説明

車載用PTCヒータの制御装置

【課題】車載用PTCヒータを制御する制御装置において、コスト低減及び省スペース化を効果的に図ると共に精度高い制御が可能な構成を提供する。
【解決手段】制御装置1は、車載用PTCヒータ41を制御する装置として構成されており、バッテリー3に連なると共に、PTCヒータ41に対する通電と非通電とを切り替えるパワーMOSFET12を備えている。さらに、パワーMOSFET12に対してPWM信号を出力するPWM信号出力手段としてのエアコンECU20が設けられている。一方、エンジン冷却水の温度を検出する冷却水温センサ30が設けられており、エアコンECU20は、エンジン冷却水の温度に基づいて、パワーMOSFET12に与えるPWM信号のデューティー比を設定する構成をなしている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車載用PTCヒータの制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、例えばカーエアコンなどにおいて、PTC(Positive Temperature Coefficient)ヒータを用いて加温する技術が提供されている。このPTCヒータに用いられるPTC素子は、電圧が印加されるとジュール熱により自己発熱し、強誘電体相から常誘電体相へ結晶転移するキュリー温度を超えると、その抵抗値は対数的に増大する。すると電流が減少し電力が抑えられるため発熱温度が低下する。そして抵抗値が下がると電流が増加し再び電力が上昇するため、発熱温度が増加する。この動作が繰り返されることにより平衡状態となる。このヒータは所定温度領域で安定しやすいため、温度センサを用いたフィードバック制御などを行わずとも利用可能である。
【特許文献1】特開平10−329535号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、従来の車載用PTCヒータは、例えば図9のようなカーエアコンでの制御装置100にて代表されるように、機械式リレー101,102,103を用いてPTCヒータの通電本数を制御していた。即ち、エアコンECU120から機械式リレー101,102,103に対し選択的に通電信号を与えることで、PTCヒータ111,112及び113,114のうちどのラインを通電するかを制御していた。しかしながら、このような制御方法であると、温度設定の自由度が低く、PTCヒータの全体的な発熱量を精度高く制御することは困難であった。また、複数本のPTCヒータをそれぞれ機械式リレーによって通電制御する構成であったため、部品点数が増加せざるを得ず、低寿命、コスト高騰、設置スペース増大といった問題点があった。
【0004】
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、車載用PTCヒータを制御する制御装置において、コスト低減及び省スペース化を効果的に図ると共に精度高い制御が可能な構成を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の目的を達成するための手段として、請求項1の発明は、
PTC素子を備えてなる車載用PTCヒータを制御する制御装置であって、
電源に連なると共に、前記PTC素子に対する通電と非通電とを切り替える半導体スイッチ手段と、
前記半導体スイッチ手段に対してPWM信号を出力するPWM信号出力手段と、
を備えることを特徴とする
【0006】
請求項2の発明は、請求項1に記載の車載用PTCヒータの制御装置において、
前記半導体スイッチ手段は、前記電源に接続されるドレイン端子と、前記PTC素子に接続されるソース端子と、PWM信号出力手段からの前記PWM信号が入力されるゲート端子とを備えたパワーMOSFETからなることを特徴とする。
【0007】
請求項3の発明は、請求項1又は請求項2に記載の車載用PTCヒータの制御装置において、
所定の外部温度を取得する取得手段と、
前記外部温度条件と前記PWM信号のデューティ比とを対応付けて定めるデューティ比設定手段と、
を備え、
前記PWM信号出力手段は、前記デューティ比設定手段による設定内容に基づき、前記外部温度に応じたデューティ比の前記PWM信号を出力することを特徴とする。
【0008】
請求項4の発明は、請求項3に記載の車載用PTCヒータの制御装置において、
前記PTC素子は、車載用エアコンディショニング装置における供給空気の加熱を補助するヒータコアに配置されており、
前記取得手段は、前記所定の外部温度としてエンジン冷却水の温度を検出する検出手段からなり、
前記デューティ比設定手段は、前記エンジン冷却水の温度に基づいて、前記PWM信号のデューティー比を設定することを特徴とする。
【0009】
請求項5の発明は、請求項4に記載の車載用PTCヒータの制御装置において、
前記PTC素子は、前記ヒータコアにおいて複数設けられており、かつ前記ヒータコアに設けられた全ての前記PTC素子が、前記半導体スイッチ手段を介して前記電源に接続されており、
全ての前記PTC素子に対する通電と非通電との切替が、前記半導体スイッチ手段によって行われることを特徴とする。
このようにヒータコアに複数のPTC素子設けられている場合に、それぞれが独立して通電制御されるのではなく、全てのPTC素子が半導体スイッチ手段によって一括して制御される。
【発明の効果】
【0010】
<請求項1の発明>
請求項1の構成によれば、車載用PTCヒータを制御する制御装置において、半導体スイッチ手段によりPTC素子に対する通電と非通電とを切り替えるようにしたため、機械式リレーによって制御を行う場合と比較して、コスト低減及び設置スペース削減を図ることができる。また、半導体スイッチ手段に対してPWM信号を出力するPWM信号出力手段を設け、PTCヒータをPWM制御できる構成としたため、精度高い温度制御が可能となる。
【0011】
<請求項2の発明>
請求項2の発明によれば、電源に接続されるドレイン端子と、PTC素子に接続されるソース端子と、PWM信号出力手段からのPWM信号が入力されるゲート端子とを備えたパワーMOSFETによって半導体スイッチ手段を構成したため、大電力を高速に制御できる好適な構成となる。
【0012】
<請求項3の発明>
請求項3の発明によれば、所定の外部温度を取得する取得手段と、外部温度条件とPWM信号のデューティ比とを対応付けて定めるデューティ比設定手段とを設け、デューティ比設定手段による設定内容に基づき、外部温度に応じたデューティ比のPWM信号を出力するようにしたため、所定の外部温度を反映した精度高い温度制御が可能となる。
【0013】
<請求項4の発明>
請求項4の発明によれば、PTC素子が車載用エアコンディショニング装置における供給空気の加熱を補助するヒータコアに設けられている場合に、エンジン冷却水の温度に基づいて精度高く温度制御しうる構成を、コスト及び設置スペースを抑えつつ実現できる。
【0014】
<請求項5の発明>
請求項5の発明によれば、ヒータコアに設けられた全てのPTC素子が、半導体スイッチ手段を介して電源に接続されており、全てのPTC素子に対する通電と非通電との切替が半導体スイッチ手段によって行われるため、各PTC素子に対して独立してスイッチが設けられない構成となる。したがって、コスト及び部品点数を効果的に削減できる。また、このように本数制御を行わず一括して通電、非通電を切り替える構成であっても、PWM信号に応じて精度高い電流制御が可能となるため、制御の精度は好適に担保される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
<実施形態1>
本発明の実施形態1を図面を参照しつつ説明する。
図1は、車載用PTCヒータの制御装置1を概念的に例示する概念図である。この制御装置1は、半導体スイッチ12とエアコンECU20によって構成されており、後述するPTC素子41の通電を制御する構成をなしている。
【0016】
エアコンECU20は、自動車の車室内を空調する空調ユニットに設けられた各アクチュエータ等を制御するものである。この空調ユニットは、例えば自動車の車室内の前方側に搭載され、車室内に空調空気を導く空気通路を成す空調ケースを備えており、かつ内部において冷凍サイクルが構成されている。冷凍サイクルは、自動車の走行用エンジンの駆動力によって冷媒を圧縮して吐出するコンプレッサ(冷媒圧縮機)と、圧縮された冷媒を凝縮液化させるコンデンサ(冷媒凝縮器)と、凝縮液化された冷媒を気液分離して液冷媒のみを下流に流すレシーバ(気液分離器)と、液冷媒を減圧膨張させるエキスパンションバルブ(膨張弁、減圧手段)と、減圧膨張された冷媒を蒸発させる上記のエバポレータとから構成されている。なお、このようなエバポレータ、コンプレッサ、コンデンサなどを用いた冷凍サイクルは公知であるので詳細な説明は省略する。
【0017】
PTC(Positive Temperature Coefficient)ヒータ40は、補助電気ヒータに相当する部品であり、本実施形態では、冷凍サイクルにおけるエバポレータを通過した冷風を再加熱するヒータコア35内に設けられている。
【0018】
図2は、ヒータコア35の一部を概略的に示す斜視図であり、図3は、側方から見た概略図である。なお、図2において矢印は空気の流れる方向を示している。PTCヒータ40は、PTC素子41が両側を電極42,43によって挟まれた状態でチューブ内に組み込まれた構成をなしており、PTC素子41の左右はフレーム42,43が配置されて安定的に支持されている。このPTCヒータ40は、暖房能力の不足を補助するために取り付けられており、PTC素子41の発熱によりフィン48を加熱し、通過する空気を温風に変化させるように機能する。本実施形態では、PTCヒータ40は、Uプレート47及び絶縁フィルム49で覆われており、エバポレータからの水滴や霜入りを防止し、漏電を防いでいる。なお、図3に示すように、フィン48に隣接してエンジン冷却水(温水)が流れるヒータコアチューブ51,52が配置されている(図2では省略)。
【0019】
PTC素子41は、温度上昇に伴って電気抵抗値も増加するPTC(Positive Temperature Coefficient)特性を有している。具体的には、ある温度(キュリー温度)から急激に電気抵抗値が増大する特徴を有する半導体で、例えばイットリウム、アンチモン、ランタン等の希土類元素を微量ドープして半導体化したチタン酸バリウム系セラミックよりなる。このPTC素子41は、図1に示すように、パワーMOSFET12及びヒューズ5を介してバッテリー3に接続されており、エアコンECU20によってパワーMOSFET12が駆動されることによりバッテリー3から電力供給されるようになっている。
【0020】
パワーMOSFET12は、半導体スイッチ手段に相当するものであり、バッテリー3に接続されるドレイン端子と、PTC素子41に接続されるソース端子と、マイコン21からゲート駆動回路15を経てPWM信号が入力されるゲート端子とを備えた構成をなしている。
【0021】
一方、空調ユニットの各空調手段を制御するエアコンECU20には、車室内の空気温度(以下内気温度と言う)を検出する図示しない内気温度センサや、車室外の空気温度を検出する図示しない外気温度センサなどから各センサ信号が入力されるようになっている。さらに、エアコンECU20には、エンジン冷却水の温度を検出する冷却水温度センサ30が接続されており、この冷却水温度センサ30からのセンサ信号が入力されるようになっている。冷却水温度センサ30は、サーミスタや熱伝対などの温度センサによって構成されている。
【0022】
エアコンECU20の内部には、図示しないCPU、ROM、RAM等からなる周知のマイクロコンピュータ21(以下、マイコン21ともいう)が設けられ、上記各センサからの信号は、エアコンECU20内の図示しない入力回路によってA/D変換された後、マイクロコンピュータ21に入力されるように構成されている。なお、結線は省略しているが、エアコンECU20は、バッテリー3からの電力供給を受けるように接続されており、図示しないイグニッションスイッチがオン(ON)されたときに、バッテリー3から電力が供給されるようになっている。
エアコンECU20とパワーMOSFET12の間には、ゲート駆動回路15が設けられている。このゲート駆動回路15は、少なくともチャージポンプ回路等の昇圧回路を備えており、マイコン21から出力したPWM信号を昇圧してパワーMOSFET12に与える構成をなしている。
【0023】
次に、制御装置1による制御例を説明する。図4は、エアコンECU20内のROMに記憶されたプログラムに基づいてCPUにより実行される制御処理の流れを例示するフローチャートである。
まず、イグニッションスイッチがONされてエアコンECU20にバッテリー3から電力が供給されると、図4のルーチンが起動され、初期設定を行う(S1)。次に、各センサ(内気温度センサ、外気温度センサ、日射センサ、エバポレータ温度センサ、冷却水温度センサ30等)からの各センサ信号をA/D変換した信号を読み込む(S2)。なお、図示は省略しているが、各スイッチからスイッチ信号を取得する処理も併せて行うことができる。
【0024】
そして、内気温度センサ、外気温度センサ、日射センサ、エバポレータ温度センサなどのセンサ信号と、予めROMに記憶された演算式に基づいて、車室内に吹き出す空気の目標吹出温度を決定する(S3)。なお、吹き出し空気の温度設定方法は公知の方法が用いられる。また、図4では省略しているが、ブロワ電圧(ブロワモータに印加する電圧)の算出や、目標吹出温度に対応する吸込口モードの決定なども行われるようになっている。
【0025】
さらに、S4にてPTCヒータ40の制御量(即ち、PWM信号のデューティ比)を決定する処理を行う。上述したように、本実施形態では、制御装置1において、バッテリー3に連なると共にPTC素子41に対する通電と非通電とを切り替えるパワーMOSFET12が設けられており、このパワーMOSFET12に対してエアコンECU20内のマイコン21からPWM信号を出力する構成をなしている。従って、S4の制御量決定処理では、このPWM信号のデューティ比を決定する処理を行う。なお、マイコン21は、PWM信号出力手段に相当するものである。
【0026】
マイコン21は、外部温度を取得する取得手段の一例にに相当する冷却水温センサ30からセンサ信号を取得する構成をなす一方、外部温度条件とPWM信号のデューティ比とを対応付けて定めるデューティ比設定手段ととしての機能をも有している。即ち、マイコン21内のCPUは、図示しないROMに記憶された記憶内容に基づき、外部温度に応じたデューティ比を定め、このデューティ比のPWM信号をパワーMOSFET12に対して出力する構成をなしている。マイコン21は、デューティ比設定手段、PWM信号出力手段の一例に相当する。
【0027】
具体的には、冷却水温センサ30により、外部温度としてエンジン冷却水の温度を検出する構成をなしており、ROMには図6にて概念的に示すようにデューティ比が定められている。図6の例では、冷却水温センサ30の出力値がT1未満の温度領域に相当している場合、デューティ比を100%とし、T1以上T2未満のときには75%、T2以上T3未満のときには50%、T3以上T4未満のときには25%、そして、T4以上のときには0%とし出力を与えないようにしている。デューティ比設定手段に相当するマイコン21は、図6のような設定内容とエンジン冷却水の温度(即ち冷却水温センサ30のセンサ出力)に基づいて、PWM信号のデューティ比を設定する。なお、図5は、PWM信号の出力例を示しており、デューティ比50%の場合と25%の場合をそれぞれ示している。このPWM信号は、電圧レベルが一定とされパルス幅が調整されて出力されるようになっている。
【0028】
次に、各ステップS3、S4にて決定した各制御状態が得られるように、図示しないアクチュエータに対して制御信号を出力し、かつパワーMOSFET12に対してPWM信号を出力する(S5)。具体的には、マイコン21からのPWM信号がゲート駆動回路15にて昇圧され、パワーMOSFET12に与えられる。そして、S6で、制御サイクル時間であるt(例えば0.5秒間〜10秒間)の経過を待ってステップS2の制御処理に戻る。
【0029】
なお、図4のフローチャートにおいては、冷却水温センサ20のセンサ出力に応じてPWM信号のデューティ比を決定しているが、デューティ比を定める上でさらに別の条件を付加して設定してもよく、別の条件のみに基づいて設定してもよい。
【0030】
本実施形態の構成によれば、車載用PTCヒータ40を制御する制御装置1において、パワーMOSFET12(半導体スイッチ手段)によりPTC素子41に対する通電と非通電とを切り替えるようにしたため、機械式リレーによって制御を行う場合と比較して、コスト低減及び設置スペース削減を図ることができる。また、エアコンECU20からパワーMOSFET12に対してPWM信号を出力し、PTCヒータ40をPWM制御できる構成としたため、精度高い温度制御が可能となる。
【0031】
また、バッテリー3に接続されるドレイン端子と、PTCヒータに接続されるソース端子と、PWM信号出力手段からのPWM信号が入力されるゲート端子とを備えたパワーMOSFET12によって半導体スイッチ手段を構成したため、大電力を高速に制御できる好適な構成となっている。
【0032】
また、所定の外部温度を取得する取得手段と、外部温度条件とPWM信号のデューティ比とを対応付けて定める構成とし、外部温度に応じたデューティ比のPWM信号を出力するようにしたため、所定の外部温度を反映した精度高い温度制御が可能となる。
【0033】
さらに、車載用PTCヒータ41が車載用エアコンディショニング装置における供給空気の加熱を補助する補助電気ヒータとされており、エンジン冷却水の温度に基づいて精度高く温度制御しうる構成が、コスト及び設置スペースを抑えつつ実現されている。
【0034】
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)上記実施形態では、車載用エアコンディショニング装置のヒータコア35内にPTC素子41が1つのみ設けられた例を示したが、図7のように、ヒータコア35内にPTC素子41が複数設けられていてもよい。図7の例では、このようにヒータコア35内にPTC素子41を複数設けた場合であっても、各PTC素子41が独立して通電制御されるのではなく(即ち本数制御されるのではなく)、複数のPTC素子41がパワーMOSFET12に接続され、このパワーMOSFET12にPWM信号を与えられることにより一括してスイッチング制御される。したがって、複数箇所を発熱させることができると共に、各PTC素子41に対応して機械式リレーを設ける場合と比較して部品点数を大幅に削減できる。また、このように本数制御を行わず一括して通電、非通電を切り替える構成であっても、PWM信号に応じて精度高い電流制御が可能となるため、制御の精度は好適に担保される。
(2)図1、図7の例では、ゲート駆動回路15をユニット10の外に配置した例を示したが、いずれの場合においても、図8に示すように、図1のゲート駆動回路15と同様の機能を果たすゲート駆動回路15をパワーMOSFET12が設けられたユニット10内に設けるようにしてもよい。図8の例では、パワーMOSFET12と、ゲート駆動回路15がパワーMOSFET12が配される基板と同一基板に配置されており、マイコン21からゲート駆動回路15を介してパワーMOSFET12に対してPWM信号が出力されるようになっている。
(3)上記いずれの構成においても、パワーMOSFET12の過熱保護を行う過熱保護回路などを設けるようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明の実施形態1に係る制御装置のハードウエア構成を概念的に示す概念図
【図2】ヒータコアの一部を概略的に示す斜視図
【図3】ヒータコアの一部を側方から見た概略図
【図4】エアコンECUによる制御処理を概念的に例示するフローチャート
【図5】PWM制御信号を概略的に示すタイミングチャート
【図6】デューティ比の設定情報を例示する説明図
【図7】図1の変形例1を概略的に示す概略図
【図8】図1の変形例2を概略的に示す概略図
【図9】従来のPTCヒータ制御装置のハードウエア構成を例示する概念図
【符号の説明】
【0036】
1…制御装置
3…バッテリー(電源)
12…パワーMOSFET(半導体スイッチ手段)
15…ゲート駆動回路
21…マイコン(PWM信号出力手段、デューティ比設定手段)
30…冷却水温センサ(取得手段、検出手段)
40…PTCヒータ(車載用PTCヒータ)
41…PTC素子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
PTC素子を備えてなる車載用PTCヒータを制御する制御装置であって、
電源に連なると共に、前記PTC素子に対する通電と非通電とを切り替える半導体スイッチ手段と、
前記半導体スイッチ手段に対してPWM信号を出力するPWM信号出力手段と、
を備えることを特徴とする車載用PTCヒータの制御装置。
【請求項2】
前記半導体スイッチ手段は、前記電源に接続されるドレイン端子と、前記PTC素子に接続されるソース端子と、PWM信号出力手段からの前記PWM信号が入力されるゲート端子とを備えたパワーMOSFETからなることを特徴とする請求項1に記載の車載用PTCヒータの制御装置。
【請求項3】
所定の外部温度を取得する取得手段と、
前記外部温度条件と前記PWM信号のデューティ比とを対応付けて定めるデューティ比設定手段と、
を備え、
前記PWM信号出力手段は、前記デューティ比設定手段による設定内容に基づき、前記外部温度に応じたデューティ比の前記PWM信号を出力することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の車載用PTCヒータの制御装置。
【請求項4】
前記PTC素子は、車載用エアコンディショニング装置における供給空気の加熱を補助するヒータコアに配置されており、
前記取得手段は、前記所定の外部温度としてエンジン冷却水の温度を検出する検出手段からなり、
前記デューティ比設定手段は、前記エンジン冷却水の温度に基づいて、前記PWM信号のデューティー比を設定することを特徴とする請求項3に記載の車載用PTCヒータの制御装置。
【請求項5】
前記PTC素子は、前記ヒータコアにおいて複数設けられており、かつ前記ヒータコアに設けられた全ての前記PTC素子が、前記半導体スイッチ手段を介して前記電源に接続されており、
全ての前記PTC素子に対する通電と非通電との切替が、前記半導体スイッチ手段によって行われることを特徴とする請求項4に記載の車載用PTCヒータの制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2007−283790(P2007−283790A)
【公開日】平成19年11月1日(2007.11.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−109650(P2006−109650)
【出願日】平成18年4月12日(2006.4.12)
【出願人】(395011665)株式会社オートネットワーク技術研究所 (2,668)
【出願人】(000183406)住友電装株式会社 (6,135)
【出願人】(000002130)住友電気工業株式会社 (12,747)
【Fターム(参考)】