説明

車両表示装置

【課題】 自車周辺の広域の範囲を一望することができ、かつ、個々の車両を的確に識別することができ、さらに、互いに近接する複数台の車両を確実に見分けることができる「車両表示装置」を提供すること。
【解決手段】 地図画像に対する大きさの比率が実際の自車の大きさに適合する比率に設定されてなる自車側主マーク部7と、この自車側主マーク部7の外側に配置された自車側副マーク部8とによって自車マーク9を形成し、地図画像に対する大きさの比率が実際の他車両の大きさに適合する比率に設定されてなる他車側主マーク部16と、この他車側主マーク部16の外側に配置された他車側副マーク部17とによって他車マーク18を形成すること。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両表示装置に係り、特に、自車の周辺に存在する他車両を示す他車マークを、自車を示す自車マークおよび自車の周辺の地図画像とともに表示部に表示するのに好適な車両表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、ナビゲーション装置等においては、レーダや車車間通信等を用いて自車の周辺に存在する他車両の位置を取得することによって、この他車両を示す他車マークを、自車を示す自車マークともに地図画像上に表示する技術が採用されていた。
【0003】
このような他車両を地図画像上に表示する技術は、交通事故防止等の諸種の目的を達成するために、今後もさらなる進展が求められている。なお、現状においては、車両の移動速度を考慮しつつ、自車を中心とした広域の範囲(例えば、半径50mの範囲)を一望することができ、自車と他車両との位置関係を明確に把握することができる表示を行うことが求められている。
【0004】
【特許文献1】特開2004−77281号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、図5に示すように、車両を示すマーク1を実際の車両の大きさよりも大きめに表示すると、互いに近接する複数台の車両を見分けることが困難になるといった問題が生じていた。例えば、実際には十分な車間距離があるにもかかわらず、地図画像上においては複数台の車両が衝突しているように見えたり、また、一台の車両が他の車両に埋もれて見えなくなってしまうことがあった。
【0006】
一方、車両を実際の大きさに適合した大きさで表示する場合、すなわち、地図画像に対する車両を示すマークの大きさの比率を、実際の車両の大きさに適合する比率に設定する場合には、マークが小さ過ぎるため、個々の車両を識別することが困難になり、進行方向すら分からなくなるといった問題が生じていた。
【0007】
さらに、地図画像を拡大表示する場合には、車両は識別し易くなるが、狭い範囲しか一望することができず、従来から求められている表示範囲の広域化の要求を満足することができない。
【0008】
そこで、本発明は、このような問題に鑑みなされたものであり、自車周辺の広域の範囲を一望することができ、かつ、個々の車両を的確に識別することができ、さらに、互いに近接する複数台の車両を確実に見分けることができる車両表示装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前述した目的を達成するため、本発明に係る車両表示装置の特徴は、自車の周辺に存在する他車両を示す他車マークを、前記自車を示す自車マークおよび自車の周辺の地図画像とともに表示部に表示可能とされた車両表示装置であって、前記自車の現在位置を取得する自車位置取得手段と、前記自車の大きさを取得する自車サイズ取得手段と、前記他車両の現在位置を取得する他車位置取得手段と、前記他車両の大きさを取得する他車サイズ取得手段と、前記自車サイズ取得手段の取得結果に基づいて、前記地図画像に対する大きさの比率が実際の自車の大きさに適合する比率に設定されてなる自車側主マーク部と、この自車側主マーク部の外側に配置された自車側副マーク部とによって前記自車マークを形成するとともに、このように形成した自車マークを、前記自車位置取得手段の取得結果に基づいて、前記地図画像上における自車の現在位置に対応する位置に表示するための制御を行う自車表示制御手段と、前記他車サイズ取得手段の取得結果に基づいて、前記地図画像に対する大きさの比率が実際の他車両の大きさに適合する比率に設定されてなる他車側主マーク部と、この他車側主マーク部の外側に配置された他車側副マーク部とによって前記他車マークを形成するとともに、このように形成した他車マークを、前記他車位置取得手段の取得結果に基づいて、前記地図画像上における他車両の現在位置に表示するための制御を行う他車表示制御手段とを備えた点にある。
【0010】
そして、このような構成によれば、自車マークを、実際の自車の大きさに適合した大きさの自車側主マーク部と、この自車側主マーク部の外側に配置された自車側副マーク部とによって表示することが可能となるとともに、他車マークを、実際の他車両の大きさに適合した大きさの他車側主マーク部と、この他車側主マーク部の外側に配置された他車側副マーク部とによって表示することが可能となる。
【0011】
また、本発明に係る車両表示装置の特徴は、自車側副マーク部が、自車の進行方向を示す形状に形成されている点にある。
【0012】
そして、このような構成によれば、自車側副マーク部によって、自車の進行方向を的確に把握することが可能となる。
【0013】
さらに、本発明に係る車両表示装置の特徴は、他車側副マーク部が、他車両の進行方向を示す形状に形成されている点にある。
【0014】
そして、このような構成によれば、他車側副マーク部によって、他車両の進行方向を的確に把握することが可能となる。
【0015】
さらにまた、本発明に係る車両表示装置の特徴は、自車側副マーク部が、自車側主マーク部と異なる色に形成されている点にある。
【0016】
そして、このような構成によれば、自車の大きさを更に容易に把握することができるとともに、自車マーク全体をさらに目立つようにすることが可能となる。
【0017】
また、本発明に係る車両表示装置の特徴は、他車側副マーク部が、他車側主マーク部と異なる色に形成されている点にある。
【0018】
そして、このような構成によれば、他車両の大きさを更に容易に把握することができるとともに、他車マーク全体をさらに目立つようにすることが可能となる。
【0019】
さらに、本発明に係る車両表示装置の特徴は、自車表示制御手段は、自車側副マーク部が、他車側主マーク部を覆い隠さないように自車マークの表示を制御する点にある。
【0020】
そして、このような構成によれば、自車と他車両とが近接した場合に自車マークによって他車両における他車側主マーク部が覆い隠されないようにすることが可能となる。
【0021】
さらにまた、本発明に係る車両表示装置の特徴は、他車表示制御手段は、他車側副マーク部が、自車側主マーク部を覆い隠さないように他車マークの表示を制御する点にある。
【0022】
そして、このような構成によれば、自車と他車両とが近接した場合に他車マークによって自車における自車側主マーク部が覆い隠されないようにすることが可能となる。
【発明の効果】
【0023】
本発明に係る車両表示装置によれば、自車マークを、実際の自車の大きさに適合した大きさの自車側主マーク部と、この自車側主マーク部の外側に配置された自車側副マーク部とによって表示することができるとともに、他車マークを、実際の他車両の大きさに適合した大きさの他車側主マーク部と、この他車側主マーク部の外側に配置された他車側副マーク部とによって表示することができる結果、自車周辺の広域の範囲を一望することができ、かつ、個々の車両をその大きさを含めて的確に識別することができ、さらに、互いに近接する複数台の車両を確実に見分けることができる。
【0024】
また、本発明に係る車両表示装置によれば、自車側副マーク部によって、自車の進行方向を的確に把握することができる結果、進行方向を含めて自車をさらに的確に識別することができる。
【0025】
さらに、本発明に係る車両表示装置によれば、他車側副マーク部によって、他車両の進行方向を的確に把握することができる結果、進行方向を含めて他車両をさらに的確に識別することができる。
【0026】
さらにまた、本発明に係る車両表示装置によれば、自車の大きさを更に容易に把握することができるとともに、自車マーク全体をさらに目立つようにすることができる結果、自車をさらに的確に識別することができる。
【0027】
また、本発明に係る車両表示装置によれば、他車両の大きさを更に容易に把握することができるとともに、他車マーク全体をさらに目立つようにすることができる結果、他車両をさらに的確に識別することができる。
【0028】
さらに、本発明に係る車両表示装置によれば、自車と他車両とが近接した場合に自車マークによって他車両における他車側主マーク部が覆い隠されないようにすることができる結果、互いに近接する自車と他車両とをさらに確実に見分けることができる。
【0029】
さらにまた、本発明に係る車両表示装置によれば、自車と他車両とが近接した場合に他車マークによって自車における自車側主マーク部が覆い隠されないようにすることができる結果、互いに近接する自車と他車両とをより確実に見分けることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
以下、本発明に係る車両表示装置の実施形態について図1乃至図4を参照して説明する。
【0031】
本実施形態における車両表示装置は、主として車載用のナビゲーション装置に有効に適用することができるものである。
【0032】
図1に示すように、本実施形態における車両表示装置2は、自車の現在位置を取得する自車位置取得手段としての自車位置取得部3を有している。この自車位置取得部3は、例えば、GPSやジャイロ等であってもよい。
【0033】
また、車両表示装置2は、自車の平面積等の自車の大きさを取得する自車サイズ取得手段としての自車サイズ取得部4を有しており、この自車サイズ取得部4は、データ入力等によって予め取得した自車の大きさに関するデータを保持するようになっている。したがって、この自車サイズ取得部4は、メモリ等の記憶部であってもよい。
【0034】
自車位置取得部3および自車サイズ取得部4には、自車表示制御手段としての自車表示制御部6が接続されている。
【0035】
この自車表示制御部6は、自車サイズ取得部4の取得結果に基づいて、図2に示すように、地図画像に対する大きさの比率が実際の自車の大きさに適合する比率に設定された自車側主マーク部7と、この自車側主マーク部7の外側に配置された自車側副マーク部8とからなる自車マーク9を表示するための表示データを作成するようになっている。
【0036】
なお、図2には、比較のために、実際の車両の大きさに適合する比率に設定された自車のマーク10が併記されている。
【0037】
そして、自車表示制御部6は、自車位置取得部3の取得結果に基づいて、前述のように作成した自車マーク9の表示データを地図画像上における自車の現在位置に対応する位置に表示するための制御を行うようになっている。
【0038】
これにより、地図画像上における自車の現在位置に対応する位置に、実際の車両の大きさに適合した大きさの自車側主マーク部7と、自車側主マーク部7の外側に配置された自車側副マーク部8とからなる自車マーク9を表示することができるようになっている。
【0039】
この結果、自車側主マーク部7によって自車の大きさを正確に把握することができるとともに、自車側副マーク部8によって自車マーク9の平面積が増加されていることによって自車を的確に識別することができる。
【0040】
また、本実施形態においては、図2に示すように、自車側副マーク部8が、自車の進行方向(図2における右方向)を示す形状に形成されている。
【0041】
したがって、自車側副マーク部8により、自車の進行方向を的確に把握することができるようになっている。
【0042】
さらに、本実施形態においては、図2に示すように、自車側副マーク部8が、自車側主マーク部7と異なる色に形成されている。
【0043】
したがって、互いに異なる色同士が奏する視覚効果により、自車側主マーク部7を更に見やすくして自車の大きさを更に把握しやすくすることができ、かつ、自車マーク9全体をさらに目立たせることができるようになっている。
【0044】
さらにまた、自車側副マーク部8は、自車側主マーク部7を完全に包囲する形状に形成されており、これによって、自車側主マーク部7ならびに自車マーク9全体をさらに見やすくすることができるようになっている。
【0045】
図1に戻って、本実施形態における車両表示装置2は、他車両の現在位置を取得する他車両取得手段としての他車位置取得部12を有しており、この他車位置取得部12は、他車両との間の車車間通信や、レーダやカメラ等からの受信情報に基づいて、他車位置を取得するようになっている。
【0046】
また、車両表示装置2は、他車両の平面積等の他車両の大きさを取得する他車サイズ取得手段としての他車サイズ取得部13を有しており、この他車サイズ取得部13は、他車両との間の車車間通信や、レーダやカメラ等からの受信情報に基づいて、他車位置を取得するようになっている。
【0047】
他車位置取得部12および他車サイズ取得部13には、他車表示制御手段としての他車表示制御部14が接続されている。
【0048】
この他車表示制御部14は、他車サイズ取得部13の取得結果に基づいて、図2に示すように、地図画像に対する大きさの比率が実際の他車両の大きさに適合する比率に設定された他車側主マーク部16と、この他車側主マーク部16の外側に配置された他車側副マーク部17とからなる他車マーク18を表示するための表示データを作成するようになっている。
【0049】
そして、他車表示制御部14は、他車位置取得部12の取得結果に基づいて、前述のように作成した他車マーク18の表示データを、地図画像上における他車の現在位置に対応する位置に表示するための制御を行うようになっている。
【0050】
これにより、地図画像上における他車両の現在位置に対応する位置に、実際の車両の大きさに適合した大きさの他車側主マーク部16と、この他車側主マーク部16の外側に配置された他車側副マーク部17とからなる他車マーク18を表示することができるようになっている。
【0051】
この結果、他車側主マーク部16によって他車両の大きさを正確に把握することができるとともに、他車側副マーク部17によって他車マーク18の平面積が増加されていることによって他車両を的確に識別することができる。
【0052】
また、本実施形態においては、図2に示すように、他車側副マーク部17が、他車両の進行方向(図2における右方向)を示す形状に形成されている。
【0053】
したがって、他車側副マーク部17によって、他車両の進行方向を的確に把握することができるようになっている。
【0054】
さらに、本実施形態においては、図2に示すように、他車側副マーク部17が、他車側主マーク部16と異なる色に形成されている。
【0055】
したがって、他車両の大きさを更に容易に把握することができるとともに、他車マーク全体をさらに目立たせることができるようになっている。
さらにまた、他車側副マーク部17は、他車側主マーク部16を完全に包囲する形状に形成されており、これによって、他車側主マーク部16ならびに他車マーク18全体をさらに見やすくできるようになっている。
【0056】
なお、本実施形態においては、便宜上、自車マーク9と他車マーク18とを説明するために同一の図面(図2)を用いているが、両マーク9,18における主マーク部7,16同士および副マーク部8,17同士は、互いに異なる色に形成されていることが両マーク9,18を区別する上で好ましい。
【0057】
また、本実施形態において、自車表示制御部6は、自車マーク9と他車マーク18とに重なりが生じた場合には、自車マーク9を前面に表示するように制御するようになっている。ただし、自車側副マーク部8が、他車側主マーク部16を覆い隠さないように表示を制御するようになっている。
【0058】
これにより、自車と他車両とが近接した場合においても、図3に示すように、自車マーク9における自車側副マーク部8によって、他車側主マーク部16が覆い隠されないようにすることができ、この結果、互いに近接する自車と他車両とをさらに確実に見分けることができるようになっている。
【0059】
なお、このように、自車マーク9と他車マーク18とが近接した場合においても、自車側および他車側主マーク部7,16については、表示状態を必ず確保することができるため、自車側および他車側副マーク部8,17を更に大きく形成して自車マーク9および他車マーク18全体を更に目立たせることも可能である。
【0060】
また、本実施形態における車両表示装置2は、地図画像表示制御部20を有しており、この地図画像表示制御部20は、自車位置取得部3の取得結果に基づいて、自車周辺の画像を表示するための表示データを作成するようになっている。この表示データは、例えば、地図データが記録された図示しないディスク(ハードディスクを含む)や通信ナビゲーションのセンタから地図データを取得し、取得した地図データを加工することによって作成することができる。
【0061】
自車表示制御部6、他車表示制御部14および地図画像表示制御部20には、表示部21が接続されており、この表示部21は、各表示制御部6,14,20によって作成された表示データに基づいて、自車マーク9および他車マーク18を自車周辺の地図画像とともに表示するようになっている。
【0062】
次に、本実施形態の作用について説明する。
【0063】
本実施形態においては、予め自車サイズ取得部4によって自車の大きさを取得しておく。
【0064】
そして、自車位置取得部3によって自車の現在位置を取得しつつ、自車を進行させる。
【0065】
また、自車の進行に併せて、他車位置取得部12および他車サイズ取得部13によって他車両の現在位置および大きさをそれぞれ取得する。
【0066】
次いで、自車表示制御部6は、自車サイズ取得部4の取得結果を読み出すとともに、この取得結果に基づいて、自車側主マーク部7と自車側副マーク部8とからなる自車マーク9の表示データを作成する。なお、この自車マーク9における自車側副マーク部8は、自車の進行方向を示す形状に形成され、また、自車側主マーク部7と自車側副マーク部8とは、互いに異なる色に形成される。
【0067】
また、自車表示制御部6は、自車位置取得部3の取得結果を読み出すとともに、この取得結果に基づいて、前記自車マーク9の表示データを地図画像上における自車の現在位置に対応する位置に表示するための制御を行う。
【0068】
このような自車表示制御部6の制御をともなう自車マーク9の表示データは、表示部21に対して出力される。
【0069】
なお、このとき、地図画像表示制御部20は、自車位置取得部3の取得結果に基づいて自車周辺の地図画像の表示データを作成するとともに、作成した表示データを表示部21に対して出力する。
【0070】
これにより、表示部21には、図4に示すように、地図画像上における自車の現在位置に対応する位置に自車マーク9が表示される。
【0071】
これに並行して、他車表示制御部14は、他車サイズ取得部13の取得結果を読み出すとともに、この取得結果に基づいて、他車側主マーク部16と他車側副マーク部17とからなる他車マーク18の表示データを作成する。なお、この他車マーク18における他車側副マーク部17は、他車の進行方向を示す形状に形成され、また、他車側主マーク部16と他車側副マーク部17とは、互いに異なる色に形成される。
【0072】
また、他車表示制御部14は、他車位置取得部12の取得結果を読み出すとともに、この取得結果に基づいて、前記他車マーク18の表示データを地図画像上における他車両の現在位置に対応する位置に表示するための制御を行う。
【0073】
このような他車表示制御部14の制御をともなう他車マーク18の表示データは、表示部21に対して出力される。
【0074】
これにより、表示部21には、図4に示すように、地図画像上における他車両の現在位置に対応する位置に他車マーク18が表示される。
【0075】
このように表示された自車マーク9および他車マーク18は、それぞれ、車両の大きさに適合する大きさの自車側または他車側主マーク部7,16と、自車側または他車側主マーク部7,16の外側に配置された自車側または他車側副マーク部8,17とによって形成されているため、車両の大きさを正確に把握することができ、また、各車両を的確に識別することができる。
【0076】
さらに、自車側または他車側主マーク部7,16と、自車側または他車側副マーク部8,17とが互いに異なる色によって形成されていることにより、各車両の大きさをさらに正確に把握することができるとともに、自車または他車マーク9,18をさらに目立たせることができる。
【0077】
ところで、図4は、自車の前後50mの範囲を一望することができる縮尺であるため、自車周辺の広域の範囲に存在する他車両を的確に識別することができる。
【0078】
また、自車表示制御部6は、自車マーク9の表示を制御する過程で、自車と他車両とが近接した場合には、自車側副マーク部8が他車側主マーク部16を覆い隠さないように自車マーク9の表示を制御する。この結果、互いに近接する自車と他車両とをさらに確実に見分けることができる。
【0079】
なお、本発明は、前述した実施の形態に限定されるものではなく、必要に応じて種々の変更が可能である。
【0080】
例えば、他車表示制御部14において、他車側副マーク部17が、自車側主マーク部7を覆い隠さないように他車マーク18の表示を制御するようにしてもよい。この場合においても、自車と他車両とが近接した場合に双方の車両を確実に見分けることができる。
【0081】
また、自車マーク9、他車マーク18および地図画像の縮尺については、コンセプトに応じて種々の値を設定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0082】
【図1】本発明に係る車両表示装置の実施形態を示すブロック図
【図2】本発明に係る車両表示装置の実施形態において、自車または他車マークを示す図
【図3】本発明に係る車両表示装置の実施形態において、自車と他車との近接時における自車マークと他車マークとの表示状態を示す図
【図4】本発明に係る車両表示装置の実施形態において、自車マークおよび他車マークの地図画像上における表示態様の一例を示す図
【図5】従来から採用されていた車両のマークの一例を示す図
【符号の説明】
【0083】
2 車両表示装置
3 自車位置取得部
4 自車サイズ取得部
6 自車表示制御部
7 自車側主マーク部
8 自車側副マーク部
9 自車マーク
12 他車位置取得部
13 他車サイズ取得部
14 他車表示制御部
16 他車側主マーク部
17 他車側副マーク部
18 他車マーク
21 表示部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自車の周辺に存在する他車両を示す他車マークを、前記自車を示す自車マークおよび自車の周辺の地図画像とともに表示部に表示可能とされた車両表示装置であって、
前記自車の現在位置を取得する自車位置取得手段と、
前記自車の大きさを取得する自車サイズ取得手段と、
前記他車両の現在位置を取得する他車位置取得手段と、
前記他車両の大きさを取得する他車サイズ取得手段と、
前記自車サイズ取得手段の取得結果に基づいて、前記地図画像に対する大きさの比率が実際の自車の大きさに適合する比率に設定されてなる自車側主マーク部と、この自車側主マーク部の外側に配置された自車側副マーク部とによって前記自車マークを形成するとともに、このように形成した自車マークを、前記自車位置取得手段の取得結果に基づいて、前記地図画像上における自車の現在位置に対応する位置に表示するための制御を行う自車表示制御手段と、
前記他車サイズ取得手段の取得結果に基づいて、前記地図画像に対する大きさの比率が実際の他車両の大きさに適合する比率に設定されてなる他車側主マーク部と、この他車側主マーク部の外側に配置された他車側副マーク部とによって前記他車マークを形成するとともに、このように形成した他車マークを、前記他車位置取得手段の取得結果に基づいて、前記地図画像上における他車両の現在位置に表示するための制御を行う他車表示制御手段と
を備えたことを特徴とする車両表示装置。
【請求項2】
前記自車側副マーク部は、前記自車の進行方向を示す形状に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の車両表示装置。
【請求項3】
前記他車側副マーク部は、前記他車両の進行方向を示す形状に形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の車両表示装置。
【請求項4】
前記自車側副マーク部は、前記自車側主マーク部と異なる色に形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の車両表示装置。
【請求項5】
前記他車側副マーク部は、前記他車側主マーク部と異なる色に形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の車両表示装置。
【請求項6】
前記自車表示制御手段は、前記自車側副マーク部が、前記他車側主マーク部を覆い隠さないように前記自車マークの表示を制御することを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の車両表示装置。
【請求項7】
前記他車表示制御手段は、前記他車側副マーク部が、前記自車側主マーク部を覆い隠さないように前記他車マークの表示を制御することを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の車両表示装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2006−40009(P2006−40009A)
【公開日】平成18年2月9日(2006.2.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−219998(P2004−219998)
【出願日】平成16年7月28日(2004.7.28)
【出願人】(000101732)アルパイン株式会社 (2,424)
【Fターム(参考)】