車載装置の外部入力システムおよび外部入力装置の収納装置
【課題】使い勝手のよい車載装置の外部入力システムおよび外部入力装置の収容装置を提供する。
【解決手段】車載装置(20)への入力操作をその車載装置(20)が搭載された車両内の車載装置(20)から離れた位置で行うことのできる外部入力装置(11)に対して、車両が走行中は外部入力装置(11)の使用ができないようにロックするロック手段(12)と、車両内の運転席(1)以外の席(2、3、4)から操作可能な位置に配置されロック手段のロックを走行中に解除できる解除手段(13)とを設ける。
【解決手段】車載装置(20)への入力操作をその車載装置(20)が搭載された車両内の車載装置(20)から離れた位置で行うことのできる外部入力装置(11)に対して、車両が走行中は外部入力装置(11)の使用ができないようにロックするロック手段(12)と、車両内の運転席(1)以外の席(2、3、4)から操作可能な位置に配置されロック手段のロックを走行中に解除できる解除手段(13)とを設ける。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は車載装置の外部入力システムおよび外部入力装置の収納装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電子機器への外部入力装置として、赤外線を吸収するインクで微細なドットパターンが印刷されたシートから赤外線カメラでそのドットパターンを読み取り、紙面上の座標を読み取る電子ペンが知られている(例えば特許文献1、2参照)。また、ドットパターンが印刷されたシートに地図を重ねて印刷し、そのシートを電子ペンで読み取ることで、カーナビゲーションで目的地等の位置情報に関する検索や入力を簡易にするシステムも報告されている(例えば特許文献3参照)。
【特許文献1】特表2003−508831号公報
【特許文献2】特表2003−511761号公報
【特許文献3】特開2003−287432号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
外部入力装置として電子ペンを用いた車載システムは、ペンとシートという形態をとるため、運転者が操作中に操作することは安全運転上好ましくないが、同乗者が操作する場合は問題ないと考えられる。また、運転者としては、運転中以外は、電子ペンがすぐに手に取れる位置にあることが望ましい。一方、上述した特許文献1〜3のいずれにも電子ペンの使用場所の記載はなく、ましてや、電子ペンの操作者が運転者であるか同乗者であるかの開示はない。
【0004】
本発明は、このような課題を解決し、使い勝手のよい車載装置の外部入力システムおよび外部入力装置の収納装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の第1の観点によると、車載装置への入力操作をその車載装置が搭載された車両内の車載装置から離れた位置で行うことのできる外部入力装置と、車両が走行中は外部入力装置の使用ができないようにロックするロック手段と、車両内の運転席以外の席から操作可能な位置に配置されロック手段のロックを走行中に解除できる解除手段とを有することを特徴とする車載装置の外部入力システムが提供される。
【0006】
外部入力装置を収納する収納装置を有し、ロック手段および解除手段が収納装置に設けられた構成とすることができる。収納装置は、車両が走行中にもかかわらず外部入力装置が解除手段の操作なしに収納装置から外れているときには、車載装置に外部入力装置の使用の禁止を通知することが望ましい。
【0007】
ロック手段は、外部入力装置の機能をロックすることもできる。
【0008】
解除手段として、車両内の運転席以外の席に同乗者がいるかどうかを検出するセンサを用いることもできる。
【0009】
本発明の第2の観点によると、車載装置への入力操作をその車載装置が搭載された車両内の車載装置から離れた位置で行うことのできる外部入力装置を収納し、車両が走行中は、車両内の運転席以外の席から操作可能な位置に配置された解除手段を操作しないかぎり、外部入力装置を取り外すことができない状態で保持することを特徴とする外部入力装置の収納装置が提供される。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、車載装置の外部入力装置を運転者だけでなく同乗者からも容易に取り出すことのできる場所に収納し、かつ、走行中は運転者が外部入力装置を操作できないようにすることができる。これにより、外部入力装置の使い勝手が改善され、安全性も確保できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
[第1の実施の形態]
図1および図2は本発明の第1の実施の形態に係る車載装置の外部入力システムおよび外部入力装置の収容装置を示す図であり、図1は車載装置の外部入力システムの車内での使用形態を示し、図2は外部入力装置とその収納装置のブロック構成を示す。ここでは、車載装置としてナビゲーション装置20、外部入力装置として電子ペン11、収納装置としてクレードル12を用いる例を説明する。
【0012】
この外部入力システムは、車載装置としてのナビゲーション装置20への入力操作をそのナビゲーション装置20から離れた位置で行うことのできる外部入力装置としての電子ペン11と、この電子ペン11を収納し、車両が走行中は、車両内の運転席1以外の席(図1の例では助手席2および後部座席3、4)から操作可能な位置に配置された解除手段としての解除スイッチ13を操作しないかぎり、電子ペン11を固定して保持する収納装置としてのクレードル12とを備える。
【0013】
図1に示す例では、クレードル12は運転席1と助手席2の間に配置される。車内の中央部に配置することで、どの座席からでも電子ペン11の取り外しと収納が容易になる。そして、クレードル12には、運転席1以外の方向に面した側面部分に、ロックを解除する解除スイッチ13が配置される。具体的には、クレードル12の両側面12a、12bに計3つの解除スイッチ13が配置されている。運転席1に面した前方側面、すなわち側面12aの前方側には、解除スイッチ13は設けられていない。後部座席3に面した後方側面と、助手席2に面した側面12bの前方側と、後部座席4に面した側面12bの後方側の計3箇所に、解除スイッチ13が配置されている。なお、ここでは電子ペン12の収納形態については特に規定しない。また、クレードル12は、電子ペン11の充電器を兼ねるものであっても良い。
【0014】
図2を参照してクレードル12の構成を説明する。このクレードル12は、車両が走行中は電子ペン11の使用ができないようにロックするロック手段としてのロック機構部14およびロック制御回路15を備え、さらに、インタフェース回路16を備える。ロック機構部14は、電子ペン11を機械的にロックし、解除スイッチ13(図2では図示せず)が操作されることで、ロックを解除する。ロック制御回路15は、ロック機構部14の動作を制御する。インタフェース回路16は、車両内のセンサから車両が走行中か否かの情報を取り込み、その情報をロック制御回路15に通知する。
【0015】
また、この例では、電子ペン11からナビゲーション装置20へのデータ送信も、インタフェース回路16を介して行う。電子ペン11とナビゲーション装置20とを直接接続してもよいが、配線や電子ペン11の取り回しを考えると、クレードル12を介して接続することが便利である。この例では電子ペン11とクレードル12とを有線で接続しているが、両者を無線で接続することもできる。クレードル12とナビゲーション装置20との接続もまた、有線でも無線でもよい。また、電子ペン11とナビゲーション装置20とを直接無線で接続する構成とすることもできる。
【0016】
[ナビゲーション装置の構成]
図3は電子ペン11が接続されるナビゲーション装置20の構成を簡単に説明するブロック構成図である。ナビゲーション装置20は、制御部21、現在位置取得部22、地図情報記憶部23、操作入力部24、外部装置インタフェース回路25、経路検索部26および表示部27を備える。現在位置取得部22は、GPS信号その他の情報に基づいて現在位置を検出する。地図情報記憶部13には地図情報が記憶される。操作入力部24は、各種スイッチやボタン、あるいは表示部27のタッチパネルからなり、ユーザの入力操作を受け取って制御部21に通知する。経路検索部26は、ユーザからの入力により設定された目的地および必要な場合は経由地に基づいて、現在位置から目的地に至る経路を検索する。表示部27は、地図情報、現在位置、目的地までの経路およびその他の各種の情報を画面表示し、また、経路案内やその他の情報、あるいは操作に関するアナウンスを行う。
【0017】
図1および図2に示した電子ペン11は、クレードル12を介して、あるいは直接、外部装置インタフェース回路25に接続され、操作入力部24からの入力操作の代わりに、各種の入力を行うことができる。
【0018】
[電子ペンの説明]
図4は電子ペン11の動作を説明する図であり、図5は専用シート18に印刷される1つの座標パターン19を示す図で、専用シート18の一部拡大図である。
【0019】
電子ペン11は、図4(A)に示すように、専用シート18に印刷された特殊なドットパターンを読み取ることで、専用シート18上でのペン先の位置を特定する座標データを取得することができる。応用として、データの取得時刻に基づいて取得した図4(B)に示すような座標データを画面上にプロットすることで、軌跡をデジタルデータとして再現することもできる。図4(C)には、電子ペン11のペン先の軌跡をナビゲーション装置20の画面上に表示した例を示す。
【0020】
専用シート18は、大きな領域をカバーできるように、複数枚のシートがひと綴りとなった地図帳の形式で提供される。各専用シート18には、図5に示すように、赤外線を吸収するインクにより、座標パターン19を形成する複数のドット19aが印刷される。一方、専用シート18は、赤外線を反射するようになっている。各ドット19aは、図5に示すように、所定の一定間隔毎の縦基準線と横基準線との交点の位置を基準として、上下左右のいずれかの方向(すなわち、4つの方向の中の1つの方向)へ少しずれた位置に印刷される。そして、各座標パターン19における36個のドット19aのずれ方向の組合せは、少なくとも複数枚の専用シート18から形成される地図帳に印刷されるすべての座標パターン19の中で、唯一なものとされる。地図帳に印刷される複数のドット19aの中から任意の6×6個のドット19aを選んだとき、その36個のドット19aのずれ方向の組合せは、地図帳に印刷される他のすべてのドット19aの組合せにおけるドット19aのずれ方向の組合せと異なるものとなる。得られる組み合わせ数は、理論上は4の36乗となる。
【0021】
[クレードルのロックおよび解除]
図6および図7はクレードル制御回路15によるロック機構部14の制御のフローチャートであり、図6は電子ペン11を収納したとき、または車が走行を開始したときの制御、図7は解除スイッチ13が押されたとき、または車が停車したときの制御を示す。
【0022】
電子ペン11がクレードル12に収納されたとき、あるいは車が走行を開始すると、ロック制御回路15は、電子ペン11がロック機構部14に収納されており(ステップS1のY)、かつ車が走行中(ステップS2のY)であることを条件として、電子ペン11をロックする。また、ロック制御回路15と、解除スイッチ13が押されたとき、または車が停車したときには、電子ペン11がクレードル12によってロックされていれば(ステップS3のY)それを解除する(ステップS5)。
【0023】
このようにして、電子ペン11がクレードル12に収納されているときに車が走行中だと判断されると、クレードル12は電子ペン11をロックし、走行中には解除スイッチ13を押さないと電子ペン11が取り外せないようにする。クレードル12のロックは、解除スイッチ13が押されるか、車が停車することで解除される。なお、走行中か停車中かの判断は、パーキングブレーキや車速パルスなどの車の移動を感知する信号を、インタフェース回路16で取り込むことにより行う。そして、解除スイッチ13は、運転席1以外の方向に配置されているので、運転者以外は解除スイッチ13を押して電子ペン11を取り出し使用することができるが、運転者は解除スイッチ13を押せないため、電子ペン11を使用することができない。なお、解除スイッチ13は、各座席のドアなど、運転席1に座った運転者から手の届かない位置であれば、どこに配置してもよい。
【0024】
[電子ペンの機能のロック]
図8および図9はクレードル制御回路15による制御の他の例を示すフローチャートであり、図8は電子ペン11を収納したとき、または車が走行を開始したときの制御、図9は解除スイッチ13が押されたとき、または車が停車したときの制御を示す。この例では、走行中にクレードル12をロックするのではなく、電子ペン11の機能をロックする。
【0025】
すなわち、電子ペン11がクレードル12に収納されたとき、あるいは車が走行を開始すると、ロック制御回路15は、電子ペン11がロック機構部14に収納されており(ステップS11のY)、かつ車が走行中(ステップS12のY)であることを条件として、電子ペン11のロックフラグをオンにする。また、解除スイッチ13が押されたとき、または車が停車したときには、ロックフラグがオンであれば(ステップS14のY)それをオフにする(ステップS15)。ステップS11は同乗者が電子ペン11を操作中に車が走行を開始した場合を想定したものであるが、車の走行開始時には電子ペン11の機能を必ずロックすることとしてもよい。
【0026】
図10はロックフラグに対するナビゲーション装置20の動作例を示すフローチャートである。電子ペン11がクレードル12から取り外されると、ナビゲーション装置20の制御部21は外部装置インタフェース回路25を経由してロックフラグを取り込み、それがオンかどうかを判断する。ロックフラグがオンの場合(ステップS16のY)には、表示部27により、走行中は電子ペン11の機能がロックされることをユーザに通知する(ステップS17)。ロックフラグがオフの場合(ステップS16のN)には、電子ペン11からの受信データの処理を実行する(ステップS18)。
【0027】
電子ペン11を使用するシステムは、電子ペン11が読み取った座標を、ナビゲーション等の電子機器が受信して処理することで機能している。そこで、図10に示すように、走行中に解除スイッチ13を押さずに電子ペン11がクレードル12から取り外された場合は、電子ペン11から受信したデータの処理を行わずに、機能がロック中であることをユーザに通知する。ユーザへの通知方法は、ナビゲーション装置20や電子ペン11からのビープ音や音声による通知でも良いし、表示部7上にメッセージを表示しても良い。なお、電子ペン11の機能ロックは、解除スイッチ13が押されるか、車が停車することで解除される。また、解除スイッチ13を押さずに電子ペン11がクレードル12から取り外された場合でも、その後に解除スイッチ13が押された場合には機能ロックを解除することとしてもよい。
【0028】
以上説明した機能ロックでは、ロック制御回路15、ロックフラグおよびナビゲーション装置20の制御部21がロック手段として機能し、ナビゲーション装置20への入力を無効としている。これに対し、電子ペン11の読み取り動作そのものを無効とすることもできる。すなわち、電子ペン11からの赤外線の出力を停止させて読み取り機能を消失させ、あるいは反射してくる赤外線の読み込みを不能としたり、電子ペン11からインタフェース回路16への信号転送を遮断することもできる。この場合は、インタフェース回路16がロック手段の一部となる。
【0029】
[効果]
以上説明したように、本実施の形態によれば、電子ペン11をクレードル12にロックする機能を設け、その解除スイッチ13を運転者の手が届かない位置に配置することで、運転者に走行中の電子ペン12の使用を禁止し、運転者以外の同乗者は自由に電子ペンを利用することができる。また、走行中には電子ペン11の機能をロックし、その解除スイッチ13を運転者の手が届かない位置に配置することで、運転者に走行中の電子ペン11の使用を禁止することができる。さらに、電子ペン11を使用しないときにはクレードル12に収納することで、電子ペン11の紛失を防ぐことができる。
【0030】
[第2の実施の形態]
図11は本発明の第2の実施の形態に係る車載装置の外部入力システムおよび外部入力装置の収容装置を示す図であり、外部入力システムの車内での使用形態を示す。この実施の形態では、解除スイッチ13を設ける代わりに運転席1以外の座席(助手席2および後部座席3、4)に例えば圧力センサ17を配置し、それらの圧力センサ17の情報から、同乗者の有無と位置を検出する。クレードル12の構成自体は図2に示すものと同等であり、圧力センサ17のセンサ出力はインタフェース回路16からロック制御回路15に通知される。同乗者を検出するため、圧力センサ17の代わりに、赤外線センサや他のセンサを利用することもできる。
【0031】
図11および図13はクレードル12によるロック動作の制御フローチャートであり、図12は電子ペン11を収納したとき、または車が走行を開始したときの制御、図13は車が停車したときの制御を示す。
【0032】
電子ペン11がクレードル12に収納されたとき、あるいは車が走行を開始すると、クレードル12は、同乗者がいるかどうかを確認する(ステップS21)。同乗者がいる場合(ステップS21のY)には、電子ペン11のロックは行わず、いつでも電子ペン11が取り外せるようにする。同乗者がいない場合(ステップS21のN)には、電子ペン11がクレードル12に収納されており(ステップS22のY)、かつ車が走行中(ステップS23のY)であることを条件として、電子ペン11をロックする(ステップS24)。また、車が停車したときには、電子ペン11がクレードル12によってロックされていれば(ステップS25のY)、それを解除する(ステップS26)。
【0033】
図14および図15はクレードル12によるロック動作の制御フローチャートであり、図14は電子ペン11を収納したとき、または車が走行を開始したときの制御、図15は車が停車したときの制御を示す。この例では、走行中に電子ペン11をロックするのではなく、電子ペン11の機能をロックする。
【0034】
すなわち、電子ペン11がクレードル12に収納されたとき、あるいは車が走行を開始すると、クレードル12のロック制御回路15は、同乗者がいるかどうかを確認する(ステップS31)。同乗者がいる場合(ステップS31のY)には、電子ペン11を使用可能のままとする。同乗者がいない場合(ステップS31のN)には、電子ペン11が収納されており(ステップS12のY)、かつ車が走行中(ステップS32のY)であることを条件として、電子ペン11のロックフラグをオンにする。また、車が停車したときには、ロックフラグがオンであれば(ステップS35のY)それをオフにする(ステップS36)。
【0035】
このように、同乗者がいない場合には、走行中は電子ペン11を使用不能にし、同乗者がいる場合には、いつでも電子ペンを利用可能とする。同乗者がいない場合でも、車が停車すれば電子ペン11を利用可能とする。
【0036】
なお、この例では同乗者がいる場合には運転者も電子ペン11を利用可能となるが、これを避けるため、電子ペン11を運転者が操作しようとしていることを検知して、運転者による操作を避けるようにしてもよい。例えば、クレードル12の側面12aの運転席1と対向する部分に電子ペン11の通過を検出するセンサを設け、運転者が電子ペン11を使用する際には、センサが電子ペン11の運転席1側への移動を検知する。この検知によってロック制御回路15は、電子ペン11のロックフラグをオンとし、電子ペン11の機能ロックを行うことができる。このようなセンサと機能ロックは、解除スイッチ13や圧力センサ17を使用する代わりとして設置するようにしてもよい。この場合、機能ロックの解除は電子ペン11をクレードル12に戻したときなどに行うようにすることができる。
【0037】
この実施の形態において、第1の実施の形態と同様に解除スイッチ13を設け、同乗者がいない場合には、走行中の解除スイッチ13による解除を無効とすることもできる。すなわち、同乗者がいない場合の走行中に3つの解除スイッチ13のどれを操作しても、解除機能を働かないようにできる。
【0038】
以上の説明では、車載装置としてナビゲーション装置20、外部入力装置として電子ペン11を例に説明したが、他の車載装置や他の形状の外部入力装置でも同様に実施することができる。また、外部入力装置の収納装置としてクレードル12を例に説明したが、その形状、構造などは、外部入力装置の形状や構造に対応して、任意に選択することができる。
【0039】
また、第1の実施の形態において、解除スイッチ13を運転席1の面する側面12aの前方側にも設け、その解除スイッチ13のみは、車両が走行中はロックを解除しないようにしてもよい。この場合、車両が停車してもクレードル12のロックが自動的に解除されないようにしたときに、好ましいものとなる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る車載装置の外部入力システムおよび外部入力装置の収容装置を示す図であり、車載装置の外部入力システムの車内での使用形態を示す図である。
【図2】図1に示す外部入力システムにおける電子ペンとそれを収容するクレードルのブロック構成を示す図である。
【図3】図1に示す電子ペンが接続されるナビゲーション装置の構成を簡単に説明するブロック構成図である。
【図4】図1に示す電子ペンの動作を説明する図である。
【図5】図1に示す専用シートに印刷される1つの座標パターンを示す図で、専用シートの一部拡大図である。
【図6】図2に示すクレードル制御回路によるロック機構部の制御のフローチャートであり、電子ペンを収納したとき、または車が走行を開始したときの制御を説明する図である。
【図7】図2に示すクレードル制御回路によるロック機構部の制御のフローチャートであり、解除スイッチが押されたとき、または車が停車したときの制御を説明する図である。
【図8】図2に示すクレードル制御回路による制御の他の例を示すフローチャートであり、電子ペンを収納したとき、または車が走行を開始したときの制御を説明する図である。
【図9】図2に示すクレードル制御回路による制御の他の例を示すフローチャートであり、解除スイッチが押されたとき、または車が停車したときの制御を説明する図である。
【図10】図8および図9で説明したロックフラグに対するナビゲーション装置の動作例を示すフローチャートである。
【図11】本発明の第2の実施の形態に係る車載装置の外部入力システムおよび外部入力装置の収容装置を示す図であり、外部入力システムの車内での使用形態を説明する図である。
【図12】図11に示すクレードルによるロック動作の制御フローチャートであり、電子ペンを収納したとき、または車が走行を開始したときの制御を説明する図である。
【図13】図11に示すクレードルによるロック動作の制御フローチャートであり、車が停車したときの制御を説明する図である。
【図14】図11に示すクレードルによるロック動作の制御フローチャートであり、電子ペンを収納したとき、または車が走行を開始したときの制御を説明する図である。
【図15】図11に示すクレードルによるロック動作の制御フローチャートであり、車が停車したときの制御を説明する図である。
【符号の説明】
【0041】
1 運転席、2 助手席、3、4 後部座席、11 電子ペン(外部入力装置)、12 クレードル(収納装置)、13 解除スイッチ(解除手段)、14 ロック機構部(ロック手段の一部)、15 ロック制御回路(ロック手段の一部)、16 インタフェース回路、17 圧力センサ、20 ナビゲーション装置、21 制御部(ロック手段の一部)、22 現在位置取得部、23 地図情報記憶部、24 操作入力部、25 外部装置インタフェース回路、26 経路検索部、27 表示部
【技術分野】
【0001】
本発明は車載装置の外部入力システムおよび外部入力装置の収納装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電子機器への外部入力装置として、赤外線を吸収するインクで微細なドットパターンが印刷されたシートから赤外線カメラでそのドットパターンを読み取り、紙面上の座標を読み取る電子ペンが知られている(例えば特許文献1、2参照)。また、ドットパターンが印刷されたシートに地図を重ねて印刷し、そのシートを電子ペンで読み取ることで、カーナビゲーションで目的地等の位置情報に関する検索や入力を簡易にするシステムも報告されている(例えば特許文献3参照)。
【特許文献1】特表2003−508831号公報
【特許文献2】特表2003−511761号公報
【特許文献3】特開2003−287432号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
外部入力装置として電子ペンを用いた車載システムは、ペンとシートという形態をとるため、運転者が操作中に操作することは安全運転上好ましくないが、同乗者が操作する場合は問題ないと考えられる。また、運転者としては、運転中以外は、電子ペンがすぐに手に取れる位置にあることが望ましい。一方、上述した特許文献1〜3のいずれにも電子ペンの使用場所の記載はなく、ましてや、電子ペンの操作者が運転者であるか同乗者であるかの開示はない。
【0004】
本発明は、このような課題を解決し、使い勝手のよい車載装置の外部入力システムおよび外部入力装置の収納装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の第1の観点によると、車載装置への入力操作をその車載装置が搭載された車両内の車載装置から離れた位置で行うことのできる外部入力装置と、車両が走行中は外部入力装置の使用ができないようにロックするロック手段と、車両内の運転席以外の席から操作可能な位置に配置されロック手段のロックを走行中に解除できる解除手段とを有することを特徴とする車載装置の外部入力システムが提供される。
【0006】
外部入力装置を収納する収納装置を有し、ロック手段および解除手段が収納装置に設けられた構成とすることができる。収納装置は、車両が走行中にもかかわらず外部入力装置が解除手段の操作なしに収納装置から外れているときには、車載装置に外部入力装置の使用の禁止を通知することが望ましい。
【0007】
ロック手段は、外部入力装置の機能をロックすることもできる。
【0008】
解除手段として、車両内の運転席以外の席に同乗者がいるかどうかを検出するセンサを用いることもできる。
【0009】
本発明の第2の観点によると、車載装置への入力操作をその車載装置が搭載された車両内の車載装置から離れた位置で行うことのできる外部入力装置を収納し、車両が走行中は、車両内の運転席以外の席から操作可能な位置に配置された解除手段を操作しないかぎり、外部入力装置を取り外すことができない状態で保持することを特徴とする外部入力装置の収納装置が提供される。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、車載装置の外部入力装置を運転者だけでなく同乗者からも容易に取り出すことのできる場所に収納し、かつ、走行中は運転者が外部入力装置を操作できないようにすることができる。これにより、外部入力装置の使い勝手が改善され、安全性も確保できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
[第1の実施の形態]
図1および図2は本発明の第1の実施の形態に係る車載装置の外部入力システムおよび外部入力装置の収容装置を示す図であり、図1は車載装置の外部入力システムの車内での使用形態を示し、図2は外部入力装置とその収納装置のブロック構成を示す。ここでは、車載装置としてナビゲーション装置20、外部入力装置として電子ペン11、収納装置としてクレードル12を用いる例を説明する。
【0012】
この外部入力システムは、車載装置としてのナビゲーション装置20への入力操作をそのナビゲーション装置20から離れた位置で行うことのできる外部入力装置としての電子ペン11と、この電子ペン11を収納し、車両が走行中は、車両内の運転席1以外の席(図1の例では助手席2および後部座席3、4)から操作可能な位置に配置された解除手段としての解除スイッチ13を操作しないかぎり、電子ペン11を固定して保持する収納装置としてのクレードル12とを備える。
【0013】
図1に示す例では、クレードル12は運転席1と助手席2の間に配置される。車内の中央部に配置することで、どの座席からでも電子ペン11の取り外しと収納が容易になる。そして、クレードル12には、運転席1以外の方向に面した側面部分に、ロックを解除する解除スイッチ13が配置される。具体的には、クレードル12の両側面12a、12bに計3つの解除スイッチ13が配置されている。運転席1に面した前方側面、すなわち側面12aの前方側には、解除スイッチ13は設けられていない。後部座席3に面した後方側面と、助手席2に面した側面12bの前方側と、後部座席4に面した側面12bの後方側の計3箇所に、解除スイッチ13が配置されている。なお、ここでは電子ペン12の収納形態については特に規定しない。また、クレードル12は、電子ペン11の充電器を兼ねるものであっても良い。
【0014】
図2を参照してクレードル12の構成を説明する。このクレードル12は、車両が走行中は電子ペン11の使用ができないようにロックするロック手段としてのロック機構部14およびロック制御回路15を備え、さらに、インタフェース回路16を備える。ロック機構部14は、電子ペン11を機械的にロックし、解除スイッチ13(図2では図示せず)が操作されることで、ロックを解除する。ロック制御回路15は、ロック機構部14の動作を制御する。インタフェース回路16は、車両内のセンサから車両が走行中か否かの情報を取り込み、その情報をロック制御回路15に通知する。
【0015】
また、この例では、電子ペン11からナビゲーション装置20へのデータ送信も、インタフェース回路16を介して行う。電子ペン11とナビゲーション装置20とを直接接続してもよいが、配線や電子ペン11の取り回しを考えると、クレードル12を介して接続することが便利である。この例では電子ペン11とクレードル12とを有線で接続しているが、両者を無線で接続することもできる。クレードル12とナビゲーション装置20との接続もまた、有線でも無線でもよい。また、電子ペン11とナビゲーション装置20とを直接無線で接続する構成とすることもできる。
【0016】
[ナビゲーション装置の構成]
図3は電子ペン11が接続されるナビゲーション装置20の構成を簡単に説明するブロック構成図である。ナビゲーション装置20は、制御部21、現在位置取得部22、地図情報記憶部23、操作入力部24、外部装置インタフェース回路25、経路検索部26および表示部27を備える。現在位置取得部22は、GPS信号その他の情報に基づいて現在位置を検出する。地図情報記憶部13には地図情報が記憶される。操作入力部24は、各種スイッチやボタン、あるいは表示部27のタッチパネルからなり、ユーザの入力操作を受け取って制御部21に通知する。経路検索部26は、ユーザからの入力により設定された目的地および必要な場合は経由地に基づいて、現在位置から目的地に至る経路を検索する。表示部27は、地図情報、現在位置、目的地までの経路およびその他の各種の情報を画面表示し、また、経路案内やその他の情報、あるいは操作に関するアナウンスを行う。
【0017】
図1および図2に示した電子ペン11は、クレードル12を介して、あるいは直接、外部装置インタフェース回路25に接続され、操作入力部24からの入力操作の代わりに、各種の入力を行うことができる。
【0018】
[電子ペンの説明]
図4は電子ペン11の動作を説明する図であり、図5は専用シート18に印刷される1つの座標パターン19を示す図で、専用シート18の一部拡大図である。
【0019】
電子ペン11は、図4(A)に示すように、専用シート18に印刷された特殊なドットパターンを読み取ることで、専用シート18上でのペン先の位置を特定する座標データを取得することができる。応用として、データの取得時刻に基づいて取得した図4(B)に示すような座標データを画面上にプロットすることで、軌跡をデジタルデータとして再現することもできる。図4(C)には、電子ペン11のペン先の軌跡をナビゲーション装置20の画面上に表示した例を示す。
【0020】
専用シート18は、大きな領域をカバーできるように、複数枚のシートがひと綴りとなった地図帳の形式で提供される。各専用シート18には、図5に示すように、赤外線を吸収するインクにより、座標パターン19を形成する複数のドット19aが印刷される。一方、専用シート18は、赤外線を反射するようになっている。各ドット19aは、図5に示すように、所定の一定間隔毎の縦基準線と横基準線との交点の位置を基準として、上下左右のいずれかの方向(すなわち、4つの方向の中の1つの方向)へ少しずれた位置に印刷される。そして、各座標パターン19における36個のドット19aのずれ方向の組合せは、少なくとも複数枚の専用シート18から形成される地図帳に印刷されるすべての座標パターン19の中で、唯一なものとされる。地図帳に印刷される複数のドット19aの中から任意の6×6個のドット19aを選んだとき、その36個のドット19aのずれ方向の組合せは、地図帳に印刷される他のすべてのドット19aの組合せにおけるドット19aのずれ方向の組合せと異なるものとなる。得られる組み合わせ数は、理論上は4の36乗となる。
【0021】
[クレードルのロックおよび解除]
図6および図7はクレードル制御回路15によるロック機構部14の制御のフローチャートであり、図6は電子ペン11を収納したとき、または車が走行を開始したときの制御、図7は解除スイッチ13が押されたとき、または車が停車したときの制御を示す。
【0022】
電子ペン11がクレードル12に収納されたとき、あるいは車が走行を開始すると、ロック制御回路15は、電子ペン11がロック機構部14に収納されており(ステップS1のY)、かつ車が走行中(ステップS2のY)であることを条件として、電子ペン11をロックする。また、ロック制御回路15と、解除スイッチ13が押されたとき、または車が停車したときには、電子ペン11がクレードル12によってロックされていれば(ステップS3のY)それを解除する(ステップS5)。
【0023】
このようにして、電子ペン11がクレードル12に収納されているときに車が走行中だと判断されると、クレードル12は電子ペン11をロックし、走行中には解除スイッチ13を押さないと電子ペン11が取り外せないようにする。クレードル12のロックは、解除スイッチ13が押されるか、車が停車することで解除される。なお、走行中か停車中かの判断は、パーキングブレーキや車速パルスなどの車の移動を感知する信号を、インタフェース回路16で取り込むことにより行う。そして、解除スイッチ13は、運転席1以外の方向に配置されているので、運転者以外は解除スイッチ13を押して電子ペン11を取り出し使用することができるが、運転者は解除スイッチ13を押せないため、電子ペン11を使用することができない。なお、解除スイッチ13は、各座席のドアなど、運転席1に座った運転者から手の届かない位置であれば、どこに配置してもよい。
【0024】
[電子ペンの機能のロック]
図8および図9はクレードル制御回路15による制御の他の例を示すフローチャートであり、図8は電子ペン11を収納したとき、または車が走行を開始したときの制御、図9は解除スイッチ13が押されたとき、または車が停車したときの制御を示す。この例では、走行中にクレードル12をロックするのではなく、電子ペン11の機能をロックする。
【0025】
すなわち、電子ペン11がクレードル12に収納されたとき、あるいは車が走行を開始すると、ロック制御回路15は、電子ペン11がロック機構部14に収納されており(ステップS11のY)、かつ車が走行中(ステップS12のY)であることを条件として、電子ペン11のロックフラグをオンにする。また、解除スイッチ13が押されたとき、または車が停車したときには、ロックフラグがオンであれば(ステップS14のY)それをオフにする(ステップS15)。ステップS11は同乗者が電子ペン11を操作中に車が走行を開始した場合を想定したものであるが、車の走行開始時には電子ペン11の機能を必ずロックすることとしてもよい。
【0026】
図10はロックフラグに対するナビゲーション装置20の動作例を示すフローチャートである。電子ペン11がクレードル12から取り外されると、ナビゲーション装置20の制御部21は外部装置インタフェース回路25を経由してロックフラグを取り込み、それがオンかどうかを判断する。ロックフラグがオンの場合(ステップS16のY)には、表示部27により、走行中は電子ペン11の機能がロックされることをユーザに通知する(ステップS17)。ロックフラグがオフの場合(ステップS16のN)には、電子ペン11からの受信データの処理を実行する(ステップS18)。
【0027】
電子ペン11を使用するシステムは、電子ペン11が読み取った座標を、ナビゲーション等の電子機器が受信して処理することで機能している。そこで、図10に示すように、走行中に解除スイッチ13を押さずに電子ペン11がクレードル12から取り外された場合は、電子ペン11から受信したデータの処理を行わずに、機能がロック中であることをユーザに通知する。ユーザへの通知方法は、ナビゲーション装置20や電子ペン11からのビープ音や音声による通知でも良いし、表示部7上にメッセージを表示しても良い。なお、電子ペン11の機能ロックは、解除スイッチ13が押されるか、車が停車することで解除される。また、解除スイッチ13を押さずに電子ペン11がクレードル12から取り外された場合でも、その後に解除スイッチ13が押された場合には機能ロックを解除することとしてもよい。
【0028】
以上説明した機能ロックでは、ロック制御回路15、ロックフラグおよびナビゲーション装置20の制御部21がロック手段として機能し、ナビゲーション装置20への入力を無効としている。これに対し、電子ペン11の読み取り動作そのものを無効とすることもできる。すなわち、電子ペン11からの赤外線の出力を停止させて読み取り機能を消失させ、あるいは反射してくる赤外線の読み込みを不能としたり、電子ペン11からインタフェース回路16への信号転送を遮断することもできる。この場合は、インタフェース回路16がロック手段の一部となる。
【0029】
[効果]
以上説明したように、本実施の形態によれば、電子ペン11をクレードル12にロックする機能を設け、その解除スイッチ13を運転者の手が届かない位置に配置することで、運転者に走行中の電子ペン12の使用を禁止し、運転者以外の同乗者は自由に電子ペンを利用することができる。また、走行中には電子ペン11の機能をロックし、その解除スイッチ13を運転者の手が届かない位置に配置することで、運転者に走行中の電子ペン11の使用を禁止することができる。さらに、電子ペン11を使用しないときにはクレードル12に収納することで、電子ペン11の紛失を防ぐことができる。
【0030】
[第2の実施の形態]
図11は本発明の第2の実施の形態に係る車載装置の外部入力システムおよび外部入力装置の収容装置を示す図であり、外部入力システムの車内での使用形態を示す。この実施の形態では、解除スイッチ13を設ける代わりに運転席1以外の座席(助手席2および後部座席3、4)に例えば圧力センサ17を配置し、それらの圧力センサ17の情報から、同乗者の有無と位置を検出する。クレードル12の構成自体は図2に示すものと同等であり、圧力センサ17のセンサ出力はインタフェース回路16からロック制御回路15に通知される。同乗者を検出するため、圧力センサ17の代わりに、赤外線センサや他のセンサを利用することもできる。
【0031】
図11および図13はクレードル12によるロック動作の制御フローチャートであり、図12は電子ペン11を収納したとき、または車が走行を開始したときの制御、図13は車が停車したときの制御を示す。
【0032】
電子ペン11がクレードル12に収納されたとき、あるいは車が走行を開始すると、クレードル12は、同乗者がいるかどうかを確認する(ステップS21)。同乗者がいる場合(ステップS21のY)には、電子ペン11のロックは行わず、いつでも電子ペン11が取り外せるようにする。同乗者がいない場合(ステップS21のN)には、電子ペン11がクレードル12に収納されており(ステップS22のY)、かつ車が走行中(ステップS23のY)であることを条件として、電子ペン11をロックする(ステップS24)。また、車が停車したときには、電子ペン11がクレードル12によってロックされていれば(ステップS25のY)、それを解除する(ステップS26)。
【0033】
図14および図15はクレードル12によるロック動作の制御フローチャートであり、図14は電子ペン11を収納したとき、または車が走行を開始したときの制御、図15は車が停車したときの制御を示す。この例では、走行中に電子ペン11をロックするのではなく、電子ペン11の機能をロックする。
【0034】
すなわち、電子ペン11がクレードル12に収納されたとき、あるいは車が走行を開始すると、クレードル12のロック制御回路15は、同乗者がいるかどうかを確認する(ステップS31)。同乗者がいる場合(ステップS31のY)には、電子ペン11を使用可能のままとする。同乗者がいない場合(ステップS31のN)には、電子ペン11が収納されており(ステップS12のY)、かつ車が走行中(ステップS32のY)であることを条件として、電子ペン11のロックフラグをオンにする。また、車が停車したときには、ロックフラグがオンであれば(ステップS35のY)それをオフにする(ステップS36)。
【0035】
このように、同乗者がいない場合には、走行中は電子ペン11を使用不能にし、同乗者がいる場合には、いつでも電子ペンを利用可能とする。同乗者がいない場合でも、車が停車すれば電子ペン11を利用可能とする。
【0036】
なお、この例では同乗者がいる場合には運転者も電子ペン11を利用可能となるが、これを避けるため、電子ペン11を運転者が操作しようとしていることを検知して、運転者による操作を避けるようにしてもよい。例えば、クレードル12の側面12aの運転席1と対向する部分に電子ペン11の通過を検出するセンサを設け、運転者が電子ペン11を使用する際には、センサが電子ペン11の運転席1側への移動を検知する。この検知によってロック制御回路15は、電子ペン11のロックフラグをオンとし、電子ペン11の機能ロックを行うことができる。このようなセンサと機能ロックは、解除スイッチ13や圧力センサ17を使用する代わりとして設置するようにしてもよい。この場合、機能ロックの解除は電子ペン11をクレードル12に戻したときなどに行うようにすることができる。
【0037】
この実施の形態において、第1の実施の形態と同様に解除スイッチ13を設け、同乗者がいない場合には、走行中の解除スイッチ13による解除を無効とすることもできる。すなわち、同乗者がいない場合の走行中に3つの解除スイッチ13のどれを操作しても、解除機能を働かないようにできる。
【0038】
以上の説明では、車載装置としてナビゲーション装置20、外部入力装置として電子ペン11を例に説明したが、他の車載装置や他の形状の外部入力装置でも同様に実施することができる。また、外部入力装置の収納装置としてクレードル12を例に説明したが、その形状、構造などは、外部入力装置の形状や構造に対応して、任意に選択することができる。
【0039】
また、第1の実施の形態において、解除スイッチ13を運転席1の面する側面12aの前方側にも設け、その解除スイッチ13のみは、車両が走行中はロックを解除しないようにしてもよい。この場合、車両が停車してもクレードル12のロックが自動的に解除されないようにしたときに、好ましいものとなる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る車載装置の外部入力システムおよび外部入力装置の収容装置を示す図であり、車載装置の外部入力システムの車内での使用形態を示す図である。
【図2】図1に示す外部入力システムにおける電子ペンとそれを収容するクレードルのブロック構成を示す図である。
【図3】図1に示す電子ペンが接続されるナビゲーション装置の構成を簡単に説明するブロック構成図である。
【図4】図1に示す電子ペンの動作を説明する図である。
【図5】図1に示す専用シートに印刷される1つの座標パターンを示す図で、専用シートの一部拡大図である。
【図6】図2に示すクレードル制御回路によるロック機構部の制御のフローチャートであり、電子ペンを収納したとき、または車が走行を開始したときの制御を説明する図である。
【図7】図2に示すクレードル制御回路によるロック機構部の制御のフローチャートであり、解除スイッチが押されたとき、または車が停車したときの制御を説明する図である。
【図8】図2に示すクレードル制御回路による制御の他の例を示すフローチャートであり、電子ペンを収納したとき、または車が走行を開始したときの制御を説明する図である。
【図9】図2に示すクレードル制御回路による制御の他の例を示すフローチャートであり、解除スイッチが押されたとき、または車が停車したときの制御を説明する図である。
【図10】図8および図9で説明したロックフラグに対するナビゲーション装置の動作例を示すフローチャートである。
【図11】本発明の第2の実施の形態に係る車載装置の外部入力システムおよび外部入力装置の収容装置を示す図であり、外部入力システムの車内での使用形態を説明する図である。
【図12】図11に示すクレードルによるロック動作の制御フローチャートであり、電子ペンを収納したとき、または車が走行を開始したときの制御を説明する図である。
【図13】図11に示すクレードルによるロック動作の制御フローチャートであり、車が停車したときの制御を説明する図である。
【図14】図11に示すクレードルによるロック動作の制御フローチャートであり、電子ペンを収納したとき、または車が走行を開始したときの制御を説明する図である。
【図15】図11に示すクレードルによるロック動作の制御フローチャートであり、車が停車したときの制御を説明する図である。
【符号の説明】
【0041】
1 運転席、2 助手席、3、4 後部座席、11 電子ペン(外部入力装置)、12 クレードル(収納装置)、13 解除スイッチ(解除手段)、14 ロック機構部(ロック手段の一部)、15 ロック制御回路(ロック手段の一部)、16 インタフェース回路、17 圧力センサ、20 ナビゲーション装置、21 制御部(ロック手段の一部)、22 現在位置取得部、23 地図情報記憶部、24 操作入力部、25 外部装置インタフェース回路、26 経路検索部、27 表示部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車載装置への入力操作を行うことのできる外部入力装置と、
車両が走行中は上記外部入力装置の使用ができないようにロックするロック手段と、
上記車両内の運転席以外の席から操作可能な位置に配置され上記ロック手段のロックを走行中に解除できる解除手段と
を有することを特徴とする車載装置の外部入力システム。
【請求項2】
前記外部入力装置を収納する収納装置を有し、
前記ロック手段および前記解除手段が上記収納装置に設けられ、前記外部入力装置の取り外しを制御する、
ことを特徴とする請求項1記載の車載装置の外部入力システム。
【請求項3】
前記収納装置は、前記車両が走行中にもかかわらず前記外部入力装置が前記解除手段の操作なしに前記収納装置から外れているときには、前記車載装置に前記外部入力装置の使用の禁止を通知することを特徴とする請求項2記載の車載装置の外部入力システム。
【請求項4】
前記ロック手段は、前記外部入力装置の機能をロックすることを特徴とする請求項1記載の車載装置の外部入力システム。
【請求項5】
前記解除手段は前記車両内の運転席以外の席に同乗者がいるかどうかを検出するセンサである請求項1から4のいずれか記載の車載装置の外部入力システム。
【請求項6】
車載装置への入力操作をその車載装置が搭載された車両内の上記車載装置から離れた位置で行うことのできる外部入力装置を収納し、車両が走行中は、上記車両内の運転席以外の席から操作可能な位置に配置された解除手段を操作しないかぎり、上記外部入力装置を取り外すことができない状態で保持することを特徴とする外部入力装置の収納装置。
【請求項1】
車載装置への入力操作を行うことのできる外部入力装置と、
車両が走行中は上記外部入力装置の使用ができないようにロックするロック手段と、
上記車両内の運転席以外の席から操作可能な位置に配置され上記ロック手段のロックを走行中に解除できる解除手段と
を有することを特徴とする車載装置の外部入力システム。
【請求項2】
前記外部入力装置を収納する収納装置を有し、
前記ロック手段および前記解除手段が上記収納装置に設けられ、前記外部入力装置の取り外しを制御する、
ことを特徴とする請求項1記載の車載装置の外部入力システム。
【請求項3】
前記収納装置は、前記車両が走行中にもかかわらず前記外部入力装置が前記解除手段の操作なしに前記収納装置から外れているときには、前記車載装置に前記外部入力装置の使用の禁止を通知することを特徴とする請求項2記載の車載装置の外部入力システム。
【請求項4】
前記ロック手段は、前記外部入力装置の機能をロックすることを特徴とする請求項1記載の車載装置の外部入力システム。
【請求項5】
前記解除手段は前記車両内の運転席以外の席に同乗者がいるかどうかを検出するセンサである請求項1から4のいずれか記載の車載装置の外部入力システム。
【請求項6】
車載装置への入力操作をその車載装置が搭載された車両内の上記車載装置から離れた位置で行うことのできる外部入力装置を収納し、車両が走行中は、上記車両内の運転席以外の席から操作可能な位置に配置された解除手段を操作しないかぎり、上記外部入力装置を取り外すことができない状態で保持することを特徴とする外部入力装置の収納装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2009−298295(P2009−298295A)
【公開日】平成21年12月24日(2009.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−155081(P2008−155081)
【出願日】平成20年6月13日(2008.6.13)
【出願人】(000003595)株式会社ケンウッド (1,981)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年12月24日(2009.12.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年6月13日(2008.6.13)
【出願人】(000003595)株式会社ケンウッド (1,981)
【Fターム(参考)】
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