説明

軸受要素

【課題】寿命を増大させることできる滑り要素を提供する。
【解決手段】保護層2、保護層2上に塗布される軸受金属層3および軸受金属層3上にスパッタリングにより成膜される滑り層4を含む軸受要素において、滑り塗料層5が滑り層4上に塗布される。滑り塗料層5はその主要成分として少なくとも1つの熱可塑性樹脂を含有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、保護層、保護層上に塗布される軸受金属層および軸受金属層上にスパッタリングにより成膜される滑り層を含む軸受要素、および軸受要素を製造するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車産業においてなされる技術進歩は、絶えず増大する要望事項が軸受要素、例えば、滑り軸受に関してなされることを意味する。単層滑り軸受は、高速で薄くなる油層のせいで、もはや、要求事項、例えば腐食摩耗に対する耐性を満足させることはできず、その結果、滑り軸受業界は多層滑り軸受への転回を増しつつある。後者は、一般に、1以上の追加層がその上にロールオン、メッキまたはスパッタリングにより成膜される鋼保護皮膜からなる。追加層は、必要ならば結合層の挿入により鋼保護層上に固定される軸受金属層である。合金、例えば、より高いまたはより低い亜鉛含量を有するアルミニウム合金から作製される滑り層または滑り塗料は、必要ならば結合層または拡散障壁層の散布により前記軸受金属層上に塗布される。
【0003】
摩擦学的に応力を受けた部品または表面用のこれら種類の一連の皮膜の意図は、一方で、改善された熱力学に対するより高い発火圧力、および結果として減少した消費量または減少した消耗量を達成することである。他方で、自動車産業は、今、効率増大に加えてより軽いエンジン、すなわち、スペシフィック・パフォーマンス、およびそれによるより大きな経済的節約および燃焼機関の環境へのより一層の優しさを必要としており、結果として個々の部品はより小さな次元を有することが必要である。同時に、特により高い温度で、より薄い潤滑油が、より低い摩擦力を得るために用いられる必要がある。自動車、特に実用車に要求される寿命は、少なくとも約百万キロメートルであり、車検間の間隔も、また、より長くなり、その結果、滑り要素およびそれらの摩耗を検査するための機会は減ってきている。換言すれば、滑り要素の平均寿命は有意に増大させることが必要である。
【0004】
これらの要望事項は、滑り要素のより高い担持量およびより高い動的応力をもたらす。加えて、より小さな潤滑間隙が形成され、これは増大しより集中した半流動性摩擦をもたらす。この結果は、境界摩擦が局部的に、例えば、端部上に起こり、軸受潤滑剤膜が局部的に全く形成されないことであることができる。燃焼過程により発生する熱の損失の減少のせいで、少なくとも一部の面において滑り軸受層を損傷するか、または滑り軸受の寿命に影響を及ぼすことができる局部温度ピークが生じることができる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
この根拠に基づき、本発明の目的はこれらの要求事項を満足させる滑り要素を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の目的は、いわゆるスパッタ軸受として設計されると共に、スパッタ層上に第4層として滑り塗料層を有する軸受要素により、および、滑り層を凝結させるためのスパッタリング法後、追加の滑り塗料層が軸受金属層上に塗布されるこの軸受要素を製造するための方法により独立に達成される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
原則として、追加の柔らかな層を塗布することにより固定層の摩擦学的不利を減じるための方法は公知であるが、しかし、構造への局部的な適応が柔らかい層を除去することにより達成されると共に、境界摩擦によってより大きな程度の摩耗およびそれによる短い寿命を予想することができるので、本目的を達成する上で有効でない。さらに、金属層はより高い温度で柔らかくなるので、その結果、粒子は引き抜かれ、次に、材料の内部親和性のせいで低温領域中に集積し再度固くなる。これは、層が厚くなればなるほど大きくなる潤滑間隙構造に対する損傷をもたらす。さらに、本目的により、金属層の摩擦係数は高すぎることが証明されてきた。滑り塗料が滑り要素の従来型の基部上で必要とされる寿命を生き延びることはできないことも、また、見出されてきた。
【0008】
滑り層としてのスパッタ層または接触層、および上部に塗布される滑り塗料層の本発明による組合せは、摩耗開始層として設計される滑り塗料層が局部的に摩耗するだけでなく、基部もまた動的応力により変形されるという利点を有する。従って、両方の層は、運転開始段階での調整に関与すると共に、摩耗開始層の摩耗速度は、従って、このようにして有意に減じる。原則として、これは、従来型の軸受要素におけるのとは違って作用する機構である。従って、基部、すなわち、滑りまたは接触層のみが変形し、滑り塗料層は可塑的に変形することがないことも、また可能である。本発明による軸受要素において、運転開始時または滑り層の除去粒子が集積する面は全く観察されず、その結果、潤滑間隙の構造は本質的に同じ状態のままである。従って、滑り塗料層を薄層として設計することも、また可能である。従来型の滑り層、特にスパッタ層に較べて、支持しようとする要素、例えば、軸に対するより大きな順応性を達成することが可能である。滑り塗料層は直接滑り層上に塗布することができる、すなわち、従来技術から公知の従来型滑り軸受中に一般的に用いられるニッケル層は、もはや、拡散障壁として必要ではなく、その結果、本発明による軸受要素は公知の多層滑り軸受に対してその機械的性質に関して改善されるばかりでなく、また、本発明による軸受要素を製造する上で達成される対応する財務上の利益があることも、また、利点である。
【0009】
滑り塗料層は、異方性特質を有することができると共に、特に負荷方向、すなわち、層に垂直な方向において、滑り塗料層に平行な方向における低剪断強度と同時に高い機械的負荷を可能とすることができる。
【0010】
滑り塗料層は、その主成分として熱可塑性樹脂を含有することができ、そのために、該熱可塑性樹脂は、特に、ポリイミド、特に芳香族のもの、ポリアミドイミド、特に芳香族のもの、必要ならばイソシアネートにより改質されたポリアリールエーテルイミド、フェノール樹脂、ポリアリールエーテル・エーテルケトン、ポリアミド、特に芳香族のもの、エポキシ樹脂、ポリテトラフルオロエチレン、例えばポリフルオロアルコキシ−ポリテトラフルオロエチレンコポリマーなどのフッ素含有樹脂、エチレン・テトラフルオロエチレン、フッ素添加エチレンプロピレンコポリマー、2フッ化ポリビニリデン、フッ化ビニル樹脂、アリレンサルファイド、ポリトリアゾ・ピロメリットイミド、ポリエステルイミド、ポリアリールサルファイド、ポリビニルサルファイド、ポリスルホン、ポリアリールスルホン、ポリアリールオキシド、例えば、ポリイミドおよび/またはポリアミドイミドおよび/またはポリアリールエーテルイミドおよび/またはフェノール樹脂および/またはポリアリールエーテル・エーテルケトンおよび/またはポリアミドおよび/またはエポキシ樹脂および/またはポリテトラフルオロエチレンおよび/または例えばポリフルオロアルコキシ・ポリテトラフルオロエチレンコポリマー、エチレン・テトラフルオロエチレン、フッ素添加エチレンプロピレンコポリマー、2フッ化ポリビニリデン、フッ化ビニル樹脂などのフッ素含有樹脂、アリレンサルファイドおよび/またはポリトリアゾ−ピロメリットイミドおよび/またはポリエステルイミドおよび/またはポリビニルサルファイドおよび/またはポリスルホンおよび/またはポリアリールスルホンおよび/またはポリイミドを有するポリアリールオキシドおよび/またはポリアミドイミドおよび/またはポリアリールエーテルイミドおよび/またはフェノール樹脂および/またはポリアリールエーテル・エーテルケトンおよび/またはポリアミドおよび/またはエポキシ樹脂および/またはポリテトラフルオロエチレンおよび/または例えばポリフルオロアルコキシ・ポリテトラフルオロエチレンコポリマー、エチレン・テトラフルオロエチレン、フッ素添加エチレンプロピレンコポリマー、2フッ化ポリビニリデン、フッ化ビニル樹脂などのフッ素含有樹脂、および/またはアリレンサルファイドおよび/またはポリトリアゾ・ピロメリットイミドおよび/またはポリエステルイミドおよび/またはポリアリールサルファイドおよび/またはポリビニルサルファイドおよび/またはポリアリールスルホンおよび/またはポリアリールオキシドなどのそれらのコポリマーおよび混合物を含む群から選択される。
【0011】
本明細書における利点は、主として熱可塑性樹脂または樹脂混合物またはコポリマーからなる滑り塗料層によって、滑り塗料層の寿命を増大させることができる循環温度依存軟化および固化機構が提供されることである。特定的に一覧される樹脂または樹脂混合物またはコポリマーによって、例えば、高価なタイプの樹脂が高負荷性軸受要素用のみに用いることができ、結果として、より小さな程度の負荷となる軸受要素に対するコスト利点があるように、種々の各種負荷に軸受機能を適応させることが可能であることも、また、有利である。
【0012】
滑り塗料中の樹脂の量は、下限30%〜上限95%の範囲から選択することができる。これは、特に摩耗開始段階における滑り塗料層の順応性がそれぞれの要求事項に対して容易に適合することができるように、基部に対する変形の伝達率の変動を可能とする。
【0013】
本発明のさらなる開発によりなおさらにこの効果を改善するために、下限50重量%〜上限85重量%の範囲、または下限70重量%〜上限75重量%の範囲から滑り塗料層中の樹脂の割合を選択することは可能である。
【0014】
熱可塑性樹脂は、潤滑剤、特にMoS、h−BN、WS、グラファイト、ポリテトラフルオロエチレン、Pb、Pb−Sn合金、CF、PbF、また、例えばCrO、Fe、PbO、ZnO、CdO、Al、SiC、Si、SiO、Si などの硬い材料、またクレー、タルク、TiO、ムライト、CaC、Zn、AlN、FeP、FeB、NiB、FeB、例えば、ZnS、AgS、CuS、FeS、FeS、Sb、PbS、Bi、CdSなどの金属硫化物、繊維、特に、例えばガラス、炭素、チタン酸カリウム、ウイスカ、例えばSiC、例えばCuまたは鋼製の金属繊維などの無機繊維、ならびに、例えば特に前記種類の少なくとも一つの潤滑剤および/または特に前記種類の少なくとも一つの硬い材料および/または特に前記種類の少なくとも一つの金属硫化物、および/または特に前記種類の少なくとも一つの繊維形状添加剤、すなわち、すべてが特に前期種類の少なくとも一つの潤滑剤および/または硬い材料および/または金属硫化物および/または少なくとも一つの繊維形状添加剤などのそれらの混合物を含む群から選択される少なくとも一つの添加剤を含有することができる。
【0015】
このようにして、滑り塗料層の輪郭、例えば表面粗さは影響を受けることができ、結局は、摩擦に関して滑り塗料の挙動に影響を与えることが可能である。特に、少なくとも一つの潤滑剤により、滑り塗料はより大きな滑り能力を得ることができ、少なくとも一つの硬い材料または少なくとも一つの繊維形状添加剤により、滑り塗料の硬度は変わることができ、特に、滑り塗料層の耐摩耗性および/または滑り塗料層の摩擦係数は影響を受け、改善することができる。
【0016】
このように、滑り塗料層が板状体様性質を有する少なくとも一つの添加剤を含有する場合、滑り塗料特性の異方性−およびそれによる滑り塗料のレベリング特性−が、半流動性摩擦に較べて境界摩擦の割合を有意に背景中に押し込むように改善することができることは利点である。
【0017】
添加剤は、好ましくは、下限5%〜上限30%の範囲から選択される量で添加され、これらの限界値は、また、前記効果をさらに増大させるために各種添加剤の混合物用に用いることができる。
【0018】
この場合、添加剤が下限10%〜上限25%の範囲から選択される量で、またはさらなる実施形態において、下限15%〜上限20%の範囲から選択される量で添加される場合、それによって、上記効果のさらなる改善も、また、達成することができることは利点である。
【0019】
少なくとも一つの添加剤は、好ましくは、下限0.5μm〜上限20μmの範囲から選択される粒径を有する。この所定範囲の粒径において、釣り合い比率は、ピーク分解、すなわち、滑り塗料層および/またははめ込もうとする要素、例えば軸の表面のレベリング、と潤滑剤としての添加剤を形成する際の低減摩擦の間で達成される。
【0020】
この効果をさらに改善するために、少なくとも一つの添加剤が、下限2μm〜上限10μmの範囲から、または本実施形態のさらなる変形において下限3μm〜上限5μmの範囲から選択される粒径を有する場合にそれは有利である。
【0021】
少なくとも一つの添加剤が、下限10μm〜上限40μmの範囲から選択される平均長さ、および/または下限10μm〜上限40μmの範囲から選択される平均幅、および/または下限2nm〜上限20nmの範囲から選択される平均高さを有する2硫酸モリブデン粒子である場合にそれは特に有利であり、2硫化モリブデン粒子は本質的に板状体様性質を有し、このことは、MoS板状体が少なくとも部分的に動きの方向に垂直に並べられ、それによって、摩耗がこのようにして低減することができるように、次の粒子が多かれ少なかれ「動く」ことを可能とすることを意味する。
【0022】
この効果のさらなる改善のため、実施形態変形による2硫化モリブデンが、下限15μm〜上限35μmの範囲から選択される長さ、および/または下限15μm〜上限35μmの範囲から選択される平均幅、および/または下限5nm〜上限15nmの範囲から選択される平均高さ、または下限18μm〜上限25μmの範囲から選択される粒子の平均長さ、および/または下限18μm〜上限25μmの範囲から選択される平均幅、および/または下限5nm〜上限8nmの範囲から選択される平均高さを有する粒子サイズを有する場合にそれは利点である。
【0023】
広い限定範囲にわたり滑り塗料層の自動注油挙動を変えることができるために、少なくとも一つの添加剤が、特に下限2μm〜上限8μmの範囲から選択される粒径を有するグラファイトであることが可能である。
【0024】
滑り塗料層は、下限2μm〜上限40μm、またはさらなる開発により下限5μm〜上限20μm、またはさらなる実施形態変形により下限10μm〜上限15μmの範囲から選択される層厚さを有することができ、それによって、軸受要素は、次に、選択された用途、例えば大きな軸受または小さな軸受に対して調整することができると共に、このようにしてコストの対応最適化は、軸受要素用の長期の信頼性ある均一特性を提供することに加えて達成することができる。
【0025】
滑り塗料が、そのために、溶媒中のポリイミド樹脂の量が下限60%〜上限80%の範囲から選択され、MoSの量が下限15%〜上限25%の範囲から選択され、およびグラファイトの量が下限5%〜上限15%の範囲から選択されるポリイミド樹脂、特に2硫化モリブデンおよびグラファイトを含有するポリアミドイミド樹脂である場合にそれは特に有利であり、この組成物にはポリイミド樹脂中のMoSおよびグラファイトの高い割合にも拘わらず驚くことに軸受要素の耐摩耗性の予想外の改善が可能となる。摩擦低減添加剤用の結合剤であると考えることができるポリイミド樹脂のより少ない量についても同様に予想外であり、層の結合がより悪くなるであろうし、後者は最終的に「粉々になる」であろうことが予想されるであろう。MoSおよびグラファイトの選択された割合、特にMoS対グラファイトの量の比率を用いることにより、これは起こらず、出願者は現時点でこれを説明するための理論を提供することができない。しかし、MoSとグラファイト粒子間の相互作用があることは推測される。
【0026】
このようにして、キャビテーション挙動を改善することも可能であり、軸受要素の腐食に対する感受性の低減もまた確立される。
【0027】
これら特性のさらなる改善のため、溶媒中のポリイミド樹脂の量が下限65%〜上限75%、または下限67.5%〜上限72.5%の範囲から選択されるか、または溶媒中のポリイミド樹脂の量が特に70%であること、また、MoSの割合が下限17%〜上限22%、または下限18.5%〜上限21.5%の範囲から選択されるか、または20%であること、またはグラファイトの量が下限7%〜上限13%、または下限8.5%〜上限11.5%の範囲から選択されるか、または10%であることは可能である。
【0028】
MoS対グラファイトの比率が、それによって広い限定範囲にわたり滑り塗料層の挙動を変え、そうしてまた運転開始特性を改善するために下限1.5:1〜上限4.5:1の範囲から選択される場合に、それは特に有利である。
【0029】
滑り層は、下限10μm〜上限30μm、または下限12μm〜上限20μm、または下限15μm〜上限17μmの範囲から選択される層厚さを有するように設計することができる。滑り層の層厚さ対滑り塗料層の層厚さの比率が、下限2:1〜上限5:1の範囲から選択される場合に、それは特別の利点である。前記層厚さ比率および所定の層厚さ範囲によって、運転開始層が局部的に磨り減るだけでなく、基部がまた動的応力により変形し、そうして両方の層が運転開始段階の間の調整に寄与するという効果の改善がある。さらに、軸受要素の長期強度は、滑り層用に選択される厚さによって改善される。
【0030】
一つの実施形態変形により、滑り層の層厚さ対滑り塗料層の層厚さの比率が、少なくともほぼ3:1であることができる。
【0031】
軸受金属層の層厚さ対滑り層の層厚さの比率が、下限7:1〜上限15:1の範囲から選択されることもまた可能であるか、または、該比率は少なくともほぼ10:1であることができ、それによって、軸受金属層は可動特性を有する必要はないが、しかし、保護層に加えてもっぱら軸受要素の機械的強度に寄与することができる。勿論必要ならば前記軸受金属層は減摩特性を有することができる。
【0032】
結局、保護層対軸受金属層の層厚さの比率が下限7:1〜上限15:1の範囲から選択される場合か、または、保護層の層厚さ対軸受金属層の層厚さの比率が少なくともほぼ10:1である場合、それによって、一方で軸受要素の製造から生じるコスト対軸受要素の機械的強度間の釣り合った比率を達成することができることは、また、有利なことである。
【0033】
軸受要素が本質的に鉛なしであるように鉛なし材料が少なくとも不純物を除いて個々の層用に用いられる場合、このような方法で環境汚染を低減することができるので、それは特に有利である。
【0034】
軸受要素は、特に滑り軸受半殻、軸受ブッシュまたは座金として設計することができる。
【0035】
本発明のより良い理解のため、後者は一層簡略化された表現での以下の図面を参照してより詳細に説明される。
【0036】
まず第一に、上、下、側などの記述において用いられる位置詳細が、その時点で説明し示そうとする図面を指し、位置が変更されると新しい位置付けに合わせることが好ましいことは、留意されるべきである。さらに、記載される種々の実施形態の個々の態様または態様の組合せは、独立した発明的解法を表すことができる。
【0037】
本明細書における値の範囲に関するすべての詳細は、後者がありとあらゆる部分範囲を含むように理解することが好ましい、例えば、1〜10の範囲は、下限1〜上限10間のすべての部分範囲を含むと理解することが好ましい、すなわち、すべての部分範囲は下限1以上から始まり、上限10以下で終わる、例えば、1〜1.7または3.2〜8.1または5.5〜10である。
【0038】
実施形態は軸受要素の可能な変形を示す、それによって、本発明が特定的に示される実施形態に限定されるのではなく、むしろ、また、個々の実施形態の様々な組合せが可能であることは本明細書において留意されるべきであり、この可変性は本発明の教示を用いての当業者の能力内に存在する。また、示され記載される実施形態の変形の詳細を組み合わせることにより得られるすべての可能な変形は、保護範囲により守られる。
【0039】
図1は、保護層2、軸受金属層3、滑り層4および本発明による後者上に塗布される滑り塗料層5を含む本発明による軸受要素1を示す。
【0040】
保護層2は、通常、鋼製であるが、しかし、勿論、また、同じかまたは類似の機能、特に軸受要素1の機械的強度を提供することができる匹敵する材料から作製することができる。全体軸受要素1の機械的強度は、例えば、真鍮、青銅などの銅合金でさえ用いることができるであろうように、有用なそれぞれの領域に応じて決まる。加えて、軸受要素1は保護層2により形態安定性を与えられる。
【0041】
この保護層上に配置される軸受金属層3は、軸受金属合金により形成される。これは、例えば、アルミニウム系の合金、すなわち、少なくとも一つの柔らかい相および/または少なくとも一つの粒子形状の硬い材料を中に埋め込むことができるアルミニウムマトリクスからなることができる。
【0042】
少なくとも一つの柔らかい相は、スズ、アンチモン、インジウムおよびビスマスを含む第一群からの少なくとも一つの元素により形成することができる。必要ならば、軸受金属層3が鉛を含有することは可能であるが、しかし、好ましくは、鉛なし合金がこのために用いられる。
【0043】
硬い粒子は、例えば、銅、マンガン、亜鉛、コバルト、クロム、シリコン、マグネシウムおよび鉄を含む群からの少なくとも一つの元素、または元素スカンジウムおよび/またはジルコニウムから形成することができる。硬い粒子が、例えば後者の元素またはアルミニウムを有する元素間に形成される金属間相により形成されることも、また可能である。少なくともある割合の硬い粒子が繊維により形成されることも、また可能である。
【0044】
勿論、従来技術から公知のあらゆる他の柔らかい相および/または硬い粒子は、軸受金属層3の軸受金属合金中に含有することができる。
【0045】
柔らかい相は、軸受要素1の運転の結果として上に重なる滑り層4または滑り塗料層5において障害が起こる場合に、軸受要素1に減摩特性を与えるために用いられることは知られており、こうして、軸受金属層3は、少なくとも殆ど直接的に例えば軸などのはめ込もうとする部品に接触することになる。このようにして、軸受要素1には、軸受要素1を用いることの結果として摩耗から生じる硬い粒子を埋め込むための能力が与えられる。硬い粒子は、アルミニウム合金に必要な機械的強度を与える。
【0046】
特にスズ、ビスマス、インジウム、鉛またはアルミニウムの基本成分を有する合金、および高い鉛含量基本成分またはCuPbまたはAlSnまたはAlBi基本成分を有する合金は、軸受金属層3を形成するために適する。特に、高いスズ含有スズ系合金は有利である。鉛なし銅系合金は、また、用いることができる。
【0047】
銅系軸受金属は、例えば、CuPb22Sn2、CuPb10Sn10、CuPb15Sn7、CuSn6、CuSn4Znである。特に、CuAl、CuSn、CuZn、CuZnSnおよびCuBi基本成分を有する鉛なし銅合金は、それらが一層環境に優しくあるので有利である。
【0048】
用いることができるスズ系軸受金属は、例えば、Sn8Cu4、SnSb12、CuPbである。
用いることができる鉛系金属は、例えば、PbSb10Sn6、PbSb15Sn10、PbSb15SnAsである。
アルミニウム系軸受金属は、例えば、AlSn40、AlSn20、AlSn25、AlSn10、AlSn6などを形成することができる。
【0049】
例えばAlZn4SiPbなどのAlZn基本成分、または例えばAlSi11CuMgNiなどのAlSi基本成分、または例えばAlSn20Si4などのAlSnSi基本成分を有する軸受金属を用いることも、また可能である。
【0050】
軸受金属層3は、例えば、従来技術から公知のようにメッキなどによる直流通電的に保護層2上に塗布することができる。
【0051】
滑り層4は、例えばアルミニウム合金からのスパッタリング法によって、この2層または多層構造上に蒸着される。勿論、従来技術から公知の他の合金または金属、例えば、合金要素として鉛および/またはビスマスおよび/またはインジウムおよび/またはスズを有するアルミニウム系合金、銅系、鉛および/またはビスマスおよび/またはインジウムおよび/またはスズを有する銀系合金、または銀−鉛−合金などは、従来からこの目的のためにスパッタリング法で用いられているように蒸着することができる。用いることが可能である合金の一覧は網羅的ではなく、勿論、前述のもの以外の他の合金または混合物は用いることができ、そのために、特に好ましい鉛なしの合金が用いられる。
【0052】
スパッタリング法は公知であるので、本明細書において関連文献を参照する。
【0053】
この種類の合金は、50重量%〜90重量%間範囲、例えば55重量%〜80重量%間範囲、好ましくは60重量%〜79重量%間範囲、特に64重量%〜70重量%間範囲のアルミニウムを含有することができると共に、5重量%〜45重量%間範囲、例えば10重量%〜39重量%間範囲、好ましくは12重量%〜32重量%間範囲、特に17重量%〜20重量%間範囲のスズを含有することができる。例えばマンガン、鉄またはコバルトなどの他の合金要素は、勿論、特定合金相、例えば硬い材料を形成するために含むことができる。
【0054】
さらなる合金要素は、例えば、Ag、Al、Fe、Cu、Ni、Sc、Si、Zn、Mn、Co、Cr、Zr、Mgであるであろう。
【0055】
構造保護層2、軸受金属層3および滑り層4を有するこの種類の滑り軸受は、既に従来技術から公知であり、不要な重複を避けるために本明細書において関連文献を参照する。軸受金属層3の組成物が滑り層4のそれとは異なることは、唯一留意されるべきである。
【0056】
本発明により滑り塗料層5は滑り層4上に塗布される。後者はスプレッディング法または噴霧法などにより塗布することができる。
【0057】
好ましくは、軸受要素1の個々の層は、直接互いの上部上に、すなわち、軸受金属層3を直接保護層2上に、および/または滑り層4を直接軸受金属層3上に、および/または滑り塗料層5を直接滑り層4上に塗布される。例えば、個々の層の接着強度が十分でない場合、後者の間に、すなわち、例えば、保護層2と軸受金属層3、および/または軸受金属層3と滑り層4、および/または滑り層4と滑り塗料層5の間に、例えば、例えばアルミニウムなどの純粋金属または例えばAlZn4.5などの合金製の結合層の形態をとるか、または、個々の層間の個々の合金部品の拡散を防止するために障壁層例えばニッケルダムの形態さえとる追加の機能層を配置することは、勿論本発明の範囲内で可能である。これらの層は、また、従来技術から公知であり、この時点でさらに検討する必要はない。
【0058】
滑り塗料層5は、好ましくは、既に上で説明したように、大部分熱可塑性樹脂からなる。例えば、ポリアミドイミド樹脂は、熱可塑性樹脂すなわち前述の熱可塑性樹脂の少なくとも一つとして用いることができる。樹脂は、少なくとも一つの溶媒、特に例えばキシロールなどの有機溶媒中に存在することができ、それによって、その処理可能性は改善することができる。溶媒の量は、樹脂、すなわち溶媒を含む樹脂の割合に対して、下限40重量%〜上限80重量%、特に下限50重量%〜上限70重量%、好ましくは下限60重量%〜上限65重量%範囲から選択することができる。従って、乾燥樹脂、特にポリアミドイミド樹脂の割合は、下限20重量%〜上限50重量%、特に下限30重量%〜上限40重量%、好ましくは下限35重量%〜上限37.5重量%範囲から選択することができる。これに関連して、本発明により塗布される滑り塗料層5は、例えば、35重量%ポリアミドイミド樹脂の乾燥組成物、45重量%のMoSおよび20重量%のグラファイトを有することができるか、または所定の値から計算される乾燥組成物は、滑り塗料層5の個々の内容物に対して変動する。
【0059】
特に好ましい前記滑り塗料層は、潤滑剤および/または硬い材料の形態をとる少なくとも一つのさらなる添加剤を有する。例えば、このように潤滑を増大させるために、特に所定量範囲において2硫化モリブデンおよび/またはグラファイトをポリアミドイミド樹脂と混合することは可能である。
【0060】
滑り塗料層5の組成物、すなわち滑り塗料層5用の熱可塑性樹脂に関する不要な重複を避けるために、上述の説明に対して文献を参照する。
【0061】
例えば、図1の点線により示されるような滑り軸受半殻として−および完全な軸受として、または座金または軸受ブッシュとして、または一般にラジアルまたはアクシアル軸受として図1に示されるように設計することができる本発明による軸受要素1は、主として半流動性摩擦領域(ストライベック曲線による)中で用いられる。例えば、エッジなどがはめ込もうとする要素、例えば軸の表面上に形成される場合、これはいわゆる境界摩擦領域に対する変位をもたらすことができる。本発明による軸受要素1、すなわち、その滑り塗料層5によって、特に該滑り塗料層5が異方性機械的性質を有する場合、摩擦をさらに好ましい半流動性摩擦領域中にもどすことは可能である。この場合、従来型の滑り要素、または、一種の雪崩効果が潤滑間隙の減少により起こるように、柔らかい金属粒子が中で一点での分解により除去され、滑り層の違った点では柔らかい相粒子の親和性のせいで一緒に堆積する傾向にある、例えばスズなどの柔らかい金属を有する滑り層による軸受要素とは違って、該MoS粒子が互いに対する親和性を全く持たないので、板状体様性質を有するMoSを用いることは好ましい。本発明によるこの理由により、潤滑剤、例えばこの親和性を示さないMoSを含有する滑り塗料が、好ましくは用いられる。
【0062】
さらに、好ましくは、板状体様潤滑剤が前述の理由により用いられる。しかし、本発明の目的がまた異なる潤滑剤によって達成されるので、たとえ互いに親和性のない板状体様滑り粒子の使用が軸受要素1の特性を改善するとしても、それが絶対的に必要であるということでないことは、指摘されるべきである。
【0063】
摩耗または腐食により除去される滑り塗料層5(該層はまた運転開始層としても機能する)の粒子は、従って、もはやそれら自身を基部に結びつけることはなく、且つ粒子は引きずり回されることもなく、このことはほぼ一定の潤滑間隙を軸受要素1の寿命全体にわたって提供することができることを意味する。
【0064】
滑り塗料層5が下限20HV〜上限45HV、または下限22HV〜上限35HV、特に下限15HV〜上限30HVの範囲から選択されるビッカース硬度を有することは、また可能である。このようにして、滑り塗料層5は十分な強度ならびに潤滑能力を与えられる。
【0065】
潤滑層4は、好ましくは、下限60HV、特に90HV〜上限200HV、特に130HVの範囲から選択されるビッカース硬度を有する。
【0066】
潤滑塗料層5の表面が、下限0.02μm〜上限1.5μm、または下限0.5μm〜上限1μm、特に下限0.8μm〜上限0.9μmの範囲から選択される、DIN・EN・ISO4287による算術平均粗さRaを有することは、また可能である。さらに、潤滑剤塗料または潤滑塗料層5の前記表面は、下限0.5μm〜上限10μm、または下限3μm〜上限8μm、特に下限5μm〜上限6μmの範囲から選択される、DIN・EN・ISO4287による最大粗さプロフィールRzを有する。滑り塗料層5のこの種類の輪郭により、潤滑間隙または油間隙の形成は極めて均一である。
【0067】
最後に、形式上、軸受要素1の構造のより良い理解のために、後者およびその部品は、全体として一定の比率に拡大して表現されているのではなく、サイズは拡大されるかおよび/または縮小されていることは留意される。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】滑り軸受半殻の形態をとる本発明の軸受要素を示す。
【符号の説明】
【0069】
1 軸受要素
2 保護層
3 軸受金属層
4 滑り層
5 滑り塗料層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
保護層(2)、保護層(2)上に塗布される軸受金属層(3)および軸受金属層(3)上にスパッタリングにより成膜される滑り層(4)を含む軸受要素(1)において、滑り塗料層(5)が滑り層(4)上に塗布されることを特徴とする軸受要素(1)。
【請求項2】
滑り塗料層(5)が異方性機械的性質を有することを特徴とする、請求項1に記載の軸受要素(1)。
【請求項3】
滑り塗料層(5)がその主要成分として少なくとも一つの熱可塑性樹脂を含有することを特徴とする、請求項1または2に記載の軸受要素(1)。
【請求項4】
少なくとも一つの熱可塑性樹脂が、ポリイミド、特に芳香族のもの、ポリアミドイミド、特に芳香族のもの、必要ならばイソシアネートにより改質されたポリアリールエーテルイミド、フェノール樹脂、ポリアリールエーテル・エーテルケトン、ポリアミド、特に芳香族のもの、エポキシ樹脂、ポリテトラフルオロエチレン、例えばポリフルオロアルコキシ・ポリテトラフルオロエチレンコポリマー、エチレン・テトラフルオロエチレン、フッ素添加エチレンプロピレンコポリマー、2フッ化ポリビニリデン、フッ化ビニル樹脂などのフッ素含有樹脂、アリレンサルファイド、ポリトリアゾ・ピロメリットイミド、ポリエステルイミド、ポリアリールサルファイド、ポリビニルサルファイド、ポリスルホン、ポリアリールスルホン、ポリアリールオキシド、それらの混合物およびコポリマーを含む群から選択されることを特徴とする、請求項3に記載の軸受要素(1)。
【請求項5】
滑り塗料中の樹脂の割合が下限30重量%〜上限95重量%範囲から選択されることを特徴とする、請求項3または4に記載の軸受要素(1)。
【請求項6】
熱可塑性樹脂が、例えば、MoS、h−BN、WS、グラファイト、ポリテトラフルオロエチレン、Pb、Pb−Sn合金、CF、PbF、例えばCrO、Fe、PbO、ZnO、CdO、Al、SiC、Si、SiO、Siなどの硬い材料、クレー、タルク、TiO、ムライト、CaC、Zn、AlN、FeP、FeB、NiB、FeB、例えば、ZnS、AgS、CuS、FeS、FeS、Sb、PbS、Bi、CdSなどの金属硫化物、繊維、特に、例えばガラス、炭素、チタン酸カリウム、ウイスカ、例えばSiC、例えばCuまたは鋼製の金属繊維などの無機繊維、ならびにそれらの混合物などの潤滑剤を含む群から選択される少なくとも一つの添加剤を含有することを特徴とする、請求項3〜5の一つに記載の軸受要素(1)。
【請求項7】
滑り塗料層(5)が板状体様性質を有する少なくとも一つの添加剤を含有することを特徴とする、請求項1〜6の一つに記載の軸受要素(1)。
【請求項8】
添加剤が下限5%〜上限30%範囲から選択される割合で添加されることを特徴とする、請求項6または7に記載の軸受要素(1)。
【請求項9】
少なくとも一つの添加剤が下限0.5μm〜上限20μm範囲から選択される粒径を有することを特徴とする、請求項6〜8の一つに記載の軸受要素(1)。
【請求項10】
少なくとも一つの添加剤が、下限10μm〜上限40μm範囲から選択される平均粒子長さ、および/または下限10μm〜上限40μm範囲から選択される平均幅、および/または下限2nm〜上限20nm範囲から選択される平均高さを有する2硫化モリブデンにより形成されることを特徴とする、請求項6〜9の一つに記載の軸受要素(1)。
【請求項11】
少なくとも一つの添加剤が下限2μm〜上限8μm範囲から選択される粒径を有するグラファイトにより形成されることを特徴とする、請求項6〜10の一つに記載の軸受要素(1)。
【請求項12】
滑り塗料層(5)が下限2μm〜上限40μm範囲から選択される層厚さを有するように設計されることを特徴とする、請求項1〜11の一つに記載の軸受要素(1)。
【請求項13】
滑り塗料が、そのために溶媒を有するポリイミド樹脂の割合が下限60%〜上限80%の範囲から選択され、MoSの割合が下限15%〜上限25%の範囲から選択され、およびグラファイトの割合が下限5%〜上限15%の範囲から選択される、ポリイミド樹脂、特にポリアミドイミド樹脂、2硫化モリブデン(MoS)およびグラファイトを含むことを特徴とする、請求項1または2の一つに記載の軸受要素(1)。
【請求項14】
MoS対グラファイトの比率が下限1.5:1〜上限4.5:1の範囲から選択されることを特徴とする、請求項13に記載の軸受要素(1)。
【請求項15】
滑り層(4)が下限10μm〜上限30μm範囲から選択される層厚さを有するように設計されることを特徴とする、請求項1〜14の一つに記載の軸受要素(1)。
【請求項16】
滑り層(4)の層厚さ対滑り塗料層(5)の層厚さの比率が下限2:1〜上限5:1の範囲から選択されることを特徴とする、請求項1〜15の一つに記載の軸受要素(1)。
【請求項17】
軸受金属層(3)の層厚さ対滑り層(4)の層厚さの比率が下限7:1〜上限15:1の範囲から選択されることを特徴とする、請求項1〜16の一つに記載の軸受要素(1)。
【請求項18】
保護層(2)の層厚さ対軸受金属層(3)の層厚さの比率が下限7:1〜上限15:1の範囲から選択されることを特徴とする、請求項1〜17の一つに記載の軸受要素(1)。
【請求項19】
個々の層が少なくとも不純物を除き鉛なしであることを特徴とする、請求項1〜18の一つに記載の軸受要素(1)。
【請求項20】
該軸受要素が滑り軸受半殻または軸受ブッシュまたは座金として設計されることを特徴とする、請求項1〜19の一つに記載の軸受要素(1)。
【請求項21】
保護層(2)、保護層(2)上に塗布される軸受金属層(3)、軸受金属層(3)上に塗布される滑り層(4)を有する軸受要素(1)を製造する方法であって、必要ならば保護層(2)上への結合層および/または拡散障壁層の塗布後に直流通電的方法でまたはメッキにより軸受金属層(3)が保護層(2)上に塗布され、必要ならば軸受金属層(3)上への結合層および/または拡散障壁層の塗布後にスパッタリング法により滑り層(4)が軸受金属層(3)上に凝結される、軸受要素(1)の製造方法において、滑り塗料層(5)が滑り層(4)上に塗布されることを特徴とする軸受要素(1)の製造方法。
【請求項22】
滑り塗料層(5)が請求項2〜14に記載の滑り塗料層(5)の態様により形成されることを特徴とする、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
滑り層(4)が下限10μm〜上限30μmの範囲から選択される層厚さを有することを特徴とする、請求項21または22に記載の方法。

【図1】
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【公開番号】特開2007−92995(P2007−92995A)
【公開日】平成19年4月12日(2007.4.12)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2006−251111(P2006−251111)
【出願日】平成18年9月15日(2006.9.15)
【出願人】(504101245)ミーバ グライトラガー ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (16)
【Fターム(参考)】