車体構造
【課題】ダッシュボードとサイドシルとの結合部の剛性を高めることができる車体構造を提供する。
【解決手段】車体構造10は、ダッシュボード13にボード補強部材14が設けられている。このボード補強部材14の後端部37aは、前右サイドシル50を形成する前下サイドシルインナ53および前サイドシルアウタ51の内部に設けられるとともに、前下サイドシルインナ53および前サイドシルアウタ51に前上サイドシルインナ72を被せることで、各部材53,51,72で全周が拘束されている。よって、右フロントサイドフレーム11に車体前方から作用した荷重をボード補強部材14を経て前右サイドシル50に伝えることができる。
【解決手段】車体構造10は、ダッシュボード13にボード補強部材14が設けられている。このボード補強部材14の後端部37aは、前右サイドシル50を形成する前下サイドシルインナ53および前サイドシルアウタ51の内部に設けられるとともに、前下サイドシルインナ53および前サイドシルアウタ51に前上サイドシルインナ72を被せることで、各部材53,51,72で全周が拘束されている。よって、右フロントサイドフレーム11に車体前方から作用した荷重をボード補強部材14を経て前右サイドシル50に伝えることができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フロントサイドフレームの後端部にダッシュボードが設けられ、ダッシュボードの車体後方にサイドシルが設けられた車体構造に関する。
【背景技術】
【0002】
車体の組立工程においては、通常、ダッシュボードコンポーネントやフロントサイドフレームコンポーネントなどの各コンポーネントがそれぞれの組立エリアで組み付けられ、組み付けられた各コンポーネントで車体が組み立てられる。
【0003】
具体的には、ダッシュボード組立エリアでダッシュボードコンポーネントを組み立てる。つぎに、このコンポーネントをフロントサイドフレームコンポーネントに組み付けてエンジンルームを備えたコンポーネントを組み立てる。
ついで、このコンポーネントをフロアコンポーネントやサイドパネルコンポーネントに組み付けて車体を組み立てる(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】米国特許第5619784号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この組立工程によれば、例えば、組立エリアでサイドパネルコンポーネントを組み付けることで、サイドシルのサイドシルインナおよびサイドシルアウタが一体に組み付けられる。
よって、サイドパネルコンポーネントの後工程で、サイドパネルコンポーネントにダッシュボードコンポーネントを組み付ける際に、ダッシュボードコンポーネントを、既に組み付けられたサイドシルの内部に設けることは難しい。
【0005】
そこで、ダッシュボードコンポーネントは、既に組み付けられたサイドシルの外側から外側面に溶接で接合(結合)されていた。
このため、ダッシュボードコンポーネントおよびサイドシルを結合する部位を十分に確保することが難しく、接合部の剛性を確保する工夫が必要とされていた。
【0006】
本発明は、ダッシュボードとサイドシルとの結合部の剛性を高めることができる車体構造を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に係る発明は、フロントサイドフレームの後端部にダッシュボードが設けられ、前記ダッシュボードで車室の前部を仕切り、前記ダッシュボードの車体後方にサイドシルが設けられた車体構造において、前記ダッシュボードは、車室の前部を仕切るボード本体と、前記ボード本体の側部に設けられて、ホイールアーチの一部を有するアーチ部と、を備え、前記ボード本体は、車室の前部を仕切る中央パネル部と、前記中央パネル部の側部で、かつ前記アーチ部の下部に設けられた下サイドパネル部と、を有し、前記ダッシュボードに補強部材が設けられ、前記補強部材の後端部は、前記サイドシルを形成するサイドシルインナおよびサイドシルアウタの内部に設けられるとともに、前記サイドシルインナおよび前記サイドシルアウタに前記下サイドパネル部を被せることで、前記サイドシルインナ、前記サイドシルアウタおよび前記下サイドパネル部で全周が拘束され、前記フロントサイドフレームに車体前方から作用した荷重を前記補強部材を経て前記サイドシルに伝えることを特徴とする。
【0008】
請求項2は、前記中央パネル部は、車体前方側の前ボードパネルと、前記前ボードパネルの後方に設けられた後ボードパネルと、を有し、前記前ボードパネルおよび前記後ボードパネル間に前記補強部材が挟持され、前記補強部材が前記前ボードパネルを介して前記フロントサイドフレームの後端部に設けられたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
請求項1に係る発明では、ダッシュボードに補強部材を設け、この補強部材の後端部を、サイドシルインナおよびサイドシルアウタの内部に設けた。
そして、サイドシルインナおよびサイドシルアウタに下サイドパネル部を被せて、これらの部材で補強部材の後端部全周を拘束した。
【0010】
このように、サイドシルインナ、サイドシルアウタおよび下サイドパネル部の各部材で補強部材の後端部全周を拘束することで、補強部材の後端部をサイドシルに強固に設けることが可能になる。
よって、ダッシュボードとサイドシルとの結合部の剛性を高めることができる。
これにより、フロントサイドフレームに車体前方から作用した荷重を補強部材を経てサイドシルに効率よく伝えることができる。
【0011】
請求項2に係る発明では、ボード本体の前ボードパネルおよび後ボードパネル間に補強部材を挟持した。そして、補強部材を前ボードパネルを介してフロントサイドフレームの後端部に設けた。
よって、フロントサイドフレームの後端部を補強部材を介してサイドシルに連結することができる。
これにより、フロントサイドフレームに車体前方から作用した荷重を補強部材でサイドシルに一層効率よく伝えることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明を実施するための最良の形態を添付図に基づいて以下に説明する。なお、「前」、「後」、「左」、「右」は運転者から見た方向にしたがい、前側をFr、後側をRr、左側をL、右側をRとして示す。
【0013】
図1は本発明に係る車体構造を示す斜視図である。なお、図1においては構成の理解を容易にするために左サイドシルおよびダッシュボードの一部(左下サイドパネル部など)を除去した状態で説明する。
車体構造10は、車体前後方向に延出された左右のフロントサイドフレーム(フロントサイドフレーム)11と、左右のフロントサイドフレーム11の後端部11aに設けられたダッシュボード13と、ダッシュボード13に設けられたボード補強部材(補強部材)14と、ダッシュボード13の下端部13aから車体後方に向けて張り出されたフロントフロア15と、フロントフロア15の左右の側部15aにそれぞれ設けられた左右のサイドシル17(右サイドシル17のみを図示する)と、左右のサイドシル17の前端部17aにそれぞれ設けられた左右のピラーサポート18(右ピラーサポート18のみを図示する)とを備えている。
【0014】
なお、左右のフロントサイドフレーム11、左右のサイドシル17および左右のピラーサポート18はそれぞれ左右対称の部材である。よって、以下右フロントサイドフレーム11、右サイドシル17および右ピラーサポート18について説明して左部材の説明を省略する。
【0015】
左右のフロントサイドフレーム11は、車体幅方向に所定間隔をおいて配置され、それぞれのフレームが車体前後方向に延出されている。
左右のフロントサイドフレーム11のそれぞれの後端部11aにダッシュボード13が設けられている。
【0016】
図2は本発明に係る車体構造を示す分解斜視図、図3は図1の3−3線断面図である。
ダッシュボード13は、エンジンルーム21の後部と車室22の前部とを仕切る略矩形状のパネル部材である。
このダッシュボード13は、車室22の前部を仕切るボード本体24と、ボード本体24の左右の側部に設けられた左右のアーチ部(アーチ部)25とを備えている。
なお、左右のアーチ部25は左右対称の部材であり、以下右アーチ部25について説明して左アーチ部25の説明は省略する。
【0017】
ボード本体24は、車室22の前部を仕切る中央パネル部27と、中央パネル部27の左右の側部27aに設けられた左右の下サイドパネル部(下サイドパネル部)28(右下サイドパネル部28のみを図示する)とを有している。
なお、左右の下サイドパネル部28は左右対称の部材であり、以下右下サイドパネル部28について説明して左下サイドパネル部28の説明は省略する。
【0018】
中央パネル部27は、車体前方側の前ボードパネル31と、前ボードパネル31の後方に設けられた後ボードパネル32とを有している。
前ボードパネル31は、車体幅方向に延出され、断面形状が車体前方に向けて略U字状に折り曲げられた部位である(図3参照)。
【0019】
前ボードパネル31の左右の端部31aから車体前方に向けて左右のフロントサイドフレーム11がそれぞれ延出されている。
また、前ボードパネル31の左右の端部31aから左右のアーチ部25がそれぞれ車体後方に向けて車体外側に徐々に広がるように張り出されている。
【0020】
右下サイドパネル部28は、右アーチ部25の下部25aに設けられ、右サイドシル17の前端部17a(図5参照)に連結されている。
なお、右下サイドパネル部28については、図4〜図5で詳しく説明する。
【0021】
右アーチ部25は、略扇形に形成され、かつ車体後方に向けて湾曲状に膨出することで右ホイールハウスの後部(一部)が形成されている。
この右アーチ部25は、外縁25bが湾曲状に形成されることで右ホイールアーチの後部(一部)が形成されている。
【0022】
このように構成されたダッシュボード13の内部に、車体前部構造10を補強するボード補強部材14が挟持されている。
よって、ダッシュボード13にボード補強部材14が強固に取り付けられ、ボード補強部材14の剛性が高められる。
ボード補強部材14は、一例として、ダッシュボード13に沿うように管状のチューブで形成されている。
【0023】
このボード補強部材14は、車幅方向に直線状に延出された中央補強チューブ部35と、中央補強チューブ部35の左右の端部近傍にそれぞれ設けられた左右のトンネル補強チューブ部36と、中央補強チューブ部35の左右の端部から車体後方に向けてそれぞれ下り勾配に延出された左右の下補強チューブ部37と、左右の下補強チューブ部37の前端部から車体後方に向けてそれぞれ上り勾配に延出された左右の上補強チューブ部38とを備えている。
【0024】
なお、左右のトンネル補強チューブ部36、左右の下補強チューブ部37および左右の上補強チューブ部38はそれぞれ左右対称の部材である。よって、以下右トンネル補強チューブ部36、右下補強チューブ部37および右上補強チューブ部38について説明して左部材の説明を省略する。
【0025】
図3に示すように、中央補強チューブ部35は、前ボードパネル31の折曲部31bに車体後方側から設けられ、支持部材41を介して後ボードパネル32で覆われている。
すなわち、中央補強チューブ部35は、前ボードパネル31および後ボードパネル32間に挟持され、前ボードパネル31を介して右フロントサイドフレーム11の後端部11aに設けられている。
【0026】
よって、右フロントサイドフレーム11に車体前方側から荷重Fが作用した場合に、作用した荷重Fを右フロントサイドフレーム11を経て中央補強チューブ部35に直接(効率よく)伝えることができる。
これにより、荷重Fを中央補強チューブ部35を経て左右のトンネル補強チューブ部36、左右の下補強チューブ部37および左右の上補強チューブ部38に効率よく分散することができる。
【0027】
右トンネル補強チューブ部36は、前ボードパネル31に前半部位36aが設けられ、フロアトンネル43(後述する)に後半部位36bが設けられている。
【0028】
右下補強チューブ部37は、右アーチ部25の下部25aに車体後方側から設けられた円筒状の部材である。
右下補強チューブ部37は、補強部材の後端部としての後端部37aが右アーチ部25の下部25aから車体後方に向けて延出されている。
【0029】
右上補強チューブ部38は、右アーチ部25の上部25cに車体後方側から設けられた円筒状の部材である。
右上補強チューブ部38は、上部38aが右アーチ部25の上部(ダッシュボード13の右端部)25cから車体後方に向けて上り勾配に延出され(立ち上げられ)ている。
【0030】
図1に戻って、フロントフロア15は、ダッシュボード13の下端部13aから車体後方に向けて張り出されている。
このフロントフロア15は、車体幅方向中央にフロアトンネル43が形成されている。フロアトンネル43が上方に隆起した状態で車体後方に向けて延出されることで、フロアトンネル43内にプロペラシャフト(図示しない)を収容する空間が形成されている。
【0031】
フロントフロア15の左右の側部15aに左右のサイドシル17(右サイドシル17のみを図示する)がそれぞれ備えられ、左右のサイドシル17の前端部17aに左右のピラーサポート18(右ピラーサポート18のみを図示する)が備えられている。
【0032】
図4は図1の4部拡大図、図5は図4の車体構造を分解した状態を示す斜視図である。
右サイドシル17は、ダッシュボード13の車体後方に設けられた部材である。
この右サイドシル17は、フロントフロア15の右側部15aに設けられたサイドシルインナ45と、サイドシルインナ45に溶接で一体に接合されたサイドシルアウタ46とを備えている。
【0033】
サイドシルインナ45は、ダッシュボード13の右アーチ部25に対して車体後方に所定間隔L1離れた位置に前端部45aが位置し、前端部45aにダッシュボード13の右下サイドパネル部28が溶接で接合されている。
サイドシルアウタ46は、サイドシルインナ45の前端部45aに対して車体後方に所定間隔L2離れた位置に前端部46aが位置している。
サイドシルインナ45に備えた上下のフランジ45bおよびサイドシルアウタ46備えた上下のフランジ46bを溶接で接合することで、右サイドシル17が閉断面に形成されている。
【0034】
右ピラーサポート18は、右サイドシル17の前端部17aに設けられている。
この右ピラーサポート18は、サイドシルアウタ46の前端部46aに突き合わされた前サイドシルアウタ(サイドシルアウタ)51と、前サイドシルアウタ51から上方に立設されたピラー支え部52と、サイドシルインナ45の前端部45aに突き合わされた前下サイドシルインナ(サイドシルインナ)53と、を備えている。
【0035】
前サイドシルアウタ51は、アルミニウム材で一体に鋳造成形されたアルミ製の部材である。前サイドシルアウタ51は、サイドシルアウタ46の前端部46aからダッシュボード13まで車体前方に向けて延出されている。
この前サイドシルアウタ51は、サイドシルアウタ46と同様に、外形が断面略コ字状に形成され、内部空間51aに複数の補強リブ54(図7参照)が設けられている。
【0036】
ピラー支え部52は、外形が断面略コ字状に形成され、内部空間52aに複数の補強リブ55が設けられている。
【0037】
ピラー支え部52の頂部52bから車体前方に向けて右アッパメンバー58が延出され、かつ、ピラー支え部52の頂部52bから車体後方に向けて右フロントピラー20(図1参照)が延出されている。
【0038】
図5に示す前下サイドシルインナ53は、サイドシルインナ45の前端部45aから車体前方に向けて延出されるとともに、前サイドシルアウタ51および右下サイドパネル部28間に設けられている。
この前下サイドシルインナ53は、サイドシルインナ45の下部と同様に、外形が略L字状に形成され、内部空間53aに複数の補強リブ56(図7も参照)が設けられている。
【0039】
前下サイドシルインナ53の補強リブ56に右下補強チューブ部37の後端部37aが溶接で接合されている。
さらに、図7に示すように、前サイドシルアウタ51の補強リブ54に右下補強チューブ部37の後端部37aが溶接で接合されている。
【0040】
この状態で、右下補強チューブ部37が右下サイドパネル部28に覆われている。
右下サイドパネル部28は、傾斜状に形成された上パネル71と、上パネル71の外側部に設けられた前上サイドシルインナ(サイドシルインナ)72とを有している。
【0041】
上パネル71は、右アーチ部25の下部25a、後ボードパネル32の右下側部32a、前下サイドシルインナ53およびフロントフロア15の前右端部15bで形成された空間73を覆う部材である。
上パネル71は、前端部71aが右アーチ部25に溶接で接合され、内側部71bが後ボードパネル32の右下側部32aに溶接で接合され、後端部71cがフロントフロア15の前右端部15bに溶接で接合されている。
【0042】
前上サイドシルインナ72は、前半部72aが前下サイドシルインナ53および前サイドシルアウタ51に被せられ、後半部72bがサイドシルインナ45の前端部45aに被せられている。
【0043】
図6は図4の6−6線断面図である。
右アーチ部25の下部25aに凹部が形成され、この凹部に右下補強チューブ部37が配置されて凹部に溶接部75で溶接されている。
下部25aの凹部に上パネル71の前端部71aが重ねられ、前端部71aの凹部に右下補強チューブ部37が配置されている。
【0044】
この状態で、上パネル71の前端部71aが右アーチ部25の下部25aに溶接部76で溶接されている。
よって、右下補強チューブ部37が右アーチ部25の下部25aおよび上パネル71の前端部71aで挟持されている。
これにより、右アーチ部25の下部25aおよび上パネル71の前端部71aに右下補強チューブ部37が強固に取り付けられ、右下補強チューブ部37の剛性が高められる。
なお、上パネル71の内側部71bは、後ボードパネル32の右下側部32aに溶接部77で溶接されている。
【0045】
図7は図4の7−7線断面図、図8は図7のサイドシルを分解した状態を示す断面図である。
前下サイドシルインナ53の下フランジ53bおよび前サイドシルアウタ51の下フランジ51cが溶接で接合されている。
また、前サイドシルアウタ51の上フランジ51cおよび右下サイドパネル部28(前上サイドシルインナ72)の上フランジ72dが溶接で接合されている。
さらに、前上サイドシルインナ72の下辺72eおよび前下サイドシルインナ53の上端部53cが溶接で接合されることで、前下サイドシルインナ53および前サイドシルアウタ51の上部51bに前上サイドシルインナ72が被せられている。
【0046】
そして、前下サイドシルインナ53、前サイドシルアウタ51および前上サイドシルインナ72内に右下補強チューブ部37の後端部37aが設けられている。
具体的には、前下サイドシルインナ53の補強リブ56に右下補強チューブ部37の後端部37a外周が溶接部78,78で溶接されている。
【0047】
また、前サイドシルアウタ51の補強リブ54に右下補強チューブ部37の後端部37a外周が溶接部79で溶接されている。
この状態で、前上サイドシルインナ72(補強リブ57)が右下補強チューブ部37の後端部37a外周に当接されている。
補強リブ57は、前上サイドシルインナ72の内部空間72cに複数個設けられている。
【0048】
よって、右下補強チューブ部37の後端部37aが前下サイドシルインナ53、前サイドシルアウタ51および右下サイドパネル部28(前上サイドシルインナ72)で挟持されている。
すなわち、右下補強チューブ部37の後端部37aが、前下サイドシルインナ53、前サイドシルアウタ51および前上サイドシルインナ72で全周が拘束されている。
【0049】
ここで、前下サイドシルインナ53、前サイドシルアウタ51および前上サイドシルインナ72で前右サイドシル(サイドシル)50を構成する。
前右サイドシル50の内部に後端部37aの全周が拘束されることで、前右サイドシル50に後端部37aが強固に連結されている(設けられている)。
よって、右下補強チューブ部37の後端部37aと前右サイドシル50(すなわち、各サイドシル部材53,51,72)との結合部の剛性を高めることができる。
【0050】
図3、図5に戻って、中央補強チューブ部35は、前ボードパネル31および後ボードパネル32間に挟持され、前ボードパネル31を介して右フロントサイドフレーム11の後端部11aに設けられている。
よって、右フロントサイドフレーム11の後端部11aをボード補強部材14(具体的には、中央補強チューブ部35、右下補強チューブ部37)を介して前右サイドシル50に連結することができる。
【0051】
これにより、右フロントサイドフレーム11に車体前方から作用した荷重F(図3参照)をボード補強部材14(中央補強チューブ部35、右下補強チューブ部37)を経て前右サイドシル50に効率よく伝えることができる。
ここで、前右サイドシル50は右サイドシル17に同軸上に設けられている。
よって、前右サイドシル50まで伝えられた荷重を右サイドシル17に前端部17aから効率よく伝えることができる。
【0052】
つぎに、右フロントサイドフレーム11に車体前方から作用した荷重をボード補強部材14を経て右サイドシル17に伝える例を図9に基づいて説明する。
図9(a),(b)は本発明に係る車体構造に荷重が作用した例を説明する図である。
(a)において、右フロントサイドフレーム11に車体前方から荷重F1が作用する。
図3に示すように、ボード補強部材14の中央補強チューブ部35が前ボードパネル31を介して右フロントサイドフレーム11の後端部11aに設けられている。
よって、右フロントサイドフレーム11に作用した荷重F1が中央補強チューブ部35に直接(効率よく)伝えられる。
【0053】
中央補強チューブ部35に伝えられた荷重F1の一部が、中央補強チューブ部35を経て右トンネル補強チューブ部36に荷重F2として分散されるとともに、右上補強チューブ部38に荷重F3として分散される。
さらに、荷重F1の残りの荷重が、右下補強チューブ部37に荷重F4として分散される。
【0054】
(b)において、右下補強チューブ部37に伝えられた荷重F4は、右下補強チューブ部37の後端部37aを経て右サイドシル17に伝えられる。
ここで、図7に示すように、右下補強チューブ部37の後端部37aが前右サイドシル50(すなわち、前下サイドシルインナ53、前サイドシルアウタ51および前上サイドシルインナ72)で強固に挟持されている。
【0055】
そして、前右サイドシル50は右サイドシル17の前端部17aに同軸上に設けられている。
したがって、右下補強チューブ部37に伝えられた荷重F4を前右サイドシル50を経て右サイドシル17に効率よく伝え、伝えられた荷重F4を右サイドシル17で支えることができる。
【0056】
つぎに、車体構造10を組み付ける組付手順を図10〜図14に基づいて説明する。
図10(a),(b)は本発明に係る車体構造の前ボードパネルにボード補強部材を結合する例を説明する図である。
(a)において、前ボードパネル31および左右のアーチ部25にボード補強部材14を車体後方側から配置する。
【0057】
(b)において、右アーチ部25の下部25aに右下補強チューブ部37が配置され、配置された右下補強チューブ部37を下部25aの凹部に溶接部75で溶接する。
【0058】
(a)に戻って、中央補強チューブ部35、右トンネル補強チューブ部36および右上補強チューブ部38を、右下補強チューブ部37と同様に、前ボードパネル31や左右のアーチ部25に溶接する。
これにより、前ボードパネル31および左右のアーチ部25にボード補強部材14を結合する。
【0059】
図11(a),(b)は本発明に係る車体構造のダッシュボードにボード補強部材を挟持する例を説明する図である。
(a)において、前ボードパネル31に後ボードパネル32を車体後方側から矢印Aの如く被せて、前ボードパネル31に後ボードパネル32を溶接で接合する。
これにより、前ボードパネル31および後ボードパネル32間にボード補強部材14(具体的には、中央補強チューブ部35)が挟持される。
【0060】
(b)において、ボード補強部材14を挟持したダッシュボード13の下端部13aに、フロントフロア15の前端部15cを溶接で接合する。
フロントフロア15の左右の側部15aに左右のサイドシルインナ45(右サイドシルインナ45のみ図示する)が接合されている。
【0061】
図12(a),(b)は本発明に係る車体構造の前下サイドシルインナに右下補強チューブ部を結合する例を説明する図である。
(a)において、前下サイドシルインナ53を矢印Bの如くサイドシルインナ45の前端部45aに溶接で接合する。
【0062】
(b)において、前下サイドシルインナ53の補強リブ56に右下補強チューブ部37の後端部37aを溶接部78,78で溶接する。
【0063】
図13(a),(b)は本発明に係る車体構造の前サイドシルアウタに右下補強チューブ部を結合する例を説明する図である。
(a)において、サイドシルインナ45にサイドシルアウタ46を溶接で接合するとともに、サイドシルアウタ46および前下サイドシルインナ53に前サイドシルアウタ51を溶接で接合する。
【0064】
(b)において、前サイドシルアウタ51の補強リブ54に右下補強チューブ部37の後端部37aを溶接部79で溶接する。
【0065】
図14(a),(b)は本発明に係る車体構造の右下サイドパネル部などで右下補強チューブ部全周を拘束する例を説明する図である。
(a)において、ダッシュボード13の右下サイドパネル部28(具体的には、前上サイドシルインナ72)を前下サイドシルインナ53および前サイドシルアウタ51の上部51bに被せる。
【0066】
(b)において、前上サイドシルインナ72の複数の補強リブ57が、右下補強チューブ部37の後端部37aに当接される。
よって、右下補強チューブ部37の後端部37a全周を、前下サイドシルインナ53、前サイドシルアウタ51および前上サイドシルインナ72(すなわち、前右サイドシル50)で拘束できる。
【0067】
なお、前記実施の形態では、ボード補強部材14を円筒状の部材で形成した例について説明したが、これに限定するものではなく、ボード補強部材14を角形の筒状部材やロッドなどの他の部材で形成することも可能である。
【0068】
また、前記実施の形態で示した左右のフロントサイドフレーム11、ダッシュボード13、ボード補強部材14、左右のサイドシル17、ボード本体24、左右のアーチ部25、中央パネル部27、左右の下サイドパネル部28、前ボードパネル31、後ボードパネル32、右下補強チューブ部37、前右サイドシル50、前サイドシルアウタ51、前下サイドシルインナ53および前上サイドシルインナ72などの形状は例示したものに限定するものではなく適宜変更が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0069】
本発明は、フロントサイドフレームの後端部にダッシュボードが設けられ、ダッシュボードの車体後方にサイドシルが設けられた車体構造を備えた自動車への適用に好適である。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】本発明に係る車体構造を示す斜視図である。
【図2】本発明に係る車体構造を示す分解斜視図である。
【図3】図1の3−3線断面図である。
【図4】図1の4部拡大図である。
【図5】図4の車体構造を分解した状態を示す斜視図である。
【図6】図4の6−6線断面図である。
【図7】図4の7−7線断面図である。
【図8】図7のサイドシルを分解した状態を示す断面図である。
【図9】本発明に係る車体構造に荷重が作用した例を説明する図である。
【図10】本発明に係る車体構造の前ボードパネルにボード補強部材を結合する例を説明する図である。
【図11】本発明に係る車体構造のダッシュボードにボード補強部材を挟持する例を説明する図である。
【図12】本発明に係る車体構造の前下サイドシルインナに右下補強チューブ部を結合する例を説明する図である。
【図13】本発明に係る車体構造の前サイドシルアウタに右下補強チューブ部を結合する例を説明する図である。
【図14】本発明に係る車体構造の右下サイドパネル部などで右下補強チューブ部全周を拘束する例を説明する図である。
【符号の説明】
【0071】
10…車体構造、11…左右のフロントサイドフレーム(フロントサイドフレーム)、11a…左右のフロントサイドフレームの後端部、13…ダッシュボード、14…ボード補強部材(補強部材)、22…車室、17…左右のサイドシル、24…ボード本体、25…左右のアーチ部(アーチ部)、27…中央パネル部、28…左右の下サイドパネル部(下サイドパネル部)、31…前ボードパネル、32…後ボードパネル、37…右下補強チューブ部、37a…後端部(補強部材の後端部)、50…前右サイドシル(サイドシル)、51…前サイドシルアウタ(サイドシルアウタ)、53…前下サイドシルインナ(サイドシルインナ)、72…前上サイドシルインナ(サイドシルインナ)。
【技術分野】
【0001】
本発明は、フロントサイドフレームの後端部にダッシュボードが設けられ、ダッシュボードの車体後方にサイドシルが設けられた車体構造に関する。
【背景技術】
【0002】
車体の組立工程においては、通常、ダッシュボードコンポーネントやフロントサイドフレームコンポーネントなどの各コンポーネントがそれぞれの組立エリアで組み付けられ、組み付けられた各コンポーネントで車体が組み立てられる。
【0003】
具体的には、ダッシュボード組立エリアでダッシュボードコンポーネントを組み立てる。つぎに、このコンポーネントをフロントサイドフレームコンポーネントに組み付けてエンジンルームを備えたコンポーネントを組み立てる。
ついで、このコンポーネントをフロアコンポーネントやサイドパネルコンポーネントに組み付けて車体を組み立てる(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】米国特許第5619784号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この組立工程によれば、例えば、組立エリアでサイドパネルコンポーネントを組み付けることで、サイドシルのサイドシルインナおよびサイドシルアウタが一体に組み付けられる。
よって、サイドパネルコンポーネントの後工程で、サイドパネルコンポーネントにダッシュボードコンポーネントを組み付ける際に、ダッシュボードコンポーネントを、既に組み付けられたサイドシルの内部に設けることは難しい。
【0005】
そこで、ダッシュボードコンポーネントは、既に組み付けられたサイドシルの外側から外側面に溶接で接合(結合)されていた。
このため、ダッシュボードコンポーネントおよびサイドシルを結合する部位を十分に確保することが難しく、接合部の剛性を確保する工夫が必要とされていた。
【0006】
本発明は、ダッシュボードとサイドシルとの結合部の剛性を高めることができる車体構造を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に係る発明は、フロントサイドフレームの後端部にダッシュボードが設けられ、前記ダッシュボードで車室の前部を仕切り、前記ダッシュボードの車体後方にサイドシルが設けられた車体構造において、前記ダッシュボードは、車室の前部を仕切るボード本体と、前記ボード本体の側部に設けられて、ホイールアーチの一部を有するアーチ部と、を備え、前記ボード本体は、車室の前部を仕切る中央パネル部と、前記中央パネル部の側部で、かつ前記アーチ部の下部に設けられた下サイドパネル部と、を有し、前記ダッシュボードに補強部材が設けられ、前記補強部材の後端部は、前記サイドシルを形成するサイドシルインナおよびサイドシルアウタの内部に設けられるとともに、前記サイドシルインナおよび前記サイドシルアウタに前記下サイドパネル部を被せることで、前記サイドシルインナ、前記サイドシルアウタおよび前記下サイドパネル部で全周が拘束され、前記フロントサイドフレームに車体前方から作用した荷重を前記補強部材を経て前記サイドシルに伝えることを特徴とする。
【0008】
請求項2は、前記中央パネル部は、車体前方側の前ボードパネルと、前記前ボードパネルの後方に設けられた後ボードパネルと、を有し、前記前ボードパネルおよび前記後ボードパネル間に前記補強部材が挟持され、前記補強部材が前記前ボードパネルを介して前記フロントサイドフレームの後端部に設けられたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
請求項1に係る発明では、ダッシュボードに補強部材を設け、この補強部材の後端部を、サイドシルインナおよびサイドシルアウタの内部に設けた。
そして、サイドシルインナおよびサイドシルアウタに下サイドパネル部を被せて、これらの部材で補強部材の後端部全周を拘束した。
【0010】
このように、サイドシルインナ、サイドシルアウタおよび下サイドパネル部の各部材で補強部材の後端部全周を拘束することで、補強部材の後端部をサイドシルに強固に設けることが可能になる。
よって、ダッシュボードとサイドシルとの結合部の剛性を高めることができる。
これにより、フロントサイドフレームに車体前方から作用した荷重を補強部材を経てサイドシルに効率よく伝えることができる。
【0011】
請求項2に係る発明では、ボード本体の前ボードパネルおよび後ボードパネル間に補強部材を挟持した。そして、補強部材を前ボードパネルを介してフロントサイドフレームの後端部に設けた。
よって、フロントサイドフレームの後端部を補強部材を介してサイドシルに連結することができる。
これにより、フロントサイドフレームに車体前方から作用した荷重を補強部材でサイドシルに一層効率よく伝えることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明を実施するための最良の形態を添付図に基づいて以下に説明する。なお、「前」、「後」、「左」、「右」は運転者から見た方向にしたがい、前側をFr、後側をRr、左側をL、右側をRとして示す。
【0013】
図1は本発明に係る車体構造を示す斜視図である。なお、図1においては構成の理解を容易にするために左サイドシルおよびダッシュボードの一部(左下サイドパネル部など)を除去した状態で説明する。
車体構造10は、車体前後方向に延出された左右のフロントサイドフレーム(フロントサイドフレーム)11と、左右のフロントサイドフレーム11の後端部11aに設けられたダッシュボード13と、ダッシュボード13に設けられたボード補強部材(補強部材)14と、ダッシュボード13の下端部13aから車体後方に向けて張り出されたフロントフロア15と、フロントフロア15の左右の側部15aにそれぞれ設けられた左右のサイドシル17(右サイドシル17のみを図示する)と、左右のサイドシル17の前端部17aにそれぞれ設けられた左右のピラーサポート18(右ピラーサポート18のみを図示する)とを備えている。
【0014】
なお、左右のフロントサイドフレーム11、左右のサイドシル17および左右のピラーサポート18はそれぞれ左右対称の部材である。よって、以下右フロントサイドフレーム11、右サイドシル17および右ピラーサポート18について説明して左部材の説明を省略する。
【0015】
左右のフロントサイドフレーム11は、車体幅方向に所定間隔をおいて配置され、それぞれのフレームが車体前後方向に延出されている。
左右のフロントサイドフレーム11のそれぞれの後端部11aにダッシュボード13が設けられている。
【0016】
図2は本発明に係る車体構造を示す分解斜視図、図3は図1の3−3線断面図である。
ダッシュボード13は、エンジンルーム21の後部と車室22の前部とを仕切る略矩形状のパネル部材である。
このダッシュボード13は、車室22の前部を仕切るボード本体24と、ボード本体24の左右の側部に設けられた左右のアーチ部(アーチ部)25とを備えている。
なお、左右のアーチ部25は左右対称の部材であり、以下右アーチ部25について説明して左アーチ部25の説明は省略する。
【0017】
ボード本体24は、車室22の前部を仕切る中央パネル部27と、中央パネル部27の左右の側部27aに設けられた左右の下サイドパネル部(下サイドパネル部)28(右下サイドパネル部28のみを図示する)とを有している。
なお、左右の下サイドパネル部28は左右対称の部材であり、以下右下サイドパネル部28について説明して左下サイドパネル部28の説明は省略する。
【0018】
中央パネル部27は、車体前方側の前ボードパネル31と、前ボードパネル31の後方に設けられた後ボードパネル32とを有している。
前ボードパネル31は、車体幅方向に延出され、断面形状が車体前方に向けて略U字状に折り曲げられた部位である(図3参照)。
【0019】
前ボードパネル31の左右の端部31aから車体前方に向けて左右のフロントサイドフレーム11がそれぞれ延出されている。
また、前ボードパネル31の左右の端部31aから左右のアーチ部25がそれぞれ車体後方に向けて車体外側に徐々に広がるように張り出されている。
【0020】
右下サイドパネル部28は、右アーチ部25の下部25aに設けられ、右サイドシル17の前端部17a(図5参照)に連結されている。
なお、右下サイドパネル部28については、図4〜図5で詳しく説明する。
【0021】
右アーチ部25は、略扇形に形成され、かつ車体後方に向けて湾曲状に膨出することで右ホイールハウスの後部(一部)が形成されている。
この右アーチ部25は、外縁25bが湾曲状に形成されることで右ホイールアーチの後部(一部)が形成されている。
【0022】
このように構成されたダッシュボード13の内部に、車体前部構造10を補強するボード補強部材14が挟持されている。
よって、ダッシュボード13にボード補強部材14が強固に取り付けられ、ボード補強部材14の剛性が高められる。
ボード補強部材14は、一例として、ダッシュボード13に沿うように管状のチューブで形成されている。
【0023】
このボード補強部材14は、車幅方向に直線状に延出された中央補強チューブ部35と、中央補強チューブ部35の左右の端部近傍にそれぞれ設けられた左右のトンネル補強チューブ部36と、中央補強チューブ部35の左右の端部から車体後方に向けてそれぞれ下り勾配に延出された左右の下補強チューブ部37と、左右の下補強チューブ部37の前端部から車体後方に向けてそれぞれ上り勾配に延出された左右の上補強チューブ部38とを備えている。
【0024】
なお、左右のトンネル補強チューブ部36、左右の下補強チューブ部37および左右の上補強チューブ部38はそれぞれ左右対称の部材である。よって、以下右トンネル補強チューブ部36、右下補強チューブ部37および右上補強チューブ部38について説明して左部材の説明を省略する。
【0025】
図3に示すように、中央補強チューブ部35は、前ボードパネル31の折曲部31bに車体後方側から設けられ、支持部材41を介して後ボードパネル32で覆われている。
すなわち、中央補強チューブ部35は、前ボードパネル31および後ボードパネル32間に挟持され、前ボードパネル31を介して右フロントサイドフレーム11の後端部11aに設けられている。
【0026】
よって、右フロントサイドフレーム11に車体前方側から荷重Fが作用した場合に、作用した荷重Fを右フロントサイドフレーム11を経て中央補強チューブ部35に直接(効率よく)伝えることができる。
これにより、荷重Fを中央補強チューブ部35を経て左右のトンネル補強チューブ部36、左右の下補強チューブ部37および左右の上補強チューブ部38に効率よく分散することができる。
【0027】
右トンネル補強チューブ部36は、前ボードパネル31に前半部位36aが設けられ、フロアトンネル43(後述する)に後半部位36bが設けられている。
【0028】
右下補強チューブ部37は、右アーチ部25の下部25aに車体後方側から設けられた円筒状の部材である。
右下補強チューブ部37は、補強部材の後端部としての後端部37aが右アーチ部25の下部25aから車体後方に向けて延出されている。
【0029】
右上補強チューブ部38は、右アーチ部25の上部25cに車体後方側から設けられた円筒状の部材である。
右上補強チューブ部38は、上部38aが右アーチ部25の上部(ダッシュボード13の右端部)25cから車体後方に向けて上り勾配に延出され(立ち上げられ)ている。
【0030】
図1に戻って、フロントフロア15は、ダッシュボード13の下端部13aから車体後方に向けて張り出されている。
このフロントフロア15は、車体幅方向中央にフロアトンネル43が形成されている。フロアトンネル43が上方に隆起した状態で車体後方に向けて延出されることで、フロアトンネル43内にプロペラシャフト(図示しない)を収容する空間が形成されている。
【0031】
フロントフロア15の左右の側部15aに左右のサイドシル17(右サイドシル17のみを図示する)がそれぞれ備えられ、左右のサイドシル17の前端部17aに左右のピラーサポート18(右ピラーサポート18のみを図示する)が備えられている。
【0032】
図4は図1の4部拡大図、図5は図4の車体構造を分解した状態を示す斜視図である。
右サイドシル17は、ダッシュボード13の車体後方に設けられた部材である。
この右サイドシル17は、フロントフロア15の右側部15aに設けられたサイドシルインナ45と、サイドシルインナ45に溶接で一体に接合されたサイドシルアウタ46とを備えている。
【0033】
サイドシルインナ45は、ダッシュボード13の右アーチ部25に対して車体後方に所定間隔L1離れた位置に前端部45aが位置し、前端部45aにダッシュボード13の右下サイドパネル部28が溶接で接合されている。
サイドシルアウタ46は、サイドシルインナ45の前端部45aに対して車体後方に所定間隔L2離れた位置に前端部46aが位置している。
サイドシルインナ45に備えた上下のフランジ45bおよびサイドシルアウタ46備えた上下のフランジ46bを溶接で接合することで、右サイドシル17が閉断面に形成されている。
【0034】
右ピラーサポート18は、右サイドシル17の前端部17aに設けられている。
この右ピラーサポート18は、サイドシルアウタ46の前端部46aに突き合わされた前サイドシルアウタ(サイドシルアウタ)51と、前サイドシルアウタ51から上方に立設されたピラー支え部52と、サイドシルインナ45の前端部45aに突き合わされた前下サイドシルインナ(サイドシルインナ)53と、を備えている。
【0035】
前サイドシルアウタ51は、アルミニウム材で一体に鋳造成形されたアルミ製の部材である。前サイドシルアウタ51は、サイドシルアウタ46の前端部46aからダッシュボード13まで車体前方に向けて延出されている。
この前サイドシルアウタ51は、サイドシルアウタ46と同様に、外形が断面略コ字状に形成され、内部空間51aに複数の補強リブ54(図7参照)が設けられている。
【0036】
ピラー支え部52は、外形が断面略コ字状に形成され、内部空間52aに複数の補強リブ55が設けられている。
【0037】
ピラー支え部52の頂部52bから車体前方に向けて右アッパメンバー58が延出され、かつ、ピラー支え部52の頂部52bから車体後方に向けて右フロントピラー20(図1参照)が延出されている。
【0038】
図5に示す前下サイドシルインナ53は、サイドシルインナ45の前端部45aから車体前方に向けて延出されるとともに、前サイドシルアウタ51および右下サイドパネル部28間に設けられている。
この前下サイドシルインナ53は、サイドシルインナ45の下部と同様に、外形が略L字状に形成され、内部空間53aに複数の補強リブ56(図7も参照)が設けられている。
【0039】
前下サイドシルインナ53の補強リブ56に右下補強チューブ部37の後端部37aが溶接で接合されている。
さらに、図7に示すように、前サイドシルアウタ51の補強リブ54に右下補強チューブ部37の後端部37aが溶接で接合されている。
【0040】
この状態で、右下補強チューブ部37が右下サイドパネル部28に覆われている。
右下サイドパネル部28は、傾斜状に形成された上パネル71と、上パネル71の外側部に設けられた前上サイドシルインナ(サイドシルインナ)72とを有している。
【0041】
上パネル71は、右アーチ部25の下部25a、後ボードパネル32の右下側部32a、前下サイドシルインナ53およびフロントフロア15の前右端部15bで形成された空間73を覆う部材である。
上パネル71は、前端部71aが右アーチ部25に溶接で接合され、内側部71bが後ボードパネル32の右下側部32aに溶接で接合され、後端部71cがフロントフロア15の前右端部15bに溶接で接合されている。
【0042】
前上サイドシルインナ72は、前半部72aが前下サイドシルインナ53および前サイドシルアウタ51に被せられ、後半部72bがサイドシルインナ45の前端部45aに被せられている。
【0043】
図6は図4の6−6線断面図である。
右アーチ部25の下部25aに凹部が形成され、この凹部に右下補強チューブ部37が配置されて凹部に溶接部75で溶接されている。
下部25aの凹部に上パネル71の前端部71aが重ねられ、前端部71aの凹部に右下補強チューブ部37が配置されている。
【0044】
この状態で、上パネル71の前端部71aが右アーチ部25の下部25aに溶接部76で溶接されている。
よって、右下補強チューブ部37が右アーチ部25の下部25aおよび上パネル71の前端部71aで挟持されている。
これにより、右アーチ部25の下部25aおよび上パネル71の前端部71aに右下補強チューブ部37が強固に取り付けられ、右下補強チューブ部37の剛性が高められる。
なお、上パネル71の内側部71bは、後ボードパネル32の右下側部32aに溶接部77で溶接されている。
【0045】
図7は図4の7−7線断面図、図8は図7のサイドシルを分解した状態を示す断面図である。
前下サイドシルインナ53の下フランジ53bおよび前サイドシルアウタ51の下フランジ51cが溶接で接合されている。
また、前サイドシルアウタ51の上フランジ51cおよび右下サイドパネル部28(前上サイドシルインナ72)の上フランジ72dが溶接で接合されている。
さらに、前上サイドシルインナ72の下辺72eおよび前下サイドシルインナ53の上端部53cが溶接で接合されることで、前下サイドシルインナ53および前サイドシルアウタ51の上部51bに前上サイドシルインナ72が被せられている。
【0046】
そして、前下サイドシルインナ53、前サイドシルアウタ51および前上サイドシルインナ72内に右下補強チューブ部37の後端部37aが設けられている。
具体的には、前下サイドシルインナ53の補強リブ56に右下補強チューブ部37の後端部37a外周が溶接部78,78で溶接されている。
【0047】
また、前サイドシルアウタ51の補強リブ54に右下補強チューブ部37の後端部37a外周が溶接部79で溶接されている。
この状態で、前上サイドシルインナ72(補強リブ57)が右下補強チューブ部37の後端部37a外周に当接されている。
補強リブ57は、前上サイドシルインナ72の内部空間72cに複数個設けられている。
【0048】
よって、右下補強チューブ部37の後端部37aが前下サイドシルインナ53、前サイドシルアウタ51および右下サイドパネル部28(前上サイドシルインナ72)で挟持されている。
すなわち、右下補強チューブ部37の後端部37aが、前下サイドシルインナ53、前サイドシルアウタ51および前上サイドシルインナ72で全周が拘束されている。
【0049】
ここで、前下サイドシルインナ53、前サイドシルアウタ51および前上サイドシルインナ72で前右サイドシル(サイドシル)50を構成する。
前右サイドシル50の内部に後端部37aの全周が拘束されることで、前右サイドシル50に後端部37aが強固に連結されている(設けられている)。
よって、右下補強チューブ部37の後端部37aと前右サイドシル50(すなわち、各サイドシル部材53,51,72)との結合部の剛性を高めることができる。
【0050】
図3、図5に戻って、中央補強チューブ部35は、前ボードパネル31および後ボードパネル32間に挟持され、前ボードパネル31を介して右フロントサイドフレーム11の後端部11aに設けられている。
よって、右フロントサイドフレーム11の後端部11aをボード補強部材14(具体的には、中央補強チューブ部35、右下補強チューブ部37)を介して前右サイドシル50に連結することができる。
【0051】
これにより、右フロントサイドフレーム11に車体前方から作用した荷重F(図3参照)をボード補強部材14(中央補強チューブ部35、右下補強チューブ部37)を経て前右サイドシル50に効率よく伝えることができる。
ここで、前右サイドシル50は右サイドシル17に同軸上に設けられている。
よって、前右サイドシル50まで伝えられた荷重を右サイドシル17に前端部17aから効率よく伝えることができる。
【0052】
つぎに、右フロントサイドフレーム11に車体前方から作用した荷重をボード補強部材14を経て右サイドシル17に伝える例を図9に基づいて説明する。
図9(a),(b)は本発明に係る車体構造に荷重が作用した例を説明する図である。
(a)において、右フロントサイドフレーム11に車体前方から荷重F1が作用する。
図3に示すように、ボード補強部材14の中央補強チューブ部35が前ボードパネル31を介して右フロントサイドフレーム11の後端部11aに設けられている。
よって、右フロントサイドフレーム11に作用した荷重F1が中央補強チューブ部35に直接(効率よく)伝えられる。
【0053】
中央補強チューブ部35に伝えられた荷重F1の一部が、中央補強チューブ部35を経て右トンネル補強チューブ部36に荷重F2として分散されるとともに、右上補強チューブ部38に荷重F3として分散される。
さらに、荷重F1の残りの荷重が、右下補強チューブ部37に荷重F4として分散される。
【0054】
(b)において、右下補強チューブ部37に伝えられた荷重F4は、右下補強チューブ部37の後端部37aを経て右サイドシル17に伝えられる。
ここで、図7に示すように、右下補強チューブ部37の後端部37aが前右サイドシル50(すなわち、前下サイドシルインナ53、前サイドシルアウタ51および前上サイドシルインナ72)で強固に挟持されている。
【0055】
そして、前右サイドシル50は右サイドシル17の前端部17aに同軸上に設けられている。
したがって、右下補強チューブ部37に伝えられた荷重F4を前右サイドシル50を経て右サイドシル17に効率よく伝え、伝えられた荷重F4を右サイドシル17で支えることができる。
【0056】
つぎに、車体構造10を組み付ける組付手順を図10〜図14に基づいて説明する。
図10(a),(b)は本発明に係る車体構造の前ボードパネルにボード補強部材を結合する例を説明する図である。
(a)において、前ボードパネル31および左右のアーチ部25にボード補強部材14を車体後方側から配置する。
【0057】
(b)において、右アーチ部25の下部25aに右下補強チューブ部37が配置され、配置された右下補強チューブ部37を下部25aの凹部に溶接部75で溶接する。
【0058】
(a)に戻って、中央補強チューブ部35、右トンネル補強チューブ部36および右上補強チューブ部38を、右下補強チューブ部37と同様に、前ボードパネル31や左右のアーチ部25に溶接する。
これにより、前ボードパネル31および左右のアーチ部25にボード補強部材14を結合する。
【0059】
図11(a),(b)は本発明に係る車体構造のダッシュボードにボード補強部材を挟持する例を説明する図である。
(a)において、前ボードパネル31に後ボードパネル32を車体後方側から矢印Aの如く被せて、前ボードパネル31に後ボードパネル32を溶接で接合する。
これにより、前ボードパネル31および後ボードパネル32間にボード補強部材14(具体的には、中央補強チューブ部35)が挟持される。
【0060】
(b)において、ボード補強部材14を挟持したダッシュボード13の下端部13aに、フロントフロア15の前端部15cを溶接で接合する。
フロントフロア15の左右の側部15aに左右のサイドシルインナ45(右サイドシルインナ45のみ図示する)が接合されている。
【0061】
図12(a),(b)は本発明に係る車体構造の前下サイドシルインナに右下補強チューブ部を結合する例を説明する図である。
(a)において、前下サイドシルインナ53を矢印Bの如くサイドシルインナ45の前端部45aに溶接で接合する。
【0062】
(b)において、前下サイドシルインナ53の補強リブ56に右下補強チューブ部37の後端部37aを溶接部78,78で溶接する。
【0063】
図13(a),(b)は本発明に係る車体構造の前サイドシルアウタに右下補強チューブ部を結合する例を説明する図である。
(a)において、サイドシルインナ45にサイドシルアウタ46を溶接で接合するとともに、サイドシルアウタ46および前下サイドシルインナ53に前サイドシルアウタ51を溶接で接合する。
【0064】
(b)において、前サイドシルアウタ51の補強リブ54に右下補強チューブ部37の後端部37aを溶接部79で溶接する。
【0065】
図14(a),(b)は本発明に係る車体構造の右下サイドパネル部などで右下補強チューブ部全周を拘束する例を説明する図である。
(a)において、ダッシュボード13の右下サイドパネル部28(具体的には、前上サイドシルインナ72)を前下サイドシルインナ53および前サイドシルアウタ51の上部51bに被せる。
【0066】
(b)において、前上サイドシルインナ72の複数の補強リブ57が、右下補強チューブ部37の後端部37aに当接される。
よって、右下補強チューブ部37の後端部37a全周を、前下サイドシルインナ53、前サイドシルアウタ51および前上サイドシルインナ72(すなわち、前右サイドシル50)で拘束できる。
【0067】
なお、前記実施の形態では、ボード補強部材14を円筒状の部材で形成した例について説明したが、これに限定するものではなく、ボード補強部材14を角形の筒状部材やロッドなどの他の部材で形成することも可能である。
【0068】
また、前記実施の形態で示した左右のフロントサイドフレーム11、ダッシュボード13、ボード補強部材14、左右のサイドシル17、ボード本体24、左右のアーチ部25、中央パネル部27、左右の下サイドパネル部28、前ボードパネル31、後ボードパネル32、右下補強チューブ部37、前右サイドシル50、前サイドシルアウタ51、前下サイドシルインナ53および前上サイドシルインナ72などの形状は例示したものに限定するものではなく適宜変更が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0069】
本発明は、フロントサイドフレームの後端部にダッシュボードが設けられ、ダッシュボードの車体後方にサイドシルが設けられた車体構造を備えた自動車への適用に好適である。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】本発明に係る車体構造を示す斜視図である。
【図2】本発明に係る車体構造を示す分解斜視図である。
【図3】図1の3−3線断面図である。
【図4】図1の4部拡大図である。
【図5】図4の車体構造を分解した状態を示す斜視図である。
【図6】図4の6−6線断面図である。
【図7】図4の7−7線断面図である。
【図8】図7のサイドシルを分解した状態を示す断面図である。
【図9】本発明に係る車体構造に荷重が作用した例を説明する図である。
【図10】本発明に係る車体構造の前ボードパネルにボード補強部材を結合する例を説明する図である。
【図11】本発明に係る車体構造のダッシュボードにボード補強部材を挟持する例を説明する図である。
【図12】本発明に係る車体構造の前下サイドシルインナに右下補強チューブ部を結合する例を説明する図である。
【図13】本発明に係る車体構造の前サイドシルアウタに右下補強チューブ部を結合する例を説明する図である。
【図14】本発明に係る車体構造の右下サイドパネル部などで右下補強チューブ部全周を拘束する例を説明する図である。
【符号の説明】
【0071】
10…車体構造、11…左右のフロントサイドフレーム(フロントサイドフレーム)、11a…左右のフロントサイドフレームの後端部、13…ダッシュボード、14…ボード補強部材(補強部材)、22…車室、17…左右のサイドシル、24…ボード本体、25…左右のアーチ部(アーチ部)、27…中央パネル部、28…左右の下サイドパネル部(下サイドパネル部)、31…前ボードパネル、32…後ボードパネル、37…右下補強チューブ部、37a…後端部(補強部材の後端部)、50…前右サイドシル(サイドシル)、51…前サイドシルアウタ(サイドシルアウタ)、53…前下サイドシルインナ(サイドシルインナ)、72…前上サイドシルインナ(サイドシルインナ)。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フロントサイドフレームの後端部にダッシュボードが設けられ、前記ダッシュボードで車室の前部を仕切り、前記ダッシュボードの車体後方にサイドシルが設けられた車体構造において、
前記ダッシュボードは、
車室の前部を仕切るボード本体と、
前記ボード本体の側部に設けられて、ホイールアーチの一部を有するアーチ部と、を備え、
前記ボード本体は、
車室の前部を仕切る中央パネル部と、
前記中央パネル部の側部で、かつ前記アーチ部の下部に設けられた下サイドパネル部と、を有し、
前記ダッシュボードに補強部材が設けられ、
前記補強部材の後端部は、
前記サイドシルを形成するサイドシルインナおよびサイドシルアウタの内部に設けられるとともに、前記サイドシルインナおよび前記サイドシルアウタに前記下サイドパネル部を被せることで、前記サイドシルインナ、前記サイドシルアウタおよび前記下サイドパネル部で全周が拘束され、
前記フロントサイドフレームに車体前方から作用した荷重を前記補強部材を経て前記サイドシルに伝えることを特徴とする車体構造。
【請求項2】
前記中央パネル部は、
車体前方側の前ボードパネルと、
前記前ボードパネルの後方に設けられた後ボードパネルと、を有し、
前記前ボードパネルおよび前記後ボードパネル間に前記補強部材が挟持され、
前記補強部材が前記前ボードパネルを介して前記フロントサイドフレームの後端部に設けられたことを特徴とする請求項1記載の車体構造。
【請求項1】
フロントサイドフレームの後端部にダッシュボードが設けられ、前記ダッシュボードで車室の前部を仕切り、前記ダッシュボードの車体後方にサイドシルが設けられた車体構造において、
前記ダッシュボードは、
車室の前部を仕切るボード本体と、
前記ボード本体の側部に設けられて、ホイールアーチの一部を有するアーチ部と、を備え、
前記ボード本体は、
車室の前部を仕切る中央パネル部と、
前記中央パネル部の側部で、かつ前記アーチ部の下部に設けられた下サイドパネル部と、を有し、
前記ダッシュボードに補強部材が設けられ、
前記補強部材の後端部は、
前記サイドシルを形成するサイドシルインナおよびサイドシルアウタの内部に設けられるとともに、前記サイドシルインナおよび前記サイドシルアウタに前記下サイドパネル部を被せることで、前記サイドシルインナ、前記サイドシルアウタおよび前記下サイドパネル部で全周が拘束され、
前記フロントサイドフレームに車体前方から作用した荷重を前記補強部材を経て前記サイドシルに伝えることを特徴とする車体構造。
【請求項2】
前記中央パネル部は、
車体前方側の前ボードパネルと、
前記前ボードパネルの後方に設けられた後ボードパネルと、を有し、
前記前ボードパネルおよび前記後ボードパネル間に前記補強部材が挟持され、
前記補強部材が前記前ボードパネルを介して前記フロントサイドフレームの後端部に設けられたことを特徴とする請求項1記載の車体構造。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2010−105538(P2010−105538A)
【公開日】平成22年5月13日(2010.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−279689(P2008−279689)
【出願日】平成20年10月30日(2008.10.30)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年5月13日(2010.5.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年10月30日(2008.10.30)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】
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