前記第二の意匠を形成する凹部に対応する凹凸形状が賦形されたフィルムを貼り合わせてフィルム層を形成するフィルム層形成工程と、前記フィルム層に基材層を成形する基材層成形工程と、を有することを特徴としている。
【0009】
したがって、フィルムに第二の意匠となる凹凸形状を賦形する際に、第一の意匠との位置合わせを考慮する必要がない。また、第一の意匠と第二の意匠と位置精度は、透明樹脂層の成形精度によって略決定される。一般的に成形精度は高精度とされているので、第一の意匠と第二の意匠とが容易に高精度に位置合わせされる(第一の意匠と第二の意匠との位置ずれが容易に防止又は抑制される)。
【0010】
特に、第一の意匠(有色樹脂層)と第二の意匠(凹凸形状)とが連続している場合(見切り線同士が接している場合)、第一の意匠(有色樹脂層)の見切り線と第二の意匠(凹凸形状)との見切り線とが高精度に位置合わせされる(見切り線同士が略一致する)。つまり、意匠見切り品質が向上する。
【0011】
請求項2の発明は、請求項1に記載の車両用電波透過カバーの製造方法において、前記フィルム層形成工程では、最終の外形形状に成形されたフィルムを貼り合わせることを特徴としている。
【0012】
したがって、基材層を成形した後に全体を削って(不要部分を切断して)最終の外形形状に成形する必要がない。よって、製造が容易であり、この結果、車両用電波透過カバーの製造コストが効果的に低減する。
【0013】
請求項2の発明は、請求項1又は請求項2に記載の車両用電波透過カバーの製造方法において、前記フィルムには金属膜が蒸着されていることを特徴としている。
【0014】
したがって、金属光沢が得られ、その結果、例えば、高級感が得られる。
【0015】
請求項4の発明は、外表面を構成すると共に前記外表面と反対側の裏面に、第一の意匠を形成する凹部と第二の意匠を形成する凹部とが設けられた透明樹脂層と、前記外表面と反対側の裏面に対向して配置され、前記裏面に対向する面に前記第二の意匠を形成する凸部が設けられた基材層と、前記透明樹脂層の前記第一の意匠を形成する凹部に設けられ、前記第一の意匠を構成する有色樹脂層と、前記透明樹脂層と前記基材層との間に配置されると共に、前記透明樹脂層の前記凹部と前記基材層の前記凸部とによって形成された凹凸形状とされ、前記第二の意匠を構成するフィルム層と、を有することを特徴としている。
【0016】
したがって、第一の意匠と第二の意匠と位置精度は成形精度によって略決定される。つまり、第一の意匠と第二の意匠とが高精度に位置合わせされている。特に、第一の意匠(有色樹脂層)と第二の意匠(凹凸形状)と連続している場合、第一の意匠と第二の意匠との意匠見切り品質が向上する。
【0017】
請求項5の発明は、請求項42に記載の車両用電波透過カバーの製造方法において、前記フィルムには金属膜が蒸着されていることを特徴としている。
【0018】
したがって、金属光沢が得られ、その結果、例えば、高級感が得られる。
【発明の効果】
【0019】
請求項1に記載の電波透過カバーの製造方法によれば、第一の意匠と第二の意匠とを高精度に位置合することできる。
【0020】
請求項2に記載の電波透過カバーの製造方法によれば、製造コストを効果的に低減することができる。
【0021】
請求項3に記載の電波透過カバーの製造方法によれば、金属光沢を得ることができ、この結果、例えば、高級感を得ることができる。
【0022】
請求項4に記載の電波透過カバーによれば、第一の意匠と第二の意匠とが高精度に位置合わせされる。
【0023】
請求項5に記載の発明電波透過カバーによれば、金属光沢を得ることができ、この結果、例えば、高級感を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、図面を参照して本発明の実施形態に係る車両用電波透過カバーの製造方法について説明する。なお、本実施形態は、車両の前端部に取り付けられると共に、車両前部に搭載されたミリ波レーダ装置(電波レーダ装置)から射出されるミリ波レーダ(レーダ波)の経路に配置されたミリ波レーダ用カバー(車両用電波透過カバー)に本発明を適用したものである。
【0025】
まず、ミリ波レーダ用カバー(車両用電波透過カバー)について、図1〜図3を用いて説明する。なお、図中の矢印UPは車両上方向を示し、矢印FRは車両前方向を示し、矢印OUTは車両幅方向外側方向を示す。
【0026】
図1は、本発明の実施形態のミリ波レーダ用カバーが前端部に取り付けられた車両を示す斜視図である。図2は車両前部におけるミリ波レーダ用カバーが取り付けられた部位近傍を模式的に示す水平断面図である。図3(A)は、ミリ波レーダ用カバーを示す部分断面斜視図であり、(B)は(A)のBで囲った部分の拡大断面図である。
【0027】
図1に示すように、車両10の車両前端部のフロントグリル12の中央部分の開口部14に車両用電波カバーとしてのミリ波レーダ用カバー(エンブレム部品)100が取り付けられている(図2も参照)。ミリ波レーダ用カバー100は、会社のシンボルマーク等のエンブレムが形成されている。
【0028】
図2に示すように、ミリ波レーダ用カバー100は、車両前部に搭載された電波レーダ装置としてのミリ波レーダ装置20の車両前方側のミリ波レーダLの経路に配置されている。なお、図2では、ミリ波レーダ用カバー100は断面を図示されていない。
【0029】
ミリ波レーダ装置20は、ミリ波レーダLを車両前方に向けて出射し、車両前方の車両や障害物等の距離を計測するため等に設けられている。
【0030】
図3(A)に示すように、ミリ波レーダ用カバー100の全体形状は、正面視略楕円形状の板状とされている(図1と図2も参照)。また、図3(A)と図3(B)とに示すように、ミリ波レーダ用カバー100は、透明樹脂層200、黒色樹脂層350、加飾層300、基材層400の四層構造とされている。
【0031】
なお、ミリ波レーダ用カバー100は、車外側(車両前方側)、すなわち表面(おもてめん)が透明樹脂層200(外表面200A)とされ、車内側(車両後方側)、すなわち裏面が基材層400とされている。また、透明樹脂層200と基材層400の外表面(ミリ波レーダ用カバー100の両面)は、それぞれ略平滑とされており、ミリ波レーダ装置20(図2参照)から出射されるレーダ波L(図2参照)が透過しやすい面形状とされている。
【0032】
本実施形態では、透明樹脂層200は透明なアクリル樹脂で構成されており、基材層400はAES樹脂(Acrylonitrile-Ethylene-Styrene resin、アクリロニトリルエチレンプロピレンジエンスチレン共重合体)によって構成されている。なお、これら以外の樹脂で成形されていてもよい。例えば、ABS樹脂やポリカーボネート樹脂であってもよい。
【0033】
加飾層300は、本実施形態では透明なPET樹脂製のフィルム250(図4参照)によって構成され、第二の意匠を形成する凹凸形状(凹凸意匠)304が賦形されている(凹凸形状304を形成することによって第二の意匠(凹凸意匠)が表現されている)。更に、加飾層300(フィルム250)の裏面全面に金属光沢が得られるようにインジウム等の金属膜が蒸着されている。
【0034】
また、黒色樹脂層350は、黒色のアクリル樹脂によって構成されており、加飾層300(フィルム250)の表面における凹凸形状304の透明樹脂層200側に向けて凸状となった凸部以外の部位に形成され、第一の意匠を構成している。
【0035】
よって、ミリ波レーダ用カバー100を正面から見ると、凸状(第二の意匠)以外の部分は黒色(第一の意匠)となっている(図3(A)を参照)。
【0036】
つぎに、ミリ波レーダ用カバー100の製造方法について図4〜図7を用いて説明する。なお、図4(A)はフィルム250を真空成形し、第二の意匠を形成する凹凸形状304を賦形する工程を(A)〜(B)へと順番に示す工程図である。図5(A)はフィルム250が真空成形された後を示す平面図であり、(B)は最終の外形形状にトリミングして形成された加飾層(加飾体)300を示す平面図である。言い換えると、トリミング工程を(A)〜(B)へと順番に示す工程図である。図6は、射出成形によってミリ波レーダ用カバー100を製造する工程を(A)〜(I)へと順番に示す工程図である。図7は、透明樹脂層200を模式的に示す断面図である。
【0037】
まず加飾層(加飾体)300を製造する工程について説明する。
【0038】
図4(A)に示すように、金属光沢が得られるように裏面の面にインジウム等の金属膜を蒸着したPET製のフィルム250を真空成形型262、264に装着し、図4(B)に示すように真空成形装置240によって凹凸形状304を賦形する(真空成形する)。
【0039】
そして、図5(A)に示すように、凹凸形状304が形成されたフィルム250を、図5(B)に示すように、最終の外形形状(図3示す外形形状)になるように不要な部分を省いて形を整え、つまり、トリミングして加飾層300を形成する。
【0040】
なお、フィルム250は、PET樹脂以外に、PMMA,ポリアミドなど一般的な樹脂材料を用いることができる。また、金属材料の蒸着も真空蒸着等の一般的な蒸着方法で行なうことができる。なお、金属膜の蒸着は必ずしも行なわなくてもよい(金属膜を蒸着しなくてもよい)。
【0041】
また、凹凸形状304の賦形は本実施形態のように真空成形でなく、圧空成形やプレス成形等の他の成形方法で行なってもよい。
【0042】
つぎに、ミリ波レーダ用カバー100を製造する工程について説明する。
【0043】
図6−1(A)に示すように、射出成形装置280の射出成形型222、224によって透明樹脂層200を形成する。このとき、図7に模式的に示すように、透明樹脂層200の外表面200Aの反対側の裏面200Bには、黒色樹脂層(第一の意匠)350(図3参照)が形成される凹部202と、凹凸形状(第二の意匠)304(図3参照)が形成される凹部204と、が形成される。
【0044】
つぎに、図6−1(B)に示すように、裏側の成形型を射出成形型226に替え、凹部202(図7参照)に黒色樹脂層350を形成する。つまり、透明樹脂と黒色樹脂とによる二色成形を行なう。
【0045】
つぎに、図6−1(C)に示すように、凹部204に加飾層300の凹凸形状304を嵌め込むようにして貼り合わせると共に、裏面側の成形型を射出成形型228に替える。
【0046】
そして、図6−2(D)と図6−2(E)に示すように、加飾層300の裏面の面に基材層400を射出成形する。これにより、透明樹脂層200の凹部204に対応する加飾層300の凹部に基材層400が充填されることによって、基材層400に凸部402が形成される。また、成形型からミリ波レーダ用カバー100を取り出し、ゲート190の切断やバリ取りなどの仕上げを行なう。
【0047】
その後、図6−2(F)に示すようにミリ波レーダ用カバー100のアニーリング、すなわち加温し内部応力の除去を行う。図6−2(G)に示すミリ波減衰量測定等の検査を行い、検査結果に問題がなければ、図6(H)と図6(I)に示すように、各ミリ波レーダ用カバー100にシリアルナンバーなどの履歴(トレーサビリティ)を記入したのち、袋詰め及び箱詰めを行なう。
【0048】
つぎに本実施形態の作用について説明する。
【0049】
第一の意匠の黒色樹脂層350と第二の意匠の凹凸形状304との位置精度は、透明樹脂層200の成形精度によって略決定される。一般的に成形精度は高精度とされているので、黒色樹脂層(第一の意匠)350と凹凸形状(第二の意匠)304とが高精度に位置合わせされる(黒色樹脂層(第一の意匠)350と凹凸形状(第二の意匠)304との位置ずれが容易に防止又は抑制される)。
【0050】
特に、本実施形態のように、黒色樹脂層(第一の意匠)350と凹凸形状(第二の意匠)304と連続している場合(見切り線同士が接している場合)、有黒色樹脂層(第一の意匠)350と凹凸形状(第二の意匠)304との見切り部分M(図3を参照)が高精度に合わされる。
【0051】
言い換えると、黒色樹脂層(第一の意匠)350と凹凸形状(第二の意匠)304との見切り部分(境界部分)Mに隙間があいたり重なったりすることによる意匠見切り品質の低下が防止又は抑制される。つまり黒色樹脂層(第一の意匠)350の見切り線と凹凸形状(第二の意匠)304の見切り線とが略一致するので、黒色樹脂層(第一の意匠)350と凹凸形状(第二の意匠)304との意匠切り品質が向上する。
【0052】
ここで、図9(A)に示すように、黒色樹脂層350に相当する意匠を印刷し、この印刷の白抜き部分302に合わせて、真空成形型262、264に装着し、図9(B)に示すように真空成形によって凹凸形状304を賦形する場合、印刷の白抜き部分302と凹凸形状とに位置ずれが生じないように、高精度に位置合わせして真空成形する必要がある。言い換えると、印刷された第一の意匠と凹凸形状とに位置ずれが生じないように、フィルム250を高精度に位置合わせして成形型に装着する必要がある。
【0053】
しかし、本実施形態では、フィルム250に第二の意匠となる凹凸形状304を賦形する際に、第一の意匠との位置合わせを考慮する必要がない。
【0054】
このように、本実施形態の製造方法によると、黒色樹脂層(第一の意匠)350と凹凸形状(第二の意匠)304とが容易に高精度に位置合わせされる。また、黒色樹脂層(第一の意匠)350及び凹凸形状(第二の意匠)304のいずれか一方で意匠を構成するよりも複雑な意匠が得られる。
【0055】
また、図5に示すよう、フィルム250を最終の外形形状にトリミングして加飾層(加飾体)300とするので、射出成形後に最終的な外形形状にトリミングする必要がない。よって、製造が容易であり、その結果、製造コストが効果的に低減する。また、ミリ波レーダ用カバー100の製品外周面をより綺麗に仕上げることができる。
【0056】
また、フィルム250(加飾層300)には、金属膜が蒸着されているので、ミリ波レーダ用カバー100に金属光沢が得られ、その結果、高級感が得られる。
【0057】
また、加飾層(加飾体)300に凹凸形状304を形成することで、深彫り意匠を容易に実現することができる。
【0058】
なお、上記実施形態では、フィルム250を最終の外形形状にした加飾層(加飾体)300を用いて製造したが、これに限定されない。基材層400を射出成形(図6−2(E))した後に、最終の外形形状にトリミングしもてよい。
【0059】
また、黒色樹脂層350は、凹凸形状304の透明樹脂層200側に向けて凸状となった凸部以外の部位に形成されているが、これに限定されない。第一の意匠は任意の形状であってよい。例えば、図8に示すように透明樹脂層200の裏面200Bに第一の意匠に応じた凹部206を形成すればよい。更に、黒色樹脂層350は、黒色以外の色であってもよい。
【0060】
また、本発明による効果を妨げない限り、上記工程以外の工程を含んでもよい。
【0061】
また、例えば、ミリ波レーダ装置20(図2参照)以外の電波レーダ装置、例えば、マイクロ波レーダ装置であってもよい。
【0062】
以上、実施形態を挙げて本発明の実施の形態を説明したが、上記実施形態は一例であり、要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施できる。また、本発明の権利範囲が上記の実施形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々なる態様で実施し得ることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】本発明の実施形態のミリ波レーダ用カバーが前端部に取り付けられた車両を示す斜視図である。
【図2】車両前部におけるミリ波レーダ用カバーが取り付けられた部位近傍を模式的に示す水平断面図である。
【図3】(A)は、ミリ波レーダ用カバーを示す部分断面斜視図であり、(B)は(A)のBで囲った部分の拡大断面図である。
【図4】(A)はフィルムを真空成形し、第二の意匠を形成する凹凸形状を賦形する工程を(A)〜(B)へと順番に示す工程図である。
【図5】(A)はフィルムが真空成形された後を示す平面図であり、(B)は最終の外形形状にトリミングして形成された加飾層(加飾体)を示す平面図である。
【図6−1】射出成形によってミリ波レーダ用カバーを製造する工程の(A)〜(C)を示す工程図である。
【図6−2】射出成形によってミリ波レーダ用カバーを製造する工程の(D)〜(I)を示す工程図である。
【図7】透明樹脂層を模式的に示す断面図である。
【図8】他の意匠の黒色樹脂層が形成され場合の透明樹脂層を模式的に示す断面図である。
【図9】本発明を適用せずに、黒色樹脂層に相当する意匠を印刷した後に真空成形し凹凸形状を賦形する工程を(A)〜(C)へと順番に示す工程図である。
【符号の説明】
【0064】
10 車両
20 ミリ波レーダ装置(電波レーダ装置)
100 ミリ波レーダ用カバー(電波透過カバー)
200 透明樹脂層
200A 外表面
200B 裏面
202 第一の意匠を形成する凹部
204 第二の意匠を形成する凹部
250 フィルム
300 加飾層(フィルム層)
304 凹凸形状
350 有色樹脂層
400 基材層
402 第二の意匠を形成する凸部
L レーダ波

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外表面を構成すると共に前記外表面と反対側の裏面に、第一の意匠を形成する凹部と第二の意匠を形成する凹部とが形成されるように透明樹脂層を成形する透明樹脂層成形工程と、
前記透明樹脂層の前記第一の意匠を形成する凹部に有色樹脂層を成形する有色樹脂成形工程と、
前記透明樹脂層及び前記有色樹脂層に、前記透明樹脂層の前記第二の意匠を形成する凹部に対応する凹凸形状が賦形されたフィルムを貼り合わせてフィルム層を形成するフィルム層形成工程と、
前記フィルム層に基材層を成形する基材層成形工程と、
を有することを特徴とする車両用電波透過カバーの製造方法。
【請求項2】
前記フィルム層形成工程では、最終の外形形状に成形されたフィルムを貼り合わせることを特徴とする請求項1に記載の車両用電波透過カバーの製造方法。
【請求項3】
前記フィルムには金属膜が蒸着されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の車両用電波透過カバーの製造方法。
【請求項4】
外表面を構成すると共に前記外表面と反対側の裏面に、第一の意匠を形成する凹部と第二の意匠を形成する凹部とが設けられた透明樹脂層と、
前記外表面と反対側の裏面に対向して配置され、前記裏面に対向する面に前記第二の意匠を形成する凸部が設けられた基材層と、
前記透明樹脂層の前記第一の意匠を形成する凹部に設けられ、前記第一の意匠を構成する有色樹脂層と、
前記透明樹脂層と前記基材層との間に配置されると共に、前記透明樹脂層の前記凹部と前記基材層の前記凸部とによって形成された凹凸形状とされ、前記第二の意匠を構成するフィルム層と、
を有することを特徴とする車両用電波透過カバー。
【請求項5】
前記フィルムには金属膜が蒸着されていることを特徴とする請求項4に記載の車両用電波透過カバー。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6−1】
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【図6−2】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−111011(P2010−111011A)
【公開日】平成22年5月20日(2010.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−285500(P2008−285500)
【出願日】平成20年11月6日(2008.11.6)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】