説明

輝度信号処理装置

【課題】低照度部でS/Nを向上させたり、RGBベイヤ配列での色の変化が激しい境界での偽の輪郭信号の発生を抑制したりしつつ、適切な輪郭強調を行わせる。
【解決手段】 ベイヤ配列のカラーフィルタを有するイメージセンサ出力に基づく画像信号データは、複数ライン出力変換部202で水平方向の複数ライン出力に変換されて出力される。検出部207〜210は、画素単位や所定の領域単位で、輝度信号レベル等を検出し、輪郭強調補正係数を設定する。輪郭強調補正部204は、画素単位や所定の領域単位で、上記輪郭強調補正係数に応じた輪郭強調処理を行って輝度信号を出力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、ディジタルカメラ用に開発されたイメージセンサから出力される映像信号から広帯域のディジタル輝度信号を得て高解像度画像を得ることなどができる映像信号処理装置等の輝度信号処理装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、カメラ業界におけるアナログ技術からディジタル技術への移行には目覚しいものがある。特にフィルムも現像も不要なディジタルスチルカメラは活況を呈し、携帯電話もカメラ搭載型が主流を占めている。
【0003】
現状では、例えば、ディジタルカメラとしては、色再現性重視の観点から原色フィルタ搭載センサに対応した信号処理を採用したカメラが主流であり、解像度を重視してかつ色のS/Nの優れたディジタル信号処理が必要とされ、解像度の低下を抑えつつノイズ除去を行い得るような撮像装置などが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
この種の撮像装置における輝度信号処理装置は、例えば図9に示すように構成されている。同図において、501はRGB(赤緑青)ベイヤ配列のフィルタを有するイメージセンサからのセンサ出力がノイズ除去、増幅、およびA/D変換された画像信号データに対して、黒レベル補正、ガンマ補正、およびゲイン補正等を行う前処理部、502はセンサから読み出されるセンサ出力を水平方向の複数ライン出力に変換出力する複数ライン出力変換部、503はセンサのベイヤ配列に起因して発生しセンサ出力に重畳されている色キャリア成分を除去し、輝度信号データを生成するローパスフィルタ、504は色キャリア成分除去後の輝度信号データから高域成分を抽出加算し、輝度信号データの輪郭強調を行う輪郭強調補正部、505は輝度信号データのバイアスレベルや、ゲインなどを調整する後処理部である。
【0005】
上記輝度信号処理装置では、処理の最初にローパスフィルタ処理をかけ、高域の色キャリア成分を除去出力して輝度信号の主信号を生成し、その信号を用いて、輪郭強調補正が行われる。ここで、輝度信号処理は、フレーム単位で行われ、輪郭強調程度は、1画面内の全ての領域に対して均一とされている。
【0006】
なお、特許文献1においては、高域成分が減算されることによってノイズリダクションが行われるようになっている。
【特許文献1】特開2001−189944号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら上記のような従来の輝度信号処理装置では、輪郭強調程度が1画面内の全ての領域に対して均一であるため、輪郭強調程度を大きくすると、例えば低照度部でS/Nが低下したり、RGBベイヤ配列での色の変化が激しい境界での残留色キャリア成分から偽の輪郭信号が発生したりして画質の劣化を招くため、適切な輪郭強調を行うことが困難であるという問題点を有していた。
【0008】
本発明は、上記の点に鑑み、低照度部でS/Nを向上させたり、RGBベイヤ配列での色の変化が激しい境界での偽の輪郭信号の発生を抑制したりしつつ、適切な輪郭強調が行われるようにすることを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を解決するため、請求項1の発明は、
2次元イメージセンサからのセンサ信号に基づく画像信号データに基づいて輝度信号データを出力する輝度信号処理装置であって、
上記画像信号データに対して、黒レベル調整、ガンマ補正、およびゲイン補正のうちの少なくとも何れかの処理を行う前処理部と、
上記前処理部から出力される画像信号データに対して、複数ライン分の画像信号データを同時に出力する複数ライン出力変換部と、
上記複数ライン出力変換部から出力される画像信号データに基づいて、色キャリア成分の除去を行う色キャリア成分除去フィルタ部と、
上記色キャリア成分除去フィルタ部から出力される画像信号データに基づいて、輪郭強調補正を行う輪郭強調補正部と、
上記複数ライン出力変換部から出力される画像信号データに基づいて、低域輝度信号レベル、任意色レベル、色差エッジレベル、および赤緑青飽和レベルのうちの少なくとも何れかを検出する検出部と、
を備え、
上記輪郭強調補正部による輪郭強調程度が、画素ごとに、上記検出部による検出結果に応じて設定されるように構成されていることを特徴とする。
【0010】
また、請求項2の発明は、
請求項1の輝度信号処理装置であって、
上記輪郭強調補正部は、
水平方向のラインの画像信号データに対して高域成分を抽出する水平高域バンドパスフィルタと、
垂直方向のラインの画像信号データに対して高域成分を抽出する垂直高域バンドパスフィルタと、
上記水平高域バンドパスフィルタの出力と垂直バンドパスフィルタの出力とを加算して輪郭強調データを求める加算器と、
を有するとともに、
さらに、輪郭強調データに対してコアリング処理を行うコアリング処理部、輪郭強調データを増幅する乗算器、および輪郭強調データを非線形な特性で増幅する非線形増幅部のうちの少なくとも何れかを有し、
上記コアリング処理部のコアリングレベル、乗算器のゲイン、および非線形増幅部の非線形特性のうちの少なくとも何れかが、上記検出部による検出結果に応じて設定されるように構成されていることを特徴とする。
【0011】
また、請求項3の発明は、
請求項2の輝度信号処理装置であって、
上記検出部によって検出される低域輝度信号レベル、任意色レベル、色差エッジレベル、または赤緑青飽和レベルが低いほど、上記輪郭強調補正部による輪郭強調程度が小さく設定されるように構成されていることを特徴とする。
【0012】
また、請求項4の発明は、
上記輪郭強調補正部が、1画面内の所定の領域を指定する領域指定に応じて、上記指定された領域に対してだけ、上記検出部による検出結果に応じた程度で、上記輪郭強調補正を行うように構成されていることを特徴とする。
【0013】
上記のように、色キャリア成分を除去された輝度信号の主信号から輪郭強調補正信号を生成する際、1画素ごとに独立に、輪郭強調補正信号の特性を適応的に変化させられるので、例えば低照度部では輪郭強調信号を抑制してS/N特性を改善し、RGBベイヤー配列での色の変化が激しい境界でも輪郭強調信号を抑制して残留色キャリア成分による偽の輪郭信号発生を軽減し、任意設定色レベルでの輪郭強調補正を弱め、センサーの飽和信号で発生するノイズに対する強調補正を抑制することなどができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、例えば、適切な輪郭強調を行いつつ、低照度部でS/N特性を向上させたり、RGBベイヤ配列での色の変化が激しい境界でも偽の輪郭信号の発生を抑制したり、任意設定色レベルの領域やセンサの飽和信号領域でのノイズ等に対する強調補正を抑制したりすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0016】
図1に示すようなベイヤ配列のカラーフィルタ101を有するイメージセンサから画像信号が出力されると、輝度信号処理装置102によって輝度信号データが生成される。より詳しくは、例えば輝度信号処理装置102を含む撮像装置は、図2に示すように、イメージセンサ601、上記イメージセンサ601の駆動パルスを発生するタイミングジェネレータ602(TG)、イメージセンサ601の出力のノイズを除去し、ゲインをコントロールするCDS/AGC回路603、アナログディジタル変換器604(ADC)、ディジタル信号処理回路605(DSP)、画像データおよび各種データを保存しておくメモリ回路606、およびカメラを制御するマイクロコンピュータ607(CPU)を備えて構成されている。
【0017】
上記ディジタル信号処理回路605は、所定のプログラムが実行されることによって、輝度信号処理装置102として機能するようになっている。より具体的には、例えば図3に示すような機能構成を有している。
【0018】
前処理部201は、上記アナログディジタル変換器604によりA/D変換された画像信号データに対して、黒レベル補正、ガンマ補正、およびゲイン補正等を行うようになっている。
【0019】
複数ライン出力変換部202は、前処理部201から出力される画像信号データを水平方向の複数ライン出力に変換出力するようになっている。
【0020】
色キャリア除去/高域レベル補正フィルタ部203は、イメージセンサ601のベイヤ配列に起因して発生し画像信号に重畳されている色キャリア成分を除去し、輝度信号データを生成するようになっている。
【0021】
輪郭強調補正部204は、色キャリア成分除去後の輝度信号データに対し、水平方向、および垂直方向の高域成分を抽出して加算することにより、輝度信号データの輪郭強調を行うようになっている。なお、この輪郭強調補正部204の詳細な構成については後述する。
【0022】
後処理部205は輝度データのバイアスレベルや、ゲインなどを調整するようになっている。
【0023】
輝度信号レベル検出部207、任意色レベル検出部208、色差エッジ検出部209、およびRGB飽和レベル検出部210は、それぞれ、複数ライン出力変換部202から出力されるRGBベイヤの複数ライン出力より、各画素ごとに、輝度信号レベル、任意色レベル、色差信号のエッジレベル、またはRGB信号の飽和レベルを検出し、それらのレベルに応じて、輪郭強調補正部204の特性を制御する輪郭強調補正係数1〜3を発生するようになっている。
【0024】
ここで、上記検出部207〜210による検出は、必ずしも全て行われる必要はなく、何れかだけが行われるようにしてもよい。また、2つ以上の検出が行われる場合、それぞれによって決定される輪郭強調補正係数1〜3の値が平均や加重平均されるなどしたり、何れかが優先的に用いられるようにしたりしてもよい。
【0025】
1画面内指定エリア発生部211は、図示しない指定信号に応じて、画素単位または所定の領域単位で、上記検出部207〜210による輪郭強調補正部204への輪郭強調補正係数1〜3の設定をそれぞれ有効にするかどうかを示す有効範囲信号を出力するようになっている。
【0026】
AND回路212は、各検出部207〜210から出力される輪郭強調補正係数1〜3のうち、1画面内指定エリア発生部211によって選択される輪郭強調補正係数1〜3だけを有効にして輪郭強調補正部204に入力するようになっている。
【0027】
上記輪郭強調補正部204は、より詳しくは、例えば図4に示すように構成されている。
【0028】
水平高域バンドパスフィルタ301は、輝度信号データの主信号から、水平方向の高域成分を抽出するようになっている。
【0029】
垂直高域バンドパスフィルタ302は、輝度信号データの主信号(複数ライン)から垂直方向の高域成分を抽出するようになっている。
【0030】
加算器303は、上記バンドパスフィルタ301・302によって抽出された水平、垂直方向の高域成分を加算することによって、2次元方向の高域成分(高域抽出信号)を求めるようになっている。
【0031】
コアリング処理部304は、検出部207〜210から(AND回路212を介して)出力される輪郭強調補正係数1に応じた特性でコアリング処理を行うもので、具体的には、例えば水平方向の高域制限をする水平フィルタが用いられる。
【0032】
乗算器305は、検出部207〜210から出力される輪郭強調補正係数2に応じたゲインで、コアリング処理部304から出力される高域抽出信号を増幅するようになっている。
【0033】
非線形処理部306は、検出部207〜210から出力される輪郭強調補正係数3に応じた非線形特性で、乗算器305から出力される高域抽出信号のレベルを調整するようになっている。
【0034】
なお、上記コアリング処理部304、コアリング処理部304、および乗算器305は、必ずしも図4に示す順序で設けられていなくてもよい。
【0035】
上記のように構成された輝度信号処理装置102を含む撮像装置の動作について説明する。
【0036】
まず、撮像光が、図示しないレンズを介してイメージセンサ601に入射すると、フォトダイオードなどにより電気信号に変換され、タイミングジェネレータ602からの駆動パルスに同期する垂直駆動、および水平駆動により、アナログ連続信号である画像信号がイメージセンサ601から出力される。出力された画像信号は、CDS/AGC回路603のサンプルホールド回路(CDS)によって1/fノイズが適切に低減された後、自動ゲインコントロールされ、アナログディジタル変換器604(A/Dコンバータ)に入力されて、ディジタル信号である画像信号データ(RGBデータ)に変換される。変換された画像信号データはディジタル信号処理回路605に入力され、メモリ回路606を介して、輝度処信号理、色分離、カラーマトリクス処理などの各種の処理が行われる。
【0037】
上記輝度信号処理は、詳しくは、次のように行われる。イメージセンサ601のカラーフィルタ配列がRGBベイヤ配列の場合、ディジタル信号処理回路605に取り込まれた画像信号データは、前処理部201の前処理によって、黒レベル調整、ガンマ調整、および色ゲイン調整がなされた後、複数ライン出力変換部202でラインメモリやワークメモリが用いられて出力順序が変換され、複数の水平ラインの画素の画像信号データが順次並列に出力される。
【0038】
複数ライン出力変換部202からの出力は、ベイヤ配列情報が保たれたまま、色キャリア除去/高域レベル補正フィルタ部203に入力され、色キャリアを含むナイキスト周波数近傍の成分が除去され、複数ラインの輝度信号の主信号が生成される。
【0039】
その後、輪郭強調補正部204によって、色キャリア成分除去後の複数ラインの輝度信号から高域成分が抽出加算され、輝度信号の輪郭強調処理が行われる。さらに、後処理部205によって、輝度信号の出力レベルを8ビットレンジで最適化するため輝度信号のバイアスレベル、ゲインなどが調整される。
【0040】
上記輪郭強調処理では、より詳しくは、水平高域バンドパスフィルタ301、および垂直高域バンドパスフィルタ302から出力された高域抽出信号が、加算器303により加算された後、1画素ごとに、検出部207〜210の検出結果に応じた次のような補正処理が行われる。
【0041】
コアリング処理部304では、検出部207〜210から出力される輪郭強調補正係数1に応じて、例えば図5に示すように正と負のコアリングレベルが可変に制御される。そこで、コアリングレベルが大きくなると、結果的に、輪郭強調程度は小さくなるが、低照度部のS/Nが向上することになる。
【0042】
また、乗算器305では、輪郭強調補正係数2に応じて、例えば図6に示すようにゲインが可変に制御される。そこで、ゲインが小さくなると、やはり輪郭強調程度は小さくなるが、低照度部のS/Nが向上することになる。
【0043】
さらに、非線形処理部306では、輪郭強調補正係数3に応じて、例えば図7に示すように入出力特性の立ち上がりの傾きが可変に制御される。そこで、上記傾きが小さくなることによっても、輪郭強調程度は小さくなるが、低照度部のS/Nが向上することになる。なお、入出力レベルの関係は図7のように直線的に限らず、図8に示すように曲線的であるなどしてもよい。
【0044】
一方、輝度信号レベル検出部207は、複数ライン出力変換部202からの出力に基づいて、各1画素の輝度信号レベルを検出し、例えば輝度信号レベルが低いほど(または所定の閾値よりも低い場合に)、輪郭強調程度を小さくするように輪郭強調補正係数1〜3を出力する。
【0045】
また、任意色レベル検出部208は、あらかじめ設定されるなどした任意の色の画素について、例えば輝度レベルが低いほど(または所定の閾値よりも低い場合に)、輪郭強調程度を小さくするように輪郭強調補正係数1〜3を出力する。具体的には、例えば青空や肌の色等に対しては、多くの場合、必ずしも大きな輪郭強調程度を必要としないとともに、S/Nの低下が目立ちやすいので、輪郭強調程度を小さくしてS/Nを向上させることにより、全体的な画像品質を向上させることができる。
【0046】
同様に、色差エッジ検出部209は、各1画素の色差エッジレベルを検出し、例えば色差エッジレベルが低いほど(または所定の閾値よりも低い場合に)、輪郭強調程度を小さくするように輪郭強調補正係数1〜3を出力する。これによって、色差エッジ部分に発生する偽の高域信号が強調されるのを抑えて、画質を向上させることができる。
【0047】
RGB飽和レベル検出部210は、例えば、RGB飽和レベルを1画素ごとに検出して入力信号が設定した飽和レベルより大きいときはセンサー出力が飽和していると判断し、輪郭強調程度を小さくするように輪郭強調補正係数1〜3を出力する。これによって、飽和エリアのエッジに発生する偽の高域信号を抑制するとともに、飽和時のイメージセンサに見られるザラザラ感が強調去れにくいようにして、画質を向上させることができる。
【0048】
上記検出部207〜210の検出結果に応じた輪郭強調補正係数1〜3は、1画面内指定エリア発生部211によって設定有効エリアが指定されている場合には、その指定に応じた画素または領域についてだけ、AND回路212を通過し、実際に輪郭強調補正部204に設定される。これにより、撮影シーンごと、領域ごとなどに、上記のような輝度信号処理を行わせることができる。
【0049】
以上のように、本発明によれば、色キャリア成分が除去された輝度信号の主信号から輪郭強調補正信号を生成する際、1画素ごとに輪郭強調補正信号の特性を低域の輝度信号レベル検出、任意色レベル検出、色差データのエッジレベル検出、RGBベイヤデータの飽和レベル検出により独立に制御適応的に変化できるので、例えば低照度部では輪郭強調信号を抑制してS/N特性を改善し、RGBベイヤー配列での色の変化が激しい境界でも輪郭強調信号を抑制して残留色キャリア成分による偽の輪郭信号発生を軽減し、任意設定色レベルでの輪郭強調補正を弱め、センサーの飽和信号で発生するノイズに対する強調補正を抑制することが1画面内で最適に制御できる。
【産業上の利用可能性】
【0050】
本発明にかかる輝度信号処理装置は、例えば、適切な輪郭強調を行いつつ、低照度部でS/N特性を向上させたり、RGBベイヤ配列での色の変化が激しい境界でも偽の輪郭信号の発生を抑制したり、任意設定色レベルの領域やセンサの飽和信号領域でのノイズ等に対する強調補正を抑制したりすることができるという効果を有し、例えば、ディジタルカメラ用に開発されたイメージセンサから出力される映像信号から広帯域のディジタル輝度信号を得て高解像度画像を得ることなどができる映像信号処理装置等の輝度信号処理装置等として有用である。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】本発明の実施形態におけるカラーフィルタの例を示す説明図である。
【図2】同、輝度信号処理装置102が適用される撮像装置の構成を示すブロック図である。
【図3】同、輝度信号処理装置102の構成を示すブロック図である。
【図4】同、輪郭強調補正部204の具体的な構成を示すブロック図である。
【図5】同、コアリング処理部304の特性の例を示すグラフである。
【図6】同、乗算器305の特性の例を示すグラフである。
【図7】同、非線形処理部306の特性を示すグラフである。
【図8】同、非線形処理部306の特性の他の例を示すグラフである。
【図9】従来の輝度信号処理装置の構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0052】
101 カラーフィルタ
102 輝度信号処理装置
201 前処理部
202 複数ライン出力変換部
203 色キャリア除去/高域レベル補正フィルタ部
204 輪郭強調補正部
205 後処理部
207 輝度信号レベル検出部
208 任意色レベル検出部
209 色差エッジ検出部
210 RGB飽和レベル検出部
211 1画面内指定エリア発生部
212 AND回路
301 水平高域バンドパスフィルタ
302 垂直高域バンドパスフィルタ
303 加算器
304 コアリング処理部
305 乗算器
306 非線形処理部
601 イメージセンサ
602 タイミングジェネレータ
603 CDS/AGC回路
604 アナログディジタル変換器
605 ディジタル信号処理回路
606 メモリ回路
607 マイクロコンピュータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
2次元イメージセンサからのセンサ信号に基づく画像信号データに基づいて輝度信号データを出力する輝度信号処理装置であって、
上記画像信号データに対して、黒レベル調整、ガンマ補正、およびゲイン補正のうちの少なくとも何れかの処理を行う前処理部と、
上記前処理部から出力される画像信号データに対して、複数ライン分の画像信号データを同時に出力する複数ライン出力変換部と、
上記複数ライン出力変換部から出力される画像信号データに基づいて、色キャリア成分の除去を行う色キャリア成分除去フィルタ部と、
上記色キャリア成分除去フィルタ部から出力される画像信号データに基づいて、輪郭強調補正を行う輪郭強調補正部と、
上記複数ライン出力変換部から出力される画像信号データに基づいて、低域輝度信号レベル、任意色レベル、色差エッジレベル、および赤緑青飽和レベルのうちの少なくとも何れかを検出する検出部と、
を備え、
上記輪郭強調補正部による輪郭強調程度が、画素ごとに、上記検出部による検出結果に応じて設定されるように構成されていることを特徴とする輝度信号処理装置。
【請求項2】
請求項1の輝度信号処理装置であって、
上記輪郭強調補正部は、
水平方向のラインの画像信号データに対して高域成分を抽出する水平高域バンドパスフィルタと、
垂直方向のラインの画像信号データに対して高域成分を抽出する垂直高域バンドパスフィルタと、
上記水平高域バンドパスフィルタの出力と垂直バンドパスフィルタの出力とを加算して輪郭強調データを求める加算器と、
を有するとともに、
さらに、輪郭強調データに対してコアリング処理を行うコアリング処理部、輪郭強調データを増幅する乗算器、および輪郭強調データを非線形な特性で増幅する非線形増幅部のうちの少なくとも何れかを有し、
上記コアリング処理部のコアリングレベル、乗算器のゲイン、および非線形増幅部の非線形特性のうちの少なくとも何れかが、上記検出部による検出結果に応じて設定されるように構成されていることを特徴とする輝度信号処理装置。
【請求項3】
請求項2の輝度信号処理装置であって、
上記検出部によって検出される低域輝度信号レベル、任意色レベル、色差エッジレベル、または赤緑青飽和レベルが低いほど、上記輪郭強調補正部による輪郭強調程度が小さく設定されるように構成されていることを特徴とする輝度信号処理装置。
【請求項4】
上記輪郭強調補正部が、1画面内の所定の領域を指定する領域指定に応じて、上記指定された領域に対してだけ、上記検出部による検出結果に応じた程度で、上記輪郭強調補正を行うように構成されていることを特徴とする輝度信号処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2006−279812(P2006−279812A)
【公開日】平成18年10月12日(2006.10.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−99012(P2005−99012)
【出願日】平成17年3月30日(2005.3.30)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】